説明

実装基板および電子装置

【課題】配線基板と電子部品との電気的接続において、高周波特性に関して向上されたものとする。
【解決手段】実装基板は電子部品3の搭載部1aおよび信号導体層1bを含む上面を有している配線基板1と、搭載部1aの周辺に配置されており、信号導体層1bと電子部品3を電気的に接続するための配線層2aを含む主面を有している中継基板2とを備えており、主面は斜面からなる。本実施形態による実装基板は、このような構成を含んでいることによって、中継基板2の配線層2aが直線状に形成されるものとなり、配線層2aにおいて高周波信号の急激な伝搬方向の変化はなく、配線層における高周波信号が劣化するのを低減するものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実装基板および電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、通信速度の高速化および通信容量の増大に伴い従来の電気信号を利用する通信に変わり、レーザーダイオードと光ファイバーを用いた光通信が用いられるようになってきており、レーザーダイオードを実装するための実装基板および電子装置が用いられている。
【0003】
このような実装基板および電子装置は、光通信の用途において需要が高まりつつあり、より高速で大容量の信号を伝送することが要求されている。より高速で大容量の信号を伝送する方法として、より高い周波数の信号を用いて信号を伝送させる方法がある。
【0004】
その方法の1つとして、特許文献1に示す例のように、ビア接続の中継基板を用いることでワイヤボンディング無しで中継基板の厚み分高い位置に信号を伝え、ボンディングワイヤ長さを短くして高周波特性を改善したものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−187670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の例のようにすると、配線導体とビアとの間における高周波信号の急激な伝搬方向の変化によって伝送線路の不連続性が生じ、配線導体とビアとの接続部において高周波信号の反射が発生していた。その結果、配線導体とビアとの接続部において、高周波信号の反射損失が大きくなって高周波信号が劣化するという問題点を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの態様による実装基板は、電子部品の搭載部および信号導体層を含む上面を有している配線基板と、前記搭載部の周辺に配置されており、前記信号導体層と前記電子部品を電気的に接続するための配線層を含む主面を有している中継基板とを備えており、前記主面は斜面からなるとともに、前記主面の上端部が前記搭載部の近傍に位置しており、前記主面の下端部が前記信号導体層の近傍に位置していることを特徴とする。
【0008】
本発明の他の態様による電子装置は、上記構成の実装基板と、前記配線基板の前記搭載部に搭載されており、前記中継基板の前記配線層に電気的に接続された電子部品を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの態様による実装基板において、電子部品の搭載部および信号導体層を含む上面を有している配線基板と、搭載部の周辺に配置されており、信号導体層と電子部品を電気的に接続するための配線層を含む主面を有している中継基板とを備えており、主面は斜面からなるとともに、主面の上端部が搭載部の近傍に位置しており、主面の下端部が信号導体層の近傍に位置している。本発明の一つの態様による実装基板は、このような構成を含んでいることによって、中継基板の配線層が直線状に形成されるものとなり、配線
層において高周波信号の急激な伝搬方向の変化はなく、配線層における高周波信号が劣化するのを低減するものとなる。
【0010】
本発明の他の態様による電子装置は、上記構成の実装基板と、前記配線基板の前記搭載部に搭載されており、前記中継基板の前記配線層に電気的に接続された電子部品を備えていることによって、高周波特性に関して良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)は本発明の一つの実施形態における電子装置を示す平面図であり、(b)は(a)に示された電子装置のA−A線における縦断面図である。
【図2】(a)は図1(a)に示された電子装置において符号Bによって示された部分の拡大図であり、(b)は(a)のA−A線における縦断面図である。
【図3】(a)は本発明の一つの実施形態における電子装置の他の例の要部を拡大して示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における縦断面図である。
【図4】(a)は本発明の一つの実施形態における電子装置の他の例の要部を拡大して示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における縦断面図である。
【図5】(a)は本発明の他の実施形態における電子装置の例の要部を拡大して示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のいくつかの例示的な実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1(a)、(b)および、図2(a)、(b)に拡大図で示されているように、本発明の実施形態における電子装置は、実装基板と、実装基板に搭載された電子部品3とを含んでいる。
【0014】
実装基板は、配線基板1と中継基板2とを備えている。
【0015】
配線基板1は、電子部品3の搭載部1aおよび信号導体層1bを含む上面を有している。
【0016】
中継基板2は、搭載部1aの周辺に配置されており、信号導体層1bと電子部品3を電気的に接続するための配線層2aを含む主面を有している。
【0017】
配線基板1は、高周波信号を効率良く伝達するために信号導体層1bと接地導体がグランド付きコプレナー構造となるように上面接地導体層1d、下面接地導体層1e、ビア導体1fが形成されており、さらに搭載部1aに搭載される電子部品3に電源を供給するための電源導体層1gが形成されている。
【0018】
図1に示された例において、実装基板は電子部品3の搭載部1aおよび信号導体層1bを含む上面を有している配線基板1と、搭載部1aの周辺に配置されており、信号導体層1bと電子部品3を電気的に接続するための配線層2aを含む主面を有している中継基板2とを備えており、中継基板2の主面は斜面からなるものである。本実施形態による実装基板は、このような構成を含んでいることによって、中継基板2の配線層2aが直線状に形成されるものとなり、配線層2aにおいて高周波信号の急激な伝搬方向の変化はなく、配線層における高周波信号が劣化するのを低減するものとなる。
【0019】
また、本実施形態による実装基板は、中継基板2の主面の上端部が電子部品3の搭載部1aの近傍に位置しており、中継基板2の主面の下端部が信号導体層1bの近傍に位置し
ている。本実施形態による実装基板は、このような構成を含んでいることによって、配線基板1の信号導体層1bと中継基板2の配線層2aとの接続および電子部品3と中継基板2の配線層2aとの接続を行う場合にインピーダンスを乱す原因となるボンディングワイヤを短くすることができるようになる。したがって、インピーダンスの乱れが小さい状態で電子部品と接続できるので、高周波特性に関して向上されている。
【0020】
なお、中継基板2の斜面は、中継基板2の下面と成す角度が0度より大きく30度以下の傾きであれば、配線層2aに対してワイヤボンディングを行う場合に影響が低いので、直線状の斜面で良いが、それを超えるとワイヤボンディング性が低下するので、ワイヤボンディングする領域は水平に近い角度としたほうがよい。
【0021】
図1に示された例において、本実施形態による電子装置は、上記構成の実装基板と、実装基板に搭載された電子部品3を備えていることによって、高周波特性に関して向上されている。通常、電源導体層1gと電子部品3はボンディングワイヤ4で接続され、配線基板1上には終端抵抗が配置され電子部品3と接続されている。
【0022】
次に、図1に示された本実施形態における実装基板および電子装置の作成方法について、以下に説明を行う。
【0023】
配線基板1の基材となる絶縁基板1cは、酸化アルミニウム(Al)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,炭化珪素(SiC)質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックスを含む絶縁材料から成るものである。
【0024】
絶縁基板1cは、例えば、酸化アルミニウム質焼結体で形成される場合には、以下の方法により製作される。まず、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムの原材料粉末に適当な有機バインダおよび溶媒を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法等によってシート状に成形し、複数のセラミックグリーンシートを作製する。
【0025】
次に、セラミックグリーンシートのビアが形成される所定位置に金型等を用いた打ち抜き加工やレーザ加工によって貫通孔を形成するとともに、貫通孔に導体ペーストを充填する。また、必要に応じてスクリーン印刷法等によってセラミックグリーンシートの所定位置に導体ペーストを形成する。導体ペーストは、タングステン,モリブデン,モリブデン−マンガン合金等の金属粉末と適当な樹脂バインダおよび溶剤とを混練することにより作製される。レーザ加工によって貫通孔を形成する場合は、金型による加工のように耐久性を考慮した形状とする必要が無く、用途に応じて最適の形状を決定することができるので好ましい。
【0026】
次に、これらセラミックグリーンシートを重ね合わせて圧着して積層体を作製し、この積層体を1500℃〜1600℃程度の高温で焼成することによって配線基板が作製される。
【0027】
絶縁基板1cがガラスセラミックスから成る場合であれば、セラミックグリーンシートが焼結する温度では焼結収縮しない、アルミナ等を主成分とする拘束グリーンシートを積層体の両面に積層して焼成すると、拘束グリーンシートによりセラミックグリーンシートの積層面方向の焼結収縮が抑えられて収縮ばらつきの小さい配線基板1が得られる。
【0028】
また、絶縁基板1cが1300℃程度で焼成できる低温焼成基板の場合には、銅粉末や銀粉末の金属粉末と適当な樹脂バインダおよび溶剤とを混練して作製される導体ペーストを各セラミックグリーンシートの所定位置に形成して重ね合わせ、銅や銀の融点以上の焼成温度で焼成する場合は、導体ペースト中の銅粉末もしくは銀粉末は互いに溶融し溶着しあう
ために、接触抵抗が減少することで熱伝導率がより高くなるので好ましい。
【0029】
信号導体層1bは、例えば密着金属層、拡散防止層および主導体層が順次積層された3層構造の導体層から成る薄膜導体層や、銀(Ag)や銀パラジウム(Ag−Pd)を用いた厚膜導体層で形成できるが、薄膜導体層とすると高精度なパターンを形成できるので好ましい。薄膜導体層の場合であれば、蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法等の薄膜形成法によって各層を形成する。密着金属層は、セラミックス等から成る基体1との密着性を良好とするという観点からは、チタン(Ti),クロム(Cr),タンタル(Ta),ニオブ(Nb),ニッケル−クロム(Ni−Cr)合金,窒化タンタル(TaN)等の熱膨張率がセラミックスと近い金属のうち少なくとも1種より成るのが好ましく、その厚みは0.01〜0.2μm程度が好ましい。密着金属層の厚みが0.01〜0.2μmであると成膜時の内部応力によって基体1から剥離しにくいものとなり、密着金属層を基体1により強固に密着することが可能となる。
【0030】
また、拡散防止層は、密着金属層と主導体層との相互拡散を防ぐという観点からは、白金(Pt),パラジウム(Pd),ロジウム(Rh),ニッケル(Ni),Ni−Cr合金,Ti−W合金等の熱伝導性の良好な金属のうち少なくとも1種より成ることが好ましく、その厚みは0.05〜1μm程度が好ましい。拡散防止層の厚みが0.05〜1μmであるとピンホール等の欠陥が発生しにくいものとなり、また成膜時の内部応力によって密着金属層から剥離しにくいものとなり、拡散防止層を密着金属層により強固に密着することが可能となる。なお、拡散防止層にNi−Cr合金を用いる場合は、Ni−Cr合金は基体1との密着性が良好なため、密着金属層を省くことも可能である。
【0031】
さらに、主導体層は、電気抵抗の小さい金(Au),Cu,Ni,銀(Ag)の少なくとも1種より成ることが好ましく、その厚みは0.1〜5μm程度が好ましい。主導体層の厚みが0.1〜5μmであると主導体層の電気抵抗が大きいものとはならず、配線導体1cに要求される電気抵抗を満足できるものとなる。また成膜時の内部応力によって拡散防止層から剥離しにくいものとなり、主導体層を拡散防止層により強固に密着することが可能となる。なお、Auは貴金属で高価であることから、低コスト化の点でなるべく薄く形成することが好ましい。また、Cuは酸化し易いので、その上にNiおよびAuからなる保護層を被覆してもよい。
【0032】
接地導体層である上面接地導体層1dおよび下面接地導体層1eは、信号導体層1bと同様の材料および形成方法で作成すればよく、例えば密着金属層、拡散防止層および主導体層が順次積層された3層構造の導体層から成る薄膜導体層や、銀(Ag)や銀パラジウム(Ag−Pd)を用いた厚膜導体層で形成できるが、薄膜導体層とすると高精度なパターンを形成できるので好ましい。なお、上面接地導体層1dの一部分は平面方向において信号導体層1bを所定の間隔をおいて挟むように形成されてコプレナー構造となっており、信号導体層1bがほぼ一定のインピーダンスとなっている。また、上面接地導体層1dと下面接地導体層1eとは、ビア導体1fにより電気的に接続されている。
【0033】
中継基板2は、配線基板1と同様な材料と製造工程で作成できる。
【0034】
中継基板2の基材となる絶縁基板1cは、酸化アルミニウム(Al)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,炭化珪素(SiC)質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックスを含む絶縁材料から成るものである。
【0035】
配線層2aは、信号導体層1bと同様の材料および形成方法で作成すればよく、例えば密着金属層、拡散防止層および主導体層が順次積層された3層構造の導体層から成る薄膜導体層や、銀(Ag)や銀パラジウム(Ag−Pd)を用いた厚膜導体層で形成できるが、
薄膜導体層とすると高精度なパターンを形成できるので好ましい。薄膜導体層の場合であれば、蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法等の薄膜形成法によって各層を形成する。密着金属層は、セラミックス等から成る基体1との密着性を良好とするという観点からは、チタン(Ti),クロム(Cr),タンタル(Ta),ニオブ(Nb),ニッケル−クロム(Ni−Cr)合金,窒化タンタル(TaN)等の熱膨張率がセラミックスと近い金属のうち少なくとも1種より成るのが好ましく、その厚みは0.01〜0.2μm程度が好ましい。また、拡散防止層は、密着金属層と主導体層との相互拡散を防ぐという観点からは、白金(Pt),パラジウム(Pd),ロジウム(Rh),ニッケル(Ni),Ni−Cr合金,Ti−W合金等の熱伝導性の良好な金属のうち少なくとも1種より成ることが好ましく、その厚みは0.05〜1μm程度が好ましい。なお、拡散防止層にNi−Cr合金を用いる場合は、Ni−Cr合金は基体1との密着性が良好なため、密着金属層を省くことも可能である。さらに、主導体層は、電気抵抗の小さい金(Au),Cu,Ni,銀(Ag)の少なくとも1種より成ることが好ましく、その厚みは0.1〜5μm程度が好ましい。
【0036】
図2(a)、(b)に示された例において、本実施形態による電子装置は、上面接地導体層1dと電気的に接続された接地導体層2bがコプレナー構造となるように配線層2aの両側に形成しており、中継基板2の配線層2aがほぼ一定のインピーダンスとなっている。
【0037】
また、中継基板2が斜面に配線層2aと接地導体層2bを形成したコプレナー構造であるものとするには、平板状の絶縁基体に配線層2aと接地導体層2bとなる導体層を形成した後、絶縁基体の裏面を斜めに切断必要に応じて絶縁基体の側面を切断することによって作成すれば良い。
【0038】
接地導体層2bは、信号導体層1bと同様の材料および形成方法で作成すればよく、例えば密着金属層、拡散防止層および主導体層が順次積層された3層構造の導体層から成る薄膜導体層や、銀(Ag)や銀パラジウム(Ag−Pd)を用いた厚膜導体層で形成できるが、薄膜導体層とすると高精度なパターンを形成できるので好ましい。
【0039】
コプレナー構造の中継基板2は、絶縁性の接合材を介して配線基板1に接合されている。
【0040】
電子部品3は、例えばレーザーダイオード(LD)等の発光素子やフォトダイオード(PD)等の受光素子である。電子部品3は、配線基板1の主面に実装されている。電子部品3は、上面接地導体層1d上に設けられており、ボンディングワイヤ4によって信号導体層1bに電気的に接続されている。
【0041】
本実施形態の実装基板において、電子部品3の搭載部1aおよび信号導体層1bを含む上面を有している配線基板1と、搭載部1aの周辺に配置されており、信号導体層1bと電子部品3を電気的に接続するための配線層2aを含む主面を有している中継基板2とを備えており、中継基板2の主面は斜面からなるものである。本実施形態による実装基板は、このような構成を含んでいることによって、中継基板2の配線層2aが直線状に形成されるものとなり、配線層2aにおいて高周波信号の急激な伝搬方向の変化はなく、配線層における高周波信号が劣化するのを低減するものとなる。
【0042】
本実施形態による実装基板において、中継基板2の主面の上端部が電子部品3の搭載部1aの近傍に位置しており、中継基板2の主面の下端部が信号導体層1bの近傍に位置している。本実施形態による実装基板は、このような構成を含んでいることによって、配線基板1の信号導体層1bと中継基板2の配線層2aとの接続および電子部品3と中継基板
2の配線層2aとの接続を行う場合にインピーダンスを乱す原因となるボンディングワイヤを短くすることができるようになる。したがって、インピーダンスの乱れが小さい状態で電子部品と接続できるので、高周波特性に関して向上されている。
【0043】
本実施形態による電子装置において、上記構成の実装基板と、配線基板1の搭載部1aに搭載されており、中継基板2の配線層2aに電気的に接続された電子部品3を備えていることによって、高周波特性に関して良好なものとなる。
【0044】
(第2の実施形態)
図3(a)、(b)に示された例において、本実施形態による電子装置は、配線基板1の信号導体層1bおよび上面接地導体層1dと中継基板2の配線層2aおよび接地導体層2bをボンディングワイヤー4の代わりにろう材等からなる導電性の接続材5で接続すると、配線基板1と中継基板2の接続部でのインピーダンスの乱れをより小さくできるようになるので好ましい。なお、信号導体層1bと配線層2aとの接続部付近で、配線幅が他の部分より幅が狭くなるように形成すると接続材5で接続する時に接続部の配線厚みが厚くなることによってインピーダンスが低下することを防ぐことができるので好ましい。また、中継基板2の直下は下面接地導体層1eを未形成とすると、中継基板2のコプレナー構造に与える下面接地導体層1eの影響を小さくできるようになり、配線層2aのインピーダンスの設計が容易になるので好ましい。
【0045】
(第3の実施形態)
図4(a)、(b)に示された例において、本実施形態による電子装置は、中継基板2の配線層2aの下面付近の配線基板1の絶縁基板1cに凹部1hを形成すると、中継基板2のコプレナー構造に与える下面接地導体層1eの影響をより小さくできるようになるので、配線層2aのインピーダンスの設計が容易になるので好ましい。
【0046】
(第4の実施形態)
図2〜図4では中継基板2においてコプレナー構造の例を示しているが、配線層2aのインピーダンスを整合させるために、図5(a)、(b)のように斜面を持った導電性のスペーサ2dを上面接地導体層1d上に導電性の接合材で接合し、スペーサ2dの斜面上にマイクロストリップ構造とした平板状の基板を導電性の接合材で接合してもよい。この場合は構造は複雑になるが、配線層2aは配線基板1のグランドの影響を受けにくいものとなり、設計が容易になるので好ましい。
【符号の説明】
【0047】
1・・・・・配線基板
1a・・・・搭載部
1b・・・・信号導体層
1c・・・・絶縁基板
1d・・・・上面接地導体層
1e・・・・下面接地導体層
1f・・・・ビア導体
1g・・・・電源導体層
1h・・・・凹部
2・・・・・中継基板
2a・・・・配線層
2b・・・・接地導体層
2c・・・・絶縁基体
2d・・・・スペーサ
3・・・・・電子部品
4・・・・・ボンディングワイヤ
5・・・・・接続材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品の搭載部および信号導体層を含む上面を有している配線基板と、
前記搭載部の周辺に配置されており、前記信号導体層と前記電子部品を電気的に接続するための配線層を含む主面を有している中継基板とを備えており、
前記主面は斜面からなるとともに、前記主面の上端部が前記搭載部の近傍に位置しており、前記主面の下端部が前記信号導体層の近傍に位置していることを特徴とする実装基板。
【請求項2】
請求項1に記載された実装基板と、
前記配線基板の前記搭載部に搭載されており、前記中継基板の前記配線層に電気的に接続された電子部品を備えていることを特徴とする電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−98184(P2013−98184A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236457(P2011−236457)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】