封書作成装置及び封筒用紙
【課題】感圧接着剤を設けた封筒用紙を内容物と共に折り畳んで封緘する封書作成装置において、従来よりも小型の圧着ローラで封緘できるようにする。
【解決手段】封筒用紙100 の幅方向の両縁部に感圧接着剤106 を設け、両縁部の内側に再湿糊107 を設ける。内容物を包んだ封筒用紙を折り曲げて封筒50とする際に再湿糊に加水し、低圧のローラで封筒全面を加圧して再湿糊で接着し、さらに幅の狭い上下一組左右一対の圧着ローラ80,80 で封筒50の両縁部のみを加圧して感圧接着剤106 を接着させる。感圧接着剤の接着に必要な高い圧力は封筒の両縁部だけでよいので、圧着ローラ80は小型のもので済む。
【解決手段】封筒用紙100 の幅方向の両縁部に感圧接着剤106 を設け、両縁部の内側に再湿糊107 を設ける。内容物を包んだ封筒用紙を折り曲げて封筒50とする際に再湿糊に加水し、低圧のローラで封筒全面を加圧して再湿糊で接着し、さらに幅の狭い上下一組左右一対の圧着ローラ80,80 で封筒50の両縁部のみを加圧して感圧接着剤106 を接着させる。感圧接着剤の接着に必要な高い圧力は封筒の両縁部だけでよいので、圧着ローラ80は小型のもので済む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒となる用紙と内容物の用紙に印刷を施し、封筒となる用紙を折り畳むことによって封筒に内容物を封入封緘する作業を簡易な構成で行なうことができる封書作成装置と、このような装置に適した封筒用紙(折り畳んで封筒になる用紙のこと)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、三つ折りして封書を作成する方法についての発明が開示されている。この発明で用いられている封書フォームと実質的に同様の封筒用紙を図18及び図19に示す。図18に示すように、この封筒用紙300は上紙片301、中紙片302、下紙片303の3つの紙片がミシン目で繋がったものである。上紙片301の表面には宛名が記載され、中紙片302及び下紙片303の表面には内容が記載される。中紙片302及び下紙片303の表面には、ミシン目を除く2つの紙片の外形に沿って、感圧接着剤305が略コ字形で帯状のパターンで形成されている。最終的に外側表面になる上紙片301の表面には感圧接着剤はない。また、上紙片301、中紙片302及び下紙片303の裏面には記載がないか、内容を透けて見通させないための印刷パターンが形成される。上紙片301及び中紙片302の裏面には、ミシン目及び辺の一部を除く外縁に沿って感圧接着剤305が帯状のパターンで形成されている。最終的に外側裏面になる下紙片301の裏面には感圧接着剤はない。
【0003】
宛て名と内容等を印刷した後、封筒用紙300を封筒の形状に成形する場合には、図18に示すように中紙辺302の表面と下紙辺303の表面とを合わせて両紙辺の各感圧接着剤305を互いに接触させる。さらに図19に示すように上紙辺301の裏面と中紙辺302の裏面とを合わせて両紙辺の各感圧接着剤305を互いに接触させる。この状態で封筒用紙300は三つ折りの封筒の形状となるが、感圧接着剤305はまだ接着されていない。
【0004】
その後、上記特許文献1の第4図に示すように、前記封筒の幅方向の長さよりも軸方向の寸法が大きいローラ対で封筒を挟み、封筒の全面に強い圧力を加えながら搬送する。上記特許文献1の第4図では、封筒の幅よりも長い2対のローラによって封筒の全面に圧力を加えている。これによって、対面する各紙辺の間で接触している感圧接着剤は粘着性を生じ、封緘された封筒、すなわち封書が作成される。
【0005】
以上説明した技術では、封筒用紙を折り曲げて封書を作成するため、封筒用紙の各紙片の接着には圧力が必要な感圧接着剤を使用していた。この他、接着手段としては、封筒用紙を折り曲げる直前にホットメルト等の接着剤を塗布する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2521498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
封筒用紙を折り曲げて封書を作成する場合の接着手段としてホットメルト等の接着剤を用いる場合には、塗布装置が複雑高価であり、加熱手段も必要であり、全体として工場のような大型の装置となってしまうために設置場所の制約も大きく、メンテナンス作業も必要なことから、封書作成装置の接着手段としては採用しにくい。
【0008】
また、上記特許文献1と、図18及び図19を参照して説明した感圧接着剤を使用する封書作成装置においては、接着部には圧力を加えるだけであるため、メンテナンスは不要であり、ホットメルト等の接着剤を用いる装置に比べて単純であるために、比較的小型の装置とすることができる。
【0009】
しかしながら、感圧接着剤を使用する封書作成装置では、封筒の接着部分に加える圧力が概ね1ton/平方センチメートルと大きく、上述した例では接着部分が矩形の封筒の3辺乃至4辺に存在するため、所定の面積のある封筒の全面に圧力を加えられるように、封筒の幅よりも長いローラが必要であった(前記特許文献1の第4図参照)。このような加圧ローラを設けるとなれば、装置全体の機械構造は堅牢とせざるを得ず、結果として高価な装置となり、そのためオフィス設置機器として普及するには至らなかった。
【0010】
本発明は、以上説明したような課題に鑑みてなされたものであり、封筒用紙と内容物に印刷を施し、折り畳んだ封筒用紙の内部に内容物を封入封緘する封書作成装置において、従来よりも小型の圧着ローラを使用した簡易な構成で感圧接着剤を用いた封緘を行なうことができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の発明者は、上記課題を得て種々の課題解決手段について検討し、その中で感圧接着剤以外の接着剤を使用することも考慮した。現状では、感圧接着剤より安価な接着剤としてはアラビア糊等の再湿糊位しか考えられないが、再湿糊の場合には接着力を発揮させるためには水を付けることが必要である。ところが、封筒を形成する材料は紙であるため、水を含むと膨潤による剛性の低下と変形が著しく発生してしまう。このため、アラビア糊等の再湿糊を用いた接着は、単純な2枚重ねの接着には利用できるが、本発明が目指す封筒用紙を折り畳んで行なう封書作成のような3枚重ねや4枚重ねの接着では膨潤が倍加されて剛性の著しい低下や破れ等の不具合を引き起こす恐れが高い。また、用紙の変形は乾燥後も残留するため、折り畳んだ封筒用紙の各部を複数枚重ねて接着する部分にアラビア糊等の再湿糊を使用することはそのままでは不可能であると考えられる。
【0012】
そこで、請求項1に記載された封書作成装置は、
作成すべき封書ごとに封筒となる封筒用紙及び内容物をそれぞれ印刷する印刷部と、前記印刷部で印刷された前記封筒用紙を搬送する第1の搬送経路と、前記印刷部で印刷された前記内容物を搬送する第2の搬送経路と、前記第1の搬送経路と前記第2の搬送経路が合流する位置に配置され、前記内容物を内包するように前記封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置において、
前記封入封緘部には、その搬送方向とは交差する前記封筒の幅方向の両縁部にそれぞれ圧力を加えて封緘を行なう圧着手段が設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載された封書作成装置は、請求項1記載の封書作成装置において、
前記封入封緘部には、前記封筒の幅方向の両縁部よりも内側において前記封筒用紙を接着させる接着手段が設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載された封書作成装置は、請求項2記載の封書作成装置において、
前記圧着手段は、
前記封筒用紙の前記幅方向の両縁部に設けられて前記封筒の両縁部では互いに対面している感圧式接着剤の塗布幅よりも小さい幅をそれぞれが備えるとともに、前記封筒内に封入された前記内容物の前記幅方向の寸法よりも大きく、前記封筒の前記幅方向の寸法よりも小さい間隔で配置された一対の圧着ローラを有していることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載された封書作成装置は、請求項2又は3記載の封書作成装置において、
前記接着手段は、
前記封筒用紙の前記幅方向の両縁部よりも内側に設けられた再湿糊に加水する加水手段であり、
前記封入封緘部において、前記加水手段で前記再湿糊に加水した後に前記封筒用紙を折り曲げることにより前記再湿糊で前記封筒用紙を接着させることを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載された封書作成装置は、請求項4記載の封書作成装置において、
前記封入封緘部において、前記加水手段で前記再湿糊に加水した後に前記封筒用紙を折り曲げることにより前記再湿糊で前記封筒用紙を接着させた後に、前記一対の圧着ローラで前記封筒の幅方向の両縁部にそれぞれ圧力を加えて封緘を行なうことを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載された封筒用紙は、
内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置に適用される封筒用紙において、
その幅方向の両縁部に設けられ、同じ向きで重ねた場合には対面せず、折りによって封筒に成形した際には前記封筒の両縁部において互いに対面する感圧式接着剤と、
前記幅方向の前記両縁部よりも内側に設けられた他の接着剤と、
を有することを特徴としている。
【0018】
請求項7に記載された封筒用紙は、
内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置に適用される封筒用紙において、
その幅方向の両縁部で片面側のみに設けられた感圧式接着剤と、
折り曲げられた時に内側になる面の両縁部に設けられた切欠きと、
前記幅方向の前記両縁部よりも内側に設けられた他の接着剤と、
を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の封書作成装置によれば、封筒用紙と内容物に印刷を施す共通の印刷部が、作成すべき封書ごとに封筒用紙と内容物を交互に印刷して排出する。そして、印刷された封筒用紙を専用の第1の搬送経路で搬送し、印刷された内容物を専用の第2の搬送経路で搬送し、両搬送経路が合流する位置に設けられた封入封緘部によって、封筒用紙と内容物をミスなく組み合わせ、内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘し、封書を作成することができる。
【0020】
そして、請求項1に記載された封書作成装置によれば、幅方向の両縁部だけに感圧接着剤が設けられた封筒用紙を折り畳んで封書を作成する場合には、封入封緘部での工程において封筒の全面に圧力を加える必要がなく、その搬送方向とは交差する封筒の幅方向の両縁部のみに圧着手段がそれぞれ圧力を加えることにより、封筒用紙の幅方向の両縁部にある感圧接着剤を加圧して接着力を発揮させ、封緘を行なうことができる。
【0021】
請求項2に記載された封書作成装置によれば、請求項1記載の封書作成装置において、封入封緘部では、封筒の幅方向の両縁部よりも内側の部分は、圧着手段よりも小さな圧力しか必要としない接着手段で封筒用紙を接着させることができる。
【0022】
請求項3に記載された封書作成装置によれば、請求項2記載の封書作成装置において、幅方向の両縁部に感圧式接着剤を設けた封筒用紙を折り畳み、感圧式接着剤が両縁部で互いに対面している封筒を封緘する場合には、前記圧着手段として一対の圧着ローラを用い、封筒の両縁部をを加圧して搬送することにより、封筒内の内容物を封筒に対して接着することなく、封筒用紙の感圧接着剤だけを確実に加圧して接着し、封筒を封緘することができる。
【0023】
請求項4に記載された封書作成装置によれば、請求項2又は3記載の封書作成装置において、幅方向の両縁部よりも内側に再湿糊を設けた封筒用紙を折り畳んで封緘する場合には、前記接着手段として加水手段を用い、再湿糊に水を与えて接着力を発揮させた後に封筒用紙を折り曲げて再湿糊で封筒用紙を確実に接着し、封筒を封緘することができる。
【0024】
請求項5に記載された封書作成装置によれば、請求項3又は4記載の封書作成装置において、封入封緘部において、加水手段で再湿糊に加水した後に封筒用紙を折り曲げることにより、再湿糊で封筒用紙を接着させた後に、一対の圧着ローラで封筒の幅方向の両縁部にそれぞれ圧力を加えて封緘を行なうことができる。
【0025】
請求項6に記載された封筒用紙によれば、その幅方向の両縁部に、同じ向きで重ねた場合には対面せず、折りによって封筒に成形した際には封筒の両縁部で互いに対面するようなパターンで感圧式接着剤を設け、幅方向の両縁部よりも内側には、両端部に設けた感圧接着剤とは異なる他の接着剤のパターンを設けたので、例えば請求項1乃至5に記載の封書作成装置によって、従来よりも小型の圧着ローラを使用した簡易な構成で感圧接着剤を用いた封緘を行なうことができる。
【0026】
請求項7に記載された封筒用紙によれば、その幅方向の両縁部の片面側のみに感圧式接着剤を設けたので、同じ向きで重ねた場合には感圧式接着剤は対面せず接着することはない。また、折りによって封筒に成形した際には、感圧式接着剤は封筒の両縁部で直接互いに対面し、又は一方の外側の面の両縁部に設けられた感圧式接着剤は、折り曲げられて内側になった面の両縁部に設けられた切欠きを介して、他方の外側の面の両縁部に設けられた感圧式接着剤と対面する。また、幅方向の両縁部よりも内側には、感圧接着剤とは異なる他の接着剤が設けられている。従って、例えば請求項1乃至5に記載の封書作成装置によって、従来よりも小型の圧着ローラを使用した簡易な構成で感圧接着剤を用いた封緘を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施形態に係る封筒用紙の表面の図である。
【図2】第1実施形態に係る封筒用紙の裏面の図である。
【図3】第1実施形態に係る封筒用紙の折り工程(1)を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る封筒用紙の折り工程(2)を示す図である。
【図5】第1実施形態の封書作成装置における封入封緘部の構成の一部とその作用を示す模式的斜視図である。
【図6】第1実施形態に係る封書作成装置の構造と、同装置における封筒の流れを矢印で示した模式的断面図である。
【図7】第1実施形態に係る封書作成装置の構造と、同装置における内容物の流れを矢印で示した模式的断面図である。
【図8】第1実施形態に係る封書作成装置の構造と、同装置における封緘作業と封緘後の封筒の排出工程を示した模式的断面図である。
【図9】第1実施形態の封書作成装置における封入封緘部の構成を示す模式的正面図である。
【図10】第1実施形態の封書作成装置の封入封緘部における再湿糊への水付け工程を示す模式的正面図である。
【図11】第1実施形態の封書作成装置の封入封緘部における再湿糊による接着工程を示す模式的正面図である。
【図12】第1実施形態の封書作成装置の封入封緘部において封筒の位置合わせ機構を特に示す模式的斜視図である。
【図13】第1実施形態の封書作成装置の封入封緘部において封筒の位置合わせ機構の作用を示す模式的斜視図である。
【図14】第2実施形態に係る封筒用紙の表面の図である。
【図15】第1実施形態に係る封筒用紙の裏面の図である。
【図16】第1実施形態に係る封筒用紙の折り工程(1)を示す図である。
【図17】第1実施形態に係る封筒用紙の折り工程(2)を示す図である。
【図18】従来の封筒用紙の構造と折り工程(1)を示す図である。
【図19】従来の封筒用紙の構造と折り工程(2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
1.第1実施形態(図1〜図13)
(1)本封書作成装置で使用される封書用紙について(図1〜図5)
図1は本実施形態で使用される封筒用紙100の表面(宛て名が印刷される側)を示す図であり、図2は同裏面を示す図である。この封筒用紙100は、第1紙片101、第2紙片102、第3紙片103の3つの紙片が折り目で繋げられた矩形の用紙である。
【0029】
図1に示すように、第1紙片101の表面は封筒の表に相当し、宛名が印刷される。また第1紙片101には、幅方向に沿って帯状の開封テープ104がミシン目で形成されており、その一端部には2箇所の開口105が設けてある。封緘された封筒を開封する場合には、この開口105から開封テープ104に指を掛けてミシン目に沿って剥がせばよい。第2紙片102の表面は封筒の裏に相当し、発送者の名称・住所等が印刷される。第3紙片103の表面には、幅方向の両縁部に沿って感圧接着剤106が所定間隔でそれぞれ2箇所に帯状に設けられている。また、第3紙片103の表面には、第2紙片102との折り目に近接した両縁部の内側において、幅方向に沿った帯状のパターンで2箇所に再湿糊107が設けられている。
【0030】
感圧接着剤は、用紙に設けた感圧接着剤同士を密着させて所定の圧力を加えることによって接着力を発揮する種類の接着剤であり、マイクロカプセルを利用した2液式のものや天然ゴム系の接着材料などが知られている。再湿糊は、例えばアラビヤ糊等であり、用紙に塗布して乾いた状態では接着力はないが、水で濡らすと接着力が生じ、この状態で他の用紙と重ねて所要の圧力を加えれば両用紙は接着される。再湿糊で接着する場合の圧力は、感圧接着剤で必要とされる圧力に比べて相当低くても有効である。接着強度は両者とも少なくとも紙よりは相当に高いので、一つの封筒に2種類の接着剤を使用しても接着力の強弱による問題が生じることはない。また、再湿糊に替えて、通常は接着力がないが、感圧接着剤における加圧以外の何らかの操作で接着力が生じる接着剤を用いてもよい。例えば、熱、紫外線を含む光、その他の物理手段によって接着力を生じる接着剤や、前記感圧接着剤における加圧よりも低い加圧で接着力を発揮する他の感圧接着剤でもよい。
【0031】
再湿糊は、先に述べたように接着力を発揮させるためには水を付けることが必要であり、封筒を形成する材料は紙であるため、水を含むと膨潤による剛性の低下と変形が著しく発生してしまう。また、用紙の変形は乾燥後も残留するため、完成した封筒の外観を見苦しくしてしまう。よって、必要な接着範囲内に小さな大きさに分割して複数個を設置することで変形を少なくさせている。
【0032】
図2に示すように、第1乃至第3紙片102〜103の各面には、必要に応じて、封書の内容である文章や図、写真等の情報を印刷することができる。第1乃至第3紙片101〜103の各裏面には、幅方向の両縁部に沿って感圧接着剤106が所定間隔でそれぞれ2箇所に帯状に設けられている。また、第2紙片102の裏面の上には、内容物40が載置される。内容物40の幅Wは、封筒用紙100の紙片の両縁部に印刷された各感圧接着剤106の間隔よりも小さい。これらの感圧接着剤106の配置パターンは、各紙片を折って封筒の形状に組み立てた場合に、対応する紙片同士の感圧接着剤106が互いに同じ位置に来て当接するように考慮されている。しかしながら、封筒用紙100を、例えば表面を上側にする等、同じ上下関係で多数枚を重ねた場合には、表面の感圧接着剤106と裏面の感圧接着剤106は対面せず、接触しないようになっている。感圧接着剤106同士を接触させて長期間放置すると、加圧しなくても、高温や多湿等の環境条件によっては自然に接着してしまうという不具合が発生することがあるが、実施形態の封筒用紙100によれば、そのような不具合が発生するのを未然に防ぐことができる。
【0033】
宛て名や内容等を印刷した後、封筒用紙100を封筒の形状に成形する場合の折り等の加工手順を説明する。
図3に示すように第2紙辺102の裏面の上に内容物40を載置した状態で、第2紙辺102及び内容物40に対し、第3紙片103の裏面を合わせて両紙辺102、103の各感圧接着剤106を互いに接触させる。さらに図4において、図示しない手段で再湿糊107に水を付けた後、第1紙辺101の裏面と第3紙辺103の表面とを合わせて再湿糊107と第1紙片101の裏面を接触させるとともに、両紙辺101、103の各感圧接着剤106を互いに接触させる。この状態で封筒用紙100は三つ折りの封筒の形状とはなるが、感圧接着剤106はまだ接着されてはいない。
【0034】
その後、封筒の幅以上の長さがある図示しないローラによって封筒50の全面を挟持して搬送し、第3紙片103の再湿糊107と第1紙片101を接着する。また、図5に示すように、圧着ローラ80によって、封筒50の幅方向の両縁部にある感圧接着剤106を接着させる。この圧着ローラ80は上下1組で左右2対が設けられており、内容物40が封入された封筒50の幅方向、すなわち搬送方向とは交差する方向の両縁部を、それぞれ上下から挟持して圧力を加え、感圧接着剤106の接着力を発揮させて封緘を行なうことができる。これによって、対面する各紙辺の間で接触している感圧接着剤106は粘着性を生じ、内容が密封された封筒50の形態が実現される。
なお、以上説明した封筒用紙100の封入封緘作業は、以下に説明する第1実施形態の封書作製装置1によって自動的に実行される。
【0035】
(2)本封書作成装置の機構について(図6〜図9)
第1実施形態の封書作製装置1は、作製すべき封書ごとに処理を行なう。すなわち、前記封筒用紙100と、枚葉状の用紙である内容物40に対し、共通の印刷部2を用いて適当な順序で必要な印刷を施す。そして、印刷後の封筒用紙100及び内容物40を封入封緘部3に送り込み、それぞれ別系統の搬送経路で搬送しながら、封筒用紙100については、封筒50の形態となるように封筒用紙100を折るとともに、内容物40にも必要に応じて折りを施す。そして、最終的に両者を封入封緘手段で合流させ、内容物40を封筒50に封入・封緘して装置の上部に完成した封書として揃えて排出する。
【0036】
まず、封書作製装置1は、封筒50及び内容物40となる用紙を印刷して排出する印刷部2を備えている。この印刷部2は、装置の各部を収納する筐体4の内部又は側面等に、複数種類の被印刷体(内容物40となる枚葉状の用紙30や封筒用紙100)を収納可能な複数の給紙台P(P1〜P4)を備えている。本例では、筐体4の側面に取り付けられた給紙台P1に封筒用紙100が収納され、筐体4の内部に設けられた給紙台P2〜P4に内容物40となる枚葉状の用紙30が収納されている。
【0037】
これら給紙台Pから出た用紙等は、導入路からループ状の搬送路5に送り込まれて搬送され、搬送路の下半部に沿って下向きに所定間隔で配置された印刷手段によって画像が形成される。本例では、印刷手段として、シアン、ブラック、マゼンタ、イエローの各色のインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェット装置C、K、M、Yが配置されている。
【0038】
このループ状の搬送路5には、印刷手段の下流の隣部に、ほぼ水平な方向で用紙をループ外に排出する第1の排出路6が分岐して設けられている。また、ループ状の搬送路5の上半部には、用紙をループ外に排出する第2の排出路7が分岐して設けられている。さらに、第2の排出路7と給紙台Pからの導入路との間にはスイッチバック路8が分岐して設けられている。このスイッチバック路8は、搬送路5を搬送されてきた用紙を受け入れた後に逆行させて搬送路5に戻すことにより、搬送路5中における用紙の上下を反転させる手段である。このスイッチバック路8を用い、用紙の上下面を逆転させて搬送路5を2回通過させれば、インクジェット装置C、K、M、Yで用紙の上下両面にカラー画像を形成するカラー両面印刷を行なうことができる。
【0039】
次に、前記印刷部2の隣部には、印刷部2の第1の排出路6から送られた封筒用紙100や内容物40となる用紙30を受け入れて処理し、封筒用紙100に内容物40を封入して封緘するための封入封緘部3が設けられている。
【0040】
すなわち、前記印刷部2の第1の排出路6は水平に延設されて外部に突出しており、隣にある封入封緘部3の筐体9内に導入されている。筐体9内では、この排出路6から、第2の搬送経路20が斜め下方に分岐しており、そのさらに下流は第1の搬送経路10の一方の経路11となって斜め下方に延設されている。
【0041】
第1の搬送経路10の一方の経路11は、第2の搬送経路20の一方の経路21と略平行に配置されている。第1の搬送経路10の一方の経路11は封筒用紙100を折り手段に搬送する案内路であり、前述したように、第2の搬送経路20の一方の経路21は内容物40の用紙を折り手段に搬送する案内路であり、第1及び第2の搬送経路10,20の切り替えは、第2の搬送経路20の分岐点に設けられた図示しない切り替えフラップで行なう。
【0042】
第1の搬送経路10の一方の経路11の終端には、封筒用紙100を折って封筒50の形態を作製するために第1の折り手段が設けられている。この第1の折り手段には、回動自在の主折りローラA’と、これに接して回動する用紙搬送ローラD’及び第1折りローラB’が設けられている。これらのローラはゴム製であり、用紙の折りのためであるから加圧力は小さく、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。
【0043】
第1の搬送経路10の第1の折り手段の主折りローラA’と第1折りローラB’の間からは、第1の搬送経路10の他方の経路13が、上方に凸の形状に湾曲しつつ水平方向に延設されている。封筒用紙100を搬送する第1の搬送経路10の他方の経路13の終端は、後に詳述する封入封緘手段に導かれている。
【0044】
次に、封入封緘部3の筐体9の内部には、印刷部2で印刷された用紙を搬送する第2の搬送経路20が設けられている。この第2の搬送経路20は、第1の搬送経路10よりも下方にあり、印刷部2の第1の排出路6から水平方向に送られた用紙を斜め下方に送る一方の経路21を有している。
【0045】
この経路21の中途には、用紙搬送ローラ22と、開閉自在なゲートである整合部23が設けられており、搬送した用紙を、経路21を閉止した整合部23に留めることにより、用紙を経路21内で重ねて貯留することができるようになっている。また、この経路21の終端には、用紙を折り畳むための折り手段が設けられている。この折り手段には、回動自在な中央の主折りローラAが設けられ、さらに、第1折りローラB、第2折りローラC及び1つの用紙搬送ローラDが主折りローラAにそれぞれ回動自在に接触している。これらのローラがはゴム製であり、用紙の折りのためであるから加圧力は小さく、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。さらに、図示はしないが、主折りローラAと搬送ローラDによる搬送方向の先方位置には、搬送された用紙の先端が突き当たる突き当て部材が設けられており、突き当たった用紙を撓ませて主折りローラAと折りローラBの間に用紙の撓み部を導いて用紙を折ることができるようになっている。また、同様に主折りローラAと折りローラBによる搬送方向の先方位置にも突き当て部材があり、突き当たった用紙を撓ませて主折りローラAと折りローラCの間に用紙の撓み部を導いて用紙を折ることができるようになっている。従って、これら折り手段によれば、用紙を2回以上折ることができる。
【0046】
封入封緘部3の筐体9の内部において、前記第2の搬送経路20は、折り手段で折られた用紙30を前記経路21と略直交する斜め上方に連続して搬送する他方の経路26を有している。この他方の経路26は、封筒用紙100を斜め下方に送る前述した第1の搬送経路10の他方の経路13よりも下方の位置にあり、前記封入封緘手段において第1の搬送経路10の経路13と合流している。
【0047】
次に、第1の搬送経路10と第2の搬送経路20の合流点にある封入封緘手段について説明する。この封入封緘手段は、封筒用紙100に必要に応じてさらに折りを与える第2の折り手段であるとともに、折られた封筒用紙100に内容物40を整合させた後にさらに折りを加えることにより、内容物40を封筒内に包み込ませる封入手段でもあり、さらにこの封筒を封緘する封緘手段も備えている。
【0048】
まず封入封緘手段には、第2の折り手段である回動自在の主折りローラA”と、これに接して回動する用紙搬送ローラD”及び第1及び第2折りローラB”,C”が設けられている。これらのローラはゴム性であり、用紙の折りのためであるから加圧力は小さく、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。封筒用紙100は、必要に応じて前述した第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’等によって折られた後に、さらに第2の折り手段である主折りローラA”等に送られ、ここで封入前段のさらなる折りが必要に応じて実行される。
【0049】
但し、詳細は後述するが、本実施形態では封筒用紙100を三つ折りにして内部に内容物40を封入するので、封筒用紙100は第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’等によって一回折られた後は、第2の折り手段である主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間を通過し、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”の間を通過した付近で、その後内容物40の整合に備えて待機することとなる。そして、第2の搬送経路20を経て送られてくる内容物40と整合した後に、さらに主折りローラA”と第2折りローラC”の間で2回目の折りを施され、内容物40の封筒50への封入が行なわれることとなる。
【0050】
しかし、本実施形態では、主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間から下方に待機経路46が延設されている。このため、本実施形態とは異なる封筒用紙又は本実施形態とは異なる工程で封書作成を行なうこともできる。例えば、第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’等によって封筒用紙を一回折った後、第2の折り手段である主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間を通過させ、そのまま待機経路46に進入させて待機させる。その後、待機中のこの封筒用紙に、第2の搬送経路20を経て送られてくる内容物を整合させた後、両者を主折りローラA”と第2折りローラB”の間に挟み込んで折りながら搬送して封筒内に内容物を封入させることも可能である。
【0051】
次に、図6〜図8及び図9に示すように、封入封緘手段の主折りローラA”と第2折りローラC”の間には、後方に向けてやや傾斜した経路31が配置されている。この経路31の後端付近には、封筒用紙100の再湿糊107に水を付けて接着力を発揮させ、封筒用紙100を接着して封筒50にするための接着手段としての加水手段60が設けられている。
【0052】
加水手段60は、封筒用紙100の幅方向の両縁部よりも内側に設けられた再湿糊107に加水する装置であって、経路31の下方に配置した水タンク61と、水タンク61の水に浸漬されたフェルト材等からなる吸水部62と、経路31の上方に配置した揺動アーム63と、この揺動アーム63を駆動する回転カム64を備えている。
【0053】
第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’等によって一回折られた封筒用紙100は、第2の折り手段である主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間を通過した後、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”の間を通過した付近で待機する。その後、第2の搬送経路20の他方の経路26に沿って送られた内容物40が待機中の封筒用紙100に整合される。
【0054】
図10に示すように、整合された封筒用紙100と内容物40は、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”で先方に搬送される。ここで、封筒用紙100は、第3紙片103の表面が下向きとなり、第3紙片103の表面にある再湿糊107が加水手段60の吸水部62と対面した状態にある。これは、図4において、第1紙片101が矢印の方向に畳まれる前の状態に近い。ここで回転カム64が作動して揺動アーム63が揺動し、再湿糊107が吸水部62に押し付けられて加水される。
【0055】
図11に示すように、主折りローラA”と第2折りローラC”によって封筒用紙100が先方に送られる。これによって、第1紙片101が折られて第3紙片103の表面に重なり、再湿糊107に接着される。
【0056】
次に、図6〜図8及び図9に示すように、封入封緘手段の主折りローラA”と第2折りローラC”の間には、斜め上前方に向けて傾斜した経路47が配置されている。この経路47は、第1の搬送経路10の一方の経路11や、第2の搬送経路20の一方の経路21と略平行となっている。
【0057】
この経路47の中途には、図5を参照して既に説明したように、封入封緘手段の一部を構成する圧着手段としての圧着ローラ80が設けられている。圧着ローラ80は、封筒用紙100の感圧接着剤106にある程度の圧力を加える手段であるから、剛性の高い金属で構成する。この圧着ローラ80は上下1組で左右2対が設けられており、内容物40が封入された封筒50の幅方向の両縁部を、それぞれ上下から挟持して圧力を加え、感圧接着剤106による封緘を行なうことができる。
【0058】
図9に示すように、各圧着ローラ80は、支点81を中心として揺動可能とされた支持アーム82の先端に取り付けられている。この支持アーム82の後端には付勢手段83が取り付けられており、1組の圧着ローラ80は互いに所定の圧力をもって接触するように構成されている。従って、1組の圧着ローラ80,80の間に封筒50を導き入れ、圧着ローラ80を送り方向に駆動すれば、封筒50は両縁部のみに所定の圧力を受けながら先方に搬送されていく。なお、付勢手段83によって圧着ローラ80が封筒用紙100に与える圧力は、感圧接着剤106の種類にもよるが、例えば700N/cm程度とすることができる。
【0059】
ここで、前記圧着ローラ80の幅は、前記封筒用紙100の幅方向の両縁部に設けられた感圧式接着剤の塗布幅よりも小さい。また、左右2対の圧着ローラ80,80の間隔は、封筒50内に封入された内容物40の幅よりも大きく、封筒50の幅よりも小さい。従って、圧着ローラ80による封緘工程では、封筒50の幅方向の両縁部の感圧接着剤106だけを圧着ローラ80の幅分の面積で確実に加圧して予定通りの接着力で接着でき、しかもその際、内容物40は圧着ローラ80の加圧を受けないので、内容物40が封筒と一緒に接着されてしまうことがない。なお、一例を挙げれば、通常のサイズの封筒を形成する場合、封筒用紙100の両縁部に設ける感圧接着剤106の幅は、圧着ローラ80の位置ずれを考慮して5mm程度とすることができ、圧着ローラ80の幅は、封筒用紙100の確実な接着を考慮して3mm程度とすることができる。
【0060】
上述したように、圧着ローラ80は幅が狭く、組み立てられた封筒の両縁部の感圧接着剤106の部分のみを圧着ローラ80で挟んで加圧する必要があるため、圧着ローラ80に対する封筒の幅方向の位置合わせは正確に行なう必要がある。
【0061】
そこで、図12に示すように、本実施形態の封入封緘部には、主折りローラA”及び第2折りローラC”と、圧着ローラ80との間に位置合わせローラ65が設けられている。位置合わせローラ65の軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きく、封筒用紙100を挟持したまま、軸方向に移動して位置を調整することができる。また、位置合わせローラ65のやや下流側の上方にはエッジセンサ66が設けられており、位置合わせローラ65に挟持された封筒用紙100の縁部を捉え、位置合わせローラ65の位置を修正するために封筒用紙100の位置情報を取得できるようになっている。
【0062】
従って、図12又は13に示すように、位置合わせローラ65に搬送されている封筒50の縁部をエッジセンサ66が捉え、その位置情報に基づいて位置合わせローラ65を移動させれば、圧着ローラ80に対して封筒50の幅方向の位置を最適に調整できる。これによって、組み立てられた封筒50の両縁部の感圧接着剤106の部分のみを確実に圧着ローラ80で加圧することができる。
【0063】
なお、図6〜図8に示すように、本実施形態の封書作製装置1は、以上説明した印刷部2及び封入封緘部3の各機構を制御するための制御手段90を備えている。なお、図示の例では、制御手段90は印刷部2内に配置されているが、封入封緘部3内に配置してもよいし、印刷部2及び封入封緘部3の外部に別体として配置してもよい。
【0064】
(3)本封書作成装置の動作について(図6〜図8、図10〜図13)
次に、以上説明した本実施形態の封書作製装置1において、封筒用紙100に宛て名等を印刷し、さらに複数枚の内容物40に必要な印刷を施して折り畳み、封筒用紙100を折り畳んで成形した封筒50に内容物40を封入封緘する全体の手順について通して説明する。
【0065】
図6に示すように、印刷部2では、封筒用紙100が給紙台P1から送り出される。本実施形態では、封筒用紙100は印刷部2の給紙台P1からP4のいずれにあっても良い。この封筒用紙100は、ループ状の搬送路5を1周する間にインクジェット装置C、K、M、Yで両面に印刷される。両面印刷でなく片面印刷を選択することもできる。一般に封筒50の外面となる面には宛て名等が印刷され、封筒50の内面となる面には、封入される内容物40の印刷内容とともに、宛先に送られるべき何らかの情報が必要に応じて印刷される。封筒50の内面に印刷された情報は、受取人が封筒50を切り開くことによって読むことができる。
【0066】
封筒用紙100は、図示しない切り替えフラップの切り替えにより、第1の搬送経路10の一方の経路11から折り手段に送られる。封筒用紙100は、主折りローラA’と用紙搬送ローラD’によって先方に送られ、図示しない突き当て部材に突き当って撓み、撓んだ部分から主折りローラA’と第1折りローラB’の間に入り、さらに挟持搬送されて通紙方向先端部の一部に折り目がつけられる。一部が折られた未完成の封筒は、封入封緘手段の主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間を通過し、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”の間も経路に沿って単に通過し、その後内容物40の整合に備えて待機する。
【0067】
図7に示すように、封筒用紙100に続き、定められた一定の間隔を空けて内容物40として必要な用紙30が給紙台P2乃至P4の何れかからループ状の搬送路5に送り込まれ、この搬送路を1周する間にインクジェット装置C、K、M、Yで用紙30の両面が印刷される。両面印刷でなく片面印刷を選択することもできる。内容物40の用紙30は、図示しない切り替えフラップの切り替えにより、第2の搬送経路20の一方の経路21に送られる。用紙30は必要枚数が溜まるまで第2の搬経路20の一方の経路21にある整合部23に貯留され、必要枚数が揃ったところで整合部23が開いて折り手段(主折りローラA等)に送り込まれる。折り手段で行なわれる複数回の折りにより、所望の状態に折り畳まれた用紙30は、第2の搬送経路20の他方の経路26を経て封入封緘部(主折りローラA”等)に送り込まれる。本実施形態では、内容物40は内三つ折りとなっている。この内容物40は、主折りローラA”と第2折りローラB”によって先に送られ、これらローラ付近で待機している封筒用紙100に整合される。
【0068】
図8に示すように、封入封緘部の主折りローラA”と第2折りローラC”により、封筒用紙100を外側にして内容物40を内側に包み込むように折り曲げる操作を行い、封筒50の内部に用紙30を包み込んでいく封入工程を実施する。
【0069】
図10に示すように、整合された封筒用紙100と内容物40は、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”で先方に搬送される。ここで、加水手段60の回転カム64が作動して揺動アーム63が揺動し、封筒用紙100の再湿糊107を吸水部62に押し付けて加水する。
【0070】
図11に示すように、主折りローラA”と第2折りローラC”によって封筒用紙100が先方に送られ、第1紙片101が折られて第3紙片103の表面に再湿糊107で接着されて封筒50の形状となり、位置合わせローラ65に入る。
【0071】
図13に示すように、封筒50を挟持した位置合わせローラ65は、図12に示すエッジセンサ66で把握された封筒50の位置を元に軸方向の位置を調整し、封筒50の感圧接着剤106が圧着ローラ80と重なる位置に来るように封筒50を移動させる。そして、封筒50は圧着ローラ80を通過することによって両縁部が貼り合わされ、封筒50の封緘が行なわれる。
【0072】
本実施形態によれば、内容物40と整合した封筒用紙100を折って封筒50にする過程で、まず再湿糊107で紙片同士を接着し、その後に、封筒50の幅方向の位置決めを正確に行なってから圧着ローラ80に送り込み、幅の狭い圧着ローラ80で確実に感圧接着剤106を加圧している。従って、幅が狭く小さい力で高い圧力を出せる圧着ローラ80により感圧接着剤106を接着に必要十分な幅で確実に接着させることができる。
【0073】
そして、封入・封緘が完了して完成した封書は、筐体9の上面に設けられた排出トレイ48に排出され、順次積み上げられて取り出しを待つ。
【0074】
(4)封書用紙の他の構造例について(図14〜図17)
図14は本実施形態で使用される封筒用紙200の表面(宛て名が印刷される側)を示す図であり、図2は同裏面を示す図である。この封筒用紙200は、第1紙片201、第2紙片202、第3紙片203の3つの紙片が折り目で繋げられた矩形の用紙である。
【0075】
図14に示すように、第1紙片201の表面は封筒の裏に相当し、発送者の名称・住所等が印刷される。また第1紙片201には、折り目と平行な長辺から幅方向の両縁部に至る2本のミシン目204が形成されている。封緘された封筒を開封する場合には、このミシン目204に沿って第1紙片201の中央部分を剥がせばよい。第2紙片202の表面は封筒の表に相当し、宛名が印刷される。第3紙片203の表面には、第2紙片202との折り目に近接した両縁部の内側において、幅方向に沿った帯状のパターンで2箇所に再湿糊307が設けられている。第3紙片203の両縁部のうち、第2紙片202に近接した部分には、切欠き205が設けられている。
【0076】
図15に示すように、第1乃至第3紙片201〜203の各裏面には、必要に応じて、封書の内容である文章や図、写真等の情報を印刷することができる。また、第2紙片202の裏面の上には、内容物40が載置される。内容物40の幅は、封筒用紙200の紙片の両縁部に印刷された感圧接着剤306の間隔よりも小さい。第1乃至第3紙片201〜203の各裏面には、幅方向の両縁部に沿って感圧接着剤306が所定のパターンで帯状に設けられている。これらの感圧接着剤306の配置パターンは、各紙片を折って封筒の形状に組み立てた場合に、対応する紙片同士の感圧接着剤306が互いに同じ位置に来て当接するように考慮されている。しかしながら、封筒用紙200を、例えば表面を上側にする等、同じ面で多数枚を重ねた場合には、表面には感圧接着剤が無いため裏面の感圧接着剤306は対面せず、接触しないようになっている。このため、図1等に示した前記封筒用紙200と同様、重ねた封筒用紙200が貼り付いてしまう不具合が発生することはない。
【0077】
宛て名や内容等を印刷した後、封筒用紙200を封筒の形状に成形する場合の折り等の加工手順を説明する。
図16に示すように第2紙片202の裏面の上に内容物40を載置した状態で、第2紙片202及び内容物40に対し、第3紙片203の裏面を合わせて両紙辺202、203の各感圧接着剤306、306を互いに接触させる。このとき、第3紙片203の切欠き205から第2紙片202の感圧接着剤306の一部が露出する。
【0078】
図17において、図示しない手段で再湿糊307に水を付けた後、第1紙片201の裏面と第3紙片203の表面とを合わせて再湿糊307と第1紙片201の裏面を接触させるとともに、両紙辺201、203の各感圧接着剤206を互いに接触させる。このとき、第3紙片203の切欠き205から露出している第2紙片202の感圧接着剤306の一部は、第1紙片306の裏面の感圧接着剤206の一部と接している。この状態で封筒用紙200は三つ折りの封筒の形状となるが、再湿糊207も感圧接着剤306もまだ接着されてはいない。
【0079】
その後、図1等に示した前記封筒用紙100の場合と同様に、封筒の幅以上の長さがある図示しないローラによって封筒の全面を挟持して搬送し、第3紙片203の再湿糊307と第1紙片201を接着する。また、図5に示すように、圧着ローラ80によって感圧接着剤206を接着させる。これによって、対面する各紙辺の間で接触している感圧接着剤306は粘着性を生じ、内容が密封された封筒の形態が実現される。
なお、以上説明した封筒用紙200の封入封緘作業は、前述した第1実施形態の封書作製装置1によって自動的に実行することができる。
【0080】
2.実施形態の変形例について
以上説明した各実施形態の封書作製装置1は印刷部2を備えているが、この印刷部2は既設の画像形成装置であってもよい。すなわち、既に事業所等に設置してある通常の画像形成装置を本発明における印刷部2とし、これに封入封緘部3を接続することによって本発明の封書作製装置1とすることができる。このため、1台の既設の画像形成装置を利用して封筒用紙100,200と内容物40の印刷を行なうことができ、自動的な封書作製装置の設置コストが少なくて済む。
【0081】
また、内容物40の用紙30は必ずしも折る必要はなく、封筒の大きさとの関係により、折らずに元のサイズのままで封筒に封入することとしてもよい。また、各実施形態では、封筒用紙100,200及び内容物40の用紙30として枚葉状の用紙を使用したが、例えばロール状の用紙を使用し、使用の都度、必要な長さに切断して供給するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1…封書作製装置
2…印刷部
3…封入封緘部
10…第1の搬送経路
11…第1の搬送経路の一方の経路
13…第1の搬送経路の他方の経路
20…第2の搬送経路
21…第2の搬送経路の一方の経路
26…第2の搬送経路の他方の経路
30…用紙
40…内容物 50…封筒
60…接着手段としての加水手段
80…圧着手段としての圧着ローラ80
90…制御手段
100,200…封筒用紙
106,206…感圧接着剤
107,207…再湿糊
A,A’…主折りローラ
B.B’…第1折りローラ
C…第2折りローラ
D,D’…用紙搬送ローラ
A”…主折りローラ
B”…第1折りローラ
C”…第2折りローラ
D”…用紙搬送ローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒となる用紙と内容物の用紙に印刷を施し、封筒となる用紙を折り畳むことによって封筒に内容物を封入封緘する作業を簡易な構成で行なうことができる封書作成装置と、このような装置に適した封筒用紙(折り畳んで封筒になる用紙のこと)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、三つ折りして封書を作成する方法についての発明が開示されている。この発明で用いられている封書フォームと実質的に同様の封筒用紙を図18及び図19に示す。図18に示すように、この封筒用紙300は上紙片301、中紙片302、下紙片303の3つの紙片がミシン目で繋がったものである。上紙片301の表面には宛名が記載され、中紙片302及び下紙片303の表面には内容が記載される。中紙片302及び下紙片303の表面には、ミシン目を除く2つの紙片の外形に沿って、感圧接着剤305が略コ字形で帯状のパターンで形成されている。最終的に外側表面になる上紙片301の表面には感圧接着剤はない。また、上紙片301、中紙片302及び下紙片303の裏面には記載がないか、内容を透けて見通させないための印刷パターンが形成される。上紙片301及び中紙片302の裏面には、ミシン目及び辺の一部を除く外縁に沿って感圧接着剤305が帯状のパターンで形成されている。最終的に外側裏面になる下紙片301の裏面には感圧接着剤はない。
【0003】
宛て名と内容等を印刷した後、封筒用紙300を封筒の形状に成形する場合には、図18に示すように中紙辺302の表面と下紙辺303の表面とを合わせて両紙辺の各感圧接着剤305を互いに接触させる。さらに図19に示すように上紙辺301の裏面と中紙辺302の裏面とを合わせて両紙辺の各感圧接着剤305を互いに接触させる。この状態で封筒用紙300は三つ折りの封筒の形状となるが、感圧接着剤305はまだ接着されていない。
【0004】
その後、上記特許文献1の第4図に示すように、前記封筒の幅方向の長さよりも軸方向の寸法が大きいローラ対で封筒を挟み、封筒の全面に強い圧力を加えながら搬送する。上記特許文献1の第4図では、封筒の幅よりも長い2対のローラによって封筒の全面に圧力を加えている。これによって、対面する各紙辺の間で接触している感圧接着剤は粘着性を生じ、封緘された封筒、すなわち封書が作成される。
【0005】
以上説明した技術では、封筒用紙を折り曲げて封書を作成するため、封筒用紙の各紙片の接着には圧力が必要な感圧接着剤を使用していた。この他、接着手段としては、封筒用紙を折り曲げる直前にホットメルト等の接着剤を塗布する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2521498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
封筒用紙を折り曲げて封書を作成する場合の接着手段としてホットメルト等の接着剤を用いる場合には、塗布装置が複雑高価であり、加熱手段も必要であり、全体として工場のような大型の装置となってしまうために設置場所の制約も大きく、メンテナンス作業も必要なことから、封書作成装置の接着手段としては採用しにくい。
【0008】
また、上記特許文献1と、図18及び図19を参照して説明した感圧接着剤を使用する封書作成装置においては、接着部には圧力を加えるだけであるため、メンテナンスは不要であり、ホットメルト等の接着剤を用いる装置に比べて単純であるために、比較的小型の装置とすることができる。
【0009】
しかしながら、感圧接着剤を使用する封書作成装置では、封筒の接着部分に加える圧力が概ね1ton/平方センチメートルと大きく、上述した例では接着部分が矩形の封筒の3辺乃至4辺に存在するため、所定の面積のある封筒の全面に圧力を加えられるように、封筒の幅よりも長いローラが必要であった(前記特許文献1の第4図参照)。このような加圧ローラを設けるとなれば、装置全体の機械構造は堅牢とせざるを得ず、結果として高価な装置となり、そのためオフィス設置機器として普及するには至らなかった。
【0010】
本発明は、以上説明したような課題に鑑みてなされたものであり、封筒用紙と内容物に印刷を施し、折り畳んだ封筒用紙の内部に内容物を封入封緘する封書作成装置において、従来よりも小型の圧着ローラを使用した簡易な構成で感圧接着剤を用いた封緘を行なうことができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の発明者は、上記課題を得て種々の課題解決手段について検討し、その中で感圧接着剤以外の接着剤を使用することも考慮した。現状では、感圧接着剤より安価な接着剤としてはアラビア糊等の再湿糊位しか考えられないが、再湿糊の場合には接着力を発揮させるためには水を付けることが必要である。ところが、封筒を形成する材料は紙であるため、水を含むと膨潤による剛性の低下と変形が著しく発生してしまう。このため、アラビア糊等の再湿糊を用いた接着は、単純な2枚重ねの接着には利用できるが、本発明が目指す封筒用紙を折り畳んで行なう封書作成のような3枚重ねや4枚重ねの接着では膨潤が倍加されて剛性の著しい低下や破れ等の不具合を引き起こす恐れが高い。また、用紙の変形は乾燥後も残留するため、折り畳んだ封筒用紙の各部を複数枚重ねて接着する部分にアラビア糊等の再湿糊を使用することはそのままでは不可能であると考えられる。
【0012】
そこで、請求項1に記載された封書作成装置は、
作成すべき封書ごとに封筒となる封筒用紙及び内容物をそれぞれ印刷する印刷部と、前記印刷部で印刷された前記封筒用紙を搬送する第1の搬送経路と、前記印刷部で印刷された前記内容物を搬送する第2の搬送経路と、前記第1の搬送経路と前記第2の搬送経路が合流する位置に配置され、前記内容物を内包するように前記封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置において、
前記封入封緘部には、その搬送方向とは交差する前記封筒の幅方向の両縁部にそれぞれ圧力を加えて封緘を行なう圧着手段が設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載された封書作成装置は、請求項1記載の封書作成装置において、
前記封入封緘部には、前記封筒の幅方向の両縁部よりも内側において前記封筒用紙を接着させる接着手段が設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載された封書作成装置は、請求項2記載の封書作成装置において、
前記圧着手段は、
前記封筒用紙の前記幅方向の両縁部に設けられて前記封筒の両縁部では互いに対面している感圧式接着剤の塗布幅よりも小さい幅をそれぞれが備えるとともに、前記封筒内に封入された前記内容物の前記幅方向の寸法よりも大きく、前記封筒の前記幅方向の寸法よりも小さい間隔で配置された一対の圧着ローラを有していることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載された封書作成装置は、請求項2又は3記載の封書作成装置において、
前記接着手段は、
前記封筒用紙の前記幅方向の両縁部よりも内側に設けられた再湿糊に加水する加水手段であり、
前記封入封緘部において、前記加水手段で前記再湿糊に加水した後に前記封筒用紙を折り曲げることにより前記再湿糊で前記封筒用紙を接着させることを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載された封書作成装置は、請求項4記載の封書作成装置において、
前記封入封緘部において、前記加水手段で前記再湿糊に加水した後に前記封筒用紙を折り曲げることにより前記再湿糊で前記封筒用紙を接着させた後に、前記一対の圧着ローラで前記封筒の幅方向の両縁部にそれぞれ圧力を加えて封緘を行なうことを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載された封筒用紙は、
内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置に適用される封筒用紙において、
その幅方向の両縁部に設けられ、同じ向きで重ねた場合には対面せず、折りによって封筒に成形した際には前記封筒の両縁部において互いに対面する感圧式接着剤と、
前記幅方向の前記両縁部よりも内側に設けられた他の接着剤と、
を有することを特徴としている。
【0018】
請求項7に記載された封筒用紙は、
内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置に適用される封筒用紙において、
その幅方向の両縁部で片面側のみに設けられた感圧式接着剤と、
折り曲げられた時に内側になる面の両縁部に設けられた切欠きと、
前記幅方向の前記両縁部よりも内側に設けられた他の接着剤と、
を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の封書作成装置によれば、封筒用紙と内容物に印刷を施す共通の印刷部が、作成すべき封書ごとに封筒用紙と内容物を交互に印刷して排出する。そして、印刷された封筒用紙を専用の第1の搬送経路で搬送し、印刷された内容物を専用の第2の搬送経路で搬送し、両搬送経路が合流する位置に設けられた封入封緘部によって、封筒用紙と内容物をミスなく組み合わせ、内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘し、封書を作成することができる。
【0020】
そして、請求項1に記載された封書作成装置によれば、幅方向の両縁部だけに感圧接着剤が設けられた封筒用紙を折り畳んで封書を作成する場合には、封入封緘部での工程において封筒の全面に圧力を加える必要がなく、その搬送方向とは交差する封筒の幅方向の両縁部のみに圧着手段がそれぞれ圧力を加えることにより、封筒用紙の幅方向の両縁部にある感圧接着剤を加圧して接着力を発揮させ、封緘を行なうことができる。
【0021】
請求項2に記載された封書作成装置によれば、請求項1記載の封書作成装置において、封入封緘部では、封筒の幅方向の両縁部よりも内側の部分は、圧着手段よりも小さな圧力しか必要としない接着手段で封筒用紙を接着させることができる。
【0022】
請求項3に記載された封書作成装置によれば、請求項2記載の封書作成装置において、幅方向の両縁部に感圧式接着剤を設けた封筒用紙を折り畳み、感圧式接着剤が両縁部で互いに対面している封筒を封緘する場合には、前記圧着手段として一対の圧着ローラを用い、封筒の両縁部をを加圧して搬送することにより、封筒内の内容物を封筒に対して接着することなく、封筒用紙の感圧接着剤だけを確実に加圧して接着し、封筒を封緘することができる。
【0023】
請求項4に記載された封書作成装置によれば、請求項2又は3記載の封書作成装置において、幅方向の両縁部よりも内側に再湿糊を設けた封筒用紙を折り畳んで封緘する場合には、前記接着手段として加水手段を用い、再湿糊に水を与えて接着力を発揮させた後に封筒用紙を折り曲げて再湿糊で封筒用紙を確実に接着し、封筒を封緘することができる。
【0024】
請求項5に記載された封書作成装置によれば、請求項3又は4記載の封書作成装置において、封入封緘部において、加水手段で再湿糊に加水した後に封筒用紙を折り曲げることにより、再湿糊で封筒用紙を接着させた後に、一対の圧着ローラで封筒の幅方向の両縁部にそれぞれ圧力を加えて封緘を行なうことができる。
【0025】
請求項6に記載された封筒用紙によれば、その幅方向の両縁部に、同じ向きで重ねた場合には対面せず、折りによって封筒に成形した際には封筒の両縁部で互いに対面するようなパターンで感圧式接着剤を設け、幅方向の両縁部よりも内側には、両端部に設けた感圧接着剤とは異なる他の接着剤のパターンを設けたので、例えば請求項1乃至5に記載の封書作成装置によって、従来よりも小型の圧着ローラを使用した簡易な構成で感圧接着剤を用いた封緘を行なうことができる。
【0026】
請求項7に記載された封筒用紙によれば、その幅方向の両縁部の片面側のみに感圧式接着剤を設けたので、同じ向きで重ねた場合には感圧式接着剤は対面せず接着することはない。また、折りによって封筒に成形した際には、感圧式接着剤は封筒の両縁部で直接互いに対面し、又は一方の外側の面の両縁部に設けられた感圧式接着剤は、折り曲げられて内側になった面の両縁部に設けられた切欠きを介して、他方の外側の面の両縁部に設けられた感圧式接着剤と対面する。また、幅方向の両縁部よりも内側には、感圧接着剤とは異なる他の接着剤が設けられている。従って、例えば請求項1乃至5に記載の封書作成装置によって、従来よりも小型の圧着ローラを使用した簡易な構成で感圧接着剤を用いた封緘を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施形態に係る封筒用紙の表面の図である。
【図2】第1実施形態に係る封筒用紙の裏面の図である。
【図3】第1実施形態に係る封筒用紙の折り工程(1)を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る封筒用紙の折り工程(2)を示す図である。
【図5】第1実施形態の封書作成装置における封入封緘部の構成の一部とその作用を示す模式的斜視図である。
【図6】第1実施形態に係る封書作成装置の構造と、同装置における封筒の流れを矢印で示した模式的断面図である。
【図7】第1実施形態に係る封書作成装置の構造と、同装置における内容物の流れを矢印で示した模式的断面図である。
【図8】第1実施形態に係る封書作成装置の構造と、同装置における封緘作業と封緘後の封筒の排出工程を示した模式的断面図である。
【図9】第1実施形態の封書作成装置における封入封緘部の構成を示す模式的正面図である。
【図10】第1実施形態の封書作成装置の封入封緘部における再湿糊への水付け工程を示す模式的正面図である。
【図11】第1実施形態の封書作成装置の封入封緘部における再湿糊による接着工程を示す模式的正面図である。
【図12】第1実施形態の封書作成装置の封入封緘部において封筒の位置合わせ機構を特に示す模式的斜視図である。
【図13】第1実施形態の封書作成装置の封入封緘部において封筒の位置合わせ機構の作用を示す模式的斜視図である。
【図14】第2実施形態に係る封筒用紙の表面の図である。
【図15】第1実施形態に係る封筒用紙の裏面の図である。
【図16】第1実施形態に係る封筒用紙の折り工程(1)を示す図である。
【図17】第1実施形態に係る封筒用紙の折り工程(2)を示す図である。
【図18】従来の封筒用紙の構造と折り工程(1)を示す図である。
【図19】従来の封筒用紙の構造と折り工程(2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
1.第1実施形態(図1〜図13)
(1)本封書作成装置で使用される封書用紙について(図1〜図5)
図1は本実施形態で使用される封筒用紙100の表面(宛て名が印刷される側)を示す図であり、図2は同裏面を示す図である。この封筒用紙100は、第1紙片101、第2紙片102、第3紙片103の3つの紙片が折り目で繋げられた矩形の用紙である。
【0029】
図1に示すように、第1紙片101の表面は封筒の表に相当し、宛名が印刷される。また第1紙片101には、幅方向に沿って帯状の開封テープ104がミシン目で形成されており、その一端部には2箇所の開口105が設けてある。封緘された封筒を開封する場合には、この開口105から開封テープ104に指を掛けてミシン目に沿って剥がせばよい。第2紙片102の表面は封筒の裏に相当し、発送者の名称・住所等が印刷される。第3紙片103の表面には、幅方向の両縁部に沿って感圧接着剤106が所定間隔でそれぞれ2箇所に帯状に設けられている。また、第3紙片103の表面には、第2紙片102との折り目に近接した両縁部の内側において、幅方向に沿った帯状のパターンで2箇所に再湿糊107が設けられている。
【0030】
感圧接着剤は、用紙に設けた感圧接着剤同士を密着させて所定の圧力を加えることによって接着力を発揮する種類の接着剤であり、マイクロカプセルを利用した2液式のものや天然ゴム系の接着材料などが知られている。再湿糊は、例えばアラビヤ糊等であり、用紙に塗布して乾いた状態では接着力はないが、水で濡らすと接着力が生じ、この状態で他の用紙と重ねて所要の圧力を加えれば両用紙は接着される。再湿糊で接着する場合の圧力は、感圧接着剤で必要とされる圧力に比べて相当低くても有効である。接着強度は両者とも少なくとも紙よりは相当に高いので、一つの封筒に2種類の接着剤を使用しても接着力の強弱による問題が生じることはない。また、再湿糊に替えて、通常は接着力がないが、感圧接着剤における加圧以外の何らかの操作で接着力が生じる接着剤を用いてもよい。例えば、熱、紫外線を含む光、その他の物理手段によって接着力を生じる接着剤や、前記感圧接着剤における加圧よりも低い加圧で接着力を発揮する他の感圧接着剤でもよい。
【0031】
再湿糊は、先に述べたように接着力を発揮させるためには水を付けることが必要であり、封筒を形成する材料は紙であるため、水を含むと膨潤による剛性の低下と変形が著しく発生してしまう。また、用紙の変形は乾燥後も残留するため、完成した封筒の外観を見苦しくしてしまう。よって、必要な接着範囲内に小さな大きさに分割して複数個を設置することで変形を少なくさせている。
【0032】
図2に示すように、第1乃至第3紙片102〜103の各面には、必要に応じて、封書の内容である文章や図、写真等の情報を印刷することができる。第1乃至第3紙片101〜103の各裏面には、幅方向の両縁部に沿って感圧接着剤106が所定間隔でそれぞれ2箇所に帯状に設けられている。また、第2紙片102の裏面の上には、内容物40が載置される。内容物40の幅Wは、封筒用紙100の紙片の両縁部に印刷された各感圧接着剤106の間隔よりも小さい。これらの感圧接着剤106の配置パターンは、各紙片を折って封筒の形状に組み立てた場合に、対応する紙片同士の感圧接着剤106が互いに同じ位置に来て当接するように考慮されている。しかしながら、封筒用紙100を、例えば表面を上側にする等、同じ上下関係で多数枚を重ねた場合には、表面の感圧接着剤106と裏面の感圧接着剤106は対面せず、接触しないようになっている。感圧接着剤106同士を接触させて長期間放置すると、加圧しなくても、高温や多湿等の環境条件によっては自然に接着してしまうという不具合が発生することがあるが、実施形態の封筒用紙100によれば、そのような不具合が発生するのを未然に防ぐことができる。
【0033】
宛て名や内容等を印刷した後、封筒用紙100を封筒の形状に成形する場合の折り等の加工手順を説明する。
図3に示すように第2紙辺102の裏面の上に内容物40を載置した状態で、第2紙辺102及び内容物40に対し、第3紙片103の裏面を合わせて両紙辺102、103の各感圧接着剤106を互いに接触させる。さらに図4において、図示しない手段で再湿糊107に水を付けた後、第1紙辺101の裏面と第3紙辺103の表面とを合わせて再湿糊107と第1紙片101の裏面を接触させるとともに、両紙辺101、103の各感圧接着剤106を互いに接触させる。この状態で封筒用紙100は三つ折りの封筒の形状とはなるが、感圧接着剤106はまだ接着されてはいない。
【0034】
その後、封筒の幅以上の長さがある図示しないローラによって封筒50の全面を挟持して搬送し、第3紙片103の再湿糊107と第1紙片101を接着する。また、図5に示すように、圧着ローラ80によって、封筒50の幅方向の両縁部にある感圧接着剤106を接着させる。この圧着ローラ80は上下1組で左右2対が設けられており、内容物40が封入された封筒50の幅方向、すなわち搬送方向とは交差する方向の両縁部を、それぞれ上下から挟持して圧力を加え、感圧接着剤106の接着力を発揮させて封緘を行なうことができる。これによって、対面する各紙辺の間で接触している感圧接着剤106は粘着性を生じ、内容が密封された封筒50の形態が実現される。
なお、以上説明した封筒用紙100の封入封緘作業は、以下に説明する第1実施形態の封書作製装置1によって自動的に実行される。
【0035】
(2)本封書作成装置の機構について(図6〜図9)
第1実施形態の封書作製装置1は、作製すべき封書ごとに処理を行なう。すなわち、前記封筒用紙100と、枚葉状の用紙である内容物40に対し、共通の印刷部2を用いて適当な順序で必要な印刷を施す。そして、印刷後の封筒用紙100及び内容物40を封入封緘部3に送り込み、それぞれ別系統の搬送経路で搬送しながら、封筒用紙100については、封筒50の形態となるように封筒用紙100を折るとともに、内容物40にも必要に応じて折りを施す。そして、最終的に両者を封入封緘手段で合流させ、内容物40を封筒50に封入・封緘して装置の上部に完成した封書として揃えて排出する。
【0036】
まず、封書作製装置1は、封筒50及び内容物40となる用紙を印刷して排出する印刷部2を備えている。この印刷部2は、装置の各部を収納する筐体4の内部又は側面等に、複数種類の被印刷体(内容物40となる枚葉状の用紙30や封筒用紙100)を収納可能な複数の給紙台P(P1〜P4)を備えている。本例では、筐体4の側面に取り付けられた給紙台P1に封筒用紙100が収納され、筐体4の内部に設けられた給紙台P2〜P4に内容物40となる枚葉状の用紙30が収納されている。
【0037】
これら給紙台Pから出た用紙等は、導入路からループ状の搬送路5に送り込まれて搬送され、搬送路の下半部に沿って下向きに所定間隔で配置された印刷手段によって画像が形成される。本例では、印刷手段として、シアン、ブラック、マゼンタ、イエローの各色のインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェット装置C、K、M、Yが配置されている。
【0038】
このループ状の搬送路5には、印刷手段の下流の隣部に、ほぼ水平な方向で用紙をループ外に排出する第1の排出路6が分岐して設けられている。また、ループ状の搬送路5の上半部には、用紙をループ外に排出する第2の排出路7が分岐して設けられている。さらに、第2の排出路7と給紙台Pからの導入路との間にはスイッチバック路8が分岐して設けられている。このスイッチバック路8は、搬送路5を搬送されてきた用紙を受け入れた後に逆行させて搬送路5に戻すことにより、搬送路5中における用紙の上下を反転させる手段である。このスイッチバック路8を用い、用紙の上下面を逆転させて搬送路5を2回通過させれば、インクジェット装置C、K、M、Yで用紙の上下両面にカラー画像を形成するカラー両面印刷を行なうことができる。
【0039】
次に、前記印刷部2の隣部には、印刷部2の第1の排出路6から送られた封筒用紙100や内容物40となる用紙30を受け入れて処理し、封筒用紙100に内容物40を封入して封緘するための封入封緘部3が設けられている。
【0040】
すなわち、前記印刷部2の第1の排出路6は水平に延設されて外部に突出しており、隣にある封入封緘部3の筐体9内に導入されている。筐体9内では、この排出路6から、第2の搬送経路20が斜め下方に分岐しており、そのさらに下流は第1の搬送経路10の一方の経路11となって斜め下方に延設されている。
【0041】
第1の搬送経路10の一方の経路11は、第2の搬送経路20の一方の経路21と略平行に配置されている。第1の搬送経路10の一方の経路11は封筒用紙100を折り手段に搬送する案内路であり、前述したように、第2の搬送経路20の一方の経路21は内容物40の用紙を折り手段に搬送する案内路であり、第1及び第2の搬送経路10,20の切り替えは、第2の搬送経路20の分岐点に設けられた図示しない切り替えフラップで行なう。
【0042】
第1の搬送経路10の一方の経路11の終端には、封筒用紙100を折って封筒50の形態を作製するために第1の折り手段が設けられている。この第1の折り手段には、回動自在の主折りローラA’と、これに接して回動する用紙搬送ローラD’及び第1折りローラB’が設けられている。これらのローラはゴム製であり、用紙の折りのためであるから加圧力は小さく、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。
【0043】
第1の搬送経路10の第1の折り手段の主折りローラA’と第1折りローラB’の間からは、第1の搬送経路10の他方の経路13が、上方に凸の形状に湾曲しつつ水平方向に延設されている。封筒用紙100を搬送する第1の搬送経路10の他方の経路13の終端は、後に詳述する封入封緘手段に導かれている。
【0044】
次に、封入封緘部3の筐体9の内部には、印刷部2で印刷された用紙を搬送する第2の搬送経路20が設けられている。この第2の搬送経路20は、第1の搬送経路10よりも下方にあり、印刷部2の第1の排出路6から水平方向に送られた用紙を斜め下方に送る一方の経路21を有している。
【0045】
この経路21の中途には、用紙搬送ローラ22と、開閉自在なゲートである整合部23が設けられており、搬送した用紙を、経路21を閉止した整合部23に留めることにより、用紙を経路21内で重ねて貯留することができるようになっている。また、この経路21の終端には、用紙を折り畳むための折り手段が設けられている。この折り手段には、回動自在な中央の主折りローラAが設けられ、さらに、第1折りローラB、第2折りローラC及び1つの用紙搬送ローラDが主折りローラAにそれぞれ回動自在に接触している。これらのローラがはゴム製であり、用紙の折りのためであるから加圧力は小さく、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。さらに、図示はしないが、主折りローラAと搬送ローラDによる搬送方向の先方位置には、搬送された用紙の先端が突き当たる突き当て部材が設けられており、突き当たった用紙を撓ませて主折りローラAと折りローラBの間に用紙の撓み部を導いて用紙を折ることができるようになっている。また、同様に主折りローラAと折りローラBによる搬送方向の先方位置にも突き当て部材があり、突き当たった用紙を撓ませて主折りローラAと折りローラCの間に用紙の撓み部を導いて用紙を折ることができるようになっている。従って、これら折り手段によれば、用紙を2回以上折ることができる。
【0046】
封入封緘部3の筐体9の内部において、前記第2の搬送経路20は、折り手段で折られた用紙30を前記経路21と略直交する斜め上方に連続して搬送する他方の経路26を有している。この他方の経路26は、封筒用紙100を斜め下方に送る前述した第1の搬送経路10の他方の経路13よりも下方の位置にあり、前記封入封緘手段において第1の搬送経路10の経路13と合流している。
【0047】
次に、第1の搬送経路10と第2の搬送経路20の合流点にある封入封緘手段について説明する。この封入封緘手段は、封筒用紙100に必要に応じてさらに折りを与える第2の折り手段であるとともに、折られた封筒用紙100に内容物40を整合させた後にさらに折りを加えることにより、内容物40を封筒内に包み込ませる封入手段でもあり、さらにこの封筒を封緘する封緘手段も備えている。
【0048】
まず封入封緘手段には、第2の折り手段である回動自在の主折りローラA”と、これに接して回動する用紙搬送ローラD”及び第1及び第2折りローラB”,C”が設けられている。これらのローラはゴム性であり、用紙の折りのためであるから加圧力は小さく、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。封筒用紙100は、必要に応じて前述した第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’等によって折られた後に、さらに第2の折り手段である主折りローラA”等に送られ、ここで封入前段のさらなる折りが必要に応じて実行される。
【0049】
但し、詳細は後述するが、本実施形態では封筒用紙100を三つ折りにして内部に内容物40を封入するので、封筒用紙100は第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’等によって一回折られた後は、第2の折り手段である主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間を通過し、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”の間を通過した付近で、その後内容物40の整合に備えて待機することとなる。そして、第2の搬送経路20を経て送られてくる内容物40と整合した後に、さらに主折りローラA”と第2折りローラC”の間で2回目の折りを施され、内容物40の封筒50への封入が行なわれることとなる。
【0050】
しかし、本実施形態では、主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間から下方に待機経路46が延設されている。このため、本実施形態とは異なる封筒用紙又は本実施形態とは異なる工程で封書作成を行なうこともできる。例えば、第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’等によって封筒用紙を一回折った後、第2の折り手段である主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間を通過させ、そのまま待機経路46に進入させて待機させる。その後、待機中のこの封筒用紙に、第2の搬送経路20を経て送られてくる内容物を整合させた後、両者を主折りローラA”と第2折りローラB”の間に挟み込んで折りながら搬送して封筒内に内容物を封入させることも可能である。
【0051】
次に、図6〜図8及び図9に示すように、封入封緘手段の主折りローラA”と第2折りローラC”の間には、後方に向けてやや傾斜した経路31が配置されている。この経路31の後端付近には、封筒用紙100の再湿糊107に水を付けて接着力を発揮させ、封筒用紙100を接着して封筒50にするための接着手段としての加水手段60が設けられている。
【0052】
加水手段60は、封筒用紙100の幅方向の両縁部よりも内側に設けられた再湿糊107に加水する装置であって、経路31の下方に配置した水タンク61と、水タンク61の水に浸漬されたフェルト材等からなる吸水部62と、経路31の上方に配置した揺動アーム63と、この揺動アーム63を駆動する回転カム64を備えている。
【0053】
第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’等によって一回折られた封筒用紙100は、第2の折り手段である主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間を通過した後、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”の間を通過した付近で待機する。その後、第2の搬送経路20の他方の経路26に沿って送られた内容物40が待機中の封筒用紙100に整合される。
【0054】
図10に示すように、整合された封筒用紙100と内容物40は、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”で先方に搬送される。ここで、封筒用紙100は、第3紙片103の表面が下向きとなり、第3紙片103の表面にある再湿糊107が加水手段60の吸水部62と対面した状態にある。これは、図4において、第1紙片101が矢印の方向に畳まれる前の状態に近い。ここで回転カム64が作動して揺動アーム63が揺動し、再湿糊107が吸水部62に押し付けられて加水される。
【0055】
図11に示すように、主折りローラA”と第2折りローラC”によって封筒用紙100が先方に送られる。これによって、第1紙片101が折られて第3紙片103の表面に重なり、再湿糊107に接着される。
【0056】
次に、図6〜図8及び図9に示すように、封入封緘手段の主折りローラA”と第2折りローラC”の間には、斜め上前方に向けて傾斜した経路47が配置されている。この経路47は、第1の搬送経路10の一方の経路11や、第2の搬送経路20の一方の経路21と略平行となっている。
【0057】
この経路47の中途には、図5を参照して既に説明したように、封入封緘手段の一部を構成する圧着手段としての圧着ローラ80が設けられている。圧着ローラ80は、封筒用紙100の感圧接着剤106にある程度の圧力を加える手段であるから、剛性の高い金属で構成する。この圧着ローラ80は上下1組で左右2対が設けられており、内容物40が封入された封筒50の幅方向の両縁部を、それぞれ上下から挟持して圧力を加え、感圧接着剤106による封緘を行なうことができる。
【0058】
図9に示すように、各圧着ローラ80は、支点81を中心として揺動可能とされた支持アーム82の先端に取り付けられている。この支持アーム82の後端には付勢手段83が取り付けられており、1組の圧着ローラ80は互いに所定の圧力をもって接触するように構成されている。従って、1組の圧着ローラ80,80の間に封筒50を導き入れ、圧着ローラ80を送り方向に駆動すれば、封筒50は両縁部のみに所定の圧力を受けながら先方に搬送されていく。なお、付勢手段83によって圧着ローラ80が封筒用紙100に与える圧力は、感圧接着剤106の種類にもよるが、例えば700N/cm程度とすることができる。
【0059】
ここで、前記圧着ローラ80の幅は、前記封筒用紙100の幅方向の両縁部に設けられた感圧式接着剤の塗布幅よりも小さい。また、左右2対の圧着ローラ80,80の間隔は、封筒50内に封入された内容物40の幅よりも大きく、封筒50の幅よりも小さい。従って、圧着ローラ80による封緘工程では、封筒50の幅方向の両縁部の感圧接着剤106だけを圧着ローラ80の幅分の面積で確実に加圧して予定通りの接着力で接着でき、しかもその際、内容物40は圧着ローラ80の加圧を受けないので、内容物40が封筒と一緒に接着されてしまうことがない。なお、一例を挙げれば、通常のサイズの封筒を形成する場合、封筒用紙100の両縁部に設ける感圧接着剤106の幅は、圧着ローラ80の位置ずれを考慮して5mm程度とすることができ、圧着ローラ80の幅は、封筒用紙100の確実な接着を考慮して3mm程度とすることができる。
【0060】
上述したように、圧着ローラ80は幅が狭く、組み立てられた封筒の両縁部の感圧接着剤106の部分のみを圧着ローラ80で挟んで加圧する必要があるため、圧着ローラ80に対する封筒の幅方向の位置合わせは正確に行なう必要がある。
【0061】
そこで、図12に示すように、本実施形態の封入封緘部には、主折りローラA”及び第2折りローラC”と、圧着ローラ80との間に位置合わせローラ65が設けられている。位置合わせローラ65の軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きく、封筒用紙100を挟持したまま、軸方向に移動して位置を調整することができる。また、位置合わせローラ65のやや下流側の上方にはエッジセンサ66が設けられており、位置合わせローラ65に挟持された封筒用紙100の縁部を捉え、位置合わせローラ65の位置を修正するために封筒用紙100の位置情報を取得できるようになっている。
【0062】
従って、図12又は13に示すように、位置合わせローラ65に搬送されている封筒50の縁部をエッジセンサ66が捉え、その位置情報に基づいて位置合わせローラ65を移動させれば、圧着ローラ80に対して封筒50の幅方向の位置を最適に調整できる。これによって、組み立てられた封筒50の両縁部の感圧接着剤106の部分のみを確実に圧着ローラ80で加圧することができる。
【0063】
なお、図6〜図8に示すように、本実施形態の封書作製装置1は、以上説明した印刷部2及び封入封緘部3の各機構を制御するための制御手段90を備えている。なお、図示の例では、制御手段90は印刷部2内に配置されているが、封入封緘部3内に配置してもよいし、印刷部2及び封入封緘部3の外部に別体として配置してもよい。
【0064】
(3)本封書作成装置の動作について(図6〜図8、図10〜図13)
次に、以上説明した本実施形態の封書作製装置1において、封筒用紙100に宛て名等を印刷し、さらに複数枚の内容物40に必要な印刷を施して折り畳み、封筒用紙100を折り畳んで成形した封筒50に内容物40を封入封緘する全体の手順について通して説明する。
【0065】
図6に示すように、印刷部2では、封筒用紙100が給紙台P1から送り出される。本実施形態では、封筒用紙100は印刷部2の給紙台P1からP4のいずれにあっても良い。この封筒用紙100は、ループ状の搬送路5を1周する間にインクジェット装置C、K、M、Yで両面に印刷される。両面印刷でなく片面印刷を選択することもできる。一般に封筒50の外面となる面には宛て名等が印刷され、封筒50の内面となる面には、封入される内容物40の印刷内容とともに、宛先に送られるべき何らかの情報が必要に応じて印刷される。封筒50の内面に印刷された情報は、受取人が封筒50を切り開くことによって読むことができる。
【0066】
封筒用紙100は、図示しない切り替えフラップの切り替えにより、第1の搬送経路10の一方の経路11から折り手段に送られる。封筒用紙100は、主折りローラA’と用紙搬送ローラD’によって先方に送られ、図示しない突き当て部材に突き当って撓み、撓んだ部分から主折りローラA’と第1折りローラB’の間に入り、さらに挟持搬送されて通紙方向先端部の一部に折り目がつけられる。一部が折られた未完成の封筒は、封入封緘手段の主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間を通過し、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”の間も経路に沿って単に通過し、その後内容物40の整合に備えて待機する。
【0067】
図7に示すように、封筒用紙100に続き、定められた一定の間隔を空けて内容物40として必要な用紙30が給紙台P2乃至P4の何れかからループ状の搬送路5に送り込まれ、この搬送路を1周する間にインクジェット装置C、K、M、Yで用紙30の両面が印刷される。両面印刷でなく片面印刷を選択することもできる。内容物40の用紙30は、図示しない切り替えフラップの切り替えにより、第2の搬送経路20の一方の経路21に送られる。用紙30は必要枚数が溜まるまで第2の搬経路20の一方の経路21にある整合部23に貯留され、必要枚数が揃ったところで整合部23が開いて折り手段(主折りローラA等)に送り込まれる。折り手段で行なわれる複数回の折りにより、所望の状態に折り畳まれた用紙30は、第2の搬送経路20の他方の経路26を経て封入封緘部(主折りローラA”等)に送り込まれる。本実施形態では、内容物40は内三つ折りとなっている。この内容物40は、主折りローラA”と第2折りローラB”によって先に送られ、これらローラ付近で待機している封筒用紙100に整合される。
【0068】
図8に示すように、封入封緘部の主折りローラA”と第2折りローラC”により、封筒用紙100を外側にして内容物40を内側に包み込むように折り曲げる操作を行い、封筒50の内部に用紙30を包み込んでいく封入工程を実施する。
【0069】
図10に示すように、整合された封筒用紙100と内容物40は、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”で先方に搬送される。ここで、加水手段60の回転カム64が作動して揺動アーム63が揺動し、封筒用紙100の再湿糊107を吸水部62に押し付けて加水する。
【0070】
図11に示すように、主折りローラA”と第2折りローラC”によって封筒用紙100が先方に送られ、第1紙片101が折られて第3紙片103の表面に再湿糊107で接着されて封筒50の形状となり、位置合わせローラ65に入る。
【0071】
図13に示すように、封筒50を挟持した位置合わせローラ65は、図12に示すエッジセンサ66で把握された封筒50の位置を元に軸方向の位置を調整し、封筒50の感圧接着剤106が圧着ローラ80と重なる位置に来るように封筒50を移動させる。そして、封筒50は圧着ローラ80を通過することによって両縁部が貼り合わされ、封筒50の封緘が行なわれる。
【0072】
本実施形態によれば、内容物40と整合した封筒用紙100を折って封筒50にする過程で、まず再湿糊107で紙片同士を接着し、その後に、封筒50の幅方向の位置決めを正確に行なってから圧着ローラ80に送り込み、幅の狭い圧着ローラ80で確実に感圧接着剤106を加圧している。従って、幅が狭く小さい力で高い圧力を出せる圧着ローラ80により感圧接着剤106を接着に必要十分な幅で確実に接着させることができる。
【0073】
そして、封入・封緘が完了して完成した封書は、筐体9の上面に設けられた排出トレイ48に排出され、順次積み上げられて取り出しを待つ。
【0074】
(4)封書用紙の他の構造例について(図14〜図17)
図14は本実施形態で使用される封筒用紙200の表面(宛て名が印刷される側)を示す図であり、図2は同裏面を示す図である。この封筒用紙200は、第1紙片201、第2紙片202、第3紙片203の3つの紙片が折り目で繋げられた矩形の用紙である。
【0075】
図14に示すように、第1紙片201の表面は封筒の裏に相当し、発送者の名称・住所等が印刷される。また第1紙片201には、折り目と平行な長辺から幅方向の両縁部に至る2本のミシン目204が形成されている。封緘された封筒を開封する場合には、このミシン目204に沿って第1紙片201の中央部分を剥がせばよい。第2紙片202の表面は封筒の表に相当し、宛名が印刷される。第3紙片203の表面には、第2紙片202との折り目に近接した両縁部の内側において、幅方向に沿った帯状のパターンで2箇所に再湿糊307が設けられている。第3紙片203の両縁部のうち、第2紙片202に近接した部分には、切欠き205が設けられている。
【0076】
図15に示すように、第1乃至第3紙片201〜203の各裏面には、必要に応じて、封書の内容である文章や図、写真等の情報を印刷することができる。また、第2紙片202の裏面の上には、内容物40が載置される。内容物40の幅は、封筒用紙200の紙片の両縁部に印刷された感圧接着剤306の間隔よりも小さい。第1乃至第3紙片201〜203の各裏面には、幅方向の両縁部に沿って感圧接着剤306が所定のパターンで帯状に設けられている。これらの感圧接着剤306の配置パターンは、各紙片を折って封筒の形状に組み立てた場合に、対応する紙片同士の感圧接着剤306が互いに同じ位置に来て当接するように考慮されている。しかしながら、封筒用紙200を、例えば表面を上側にする等、同じ面で多数枚を重ねた場合には、表面には感圧接着剤が無いため裏面の感圧接着剤306は対面せず、接触しないようになっている。このため、図1等に示した前記封筒用紙200と同様、重ねた封筒用紙200が貼り付いてしまう不具合が発生することはない。
【0077】
宛て名や内容等を印刷した後、封筒用紙200を封筒の形状に成形する場合の折り等の加工手順を説明する。
図16に示すように第2紙片202の裏面の上に内容物40を載置した状態で、第2紙片202及び内容物40に対し、第3紙片203の裏面を合わせて両紙辺202、203の各感圧接着剤306、306を互いに接触させる。このとき、第3紙片203の切欠き205から第2紙片202の感圧接着剤306の一部が露出する。
【0078】
図17において、図示しない手段で再湿糊307に水を付けた後、第1紙片201の裏面と第3紙片203の表面とを合わせて再湿糊307と第1紙片201の裏面を接触させるとともに、両紙辺201、203の各感圧接着剤206を互いに接触させる。このとき、第3紙片203の切欠き205から露出している第2紙片202の感圧接着剤306の一部は、第1紙片306の裏面の感圧接着剤206の一部と接している。この状態で封筒用紙200は三つ折りの封筒の形状となるが、再湿糊207も感圧接着剤306もまだ接着されてはいない。
【0079】
その後、図1等に示した前記封筒用紙100の場合と同様に、封筒の幅以上の長さがある図示しないローラによって封筒の全面を挟持して搬送し、第3紙片203の再湿糊307と第1紙片201を接着する。また、図5に示すように、圧着ローラ80によって感圧接着剤206を接着させる。これによって、対面する各紙辺の間で接触している感圧接着剤306は粘着性を生じ、内容が密封された封筒の形態が実現される。
なお、以上説明した封筒用紙200の封入封緘作業は、前述した第1実施形態の封書作製装置1によって自動的に実行することができる。
【0080】
2.実施形態の変形例について
以上説明した各実施形態の封書作製装置1は印刷部2を備えているが、この印刷部2は既設の画像形成装置であってもよい。すなわち、既に事業所等に設置してある通常の画像形成装置を本発明における印刷部2とし、これに封入封緘部3を接続することによって本発明の封書作製装置1とすることができる。このため、1台の既設の画像形成装置を利用して封筒用紙100,200と内容物40の印刷を行なうことができ、自動的な封書作製装置の設置コストが少なくて済む。
【0081】
また、内容物40の用紙30は必ずしも折る必要はなく、封筒の大きさとの関係により、折らずに元のサイズのままで封筒に封入することとしてもよい。また、各実施形態では、封筒用紙100,200及び内容物40の用紙30として枚葉状の用紙を使用したが、例えばロール状の用紙を使用し、使用の都度、必要な長さに切断して供給するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1…封書作製装置
2…印刷部
3…封入封緘部
10…第1の搬送経路
11…第1の搬送経路の一方の経路
13…第1の搬送経路の他方の経路
20…第2の搬送経路
21…第2の搬送経路の一方の経路
26…第2の搬送経路の他方の経路
30…用紙
40…内容物 50…封筒
60…接着手段としての加水手段
80…圧着手段としての圧着ローラ80
90…制御手段
100,200…封筒用紙
106,206…感圧接着剤
107,207…再湿糊
A,A’…主折りローラ
B.B’…第1折りローラ
C…第2折りローラ
D,D’…用紙搬送ローラ
A”…主折りローラ
B”…第1折りローラ
C”…第2折りローラ
D”…用紙搬送ローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作成すべき封書ごとに封筒となる封筒用紙及び内容物をそれぞれ印刷する印刷部と、前記印刷部で印刷された前記封筒用紙を搬送する第1の搬送経路と、前記印刷部で印刷された前記内容物を搬送する第2の搬送経路と、前記第1の搬送経路と前記第2の搬送経路が合流する位置に配置され、前記内容物を内包するように前記封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置において、
前記封入封緘部には、その搬送方向とは交差する前記封筒の幅方向の両縁部にそれぞれ圧力を加えて封緘を行なう圧着手段が設けられていることを特徴とする封書作成装置。
【請求項2】
前記封入封緘部には、前記封筒の幅方向の両縁部よりも内側において前記封筒用紙を接着させる接着手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の封書作成装置。
【請求項3】
前記圧着手段は、
前記封筒用紙の前記幅方向の両縁部に設けられて前記封筒の両縁部では互いに対面している感圧式接着剤の塗布幅よりも小さい幅をそれぞれが備えるとともに、前記封筒内に封入された前記内容物の前記幅方向の寸法よりも大きく、前記封筒の前記幅方向の寸法よりも小さい間隔で配置された一対の圧着ローラを有していることを特徴とする請求項2記載の封書作成装置。
【請求項4】
前記接着手段は、
前記封筒用紙の前記幅方向の両縁部よりも内側に設けられた再湿糊に加水する加水手段であり、
前記封入封緘部において、前記加水手段で前記再湿糊に加水した後に前記封筒用紙を折り曲げることにより前記再湿糊で前記封筒用紙を接着させることを特徴とする請求項2又は3記載の封書作成装置。
【請求項5】
前記封入封緘部において、前記加水手段で前記再湿糊に加水した後に前記封筒用紙を折り曲げることにより前記再湿糊で前記封筒用紙を接着させた後に、前記一対の圧着ローラで前記封筒の幅方向の両縁部にそれぞれ圧力を加えて封緘を行なうことを特徴とする請求項4記載の封書作成装置。
【請求項6】
内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置に適用される封筒用紙において、
その幅方向の両縁部に設けられ、同じ向きで重ねた場合には対面せず、折りによって封筒に成形した際には前記封筒の両縁部において互いに対面する感圧式接着剤と、
前記幅方向の前記両縁部よりも内側に設けられた他の接着剤と、
を有することを特徴とする封筒用紙。
【請求項7】
内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置に適用される封筒用紙において、
その幅方向の両縁部で片面側のみに設けられた感圧式接着剤と、
折り曲げられた時に内側になる面の両縁部に設けられた切欠きと、
前記幅方向の前記両縁部よりも内側に設けられた他の接着剤と、
を有することを特徴とする封筒用紙。
【請求項1】
作成すべき封書ごとに封筒となる封筒用紙及び内容物をそれぞれ印刷する印刷部と、前記印刷部で印刷された前記封筒用紙を搬送する第1の搬送経路と、前記印刷部で印刷された前記内容物を搬送する第2の搬送経路と、前記第1の搬送経路と前記第2の搬送経路が合流する位置に配置され、前記内容物を内包するように前記封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置において、
前記封入封緘部には、その搬送方向とは交差する前記封筒の幅方向の両縁部にそれぞれ圧力を加えて封緘を行なう圧着手段が設けられていることを特徴とする封書作成装置。
【請求項2】
前記封入封緘部には、前記封筒の幅方向の両縁部よりも内側において前記封筒用紙を接着させる接着手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の封書作成装置。
【請求項3】
前記圧着手段は、
前記封筒用紙の前記幅方向の両縁部に設けられて前記封筒の両縁部では互いに対面している感圧式接着剤の塗布幅よりも小さい幅をそれぞれが備えるとともに、前記封筒内に封入された前記内容物の前記幅方向の寸法よりも大きく、前記封筒の前記幅方向の寸法よりも小さい間隔で配置された一対の圧着ローラを有していることを特徴とする請求項2記載の封書作成装置。
【請求項4】
前記接着手段は、
前記封筒用紙の前記幅方向の両縁部よりも内側に設けられた再湿糊に加水する加水手段であり、
前記封入封緘部において、前記加水手段で前記再湿糊に加水した後に前記封筒用紙を折り曲げることにより前記再湿糊で前記封筒用紙を接着させることを特徴とする請求項2又は3記載の封書作成装置。
【請求項5】
前記封入封緘部において、前記加水手段で前記再湿糊に加水した後に前記封筒用紙を折り曲げることにより前記再湿糊で前記封筒用紙を接着させた後に、前記一対の圧着ローラで前記封筒の幅方向の両縁部にそれぞれ圧力を加えて封緘を行なうことを特徴とする請求項4記載の封書作成装置。
【請求項6】
内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置に適用される封筒用紙において、
その幅方向の両縁部に設けられ、同じ向きで重ねた場合には対面せず、折りによって封筒に成形した際には前記封筒の両縁部において互いに対面する感圧式接着剤と、
前記幅方向の前記両縁部よりも内側に設けられた他の接着剤と、
を有することを特徴とする封筒用紙。
【請求項7】
内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置に適用される封筒用紙において、
その幅方向の両縁部で片面側のみに設けられた感圧式接着剤と、
折り曲げられた時に内側になる面の両縁部に設けられた切欠きと、
前記幅方向の前記両縁部よりも内側に設けられた他の接着剤と、
を有することを特徴とする封筒用紙。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−91376(P2012−91376A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239789(P2010−239789)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】
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