説明

射出成形方法及びその装置

【課題】射出成形において、成形品の品質向上を図ると共に生産効率の向上を図る。
【解決手段】射出機18の第1射出ノズル20から固定型12のキャビティ24に溶融樹脂を射出して第1成形品52を得る際、前記溶融樹脂が前記固定型12と第1可動型14との間の間隙46を通じて、第2射出ノズル26近傍に形成された第1及び第2サブキャビティ30、40に充填される。そして、固定型12から第1可動型14を離脱させる際、第1及び第2サブキャビティ30、40で成形された予備成形物54が前記第1可動型14と共に離脱する。最後に、第1可動型14を第2可動型16と交換し、第2射出ノズル26から導入孔48を通じて別のキャビティへと溶融樹脂を射出して第2成形品62を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型内に形成されたキャビティに成形材を充填することで成形品を得る射出成形方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、型内に形成されたキャビティに溶融樹脂を充填し、その後、該溶融樹脂を冷却硬化して成形品を得る射出成形を行うための射出成形装置及び射出成形方法を提案している(特許文献1参照)。
【0003】
この射出成形では、射出機にて樹脂が溶融され、これにより得られた溶融樹脂が前記射出機から射出された後、ホットランナを流通する。溶融樹脂は、さらに、型に形成されるスプルーやゲート等を経由して製品部に導入される。これにより、キャビティに射出された溶融樹脂は該キャビティの形状に沿って流動し、さらに、熱が奪取されることに伴って降温して硬化することで成形品となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−223858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記の提案に関連してなされたものであり、成形品の品質向上を図ると共に、生産効率の向上を図ることが可能な射出成形方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明は、型内に形成されたキャビティに溶融樹脂等の成形材を充填することで成形品を得る射出成形方法において、
第1のキャビティと該第1のキャビティに連通する第1ゲートとを有する第1型と、前記第1のキャビティを受ける第2型とを型締めし、前記第1ゲートを介して射出機から前記第1のキャビティへと前記成形材を射出して第1の成形品を成形する工程と、
前記成形材を前記第1のキャビティへ充填するのと同時に、前記第1型と第2型との間の間隙を通じて前記成形材をサブキャビティに充填させ予備成形物を成形する工程と、
前記第1型と前記第2型とを型開きし、該第2型と共に前記予備成形物を前記第1型から取り外す工程と、
第2のキャビティに接続される第3ゲートを有した第3型を前記第1型に対して型締めし、前記第1型の第2ゲートを介して前記射出機から前記第3ゲート及び前記第2のキャビティへと前記成形材を射出して第2の成形品を成形する工程と、
前記予備成形物を前記第2型から取り外す工程と、
を有することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第1型と第2型とを用いて射出成形を行う際、射出機から第1のキャビティに成形材が射出されると同時に、間隙を通じて前記成形材をサブキャビティに充填して予備成形物を成形する。そして、第1型と第2型との型開きをする際、前記第2型と共に予備成形物を第1型から取り外すことで、前記間隙に形成されたバリが、前記第1型の第2ゲートに臨む位置に残存してしまうことを防止できる。その結果、第2型を第3型へと交換し、該第3型と第1型とで第2のキャビティへと射出を行い第2の成形品を成形する場合に、バリが第2の成形品に混入してしまうことが確実に防止され、前記第2の成形品を高品質で成形することができる。
【0008】
換言すれば、第1の成形品と第2の成形品とを異なる成形材で成形を行う際に、該第2の成形品が前記第1の成形品の影響を受けることがなく、それぞれ独立して射出成形を行うことができるため、前記第2の成形品の品質を向上させることが可能となる。
【0009】
また、第1型と第2型とを型締めして成形を行う際、該第1型と第2型との間の間隙に進入する成形材を排除する必要がないため、前記間隙を解消する目的で前記第1及び第2型の面精度を高めたり、前記型締めを高荷重で行う必要がない。その結果、第1型と第2型とで射出成形を行う際に、第2ゲートに臨む部位に設けられたサブキャビティで予備成形物を成形した後、該予備成形物を第2型から除去するという簡単な方法で、射出成形に要する加工コストや製造工数の削減を図って生産効率を向上させることが可能となる。
【0010】
さらに、予備成形物は、第1型で成形された部位が第2型に対して突出し、該部位を把持して前記第2型から取り外すとよい。
【0011】
さらにまた、第1ゲートから第1のキャビティに射出される成形物と、第2ゲートから前記第2のキャビティに射出される成形物とを異ならせるとよい。
【0012】
またさらに、本発明は、型内に形成されたキャビティに溶融樹脂等の成形材を充填することで成形品を得る射出成形装置において、
第1のキャビティと、該第1のキャビティに連通する第1ゲートと、前記第1ゲートと略平行な第2ゲートを有する第1型と、
前記第1型に対して接近又は離間自在に設けられ、前記第1のキャビティを受ける第2型と、
前記第1型に対して接近又は離間自在に設けられ、該第1型との型締め時に前記第2ゲートと連通する第2のキャビティを有する第3型と、
前記第2型には、前記第2ゲートに臨み、前記第1型と前記第2型との当接面に開口したサブキャビティと、
を備え、
前記第1型と前記第2型とによる成形が行われた後、前記第2型と前記第3型とが交換されて成形が行われることを特徴とする。
【0013】
また、サブキャビティは、第1型に形成される第1キャビティ部と、前記第1型に臨み、該第2型に形成される第2キャビティ部と、を備え、前記第2キャビティ部の容積を、前記第1キャビティ部の容積に対して大きく形成するとよい。
【0014】
さらに、サブキャビティには、成形材が充填されて硬化した予備成形物が形成され、前記予備成形物は、前記第1型と前記第2型とを型開きした際、前記第1キャビティ部に充填された部位を前記第2キャビティ部から突出させて形成するとよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0016】
すなわち、第1型と第2型とを用いて射出成形を行う際、第1のキャビティに成形材が射出されると同時に、間隙を通じて前記成形材をサブキャビティに充填して予備成形物を成形し、第1型と第2型との型開きをする際、前記第2型と共に予備成形物を第1型から取り外すことで、前記間隙に形成されたバリが、前記第1型の第2ゲートに臨む位置に残存してしまうことを防止できる。その結果、第2型を第3型へと交換し、該第3型と第1型とで第2のキャビティへと射出を行い第2の成形品を成形する場合に、バリが第2の成形品に混入してしまうことが確実に防止され、前記第2の成形品を高品質で成形することができる。
【0017】
また、第1型と第2型とを型締めして成形を行う際、該第1型と第2型との間の間隙に進入する成形材を排除する必要がないため、前記間隙を解消する目的で前記第1及び第2型の面精度を高めたり、前記型締めを高荷重で行う場合と比較し、射出成形に要する加工コストや製造工数の削減を図って生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る射出成形装置の要部概略縦断面図である。
【図2】図1の射出成形装置においてキャビティの射出成形が行われる状態を示す説明断面図である。
【図3】図2における固定型と第1可動型とが離間した型開き状態を示す説明断面図である。
【図4】図3における固定型と第2可動型とを型締めし、第2射出ノズルによる射出成形を行う場合を示す説明断面図である。
【図5】図3の第1可動型から予備成形物を取り外した状態を示す説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態に係る射出成形方法につき、それを実施する射出成形装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、図1は、本実施の形態に係る射出成形装置10の要部概略縦断面図である。
【0020】
この射出成形装置10は、図1〜図5に示されるように、固定型(第1型)12と、図示しない変位機構の作用下に前記固定型12に対して接近又は離間する第1可動型(第2型)14と、前記第1可動型14による成形が完了した後に、該第1可動型14と交換される第2可動型(第3型)16(図4参照)とを含む。なお、第2可動型16も、第1可動型14と同様に変位機構によって前記固定型12に対して接近又は離間自在に設けられる。
【0021】
固定型12は、射出機18の第1射出ノズル20が挿入される第1ゲート22と、該第1ゲート22に連通し前記第1射出ノズル20から射出された溶融樹脂(成形材)が充填されるキャビティ(第1のキャビティ)24と、前記射出機18の第2射出ノズル26が挿入される第2ゲート28と、前記キャビティ24と連通し前記溶融樹脂が充填される第1サブキャビティ(第1成形部)30とを備える。
【0022】
この第1及び第2ゲート22、28は、例えば、固定型12の上方に開口し、第1及び第2可動型14、16と当接する第1当接面32側(矢印A方向)に向かってそれぞれ延在すると共に、互いに所定間隔離間して略平行に形成される。
【0023】
キャビティ24は、例えば、断面略長方形状で、第1及び第2可動型14、16に当接する第1当接面32に開口するように形成されると共に、その上部が前記第1ゲート22と連通している。一方、第2ゲート28は、その先端部が第1当接面32まで延在して開口している。
【0024】
第1サブキャビティ30は、第1ゲート22と第2ゲート28との間に設けられ、第1当接面32に対して上方に所定高さで形成される。この第1サブキャビティ30は、第1当接面32に開口した開口部から該第1当接面32に対して離間する方向に向かって徐々に拡径したテーパ状に形成され、該テーパ状に形成された上部が略一定径で形成される。
【0025】
そして、固定型12と第1可動型14とが当接した型締め状態において、第1ゲート22に挿入された射出機18から射出された溶融樹脂がキャビティ24へと充填される。
【0026】
第1可動型14は、固定型12に当接する第2当接面38に開口し、且つ、第2ゲート28及び第1サブキャビティ30に臨むように第2サブキャビティ(第2成形部)40が形成される。第2サブキャビティ40は、第1サブキャビティ30より大きな体積を有すると共に、第2当接面38に開口した開口部から該第2当接面38に対して離間する方向(矢印A方向)に向かって徐々に拡径したテーパ状に形成され、該テーパ状に形成された下部が略一定径で形成される。
【0027】
そして、固定型12と第1可動型14とが当接した型締め状態において、第1ゲート22に挿入された射出機18から射出された溶融樹脂がキャビティ24へと充填されると共に、該固定型12の第1当接面32と前記第1可動型14の第2当接面38との間に生じた間隙46を通じて前記溶融樹脂が第1及び第2サブキャビティ30、40へと流入して充填される。
【0028】
すなわち、溶融樹脂は、キャビティ24に充填されるのと同時に、第1及び第2サブキャビティ30、40に対しても充填される。
【0029】
第2可動型16は、固定型12の第2ゲート28に臨み、且つ、同軸上となる導入孔(第3ゲート)48を有する。この導入孔48は、型締め時において固定型12の第1当接面32に当接する第2可動型16の第3当接面50に開口し、該第3当接面50から離間する方向(矢印A方向)に向かって延在している。そして、第2ゲート28は、図示しない別のキャビティ(第2のキャビティ)に連通し、固定型12と第2可動型16とが当接した型締め状態において、第2ゲート28に挿入された第2射出ノズル26から射出された溶融樹脂が別のキャビティへと充填される。
【0030】
本発明の実施の形態に係る射出成形装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0031】
先ず、図1に示されるように、射出成形を行うに際して、図示しない変位機構の作用下に第1可動型14を固定型12に向けて接近させ、その第1当接面32と第2当接面38とを当接させた状態で型締めを行う。また、射出機18内において樹脂を所定温度で溶融して溶融樹脂を得る。
【0032】
次に、図2に示されるように、この射出機18における第1射出ノズル20を固定型12の第1ゲート22に挿入すると共に、第2ゲート28に第2射出ノズル26を挿入した後に、前記第1射出ノズル20から溶融樹脂を射出する。射出された溶融樹脂は、キャビティ24内に充填されると共に、第1当接面32と第2当接面38との間にわずかに生じた間隙46を通じて第1及び第2サブキャビティ30、40側へと流動して充填されていく。
【0033】
そして、溶融樹脂は、徐々に冷却されることによってキャビティ24、間隙46、第1及び第2サブキャビティ30、40内でそれぞれ硬化し、前記キャビティ24内で第1成形品52が得られ、第1及び第2サブキャビティ30、40内で予備成形物54が得られると共に、間隙46においてはバリ56が形成される。この予備成形物54は、バリ56の端部に接合されると共に、固定型12と第1可動型14とに跨るように形成され、第1サブキャビティ30で成形された第1成形部58の体積が、第2サブキャビティ40で成形された第2成形部60の体積に対して小さく形成される。
【0034】
次に、図3に示されるように、第1可動型14を、図示しない変位機構によって固定型12から離間させる方向(矢印A方向)に変位させて型開きを行う。この際、予備成形物54は、第1成形部58が固定型12側(矢印B方向)に、第2成形部60が第1可動型14側(矢印A方向)となるように引張されるが、前記第1成形部58と第2成形部60との体積比によって、前記予備成形物54は前記第1成形部58が第1サブキャビティ30から脱抜し、第2成形部60が第2サブキャビティ40内に残存したままの状態で前記第1可動型14と共に固定型12から離間する。また、バリ56は、予備成形物54との接合部位を起点として分離される。
【0035】
すなわち、予備成形物54を第1可動型14と共に固定型12から離脱させることで、第2ゲート28及び第2射出ノズル26に臨む位置にバリ56が残存していることがない。
【0036】
次に、第1可動型14を第2可動型16と交換し、前記第2可動型16を、図示しない変位機構によって固定型12側(矢印B方向)へと変位させ、その第3当接面50を固定型12の第1当接面32に当接させて型締めを行う。そして、図4に示されるように、第2射出ノズル26から溶融樹脂を射出し、溶融樹脂は、導入ゲートを通じて流動して別のサブキャビティ(図示せず)内へと充填され、徐々に冷却硬化して第2成形品62が得られる。なお、この場合、第1射出ノズル20からは溶融樹脂の射出を行わない。
【0037】
最後に、図示しない変位機構の作用下に第2可動型16を固定型12から離間させ型開きを行った後、第1及び第2成形品52、62を、例えば、ノックアウトピン(図示せず)によって押し出して射出成形装置10から取り出す。
【0038】
一方、使用に供された第1可動型14は、その第2サブキャビティ40に予備成形物54が残存し、図3に示されるように、その第1成形部58が第2当接面38に対して上方(矢印B方向)に突出した状態にあるため、図5に示されるように、例えば、作業者64が前記第1成形部58を手で把持し、前記第1可動型14から離間させる方向に引張することにより、前記予備成形物54を前記第1成形型の第2サブキャビティ40より取り出すことができる。すなわち、第1成形部58は、予備成形物54を第1可動型14から取り外す際に把持可能な把持部として機能する。
【0039】
なお、上述した本実施の形態においては、射出成形装置10において、溶融樹脂を射出成形することで成形品を得る場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ゴムを溶融させた溶融ゴム(成形材)を射出して成形品を得る場合に適用してもよい。
【0040】
以上のように、本実施の形態では、固定型12と第1可動型14とを用いて射出成形を行った際、間隙46へと流動した溶融樹脂が第2射出ノズル26に臨む部位に設けられた第2サブキャビティ40及び第1サブキャビティ30へと充填され、前記第1可動型14を型開きする際に、前記第1及び第2サブキャビティ30、40で形成された予備成形物54を前記第1可動型14と共に排除することができる。そのため、バリ56が、第2射出ノズル26に臨む部位に残存することがなく確実に除去されるため、前記第2可動型16及び第2射出ノズル26を用いて第2成形品62を成形する際における前記バリ56の混入を確実に防止することができる。
【0041】
その結果、例えば、第1成形品52と第2成形品62とを異なる材料や色等で成形を行う際に、該第2成形品62が前記第1成形品52の影響を受けることがなく、それぞれ独立して射出成形を行うことができるため、前記第2成形品62の品質を向上させることができる。
【0042】
また、固定型12と第1可動型14とを型締めした際に、第1当接面32と第2当接面38との間に生じる間隙46を許容することができるため、前記間隙46を解消する目的で前記第1及び第2当接面32、38の面精度を高めたり、前記型締めを高荷重で行う必要がない。その結果、固定型12と第1可動型14とで射出成形を行う際に、第2射出ノズル26に臨む部位に予備成形物54を成形し、該第2射出ノズル26及び第2可動型16を用いて成形を行う際に前記予備成形物54を除去するという簡単な方法で、射出成形に要する加工コストや製造工数の削減を図ることが可能となる。
【0043】
さらに、予備成形物54は、固定型12の第1サブキャビティ30で成形される第1成形部58が、第1可動型14の第2サブキャビティ40で成形される第2成形部60に対して体積が小さく形成されるため、型開き時に前記第1可動型14と共に前記予備成形物54を確実且つ簡便に前記固定型12から離脱させることができる。
【0044】
さらにまた、第1可動型14と共に取り外された予備成形物54は、該第1可動型14から突出した第1成形部58を把持して引っ張ることで簡単に取り外すことができるため、前記予備成形物54の取り外された第1可動型14を再使用に供することができる。
【0045】
なお、本発明に係る射出成形方法及びその装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0046】
10…射出成形装置 12…固定型
14…第1可動型 16…第2可動型
18…射出機 20…第1射出ノズル
22…第1ゲート 24…キャビティ
26…第2射出ノズル 28…第2ゲート
30…第1サブキャビティ 32…第1当接面
38…第2当接面 40…第2サブキャビティ
46…間隙 48…導入孔
50…第3当接面 52…第1成形品
54…予備成形物 56…バリ
58…第1成形部 60…第2成形部
62…第2成形品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型内に形成されたキャビティに溶融樹脂等の成形材を充填することで成形品を得る射出成形方法において、
第1のキャビティと該第1のキャビティに連通する第1ゲートとを有する第1型と、前記第1のキャビティを受ける第2型とを型締めし、前記第1ゲートを介して射出機から前記第1のキャビティへと前記成形材を射出して第1の成形品を成形する工程と、
前記成形材を前記第1のキャビティへ充填するのと同時に、前記第1型と第2型との間の間隙を通じて前記成形材をサブキャビティに充填させ予備成形物を成形する工程と、
前記第1型と前記第2型とを型開きし、該第2型と共に前記予備成形物を前記第1型から取り外す工程と、
第2のキャビティに接続される第3ゲートを有した第3型を前記第1型に対して型締めし、前記第1型の第2ゲートを介して前記射出機から前記第3ゲート及び前記第2のキャビティへと前記成形材を射出して第2の成形品を成形する工程と、
前記予備成形物を前記第2型から取り外す工程と、
を有することを特徴とする射出成形方法。
【請求項2】
請求項1記載の射出成形方法において、
前記予備成形物は、前記第1型で成形された部位が前記第2型に対して突出し、該部位を把持して前記第2型から取り外されることを特徴とする射出成形方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の射出成形方法において、
前記第1ゲートから前記第1のキャビティに射出される成形物と、前記第2ゲートから前記第2のキャビティに射出される成形物とが異なることを特徴とする射出成形方法。
【請求項4】
型内に形成されたキャビティに溶融樹脂等の成形材を充填することで成形品を得る射出成形装置において、
第1のキャビティと、該第1のキャビティに連通する第1ゲートと、前記第1ゲートと略平行な第2ゲートを有する第1型と、
前記第1型に対して接近又は離間自在に設けられ、前記第1のキャビティを受ける第2型と、
前記第1型に対して接近又は離間自在に設けられ、該第1型との型締め時に前記第2ゲートと連通する第2のキャビティを有する第3型と、
前記第2型には、前記第2ゲートに臨み、前記第1型と前記第2型との当接面に開口したサブキャビティと、
を備え、
前記第1型と前記第2型とによる成形が行われた後、前記第2型と前記第3型とが交換されて成形が行われることを特徴とする射出成形装置。
【請求項5】
請求項4記載の射出成形装置において、
前記サブキャビティは、前記第1型に形成される第1キャビティ部と、
前記第1型に臨み、該第2型に形成される第2キャビティ部と、
を備え、
前記第2キャビティ部の容積が、前記第1キャビティ部の容積に対して大きく形成されることを特徴とする射出成形装置。
【請求項6】
請求項5記載の射出成形装置において、
前記サブキャビティには、前記成形材が充填されて硬化した予備成形物が形成され、前記予備成形物は、前記第1型と前記第2型とを型開きした際、前記第1キャビティ部に充填された部位が前記第2キャビティ部から突出して形成されることを特徴とする射出成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−28035(P2013−28035A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164904(P2011−164904)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】