説明

導電性ペースト、色素増感型太陽電池用導電層、及び色素増感型太陽電池

【課題】色素増感型太陽電池の導電層を形成する場合に、前記導電層の粒界抵抗を低く保持した状態で、その強度向上を図ることが可能な導電性ペーストを提供するとともに、この導電性ペーストを焼成して得た前記導電層、及びこの導電層を具えた色素増感型の太陽電池を提供する。
【解決手段】表面官能基の少なくとも一部がアルキル基で置換されてなるシリカ重合体と、導電性粒子とを具える導電性ペーストを準備し、これを塗布及び焼成して導電層を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性ペースト、並びにこの導電性ペーストを用いて作製した色素増感型太陽電池用導電層、及びこの導電層を具える色素増感型太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明電極と触媒を担持させた導電層を具える対向電極との間に色素を担持した酸化チタンなどからなる半導体層(光電変換層)と電解質層とを設け、周囲を樹脂等の封止材料で封止してなる構成の色素増感型太陽電池が知られている(例えば、特開2005−228594号公報)。また、透明電極上に、色素を担持してなる同じく酸化チタンなどからなる半導体層(光電変換層)、絶縁層、触媒層及び導電層を順次に積層してなる構成の色素増感型の太陽電池が知られている(例えば、特開2003−142171号公報)。
【0003】
しかしながら、上記いずれの型の色素増感型太陽電池においても、導電層中には電解質を含有させる必要があるので、前記導電層は多孔質にする必要がある。このような多孔質の導電層を形成するには、導電性粒子と所定の樹脂とを有機溶剤中に溶解するとともに分散させて導電性ペーストを形成した後、この導電性ペーストを焼成することによって行う。
【0004】
このような場合、上記導電性粒子の粒子径を大きくすると、粒界抵抗が減少するという利点が得られる一方、導電層の層自体の強度が低下してしまうという問題があった。また、上記導電性粒子の粒子径を小さくしたり、前記導電性粒子を構成する前駆体をペースト中に含有させたりすることによって、導電性粒子間のネッキング形成を促進することにより、導電層の層自体の強度は改善することができる一方、上述した粒界抵抗は増大するという問題が生じてしまう。
【0005】
このような問題に鑑みて、上述した導電性ペースト中にガラスフリットなどの無機バインダーを含有させることが試みられている(例えば、特開2001−223065号公報)。しかしながら、このような方法では、電解質中に前記ガラスフリットの特にPb成分が溶出してしまい、電解質の純度を劣化させて、色素増感型太陽電池の性能劣化や環境汚染などの問題を引き起こしていた。また、Pbフリーのガラスフリットを用いた場合でも、Biなどの有害物を含んでいるため、長期的な使用を考慮した場合、その安全性が問題となる場合があった。
【特許文献1】特開2005−228594号公報
【特許文献2】特開2003−142171号公報
【特許文献3】特開2001−223065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、色素増感型太陽電池の導電層を形成する場合に、前記導電層の粒界抵抗を低く保持した状態で、その強度向上を図ることが可能な導電性ペーストを提供するとともに、この導電性ペーストを焼成して得た前記導電層、及びこの導電層を具えた色素増感型の太陽電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は、
表面官能基の少なくとも一部がアルキル基で置換されてなるシリカ重合体と、導電性粒子とを具えることを特徴とする、導電性ペーストに関する。
【0008】
また、本発明は、上記導電性ペーストを焼成することによって得た、色紙増感型太陽電池用の導電層に関する。
【0009】
さらに、本発明は、上記導電性ペーストを焼成することによって得た導電層を具えることを特徴とする、色素増感型太陽電池に関する。
【0010】
本発明者らは、上述した従来の導電性ペーストに関する問題に鑑みて、新規な構成の導電性ペーストを得るべく鋭意検討を実施した。その結果、導電性粒子と、必要に応じて樹脂とを有機溶剤に溶解するとともに分散して得た導電性ペースト中に、従来のガラスフリットなどの無機バインダーに代わり、表面官能基の少なくとも一部がアルキル基で置換されてなるシリカ重合体を含有させることによって、上述した従来の問題を回避できることを見出した。
【0011】
すなわち、導電性粒子と、部分的にアルキル基置換されたシリカ重合体とを含む導電性ペーストを用い、これを塗布及び焼成することによって導電層を形成することにより、前記導電層の粒界抵抗を低く保持した状態で強度向上を図れることを見出した。したがって、このような導電性ペーストを用いることによって、色素増感型太陽電池に適した特性を有する導電層の形成が可能となるとともに、かかる導電層を有する色素増感型太陽電池を得ることができる。
【0012】
この際、従来同様に、上記アルキル基置換シリカ重合体は、導電層中において、導電性粒子に対するバインダーとして機能する。すなわち、導電性粒子が比較的大きい場合でも、前記アルキル基置換シリカ重合体が良好なバインダーとして機能するため、粒界抵抗を低く保持した状態で、強度向上を図った導電層を得ることができる。但し、表面にアルキル基を有しているため、ペーストをゲル化し硬化させることがなく、上記導電層を良好な状態で形成することができる。
【0013】
なお、アルキル基置換されたシリカ重合体は高温においても安定であり、例えば導電性ペーストに対する焼成温度の300〜500℃の温度範囲においてもその構造を安定に維持することができる。したがって、焼成過程を経て導電層を構成した場合においても、前記導電層中でその特性を十分に発揮して、上述した作用効果を奏することが可能な導電層、及びこの導電層を含む色素増感型太陽電池を得ることができる。
【0014】
また、シリカ重合体が全くアルキル基置換されておらず、単独でペースト中に存在する場合は、従来の無機バインダーと同様に、ペースト中でゲル化し硬化してしまう。したがって、前記ペーストを所定の基材上に塗布することができず、目的とする導電層を形成することができないため、本発明の目的を達成することができない。
【0015】
なお、シリカ重合体の表面には多数の水酸基が存在するため、前記アルキル基はこのような水酸基と置換してシリカ重合体の表面に付着することになる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、色素増感型太陽電池の導電層を形成する場合に、前記導電層の粒界抵抗を低く保持した状態で、その強度向上を図ることが可能な導電性ペーストを提供するとともに、この導電性ペーストを焼成して得た前記導電層、及びこの導電層を具えた色素増感型の太陽電池を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴及び利点について詳述する。但し、本発明は以下に述べる態様に限定されるものではない。
【0018】
(導電性ペースト)
本発明のバインダーを構成するシリカ重合体は、その表面官能基がアルキル基で置換されていることが必要である。アルキル基は、n個の炭素原子に2n+1個の水素原子が結合した基の総称であって、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基などの低級アルキル基を用いる。これらの低級アルキル基は、トリアルキルシリコンアルコキシドまたはトリアルキルシリコンクロライド等の化合物のアルキル部位を利用し、シリカ重合体の表面官能基と前記トリアルキルシリコン化合物を加水分解によって反応させた場合において、前記シリカ重合体に対して高い結合安定性を呈し、高温においてもその結合が切れることがない。
【0019】
したがって、このようなアルキル基で置換されたシリカ重合体を導電性ペースト中に含有させ、前記導電性ペーストを焼成して導電層を形成した場合においても、前記シリカ重合体は前記導電層中に表面アルキル基を安定に結合させた状態で分散されるようになる。この結果、前記導電層は、表面置換アルキル基を有するシリカ重合体を含むことによる作用効果を奏することができる。具体的には、以下に詳述するように、低い粒界抵抗を保持した状態で高い強度を奏することができる。この際、前記シリカ重合体は、導電性ペースト中に含まれる導電性粒子に対して縮重合することで粒子同士を密着させ、粒子間において硬化することでバインダーとして機能する。
【0020】
上述した低級アルキル基を用いた場合、得られる導電性ペーストは、300〜500℃の温度においてもシリカ重合体に対して安定に結合し、上述した作用効果を奏することができる。特に、プロピル基においては300℃程度、エチル基は400℃程度と炭素数が少なくなるほど耐熱性は向上する。特に、メチル基を用いることによって、約500℃程度まで安定にシリカ重合体に結合し、高い熱的安定性を示す。
【0021】
なお、炭素数が4個以上のアルキル基を用いた場合は、このようなアルキル基で表面置換されたシリカ重合体を含む導電性ペーストを高温化においた場合において、前記アルキル基を構成する炭素鎖が無秩序に分断する傾向にある。したがって、前記シリカ重合体は、その表面にアルキル基を均一に有することができず、アルキル基置換の効果、すなわちアルキル基置換シリカ重合体の効果を十分に発揮することができない場合がある。
【0022】
また、シリカ重合体は、その表面に多数の水酸基が存在するため、上記アルキル基は、前記水酸基と置換するようになる。
【0023】
なお、シリカ重合体の表面官能基(主として水酸基)がアルキル基で置換されていない場合は、前記シリカ重合体を導電性ペースト中に含有させた場合に、ゲル化し硬化してしまう。この結果、前記導電性ペーストは、導電層を形成すべく均一に塗布するに足る十分な粘度を有することができず、前記導電層を形成することができない。したがって、本発明の目的を達成することができない。
【0024】
また、シリカ重合体の表面官能基における前記アルキル基の割合は40%〜90%の範囲であることが好ましい。前記割合が40%未満であると、シリカ重合体に対するアルキル基置換の効果が十分でなく、前記シリカ重合体を導電性ペースト中に含有させた場合に、ゲル化し硬化してしまう場合がある。また、前記割合が90%を超えると、前記シリカ重合体を含む導電性ペーストを塗布して焼成した場合に、シリカ重合体同士の結合が妨げられ、前記導電性ペースト中に含まれる導電性粒子に対するバインダーとしての効果が得られなくなってしまう場合がある。
【0025】
さらに、前記導電性ペースト中の前記シリカ重合体の含有割合はSiOとして前記導電性粒子に対し0.1重量%〜10重量%であることが好ましい。前記シリカ重合体の含有割合が0.1重量%未満であると、前記シリカ重合体の、導電層中におけるバインダーとしての効果が得られるなくなる場合がある。また、前記シリカ重合体の含有割合が10%を超えると、導電層を形成した場合に、前記シリカ重合体が導電性粒子の表面をほぼ完全に覆ってしまうようになり、前記導電層が導電性を示さなくなる場合がある。
【0026】
なお、本発明で用いることのできるシリカ重合体の大きさは特に限定されないが、ポリエステル換算での平均分子量が1000〜4000の範囲であることが好ましい。これによって、以下に示す導電層を形成した場合に、その含有効果を最も顕著に発揮することができる。
【0027】
また、本発明の導電性ペースト中に含まれる導電性粒子は、良好な電気伝導性を有することが必要であり、例えば通常のAu,Ag,Cu及びAlなどの単体あるいは合金を用いることができる。但し、特に、目的とする導電層を色素増感型太陽電池の導電層として用いる場合は、特にヨウ素(I)を含むような電解質に対して高い耐性を有することが必要であり、かかる観点からはグラファイト、カーボンブラック、カーボン繊維、カーボンナノチューブなどの炭素系導電体や酸化ルテニウム(RuO)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化アンチモン錫(ATO)などの酸化物導電体から構成することが好ましい。
【0028】
また、導電性粒子の大きさ(直径)に関しても本発明の目的を達成することができれば特に限定されるものではないが、例えば10nm〜10μmとすることができる。
【0029】
次に、本発明の導電性ペーストの製造方法の一例について述べる。最初に、例えばテトラアルキルシリコンを原料として、この原料とアンモニアや硝酸などの触媒、並びに水および有機溶剤を混合し、加熱攪拌し、加水分解することでシリカ重合体を得る。その後に、重合体溶液中にトリアルキルシリコンアルコキシドを添加し、反応させることによって、前記シリカ重合体表面の水酸基を前記トリアルキルシラン基で置換し、アルキル基置換シリカ重合体を得る。なお、前記反応は過度の置換反応を抑制すべく、例えば氷温で行う。
【0030】
次いで、アルキル基置換されていない未反応のシリカ重合体及び触媒は、純水を添加することによって除去して精製し、アルキル基置換されたシリカ重合体のみを取り出す。
【0031】
次いで、導電性粒子及び上記のようにして得たアルキル基置換のシリカ重合体を、セルロース系樹脂やアクリル系樹脂などとともに、へキシレングリコールあるいはα−テルピオネールなどの高沸点有機溶剤に置換して、目的とする導電性ペーストを得る。
【0032】
なお、上記アルキル基置換のシリカ重合体は、エタノールなどを添加してエタノール溶液とすることにより、長期間冷凍保存することができるようになる。これは、主として、シリカ重合体の表官能基をアルキル基で置換しているために、重合体同士の反応性が低下しているためと考えられる。
【0033】
(導電層及び色素増感型太陽電池)
次に、本発明の導電層について説明する。本発明の導電層は上述のようにして得た導電性ペーストを所定の部材上に塗布した後、焼成することによって得る。焼成温度は約300〜500℃である。このようにして導電層を形成することによって、前記導電層は、粒界抵抗を低く保持した状態で、強度向上を図ることができる。これは、上記アルキル基置換シリカ重合体が、導電層中において、導電性粒子に対するバインダーとして機能するためと考えられる。
【0034】
図1は、導電層中の導電性粒子とシリカ重合体との様子を概略的に示す図である。図1に示すように、導電性粒子10は互いに隣接して接触するので粒界抵抗は比較的低く維持することができるとともに、導電性粒子10の間にはシリカ重合体20が介在してバインダーとして機能し、導電性粒子10間を強固に結合する。したがって、導電層の粒界抵抗を比較的低く保持した状態で、その強度向上を図ることができる。
【0035】
なお、シリカ重合体20は、導電性粒子10間の間隙を完全には埋設しないので、得られる前記導電層は多孔質となる。
【0036】
図2は、本発明の色素増感型太陽電池の一例を示す構成図である。なお、図2においては、特徴を明確にすべく、基板上に2組の太陽電池セルが形成されている場合について示しているが、実際には、複数の太陽電池セルが縦横に配列されている。
【0037】
図2に示す色素増感型太陽電池30においては、透明基板31上に、順次ITOなどからなる透明導電層32、酸化チタン粒子などに色素が担持されてなる半導体層としての光電極層33、絶縁性反射層34、触媒層35及び導電層36が順次に形成されて、各電池セルを構成している。また、これらの電池セルは封止層37で封止されている。
【0038】
なお、本例では、触媒層35及び導電層36を別個の層として記載しているが、通常は、導電層36を構成する導電性粒子に対して触媒を担持させるようにして構成し、導電層36自体を触媒との混合層として構成することもできる。なお、導電層36は多孔質となっており、この中には電解質が染み込まされている。
【0039】
本例の場合、発電に寄与する光は、図中矢印で示すように、透明基板31側から入射する。なお、絶縁性反射層34は、入射した光を反射させて再度光電極層33中に入射され、前記光の利用効率、すなわち変換効率を高めるために形成されているものである。また、触媒層35は導電層36中に含有された電解質との酸化還元反応を促進させるために付与されたものである。
【0040】
図2に示す色素増感型太陽電池30において、上述のようにして形成した導電層は、そのまま導電層36として使用することができる。
【0041】
なお、図2に示す色素増感型太陽電池20の構成自体は既に公知であり、例えば特開2003−142171号公報に開示されている。
【実施例】
【0042】
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。
最初に、テトラメトキシシラン12.67%、エタノール50%に氷冷中で混合攪拌し、別に氷冷していた1規定硝酸4.16%と純水24.5%の混合液を氷冷中で10分間混ぜ合わせた後、60℃にて2.5時間攪拌し、シリカ重合体(分子量:1000〜4000)を作製した。この後、トリメチルメトキシシランを8.67%添加して10分間加熱攪拌し、シリカ重合体の表面を-Si-3Meで置換した。過度に置換するとバインダーとしての機能が損なわれる為に、その後、室温まで放冷し低温条件で12時間反応させ、トリメチルシリコン部分置換シリカ重合体を得た。
【0043】
その後、ペースト中に残存すると塗布性劣化の原因につながる未反応トリメチルメトキシシランおよびその2両体等を除去する為、エバポレータを用いて精製した。
【0044】
次いで、十分にトリメチルシリコン置換されていない水溶性のシリカ重合体と触媒として添加していた硝酸を除去する為に、純水を添加した。このとき、十分に置換されているシリカ重合体は疎水性になっている為に純水を添加することによって、置換されていないシリカ重合体と分離することができる。この操作によって、前述の未置換シリカ重合体および硝酸を除去し、置換したシリカ重合体のみを精製することが可能となる。
【0045】
なお、得られた置換シリカ重合体を、核磁気共鳴測定装置(NMR)を用いてSiのスピン状態を検討した結果、反応可能な水酸基の41.3%がトリメチルシリコン基で置換されていることが分かった。残りの58.7%が加熱焼成時に縮合に寄与し、構造体の強を向上させる。つまり、表面官能基におけるメチル基の割合は67.6%であり、32.4%が重合体同士を結合させるために使われる反応可能な水酸基となる。
【0046】
次いで、上述のようにして得たトリメチルシリコン部分置換シリカ重合体をSiO換算で1重量%、粒径30nmのRuOを30重量%、エチルセルロースを5重量%及びα−テルピオネールを64重量%の割合で配合し、ペーストを作製した。
【0047】
次いで、上述のようにして得たペーストをガラス基板上にスクリーン印刷法によって成膜し、500℃で1時間焼成することで薄膜を得た。この薄膜に対し、セロハンテープによる剥離試験を試みたところ、膜剥がれほとんどなく、膜強度は強いことが分かった。
また、上記ペーストを1ヶ月間放置した場合においても、粘度の上昇はほとんど観測されず、長期に亘って安定であることが判明した。
【0048】
以上、本発明について具体例を挙げながら詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の導電層中の、導電性粒子とシリカ重合体との様子を概略的に示す図である。
【図2】本発明の色素増感型太陽電池の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0050】
10 導電性粒子
20 アルキル基置換シリカ重合体
30 色素増感型太陽電池
31 透明基板
32 透明導電層
33 光電極層
34 絶縁性反射層
35 触媒層
36 導電層
37 封止層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面官能基の少なくとも一部がアルキル基で置換されてなるシリカ重合体と、導電性粒子とを具えることを特徴とする、導電性ペースト。
【請求項2】
前記アルキル基がメチル基であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性ペースト。
【請求項3】
前記シリカ重合体の前記表面官能基における前記アルキル基の割合が40%〜90%の範囲であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電性ペースト。
【請求項4】
前記導電性ペースト中の前記シリカ重合体の含有割合がSiO重量として前記無機粒子に対して0.1重量%〜10重量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の導電性ペースト。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一に記載の導電性ペーストを加熱焼成することによって得た、色素増感型太陽電池用導電層。
【請求項6】
前記導電層は多孔質であって、前記導電性ペースト中の前記シリカ重合体が、前記導電層を構成する前記導電性粒子間に介在し、前記導電性粒子同士の結合を向上させるように機能することを特徴とする、請求項5に記載の色素増感型太陽電池用導電層。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか一に記載の導電性ペーストを加熱焼成することによって形成した導電層を具えることを特徴とする、色素増感型太陽電池。
【請求項8】
前記導電層は多孔質であって、前記導電性ペースト中の前記シリカ重合体が、前記導電層を構成する前記導電性粒子間に介在し、前記導電性粒子同士の結合を向上させるように機能することを特徴とする、請求項7に記載の色素増感型太陽電池。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−16303(P2009−16303A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−179760(P2007−179760)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【Fターム(参考)】