説明

導体ケーブル及びその成形方法

【課題】適度な強度を有すると共に、自在に変形でき、その変形した状態のまま形状を保持することができる導体ケーブルを提供する。
【解決手段】本発明に係る導体ケーブルは、導電性を有し、複数の線材5が網組された芯材4と、芯材4を覆い、芯材4より低い融点を有する被覆材6と、を有する。被覆材6は、熱処理による融解後に凝固することで、網組された芯材4を所望の形状に変形したまま当該形状を保持する。被覆材6は、芯材4を構成する線材の外周を一本ずつ覆うように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板等に配設される導体ケーブル及びその成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品が搭載されたカード上もしくはカード間に設けられた電極間を電気的に接続する導体ケーブルにおいて、電源系に使用されるケーブルは、電流量に合わせて太さが決められる。大電流を流すケーブルは、導体が太く、屈曲させることが容易ではない。屈曲させやすい導体ケーブルとしては、帯状をなすように細線状の導体を編んだ網状のケーブルが存在する(特許文献1)。しかしながら、導体が露出したままであると、他の導体ケーブルや部品、筐体等との接触によるショートの危険があるため、このような網状のケーブルは、絶縁材料で被覆することが一般的である。
【0003】
しかしながら、絶縁被覆を設けることにより、導体ケーブルは屈曲性を損なう。また、屈曲部には絶縁被覆に応力が溜まり、屈曲を戻そうとする力が働くため、導体ケーブルを所望の形状に屈曲させたまま保持することは困難である。
【0004】
そこで、図13に示すように、ケーブルの代替構造として導電性の良い金属板、例えば銅板を所望の形状に加工した金属バー24を使用することができる。金属バー24は、配線基板21に設けられた実装部品22の間を這わせるように配設され、電極23に接続される。
【0005】
また、特許文献2には、内部に挿入されたはんだのリボンコアの外周が、網組されたケーブルによって覆われた導体ケーブルの構成が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、複数の同軸線の外周が一括してはんだで接続された導体ケーブルの構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−174689号公報
【特許文献2】特開平08−249928号公報
【特許文献3】特開2003−123555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図13に示される金属バー24は、予め所望の形状に加工する必要がある。そのため、電極23が配置される位置が異なる配線基板においては、同じ金属バー24を使用することができず、個別にそれぞれ設計・製造する必要があり、製造コストやリードタイムという点で欠点があった。
【0009】
また、特許文献2に開示された導体ケーブルでは、熱処理により内部のはんだが融解すると、内部のはんだが外周を覆う網組されたケーブルに流れ込み、内部が中空となる。このため、特許文献2に開示された導体ケーブルでは、はんだを融解させた後において、導体ケーブルの十分な強度を確保できない。
【0010】
また、特許文献3に開示された導体ケーブルでは、複数の同軸線がはんだにより一体化されて被覆されているため、はんだを融解する前には、任意の形状に導体ケーブルを屈曲させることができない。
【0011】
よって、本発明は、このような問題点に対してなされたものであり、十分な強度を有すると共に、任意の形状に屈曲させたまま、その形状を保持することができる導体ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る導体ケーブルは、導電性を有し、複数の線材が網組された芯材と、前記芯材を覆い、前記芯材より低い融点を有する被覆材と、を有する。前記被覆材は、熱処理による融解後に凝固することで、網組された前記芯材を所望の形状に変形したまま当該形状を保持する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る導体ケーブルの成形方法は、導電性を有し複数の線材が網組された芯材と、前記芯材を覆い前記芯材より低い融点を有する被覆材と、を備えた導体ケーブルの成形方法であって、当該導体ケーブルを所望の形状に変形させた状態で、熱処理により前記被覆材を融解した後、前記被覆材を凝固させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る導体ケーブルによれば、十分な強度を有すると共に、任意の形状に屈曲させたまま、その形状を保持することができる導体ケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1にかかる導体ケーブルの構成例を示す図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】実施の形態2にかかる導体ケーブルの被覆材6を形成する前の状態を示す図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】実施の形態2にかかる導体ケーブルの被覆材6を形成した後の状態を示す図である。
【図6】図5のVI−VI断面図である。
【図7】実施の形態1にかかる導体ケーブル1の全体構成を示す斜視図である。
【図8】実施の形態1にかかる導体ケーブル1の網状ケーブル2を構成する複数の線材5のうち、1本の線材5の断面を示す図である。
【図9】実施の形態1にかかる導体ケーブル1を所望の形状に屈曲させる前の状態を示す図である。
【図10】実施の形態1にかかる導体ケーブル1を所望の形状に屈曲された後の状態を示す図である。
【図11】実施の形態1にかかる導体ケーブル1を屈曲させた状態で被覆材6を融解した後の状態を示す図である。
【図12】実施の形態1にかかる導体ケーブル1が実装された配線基板13の斜視図である。
【図13】従来の金属バー24が実装された配線基板21を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照し、本発明の最良な実施の形態について説明する。本発明の実施の形態に係る導体ケーブルは、導電性を有し、複数の線材が網組された芯材と、芯材を覆い、芯材より低い融点を有する被覆材と、を有している。被覆材は、熱処理による融解後に凝固することで、網組された芯材を所望の形状に変形したまま当該形状を保持するよう構成されている。
【0017】
このような導体ケーブルの具体的な構成として、図1及び図2に、本発明の実施の形態1に係る導体ケーブルを示し、図3乃至図6に、実施の形態2に係る導体ケーブルを示す。
【0018】
図1は、実施の形態1に係る導体ケーブル1の平面図であり、図2は、図1のII−II断面図である。図1に示すように、実施の形態1では、複数の棒状の線材5が網状に編みこまれ、芯材4が構成されている。ここで、芯材4とは、被覆材6が形成されていない線材5の集合体を示すものとする。実施の形態1では、芯材4を覆う被覆材6は、図2に示すように線材5の一本一本の外周に形成されている。なお、被覆材6が形成された芯材4全体を網状ケーブル2と呼ぶ。
【0019】
一方、実施の形態2では、被覆材6は線材5の一本一本には形成されておらず、芯材4の全体を覆うように形成されている。図3及び図4は、実施の形態2に係る導体ケーブルの、被覆材6を形成する前の状態の平面図及びその断面図を示しており、図5及び図6は、被覆材6を形成した後の状態の平面図及び断面図を示している。
【0020】
図3及び図4に示すように、実施の形態2に係る導体ケーブルの線材5は、実施の形態1と同様に網目状に編みこまれている。芯材4は、複数の線材5が編みこまれることにより形成されている。このように形成された芯材4には、図5及び図6に示すように、編み込まれた複数の線材5を一体化するように、芯材4の全体に被覆材6が形成されている。
【0021】
ここで、被覆材6の厚みは、芯材4を屈曲させることができる程度に薄く形成されている。なお、図5では、芯材4の全体に被覆材6が形成されているが、被覆材6は芯材4の全体に形成する必要はなく、後述する屈曲部だけに、被覆材6を形成することも可能である。これにより、実装する配線基板の形状に合わせて、必要な箇所にのみ被覆材6を形成することができる。
【0022】
上記に示した実施の形態1と実施の形態2は、被覆材6の形成される場所が異なるのみであり、導体ケーブルの成形方法や設置方法はほぼ同じである。そのため、以下では、実施の形態1を例として以下に、詳細な本発明の説明を行うものとする。
【0023】
実施の形態1.
図7は、本発明の実施の形態1に係る導体ケーブル1の全体構成を示す図である。この導体ケーブル1は、図1及び図2に示した網状ケーブル2と、網状ケーブル2の両端に設けられた端子3を備えている。網状ケーブル2は、複数の線材5を編み込むことで、大きな電流を流すことが可能である。網状ケーブル2は、線材5が編み込まれる構成により、線材5同士がある程度可動することができる。そのため、網状ケーブル2は、屈曲性に優れ、柔軟性を備えている。
【0024】
また、網状ケーブル2は、帯状に形成されている。そのため、網状ケーブル2は、帯が折りたたまれる方向へは曲げ易く、帯がよじれる方向へは曲がりにくい。これにより、後述するように、配線基板に導体ケーブル1を設置する場合には、曲がり易い一方向のみ導体ケーブル1を支持すればよいため、配線基板に装着しやすいという利点がある。なお、網状ケーブル2の形状は、帯状に形成する必要はなく、任意の形状に形成することができる。例えば、網状ケーブル2は、線材を紐状に編みこむこともできる。
【0025】
網状ケーブル2の両端には、端子3が取り付けられている。端子3は、銅材もしくは黄銅といった電気電導性に優れた材料が好ましい。端子3は、例えば、網状ケーブル2を挟み込んで圧着する構造や、はんだ付けにより固定接続する構造が採用される。
【0026】
図8は、網状ケーブル2を構成する1本の線材5の断面図を示す図である。図1及び図2で説明したように、実施の形態1では、1本の線材5の外周に被覆材6が施されている。この被覆材6を施した線材5を網状に編み込むことで、図7に示す太幅の網状ケーブル2が形成されている。
【0027】
網状ケーブル2を構成する線材5の1本の太さや、編み込む本数は、必要とされる電流量に合わせて設定すればよい。例えば、線材5の直径を0.26mmとし、104本を編んで束ねることにより、導体の太さを示すために広く使用されているAWG(American Wire Gauge)で#8相当の太さになる。
【0028】
線材5は、例えば、銅細線により構成することができる。線材5の直径は、導体ケーブル1を屈曲させやすいよう、より細いことが好ましいが、低抵抗とするためにある程度の太さを確保する必要がある。そのため、この相反する条件をいずれも満たすよう、線材5の直径は、0.1mm〜1mm程度であることが好ましい。
【0029】
それぞれの線材5には、被覆材6を融解させた後に十分な強度が確保できるよう、約30〜50μm程度の被覆材6が施されている。前述したように、被覆材6は、内部の線材5の融点よりも低い融点を有している。被覆材6は、導体ケーブル1の抵抗値を低減させるため、導電体であることが好ましい。
【0030】
具体的には、被覆材6には、はんだめっきを用いることができる。より具体的には、被覆材6は、鉛を含まない無鉛はんだが対環境性として好ましく、一般的に使用されるSn−Cu系のはんだを選択するのが好ましい。
【0031】
次に、このように構成された導体ケーブル1の成形方法について説明する。図9は、実施の形態1にかかる導体ケーブル1を所望の形状に屈曲させる前の状態を示す図である。導体ケーブル1の網状ケーブル2は、任意の形状に屈曲させることができるようフレキシブル性を有している。導体ケーブル1は、図10に示すように、帯を折りたたむ方向へは任意の箇所(屈曲部10)で屈曲が可能である。
【0032】
電子部品が搭載されたカードの電極間や、異なるカードの電極間が直線で結べる場合には、金属製の部材や、屈曲性の無いケーブルでも容易に接続することが可能である。しかしながら、接続する電極間が直線上にない場合には、自由に屈曲する網状ケーブル2が有効である。具体的には、網状ケーブル2をカードの部品の突起物や筐体の突起を避けるように任意の形状に屈曲させ、配線基板上に導体ケーブル1を這わせる。
【0033】
ここで、図10に示すように、網状ケーブル2を任意の位置で屈曲させた状態では、屈曲部10の線材5及び被覆材6が元に戻ろうとする力が働く。そのため、導体ケーブル1では、屈曲位置が変動し、電子部品や筐体に接触したり、別のケーブルと接触したりする危険があり、電気ショートといった問題が発生するおそれがある。そこで、屈曲部10に熱を印加し、網状ケーブル2の線材5の表面に施されている被覆材6を溶融させる。
【0034】
ここで、被覆材6の素材がSn−0.7wt%Cuである場合、Sn−0.7wt%Cuの融点は約230℃である。そのため、少なくとも屈曲部10全体を、被覆材6の融点よりも高く、線材5の融点よりも低い、240〜250℃に加熱する。すると、線材5の表面の被覆材6は溶融し、網状ケーブル2の加熱部は、溶融した被覆材6の素材で覆われる。その後、網状ケーブル2を冷却し、被覆材6を凝固させる。なお、熱処理を行う部分は、少なくとも屈曲部10を含んでいればよく、全体を加熱してもよい。図11においては、全体に対して上記の熱処理を実施した後の導体ケーブル1を示すものとする。
【0035】
図11に示す熱処理後の網状ケーブル2においては、隣接する線材5同士は、屈曲した状態で被覆材6により一体化される。線材5は、熱処理によってはほとんど融解していないため、屈曲された状態から直線状のもとの形状に復元しようとするが、熱処理により融解後凝固した被覆材6は、変形後の形状を保とうとする。このため、線材5の復元は被覆材6によって阻止され、導体ケーブル1は、所望の形状に屈曲したまま保持される。
【0036】
次に、このように成形される実施の形態1に係る導体ケーブル1の実装例について説明する。導体ケーブル1は、図12に示すように、配線基板13等に実装される。配線基板13上には、多くの実装部品14が搭載されている。基板上の電極15間をケーブル等で接続する場合には、図のように実装部品14を避けるように導体ケーブル1を這わせる必要がある。
【0037】
実施の形態1に係る導体ケーブル1は、被覆材6の熱処理前においては屈曲可能であるため、実装部品14の隙間を自由に這わすことができる。この状態で、網状ケーブル2を加熱することにより被覆材6を溶融し、その後凝固させることにより、網状ケーブル2を所望の形状に保持することができる。これによって、網状ケーブル2と実装部品間の間に所定の隙間を確保することが可能となり、両部材によるショートの発生を防ぐことができる。
【0038】
なお、被覆材6を溶融させる加熱方法としては、熱風を加えたり、遠赤外線ヒータで加熱するという方法がよい。また、予め所望の形状が決まっている場合には、成形したい形状に溝を設けた耐熱性の成形型に導体ケーブル1をはめ込み、はんだ溶融温度まで全体を加熱する工法も有効である。
【0039】
続いて、実施の形態1に係る導体ケーブル1の効果について説明する。本実施の形態1に係る導体ケーブル1は、線材5が編みこまれた網状ケーブル2を有している。線材5は、導体ケーブル1が屈曲された状態では、ある程度可動することができるため、網状ケーブル2は良好なフレキシブル性を備える。これにより、導体ケーブル1は、所望の形状に屈曲させることができ、実装する配線基板13に合わせて任意の形状に変形させることができる。
【0040】
また、線材5には、被覆材6が施されているため、屈曲部10に対して熱処理を行うことで、被覆材6を一時的に溶融させ、その後、屈曲部10を凝固させることで、導体ケーブル1を所望の形状に屈曲させたまま、その形状を保持することができる。
【0041】
また、線材5の外周には十分な被覆材6が施されているため、被覆材6が融解後、凝固することで所望の形状のまま線材5を保持することができる。そのため、導体ケーブル1を所望の形状に成形した後においても、導体ケーブル1の十分な強度を確保することができる。
【0042】
また、線材5には、一本ずつ被覆材6が配されているため、被覆材6の融解後には、網組された線材5に均一に被覆材6が形成される。さらに、線材5を一本ずつ被覆材6で覆うことにより、網組された線材5全体に被覆材を形成するよりも、高い屈曲性を維持したまま、十分な量の被覆材6を線材5に配することができる。
【0043】
このように、本実施の形態1に係る導体ケーブル1を図12に示す配線基板13に配する際には、直線上にない電極15間を、屈曲可能な構成により容易に接続することができる。また、導体ケーブル1は、融解後に凝固した被覆材6によって屈曲部10の形状が保持されているため、導体部が電子部品や筐体に接触するといった危険がない。また、導体ケーブル1は、十分な被覆材6を施すことで、所望の形状に成形後も十分な強度を確保しており、配線基板13の信頼性を向上させることができる。
【0044】
また、熱処理は、他の実装部品14に影響を与えないよう、より低温、かつ、短時間で行うことが好ましいが、被覆材6の融点は線材5の融点よりも低いため、線材5を変形させる程度の高温の熱処理を行わなくても、被覆材6を変形させるのに十分な温度の熱処理を行うことで、線材5の形状を所望の形状に変形させることができる。
【0045】
変形例.
上記の実施の形態1において被覆材6をはんだめっきにより構成した場合、網状ケーブル2の被覆材6を溶融させる工程においては、大気中においての熱風加熱や遠赤外線ヒータ加熱では、被覆材6の表面の酸化状態により、良好なはんだ溶融状態が得られない可能性がある。そこで、はんだ加熱溶融時に、はんだ表面の酸化膜を除去する機能を有するフラックスを網状ケーブル2に予め塗布浸透させておく。
【0046】
これにより、加熱溶融時に良好な被覆材6の溶融状態が得られる。また、良好な被覆材6の融解状態を経ることで、冷却後においても良好なはんだによる線材5の一体化が可能となる。なお、予めフラックスを塗布浸透しなくとも、加熱時に液状フラックス塗布する工程を設けることによっても、本問題を解決することができる。
【0047】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0048】
また、上記の実施の形態1に係る導体ケーブル1では、網組された線材5の全てに被覆材6が形成されているが、網組された線材5の中に、被覆材6が形成された線材5が含まれていればよい。例えば、半分の線材5にのみ、被覆材6が形成されているような構成であってもよい。
【0049】
また、上記の実施の形態1に係る導体ケーブル1では、被覆材6は、導電体を例として説明したが、被覆材6は、非導電体であってもよい。具体的には、被覆材6として、樹脂等を用いることができる。樹脂は、はんだめっき等に比べ融点が低いため、導体ケーブル1に熱処理の温度を高温とする必要がない。そのため、配線基板13に導体ケーブル1を配設する場合には、熱処理によって生じる他の実装部品14のへ影響を低減させることができる。
【0050】
なお、上記で説明した実施の形態1の変形例等は、実施の形態2にも適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 導体ケーブル
2 網状ケーブル
3 端子
4 芯材
5 線材
6 被覆材
10 屈曲部
13、21 配線基板
14、22 実装部品
15、23 電極
24 金属バー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有し、複数の線材が網組された芯材と、
前記芯材を覆い、前記芯材より低い融点を有する被覆材と、を有し、
前記被覆材は、熱処理による融解後に凝固することで、網組された前記芯材を所望の形状に変形したまま当該形状を保持する、導体ケーブル。
【請求項2】
前記被覆材は、当該芯材を構成する前記線材の外周を一本ずつ覆うように形成される、請求項1に記載の導体ケーブル。
【請求項3】
前記被覆材は、網組された前記芯材の全体を覆うように形成される、請求項1に記載の導体ケーブル。
【請求項4】
前記被覆材は、導電性を有する、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の導体ケーブル。
【請求項5】
前記被覆材は、はんだである、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の導体ケーブル。
【請求項6】
前記被覆材は、フラックスが塗布されている、請求項5に記載の導体ケーブル。
【請求項7】
前記導体ケーブルは、端部に、当該導体ケーブルを外部の電子部品に接続するための端子が設けられている、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の導体ケーブル。
【請求項8】
前記芯材は、帯状に形成されている、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の導体ケーブル。
【請求項9】
前記線材の直径は、0.1mm乃至1mmである、請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の導体ケーブル。
【請求項10】
前記被覆材の厚みは、30乃至50μmである、請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の導体ケーブル。
【請求項11】
導電性を有し複数の線材が網組された芯材と、前記芯材を覆い前記芯材より低い融点を有する被覆材と、を備えた導体ケーブルの成形方法であって、
当該導体ケーブルを所望の形状に変形させた状態で、熱処理により前記被覆材を融解した後、前記被覆材を凝固させる、
導体ケーブルの成形方法。
【請求項12】
前記被覆材を冷却することにより、前記被覆材を凝固させる
請求項11に記載の導体ケーブルの成形方法。
【請求項13】
前記熱処理の温度は、前記芯材の融点よりも低く、前記被覆材の融点よりも高い
請求項11又は12に記載の導体ケーブルの成形方法。
【請求項14】
前記導体ケーブルの変形された部分にのみ前記熱処理を行う
請求項11乃至13のうちいずれか1項に記載の導体ケーブルの成形方法。
【請求項15】
前記導体ケーブルの変形された部分を含む前記導体ケーブルの全体について前記熱処理を行う
請求項11乃至14のうちいずれか1項に記載の導体ケーブルの成形方法。
【請求項16】
前記熱処理は、熱風を加える、又は、遠赤外線ヒータで加熱することにより行う
請求項11乃至15のうちいずれか1項に記載の導体ケーブルの成形方法。
【請求項17】
当該導体ケーブルを設置する配線基板上に、前記導体ケーブルを屈曲させて設置することで前記導体ケーブルを所望の形状に変形させ、
少なくとも前記導体ケーブルの変形された部分に前記熱処理を行う
請求項11乃至16のうちいずれか1項に記載の導体ケーブルの成形方法。
【請求項18】
成形型に導体ケーブルをはめ込むことで、当該導体ケーブルを所望の形状に変形させ、
少なくとも前記導体ケーブルの変形された部分に前記熱処理を行う
請求項11乃至17のうちいずれか1項に記載の導体ケーブルの成形方法。
【請求項19】
前記被覆材は、前記芯材を構成する前記線材の外周を一本ずつ覆うように形成される、請求項11乃至18のうちいずれか1項に記載の導体ケーブルの成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−54374(P2011−54374A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201413(P2009−201413)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】