説明

害虫駆除のための、インダニル−およびテトラヒドロナフチル−アミノ−チオウレア化合物

害虫駆除のための、インダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物。本発明は、式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物に関し、式中、可変のR1からR4は明細書中の説明のとおりである。本発明はまた、昆虫類、クモ類、または線虫類を駆除するかまたは防除するための方法、生育中の植物を昆虫類、クモ類、または線虫類の攻撃または侵襲から防護するための方法、種子を土壌の昆虫類から防護し、および苗木の根と芽を土壌と葉に付く昆虫類から防護する方法、ならびに、侵襲または感染に対して、動物を処置し、害虫を防除し、害虫を予防し、または害虫から防護するための方法にも関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は害虫駆除のための、インダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
害虫、とりわけ昆虫類、クモ類、および線虫類は、生育中の作物および収穫後の作物を破壊し、木造の住居および商業的構造物を攻撃して食物の供給と建造物に大きな経済的損失を生じさせる。非常に多数の殺虫剤が知られているが、標的となる害虫がそのような殺虫剤に対しての耐性を獲得する能力があるため、害虫駆除のための新規の薬剤は現在でも必要とされている。とりわけ、昆虫類、クモ類、および線虫類などの害虫は効果的に駆除することが困難である。
【0003】
従来技術については、米国特許第3,953,506号、米国特許第3,953,606号、米国特許第4,005,140号、および米国特許第4,062,856号に、ウレイドテトラリン化合物およびそれらの除草剤および/もしくは動物成長調節剤としての使用が述べられている。
【特許文献1】米国特許第3,953,506号
【特許文献2】米国特許第3,953,606号
【特許文献3】米国特許第4,005,140号
【特許文献4】米国特許第4,062,856号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、良好な殺虫性を有し、多数の様々な害虫、特に防除の困難な昆虫類、クモ類、および線虫類に対して広い活性スペクトルを示す化合物を提供することが本発明の目的である。
【0005】
しかし、害虫駆除のためのものとしてインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物がこれまでに報告されたことはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物:
【化1】

【0007】
(式中、nは1または2であり;
mは1、2、3、または4であって、mが1よりも大きい場合には、R1基は同じまたは異なる意味を有していてもよく、
R1は、水素、ハロゲン、OH、SH、NH2、SO3H、COOH、シアノ、アジド、ニトロ、ホルミル、CONH2、CSNH2、CH=N-OH、CH=N-O-(C1-C6)-アルキル、C(=O)R1c、C(=S)R1c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C1-C8-アルキルチオ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルケニルアミノ、C2-C6-アルケニルチオ、C2-C6-アルキニル、C2-C6-アルキニルオキシ、C2-C6-アルキニルアミノ、C2-C6-アルキニルチオ、C1-C6-アルキルスルホニル、C1-C6-アルキルスルホキシル、C2-C6-アルケニルスルホニル、C2-C6-アルキニルスルホニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C2-C6-アルケニルオキシ)カルボニル、(C2-C6-アルキニルオキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)カルボニルオキシ、(C2-C6-アルケニル)カルボニルオキシまたは(C2-C6-アルキニル)カルボニルオキシ、(C2-C6-アルケニル)カルボニルアミノ(ここで上記の基の脂肪族基中の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された、1、2、または3個の基の任意の組み合わせを有していてもよい。);
C(O)NR1aR1b、(SO2)NR1aR1b(式中、R1aおよびR1bはそれぞれ独立に、水素、OH、NH2、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、またはC2-C6-アルキニルであり、
R1cは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、ヒドラジノ、(C1-C6-アルキル)ヒドラジノ、ジ(C1-C6-アルキル)ヒドラジノ、フェニル、およびヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは単環または二環の5から10員のヘテロ芳香環とすることができ、そのヘテロ芳香環にはO、S、およびNから選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含む。)から選択される。);
Y-Ar基またはY-Cy基(式中、
Yは単結合、酸素、イオウ、窒素、C1-C6-アルカンジイル、またはC1-C6-アルカンジイルオキシであり;
Arはフェニル、ナフチル、または単環もしくは二環の5から10員のヘテロ芳香環であり、そのヘテロ芳香環は、環員として、2個の酸素原子、2個のイオウ原子、および3個の窒素原子から選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含み、ここでArは置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオから互いに独立に選択された1から5個の基の任意の組み合わせを有していてもよく;
CyはC3-C12-シクロアルキルであり、それは置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群からお互いに独立に選択された1から5個の基で置換されている。);
から選択され;
ここで、フェニル環の隣接する炭素原子と結合しているR1基は、その炭素原子とともに、融合したベンゼン環、融合した飽和もしくは部分的不飽和の、5員、6員、もしくは7員の炭素環、または融合した5員、6員、もしくは7員のヘテロ環を形成してもよく、ヘテロ環は、環員として、2個の酸素原子、2個のイオウ原子、および3個の窒素原子から選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含み、ここでその融合した環は置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された1、2、3、または4個の基を有していてもよい;
R2は、水素、C(=O)R2d、C(=S)R2d、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルアミノ、C2-C6-アルキニル、C2-C6-アルキニルアミノ、ジ(C2-C6-アルキニル)アミノ、C1-C6-アルキルスルホニル、C2-C6-アルケニルスルホニル、C2-C6-アルキニルスルホニル、C3-C12-シクロアルキル、P(=O)R2aR2b、P(=S)R2aR2b、NR2aR2b、SiR2aR2b R2c、N=CR2aR2b、CR2a=NR2b;フェニル、または単環もしくは二環式の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は、酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでもよく、また、その環は置換されていないかまたは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換されている。)から選択され;式中、
R2a、R2b、およびR2cは、各々独立に水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ(ここで、これらの基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から3個の置換基で置換されていてもよい。)から選択される;
R2dは、水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C2-C6-アルキニルアミノ、ジ(C2-C6-アルキニル)アミノ、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ(ここで、これらの基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から3個の置換基で置換されていてもよい。);フェニル、または単環もしくは二環の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでもよく、その環は置換されていないか、または、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせて置換されている。)から選択される;
R3、R4は、水素、シアノ、ニトロ、ホルミル、C(=O)R3c/または4c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)メチレン、C1-C6-アルキルスルフィニル、C1-C6-アルキルスルフェニル、またはC1-C6-アルキルスルホニル(ここで、上記脂肪族基の炭素原子は、互いに独立にハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から選択された1、2、または3個の基の任意の組み合わせを有していてもよい。)、C(O)NR3a/または4aR3b/または4b、(SO2)NR3a/または4aR3b/または4b、フェニル、フェニルオキシ、またはベンジルから選択され、この最後の3種の基の各々は置換されていないか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシからなる群から互いに独立に選択された1から5個の基で置換されていてもよく;および式中、
R3a/または4aおよびR3b/または4bは、それぞれ独立に、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、またはC2-C6-アルキニルであり;R3c/または4cは、それぞれ独立に、水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、フェニル、およびヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、単環または二環の5員から10員のヘテロ芳香環とすることができ、O、S、およびNから選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含む。)から選択され;
ただし、R3とR4のうちの少なくとも1つは水素である。);
あるいは、それらのエナンチオマーおよび農業的もしくは獣医学的に許容される塩は、
高い殺虫活性を示し、広範なスペクトルの害虫、具体的には、昆虫類、クモ類、および線虫類に対して活性を有する。
【0008】
本発明は、式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物
【化2】

【0009】
および/またはその農業的もしくは獣医学的に許容される塩に関し、ここで変動部分は上記で式Iに関して定義した意味を有するが、ただし、式Iは3-(1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフチル)-チオウレア誘導体(ここで(R1)m、R3およびR4は水素であり、R2は水素、もしくはR2はCH3である)を表すものではない。
【0010】
本発明はまた、式Iの化合物および式Iの化合物の塩の害虫駆除のための使用、および害虫駆除の方法にも関し、その方法は、害虫そのもの、害虫が生育する、もしくは生育しうる、生息地(habit)、繁殖地、餌、植物、種子、土壌、地域、材料、もしくは環境、または害虫の攻撃や侵襲から防護しようとする材料、植物、種子、土壌、表面、もしくは空間を、殺虫に有効な量の、少なくとも1種の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物、および/もしくは農業上許容される少なくとも1種のそれらの化合物の塩と接触させることを含む。
【0011】
さらに、本発明は、作物を害虫、具体的には昆虫類、クモ類、もしくは線虫類による攻撃や侵襲から防護する方法を提供し、その方法は、作物を殺虫に有効な量の、少なくとも1種の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物、および/もしくは少なくとも1種のそれらの化合物の塩と接触させることを含む。
【0012】
さらに、本発明は、農業用組成物に関し、それは好ましくは直接噴霧可能な溶液、エマルジョン、ペースト、油性分散物、粉剤、散布用(scattering)剤、倍散剤(dust)の形態、または顆粒の形態であり、それらは少なくとも1種の上記で定義した式Iの1-(1,2-ジフェニルエチル)-3-(2-ヒドロキシエチル)-チオウレア化合物、および/もしくは少なくとも1種のその塩を、1種以上の農学的に許容される、不活性な、固形もしくは液体の担体、および所望により少なくとも1種の界面活性剤を含んでなる。
【0013】
本発明の別の目的は、現在存在する殺虫剤より低い使用量で用いることのできる、動物にとってより安全な殺虫剤で、寄生虫の長期間にわたる残留防除(residual control)が可能な殺虫剤を提供して、動物の体内および体表の寄生虫を駆除する新しい方法を提供することである。
【0014】
式Iの化合物は1個以上のキラル中心を有するものとすることができ、そのような場合には、それらの化合物は立体異性体、例えばエナンチオマーやジアステレオマーの混合物として存在する。本発明は純粋な立体異性体、例えば純粋なエナンチオマーやジアステレオマーなどと、それらの混合物の双方を提供する。式Iの化合物はまた、種々の互変異性体の形態でも存在しうる。本発明は単一の互変異性体(分離可能であれば)、および互変異性体の混合物を含んでいる。
【0015】
本発明での使用に適した式Iの化合物の塩は特に、農業上許容される塩である。それらの塩は、通常の方法、例えば、式Iの化合物が塩基性であるならば対象としている陰イオンの酸と化合物を反応させることにより、または式Iの酸性化合物を適切な塩基と反応させることにより形成することができる。
【0016】
農業上有用な好適な塩は、酸の陽イオンおよび陰イオンがそれぞれ本発明の化合物の作用に対して害作用を有さないような陽イオンの塩もしくは酸付加塩である。好適な陽イオンは、具体的には、アルカリ金属のイオン、好ましくはリチウム、ナトリウム、およびカリウム、アルカリ土類金属のイオン、好ましくはカルシウム、マグネシウム、およびバリウム、遷移金属のイオン、好ましくはマンガン、銅、亜鉛、および鉄、またアンモニウム(NH4+)および置換されたアンモニウムであって1から4個の水素原子がC1-C4-アルキル、C1-C4-ヒドロキシアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、ヒドロキシ- C1-C4-アルコキシ- C1-C4-アルキル、フェニル、および/もしくはベンジルで置換されたものである。置換されたアンモニウムイオンの例としては、メチルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウム、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルアンモニウム、ビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、およびベンジルトリエチルアンモニウム、さらに、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホニウム、およびスルホキソニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホキソニウムが挙げられる。
【0017】
有用な酸付加塩の陰イオンの主なものは、塩素、臭素、フッ素、硫化水素、硫酸、リン酸二水素、リン酸一水素、リン酸、硝酸、炭酸水素、炭酸、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロリン酸、安息香酸、および、C1-C4-アルカン酸、好ましくはギ酸、酢酸、プロピオン酸、および酪酸の陰イオンである。それらの陰イオンは式Iの化合物を対応する陰イオンの酸、好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、もしくは硝酸と反応させることによって形成させることができる。
【0018】
変動部分についての上述の定義中で言及した有機化学的部分は、例えばハロゲンのように、個々の基を構成する個々に列挙されたものの総称的用語である。Cn-Cmという先頭部分はそれぞれその基での炭素原子数でとりうる数を示している。
【0019】
ハロゲンとはそれぞれ、フッ素、臭素、塩素、またはヨードを意味し、特にフッ素、塩素、または臭素を意味している。
【0020】
その他の意味についての例としては:
本明細書で用いている「C1-C6-アルキル」、ならびにC1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルキルスルホニル、C1-C6-アルキルスルホキシル、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、C1-C6-アルキルチオカルボニル、およびC1-C6-アルキルカルボニルオキシのアルキル部分にある「C1-C6-アルキル」とは、1から6個の炭素原子、特に1から4個の炭素原子を有する、直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、およびデシル、ならびにそれらの異性体が挙げられる。C1-C4-アルキルとは、例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、または1,1-ジメチルエチルなどを意味する。
【0021】
本明細書で用いている「C1-C6-ハロアルキル」とは、1から6個の炭素原子(上述のとおり)を有する、直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和アルキル基であって、それらの基の水素原子のいくつかもしくは全てを上述のハロゲン原子で置換しうるものであり、例えば、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチルなどが挙げられる。
【0022】
本明細書で用いている「C1-C6-アルコキシ」とは、1から6個の炭素原子(上述のとおり)を有する、直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和アルキル基であって、酸素原子を介して結合しているものである。そのようなC1-C6-アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、OCH2-C2H5、OCH(CH3)2、n-ブトキシ、OCH(CH3)-C2H5、OCH2-CH(CH3)2、OC(CH3)3、n-ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、1-エチルプロポキシ、n-ヘキソキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシ、1-エチル-2-メチルプロポキシなどが含まれる。
【0023】
本明細書で用いている「C1-C6-ハロアルコキシ」とは、上述のC1-C6-アルコキシ基であって、その水素原子が部分的にまたは完全にフッ素、塩素、臭素および/もしくはヨウ素で置換されているものを意味し、すなわちそのようなC1-C6-ハロアルコキシとして、例えば、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、2-ブロモエトキシ、2-ヨードエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、2-フルオロプロポキシ、3-フルオロプロポキシ、2,2-ジフルオロプロポキシ、2,3-ジフルオロプロポキシ、2-クロロプロポキシ、3-クロロプロポキシ、2,3-ジクロロプロポキシ、2-ブロモプロポキシ、3-ブロモプロポキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、3,3,3-トリクロロプロポキシ、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ、ヘプタフルオロプロポキシ、1-(フルオロメチル)-2-フルオロエトキシ、1-(クロロメチル)-2-クロロエトキシ、1-(ブロモメチル)-2-ブロモエトキシ、4-フルオロブトキシ、4-クロロブトキシ、4-ブロモブトキシ、ノナフルオロブトキシ、5-フルオロ-1-ペントキシ、5-クロロ-1-ペントキシ、5-ブロモ-1-ペントキシ、5-ヨード-1-ペントキシ、5,5,5-トリクロロ-1-ペントキシ、ウンデカフルオロペントキシ、6-フルオロ-1-ヘキソキシ、6-クロロ-1-ヘキソキシ、6-ブロモ-1-ヘキソキシ、6-ヨード-1-ヘキソキシ、6,6,6-トリクロロ-1-ヘキソキシ、またはドデカフルオロヘキソキシ、特に、クロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、または2,2,2-トリフルオロエトキシなどが挙げられる。
【0024】
本明細書で用いている「C1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルキル」とは、C1-C6-アルコキシであって、1個の炭素原子が上述のC1-C6-アルコキシ基を有している。例としては、CH2-OCH3、CH2-OC2H5、n-プロポキシメチル、CH2-OCH(CH3)2、n-ブトキシメチル、 (1-メチルプロポキシ)メチル、(2-メチルプロポキシ)メチル、CH2-OC(CH3)3、2-(メトキシ)エチル、2-(エトキシ)エチル、2-(n-プロポキシ)エチル、2-(1-メチルエトキシ)エチル、2-(n-ブトキシ)エチル、2-(1-メチルプロポキシ)エチル、2-(2-メチルプロポキシ)エチル、2-(1,1-ジメチルエトキシ)エチル、2-(メトキシ)プロピル、2-(エトキシ)プロピル、2-(n-プロポキシ)プロピル、2-(1-メチルエトキシ)プロピル、2-(n-ブトキシ)プロピル、2-(1-メチルプロポキシ)プロピル、2-(2-メチルプロポキシ)プロピル、2-(1,1-ジメチルエトキシ)プロピル、3-(メトキシ)プロピル、3-(エトキシ)プロピル、3-(n-プロポキシ)プロピル、3-(1-メチルエトキシ)プロピル、3-(n-ブトキシ)プロピル、3-(1-メチルプロポキシ)プロピル、3-(2-メチルプロポキシ)プロピル、3-(1,1-ジメチルエトキシ)プロピル、2-(メトキシ)ブチル、2-(エトキシ)ブチル、2-(n-プロポキシ)ブチル、2-(1-メチルエトキシ)ブチル、2-(n-ブトキシ)ブチル、2-(1-メチルプロポキシ)ブチル、2-(2-メチルプロポキシ)ブチル、2-(1,1-ジメチルエトキシ)ブチル、3-(メトキシ)ブチル、3-(エトキシ)ブチル、3-(n-プロポキシ)ブチル、3-(1-メチルエトキシ)ブチル、3-(n-ブトキシ)ブチル、3-(1-メチルプロポキシ)ブチル、3-(2-メチルプロポキシ)ブチル、3-(1,1-ジメチルエトキシ)ブチル、4-(メトキシ)ブチル, 4-(エトキシ)ブチル、4-(n-プロポキシ)ブチル、4-(1-メチルエトキシ)ブチル、4-(n-ブトキシ)ブチル、4-(1-メチルプロポキシ)ブチル、4-(2-メチルプロポキシ)ブチル、4-(1,1-ジメチルエトキシ)ブチルなどが挙げられる。
【0025】
本明細書で用いている「(C1-C6-アルキル)カルボニル」とは、アルキル基のいずれかの結合の箇所でカルボニル基の炭素原子を介して結合している、1から6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の飽和アルキル基(上述のとおり)を意味する。C1-C6-アルキルカルボニルの例としては、CO-CH3、CO-C2H5、n-プロピルカルボニル、1-メチルエチルカルボニル、n-ブチルカルボニル、1-メチルプロピルカルボニル、2-メチルプロピルカルボニル、1,1-ジメチルエチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、1-メチルブチルカルボニル、2-メチルブチルカルボニル、3-メチルブチルカルボニル、1,1-ジメチルプロピルカルボニル、1,2-ジメチルプロピルカルボニル、2,2-ジメチルプロピルカルボニル、1-エチルプロピルカルボニル、n-ヘキシルカルボニル、1-メチルペンチルカルボニル、2-メチルペンチルカルボニル、3-メチルペンチルカルボニル、4-メチルペンチルカルボニル、1,1-ジメチルブチルカルボニル、1,2-ジメチルブチルカルボニル、1,3-ジメチルブチルカルボニル、2,2-ジメチルブチルカルボニル、2,3-ジメチルブチルカルボニル、3,3-ジメチルブチルカルボニル、1-エチルブチルカルボニル、2-エチルブチルカルボニル、1,1,2-トリメチルプロピルカルボニル、1,2,2-トリメチルプロピルカルボニル、1-エチル-1-メチルプロピルカルボニル、または1-エチル-2-メチルプロピルカルボニルなどが挙げられる。
【0026】
本明細書で用いている「(C1-C6-アルコキシ)カルボニル」とは、カルボニル基の炭素原子を介して結合している、1から6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルコキシ基(上述のとおり)を意味し、例えば、CO-OCH3、CO-OC2H5、COO-CH2-C2H5、CO-OCH(CH3)2、n-ブトキシカルボニル、CO-OCH(CH3)- C2H5、CO-OCH2-CH(CH3)2、CO-OC(CH3)3、n-ペントキシカルボニル、1-メチルブトキシカルボニル、2-メチルブトキシカルボニル、3-メチルブトキシカルボニル、2,2-ジメチルプロポキシカルボニル、1-エチルプロポキシカルボニル、n-ヘキソキシカルボニル、1,1-ジメチルプロポキシカルボニル、1,2-ジメチルプロポキシカルボニル、1-メチルペントキシカルボニル、2-メチルペントキシカルボニル、3-メチルペントキシカルボニル、4-メチルペントキシカルボニル、1,1-ジメチルブトキシカルボニル、1,2-ジメチルブトキシカルボニル、1,3-ジメチルブトキシカルボニル、2,2-ジメチルブトキシカルボニル、2,3-ジメチルブトキシカルボニル、3,3-ジメチルブトキシカルボニル、1-エチルブトキシカルボニル、2-エチルブトキシカルボニル、1,1,2-トリメチルプロポキシカルボニル、1,2,2-トリメチルプロポキシカルボニル、1-エチル-1-メチルプロポキシカルボニル、1-エチル-2-メチルプロポキシカルボニルなどが挙げられる。
【0027】
本明細書で用いている「(C1-C6-アルキル)カルボニルオキシ」とは、アルキル基のいずれかの結合の箇所でカルボニルオキシ基の炭素原子を介して結合している、1から6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の飽和アルキル基(上述のとおり)を意味し、例えば、O-CO-CH3、O-CO-C2H5、n-プロピルカルボニルオキシ、1-メチルエチルカルボニルオキシ、n-ブチルカルボニルオキシ、1-メチルプロピルカルボニルオキシ、2-メチルプロピルカルボニルオキシ、1,1-ジメチルエチルカルボニルオキシ、n-ペンチルカルボニルオキシ、1-メチルブチルカルボニルオキシ、2-メチルブチルカルボニルオキシ、3-メチルブチルカルボニルオキシ、1,1-ジメチルプロピルカルボニルオキシ、または1,2-ジメチルプロピルカルボニルオキシが挙げられる。
【0028】
本明細書で用いている「C1-C6-アルキルチオ(C1-C6-アルキルスルファニル:C1-C6-アルキル-S-)」とは、イオウ原子を介して結合している、1から6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の飽和アルキル基(上述のとおり)を意味し、そのようなC1-C4-アルキルチオとして、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、1-メチルエチルチオ、ブチルチオ、1-メチルプロピルチオ、2-メチルプロピルチオ、1,1-ジメチルエチルチオ、n-ペンチルチオカルボニル、1-メチルブチルチオ、2-メチルブチルチオ、3-メチルブチルチオ、2,2-ジメチルプロピルチオ、1-エチルプロピルチオ、n-ヘキシルチオ、1,1-ジメチルプロピルチオ、1,2-ジメチルプロピルチオ、1-メチルペンチルチオ、2-メチルペンチルチオ、3-メチルペンチルチオ、4-メチルペンチルチオ、1,1-ジメチルブチルチオ、1,2-ジメチルブチルチオ、1,3-ジメチルブチルチオ、2,2-ジメチルブチルチオ、2,3-ジメチルブチルチオ、3,3-ジメチルブチルチオ、1-エチルブチルチオ、2-エチルブチルチオ、1,1,2-トリメチルプロピルチオ、1,2,2-トリメチルプロピルチオ、1-エチル-1-メチルプロピルチオ、または1-エチル-2-メチルプロピルチオなどが挙げられる。
【0029】
本明細書で用いている「C1-C6-アルキルチオカルボニル」とは、カルボニル基の炭素原子を介して結合している、1から6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキルチオ基(上述のとおり)を意味する。例としては、CO-SCH3、CO-SC2H5、CO-SCH2-C2H5、CO-SCH(CH3)2、n-ブチルチオカルボニル、CO-SCH(CH3)-C2H5、CO-S CH2-CH(CH3)2、CO-SC(CH3)3、n-ペンチルチオカルボニル、1-メチルブチルチオカルボニル、2-メチルブチルチオカルボニル、3-メチルブチルチオカルボニル、2,2-ジメチルプロピルチオカルボニル、1-エチルプロピルチオカルボニル、n-ヘキシルチオカルボニル、1,1-ジメチルプロピルチオカルボニル、1,2-ジメチルプロピルチオカルボニル、1-メチルペンチルチオカルボニル、2-メチルペンチルチオカルボニル、3-メチルペンチルチオカルボニル、4-メチルペンチルチオカルボニル、1,1-ジメチルブチルチオカルボニル、1,2-ジメチルブチルチオカルボニル、1,3-ジメチルブチルチオカルボニル、2,2-ジメチルブチルチオカルボニル、2,3-ジメチルブチルチオカルボニル、3,3-ジメチルブチルチオカルボニル、1-エチルブチルチオカルボニル、2-エチルブチルチオカルボニル、1,1,2-トリメチルプロピルチオカルボニル、1,2,2-トリメチルプロピルチオカルボニル、1-エチル-1-メチルプロピルチオカルボニル、または1-エチル-2-メチルプロピルチオカルボニルが挙げられる。
【0030】
本明細書で用いている「C1-C6-アルキルスルフィニル」(C1-C6-アルキルスルホキシル: C1-C6-アルキル-S(=O)-)とは、アルキル基のいずれかの結合の箇所でスルフィニル基のイオウ原子を介して結合している、1から6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基(上述のとおり)を意味し、例えば、SO-CH3、SO-C2H5、n-プロピルスルフィニル、1-メチルエチルスルフィニル、n-ブチルスルフィニル、1-メチルプロピルスルフィニル、2-メチルプロピルスルフィニル、1,1-ジメチルエチルスルフィニル、n-ペンチルスルフィニル、1-メチルブチルスルフィニル、2-メチルブチルスルフィニル、3-メチルブチルスルフィニル、1,1-ジメチルプロピルスルフィニル、1,2-ジメチルプロピルスルフィニル、2,2-ジメチルプロピルスルフィニル、1-エチルプロピルスルフィニル、n-ヘキシルスルフィニル、1-メチルペンチルスルフィニル、2-メチルペンチルスルフィニル、3-メチルペンチルスルフィニル、4-メチルペンチルスルフィニル、1,1-ジメチルブチルスルフィニル、1,2-ジメチルブチルスルフィニル、1,3-ジメチルブチルスルフィニル、2,2-ジメチルブチルスルフィニル、2,3-ジメチルブチルスルフィニル、3,3-ジメチルブチルスルフィニル、1-エチルブチルスルフィニル、2-エチルブチルスルフィニル、1,1,2-トリメチルプロピルスルフィニル、1,2,2-トリメチルプロピルスルフィニル、1-エチル-1-メチルプロピルスルフィニル、または1-エチル-2-メチルプロピルスルフィニルが挙げられる。
【0031】
本明細書で用いている「C1-C6-アルキルアミノ」とは、上記で定義したアルキル基を1つ有している第2アミノ基を意味し、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、1-メチルエチルアミノ、ブチルアミノ、1-メチルプロピルアミノ、2-メチルプロピルアミノ、1,1-ジメチルエチルアミノ、ペンチルアミノ、1-メチルブチルアミノ、2-メチルブチルアミノ、3-メチルブチルアミノ、2,2-ジメチルプロピルアミノ、1-エチルプロピルアミノ、ヘキシルアミノ、1,1-ジメチルプロピルアミノ、1,2-ジメチルプロピルアミノ、1-メチルペンチルアミノ、2-メチルペンチルアミノ、3-メチルペンチルアミノ、4-メチルペンチルアミノ、1,1-ジメチルブチルアミノ、1,2-ジメチルブチルアミノ、1,3-ジメチルブチルアミノ、2,2-ジメチルブチルアミノ、2,3-ジメチルブチルアミノ、3,3-ジメチルブチルアミノ、1-エチルブチルアミノ、2-エチルブチルアミノ、1,1,2-トリメチルプロピルアミノ、1,2,2-トリメチルプロピルアミノ、1-エチル-1-メチルプロピルアミノ、または1-エチル-2-メチルプロピルアミノが挙げられる。
【0032】
本明細書で用いている「ジ(C1-C6-アルキル)アミノ」とは、上記で定義したアルキル基を2個有する第3アミノ基を意味し、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ-n-プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ、N-(n-プロピル)-N-メチルアミノ、N-(イソプロピル)-N-メチルアミノ、N-(n-ブチル)-N-メチルアミノ、N-(n-ペンチル)-N-メチルアミノ、N-(2-ブチル)-N-メチルアミノ、N-(イソブチル)-N-メチルアミノ、N-(n-ペンチル)-N-メチルアミノ、N-(n-プロピル)-N-エチルアミノ、N-(イソプロピル)-N-エチルアミノ、N-(n-ブチル)-N-エチルアミノ、N-(n-ペンチル)-N-エチルアミノ、N-(2-ブチル)-N-エチルアミノ、N-(イソブチル)-N-エチルアミノ、N-(n-ペンチル)-N-エチルアミノが挙げられる。
【0033】
本明細書で用いている「C1-C6-アルキルスルホニル」(C1-C6-アルキル-S(=O)2-)とは、アルキル基のいずれかの結合の箇所でスルホニル基のイオウ原子を介して結合している、1から6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の飽和アルキル基(上述のとおり)を意味し、例えば、SO2-CH3、SO2-C2H5、n-プロピルスルホニル、SO2-CH(CH3)2、n-ブチルスルホニル、1-メチルプロピルスルホニル、2-メチルプロピルスルホニル、SO2-C(CH3)3、n-ペンチルスルホニル、1-メチルブチルスルホニル、2-メチルブチルスルホニル、3-メチルブチルスルホニル、1,1-ジメチルプロピルスルホニル、1,2-ジメチルプロピルスルホニル、2,2-ジメチルプロピルスルホニル、1-エチルプロピルスルホニル、n-ヘキシルスルホニル、1-メチルペンチルスルホニル、2-メチルペンチルスルホニル、3-メチルペンチルスルホニル、4-メチルペンチルスルホニル、1,1-ジメチルブチルスルホニル、1,2-ジメチルブチルスルホニル、1,3-ジメチルブチルスルホニル、2,2-ジメチルブチルスルホニル、2,3-ジメチルブチルスルホニル、3,3-ジメチルブチルスルホニル、1-エチルブチルスルホニル、2-エチルブチルスルホニル、1,1,2-トリメチルプロピルスルホニル、1,2,2-トリメチルプロピルスルホニル、1-エチル-1-メチルプロピルスルホニルまたは1-エチル-2-メチルプロピルスルホニルが挙げられる。
【0034】
本明細書ならびにC2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルケニルアミノ、C2-C6-アルケニルチオ、C2-C6-アルケニルスルホニル、(C2-C6-アルケニル)カルボニル、(C2-C6-アルケニルオキシ)カルボニルおよび(C2-C6-アルケニル)カルボニルオキシのアルケニル部分で用いている「C2-C6-アルケニル」とは、2個から6個の炭素原子といずれかの位置に1つの二重結合を有する直鎖状または分枝鎖状の不飽和の炭化水素基を意味し、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチル-エテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル、および1-エチル-2-メチル-2-プロペニルが挙げられる。
【0035】
本明細書で用いている「C2-C6-アルケニルオキシ」という用語は、酸素原子を介して結合している、2から6個の炭素原子を有する(上述のとおり)、直鎖状または分枝鎖状の飽和アルケニル基を意味し、例えば、ビニルオキシ、アリルオキシ(プロペン-3-イルオキシ)、メタリルオキシ、ブテン-4-イルオキシなどが挙げられる。
【0036】
本明細書で用いている「C2-C6-アルケニルチオ」という用語は、イオウ原子を介して結合している、2から6個の炭素原子を有する(上述のとおり)、直鎖状または分枝鎖状の飽和アルケニル基を意味し、例えば、ビニルスルファニル、アリルスルファニル (プロペン-3-イルチオ)、メタリルスルファニル、ブテン-4-イルスルファニルなどが挙げられる。
【0037】
本明細書で用いている「C2-C6-アルケニルアミノ」という用語は、イオウ原子を介して結合している2から6個の炭素原子を有する(上述のとおり)、直鎖状または分枝鎖状の飽和アルケニル基を意味し、例えば、ビニルアミノ、アリルアミノ (プロペン-3-イルアミノ)、メタリルアミノ、ブテン-4-イルアミノなどが挙げられる。
【0038】
本明細書で用いている「C2-C6-アルケニルスルホニル」という用語は、スルホニル (SO2)基を介して結合している、2から6個の炭素原子を有する(上述のとおり)、直鎖状または分枝鎖状の飽和アルケニル基を意味し、例えば、ビニルスルホニル、アリルスルホニル(プロペン-3-イルスルホニル)、メタリルスルホニル、ブテン-4-イルスルホニルなどが挙げられる。
【0039】
本明細書中、およびC2-C6-アルキニルオキシ、C2-C6-アルキニルアミノ、C2-C6-アルキニルチオ、C2-C6-アルキニルスルホニル、C2-C6-アルキニルカルボニル、C2-C6-アルキニルオキシカルボニル、およびC1-C6-アルキニルカルボニルオキシのアルキニル部分で用いている「C2-C6-アルキニル」とは、2から10個の炭素原子を有し、少なくとも1つの3重結合を含んでいる、直鎖状または分枝鎖状の不飽和炭化水素を意味し、例えば、エチニル、プロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イル、n-ブト-1-イン-1-イル、n-ブト-1-イン-3-イル、n-ブト-1-イン-4-イル、n-ブト-2-イン-1-イル、n-ペント-1-イン-1-イル、n-ペント-1-イン-3-イル、n-ペント-1-イン-4-イル、n-ペント-1-イン-5-イル、n-ペント-2-イン-1-イル、n-ペント-2-イン-4-イル、n-ペント-2-イン-5-イル、3-メチルブト-1-イン-3-イル、3-メチルブト-1-イン-4-イル、n-ヘキス-1-イン-1-イル、n-ヘキス-1-イン-3-イル、n-ヘキス-1-イン-4-イル、n-ヘキス-1-イン-5-イル、n-ヘキス-1-イン-6-イル、n-ヘキス-2-イン-1-イル、n-ヘキス-2-イン-4-イル、n-ヘキス-2-イン-5-イル、n-ヘキス-2-イン-6-イル、n-ヘキス-3-イン-1-イル、n-ヘキス-3-イン-2-イル、3-メチルペント-1-イン-1-イル、3-メチルペント-1-イン-3-イル、3-メチルペント-1-イン-4-イル、3-メチルペント-1-イン-5-イル、4-メチルペント-1-イン-1-イル、4-メチルペント-2-イン-4-イル、または4-メチルペント-2-イン-5-イルなどが挙げられる。
【0040】
本明細書で用いている「C2-C6-アルキニルオキシ」という用語は、酸素原子を介して結合している、2から6個の炭素原子を有する(上述のとおり)、直鎖状または分枝鎖状の飽和アルキニル基を意味し、例えば、プロパルギルオキシ(プロピン-3-イルオキシ)、ブチン-3-イルオキシ、およびブチン-4-イルオキシが挙げられる。
【0041】
本明細書で用いている「C2-C6-アルキニルチオ」という用語は、イオウ原子を介して結合している、2から6個の炭素原子を有する(上述のとおり)、直鎖状または分枝鎖状の飽和アルキニル基を意味し、例えば、プロパルギルスルファニル(プロピン-3-イルチオ)、ブチン-3-イルスルファニル、およびブチン-4-イルスルファニルが挙げられる。
【0042】
本明細書で用いている「C2-C6-アルキニルアミノ」という用語は、イオウ原子を介して結合している、2から6個の炭素原子を有する(上述のとおり)、直鎖状または分枝鎖状の飽和アルキニル基を意味し、例えば、プロパルギルアミノ(プロピン-3-イルアミノ)、ブチン-3-アミノ、およびブチン-4-イルアミノが挙げられる。
【0043】
本明細書で用いている「C2-C6-アルキニルスルホニル」という用語は、スルホニル(SO2)基を介して骨格と結合している、2から6個の炭素原子を有する(上述のとおり)、直鎖状または分枝鎖状の飽和アルキニル基を意味し、例えば、プロパルギルスルホニル(プロピン-3-イルスルホニル)、ブチン-3-イルスルホニル、およびブチン-4-イルスルホニルが挙げられる。
【0044】
本明細書で用いている「C3-C12-シクロアルキル」という用語は、3から12個の炭素原子、特に3から6個の炭素原子を有する、単環式、二環式、または多環式炭化水素基を意味する。単環式基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、およびシクロデシルが挙げられる。二環式基の例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、およびビシクロ[3.2.1]ノニルが挙げられる。三環式基の例としては、アダマンチル、およびホモアダマンチルが挙げられる。
【0045】
本明細書で用いている「単環、または二環のヘテロ芳香環」という用語は、5員または6員の単環式ヘテロ芳香族基で、それは融合した5、6、または7員環を含んでいても良く、その結果環の員数の合計は8から10となり、ここでそれぞれの場合において、これらの環を構成する1、2、3、または4つの員は互いに独立に、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択されたヘテロ原子である。そのヘテロ環式基は分子の残りの部分と環の1員である炭素、または環の1員である窒素を介して結合することができる。融合した環としては、C5-C7-シクロアルキル、C5-C7-シクロアルケニル、または5員から7員のヘテロシクリルおよびフェニルが含まれる。
【0046】
単環式で5員から6員のヘテロ芳香環の例としては、トリアジニル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、およびイソキサゾリルが含まれる。
融合したフェニル環を有する5員から6員のヘテロ芳香環の例としては、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾ[b]チアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、およびベンゾイミダゾリルが挙げられる。融合したシクロアルケニル環を有する5員から6員のヘテロ芳香環の例としては、ジヒドロインドリル、ジヒドロインドリジニル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、クロメニル、クロマニルなどが挙げられる。
【0047】
「5員から7員のヘテロシクリル」という用語は、上記で定義した単環式ヘテロ芳香環および芳香族でない飽和または部分的に不飽和なヘテロ環で5、6、または7員のものを含んでいる。芳香族でない環の例としては、ピロリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、1,3-ジオキソラニル、ジオキソレニル、チオラニル、ジヒドロチエニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、オキサゾニリル、イソキサゾリニル、チアゾニニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、チオピラニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チアジニルなどが含まれる。
【0048】
式Iの化合物の殺虫活性に関しては、変動部分(互いに独立にもしくはそれ以外の他の変動部分のいずれかと組み合わされた)下記の意味を有する、式Iの化合物が好ましい:
nが1である、式Iのインダニル-アミノ-チオウレア化合物。
【0049】
nが2である、式Iのテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物。
【0050】
mが1、2、または3である、式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物。
【0051】
好ましくは、mが1または2である、式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物。
【0052】
より好ましくは、mが1である、式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物。
【0053】
式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、R1は、シアノ、アジド、ハロゲン、OH、SH、NH2、CONH2、SO3H、COOH、C(=O)R1c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノから選択され、ここで前述の基の脂肪族基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシからなる群から互いに独立に選択された、1、2、もしくは3個の基の任意の組み合わせと結合していてもよく、R1cは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、フェニル、およびヘテロアリールから選択され、ヘテロアリールは単環、もしくは二環の5員から10員のヘテロ芳香環とすることができ、O、S、およびNから選択された1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子を含む、
化合物。
【0054】
式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、R2はC(=O)R2d、C(=S)R2d、C1-C6-アルキル、フェニル、または単環もしくは二環の5員から10員の芳香環系から選択されたもので、その芳香環系は酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、その環は置換されていないかもしくはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオからなる群から選択された1つから5つの基の任意の組み合わせで置換され;R2dは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C2-C6-アルキニルアミノ、ジ(C2-C6-アルキニル)アミノ、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ(ここでこれらの基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から3個の置換基で置換されていてもよい。);フェニル、または単環もしくは二環式の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は、酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、また、その環は置換されていないかまたは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換される)から選択される;
化合物。
【0055】
より好ましくは、式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、R2はC(=O)R2d、フェニル、または単環もしくは二環の5員から10員の芳香環系から選択され、その芳香環系は酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、その環は置換されていないかもしくはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオからなる群から選択された1つから5つの基の任意の組み合わせで置換され;R2dはC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C2-C6-アルキニルアミノ、ジ(C2-C6-アルキニル)アミノ、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ(ここでこれらの基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から3個の置換基で置換されていてもよい。);フェニル、または単環もしくは二環式の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は、酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでおり、また、その環は置換されていないかまたは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換されている。)から選択される、
化合物である。
【0056】
最も好ましくは、式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、R2はC(=O)R2d、フェニル、または単環もしくは二環の5員から10員の芳香環系から選択され、該芳香環系は酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、その環は置換されていないかもしくはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオからなる群から選択された1つから5つの基の任意の組み合わせで置換され;R2dはC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、フェニル、または単環もしくは二環式の5から10員の芳香環系から選択され、該芳香環系は酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、また、該環は置換されていないかまたは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換される、
化合物である。
【0057】
好ましいのは、式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、R3、R4は、水素、シアノ、C(=O)R3c/または4c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)メチレン、C1-C6-アルキルスルフィニル、C1-C6-アルキルスルフェニル、またはC1-C6-アルキルスルホニルから選択され;ここでR3c/または4cはそれぞれ独立に、水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、フェニル、およびヘテロアリール(単環または二環の5員から10員のヘテロ芳香環とすることができ、O、S、およびNから選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含む。)から選択される;
ただし、R3とR4のうちの少なくとも1つは水素である、
化合物である。
【0058】
より好ましくは、式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、R3、R4は、水素、シアノ、C(=O)R3c/または4c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、(C1-C6-アルコキシ)メチレン、C1-C6-アルキルスルフィニル、C1-C6-アルキルスルフェニル、またはC1-C6-アルキルスルホニルから選択され;ここでR3c/または4cは、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、フェニル、およびヘテロアリール(単環または二環の5員から10員のヘテロ芳香環とすることができ、O、S、およびNから選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含む。)から選択され;
ただし、R3とR4のうちの少なくとも1つは水素である、化合物である。
【0059】
最も好ましいのは、式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、R3およびR4は、水素、シアノ、C(=O)R3c/または4c、(C1-C6-アルコキシ)メチレンから選択され、ここでR3c/または4cは、C1-C6-アルキルまたはC1-C6-アルコキシから選択される;
ただし、R3とR4のうちの少なくとも1つは水素である、化合物である。
【0060】
特に好ましいのは、式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、R3とR4が双方とも水素のものである。
【0061】
本発明の化合物は、例えば対応するアミンIIから下記のスキームに概略を示した合成経路によって調製することができる。
【化3】

【0062】
上記スキームに概説した方法に従って、アミンII(またはその塩)は、対応するイソチオシアナートIVへと、従来の方法、例えばIIをチオホスゲンと反応させることによって、変換される(例えば、Houber-Weyl, E4, 「有機化学の方法」"Methoden der Organischen Chemie" 第IIc章, pp837-842, Georg Thieme Verlag, 1983を参照せよ)。次いで、そのイソチオシアナートIVをアミノエタノールVと反応させ、それによってチオウレアIIIbを得る。
【0063】
アミノエタノールとイソチオシアナートIVとの反応は有機化学の標準的な方法で行うことができ、例えば、Biosci. Biotech. Biochem. 56(7), 1062-65(1992)を参照せよ。
【0064】
式IIIaとIIIbの化合物は、R2を改変することによって一般式IIIの新規の化合物へとさらに変換することができる。具体的には、R2が水素の場合には、これらの化合物IIIcは、下記のスキームおよび記述に概説しているとおり、有機化学者にはよく知られており当業界でよく知られている方法によって、例えばカルボン酸またはカルボン酸クロリドと、例えばエステル化反応によって変換することができ、または求電子剤、例えばアルキル化剤と反応させることによる求電子的置換によって変換することができる。
【化4】

【0065】
式Iの化合物はその優れた活性のため、有害な昆虫類、クモ類、および線虫類から選択された害虫を防除するために用いることができる。従って、本発明はさらに、そのような害虫を駆除するための農業用組成物を提供し、その組成物は、殺虫作用を示す量の一般式Iの化合物の少なくとも1種、または少なくとも1種の農業上有用な式Iの塩、および少なくとも1種の不活性な、農業上許容される、液体および/もしくは固体の担体を含んでおり、また、所望により、少なくとも1種の界面活性剤を含んでいる。
【0066】
そのような組成物は、本発明の式Iの単一の活性化合物、または式Iのいくつかの活性化合物の混合物を含有してもよい。本発明の組成物は個々の異性体のうちの1種または異性体の混合物、また個々の互変異性体または互変異性体の混合物を含んでいてもよい。
【0067】
害虫
式Iの化合物、およびそれらの化合物を含んでいる殺虫作用のある組成物は、昆虫類、クモ類、および線虫類から選択された害虫の防除に有効な薬剤である。式Iの化合物によって防除される害虫としては、例えば:
鱗翅目(lepidopteran (Lepidoptera))の昆虫としては、例えばアグロテス・イプシロン(Argotis ypsilon)、アグロテス・セゲタム(Agrotis segetum)、アラバマ・アルジラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア・ゲマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルジレスチア・コンジュゲラ(Argyresthia conjugella)、オートグラファ・ガマ(Autographa gamma)、ブパラス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ムリナナ(Cacoecia murinana)、カプア・レチキュラナ(Capua reticulana)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、チョリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、チョリストネウラ・オクシデンタリス(Choristoneura occidentalis)、シルピス・ウニプンクタ(Cirphis unipuncta)、チデイア・ポモネーラ(Cydia pomonella)、デンドロリマス・ピニ(Dendrolimus pini)、ダイアファニア・ニチダリス(Diaphania nitidalis)、ダイアトラエア・グランディオセーラ(Diatraea grandiosella)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エラスモパルパス・リグノセーラス(Elasmopalpus lignosellus)、オイポエシリア・アムピグエーラ(Eupoecilia ambiguella)、エベトリア・ブーリアナ(Evetria bouliana)、フェルチア・サブテーラネア(Feltia subterranea)、ガレリア・メロネーラ(Galleria mellonella)、グラホリタ・フネブラナ(Grapholita funebrana)、グラホリタ・モレスタ、(Grapholita molesta)、ヘリオテス・アルミゲラ(Heliothis armigera)、ヘリオテス・ピレセンス(Heliothis virescens)、ヘリオテス・ジー(heliothis zea)、ヘールラ・アンダリス(Hellula undalis)、ヒベルニア・デフォリアリア(Hibernia defoliaria)、ヒファントリア・クネア(Hyphantria cunea)、ヒポノムータ・マリネラス(Hyponomeuta malinellus)、ケイフェリア・リコペルシセーラ(Keiferia lycopersicella)、ラムブディナ・フィセラリア(Lambdina fiscellaria)、ラフィグマ・エクシグア(Laphygma exigua)、ロイコプテラ・カフィーラ(Leucoptera coffeella)、ロイコプテラ・シテルラ(Leucoptera scitella)、リソコレーチス・ブランカルデーラ(Lithocolletis blancardella)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)、ロクソステーゲ・スティクティカリス(Loxostege sticticalis)、リマントリア・ディスパー(Lymantria dispar)、リマントリア・モナチャ(Lymantria monacha)、リオネチア・クレルケーラ(Lyonetia clerkella)、マラコソマ・ノイストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシーカエ(Mamestra brassicae)、オルギィア・プソイドツガタ(Orgyia pseudotsugata)、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パノリス・フラメア(Panolis flamea)、ペクチノフォラ・ゴシィピエーラ(Pectinophora gossypiella)、ペリドロマ・サウシア(Peridroma Saucia)、ファレラ・ブスファーラ(Phalera bucephala)、フトリマエア・オペルキュレーラ(Phthorimaea operculella)、フィロチスティス・シトレーラ(Phyllochitis citrella)、ピエリス・ブラシーカ(Pieris brassicae)、プラティペナ・スカルブラ(Plathypena scarbra)、プルテーラ・キシロステーラ(Plutella xylostella)、プソイドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、フィアシオニア・フルストラナ (Phyacionia frustrana)、スクロビパルプラ・アブソルタ(Scrobipalpula absoluta)、シトトロガ・セレレーラ(Sitotroga cerelella)、スパルガノティス・ピレリアナ(Sparganothis pilleriana)、スポドプテラ・フルジペルダ(Spodoptera frugiperda)、スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)、スポドプテラ・リチュラ(Spodoptera litura)、タウマトポエア・ピティオカムパ(Thaumatopoea pityocampa)、トリトリックス・ビリダナ(Tortrix viridana),トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)、およびザイラフェラ・カナデンシス(Zeiraphera canadensis);
鞘翅目(beetle (Coleoptera))としては、例えばアグリラス・シヌアタス(Agrilus sinuatus)、アグリオテス・リネアタス(Agriotes lineatus)、アグリオテス・オブスキュラス(Agriotes obscurus)、アンフィマーラス・ソルスティティアリス(Amphimallus solstitialis)、アニサンドラス・ディスパー(Anisandrus dispar),アンソノムス・グランディス(Anthonomus grandis)、アンソノムス・ポモラム(Anthonomus pomorum)、アトマリア・リネアリム(Atomaria linearis)、ブラストファグス・ピニペルダ(Blastophagus piniperda)、ブリトファガ・ウンダタ(Blitophaga undata)、ブルカス・ルフィマヌス(Bruchus rufimanus)、ブルカス・ピソラム(Bruchus pisorum)、ブルカス・レンティス(Bruchus lentis)、ビクティスカス・ベツラエ(Byctiscus betulae)カシィーダ・ネビュローサ(Cassida nebulosa)、セロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、シュートリーンカス・アッシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、シュートリーンカス・ナピ(Ceuthorrhynchus napi)、チャエトクネマ・ティビアリル(Chaetocnema tibialis)、コノデラス・ベスペルティナス(Conoderus vespertinus)、クリオセリス・アスパラギー(Crioceris asparagi)、ダイアブロティカ・ロンジコロニス(Diabrotica longicornis)、ダイアブロティカ・12−プンクタタ(Diabrotica 12-punctata)、ダイアブロティカ・ビルジフェラ(Diabrotica virgifera)、エピラシュナ・バリベスティス(Epilachna varivestis)、エピトリックス・ヒルティペニス(Epitrix hirtipennis)、オイティノボスラス・ブラシリエンシス(Eutinobothrus brasiliensis)、ヒロビウス・アビエティス(Hylobius abietis)、ヒペラ・ブルネイペニス(Hypera brunneipennis)、ヒペラ・ポスティカ(Hypera postica)、イプス・ティポグラファス(Ips typographus)、レマ・ビリネアタア(Lema bilineata)、レマ・メラノプス(Lema melanopus)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リモニウス・カリフォルニカス(Limonius californicus)、リソルホプトラス・オリゾフィラス(Lissorhoptrus oryzophilus)、メラノタス・コミュニス(Melanotus communis)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・ヒポカスタニ(Melolontha hippocastani)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、オンレマ・オリーザ(Onlema oryzae)、オルティオリーンカス・サルカタス(Ortiorrhynchus sulcatus)、オルティオリーンカス・オバタス(Otiorrhynchus ovatus)、ファエドン・コックレアリア(Phaedon cochleariae)、ピロトレタ・クリソセファラ(Phyllotreta chrysocephala)、フィロフィガ・エスピー(Phyllophaga sp.)、フィロペルサ・ホルティコラ(Phyllopertha horticola)、フィロトレタ・ネモラム(Phyllotreta nemorum)、フィロトレタ・ストリオラタ(Phyllotreta striolata)、ポピーリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、シトナ・リネアタス(Sitona lineatus)、およびシトフィラス・グラナリア(Sitophilus granaria);
双翅目(dipteran(Diptera))としては、例えばアエデス・アエジプティ(Aedes aegypti)、アエデス・ベクサンス(Aedes vexans)、アナストレファ・ルーデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペニス(Anopheles maculipennis)、セラティティス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリソミヤ・ベジーアナ(Chrysomya bezziana)、クリソミヤ・ホミニポラックス(Chrysomya hominivorax)、クリソミヤ・マセーラリア(Chrysomya macellaria)、コンタリニア・ソルジヒコラ(Contarinia sorghicola)、コルディロビア・アンスロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、キュレックス・ピピエンス(Culex pipiens)、ダカス・キュキュルビテア(Dacus cucurbitae)、ダカス・オレアレ(Dacus oleae)、ダシネウラ・ブラシーカ(Dasineura brassicae)、ファニア・カニキュラリス(Fannia canicularis)、ガステロフィラス・インティティナリス(Gasterophilus intestinalis)、グロシア・モルシタンス(Glossia morsitans)、ヘマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)、ハプロディプロシス・エケストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒーレミア・プラチュラ(Hylemyia platura)、ヒポデルマ・リネアタ(Hypoderma lineata)、リリオミザ・サチバエ(Liriomyza sativae)、リリオミザ・トリフォリィ(Liriomyza trifolii)、ルシリア・カプリナ(Lucilia caprina)、ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、ルシリア・セリカタ(Lucilia sericata)、リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、マエティオラ・デストラクター(Mayetiola destructor)、ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica)、ムシーナ・スタビュランス(Muscina stabulans)、オエストラス・オビス(Oestrus ovis)、オッシネーラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミア・ヒソシャーミ(Pegomya hysocyami)、フォルビア・アンティカ(Phorbia antiqua)、フォルビア・ブラシーカ(Phorbia brassicae)、フォレビア・コアルクタタ(Phorbia coarctata)、ラゴレティス・セラシ(Rhagoletis cerasi)、ラゴレティス・ポモネーラ(Rhagoletis pomonella)、タバナス・ボビヌス(Tabanus bovinus)、ティプラ・オレラセア(Tipula oleracea)、およびティプラ・パルドサ(Tipula paludosa);
総翅目(thrip(Thysanoptera))としては、例えばジクロモスリップス・コルベッティ(Dichromothrips corbetti)、フランクリニエーラ・フスカ(Frankliniella fusca)、フランクリニエーラ・オクシデンタリス(Frankliniella occidentalis)、フランクリニエーラ・トリティシ(Frankliniella tritici)、シルトスリップス・シトリ(Scirtothrips citri)、スリップス・オリザエ(Thrips oryzae)、スリップス・パルミ(Thrips palmi)、およびスリップス・タバシ(Thrips tabaci);
膜翅目(hymenopteran(Hymentoptera))としては、例えばアサリア・ロザエ(Athalia rosae)、アタ・セファロテス(Atta cephalotes)、アタ・セックスデンス(Atta sexdens)、アタ・テキサナ(Atta texana)、ホプロカンパ・ミヌタ(Hoplocampa minuta)、ホプロカンパ・テスチュディネア(Hoplocampa testudinea)、モノモリウム・ハァラオニス(Monomorium pharaonis)、ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata)、およびソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta);
異翅亜目(Heteroptera)としては、例えばアクロステルナム・ヒラレ(Acrosternum hilare)、ブリサッス・ロイコプテラス(Blissus leucopterus)、シルトペルティス・ノタタス(Cyrtopeltis notatus)、ディスデルカス・シングラタス(Dysdercus cingulatus)、ディスデルカス・インテルメディアス(Dysdercus intermedius)、オイリーガスター・インテグリセプス(Eurygaster integriceps)、オイチスタス・イミクティベントリス(Euchistus imictiventris)、レプトグローサス・フィロープス(Leptoglossus phyllopus)、リーガス・リネオラリス(Lygus lineolaris)、リーガス・プラテンシス(Lygus pratensis)、ネザラ・ビリデゥラ(Nezara viridula)、ピエズマ・カドラタ(Piesma quadrata)、ソルベア・インスラリス(Solubea insularis)、およびティアンタ・ペルディトール(Thyanta perditor);
同翅亜目(homopteran(Homoptera))としては、例えばアシルトシフォン・オノブリーシス(Acyrthosiphon onobrychis)、アデルゲス・ラリシス(Adelges laricis)、アフィドラ・ナスチュルティ(Aphidula nasturtii)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)、アフィス・フォーベシ(Aphis forbesi)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)、アフィス・ゴシピイ(Aphis gossypii)、アフィス・グロッスラリエ(Aphis grossulariae)、アフィス・スキネイデリ(Aphis schneideri)、アフィス・スピラエコラ(Aphis spiraecola)、アフィス・サンブシ(Aphis sambuci)、アシルソシフォン・ピスムAcyrthosiphon pisum)、アウラコルスム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア・アルゲンチフォリ(Bemisia argentifolli)、ブラチーカウダス・カルデゥイ(Brachycaudus cardui)、ブラチーカウダス・ヘリクリシ(Brachycaudus helichrysi)、ブラチーカウダス・ペルシカエ(Brachycaudus persicae)、ブラチーカウダス・プルニコラ(Brachycaudus prunicola)、ブレブコリンネ・ブラシイーカ(Brevicoryne brassicae)、カピトホルス・ホーニ(Capitophorus horni)、セロシィファ・ゴシィープイ(Cerosipha gossypii)、カエトシホン・フラガエフォリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ドレフュシア・ノルドマンニィアナエ(Dreyfusia nordmannianae)、ドレフュシア・ピセェア(Dreyfusia piceae)、ディサフィス・ラジコラ(Dysaphis radicola)、、ディサウラコルツム・プソイドソラニ(Dysaulacorthum pseudosolani)、ディサフィス・プランタジネア(Dysaphis plantaginea)、ディサフィス・ピリ(Dysaphis pyri)、エムポアスカ・ファベイー(Empoasca fabae)、ヒアロプテルス・プルニ(Hyalopterus pruni)、ヒペロミズス・ラクツカエ(Hyperomyzus lactucae)、マクロシフム・アベナエ(Macrosiphum avenae)、マクロシフム・オイフォルビア(Macrosiphum euphorbiae)、マクロシフム・ロザエ(Macrosiphum rosae)、メグーラ・ビシア(Megoura viciae)、メラナフィス・ピラリウス(Melanaphis pyrarius)、メトポロフィウム・ディルホダム(Metopolophium dirhodum)、ミゾデス・ペルシカエ(Myzodes persicae)、ミザス・アスカロニカス(Myzus ascalonicus)、ミザス・セラシー(Myzus cerasi)、ミザス・ペルシカエ(Myzus persicae)、ミザス・バリアンス(Myzus varians)、ナソノビア・リビス-ニグリ(Nasonovia ribis-nigri)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、ペムフィガス・バルサリウス(Pemphigus bursarius)、ペルキンシェラ・サッカリシィデ(Perkinsiella saccharicida)、フォロドン・フムリー(Phorodon humuli)、プシーラ・マリ(Psylla mali)、プシーラ・ピリ(Psylla piri)、ロパロミーズス・アスカロニカス(Rhopalomyzus ascalonicus)、ロパロシィフム・マイディス(Rhopalosiphum maidis)、ロパロシィフム・パディ(Rhopalosiphum padi)、ロパロシィフム・インセーツム(Rhopalosiphum insertum)、サパフィス・マラ(Sappaphis mala)、サパフィス・マリー(Sappaphis mali)、シザフィス・グラミナム(Schizaphis graminum)、シゾネウラ・ラヌジイノサ(Schizoneura lanuginosa)、シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)、トリアロイロデス・バポラリオラム(Trialeurodes vaporariorum)、トキソプテラ・アウランチイアンド(Toxoptera aurantiiand)、およびビテウス・ビティフォリー(Viteus vitifolii);
等翅目(termite(Isoptera))としては、例えばカロテルメス・フラビコーリス(Calotermes flavicollis)、ロイコテルミス・フラビペス(Leucotermes flavipes)、レティキュリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifuqus)、レティキュリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、およびテルメス・ナタレンシス(Termes natalensis);
直翅目(orthopteran(Orthoptera))としては、例えばアチタ・ドメスチカ(Acheta domestica)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッタ・ジェルマニカ(Blatta germanica)、フォルフィキュラ・アウリキュラリア(Forficula auricularia)、グリーロタルパ・グリーロタルパ(Gryllotalpa gryllotalpa)、ロカスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)、メラノプラス・ビヴィッタツス(Melanoplus bivittatus)、メラノプラス・フェムル−ルブラム(Melanoplus femur-rubrum)、メラノプラス・メキシカナス(Melanoplus mexicanus)、メラノプラス・サングイニペス(Melanoplus sanguinipes)、メラノプラス・スプレタス(Melanoplus spretus)、ノマダリクス・セプテムファシィアータ(Nomadacris septemfasciata)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)、シストセルサ・アメリカーナ(Schistocerca americana)、シストセルサ・ペレグリナ(Schistocerca peregrina)、スタウロノタス・マロッカナス(Stauronotus maroccanus)、およびタキシネス・アシーナモラス(Tachycines asynamorus);
クモ綱(Arachnoidea)、例えばクモ類(arachnid、ダニ目(Acarina))としては、ヒメダニ科(Argasidae)、マダニ科(Ixodidae)、およびヒセンダニ科(Sarcoptidae)、例えばアムブリオンマ・アメリカナム(Amblyomma americanum)、アムブリオンマ・バリエガタム(Amblyomma variegatum)、アルガス・ペルシカス(Argas persicus)、ブーフィラス・アンヌラタス(Boophilus annulatus)、ブーフィラス・デコロラタス(Boophilus decoloratus)、ブーフィラス・ミクロプラス(Boophilus microplus)、デルマセントール・シルバラム(Dermacentor silvarum)、ヘイアロムマ・トランカタム(Hyalomma truncatum)、イクソデス・リシナス(Ixodes ricinus)、イクソデス・ルビカンダス(Ixodes rubicundus)、オルニトドラス・マウバタ(Ornithodorus moubata)、オトビンス・メグニニ(Otobins megnini)、プソロプテス・オビス(Psoroptes ovis)、リピセファラス・アペンディキュラタス(Rhipicephalus appendiculatus)、リピセファラス・エヴェルトシー(Rhipicephalus evertsi)、サクソプテス・スカビエイ(Saccoptes scabiei)、およびフンダニ科の種(Eriophydae spp.)、たとえばアクルス・スケレチテンダリ(Aculus schlechtendali)、フィロコプトラタ・オレイボラ(Phyllocoptrata oleivora)、およびエリオフィエス・シェルドニ(Eriophyes sheldoni);ホコリダニ科の種(Tarsonemidae spp.)、たとえばフィトネムス・パリダス(Phytonemus pallidus)、およびポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus);ヒメハダニ科の種(たとえばTenuipalpidae spp.)、たとえばブレビパルプス・フォエニシス(Brevipalpus phoenicis);ハダニ科の種(Tetranychidae spp.)、たとえばテトラニカス・シンナバリナス(Tetranychus cinnabarinus)、テトラニカス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)、テトラニカス・パシフィカス(Tetranychus pacificus)、テトラニカス・テラリウス(Tetranychus telarius)、およびテトラニカス・ウルチィカエ(Tetranychus urticae)、パノニカス・ウルミ(Panonychus ulmi)、パノニカス・キトリ(Panonycus citri)、およびオリゴニカス・プラテンシス(Olygonychus pratensis);
隠翅目(Siphonatera)としては、例えば、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopsis)、ナガノミ科の種(Ceratophyllus spp)が挙げられる。
【0068】
式Iの化合物と組成物は線虫類の防除に有用であり、特に植物寄生性の線虫、例えば、ネコブセンチュウとしては、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ジャワネコブセンチュウ(Meloidogyne javanica)、およびその他のメロイドガイネ(Meloidogyne)種;シスト(包嚢)形成線虫として、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)およびその他のグロボデラ(Globodera)属の種;ヘテロデラ・アヴェネ(Heterodera avenae)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、テンサイシストセンチュウ(Heterodera schachtii)、クローバーシストセンチュウ(Heterodera trifolii)、およびその他のヘテロデラ(Heterodera)属の種;種子瘤(Seed gall)線虫として、 アングイナ(Anguina)属の種;茎と葉の線虫(Stem and foliar nematode)として、アフェレンコイデス(Aphelenchoides)属の種;刺す針を持つ線虫(Sting nematode)として、ベロノライマス・ロンジカウダトス(Belonolaimus longicaudatus)、およびその他のベロノライマス(Belonolaimus)属の種;マツの線虫(Pine nematode)として、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)およびその他のブルサフェレンカス(Bursaphelenchus)属の種;リングセンチュウ(Ring nematode)として、クリコネマ(Criconema)属の種、クリコネメラ(Criconemella)属の種、クリコネモイデス(Criconemoides)属の種、メソクリコネマ(Mesocriconema)属の種;茎と鱗茎の線虫(Stem and Bulb nematode)として、イモグサレセンチュウ(Ditylenchus destructor)、ナミクキセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)、およびその他のジチレンカス(Ditylenchus)属の種;突き錐を持つ線虫(awl nematode)として、ドリンコドラス(Dolichodorus)属の種;ラセンセンチュウ(Spiral nematodes)として、ヘリオコリレンカス・ムルチシンクタス(Heliocotylenchus multicinctus)、およびその他のヘリコチレンカス(Helicotylenchus)属の種;鞘と鞘様のものを持つ線虫(Seath and sheathoid nematode)として、ヘミシクリオフォラ(Hemicycliophora)属の種、ヘミクリコネモイデス(Hemicriconemoides)属の種;ヒルシュマニエラ(Hirshmanniella)属の種;Lance線虫として、ホプロアイムス(Hoploaimus)属の種;ニセネコブセンチュウとして、ナドブス(Nacobbus)属の種;ハリセンチュウ(Needle nematode)として、ロンジドラス・エロンガトス(Longidorus elongatus)およびその他のロンジドラス(Longidorus)属の種;ピンセンチュウ(Pin nematodes)として、パラチレンカス(Paratylenchus)属の種;ネグサレセンチュウ(Lesion nematode)として、プラチレンカス・ネグレクトス(Pratylenchus neglectus)、プラチレンカス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans)、プラチレンカス・クルヴィタトス(Pratylenchus curvitatus)、プラチレンカス・ゴーデイ(Pratylenchus goodeyi)、およびその他のプラチレンカス(Pratylenchus)属の種;腐らせる線虫(burrowing nematodes)として、バナナネモグリセンチュウ(Radopholus similis)、およびその他のラドフォラス(Radopholus)属の種;腎臓形の線虫(reniform nematodes)として、ロチレンカス・ロブストス(Rotylenchus robustus) およびその他のロチレンカス(Rotylenchus)属の種;スクテロネマ(Scutellonema)属の種;短く太い根とする線虫(Stubby root nematode)として、トリコドラス・プリミチバス(Trichodorus primitivus)およびその他のトリコドラス(Trichodorus)属の種、パラトリコドラス(Paratrichodorus)属の種;発育を阻害する線虫(Stunt nematode)として、イシュクセンチュウ(Tylenchorhynchus claytoni)、チレンオリンカス・ズビウス(Tylenchorhynchus dubius)、およびその他のチレンコリンカス(Tylenchorhynchus)属の種;柑橘類の線虫(Citrus nematode)として、チレンキュラス(Tylenchulus)属の種;短剣状のものを持つ線虫(Dagger nematode)として、オオハリセンチュウ(Xiphinema)属の種;およびその他の植物寄生性の線虫の防除に有用である。
【0069】
本発明の好ましい実施形態においては、式Iの化合物は昆虫類またはクモ類、具体的には鱗翅目(Lepidoptera)、鞘翅目(Coleoptera)、および同翅亜目(Homoptera)の目の昆虫、ならびにダニ目(Acarina)を防除するために用いられる。本発明の式Iの化合物は、鱗翅目(Lepidoptera)および同翅亜目(Homoptera)の目の昆虫の防除に特に有用である。
【0070】
製剤化
本発明の方法で用いるために、化合物Iを通常の製剤、例えば、溶液、エマルジョン、懸濁液、倍散剤、粉剤、ペースト剤、顆粒剤、および直接噴霧可能な溶液へと変換することができる。施用形態は、特定の目的と適用方法によって変わる。製剤と施用方法は、各々の場合において、本発明の式Iの化合物の微細で均一な分布が確保しうるように選択される。
【0071】
製剤は公知の方法で調製され(例えば、総説として、米国特許第3,060,084号、EP-A 707 445(液状濃縮製剤について)、Browning, "Agglomeration", Chemical Engineering, Dec.4, 1967, 147-48、Perry's Chemical Engineer's Handbook,第4版, McGraw-Hill, New York, 1963, pp 8-57、および以下のWO 91/13546、米国特許第4,172,714号、米国特許第4,144,050号、米国特許第3,920,442号、米国特許第5,180,587号、米国特許第5,232,701号、米国特許第5,208,030号、英国特許第2,095,558号、米国特許第3,299,566号、Klingman, Weed Control for Science, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961、Hanceら, Weed Control Handbook, 第8版, Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1989、およびMollet, H., Grubumann, A.,Formulation Technoloby, Wiley VCH Verlag GmbH, Weinheim(ドイツ), 2001, 2.D.A.Knowles, Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, 1998(ISBN 0-7514-0443-8)を参照せよ)、それは例えば、活性化合物を、農薬の製剤化に好適な補助剤、例えば、溶媒および/もしくは担体で希釈し、また所望により乳化剤、界面活性剤および分散剤、保存剤、消泡剤、凍結防止剤を添加して調製され、種子の処理用の製剤には、任意で着色剤および/もしくは結合剤および/もしくはゲル化剤を添加して調製される。
【0072】
好適な溶媒/担体としては、例えば:
−溶媒としては、例えば、水、芳香族溶媒(例えば、Solvesso製品、キシレンなど)、パラフィン(例えば、鉱油留分)、アルコール(例えば、メタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例えば、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン)、ピロリドン(N-メチルピロリドン(NMP)、N-オクチルピロリドン(NOP))、酢酸塩(グリコール二酢酸)、アルキル乳酸塩、γ-ブチロラクトンなどのラクトン、グリコール、脂肪酸ジメチルアミド、脂肪酸および脂肪酸エステル、トリグリセリド、植物由来または動物由来の油ならびにアルキル化植物油などの変性油などが挙げられる。原理的には、溶媒の混合物も用いることができる。
【0073】
−担体としては、例えば、天然鉱物粉末および人工鉱物粉末、例えばシリカゲル、高分散シリカ、ケイ酸塩、タルク、カオリン、アタ粘土(attaclay)、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土(bole)、黄土、粘土、ドロマイト、ケイ藻土、硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、合成材料を粉末化したもの、肥料、例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素など、および植物由来の製品、例えば穀物ミール、樹皮ミール、木材ミール、およびナッツ殻ミール、セルロース粉末、ならびにその他の固形担体が挙げられる。
【0074】
好適な乳化剤は、非イオン性および陰イオン性の乳化剤である(例えば、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩など)。
【0075】
分散剤の例としては、リグニン-亜硫酸塩廃液およびメチルセルロースが挙げられる。
【0076】
好適な界面活性剤は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、およびジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩、アルキルアリールスルホネート、アルキル硫酸塩、アルキルスルホネート、脂肪アルコール硫酸塩、ならびに、脂肪酸および硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル、さらに、スルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコールおよび脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステルである。
【0077】
また、凍結防止剤、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、および殺菌剤などを製剤に添加することができる。
【0078】
好適な消泡剤は、例えば、シリコンまたはステアリン酸マグネシウムをベースとした消泡剤である。
【0079】
好適な保存剤は、例えば、ジクロロフェン、およびベンジルアルコールヘミホルマール(benzyl alcohol hemiformal)が挙げられる。
【0080】
好適な増粘剤は、製剤に擬似塑性流動の性質を付与するもの、すなわち、静止時に高粘度であって攪拌時に低粘度であるような化合物である。このようなものとしては、例えば、多糖類をベースとした市販の増粘剤、例えばXanthan Gum(登録商標)(Kelco社のKelzan(登録商標))、Rhodopol(登録商標) 23(Rhone Poulenc)、またはVeegum(登録商標)(R.T.Vanderbilt)、またはAttaclay(登録商標)(Engelhardt)などの有機フィロシリケートが挙げられる。本発明での分散に適している消泡剤は、例えば、シリコン乳剤(例えば、Silikon(登録商標) SRE, WackerまたはRhodiaのRhodorsil(登録商標)など)、長鎖アルコール、脂肪酸、有機フッ素化合物、およびそれらの混合物が挙げられる。本発明の組成物を微生物による攻撃に対して安定化させるために殺生物剤(biocide)を添加することができる。好適な殺生物剤は例えば、Avecia(またはArch)からProxel(登録商標)の商標で、またはThor ChemieからActicide(登録商標) RSおよびRohm & HaasからKathon(登録商標) MKの商標で販売されている化合物などのイソチアゾロンをベースとしたものが挙げられる。好適な凍結防止剤は有機ポリオールで、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、またはグリセロールが挙げられる。それらは、活性化合物を含んだ組成物の総重量に基づいて、通常は10重量%以下の量で用いられる。適切であれば、本発明の活性化合物を含んだ組成物は、調製した製剤の総重量に基づいて、pHを調節するために、1から5重量%のバッファーを含んでいてもよく、用いるバッファーの量とタイプは、活性化合物の化学的性質、または活性化合物によって変わる。バッファーの例としては、弱い無機もしくは有機酸、例えば、リン酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0081】
直接噴霧しうる溶液、エマルジョン、ペースト、または油分散剤の製造に好適な物質は、中から高沸点の鉱物油留分であり、例えば、灯油またはディーゼル油、さらにコールタール油ならびに植物油または動物油、脂肪族炭化水素、環式炭化水素、および芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンもしくはそれらの誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキノン、イソホロン、強極性の溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、および水である。
【0082】
粉剤、散布用剤、倍散剤は活性物質を固形の担体とともに混合するかまたは同時に粉砕することにより製造することができる。
【0083】
顆粒剤、例えば被覆顆粒剤、含浸顆粒剤、および均質顆粒剤は、活性成分を固形担体と結合させることによって製造することができる。固形担体の例としては、鉱物土類、例えばシリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アタ粘土(attaclay)、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土(bole)、黄土、粘土、ドロマイト、ケイ藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕した合成材料、肥料、例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、および植物由来の製品、例えば、穀物ミール、樹皮ミール、木材ミール、およびナッツ殻ミール、セルロース粉末、ならびにその他の固形担体が挙げられる。
【0084】
一般的には、該製剤は活性成分を0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%含む。活性成分は90%〜100%、好ましくは95%〜100%(NMRスペクトルによる)の純度で使用する。
【0085】
種子の処理の目的には、個々の製剤を2〜10倍に希釈して使用直前の製剤中での活性化合物の濃度が0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%とすることができる。
【0086】
式Iの化合物は、その製剤の形態で、またはそれらから製造される適用形態で、例えば、直接噴霧可能な溶液、粉剤、懸濁液または分散液、エマルジョン、油性分散物、ペースト剤、倍散剤(dustable product)、散布用剤、または顆粒剤の形態で、散布(spraying)、噴霧(atomizing)、散粉(dusting)、散布(spreading)または灌注(pouring)により施用できる。施用形態は意図している用途によって変わるが、いずれにしても、本発明の活性化合物の可能な限り良好な分布が確保されるものでなければならない。
【0087】
水性の施用形態は、濃縮エマルジョン、ペースト剤、または水和剤(wettable powder)(噴霧可能な粉末剤、油性分散物)に、水を添加して調製することができる。エマルジョン、ペースト剤または油性分散物を製造するためには、物質をそのままかまたは油もしくは溶媒で溶解して、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤、または乳化剤を用いて、水中でホモゲナイズすることができる。あるいはまた、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤、または乳化剤、および適切であれば溶媒もしくは油からなる濃縮物を製造することができ、そのような濃縮物は、水での希釈に適している。
【0088】
施用直前の製剤中での活性成分の濃度はかなり広範囲で変えることができる。一般的には1重量あたり0.0001〜10%、好ましくは0.01〜1%である。
【0089】
活性成分を、超低量(ultra-low-volume, ULV)法で用いても成功を収めることができ、95重量%を超える活性成分を含む製剤、または添加物を含まない活性成分のみからなる製剤でもその方法を適用することが可能である。
【0090】
下記は製剤の例である:
1. 水で希釈する製品。種子の処理用には、その製品を希釈して、または希釈せずに種子に適用することができる。
【0091】
A) 水溶性濃縮製剤(water-soluble concentrate: SL、LS)
10重量部の活性化合物を90重量部の水または水溶性溶媒中に溶解する。替わりの方法としては、湿潤剤またはその他の補助剤を添加する。活性化合物は水で希釈すると溶解し、活性化合物が10%(w/w)含まれる製剤が得られる。
【0092】
B) 分散性濃縮製剤(dispersible concentrate: DC)
20重量部の活性化合物を、70重量部のシクロヘキサノンに10重量部の分散剤、例えばポリビニルピロリドンを添加して溶解させる。水で希釈すると分散剤となり、活性化合物が20%(w/w)含まれる製剤が得られる。
【0093】
C) 乳化性濃縮製剤(emulsifiable concentrate: EC)
15重量部の活性化合物を、7重量部のキシレンにドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとエトキシル化ヒマシ油(それぞれ5重量部)を添加して溶解させる。水で希釈するとエマルジョンとなり、活性化合物が15%(w/w)含まれる製剤が得られる。
【0094】
D) エマルジョン製剤(emulsions: EW、EO、ES)
25重量部の活性化合物を、35重量部のキシレンにドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとエトキシル化ヒマシ油(それぞれ5重量部)を添加して溶解させる。この混合物を乳化機(例えば、Ultraturrax)を用いて30重量部の水に入れると、均一なエマルジョンが作製される。水で希釈するとエマルジョンとなり、活性化合物が25%(w/w)含まれる製剤が得られる。
【0095】
E) 懸濁製剤(suspensions: SC、OD、FS)
撹拌しているボールミル中で、20重量部の活性化合物を、10重量部の分散剤、湿潤剤および70重量部の水または有機溶媒とともに細かく砕いて、活性化合物の微細な懸濁液とする。水で希釈すると活性化合物の安定な懸濁液となり、活性化合物が20%(w/w)含まれる製剤が得られる。
【0096】
F) 水和性顆粒剤および水溶性顆粒剤(water-dispersible granule, water-soluble granule; WG、SG)
50重量部の活性化合物に50重量部の分散剤と湿潤剤を添加して微細に破砕し、技術的な装置(例えば、押出成型機、噴霧塔、流動床など)を用いて水和性顆粒または水溶性顆粒とする。水で希釈すると活性化合物の安定な分散液または溶液となり、活性化合物が50%(w/w)の製剤が得られる。
【0097】
G) 水和性粉剤および水溶性粉剤(water-dispersible powder, water-soluble powder: WP、SP、SS、WS)
75重量部の活性化合物に25重量部の分散剤、湿潤剤、およびシリカゲルを添加してrotor-statorミル中で粉砕する。水で希釈すると活性化合物の安定な分散液または溶液となり、活性化合物が75%(w/w)の製剤が得られる。
【0098】
H) ゲル製剤(gel-formulation: GF)
撹拌しているボールミル中で、20重量部の活性化合物を10重量部の分散剤、1重量部のゲル化剤、湿潤剤、および70重量部の水または有機溶媒とともに細かく砕いて、活性化合物の微細な懸濁液とする。水で希釈すると活性化合物の安定な懸濁液となり、活性化合物が20%(w/w)含まれる製剤が得られる。
【0099】
2. 希釈せずに施用する葉施用用製品。種子の処理用には、製品を希釈して、または希釈せずに種子に適用することができる。
【0100】
I) 倍散粉末(dustable powder: DP、DS)
5重量部の活性化合物を細かく破砕し、95重量部の細かく砕いたカオリンと良く混和させる。これによって5%(w/w)の活性化合物を含んだ倍散粉末が得られる。
【0101】
J) 顆粒剤(granule: GR、FG、GG、MG)
0.5重量部の活性化合物を細かく破砕し、95.5重量部の担体と併せると、活性化合物が0.5%(w/w)含まれる製剤が得られる。現在行われている方法は、押出成形、スプレードライ、または流動層造粒法である。これによって希釈せずにそのまま葉に施用しうる顆粒剤が得られる。
【0102】
K) ULV溶液(ULV solution: UL)
10重量部の活性化合物を90重量部の有機溶媒、例えばキシレン中に溶解する。これによって活性化合物が10%(w/w)含まれる製品が得られ、その製品は希釈せずに葉へ適用される。
【0103】
種々の油、湿潤剤、アジュバント、除草剤、殺真菌剤、他の殺虫剤、または殺菌剤を、適切であれば使用直前に、活性化合物に添加(タンクミックス)することができる。それらの添加剤は通常は本発明の作用剤と重量比で1:10〜10:1で混合される。
【0104】
本発明の式Iの化合物と組成物は、他の活性成分、例えば他の殺虫剤、殺昆虫剤、除草剤、肥料、例えば硝酸アンモニウム、尿素、カリ肥料、および過リン酸石灰など、植物に有害な物質(phytotoxicant)、ならびに植物成長調節剤、薬害軽減剤(safener)、および殺線虫剤などとともに施用することができる。これらの付加的成分は順次、または上述の組成物と組み合わせて用いてもよく、適切であれば、施用直前に添加(タンクミックス)することもできる。例えば、本発明の組成物を、他の活性成分での処理前または処理後のいずれに噴霧してもよい。
【0105】
さらに別の薬剤を、本発明で用いる薬剤と1:10〜10:1の重量比で混合することができる。殺虫剤としての施用形態の化合物Iまたはそれを含んでいる組成物を他の殺虫剤と混合すると、作用のスペクトルがより広くなることが多い。
【0106】
下記のリストMの殺虫剤は本発明の化合物と共に用いることができ、それらを用いることで相乗的効果が生まれる可能性があるものだが、そのリストは可能な組み合わせを説明したものであって、何らかの限定を意味するものではない。
【0107】
M.1. 有機(チオ)リン酸塩:アセフェート、アザメチホス、アジンホス-メチル、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、 ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチルパラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシデメトン-メチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン;
M.2. カルバメート:アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メトミル、オキサミル、ピリミカルブ、ポロポクスル、チオジカルブ、トリアザメート;
M.3. ピレスロイド:アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファ−シペルメトリン、ベータ−シペルメトリン、ゼータ−シペルメトリン、デルタメトリン、エムペントリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロクス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダ-シハロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリンIおよびII、レスメトリン、シラフルオフェン、タウ-フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン;
M.4. 成長調節剤:a) キチン合成阻害剤:ベンゾイルウレア:クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェニュロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロフェンタジン;b) エクジソンアンタゴニスト:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラチティン;c) ジュベノイド :ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ;d) 脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマート;
M.5. ニコチン受容体アゴニスト/アンタゴニスト化合物:クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド、およびAKD-1022;
M.6. GABAアンタゴニスト化合物:アセトプロール、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、式Γ2のフェニルピラゾール化合物;
【化5】

【0108】
M.7. マクロ環式ラクトン殺虫剤:アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサッド;
M.8. METI I化合物:フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム;
M.9. METI IIおよびIII化合物:アセキノシル、フルアシプリム、ヒドラメチルノン;
M.10. 脱共役化合物:クロルフェナピル;
M.11. 酸化的リン酸化阻害剤化合物:シヘキサチン、ジアフェンチウロン、フェンブタチンオキシド、プロパルガイト;
M.12. 脱皮かく乱化合物:シロマジン;
M.13. 混合機能オキシダーゼインヒビター化合物:ピペロニルブトキシド;
M.14. ナトリウムチャンネルブロッカー化合物:インドキサカルブ、メタフルミゾン;
M.15. その他の種々のもの:アミトラズ、ベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、イオウ、チオシクラム、フルベンジアミド、シエノピラフェン、フルピラゾフォス、シフルメトフェン、アミドフルメット、ピリフルキナゾン、式Γ4のアミノキナゾリノン化合物、
【化6】

【0109】
N-R'-2,2-ジハロ-1-R''シクロ-プロパンカルボキサミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)ヒドラゾン、またはN-R'-2,2-ジ(R''')プロピオンアミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)ヒドラゾン(式中、R'はメチルまたはエチル、ハロはクロロまたはブロモ、R''は水素またはメチル、R'''はメチルまたはエチルである。)、アンスラニルアミド化合物、例えばクロラントラニリプロールまたは式Γ5の化合物
【化7】

【0110】
および、JP 2002 284608、WO 02/89579、WO 02/90320、WO 02/90321、WO 04/06677、WO 04/20399、JP 2004 99597、WO 05/68423、WO 05/68432、またはWO 05/63694に記載のマロノニトリル化合物、特にマロノニトリル化合物
CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)5CF2H、 CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2C(CF3)2F、CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2(CF2)3CF3、 CF2H(CF2)3CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF3、 CF3(CF2)2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、およびCF3CF2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H
M群の市販の化合物については、各種の出版物があるが、The Pesticide Manual, 第13版, British Crop Protection Council(2003)に記載されている。式Γ2のチオアミドおよびそれらの製剤については、WO 98/28279に記載されている。レピメクチンについては、Agro Project, PJB Publications Ltd., November 2004で既知である。ベンクロチアズおよびその製剤については、EP-A1 454621に記載されている。メチダチオンおよびパラオキソン、ならびにそれらの製剤については、Farm Chemicals Handbook, 第88巻, Meister Publishing Company, 2001に記載されている。アセトプロールおよびその製剤はWO 98/28277に記載されている。メタフルミゾンおよびその製剤はEP-A-1 463 456に記載されている。フルピラゾフォスについては、Pesticide Science 54, 1988, p237-243および米国特許第4,822,779号に記載されている。ピラフルピロールとその製剤はJP 2002193709およびWO 01/00614に記載されている。ピリプロールとその製剤は、WO 98/45274と米国特許第6,335,357号に記載されている。アミドフルメットとその製剤は、米国特許第6,221,890号およびJP 21020907に記載されている。フルフェネリムとその製剤はWO 03/007717とWO 03/007718に記載されている。シフルメトフェンとその製剤はWO 04/080180に記載されている。式Γ4のアミノキナゾリノン化合物については、EP-A-1097932に記載されている。式Γ5のアンスラニルアミドとその製剤はWO 01/70671、WO 02/48137、WO 03/24222、WO 03/15518、WO 04/67528、WO 04/33468、およびWO 05/118552に記載されている。マロノニトリル化合物
CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)5CF2H、
CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2C(CF3)2F、CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2(CF2)3CF3、
CF2H(CF2)3CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF3
CF3(CF2)2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、およびCF3CF2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2Hは
WO 05/63694に記載されている。
【0111】
殺菌類性を有する混合の相手となるものは、次のものからなるF群から選択されたものである:
F.1 アシララニン、例えばベナラキシル、メタラキシル、オフレース、オキサジキシルなど;
F.2 アミン誘導体、例えばアルジモルフ、ドジン、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、グアザチン、イミノクタジン、スピロキサミン、トリデモルフなど;
F.3 アミノピリミジン、例えばピリメタニル、メパニピリム、またはシロジニルなど;
F.4 抗生物質、例えばシクロヘキシミド、グリセオフルビン、カスガマイシン、ナタマイシン、ポリオキシン、またはストレプトマイシンなど;
F.5 アゾール、例えばビテルタノール、ブロモコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニトロコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキコナゾール、フルシラゾール、ヘキサコナゾール、イマザリル、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロクロラズ、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール、フルトリアフォルなど;
F.6 ジカルボキシミド、例えばイプロジオン、ミクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリンなど;
F.7 ジチオカルバメート、例えばフェルバム、ナバム、マネブ、マンコゼブ、メタム、メチラム、プロピネブ、ポリカルバメート、チラム、ジラム、ジネブなど;
F.8 ヘテロ環化合物、例えばアニラジン、ベノミル、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、オキシカルボキシン、シアゾファミド、ダゾメット、ジチアノン、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フベリダゾル、フルトラニル、フラメトピル、イソプロチオラン、メプロニル、ヌアリモル、プロベナゾール、プロキナジド、ピリフェノックス、ピロキロン、キノキシフェン、シルチオファム、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チアジニル、トリシクラゾール、トリホリンなど;
F.9 銅殺真菌剤、例えばボルドー混液、酢酸銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅など;
F.10 ニトロフェニル誘導体、例えばビナパクリル、ジノカップ、ジノブトン、ニトロフタルイソプロピルなど;
F.11 フェニルピロール、例えばフェンピクロニルまたはフルジオキソニルなど;
F.12 ストロビルリン、例えばアゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、またはトリフロキシストロビンなど;
F.13 スルフェン酸誘導体、例えばカプタフォル、カプタン、ジクロフルアニド、フォルペット、トリルフルアニドなど;
F.14 シネマミドおよび類似体、例えばジメトモルフ、フルメトヴェル、またはフルモルフなど;
F.15 イオウおよびその他の殺真菌剤、例えばアシベンゾラル-S-メチル、ベンチアヴェリカルブ、カルプロパミド、クロロタロニル、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメット、ジクロメジン、ジクロシメット、ジエトフェンカルブ、エジフェンホス、エタボキサム、フェンヘキサミド、フェンチン−アセテート、フェノキサニル、フェリムゾン、フルアジナム、フォセチル、フォセチル−アルミニウム、イプロバリカルブ、ヘキサクロロベンゼン、メトラフェノン、ペンシキュロン、プロパモカルブ、フタリド、トロクロフォス−メチル、キントゼン、ゾキサミドなど。
【0112】
施用
害虫、すなわち昆虫類、クモ類、および線虫類、植物、植物が生育する土壌もしくは水を、本発明の化合物Iもしくは化合物Iを含有している組成物と、当業界では既知の何らかの施用方法で接触させることができる。「接触させる」ということには、直接的な接触(該化合物/組成物を直接的に害虫や植物−典型的には植物の葉、茎、もしくは根に施用する)、および間接的な接触(該化合物/組成物を害虫や植物が存在する場所(locus)に施用する)が含まれる。
【0113】
式Iの化合物もしくはその化合物を含んでいる殺虫組成物は、生育中の植物および作物を、それらの植物や作物を殺虫に有効な量の式Iの化合物と接触させることによって、害虫、特に昆虫類、クモ類による攻撃もしくは侵襲から防護するために用いることができる。「作物」という用語は、生育中のもの、および収穫したものの双方を意味する。
【0114】
さらに、標的となる害虫そのもの、その害虫の食べ物、棲息場所、繁殖場所、またはその害虫が存在する場所を殺虫に有効な量の式Iの化合物と接触させることによって、害虫を防除することができる。その施用は、害虫が存在する場所、生育中の作物、または収穫された作物への害虫の感染の前または後に行うことができる。
【0115】
本発明の化合物はまた、害虫の発生が懸念される場所へ予防的に施用することもできる。
【0116】
式Iの化合物はまた、生育中の植物を殺虫に有効な量の式Iの化合物と接触させることによって、その植物を害虫の攻撃または侵襲から防護するために用いることもできる。「接触させる」ということには、直接的な接触(該化合物/組成物を直接的に害虫や植物−典型的には植物の葉、茎、もしくは根に施用する)、および間接的な接触(該化合物/組成物を害虫や植物が存在する場所(locus)に施用する)が含まれる。
【0117】
「存在する場所(locus)」には、害虫または寄生虫が成育している、または成育する可能性のある、棲息場所、繁殖場所、植物、種子、土壌、地域、材料、または環境を意味する。
【0118】
一般的には、「殺虫に有効な量」とは、標的となる生物の成育に目に見える効果を与えるために必要とされる活性成分の量を意味し、そのような効果としては、その生物の壊死、殺滅、成育遅延、発生防止、およびその生物の発生および活動を排除、破壊、もしくは減弱させることが含まれる。殺虫に有効な量は本発明で用いられる種々の化合物/組成物によって異なる。該組成物の殺虫に有効な量はまた、一般的な条件、例えば、所望の殺虫効果とその持続期間、天候、標的となる害虫の種類、存在する場所、施用方法などによっても変わる。
【0119】
式Iの化合物は、接触(土壌、ガラス、壁、蚊帳、カーペット、植物の一部または動物の一部)および摂取(餌(ベイト)、または植物の一部)を介して有効である。
【0120】
アリ、シロアリ、大型ハチ、ハエ、カ、コオロギ、またはゴキブリに対して用いるには、式Iの化合物を餌(ベイト)の組成物中に含んだ形で用いることが好ましい。
【0121】
餌は、液体、固形、または半固形(例えば、ゲル)の製剤とすることができる。固形の餌は様々な形状とすることができ、それぞれの適用に適した形状、例えば、顆粒、ブロック、スティック、ディスクなどの形状とすることができる。液状の餌は、適用を適切に行えるように、例えば開口状態の容器、噴霧器、滴下源、または蒸散源などの種々の器具に充填することができる。ゲルは水性または油性のマトリックスをベースとしたものとすることができ、粘着性、湿度保持、または熟成(aging)特性に関して特別な必要性に応じて製剤化することができる。
【0122】
該組成物で用いられる餌は、アリ、シロアリ、大型ハチ、ハエ、カ、コオロギ、またはゴキブリがそれを食べるのに十分な魅力のある製品である。その魅力は食餌誘引剤、または性フェロモンを用いることによって操作することができる。食餌誘引剤は例えば、限定するものではないが、動物および/もしくは植物のタンパク質(食肉、魚肉、または血液のミール、昆虫の部分、卵黄)、動物および/もしくは植物由来の脂肪および油脂、または、モノ-、オリゴ-、もしくは多糖類(ポリオルガノサッカライド)、特にショ糖、乳糖、果糖、デキストロース、ブドウ糖、デンプン、ペクチン、もしくはモラセスや蜂蜜由来のものから選択される。果実、作物、植物、動物、昆虫、またはそれらの特別な部分の新鮮なまたは腐敗しかけている部分も、食餌誘引剤として用いることができる。性フェロモンはより昆虫に特異的であることが知られている。特異的なフェロモンについては文献中に記載されており、当業者には既知である。
【0123】
式Iの化合物をエアロゾル(例えば、スプレー缶)、油性スプレー、またはポンプスプレーとして製剤化することは、専門家でない人々がハエ、ノミ、ダニ、カ、またはゴキブリなどの害虫を防御する方法として非常に適している。エアロゾルの処方は、活性化合物、溶媒、例えば低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、沸点が約50〜250℃のパラフィン炭化水素(例えば灯油)、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレンなど、水などの溶媒、さらに補助剤、例えば、モノオレイン酸ソルビトール、3〜7モルのエチレンオキシドを有するオレイルエトキシレート、脂肪族アルコールエトキシレートなどの乳化剤、エーテル性の油、中鎖脂肪酸と低級アルコールとのエステル、芳香族カルボニル化合物などの香油、適切であるならば安息香酸ナトリウム、両性界面活性剤、低級エポキシド、オルトギ酸トリエチルなどの安定剤、および所望により、プロパン、ブタン、窒素、圧縮空気、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素、もしくはそれらの気体の混合物などの噴霧剤などからなるものが好ましい。
【0124】
油性スプレー製剤は噴霧剤を用いない点でエアロゾルの処方とは異なる。
【0125】
式Iの化合物とそれを含む組成物は、蚊取りおよびいぶし線香、煙のカートリッジ、蒸散プレート、または長期蒸散器に用いることもでき、また蛾取り紙(moth paper)、蛾取りパッド(moth pad)、またはその他の熱に依存しない蒸散システムでも用いることができる。
【0126】
昆虫によって伝播する感染症(例えば、マラリア、デング熱、黄熱病、リンパ管フィラリア症、およびリーシュマニア症)を式Iの化合物およびそれを含んだ組成物で制御する方法も、住居の表面、エアスプレー、およびカーテン、テント、衣類、蚊帳、ツェツェバエのトラップ、または類似のものの含浸などを含んでいる。繊維、織物、ニット商品、不織布、製網材料またはホイル、および防水シート用の殺虫組成物は、殺虫成分、任意で忌避剤、および少なくとも1種の結合剤を含んだ混合物を含んでいることが好ましい。好適な忌避剤としては、例えば、N,N-ジエチル-メタ-トルアミド(DEET)、N,N-ジエチルフェニルアセタミド(DEPA)、1-(3-シクロヘキサン-1-イル-カルボニル)-2-メチルピペリン、(2-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)酢酸ラクトン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、インダロン、メチルネオデカナミド(MNDA)、{(+/-)-3-アリル-2-メチル-4-オキソシクロペント-2-(+)-エニル-(+)-トランス-クリサンテメート(エスビオスリン)などの昆虫防除には用いられないピレスロイド、リモネン、オイゲノール、(+)-オイカマロール(eucamalol)(1)、(-)-1-エピ-オイカマロールなどの植物抽出物、または、ユーカリプタス・マクラタ(Eucaryptus maculata)、ヴィテックス・ロツンジフォリア(Vitex rotundifolia)、シンボポガン・マルティニ(Cymbopogan martini)、シンボポガン・シトラトス(Cymbopogan citratus, レモングラス)、シンボポガン・ナルズス(Cymbopogan nartdus, シトロネラ)などの植物の粗抽出物に由来するか、またはそれと同一の忌避剤が挙げられる。好適な結合剤は、例えば、脂肪酸のビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、ベルサチン酸ビニルなど)、アルコールのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、例えばブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、およびメチルアクリレートなど、モノ-およびジ-エチレン系不飽和炭化水素、例えばスチレン、および脂肪族ジエン、例えばブタジエンなどの重合体および共重合体から選択される。
【0127】
カーテンや蚊帳の含浸は、通常は布を殺虫剤のエマルジョンまたは分散液中に浸漬するか、または殺虫剤を網に噴霧することによって行われる。
【0128】
式Iの化合物とその組成物は、木製の物、例えば、樹木、板塀、寝台など、建物、例えば家屋、離れ家、工場など、また、建築材料、家具、皮革製品、繊維、ビニール製品、電線およびケーブルなどを、アリおよび/もしくはシロアリから防護し、作物や人間にアリやシロアリが害を及ぼさないように(例えば、それらの害虫が家屋や公共施設に侵襲した場合など)、用いることができる。式Iの化合物は木製の物を防護するために、周囲の土壌表面や床下の土壌のみならず、製材化した品物、例えば床下のコンクリートの表面、床柱、はり、合板、家具などの表面、木製の品物、例えばパーチクルボード、ハーフボードなど、ビニール製品、例えばコートした電線、ビニールシートなど、断熱材、例えば発泡スチロールなどに適用することができる。作物や人間に害を及ぼすアリに対して適用する場合には、本発明のアリ防除剤を作物や周囲の土壌に施用するか、またはアリの巣またはそれに類似のものに直接的に適用することができる。
【0129】
土壌の処理または害虫の棲息場所もしくは巣に適用する場合には、活性成分の量の範囲は100m2あたり0.0001〜500g、好ましくは100m2あたり0.001〜20gである。
【0130】
材料の防護に使用する場合の通常の適用比率は、処理しようとする材料の1m2あたり活性化合物0.01g〜1000gであるが、1m2あたり0.1g〜50gが望ましい。
【0131】
材料への含浸に用いるための殺虫組成物は、典型的には、少なくとも1種の忌避剤および/もしくは殺虫剤を0.001〜95重量%、好ましくは0.1〜45重量%、より好ましくは1〜25重量%含んでいる。
【0132】
餌(ベイト)に用いるには、典型的な活性成分の含量は、活性化合物が0.001重量%〜15重量%、望ましくは0.001重量%〜5重量%である。
【0133】
スプレー用組成物での使用には、活性成分の含量は0.001〜80重量%、好ましくは0.01〜50重量%、最も好ましくは0.01〜15重量%である。
【0134】
作物植物の処理での使用には、本発明の活性成分の適用の比率は、1ヘクタールあたり0.1g〜4000g、望ましくは1ヘクタールあたり25g〜600g、より望ましくは1ヘクタールあたり、50g〜500gである。
【0135】
種子の処理
式Iの化合物はまた、害虫から種子を防護するため、具体的には、土壌に棲息している害虫から種子を防護し、また育った植物の根および芽を土壌の害虫や葉につく害虫から防護するための種子の処理にも適している。
【0136】
式Iの化合物は種子を土壌の害虫から防護し、育った植物の根と芽を土壌の害虫や葉に付く虫から防護することに特に有用である。育った植物の根や芽の防護が好ましい。より好ましくは、種子から育った植物の芽に穴を開けたり吸汁する虫からの防護であり、アブラムシからの防護が最も好ましい。
【0137】
従って本発明は種子を害虫、具体的には、土壌の害虫から、および苗木の根と芽を害虫、具体的には土壌の害虫と葉につく害虫から防護する方法を含んでおり、該方法は、発芽を示す前および/もしくは発芽(pregermination)後の種子を一般式Iの化合物またはその塩と接触させることを含んでいる。特に好ましいのは、植物の根と芽を防護する方法であり、より好ましいのは、植物の芽を、穴を開けたり吸汁する虫から防護する方法であり、最も好ましいのは、植物の芽をアブラムシから防護する方法である。
【0138】
種子という用語は全ての種類の植物の種子および栄養繁殖体(propagule)を包含し、そのような物としては、限定はされないが、真の種子(ture seed)、種子の一部(seed piece)、吸枝(sucker)、球茎、鱗茎、果実、塊茎、穀粒、切り枝(cutting)、切り取られた芽(cut shoot)などが含まれ、好ましい1実施形態においては、真の種子を意味する。
【0139】
種子の処理という用語は当業界で既知の適切な種子処理技法を全てを含んでおり、例えば、種子ドレッシング(seed dressing)、種子コーティング、種子散粉(seed dusting)、種子浸漬、および種子ペレッティング(seed pelleting)が挙げられる。本発明はまた、活性化合物で被覆された、または活性化合物を含有している種子をも含んでいる。
【0140】
「被覆された、および/もしくは含有している」という用語は一般的には、適用方法によって変わるが、適用時点で活性成分の多くが繁殖物の表面上にある(活性成分の一部が多かれ少なかれ繁殖物に入り込んでいる可能性はあるが)ことを意味している。その繁殖物を植える(植え直す)と、その植物に活性成分が吸収される可能性がある。
【0141】
好適な種子は、穀類、根菜類、油料作物、野菜、香料、観賞植物の種子、例えば、デュラムコムギおよびその他のコムギ、オオムギ、オートムギ、ライムギ、トウモロコシ(飼料用トウモロコシおよびサトウトウモロコシ(sugar corn)/ スイートコーンおよび飼料用コーン)、大豆、油料作物、アブラナ科植物、綿花、ヒマワリ、バナナ、コメ、ナタネ、カブラナ、サトウダイコン、飼料用ビート、ナス、ジャガイモ、イネ科植物、芝草(lawn)、芝生(turf)、牧草、トマト、リーキ、カボチャ/スカッシュ、キャベツ、レタス(iceberg lettus)、コショウ、キュウリ、メロン、アブラナ科の種、メロン、豆類、エンドウ豆、ニンニク、タマネギ、ニンジン、塊茎植物、例えばイモ類、サトウキビ、タバコ、ブドウ、ペチュニア、ゼラニウム/ペラルゴニウム、パンジー、およびインパチェンスの種子である。
【0142】
さらに、遺伝子工学の方法を含む品種改良によって除草剤、殺真菌剤、または殺虫剤の作用に耐性を有する植物から得られた種子の処理にも、該活性化合物を用いることができる。
【0143】
例えば、該活性化合物は、スルホニルウレア、イミダゾリノン、グルホシネート-アンモニウム、またはグリホサート-イソプロピルアンモニウム、および類似の活性物質(例えば、EP-A-0242236、EP-A-242246、WO 92/00377、EP-A-0257993、米国特許第5,013,659号を参照せよ)からなる群から選択された除草剤に抵抗性の植物から得られた種子の処理に用いることができ、また、トランスジェニック作物植物、例えば、綿花でバチルス・チューリゲンシス(Bacillus thuringiensis)の毒素(Bt toxin)を産生する能力のあるものは、ある種の害虫に対して抵抗性の植物を作る(EP-A-0142924、EP-A-0193259)。
【0144】
さらに、該活性化合物は、既存の植物と比較して改変された性質を有する植物、それは例えば伝統的な品種改良方法および/もしくは変異体の作製、または遺伝子組換え法で作製することができるが、そのような植物から得られた種子の処理にも用いることができる。例えば、植物中で合成されるデンプンを改変する目的で作物の遺伝子組換えによる改変を行うことについて(例えば、WO 92/11376、WO 92/14827、WO 91/19806)、または、脂肪酸組成が改変されたトランスジェニック作物について(WO 91/13972)、多数の例が既に報告されている。
【0145】
該活性化合物の種子処理の適用は、植物の播種前、およびその植物の発芽(emergence)前に種子に噴霧するかまたは散布することによって行われる。
【0146】
種子の処理に特に有用な組成物は、例えば:
A 可溶性濃縮製剤(SL、LS)
D エマルジョン製剤(EW、EO、ES)
E 懸濁製剤(SC、OD、FS)
F 水和性顆粒剤および水溶性顆粒剤(WG、SG)
G 水和性粉剤および水溶性粉剤(WP、SP、WS)
H ゲル製剤(GF)
I 倍散粉末
従来の種子処理製剤としては、例えば、流動性濃縮製剤FS、溶液製剤LS、乾式処理用の粉剤DS、スラリー処理用の水和性粉剤WS、水溶性粉剤SSおよびエマルジョン製剤ESとEC、およびゲル製剤GFが含まれる。これらの製剤は種子に希釈して、または希釈せずに施用することができる。種子への施用は、発芽を示す前に種子の上に直接的にまたは種子の発芽後に行われる。
【0147】
好ましい1実施形態においては、種子の処理にはFS製剤が用いられる。典型的には、FS製剤は1〜800g/Lの活性成分、1〜200g/Lの界面活性剤、0〜200g/Lの凍結防止剤、0〜400g/Lの結合剤、0〜200g/Lの色素、および1Lまでの溶媒、好ましくは水を含んでいてもよい。
【0148】
種子処理のための式Iの化合物の特に好ましいFS製剤は、通常は、活性成分を0.1〜80重量%(1〜800g/L)、少なくとも1種の界面活性剤を0.1〜20重量%(1〜200g/L)、例えば、湿潤剤を0.05〜5重量%および分散剤を0.5〜15重量%、20重量%まで、例えば5〜20%の凍結防止剤、0〜15重量%の、例えば1〜15重量%の顔料および/もしくは染料、0〜40重量%の、例えば1〜40重量%の結合剤(付着剤/粘着剤)、任意で、5重量%までの、例えば0.1〜5重量%の増粘剤、任意で、0.1〜2%の消泡剤、および任意で、殺生物剤、抗酸化剤などの保存剤を、たとえば0.01〜1重量%の量で、および100重量%までの充填剤/ビヒクルを含んでいる。
【0149】
種子処理製剤はさらに、結合剤や任意で着色剤を含ませてもよい。
【0150】
結合剤は、処理後の活性物質の種子上への付着性を改善するために添加することができる。好適な結合剤としては、EO/PO ブロック共重合体の界面活性剤があるが、それのみならず、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリエチレンアミン、ポリエチレンアミド、ポリエチレンイミン(Lupasol(登録商標)、Polymin(登録商標))、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、タイローズ(tylose)、およびこれらの重合体由来の共重合体が挙げられる。
【0151】
任意で、着色剤を製剤中に含有させることができる。種子処理製剤に好適な着色剤もしくは染料は、ローダミンB、C.I.Pigment Red 112、C.I.Solvent Red 1、pigment blue 15:4、pigment blue 15:3、pigment blue 15:2、pigment blue 15:1、pigment blue 80、pigment yellow 1、pigment yellow 13、pigment red 112、pigment red 48:2、pigment red 48:1、pigment red 57:1、pigment red 53:1、pigment orange 43、pigment orange 34、pigment orange 5、pigment green 36、pigment green 7、pigment white 6、pigment brown 25、basic violet 10、basic violet 49、acid red 51、acid red 52、aci red 14、acid blue 9、acid yellow 23、basic red 10、basic red 108が挙げられる。
【0152】
ゲル化剤の例はカラギーン(Satiagel(登録商標))である。
【0153】
種子の処理においては、化合物Iの適用比率は、通常は種子100kgあたり0.1g〜10kg、好ましくは種子100kgあたり1g〜5kg、より好ましくは種子100kgあたり1g〜1000gで、特に種子100kgあたり1g〜200gが好ましい。
【0154】
従って、本発明は、ここで定義したとおり、式Iの化合物またはその農業上有用な塩を含んでいる種子にも関する。化合物Iまたはその農業上有用な塩の量は、通常は、種子100kgあたり0.1g〜10kg、好ましくは種子100kgあたり1g〜5kg、より好ましくは種子100kgあたり1g〜1000gである。レタスのような特定の作物にはその比率をより高くすることができる。
【0155】
動物の保健
式Iの化合物またはそのエナンチオマーまたはその獣医学的に許容される塩は、具体的には、動物の体内および体表の寄生虫を駆除するための使用にも好適である。
【0156】
従って、本発明の目的は、動物の体内および体表の寄生虫を防除する新規の方法をも提供することである。さらに、本発明の別の目的は、より安全な動物用の殺虫剤を提供することである。本発明の別の目的は既存の殺虫剤よりも低い使用量で用いることのできる動物用の殺虫剤を提供することである。また、本発明の別の目的は、寄生虫の長期間持続的な防除を提供するような、動物用の殺虫剤を提供することである。
【0157】
本発明はまた、動物の体内および体表の寄生虫を駆除するための、殺寄生虫に有効な量の式Iの化合物またはそのエナンチオマーまたはその獣医学的に許容される塩と、許容される担体とを含む組成物に関する。
【0158】
本発明はまた、寄生虫による侵襲および感染に対して動物を処置し、寄生虫を防御し、寄生虫を予防し、動物を防護するための方法をも提供し、その方法は、殺寄生虫に有効な量の式Iの化合物もしくはそのエナンチオマーもしくはその獣医学的に許容される塩、またはそれを含んでいる組成物を、該動物に経口的に、局所的に、または非経口的に投与するかまたは適用することを含んでいる。
【0159】
本発明はまた、寄生虫による侵襲および感染に対して動物を処置し、寄生虫を防除し、寄生虫を予防し、動物を防護するための組成物の調製方法をも提供し、その方法は、殺寄生虫に有効な量の式Iの化合物もしくはそのエナンチオマーもしくはそれの獣医学的に許容される塩、またはそれを含んでいる組成物を含んでなる。
【0160】
農業における害虫に対して化合物に活性があることが、動物の体内および体表の外部寄生虫および内部寄生虫の防除に好適であることを示唆するものではなく、動物に好適であるためには、例えば、経口適用の場合には使用量が低く嘔吐を起こさないこと、代謝の点からみてその動物と調和しうること、毒性が低いこと、および取り扱いが安全であることなどが必要とされる。
【0161】
驚くべきことに、式Iの化合物が動物の体内および体表の外部寄生虫および内部寄生虫の駆除に好適であることが見出された。
【0162】
式Iの化合物もしくはそのエナンチオマーもしくはそれの獣医学的に許容される塩およびそれを含んでいる組成物は、好ましくは、温血動物(ヒトを含む)および魚類を含む動物への寄生虫の侵襲および感染を制御し防止するために用いられる。それらは例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ(swine)、ラクダ、シカ、ウマ、ブタ(pig)、家禽、ウサギ、ヤギ、イヌとネコ、水牛、ロバ、ファロージカ、トナカイなどの哺乳類、毛皮を持っている動物、例えばミンク、チンチラ、およびアライグマなど、鳥類、例えば、雌鶏、ガチョウ、七面鳥、およびアヒルなど、ならびに魚類、例えば淡水魚と海水魚、例えばマス、鯉、およびウナギなどへの寄生虫の侵襲と感染を制御し防止するために好適である。
【0163】
式Iの化合物もしくはそのエナンチオマーもしくはそれの獣医学的に許容される塩およびそれを含んでいる組成物は、好ましくは、飼い慣らされた動物、例えばイヌやネコでの寄生虫の侵襲と感染を制御し防止するために用いられる。
【0164】
温血動物および魚類への侵襲する寄生虫としては、限定はされないが、シラミ、ハジラミ、ダニ、ヒツジバエ、ヒツジシラミバエ、サシバエ、muscoid fly、ハエ、myasitic fly larvae、ツツガムシ、ブヨ、カ、およびノミが含まれる。
【0165】
式Iの化合物もしくはそのエナンチオマーもしくはそれの獣医学的に許容される塩およびそれを含んでいる組成物は、外部寄生虫および/もしくは内部寄生虫の全身的および/もしくは非全身的な防除に好適である。それらの物質は寄生虫の発育の全段階またはいくつかの段階に対して有効である。
【0166】
式Iの化合物は外部寄生虫の駆除に特に有用である。
【0167】
式Iの化合物は下記の目および種の寄生虫それぞれの駆除に特に有用である:
ノミ目(隠翅目、Siphonaptera)、例えばネコノミ(Ctenocephalides felis)、 イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ケオプトネズミノミ(Xenopsylla cheopis)、プレックス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、およびヨーロッパネズミノミ(Nosopsyllus fasciatus)、
網翅目(ゴキブリ目、Blattaria)、例えばチャバネゴキブリ(Blattella germanica)、オキナワチャバネゴキブリ(Blattella asahinae)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、ヤマトゴキブリ(Periplaneta japonica)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、クロゴキブリ(Periplaneta fuligginosa)、コワモンゴキブリ(Periplaneta australasiae)、およびトウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)、
ハエ、カ(双翅目、Diptera)、 例えばネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)、キンイロヤブカ(Aedes vexans)、メキシコミバエ(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペニス(Anopheles maculipennis)、アノフェレス・クルシアンス(Anopheles crucians)、アノフェレス・アルビマヌス(Anopheles albimanus)、ガンビエ・ハマダラカ(Anopheles gambiae)、アノフェレス・フレボルニ(Anopheles freeborni)、アノフェレス・ロイコスフィラス(Anopheles leucosphyrus)、 コガタハマダラカ(Anopheles minimus)、アノフェレス・クアドリマキュラタス(Anopheles quadrimaculatus)、ホホアカクロバエ(Calliphora vicina)、トウヨウラセンウジバエ(Chrysomya bezziana)、クリソミヤ・ホミニボラックス(Chrysomya hominivorax)、クリソミヤ・マセラリア(Chrysomya macellaria)、クリソプス・ジスカリス(Chrysops discalis)、クリソプス・シラセア(Chrysops silacea)、クリソプス・アトランチカス(Chrysops atlanticus)、コクリオミヤ・ホミニボラクス(Cochliomyia hominivorax)、コルジロビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、キュリコイデス・フレンス(Culicoides furens)、キュレクス・ピピエンス(Culex pipiens)、キュレクス・ニグリパルパス(Culex nigripalpus)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)、キュレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、キュリセタ・イノルナタ(Culiseta inornata)、キュリセタ・メラヌラ(Culiseta melanura)、ヒトヒフバエ(Dermatobia hominis)、ファニア・カニキュラリス(Fannia canicularis)、ガステロフィラス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis)、グロッシナ・モルシタンス(Glossina morsitans)、グロッシナ・パルパリス(Glossina palpalis)、グロッシナ・フスシペス(Glossina fuscipes)、グロッシナ・タキノイデス(Glossina tachinoides)、ヘマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)、ハプロジプロシス・エクエストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒペラテス(Hippelates)属の種、ヒポデルマ・リネアタ(Hypoderma lineata)、レプトコノプス・トレンス(Leptoconops torrens)、ルチリア・カプリナ(Lucilia caprina)、ルチリア・キュプリナ(Lucilia cuprina)、ルチリア・セリカタ(Lucilia sericata)、リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、マンソニア(Mansonia)属の種、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)、ヒツジバエ(Oestrus ovis)、サシチョウバエ(Phlebotomus argentipes)、プソロフォラ・コラムビエ(Psorophora columbiae)、プソロフォラ・ジスコロル(Psorophora discolor)、プロシムリウム・ミクスタム(Prosimulium mixtum)、サルコファーガ・ヘモロイダリス(Sarcophaga haemorrhoidalis)、 サルコファーガ(Sarcophaga)属の種、シムリウム・ヴィタタム(Simulium vittatum)、ストモキス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、テバヌス・ボビヌス(Tabanus bovinus)、タバヌス・アトラタス(Tabanus atratus)、タバヌス・リネオラ(Tabanus lineola)、およびタバヌス・シミリス(Tabanus similis)など、
シラミ(シラミ上目(Phthiraptera))、例えば、ペディクラス・フマヌス・カピティス(Pediculus humanus capitis)、ペディクラス・フマヌス・コルポリス( Pediculus humanus corporis)、プシラス・プビス(Pthirus pubis)、ヘマトピナス・エウリステルナス(Haematopinus eurysternus)、ヘマトピナス・スイス(Haematopinus suis)、リノグナサス・ヴィツリ(Linognathus vituli)、ボビコラ・ボビス(Bovicola bovis)、メノポン・ガリナエ(Menopon gallinae)、メナカンサス・ストラミネウス(Menacanthus stramineus)、およびソレノポテス・カピラトゥス(Solenopotes capillatus)など、
マダニと寄生性ダニ(Parasitiformes):マダニ亜目(Ixodida)、例えば、イクソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)、イクソデス・ホロシクラス(Ixodes holocyclus)、イクソデス・パキフィカス(Ixodes pacificus)、リフィケファラス・サングイネウス(Rhiphicephalus sanguineus)、デルマケントル・アンデルソニ(Dermacentor andersoni)、デルマケントル・ヴァリアビリス(Dermacentor variabilis)、アムブリオマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)、アンブリオマ・マクラタム(Ambryomma maculatum)、オルニソドラス・ヘルムシ(Ornithodorus hermsi)、オルニソドラス・トゥリカタ(Ornithodorus turicata)など、および寄生性ダニ(Mesostigmata)、例えばオルニソニサス・バコチ(Ornithonyssus bacoti)、およびデルマニサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)など、
ケダニ(Actinedida)(ケダニ亜目(Prostigmata))およびコナダニ(Acaridida)(コナダニ亜目(Astigmata))、例えばアカラピス(Acarapis)属の種、ケイテチエラ(Cheyletiella)属の種、オルニソケイレチア(Ornithocheyletia)属の種、ミオビア(Myobia)属の種、プソレガテス(Psorergates)属の種、デモデクス(Demodex)属の種、トロンビクラ(Trombicula)属の種、リストロフォラス(Listrophorus)属の種、アカラス(Acarus)属の種、チロファガス(Tyrophagus)属の種、カログリファス(Caloglyphus)属の種、ヒポデクテス(Hypodectes)属の種、プテロリカス(Pterolichus)属の種、プソロプテス(Psoroptes)属の種、コリオプテス(Chorioptes)属の種、オトデクテス(Otodectes)属の種、サルコプテス(Sarcoptes)属の種、ノトエドレス(Notoedres)属の種、クネミドコプテス(Knemidocoptes)属の種、シトジテス(Cytodites)属の種、ラミノシオプテス(Laminosioptes)属の種など、
カメムシ(異翅類Heteropterida): シメクス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、シメクス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、レヅビウス・セニリス(Reduvius senilis)、トリアトマ(Triatoma)属の種、ロドニウス(Rhodnius)属の種、パンストロンギラス(Panstrongylus)属の種、およびアリラス・クリタタス(Arilus critatus)など、
シラミ亜目(Anoplurida)、例えばヘマトピナス(Haematopinus)属の種、リノグナサス(Linognathus)属の種、ペディクラス(Pediculus)属の種、フティラス(Phtirus)属の種、およびソレノポテス(Solenopotes)属の種など、
ハジラミ目(Mallophagida) (マルツノハジラミ亜目(Amblycerina)およびホソツノハジラミ亜目(Ischnocerina))、例えばトリメノポン(Trimenopon)属の種、メノポン(Menopon)属の種、トリノトン(Trinoton)属の種、ボビコラ(Bovicola)属の種、ウェルネキエラ(Werneckiella)属の種、レピケントロン(Lepikentron)属の種、トリコデクテス(Trichodectes)属の種、およびフェリコラ(Felicola)属の種など、
線虫(Roundworms Nematoda):
旋毛虫類(Wipeworm とTrichinosis)(Trichosyringida)、例えばトリキネリダエ(Trichinellidae)科 (Trichinella属の種)、(トリクリダエ(Trichuridae)科) トリクリス(Trichuris)属の種、カピラリア(Capillaria)属の種、
カンセンチュウ目(Rhabditida)、例えばラブディティス(Rhabditis)属の種、ストロンギロイデス(Strongyloides)属の種、ヘリケファロバス(Helicephalobus)属の種、
エンチュウ目(Strongylida)、例えばストロンギラス(Strongylus)属の種、アンシロストマ(Ancylostoma)属の種、ネカトール・アメリカナス(Necator americanus)、 ブノストマム(Bunostomum)属の種 (Hookworm)、トリコストロンギラス(Trichostrongylus)属の種、ヘモンカス・コントルタス(Haemonchus contortus)、オステルタギア(Ostertagia)属の種、コオペリア(Cooperia)属の種、ネマトディラス(Nematodirus)属の種、ディクティオカウラス(Dictyocaulus)属の種、シアソストマ(Cyathostoma)属の種、オエソファゴストマム(Oesophagostomum)属の種、ステファナラス・デンタタス(Stephanurus dentatus)、オルラナス(Ollulanus)属の種、カベルティア(Chabertia)属の種、ステファヌラス・デンタタス(Stephanurus dentatus)、シンガマス・トラケア(Syngamus trachea)、アンシロストマ(Ancylostoma)属の種、ウンキナリア(Uncinaria)属の種、グロボセファラス(Globocephalus)属の種、ネカトール(Necator)属の種、メタストロンギラス(Metastrongylus)属の種、ムエレリアス・カピラリス(Muellerius capillaris)、プロトストロンギラス(Protostrongylus)属の種、アンギオストロンギラス(Angiostrongylus)種、パレラファオストロンギラス(Parelaphostrongylus)属の種、アレウロストロンギラス・アブストラサス(Aleurostrongylus abstrusus)、およびディオクトフィマ・レナレ(Dioctophyma renale)など、
腸内管線虫(Intestinal roundworm)(カイチュウ目(Ascaridida))、例えばアスカリス・ラムブリコイデス(Ascaris lumbricoides)、アスカリス・サウム(Ascaris suum)、アルカリディア・ガッリ(Ascaridia galli)、パラスカリス・エクオラム(Parascaris equorum)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis (Threadworm))、トキソカラ・カニス(Toxocara canis)、トキソカリス・レオニネ(Toxascaris leonine)、スクリャビネマ(Skrjabinema)属の種、およびオキシリス・エクイ(Oxyuris equi)など、
カマラヌス目(Camallanida)、例えばメジナ虫(Dracunculus medinensis)(ギニア虫)、
センビセンチュウ目(Spirurida)、例えばテラチア(Thelazia)属の種、ウケレリア(Wuchereria)属の種、ブルギア(Brugia)属の種、オンコケルカ(Onchocerca)属の種、ジロフィラリ(Dirofilari)属の種、ジペタロネマ(Dipetalonema)属の種、セタリア(Setaria)属の種、エラエオフォラ(Elaeophora)属の種、スピロケルカ・ルピ(Spirocerca lupi)、およびハブロネマ(Habronema)属の種、
鉤頭虫(鉤頭動物門(Acanthocephala))、例えばアカンソケファラス(Acanthocephalus)属の種、マクラカンソリンカス・ヒルジナケウス(Macracanthorhynchus hirudinaceus)、およびオンキコラ(Oncicola)属の種など、
扁形動物門 (Plathelminthes):
吸虫類(Trematoda)、例えばファキオラ(Faciola)属の種、ファシオロイデス・マグナ(Fascioloides magna)、パラゴニマス(Paragonimus)属の種、ジクロチェリウム(Dicrocoelium)属の種、ファシオロプシス・ブスキ(Fasciolopsis buski)、クロノルキス・シネンシス(Clonorchis sinensis)、シストソマ(Schistosoma)属の種、トリコビルアルツィア(Trichobilharzia)属の種、アラリア・アラタ(Alaria alata)、パラゴニマス(Paragonimus)属の種、およびナノキエテス(Nanocyetes)属の種、
条虫類(Cercomeromorpha)、特に条虫綱Cestoda (Tapeworms)、例えばジフィロボスリウム(Diphyllobothrium)属の種、テニア(Tenia)属の種、エキノコッカス(Echinococcus)属の種、ジピリジウム・カニナム(Dipylidium caninum)、ムルティケプス(Multiceps)属の種、ヒメノレピス(Hymenolepis)属の種、メソケストイデス(Mesocestoides)属の種、ヴァンピロレピス(Vampirolepis)属の種、モニエチア(Moniezia)属の種、アノプロケファラ(Anoplocephala)属の種、シロメトラ(Sirometra)属の種、アノプロケファラ(Anoplocephala)属の種、およびヒメノレピス(Hymenolepis)属の種など。
【0168】
式Iの化合物およびそれらを含んでいる組成物は、双翅目(Diptera)、ノミ目(Siphonaptera)、およびマダニ亜目(Ixodida)の目の害虫の防除に特に有用である。
【0169】
さらに、式Iの化合物およびそれらを含んでいる組成物をカの駆除に用いることは特に好ましい。
【0170】
式Iの化合物およびそれらを含んでいる組成物を、ハエの駆除に用いることは本発明のさらに好ましい実施形態である。
【0171】
さらにまた、式Iの化合物およびそれらを含んでいる組成物を、ノミの駆除に用いることは特に好ましい。
【0172】
式Iの化合物およびそれらを含んでいる組成物をマダニの駆除に用いることは、本発明のさらに好ましい実施形態である。
【0173】
式Iの化合物はまた、内部寄生虫(線虫類、鉤頭虫、および渦虫)の駆除に特に有用である。
【0174】
投与は予防的、治療的の双方で行うことができる。
【0175】
活性化合物の投与は、直接的に、または適切な製剤の形態で、経口的に、局所的/皮膚表面に、または非経口的に行われる。
【0176】
温血動物への経口投与には、式Iの化合物を、動物用の餌、あらかじめ混合した動物の餌、動物の餌の濃縮物、丸剤、溶液、ペースト剤、懸濁液、水薬(drench)、ゲル、錠剤、大丸薬(bolus)、およびカプセル剤として製剤化することができる。さらに、式Iの化合物は動物の飲料水中に入れて動物に投与することができる。経口投与には、選択した投与形態が、その動物に、1日あたり0.01mg/kg体重〜100mg/kg体重の式Iの化合物、好ましくは1日あたり0.5mg/kg体重〜100mg/kg体重の式Iの化合物を提供しうるものとすべきである。
【0177】
あるいはまた、式Iの化合物は動物に、例えば、第1胃内(intraruminal)、筋肉内、静脈内、または皮下注射によって非経口的に投与することができる。式Iの化合物は、皮下注射を行うために、生理学的に許容される担体に分散または溶解させることができる。あるいはまた、式Iの化合物は皮下への投与のためにインプラントに製剤化することができる。さらに、式Iの化合物は、動物に経皮的に投与することができる。非経口投与には、選択した投与形態が、その動物に、1日あたり0.01mg/kg体重〜100mg/kg体重の式Iの化合物を提供しうるものとすべきである。
【0178】
式Iの化合物はまた、浸漬剤、倍散剤、粉剤、カラー(首輪)、メダル、スプレー、シャンプー、スポット製剤およびポアオン(pouring-on)製剤、ならびに軟膏または水中油型もしくは油中水型のエマルジョンの形態で動物に局所的に適用することもできる。局所適用では、浸漬とスプレーは、式Iの化合物を通常0.5ppm〜5,000ppm、好ましくは1ppm〜3,000ppm含有している。さらに、式Iの化合物は動物、特にウシやヒツジなどの四足獣の耳札(ear tag)として製剤化することができる。
【0179】
好適な製剤は以下の通り:
−経口用溶液などの溶液、希釈後に経口投与するための濃縮製剤、皮膚または体腔用の溶液、ポアオン(pouring-on)製剤、ゲル;
−経口および皮膚への投与のためのエマルジョンおよび懸濁剤;半固形製剤;
−活性化合物を軟膏基剤中または水中油型もしくは油中水型のエマルジョンの基剤中に含ませた製剤;
−粉末剤、プレミックスまたは濃縮製剤、顆粒剤、ペレット、錠剤、大丸薬、カプセル剤、エアロゾルと吸入剤、および活性化合物含有の成型物;
注射用に好適な組成物は、活性成分を適切な溶媒中に溶解し、任意でさらに別の成分、例えば酸、塩基、緩衝塩類、保存剤、および溶解剤などを添加することによって調製される。その溶液はろ過され、無菌的に分注される。
【0180】
好適な溶媒は、生理学的に耐容性のある溶媒、例えば、水、エタノール、ブタノール、ベンジルアルコール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどのアルカノール、N-メチルピロリドン、2-ピロリドン、およびそれらの混合物などである。
【0181】
活性化合物は任意で生理学的に耐容性のある植物油または合成油中に溶解することができ、それは注射に適している。
【0182】
好適な溶解剤は、活性化合物の主たる溶媒中への溶解を促進するかまたは沈殿の形成を防止する溶媒である。例としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチル化ヒマシ油、およびポリオキシエチル化ソルビタンエステルが挙げられる。
【0183】
好適な保存剤としては、ベンジルアルコール、トリクロロブタノール、p-ヒドロキシ安息香酸エステル、およびn-ブタノールが挙げられる。
【0184】
経口投与用溶液は直接的に投与される。濃縮製剤は使用濃度まで希釈した後に経口的に投与される。経口投与用溶液と濃縮製剤は最新の技術で上述のとおり調製され、無菌操作法は必須ではない。
【0185】
皮膚に用いる溶液は、皮膚上にたらす(trickle)か、塗り拡げるか、擦り込むか、まき散らすか、または噴霧する。
【0186】
皮膚に用いる溶液は、最新の技術で、および上述の注射用溶液についての記載に従って調製され、無菌操作法は必要でない。
【0187】
さらに好適な溶媒は、ポリプロピレングリコール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル、安息香酸ベンジル、アルキレングリコールアルキルエーテルなどのエーテル、例えばジプロピレングリコールモノメチルエーテルなど、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、芳香族炭化水素、植物油および合成油、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トランスカトール(transcutol)、ソルケタール、プロピレンカーボネート、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0188】
製造途中に増粘剤を添加することは有利な場合もある。好適な増粘剤は、無機増粘剤、例えばベントナイト、コロイド状ケイ酸、モノステアリン酸アルミニウムなど、有機増粘剤、例えば、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、およびそれらの共重合体、アクリレートおよびメタクリレートが挙げられる。
【0189】
ゲル剤は皮膚上に適用されるかもしくは塗り拡げられ、または体腔に導入される。ゲル剤は、注射用溶液の場合についての既述のとおり調製した溶液を十分量の増粘剤とともに処理することによって調製され、軟膏のような均質性を有する透明なものが得られる。用いられる増粘剤は上記で示した増粘剤である。
【0190】
ポアオン(Pour-on)製剤は皮膚の限られた範囲に注がれるかまたは噴霧され、活性化合物は皮膚を通過して全身的に作用する。
【0191】
ポアオン製剤は皮膚と共存しうる適切な溶媒もしくは溶媒の混合物中で活性化合物を溶解、懸濁、もしくは乳化することによって調製される。適切であれば、他の補助剤、例えば着色料、生物吸収促進物質、抗酸化剤、光安定剤、粘着剤が添加される。
【0192】
好適な溶媒は:水、アルカノール、グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、芳香族アルコール、例えば、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、エステル、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸ベンジルなど、アルキレングリコールアルキルエーテルなどのエーテル、例えばジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなど、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトンなど、環状カーボネート、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなど、芳香族および/もしくは脂肪族炭化水素、植物油もしくは合成油、DMF、ジメチルアセトアミド、n-アルキルピロリドン、たとえばメチルピロリドン、n-ブチルピロリドン、またはn-オクチルピロヂドン、N-メチルピロリドン、2-ピロリドン、2,2-ジメチル-4-オキシ-メチレン-1,3-ジオキソラン、ならびにグリセロールホルマールが挙げられる。
好適な着色料は動物への使用が許可されている全ての着色料であり、それを溶解または懸濁することができる。
【0193】
好適な吸収促進物質としては、例えば、DMSO、拡散油(spreading oil)、例えばミリスチン酸イソプロピル、ペラルゴン酸ジプロピレングリコール、シリコン油、およびそれらの、ポリエーテルとの共重合体、脂肪酸エステル、トリグリセリド、脂肪族アルコールが挙げられる。
【0194】
好適な抗酸化剤としては、亜硫酸塩、またはメタ重亜硫酸カリウムなどのメタ重亜硫酸塩、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロールが挙げられる。
【0195】
好適な光安定剤としては、例えば、ノバンチソル酸が挙げられる。
【0196】
好適な粘着剤としては、例えば、セルロース誘導体、デンプン誘導体、ポリアクリレート、天然の重合体、例えばアルギン酸塩、ゼラチンなどが挙げられる。
【0197】
エマルジョンは、経口的に、経皮的に、または注射として投与することができる。
【0198】
エマルジョンは油中水型もしくは水中油型のいずれかである。
【0199】
これらのエマルジョンは活性化合物を疎水性相または親水性相のいずれかに溶解し、それを、適切な乳化剤および適切であればその他の補助剤、例えば着色料、吸収促進物質、保存剤、抗酸化剤、光安定剤、増粘性物質とともにもう一方の相の溶媒とホモゲナイズすることによって調製される。
【0200】
好適な疎水性相(油相)としては:
流動パラフィン、シリコン油、天然の植物油、例えば、ゴマ油、亜麻仁油、ヒマシ油など、合成トリグリセリド、例えば、カプリル/カプリン酸ビグリセリド、トリグリセリドと鎖長がC8-C12の植物の脂肪酸またはその他の特別に選んだ天然脂肪酸との混合物、おそらくヒドロキシル基も含有している飽和または不飽和脂肪酸の部分的なグリセリド混合物、C8-C10脂肪酸のモノ-およびジグリセリド、脂肪酸エステル、例えばステアリン酸エチル、アジピン酸ジ-n-ブチリル、ラウリン酸ヘキシル、ペラルゴン酸ジプロピレングリコールなど、中鎖長の分枝鎖状脂肪酸と鎖長がC16-C18の飽和脂肪族アルコールとのエステル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鎖長がC12-C18の飽和脂肪族アルコールのカプリル酸/カプリン酸エステル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、オレイン酸エチル、乳酸エチル、ロウ状脂肪酸エステル、例えば合成アヒル尾骨腺脂肪(synthetic duck coccygeal gland fat)、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピル、およびこの後者に関連するエステルの混合物、脂肪族アルコール、例えばイソトリデシルアルコール、2-オクチルドデカノール、セチルステアリルアルコール、オレイルアルコールなど、および脂肪酸、例えばオレイン酸およびそれらの混合物が挙げられる。
【0201】
好適な親水性相としては、水、アルコール、例えばプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、およびそれらの混合物などが挙げられる。
【0202】
好適な乳化剤としては、非イオン性界面活性剤として、例えば、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリエトキシル化モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸ポリオキシエチル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル;両性界面活性剤として、例えば、N-ラウリル-p-イミノジプロピオン酸二ナトリウムまたはレシチンなど;陰イオン性界面活性剤として、例えばラウリル硫酸ナトリウム、脂肪族アルコール硫酸エーテル、モノ/ジアルキルポリグリコールエーテルオルトリン酸エステルモノエタノールアミン塩など;陽イオン性界面活性剤として、例えば塩化セチルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0203】
好適な補助剤としては、エマルジョンの粘性を高めて安定化させる物質、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、およびその他のセルロースとデンプンの誘導体、ポリアクリレート、アルギン酸塩、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体、ポリエチレングリコール、ロウ、コロイド状ケイ酸、または上述の物質の混合物が挙げられる。
【0204】
懸濁液は経口的にまたは局所的/経皮的に投与することができる。懸濁液は、活性化合物を懸濁化剤中に、適切であればその他の補助剤、例えば湿潤剤、着色料、生物吸収促進物質、保存剤、抗酸化剤、光安定剤などを添加して、懸濁することによって調製される。
【0205】
液状の懸濁化剤としては、均質な溶媒の全ておよび溶媒の混合物が挙げられる。
【0206】
好適な湿潤剤(分散剤)としては、上述の乳化剤が挙げられる。
【0207】
その他の補助剤として言及しうるものは上述のものである。
【0208】
半固形製剤を経口的にまたは局所的/経皮的に投与することができる。そのような製剤は上述の懸濁液やエマルジョンとは粘度がより高いことのみ異なる。
【0209】
固形製剤の調製には、活性化合物を適切な賦形剤とともに、適切であるならば補助剤を添加して、混合し、所望の形態とする。
【0210】
好適な賦形剤としては、生理学的に耐容しうる固形で不活性な物質は全て挙げられる。用いられているものは無機及び有機の物質である。無機物質としては、例えば、塩化ナトリウム、炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、炭酸水素塩、酸化アルミニウム、酸化チタン、キサン、陶土、沈降シリカもしくはコロイド状シリカ、またはリン酸塩が挙げられる。有機物質としては、例えば、糖、セルロース、食材および飼料、例えば、粉ミルク、動物の肉粉、穀粉および穀物を細断したもの、デンプンなどが挙げられる。
【0211】
好適な補助剤は、保存剤、抗酸化剤、および/もしくは着色料が挙げられ、それらについては上記で述べた。
【0212】
その他の好適な補助剤としては、滑沢剤および流動化剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ベントナイトなど、崩壊促進物質、例えば、デンプンもしくは架橋ポリビニルピロリドンなど、結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、もしくは直鎖ポリビニルピロリドンなど、ならびに乾燥結合剤、例えば微結晶性セルロースが挙げられる。
【0213】
一般的には、「殺寄生虫に有効な量」とは、寄生虫の成育に対して観察可能な効果を達成するのに必要な活性成分の量を意味し、そのような効果としては、標的とする生物の壊死、殺滅、成長遅滞、阻止、および排除、破壊、またはその生物の 発生と活動性を低減するその他の別な効果を含んでいる。殺寄生虫に有効な量は本発明で用いられる様々な化合物/組成物によって異なることがある。組成物の殺寄生虫に有効な量はまた、主な使用条件、例えば所望の殺寄生虫効果および期間、標的となる動物種、適用方法などの事項によって異なりうる。
【0214】
本発明で用いうる組成物は、一般的には式Iの化合物の約0.001〜95%を含んだものとすることができる。
【0215】
一般的には、式Iの化合物を総量で1日あたり0.5mg/kg〜100mg/kg、好ましくは1日あたり1mg/kg〜50mg/kgで適用することが好ましい。
【0216】
すぐにそのまま使える製剤は、寄生虫、好ましくは外部寄生虫に対する作用のある化合物を、10ppm〜80重量%、好ましくは0.1〜65重量%、より好ましくは1〜50重量%、最も好ましくは5〜40重量%の濃度で含んでいる。
【0217】
使用前に希釈して用いる製剤は、外部寄生虫に対して作用する化合物を、0.5〜90重量%、好ましくは1〜50重量%の濃度で含んでいる。
【0218】
さらに、該製剤は、外部寄生虫に対して作用する式Iの化合物を、10ppm〜2重量%、好ましくは0.05〜0.9重量%、きわめて好ましくは0.005〜0.25重量%の濃度で含んでいる。
【0219】
本発明の好ましい実施形態においては、式Iの化合物を含んでいる組成物は経皮的/局所的に適用される。
【0220】
さらに好ましい実施形態においては、該局所適用は、化合物を含有している成型物、例えばカラー(首輪)、メダル、耳札、体の部分を固定するバンド、および接着性の細長い片(strip)および薄片(foil)などの形態で行われる。
【0221】
一般的には、式Iの化合物を3週間の間に処置した動物の体重あたり、総量で10mg/kg〜300mg/kg、好ましくは20mg/kg〜200mg/kg、最も好ましくは25mg/kg〜160mg/kg放出する固形製剤を適用することが好ましい。
【0222】
該成型物の調製には、熱可塑性プラスチックおよび軟質プラスチック、ならびにエラストマーと熱可塑性エラストマーが用いられる。好適なプラスチックとエラストマーは、ポリビニル樹脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、セルロース、セルロース誘導体、ポリアミド、およびポリエステルが挙げられ、それらは式Iの化合物と十分に適合しうるものである。プラスチックとエラストマーの詳細なリスト、および成型物の製造方法は、例えばWO 03/086075に述べられている。
【0223】
本発明を下記の例によってさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0224】
P.調製例
P.1 酢酸2-[3-(7-ブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イル)-チオウレイド]-エチルエステル(表1の化合物例6)
10mLのトルエン中の7-ブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イルアミン(0.32g)に、酢酸2-イソチオシアナートエチルエステル(0.20g)を室温で添加し、一晩撹拌した。その反応混液を真空中で濃縮し、残査をシリカゲル上で精製して0.42gの産物(80%)を油として得た。
【0225】
P.2 安息香酸2-[3-(5-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イル)-チオウレイド]-エチルエステル(表1の化合物例7)
10mLのトルエン中の5-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イルアミン(0.32g)に、安息香酸2-イソチオシアナートエチルエステル(0.37g)を室温で添加し、一晩撹拌した。その反応混液を真空中で濃縮し、残査をシリカゲル上で精製して0.32gの産物(46%)を無色の固体(融点135〜137℃)として得た。
【0226】
P.3 イソニコチン酸2-(3-インダン-1-イル-チオウレイド)-エチルエステル(表1の化合物例13)
クロロホルム中にチオホスゲン(4.14g)を含む溶液に、70mLの水に13.25gの炭酸カリウムを含んだ溶液を室温で添加した。この混液に、クロロホルム(100mL)中にインダニル-1-アミン(4.00g)を含む溶液を添加し、その混液を室温で一晩撹拌した。その反応混液を水で洗い(2 x)、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒の蒸散によって産物(5.20g、99%)が得られ、その産物をそれ以上精製することなく次の工程で用いた。
【0227】
この粗イソチオシアナートの2.97gをトルオール(70mL)に溶解し、2-アミノエタノールで2時間、90℃で処理した。その混液を真空中で濃縮し、残査を軽質石油エーテルでtiturateした。固形産物をろ過して分離し、真空中で乾燥し(収量:3.88g、97%)、その産物をそれ以上精製することなく次の工程で用いた。
【0228】
THF(20mL)中に1-(2-ヒドロキシ-エチル)-3-インダン-1-イル-チオウレア(0.47g)およびトリエチルアミン(0.44g)を含む溶液を、6mLのTHFにイソニコチニルクロリド塩酸塩(0.36g)を含む溶液で処理し、その混液を50℃で4時間撹拌した。真空中で濃縮した後、その混合物を酢酸エチル中に溶解し、水で洗い、有機層を乾燥分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。残査をシリカゲルでカラムクロマトグラフィーを行って精製して、無色の産物(39%)の粉末(0.27g)が得られ、融点は126〜128℃であった。
【0229】
P.4 メトキシ-酢酸2-(3-インダン-1-イル-チオウレイド)-エチルエステル(表1の化合物例14)
THF(20mL)に1-(2-ヒドロキシ-エチル)-3-インダン-1-イル-チオウレア(0.47g、化合物例16について記載した方法に従って調製)およびトリエチルアミン(0.44g)を含む溶液を、室温でTHF(6mL)にメトキシアセチルクロリド(0.22g)を含む溶液で処理し、50℃で10時間撹拌した。その反応混液を真空中で濃縮し、酢酸エチル中で溶解し、水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を蒸散させ、残査をシリカゲルで精製して58%の収率で産物(0.36g)を得た。
【0230】
P.5 (S)-1-インダン-1-イル-3-[2-(チアゾール-2-イルオキシ)-エチル]-チオウレア(表1の化合物例20)
ジメチルホルムアミド(30mL)に1-(2-ヒドロキシエチル)-3-インダン-1-イル-チオウレアのS-異性体(0.50g、鏡像異性的に純粋な(S)-インダニル-1-アミンを出発物質として、化合物例16について記載した方法に従って調製)を含む溶液を炭酸カリウム(0.37g)および2-ブロモチアゾール(0.43g)で処理し、45℃で6時間加熱した。さらに室温で一晩撹拌した後、炭酸カリウム(0.15g)を追加し、その溶液を55℃で5時間撹拌した。過剰の炭酸塩をろ過して除き、ろ液を濃縮し、その濃縮した液をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけて精製した。これによって産物(0.39g、58%)を油として得た。
【0231】
C. 化合物の例
一般式Iの化合物はしかるべく調製することができる。それらの化合物の分光学的データは表1に列挙している。
【表1】

【0232】

【0233】

【0234】

【0235】

【0236】

【0237】
B. 害虫に対する作用の例
化合物Iの害虫に対する作用を下記の例によって示した。
【0238】
活性化合物を、
a. 100ppmのKinetic(登録商標)(界面活性剤)を添加した、アセトン:水を50:50とした溶液でワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、およびマメクロアブラムシ(Aphis fabae)に対する活性を試験するため、
b. 35%アセトンと水の混合物中に10,000ppm含まれる溶液で、これは必要に応じて水で希釈したが、その溶液のスポドプテラ・エリダニア(Spodoptera eridania)に対する活性を試験するため、
製剤化した。
【0239】
実験完了後、それぞれの場合で、該化合物が非処理の対照と比較して75から100%の阻害もしくは害虫の殺滅を生じさせる最も低い濃度を決定した(限界濃度または最小濃度)。
【0240】
B.1 ワタアブラムシ(Aphis gossypii)
子葉のステージにある綿(品種"Delta Pine")に、実験室で育てたアブラムシ約100匹を、そのアブラムシのついた葉の断片を供試植物の上に置くことによって、侵襲させる。その葉の断片を24時間後に除去する。インタクトな植物の子葉を供試化合物の濃度を様々に変えた溶液中に浸漬する。5日後に、処理した植物でのアブラムシの殺滅の度合いを、対照とした植物での度合いと比較して求める。
【0241】
この試験では、化合物例の1-3、9-17、および22-41の化合物が300ppmで、非処理の対照と比較して80%を超える害虫殺滅率を示した。
【0242】
B.2 モモアカアブラムシ(Myzus persicae)
2回目の双葉ステージにあるトウガラシ(ピーマン)植物(品種"California Wonder")に、実験室で育てたアブラムシ約40匹を、そのアブラムシのついた葉の断片を供試植物の上に置くことによって、侵襲させる。その葉の断片を24時間後に除去する。インタクトな植物の子葉を供試化合物の濃度を様々に変えた溶液中に浸漬する。5日後に、処理した植物でのアブラムシの殺滅の度合いを、対照とした植物での度合いと比較して求める。
【0243】
この試験では、化合物例の1-3、9、10-15、17、および22-41の化合物が300ppmで、非処理の対照と比較して80%を超える害虫殺滅率を示した。
【0244】
B.3 マメクロアブラムシ(Aphis fabae)
1回目の双葉ステージにあるキンレンカ(品種"Mixed Jewel")に、実験室で育てたアブラムシ約25匹を、そのアブラムシのついた植物の断片を供試植物の上に置くことによって、侵襲させる。その断片を24時間後に除去する。供試植物の葉および茎を、供試化合物の濃度を様々に変えた溶液中に浸漬する。3日後に、アブラムシの殺滅の度合い求める。
【0245】
この試験では、化合物例の12-15の化合物が300ppmで、非処理の対照と比較して80%を超える害虫殺滅率を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物:
【化1】

(式中、
nは1または2であり;
mは1、2、3、または4であって、mが1より大きい場合には、R1基は同じまたは異なる意味を有していてもよく;
R1は、水素、ハロゲン、OH、SH、NH2、SO3H、COOH、シアノ、アジド、ニトロ、ホルミル、CONH2、CSNH2、CH=N-OH、CH=N-O-(C1-C6)-アルキル、C(=O)R1c、C(=S)R1c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C1-C8-アルキルチオ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルケニルアミノ、C2-C6-アルケニルチオ、C2-C6-アルキニル、C2-C6-アルキニルオキシ、C2-C6-アルキニルアミノ、C2-C6-アルキニルチオ、C1-C6-アルキルスルホニル、C1-C6-アルキルスルホキシル、C2-C6-アルケニルスルホニル、C2-C6-アルキニルスルホニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C2-C6-アルケニルオキシ)カルボニル、(C2-C6-アルキニルオキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)カルボニルオキシ、(C2-C6-アルケニル)カルボニルオキシまたは(C2-C6-アルキニル)カルボニルオキシ、(C2-C6-アルケニル)カルボニルアミノ(ここで、上記の基の脂肪族基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された、1、2、または3個の基の任意の組合せを有していてもよい。);
C(O)NR1aR1b、(SO2) NR1aR1b(式中、
R1aおよびR1bはそれぞれ独立に、水素、OH、NH2、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、またはC2-C6-アルキニルであり;
R1cは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、ヒドラジノ、(C1-C6-アルキル)ヒドラジノ、ジ(C1-C6-アルキル)ヒドラジノ、フェニル、およびヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは単環または二環の5から10員のヘテロ芳香環とすることができ、そのヘテロ芳香環はO、S、およびNから選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含む。)から選択される。);
Y-Ar基またはY-Cy基(式中、
Yは単結合、酸素、イオウ、窒素、C1-C6-アルカンジイル、またはC1-C6-アルカンジイルオキシであり;
Arはフェニル、ナフチル、または単環もしくは二環の5から10員のヘテロ芳香環であり、そのヘテロ芳香環は環員として2個の酸素原子、2個のイオウ原子、および3個の窒素原子から選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含み、ここでArは置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された1から5個の基の任意の組み合わせを有していてもよく;
CyはC3-C12-シクロアルキルであり、それは置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された1から5個の基で置換されている。);
から選択され;
ここで、フェニル環の隣接する炭素原子と結合しているR1基は、その炭素原子とともに、融合したベンゼン環、融合した飽和もしくは部分的に不飽和の、5員、6員、もしくは7員の炭素環、または融合した5員、6員、もしくは7員のヘテロ環を形成してもよく、ヘテロ環は環員として2個の酸素原子、2個のイオウ原子、および3個の窒素原子から選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含み、ここでその融合した環は置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された1、2、3、または4個の基を有していてもよい;
R2は、水素、C(=O)R2d、C(=S)R2d、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルアミノ、C2-C6-アルキニル、C2-C6-アルキニルアミノ、ジ(C2-C6-アルキニル)アミノ、C1-C6-アルキルスルホニル、C2-C6-アルケニルスルホニル、C2-C6-アルキニルスルホニル、C1-C6-アルキルスルフィニル、C2-C6-アルケニルスルフィニル、C2-C6-アルキニルスルフィニル、C3-C12-シクロアルキル、P(=O)R2aR2b、P(=S)R2aR2b、NR2aR2b、SiR2aR2bR2c、N=CR2aR2b、CR2a=NR2b;フェニル、または単環もしくは二環の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は、酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでもよく、また、その環は置換されていないかまたは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換されている。)から選択され;式中、
R2a、R2b、およびR2cは、各々独立に水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ(ここで、これらの基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から3個の置換基で置換されていてもよい。)から選択される;
R2dは、水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C2-C6-アルキニルアミノ、ジ(C2-C6-アルキニル)アミノ、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ(ここで、これらの基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から3個の置換基で置換されていてもよい。);フェニル、または単環もしくは二環の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は、酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、その環は置換されていないか、または、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換されている。)から選択される;
R3、R4は、水素、シアノ、ニトロ、ホルミル、C(=O)R3cまたはC(=O)R4c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)メチレン、C1-C6-アルキルスルフィニル、C1-C6-アルキルスルフェニル、またはC1-C6-アルキルスルホニル(ここで、上記の基の脂肪族基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された1、2、または3個の基の任意の組み合わせを有していてもよい。)、C(O)NR3aR3bまたはC(O)NR4aR4b、(SO2)NR3aR3bまたは(SO2)NR4aRR4b、フェニル、フェニルオキシ、またはベンジルから選択され、この最後の3種の基の各々は置換されていないか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシからなる群から互いに独立に選択された1から5個の基で置換されていてもよく;および式中、
R3a、R4aおよびR3b、R4bはそれぞれ独立に、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、またはC2-C6-アルキニルから選択され;
R3c、R4cはそれぞれ独立に、水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、またはC2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、フェニル、およびヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは単環または二環の5員から10員のヘテロ芳香環とすることができ、O、S、およびNから選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含む。)から選択され;
ただし、R3とR4のうちの少なくとも1つは水素である。);
あるいは、それらのエナンチオマー、および/または農業的にもしくは獣医学的に許容される塩であり、
ただし、式Iの化合物は、3-(1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフチル)-チオ-ウレア誘導体(式中、(R1)m、R3、およびR4は水素であり、R2は水素であるかまたはR2はCH3である。)を表すものではない、
化合物。
【請求項2】
nが1である、請求項1に記載の式Iのインダニル-アミノ-チオウレア化合物。
【請求項3】
nが2である、請求項1に記載の式Iのテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物。
【請求項4】
mが1、2、または3である、請求項1に記載のインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物。
【請求項5】
mが1または2である、請求項1に記載のインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物。
【請求項6】
mが1である、請求項1に記載のインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、R1がシアノ、アジド、ハロゲン、OH、SH、NH2、CONH2、SO3H、COOH、C(=O)R1c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノから選択され、ここで、上記の基の脂肪族基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシからなる群から互いに独立に選択された、1、2、もしくは3個の基の任意の組み合わせを有していてもよく、式中、R1cは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、フェニル、およびヘテロアリールから選択され、ヘテロアリールは単環、もしくは二環の5員から10員のヘテロ芳香環とすることができ、O、S、およびNから選択された1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子を含む、
化合物。
【請求項8】
請求項1に定義された式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、
R2は、C(=O)R2d、C(=S)R2d、C1-C6-アルキル、フェニル、または単環もしくは二環の5員から10員の芳香環系(ここで芳香環系は酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含むことができ、その環は置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオからなる群から選択された1つから5つの基の任意の組み合わせで置換される。)から選択され;式中、
R2dは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C2-C6-アルキニルアミノ、ジ(C2-C6-アルキニル)アミノ、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ(ここでこれらの基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から3個の置換基で置換されていてもよい。);フェニル、または単環もしくは二環式の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は、酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、その環は置換されていないか、または、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換される。)から選択される、
化合物。
【請求項9】
請求項1に定義された式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、
R2は、C(=O)R2d、フェニル、または単環もしくは二環の5員から10員の芳香環系から選択され、その芳香環系は酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、その環は置換されていないか、もしくはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオからなる群から選択された1つから5つの基の任意の組み合わせで置換され;式中、
R2dは、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C2-C6-アルキニルアミノ、ジ(C2-C6-アルキニル)アミノ、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ(ここでこれらの基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から3個の置換基で置換されていてもよい。);フェニル、または単環もしくは二環式の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は、酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、また、その環は置換されていないかまたは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換される。)から選択される、
化合物。
【請求項10】
請求項1に定義された式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、
R2は、C(=O)R2d、フェニル、または単環もしくは二環の5員から10員の芳香環系から選択され、その芳香環系は酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、その環は置換されていないかもしくはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオからなる群から選択された1つから5つの基の任意の組み合わせで置換され;式中、
R2dはC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル;フェニル、または単環もしくは二環式の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は、酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、また、その環は置換されていないか、または、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換される。)から選択される、
化合物。
【請求項11】
請求項1に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、
R3、R4は、水素、シアノ、C(=O)R3cまたはC(=O)R 4c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)メチレン、C1-C6-アルキルスルフィニル、C1-C6-アルキルスルフェニル、またはC1-C6-アルキルスルホニルから選択され;式中、
R3cまたはR4cは、それぞれ独立に、水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、フェニル、およびヘテロアリール(これは単環または二環の5員から10員のヘテロ芳香環とすることができ、それはO、S、およびNから選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含む。)から選択され;
ただし、R3とR4のうちの少なくとも1つは水素である、
化合物。
【請求項12】
請求項1に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物であって、
R3、R4は、水素、シアノ、C(=O)R3cまたはC(=O)R4c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、(C1-C6-アルコキシ)メチレン、C1-C6-アルキルスルフィニル、C1-C6-アルキルスルフェニル、またはC1-C6-アルキルスルホニルから選択され;式中、
R3cまたはR4cは、それぞれ独立に、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、フェニル、およびヘテロアリール(これは単環または二環の5員から10員のヘテロ芳香環とすることができ、それはO、S、およびNから選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含む。)から選択され;
ただし、R3とR4のうちの少なくとも1つは水素である、
化合物。
【請求項13】
R3、R4が双方とも水素である、請求項1に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物。
【請求項14】
式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物:
【化2】

(式中、
nは1または2であり;
mは1、2、または3であって、mが1より大きい場合には、R1基は同じまたは異なる意味を有していてもよく、
R1は、水素、ハロゲン、OH、SH、NH2、SO3H、COOH、シアノ、アジド、ニトロ、ホルミル、CONH2、CSNH2、CH=N-OH、CH=N-O-(C1-C6)-アルキル、C(=O)R1c、C(=S)R1c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C1-C8-アルキルチオ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルケニルアミノ、C2-C6-アルケニルチオ、C2-C6-アルキニル、C2-C6-アルキニルオキシ、C2-C6-アルキニルアミノ、C2-C6-アルキニルチオ、C1-C6-アルキルスルホニル、C1-C6-アルキルスルホキシル、C2-C6-アルケニルスルホニル、C2-C6-アルキニルスルホニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C2-C6-アルケニルオキシ)カルボニル、(C2-C6-アルキニルオキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)カルボニルオキシ、(C2-C6-アルケニル)カルボニルオキシまたは(C2-C6-アルキニル)カルボニルオキシ、(C2-C6-アルケニル)カルボニルアミノ(ここで、上記の基の脂肪族基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された、1、2、または3個の基の任意の組合せを有していてもよい。);
C(O)NR1aR1b、(SO2) NR1aR1b(式中、
R1aおよびR1bはそれぞれ独立に、水素、OH、NH2、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、またはC2-C6-アルキニルから選択され;
R1cは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、ヒドラジノ、(C1-C6-アルキル)ヒドラジノ、ジ(C1-C6-アルキル)ヒドラジノ、フェニル、およびヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは単環または二環の5から10員のヘテロ芳香環とすることができ、そのヘテロ芳香環はO、S、およびNから選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含む。)から選択される。);
Y-Ar基またはY-Cy基(式中、
Yは単結合、酸素、イオウ、窒素、C1-C6-アルカンジイル、またはC1-C6-アルカンジイルオキシであり;
Arはフェニル、ナフチル、または単環もしくは二環の5から10員のヘテロ芳香環であり、そのヘテロ芳香環は、環員として、2個の酸素原子、2個のイオウ原子、および3個の窒素原子から選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含み、ここでArは置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された1から5個の基の任意の組合せであってもよく;
CyはC3-C12-シクロアルキルであり、それは置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された1から5個の基で置換されている。);
から選択され;
ここで、フェニル環の隣接する炭素原子と結合しているR1基は、その炭素原子とともに、融合したベンゼン環、融合した飽和もしくは部分的に不飽和の、5員、6員、もしくは7員の炭素環、または融合した5員、6員、もしくは7員のヘテロ環を形成していてもよく、ヘテロ環は、環員として、2個の酸素原子、2個のイオウ原子、および3個の窒素原子から選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含み、ここでその融合した環は置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された1、2、3、または4個の基を有していてもよい;
R2は、水素、C(=O)R2d、C(=S)R2d、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニルアミノ、C2-C6-アルキニル、C2-C6-アルキニルアミノ、ジ(C2-C6-アルキニル)アミノ、C1-C6-アルキルスルホニル、C2-C6-アルケニルスルホニル、C2-C6-アルキニルスルホニル、C1-C6-アルキルスルフィニル、C2-C6-アルケニルスルフィニル、C2-C6-アルキニルスルフィニル、C3-C12-シクロアルキル、P(=O)R2aR2b、P(=S)R2aR2b、NR2aR2b、SiR2aR2bR2c、N=CR2aR2b、CR2a=NR2b
フェニル、または単環もしくは二環の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、また、その環は置換されていないか、または、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換されている。)から選択され;式中、
R2a、R2b、およびR2cは、各々独立に水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ(ここで、これらの基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から3個の置換基で置換されていてもよい。)から選択される;
R2dは、水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C2-C6-アルキニルアミノ、ジ(C2-C6-アルキニル)アミノ、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ(ここで、これらの基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から3個の置換基で置換されていてもよい。);フェニル、または単環もしくは二環の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は、酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでおり、また、その環は置換されていないか、または、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換されている。)から選択される;
R3、R4は、水素、シアノ、ニトロ、ホルミル、C(=O)R3cまたはC(=O)R4c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)メチレン、C1-C6-アルキルスルフィニル、C1-C6-アルキルスルフェニル、またはC1-C6-アルキルスルホニル(ここで、上記の脂肪族基の炭素原子は、互いに独立にハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から選択された1、2、または3個の基の任意の組み合わせを有していてもよい。)、C(O)NR3aR3bまたはC(O)NR4aR4b、(SO2)NR3aR3bまたは(SO2)NR4aR4b、フェニル、フェニルオキシ、またはベンジルから選択され、この最後の3種の基の各々は置換されていないか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、C1-C6-アルコキシ、およびC1-C6-ハロアルコキシからなる群から互いに独立に選択された1から5個の基で置換されていてもよく;および式中、
R3a、R4aおよびR3b、R4bはそれぞれ独立に、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、またはC2-C6-アルキニルであり;
R3c、R4cは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、またはC2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、フェニル、およびヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは単環または二環の5員から10員のヘテロ芳香環とすることができ、それはO、S、およびNから選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含む。)から選択され;
ただし、R3とR4のうちの少なくとも1つは水素である。);
あるいは、それらのエナンチオマー、および/または農業的にもしくは獣医学的に許容される塩であって、
ただし、式Iの化合物は、3-(1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフチル)-チオ-ウレア誘導体(式中、(R1)m、R3、およびR4は水素であり、R2は水素であるかまたはR2はCH3である。)を表すものではない、
化合物。
【請求項15】
式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物:
【化3】

(式中、
nは1であり;
mは1または2であって、mが1より大きい場合には、R1基は同じまたは異なる意味を有していてもよく、
R1は、水素、ハロゲン、OH、SH、NH2、SO3H、COOH、シアノ、アジド、ニトロ、ホルミル、CONH2、CSNH2、CH=N-OH、CH=N-O-(C1-C6)-アルキル、C(=O)R1c、C(=S)R1c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C1-C8-アルキルチオ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルケニルアミノ、C2-C6-アルケニルチオ、C2-C6-アルキニル、C2-C6-アルキニルオキシ、C2-C6-アルキニルアミノ、C2-C6-アルキニルチオ、C1-C6-アルキルスルホニル、C1-C6-アルキルスルホキシル、C2-C6-アルケニルスルホニル、C2-C6-アルキニルスルホニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C2-C6-アルケニルオキシ)カルボニル、(C2-C6-アルキニルオキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)カルボニルオキシ、(C2-C6-アルケニル)カルボニルオキシまたは(C2-C6-アルキニル)カルボニルオキシ、(C2-C6-アルケニル)カルボニルアミノ(ここで、上記の基の脂肪族基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された、1、2、または3個の基の任意の組み合わせを有していてもよい。);
C(O)NR1aR1b、(SO2)NR1aR1b(式中、
R1aおよびR1bはそれぞれ独立に、水素、OH、NH2、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、またはC2-C6-アルキニルから選択され、
R1cは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、ヒドラジノ、(C1-C6-アルキル)ヒドラジノ、ジ(C1-C6-アルキル)ヒドラジノ、フェニル、およびヘテロアリール(ここでヘテロアリールは単環または二環の5から10員のヘテロ芳香環とすることができ、そのヘテロ芳香環にはO、S、およびNから選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含む。)から選択される。);
Y-Ar基またはY-Cy基(式中、
Yは単結合、酸素、イオウ、窒素、C1-C6-アルカンジイル、またはC1-C6-アルカンジイルオキシであり;
Arはフェニル、ナフチル、または単環もしくは二環の5から10員のヘテロ芳香環であり、そのヘテロ芳香環は、環員として、2個の酸素原子、2個のイオウ原子、および3個の窒素原子から選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含み、ここでArは置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオから互いに独立に選択された1から5個の基の任意の組み合わせを有していてもよく;
CyはC3-C12-シクロアルキルであり、それは置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された1から5個の基で置換されている。);
から選択され;
ここで、フェニル環の隣接する炭素原子と結合しているR1基は、その炭素原子とともに、融合したベンゼン環、融合した飽和もしくは部分的に不飽和の、5員、6員、もしくは7員の炭素環、または融合した5員、6員、もしくは7員のヘテロ環を形成してもよく、そのヘテロ環は、環員として、2個の酸素原子、2個のイオウ原子、および3個の窒素原子から選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含み、ここでその融合した環は置換されていないか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立に選択された1、2、3、または4個の基を有していてもよく;
R2は、水素、C(=O)R2d、C(=S)R2d、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニルアミノ、C2-C6-アルキニル、C2-C6-アルキニルアミノ、ジ(C2-C6-アルキニル)アミノ、C1-C6-アルキルスルホニル、C2-C6-アルケニルスルホニル、C2-C6-アルキニルスルホニル、C1-C6-アルキルスルフィニル、C2-C6-アルケニルスルフィニル、C2-C6-アルキニルスルフィニル、C3-C12-シクロアルキル、P(=O)R2aR2b、P(=S)R2aR2b、NR2aR2b、SiR2aR2bR2c、N=CR2aR2b、CR2a=NR2b
フェニル、または単環もしくは二環の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は、酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、また、その環は置換されていないか、または、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換されている。)から選択され;式中、
R2a、R2b、およびR2cは、各々独立に水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ(ここで、これらの基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から3個の置換基で置換されていてもよい。)から選択され;
R2dは、水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C2-C6-アルキニルアミノ、ジ(C2-C6-アルキニル)アミノ、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ(ここでこれらの基の炭素原子は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から3個の置換基で置換されていてもよい。);フェニル、または単環もしくは二環の5から10員の芳香環系(ここで芳香環系は、酸素、イオウ、および窒素から選択された1個から4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、また、その環は置換されていないか、または、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、またはC1-C6-アルキルチオから選択された1個から5個の基の任意の組み合わせで置換されている。)から選択され;
R3、R4は、水素、シアノ、ニトロ、ホルミル、C(=O)R3cまたはC(=O)R4c、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)メチレン、C1-C6-アルキルスルフィニル、C1-C6-アルキルスルフェニル、またはC1-C6-アルキルスルホニル(ここで、上記の脂肪族基の炭素原子は、互いに独立にハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、およびC1-C6-アルキルチオからなる群から選択された1、2、または3個の基の任意の組み合わせを有していてもよい。)、C(O)NR3aRR3bまたはC(O)NR4aR4b、(SO2)NR3aR3bまたは(SO2)NR4aR4b、フェニル、フェニルオキシ、またはベンジルから選択され、この最後の3種の基の各々は置換されていないか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、C1-C6-アルコキシ、およびC1-C6-ハロアルコキシ基からなる群から互いに独立に選択した1から5個の基で置換していてもよく、;式中、
R3a、R4aおよびR3b、R4bはそれぞれ独立に、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、またはC2-C6-アルキニルから選択され;
R3c、R4cは水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、またはC2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルコキシ、(C1-C6-アルキル)アミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、フェニル、およびヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、これは単環または二環の5員から10員のヘテロ芳香環とすることができ、それはO、S、およびNから選択された1、2、3、または4個のヘテロ原子を含む。)から選択され;
ただし、R3とR4のうちの少なくとも1つは水素である。)、
あるいは、それらのエナンチオマー、および/または農業的にもしくは獣医学的に許容される塩であって、
ただし、式Iの化合物は、3-(1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフチル)-チオ-ウレア誘導体(式中、(R1)m、R3、およびR4は水素であり、R2は水素であるかまたはR2はCH3である。)を表すものではない、
化合物。
【請求項16】
農業的または獣医学的組成物であって、請求項1から15のいずれか1項に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物またはそのエナンチオマーの少なくとも1種、および/または少なくとも1種のその化合物の農業的もしくは獣医学的に許容される塩、ならびに少なくとも1種の農学的に許容される不活性の液体および/または固形担体、ならびに、所望により、少なくとも1種の界面活性剤を含む、組成物。
【請求項17】
請求項1から15のいずれか1項に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物またはそのエナンチオマー、および/または農業的もしくは獣医学的に許容される少なくとも1種のその化合物の塩の、害虫を駆除するための使用。
【請求項18】
害虫を駆除する方法であって、害虫、害虫の生息地、害虫が生育している、もしくは生育する可能性のある繁殖地、餌、植物、種子、土壌、地域、材料、もしくは環境、または害虫の攻撃や侵襲から防護しようとする材料、植物、種子、土壌、表面、もしくは空間を、殺虫に有効な量の、請求項1から15のいずれか1項に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物またはそのエナンチオマーの少なくとも1種、および/または農業的もしくは獣医学的に許容される少なくとも1種のそれらの化合物の塩と、接触させることを含む、方法。
【請求項19】
作物を害虫による攻撃または侵襲から防護する方法であって、作物を、殺虫に有効な量の、請求項1から15のいずれか1項に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物またはそのエナンチオマーの少なくとも1種、および/または農業上許容される少なくとも1種のそれらの化合物の塩と、接触させることを含む、方法。
【請求項20】
種子を土壌の昆虫から防護するため、および苗木の根と芽を昆虫から防護するための方法であって、該種子を、発芽を示す前および/または発芽後に、請求項1から15のいずれか1項に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物またはそのエナンチオマー、および/または農業上許容される少なくとも1種のそれらの化合物の塩の殺虫に有効な量を、接触させることを含む、方法。
【請求項21】
式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物が、種子100kgあたり0.1gから10kgの量で施用される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
害虫が、昆虫類、クモ類、または線虫類である、請求項18、19、または20に記載の方法。
【請求項23】
害虫が、同翅目もしくは鞘翅目、またはダニ目の蜘蛛形類のような虫である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
育った植物の根と芽が防護される、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
育った植物の芽が、アブラムシから防護される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項1から15のいずれか1項に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物またはそのエナンチオマー、および/または農業上許容される少なくとも1種のそれらの化合物の塩を、種子100kgあたり0.1gから10kgの量で含んでいる、種子。
【請求項27】
請求項1から15のいずれか1項に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物またはそのエナンチオマー、および/または獣医学上許容される少なくとも1種のそれらの化合物の塩の、動物の体内および体表の寄生虫を駆除するための使用。
【請求項28】
動物を寄生虫の侵襲または感染から治療し、防除し、予防し、または防護するための方法であって、殺寄生虫に有効な量の請求項1から15のいずれか1項に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物またはそのエナンチオマー、および/または獣医学上許容される少なくとも1種のそれらの化合物の塩を、該動物に経口的、局所的、または非経口的に投与または適用することを含んでなる、方法。
【請求項29】
動物を寄生虫の侵襲または感染から治療し、防除し、予防し、または防護するための組成物を製造する方法であって、該組成物が、殺寄生虫に有効な量の請求項1から15のいずれか1項に記載の式Iのインダニル-およびテトラヒドロナフチル-アミノ-チオウレア化合物またはそのエナンチオマー、および/または獣医学上許容される少なくとも1種のそれらの化合物の塩を含んでなる、方法。

【公表番号】特表2009−517362(P2009−517362A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541703(P2008−541703)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068480
【国際公開番号】WO2007/060120
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】