説明

密封小線源治療用の可撓性および/または弾性シードまたはストランド

密封小線源治療用刺入針の穴を介して被験者の体内に刺入することにより、被験者に送達することができる、造影マーカおよび/または例えば生体適合性担体中の薬剤のような治療、診断、もしくは予防薬を含む、可撓性または弾性密封小線源治療用ストランドを開発した。ストランドは、弛緩性、剛性、または可撓性のスペーサ材料の有無に関わらず、最高50cmまたはそれ以上のシードの鎖または連続配列として形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年9月19日に出願した米国特許仮出願第60/412,050号の優先権を主張する。
【0002】
本出願は、造影可能で刺入可能な密封小線源治療装置、およびそれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に密封小線源治療と呼ばれる放射性シード療法は、様々な病状、最も顕著には前立腺癌を治療するための確立された技術である。前立腺癌の治療に対する密封小線源治療の典型的な適用において、比較的短時間作用型の放射線を放射する放射性同位体を含む約50から150個の小さいシードが、病変組織内に外科的に刺入される。シードは病変組織付近に局在化されるので、それらが放射する放射線は、よって癌細胞に集中し、離れた位置にある健康な組織には集中しない。この点において、密封小線源治療は従来の外部ビーム照射よりも有利である。
【0004】
放射性シードを組織に刺入するために、多数の装置が使用されてきた。例えば、ワップラの米国特許第2,269,963号、スコットの米国特許第4,402,308号、ミックの米国特許第5,860,909号、およびライデルの米国特許第6,007,474号を参照されたい。前立腺癌の治療の典型的なプロトコルでは、特殊化された針を有する刺入装置が直腸と陰嚢との間の皮膚を通して前立腺に挿入され、放射性シードが前立腺に送達される。シードを刺入すべき前立腺の別の部位に対し、針を再配置するか、あるいは新しい針を使用することができる。前立腺当たり約50から150個の間のシードを送達するために、20から40本の針が使用される。針の位置を追跡するために、直腸超音波プローブが使用される。ひとたび所定の針の端が所望の位置に配置されると、シードはその位置に停留状態になるように、針の穴の下に押し下げられる。
【0005】
シードが希望通りに前立腺に刺入されると、針は患者から取り出される。その後の数ヶ月にわたって、シードから放射される放射線は癌細胞を殺す。一般的に使用される放射性同位体の型は数ヶ月の期間で崩壊し、この期間後はシードからほとんど放射線が放射されないので、シードの外科的除去は通常不要である。
【0006】
現在市販されている放射性シードは、放射性同位体を包封するカプセルの形を取る。例えばSymmetra(登録商標)I−123(ドイツ国、ビービクGmbH)、IoGold(商標)I−125およびIoGold(商標)Pd−103(カリフォルニア州チャッツワース、ノース・アメリカン・サイエンティフィック社)、Best(登録商標)I−125およびBest(登録商標)Pd−103(バージニア州スプリングフィールド、ベスト・インダストリーズ社)、Brachyseed(登録商標)I−125(カナダ国、Draximage社)、Intersource(登録商標)Pd−103(ベルギー国、インターナショナル・ブラキセラピー社)、Oncoseed(登録商標)I−125(英国、ニコメッド・アマシャム社)、STM1250 I−125(イリノイ州キャロル・ストリーム、ソーステク・メディカル社)、Pharmaseed(登録商標)I−125(カリフォルニア州ウッドランド・ヒルズ、シンコー社)、Prostaseed(商標)I−125(オクラホマ州オクラホマシティ、ウロコー社)、およびI−plant(登録商標)I−125(マサチューセッツ州ウェイクフィールド、インプラント・サイエンス社)を参照されたい。これらのシードのカプセルは、チタンまたはステンレス鋼のような生体適合性物質から作られ、放射線同位体の滲出を防止するために密封される。カプセルは、刺入装置で使用される針の一つの穴の下に嵌まる大きさに作られる。そのような針の大部分は約18ゲージであるので、カプセルは一般的に約0.8mmの直径および約4.5mmの長さを有する。
【0007】
前立腺密封小線源治療用シードに最も一般的に使用される二つの放射線同位体は、ヨウ素(I−125)およびパラジウム(Pd−103)である。どちらも低エネルギ照射を放出し、腫瘍の治療に理想的な半減期特性を有する。例えば、I−125シードは60日毎に50%の率で崩壊するので、典型的な開始線量ではそれらの放射能は10ヵ月後にほとんど枯渇する。Pd−103シードはさらにいっそう速く崩壊し、17日毎にそのエネルギの半分を失うので、わずか3ヵ月後にはほとんど不活性である。
【0008】
密封小線源治療用の放射性シードは他の成分をも含むことができる。例えば、標準的X線造影技術を使用してそれらの適切な配置を追跡するのを助けるために、シードは放射線不透過性マーカを含むことができる。マーカは一般的に原子番号の高い(つまり「高Z」)元素またはそのような元素を含む合金もしくは混合物で形成される。これらの例は、白金、イリジウム、レニウム、金、タンタル、鉛、ビスマス合金、インジウム合金、はんだまたは低融点の他の合金、タングステン、および銀を含む。多くの放射線不透過性マーカが現在市販されている。例は、白金/インジウムマーカ(Draximage社およびインターナショナル・ブラキセラピー社)、金ロッド(ビービクGmbH)、金/銅合金マーカ(ノース・アメリカン・サイエンティフィック社)、パラジウムロッド(シンコー社)、タングステンマーカ(ベスト・インダストリーズ社)、銀ロッド(ニコメッド・アマシャム社)、銀球体(インターナショナル・アイソトープ社およびウロコー社)、および銀線(インプラント・サイエンス社)を含む。他の放射性マーカは、様々な物質を含浸した高分子を含む(例えば米国特許第6,077,880号を参照されたい)。
【0009】
多数の様々な米国特許が、密封小線源治療に関連する技術を開示している。例えばローレンスの米国特許第3,351,049号は、密封小線源治療用放射源として低エネルギX線放射組織内刺入の使用を開示している。加えて、クビャトピッツの米国特許第4,323,055号、ラッセルの米国特許第4,702,228号、サザンシランの米国特許第4,891,165号、カーデンの米国特許第5,405,309号、コニグリオンの米国特許第5,713,828号、カータの米国特許第5,997,463号、スレータの米国特許第6,066,083号、およびタッカの米国特許第6,074337号は、密封小線源治療装置に関連する技術を開示している。
【0010】
シードは、膵臓、肝臓、肺、および脳のような他の型の癌の治療にも利用されてきた。技術的な理由から、他の器官系または組織はこの型の永久シード刺入には適さない。これらは膀胱のような中空内臓、舌底のような可動性/筋肉性内臓、および乳房におけるように切除の結果として形成された空洞または腫瘍床を含む。中空内臓では、組織の欠乏およびそれに関連してシードを器官の内腔または空洞内に喪失する危険性のため、固締していないシードを間隔をあけて確実に配置することができない。同様に、舌底のような可動性/筋肉性の不規則な形状の内臓では、固定していないシードを間隔をあけて確実に配置することはできず、ホロウィッツの米国特許第4,754,745号およびリプリの米国特許第5,322,499号に開示されているような永久シードのストランドは、それらの中に埋め込まれる金属シードのため、使用するには依然として不撓性すぎる。同様に、シオシャンシの米国特許第6,436,026号に記載されたワイヤコイルは可撓性ではあるが、永久刺入するように意図されておらず、後充填および取り出しの手段を必要とする。
【0011】
乳癌における状況は中空器官のそれと同様であり、よって固締されないシードは適切に間隔をあけて配置することが難しく、切除空洞内に落下するかもしれず、したがって線量測定計画が台無しになる。癌のある乳房への放射性シードの挿入を記載したコックスによる米国特許出願第20020087078号にもかかわらず、シードは実際の乳癌内部に配置され、癌の外科手術時に腫瘍と一緒に除去される。したがって、この場合、放射性シードは治療目的を果たすように意図されていない。乳房は非常に豊富かつ柔軟であり、重力または圧力に応従するので、乳房組織は舌または他の可動性器官にも類似している。実際、これらの理由から、金属シードは現在乳房への永久治療刺入には使用されていない。
【0012】
永久シードの使用が望ましくない上記の状況の各々では、一般的に一時的刺入が使用される。これは、子宮頸癌用のヘンシュケアプリケータ、舌底用のヘヤピン針、および乳癌用のシラスティックカテーテルのような後充填装置の配置を介して達成される。ひとたびそれぞれのアプリケータが配置されると、放射性線源が充填され、所定の有限期間、通常数時間から数日間、体内に留置し続ける。線源および後充填装置は次いで完全に取り出される。
【0013】
これらの一時的システムの不利点は、患者が往々にして、低線量率線源が留置している全期間、または高線量率線源を使用する場合には放射線治療フラクションまたはセション間にわたって、病院に入院しなければならないことである。後充填カテーテルの場合、カテーテルは七日間所定の位置に縫着され、急性痛、腫れ、および場合によっては感染または瘢痕の原因になる。舌底刺入の場合、患者はしばしば、ヘアピン針が所定の位置に維持されている間、気道を開けておくために、一時的気管切開が必要である。プロキシマ・セラピューティックス(登録商標)による一つの新しい一時的高線量率システムでは、バルーンカテーテルの外科的配置が乳房に行なわれる。装置は腫瘍床内のバルーンから皮膚に通じるカテーテルを持ち、一時的密封小線源治療用線源のための入口および出口を提供する。バルーンは数日間の密封小線源治療セッションの終結時に収縮され、手動で乳房から引き出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、可撓性でありかつ永久刺入可能である、生物分解性ストランドまたは他の構造体を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、可撓性でありかつ刺入可能である、生物分解性ストランドまたは他の構造体を提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、非高分子で生物分解性の刺入可能なシード、および刺入されたシードを容易に造影するための手段を提供することである。
【0017】
また、他の目的、例えば薬剤の送達に使用することができる、密封小線源治療用シードおよびストランドを提供することも、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
弾性および/または可撓性であり、好ましくは生物分解性である密封小線源治療用ストランドが開発されてきた。放射性同位体に加えて、またはその代替物として、薬剤または他の治療的に活性な物質または診断薬をストランド内に含めることができる。刺入部位における放出率は、刺入部位における崩壊速度および/または放出率を制御することによって制御することができる。好適な実施形態では、ストランドはまた放射線不透過性材料または外部造影のための他の手段をも含む。可撓性材料は高分子材料または無機材料とすることができる。ストランドは、弛緩性、剛性、または可撓性のスペーサ材料の有無に関わらず、最高50cmまたはそれ以上のシードの鎖または連続配列として形成することができる。
【0019】
従来の密封小線源治療用放射性シードと同様に、ストランドは、侵襲性外科手術を必要とせずに、多くの様々な標的組織内に正確に刺入することができる。好適な実施形態では、ストランドは密封小線源治療用刺入針またはカテーテルの穴を通して被験者の体内に刺入される。ストランド内に含まれる治療的に活性な物質は、比較的長い期間(例えば数週間、数ヶ月、またはそれ以上の長期間)にわたって管理された方法で送達することができる。治療的に活性な物質の濃度は刺入部位(例えば病変組織)が大きいので、刺入部位から離れた位置にある健康な組織に対する治療的に活性な物質の影響は低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
弾性および/または可撓性で、好ましくは生物分解性の密封小線源治療用シードまたはシードのストランドが開発された。ここで使用する場合の「弾性」とは、比較的大きい変形から復元するかそれに耐える能力を有する材料、またはと切れることなくその元の長さに複数回引き伸ばすことができる材料を指す。一つの好適な実施形態では、密封小線源治療用ストランドは生体適合性成分と、非放射性薬剤を含む治療的に活性な成分と、さらに好適な実施形態の場合には、放射線不透過性マーカとを含み。生体適合性成分は治療的に活性な成分と物理的に関連付けられ、かつマーカと接触する。第二の実施形態では、密封小線源治療用ストランドは非金属生体適合性成分と、放射性同位体を含む治療的に活性な成分と、放射線不透過性マーカまたは他の診断マーカとを含み、生体適合性成分は、(a)治療的に活性な成分と物理的に関連付けられ、かつ(b)診断マーカと接触し、密封小線源治療用ストランドは、一般的に約2.7mm(10ゲージ)未満の内径を有する針の穴を通過するのに適したサイズおよび形状を有する。別の実施形態では、生体適合性成分は生物分解性である。
【0021】
特定の用途によっては、密封小線源治療用ストランドは他の利点をもたらす。中でも特に、例えば、治療的に活性な物質の従来の全身投与(例えば経口または経静脈性送達)と比較して、密封小線源治療用ストランドは、より高くかつより一貫した濃度の治療的に活性な物質を標的組織に提供することができる。それらはまた、繰返し注射する必要性を無くすことができるだけでなく、標的組織が完全な血管供給を欠乏する(例えば標的組織の血流が低下する)こと、さもなくば(例えば中枢神経系の血液脳関門を介する)血液供給から隔離されることなどの送達の問題を回避することができる。放射線同位体を含まないストランド(例えば治療的に活性な物質および生物分解性成分だけを含むもの)の一部の実施形態では、治療的に活性な物質が完全に放出され、生物分解性成分が完全に分解された後、刺入部位に異質装置は残らない。
I.密封小線源治療用ストランド
密封小線源治療用ストランドは一般的に、一般的に約2.7mm(10ゲージ)未満、約1.4mm(15ゲージ)未満、約0.84mm(18ゲージ)未満、または約0.56mm(24ゲージ)未満の内径を有する針の穴を通過するのに適したサイズおよび形状を有する。一変形では、ストランドは約0.5から3mmの間の直径と、20cm、30cm、40cmまたはそれ以上の長さとを有する円筒形に形成される。
A.密封小線源治療用シードを作成するための材料
密封小線源治療用シードを形成するために、任意の適切な生物分解性物質を使用することができる。好ましい材料は、食品医薬品局によって刺入用に承認された高分子材料を含む。
【0022】
好適な実施形態では、シードは生物分解性材料から形成される。適切な材料の例は、ポリヒドロキシ酸(ポリ乳酸、ポリグリコール−乳酸)、ポリ無水物(ポリ(ビス(p−カルボキシフェノキシ)プロパン無水物、ポリ(ビス(p−カルボキシ)メタン無水物)、ポリカルボキシフェノキシプロパンとセバシン酸の共重合体、ポリオルソエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(ポリヒドロキシブチル酸)、およびポリ(イソブチルシアノアクリレート)のような合成高分子を含む。他の例として、オープンセルポリ乳酸、脂肪酸二量体とセバシン酸の共重合体、ポリ(カルボキシフェノキシ)ヘキサン、ポリー1,4−フェニレンジプロピオン酸、ポリイソフタル酸、ポリドデカン二酸、ポリ(セバシン酸グリコール)(PGS)、または下述する他の高分子がある。例えば、「Biomaterials Engineering and Devices: Human Applications: Fundamentals and Vascular and Carrier Applications」ドナルドL.ワイズら(編集)Humana Press,2000;「Biomaterials Science: An Introduction to Materials in Medicine」バディD.ラトナーら(編集)、Academic Press、1997;および「Biomaterials and Bioengineering Handbook」ドナルドL.ワイズ、Marcel Dekker、200を参照されたい。
【0023】
これらの高分子は、ミズーリ州セントルイスのシグマ・ケミカル社、ペンシルベニア州ウォレントンのポリサイエンシズ社、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ社、ニューヨーク州ロンコンコマのフルカ社、およびカリフォルニア州リッチモンドのバイオラド社のような供給源から入手することができ、あるいはこれらまたは他の供給者から入手した単量体から、標準技術を使用して合成することができる。
【0024】
合成高分子に加えて、天然高分子を使用することもできる。好適な実施形態では、天然高分子は生物分解性である。例えば血管の壁または細胞外基質からの結合組織のような組織を、放射線または別の治療物質の送達のための生物分解性担体として使用することができる。例えば、ナルシスコの米国特許第5,429,634号を参照されたい。組織は、それが標的組織と生体適合性である限り、自家性、異種性、人工物、または他の変性物とすることができる。患者は、治療物質および/または放射性核種用の担体として役立てるために、彼自身の組織を提供することができる。他の組織または天然高分子を分解可能な担体マトリックスとして役立てることができる。例えば、デンプンおよびデキストランのような多糖類、コラーゲンのようなタンパク質、フィブリン(パーカら、「Tissue Eng.」7:359−361(2001)およびセンダーロフら、「J.Parenteral Sci.」45:2−6(1991))、およびアルブミン(例えばイリュームの米国特許第5,707,644号を参照)、エラスチン様ペプチド、脂質、およびそれらの組合せがある。これらの材料は、患者自身の組織または血液をはじめ、当業者には周知の供給源のいずれかから得ることができる。
【0025】
シードまたはストランドはまた合成または天然の生体適合性非高分子および/または無機材料から作成することもでき、それらは生物分解性であることが好ましい。例えば生体吸収性多孔質シリコンシードについて記載したWO99/53898、およびシリカゾルからの生物分解性セラミックファイバについて記載したWO00/50349を参照されたい。非高分子および/または有機材料の他の例は、放射線を含むフラーレン分子について記載したコルガの米国特許第5,640,705号、無機フラーレン様ナノ粒子または構造体について記載したイェーダ・リサーチ・アンド・デベロップメント社によるWO02/34959A2、ナノサイズ粒状グラファイトおよび多層フラーレンについて記載したオサワのEP1205437A1、ヒドロキシアパタイト骨複合材料について記載したローレンシンの米国特許第5,766,618号、持続放出用のヒドロキシアパタイトのようなセラミック複合材について記載したアサコ・マツシタのGB235140A、およびリン酸カルシウム、例えば徐放用のヒドロキシアパタイト、生物活性セラミックについて開示するアンティ・ユリ−ウルポの米国特許第5,762,950号を含む。
【0026】
放射性シードの場合、担体物質の分解特性が希望する吸収プロファイルと一致する限りにおいて、放射性核種を含む任意の数の生物分解性担体マトリックスから選択することは、臨床医に任せることができる。これは、放射性核種が崩壊して放射能が微々たる量になるまで、担体マトリックス自体が放射性核種と共に周囲の標的組織から隔離されるからである。放射能が微々たる量になった時点で、またはその後、放射性マトリックスを覆う生物分解性層は腐食して無くなり、こうして、今非放射性またはほとんど使用済み放射性の担体のために同様のプロセスが開始される。
【0027】
ストランドはまた、非生物分解性物質、特に前立腺癌の治療用のビーズを形成するために現在使用されている放射線不透過性ストランド材から作成することもできるが、これは生物分解性物質ほど好適ではない。上述の通り、これらのシードのカプセル(および本書で記載するストランド)は、チタンまたはステンレス鋼のような生体適合性物質から作成され、それは放射性同位体の滲出を防止するために密封される。
B.放射性トレーサ
場合により、密封小線源治療用シードまたはストランドは、放射性内容物が偶発的に放出された場合にそれを追跡する手段を備えることができる。放射性物質の漏出に関連する予想外の問題は、それが患者体内の周囲組織に対するものか、病理検査室、核医学検査室、または手術室におけるものかに関係なく、それが高分子シードに関係することが最近発見された。シード/ストランドは、それらの内容物が偶発的に放出された場合に、それらを追跡する手段を含むべきである。このメカニズムは、視覚的にまたは計器の助けを借りてシード/ストランド内容物をタグ付けし、検出し、あるいは他の方法で識別するための蛍光、発光、染色、着色、または他の方法を含めることに依存することができる。
【0028】
蛍光性は、スンによって米国特許第4,885,254号に、ブライアンによって米国特許第6,416,960B1号に、バーベラ−ギリェムによって米国特許第6,548,171B1号に、またはグライナによって米国特許出願第2003/0010508A1号に記載されているような、適切な高分子または他の生物分解性物質を使用して付与することができる。
【0029】
発光性は、タウンズによってWO01/49768A2、サカキバラによってEP1311138A1に、ブライアンによって米国特許第6,436,682号に、ハンコックによって米国特許出願第2003/0134959A1号、またはウッドによって米国特許第6,552,179B1号に記載されているような、適切な高分子または他の生物分解性物質を使用して付与することができる。生物発光材料は米国特許第5,670,356号に記載されている。さらに、化学発光および電気発光物質のみならず、当業者には周知の他の型の発光物質も利用することができる。
【0030】
米国特許出願第2003/0129311A1号またはドブソンのWO95/13891に記載されているような、量子ドットをシードに装着し、破断したシード/ストランドからの漏出物質の位置を探知するために利用することができる(また、ジェイスワルらの「Nature Biotechnology 2003」21:47−51、およびクワンタム・ドット社のQdot(商標)ビオチン共役をも参照されたい)。
【0031】
ブルクハルトによってEP1093824A2に記載されているように、染色された生物分解性高分子材料を使用することができる。指摘されているように、他の色素を使用することができる。コシハラによって米国特許第6,456,636B1号に、またはナカシマによってWO00/5369に記載されているフォーマットを使用して、紫外線を利用して、放射性物質または薬剤のような治療薬を検出することができる。パウルスによって米国特許第5,426,143号に記載されているように、赤外色素を使用することができる。
【0032】
当業者は、変性無く識別することができる薬剤によるシード/ストランドの内容物の標識付け、ドーピング、もしくはタグ付け、あるいは活性化剤または標識抗体もしくは類似物のような他の手段の添加によって、識別できるプロエージェント(pro−agent)に精通している。
C.治療薬および診断薬
広範囲の治療薬および診断薬のいずれかを包含するストランドまたはストランドのような、薬剤送達装置を形成または被覆するために、高分子を使用することができる。標準技術を使用して、有機化合物、無機化合物、タンパク質、多糖類、およびDNAのような核酸をはじめ、広範囲の治療、診断、または予防用物質のいずれかを、ストランド内に組み込むことができる。
【0033】
非放射性薬剤は、刺激および成長因子、遺伝子ベクタ、ウィルスベクタ、抗血管新生作用剤、細胞分裂停止、細胞毒性、および細胞破壊薬剤、形質転換剤、アポトーシス誘発剤、放射線増感剤、放射線防護剤、ホルモン、酵素、抗生物質、抗ウィルス剤、マイトジェン、サイトカイン、抗炎症剤、免疫毒素、抗体、または抗原の形を取ることができる。例えば、非放射線治療薬は、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、またはシスプラチンのような抗腫瘍薬とすることができる。それはまた、5−フルオロウラシル、エタニダゾール、チラパザミン、ブロモデオキシウリジン(BUdR)、およびヨードデオキシウリジン(IUdR)のような放射線増感剤とすることができる。
【0034】
多くの異なる治療的に活性な物質が、密封小線源治療用ストランドとは離れて、薬剤送達システムの生体適合性物質に関連付けられてきた。これらは例えばアドリアマイシン(モリテラら、「Invest.Ophtal.Vis.Sci.」33:3125−30、1992)、ブピビカイン(パークら、「J.Controlled Release」52:179−189、1998)、カンプトテシン(ワインガルトら、「Int.J.Cancer」62:1−5、1995)、カルボプラチン(チェンら、「Drug Delivery」4:301−11、1997)、カルムスチン(ブラーンら、「J.Neurosurg」74:441−6)、セファゾリン(パークら、「J.Controlled Rel.」52:179−189、1998)、シスプラチン(ヤップら、「IJOBP」39:497−504、1997)、コルチゾン(タマルゴら、「J.Neurooncol.」9:131−8、1990)、サイクロスポリン(サンチェスら、「Drug Delivery」2:21−28、1995)、ダウノルビシン(ダッシュら、「J.Pharmacol.Tox.Meth.」40:1−12、1999)、デキサメタゾン(ラインハルドら、「J.Contr.Rel.」16:331−340、1991)、ドーパミン(デューリングら、「Ann.Neurol.」25:351−6,1989)、エタニダゾール(ヤップら、「Radiotherapy Oncol.」53:77−84、1999)、5−フルオロウラシル(メナイら、「Cancer」86:325−30、1999)、フルコナゾール(ミヤモトら、「Curr.Eye Res.」16:930−5、1997)、4−ハイドロキシシクロフォスファミド(ジュディら、「J.Neurosurg.」82:481−6、1995)、ガンシクロビル(クノウら、「J.Controlled Rel.」37:143−150、1995)、ゲンタマイシン(ローレンティンら、「J.Orthopaed.Res.」11:256−62、1993)、へパリン(タマーゴら、「J.Neurooncol.」9:131−8、1990)、インタロイキン12(クリアコスら、「Head & Neck」22:57−63、1996)、ナプロキセン(コンフォーティら、「J.Pharm.Pharmacol.」48:468−73)、神経成長因子(カメラータら、「Neurosurgery」30:313−19、1992)、細胞毒性遺伝子産物を移入するレトロウィルスベクタ産生細胞(ビアら、「Adv.Drug deliver.Rev.」27:59−66、1997)、タキソール(パークら、「J.Controlled Rel.」52:179−189、1998、およびハーパーE.ら、「Clin.Cancer Res.」5:4242−4248、1999)、破傷風類毒素(アロンゾら、「Vaccine」12:299−306、1994)、塩酸テトラカイン(ラミレズら、「J.Microencarp.」16:105−15、1999)、チラパザミン(ユアンら、「Radiation Oncol.Investig.」7:218−30、1999)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(キューベクら、「Brain Res.」809:189−97、1998)、およびワクチン(チャタラジら、「J.Controlled Rel.」58:223−32、1999)を含む。生体適合性成分と組み合わせることができる他の治療的に活性な物質は、麻酔薬、血管形成阻害薬(例えばラウD.H.ら、「Cancer Biother.Radiopharm.」14:31−6、1999)、抗生物質(例えばバークJ.Y.ら、「J.Urol.」163:1560−4、2000;およびミヤモトH.ら、「Current Eye Research」16:930−5,1997)、抗体(例えばゴメスS.M.ら、「Biotechnol.Prog.」15:238−44、1999)、抗凝血剤(例えばタマーゴR.J.ら、「J.Neurooncol.」9:131−138、1990)、抗原(例えばマシュラフM.ら、「J.Pharm.Sci.」89:1550−57、2000)、抗炎症剤(例えばラインハルドC.S.ら、「J.Controlled Release」16:331−40,1991、およびタマーゴR.J.ら、「J.Neurosurg.」74:956−61,1991)、抵ウィルス薬、アポトーシス阻害剤(例えばマシアスD.ら、「Anat.Embryol.(Berl)」194533:−41、1996)、サイトカイン(例えばエーデルマンE.R.ら、「Biomaterials」12:619−26、1991)、細胞毒性薬(例えばブレムH.ら、「J.Neurosurg.」80:283−90、1994;「J.Neurosurg.」80:283−90、1994;ブレムH.ら、「Lancet」345:1008−12、1995;イウェンドM.G.ら、「Cancer Res.」56:5217−23、1996;フンL.K.ら、「Cancer Res.」58:672−85、1998;グロスマンS.ら、「J.Neurosurg.」76:640−47、1992;コンQ.ら、「J.Surgical Oncology」69:76−82、1998;シカニA.H.ら、「Laryngoscope」110:907−17、2000;ストローR.C.ら、「J.Orthop.Res.」12:871−7、1994;タマーゴR.J.ら、「Cancer Research」53:329−33、1993;ヴァルトネンS.ら、「Neurosurgery」41:44−9、1997;ウォルタK.A.ら、「Cancer Research」54;2207−12、1994;ヤップD.T.T.ら、「IJROBP」39:497−504、1997;ヤップD.T.T.ら、「Anti−Cancer Drugs」9:791−796、1998;ヤップD.T.T.ら、「IJRBP」42:413−20、1998;およびヨシダM.ら、「Biomaterials」10:16−22,1989)、酵素(例えばパークT.G.ら、「J.Control Release」55:181−91、1998)、遺伝子ベクタ(例えばハオT.ら、「J.Control Release」69:249−59、2000;およびマヘシワリA.ら、「Mol.Ther.」2:121−30、2000)、ホルモン(例えばロサG.D.ら、「J.Control Relase」69:283−95、2000)、免疫抑制剤(例えばサンチェスA.ら、「Drug Delivery」2:21−8、1995)、マイトジェン(例えばアートルB.ら、「J.Drug Target」8:173−84、2000)、神経伝達物質(例えばデューリングM.J.ら、「Ann Neurology」25:351−6、1989)、放射線防護剤(例えばモニグH.ら、「Strahlenther Onkol.」166:235−41、1990)、放射線増感剤(例えばウィリアムズJ.A.ら、「IJRPBP」42:631−39、1998;およびカーディナールR.M.ら、「Radiat.Oncol.Invest.」6:63−70、1998)、刺激および成長因子、形質転換剤(例えばホンL.ら、「Tissue Eng.」6:331−40、2000)、およびウィルスベクタを含む。
【0035】
様々な既知の方法およびシードは、癌細胞を殺す目的のために標的組織に熱を加えることに関係する(例えば、米国特許第4,569,836号のゴードン、および米国特許第5,284,144号のデラノイを参照されたい)。「サーモシード」として知られる先行技術の金属シードは、パウルスによって米国特許第5,429,583号に記載されている。主に渦電流損によって熱を発生する金属サーモシードとは対照的に、強磁性ミクロスフェアは圧倒的にヒステリシス損によって熱を発生する。
【0036】
組織の臨床関連加熱は一般的に磁気ヒステリシス効果によって発生できることが広く知られているので、好適な実施形態は、ストランド/シード内に磁気的に染み込ませた生物分解性担体を含む。ウィダーは、米国特許第4,247,406号にこの種の強磁性ミクロスフェアの血管内バージョンを記載した。ミツモリらは、ウサギの誘発高体温に関する彼らの研究で、デキストラン−マグネタイト分解性デンプンミクロスフェアを使用した(ミツモリら、「Int J Hyperthermia」1994;10:785−93)。ミナミムラらは、デキストラン−マグネタイトミクロスフェアを注入し、次いで磁力に曝して腫瘍内に熱を発生させた担癌ラットにおける、有意の抗腫瘍効能を示した最初の研究者であった(ミナミムラら、「Int.J.Oncol.」2000;16:1153−8)。モローズらは、磁性酸化鉄をドープした高分子ミクロスフェアの注入後の、45℃の臨界治療閾値以上のブタの深在性軟組織の加熱の成功を記載した(モローズら、「J.Surg.Res.」2002;105:209−14)。
【0037】
高分子およびデンプンに加えて、当業者の希望に応じて、他の生物分解性物質を本書に記載するシードに組み込むことができる。ヴィルンチャタパンらは、彼らの試験管内実験で、感熱性デキストラン−マグネタイトマグネトリポゾームを使用した(ヴィルンチャタパンら、「Pharm.Res.」1995;12:1176−83)。一方、アルコスらは、サーモシードとして作用する能力を有するゾル−ゲルガラスを混合した、新型の二相性磁性ガラス−セラミックを記載した(アルコスら、「J.Biomed.Mater.Res.」2003;65A:71−8)。
【0038】
請求する密封小線源治療用シードまたはストランドはまた、局所癌治療にも使用することができる。好適な実施形態では、酸素、ヘモグロビン、合成ヘモグロビン様物質、および組織の酸素潅流を増強する薬剤が生物分解性物質に含まれる。イワシタは米国特許第4,412,989号に高分子酸素担体を記載した。ボナベントゥーラは米国特許第4,343,715号に高分子ヘモグロビン担体を記載し、チャンは米国特許第5,670,173号にヘモグロビンを含む生物分解性高分子を記載した。カキザキらは生体内で組織に酸素を放出するリピドヘム合成ミクロスフェア酸素担体について報告した(「Artif.Cells.Blood Substit.Biotechnol.」1994;22:933−8)。ボボフチャクらは最近、Hbミノタウロスと呼ばれる組換え高分子ヘモグロビンに関する研究を発表した(「Am.J.Physiol.Heart.Circ.Physiol.」2003:285:H549−61)。組織内の酸素圧増加することができる物質として、酸素、Lアルギニン、パパベリン、ペントキシフィリン、ニコチンアミド、および一酸化窒素、ならびに様々な血管拡張剤があるが、これらに限定されない。
【0039】
診断化合物は磁性(MRIによって検出可能)、放射線不透過性(X線によって検出可能)、蛍光性(蛍光技術によって検出可能)、または超音波検出可能とすることができる。これらの物質は、検出および測定用のシステムと同様に、市販されている。
【0040】
放射線不透過性マーカ30は、従来のX線造影技術によって検出できるいずれかの物質から作成することができる。例えば、「Fundamentals of Diagnostic Radiology」第2版、ウィリアムE.ブラントおよびクライドA.ヘルムズ(編集)、Lippincott, Williams and Wilkins、1999;「Physical Principles of Medical Imaging」第2版、ペリーJr.スプロールズ、Medical Physic Publishing、1995;「Elements of Modern X−ray Physics」ジェンス・アルス−ニールセンおよびデス・マクモロー、Wiley&Sons、2001;「X−ray and Neutron Reflectivity:Principles and Applications」J.ダイラントら、Springer−Veriag、1999; 「Methods of X−ray and Neutron Scattering in Polymer Science」リョン−ジョンH.ロー、Oxford University Press、2000;および「Principles of Radiographic Imaging:An Art & A Science」リチャードR.カールトン、Delmar Publishers、2000を参照されたい。マーカ30として使用できる多くのそのような物質は、最も顕著には高原子番号(つまり「高Z」)の元素もしくは合金またはそのような元素を含む混合物をはじめ、公知である。これらの例として白金、イリジウム、レニウム、金、タンタル、ビスマス合金、インジウム合金、はんだまたは他の合金、タングステン、および銀がある。本書に記載するシード用に適応することができる、現在使用されている多くの放射線不透過性マーカとして、Draximage社製およびインターナショナル・ブラキセラピー社製の白金/イリジウムマーカ;ビービク社製の金ロッド、ノース・アメリカン・サイエンティフィック社製の金/銅合金マーカ、シンコー社製のパラジウムロッド、ベスト・インダストリーズ社製のタングステンマーカ、ニコメッド・アマシャム社製の銀ロッド、インターナショナル・アイソトープ社製およびウロコー社製の銀球体、ならびにインプラント・サイエンス社製の銀線がある。他の放射線不透過性マーカとして、様々な物質を含浸した高分子がある(例えば米国特許第6,077,880号および第5,746,998号を参照されたい)。放射線透過性高分子は、1997年5月8日に出願された欧州特許出願第894,503号、1999年12月29日に出願された欧州特許出願第1,016,423号、および1995年8月21日に出願された公開済みPCT出願WO96/05872に記載されている。生物分解性であるこれらの放射線不透過性高分子は、インプラントを刺入部位で時間と共に分解させることが望ましい用途に好適である。
【0041】
放射線不透過性マーカの例として白金、イリジウム、レニウム、金、タンタル、ビスマス、インジウム、タングステン、銀、または放射線不透過性高分子がある。適切な放射性同位体として、125Iおよび103Pdがある。
【0042】
時々、薬剤の組合せが、改善された結果をもたらすことがある。例えば、好適な実施形態では、5−FU、エタニダゾール、チラパザミン、またはBUdRのような放射線増感剤を、IUdRと組み合わせて使用することができる。物質の様々な組合せは、組み合わせて使用した場合の方が単独で使用した場合より効果的であることが知られている。例えば、ブレムらの「J.Neurosurg.」80:283−290、1994;イウェンドらの「Cancer Res.」56:5217−23、1996;カーディナールらの「Radiation.Oncol.Invest.」6:63−70、1998;ヤップらの「Radiotherapy and Oncol.」53:77−84、1999:ヤップらの「IJOBP」39:497−504、1997;ユアンらの「Radiation Oncol.Investig.」7:218−30、1999;およびメネイらの「Cancer」86:325−330、1999を参照されたい。
【0043】
シード/ストランドにおける生物分解性放射線不透過性マーカに加えて、超音波検出を容易にするために、微小気泡を組み込むこともできる。マイクロメートル規模の微小気泡は、ヒルゲンフェルドらによって2000;38:99−104に報告されているように、診断周波数のきわめて強力な散乱体であることが知られている。微小気泡の製造は、シュッツによって米国特許第6,280,704B1号に、およびシュナイダによって米国特許第6,485,705B1号に総説されている。生物分解性微小気泡サブストレートは、シードまたはストランド内に、または本発明の外部態様のいずれかまたは全ての上に配置することができる。
II.高分子シードの形成
本出願では、特に高分子ストランドの形成に関連して記載するが、同じまたは同様の技術を使用して、上述した無機材料のストランドを形成することができることを理解されたい。
【0044】
一実施形態では、溶媒蒸発、熱溶解マイクロカプセル化、および噴霧乾燥を含む方法を使用して、ポリ乳酸ストランドを作製することができる。ビスカルボキシフェノキシプロパンおよびセバシン酸から作られたポリ無水物またはポリ(フマル−コ−セバシン)無水酸は、熱溶解マイクロカプセル化によって調製することができる。ポリスチレンストランドは、溶媒蒸発によって調製することができる。ヒドロゲルストランドは、WO93/21906に開示されているように、アルギン酸塩、キトサン、アルギン酸/ポリエチレンイミン(PEI)、およびカルボキシメチルセルロース(CMC)のような高分子溶液を、微細小滴形成装置を介してタンクから撹拌イオン浴内に滴下させることによって調製することができる。
【0045】
一つまたはそれ以上の診断、治療、または予防化合物は、形成の前または後のどちらでも高分子ストランドに組み込むことができる。
【0046】
溶媒蒸発
溶媒蒸発技術を使用してストランドを形成するための方法は、E.マシオウィッツらの「J.Scanning Microscopy」4:329(1990)、L.R.べックらの「Fertil.Steril.」31:545(1979)、およびS.ベニタらの「J.Pharm.Sci.」73:1721(1894)に記載されている。高分子は、塩化メチレンのような揮発性有機溶媒に溶解される。組み込まれる物質は溶液に添加され、混合物は、ポリ(ビニルアルコール)のような表面活性剤を含む水溶液中に懸濁する。結果的に得られる乳濁液は、有機溶媒の大部分が蒸発し、固体シードまたはストランドが残るまで撹拌される。様々なサイズ(直径1から1000μm)および形態を持つシードおよびストランドを、この方法によって得ることができる。この方法は、ポリエステルおよびポリスチレンのような比較的安定な高分子に有用である。しかし、ポリ無水物のような不安定高分子は、水の存在のため、調製プロセスの間に分解されることがある。これらの高分子の場合、完全無水有機溶媒で実行される以下の方法の幾つかがより有用である。
【0047】
熱溶解マイクロカプセル化
シードは、マシオウィッツらの「Reactive Polymers」6:275(1987)に記載されているような熱溶解法を使用して、ポリエステルおよびポリ無水物のような高分子から形成することができる。この方法では、3から75,000ドルトンの間の分子量を持つ高分子の使用が好ましい。この方法で、高分子は最初に溶解され、次いで、50μm未満にまで分級された組み込むべき物質の固体粒子と混合される。混合物は(シリコン油のような)非混和性溶媒中に懸濁し、連続的に撹拌しながら、高分子の融点より5℃上まで加熱される。乳濁液はひとたび安定すると、高分子粒子が固化するまで冷却される。結果的に得られるシードは、石油エーテルでのデカンテーションによって洗浄され、自由流動粉体が得られる。この方法により、1から100μmの間の直径を持つシードおよびストランドが得られる。
【0048】
溶媒抽出
この技術は主としてポリ無水物用に設計されており、例えば1993年11月11日に発行されたWO93/21906に記載されている。この方法では、組み込まれる物質は、塩化メチレンのような揮発性有機溶媒中の選択された高分子の溶液に分散または溶解される。この混合物はシリコン油のような有機油中で撹拌することによって懸濁し、乳濁液を形成する。この手順によって、1から300μmの範囲のシードを得ることができる。
【0049】
噴霧乾燥
噴霧乾燥技術を使用してシードを形成するための方法は、当該技術分野で周知である。この方法では、高分子は、塩化メチレンのような有機溶媒に溶解される。組み込まれる物質の既知の量が高分子溶液中に懸濁(不溶性薬剤)または共溶解される(可用性薬剤)。次いで溶液または分散液は噴霧乾燥される。1から10μmの間のシードが得られる。この方法は、腸管の造影用のシードを調製するのに有用である。該方法を使用して、金属化合物に加えて、気体などの診断造影剤をシードに組み込むことができる。
【0050】
相反転
シードは、相反転法を使用して高分子から形成することができる。この場合、高分子は適正な溶媒中に溶解され、薬剤のような組み込むべき物質の微細粒子が高分子溶液中に混合または溶解され、混合液は高分子用の強力な非溶媒中に注ぎ込まれ、好適な条件下で、偶発的に高分子シードを生成する。ここで高分子は粒子上に被覆されるか、あるいは粒子が高分子中に分散される。該方法は、例えば約100nmから約10μmを含む広範囲のサイズの微細粒子を生成するために使用することができる。使用できる例示的高分子として、例えばポリビニルフェノールおよびポリ乳酸がある。組み込むことができる物質として、例えば蛍光色素のような造影剤、またはタンパク質もしくは核酸のような生物活性分子がある。
【0051】
タンパク質のマイクロカプセル化
タンパク質シードは、マシオウィッツらの米国特許第5,271,961号に記載されているように、非溶媒中での相分離とそれに続く溶媒除去によって形成することができる。さらに、タンパク質の混合物、またはタンパク質とポリ乳酸のような生体侵食性物質高分子材料との混合物を使用することができる。一実施形態では、プロラミン溶液および組み込まれる物質は、プロラミン溶媒との混和性が限られている第二液と接触し、混合物は撹拌されて分散液を形成する。プロラミン溶媒は次いで除去され、架橋結合または熱変性無しで安定なプロラミンシードが生成される。使用できる他のプロラミンとして、グリアジン、ホルデイン、およびカフィリンがある。
【0052】
シードの低温注型
制御放出シードの超低温注型のための方法は、ゴンボッツらの米国特許第5,019,400号に記載されている。該方法では、高分子は、組み込まれる溶解または分散された物質と共に溶媒中に溶解され、混合物は高分子−物質溶液の凝固点未満の温度の液体非溶媒を含む容器内に噴霧され、それにより高分子小滴は凝固する。小滴および高分子用の非溶媒が加温されるにつれて、小滴中の溶媒は解凍され、非溶媒中に抽出され、結果的にシードの硬化が達成される。
【0053】
ストランドはまた、上記技術の多くを使用し、押出し技術を使用してシードをストランドへと引き伸ばすこともできる。
【0054】
ヒドロゲルシード
アルギン酸塩のようなゲル型高分子でできたシードは、従来のイオンゲル化技術を介して生成することができる。高分子は最初に水溶液中に溶解され、組み込まれる物質と混合され、次いで微細小滴形成装置を介して押し出される。装置は、場合によっては、窒素ガスの流れを使用して小滴を分解する。成形微細小滴を捕獲するために、ゆっくり撹拌されるイオン硬化浴が押出し装置の下に配置される。シードは、ゲル化が発生するための充分な時間を与えるために、浴内で20分から30分間放置される。粒子サイズは、様々なサイズの押出機を使用することにより、あるいは窒素ガスまたは高分子溶液いずれかの流量を変化させることにより、制御される。
【0055】
キトサンシードは、高分子を酸性溶液中で溶解し、それをトリポリリン酸塩と架橋することによって、調製することができる。カルボキシメチルセルロース(CMC)シードは、高分子を酸性溶液中に溶解し、鉛イオンで微小球を沈殿させることによって、調製することができる。アルギン酸塩マイクロカプセルのヒドロキシル基の量を低減するために、アルギン酸/ポリエチレンイミド(PEI)を調製することができる。これらのシステムの利点は、様々な化学作用の使用によって表面特性をさらに変性する能力である。負に帯電した高分子の場合(例えばアルギン酸塩、CMC)、様々な分子量の正に帯電したリガンド(例えばポリリシン、ポリエチレンイミン)をイオン的に結合することができる。
【0056】
流動床
シードを含む粒子は、流動床技術を使用して形成および/または被覆することができる。一つのプロセスは、粒子およびシードのコーティングのためのワースタ型エアサスペンションコーティングプロセスである。該プロセスは、暖気の垂直カラム内に粒子を支持しながら、噴霧の形でコーティング剤を塗布する霧化ノズルを粒子が通過することから構成される。このプロセスによるシードまたはストランドの腸溶性および薄膜コーティングは、一般的に約30分間かかる。適切なコーティング材として酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、およびゼインがあるが、それらに限定されない。
【0057】
ワースタ装置は、暖気の上昇流、調整される空気の湿度、温度、および速度によって、浮遊粒子の制御された循環移動を提供する。粒子の空気浮遊または流動床はランダムな動きを有する。シードまたはストランドがランダムにコーティングゾーンに出入りする場合、コーティングは低速でしか塗布できない。しかしワースタ装置は、全くまたはあまりランダムになることなく、制御された循環移動をもたらすことによって、より優れた乾燥および最終的により均等なコーティングを達成する。垂直カラムの底の支持格子は一般的に例えば10メッシュの粗目スクリーン、および例えば200メッシュの細目スクリーンを含む。細目スクリーンは、粗目スクリーンよりかなり大きい抵抗を空気に与える。したがって、より多量の空気が粗目スクリーンを通過する。粗目スクリーンを通過する空気はシードまたはストランドをカラム内で上昇させる。流れの拡散およびシードまたはストランドの抵抗のため、空気流の速度は低下するので、シードまたはストランドの上方移動は停止する。次いでシードまたはストランドは、細目スクリーンの上の低速の空気流の領域に入り、そこでそれらは乾燥し、徐々に安定する。乾燥し部分的に被覆されたシードまたはストランドが格子に接近すると、それらは再びより高速の空気流および粗目スクリーンに導入され、別のサイクルが始まる。
【0058】
粗目スクリーン用の格子支持体の下で、コーティング流体が圧力下で霧化によって放散される。圧縮空気入口は、コーティング材の溶液またはスラリの霧化に接続される。粗目スクリーンの上に浮遊するシードまたはストランドは、相互にほとんど接触しないので、コーティング流体は、移動床内のシードまたはストランドの表面に容易に分配される。シードまたはストランドの循環移動が続くので、シードまたはストランドは多くの異なる位置で何回も霧化噴射にさらされる。したがって、シードまたはストランド上に均等なコーティングが形成される。コーティングは被覆されたシードまたはストランドの重量、コーティングの調合、温度、時間、および気流速度によって制御される。粒子サイズは約50μmから約2mm以上まで変化することができる。
IV.刺入のための密封小線源治療用ストランドを作成する方法
被験者に刺入するために密封小線源治療用ストランドを作成する一方法は、(a)非金属生体適合性成分および治療的に活性な診断または予防成分(以下、「治療的に活性な成分」という)を提供し、最適には造影剤またはトレーサをさらに含める工程と、(b)生体適合性成分と治療的に活性な成分を物理的に関連付けて、組合せ生成物を形成する工程と、(c)組合せ生成物を約2.7mm(10ゲージ)未満、約1.4mm(15ゲージ)、または約0.84mm(18ゲージ)未満、または約0.56mm(24ゲージ)未満の内径を有する針の穴を通過させるのに適したサイズおよび形状を有するストランドにする工程とを含む。
【0059】
図面を参照すると、密封小線源治療用ストランドの種々の異なる実施形態が示されている。ストランドのどの寸法でもいかに小さくすることができるかに関して下限は無いが、多くの用途において、0.3mmより小さい穴を通過することができないものが好適である。例えば、刺入された密封小線源治療用ストランドが組織内でそれらの向きを維持することが望ましい多くの用途では、ストランドは刺入の部位で希望される向きに比較的長期間停留するのに充分大きくする必要があり、大きいストランドが好ましい。場合によっては、ストランドに使用される材料の選択がそのサイズに影響する。例えば、生体適合性成分がステンレス鋼またはチタンのカプセルであるストランドのバージョンでは、カプセルの壁は、ストランドの構造上の完全性を維持するために、特定の最小サイズより大きくする必要がある。加えて、用途によっては、ストランドは、治療的に有効となる充分な量(例えば治療的に有効な量または希望する医学的に有益な効果を発揮する量)の治療的に活性な成分を担持するのに充分な大きさにすることも必要もある。密封小線源治療用の刺入針の穴の詰まり(例えば幾つかのストランドの凝集によって生じる)を防止しながら、ストランドの針穴内の通過を容易にするために、ストランドの直径は針の穴の直径よりほんのわずかに小さいことも好ましい(例えば0.5から5%小さい)。
【0060】
多くの従来の密封小線源治療用ストランドの刺入装置で使用される針に使用するために、約0.8から3mmの間の直径および最高40mmまでの長さを有する円筒(またはロッド)状に形成された密封小線源治療用シードが好ましい。多くの従来の密封小線源治療用ストランドアプリケータは、サイズが約17から18ゲージの密封小線源治療用刺入針を利用しているので、約0.8から1.1mmの間の直径および直径より大きい長さ(例えば2から10mm)を有する円筒形の密封小線源治療用ストランドが、そのような用途に使用するのに好適である。特に、多くの従来の密封小線源治療用ストランドアプリケータは、約0.8mmの直径および約4.5mmの長さを有する従来の放射性の密封小線源治療用ストランドを受け入れるように設計されているので、同様のサイズの密封小線源治療用ストランドが特に好ましい。
【0061】
密封小線源治療用ストランドは、形状が円筒形のものに限定されず、むしろ針の穴を通過するのに適したどんな形状にもすることができる。例えば、多くの場合、ストランドの断面積は、立方形、回転楕円体、卵形、楕円形、不規則形状などとすることができる。ストランドの端は丸みを付けるか、直角にするか、テーパを付けるか、円錐状、凸状、凹状、スカラップ状にするか、傾斜させるか、あるいは他の形状にすることができる。密封小線源治療用ストランドは中実とするか、あるいは一つまたはそれ以上の空洞または孔隙を持つことができる(例えば標的組織に曝露されるストランドの表面積を増大するために)。
【0062】
図1は、円筒形の密封小線源治療用ストランドの略側面図である。図2は、中空管形の密封小線源治療用ストランドの略側面図である。
【0063】
一例として、図2に示すように、密封小線源治療用ストランド10は、円筒形空洞20を有する中空管18に形作られる。ストランド10の好適なバージョンでは、円筒形空洞20は、標準サイズの密封小線源治療用ストランド(例えば約0.8mmの直径および約4.5mmの長さを有するもの)を受け入れかつ包囲する大きさに作られる。使用する場合、ストランド10は標準サイズの密封小線源治療用ストランドの上に配置され、標的組織内への刺入のために針の穴(包囲されたストランドを受け入れる大きさに作られた)内に導入される。図2に示すストランド10はまた、標準サイズの密封小線源治療用ストランドの上に配置されることなく、例えば刺入部位で曝露される表面積を増大するために、単独で使用することもできる。中空管18は、標準サイズの密封小線源治療用ストランドを全体的にまたは部分的に包囲しかつ針の穴を通過するのに適した、任意の壁厚または長さを持つことができる。それは約0.01から0.1mmの間の壁厚および約1から4.5mmの間の長さを持つことが好ましい。
【0064】
再び図1および図2を参照すると、生体適合性成分12は、上述したように密封小線源治療用ストランド10が刺入部位に導入されたときに、治療的に活性な成分の全部または一部が標的組織に送達されるように、治療的に活性な成分と関連付けることができる、動物被験体(例えばヒト患者のような哺乳類)の標的組織に刺入するのに適した、任意の材料から構成することができる。使用し易くするため、かつ治療上の利点のために、生体適合性成分12は生物分解性である(すなわちチタンまたはステンレス鋼以外の物質から作られる)ことが好ましい。
【0065】
当業者は、所定の用途に最も適した成分12の特定の組成を選択することができる。例えば、治療的に活性な成分14を標的組織に刺入したときに徐々に送達するようにストランド10を使用することを意図する場合、刺入部位で遭遇するのと同様の条件下に置かれたときに所望の速度で分解することが知られている高分子の化学組成から作られた生体適合性かつ生物分解性の材料を、成分12として使用するために選択することができる。そのような生物分解性成分の様々な特性は、例えば、「Biomaterials Engineering and Devices: Human Applications: Fundamentals and Vascular and Carrier Applications」ドナルド L.ワイズら(編集)、Humana Press,2000;「Biomaterials Science: An Introduction to Materials in Medicine」バディD.ラトナーら(編集)、Academic Press、1997;および「Biomaterials and Bioengineering Handbook」ドナルドL.ワイズ、Marcel Dekker、2000に記載されている。例えば、密封小線源治療用ストランド10の生体適合性成分12として使用するために適切な材料を選択することによって、ストランド10からの治療的に活性な成分14の放出の期間を約1時間未満から約数ヶ月以上まで(例えば10分、30分、1時間、2時間、3時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、1年、2年、または3年)変えることができる。生体適合性成分12は生物分解性に限定されない。例えば、場合によっては、成分12はステンレス鋼またはチタンのような非生物分解性材料から作ることもできる。この場合、ストランド10が刺入された標的組織に成分14が送達されるように、生体適合性成分12は治療的に活性な成分14で被覆するかまたは他の方法でそれと関連付けることができる。例えば、成分12は、外面全体に多数の孔隙を有する多孔性ステンレス鋼またはチタンの円筒の形を取ることができ、成分14がストランド10からストランド10を取り囲む環境内(例えば標的組織)に拡散することができるように、そのような孔隙に成分14が充填されるかまたは他の方法で連通される。
【0066】
これらは、所定の用途における適合性について、従来の臨床試験によって試験することができる。例えば、試験組成を密封小線源治療用ストランド状に形成し、実験動物の選択された標的組織内に刺入することができる。次いで、刺入された組成の動物に対する効果を、ある期間にわたって監視することができる。生体適合性であり(例えば石灰化またはアレルギー反応のような望ましくない反応を引き起こさない)、かつ治療的に活性な成分の分解および送達の所望の速度を有することが証明されるものを、こうして識別することができる。
【0067】
上述の通り、治療的に活性な成分14は、(a)動物の生理機能に対し効果を発揮するために動物被験体(例えばヒト患者のような哺乳類)の標的組織内に刺入し、かつ(b)密封小線源治療用ストランド10内で生体適合性成分12と関連付けることができる。無数の異なる物質を治療的に活性な成分14として使用することができる。例えば「医師用卓上参考書」、「The Merck Index」およびU.S.Pharmacopeiaによって出版された「USP DI(登録商標)2000」を参照されたい。例えば、治療的に活性な成分14は、抗癌性を持つ化学物質のような小分子薬剤(例えば、一般的に5kDa未満の分子量を持つ非ペプチドまたは非核酸系分子)を含むことができる。また、ポリペプチド(例えば抗体もしくはサイトカイン)または核酸(例えば発現ベクタ)のような生物化学物質を含むこともできる。
【0068】
例えば、ストランド10を前立腺癌の一次治療として使用することを意図する場合、治療的に活性な物質14は、パクリタキセル(タキソール)、シスプラチン、または5−フルオロウラシルのような抗悪性腫瘍薬、またはロイプロリドのようなホルモンを含むことができる。別の例として、ストランド10を前立腺癌の放射線治療の補助剤として使用することを意図する場合、治療的に活性な物質14は、チラパザミン、BUdR、IUdR、またはエタニダゾールのような放射線増感剤を含むことができる。密封小線源治療用ストランド10は組織へのインサイチュ薬剤送達を可能にするので、治療的に活性な物質14は、全身的に投与した場合所定の状態を治療するには毒性が強すぎると通常考えられる薬剤、例えばチラパザミンまたはカンプトテシンを含むことができる。
【0069】
図1および2に示した密封小線源治療用ストランド10の上記説明で指摘したように、生体適合性成分12は治療的に活性な成分14と関連付けられる。生体適合性成分12および治療的に活性な成分14に言及する際に、本書で使用する場合、語句「と関連付けられる」とは物理的に接触することを意味する。したがって、ストランド10において、生体適合性成分12と治療的に活性な成分14との関連付けは、多くの形を取ることができる。例えば、生体適合性成分12および治療的に活性な成分14は、図1および2に示すように組み合わせて混合物にすることができる。この混合物は、成分12および14の均等または不均等な分布を持つことができる。
【0070】
図1に示した密封小線源治療用ストランド10は、成分12および14の均一な混合物の一例である。この例の密封小線源治療用ストランド10は、生体適合性成分12および治療的に活性な成分14を一緒に単純に混合して、組合せ生成物を形成し、次いで生成物を例えば金型を使用して所望のサイズおよび形状に形成することによって、作ることができる。
【0071】
図1および2に示した密封小線源治療用ストランドは、治療的に活性な成分14から成るマトリックスに分散された離散粒子の混合物を含むが、密封小線源治療用ストランド10の他のバージョンでは、成分12および14は単一粒子に、または離散粒子の無いより大きい塊状(例えばペレットのサイズおよび形状の密封小線源治療用ストランド)に組み合わされる。例えば、生体適合性成分12および治療的に活性な成分14は液体に溶解し、次いで乾燥または硬化させて、両成分12および14の均等な分布から成るストランドまたはより大きいペレットを形成することができる(例えばラミレズら、「J.Microencapsulation」16:105−15、1999を参照されたい)。
【0072】
当業者は、ミクロスフェア構成物の所望の性質および特定の性質に応じてサイズを選択することができる。これの一変形では、ストランドは、磁性元素を含むように作ることもできる。ストランドは次いで成形するか一まとめに圧縮して、所望の形状およびサイズの密封小線源治療用ストランド10にすることができる。より大きいペレットは同様に彫刻、押出し、成形、または圧縮して、所望の形状およびサイズの密封小線源治療用ストランド10にすることができる。あるいは、成分12および14の液体混合物を、密封小線源治療用ストランド10の形状および大きさを画定する金型に注入し、次いで金型内で硬化させることができる。単一の粒子状またはより大きい塊状に組み合わされた成分12および14(各々の離散粒子ではなく)を有する密封小線源治療用ストランドは、治療的に活性な成分14をより長い期間にわたって標的組織内に送達するのに有利である。
【0073】
ストランド10の他の実施形態において、成分12および14はストランド10で必ずしも均質に混合されない。むしろ、それらはストランド10の異なる領域に配置することができる。例えば、成分12および14は離散部分、帯、コイル、管等に別個に形成することができる。成分12の離散部分、帯、コイル、管等は次いで、成分14の離散部分、帯、コイル、管等と(例えば成形、接着、構造的連結などによって)組み合わせて、ストランド10を形成することができる。別の実施形態では、図2に示したストランド10は、治療的に活性な物質を含むヒドロゲルを円筒形空洞20に充填し、中空管18の端を覆うことによって、変形することができる。
【0074】
これらの変形例は、次の図を参照することによっていっそう明確に理解される。図3Aから3Iは、切断のために散在する不活性スペーサ20を備えたストランド(図3A)、刺入後の移動または変位を防止するためにポップアップウィング22を備えたストランド(図3B)、放射線不透過性ストリップ30が全長に走るストランド(図3C)、十字型スタビライザ32を備えたストランド図3D、例えばリング状に接合するのを容易にする雄端34および雌端36を備えたストランド(図3E)、より小さいストランドに切断するか千切るための欠刻38を備えたストランド(図3F)、瘤40のようなスタビライザを備えたストランド(図3G)、編組ストランド42としてのストランド(図3H)、および結び合わされたストランド44(図3I)である。図4Aおよび4Bは、散在する放射性シード52を備えたストランドである(図4Aは斜視図、図4Bは断面図)。
【0075】
上記の組合せ生成物(つまり、少なくとも一つの治療的に活性な成分と混合された少なくとも生体適合性成分)は、それらを従来の密封小線源治療用ストランド刺入装置における針のような針の穴を通過するのに適したサイズおよび形状に形成することによって、密封小線源治療用ストランドで使用することができる。今、とりわけ図3AからIを参照すると、密封小線源治療用ストランド10は、治療的に活性な成分14と関連付けられた生体適合性成分12、および生体適合性成分12および/または治療的に活性な成分14に付着された放射線不透過性マーカ30(図3C以外には図示せず)を含む。放射線不透過性マーカ30は、ストランド10が標的組織内に刺入された後、標準的X線造影技術(例えば蛍光透視)を使用して、密封小線源治療用ストランド10の位置を決定することを可能にする。ストランド10の適切な配置および所定の標的組織における複数の密封小線源治療用ストランドの間隔は、治療的に活性な成分14が標的組織内の患部の部位に適切に送達されることを確実にするために重要である。
【0076】
上述の通り、放射線不透過性マーカ30は、生体適合性成分12および/または治療的に活性な成分14を介してストランド10に付着される。放射線不透過性マーカ30がストランド10に付着される厳密な方法は、(a)ストランド10が密封小線源治療用の刺入針の穴を通過することができ、かつ(b)付着によりストランド10の位置をX線造影によって容易に検出することが可能になる限りにおいて、重要ではない。マーカ30をストランドにいかに関連付けることができるかの幾つかの異なる例の記載を、図3AからFに提示する。図3Aに示す実施形態では、リボン、フィラメント、帯、糸、またはワイヤの形の放射線不透過性マーカ30は、円筒形ストランド10の中心およびその長さに沿って配置される。図3Bでは、放射線不透過性マーカ30は、円筒形ストランド10の両端に配置された二つのエンドキャップの形を取る。図3Cに示す実施形態では、放射線不透過性マーカ30は、図示するように円筒形ストランド10の長さ全体に走る放射線透過性物質から作られたコイルである。図3Dでは、放射線不透過性マーカ30は、円筒形ストランド10に沿って二つの位置に配置された二つのビーズまたはペレットの形を取る。図3Eに示す実施形態では、放射線不透過性マーカ30は、円筒形ストランド10の外面に沿って二つの位置に配置された二つのバンドまたはリングの形を取る。図3Fに示すストランド10では、放射線不透過性マーカ30は、円筒形に形成されたメッシュの形を取る。図3Gに示すストランド10では、放射線不透過性マーカ30は、ストランド全体に点紋パターンに分散される。
【0077】
図4Aおよび4Bは、散在する放射性シードを備えたストランドである(図4Aは斜視図、図4Bは断面図)。
【0078】
放射線不透過性マーカを有する密封小線源治療用ストランドの特に好適な実施形態は、放射線不透過性マーカが高分子であるものである。この実施形態の一バージョンでは、放射線不透過性高分子は生体適合性成分および治療的に活性な成分と組み合わされて、X線造影によって視覚化することのできる密封小線源治療用ストランドを形成する。あるいは放射線不透過性高分子は生体適合性成分として働くことができる。例えば、放射線不透過性高分子から作られたストランドは、生体適合性成分を含むストランドおよび治療的に活性な成分を含む(例えば包封する)ストランド(または生体適合性成分および治療的に活性な成分の療法を含むストランド)と混合される。混合されたストランドは次いで、放射性不透過性密封小線源治療用ストランドに成形される。別の例として、放射線不透過性高分子、生体適合性成分、および治療的に活性な成分は一緒に液体中に混合することができ、液体を硬化して固体ペレットを形成することができ、ペレットは彫刻、成形、圧縮、または他の方法で密封小線源治療用ストランドのサイズおよび形状にすることができる。この方法で放射線不透過性の密封小線源治療用ストランドを調製する利点は、刺入後、(例えば従来のマーカを利用したストランドで行われるように)ストランドの一部分だけではなく、ストランド全体をX線造影によって視覚化することができることである。
【0079】
図5Aから5Dは、乳頭(小円)の下の乳腺腫瘤滴出部位(大円)に隣接する乳房内への導入後のストランド(図5A)、今患者が直立した状態で乳房の形状に応従するストランド(図5B)、コイルとして配備されたストランド(図5C)、および乳腺腫瘤滴出部位の周りにリングとして配備されたストランド(図5D)の斜視図である。
【0080】
図6は、微細加工ポリイミドヘアの拡大図である。密封小線源治療用シードまたはストランドをこれらのポリイミドヘアで被覆することによって、シード移動の問題を効果的に克服することができる。シード移動は、通常シード配置直後の期間中に、シードがそれらの刺入位置から移動することを含む。二つの誘因は、組織がシード導入針によって生じた変形から反発するときの組織における反動効果、および針がシードを降ろした後で引き出されるときに針によって引き起こされる出口経路に沿った吸引力であると思われる。文献
の幾つかの論文がこの問題を取り扱っている(例えば、タペンらの「IJROBP」1998;42:1063−7、メリックらの「IJROBP」2000;46:215−20、ポギーらの「IJROBP」2003;56:1248−51を参照されたい)。
【0081】
この問題を克服する一つの方法は、針が相互に一定距離に維持されるように、縫着ストランド材内でシードを同軸配列で一緒に固定することである。別の方法は、各シードを連結ペグに付着し(グリムの米国特許第6,450,939B1号参照)、再び固定配列を形成することである。しかし、これらのシステムは定義上当然固定され、不規則な形状の標的または組織に介入することによって分割された標的に対し作業するときに、兵站上の問題をもたらすことがあり得る。さらに、ストランド自体が移動し、シードの列全体の線量測定が歪むことがあり得る。
【0082】
先行技術の密封小線源治療用シードは、針の跡に沿った個々のシードの移動を制限する問題に充分に対処していない。ギームらは微細加工されたポリイミドヘアの生産に成功し、彼らの人口ヘアが、特定の接着特性をもたらす毛管力およびファンデルワールス力を生じることを示した(ギームら「Nature Materials」2003;2:461−3)。これらのポリイミドヘアは、驚異的な接着性を有することが示されたヤモリの足毛(剛毛)の構造に基づいて構成されたものである。ポリイミドヘアは0.2から4マイクロメートルの直径、0.15から2マイクロメートルの高さ、および0.4から4.5マイクロメートルの周期性を有する。
【0083】
ヘアは、可能な限り、個々の先端を凸凹の表面に付着することができると同時に、千切れたり、カールしたり、もつれないように作られており、かつ充分な可撓性を有する。ヘアは抜け落ちるといけないので、まばらになりすぎないように、あるいは膨れるといけないので、密集しすぎないように、注意を払った。シードおよびストランドの移動に関連する問題を克服するために、剛毛技術を使用して、かなりの潜在的接着力をもたらすヘアで生物分解性シードおよびストランドを被覆またはコーティングする。
【0084】
シードおよびストランドが組織内に刺入されると、これらの組織は刺入された物質の周囲に不均等に分布する。応従性の剛毛構造は、接触する構造の形状に応従ことができ、小さいヘアが一緒に作用するので、ファンデルワース引力の大きさを増大させる。同様にシードおよびストランドは、それらの導入針から押出されるときに、組織の上を引きずられ、それは剛毛接着力を増大する。大きい剛毛は大きい剛毛接触面積から大きい固着力を生じる。
【0085】
最後に、組織は生きている組織であるので湿り気があり、剛毛は湿っているときによりいっそうの接着性を有する。これらの因子は全て、生物分解性剛毛(突起)をシード/ストランドの移動に対する理想的な解決策にする[図6参照]。
【0086】
図7Aおよび7Bは、密封小線源治療用ストランドがストランドの長さに沿って走る一つまたはそれ以上の導管を持つようにした、密封小線源治療用ストランドの形状を示す。これらの導管は事前充填するかあるいは充填可能とすることができ、周囲の刺入組織への治療薬および診断薬の送達に有用である。薬剤はそれ自体生物分解性とする必要はないが、導管内を通過するのに充分な流動体とすべきである。場合により、孔隙、一連の孔隙、または孔隙網、およびストランドに沿った導管を持つことができ、そこを通して薬剤が周囲の組織へ流動する。別の実施形態では、針または他の導入器具により皮膚を介してアクセスすることのできる入口を持つことができ、あるいは入口は、導管系への経皮的接続を介して、体外に突出することができる。ストランドに放射性物質が存在する場合、非放射性物質を介在することによって、それを導管系から分離することができる。サンドバックらは、Biomaterials 2003;24:819−30に同様のシステムを記載しており、そこでは導管は神経成長の輪郭を描くために使用された。
【0087】
密封された容器40を含むストランド10内の治療的に活性な薬剤14は、上述した薬剤のいずれかとすることができる。しかし、薬剤14は、上述したように特定の病変組織を治療するために、放射性同位体と組み合わせて使用したときに、効果が増大するように選択することが好ましい。
【0088】
放射性同位体は、電磁放射線(例えばガンマ線またはX線)、ベータ粒子、またはアルファ粒子を放出し、かつ密封小線源治療用ストランド10に使用するのに適した、任意の物質とすることができる。そのような物質の例として、パラジウム−103およびヨウ素−125のように主として電子捕獲に続いてX線放出によって崩壊するもの、金−198、金−199、イットリウム−90、およびリン−32のようにベータ粒子の放出によって崩壊する同位体、イリジウム−192のようにベータ粒子およびカンマ線両方の放出により崩壊する同位体、ならびにアメリシウム−241のようにアルファ粒子の放出により崩壊する同位体がある。また、例えばホウ素中性子捕捉治療で使用する場合、ガドリニウム−157も有用であり、かつカリフォルニウム−252、レニウム−188、サマリウム−153、インジウム−111、イッテルビウム−169、およびホルミウム−166も有用である。前立腺癌の治療の場合、パラジウム−103およびヨウ素−125は該疾患の治療の多くの臨床試験の対象であったため、それらが好適である。放射性同位体の放射能の量は幅広く変動することができる。例えばパラジウム−103またはヨウ素125を使用するときに、前立腺癌を治療するための例示的な量は、刺入時に約50から150個のストランドが使用される場合、一個のストランド当たりそれぞれ約1.5mCiおよび0.33mCiである。他の適用例では、一個のストランド当たりの放射能は約0.01mCiから約100mCiの範囲とすることができる。
【0089】
一実施形態では、放射性同位体をストランドと混合し、次いでストランドへと構成することができ、あるいはそれを生体適合性成分によって包封してストランドを形成することができる。放射性ストランドは、密封小線源治療用刺入装置を介して刺入するのに適した密封小線源治療用ストランドとなるように成形するか、または他の方法でサイズおよび形状に形成することができる。この実施形態の一バージョンでは、生体適合性成分は生物分解性であるので、この成分に含まれる放射性同位体は、ストランドから徐々に放出される。あるいは、生体適合性成分および放射性同位体を混合して、密封小線源治療用刺入装置を介して刺入するのに適した密封小線源治療用ストランドのサイズおよび形状を持つアモルファスペレットとして構成することができる。
【0090】
密封小線源治療用ストランドが放射性核種を含む好適な実施形態では、ストランドは、放射能が滲出することを可能にする速度より遅い速度で崩壊する非放射性生物分解性コーティングで被覆されるので、放射能は放出されない。つまり放射能はすでに充分に崩壊してしまっている。
【0091】
図8A、8B、および9は、密封小線源治療用ストランドに対する高分子定着構造の追加を示す。密封小線源治療用シードもまた同様のシステムを装備することができるが、規模はより小さい。上述の通り、移動が問題となり得る。組み込まれたリッジ、瘤、および関連構造により、この問題はある程度緩和することができるが、完全には排除されない。
【0092】
シードを所望の位置に維持するために刺入後に事前訓練された形状に展開される生物分解性の形状記憶高分子(レンドレインら「Science」2002;296:1673−6)構造を使用することもできる。そのような構造は理想的には、密封小線源治療用ストランドの端に鉤形のアンカを含むことができる[図8A参照]。これらのフックは、ストランドの標的組織内への導入の後で展開する。同様の構造を、ストランドが適位置に固定されるような向きに、ストランドの長さに沿って散在させることができる[図8B参照]。同じ概念を使用して、組織がそのままではストランドをねじり、曲げ、あるいは変位させるおそれのある空洞、欠損、または他の不規則な空間を含む場合に、標的組織内でストランドを支持または中心配置させることができる[図9参照]。
【0093】
これらは、当業者によって行なわれる選択に応じて、剛毛状、リング形、または代替的形状とすることができる。同様に、それらは隣接するストランドから間隔を置いて配置することができ、それによって凝集したり束になることが防止される。場合により、これらの構造は治療薬または診断薬を包含してもしなくてもよい。形状記憶構造は刺入された組織の熱によって活性化され、あるいはそれらの展開を誘発するために予熱される。
【0094】
上記の形状記憶高分子の場合と同様に、電気活性高分子(EAP)または高分子ハイブリッドを安定化、間隔配置、または関連目的のために使用することができる。ハイブリッドサブストレートは、生物分解性高分子/半導体複合材料を含むことができる。これらの複合材料は、印加電圧に曝露されると、膨張、収縮、屈曲、またはその他の形状またはサイズの変化を引き起こす。これらの形の変化は、ホスト組織を害することなく達成できる非常に低い電圧の入力により、誘発させることができる。ぺルラインはこの型の装置を米国特許第6,545,384号に記載し、同様にコーンブラも米国特許第6,586,859B2号に記載した。
【0095】
電子EAPは、強磁性高分子、誘電性高分子、電歪グラフトエラストマ、電気的粘弾性エラストマ、液晶エラストマ材、または他の関連高分子もしくは有機物質を含むことができる。イオンEAPは、イオン高分子ゲル、アイオノマ高分子−金属複合材料、導電性高分子、カーボンナノチューブ、または他の関連高分子もしくは有機物質を含むことができる(バーコーエンら編集、「Electroactive Polymer and Rapid Prototyping: Materials Research Society Symposium Proceeding」Materials Research 2002;「Applications of Electroactive Polymers」(スティーネン編集)Kluwer Academic Publishers 1993;チャンら、Nature 2002;419:284−7を参照されたい)。シェイベルらは、PANS2003:100:4527−32で導電性ナノワイヤとしての生体分子テンプレートの使用を記載した。この場合、プリオンによって形成されたアミロイドが、ナノワイヤを形成するために使用された生体分子物質であった。光、温度、およびpHのような様々な物理化学的因子を「スマート高分子」または他の物質に適用して、同様の形状構成の変化を達成することができる。
【0096】
スペーサは、二つの密封小線源治療用シードを接合するために使用できる生体適合性物質から作成することができる。例えば米国特許第6,010,446号を参照されたい。生体適合性物質は生物分解性または非生物分解性とすることができる。例えば、スペーサは腸線または同様の材料から作成することができる。従来の放射性の密封小線源治療用シードに使用するように設計されたスペーサは、鎖状に使用することができる。例えば、エシコン社(オハイオ州シンシナティ)はインディゴ社(オハイオ州シンシナティ)のためにPG910非無菌加圧滅菌可能なスペーサを製造し、それはエクスプレス・シード・カートリッジに関連して販売されている。さらに、メディカル・デバイス・テクノロジーズ社(フロリダ州ゲインズビル)は、コラーゲンから作られ、予備滅菌された5.5mm長さの吸収性のプレカットスペーサを流通させている(Look(登録商標)、型式番号1514b)。スペーサ用の材料は、サージカル・スペシャルティーズ社(ペンシルベニア州レディング)によっても製造されている。スペーサが比較的柔軟な材料から作られる場合、鎖は比較的柔弱になり得る。
【0097】
密封小線源治療用ストランドまたはリンカーがエラスチン様ペプチド、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリ(グリコール−セバシン酸)、または一部のタンパク質のような弾性高分子から形成される場合、ストランドまたは鎖は非常に変形しやすくなる。そのような変形能は、乳房または内臓のように通常の身体の動きによって形状が変形することのある組織または器官に刺入する場合、特に有利である。鎖に弾性高分子または同様の物質の可撓性を付与される場合、鎖は、剛性または弛緩性というよりむしろ、可変可撓性であるとみなすことができる。可撓性の正確な程度は担体マトリックスの組成に依存する。当業者は、所望する可撓性の程度が達成されるように、担体マトリックスの成分物質の割当量を選択するのに慣れる。この可撓性は、単純な線形または曲線ではなく、いずれかの方向を取ることができる。実施形態によっては、鎖は、所望の形状に応従するように、螺旋形とするか他の仕方で捻転させるか、ばね状とするか、あるいは屈曲させることができる。別の実施形態では、鎖は格子またはメッシュを形成することができ、よって連結メカニズム、結着、繋着、溶接、融合、または当業者には公知の他の方法を通して、一つまたはそれ以上の鎖を相互接続することができる。さらに別の実施形態では、鎖は、目的を持ってまたは意図的に、後で別の有利な形状に変形または変更するためにだけ、一つの形状で標的組織内に導入することができる。
【0098】
スペーサは、公知のいずれかの手段によってシードに接続することができる。例えば、スペーサは、接着、クリンプ加工、または溶着することによるなど、直接付着によってシードに接続することができる。スペーサはシードの任意の部分に付着することができる。ロッドまたは円筒形のシードの場合、刺入を容易にするために、鎖が密封小線源治療用刺入針の胴内に挿入されるときに、端が相互に隣接するように、一般的にシードの端にスペーサを付着することが好ましい。一つの好適な実施形態では、スペーサおよびシードは、継目、溶接部、または接合部が見えないように、区別不能に連結される。別の実施形態では、スペーサは、識別および区分が容易にできるように、異なる色、質感、直径、硬度、または形状とすることができる。これは半透明の着色を含むことができる。さらに別の実施形態では、スペーサは、その長さに沿ったどこかの位置に、シード内に包含された放射線核種のような有効な治療物質を露出させることなく、シード/スペーサ鎖を安全に切断、分割、分断、またはその他の方法で分離することができる位置の標識として、欠刻するかまたは他の方法で印を付けることができる。
【0099】
別の実施形態では、鎖またはストランドを形成することのできるシードの連続配列を選好して、スペーサを省くことができる。これは、放射能および/または他の治療物質の所望の分散を達成するために離散シードを必ずしも必要としない、乳房のような器官に刺入するときに特に有利である。スペーサによる中断の無い連続シード配列は、刺入されたストランドが動きやすい器官または組織用の弾性高分子または他の可撓性担体を含む場合に、特に好適である。さらに別の実施形態では、スペーサは、臨床状況に応じて様々な長さの連続シード配列によって分離され、相互に様々な距離に配置することができる。臨床医の自由裁量に応じて、組織内で所望の効果を達成するために、二つ以上の連続シードおよび/またはスペーサ配列を、所定の列に沿って刺入することができる。
【0100】
しかし、スペーサを使用する場合、スペーサおよびシードは相互に物理的に付着する必要はない。むしろそれらは、管の内腔内に各々を配置することによって、相互に関連付けることもできる。管は、密封小線源治療用シード刺入装置に複数のスペーサおよびシードをいずれかの順序で装填するために使用することができる。例えば、密封小線源治療用シード刺入装置には、2個のシード毎にそれらの間に介在する、1個(または2個、3個、4個、5個、またはそれ以上)のスペーサを装填することができる。同様に、密封小線源治療用シード刺入装置には、2個のスペーサ毎にそれらの間に介在する、1個(または2個、3個、4個、5個、またはそれ以上)のシードを装填することができる。
VI.刺入の方法
密封小線源治療用シードは、従来の放射性の密封小線源治療用シードを組織内に刺入するための公知の方法を適応することによって、被験体(ヒト患者またはヒト以外の動物)の標的組織に刺入される。例えば密封小線源治療用シードは、一つまたはそれ以上の刺入針、ヘンシュケ、スコット、もしくはミックアプリケータ、またはロイヤル・マースデン金粒子銃を使用して、刺入することができる(H.J.ホッドら、British J.Radiology、pp.419−421、1952)。多くの適切な刺入装置が、例えば、米国特許第2,269,963号;第4,402,308号;第5,860,909号および第6,007,474号に記載されている。
【0101】
所定の標的組織を治療薬で治療する多くの適用例において、標的組織への過少または過剰投与を回避しながら、標的組織を治療薬で充分に飽和させることが望ましい(あるいは理想的でさえある)。これは、正確な個数のストランドを標的組織内の正確な位置に刺入することができるように、密封小線源治療用刺入装置を使用して、密封小線源治療用ストランドを標的組織内に刺入することによって達成される。実験条件下で(例えば動物モデルの組織を使用して)治療的に活性な物質の拡散速度を事前に計算することにより、適切な投与量を標的組織に送達することができる。密封小線源治療用刺入装置の使用により、組織内の任意の個数の様々な所望の位置にかつ/またはパターンで、密封小線源治療用ストランドを刺入することが可能になるので、この方法は、薬剤含浸マトリックスが単純に組織の表面に配置されあるいは外科的に切開された組織内に手動的に挿入される方法に比べて、有利である。
【0102】
一つの好適な使用方法において、ストランドは、切開術、カテーテルの縫合、気管開口術、またはしばしば不便または有痛性の金属製またはプラスチック製異物の患者体内への長時間挿入の必要性を無くし、密封小線源治療用針で穿刺部位を介して標的組織内に導入される。舌底の場合、ヘアピン針が引き出された後でストランドの装填が行なわれ、それによって発生する膨張の程度が制限され、おそらく患者の気管開口術の必要性が無くなる。乳癌を取り除くための乳腺腫瘍摘出術の場合、ストランドは、一時的イリジウム−192またはヨウ素−125金属シードストランドの場合と同様に、ただし後で回収するためにカテーテルまたは針もしくはストランドを皮膚に定着させる縫合およびボタン無しで、配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】円筒形の密封小線源治療用ストランドの略側面図。
【図2】中空管形の密封小線源治療用ストランドの略側面図。
【図3A】切断用の不活性スペーサが散在するストランドの略図。
【図3B】刺入後の移動または変位を防止するためのポップアップウィングを持つストランドの略図。
【図3C】放射線不透過性ストリップが全長に走るストランドの略図。
【図3D】十字型スタビライザを持つストランドの略図。
【図3E】例えばリング状に接合するのを容易にする雌雄端を持つストランドの略図。
【図3F】より小さいストランドに切断するか千切るための欠刻を持つストランドの略図。
【図3G】瘤のようなスタビライザを持つストランドの略図。
【図3H】編組ストランドの略図。
【図3I】結び合わされたストランドの略図。
【図4A】放射性シードが散在するストランドの斜視図。
【図4B】放射性シードが散在するストランドの断面図。
【図5A】乳頭(小円)の下の乳腺腫瘤滴出部位(大円)に隣接する乳房内への導入後のストランドの斜視図。
【図5B】今患者が直立した状態で乳房の形状に応従するストランドの斜視図。
【図5C】コイルとして配備されたストランドの斜視図。
【図5D】乳腺腫瘤滴出部位の周りにリングとして配備されたストランドの斜視図。
【図6】接着性を与えるために密封小線源治療用シードまたはストランドのコーティングとして使用される微細加工ポリイミドヘアの拡大図。
【図7A】複数の内部導管を持つ密封小線源治療用ストランドの横断面図。
【図7B】単一の内部導管を持つ密封小線源治療用ストランドの横断面図。
【図8A】ストランドの端に形状記憶高分子定着構造を備えた密封小線源治療用ストランドの展開後と展開前の略図。
【図8B】ストランドの長さに沿って散在する形状記憶高分子定着構造を備えた密封小線源治療用ストランドの展開前と展開後の略図。
【図9】ストランドを不規則な形状の組織内に支持するか中心に置くように配置された形状記憶高分子アンカを備えた密封小線源治療用ストランドの略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)非放射性核種造影マーカと、
(b)生体適合性担体と、
を含むシードを含み、
可撓性または弾性であり、かつ約2.7mm(10ゲージ)未満の内径を有する針の穴を通過するのに適したサイズおよび形状を有して成る、被験者体内に刺入するための密封小線源治療用ストランド。
【請求項2】
合成高分子から形成される、請求項1に記載のストランド。
【請求項3】
無機材料から形成される、請求項1に記載のストランド。
【請求項4】
タンパク質、ペプチド、多糖類、脂質、およびそれらの組合せから成る群から選択される天然材料から形成される、請求項1に記載のストランド。
【請求項5】
形状記憶材料から形成される、請求項1に記載のストランド。
【請求項6】
治療薬または診断薬をさらに含む、請求項1に記載のストランド。
【請求項7】
ストランドの長さ方向に沿って導管または孔隙をさらに含む、請求項1に記載のストランド。
【請求項8】
刺入後に前記導管または孔隙に治療薬または診断薬を充填する目的のために、針または他の導入器具を使用して外部アクセスを行なうための入口をさらに含む、請求項7に記載のストランド。
【請求項9】
放射性薬剤をさらに含む、請求項1に記載のストランド。
【請求項10】
前記造影マーカがX線、蛍光、赤外線、超音波、磁気検出、またはMRIによって検出可能である、請求項1に記載のストランド。
【請求項11】
サイズおよび形状が、約1.4mm(15ゲージ)未満の内径を有する針の穴を通過するのに適している、請求項1に記載のストランド。
【請求項12】
前記シードが約0.5mmから3mmの間の直径および4mmから500mmの長さを有する円筒形に形成される、請求項1に記載のストランド。
【請求項13】
前記ストランドが、約0.5mmから3mmの間の直径および1cmから50cmの間の長さのストランドとして一列に並べられあるいは形成されるシードを含む、請求項1に記載のストランド。
【請求項14】
前記担体が生物分解性である、請求項1に記載のストランド。
【請求項15】
強磁性ミクロスフェア、酸素、ヘモグロビン、合成ヘモグロビン様物質、および酸素潅流を増強するための薬剤から成る群から選択される物質をさらに含む、請求項1に記載のストランド。
【請求項16】
放射性薬剤をさらに含む、請求項1に記載のストランド。
【請求項17】
前記放射性薬剤を追跡する手段をさらに含む、請求項9に記載のストランド。
【請求項18】
放射線増感剤をさらに含む、請求項1に記載のストランド。
【請求項19】
前記造影マーカが、白金、イリジウム、レニウム、金、タンタル、ビスマス、インジウム、タングステン、銀、および放射線不透過性高分子から成る群から選択された物質を含む放射線不透過性マーカである、請求項1に記載のストランド。
【請求項20】
接着性を増強するために前記密封小線源治療用ストランドの外面を被覆するヘアをさらに含む、請求項1に記載のストランド。
【請求項21】
形状記憶高分子定着構造または電気活性高分子定着構造をさらに含む、請求項1に記載のストランド。
【請求項22】
前記無機材料が、シリコン、サンゴ、フラーレン、バイオセラミック、およびヒドロキシアパタイトから成る群から選択される、請求項3に記載のストランド。
【請求項23】
前記シードが無機材料と高分子との複合材料から成る、請求項1に記載のストランド。
【請求項24】
生体適合性の可撓性または弾性担体を非放射性造影剤と混合して、密封小線源治療用ストランド内のシードを形成することを含む、被験者体内に刺入するための密封小線源治療用ストランドを作成する方法。
【請求項25】
(a)非放射性核種造影マーカと、
(b)生体適合性担体と、
を含むシードを含む密封小線源治療用ストランドを刺入することを含み、
前記ストランドが可撓性または弾性であり、かつ約2.7mm(10ゲージ)未満の内径を有する針の穴を通過するのに適したサイズおよび形状を有して成る、治療的に活性な成分を被験者の標的組織に投与するための方法。
【請求項26】
前記標的組織が前立腺、乳房、および舌から成る群から選択される病変組織である、請求項25に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)非放射性核種造影マーカと、
(b)生体適合性担体と、
を含み、
弾性であり、かつ約2.7mm(10ゲージ)未満の内径を有する針の穴を通過するのに適したサイズおよび形状を有して成る、被験者体内に刺入するための密封小線源治療用ストランドまたはシード。
【請求項2】
合成高分子から形成される、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項3】
無機材料から形成される、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項4】
タンパク質、ペプチド、多糖類、脂質、およびそれらの組合せから成る群から選択される天然材料から形成される、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項5】
形状記憶材料から形成される、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項6】
治療薬、予防薬、または診断薬をさらに含む、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項7】
ストランドの長さ方向に沿って導管、空洞、または孔隙をさらに含む、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項8】
刺入後に前記導管、空洞、または孔隙に治療薬または診断薬を充填する目的のために、針または他の導入器具を使用して外部アクセスを行なうための入口をさらに含む、請求項7に記載のストランドまたはシード。
【請求項9】
放射性薬剤をさらに含む、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項10】
前記造影マーカがX線、蛍光、赤外線、超音波、磁気検出、またはMRIによって検出可能である、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項11】
サイズおよび形状が、約1.4mm(15ゲージ)未満の内径を有する針の穴を通過するのに適している、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項12】
前記ストランドまたはシードが約0.5mmから3mmの間の直径および4mmから500mmの長さを有する円筒形に形成される、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項13】
前記ストランドが、約0.5mmから3mmの間の直径および1cmから50cmの間の長さのストランドとして一列に並べられあるいは形成されるシードを含む、請求項1に記載のストランド。
【請求項14】
前記担体が生物分解性である、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項15】
強磁性ミクロスフェア、酸素、ヘモグロビン、合成ヘモグロビン様物質、および酸素潅流を増強するための薬剤から成る群から選択される物質をさらに含む、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項16】
シードをさらに含む、請求項1に記載のストランド。
【請求項17】
前記シードが非高分子または無機材料および高分子から成る群から選択される材料から形成される、請求項15に記載のストランド。
【請求項18】
前記放射性薬剤を追跡する手段をさらに含む、請求項9に記載のストランドまたはシード。
【請求項19】
放射線増感剤をさらに含む、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項20】
前記造影マーカが、白金、イリジウム、レニウム、金、タンタル、ビスマス、インジウム、タングステン、銀、および放射線不透過性高分子から成る群から選択された物質を含む放射線不透過性マーカである、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項21】
接着性を増強するために前記密封小線源治療用ストランドの外面を被覆するヘアをさらに含む、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項22】
高分子定着構造をさらに含む、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項23】
前記定着構造が形状記憶高分子定着構造または電気活性高分子定着構造である、請求項22に記載のストランドまたはシード。
【請求項24】
前記無機材料が、シリコン、サンゴ、フラーレン、バイオセラミック、およびヒドロキシアパタイトから成る群から選択される、請求項3に記載のストランドまたはシード。
【請求項25】
前記ストランドまたはシードが無機材料と高分子との複合材料から成る、請求項1に記載のストランドまたはシード。
【請求項26】
治療薬、予防薬、または診断薬を含む一つまたはそれ以上の領域、およびスペーサを含む一つまたはそれ以上の領域を備えた、請求項6に記載のストランドまたはシード。
【請求項27】
前記ストランドがメッシュまたは格子を形成する、請求項1に記載のストランド。
【請求項28】
生体適合性の弾性担体を非放射性造影剤と混合して、密封小線源治療用ストランドまたはシードを形成することを含む、被験者体内に刺入するための密封小線源治療用ストランドまたはシードを作成する方法。
【請求項29】
(a)非放射性核種造影マーカと、
(b)生体適合性担体と、
を含む密封小線源治療用ストランドまたはシードを刺入することを含み、
前記ストランドまたはシードが弾性であり、かつ約2.7mm(10ゲージ)未満の内径を有する針の穴を通過するのに適したサイズおよび形状を有して成る、治療的に活性な成分を被験者の標的組織に投与するための方法。
【請求項30】
前記標的組織が前立腺、乳房、および舌から成る群から選択される病変組織である、請求項30に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−500115(P2006−500115A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−538328(P2004−538328)
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/029673
【国際公開番号】WO2004/026111
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(505097147)マイクロスフエリツクス・エル・エル・シー (1)
【Fターム(参考)】