説明

密封容器の透過率を検査する方法

本発明は、媒体に対する密封容器(3)の透過性、特に薬剤調合物を収容するフィルム容器の透過性を検査する方法に関し、この方法では、容器に媒体(3)を充填し、容器にガスをチャージし、その結果生じるガス中の媒体の量の増大を分析する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体に対する密閉容器の透過率を検査し、特に、薬剤学的有効成分調合物を受け入れるフィルム型容器の透過率を検査する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器は、とりわけ、外部からの環境の影響に対して薬剤学的に有効な成分の調合物を保護するのに役立ち、かかる外部からの環境の影響は、状況に応じて、有効成分調合物の薬剤学的品質に影響を及ぼす場合があり、具体的に言えば、容器に侵入する水分は、有効成分調合物に悪影響を及ぼす場合がある。加うるに、容器の場合、容器の保管中、有効成分調合物の揮発性物質の透過を阻止し、それにより、薬剤学的有効成分調合物の変化を防止することが必要である。
【0003】
容器は、特に、薬剤学的有効成分調合物のための主要な包装材であり、例えば、ガラス製、金属製、プラスチック製の容器等である。錠剤、カプセル、粉末等を包装するため、フィルム型容器、いわゆるブリスタとして設計された容器が用いられ、かかる容器は、カバーフィルムと、キャリヤフィルムと、有効成分調合物を受け入れる1つ又は2つ以上のカップ又はウェルから成り、錠剤又はカプセルは、キャリヤフィルム中に形成される。カバーフィルム及びキャリヤフィルムは、異種材料又は同種材料の1つ又は2つ以上の層で構成される場合がある。カバーフィルムは、例えば、結合、溶接又は密封によりキャリヤフィルムに気密的に結合される。機械的に健常であるブリスタは、この中に埋め込まれた有効成分調合物を物質の侵入又は流入に対して保護する。かくして、材料に応じて、水分は、例えば、ブリスタの上方側部、下方側部又は縁部を通って内部に入り込む場合がある。
【0004】
液状有効成分調合物は、上述の容器だけでなくカートリッジ内にも包装でき、かかるカートリッジは、例えば、吸入器中の医薬液体の有効成分リザーバとして用いられる。かかるカートリッジは、例えば、欧州特許第532,873号明細書、国際公開第96/06011号パンフレット、同第97/39831号パンフレット、同第00/23037号パンフレット、同第00/27543号パンフレット、同第00/049988号パンフレット、同第01/76849号パンフレット、同第99/43571号パンフレット又は同第98/46522号パンフレットで知られている。カートリッジは、例えば、国際公開第97/12687号パンフレット又は同第91/14468号パンフレットに記載された吸入器に用いられる場合があり、かかる吸入器により、液体吸入調合物を推進ガスが含まれていない特定の水を主成分とし、又は、アルコールを主成分とする調合物によって投与できる。
【0005】
外部から侵入する液体又はガス、例えば、水又は水蒸気の形態の水分に関するにしても、内部から出る液体又はガスに関するにしても、いずれの場合にしても、容器の気密性を判定することができるようにするために、種々の方法が先行技術で知られている。これは、特にブリスタに当てはまる。例えば、乾燥剤又は吸水剤入りの容器を特定の環境条件(例えば、40℃、75%の大気湿度)にさらし、次に、経時的な容器の重量の増大を介して気密性に関して検査する。かかる方法は、低い漏れ量を検出するために数箇月を要する場合が多い。別の方法では、容器を例えばヘリウム雰囲気下で密閉し、それにより、ヘリウムを容器内に閉じ込める。次に、容器をヘリウムの流出があるかどうかについて検査する。この関連で、容器を測定チャンバ内に配置する場合があり、容器から流出するガスは、測定チャンバに連結された適当な測定システムで検出される。この方法では、再現性のある結果を得るためには容器内に常に一定の高いヘリウム濃度を確立することが必要であり、これは、製造方法において実現するのは常に容易であるとは限らない。別の方法では、通常の条件下で準備された容器をガス入りの圧力が安定している検査チャンバ内に収納する。通常、ガスとして二酸化炭素、ヘリウム又はクリプトンが用いられる。或る特定の時間が経つと、調査対象の容器を検査チャンバから取り出してガスが流出しているかどうかについて検査する。別法として、容器を測定チャンバ内に配置してもよく、その後、容器から流出するガスを測定チャンバ内に設けられた適当な測定システムで検出できる。これら方法の利用可能性は、測定チャンバ内におけるガスの検出限度によって制限される。というのは、それ自体流体型の容器の場合、両方の方法では、比較的ほんの少量のガス(ppmレンジ)が、容器に侵入する場合があり、したがって、極めて少量のガスしか容器から測定チャンバ内に流れることができないからである。
【0006】
国際公開第2004/034009号パンフレットから、密閉容器の気密性を検査する方法が知られており、これら密閉容器は、この目的のためにこれらの内部に設けられたチャンバ内に薬剤学的に有効な成分の調合物を収容する。密封フィルム型容器に第1のガスをチャージし、この第1のガスは、容器の内部の第1のガスの増大を分析できるという点で容器内に封入されている第2のガスとは異なっている。容器を開いてチャンバの内部に入れられているガスの一部を取り出した後、有効成分調合物に関し、取り出したガスの定性的及び(又は)定量的分析を実施する。
【0007】
本発明の目的は、本明細書の導入部に記載されていて、製造中、迅速且つ現場で容器の気密性に関するデータを提供する形式の改良方法を提供することにある。
【0008】
【特許文献1】欧州特許第532,873号明細書
【特許文献2】国際公開第96/06011号パンフレット
【特許文献3】国際公開第97/39831号パンフレット
【特許文献4】国際公開第00/23037号パンフレット
【特許文献5】国際公開第00/27543号パンフレット
【特許文献6】国際公開第00/049988号パンフレット
【特許文献7】国際公開第01/76849号パンフレット
【特許文献8】国際公開第99/43571号パンフレット
【特許文献9】国際公開第98/46522号パンフレット
【特許文献10】国際公開第97/12687号パンフレット
【特許文献11】国際公開第91/14468号パンフレット
【特許文献12】国際公開第2004/034009号パンフレット
【発明の開示】
【0009】
本発明によれば、上記の目的は、容器に媒体を充填し、ガスをチャージし、次に、ガス中の媒体の量の増大を分析することによって達成される。
【0010】
本発明の方法は、分圧の所与の低下に関し、透過性又は透過の方向がサンプルを検査するのに役割を何ら果たさないという技術的思想に基づいている。換言すると、外部から内部への透過性及び内部から外部への透過性は、同じであるとみてよい。適当な分析方法により、媒体を既に比較的短い時間が経った後でのガス内のppbレンジの非常に僅かな量であっても検出することができ、それにより迅速なプロセス手順が保証される。
【0011】
液体が、好ましくは、媒体として用いられる。100%の相対湿度が容器内に存在しているので、内部から外部への液体の浸透が起こり、容器をチャージしているガスは、流出蒸気を吸収し、その量を次に行われるガスの分析によって求めることができる。明らかなこととして、ガス中の媒体は、容器が比較的多量の液体を逃がす漏れ口を有している場合でも分析できる。ガス状媒体、好ましくは、水蒸気も媒体として使用できる。
【0012】
容器をガスのチャージに起因する変形及び損傷から保護するために、液体は、容器内部の寸法形状に適合した多孔質中実本体によって吸収される。有利には、中実本体は、粘土で作られる。粘土は、比較的処理しやすく且つ比較的多量の液体を吸収することができる物質である。粘土製の中実本体を使用前に特に吹き付け焼成方法により約1000℃で焼成する。
【0013】
水が、好ましくは、液体として用いられる。液体は、取り扱いに際して無害であり、多数種類のガス、特に貴ガス中で非常に僅かな量であっても検出できる。用いられるガスは、明らかなこととして、ガス中の水の吸収度を定量的に求めることができるようなものであることが必要である。
【0014】
有利には、焼成済みの粘土を水で含浸させ、このようにして準備された粘土製本体が、容器の内部を完全に満たす。容器は、例えば、複数個のカップを備えたブリスタであり、粘土製本体を各カップ内に配置し、次にカップを緊密に密封する。次に、ブリスタにガスをチャージする。容器がガス密でない場合又は材料が水蒸気を通す場合、水蒸気は、容器の内部から逃げてガス中に入る。或る特定の時間が経つと、水蒸気の透過率に関して定常状態に達する。次に、透過率がこのように定常状態になった結果として、ガス中の水蒸気が増え、これを測定することができる。このように、水蒸気の放出を全てのカップ、即ち全ての個々のキャビティが等しく良好に準備されているということを前提として、個々のカップについて計算することができる。
【0015】
窒素が、好ましくは、ガスとして用いられる。有利には、ガスを乾燥させ又はその水分を求め、その後に媒体にガスをチャージする。かくして、容器は、理想的には、ほぼ0%の水分又は既知の水分を含む外部環境中に存在し、ガスは、容器から出る水分を同伴し、それにより水分の上昇を比較的容易に確立することができる。
【0016】
容器を加圧するため、容器を有利には、ガスが流通する密封検査チャンバ内に配置する。媒体の流出に対する周囲温度の影響をできるだけ減少させるために、検査チャンバは、これを空調できるよう設計されている。一定温度での加熱・冷却媒体による検査チャンバの空調により、温度に起因する測定値の変動を阻止することができる。この関係で、例えば特定の空調ゾーン中に生じている温度が調節される。したがって、本方法は、好ましくは、0℃から50℃で実施され、特に10℃から30℃の温度で実施され、好ましくは室温で実施される。
【0017】
可能な限り短い時間の経過後に媒体の透過率が定常状態を取るので、本発明の改造例によれば、検査チャンバのシールを前もって乾燥させる。
【0018】
できるだけ正確且つ再現性のある分析結果及び測定結果を得るために、ガスは、好ましくは、一定の質量流量及び一定の圧力で検査チャンバを通って流れる。
【0019】
水蒸気の透過率を反映する定常状態に達するのに必要な時間を減少させるために、好ましくは容器をまず最初に乾燥させ、その後に検査チャンバ内に配置する。この予備乾燥により、特に、ブリスタの場合、外に位置する層中に貯蔵される水の量が減少する。容器の予備乾燥により、全体的な測定時間を、例えば、180時間に減少させることができ、これに対し、あらかじめ乾燥させなかった容器の場合の測定時間は、例えば、250時間である。
【0020】
容器を検査チャンバ内に配置した場合には検査チャンバに到達する水分が可能な限り少なくしかも環境からの影響が大幅に減少するので、検査チャンバは、有利には、密閉チャンバ内に配置される。密閉チャンバは、操作をチャンバの内部で実施できるようグローブボックス設備を有する。
【0021】
別の改造例によれば、水晶振動子を備えた強化ユニットが、ガスの分析に用いられる。当業者に知られているかかる水晶振動子は、ppm/ppbレンジのガス中の微量の水分を検出するのに役立ち、極めて迅速な応答をもたらし、それにより極めて正確な測定が可能である。水晶振動子は、水分子について選択的あり、水分子を測定ガスから除去するために高い親和性を示す吸湿性の層を備えている。明らかなこととして、少なくとも1つの記憶モジュール及びディスプレイ装置を備えたコンピュータ処理ユニットが、水晶振動子によって得られた測定結果を評価し、記憶し、そして、表示するために評価ユニットと更に関連している。
【0022】
これまでに説明した本発明に使用できる好ましい容器は、薬剤のためのブリスタである。ブリスタは、少なくとも1枚のカバーフィルムと、有効成分調合物を収容したキャリヤフィルム用の少なくとも1つのカップとから成り、カバーフィルムとキャリヤフィルムは、カップを気密封止するよう互いに緊密に接合されている。同種の材料がカバーフィルムとキャリヤフィルムに用いられた場合、材料の透過性に依存する性質を比較検査で判定することができ、それにより、ブリスタの開発及び改良にとって重要な知識を導き出すことができる。有利には、カバーフィルムは、ホットシールラッカーによってキャリヤフィルムに結合される。ホットシールラッカー層の透過率を求めることにより、この層が、ブリスタ全体の透過率の大部分を担っていることが分かる。このことは、ブリスタの最適化に関し、ホットシールラッカーの厚さの変化、又は、その性質の変化が、水蒸気の透過性に関して、カバーフィルム、及び(又は)、キャリヤフィルムの性質の変化よりも大きな作用効果を有することを意味している。最適化されたブリスタでは、例えば、2g/m2から10g/m2であり、好ましくは47g/m2から7g/m2であり、より好ましくは、5.5g/m2の量のホットシールラッカーを被着させる。この関係で、ホットシールラッカーの厚さは、例えば、2.5μmから8.5μmであり、好ましくは4.5μmから6.5μmであり、最も好ましくは5.5μmである。
【0023】
カバーフィルム、及び(又は)、キャリヤフィルムは、これらの形態において、金属、及び(又は)、プラスチック、及び(又は)、ペーパーフィルムとして形成される。これら材料は、数個の層の状態で存在する場合がある。代表的な金属フィルム(箔)としては、例えば、アルミニウムフィルムやアルミニウム及び例えばプラスチックから形成されるアルミニウム複合フィルムが挙げられる。プラスチックフィルム用の材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCFE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(UP)、ポリアクリレート、ポリアミド(PA)又は他のプラスチックを用いることができる。ブリスタは、医薬生成物又は有効成分を受け入れるためのキャリヤフィルムを密封するアルミニウムのカバーフィルムから成る場合が多い。同様に、この熱成形キャリヤフィルムは、医薬生成物を収容しているカップ内への水の流入を阻止するためにアルミニウムフィルムから成るのが良い。別の拡散バリヤを形成すると共にブリスタの機械的安定性を高めるために、オプションとして、少なくともキャリヤフィルムのアルミニウムフィルムの片面又は両面を別のプラスチック、及び(又は)、ペーパーフィルムで被覆するのが良い。
【0024】
上述した方法に使用できる別の容器は、硬質外側ケーシング及び外側スリーブに点状に機械的に結合された内側容器を有する密閉二重層のびん形容器であり、内側容器は、外側ケーシングに対して潰れることができる。好ましくは、容器は、同時押出し法によって作られる。有利には、外側スリーブは、ポリプロピレンから成り、内側容器は、ポリエチレンから成る。外側容器は、空気が外側容器と内側容器との間に流入することができるようにする少なくとも1つの弁開口部を有する。内側容器は、プラスチック袋に類似しており、圧力下で密閉システム中の液体を内側容器から抜き取ると、縮んで潰れることができる。キャップで密閉された容器の細部は、例えば国際公開第96/06011号パンフレットに記載されている。容器は、液体薬剤調合物を収容するのに役立ち、推進剤を用いない吸入器内のカートリッジとして用いられる。液体調合物は、好ましくは、水が溶剤の主成分である溶液である。
【0025】
加うるに、上述した方法に用いられる容器は、フランジを有する密閉された折り畳み可能な袋である。有利には、袋は、金属フィルム、例えば、アルミニウムフィルム、及び(又は)、プラスチックフィルム又はプラスチックで被覆された金属フィルムから成る。好ましくは、袋は、金属又はプラスチックスリーブ内に埋め込まれる。かかる容器は、推進剤を用いないネブライザ用のカートリッジとして役立ち、かかる容器は、国際公開第99/43571号パンフレットに開示されている。
【0026】
原理としては、調合物のどのような形式のものであっても、本発明の方法により検査できる容器のための薬剤調合物として適している。好ましくは、吸入用途の薬物入りの容器が、検査される。
【0027】
抗コリン作動薬、ベータミメティック(betamimetic(s))、ステロイド、ホスホジエストラーゼ(PDE)IV阻害薬、LTD4拮抗薬及びEGFRキナーゼ阻害薬、抗アレルギー薬、バッカクアルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP拮抗薬、ホスホジエステラーゼV阻害薬及びかかる有効物質の組合せ、例えば、ベータミメティック+抗コリン作動薬又はベータミメティック+抗アレルギー薬から成る群から選択された薬剤が、本発明の関連において特に好ましい。組合せの場合、好ましくは、有効成分のうちの少なくとも1種類は、化学的に結合された水を含む。好ましくは、抗アレルギー薬含有有効物質が、単一の製剤又は組合せ製剤の形態で用いられる。
【0028】
以下は、活性成分又はその塩の例として具体的に記載されている。
【0029】
抗コリン作動薬は、好ましくは、チオトロピウムブロミド、オキシトロピウムブロミド、フルトロピウムブロミド、イプラトロピウムブロミド、グリコピロニウム塩、トロスピウムクロリド、トルテロジン、トロペノル2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、スコピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、スコピン2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、トロペノル2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、トロペノル 3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、スコピン3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノル4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、スコピン4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノル3,3′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、スコピン3,3′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノル9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノル9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノル9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピンメチル4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノル9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノル9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノル9−エチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノル9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトロブロミド、及び、スコピン9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、並びに、オプションとして、これらのラセミ化合物、エナンチオマー、又は、ジアステレオマーの形態、及び、オプションとして、これらの溶媒化合物、及び(又は)、水和物の形態の中から選択される。
【0030】
使用可能なベータミメティックは、好ましくは、アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロクサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、インダカテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモル、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルチプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファモル、ソテレノット、スルホンテロール、チアラミド、テルブタリン、トルブテロール、CHF−1035、HOKU−81、KUL−1248、3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシロキシ}−ブチル)−ベンゾルスルホナミド、5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1.4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1.4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチロキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1.4−ベンゾキサジン8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1.2.4−トリアゾル−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1.4−ベンゾキサジン−3−(4H)−オン、1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオルメチルフェニル)−2−ター−ブチルアミノ)エタノール、及び、1−(4−エトキシカルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(ター−ブチルアミノ)エタノール、並びに、オプションとして、これらのラセミ化合物、エナンチオマー、又は、ジアステレオマーの形態、及び、オプションとして、これらの薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物、及び(又は)、水和物の形態の中から選択される。
【0031】
使用可能なステロイドは、好ましくは、プレドニソロン、プレドニソン、ブチキソコルトプロピオネート、RPR−106541、フルニソリド、ベクロメタソン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカソン、モメタソン、シクレソニド、ロフレポニド、ST−126、デキサメタソン、(S)−フルオロメチル 6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオネート、(S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル) 6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオネート、及び、エチプレドノール−ジクロロアセテート(BNP−166)、並びに、オプションとして、これらのラセミ化合物、エナンチオマー、又は、ジアステレオマーの形態、及び、オプションとして、これらの塩、かかる塩の誘導体、溶媒化合物、及び(又は)、水和物の形態の中から選択される。
【0032】
使用可能なPDEIV阻害薬は、好ましくは、エンプロフィリン、テオフィルリン、ロフルミラスト、アリフロ(チロミラスト)、CP−325,366、BY343、D−4396(Sch−351591)、AWD−12−281(GW−842470)、N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンザミド、NCS−613、プマフェンチン、(−)p−[(4aR*,10bS*])−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンザミド、(R)−(+)−1−1(4−ブロモベンジル)−4−[3−シクロペンチロキシ]−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン、3−(シクロペンチロキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N′−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロペンチロキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−カルボン酸]、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピル−メトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オル]、(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチロキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチロキシ]−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリドン]アセテート、CDP840、ベイ(Bay)−198004、D−4418、PD−168787、T−440、T2585、アロフィルリン、アチゾラン、V−11294A、C1−1018、CDC−801、CDC−3052、D−22888、YM−58997、Z−15370、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、及び、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(ター−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、並びに、オプションとして、これらのラセミ化合物、エナンチオマー、又は、ジアステレオマーの形態、及び、オプションとして、これらの薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物、及び(又は)、水和物の形態の中から選択される。
【0033】
使用可能なLTD4拮抗薬は、好ましくは、モンテルカスト、1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン−酢酸、1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチレチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン−酢酸、プランルカスト、ザフィルルカスト、[2−[[2−(4−ター−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸、MCC−847(ZD−3523)、MN−001、MEN−90507(LM−1507)、VUF−5078、VUF−K−8707、及び、L−733321、並びに、オプションとして、これらのラセミ化合物、エナンチオマー、又は、ジアステレオマーの形態、及び、オプションとして、これらの薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物、及び(又は)、水和物の形態の中から選択される。
【0034】
使用可能なEGFRキナーゼ阻害薬は、好ましくは、セツキマブ(cetuximab )、トラスツズマブ(trastuzumab )、ABX−EGF、マブ(Mab )ICR−62、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォニン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチロキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−メチル−2−モルフォリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチロキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メタネスルフォニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−エタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタネスルフォニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタネスルフォニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−アミノ]−6−{1−[N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ]カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−メタネスルフォニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(N−メタネスルフォニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)−イルオキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタネスルフォニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、及び、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、並びに、オプションとして、これらのラセミ化合物、エナンチオマー、又は、ジアステレオマーの形態、及び、オプションとして、これらの薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物、及び(又は)、水和物の形態の中から選択される。
【0035】
化合物が形成できる可能性のある薬理学的に容認できる酸を含む酸添加塩は、例えば、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドリオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレアート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート、及び、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレアートである。
【0036】
抗アレルギー薬の例は、クロモグリク酸二ナトリウム、ネドルロミルである。
【0037】
バッカクアルカロイドの誘導体の例は、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミンである。
【0038】
吸入のため、上述した活性成分及びこれらの塩、エステル、並びに、これら活性成分、塩、付加生成物、エステルの組合せを含む薬剤、薬剤調合物、及び、混合物を用いることが可能である。
【0039】
本発明の方法は、好ましくは、上述した有効成分、又は、組合せのための容器に用いられるが、上述の有効成分には限定されない。
【0040】
上述の特徴及び以下に説明する特徴は、それぞれ所与の組合せだけでなく、他の組合せでも使用できることはいうまでもない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載にのみ基づいて定められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下において、実施形態の助けにより添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0042】
本方法を実施するため、あらかじめ乾燥させたシールを備える密閉サンプルチャンバ1を、同様に密閉されたチャンバ2内に挿入する。この場合、透過性挙動が検査されるべきブリスタ4として構成されている1又は2つ以上の容器3をサンプルチャンバ1内に配置する。本方法の実施を促進するため、ブリスタ4を、まず、最初に乾燥させ、その後にサンプルチャンバ1内に配置する。一定温度を生じさせるために、加熱・冷却媒体を一定温度の状態でサンプルチャンバ1の外側二重ジャケット5中に通すことにより、サンプルチャンバ1を空調する。サンプルチャンバ1は、あらかじめ乾燥させたガスの入口6及び出口7を有し、出口7は、ガスの分析のための水晶振動子を備えた評価ユニット8に結合されている。中実粘土本体10が、薬学的に有効な成分の調合物を収容するブリスタ4のカップ9内に配置され、この中実本体は、水中で浸軟されてカップ9を完全に満たす。その目的は、カップがガスのチャージ(装填又は導入)に起因して機械的に損傷するのを回避することにあり、窒素が、ガスとして用いられる。
【0043】
水蒸気に関するブリスタ4の透過率を、較正モデルを用いた方法により測定し、この方法は、所与の分圧減少に関し、検査されるべきブリスタ4の透過率の方向が何ら役割を果たさないという考察に基づいている。したがって、外部から内部への透過性又は透過は、内部から外部への透過性又は透過と正確に同じように挙動するとみてよい。水蒸気は、緊密に密閉されたブリスタ4から外方に逃げ出し、このブリスタのカップ9は、水で浸軟された中実本体10を収容している。その理由は、100%の相対湿度がカップ9内に生じ、これに対し、最小限の残留水分を有する乾燥状態の窒素が、ブリスタ4を流通するからである。窒素は、ブリスタ4のカップ9から出た水蒸気を吸収し、これを評価ユニット8に運搬する。窒素の質量流量及び圧力、並びに、サンプルチャンバ1の温度は、正確な再現性のある測定結果を得ることができるように一定に保たれる。評価ユニット8の水晶振動子は、窒素中の水分を測定するのに役立ち、ゼロppbよりも高い測定範囲で動作する。水晶振動子の迅速な応答により、水分、即ち、窒素中の水分の量の増大の疑似連続測定が可能である。この方法の実施中、水蒸気濃度の定常状態が時間t0後に確立され、この定常状態は、水蒸気の透過性を反映している。窒素の残留水分をこの値から差し引いた場合、サンプルチャンバ1内のブリスタ4のカップ9の個数に関して透過率が得られる。全てのカップ9及びブリスタ4が等しく加工されると共に準備されていると仮定すると、カップ9からの水蒸気の放出を時間t0での透過率から算出することができ、このことは、容器3、特にブリスタ4内に入れられた薬学的有効物質調合物を保護するために容器3、特にブリスタ4の開発において特に重要である。同様に、連続生産操業からのブリスタ4を透過率に基づいてこれらの気密性につき検査することができる。ブリスタ4並びにサンプルチャンバ1のシールの予備乾燥により、透過率の定常状態に比較的早めに到達し、このことは、本方法を比較的迅速に実施できることを意味している。
【0044】
以下に述べる層の順序を有するブリスタ4が、本方法に用いられるよう提供される。カバーフィルム11は、アルミニウムから作られ、このカバーフィルムの厚さは、10μmから80μmであり、好ましくは20μmから50μmであり、特に30μmから40μmである。カバーフィルム11をカップ9の入っている熱成形キャリヤフィルムに12にホットシールラッカーによって気密的に接合する。キャリヤフィルム12は、製品接触側が、厚さ10μmから200μmであり、好ましくは15μmから50μmであり、特に20μmから40μmであるPVC、PP、PE層等から成る。このフィルムを厚さが好ましくは30μmから60μmであり、有利には35μmから50μmであるアルミニウムフィルムに接合する。厚さが10μmから40μmであり、好ましくは15μmから30μmであるポリアミドフィルムが、アルミニウムフィルムに隣接して位置する。別のキャリヤフィルム12では、製品に向いた側のPVCフィルムに代えて、ポリプロピレンフィルム等が用いられる。
特に最も好ましいブリスタ4では、カバーフィルム11は、厚さ38μmのアルミニウムフィルムとホットシールラッカーとから成る。キャリヤフィルム12は、医薬生成物に向いた側が、厚さ30μmのPVCフィルム、このフィルムに隣接して位置する厚さ45μmのアルミニウムフィルム及び外部の厚さ20μmのポリアミドフィルムから作られる。
【0045】
本発明の方法に使用できる別の容器3は、密閉された二重層のびん形容器として、即ち、吸入器用カートリッジ13として形成され、この容器は、金属又はプラスチックのスリーブ15内に挿入された金属フィルム、及び(又は)、プラスチックフィルムの袋14から成っている。袋14は、カニューレのための案内チャネル17を備えた緊密に密閉されたフランジ16を有している。圧力嵌め又はシールが更に提供され、かかる圧力嵌め又はシールは、案内チャネル17に侵入してこれを開けるカニューレを封止する。カニューレは、吸入器のカニューレであるのが良く、このカニューレを介して、少量の液体を容器3から取り出すことができる。かかる容器3は、国際公開第99/43571号パンフレットにも詳細に説明されている。
【0046】
本発明の方法に使用するのに適した別の容器3は、国際公開第91/14468号パンフレット及び同第97/12687号パンフレットに記載された吸入器用のカートリッジとして役立ち、この容器は、硬質外側スリーブ18及び外側スリーブ18に点状に結合された内側容器19を有する二重層のびん形容器として形成されており、内側容器は、外側スリーブに対して潰れることができる。この容器は、キャップ20で閉鎖される。かかる容器は、例えば、欧州特許第532,873号明細書及び国際公開第96/06011号パンフレットに詳細に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の方法を実施する装置の略図である。
【図2】本発明の実施中における経時的な透過率を示すグラフ図である。
【図3】本発明の方法に使用できるブリスタとして構成された容器の概略平面図である。
【図4】図3のブリスタの部分断面図である。
【図5】本発明の方法に用いることができるびん形容器を示す図である。
【図6】本発明の方法に使用できる折り畳み可能な袋として設計された容器を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に対する密閉容器(3)の透過率を検査し、特に、薬剤学的有効成分調合物を受け入れるフィルム型容器の透過率を検査する方法であって、前記容器(3)に前記媒体を充填し、ガスをチャージし、次に、前記ガス中の前記媒体の量の増大を分析することを特徴とする方法。
【請求項2】
液体が、媒体として用いられることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ガス状媒体、好ましくは、水蒸気が、媒体として用いられることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記液体は、前記容器(3)の寸法形状に適合した多孔質中実本体(10)により吸収されることを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記中実本体(10)は、粘土で作られていることを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
水が、前記液体として用いられることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項7】
前記粘土を水中で浸軟させ、前記粘土を前記粘土が前記容器(3)を完全に充填するような仕方で前記容器(3)内に導入することを特徴とする、請求項1から6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
窒素が、前記ガスとして用いられることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記容器(3)のチャージの実施前に前記ガスを乾燥させることを特徴とする、請求項1から8のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記容器(3)を前記ガスが流通する密閉検査チャンバ(1)内に導入することを特徴とする、請求項1から9のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記検査チャンバ(1)を空調することを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記検査チャンバ(1)のシールを前もって乾燥させることを特徴とする、請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
前記ガスは、一定の質量流量及び一定の圧力で前記検査チャンバ(1)を通って流れることを特徴とする、請求項10から12のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記容器(3)を前記検査チャンバ(1)内に配置する前に前記容器(3)を乾燥させることを特徴とする、請求項10から13のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記検査チャンバ(1)を密閉チャンバ(2)内に導入することを特徴とする、請求項10から14のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
水晶振動子を備えた評価ユニット(8)が、前記ガスを分析するために用いられることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項17】
請求項1から16のうちいずれか一項に記載の方法で用いられる容器であって、前記容器(3)は、ブリスタ(4)であることを特徴とする容器。
【請求項18】
前記ブリスタ(4)は、少なくとも1枚のカバーフィルム(11)と、有効成分調合物を収容したキャリヤフィルム(12)用の少なくとも1つのカップ(9)とから成り、前記カバーフィルム(11)と前記キャリヤフィルム(12)は、前記カップ(9)を気密封止するよう互いに緊密に接合されていることを特徴とする、請求項17記載の容器。
【請求項19】
前記カバーフィルム(11)は、ホットシールラッカーによって前記キャリヤフィルム(12)に結合されていることを特徴とする、請求項18記載の容器。
【請求項20】
前記カバーフィルム(11)、及び(又は)、前記キャリヤフィルム(12)は、金属、及び(又は)、プラスチック、及び(又は)、テーパフィルムとして形成されていることを特徴とする、請求項18記載の容器。
【請求項21】
請求項1から16のうちいずれか一項に記載の方法で用いられる容器であって、硬質外側スリーブ(18)及び前記外側スリーブ(18)に点状に機械的に結合された内側容器(19)を有する密閉二重層のびん形容器(3)であり、前記内側容器は、前記外側スリーブ(18)に対して潰れることができることを特徴とする容器。
【請求項22】
前記容器(3)は、同時押出し法によって作られることを特徴とする、請求項21記載の容器。
【請求項23】
前記外側スリーブ(18)は、ポリプロピレンから成り、前記内側容器(19)は、ポリエチレンから成ることを特徴とする、請求項21又は22記載の容器。
【請求項24】
請求項1から16のうちいずれか一項に記載の方法で用いられる容器であって、前記容器(3)は、フランジ(16)を有する密閉された折り畳み可能な袋(14)であることを特徴とする容器。
【請求項25】
前記袋(14)は、金属フィルム、例えば、アルミニウムフィルム、及び(又は)、プラスチックフィルム、又は、プラスチックで被覆された金属フィルムから成ることを特徴とする、請求項24記載の容器。
【請求項26】
前記袋(14)は、硬質スリーブ(15)内に埋め込まれることを特徴とする、請求項24又は25記載の容器。
【請求項27】
前記容器(3)は、カニューレをキャップ(20)中に挿入することにより、又は、カニューレを前記フランジ(16)中に挿入することにより開けられることを特徴とする、請求項21から26のうちいずれか一項に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−544930(P2009−544930A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523346(P2008−523346)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064582
【国際公開番号】WO2007/012629
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】