説明

射出成型装置及び射出成型品の製造方法

【課題】本発明の目的は、コールドランナーの面積を均一かつ最小とし、各キャビティへの樹脂充填バランス及び保持圧力バランスを制御して良好な歩留りを実現することが可能な射出成型装置及び射出成型品の製造方法を提供することにある。
【解決手段】射出成型を行うための射出成型装置Sに関する。
射出成型用の型に形成され、溶融樹脂の通路となるランナー12a,13a乃至13eと、このランナー12a,13a乃至13eの内部に収容された振動子34と、を備え、この振動子34は、ランナー12a,13a乃至13e内部で振動することにより、溶融樹脂の溶解状態を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は射出成型装置及び射出成型品の製造方法に係り、特に良好な歩留りのコールドランナー構造が実現された射出成型装置及び射出成型品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、樹脂製品を製造する方法として、射出成型が行われている。
射出成型は、金型に形成されたキャビティへと軟化させた樹脂材料を注入充填して固化させることにより、このキャビティと同形状の樹脂製品を製造する技術である。
しかし、1個の金型に複数のキャビティを形成し、異形状品の成型を行う場合には、樹脂材料の各キャビティへの充填時間が異なるため、先に充填されたキャビティでの樹脂が固化を始めてしまう等の問題が生じていた。
つまり、異形状品を各々成型する各キャビティにおいては、その容積が大きいキャビティでは樹脂充填時間が当然長くなり、容積の小さいキャビティでは充填時間が当然短くなる。また、溶融樹脂射出装置から各キャビティまでの距離が大きければ大きい程、移動時間が長くなるため充填時間が長くなる。
【0003】
このような状況を解決するための方法として、各種の技術が提案されている(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−200649号公報
【特許文献2】特開2001−328145号公報
【特許文献3】特開2002−370255号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、射出時間が短いキャビティと、射出時間が長いキャビティとを有する金型において、各キャビティでの射出成型条件を最適に設定することができる技術が開示されている。
この技術においては、各キャビティに樹脂を導入されるコールドランナー流量を調整して各キャビティへの充填完了時点を同一とする。
つまり、射出時間の短いキャビティ側に流量制御手段を設け、射出開始から一定時間経過後にコールドランナーの流量を絞り込む(つまり、コールドランナーの樹脂流路面積を絞り込む)ことにより、射出時間の短いキャビティへの樹脂の射出時間の遅延を図る。
【0006】
また、特許文献2には、金型自体を加熱する加熱手段を備えた射出成型装置が開示されている。
この金型には保温機能が具備されており(金型を75℃に保って射出充填を行う、)偏肉部付近には加熱手段が備えられ、この加熱手段を稼動させることにより、この偏肉部の固化を遅延させることができる。
【0007】
更に、特許文献3には、超音波発振装置を用い、高速充填を可能とする技術が開示されている。
この技術においては、加熱シリンダ外壁にホーンが設置されており、このホーンには、超音波発振装置からの超音波が伝播される。
このため、シリンダ内部の樹脂は、ホーンからの超音波振動を受けて振動し、樹脂の流動性が向上する。
【0008】
しかし、特許文献1の技術においては、材料歩留りが悪化するという問題点があった。
また、特許文献2の技術においても、金型が一端加熱されると、冷却されるまでに時間を要し、歩留りが悪化するという問題点がある。
更に、特許文献3に技術においては、外周部からの加熱であるため、やはり冷却されるまでの時間を要することには変わりがなく、特許文献2と同様に、冷却されるまでに時間を要し、歩留りが悪化するという問題点がある。
また、外周部は超音波振動により熱が発生するが、内部の樹脂が加温されるわけではないので、保持圧力を加える場合には、溶融樹脂の温度が低下して、十分な保持圧力が加わらないという問題点もあった。
【0009】
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、コールドランナーの面積を均一かつ最小とし、各キャビティへの樹脂充填バランス及び保持圧力バランスを制御して良好な歩留りを実現することが可能な射出成型装置及び射出成型品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、本発明に係る射出成型装置によれば、射出成型用の型に形成され、溶融樹脂の通路となるランナーと、該ランナーの内部に収容された振動子と、を備え、前記振動子は、前記ランナー内部で振動することにより、前記溶融樹脂の溶解状態を維持することにより解決される。
【0011】
上記課題は、本発明に係る射出成型品の製造方法によれば、溶融樹脂を溶解状態で射出することが可能な溶融樹脂射出装置より、射出成型用の型に形成されるとともに溶融樹脂の通路となるランナーを介して、各キャビティに樹脂を供給し、前記ランナーの内部に収容された振動子を前記ランナー内部で振動させることにより、前記溶融樹脂の溶解状態を維持した状態で、前記キャビティに前記溶融樹脂を充填することにより解決される。
【0012】
このように、本発明においては、振動子をランナー内部に収容し、この振動子によりランナー内部を通過する溶融樹脂に振動を与えることによって、溶融樹脂の溶融状態を維持する。
つまり、溶融樹脂に振動を与えることにより、分子レベルの摩擦力により摩擦熱を発生させて、溶融樹脂を加温する。
よって、溶融樹脂の溶融状態を維持することができるとともに、従来技術のように型自体を加熱しないため、冷却のためのエネルギー(コスト)と手間を省くことができる。
また、溶融状態が維持されるため、保持圧力を付加した場合にも、溶融樹脂の粘度が高くなることがなく(温度低下による粘度上昇が防止される)、末端部分(キャビティ付近)でも十分な保持圧力が維持できる。
よって、異種形状の成型品を多数形成する場合であっても、最適な保持圧力がかかるようにすることができる。
【0013】
このとき、本発明に係る射出成型装置において、前記振動子は、超音波振動子であり、該超音波振動子は、超音波振動を前記溶融樹脂に伝播することにより、前記溶融樹脂の溶融状態を維持するよう構成されていると好適である。
また、本発明に係る射出成型装置において、前記ランナーは、溶融樹脂射出装置からの前記溶融樹脂の通路となるメインコールドランナーと、該メインコールドランナーから枝分かれして各キャビティに連結されたサブコールドランナーとを有して構成されており、前記メインコールドランナー及び前記サブコールドランナーのうち少なくとも一方には、前記超音波振動子が収容されていると好適である。
更に、本発明に係る射出成型装置において、前記超音波振動子は、前記メインコールドランナー及び前記サブコールドランナー毎に周波数を設定することが可能に構成されていると好適である。
【0014】
また、本発明に係る射出成型品の製造方法において、前記振動子は、超音波振動子であるとともに、前記ランナーは、前記溶融樹脂射出装置からの前記溶融樹脂の通路となるメインコールドランナーと、該メインコールドランナーから枝分かれして各キャビティに連結されたサブコールドランナーとを有して構成されており、前記超音波振動子は、前記メインコールドランナー及び前記サブコールドランナーのうち少なくとも一方に収容され、前記メインコールドランナー及び前記サブコールドランナー毎に周波数を設定することにより、前記溶融樹脂の溶解状態を各所一定に維持するよう構成さていると好適である。
【0015】
このように、構成されているため、超音波による振動で、溶融樹脂を適切に撹拌して効率よく加温することができる。
また、メインコールドランナー及びサブコールドランナーの少なくとも一方に超音波振動子を収容するよう構成されているため、どのキャビティ付近においても、溶融樹脂の溶融状態を有効に維持することができる。
更に、所謂ホットランナー形式のように、末端に近い、つまり各キャビティに近いサブコールドランナーが直接加熱状態となることはないため、成型品の取出し時に冷却を行う必要がなく、歩留まりを良くすることができる。
このため、異種形状の成型品を多数形成する場合であっても、最適な保持圧力がかかるようにすることができるとともに、品質の高い成型品を歩留まり良く簡易に製造することができる。
【0016】
更に、本発明に係る射出成型装置において、前記超音波振動子は、前記溶融樹脂射出装置からの前記超音波振動子の配設距離、各キャビティへの充填時間、のいずれか若しくは双方に少なくとも相関して周波数が設定されるよう構成されていると好適である。
【0017】
また、本発明に係る射出成型品の製造方法において、前記周波数は、前記溶融樹脂射出装置から前記超音波振動子までの距離、各キャビティへの充填時間、のいずれか若しくは双方に少なくとも相関して設定されるよう構成されていると好適である。
【0018】
例えば、溶融樹脂射出装置からの超音波振動子の配設距離が大きくなればなる程、各キャビティへの充填時間が長くなればなる程、溶融樹脂の温度が低下し、溶融樹脂の粘度が高くなる。
よって、これら溶融樹脂射出装置からの超音波振動子の配設距離、各キャビティへの充填時間に少なくとも相関して、周波数を決定することにより、溶融樹脂の温度及び粘度を一定に保つことができる。
よって、異種形状の成型品を多数形成する場合であっても、最適な保持圧力がかかるようにすることができるとともに、品質の高い成型品を歩留まり良く簡易に製造することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る射出成型装置及び射出成型品に製造方法によれば、振動子をランナー内部に収容して、この振動子によりランナー内部を通過する溶融樹脂に振動を与えることによって、分子レベルで発生する摩擦熱で溶融樹脂を加温して溶融状態を維持することができる。
よって、溶融樹脂の溶融状態を維持することができるとともに、従来技術のように型自体を加熱しないため、冷却のためのエネルギー(コスト)と手間を省くことができる。
また、溶融状態が維持されるため、保持圧力を付加した場合にも、溶融樹脂の粘度が高くなることがなく(温度低下による粘度上昇が防止される)、末端部分(キャビティ付近)でも十分な保持圧力が維持できる。
よって、異種形状の成型品を多数形成する場合であっても、最適な保持圧力がかかるようにすることができるとともに、品質の高い成型品を歩留まり良く簡易に製造することができる。
更に、コールドランナーの面積を均一かつ最小とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、コールドランナーの面積を均一かつ最小とし、各キャビティへの樹脂充填バランス及び保持圧力バランスを制御して高い歩留りを実現することが可能な射出成型装置及び射出成型品の製造方法に関するものである。
【0021】
図1乃至図3は、本発明の一実施形態を示すものであり、図1は射出成型装置を示す説明図、図2は加振手段の説明図、図3はコールドランナーの説明図である。
【0022】
図1に本実施形態に係る射出成型装置Sの説明概略図を示す。
本実施形態に係る射出成型装置Sは、型としての金型1、溶融樹脂射出装置2、加振手段3を主要構成としている。
本実施形態に係る金型1は、一般に使用される公知の射出成型用の金型の基本形状と同様の構成となっている。
この金型1には、キャビティ11a乃至11l、メインコールドランナー12a、サブコールドランナー13a乃至13eが形成されている。
【0023】
キャビティ11a乃至11lは、射出成型品の立体形状に整合する空洞として形成されている。
なお、図1に係る各キャビティ11a乃至11lは、形状の例示であり平面形状で記載している。
本実施形態におけるメインコールドランナー12aは、溶解樹脂の通路であり、金型1の長手方向と略平行に形成されている。
このメインコールドランナー12aは、略円筒形状に穿孔されている。
【0024】
本実施形態に係るサブコールドランナー13a乃至13eは、メインコールドランナー12aから分岐した溶融樹脂流路であり、メインコールドランナー12aと同様に略円筒形状に穿孔されている。
このサブコールドランナー13a乃至13aの径は、メインコールドランナー12aの径と同径となるように形成されている。
【0025】
本実施形態に係る溶融樹脂射出装置2は、公知の溶融樹脂射出装置が使用されている。
この装置は、加熱シリンダとスクリュを主要構成とし、加熱シリンダの樹脂投入孔から投入された樹脂材料をスクリュで撹拌しながら加熱して融解するとともに、このスクリュで加熱シリンダ先端部まで送り出す。
加熱シリンダの先端側には射出用ノズルが接続されており、この射出用ノズルはメインコールドランナー12aにゲートを介して接続されている。このゲートを開放することにより、この加熱シリンダ先端部から射出用ノズルまで送り出された樹脂がメインコールドランナー12a内に射出される。
【0026】
メインコールドランナー12a、及びこのメインコールドランナー12aから分岐して形成されたサブコールドランナー13a乃至13eは、各キャビティ11a乃至11lに連結されている。
このように構成されているため、メインコールドランナー12aに射出された溶融樹脂は、このメインコールドランナー12a及びサブコールドランナー13a乃至13e内を移動して、各キャビティ11a乃至11lに充填される。
このとき、溶融樹脂の移動を促進するために、押圧を付加できる構成とされていてもよい。
【0027】
本実施形態に係る加振手段3は、図2に示すように、高周波発振回路31、超音波発振装置32、ホーン33、振動子としての超音波振動子34を主要構成としている。
本実施形態に係る高周波発振回路31は、高周波の励振電圧を発生し、本実施形態に係る超音波発振装置32は、この励振電圧を超音波振動に変換する。
本実施形態に係るホーン33は、超音波発振装置32から伝播された超音波振動を増幅し、超音波振動子34に供給する。
ただし、構成は、これに限られることはなく、溶融樹脂に接触する超音波振動子34を超音波振動させることができる構成であればどのような構成であってもよい。
【0028】
超音波とは、人間の聴覚器官では捉えられない周波数の高い音波であり、一般的に20kHz以上の音波を指す。
この超音波は、物質を振動させることにより、この物質を媒体として伝播する。
つまり、超音波振動子34から発生する超音波を溶融樹脂に接触させれば、この溶融樹脂を振動させることができる。
【0029】
つまり、超音波の振動は、メインコールドランナー12a及びサブコールドランナー13a乃至13e内を通過する溶融樹脂に触れて、圧力波として伝播される。
このため、溶融樹脂の分子レベルの摩擦熱により、溶融樹脂の温度を上昇させることができる。
また、キャビテーションを引き起こす程度の大きな振動を与えると、局所的に現れる圧力低下部分に形成された極めて小さな気泡が連続して破壊されるため、溶融樹脂の温度を大きく上昇させることができる。
つまり、圧力波のサイクルが負の場合に形成された気泡が、圧力波のサイクルが正の場合につぶれるという現象が繰り返され、溶融樹脂に激しい振動を与えることができ、より大きな温度上昇を引き起こすことができる。
【0030】
このように、加振手段3により、超音波振動子34に伝播される超音波の周波数を変化させることにより、溶融樹脂の温度を制御することができる。
よって、使用される溶融樹脂の種類、充填時間等の様々な条件に応じて、溶融樹脂の温度を制御して、より細かな制御を行うことができる。
【0031】
また、加振手段3を複数設置すれば、更に、細かな制御を行うことができる。
例えば、メインコールドランナー12aとサブコールドランナー13a乃至13eとで別個に加振手段3を設ければ、末端に近くなる(各キャビティ11a乃至11lに近くなる)サブコールドランナー13a乃至13e側の周波数を大きくして、溶融樹脂の温度上昇幅を大きくすることができる。
このように構成することによって、溶融樹脂射出装置2から距離があり、樹脂温度が低くなる各キャビティ11a乃至11l付近の樹脂温度を有効に上昇させることができる。
【0032】
また、サブコールドランナー13a乃至13eそれぞれに、加振手段3を設けて、溶融樹脂射出装置2から距離が遠くなる程、高い周波数で超音波振動子34を振動させるように構成してもよい。
もちろん、一個の加振手段で、メインコールドランナー12a及びサブコールドランナー13a乃至13e各々別個に、振動数を設定することができるように構成されていてもよい。
【0033】
図3に、メインコールドランナー12a及びサブコールドランナー13a乃至13e内への振動子34の収容状態を示す(図は、サブコールドランナー13a内に収容された超音波振動子34を示す)。
図3に示すように、本実施形態に係る振動子34は、メインコールドランナー12a及びサブコールドランナー13a乃至13e内に収容されて、直接溶融樹脂に接触して、溶融樹脂を超音波振動させることにより、加温する。
【0034】
このように、本実施形態においては、メインコールドランナー12a及びサブコールドランナー13a乃至13e内に、超音波振動子34を収容する。
この振動子34を振動させることによって、メインコールドランナー12a及びサブコールドランナー13a乃至13e内の溶融樹脂は、振動子34より伝播された超音波振動により加温される。
なお、振動子34の設置範囲は、メインコールドランナー12a及びサブコールドランナー13a乃至13e内のどの場所でもよい(図1の黒塗り箇所参照)。
【0035】
このように、メインコールドランナー12a及びサブコールドランナー13a乃至13e内の溶融樹脂温度を保つことにより、溶融樹脂の溶融状態が維持できるため、保持圧力(溶融樹脂の射出後に各キャビティ11a〜11l内の隅々にまで十分溶融樹脂が行き渡るように付加される押圧)を付加した場合にも、溶融樹脂の粘度が高くなることがなく(温度低下による粘度上昇が防止される)、末端部分(各キャビティ11a〜11l付近)でも十分な保持圧力が維持できる。
よって、異種形状の成型品を多数形成する場合であっても、最適な保持圧力がかかるようにすることができる。
【0036】
また、所謂ホットランナー形式のように、末端に近い、つまり各キャビティ11a乃至11lに近いサブコールドランナー13a乃至13eが直接加熱状態となることはないため、成型品の取出し時に冷却を行う必要がなく、歩留まりを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る射出成型装置を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る加振手段の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るコールドランナーの説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1‥金型、11a〜11l‥キャビティ、12a・・メインコールドランナー、
13a〜13e‥サブコールドランナー、
2‥溶融樹脂射出装置、
3‥加振手段、
31‥高周波発振回路、32‥超音波発振装置、33‥ホーン、34‥超音波振動子、
S‥射出成型装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成型用の型に形成され、溶融樹脂の通路となるランナーと、
該ランナーの内部に収容された振動子と、
を備え、
前記振動子は、前記ランナー内部で振動することにより、前記溶融樹脂の溶解状態を維持することを特徴とする射出成型装置。
【請求項2】
前記振動子は、超音波振動子であり、
該超音波振動子は、超音波振動を前記溶融樹脂に伝播することにより、前記溶融樹脂の溶融状態を維持することを特徴とする請求項1の射出成型装置。
【請求項3】
前記ランナーは、溶融樹脂射出装置からの前記溶融樹脂の通路となるメインコールドランナーと、該メインコールドランナーから枝分かれして各キャビティに連結されたサブコールドランナーとを有して構成されており、
前記メインコールドランナー及び前記サブコールドランナーのうち少なくとも一方には、前記超音波振動子が収容されていることを特徴とする請求項2に記載の射出成型装置。
【請求項4】
前記超音波振動子は、前記メインコールドランナー及び前記サブコールドランナー毎に周波数を設定することが可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の射出成型装置。
【請求項5】
前記超音波振動子は、前記溶融樹脂射出装置からの前記超音波振動子の配設距離、各キャビティへの充填時間、のいずれか若しくは双方に少なくとも相関して周波数が設定されることを特徴とする請求項4に記載の射出成型装置。
【請求項6】
溶融樹脂を溶解状態で射出することが可能な溶融樹脂射出装置より、射出成型用の型に形成されるとともに溶融樹脂の通路となるランナーを介して、各キャビティに樹脂を供給し、
前記ランナーの内部に収容された振動子を前記ランナー内部で振動させることにより、前記溶融樹脂の溶解状態を維持した状態で、前記キャビティに前記溶融樹脂を充填することを特徴とする射出成型品の製造方法。
【請求項7】
前記振動子は、超音波振動子であるとともに、前記ランナーは、前記溶融樹脂射出装置からの前記溶融樹脂の通路となるメインコールドランナーと、該メインコールドランナーから枝分かれして各キャビティに連結されたサブコールドランナーとを有して構成されており、
前記超音波振動子は、前記メインコールドランナー及び前記サブコールドランナーのうち少なくとも一方に収容され、前記メインコールドランナー及び前記サブコールドランナー毎に周波数を設定することにより、前記溶融樹脂の溶解状態を各所一定に維持することを特徴とする請求項6に記載の射出成型品の製造方法。
【請求項8】
前記周波数は、前記溶融樹脂射出装置から前記超音波振動子までの距離、各キャビティへの充填時間、のいずれか若しくは双方に少なくとも相関して設定されることを特徴とする請求項7に記載の射出成型品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−285974(P2009−285974A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140656(P2008−140656)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】