家具の上方可動フラップ扉を駆動するための駆動機構
家具(1)の上昇フラップ扉(4)を作動させるための駆動機構(5)が開示されている。この駆動機構は、家具枠体(3)に固定される駆動機構本体(5a)を含み、フラップ扉(4)を移動させるための駆動アーム(6)は、一方で本体(5a)の取付軸(A)で取り付けられ、他方でフラップ扉(4)に固定された装具(9)の取付軸(B)で取り付けられており、フラップ扉(4)の移動のための制御アーム(7)がさらに提供され、駆動アーム(6)の動作時に制御アーム(7)の実効レバーアーム長は変動可能であって、制御アーム(7)の実効レバーアーム長が駆動アームの開扉動作時に短縮される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家具枠体に回動式に取り付けられている扉本体を含む上方可動跳上げ扉(以降“フラップ扉”)を駆動する駆動機構に関する。このフラップ扉を動かす駆動アームは、扉本体の取付軸にその一方が取り付けられ、その他方はフラップ扉に固定される装具の取付軸に取り付けられている。フラップ扉を動かす制御アームがさらに取り付けられており、駆動アームの作動時に制御アームの実効レバーアーム長が変動する。
【0002】
本発明はさらに、以下で説明する上方可動フラップ扉を駆動させる本発明の駆動機構を備えた家具にも関する。
【背景技術】
【0003】
この種の駆動機構は、家具の収納部を閉じている垂直閉扉姿勢(位置)と、収納部を開いている上方の開扉姿勢(位置)との間で可動に取り付けられているフラップ扉を動作させる。一般的にフラップ扉が開かれるときフラップ扉は家具面から大きく上昇移動する。この上昇移動はユーザには不都合である。なぜならフラップ扉には外側にはみ出す大きな自由空間が必要であり、上昇動作時のフラップ扉が家具の前方のユーザ頭部に当たって怪我をさせる可能性があるからである。従って、ユーザはフラップ扉の開扉時にフラップ扉の下縁が自分の頭部に接近すると瞬間的に後方に危険回避しなければならない。
【0004】
EP0952290A2とEP1785565A2は上方可動フラップ扉のための装置を開示する。これら装置には、バネ式駆動アームと、2本のヒンジ式(回動式)に連結した回動レバー形態の制御機構が含まれ、フラップ扉の開扉動作時には実効レバーアーム長が増加する。この弱点は、開扉動作時にフラップ扉がユーザ頭部に当たりやすいことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP0952290A2
【特許文献2】EP1785565A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の一目的は、上述の一般的な駆動機構から上述の弱点を実質的に排除した改良性能を備えた駆動機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一好適態様によれば、上記目的は、フラップ扉が駆動アームにより開かれたときに制御アームの実効レバーアーム長を短くすることで達成される。
【0008】
従って、本発明の基本思想にはフラップ扉の開扉動作時に制御アームにより提供される実効レバーアーム長の短縮が関与する。この際、実効レバーアーム長を、フラップ扉の動きを力学的に提供する駆動アームの回動角度の関数とすることができる。この作用において開扉動作を非直線的に提供することが可能である。すなわち、閉扉位置に続く駆動アームの第1開扉角度領域における制御アームの実効レバーアーム長を、その閉扉角度領域に続く駆動アームの完全開扉状態までの第2開扉角度領域における実効レバーアーム長よりも小さくする。
【0009】
このように、完全閉扉位置から始まる第1移動(回動)領域において、フラップ扉を閉扉状態である自身と平行(すなわち実質的に家具面に平行)な状態で上方に移動させ(ずらし)、その後にフラップ扉を家具に対して回動させてフラップ扉を開くことが可能である。この場合、完全開扉位置となる直前のフラップ扉は、制御アームの長さの対応する大きな変動によって比較的に大きな回動を行う。
【0010】
上記構造によってフラップ扉は上昇時に家具面からの距離を小さく留めることができ、加えて開扉状態にあるフラップ扉をユーザが容易に操作できるよう、完全開扉位置直前の領域においてフラップ扉を最大可能扉高にまで到達させないことも可能である。
【0011】
上記構造のさらなる利点は、モータ駆動式のフラップ扉である場合に、閉扉動作時に降下するフラップ扉の下縁がユーザ頭部に当たる危険性が軽減されることである。制御アームの一端は家具枠体に提供される支軸に回動式に連結され、他端はフラップ扉に回動式に連結される。本発明は、好適には駆動アームの回動時に、制御アームの家具側支軸とフラップ扉側支軸との間のスペース(距離)を短くする。
【0012】
構造的には制御アームは相対可動である少なくとも2つの部材を含む。この相対移動性を提供するため、これら少なくとも2つの部材を相対移動式に組み合わせることができる全ての手段が利用可能である。このような構造によりフラップ扉の回動時に制御アームの家具側支軸とフラップ側支軸との間の距離が減少する。
【0013】
本発明の一実施形態においてはそれら少なくとも2つの部材はヒンジ軸(回動軸)によって連結されている。これら少なくとも2つの部材のヒンジ軸と、駆動アームのヒンジ軸との間で機能する介在レバーが追加的に利用される。この追加介在レバーは、駆動アームの開扉動作時に、ヒンジ式に連結されている2つのレバー部材を折り曲げる制御を提供する機能を受け持つ。この際、レバー部材は、駆動アームの完全閉扉状態から始まる当初(第1)動作領域においては少々折れ曲がっているだけであるが、完全閉扉状態に至る駆動アームの第2回動領域において、レバー部材は相対的に大きく折り曲げられ、フラップ扉の所望開扉動作を進行させる。
【0014】
本発明のさらに別な実施態様においては、それら少なくとも2つの部材の相対位置はドライブ(駆動装置)、好適には電気ドライブによって変動できる。さらに別な実施態様によれば、この電気ドライブはそれら少なくとも2つの部材の相対位置の調整をトランスミッション(伝達機構)で行う。この場合、制御アームの家具側支軸とフラップ扉側支軸との間の距離を変動させる電気ドライブは、完全閉扉位置から始まる駆動アームの第1回動角度領域では全く作動しないか、多少作動するだけである。一方、完全開扉位置直前の駆動アームの開扉角度領域では、制御アームの長さを目立って減少させる。
【0015】
本発明の実施態様の第1変形によれば、制御アームは駆動機構の本体に設置された家具側支軸を有することも可能である。あるいは制御アームの支軸は駆動機構の本体とは別に家具の取付部に設置することもできる。この場合、制御アームの家具側支軸は家具の最上部領域、好適には家具の前面領域内に設置できる。よって、駆動アームの家具側支軸とフラップ扉側支軸は制御アームの家具側支軸とフラップ扉側支軸でヒンジ作用を提供する四辺形を形成する。このヒンジ四辺形により形成された面積は、家具の最上方および最前方の領域における家具側取付軸の配置によって増加させることができ、フラップ扉の動作に対して有利なレバー比を提供することができる。
【0016】
本発明のさらなる詳細および利点は図面を利用して以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】上方回動式フラップ扉の動作を提供する駆動機構を有した壁取り付け家具の斜視図。
【図2】図1で示す駆動機構の側面図。
【図3a】フラップ扉の開扉動作を示す図。
【図3b】フラップ扉の開扉動作を示す図。
【図3c】フラップ扉の開扉動作を示す図。
【図3d】フラップ扉の開扉動作を示す図示。
【図4a】スピンドルドライブを含んだ制御アームを有した別実施例。
【図4b】スピンドルドライブを含んだ制御アームを有した別実施例。
【図4c】スピンドルドライブを含んだ制御アームを有した別実施例。
【図4d】スピンドルドライブを含んだ制御アームを有した別実施例。
【図5】モータ駆動式スピンドルドライブを備えた制御アームの分解斜視図。
【図6】駆動アームの開扉角の関数としての制御アームの実効レバーアーム長の湾曲動作の図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、台所の上方設置型キャビネットとして利用される台所壁部2に固定された食器戸棚形態の家具1を図示する斜視図である。家具1は台所壁部2に取り付けられる枠体(本体)3を含む。家具1の側壁(側板)には上方回動するフラップ扉4を動かすために利用される本発明の駆動機構5が取り付けられている。その閉扉位置ではフラップ扉4はほぼ垂直姿勢であり、その垂直姿勢から始動して上方の開扉姿勢にまで移動できる。図面の複雑化を避けるため、フラップ扉4の一部と枠体3の一部だけを図示する。駆動機構5は家具1の対面する両側壁の一方の内側に配置できる。駆動機構5は、ここでは詳細には図示していない駆動手段であるドライブ(バネ装置及び/又は電動モータ)が駆動する駆動アーム6を含む。その結果、駆動アーム6は、そこに関与する作用力でフラップ扉4の移動を補助する。駆動アーム6に加えて、フラップ扉4の移動時に動作特性に影響を及ぼす制御アーム7も提供される。フラップ扉4の開扉動作時に、従来の構造ではフラップ扉4は家具枠体3の前面にて相当に大きな領域を使用して上昇移動するため、ユーザは怪我のリスクを負う。本発明はフラップ扉4の開扉動作中に制御アーム7の実効レバーアーム長を介在レバー8の作用によって短縮する。介在レバー8は作動アーム6と制御アーム7との間で機能し、以下において添付の図を利用して詳述するように制御アーム7の変動を提供する。
【0019】
図2は図1の配置構造の側面図である。家具枠体3の少なくとも一方の側壁には駆動機構5が取り付けられている。駆動機構5は駆動アーム6を作動させるために詳細には図示していないドライブ(バネ装置及び/又は電動モータ)を含む。駆動アーム6の一端は枠体3上で支軸Aによって駆動機構本体5aに配置されており、駆動アーム6の他端は支軸Bによりフラップ扉側装具9にヒンジ式に取り付けられている。駆動アーム6に加えて、この実施例ではヒンジ軸Fでヒンジ式に連結されている2部材7aと7bとを含んだ制御アーム7も提供されている。2部材7aと7bとを備えた制御アーム7は支軸Cにより枠体側壁に取り付けられ、フラップ扉側では支軸Dにより装具9に取り付けられている。好適にはクランク状の介在レバー8は駆動アーム6をヒンジ軸Eとヒンジ軸Fを介して制御アーム7に連結する。フラップ扉4の完全閉扉位置から始動し、制御アーム7の2部材7aと7bは少々折れ曲がっているだけであり、家具前面に対するフラップ扉4の実質的に平行な移動が可能となる。駆動アーム6の与えられた回動角(例えば、垂直に対して70°)からの場合と同様に、2部材7aと7bのさらに大きな折れ曲がり移動が介在レバー8によって与えられ、フラップ扉4は対応して大きく回動し、家具枠体3の上部を越えて後方にまで回動する。
【0020】
図3aから図3dはフラップ扉4の開扉動作を時間に沿って示す。図3aは完全閉扉位置にあるフラップ扉4を示す。フラップ扉4の移動を促す駆動アーム6を備えた駆動機構5は家具枠体3の側壁に固定されている。制御アーム7の部材7bはフラップ扉側装具9に支軸Dにより回動式に連結されている。符号Cは制御アーム7の枠体側支軸を表す。この支軸は駆動機構5の本体5aに配置することも、家具枠体3とは別に配置することもできる。制御アーム7の支軸Cと支軸Dとの距離である図3bで示すスペース(距離)Sはフラップ扉4の開扉動作の途中で減少でき、本発明の重要な特徴である。
【0021】
図3bは少々開扉状態の位置にあるフラップ扉4を示す。フラップ扉4は自身に略平行である第1回動(移動)領域内で移動でき、家具枠体3に対して上昇する。フラップ扉4のこの第1回動領域内で、駆動アーム6に対してヒンジ軸Eにより配置されている介在レバー8は、制御アーム7の2部材7aと7bとの小さな折り曲がりを引き起こすだけである。符合Sは制御アーム7の支軸Cと支軸Dとの間のスペース(直角距離)を表す。さらに概略図で示されている電動モータ12は駆動機構本体5aに配置された駆動アーム6の支軸A上に対して作動する。
【0022】
図3cは図3bに続くフラップ扉4の移動を図示する。制御アーム7の2部材7aと7bは介在レバー8の作用により、制御アーム7の枠体側支軸Cとフラップ扉側支軸Dとの間のスペースS内にて小さな変位が関与するだけである図3bの場合と較べてさらに大きく折れ曲がっている。
【0023】
図3dは図3cから続くフラップ扉4の開扉位置を示す。クランク式介在レバー8が引き起こす制御アーム7の2部材7aと7bとの比較的に鋭い折れ曲がりが図示されている。図3cの場合より大幅に小さくなったスペースSが、制御アーム7の枠体側支軸Cとフラップ側支軸Dとの間に提供される。図3dで示すフラップ扉4の位置からフラップ扉4は完全開扉位置にまで移動できる。駆動機構5は、フラップ扉4の上縁部10を家具1の枠体3の戸棚上部3aに接近するように移動させる。
【0024】
図4aから図4cは本発明の別実施例の側面図を示す。前述の実施例と同様に、駆動機構5は、支軸Aで枠体側に、支軸Bでフラップ扉側に回動式にアレンジされた駆動アーム6を含む。一方、制御アーム7は、スピンドルナットの形態で、制御アーム7の支軸Cを含んだ部材7aを含む。さらに、制御アーム7は部材7a(スピンドルナット)に対して移動するスピンドル7bを含む。さらに制御アーム7は、支軸Dにてフラップ扉側装具9に回動式に取り付けられた取付部7cを含む。取付部7cは、部材7b(スピンドル)を回転させ、部材7a(スピンドルナット)に対して可変長とする電気ドライブを受領する。この場合、取付部7cに配置された電気ドライブは駆動アーム6の角度位置に応じてフラップ扉4の完全閉扉位置から再作動して制御アーム7の長さに小さな変動を発生させ、駆動アーム6の所定の開角度からフラップ扉4の完全開扉位置にまで、制御アーム7の実効レバーアーム長をフラップ扉4の第1回動領域内よりもさらに大きく変動させる。
【0025】
図4bは図4aの場合と較べて短い制御アーム7を示す。この制御アーム7aは、モータの移動により部材7b(スピンドル)が家具枠体内部に進入するために短くなった実効レバーアーム長を有している。本体に配置される取付部7cと電気ドライブを一体化させることも可能である。同様に、図示のスピンドルドライブの代わりに、直線移動式ラックに制御アーム7のレバーアーム長を調整する回転ピニオンを提供することもできる。番号13は駆動アーム6の角度位置を検出する装置を概略的に示している。この装置により部材7aと7bを相対移動させる電気ドライブが選択的に駆動可能となる。
【0026】
図4cは図4bの円領域の拡大図である。枠体側スピンドルナット7aと、家具枠体3の内部に進入するスピンドル7bとが図示されている。
【0027】
図5は制御アーム7を利用するためのスピンドルドライブの実施例を示す分解図である。ドライブシャフト14aを備えた電気ドライブ14は取付部7cに連結され、スピンドル形態である部材7bに直接作用するか、あるいは伝達機構を介して作用する。制御アーム7の実効レバーアーム長は可変であり、好適には電気ドライブ4で提供されるスピンドルの回転運動によって短縮される。
【0028】
図6は駆動アーム6の開角度αの関数としての制御アーム7の実効レバーアーム長の変動を例示する。駆動アーム角αは横座標に示されており、実効レバーアーム長Lは縦座標(%)に示されている。完全閉扉位置から始動する駆動アーム6の第1開扉角度領域M1においては、制御アーム7はその実効レバーアーム長Lを実質的に維持し、フラップ扉の平行移動を可能としている。駆動アームの開角度αの約半分の角度(例えば略60°)から、第1回動領域M1に続く第2回動領域M2は、フラップ扉4を家具枠体3を越えて大きく傾斜させる制御アーム7の長さの大きな減少に関与する。制御アーム7の実効レバーアーム長Lは、駆動アーム6の完全開扉位置における本来の実効レバーアーム長の約50%である。専門家であれば、同様な折り曲がり状態を実現する多数の代用形態の着想が可能であろう。
【0029】
本発明は以上の実施例には限定されず、「請求の範囲」に記載された範囲の変形および均等形態も含む。図面に関して使用されている上下左右等の方向は発明の説明のためであり、本発明の要素は位置変更に即して適宜変更が可能であり、本発明を限定しない。フラップ扉4の動作時に短縮される制御アーム7、およびその短縮によってフラップ扉の開扉動作時にフラップ扉4を家具枠体3の上部を越えて回動させる特徴の理解を促進するため、制御アーム7はどの図面においても示されている。フラップ扉4の開扉により制御アーム7の実効レバーアーム長Lを増加させることで、フラップ扉4の開扉動作時にフラップ扉4が家具枠体3の前方に位置するユーザの上方で回動することも理解されるであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は家具枠体に回動式に取り付けられている扉本体を含む上方可動跳上げ扉(以降“フラップ扉”)を駆動する駆動機構に関する。このフラップ扉を動かす駆動アームは、扉本体の取付軸にその一方が取り付けられ、その他方はフラップ扉に固定される装具の取付軸に取り付けられている。フラップ扉を動かす制御アームがさらに取り付けられており、駆動アームの作動時に制御アームの実効レバーアーム長が変動する。
【0002】
本発明はさらに、以下で説明する上方可動フラップ扉を駆動させる本発明の駆動機構を備えた家具にも関する。
【背景技術】
【0003】
この種の駆動機構は、家具の収納部を閉じている垂直閉扉姿勢(位置)と、収納部を開いている上方の開扉姿勢(位置)との間で可動に取り付けられているフラップ扉を動作させる。一般的にフラップ扉が開かれるときフラップ扉は家具面から大きく上昇移動する。この上昇移動はユーザには不都合である。なぜならフラップ扉には外側にはみ出す大きな自由空間が必要であり、上昇動作時のフラップ扉が家具の前方のユーザ頭部に当たって怪我をさせる可能性があるからである。従って、ユーザはフラップ扉の開扉時にフラップ扉の下縁が自分の頭部に接近すると瞬間的に後方に危険回避しなければならない。
【0004】
EP0952290A2とEP1785565A2は上方可動フラップ扉のための装置を開示する。これら装置には、バネ式駆動アームと、2本のヒンジ式(回動式)に連結した回動レバー形態の制御機構が含まれ、フラップ扉の開扉動作時には実効レバーアーム長が増加する。この弱点は、開扉動作時にフラップ扉がユーザ頭部に当たりやすいことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP0952290A2
【特許文献2】EP1785565A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の一目的は、上述の一般的な駆動機構から上述の弱点を実質的に排除した改良性能を備えた駆動機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一好適態様によれば、上記目的は、フラップ扉が駆動アームにより開かれたときに制御アームの実効レバーアーム長を短くすることで達成される。
【0008】
従って、本発明の基本思想にはフラップ扉の開扉動作時に制御アームにより提供される実効レバーアーム長の短縮が関与する。この際、実効レバーアーム長を、フラップ扉の動きを力学的に提供する駆動アームの回動角度の関数とすることができる。この作用において開扉動作を非直線的に提供することが可能である。すなわち、閉扉位置に続く駆動アームの第1開扉角度領域における制御アームの実効レバーアーム長を、その閉扉角度領域に続く駆動アームの完全開扉状態までの第2開扉角度領域における実効レバーアーム長よりも小さくする。
【0009】
このように、完全閉扉位置から始まる第1移動(回動)領域において、フラップ扉を閉扉状態である自身と平行(すなわち実質的に家具面に平行)な状態で上方に移動させ(ずらし)、その後にフラップ扉を家具に対して回動させてフラップ扉を開くことが可能である。この場合、完全開扉位置となる直前のフラップ扉は、制御アームの長さの対応する大きな変動によって比較的に大きな回動を行う。
【0010】
上記構造によってフラップ扉は上昇時に家具面からの距離を小さく留めることができ、加えて開扉状態にあるフラップ扉をユーザが容易に操作できるよう、完全開扉位置直前の領域においてフラップ扉を最大可能扉高にまで到達させないことも可能である。
【0011】
上記構造のさらなる利点は、モータ駆動式のフラップ扉である場合に、閉扉動作時に降下するフラップ扉の下縁がユーザ頭部に当たる危険性が軽減されることである。制御アームの一端は家具枠体に提供される支軸に回動式に連結され、他端はフラップ扉に回動式に連結される。本発明は、好適には駆動アームの回動時に、制御アームの家具側支軸とフラップ扉側支軸との間のスペース(距離)を短くする。
【0012】
構造的には制御アームは相対可動である少なくとも2つの部材を含む。この相対移動性を提供するため、これら少なくとも2つの部材を相対移動式に組み合わせることができる全ての手段が利用可能である。このような構造によりフラップ扉の回動時に制御アームの家具側支軸とフラップ側支軸との間の距離が減少する。
【0013】
本発明の一実施形態においてはそれら少なくとも2つの部材はヒンジ軸(回動軸)によって連結されている。これら少なくとも2つの部材のヒンジ軸と、駆動アームのヒンジ軸との間で機能する介在レバーが追加的に利用される。この追加介在レバーは、駆動アームの開扉動作時に、ヒンジ式に連結されている2つのレバー部材を折り曲げる制御を提供する機能を受け持つ。この際、レバー部材は、駆動アームの完全閉扉状態から始まる当初(第1)動作領域においては少々折れ曲がっているだけであるが、完全閉扉状態に至る駆動アームの第2回動領域において、レバー部材は相対的に大きく折り曲げられ、フラップ扉の所望開扉動作を進行させる。
【0014】
本発明のさらに別な実施態様においては、それら少なくとも2つの部材の相対位置はドライブ(駆動装置)、好適には電気ドライブによって変動できる。さらに別な実施態様によれば、この電気ドライブはそれら少なくとも2つの部材の相対位置の調整をトランスミッション(伝達機構)で行う。この場合、制御アームの家具側支軸とフラップ扉側支軸との間の距離を変動させる電気ドライブは、完全閉扉位置から始まる駆動アームの第1回動角度領域では全く作動しないか、多少作動するだけである。一方、完全開扉位置直前の駆動アームの開扉角度領域では、制御アームの長さを目立って減少させる。
【0015】
本発明の実施態様の第1変形によれば、制御アームは駆動機構の本体に設置された家具側支軸を有することも可能である。あるいは制御アームの支軸は駆動機構の本体とは別に家具の取付部に設置することもできる。この場合、制御アームの家具側支軸は家具の最上部領域、好適には家具の前面領域内に設置できる。よって、駆動アームの家具側支軸とフラップ扉側支軸は制御アームの家具側支軸とフラップ扉側支軸でヒンジ作用を提供する四辺形を形成する。このヒンジ四辺形により形成された面積は、家具の最上方および最前方の領域における家具側取付軸の配置によって増加させることができ、フラップ扉の動作に対して有利なレバー比を提供することができる。
【0016】
本発明のさらなる詳細および利点は図面を利用して以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】上方回動式フラップ扉の動作を提供する駆動機構を有した壁取り付け家具の斜視図。
【図2】図1で示す駆動機構の側面図。
【図3a】フラップ扉の開扉動作を示す図。
【図3b】フラップ扉の開扉動作を示す図。
【図3c】フラップ扉の開扉動作を示す図。
【図3d】フラップ扉の開扉動作を示す図示。
【図4a】スピンドルドライブを含んだ制御アームを有した別実施例。
【図4b】スピンドルドライブを含んだ制御アームを有した別実施例。
【図4c】スピンドルドライブを含んだ制御アームを有した別実施例。
【図4d】スピンドルドライブを含んだ制御アームを有した別実施例。
【図5】モータ駆動式スピンドルドライブを備えた制御アームの分解斜視図。
【図6】駆動アームの開扉角の関数としての制御アームの実効レバーアーム長の湾曲動作の図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、台所の上方設置型キャビネットとして利用される台所壁部2に固定された食器戸棚形態の家具1を図示する斜視図である。家具1は台所壁部2に取り付けられる枠体(本体)3を含む。家具1の側壁(側板)には上方回動するフラップ扉4を動かすために利用される本発明の駆動機構5が取り付けられている。その閉扉位置ではフラップ扉4はほぼ垂直姿勢であり、その垂直姿勢から始動して上方の開扉姿勢にまで移動できる。図面の複雑化を避けるため、フラップ扉4の一部と枠体3の一部だけを図示する。駆動機構5は家具1の対面する両側壁の一方の内側に配置できる。駆動機構5は、ここでは詳細には図示していない駆動手段であるドライブ(バネ装置及び/又は電動モータ)が駆動する駆動アーム6を含む。その結果、駆動アーム6は、そこに関与する作用力でフラップ扉4の移動を補助する。駆動アーム6に加えて、フラップ扉4の移動時に動作特性に影響を及ぼす制御アーム7も提供される。フラップ扉4の開扉動作時に、従来の構造ではフラップ扉4は家具枠体3の前面にて相当に大きな領域を使用して上昇移動するため、ユーザは怪我のリスクを負う。本発明はフラップ扉4の開扉動作中に制御アーム7の実効レバーアーム長を介在レバー8の作用によって短縮する。介在レバー8は作動アーム6と制御アーム7との間で機能し、以下において添付の図を利用して詳述するように制御アーム7の変動を提供する。
【0019】
図2は図1の配置構造の側面図である。家具枠体3の少なくとも一方の側壁には駆動機構5が取り付けられている。駆動機構5は駆動アーム6を作動させるために詳細には図示していないドライブ(バネ装置及び/又は電動モータ)を含む。駆動アーム6の一端は枠体3上で支軸Aによって駆動機構本体5aに配置されており、駆動アーム6の他端は支軸Bによりフラップ扉側装具9にヒンジ式に取り付けられている。駆動アーム6に加えて、この実施例ではヒンジ軸Fでヒンジ式に連結されている2部材7aと7bとを含んだ制御アーム7も提供されている。2部材7aと7bとを備えた制御アーム7は支軸Cにより枠体側壁に取り付けられ、フラップ扉側では支軸Dにより装具9に取り付けられている。好適にはクランク状の介在レバー8は駆動アーム6をヒンジ軸Eとヒンジ軸Fを介して制御アーム7に連結する。フラップ扉4の完全閉扉位置から始動し、制御アーム7の2部材7aと7bは少々折れ曲がっているだけであり、家具前面に対するフラップ扉4の実質的に平行な移動が可能となる。駆動アーム6の与えられた回動角(例えば、垂直に対して70°)からの場合と同様に、2部材7aと7bのさらに大きな折れ曲がり移動が介在レバー8によって与えられ、フラップ扉4は対応して大きく回動し、家具枠体3の上部を越えて後方にまで回動する。
【0020】
図3aから図3dはフラップ扉4の開扉動作を時間に沿って示す。図3aは完全閉扉位置にあるフラップ扉4を示す。フラップ扉4の移動を促す駆動アーム6を備えた駆動機構5は家具枠体3の側壁に固定されている。制御アーム7の部材7bはフラップ扉側装具9に支軸Dにより回動式に連結されている。符号Cは制御アーム7の枠体側支軸を表す。この支軸は駆動機構5の本体5aに配置することも、家具枠体3とは別に配置することもできる。制御アーム7の支軸Cと支軸Dとの距離である図3bで示すスペース(距離)Sはフラップ扉4の開扉動作の途中で減少でき、本発明の重要な特徴である。
【0021】
図3bは少々開扉状態の位置にあるフラップ扉4を示す。フラップ扉4は自身に略平行である第1回動(移動)領域内で移動でき、家具枠体3に対して上昇する。フラップ扉4のこの第1回動領域内で、駆動アーム6に対してヒンジ軸Eにより配置されている介在レバー8は、制御アーム7の2部材7aと7bとの小さな折り曲がりを引き起こすだけである。符合Sは制御アーム7の支軸Cと支軸Dとの間のスペース(直角距離)を表す。さらに概略図で示されている電動モータ12は駆動機構本体5aに配置された駆動アーム6の支軸A上に対して作動する。
【0022】
図3cは図3bに続くフラップ扉4の移動を図示する。制御アーム7の2部材7aと7bは介在レバー8の作用により、制御アーム7の枠体側支軸Cとフラップ扉側支軸Dとの間のスペースS内にて小さな変位が関与するだけである図3bの場合と較べてさらに大きく折れ曲がっている。
【0023】
図3dは図3cから続くフラップ扉4の開扉位置を示す。クランク式介在レバー8が引き起こす制御アーム7の2部材7aと7bとの比較的に鋭い折れ曲がりが図示されている。図3cの場合より大幅に小さくなったスペースSが、制御アーム7の枠体側支軸Cとフラップ側支軸Dとの間に提供される。図3dで示すフラップ扉4の位置からフラップ扉4は完全開扉位置にまで移動できる。駆動機構5は、フラップ扉4の上縁部10を家具1の枠体3の戸棚上部3aに接近するように移動させる。
【0024】
図4aから図4cは本発明の別実施例の側面図を示す。前述の実施例と同様に、駆動機構5は、支軸Aで枠体側に、支軸Bでフラップ扉側に回動式にアレンジされた駆動アーム6を含む。一方、制御アーム7は、スピンドルナットの形態で、制御アーム7の支軸Cを含んだ部材7aを含む。さらに、制御アーム7は部材7a(スピンドルナット)に対して移動するスピンドル7bを含む。さらに制御アーム7は、支軸Dにてフラップ扉側装具9に回動式に取り付けられた取付部7cを含む。取付部7cは、部材7b(スピンドル)を回転させ、部材7a(スピンドルナット)に対して可変長とする電気ドライブを受領する。この場合、取付部7cに配置された電気ドライブは駆動アーム6の角度位置に応じてフラップ扉4の完全閉扉位置から再作動して制御アーム7の長さに小さな変動を発生させ、駆動アーム6の所定の開角度からフラップ扉4の完全開扉位置にまで、制御アーム7の実効レバーアーム長をフラップ扉4の第1回動領域内よりもさらに大きく変動させる。
【0025】
図4bは図4aの場合と較べて短い制御アーム7を示す。この制御アーム7aは、モータの移動により部材7b(スピンドル)が家具枠体内部に進入するために短くなった実効レバーアーム長を有している。本体に配置される取付部7cと電気ドライブを一体化させることも可能である。同様に、図示のスピンドルドライブの代わりに、直線移動式ラックに制御アーム7のレバーアーム長を調整する回転ピニオンを提供することもできる。番号13は駆動アーム6の角度位置を検出する装置を概略的に示している。この装置により部材7aと7bを相対移動させる電気ドライブが選択的に駆動可能となる。
【0026】
図4cは図4bの円領域の拡大図である。枠体側スピンドルナット7aと、家具枠体3の内部に進入するスピンドル7bとが図示されている。
【0027】
図5は制御アーム7を利用するためのスピンドルドライブの実施例を示す分解図である。ドライブシャフト14aを備えた電気ドライブ14は取付部7cに連結され、スピンドル形態である部材7bに直接作用するか、あるいは伝達機構を介して作用する。制御アーム7の実効レバーアーム長は可変であり、好適には電気ドライブ4で提供されるスピンドルの回転運動によって短縮される。
【0028】
図6は駆動アーム6の開角度αの関数としての制御アーム7の実効レバーアーム長の変動を例示する。駆動アーム角αは横座標に示されており、実効レバーアーム長Lは縦座標(%)に示されている。完全閉扉位置から始動する駆動アーム6の第1開扉角度領域M1においては、制御アーム7はその実効レバーアーム長Lを実質的に維持し、フラップ扉の平行移動を可能としている。駆動アームの開角度αの約半分の角度(例えば略60°)から、第1回動領域M1に続く第2回動領域M2は、フラップ扉4を家具枠体3を越えて大きく傾斜させる制御アーム7の長さの大きな減少に関与する。制御アーム7の実効レバーアーム長Lは、駆動アーム6の完全開扉位置における本来の実効レバーアーム長の約50%である。専門家であれば、同様な折り曲がり状態を実現する多数の代用形態の着想が可能であろう。
【0029】
本発明は以上の実施例には限定されず、「請求の範囲」に記載された範囲の変形および均等形態も含む。図面に関して使用されている上下左右等の方向は発明の説明のためであり、本発明の要素は位置変更に即して適宜変更が可能であり、本発明を限定しない。フラップ扉4の動作時に短縮される制御アーム7、およびその短縮によってフラップ扉の開扉動作時にフラップ扉4を家具枠体3の上部を越えて回動させる特徴の理解を促進するため、制御アーム7はどの図面においても示されている。フラップ扉4の開扉により制御アーム7の実効レバーアーム長Lを増加させることで、フラップ扉4の開扉動作時にフラップ扉4が家具枠体3の前方に位置するユーザの上方で回動することも理解されるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具(1)の上方可動フラップ扉(4)を移動させるための駆動機構(5)であって、
家具枠体(3)に固定される駆動機構本体(5a)を含み、
前記フラップ扉(4)を移動させるための駆動アーム(6)は、一方で前記本体(5a)の取付軸(A)で取り付けられ、他方で前記フラップ扉(4)に固定された装具(9)の取付軸(B)で取り付けられており、
前記フラップ扉(4)を移動させるための制御アーム(7)がさらに提供され、前記駆動アーム(6)の動作時に前記制御アーム(7)の実効レバーアーム長は変動可能であって、前記駆動アームの開扉動作時に前記制御アーム(7)の前記実効レバーアーム長が短縮されることを特徴とする駆動機構。
【請求項2】
前記制御アーム(7)は、相対移動する少なくとも2つの部材(7a、7b)を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の駆動機構。
【請求項3】
前記少なくとも2つの部材(7a、7b)は、ヒンジ軸(F)によって連結されており、前記少なくとも2つの部材(7a、7b)の前記ヒンジ軸(F)と、前記駆動アーム(6)上のヒンジ軸(E)との間で機能する介在レバー(8)がさらに提供されていることを特徴とする請求項2に記載の駆動機構。
【請求項4】
前記駆動アーム(6)に対して、前記介在レバー(8)の前記ヒンジ軸(E)は、前記駆動アーム(6)の2つの前記取付軸(A、B)間の略中央領域に提供されていることを特徴とする請求項3に記載の駆動機構。
【請求項5】
前記少なくとも2つの部材(7a、7b)の相対位置は、電気ドライブ(14)等の駆動装置によって変動可能であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項6】
前記電気ドライブ(14)は、伝達機構を利用して、前記少なくとも2つの部材(7a、7b)の相対位置を変動させることを特徴とする請求項5に記載の駆動機構。
【請求項7】
前記伝達機構はスピンドルドライブを含むことを特徴とする請求項6に記載の駆動機構。
【請求項8】
前記駆動アーム(6)の角度位置を検出するための装置(13)が提供され、前記少なくとも2つの部材(7a、7b)を移動させるための前記電気ドライブ(14)が前記駆動アーム(6)の角度位置に応じて制御可能であることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項9】
前記制御アーム(7)の実効レバーアーム長において、閉扉位置に続く駆動アーム(6)の第1開角度領域(M1)における長さの変化は、前記開角度領域(M1)に続いて前記駆動アーム(6)の完全開扉位置に至る第2開角度領域(M2)における長さの変化よりも小さいことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項10】
前記制御アーム(7)は、前記家具枠体(3)のほぼ最上方領域であって、好ましくは前記家具枠体(3)の前方領域に位置する枠体側支軸(C)を有していることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項11】
前記制御アーム(7)は、好ましくは前記フラップ扉(4)の前記装具(9)に位置するフラップ扉側支軸(D)を有していることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項12】
前記駆動アーム(6)の開扉動作時に、前記制御アーム(7)の前記家具枠体側支軸(C)と前記フラップ扉側支軸(D)との間のスペース(S)は可変であり、好ましくは縮小可能であることを特徴とする請求項10または11に記載の駆動機構。
【請求項13】
前記制御アーム(7)の前記家具枠体側支軸(C)と前記フラップ扉側支軸(D)とは、前記駆動アーム(6)の前記家具枠体側支軸(A)と前記フラップ扉側支軸(B)とでヒンジ四辺形を形成することを特徴とする請求項10から12のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項14】
前記制御アーム(7)は前記駆動アーム(6)の上方に配置されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の駆動機構を備えていることを特徴とする家具。
【請求項1】
家具(1)の上方可動フラップ扉(4)を移動させるための駆動機構(5)であって、
家具枠体(3)に固定される駆動機構本体(5a)を含み、
前記フラップ扉(4)を移動させるための駆動アーム(6)は、一方で前記本体(5a)の取付軸(A)で取り付けられ、他方で前記フラップ扉(4)に固定された装具(9)の取付軸(B)で取り付けられており、
前記フラップ扉(4)を移動させるための制御アーム(7)がさらに提供され、前記駆動アーム(6)の動作時に前記制御アーム(7)の実効レバーアーム長は変動可能であって、前記駆動アームの開扉動作時に前記制御アーム(7)の前記実効レバーアーム長が短縮されることを特徴とする駆動機構。
【請求項2】
前記制御アーム(7)は、相対移動する少なくとも2つの部材(7a、7b)を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の駆動機構。
【請求項3】
前記少なくとも2つの部材(7a、7b)は、ヒンジ軸(F)によって連結されており、前記少なくとも2つの部材(7a、7b)の前記ヒンジ軸(F)と、前記駆動アーム(6)上のヒンジ軸(E)との間で機能する介在レバー(8)がさらに提供されていることを特徴とする請求項2に記載の駆動機構。
【請求項4】
前記駆動アーム(6)に対して、前記介在レバー(8)の前記ヒンジ軸(E)は、前記駆動アーム(6)の2つの前記取付軸(A、B)間の略中央領域に提供されていることを特徴とする請求項3に記載の駆動機構。
【請求項5】
前記少なくとも2つの部材(7a、7b)の相対位置は、電気ドライブ(14)等の駆動装置によって変動可能であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項6】
前記電気ドライブ(14)は、伝達機構を利用して、前記少なくとも2つの部材(7a、7b)の相対位置を変動させることを特徴とする請求項5に記載の駆動機構。
【請求項7】
前記伝達機構はスピンドルドライブを含むことを特徴とする請求項6に記載の駆動機構。
【請求項8】
前記駆動アーム(6)の角度位置を検出するための装置(13)が提供され、前記少なくとも2つの部材(7a、7b)を移動させるための前記電気ドライブ(14)が前記駆動アーム(6)の角度位置に応じて制御可能であることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項9】
前記制御アーム(7)の実効レバーアーム長において、閉扉位置に続く駆動アーム(6)の第1開角度領域(M1)における長さの変化は、前記開角度領域(M1)に続いて前記駆動アーム(6)の完全開扉位置に至る第2開角度領域(M2)における長さの変化よりも小さいことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項10】
前記制御アーム(7)は、前記家具枠体(3)のほぼ最上方領域であって、好ましくは前記家具枠体(3)の前方領域に位置する枠体側支軸(C)を有していることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項11】
前記制御アーム(7)は、好ましくは前記フラップ扉(4)の前記装具(9)に位置するフラップ扉側支軸(D)を有していることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項12】
前記駆動アーム(6)の開扉動作時に、前記制御アーム(7)の前記家具枠体側支軸(C)と前記フラップ扉側支軸(D)との間のスペース(S)は可変であり、好ましくは縮小可能であることを特徴とする請求項10または11に記載の駆動機構。
【請求項13】
前記制御アーム(7)の前記家具枠体側支軸(C)と前記フラップ扉側支軸(D)とは、前記駆動アーム(6)の前記家具枠体側支軸(A)と前記フラップ扉側支軸(B)とでヒンジ四辺形を形成することを特徴とする請求項10から12のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項14】
前記制御アーム(7)は前記駆動アーム(6)の上方に配置されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の駆動機構。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の駆動機構を備えていることを特徴とする家具。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2011−508856(P2011−508856A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538259(P2010−538259)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/AT2008/000388
【国際公開番号】WO2009/076685
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(597140501)ジュリウス ブルム ゲゼルシャフト エム.ビー.エイチ. (122)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/AT2008/000388
【国際公開番号】WO2009/076685
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(597140501)ジュリウス ブルム ゲゼルシャフト エム.ビー.エイチ. (122)
【Fターム(参考)】
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