説明

射出成形品、前記射出成形品の製造装置及び前記射出成形品の製造方法

【課題】ウェルドラインを挟んだ両側の領域から外部に排出される溶湯の流量を抑えることができ、しかも、ウェルドラインを挟んだ両側の領域内に存在していたガスや空気を外部に効率よく排出することができる射出成形品及び前記射出成形品の製造装置及び前記射出成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】固定金型と可動金型の合わせ面であるパーティングラインのうちで、キャビティの外周壁面側における外周パーティングラインPLAにおいて、溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合うキャビティの領域Wにおける第1外周パーティングラインPLAaが、領域Wに到るまでの第2外周パーティングラインPLAbに対してずれた配置構成に構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形によって製造された射出成形品、前記射出成形品を製造する射出成形品の製造装置、前記射出成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に射出成形では、溶湯の供給方式によって分類されたホットチャンバー方式の射出成形とコールドチャンバー方式の射出成形とが用いられている。ホットチャンバー方式では、金型内のキャビティ内に溶湯を導入する射出部が、保持炉の溶湯中に配されており、溶融温度の低い材料である亜鉛合金や錫合金や溶融樹脂材などの鋳造に適している。また、ホットチャンバー方式は、鋳造圧力が低いこともあり、金型に優しい鋳造とも言われている。
【0003】
コールドチャンバー方式では、射出部と保持炉とが分離した状態に構成されており、射出部に溶湯を供給する工程が必要になっている。射出部に溶湯を供給する工程が必要なため、ホットチャンバー方式よりもサイクルタイムが長くなるが、射出部が保持炉の外に配設されているので、溶融温度の高い材料であるアルミ合金やマグネシウム合金や溶融樹脂材などの鋳造に適している。
【0004】
コールドチャンバー方式では、射出部において溶融した溶融樹脂材又は溶融金属材の溶湯が加熱シリンダ内に供給され、射出プランジャで押し出された溶湯は、ランナーゲートを通って金型のキャビティ内に充填される。そして、キャビティ内に充填された溶湯は、金型内で冷却固化されて所定の形状に成形される。
【0005】
金型は、固定金型と可動金型とから構成されており、固定金型と可動金型との間には、固定金型と可動金型との型合わせ面(パーティングライン)に沿い、キャビティに連通したベントスリットが形成されている。ベントスリットは、キャビティの内周縁側と外周縁側との略全周に沿って形成されており、キャビティ内に充填された溶湯によって置換され押し出されるキャビティ内のガスや空気を外部に排出するために形成されている。
【0006】
ベントスリットを介してキャビティ内のガスや空気を外部に排出することはできるが、溶湯がキャビティから漏れ出てしまうのを防止できる隙間寸法に、ベントスリットの隙間寸法は構成されている。尚、本願発明では、上述した隙間寸法を有するベントスリットを含めた構成をパーティングラインと云うことにする。
【0007】
ガスや空気を巻き込んだ状態でキャビティ内に充填された溶湯が冷却固化すると、所謂巣と呼ばれる割れや空洞化といった不具合が発生する。巣の発生を防止して、ガスや空気と共にキャビティ内に充填された溶湯の一部をキャビティ外に漏出させるため、オバーフロー部を設けた構成が、従来から採用されている。尚、オバーフロー部とキャビティとを連通する流路の隙間寸法は、ベントスリットの隙間寸法よりも隙間寸法の広い間隔として形成されている。
【0008】
ウェルドラインが発生する部位にオバーフロー部を設けた発明としては、カット部を有するシールリングの成形金型及び成形方法(特許文献1参照)などが提案されている。特許文献1に記載の発明を本願発明の従来例として、図8を用いて説明する。図8には、特許文献1に記載された発明における成形型のパーティングラインを示している。図8(a)には、成形品Wの平面図を示しており、図8(b)には、図8(a)におけるVIII(a)−VIII(b)断面図を示している。
【0009】
タブ58(本願発明におけるオバーフロー部に相当)は、ゲート57を介してシールリングを成形するキャビティ51に連通している。キャビティ51は、固定型52と可動型53とによって構成されている。固定型52と可動型53との合わせ面であるパーティングラインは、キャビティ51の外周面側にパーティングラインPL1が形成され、内周面側にパーティングラインPL2が形成されている。
【0010】
射出部に設けたスプール54から供給された溶湯は、ランナ55、ゲート56を介してキャビティ51内に導入され、カット部60a、60bから左右に分かれた流れになる。図8には図示されていないが、カット部60a、60bから左右に分かれた溶湯は、図示せぬベントスリットからガスや空気を外部に押し出しながら、射出部のスプール54から最遠部の領域にあるキャビティ51の部位に向かって流れていく。
【0011】
そして、カット部60a、60bから左右に分かれた溶湯の先端部同士が、最終的に互いに突き合わされる領域は、一般にスプール54から最遠部の領域において生じることになる。このとき、突き合わせ部において所謂ウェルドラインが発生する。特許文献1の発明では、ウェルドラインを形成することになる溶湯を外部に排出するため、最遠部の領域にあるキャビティ51の部位にタブ58が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平11−90961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1に記載された発明では、ウェルドラインが成形品に存在するのを防止するため、ウェルドラインを形成することになる溶湯をキャビティ51の外部に設けたタブ58に排出する構成になっている。このとき、タブ58の容積を大きく構成すれば、ウェルドラインの発生を防ぐことができるそれなりの効果が生じるものと考えられる。しかしこの場合には、容積を大きくしたタブ58内に排出される溶湯の流量が増大するため、逆に、キャビティ内に供給する溶湯の量が増大してしまう問題が発生してしまう。
【0014】
特許文献1の発明では、図8(b)に示されているように、パーティングラインPL1の高さ位置とパーティングラインPL2の高さ位置とは異なった構成になっているが、パーティングラインPL1及びパーティングラインPL2の高さ位置を個別に見ると、パーティングラインPL1は、キャビティ51の外周面に沿って同一の高さ位置、少なくともVIII(a)−VIII(b)断面の両端においては同一の高さ位置として構成されている。同じく、パーティングラインPL2は、キャビティ51の内周面に沿って同一の高さ位置、少なくともVIII(a)−VIII(b)断面の両端においては同一の高さ位置として構成されている。
【0015】
ところで、特許文献1の発明は、射出成形により成形品であるシールリングを成形しているものであるが、パーティングラインPL1及びパーティングラインPL2を水平面に対して平行に配されているものなのか、一般的な射出成形時のようにパーティングラインPL1及びパーティングラインPL2を垂直方向に配した構成なのかは、明示されていない。
【0016】
しかし、特許文献1のタブ58に連通するゲート57の入口の高さ位置は、パーティングラインPL2の高さ位置と同じ高さ位置に構成されている。そこで、パーティングラインPL1及びパーティングラインPL2が水平方向に配されている場合について考察してみる。このとき、ゲート57を通ってタブ58内に排出される溶湯の流れとしては、溶湯の液面の高さ位置がゲート57の入口の高さ位置に到着するまでは、キャビティ内のガスや空気がパーティン
グラインPL2及びゲート57を通って外部に排出される。溶湯の液面の高さ位置がゲート57の入口の高さ位置に到着すると、溶湯もゲート57を通ってタブ58内に排出されることになる。
【0017】
ゲート57を通って溶湯がタブ58内に排出されても、パーティングラインPL2よりも上方に存在するガスや空気は、射出部から供給され続けている溶湯によって溶湯の液面が上昇するのに伴って上方に押しやられることになる。そして、溶湯の液面の高さ位置がパーティングラインPL2の高さ位置よりも高い位置になると、パーティングラインPL2よりも上方に存在するガスや空気は、溶湯内を通らなければゲート57からタブ58内に排出できない。
【0018】
このように、溶湯の液面の高さ位置がパーティングラインPL2の高さ位置よりも高い位置になると、ゲート57の入口の高さ位置よりも上方に存在していたガスや空気の一部は、タブ58内に排出される溶湯とともに一緒にタブ58内に排出することができる。しかし、ゲート57の入口の高さ位置よりも上方に存在していたガスや空気を、確実に全て排出することは難しいことになる。そして、ゲート57の入口の高さ位置よりも上方に存在していたガスや空気がそのままの位置に残留すると、パーティングラインPL2よりも上方の部位に空気溜まりが生じてしまうことになる。
【0019】
また、ゲート57の入口の高さ位置よりも上方に存在していたガスや空気の一部は、溶湯内を通ってゲート57からタブ58内に排出されることになるが、溶湯中にガスや空気が混在してしまうことにもなり溶湯中にボイドを構成してしまう。そして、溶湯が金型内で冷却固化すると溶湯中に混在したガスや空気によって、成形品に巣が形成されることになる。
【0020】
特許文献1の発明において、パーティングラインPL1及びパーティングラインPL2が垂直方向に配されている場合には、ウェルドラインが形成される領域にある溶湯を外部に排出するために設けられているゲート57及びタブ58は、パーティングラインPL2の下方側に配されることになる。このため、射出部のスプール54から供給された溶湯が、ウェルドラインが形成される領域に到達していくと、溶湯の液面の高さ位置はゲート57の入口の高さ位置よりも高い位置になっていく。
【0021】
そして、ゲート57は溶湯の液面によって塞がれてしまうことになり、ゲート57の入口の高さ位置よりも高い位置にあるガスや空気は、溶湯内を通って排出されなければならなくなる。そのため、溶湯内にガスや空気が混在してしまうことになり、成形品に巣が形成されることになる。
【0022】
溶湯液面の高さ位置よりも高い位置にあるガスや空気を外部に排出させるためには、溶湯を排出するためのゲート57及びタブ58をパーティングラインPL1に連接した構成が考えられる。
【0023】
そこで、特許文献1の発明において、仮に、パーティングラインPL1及びパーティングラインPL2が垂直方向に配されている構成において、ゲート57及びタブ58がパーティングラインPL1に連通した構成について考察してみる。この構成では、溶湯の液面の高さ位置よりもゲート57の入口の高さ位置を高い位置に配しておくことができるので、溶湯の液面よりも上方に存在するガスや空気をパーティングラインPL1及びゲート57から外部に排出することができる。
【0024】
しかし、この構成の場合においても、溶湯はガスや空気を巻き込んだ状態で冷却固化してしまうことに変りがなく、成形品においてウェルドラインの発生や割れ、巣の発生と云った不具合が生じてしまう。これらの不具合を最小に抑えるために、タブ58内に排出される溶湯の流量を増大させることが考えられる。
【0025】
しかし、この場合には、大量の溶湯を無駄に使用しなければならない問題が生じてしまう。更に、大量の溶湯を供給するためには、射出部からキャビティ内に導入する溶湯の供給圧力を更に大きく高めに設定しておかなければならない。溶湯の供給圧力を高く設定すると、射出部とキャビティとを連通するゲートにおける絞り効果が大きく作用してしまうことになる。そのため、ゲートの絞り作用に打ち勝つ圧力で、溶湯をキャビティ内に供給しなければならず、ゲートの隙間寸法を広げて構成しなければならなくなる。ゲートの隙間寸法を広げて構成すると、キャビティ内に供給する溶湯の流量を更に増大させなければならなくなる。
【0026】
このように、上述したパーティングラインPL1及びパーティングラインPL2が垂直に配された状態で、ゲート57及びタブ58がパーティングラインPL1に連通している構成で射出成形品を製造したときであっても、成形品にウェルドラインの発生や割れ、巣の発生と云った不具合が生じてしまう。何故、このような配置構成にしたときでも、成形品にウェルドラインの発生や割れ、巣の発生と云った不具合が生じてしまうのか、その原因は未だに解明されていない。そこで、本願発明者は、解決策を見出すため鋭意研究を重ねた。
【0027】
そこで、特許文献1においてゲート57及びタブ58がパーティングラインPL1に連通している構成について、次のような仮説を立てた。まず、溶湯の液面よりも上方に存在するガスや空気が、パーティングラインPL1に連通したゲート57の入口に向かって排出されるときの空気の流れとしては、溶湯の液面の上昇に伴って流速は増大するかも知れないが、溶湯の液面が上昇しても略同じ向きの流れとなっているのではないか。そして、溶湯の液面が上昇してゲート57の入口の高さ位置になると、溶湯と一緒にガス又は空気がゲート57の入口内に流れ込むことになり、このときに、ガス又は空気の一部が溶湯内に混在することになるのではないかと考えた。
【0028】
また、カット部60a、60bから左右に分かれた溶湯の先端部は、互いに突き合わされた状態のまま、溶湯の液面上昇に伴ってゲート57の入口の高さ位置に達するまで上昇していくことになる。そのため、カット部60a、60bから左右に分かれた溶湯の先端部が最終的に互いに突き合わされた後においては、溶湯の液面としては略水平状態のままで上方向に向かって平行移動することになる。
【0029】
カット部60a、60bから左右に分かれた溶湯の先端部が最終的に互いに突き合わされる領域に達するまでは、図8(b)で示すキャビティ51の断面形状の面積でキャビティ51内に配されているガスや空気を押圧するが、このときガスや空気に接触している溶湯の表面は、ガスや空気によって冷却されることにもなる。
【0030】
そして、カット部60a、60bから左右に分かれた溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合わされ、左右から流れてきた溶湯の液面が連続することになると、ガスや空気に接触する面積としては今までよりも広い面積が接触することになる。そのため、ガスや空気によって冷やされる溶湯の面積が増大し、冷却固化される面積が増大することになる。
【0031】
このように仮説を立てると、溶湯の液面より上部でのガスや空気の流れる方向は、溶湯の液面が上昇しても変わらずに略同じ流れる方向を維持している。しかも、溶湯の液面がガスや空気に接触する接触面積は、カット部60a、60bから左右に分かれた溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合わされるまでの接触面積に比べて急激に広い面積となり、その後、溶湯の液面の上昇に伴って接触面積は減少していく。
【0032】
そして、溶湯の液面の高さ位置が、ゲート57の入口の高さ位置に達すると、溶湯の一部がゲート57の入口から排出され始める。しかし、ゲート57の入口から溶湯が排出され始め
ても、溶湯内における溶湯の流れとしては、それまでにおける溶湯内での溶湯の流れと略同じ流れの状態になっている。
【0033】
本願発明者は、上述した考え方にたどり着くことができた。即ち、溶湯の液面より上部でのガスや空気の流れる方向が、溶湯の液面上昇によっても略同じ流れる方向を維持している。また、カット部60a、60bから左右に分かれた溶湯の液面が上昇していっても、また、溶湯の液面の高さ位置がゲート57の入口の高さ位置に達した後であっても、溶湯内での溶湯の流れとしては、それまでにおける溶湯内での溶湯の流れと略同じ流れになっている。
【0034】
そしてこれらの考えから本願発明者は、ガスや空気の流れる方向が変わらず、しかも、溶湯内での溶湯の流れが変わらずにこれらの状態が維持されていることが原因となって、成形品に形成されるウェルドラインを小さくさせることができず、成形品に割れや巣の発生と云った不具合が生じているものとの考えに到った。
そのうえで、ガスや空気の流れる方向が変わらず、しかも、溶湯内での溶湯の流れが変わらずにこれらの状態を維持しているのは、ゲート57を連通させているパーティングラインPL1の形状に問題があるのではないかとの結論に達し、本願発明を完成させた。
【0035】
本願発明では、上述した従来の問題を解決し、ウェルドラインを挟んだ両側の領域から外部に排出される溶湯の流量を抑えることができ、しかも、ウェルドラインを挟んだ両側の領域内に存在していたガスや空気を外部に効率よく排出することができる射出成形品及び前記射出成形品の製造装置及び前記射出成形品の製造方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本願発明の課題は、請求項1〜6に記載された各発明により達成することができる。即ち、本願発明では、射出成形によって成形された射出成形品に係わる請求項1、2に記載した発明、射出成形品の製造装置に係わる請求項3、4に記載した発明、射出成形品の製造方法に係わる請求項5、6に記載した発明から構成されている。
【0037】
本願発明の射出成形品に係わる発明では、射出成形により成形された成形品であって、前記成形品の外周縁側に沿って形成された外周パーティングライン痕跡において、ウェルドラインを挟んだ両側の領域に形成された外周パーティングライン痕跡が、前記ウェルドラインを挟んだ両側の領域に至るまでに形成された前記外周パーティングライン痕跡を延長した仮想延長線に対して偏位して形成されてなることを最も主要な特徴としている。
【0038】
また、本願発明の射出成形品に係わる発明では、前記成形品が、ステアリングホイールの芯金であることを主要な特徴としている。
【0039】
本願発明の射出成形品の製造装置に係わる発明では、金型と原材料の溶湯を前記金型のキャビティ内に充填する射出部とを備えた成形品の製造装置において、前記金型を構成する固定金型と可動金型との合せ面であるパーティングラインのうち、前記キャビティの外周壁面側における外周パーティングラインに関して、
前記射出部から前記キャビティ内に供給され、前記キャビティ内で分岐した溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合う前記キャビティの領域での前記外周パーティングラインが、前記キャビティの領域に至るまでの外周パーティングラインを延長した仮想延長線に対して、前記可動金型を前記固定金型に対して接離させる方向に偏位して配設されてなることを最も主要な特徴としている。
【0040】
また、本願発明の射出成形品の製造装置に係わる発明では、前記製造装置が、ステアリングホイールの芯金を製造する製造装置であることを主要な特徴としている。
【0041】
本願発明の射出成形品の製造方法に係わる発明では、原材料の溶湯を射出部から金型のキャビティ内に充填して成形品を製造する製造方法において、前記金型として固定金型と可動金型とを用い、前記固定金型と前記可動金型との合せ面であるパーティングラインのうち、前記キャビティの外周壁面側における外周パーティングラインのライン軌跡に関して、
前記射出部から前記キャビティ内に供給され、前記キャビティ内で分岐した溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合う前記キャビティの領域での前記外周パーティングラインを、前記キャビティの領域に至るまでの前記外周パーティングラインを延長した仮想延長線に対して、前記可動金型を前記固定金型に対して接離させる方向に偏位させて配設すること、を最も主要な特徴としている。
【0042】
また、本願発明の射出成形品の製造方法に係わる発明では、前記製造方法が、ステアリングホイールの芯金を製造する製造方法であることを主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0043】
本願発明に係わる射出成形品では、成形品の外周面に形成される外周パーティングライン痕跡に着目して、この外周パーティングライン痕跡が、ウェルドラインを挟んだ両側の領域では、ウェルドラインを挟んだ両側の領域に至るまでの領域におけるパーティングライン痕跡を延長した仮想延長線に対して偏位して形成されている。
【0044】
また、本願発明に係わる射出成形品の製造装置及び前記射出成形品の製造方法では、固定金型と可動金型との合せ面であるパーティングラインのうち、固定金型と可動金型とによって形成されるキャビティの外周壁面における外周パーティングラインに着目して、射出部からキャビティ内に供給され、前記キャビティ内で分岐した溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合うキャビティの領域での外周パーティングラインが、このキャビティの領域に至るまでの外周パーティングラインを延長した仮想延長線に対して、前記可動金型を前記固定金型に対して接離させる方向に偏位して配設された構成になっている。
【0045】
このように構成しておくことにより、溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合うキャビティの領域における外周パーティングラインを、このキャビティの領域に至るまでの外周パーティングラインを同じくこのキャビティの領域にまで仮想的に延ばした仮想延長軌跡とは異ならせておくことができる。
【0046】
そして、ウェルドラインを挟んだ両側の領域である溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合うキャビティの領域においては、溶湯の流れる方向やガス及び空気の流れる方向を、このキャビティの領域に到るまでにおけるこれらの流れる方向とは異なる方向に変えることができる。
【0047】
そして、ガス及び空気の流れとしては、溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合うキャビティの領域に至るまでの間に配された外周パーティングラインに流れ込む流れと、このキャビティの領域に配された外周パーティングラインに流れ込む流れとの二つの流れを生成させることができる。しかも、二つの流れの境界付近では流れが混ざり合って流れに乱れが生じ、この乱れの影響は、溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合うキャビティの領域に配された外周パーティングラインに向かって流れ込む流れに対しても影響を与えることになる。
【0048】
また、溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合うキャビティの領域またはこの領域の前後の部位に配される外周パーティングラインに、溶湯を外部に排出するオバーフロー部を接続させた構成にしておけば、溶湯内における溶湯の流れに対しても流れの方向を乱す
ことができる。即ち、溶湯を一種の攪拌状態にしながら溶湯の一部をオバーフロー部に排出させることができる。
【0049】
特に、溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合うキャビティの領域及びこのキャビティの領域の前後にオバーフロー部を配設しておくことによって、このオバーフロー部への溶湯の排出量を減少させることができ、しかも、射出成形品の外形形状を損なわずに、巣の発生を大幅に減少させることができる。また、ウェルドラインの発生も最小限に抑えておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】成形品の平面図である。(実施例)
【図2】成形品の側面図である。(実施例)
【図3】図2の要部拡大図である。(実施例)
【図4】図1のIV−IV断面図である。(実施例)
【図5】図4のAで囲った部位の拡大図である。(実施例)
【図6】図4のBで囲った部位の拡大図である。(実施例)
【図7】図4のVII−VII断面図である。(実施例)
【図8】金型内に配された成形品の平面図及びVIII(a)−VIII(b)断面図である。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明に係わる射出成形品、前記射出成形品の製造装置及び前記射出成形品の製造方法としては、以下において説明する構成に限定されるものではなく、パーティングラインを水平面に対して傾斜させた構成であっても好適に適用することができる。
【0052】
以下においては、コールドチャンバー方式の射出成形を用いて説明を行うが、ホットチャンバー方式の射出成形に対しても、本願発明を好適に適用することができる。また、射出成形品としてステアリングホイールを例に挙げて説明を行うが、射出成形品としてはステアリングホイールの成形に限定されるものではなく、例えば、自動車部品、家電用品、事務用品、超合金玩具等における射出成形品に対しても本願発明を好適に適用することができる。
【0053】
以下では、溶融金属材として融点の高いマグネシウム合金を用いた構成例について説明を行うが、溶融金属材として同じく融点の高いアルミニウム合金を用いることも融点の高い溶融樹脂材を用いることもできる。また、ホットチャンバー方式に本願発明を適用した場合には、融点が低い溶融金属材や溶融金属材を用いることもできる。更に、これらの材料を用いて射出成形品を製造する製造装置、製造方法に対しても本願発明を好適に適用することができる。
【実施例】
【0054】
本願発明に係わる射出成形品は、図1に示すように図示せぬ金型のキャビティ内にコールドチャンバー方式による射出部6から溶湯を供給し、キャビティ内でマグネシウム合金の溶湯を冷却固化させることにより射出成形することができる。図1では、キャビティ内で成形されたステアリングホイール20を図示しているが、ステアリングホイール20を成形した金型についての図示は省略している。
【0055】
図1に示した図示例が、ステアリングホイール20を成形するときの金型の配置位置を示すとすれば、固定金型10(図4参照)側が紙面の裏面側に配され、可動金型11(図4参照)が紙面の上方側に配される配置構成になる。
【0056】
尚、本願実施例の説明では、符号10で示した金型を固定金型として構成し、符号11で示した金型を可動金型として構成した場合について説明を行うが、符号10で示した金型を可動金型として構成し、符号11で示した金型を固定金型として構成しておくこともできる。
【0057】
図1に示すように、ホイール芯金1を成形するキャビティの配置構成としては、オバーフロー部7が上方に配された構成になっている。そして、後述する固定金型と可動金型との合わせ面であるパーティングラインが鉛直方向に配された構成になっている。また、図1では、オバーフロー部7が、射出成形品であるステアリングホイール20のホイール芯金1から切断された状態を示している。
【0058】
ステアリングホイール20は、略円環状に成形されたホイール芯金1と、ホイール芯金1に一端部が接続したスポーク部芯金2a〜2fと、各スポーク部芯金2a〜2fの他端部を接続するボスプレート芯金3と、を備えた構成に成形されている。ボスプレート芯金3には、図示せぬステアリングシャフトに嵌着される円筒状のボス4が配設されている。ボスプレート芯金3を成形するキャビティ内にボス4を配設し、ボスプレート芯金3を成形するキャビティ内に溶湯を流入させることで、ボス4をボスプレート芯金3に鋳ぐむことができる。
【0059】
図1では、射出部6からゲート部5を介して金型のキャビティ内に供給された溶湯が、射出成形品であるステアリングホイール20を成形するときに流れる溶湯の方向を、細線の矢印で仮想的に示している。また、左右から合流した溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合うキャビティの領域Wにおいて、左右から合流した溶湯の一部が、ゲート部8を介してオバーフロー部7に排出されるときに流れ出る溶湯の方向を白抜きの矢印で仮想的に示している。キャビティの内周縁側と外周縁側との略全周に沿ってベントスリットが形成されているが、ベントスリットの図示は省略している。
【0060】
尚、領域Wは、左右から合流した溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合うキャビティの領域Wであるが、金型に対する射出部6の配設位置によっては、射出部6から最遠部の領域が領域Wとして構成されることもある。
【0061】
射出部6からゲート部5を介して金型内に供給された溶湯は、最初にボスプレート芯金3を成形するキャビティ内に流入し、次にボスプレート芯金3を成形するキャビティに連通したスポーク部芯金2a〜2fを成形するキャビティ内へと流入する。スポーク部芯金2a〜2fを成形するキャビティ内に流入した溶湯は、スポーク部芯金2a〜2fを成形するキャビティからホイール芯金1を成形するキャビティに沿ってそれぞれ左右に分流し、領域Wにおいて左右からの溶湯が最終的に合流することになる。
【0062】
溶湯の流れを図1のIV−IV断面図である図4を用いて説明すると、射出部6には、溶湯が供給されるプランジャ(不図示)が設けられており、プランジャ内に供給された溶湯を押圧することで、金型のキャビティ内に溶湯を導入することができる。即ち、溶湯は、射出部6からゲート部5を介してボスプレート芯金3を成形するキャビティ内に導入される。そして、溶湯は、ボスプレート芯金3を成形するキャビティからスポーク部芯金2cを成形するキャビティ内へと流入する。
【0063】
尚、図4では、スポーク部芯金2cだけを示しているが、実際に、図1に示すようにスポーク部芯金2a〜2fを成形するキャビティ内全てに溶湯は流入する。そして、溶湯は、スポーク部芯金2a〜2fを成形するキャビティから環状に形成されたホイール芯金1を成形するキャビティ内を流れることになる。
【0064】
図2には、図1のオバーフロー部7側からステアリングホイール20を見たときの側面図
を示している。図2では、キャビティ内で成形されたステアリングホイール20を図示しているが、ステアリングホイール20を成形した金型についての図示は省略している。図2に示したステアリングホイール20を成形するときの金型の配置位置を示すとすれば、固定金型10(図4参照)側が上方に配されていて、可動金型11(図4参照)が下方側に配されている配置構成になる。
【0065】
図4に示すように、固定金型10と可動金型11との合わせ面であるパーティングラインは、キャビティの外周壁面側に沿って形成される外周パーティングラインPLA(図2参照)の第1外周パーティングラインPLAa及び第2外周パーティングラインPLAbとキャビティの内周壁面側に沿って形成される内周パーティングラインPLBとから構成されている。図2、図3では、外周パーティングラインPLAを図示している。
本願発明の実施例として2本一組のスポーク部芯金2a〜2fを供えた構成を示しているが、スポーク部芯金の本数は例示であって、他の本数や配置構成によって構成しておくこともできる。
【0066】
本願発明では、射出部6からゲート部5を介してキャビティ内に供給された溶湯が、キャビティ内で分岐した後に、分岐した溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合うキャビティの領域Wにおいて外周パーティングラインPLAの軌道を変更していることを特徴としている。即ち、図2及び図2において丸で囲んだ部位を拡大した図3で示すように、領域Wにおける第1外周パーティングラインPLAaが、領域Wに到るまでの第2外周パーティングラインPLAbに対して可動金型11(図4参照)側にずれた配置構成になっている。
【0067】
言い換えると、図2、図3で示した構成では、領域Wにおいて図2、図3の上方側に配される固定金型10(図4参照)が、下方側に配される可動金型11(図4参照)側に突出した延設部15を備え、可動金型11が固定金型10の延設部15を受け入れるように引っ込んだ形状に構成されている。このように金型が構成されているので、第2外周パーティングラインPLAbの仮想延長線に対して、第1外周パーティングラインPLAaが偏位した状態に配設されている。
【0068】
尚、図2、図3における図示例を射出成形品として考えた場合には、外周パーティングラインPLAは外周パーティングラインの痕跡として捉えることができる。実際の痕跡としては、外周パーティングラインPLAに沿って形成したベントスリット9a(図4、図5参照)によって、多少の幅を有したパーティングラインとして形成されているが、ベントスリット9a分の幅の図示は省略している。ベントスリットは、空気やガスを排出することができる幅寸法に形成されているが、ベントスリットからは溶湯は排出されない幅寸法に形成されている。
【0069】
図2、図3における図示例では、領域Wにおいて固定金型10が可動金型11側に突出し、可動金型11が固定金型10の延設部15を受け入れるように引っ込んだ形状に構成されている構成例を示しているが、領域Wにおいて可動金型11が固定金型10側に突出し、固定金型10が可動金型11の延設部15を受け入れるように引っ込んだ形状に構成しておくこともできる。
【0070】
即ち、第2外周パーティングラインPLAbの仮想延長線に対して、第1外周パーティングラインPLAaの位置を可動金型11が固定金型10に対して接離させる方向に偏位させて配設しておくことができる。そして、領域Wにおける第1外周パーティングラインPLAaには、図4、図5、図7に示すようにゲート部8を介してオバーフロー部7を連通させておくことができる。
【0071】
射出部6から供給された溶湯が、環状に形成されたホイール芯金1を成形するキャビティ
内を流れるとき、キャビティ内のガスや空気は外周パーティングラインPLAに沿って形成されたベントスリット9a及び内周パーティングラインPLBに沿って形成されたベントスリット9bから外部に排出される。即ち、このとき、ベントスリット9a、9bからは、溶湯が外部に排出されることはない。そして、溶湯が、環状に形成されたホイール芯金1を成形するキャビティ内を流れて、領域Wにおいて、左右から来た溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合わされる。
【0072】
このとき、図2、図3、図5に示すように領域Wにおける第1外周パーティングラインPLAaの位置が、第2外周パーティングラインPLAbの仮想延長線に対して可動金型11が固定金型10に対して接離させる方向に偏位しているので、溶湯の液面によって押されたガスや空気は、第2外周パーティングラインPLAb位置からの排出状態から、第1外周パーティングラインPLAa位置からの排出に変化する。
【0073】
これによって、溶湯の液面よりも上部に存在していたガスや空気の排出流れに変化を生じさせることができる。同時に、図4、図5、図7に示すように、溶湯がゲート部8を通ってオバーフロー部7に排出される状況においても、オバーフロー部7に排出されるときに溶湯内において生じている流れの方向も、溶湯の液面が上昇するときに溶湯内で生じていた流れの方向に対して変化することになる。
【0074】
そして、図7に矢印で示すように領域Wにおいて先端同士が突き当たったところの溶湯を、第1外周パーティングラインPLAaからホイール芯金1を形成するキャビティからオバーフロー部7内に逃がしてやることができる。同時に、オバーフロー部7内に流れ込む溶湯の先端部によって巻き込みやすいガスや空気を、ホイール芯金1を形成するキャビティから取り除くことができる。
【0075】
このように、領域Wにおいて外周パーティングラインPLAの軌跡を第2外周パーティングラインPLAbから第1外周パーティングラインPLAaに変化させることで、ガスや空気の流れを変化させることができ、しかも、溶湯内で生じている溶湯の流れも変化することになる。そして、このように流れに対して変化を生じさせることで、成型品であるステアリングホイール20に巣が発生するのを大幅に減少させることができる。また、オバーフロー部7から外部に排出する溶湯の排出量を減少させてもウェルドラインの発生も最小限に抑えておくことができる。
【0076】
図5では、固定金型10から可動金型11側に延設部15のキャビティの周面側の形状として、直線状の平面に形成した構成例を示しているが、キャビティの延設部15側の形状としては、固定金型10から可動金型11側に向かってラッパ状に広がった形状に構成しておくこともできる。即ち、可動金型11を固定金型10から離間させた後に射出成形品であるステアリングホイール20のホイール芯金1を固定金型10からスムーズに分離させることのできる周面形状に構成しておくことができる。
【0077】
同様に、領域Wにおいて可動金型11を固定金型10側に延設した構成にした場合には、ホイール芯金1を可動金型11から分離させる際に、ホイール芯金1が可動金型11からスムーズに分離できる周面形状に延設部を構成しておくことができる。
実施例では、ホイール芯金1の断面形状として逆U字状の形状を示した構成を例示しているが、ホイール芯金1の断面形状としては、円形状や楕円形状等に構成しておくこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本願発明の技術思想を鋳造品及び鋳造品の製造装置、製造方法の構成においても適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1・・・ホイール芯金、6・・・射出部、7・・・オバーフロー部、10・・・固定金型、11・・・可動金型、15・・・延設部、20・・・ステアリングホイール、51・・・キャビティ、52・・・固定型、53・・・可動型、58・・・タブ、W・・・溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合うキャビティの領域、PLA・・・外周パーティングライン、PLB・・・内周パーティングライン、PLAa・・・第1外周パーティングライン、PLAb・・・第2外周パーティングライン、PL1,PL2・・・パーティングライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形により成形された成形品であって、前記成形品の外周縁側に沿って形成された外周パーティングライン痕跡において、ウェルドラインを挟んだ両側の領域に形成された外周パーティングライン痕跡が、前記ウェルドラインを挟んだ両側の領域に至るまでに形成された前記外周パーティングライン痕跡を延長した仮想延長線に対して偏位して形成されてなることを特徴とする成形品。
【請求項2】
前記成形品が、ステアリングホイールの芯金であることを特徴とする請求項1に記載の成形品。
【請求項3】
金型と原材料の溶湯を前記金型のキャビティ内に充填する射出部とを備えた成形品の製造装置において、
前記金型を構成する固定金型と可動金型との合せ面であるパーティングラインのうち、前記キャビティの外周壁面側における外周パーティングラインに関して、
前記射出部から前記キャビティ内に供給され、前記キャビティ内で分岐した溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合う前記キャビティの領域での前記外周パーティングラインが、前記キャビティの領域に至るまでの外周パーティングラインを延長した仮想延長線に対して、前記可動金型を前記固定金型に対して接離させる方向に偏位して配設されてなることを特徴とする射出成形品の製造装置。
【請求項4】
前記製造装置が、ステアリングホイールの芯金を製造する製造装置であることを特徴とする請求項3に記載の射出成形品の製造装置。
【請求項5】
原材料の溶湯を射出部から金型のキャビティ内に充填して成形品を製造する製造方法において、
前記金型として固定金型と可動金型とを用い、前記固定金型と前記可動金型との合せ面であるパーティングラインのうち、前記キャビティの外周壁面側における外周パーティングラインのライン軌跡に関して、
前記射出部から前記キャビティ内に供給され、前記キャビティ内で分岐した溶湯の先端部同士が最終的に互いに突き合う前記キャビティの領域での前記外周パーティングラインを、前記キャビティの領域に至るまでの前記外周パーティングラインを延長した仮想延長線に対して、前記可動金型を前記固定金型に対して接離させる方向に偏位させて配設すること、
を特徴とする射出成形品の製造方法。
【請求項6】
前記製造方法が、ステアリングホイールの芯金を製造する製造方法であることを特徴とする請求項5に記載の射出成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−213942(P2012−213942A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81406(P2011−81406)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】