説明

容器作成装置、容器作成システム

【課題】多種類の商品に応じた容器を少量ずつでも簡単に必要な時に作成することができるようにする。
【解決手段】容器作成システムは、容器を作成するための容器作成用部材に商品の販売に必要な情報(商品コード、商品名、値段など)や商品をアピールするための必要な飾り(絵柄)を印刷をするプリンタ装置10と、プリンタ装置10により印刷された容器作成用部材に対して容器の形状に応じた型押しをすると共に不要な部分を切り落とす型押し/抜き機構、型押しされた容器作成用部材を容器に設けられる飾りなどの形状に応じて切り抜くカット機構、切り抜かれた容器作成用部材を容器の形状に成型するサイド曲げ機構及び前後曲げ機構とが設けられた容器作成装置12と、プリンタ装置10と容器作成装置12の動作を制御する業務サーバ16を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパー等の店舗で使用される商品を入れるための容器を作成する容器作成装置、容器作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スーパーなどの店舗では、肉、魚、総菜などの各種商品を販売する場合、所定の分量がトレー容器に入れられて店頭に展示されている。多くの場合、トレー容器は、スチレン、PET(polyethylene terephthalate)などのビニール系素材を使用した規格品が使用されている。店舗では、トレーに商品を入れ、ラップで覆い、これに商品名、産地、分量、価格、バーコード等の商品を販売するために必要な各種情報が印刷されたラベルを貼り付けて店頭に並べている。
【0003】
従来、店舗で使用されているトレー容器は、規格化されており、その規格にあった「型」を作成し、この「型」を用いて大量に同じサイズのものをプレス加工して作成している。店舗では、販売する各種商品に応じた複数種類のトレー容器を、それぞれまとめて蓄積(ストック)しておき必要に応じて使用している。
【0004】
これに対し、従来では、サイズの異なる各種の紙容器を製造する紙製容器製造装置が考えられている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載された紙製容器製造装置では、サイズの異なる各種の紙製容器を作成する場合であっても、装置各部の要素の交換や取り付け位置の変更調整をする必要がなくなり、簡易迅速に対応できるようにしている。
【特許文献1】特開平8−142235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来では、店舗で使用されるトレー容器は、同じ規格のものが大量に一括して作成されているため、少量多種類の商品について個々に応じた形状のトレー容器を使用することができなかった。
【0006】
例えば、多種類の商品をトレー容器に入れて販売する際には、何種類かの規格化されたトレーサイズから商品を入れることができる適当なものを選択して使用しなければならず、商品の大きさとトレー容器のサイズとが合っていない場合も多かった。
【0007】
また、商品の売り上げ向上を図るために、商品の違いに応じて飾りなどをトレー容器で表現しようとしても、大量一括作成されているために多くの商品に共通するような一般的な飾りを使用することしかできなかった。
【0008】
また、規格化されたトレー容器は、大量に使用することを前提にしているため、少量しか使用しない場合であっても、必要なサイズのトレー容器の在庫を各店舗で蓄積していなければならなかった。
【0009】
また、トレー容器は、大量一括作成されたものを流通させる場合に取り扱いを容易にする、あるいは店舗で複数種類のものを蓄積しておく際に保管場所を多くとらないように、重ね合わせができる形状に成型されている。従って、トレー容器に入れた商品を顧客にアピールするために、トレー容器を商品に応じた形状、深さにするといったことができなかった。すなわち、多品種の商品のそれぞれに応じた形状のトレー容器を作成してしまうと、それらを重ね合わせることができなくなり、多くのトレー容器を取り扱う場合に非常に不便となってしまうためである。さらに、トレー容器の色、絵柄などについても販売する側の意見を反映させることができなかった。
【0010】
また、商品に関する情報を顧客に提供するためには、商品をトレー容器に入れてラッピングした後に、別途、各種情報が印刷されたシールを貼り付けるといった作業が必要となっていた。
【0011】
また、引用文献1に記載された紙製容器製造装置であってもサイズを変更できるだけであり、少量多種類の商品のそれぞれに応じた形状、飾り、色を用い、各種情報を顧客に提供できるトレー容器を作成することはできなかった。
【0012】
本発明の課題は、多種類の商品に応じた容器を少量ずつでも簡単に必要な時に作成することが可能な容器作成装置、容器作成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載の発明は、容器を作成するための容器作成用部材に印刷をする印刷手段と、前記印刷手段により印刷された容器作成用部材に対して、前記容器の形状に応じた型押しをする型押し手段と、前記型押し手段により型押しされた容器作成用部材を前記容器の形状に応じて切り取る切り取り手段と、前記切り取り手段により切り取られた容器作成用部材を容器の形状に成型する成形手段とを具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記印刷手段は、前記容器作成用部材に対して、温度の変化に応じて色が変化するインクにより印刷をすることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記印刷手段は、前記容器作成用部材に対して、導電性の有機高分子インクを用いて電子回路を印刷することを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記印刷手段により印刷された容器作成用部材に対して、少なくとも何れか一方の面に対してコーティングを施すコーティング手段を有し、前記型押し手段は、前記コーティング手段によりコーティングが施された容器作成用部材に対して型押しすることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記成型手段は、前記容器作成用部材を容器の形状に成型する際に重ね合わされた部分を設け、この重ね合わされた部分を圧着することで、前記コーティング手段によりコーティングされた材料により部材を接着させることを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記切り取り手段は、前記容器の種類に応じた形状に切り取ることを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記印刷手段は、前記容器の種類に応じて、前記容器作成用部材に対して片面あるいは両面に印刷することを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記印刷手段は、前記容器作成用部材に対して印刷する印刷イメージを、前記容器の形状に応じて画像処理して印刷することを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明は、容器を作成するための容器作成用部材に付加情報を印刷して所定の形状に成型することで容器を作成する容器作成装置と、前記容器作成装置により印刷された前記付加情報を読み取る読み取り装置と、前記読み取り装置によって読み取られた付加情報を集計し、この集計結果に基づいて前記容器作成装置による容器の作成を制御する制御装置とを具備したことを特徴とする。
【0022】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記制御装置は、前記容器作成装置により作成される複数種類の容器に関する情報を記録する容器情報記録手段と、前記容器情報記録手段により情報が記録された複数種類の容器のそれぞれについて、前記読み取り手段により読み取られた付加情報を集計する容器種類別集計手段と、前記容器種類別集計手段により付加情報が集計された容器が所定数となった場合に、当該容器に対応する前記容器情報記録手段に記録された情報をもとに、前記容器作成装置による容器の作成を制御する容器作成制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0023】
請求項11記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記制御装置は、前記容器作成装置により作成された容器に入れる複数の商品に関する商品情報と前記商品に対応する容器に関する容器情報とを対応づけて記録する商品情報記録手段と、前記商品情報記録手段により情報が記録された複数の商品のそれぞれについて、前記読み取り手段により読み取られた付加情報を集計する商品別集計手段と、前記商品別集計手段により付加情報が集計された商品が所定数となった場合に、当該商品の商品情報と対応づけられた前記商品情報記録手段に記録された容器情報をもとに、前記容器作成装置による容器の作成を制御する容器作成制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0024】
請求項12記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記容器作成装置は、前記容器作成用部材に対して、導電性の有機高分子インクを用いて電子回路を印刷し、前記読み取り装置は、前記電子回路により記録されたデータを読み取ることを特徴とする。
【0025】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、前記読み取り装置によりデータが読み取られる際に、前記電子回路に対して所定のデータを書き込むデータ書き込み装置をさらに具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1記載の発明によれば、容器を作成するための容器作成用部材に印刷を施し、この印刷が施された容器作成用部材を容器の形状に合わせて切り取って成型することで容器を作成するので、容器に入れる商品に応じて印刷イメージを簡単に変更することができ、また商品に応じた形状に切り抜いて成型することで、商品を販売するために必要な各種情報(バーコードなどの商品コードや商品に関する情報など)が予め印刷され、また飾りなどが設けられた容器を作成することができる。容器作成用部材に対する印刷から成型までを一連の工程により実行して容器を作成するので、商品の販売状況に合わせて、必要な時に必要な大きさ、形状、修飾が施され、さらに商品の販売に必要な情報が印刷された容器を必要な分だけ作成することができる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、容器作成用部材に対して温度の変化に応じて色が変化するインクにより印刷をすることで、容器に入れる商品について温度管理が必要な場合、例えば食品の品質を維持するために必要な適温が制限されている場合に、容器の印刷色を確認するだけで、商品が適温下で管理されているかを容易に確認することができるようになる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、容器作成用部材に対して、導電性の有機高分子インクを用いて電子回路を印刷することで、容器を作成する工程内で容器に電子回路を設けることができるので、商品管理のための例えば電子タグ(RFID(Radio Frequency identification)タグ)などを使用する場合であっても、別途、容器に取り付ける作業などが必要ない。また、容器に設けられた電子回路に対して所定のデータを読み書きすることで、商品の在庫管理や販売管理に利用することもできる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、容器作成用部材に対して、少なくとも何れか一方の面に対してコーティングを施すことができるので、例えば容器に入れる商品に応じて、水分を多く含んだ商品であれば両面をコーティングし、乾いた商品であれば一方の面にのみコーティングするといった切り替えができる。
【0030】
請求項5記載の発明によれば、請求項4の発明の効果に加えて、コーティングされた容器作成用部材を成型する際に重ね合わされた部分を設けて圧着することで、コーティングに用いられた部材の性質により接着させることができるので、成型された容器の形状を安定化させるために、接着剤などを別途、容器作成用部材に塗布するといった工程を不要とすることができる。
【0031】
請求項6記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、容器の種類に応じた形状に容器作成用部材を切り取ることで、この切り取られた容器作成用部材を成型すると容器の種類に応じた飾り、例えば容器に入れる商品と関連した絵柄をかたどった飾りや店舗を表す商標やマークなどの宣伝用の飾りなどを設けることができ、容器に入れられた商品の見栄えを良くし、付加価値を向上させることができる。
【0032】
請求項7記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、容器の種類に応じて、容器作成用部材に対して片面あるいは両面に印刷することができるので、例えば容器に入れる商品についての情報を顧客に提示する際の位置を容器の内側あるいは外側に任意に決めることができ、また会計(チェッキング)の時に必要な商品コード(バーコード)の位置についても、会計に使用するECR(Electronic Cash Register)に応じて、商品コードを読み取らせるための作業がしやすい位置に任意に決めることができる。
【0033】
請求項8記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、容器作成用部材に対して印刷する印刷イメージを、容器の形状に応じて画像処理して印刷するので、例えば容器サイズの大小に合わせて印刷イメージを拡大縮小したうえで印刷を施したり、あるいは容器サイズの変更に応じて印刷イメージの印刷位置(レイアウト)を調整することができる。
【0034】
請求項9記載の発明によれば、容器を作成するための容器作成用部材に、例えば容器に入れる商品の商品コードの他に容器の形状(サイズ、形状、印刷内容など)に関するデータを含む付加情報を印刷して所定の形状に成型して容器を作成し、商品の会計時に容器の付加情報を読み取って集計することで、必要となる容器の種類や数などを判別することができ、必要となる形状の容器を必要な分だけ容器作成装置において作成させることができる。
【0035】
請求項10記載の発明によれば、請求項9の発明の効果に加えて、複数種類の容器に関する情報を記録しておき、複数種類の容器のそれぞれについて付加情報を集計し、容器作成装置による容器の作成を制御することができる。
【0036】
請求項11記載の発明によれば、請求項9の発明の効果に加えて、容器に入れる複数の商品に関する商品情報と商品に対応する容器に関する容器情報とを対応づけて記録しておき、複数の商品のそれぞれについて、容器から読み取られた付加情報を集計し、商品情報を対応づけられた容器情報をもとに容器作成装置による容器の作成を制御することができる。
【0037】
請求項12記載の発明によれば、請求項9の発明の効果に加えて、容器作成用部材に対して導電性の有機高分子インクを用いて印刷された電子回路から、読み取り装置によってデータを読み取ることができるので、例えば電子回路に商品に関するデータを記録させておくことで、商品の会計時に電子回路からデータを読み取ることで会計に利用することができ、また会計時に所定のデータを書き込むことで盗難防止などに利用することができる。
【0038】
請求項13記載の発明によれば、請求項12の発明の効果に加えて、読み取り装置によりデータが読み取られる際に、電子回路に対して所定のデータを書き込むことができるので、例えば商品についての会計が終了した容器について電子回路が記録しているデータを更新することで、商品が会計済みであるか否かを電子回路が記録するデータから簡単に確認することができ、商品の盗難防止などに利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態における容器作成システムの構成を示すブロック図である。本実施形態における容器作成システムは、例えば百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の各種店舗で使用することができる。
【0040】
図1に示すように、容器作成システムは、プリンタ装置10、容器作成装置12、売り上げデータ処理装置14、業務サーバ16が、例えば有線または無線によるLAN(Local Area Network)18などのネットワークにより接続されている。
【0041】
プリンタ装置10は、業務サーバ16の制御により、トレー容器を作成するための容器作成用部材、例えばトレー容器としての適度な強度を有する用紙に対して所定の印刷を施す。プリンタ装置10による容器作成用部材に対する印刷は、容器作成装置12によりトレー容器として作成された場合に、トレー容器に商品を入れて販売する際に必要となる各種情報(商品コード、商品の名称や量、生産地等の関連情報、絵柄など)を予め印刷するものである。従って、トレー容器に商品を入れてラッピングした後に各種情報が印刷されたシールを貼り付けるといった作業が不要となる。また、プリンタ装置10は、温度の変化に応じて色が変化する示温インクによる印刷、及び導電性の有機高分子インクを用いた印刷ができる機能が設けられているものとする。
【0042】
容器作成装置12は、業務サーバ16の制御により、プリンタ装置10によって印刷が施された容器作成用部材に対して、トレー容器の形状に応じた型押しと切り取り(以後、切り抜きという)を行い、この切り抜かれた容器作成用部材を容器の形状に成型して排出する。
【0043】
売り上げデータ処理装置14は、電子式キャッシュレジスタ(ECR(Electronic Cash Register))やPOS(Point of Sales)ターミナル等であり、商品の会計時にプリンタ装置10によりトレー容器(容器作成用部材)に対して印刷された情報(例えば商品コード)を読み取り、これをLAN18を通じて業務サーバ16に送信する。売り上げデータ処理装置14(14−1,14−2,…,14−n)は、店舗内に複数台が設置されているものとする。
【0044】
業務サーバ16は、バックヤード業務に使用されるもので、複数台の売り上げデータ処理装置14(14−1,14−2,…,14−n)のそれぞれにおいて読み取られた情報を受信し、これを集計して一括管理し、商品の販売のために必要となるトレー容器を判別し、集計結果に基づいてプリンタ装置10及び容器作成装置12を制御してトレー容器を作成させる。
【0045】
図2には、プリンタ装置10と容器作成装置12の外観構成を示している。
プリンタ装置10は、業務サーバ16の制御によって、用紙(容器作成用部材)に対して所定の印刷を実行し、印刷済みの用紙を排出口10aより排出して容器作成装置12に供給する。
【0046】
容器作成装置12は、プリンタ装置10から排出された印刷済み用紙を用紙導入口12aより導入し、装置筐体内部に設けられた各種の容器生成のための機構(詳細については後述する)を通すことで容器を生成して、容器排出口12bより排出する。
【0047】
次に、業務サーバ16の詳細について説明する。図3は、業務サーバ16の詳細な構成を示すブロック図である。
【0048】
図3において、CPU(Central Processing Unit)20には、入力装置21、表示装置22、印刷装置23、メモリ24、通信制御装置25、及び記録装置26がバスラインを介して接続されている。
【0049】
CPU20は、メモリ24内にロードされている各種制御プログラムに従って、業務サーバ16の全体動作を制御する。CPU20は、店舗内で扱う商品の管理等のための処理の他、容器作成制御プログラムを実行することで、管理者から入力装置21を通じて入力される各種指定(例えば、トレー容器の種類や個数、トレー容器に入れる商品(内容物)の指定など)や、売り上げデータ処理装置14(14−1,…,14−n)から取得される売り上げに関連するデータの集計結果に基づいて、プリンタ装置10及び容器作成装置12の動作を制御してトレー容器を作成させる。
【0050】
入力装置21は、キーボードやマウスなどのポインティングデバイスなどを含み、トレー容器の作成に関しては、例えばトレー容器の種類や個数、トレー容器に入れる商品(内容物)についてのデータ等を入力する際に使用される。
【0051】
表示装置22は、CPU20の制御のもとで、記録装置26に記録されている各種データの表示や、前述した各種指定を入力するための入力画面などを表示する。
【0052】
印刷装置23は、CPU20の制御のもとで、記録装置26に記録されたデータなどを印刷する。
【0053】
メモリ24は、CPU20によりアクセスされる各種プログラムやデータなどが記録される。例えば、装置全体を制御するための制御プログラムやトレー容器の作成動作を制御するための容器作成制御プログラム、容器作成に関係する記録装置26に記録されているデータ、売り上げデータ処理装置14から通信制御装置25を通じて受信されたデータなどが記録される。
【0054】
通信制御装置25は、LAN18を介して接続されたプリンタ装置10、容器作成装置12、及び複数の売り上げデータ処理装置14との間の通信を制御する。
【0055】
記録装置26は、オペレーティングシステムやアプリケーションプグラム(容器作成制御プログラムを含む)などの各種プログラム、データファイル(印刷イメージデータファイルを含む)、文字フォントデータ等が格納されている記録媒体やその駆動系を有している。記録媒体は固定的に設けたもの、もしくは着脱自在に装着可能なものであり、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、RAM(random access memory)カード等の磁気的・光学的記憶媒体、半導体メモリによって構成されている。また、記録媒体に記録されたプログラムやデータは、必要に応じてCPU20の制御により、メモリ24にロードされる。さらに、CPU20は、通信制御装置25により、LAN18等の伝送媒体を介して他の機器側から送信されてきたプログラムやデータを受信して記録媒体に格納したり、他の機器側に設けられている記録媒体に格納されているプログラム、データをLAN18を介して使用することもできる。
【0056】
記録装置26には、商品管理用や容器作成制御用のデータとして、トレーテーブル26a、商品テーブル26b、商品別定義テーブル26cなどが記録されている。
【0057】
図4には、トレーテーブル26aに記録されるデータの一例を示している。トレーテーブル26aには、プリンタ装置10及び容器作成装置12により作成するトレー容器に関するデータが含まれており、例えばトレー容器の種類別に設定されている固有のトレー番号(トレーNo.)と対応づけて、トレー容器の縦サイズ(長さ)、横サイズ(幅)、深さを示すデータが設定されている。
【0058】
図5(a)には、商品テーブル26bにおいて記録されるデータの一例を示している。
【0059】
商品テーブル26bには、店舗において販売される商品に関するデータ(商品情報)が登録される。商品に関するデータとしては、例えば商品を識別するためのPLU(Price Look Up)番号(PLUNo.)と対応づけて、単価、個数、関連情報(品名、原材料、消費期限、製造年月日、製造者名や住所・電話番号等を含む)、商品を入れて販売するためのトレー容器を示すトレー番号(トレーNo.)などのデータが登録される。
【0060】
図5(b)には、商品別定義テーブル26cにおいて記録されるデータの一例を示している。
【0061】
商品別定義テーブル26cには、商品テーブル26bに登録された商品情報に対応する商品別のトレー容器の作成に関するデータ(容器情報)が登録される。
【0062】
例えば、商品別定義テーブル26cには、商品テーブル26bに登録される商品別のトレー容器の作成に関するデータが、管理者からの指定により商品別に予め登録されるもので、商品別(PLUNo.)と対応づけて、容器作成用部材に対するコーティングを片面あるいは両面にするかを示すコーティング面データ、容器作成用部材に対する印刷を片面あるいは両面にするかを示す印刷面データ、容器作成用部材に対して施す印刷内容である印刷イメージデータ(ファイル)、容器作成用部材のサイド部分(長さ方向の縁)をトレー容器の形状に合わせてカットあるいは切り抜く場合の種類を示すカット種データなどが記録される。
【0063】
さらに、商品別定義テーブル26cでは、印刷イメージを容器作成用部材に対して印刷する場合に、温度の変化に応じて色が変化する示温インクによる印刷の有無を示す示温印刷データ、及び導電性の有機高分子インクを用いて予め決められた電子回路の印刷の有無を示す回路印刷データが登録される。
【0064】
示温印刷は、特定の印刷イメージ(例えばトレー容器の飾り絵柄の部分)について行うものとし、予め示温印刷の対象とする印刷イメージファイルが決められているものとする。また、導電性の有機高分子インクを用いた回路印刷では、回路印刷用のデータが別途用意されているものとする。ここで、有機高分子インクにより印刷される電子回路は、売り上げデータ処理装置14に設けられるリーダ・ライタ装置39(後述する)によりデータの読み書きが可能な回路(例えば電子タグ(RFIDタグ))とする。
【0065】
なお、有機高分子のインクを用いた回路の印刷は、有機エレクトロニクスでは高分子が溶解した液状状態であることを利用して、インクを付けてスタンプを押したり、インクジェットで吹き付けたりするなどして薄膜を形成する技術を用いることができる。例えば、インクジェット型プリンタを用いて回路印刷する場合、プリンタを疎水性のポリイミド(絶縁体)をスペーサ役として用いたり、インク吐出量を微少(微細液滴の吐出)にしたりすることで、微細な回路を鮮明に印刷できるようにする。また、例えば、産業技術総合研究所の光技術研究部門において開発された、常温常圧下における簡易印刷プロセスで製造可能な「トップアンドボトムコンタクト型素子構造」を用いることで、サブミクロン領域の造形を可能とすることができる。インクジェットを採用した方法では、マスクの作成などの複雑なステップを経ることなく直接描画を可能とし、製造プロセスの大幅な簡略化を図り、曲面印刷なども可能とすることができる。
【0066】
以下、商品テーブル26b及び商品別定義テーブル26cに登録された、PLU番号に対応する各データを商品テーブルデータとして説明する。
【0067】
商品別定義テーブル26cに対して、管理者が入力装置21を通じて各種データを設定しておくことで、商品テーブル26bに販売する商品を登録することで、この商品に対応するトレー容器を作成するためのデータを設定することができる。
【0068】
例えば、PLU番号が示す商品が水分を多く含む食材である場合には、コーティング面を両面に設定し、乾いた商品であればコーティング面を片面とすることにより、必要以上のコーティングをしないのでトレー容器の作成コストの低減を図ることができる。
【0069】
また、印刷イメージファイルを任意に登録することができるので、商品に応じて販売に有効となるイメージを用いることで、トレー容器にバリエーションをもたせて、商品を効果的に顧客に対してアピールすることができる。さらに、印刷内容の変更に伴って、トレー容器の片面に印刷するか両面に印刷するかも任意に設定できるため、印刷により顧客に提供する情報量に応じて印刷場所の使い分けも簡単にできる。なお、商品別定義テーブル26cに登録される印刷イメージファイルは、入力装置21の操作によって、他の記録媒体から読み取って記録装置26に記憶させたり、通信制御装置25を通じて外部からダウンロードして記録装置26に任意に記憶させることができる。
【0070】
また、トレー容器の形状に合わせてカットあるいは切り抜く場合の種類を示すカット種データについても任意に設定することができるので、トレー容器に商品に合わせた飾り(絵柄)などを自由に付加することができるようになる。
【0071】
次に、売り上げデータ処理装置14の詳細な構成について説明する。図6は、売り上げデータ処理装置14の詳細な構成を示すブロック図である。
【0072】
図6において、CPU30には、入力装置31、表示装置32、印刷装置33、ドロア34、メモリ35、記録装置36、バーコードリーダ37、及び通信制御装置38がバスラインを介して接続されている。さらに、リーダ・ライタ装置39をバスラインに接続して設けることもできる。
【0073】
CPU30は、メモリ35内にロードされている売上データ処理プログラムに従って、売り上げデータ処理装置14の全体動作を制御する。売上データ処理プログラムには、商品の会計時にトレー容器から読み取ったデータを業務サーバ16に送信する機能が含まれている。
【0074】
入力装置31は、特に図示はしないが、金額データや売上個数等を置数するテンキー、商品登録時に操作される部門キー、PLU(プライス・ルック・アップ)キー、一取引分の登録を締める現金/預りキー等、通常備えられている各種のキーやモードスイッチが設けられている。モードスイッチは、その切り替え位置に応じて「REG(登録)」、「X(点検)」、「Z(清算)」等のモードを切り替えるもので、REGモードにセットされている状態においてCPU30は、入力装置31から入力された売上データを取り込んで表示装置32に表示出力させたり、印刷装置33に送ってレフィルム/ジャーナル印字させ、さらにメモリ35内の売上データの内容を更新する登録処理を行う。
【0075】
表示装置32は、入力装置31から入力された売上データや売上データの合計金額、あるいは釣り銭金額などを表示する。
【0076】
印刷装置33は、例えば2連装プリンタで構成され、売上データが登録される毎にレシート用、ジャーナル用のロール紙に対してレシート用/ジャーナル印字を行う。印刷装置33は、一取引分の登録終了時に締め処理が行われてドロア34が開放されるタイミングと合わせて、レシート用を切断して売上明細レシートを発行する。
【0077】
ドロア34は、紙幣や硬貨などを収容するためのもので、締め処理が行われる際に開放され、操作者によって紙幣や硬貨を取り扱えるようにする。
【0078】
メモリ35は、CPU30によりアクセスされる各種プログラムやデータなどが記録される。メモリ35には、装置全体を制御するための売上データ処理プログラムや、通常処理作時に記録される商品に関するデータ(一取引合計データ、各種売上合計データ等)や一時データなどを記録するためのエリアが設けられる他、トレー容器に対する印刷から読み取られたデータを業務サーバ16に送信するためのトレーデータ35aを記録するためのエリアが設けられる。
【0079】
図7には、売り上げデータ処理装置14から業務サーバ16に対して送信するためのトレーデータ35aの一例を示している。
【0080】
トレーデータ35aには、例えばPLUNo.別(商品別)に、トレーサイズ、個数などのデータが蓄積される。このトレーデータ35aは、所定のタイミング(例えば、一取引の締め処理が実行された後、一定時間毎、個数が予め設定された数に到達した時など)で業務サーバ16に送信される。
【0081】
記録装置36は、オペレーティングシステムや各種アプリケーションプグラム、データファイル、文字フォントデータ等が予め格納されている記録媒体やその駆動系を有している。この記録媒体は固定的に設けたもの、もしくは着脱自在に装着可能なものであり、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、RAMカード等の磁気的・光学的記憶媒体、半導体メモリによって構成されている。また、記録媒体に記録されたプログラムやデータは、必要に応じてCPU30の制御により、メモリ35にロードされる。さらに、CPU30は、通信制御装置38により、LAN18等の伝送媒体を介して他の機器側から送信されてきたプログラム、データを受信して記録媒体に格納したり、他の機器側に設けられている記録媒体に格納されているプログラム、データをLAN18を介して使用することもできる。
【0082】
バーコードリーダ37は、トレー容器に印刷されたバーコード(商品コード)を読み取る。
【0083】
通信制御装置38は、LAN18を介して接続された業務サーバ16、及び他の売り上げデータ処理装置14との間の通信を制御する。
【0084】
リーダ・ライタ装置39は、業務サーバ16の制御によりプリンタ装置10において有機高分子インクにより印刷された電子回路(例えば電子タグとして機能する)に対して、データの読み書きを実行する。例えば、リーダ・ライタ装置39は、無線により非接触でデータの読み書きを実行するものとする。
【0085】
次に、本実施形態における容器作成システムにより作成されるトレー容器の概要について説明する。
図8には、容器作成装置12により作成されるトレー容器の一例を示している。図8(a1)(a2)は、サイズ(長さ方向)を大きくして作成したトレー容器、図8(b1)(b2)は、サイズを小さくして作成したトレー容器の一例を示している。本実施形態における容器作成システムでは、トレー容器に入れる商品に応じたサイズのトレー容器を任意の数だけ作成することができる。なお、本実施形態においては、説明をわかりやすくするために、トレー容器の長さ方向についてサイズを変更できる構成のみを示すが(詳細については後述する)、長さ方向にサイズを変更するための構造と同じ構造を、幅方向にも設けることにより幅方向のサイズ変更も可能である。
【0086】
図8に示すように、トレー容器の底面部あるいは側面部には、プリンタ装置10により商品を販売する上で必要とする各種情報、例えば商品コード(バーコード)、品名、原材料、消費期限、製造年月日、製造者名と住所などが、商品テーブル26bに登録されたデータをもとに印刷されている(図中、情報印刷A)。
【0087】
また、容器の種類に応じた飾り、例えば容器に入れる商品と関連した絵柄をかたどった飾りや店舗の商標やマークなどの宣伝用の飾りが印刷されている(飾り印刷B)。
【0088】
さらに、トレー容器の一部が所定の飾りに合わせた形状、例えば図8に示す例では、一般に刺身などをトレー容器に入れて販売する場合に使用されるバランの形状(ギザギザの葉の形状)を表すように生成(容器作成用部材からの切り抜き)されていると共に、この形状に合わせた色による印刷が施されている(飾り形状C)。
【0089】
情報印刷Aについては、売り上げデータ処理装置14により商品の会計をする際に、バーコードリーダ37を用いたバーコードの読み取り操作が容易となるような位置、例えば図8(a1)(b1)に示すようにトレー容器の裏面や図8(a2)(b2)に示すようにトレー容器の側面に印刷されている。
【0090】
また、トレー容器には、管理者の商品別定義テーブル26cに対する設定に応じて、プリンタ装置10により有機高分子インクにより電子回路が印刷される。
【0091】
次に、本実施形態における容器作成システムの動作について説明する。
容器作成システムでは、トレー容器に入れられた商品の購入会計時に、売り上げデータ処理装置14によりトレー容器に印刷された情報を読み取り、その読み取られた情報を集計することで、必要となるトレー容器の種類や数などを判別し、プリンタ装置10と容器作成装置12により必要な時に必要な数だけ必要な情報が印刷されたトレー容器を作成する。
【0092】
まず、売上データ処理装置10における売上データ処理について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0093】
売り上げデータ処理装置14は、一取引の処理の開始前に初期化処理を実行して、トレーデータ35aをクリアする(ステップA1)。すなわち、トレー容器の種類別の数を計数するためのカウンタをクリアしておく。
【0094】
売り上げデータ処理装置14は、バーコードリーダ37によりトレー容器に印刷された商品コード(バーコード)が読み取られると(ステップA2、Yes)、CRC(Cyclic Redundancy Check)チェックを行い、バーコードが正常に読み込めたか否かを判断する。ここで、正常に読み取られていなかった場合には(ステップA3、No)、読み取られたデータをキャンセルして、再度、バーコードの読み取りを実行する。
【0095】
ここで、正常にバーコードが読み取られた場合(ステップA3、Yes)、売り上げデータ処理装置14は、このバーコードの読み取りにより得られた商品コード(PLU番号)をもとに、この商品を入れたトレー容器に回路印刷がされているか否かを判別する(ステップA4)。例えば、売り上げデータ処理装置14に、図5に示す商品テーブル26b及び商品別定義テーブル26cを予め記録しておき、PLU番号をもとにテーブルに登録された回路印刷データを参照することで判別しても良いし、LAN18を介してPLU番号を用いて業務サーバ16に問い合わせることで判別するようにしても良い。
【0096】
ここで、回路印刷されていると判別されると、売り上げデータ処理装置14は、この電子回路に対して所定のデータ、例えば会計済みであることを示すデータの書き込み(データ更新)を、リーダ・ライタ装置39により実行する(ステップA5)。
【0097】
次に、一取引の最初の入力である場合には(ステップA6、Yes)、メモリ35に設けられる一取引合計のデータを記録するための一取引合計メモリをクリアし、それ以前に記録されているデータを消去する。
【0098】
ここで、CPU30は、商品コード(PLU番号)をもとに、回路印刷の判別と同様にして商品テーブル26bから得られる商品の単価のデータに従い、各種売上合計メモリを更新し(ステップA8)、印刷装置33により商品データ(商品名、金額など)を例えばレシートに印字させると共に、表示装置32により表示させる(ステップA9)。
【0099】
CPU30は、商品コードをもとに取得された商品の単価をメモリ35の一取引合計メモリに記録されたデータに加算する(ステップA10)。
【0100】
また、CPU30は、商品コードをもとに商品テーブル26bを参照することにより、商品を入れるために使用されているトレー容器のサイズ(トレー番号)を判断し(ステップA11)、トレーデータ35aに商品コード(PLU番号)と対応づけてトレーサイズを登録すると共に、その個数を更新(+1)する(ステップA12)。ここで、トレーデータ35aに、現在処理対象としているトレー容器と同じPLU番号とトレーサイズの組が記録されている場合には、個数のデータのみを更新し、記録されていない場合には、新規にPLU番号とトレーサイズのデータを記録する。
【0101】
以上の処理をバーコードリーダ37から一商品のデータが入力される毎に順次実行することで、各商品データがレシートに印刷されていき、それまでに入力された商品の合計金額が一取引合計メモリに記録される。また、トレーデータ35aに商品が入れられていたトレー容器の種類別の個数が記録されていく。
【0102】
ここで、入力装置31の現金/預りキーに対する操作によって一取引分の登録を締める指示が入力されると(ステップA13、Yes)、CPU30は、締め処理を実行する(ステップA14)。締め処理では、例えば、印刷装置33により一取引合計メモリに記録されたデータに応じた合計金額をレシートに印字させると共に、合計金額を表示装置32において表示させる。また、ドロア34を開放させたり、印刷装置33においてレシートを切断させてレシートを発行させる(ステップA15)。
【0103】
また、売り上げデータ処理装置14は、一取引において会計が行われた商品についてのトレーデータ35aを、通信制御装置38からLAN18を通じて業務サーバ16に送信する(ステップA16)。
【0104】
以上のようにして、商品入力に対する通常の処理と共に、商品の販売によって消費されたトレー容器の種類とその数を業務サーバ16に通知する処理を実行する。
【0105】
なお、トレーデータ35aの業務サーバ16への送信は、前述したように一取引の締め処理の後に実行する他にも、一定時間毎にそれまで記録されている複数取引分のトレーデータ35aを一括して送信する、あるいはトレーデータ35aにおいて計数されているトレー容器の個数が予め設定された数に到達したトレーサイズがある時に送信する等、他のタイミングで実行するようにしても良い。何れのタイミングで実行するかは、売り上げデータ処理装置14に予め何れかのタイミングが固定的に設定されていても良いし、管理者が何れかを任意に選択して売り上げデータ処理装置14に設定するようにしても良い。
【0106】
次に、売り上げデータ処理装置14からのトレーデータ35aを受信する業務サーバ16のトレーデータ更新処理について、図10に示すフローチャートを参照する。
【0107】
業務サーバ16は、複数の売り上げデータ処理装置14(14−1,14−2,…,14−n)から不定期に送信されるトレーデータを通信制御装置25から受信する。
【0108】
業務サーバ16は、トレーデータが受信されると(ステップB1、Yes)、割り込みを発生し、受信したトレーデータをもとに商品別のトレーサイズの個数を更新する処理を実行する(ステップB2)。すなわち、業務サーバ16は、店舗内全体で会計済みとなった商品を入れていたトレー容器について、商品別(PLU番号別)、トレーサイズ別に、それぞれの個数を加算することによりトレーデータを更新する(図7に示すトレーデータ35aと同様のデータ形式)。
【0109】
次に、業務サーバ16によるプリンタ装置10及び容器作成装置12に対する、トレー容器を作成するための容器作成制御処理について、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0110】
業務サーバ16は、前述したトレーデータ更新処理によって、店舗全体で消費されたトレー容器の個数を計数しており、その個数が予め決められた数に到達したPLU番号とトレーサイズの組があるかを判別する(ステップC1)。例えば、予め決められた数が50個であった場合、個数が50個に到達しているか否かを判別する。
【0111】
ここで、予め決められた数に到達しているPLU番号とトレーサイズの組がない場合には(ステップC2、No)、業務サーバ16は、容器作成を実行せずに容器作成制御処理を終了する。
【0112】
一方、予め決められた個数に到達しているPLU番号とトレーサイズの組がある場合(ステップC2、Yes)、業務サーバ16は、該当するPLU番号とトレーサイズの組に対応する商品テーブル26bに登録されている商品の商品テーブルデータ(商品別定義テーブル26c)をもとに、後述するトレー作成処理(図12)を起動することで、プリンタ装置10及び容器作成装置12を制御してトレー容器の作成を実行させる(ステップC3)。
【0113】
業務サーバ16は、プリンタ装置10及び容器作成装置12に対する制御により、予め決められた個数(例えば、消費された分の50個)のトレー容器の作成が完了すると(ステップC4、Yes)、トレーデータ更新処理によって更新されているトレーデータのうち、トレー容器の作成対象となったPLU番号とトレーサイズの組のデータを作成したトレー容器の個数を減算することで更新する(ステップC5)。
【0114】
このようにして、業務サーバ16は、トレーデータ更新処理によって更新されたトレー容器の個数が所定の数に到達した場合にトレー容器の作成を実行させるので、トレー容器の消費(商品の販売)に伴って不足となった分、すなわち必要な時に必要となる分のトレー容器を作成することができる。
【0115】
なお、前述した説明では、トレー容器の作成を実行する場合の判断基準とするトレー容器の個数(消費された個数)と、トレー容器を作成する個数とを同数として説明しているが、容器作成システムの管理者がそれぞれの個数を任意に変更できるようにしても良い。
【0116】
次に、容器作成システムによってトレー容器を作成するための全行程の概略について、図12に示すフローチャート及び図13に示す各工程において扱われる容器作成用部材(用紙)の形状の一例を参照しながら説明する。
【0117】
まず、業務サーバ16は、トレー印刷処理を実行することでプリンタ装置10を制御し、トレー容器を作成するための容器作成用部材(用紙)に対する印刷を実行させる(ステップD1)(図13(1))。プリンタ装置10には、トレー容器を作成するための容器作成用部材として、複数のサイズ、例えば規格化されたA3、B4、B5、A5などの用紙が用意されている。プリンタ装置10は、業務サーバ16から印刷対象とする用紙サイズ、印刷対象とする印刷イメージデータ、印刷イメージを印刷する位置(レイアウト)などの印刷に必要なデータを含む印刷制御データを入力し、この印刷制御データに応じて印刷処理を実行する。プリンタ装置10は、印刷制御データに従い、片面あるいは両面の印刷を実行することができる。
【0118】
次に、業務サーバ16は、コーティング処理(ステップD2)、型押し・抜き処理(ステップD3)、サイドカット処理(ステップD4)、サイド曲げ処理(ステップD5)、前後曲げ処理(ステップD6)を順次実行することで容器作成装置12を制御し、プリンタ装置10により所定の印刷が施された用紙をトレー容器の形に成型させる。容器作成装置12は、トレー容器に成型するための各機構部を、業務サーバ16からの容器作成制御データに応じて制御する。
【0119】
コーティング処理では、プリンタ装置10により印刷が施された印刷済み用紙に対してコーティングを施す(図13(2))。ここでは、用紙に対して片面あるいは両面に対して選択的にコーティングを施すことができる。
【0120】
型押し・抜き処理では、コーティングが施された用紙に対して、トレー容器の成型を容易にするために、トレー容器の形状に応じて型押しすることで折り目をつくると共に、トレー容器の形状(大きさ)に応じて不要な部分を切り落とすように抜きを行う(図13(3))。
【0121】
サイドカット処理では、トレー容器に合わせて不要な部分が切り落とされた用紙のサイド部分を、トレー容器に飾りが形成されるように切り落としを行う(図13(4))。
【0122】
サイド曲げ処理では、サイドカットされた用紙の長さ方向の縁を、型押し・抜き処理によって付けられた折り目から折り曲げる(図13(5))。
【0123】
前後曲げ処理では、サイド曲げされた用紙の前後の部分を、型押し・抜き処理によって付けられた折り目から折り曲げ、用紙の一部を重ね合わされるようにした状態で圧着することで、用紙にコーティングされた材料により部材を接着させてトレー容器の形状に成型する。
【0124】
以上の工程を経ることにより、規格品である用紙を、商品の販売に必要な情報(商品コード、商品名、値段など)や商品をアピールするための必要な飾り(絵柄)が印刷された、商品を入れるのに適当なサイズの形状をもったトレー容器に成型することができる。
【0125】
なお、プリンタ装置10及び容器作成装置12における各工程は、業務サーバ16の制御のもとで、複数の工程を並行して実行することで、規格品の紙(容器作成用部材)からトレー容器を連続的に作成するものとする。
【0126】
次に、プリンタ装置10によって容器作成用部材(紙)に対して印刷を実行させるためのトレー印刷処理について、図14に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0127】
まず、容器作成制御処理によってトレー作成処理が起動されると(ステップE1、Yes)、業務サーバ16は、印刷対象とするトレー容器に対応する商品テーブルデータ、すなわち図5に示す商品テーブル26b及び商品別定義テーブル26c中の容器作成制御処理でトレー容器の作成対象として判別されたPLU番号に対応する各データを取得する(ステップE2)。図示はしないがステップE1において一定時間以上Noと判別された場合はトレー作成処理を終了する。
【0128】
ここで、商品テーブルデータ中のトレー番号(トレーNo.)のデータをもとに、トレーテーブル26aを参照し、作成対象をするトレー容器のサイズを決定する(ステップE3)。
【0129】
また、商品テーブルデータ中の印刷面データをもとにして、片面印刷を実行するか、あるいは両面印刷を実行するかを判定する(ステップE4)。
【0130】
片面印刷の実行が設定されている場合(ステップE4、片面)、商品テーブルデータ中の片面印刷用の印刷イメージデータ(ファイル)を取得し(ステップE5)、この印刷イメージデータをトレー容器のサイズに応じて印刷するために、印刷イメージの拡大縮小サイズを計算する(ステップE6)。容器作成用部材に印刷するイメージサイズの横サイズをW、縦サイズをE、元の印刷イメージの横サイズをw、縦サイズをdとすると、横方向に対してはW/w倍、縦方向に対してはE/d倍に拡大あるいは縮小する。
【0131】
例えば、トレー容器の底面に印刷するための印刷イメージデータとして、トレー容器に入れて販売される商品を調理した料理完成写真のイメージデータが用意されているものとする。そして、底面に印刷されるべきデータは、トレーサイズに合わせて、トレー底面全体に印刷するものとする。
【0132】
ここで、元の印刷イメージデータのサイズが、例えば図15(a)に示すように、横100センチ、縦70センチの大きさで記憶されているものとする。この場合、トレー容器の底面のサイズ、すなわちトレーテーブル26aに記録された横サイズBと縦サイズAが示す矩形サイズが、図15(b)に示すように、例えば横100センチ、縦70センチの横長トレー容器の場合には、元の印刷イメージを拡大縮小しないものと判別する(横方向100/100倍、縦方向70/70倍)。また、図15(c)に示すように、トレー容器の底部のサイズが横100センチ、縦91センチの場合には、縦方向に対しては91/70=1.3倍拡大するものとする。
【0133】
業務サーバ16は、拡大縮小サイズをもとに印刷イメージデータを拡大縮小処理し(ステップE7)、拡大縮小された印刷イメージを容器作成用部材の所定の位置(底部)にレイアウト設定する(ステップE8)。
【0134】
なお、容器作成用部材に対しては、複数の印刷イメージを組み合わせて印刷することができる。例えば、図16には、容器作成用部材の片面(トレー容器の内側)に複数のイメージが印刷された状態の一例を示している。図16に示す例では、規格品の容器作成用部材に対して、トレー容器の内側に相当する範囲に、商品に応じた修飾などを含む所定の色を用いた印刷が全体に施されている。また、トレー容器の底面に相当する部分には、商品(例えば魚)を調理した料理完成写真のイメージと、その料理を作るための調理方法の説明情報(テキスト)とが印刷されている。また、商品の販売に必要となる商品情報(品名、原材料、消費期限、製造年月日、製造者名や住所・電話番号等を含む)が、トレー容器側面の内側に相当する部分に印刷されている。さらに、トレー容器の一方の縁部分には、商品に関連する飾り絵柄、例えば魚を表す飾り絵柄を印刷し、他方の縁部分にはタグを付加して商品コード(バーコード)を印刷している。
【0135】
こうして、商品の販売に必要となる情報の他に、顧客に商品を購入させるために有効な情報や飾り絵柄などを印刷することができる。
【0136】
なお、図16に示す複数の印刷イメージのうち、商品コード(バーコード)については、売り上げデータ処理装置14のバーコードリーダ37によって読み取られるように規格化されているため、他の印刷イメージに対して拡大縮小処理が実行される場合であっても、常に予め決められたサイズにより印刷されるものとする。
【0137】
一方、印刷面が両面印刷に設定されている場合(ステップE4、両面)、前述した片面印刷と同様にして、トレー容器の内側あるいは外側となる面のそれぞれに応じた印刷イメージに対して拡大縮小処理を実行し(ステップE9〜E11)、それぞれの印刷イメージに対するレイアウト設定する(ステップE12)。
【0138】
また、業務サーバ16は、商品テーブルデータ中の示温印刷データをもとに、容器媒体に対して示温印刷が必要であるか否かを判定する(ステップE13)。ここで、示温印刷ありの設定がされている場合には、示温インクを用いた印刷設定を行う(ステップE14)。例えば、示温印刷は、温度変化が容易に判別できる位置として、トレー容器に付加された飾り絵柄に対して施すものとする。
【0139】
また、業務サーバ16は、商品テーブルデータ中の回路印刷データをもとに、容器媒体に対して回路印刷が必要であるか否かを判定する(ステップE15)。ここで、回路印刷ありの設定がされている場合には、導電性の有機高分子インクを用いた回路印刷設定を行う(ステップE16)。例えば、回路印刷の印刷位置は、例えばトレー容器ら入れられた商品の会計を売り上げデータ処理装置14により行う際に、売り上げデータ処理装置14に設けられたリーダ・ライタ装置39によってデータの読み書きが可能な位置に決められているものとする。
【0140】
こうして、印刷面(片面、両面)に応じた印刷イメージデータの拡大縮小、レイアウト設定、示温印刷、回路印刷の設定が完了すると、これら設定に従う印刷を実行させるための印刷制御データをプリンタ装置10に送信して印刷実行を指示する(ステップE17)。
【0141】
プリンタ装置10は、業務サーバ16から印刷実行が指示されると、印刷制御データをもとに、トレー容器の作成に使用する用紙サイズを選択し、その用紙に対して所定の印刷を実行する。業務サーバ16からは印刷枚数(トレー容器の作成数)も指示されており、この印刷枚数分の印刷を実行して、順次、容器作成装置12に供給する。
【0142】
次に、プリンタ装置10により印刷が施された容器作成用部材(印刷済み用紙)をトレー容器に成型するための、容器作成装置12に設けられた各機構の概略について説明する。図17は、容器作成装置12の筐体内に収容された主要な機構部の構成を示す図である。なお、図17では、主要な機構部のみを示すもので、各機構部を筐体内に支持するための支持構造、印刷済み用紙を各機構部に順次搬送させるための搬送機構、その他の構成部品などは図示を省略している。
【0143】
図17に示すように、容器作成装置12には、図13により説明した各工程を実行するためのコーティング機構40、型押し/抜き機構42、カット機構44、サイド曲げ機構46、及び前後曲げ機構48が設けられている。各機構部は、業務サーバ16における各工程に応じた処理により制御され、プリンタ装置10から供給される印刷済み用紙を段階的にトレー容器に成型していく。
【0144】
図17に示すように、プリンタ装置10において印刷が施された用紙は、用紙導入口12aから容器作成装置12の搬送路に導入され、まずコーティング機構40に搬送される。コーティング機構40においてコーティングが施された用紙は、型押し/抜き機構42によりトレー容器の形状に合わせた型押しと抜きが実行される。トレー容器の形状に合わせて型抜きされた用紙は、飾り(絵柄)に合わせてカット機構44によりサイドカットされた後、サイド曲げ機構46によるサイド曲げ、前後曲げ機構48による前後曲げと圧着によりトレー容器に成型されて容器排出口12bから排出される。
【0145】
以下、各処理工程における業務サーバ16による制御と各機構の動作制御の詳細について説明する。
まず、コーティングの工程について説明する。
図18は、業務サーバ16によるコーティング処理を説明するためのフローチャート、図19は、容器作成装置12によるコーティング機構40に対する制御を説明するためのフローチャートである。また、図20は、コーティング機構40の詳細な構成を示す図である。なお、図17では搬送路の折り返し部分に設けられている場合を図示しているが、図20では、コーティング機構40の構成を容易に判別できるように搬送路を水平状にして表している。
【0146】
図20に示すように、コーティング機構40には、印刷済み用紙を搬送路に沿って撓みや引っ張りが発生しないように安定して搬送させるための複数の搬送ローラ50a,50b(図20では1組の搬送ローラのみを示しているが多くの搬送ローラが設けられているものとする)、印刷済み用紙に貼り付けるコーティング部材(フィルム素材)を印刷済み用紙の搬送に合わせて、印刷済み用紙の表面に供給するためのフィルム導入ローラ51a,51b、フィルムが巻回されたフィルムローラ52a,52b、印刷済み用紙上に被覆されたフィルムを圧着させるための圧接ローラ53a,53bなどが設けられている。また、図示していないが、印刷済み用紙の搬送位置を検知するための複数のセンサ、フィルムローラ52a,52bに巻回されたフィルムをカットするカット機構、各ローラを所定の方向に回転駆動させるための駆動部、駆動部を制御するための制御回路などが設けられている。
【0147】
フィルムローラ52a及びフィルム導入ローラ51aは、印刷済み用紙の表面(トレー容器の内側)にフィルムを貼り付けるための機構であり、フィルムローラ52b及びフィルム導入ローラ51bは、印刷済み用紙の裏面(トレー容器の外側)にフィルムを貼り付けるための機構であり、後述する片面コーティングあるいは両面コーティングの何れの動作モードで動作するかに応じて、それぞれ独立して駆動制御することができる。
【0148】
フィルムローラ52a,52bに巻回されたフィルムは、予め接着材を塗布しておくことで印刷済み用紙状にフィルムを貼り付けるようにしても良いし、印刷済み用紙上に被覆させた後に加熱された圧接ローラ53a,53bにより圧接することにより貼り付けるようにしても良い。圧接ローラ53a,53bを加熱する場合には、そのための構成がさらに設けられるものとする。
【0149】
まず、業務サーバ16は、コーティング処理において、作成対象とするトレー容器(PLU番号)に対応する商品テーブルデータを商品テーブル26b及び商品別定義テーブル26cから取得し(ステップF1)、コーティング面データをもとに、印刷済み用紙に対してコーティングを片面に施すか、あるいは両面に施すかを判別する(ステップF2)。
【0150】
ここで、コーティング面データに片面へのコーティングが設定されていた場合には、業務サーバ16は、容器作成装置12に対して片面コーティングの実行を指示する(ステップF3)。一方、コーティング面データに両面へのコーティングが設定されていた場合には、業務サーバ16は、同様にして、容器作成装置12に対して両面コーティングの実行を指示する(ステップF4)。
【0151】
容器作成装置12は、業務サーバ16からのコーティング処理による指示を受信すると、コーティング機構40に対して片面コーティング、あるいは両面コーティングの何れかの動作モードに制御回路を設定する(ステップG1)。
【0152】
例えば、片面コーティングの実行が指示された場合、コーティング機構40の一方の側のフィルム貼り付けの機構、例えば印刷済み用紙の裏面にフィルムを貼り付けるためのフィルムローラ52bとフィルム導入ローラ51bの駆動を停止させるように制御回路に設定する。
【0153】
両面コーティングの実行が指示された場合には、印刷済み用紙の両面にフィルムを貼り付けるために表面側のフィルムローラ52b及びフィルム導入ローラ51b、裏面側のフィルムローラ52b及びフィルム導入ローラ51bの両方を駆動させるように制御回路に設定する。
【0154】
その後、搬送機構により印刷済み用紙がコーティング機構40に搬送されることで、図示せぬセンサによりフィルム貼り付け位置、すなわちフィルム導入ローラ51a,51bによりフィルムが導入される位置まで搬送されたことが検知されると(ステップG2)、例えば表面側に対しては、フィルムローラ52aを回転させることで巻回されたフィルムを供給すると共に、印刷済み用紙を搬送させながらフィルム導入ローラ51aにより紙上にフィルムを被覆させていく(ステップG3)。印刷済み用紙は、フィルムを被覆されながら搬送されることにより、フィルム貼り付け位置より先に設けられた圧接ローラ53a,53bに圧接される。こうして、フィルムが印刷済み用紙に圧着されてコーティングが施される。
【0155】
そして、印刷済み用紙の後端部がフィルム貼り付け位置にまで到達したことがセンサにより検知されると(ステップG4)、フィルムローラ52a,52b及びフィルム導入ローラ51a,51bの駆動を停止させることで(両面コーティングの場合)、フィルムの貼り付けを停止させ、フィルムローラ52a,52bから供給されているフィルムをカットする(ステップG6)。こうして、1枚の印刷済み用紙に対するコーティングを完了する。
【0156】
以下、印刷済み用紙がさらにプリンタ装置10から供給されている場合には、前述と同様にして、コーティングを実行する(ステップG2〜G7)。
【0157】
なお、前述した説明では、1枚ごとに印刷済み用紙に対してフィルムの貼り付けを行っているが、複数枚の印刷済み用紙に対して連続してフィルムを貼り付けるようにしても良い(1枚毎にフィルムをカットしない)。すなわち、コーティング機構40の後段に続く型押し/抜き機構42によって、1枚の印刷済み用紙ごとに抜きの工程が実行されるために、この工程でフィルムをカットするようにしても良い。
【0158】
図21には、用紙に対して印刷を施し、印刷済み用紙に対してコーティングを施す工程を説明している。図21に示すように、トレー容器のサイズに応じて容器作成用部材として使用する用紙のサイズを選択するが(図21(a))、同じサイズの用紙を使用する場合であっても、トレー容器の形状に合わせてプリンタ装置10により印刷を施す。例えば、図21(b)に示す印刷済み用紙では、トレー容器のサイズ(長さ方向)が大きいことから用紙全体に施されており、図21(c)に示す印刷済み用紙では、トレー容器のサイズが小さいことから、そのサイズに応じた範囲においてのみ印刷が施されている。本実施形態におけるコーティング機構40では、印刷済み用紙に対する印刷内容に関係なく、図21(d)に示すように、一様にコーティングを施している。
【0159】
こうして、印刷済み用紙にフィルムを貼り付けてコーティングすることにより、トレー容器を水滴や汚れから守り、またトレー容器に入れられる商品の品質に影響を与えないようすることができる。また、印刷済み用紙にコーティングすることで強度を確保できるようにすることができる。なお、コーティングの材料(フィルム)は、前後曲げ機構48においてトレー容器への成型時に接着剤の役割をも果たす(後述する)。
【0160】
次に、型押し・抜きの工程について説明する。
図22は、業務サーバ16による型押し・抜き処理を説明するためのフローチャート、図23は、容器作成装置12による型押し/抜き機構42に対する制御を説明するためのフローチャートである。また、図24は、型押し/抜き機構42の詳細な構成を示す図である。
【0161】
図24(a)に示すように、型押し/抜き機構42には、コーティングが施された印刷済み用紙の搬送方向に対して前部の不要な部分を切り抜くための前部型抜き部60と後部を切り抜くための後部型抜き部61とが、印刷済み用紙の搬送方向と並行に設けられた2本の回転軸62a,62bにより連結されている。
【0162】
前部型抜き部60と後部型抜き部61は、印刷済み用紙を切り抜く形状に合わせた型に形成されており、印刷済み用紙に圧接させる側(図24(a)では下部側)に用紙を切るための刃が形成されている。
【0163】
回転軸62a,62bの端部(図24(a)では後部型抜き部61側)には、それぞれ両方向に所定量単位で回転制御が可能なモータ63a,63bが設けられている。回転軸62a,62bには、送りねじが形成されており、この送りねじと前部型抜き部60とが係合されている。これにより、モータ63a,63bを駆動させることにより、回転軸62a,62bを連動して回転させ、送りねじにより係合された前部型抜き部60の位置を回転軸62a,62bの軸方向に移動させることができる。
【0164】
前部型抜き部60と後部型抜き部61との間には、印刷済み用紙に対して、成型を容易にするための折り目をつくるための前部型押し部64、後部型押し部65、前側部型押し部65a,65b、後側部型押し部66a,66bが設けられている。これら各部の圧接させる側(図24(a)では下部側)に用紙に折り目を入れるための刃が形成されている。この刃は、印刷済み用紙に圧接させた場合に、用紙を切断しないよう形成されているものとする。
【0165】
前部型押し部64と後部型押し部65は、トレー容器の底面を形成する矩形の短辺に相当する位置と、印刷済み用紙のトレー容器の側面に相当する部分を折り曲げた時の角の折り曲げ位置に折り目を付けるために設けられている。本実施形態におけるトレー容器では、底面に対する側面の折り曲げ角度をトレーサイズに関係なく一定としているので、角の折り曲げ位置は変更しない構成としている。
【0166】
前側部型押し部65a,65bと後側部型押し部66a,66bは、トレー容器の底面を形成する矩形の長辺に相当する位置に折り目を付けるために設けられている。前側部型押し部65a,65bは、前部型押し部64によって付けられる折り目と垂直方向に折り目をつけるように構成されている。同様にして、後側部型押し部66a,66bは、後部型押し部65によって付けられる折り目と垂直方向に折り目をつけるように構成されている。
【0167】
前側部型押し部65aと後側部型押し部66a、前側部型押し部65bと後側部型押し部66bは、それぞれ前部型抜き部60と後部型抜き部61とが最も離れた位置から最も近づく位置の範囲内で、一部が接触した状態で摺動可能となるように構成されている。
【0168】
図24(b)には、図24(a)中のA−A線における前側部型押し部65aと後側部型押し部66bの断面を示している。図24(b)に示すように、印刷済み用紙と接触する部分(下部)には、用紙に折り目を入れるための刃が形成され、それぞれの刃の先端位置が一致するように構成されている。従って、前部型抜き部60の位置がトレー容器のサイズの変更に伴って移動された場合であっても、トレー容器の底辺に相当する矩形枠の長辺全体に渡って、少なくとも前側部型押し部65bあるいは後側部型押し部66bの何れか一方の刃によって折り目を形成することができる。前側部型押し部65aと後側部型押し部66aについても、図24(b)と同様に構成されている。
【0169】
なお、印刷済み用紙に対して型抜きするための刃(前部型抜き部60と後部型抜き部61に設けられた刃)と、印刷済み用紙に対して型押しするための刃(前部型押し部64、後部型押し部65、前側部型押し部65a,65b、及び後側部型押し部66a,66bに設けられた刃)の高さに差が設けられている。すなわち、印刷済み用紙に型押し/抜き機構42を圧接させた場合に、まず型抜きするための刃により型抜きをし、さらに圧接させることで型押しするための刃により折り目が形成されるようにしている。
【0170】
なお、図示していないが、型押し/抜き機構42には、印刷済み用紙の搬送位置を検知するための複数のセンサ、ローラ63a,63bを所定の方向に回転駆動させるための駆動部、駆動部を制御するための制御回路などが設けられている。
【0171】
なお、図24(a)に示す型押し/抜き機構42は、トレー容器を長さ方向に変更可能とする構成を示しているが、幅方向にも変更できるようにすることができる。この場合、前部型抜き部60と後部型抜き部61とを例えば中間位置から分離可能として、送りねじが形成された回転軸によって連結し、この回転軸をモータによって回転させることで、前部型抜き部60と後部型抜き部61のそれぞれを中央から分離させて幅方向に移動可能な構成とすれば良い。
【0172】
まず、業務サーバ16は図22に示すように、型押し・抜き処理において、作成対象とするトレー容器(PLU番号)に対応する商品テーブルデータに含まれるトレー番号をもとに、トレーテーブル26aに登録された該当するトレーのトレーテーブルデータ(縦サイズA、横サイズB、深さC)を取得する(ステップH1)。
【0173】
そして、トレーテーブルデータをもとに型抜きサイズを計算する(ステップH2)。例えば、縦方向の型抜きサイズは、トレーの縦サイズA+深さサイズC×2により算出し、横方向の型抜きサイズは、トレーの横サイズB+深さサイズC×2により算出する。なお、本実施形態では、トレー容器の長さ方向にのみ変更でるものとしているため横方向の型抜きサイズのみの算出で良い。
【0174】
業務サーバ16は、容器作成装置12に対して、算出された型抜きサイズ(抜きサイズデータ)に応じたサイズ調整と共に型押し/抜きの実行を指示する(ステップH3)。
【0175】
容器作成装置12は図23に示すように、業務サーバ16からの型押し・抜き処理による指示(抜きサイズデータ)を受信すると(ステップJ1)、型押し/抜き機構42に対して型抜きサイズの調整を実行させる(ステップJ2)。すなわち、型押し/抜き機構42は、モータ63a,63bを抜きサイズに応じた所定量だけ回転駆動させる。これにより、回転軸62a,62bの送りねじと係合された前部型抜き部60が、回転軸62a,62bの回転量に応じて位置が変更され、型抜き位置が調整される。
【0176】
その後、搬送機構により印刷済み用紙が型押し/抜き機構42に搬送されることで、図示せぬセンサにより所定位置、すなわち型抜き位置まで搬送されたことが検知されると(ステップJ3)、印刷済み用紙の搬送を停止させる(ステップJ4)。
【0177】
ここで、型押し/抜き機構42を印刷済み用紙に圧接させることにより、前部型抜き部60と後部型抜き部61に設けられた刃により型抜きを実行して、トレー容器を作成する際に不要な部分を切り落とす(ステップJ5)。さらに、型押し/抜き機構42を型抜きされた印刷済み用紙に圧接させることで、印刷済み用紙に対して型押しを実行して折り目を形成する(ステップJ6)。
【0178】
その後、型押し/抜き機構42を印刷済み用紙から離間させ、印刷済み用紙の搬送を再開する。
【0179】
以下、コーティング機構40によりコーティングされた印刷済み用紙がさらに供給されている場合には、前述と同様にして、型押しと抜きを実行する(ステップJ3〜J7)。
【0180】
図25には、型押し/抜き機構42による型押しと抜きの調整の例を示している。図25(a1)(a2)は、トレー容器のサイズ(長さ方向)が大きい場合、図25(b1)(b2)は、トレー容器のサイズが小さい場合を表している。トレー容器のサイズが大きい場合には、図25(a1)に示すように、型押し/抜き機構42の前部型抜き部60と後部型抜き部61との間隔を広く調整することで、図25(a2)に示すように、大きなサイズに合わせて印刷済み用紙を型抜きすることができる。同様にして、トレー容器のサイズが小さい場合には、図25(b1)に示すように、型押し/抜き機構42の前部型抜き部60と後部型抜き部61との間隔を狭く調整することで、図25(b2)に示すように、小さなサイズに合わせて印刷済み用紙を型抜きすることができる。また、何れの場合も型押し/抜き機構42を印刷済み用紙に対して圧着させる1工程によって、型抜きと共に型押しすることで折り目を形成することができる。
【0181】
こうして、コーティングされた印刷済み用紙を型抜きすることで、トレー容器のサイズに合わせた必要な部材のみを取得することができる。同時に、印刷済み用紙の折り曲げを容易とする折り目を付けることで、後続するサイド曲げ機構46と前後曲げ機構48において品質良くトレー容器の成型ができるようにしている。
【0182】
次に、サイドカットの工程について説明する。
図26は、業務サーバ16によるサイドカット処理を説明するためのフローチャート、図27は、容器作成装置12によるカット機構44に対する制御を説明するためのフローチャートである。また、図28は、印刷済み用紙に対してサイドカットを実行する状況を説明するための図である。
【0183】
まず、業務サーバ16は図26に示すように、サイドカット処理において、作成対象とするトレー容器(PLU番号)に対応する商品テーブルデータ(商品別定義テーブル26c)からカット種データを取得する(ステップK1)。
【0184】
そして、カット種データに応じたサイドカット型への切り替えと共にサイドカットの実行を指示する(ステップK2)。
【0185】
容器作成装置12は図27に示すように、業務サーバ16からサイドカット処理によりカット種データとサイドカット型への切り替えの指示を受信すると(ステップL1)、カット機構44に対してカット種に応じたサイドカット型(歯形)による動作モードに制御回路を設定する(ステップL2)。
【0186】
例えば、カット機構44では、複数のサイドカット型の何れかをセットして、制御回路により駆動制御することができる。サイドカット型には、印刷済み用紙を搬送させながらカットするもの、印刷済み用紙の搬送を一時停止させ、そこで型抜きすることによってカットするものなど、複数の形態のサイドカット型を使用することができる。カット機構44は、サイドカット型の種類に応じた駆動制御を実行する。なお、サイドカット型の交換は、自動で行う構成としても良いし、手動により予め交換される構成としても良い。
【0187】
その後、搬送機構により印刷済み用紙がカット機構44に搬送されることで、図示せぬセンサによりサイドカット位置まで搬送されたことが検知されると(ステップL3)、サイドカット型を駆動して、印刷済み用紙のサイド(トレー容器の縁に相当する部分)をカットする(ステップL4)。
【0188】
例えば、印刷済み用紙を搬送させながらサイドカットを実行するサイドカット型を使用している場合には、印刷済み用紙の後端部がサイドカット終了位置にまで到達したことがセンサにより検知されると(ステップL5)、サイドカット型の駆動を停止させる(ステップL6)。こうして、1枚の印刷済み用紙に対するサイドカットを完了する。
【0189】
なお、サイドカット型が型抜きにより実行される場合には、印刷済み用紙が型抜き位置まで搬送されたことが検知された場合に、搬送を一時停止させ、サイドカット型を印刷済み用紙に押し当てて型抜きした後、印刷済み用紙の搬送を再開する制御を行うものとする。
【0190】
以下、型押し・抜き済みの印刷済み用紙がさらに型押し/抜き機構42から供給されている場合には、前述と同様にして、サイドカットを実行する(ステップL3〜L7)。
【0191】
図28には、印刷済み用紙を搬送させながらサイドカットする場合の例を示している。図28に示すように、カット機構44には、型押し/抜き機構42による型押し・抜きが行われた印刷済み用紙(図28(a1))が供給される。
【0192】
図28(b)に示すカット機構44には、一方のサイド位置に設けられるカットローラ70aと他方のサイド位置に設けられるカットローラ70bとがシャフト71により連結して設けられている。また、カットローラ70aと噛み合うことで印刷済み用紙をカットするカットローラ72aと、同様にしてカットローラ72bと噛み合うカットローラ(図示せず)とがシャフトにより連結して設けられている。各カットローラは、印刷済み用紙の搬送に合わせて回転駆動されることで、各ローラに設けられたカット形状で印刷済み用紙のサイド(縁の印刷部分)をカットする。
【0193】
図28に示すカット機構44は、図8に示すトレー容器を作成するためのもので、トレー容器の縁部分にバランの形状(ギザギザの葉の形状)を表すようにサイドカットするように構成されている。
【0194】
なお、図28に示すカット機構44では、シャフトをスプライン軸(みぞ付き軸)として構成してカットローラを結合することで、カットローラをシャフトの軸方向に移動可能とすることができる。これにより、印刷済み用紙(トレー容器)のサイズに合わせてカットローラの位置を変更し、サイズに応じたサイドカットを実行できる。
【0195】
同様にして、型抜きによりサイドカットを実行する場合においても、トレー容器のサイズに応じて位置の調整をすることができる。
【0196】
また、印刷済み用紙に対して、2つの縁に対して異なるサイドカットを実行することもできる。例えば、図16に示す例では、一方の縁部分には飾り絵柄が設けられ、他方の縁部分には商品コード(バーコード)が印刷されたタグが設けられている。こうして場合、それぞれ異なる型抜きによりサイドカットを実行すれば良い。
【0197】
なお、前述した説明では、1つ縁部分に対して1つのサイドカット型を用いるとして説明しているが、複数のサイドカット型を組み合わせて印刷済み用紙に対してサイドカットを実行する構成としても良い。
【0198】
次に、サイド曲げの工程について説明する。
図29は、業務サーバ16によるサイド曲げ処理を説明するためのフローチャートである。また、図30は、サイド曲げ機構46の詳細な構成を示す図である。
【0199】
図30に示すように、サイド曲げ機構46には、カット機構44によりサイドカットされた印刷済み用紙が供給される。サイド曲げ機構46には、印刷済み用紙の搬送面の下部に配置される複数ローラ(第1下部ローラ80a、第2下部ローラ82a、第3下部ローラ84a(84b))と、搬送面の上部に配置される複数のローラ(第1上部ローラ86a,86b、第2上部ローラ88a,88b、第3上部ローラ84a,84b)とが設けられている。
【0200】
第3下部ローラ84aは、シャフト85により第3下部ローラ84bと連結されている。同様にして、第1下部ローラ80a及び第2下部ローラ82aについても、それぞれシャフト81,83によって対応する第1下部ローラ、第2下部ローラとそれぞれ連結されている(図示せず)。
【0201】
第1下部ローラ80a、第2下部ローラ82a、及び第3下部ローラ84a(84b)は、外径が異なる2つのローラ、すなわち内ローラと外ローラとが一体化されて構成されている。内ローラは、第1下部ローラ80a、第2下部ローラ82a及び第3下部ローラ84aで同一の外径サイズを有しており、外ローラは、第1下部ローラ80a、第2下部ローラ82a、第3下部ローラ84aの順番で外径サイズが大きくなっている。すなわち、第1下部ローラ80a、第2下部ローラ82a、第3下部ローラ84aの順番で、内ローラと外ローラとの外径の差を大きくしている。
【0202】
第1上部ローラ86a,86b、第2上部ローラ88a,88b、第3上部ローラ84a,84bは、それぞれシャフト87,89,91によって結合されている。第1上部ローラ86a,86b、第2上部ローラ88a,88b、第3上部ローラ84a,84bは、それぞれに対応する第1下部ローラ、第2下部ローラ、第3下部ローラの内ローラと相対した、印刷済み用紙を搬送可能な間隔を設けて配置されている。
【0203】
また、図示していないが、印刷済み用紙の搬送位置を検知するための複数のセンサ、各ローラを所定の方向に回転駆動させるための駆動部、駆動部を制御するための制御回路などが設けられている。
【0204】
サイド曲げ機構46は、サイドカット済みの印刷済み用紙が、上部に配置された上部ローラと、下部に設けられた下部ローラとの間を搬送させることで、印刷済み用紙に対して型押し/抜き機構42による型押しにより付けられた折り目より折り曲げることができる。
【0205】
すなわち、印刷済み用紙が搬送されることで、最初に到達する第1上部ローラ86a,86bと第1下部ローラ80aの位置では、第1上部ローラ86a,86bと第1下部ローラ80aの内ローラとにより、トレー容器の底面に相当する部分の型押し/抜き機構42により付けられた折り目の近傍を押させると共に、第1下部ローラ80aの内ローラと外ローラとの外径の差により、トレー容器の側面に相当する部分が外ローラにより上方に押し上げられる。
【0206】
同様にして、第2上部ローラ88a,88bと第2下部ローラ82aの位置では、さらに第2上部ローラ88a,88bと第2下部ローラ82aの内ローラとによりトレー容器の底面に相当する部分を押さえながら、第2下部ローラ82aの内ローラと外ローラとの外径の差がさらに大きくなっているために、トレー容器の側面に相当する部分が外ローラによりさらに上方に押し上げられる。
【0207】
同様にして、第3上部ローラ90a,90bと第3上部ローラ84a,84bの位置では、さらにトレー容器の側面に相当する部分が外ローラにより上方に押し上げられる。
【0208】
こうして、サイド曲げ機構46では、印刷済み用紙を上部に配置されたローラと下部に配置されたローラとの間を通過するように搬送させることで、型押し/抜き機構42により付けられた折り目より、トレー容器の側面に相当する部分を折り曲げることができる。
【0209】
なお、図30に示すサイド曲げ機構46では、シャフトをスプライン軸(みぞ付き軸)として構成して各ローラを結合することで、ローラをシャフトの軸方向に移動可能とすることができる。制御回路は、前述したサイド曲げ処理により業務サーバ16から指示される印刷済み用紙(トレー容器)の横サイズのデータに応じて、各ローラをシャフトの軸方向に移動させることで、トレー容器のサイズに応じたサイド曲げを実行できる。
【0210】
こうした構成の場合、業務サーバ16は、図29に示すサイド曲げ処理を実行することで、サイド曲げ機構46におけるサイズ調整を実行する。
【0211】
すなわち、業務サーバ16は、サイド曲げ処理によって、作成対象とするトレー容器(PLU番号)に対応する商品テーブルデータに含まれるトレー番号をもとに、トレーテーブル26aに登録された該当するトレーのトレーテーブルデータ(横サイズBのみでも良い)を取得する(ステップM1)。
【0212】
そして、業務サーバ16は、容器作成装置12に対して、トレーテーブルデータの横サイズに応じたサイズ調整と共にサイド曲げの実行を指示する(ステップM2)。
【0213】
容器作成装置12は、業務サーバ16からのサイド曲げ処理による指示(横サイズデータ)を受信すると、サイド曲げ機構46に対して横サイズの調整を実行させる。サイド曲げ機構46の制御回路は、図示せぬ駆動部を動作させることで、上部ローラと下部ローラのそれぞれに対して、それぞれ所定の同じ量をシャフトの軸方向に移動させることで横サイズに応じた折り曲げ位置に調整する。
【0214】
こうして、トレー容器の横サイズに応じたサイド曲げを実行できる。
【0215】
次に、前後曲げの工程について説明する。
図31は、業務サーバ16による前後曲げ処理を説明するためのフローチャートである。また、図32は、前後曲げ機構48の詳細な構成を示す図である。
【0216】
まず、業務サーバ16は、前後曲げ処理によって、作成対象とするトレー容器(PLU番号)に対応する商品テーブルデータに含まれるトレー番号をもとに、トレーテーブル26aに登録された該当するトレーのトレーテーブルデータ(縦サイズAのみでも良い)を取得する(ステップN1)。
【0217】
そして、業務サーバ16は、容器作成装置12に対して、トレーテーブルデータの縦サイズに応じたサイズ調整と共に前後曲げの実行を指示する(ステップN2)。
【0218】
図32に示すように、前後曲げ機構48には、前曲げ部100と後曲げ部101とが、上部において回転軸102a,102bにより連結されている。
【0219】
回転軸102a,102bの端部(図32では後曲げ部101側)には、それぞれ両方向に所定量単位で回転制御が可能なモータ103a,103bが設けられている。回転軸102a,102bには、送りねじが形成されており、この送りねじと前曲げ部100とが係合されている。これにより、モータ103a,103bを駆動させることにより、回転軸102a,102bを連動して回転させ、送りねじにより係合された前曲げ部100の位置を回転軸102a,102bの軸方向に移動させることができる。
【0220】
前曲げ部100と後曲げ部101の下部には、サイド曲げ機構46によりサイド曲げされた印刷済み用紙を通過可能な開口部が設けられている。
【0221】
前曲げ部100に設けられた開口部の印刷済み用紙が排出される側は、トレー容器の前部に相当する側部の傾きに合わせた傾斜が設けられている。同様にして、後曲げ部101の開口部の印刷済み用紙が挿入される側は、トレー容器の後部に相当する側部の傾きに合わせた傾斜が設けられている。
【0222】
以下、前曲げ部100と後曲げ部101には同様の構成が設けられているものとして、前曲げ部100についてのみ説明する。
【0223】
前曲げ部100には、トレー容器の前部を折り曲げるための前中央曲げ板105と、2枚の前側部曲げ板107a,107bが設けられている。前中央曲げ板105は、開口部の幅方向の中央に位置するように、印刷済み用紙の搬送方向と垂直方向に配置されたシャフト117に連結されている。シャフト117は、前曲げ部100に設けられたモータ110の回転動力をシャフト112、プーリ103、ベルト114、プーリ116を介して伝達することで、モータ110の回転方向に応じて回転することで前中央曲げ板105を開閉動作させる。図32は、前中央曲げ板105が閉じられた状態を示している。
【0224】
前側部曲げ板107a,107bは、開口部の左右に傾斜に沿って配置されたシャフト123a,123bにそれぞれ連結されている。シャフト123aは、前曲げ部100の底部に設けられたモータ120の回転動力をベルト121、プーリ122aを介して伝達することで、モータ120の回転方向に応じて回転することで前側部曲げ板107aを開閉動作させる。シャフト123bは、モータ120の回転動力をベルト121、プーリ122a、シャフト124、プーリ122bを介して伝達することで、モータ120の回転方向に応じて回転することで前側部曲げ板107bを開閉動作させる。シャフト124の両端部は、1つのモータ120の駆動によりほぼ同時に前側部曲げ板107a,107bを開閉させるため、プーリ122aが時計回転する場合にプーリ122bを反時計回転するようにそれぞれの外周近傍に取り付けられている。
【0225】
なお、前側部曲げ板107a,107bの内側、すなわち閉状態となった時に印刷済み用紙に圧接する側にヒータ130が設けられている。ヒータ130は、図示せぬ電源部より電力供給を受けることで発熱する。
【0226】
また、図示していないが、印刷済み用紙の搬送位置を検知するための複数のセンサ、各モータ103a,103b,110,120を所定の方向に回転駆動させるための駆動部、駆動部を制御するための制御回路などが設けられている。
【0227】
図33は、前後曲げ機構48によるトレー容器の長さの調整を説明するための図である。図33に示すように、サイド曲げ機構46によりサイド曲げされた印刷済み用紙(図33(a))は、前後曲げ機構48の前曲げ部100と後曲げ部101の開口部に挿入され、前後部分(トレー容器の側面に相当する部分)が折り曲げられる。
【0228】
前後曲げ機構48は、業務サーバ16から縦サイズに応じたサイズ調整の実行が指示された場合、制御回路(図示せず)の制御によりモータ103a,103bを縦サイズに応じた所定量だけ回転駆動させる。これにより、回転軸102a,102bの送りねじと係合された前曲げ部100が、回転軸102a,102bの回転量に応じて位置が変更され、印刷済み用紙の搬送方向に沿った長さがが調整される。
【0229】
こうして、前曲げ部100の位置を調整することで、サイド曲げ機構46によりサイド曲げされた印刷済み用紙を、トレー容器の縦サイズに合わせた位置で前後部分を折り曲げることで(図33(b))、例えば図33(c1)(c2)に示すように異なる縦サイズのトレー容器を成型することができる。
【0230】
図34は、前後曲げ機構48による前後曲げの工程を示す図である。
【0231】
まず、サイズ調整済みの前曲げ部100と後曲げ部101の初期状態では、前曲げ部100と後曲げ部101に設けられた前中央曲げ板105及び前側部曲げ板107a,107bが開状態にある。
【0232】
ここで、前曲げ部100と後曲げ部101の開口部に、印刷済み用紙が挿入され、前後曲げを実行するための所定位置まで到達したことがセンサにより検知されると、図34(a)に示すように印刷済み用紙の搬送が停止される。
【0233】
次に、前曲げ部100に設けられたモータ110に対する駆動により、前中央曲げ板105を開状態から閉状態となるように動作させることで、図34(b)に示すように、印刷済み用紙の前部に設けられた折り目から折り曲げる。なお、同時に後曲げ部101においても同様にして後中央曲げ板(図示せず)を動作させて、後部に設けられた折り目から折り曲げる。
【0234】
この時、印刷済み用紙の角の部分がトレー容器に余分な部分となり、型押し/抜き機構42による型押しにより付けられた折り目により、重なり合うように折り畳まれる。
【0235】
次に、前曲げ部100に設けられたモータ120に対する駆動により、前側部曲げ板107a,107bを開状態から閉状態となるように動作させることで、図34(c)に示すように、印刷済み用紙の前部が折り曲げられることで折り畳まれた部分を左右の横方向から折り曲げる。なお、同時に後曲げ部101においても同様にして後側部曲げ板(図示せず)を動作させて、後部に設けられた折り畳まれた部分を折り曲げる。
【0236】
また、この時、前側部曲げ板107a,107bの印刷済み用紙と圧接する側に設けられたヒータ130を加熱しておく。従って、印刷済み用紙の重ね合わされた部分が、前側部曲げ板107a,107bにより加圧されながら、ヒータ130により加熱される。これにより、印刷済み用紙に対してコーティング機構40においてコーティングされたコーティング材料(フィルム素材)が溶けて接着材として機能する。従って、印刷済み用紙に対するサイド曲げと前後曲げにより成型されたトレー容器の形状を安定化することができる。
【0237】
前後曲げ機構48は、印刷済み用紙の重ね合わされた部分の接着が安定する所定時間待った後、後曲げ部101の前中央曲げ板105と前側部曲げ板107a,107b、及び後曲げ部101の後中央曲げ板と後側部曲げ板とを共に、図34(d)に示すように開状態にする。そして、成型されたトレー容器を搬送して、容器排出口12bから排出させる。
【0238】
なお、コーティング機構40により片面コーティングによりトレー容器の内面側にのみコーティングされている場合、型押し/抜き機構42により重なる部分を接着のために必要な糊代の部分を残して切り落とすことで、一方のコーティングされた面をコーティングされていない面に接着させることで成型することもできる。
【0239】
また、コーティング材料により接着するのではなく、前後曲げ機構48において他の接着手段、例えば前後曲げ機構48において接着剤を塗布して圧着したり、接着テープやフィルムを貼り付けることで、トレー容器の成型を安定化させるようにしても良い。
【0240】
こうして、前後曲げ機構48では、印刷済み用紙に対して前後曲げをすることにより、印刷済み用紙をトレー容器の形状に成型することができる。
【0241】
このようにして、本実施形態の容器作成システムでは、必要な時に必要な大きさのトレー容器を作成することができるので、従来のように規格品からサイズ、選択しないでもよくなった。従って、商品に合った適切なサイズのトレー容器を入手することができるようになった。
【0242】
また、必要な時に必要な数のトレー容器を作成することができるので、従来のように複数種類のトレー容器を蓄積しておく必要がなく、トレー容器を蓄積保管するための場所を確保する必要もなく、またトレー容器を流通させるためのコストの低減を図ることもできる。
【0243】
また、トレー容器に自由に絵柄をつけることができるようになったので、トレー容器に商品の販売を促進するための付加価値をけることができるようになった。例えばトレー容器に入っている商品の見栄えをよくするような絵柄をつけることができ、顧客の購買意欲を向上させ、売り上げ向上に貢献できるようになった。
【0244】
さらに、商品に関する情報、例えば商品名、重さ、産地、商品コード(バーコード)等の情報を、従来ではトレー容器とは別にシール印刷し、それをトレー容器に商品を入れてラッピングした後に貼り付ける作業が必要だったが、本実施形態における容器作成システムでは、トレー容器を作成する際に容器作成用部材(紙)に対して直接印刷するので、シールを貼り付けるといった作業を省くことができる。
【0245】
なお、前述した実施形態では、トレー容器を紙製として説明しているが、樹脂板、金属板など、印刷、切断及び折り曲げ加工が可能な部材であれば、その他の材料を使用することも可能である。
【0246】
また、前述した実施形態では、売り上げデータ処理装置14においてのみプリンタ装置10により容器(部材)に印刷された付加情報(バーコード)を読み取るものとしているが、その他の装置、例えば容器の在庫管理用や商品管理用の装置などにより読み取り、この装置により読み取られたデータを業務サーバ16に送信することで、プリンタ装置10及び容器作成装置12における容器作成の制御を実行させるようにしても良い。
【0247】
また、前述した実施形態では、業務サーバ16により容器作成装置12の動作を制御するものとして説明しているが、容器作成装置12が独自に動作を制御するようにしても良い。この場合、容器作成装置12は、業務サーバ16から容器作成のために必要なデータを予め取得し、このデータをもとに各部を制御して容器作成のための動作を制御する。
【0248】
また、プリンタ装置10と容器作成装置12とを一体化した装置として構成することもできるし、さらに業務サーバ16を一体化した構成とすることも可能である。
【0249】
また、前述した説明では、プリンタ装置10によりバーコードが印刷され、売り上げデータ処理装置14によりバーコードの読み取りが実行されるものとして説明しているが、プリンタ装置10により導電性の有機高分子インクを用いて、データを追加記録可能な電子回路を印刷することにより、この電子回路をバーコードの代わりに使用することができる。例えば、電子回路に商品情報などを示すデータを記録しておき、売り上げデータ処理装置14ではリーダ・ライタ装置39により印刷された電子回路からデータを読み取る。
【0250】
また、前述した実施形態では、1つの店舗内に図1に示す容器作成システムが設置されてトレー容器が作成されるものとして説明しているが、例えば複数の売り上げデータ処理装置14−1,14−nが複数の店舗に設置されており、これら複数の店舗からの情報を各種ネットワーク(公衆電話網、インターネットなど)を通じて、商品の製造工場などに設置された業務サーバ16に送信して、この製造工場においてトレー容器を一括して作成するようにすることもできる。
【0251】
また、抜き機構は型押しした後に、1本又は複数本のカッターを移動させることでトレー容器の形状に切り取るようにしてもよい。
【0252】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0253】
【図1】本発明の実施形態における容器作成システムの構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態におけるプリンタ装置10と容器作成装置12の外観構成を示す図。
【図3】本実施形態における業務サーバ16の詳細な構成を示すブロック図。
【図4】本実施形態におけるトレーテーブル26aに記録されるデータの一例を示す図。
【図5】本実施形態における商品テーブル26bと商品別定義テーブル26cにおいて記録されるデータの一例を示す図。
【図6】本実施形態における売り上げデータ処理装置14の詳細な構成を示すブロック図。
【図7】本実施形態における売り上げデータ処理装置14から業務サーバ16に対して送信するためのトレーデータ35aの一例を示す図。
【図8】本実施形態における容器作成装置12により作成されるトレー容器の一例を示す図。
【図9】本実施形態における売上データ処理装置10における売上データ処理について説明するためのフローチャート。
【図10】本実施形態における業務サーバ16のトレーデータ更新処理について説明するためのフローチャート。
【図11】本実施形態におけるトレー容器を作成するための容器作成制御処理について説明するためのフローチャート。
【図12】本実施形態における容器作成システムによってトレー容器を作成するための全行程の概略について説明するためのフローチャート。
【図13】本実施形態における容器作成システムによってトレー容器を作成するための各工程において扱われる容器作成用部材(用紙)の形状の一例を示す図。
【図14】本実施形態におけるトレー印刷処理について説明するためのフローチャート。
【図15】本実施形態における印刷イメージデータに対する処理を説明するための図。
【図16】本実施形態における容器作成用部材の片面(トレー容器の内側)に複数のイメージが印刷された状態の一例を示す図。
【図17】本実施形態における容器作成装置12の筐体内に収容された主要な機構部の構成を示す図。
【図18】本実施形態における業務サーバ16によるコーティング処理を説明するためのフローチャート。
【図19】本実施形態における容器作成装置12によるコーティング機構40に対する制御を説明するためのフローチャート。
【図20】本実施形態におけるコーティング機構40の詳細な構成を示す図。
【図21】本実施形態における用紙に対して印刷を施し、印刷済み用紙に対してコーティングを施す工程を説明するための図。
【図22】本実施形態における業務サーバ16による型押し・抜き処理を説明するためのフローチャート。
【図23】本実施形態における容器作成装置12による型押し/抜き機構42に対する制御を説明するためのフローチャート。
【図24】本実施形態における型押し/抜き機構42の詳細な構成を示す図。
【図25】本実施形態における型押し/抜き機構42による型押しと抜きの調整の例を示す図。
【図26】本実施形態における業務サーバ16によるサイドカット処理を説明するためのフローチャート。
【図27】本実施形態における容器作成装置12によるカット機構44に対する制御を説明するためのフローチャート。
【図28】本実施形態における印刷済み用紙に対してサイドカットを実行する状況を説明するための図。
【図29】本実施形態における業務サーバ16によるサイド曲げ処理を説明するためのフローチャート。
【図30】本実施形態におけるサイド曲げ機構46の詳細な構成を示す図。
【図31】本実施形態における業務サーバ16による前後曲げ処理を説明するためのフローチャート。
【図32】本実施形態における前後曲げ機構48の詳細な構成を示す図。
【図33】本実施形態における前後曲げ機構48によるトレー容器の長さの調整を説明するための図。
【図34】本実施形態における前後曲げ機構48による前後曲げの工程を示す図。
【符号の説明】
【0254】
10…プリンタ装置、10a…印刷済み用紙排出口、12…容器作成装置、12a…用紙導入口、12b…容器排出口、14(14−1,14−2…14−n)…売り上げデータ処理装置、15…バーコードリーダ、16…業務サーバ、18…LAN、20,30…CPU、21,31…入力装置、22,32…表示装置、23,33…印刷装置、24,35…メモリ、25…通信制御装置、26,36…記録装置、26a…トレーテーブル、26b…商品テーブル、26c…商品別定義テーブル、34…ドロア、35a…トレーデータ、37…バーコードリーダ、39…リーダ・ライタ装置、40…コーティング機構、42…型押し/抜き機構、44…カット機構、46…サイド曲げ機構、48…前後曲げ機構、50a,50b,53a,53b…圧接ローラ、51a,51b…フィルム導入ローラ、52a,52b…フィルムローラ、60…前部型抜き部、61…後部型抜き部、62a,62b…回転軸、63a,63b…モータ、64…前部型押し部、65a,65b…後部型押し部、66a,66b…後側部型押し部、70a,70b,72a…カットローラ、71…シャフト、80a…第1下部ローラ、81,83,85,87,89,91…シャフト、82a…第2下部ローラ、84a,84b…第3上部ローラ、86a,86b…第1上部ローラ、88a,88b…第2上部ローラ、90a,90b…第3上部ローラ、100…前曲げ部、101…後曲げ部、102a,102b…回転軸、103a,103b…モータ、105…前中央曲げ位置、107a,107b…前側部曲げ位置、110,120…モータ、112,117…シャフト、113,116,122a,122b…プーリ、114,121…ベルト、124…シャフト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を作成するための容器作成用部材に印刷をする印刷手段と、
前記印刷手段により印刷された容器作成用部材に対して、前記容器の形状に応じた型押しをする型押し手段と、
前記型押し手段により型押しされた容器作成用部材を前記容器の形状に応じて切り取る切り取り手段と、
前記切り取り手段により切り取られた容器作成用部材を容器の形状に成型する成形手段と
を具備したことを特徴とする容器作成装置。
【請求項2】
前記印刷手段は、前記容器作成用部材に対して、温度の変化に応じて色が変化するインクにより印刷をすることを特徴とする請求項1記載の容器作成装置。
【請求項3】
前記印刷手段は、前記容器作成用部材に対して、導電性の有機高分子インクを用いて電子回路を印刷することを特徴とする請求項1記載の容器作成装置。
【請求項4】
前記印刷手段により印刷された容器作成用部材に対して、少なくとも何れか一方の面に対してコーティングを施すコーティング手段を有し、
前記型押し手段は、前記コーティング手段によりコーティングが施された容器作成用部材に対して型押しすることを特徴とする請求項1記載の容器作成装置。
【請求項5】
前記成型手段は、前記容器作成用部材を容器の形状に成型する際に重ね合わされた部分を設け、この重ね合わされた部分を圧着することで、前記コーティング手段によりコーティングされた材料により部材を接着させることを特徴とする請求項4記載の容器作成装置。
【請求項6】
前記切り取り手段は、前記容器の種類に応じた形状に切り取ることを特徴とする請求項1記載の容器作成装置。
【請求項7】
前記印刷手段は、前記容器の種類に応じて、前記容器作成用部材に対して片面あるいは両面に印刷することを特徴とする請求項1記載の容器作成装置。
【請求項8】
前記印刷手段は、前記容器作成用部材に対して印刷する印刷イメージを、前記容器の形状に応じて画像処理して印刷することを特徴とする請求項1記載の容器作成装置。
【請求項9】
容器を作成するための容器作成用部材に付加情報を印刷して所定の形状に成型することで容器を作成する容器作成装置と、
前記容器作成装置により印刷された前記付加情報を読み取る読み取り装置と、
前記読み取り装置によって読み取られた付加情報を集計し、この集計結果に基づいて前記容器作成装置による容器の作成を制御する制御装置と
を具備したことを特徴とする容器作成システム。
【請求項10】
前記制御装置は、
前記容器作成装置により作成される複数種類の容器に関する情報を記録する容器情報記録手段と、
前記容器情報記録手段により情報が記録された複数種類の容器のそれぞれについて、前記読み取り手段により読み取られた付加情報を集計する容器種類別集計手段と、
前記容器種類別集計手段により付加情報が集計された容器が所定数となった場合に、当該容器に対応する前記容器情報記録手段に記録された情報をもとに、前記容器作成装置による容器の作成を制御する容器作成制御手段と
を具備したことを特徴とする請求項9記載の容器作成システム。
【請求項11】
前記制御装置は、
前記容器作成装置により作成された容器に入れる複数の商品に関する商品情報と前記商品に対応する容器に関する容器情報とを対応づけて記録する商品情報記録手段と、
前記商品情報記録手段により情報が記録された複数の商品のそれぞれについて、前記読み取り手段により読み取られた付加情報を集計する商品別集計手段と、
前記商品別集計手段により付加情報が集計された商品が所定数となった場合に、当該商品の商品情報と対応づけられた前記商品情報記録手段に記録された容器情報をもとに、前記容器作成装置による容器の作成を制御する容器作成制御手段と
を具備したことを特徴とする請求項9記載の容器作成システム。
【請求項12】
前記容器作成装置は、前記容器作成用部材に対して、導電性の有機高分子インクを用いて電子回路を印刷し、
前記読み取り装置は、前記電子回路により記録されたデータを読み取ることを特徴とする請求項9記載の容器作成システム。
【請求項13】
前記読み取り装置によりデータが読み取られる際に、前記電子回路に対して所定のデータを書き込むデータ書き込み装置をさらに具備したことを特徴とする請求項12記載の容器作成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2006−150735(P2006−150735A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343926(P2004−343926)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】