説明

寸法測定システム及び寸法測定装置

【課題】 煩雑な電源スイッチの操作を必要としない寸法測定装置の実現。
【解決手段】 寸法測定部33と、電源を供給するバッテリィ31とを有する寸法測定装置10と、寸法測定装置10がセットされるとバッテリィ31を充電する充電スタンド20とを備える寸法測定システムであって、寸法測定装置10は、充電スタンドにセットされた状態であるかを検出するセット状態検出回路34を備え、充電スタンドにセットされた状態である時には、バッテリィ31から寸法測定部33への電源の供給を自動的に停止し、充電スタンドにセットされていない状態である時には、バッテリィ31から寸法測定部33へ自動的に電源を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内径、外径または深さのような寸法を測定する寸法測定装置及び寸法測定システムに関し、特にバッテリィを内蔵し、バッテリィにより駆動される寸法測定装置及び寸法測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
加工装置や処理装置では、内径、外径または深さのような各部の寸法を測定する寸法測定装置が広く使用されており、特に近年は加工の高精度化に対応して寸法測定の高精度化が求められている。
【0003】
寸法測定装置は、接触式であれば測定用の触針(コンタクト)などを被測定物の測定部分に接触させ、非接触式であれば測定端子などを被測定物の測定部分付近に配置する必要がある。寸法測定装置は、オペレータが寸法測定装置を手で保持して上記の配置動作を行う場合も、移動装置に取り付けられた寸法測定装置が上記のように配置されるように操作する必要がある。
【0004】
従来の寸法測定装置は、コンタクトなどを含む寸法測定部と、寸法測定部の測定する測定値を表示するコラムとで構成され、寸法測定部とコラムはケーブルで接続されていた。寸法測定部で必要な電源はケーブルを介してコラムから供給され、寸法測定部で生成した測定信号はケーブルを介してコラムに送られて表示される。
【0005】
しかし、被測定物の測定部分にコンタクトなどを配置する場合、ケーブルが配置動作の邪魔になり、寸法測定値の操作性を低下させるという問題があった。そこで、寸法測定部にバッテリィと寸法測定値を表示する表示器を設け、単体で独立して使用できる寸法測定装置がある。この場合は、コラムは必要ない。この形の寸法測定装置には各種の変形例が可能であり、例えば、寸法測定部にバッテリィと無線通信装置を設け、測定信号は無線通信でコラムに送信する形式がある。この形式も、寸法測定部はケーブルを有さない。また、バッテリィも、乾電池を使用するものや、充電可能なバッテリィを使用するものがある。更に、充電可能なバッテリィも、充電時にはケーブルを接続するものや、充電スタンドにセットしてバッテリィの端子を充電スタンドに接触させて充電するものや、寸法測定装置を充電スタンドにセットすると、電磁誘導により非接触で充電されるものなどがある。以下、内径を測定する寸法測定装置であるハンドゲージを例として説明を行うが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0006】
図1は、シリンダの内径を測定する内径測定装置システムの従来例の構成を示す図である。このシステムは、ハンドゲージ10と、充電スタンド20の2つの部分で構成される。ハンドゲージ10は、触針(コンタクト)11が設けられ、被測定部分である穴に挿入される先端部12と、手で保持するためのグリップ13と、操作部15を有するベース部14とを有する。ベース部14には、ハンドゲージ10の電源をオン/オフするためのスイッチの操作つまみ16が設けられている。操作部15は、表示を行うLCD表示器と、操作キー17と、表示用LEDなどが設けられている。このように、ハンドゲージは、表示手段及び操作のためのキーを有しているので、独立で使用可能である。
【0007】
一方、充電スタンド20は、電磁誘導式の充電器を収容した充電部21と、セットされたハンドゲージ10を保持するための爪部材22と、ハンドゲージ10のグリップ13と先端部12の間の部分が載置される載置台23と、ベース24と、充電部21及び載置台23を支持するアーム25とで構成される。
【0008】
測定を行う時には、図1の(A)のように、充電スタンド20からハンドゲージ10を取り外し、手で保持して測定を行う。測定が終了したら、図1の(B)のように、ハンドゲージ10を充電スタンド20にセットする。
【0009】
図2は、図1の従来の内径測定装置システムの電源構成を説明する図である。図示のように、ハンドゲージ10は、電磁誘導充電式バッテリィ31と、本体部33と、電磁誘導充電式バッテリィ31から本体部33への電源供給ラインに設けられたスイッチ32と、スイッチ32の操作つまみ16とを有する。充電スタンド20の充電部21内には電磁誘導式充電器41が設けられている。電磁誘導式充電器41は、プラグ42により電灯線に接続されて動作する。
【0010】
ハンドゲージ10を充電するかまたは使用が終了した時には、操作つまみ16を操作してスイッチ32を遮断状態に(パワーオフ)した上で、ハンドゲージ10を充電スタンド20にセットする。これに応じて、電磁誘導式充電器41から電磁誘導充電式バッテリィ31への充電が行われる。電磁誘導充電式バッテリィ31の充電状態がフル状態になると、充電は自動的に停止する。
【0011】
ハンドゲージ10を使用する時には、充電スタンド20からハンドゲージ10を取り外し、操作つまみ16を操作してスイッチ32を導通状態に(パワーオン)する。そして、寸法が既知のマスタと呼ばれる基準サンプルを測定して測定値の校正を行うことにより、使用可能状態になる。マスタには、基準寸法値を有するゼロマスタと、測定範囲の限界に近い寸法値を有する限界マスタがある。電源オフ状態が長時間続いた時には、ゼロマスタと限界マスタの両方を測定して、測定信号のオフセットとゲインの両方を補正する。電源オフ状態が短時間の時や、使用途中でマスタ確認を行う時には、ゼロマスタのみを測定して測定信号のオフセットのみを補正するのが一般的である。なお、前に測定したマスタの値は、図3の書換可能不揮発性メモリ44に記憶されており、たとえ電源を切った場合でも、前に測定したマスタの値が保持されている。新しくマスタの測定を行った時には、前のマスタの測定値と比較し、2つの測定値が大きく異なっている時には、何らかの異常が発生したと判定する。ここでは、マスタを測定して補正を行う動作をマスタ動作と称する。
【0012】
なお、精密な寸法測定装置には、パワーオンしても、直ぐには高精度での測定はできず、測定回路などが安定するまでパワーオンからある程度の時間を必要とするものがある。このような寸法測定装置を使用する場合には、パワーオン後、所定の待機時間が経過してから、上記のようなマスタ校正動作を行ってから使用する。
【0013】
【特許文献1】特開平4−64011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記のように、寸法測定装置にバッテリィを内蔵することにより、ケーブルが不要になるので使い勝手が向上する。しかし、バッテリィ内蔵の寸法測定装置がパワーオンしている状態では、バッテリィに蓄積された電力が消耗されるので、使用できる時間は制限される。そこで、使用しない時にはパワーオフして電力の消耗を防止する必要がある。また、バッテリィに蓄積された電力が減少した時には、充電スタンドに寸法測定装置(ハンドゲージ)をセットして、バッテリィを充電する。充電スタンドに寸法測定装置をセットして充電している時には、寸法測定装置は使用しないので、上記のようにパワーオフすることが望ましい。
【0015】
しかし、電源スイッチの操作つまみを頻繁に操作するのは煩雑であり、オペレータがそのような操作を忘れてバッテリィが消耗してしまうという事態が頻繁に生じる。寸法測定装置を使用する時に、バッテリィが消耗していることに気付くと、充電が完了するまで使用できず、作業能率が低下するという問題を生じる。
【0016】
また、充電スタンドに寸法測定装置をセットする時に寸法測定装置をパワーオフするのを忘れても充電は行えるが、寸法測定装置を使用しない状態でパワーオンしているため、無駄な電力が消費されると共に、充電時間が長くなるという問題を生じる。
【0017】
このように、バッテリィ内蔵の寸法測定装置を使用しない時にはパワーオフすることが望ましいが、上記のように、パワーオンしても、直ぐには高精度での測定はできず、測定回路などが安定するまでパワーオンからある程度の待機時間を必要とするものがある。寸法測定装置を使用する場合、パワーオンして直ぐに使用できること、言い換えれば寸法測定装置の起動特性の改善が求められている。そこで、待機時間をなくすために常時パワーオンしておくことも考えられるが、それでは無駄な電力が消費されるので、好ましくない。このように、消費電力、特にバッテリィの電力の低減と待機時間の短縮の両方の要求を満たす寸法測定装置が求められている。
【0018】
更に、寸法測定装置のパワーオンから待機時間経過後、マスタ動作が完了して初めて使用できる状態になる。マスタ動作に要する時間も短縮することが求められている。
【0019】
本発明は、上記のような問題を解決するもので、第1の目的は、煩雑な電源スイッチの操作を必要としない寸法測定装置を実現することであり、第2の目的は、電源スイッチの操作を忘れて使用しない状態で放置されるのを防止できる寸法測定装置を実現することであり、第3の目的は、起動特性を改善して直ぐに使用できる寸法測定装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記第1の目的を実現するため、本発明の第1の態様の寸法測定装置システムは、充電式のバッテリィを内蔵する寸法測定装置と充電スタンドとを備える寸法測定システムにおいて、寸法測定装置が充電スタンドにセットされた状態であるかを検出するセット状態検出回路を寸法測定装置に設け、寸法測定装置が充電スタンドにセットされた状態の時には、バッテリィから寸法測定部への電源の供給を自動的に停止するかまたは寸法測定装置を低消費電力モードとし、寸法測定装置が充電スタンドにセットされていない時には、バッテリィから寸法測定部へ自動的に電源を供給するかまたは寸法測定装置を通常測定モードとする。
【0021】
本発明の第1の態様の寸法測定装置システムは、充電式のバッテリィを内蔵する寸法測定装置が充電スタンドにセットされているかいないかを検出して、バッテリィから寸法測定部への電源の供給または寸法測定装置の動作モードを自動的に制御するので、煩雑な電源スイッチの操作が不要となる。
【0022】
第1の態様の寸法測定装置システムは、従来の外部からの操作可能な電源スイッチを併用することも可能であり、電源スイッチがオンの状態で、上記のような電源供給または動作モードの自動制御を行うようにしてもよい。
【0023】
寸法測定器が充電スタンドにセットされた状態であることを検出する方法は各種可能であるが、例えば、バッテリィが充電スタンドにより充電されていることを検出することにより行う。
【0024】
また、バッテリィの充電スタンドによる充電は、電磁誘導により非接触で行うことも、バッテリィの端子を充電スタンドの端子に接触させることにより行うこともできる。
【0025】
上記第2の目的を実現するため、本発明の第2の態様の寸法測定装置は、バッテリィを内蔵する寸法測定装置において、寸法測定値が所定時間以上変化しない時に、警告を出力する。
第2の態様の2法測定装置は、各種操作を行うキー入力が所定時間以上ない時に、警告を出力するようにしてもよい。
第2の態様の寸法測定装置は、寸法測定値が所定時間以上変化せず、各種操作を行うキー入力も所定時間以上ない時に、警告を出力するようにしてもよい。
第2の態様の寸法測定装置は、寸法測定値が所定時間以上変化しない時に、電源を切断する。
第2の態様の寸法測定装置は、各種操作を行うキー入力が所定時間以上ない時に、電源を切断するようにしてもよい。
第2の態様の寸法測定装置は、寸法測定値が所定時間以上変化せず、各種操作を行うキー入力も所定時間以上ない時に、電源を切断するようにしてもよい。
【0026】
寸法測定値が使用されない時には、例えば、寸法測定値は一方の限界値に固定され変化しない。したがって、寸法測定値が変化しない時には、寸法測定装置は使用されていないと考えられる。本発明の第2の態様の寸法測定装置によれば、寸法測定値が所定時間以上変化しない時に警告を出力してオペレータに注意を喚起するので、パワーオンの状態で長時間使用せずにバッテリィの電力が消費されるのを防止できる。
さらに、寸法測定値の変化とオペレータによるキー入力の両方を判断することにより、より確実に寸法測定装置は使用されていないと考えられる。
本発明の第2の態様の寸法測定装置によれば、寸法測定値が所定時間以上変化しない時や、各種操作を行うキー入力が所定時間以上変化しない時に、警告を出力してオペレータに注意を喚起したり、電源を自動的に切断するので、パワーオンの状態で長時間使用せずにバッテリーの電力が消費されるのを防止できる。
【0027】
上記第3の目的を実現するには、2つの方法が考えられ、第1の方法は、起動時間を短縮する方法であり、第2の方法はマスタ動作に要する時間を短出する方法である。
【0028】
本発明の第3の態様の寸法測定装置は、第1の方法を行うもので、バッテリィを内蔵する寸法測定装置において、低消費電力モードにおいて、カレンダ機能を有する制御部にはバッテリィから電源を供給するが、寸法測定部などの他の部分には電源を供給しないようにし、カレンダがあらかじめ設定した日時になると、低消費電力モードから、測定部に電源を供給する状態に自動的に変化し、直ぐに測定可能な状態になる。
【0029】
本発明の第3の態様の寸法測定装置は、例えば、始業の前の所定時間に低消費電力モードから測定部に電源を供給する状態に自動的に変化するようにカレンダを設定すれば、始業と同時に寸法測定装置が使用できる状態になり、待機時間をなくすことができる。
【0030】
測定部に電源を供給する状態は、例えば、寸法測定部で正確な測定のために平衡状態であることが必要な部分にのみ電源供給を行う状態である。
【0031】
本発明の第4の態様の寸法測定装置は、第2の方法を行うもので、充電式のバッテリィを有する寸法測定装置と、充電器及びマスタとを有する充電スタンドとを備え、寸法測定装置は、マスタを測定する状態で充電スタンドにセットされる寸法測定システムにおいて、充電スタンドにセットされた状態であるかを検出するセット状態検出回路を寸法測定装置に設け、寸法測定装置が充電スタンドにセットされた時には、測定値をマスタ測定値とするマスタ設定処理を自動的に行う。
【0032】
本発明の第4の態様の寸法測定装置は、寸法測定装置が充電スタンドにセットされている状態で自動的にマスタ動作が行われるので、使用する時にマスタ動作を行わずに直ちに測定動作を開始できる。
【0033】
第4の態様の寸法測定装置は、前にマスタ設定処理を行った時のマスタ測定値を記憶するメモリを備え、寸法測定装置が充電スタンドにセットされたことを検出した時の測定値と、メモリに記憶されているマスタ測定値との差が所定値以下の時のみ、測定値を新たなマスタ測定値とするマスタ設定処理を行う。これにより、充電スタンドにマスタが設けられていない場合など、マスタ処理を行うことが望ましくない状態で誤ってマスタ処理を行うことを防止できる。
【0034】
マスタ設定処理は、寸法測定装置が充電スタンドにセットされている間、周期的に行われることが望ましい。
【発明の効果】
【0035】
本発明の第1の態様によれば、充電式のバッテリィを有する寸法測定装置を充電スタンドにセットしたり取り外すと、煩雑な電源スイッチの操作をしないでも、自動的に電源スイッチが制御されるかまたは寸法測定装置のモードが切り替わるので、操作性が向上する。
【0036】
本発明の第2の態様によれば、電源スイッチの操作を忘れて使用しない状態で寸法測定装置が放置されるのを防止できる。
【0037】
本発明の第3の態様によれば、バッテリィ内蔵の寸法測定装置の使用開始時間があらかじめ分かっている場合に、使用開始時間の前から測定部を平衡状態にするのに必要な通電が行われるので、待機時間をなくして、使用開始時間から直ぐに使用できる。
【0038】
本発明の第4の態様によれば、充電式のバッテリィを有する寸法測定装置を充電スタンドにセットしている状態でマスタ処理が行われるので、寸法測定装置を充電スタンドから取り外すと直ぐに測定が行える状態になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図3は、本発明の第1実施例のハンドゲージの電源構成を示す図であり、第1実施例のハンドゲージは図1の内径測定用のハンドゲージ10に対応し、充電スタンド20にセットして充電される。
【0040】
図2と比較して明らかなように、ハンドゲージ10に、電磁誘導充電式バッテリィ31が充電状態にあるか、すなわち、充電スタンド20の充電部21内に設けられた電磁誘導式充電器41から充電のための電磁波を受けているかを検出する充電状態検出回路34を設け、充電状態検出回路34の検出した状態に応じて、電磁誘導充電式バッテリィ31から本体部33への電源供給線に設けられた電源スイッチ32を制御する点が、図2の従来例と異なる。この構成により、ハンドゲージ10を充電スタンド20にセットすると、電源スイッチ32が自動的に遮断状態になり、電磁誘導充電式バッテリィ31から本体部33への電源供給が停止される。また、ハンドゲージ10を充電スタンド20から取り外すと、電源スイッチ32が自動的に導通状態になり、電磁誘導充電式バッテリィ31から本体部33への電源供給が行われる。これにより、ハンドゲージ10を充電スタンド20にセットするかまたは取り外す場合に、従来必要であった電源スイッチ32の操作つまみ16を操作する必要がなくなり、操作性が向上する。
【0041】
第1実施例では、従来設けられていた電源スイッチ32の操作つまみ16が除かれているが、電源スイッチ32の操作つまみ16を設け、操作つまみ16が電源スイッチ32を導通状態にするように操作されている時に、上記の充電状態検出回路34の検出した状態に応じた電源スイッチ32の制御が行われるようにし、操作つまみ16が電源スイッチ32を遮断状態にするように操作されている時には、充電状態検出回路34の検出した状態にかかわらず電源スイッチ32を遮断状態にしてもよい。
【0042】
更に、第1実施例では、充電状態検出回路34は、電磁誘導充電式バッテリィ31が充電状態にあるか、すなわち、電磁誘導充電式バッテリィ31が電磁誘導式充電器41から充電のための電磁波を受けているかを検出してハンドゲージ10が充電スタンド20にセットされていると判定したが、他の方法で判定することも可能である。例えば、ハンドゲージ10に接触スイッチを設け、ハンドゲージ10を充電スタンド20にセットすると接触スイッチが動作して、セットされたことが検出できるようにする。
【0043】
更に、第1実施例では、電磁誘導充電式バッテリィ31は、電磁誘導式充電器41により電磁誘導で非接触で充電されたが、図4に示すように、ハンドゲージ10のベース部14に、充電式バッテリィ31の充電用の端子35を設け、充電スタンド20の充電部21に充電器の充電用の端子43を設け、ハンドゲージ10を充電スタンド20にセットする端子35が端子43に接触するようにしてもよい。
【0044】
図5は、本発明の第2実施例のハンドゲージの電源構成を示す図であり、第1実施例のハンドゲージとは本体部の構成が異なり、他の部分は同じである。
【0045】
図示のように、第2実施例のハンドゲージは、電磁誘導充電式バッテリィ31と、充電状態検出回路34と、制御部36と、測定本体部37とを有する。制御部36と測定本体部37が、第1実施例の本体部33に相当する。測定本体部37は、寸法測定値を生成する測定部や、測定値を表示する表示器、操作のための入力キーなどで構成される。制御部36は、マイクロコンピュータとスイッチなどで構成され、測定本体部37への電源供給を含めて測定本体部37の制御を行う。更に、制御部36は、充電状態検出回路34からの信号を受け付ける機能など以外は動作を行わない低消費電力モードを有する。
【0046】
図6は、第2実施例のハンドゲージの動作を説明するフローチャートである。充電状態検出回路34は、ハンドゲージ10が充電スタンド20にセットされたことを検出すると、制御部36にセット信号を出力し、ハンドゲージ10が充電スタンド20から取り外されたことを検出すると、制御部36にアウト信号を出力する。測定モード100の状態で、制御部36が充電状態検出回路34からセット信号を受けると、設定条件やマスタ測定値などをメモリに記憶する退避処理101を行った後、充電モード102に移行する。設定条件やマスタ測定値などは、RAMに記憶してもよいが、E2PROMやフラッシュメモリのような書き換え可能な不揮発性メモリに記憶してもよい。充電モード102では、測定本体部37への電源供給を停止すると共に、制御部36自体が低消費電力モードに切り換わる。充電モード102で、制御部36が充電状態検出回路34からアウト信号を受けると、メモリに記憶された設定条件やマスタ測定値などを読み出して設定する起動処理103を行って測定モード100になる。測定モード100では、制御部36自体が通常動作モードに切り変わると共に、測定本体部37への電源供給を再開する。第2実施例では、電源を供給するか停止するかと、動作モードを低消費電力モードと通常測定モードの間で切り換えるかの差があるが、第1実施例と同様の効果が得られる。
【0047】
次に、本発明の第3実施例のハンドゲージを説明する。第3実施例のハンドゲージは、バッテリィ内蔵型であれば、乾電池式でも、充電式でもよい。他の部分は、図1の(A)に示したハンドゲージ10と類似の構成を有する。
【0048】
図7は、本発明の第3実施例のハンドゲージにおける処理を示すフローチャートである。第3実施例のハンドゲージは、パワースイッチをオンにしたり、第1及び第2実施例と同様に、充電器から取り外すことにより、起動処理200を行う。起動処理200の後、測定値を読み取り(ステップ201)、前の測定値との差を算出し(ステップ202)、、測定値を記憶し(ステップ203)、測定値を表示する(ステップ204)。以上の動作は、ステップ202の前の測定値との差を算出する点を除けば、従来の動作と同じである。
【0049】
第3実施例のハンドゲージでは、ステップ205で、ステップ202で算出した前の測定値との差が閾値Mより大きいかを判定する。ステップ205は測定値が変化しているかを判定する処理であり、閾値Mは非常に小さい値であり、例えば、アナログ信号をデジタル化する時の量子化誤差に相当する値である。ステップ205で、差が閾値Mより大きいと判定された時、すなわち、測定値が変化していると判定された時には、ステップ206に進んでSタイマをリセットした後、ステップ201に戻る。ステップ205で、差が閾値Mより小さいと判定された時、すなわち、測定値が変化していないと判定された時には、ステップ207に進んでSタイマが所定時間Tより大きいかを判定する。Sタイマが所定時間Tより小さければ、測定値が変化しない状態は所定時間T続いていないので、ステップ209の通常処理を行ってステップ201に戻る。Sタイマが所定時間Tより大きければ、測定値が変化しない状態が所定時間T以上続いているので、ハンドゲージは使用されていないのにパワーオンされていると判定して、ステップ208でパワーオンの状態であることを警告する。警告は、表示を点滅させる形や、警報音を発生する形で行う。
【0050】
警告を受けたオペレータは、パワーオンの状態であることを認識して、ハンドゲージを使用しないのであればパワーオフし、使用するのであればパワーオンのままにする。この時、オペレータが何らかの操作を行えば、Sタイマがリセットされるようにする。
【0051】
次に、本発明の第4実施例のハンドゲージを説明する。第4実施例のハンドゲージは、バッテリィ内蔵型であれば、乾電池式でも、充電式でもよい。他の部分は、図1の(A)に示したハンドゲージ10と類似の構成を有する。
【0052】
図8は、第3実施例の変形例における処理を示すフローチャートである。この変形例の処理では、起動後、オペレータのキー入力を監視(ステップ210)し、操作キー17が入力された場合は、Sタイマのリセット(ステップ206)を行い、ステップ207に戻る。ステップ207では、Sタイマが所定時間Tより小さければ、通常処理(209)を行い、ステップ210に戻る。Sタイマが所定時間Tより大きければ、キー入力が所定時間T以上ないことになるので、ハンドゲージは使用されていないのにパワーオンされていると判定してステップ208でパワーオンの状態であることを警告する。警告は、表示を点滅させる方法や、警告音を発生する形で行う。
【0053】
図9は、第3実施例の変形例における処理を示すフローチャートである。この変形例の処理は、ステップ200から206までは、第3の実施例と同じであり、それ以降は図8のフローチャートと同様にステップ210でキー入力を監視し、操作キー17が入力された場合は、Sタイマのリセット(ステップ206)を行い、ステップ210に戻る点が異なる。キー入力された場合と、測定値の差が閾値Mより大きいと判断された時、Sタイマのリセット(ステップ206)が行われるので、Sタイマが所定時間Tより大きい場合は、キー入力がなく、測定値の差も変化していないため、ハンドゲージは使用されていないのにパワーオンされていると判定してステップ208でパワーオンの状態であることを警告する。警告は、表示を点滅させる方法や、警告音を発生する形で行う。Sタイマが所定時間Tより小さい場合は、通常処理(209)を行い、ステップ210に戻る。
【0054】
図10は、第3実施例の変形例における処理を示すフローチャートである。この変形例の処理は、第3実施例のハンドゲージのフローチャート処理において、208のアラーム動作の代わりに220の終了処理と221の電源OFFにする点を除けば、同じである。
【0055】
図11は、第3実施例の変形例における処理を示すフローチャートである。この変形例の処理は、第3実施例のハンドゲージのフローチャート処理において、208のアラーム動作の代わりに220の終了処理と221の電源OFFにする点を除けば、同じである。
【0056】
図12は、第3実施例の変形例における処理を示すフローチャートである。この変形例の処理は、第3実施例のハンドゲージのフローチャート処理において、208のアラーム動作の代わりに220の終了処理と221の電源OFFにする点を除けば、同じである。
【0057】
図13は、本発明の第4実施例のハンドゲージにおける処理を示すフローチャートである。第4実施例のハンドゲージは、パワーオンから正確な測定が行える状態になるまでにある程度の時間を要する寸法測定装置である。一般に、寸法測定装置は、パワーオンすると検出回路に電流が流れ、それに応じて発熱する。正確な測定を行うには熱的に平衡状態になる必要があり、パワーオンしてから正確な測定が行えるまで時間が必要である。この時間をここでは安定化時間と称する。これに対して、表示器などはパワーオン後直ぐに表示可能になる。そのため、始業時にハンドゲージをパワーオンしても、実際に使用可能になるのは、安定化時間経過後であり、それまでの間測定が行えない。始業前にハンドゲージをパワーオンする作業は煩雑であり行えないが、始業時から直ちにハンドゲージを使用することが望まれている。第4実施例のハンドゲージはこのような要望を実現する。
【0058】
第4実施例のハンドゲージは、バッテリィ内蔵型であれば、乾電池式でも、充電式でもよい。他の部分は、図5に示した第2実施例のハンドゲージと類似の構成を有する。すなわち、本体部は制御部と測定本体部で構成される。第4実施例のハンドゲージは、パワースイッチをオフにしたり、第2実施例と同様に、充電スタンドにセットすることにより、退避処理300を行う。退避処理300の後、ステップ301でカレンダを指定した後、ステップ302で低消費電力モードに移行する。カレンダは、使用開始の日時から安定化時間だけ前の日時に設定する。制御部は、低消費電力モードでもカレンダ機能を動作させ、カレンダが設定された日時になると、ステップ303で、プレ動作モードに移行する。プレ動作モードでは、測定本体部のうち、寸法測定部を熱的に平衡状態にするのに必要な部分にのみ電源供給を行う。そして、パワースイッチをオンにしたり、充電スタンドから取り外すことにより起動信号が発生し、ステップ304で、起動処理を行う。すでにプレ動作モードが安定化時間だけ続いているので、ハンドゲージは直ぐに測定が行える状態である。
【0059】
図14は、本発明の第5実施例の内径測定装置システムの構成を示す図である。図1と比較して明らかなように、第5実施例の内径測定装置システムは、充電スタンド20に、ハンドゲージ10を校正するためのマスタ26が設けられている点が従来例と異なる。マスタ26は、レール28に沿って移動可能な移動台27に載置されている。
【0060】
図15は、第5実施例の内径測定装置システムの充電スタンド20の構成を示す図であり、図16は、ハンドゲージ10の先端部12をマスタ26の穴に挿入しながらハンドゲージ10を充電スタンド20にセットする動作を示す図である。なお、このマスタ26は、測定の基準値を設定するゼロマスタであり、限界マスタによるゲイン補正は、ハンドゲージ10のパワーオン時にのみ行われ、ゼロマスタによるオフセット補正が随時行われる。
【0061】
図16の(A)に示すように、移動台27をアーム35と反対側に位置に移動させた上で、マスタ26の穴にハンドゲージ10の先端部12を挿入する。そして、図16の(B)に示すように、移動台27をスライドさせてハンドゲージ10を充電部21に向けて移動させ、図16の(C)に示すように、ベース部14を充電部21に接触させる。この時、爪部材22がベース部14の溝(図示せず)に嵌り、ベース部14を充電部21に固定する。この状態では、図5に示すように、ハンドゲージ10の電磁誘導充電式バッテリィ31が充電部21の電磁誘導式充電器41により充電される状態になり、充電状態検出回路34が充電状態であるかないかを検出する。
【0062】
図17は、第5実施例のハンドゲージ10が充電スタンド20にセットされている時の動作を示すフローチャートである。ハンドゲージ10が充電スタンド20にセットされたことを検出すると(ステップ400)、ステップ401で、測定値を読み取る。この時の測定値は、ハンドゲージ10の先端部12がマスタ26の穴に挿入されているので、マスタ値である。ステップ402で、検出したマスタ値と、メモリに記憶してある前のマスタ値の差を算出し、ステップ403で、差が閾値Pより小さいかを判定する。小さければ、正しいマスタに正しくセットされて測定が行われたと考えられるので、ステップ404で、新たに検出したマスタ値でマスタセットを行う。具体的には、新たに検出したマスタ値でオフセットを補正する。次に、ステップ405で新たに検出したマスタ値をマスタ値として記憶し、ステップ406に進む。ステップ403で、差が閾値Pより大きいと判定された時には、ステップ403を行わず、ステップ406に進む。
【0063】
ステップ406では、タイマ処理を行う。タイマ処理により所定時間が経過すると、ステップ401に戻る。したがって、上記のマスタ動作は、タイマ処理の時間で周期的に行われる。これにより、ハンドゲージ10を充電スタンド20に長時間セットした状態であっても、最新の状態でマスタ動作が行われることになる。
【0064】
ステップ403で、差が閾値Pより大きいと判定された時は、正しいマスタに正しくセットされて測定が行われなかったと考えられるので、検出した測定値でのマスタ動作を行わない。また、たまたまステップ401を開始する直前に、ハンドゲージ10を充電スタンド20から取り外すためにオペレータがハンドゲージ10に接触する場合があり得る。この場合、充電状態検出回路34は、まだ充電状態と判断するので、ステップ401以降の動作が行われることになるが、オペレータがハンドゲージ10を取り外そうとしているため、ハンドゲージはマスタに正しくセットされた状態でなくなっている。そのため、このマスタ値でマスタ動作を行うと誤った補正が行われることになるが、第5実施例の処理であれば、このような問題が防止できる。
【0065】
図18の(A)は、内径測定装置システムの充電スタンド20の変形例を示す図であり、図18の(B)及び図19の(A)及び(B)は、変形例において、ハンドゲージ10の先端部12をマスタ61の穴に挿入しながらハンドゲージ10を充電スタンド20にセットする動作を示す図である。
【0066】
図18の(A)に示すように、充電スタンド20は、回転可能な回転台62に設けられたマスタ61を有する。図18の(B)に示すように、回転台62を傾けた上で、マスタ61の穴にハンドゲージ10の先端部12を挿入する。そして、図19の(A)に示すように、回転台62が回転するようにハンドゲージ10を充電部21に向けて回転させ、図19の(B)に示すように、ベース部14を充電部21に接触させる。他は、第5実施例と同じである。
【0067】
以上本発明の実施例を説明したが、各種の変形例が可能であり、例えば、各実施例の特徴部分を組み合わせることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上説明したように、本発明によれば、寸法測定装置の使い勝手が向上し、寸法測定作業の作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】従来の寸法測定システムの全体構成を示す図である。
【図2】従来のハンドゲージの電源構成を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例のハンドゲージの電源構成を示す図である。
【図4】充電方式の変形例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例のハンドゲージの電源構成を示す図である。
【図6】第2実施例のハンドゲージの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施例のハンドゲージの動作を示すフローチャートである。
【図8】第3実施例の変形例における処理を示すフローチャートである。
【図9】第3実施例の変形例における処理を示すフローチャートである。
【図10】第3実施例の変形例における処理を示すフローチャートである。
【図11】第3実施例の変形例における処理を示すフローチャートである。
【図12】第3実施例の変形例における処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第4実施例のハンドゲージの動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第5実施例の寸法測定システムの全体構成を示す図である。
【図15】第5実施例の充電スタンドの構成を示す図である。
【図16】第5実施例におけるハンドゲージの充電スタンドへのセット動作を説明する図である。
【図17】第5実施例のハンドゲージの動作を示すフローチャートである。
【図18】第5実施例の充電スタンドの変形例を示す図である。
【図19】変形例におけるハンドゲージの充電スタンドへのセット動作を説明する図である。
【符号の説明】
【0070】
10 寸法測定装置(ハンドゲージ)
11 触針(コンタクト)
12 先端部
14 ベース部
17 操作キー
20 充電スタンド
21 充電部
31 電磁誘導充電式バッテリィ
32 電源スイッチ
33 本体部
34 充電状態検出回路
41 電磁誘導式充電器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
寸法測定部と、該寸法測定部を動作させる電源を供給するバッテリィとを有する寸法測定装置と、
前記寸法測定装置がセットされると前記バッテリィを充電する充電スタンドとを備える寸法測定システムであって、
前記寸法測定装置は、前記充電スタンドにセットされた状態であるかを検出するセット状態検出回路を備え、
前記セット状態検出回路が、前記寸法測定装置が前記充電スタンドにセットされた状態であることを検出した時には、前記バッテリィから前記寸法測定部への電源の供給を自動的に停止し、前記寸法測定装置が前記充電スタンドにセットされていない状態であることを検出した時には、前記バッテリィから前記寸法測定部へ自動的に電源を供給することを特徴とする寸法測定システム。
【請求項2】
寸法測定部と、該寸法測定部を動作させる電源を供給するバッテリィとを有する寸法測定装置と、
前記寸法測定装置がセットされると前記バッテリィを充電する充電スタンドとを備える寸法測定システムであって、
前記寸法測定装置は、前記充電スタンドにセットされた状態であるかを検出するセット状態検出回路を備え、
前記セット状態検出回路が、前記寸法測定装置が前記充電スタンドにセットされた状態であることを検出した時には、前記寸法測定部は低消費電力モードになり、前記寸法測定装置が前記充電スタンドにセットされていない状態であることを検出した時には、前記寸法測定部は通常動作モードになることを特徴とする寸法測定システム。
【請求項3】
前記セット状態検出回路は、前記バッテリィが前記充電スタンドにより充電されていることを検出することにより、前記寸法測定器が前記充電スタンドにセットされた状態であることを検出する請求項1または2に記載の寸法測定システム。
【請求項4】
前記バッテリィの前記充電スタンドによる充電は、電磁誘導により非接触で行われる請求項1から3のいずれか1項に記載の寸法測定システム。
【請求項5】
前記バッテリィの前記充電スタンドによる充電は、前記バッテリィの端子を前記充電スタンドの端子に接触させることにより行われる請求項1から3のいずれか1項に記載の寸法測定システム。
【請求項6】
寸法測定部と、該寸法測定部を動作させる電源を供給するバッテリィとを有する寸法測定装置であって、
前記寸法測定部の検出する寸法測定値が、所定時間以上変化しない時に、警告を出力する警告手段を備えることを特徴とする寸法測定装置。
【請求項7】
寸法測定部と、該寸法測定部を動作させる電源を供給するバッテリィと各種操作を行うキー入力手段を有する寸法測定装置であって、
前記キー入力手段による操作が、所定時間以上行われなかった時に、警告を出力する警告手段を備えることを特徴とする寸法測定装置。
【請求項8】
寸法測定部と、該寸法測定部を動作させる電源を供給するバッテリィと各種操作を行うキー入力手段を有する寸法測定装置であって、
前記寸法測定部の検出する寸法測定値が、所定時間以上変化せず、前記キー入力手段による操作も、所定時間以上行われなかった時に、警告を出力する警告手段を備えることを特徴とする寸法測定装置。
【請求項9】
寸法測定部と、該寸法測定部を動作させる電源を供給するバッテリィとを有する寸法測定装置であって、
前記寸法測定部の検出する寸法測定値が、所定時間以上変化しない時に、電源を切断する手段を備えることを特徴とする寸法測定装置。
【請求項10】
寸法測定部と、該寸法測定部を動作させる電源を供給するバッテリィと各種操作を行うキー入力手段を有する寸法測定装置であって、
前記キー入力手段による操作が、所定時間以上行われなかった時に、電源を切断する手段を備えることを特徴とする寸法測定装置。
【請求項11】
寸法測定部と、該寸法測定部を動作させる電源を供給するバッテリィと各種操作を行うキー入力手段を有する寸法測定装置であって、
前記寸法測定部の検出する寸法測定値が、所定時間以上変化せず、前記キー入力手段による操作も、所定時間以上行われなかった時に、電源を切断する手段を備えることを特徴とする寸法測定装置。
【請求項12】
寸法測定部と、該寸法測定部を制御する制御部と、前記寸法測定部及び前記制御部を動作させる電源を供給するバッテリィとを有する寸法測定装置であって、
前記制御部は、前記バッテリィから前記寸法測定部に電源を供給しない低消費電力モード時にもカレンダ機能を動作させ、あらかじめ設定された時刻になると、前記バッテリィから前記寸法測定部への電源供給を開始するように制御することを特徴とする寸法測定装置。
【請求項13】
前記あらかじめ設定された時刻になった時、前記寸法測定部で正確な測定のために平衡状態であることが必要な部分にのみ電源供給を行う請求項12に記載の寸法測定装置。
【請求項14】
寸法測定部と、該寸法測定部を動作させる電源を供給するバッテリィとを有する寸法測定装置と、
前記寸法測定装置がセットされると前記バッテリィを充電する充電器と、前記寸法測定装置を校正するためのマスタとを有する充電スタンドとを備え、
前記寸法測定装置は、前記マスタを測定する状態で前記充電スタンドにセットされる寸法測定システムであって、
前記寸法測定装置は、前記充電スタンドにセットされた状態であるかを検出するセット状態検出回路を備え、
前記セット状態検出回路が、前記寸法測定装置が前記充電スタンドにセットされたことを検出した時には、測定値をマスタ測定値とするマスタ設定処理を自動的に行うことを特徴とする寸法測定システム。
【請求項15】
前記寸法測定装置は、マスタ設定処理を行った時のマスタ測定値を記憶するメモリを備え、前記セット状態検出回路が、前記寸法測定装置が前記充電スタンドにセットされたことを検出した時の測定値と、前記メモリに記憶されているマスタ測定値との差が所定値以下の時のみ、測定値を新たなマスタ測定値とするマスタ設定処理を行う請求項14に記載の寸法測定システム。
【請求項16】
前記マスタ設定処理は、前記寸法測定装置が前記充電スタンドにセットされている間、周期的に行われる請求項14または15に記載の寸法測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−226894(P2006−226894A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42248(P2005−42248)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【出願人】(598060350)株式会社東精エンジニアリング (33)
【Fターム(参考)】