説明

導電性ポリマーおよび非ポリマーフッ素化有機酸の組成物

ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機酸とを含む組成物が提供される。かかる組成物を含む少なくとも1つの層を有する電子デバイスおよび用途がさらに提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機酸とを含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性ポリマーは、発光ディスプレイでの使用のためのエレクトロルミネセンス(「EL」)デバイスの開発においてなど、様々な有機電子デバイスで使用されてきた、導電性ポリマーを含有する有機発光ダイオード(OLED)などのELデバイスに関して、かかるデバイスは一般に次の構造を有する。
陽極/バッファー層/EL材料/陰極
【0003】
陽極は典型的には、透明であり、かつ、例えば、酸化インジウム/スズ(ITO)などのEL材料へ正孔を注入する能力を有する任意の材料である。陽極は任意選択的にガラスまたはプラスチック基材上に支持される。EL材料には、蛍光染料、蛍光およびリン光性金属錯体、共役ポリマー、ならびにそれらの混合物が含まれる。陰極は典型的には、EL材料へ電子を注入する能力を有する任意の材料(例えば、CaまたはBaなど)である。
【0004】
バッファー層は典型的には導電性ポリマーであり、陽極からEL材料層への正孔の注入を容易にする。バッファー層はまた、正孔−注入層、正孔輸送層とも呼ばれることができ、または二層陽極の一部として特徴づけられてもよい。バッファー層として用いられる典型的な導電性ポリマーには、ポリアニリン(「PAni」)およびポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(「PEDT」))などのポリジオキシチオフェンが含まれる。これらの材料は、例えば、米国特許公報(特許文献1)および(特許文献2)に記載されているように、ポリ(スチレンスルホン酸)(「PSSA」)、またはポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(「PAAMPSA」)などの、水溶性ポリマー酸の存在下に水溶液でアニリンまたはジオキシチオフェンモノマーを重合させることによって製造することができる。周知のPEDT/PSS材料は、エッチ・シー・スタルクGmbH(独国レーベルクーセン)(H.C.Starck,GmbH(Leverkusen,Germany))から商業的に入手可能なバイトロン(Baytron)(登録商標)−Pである。
【0005】
良好な加工性および増加した導電性の改善された導電性ポリマーに対するニーズが存在する。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,300,575号明細書
【特許文献2】PCT出願国際公開第02/065484号パンフレット
【特許文献3】米国特許第5,798,170号明細書
【特許文献4】PCT出願国際公開第02/02714号パンフレット
【特許文献5】米国特許出願公開第2001/0019782号明細書
【特許文献6】欧州特許第1191612号明細書
【特許文献7】国際公開第02/15645号パンフレット
【特許文献8】欧州特許第1191614号明細書
【特許文献9】米国特許第6,303,238号明細書
【特許文献10】PCT出願国際公開第00/70655号パンフレット
【特許文献11】PCT出願国際公開第01/41512号パンフレット
【特許文献12】米国特許出願第10/669577号明細書
【特許文献13】米国特許出願第10/669494号明細書
【非特許文献1】CRC化学および物理学ハンドブック(CRC Handbook of Chemistry and Physics)、81版、2000年
【非特許文献2】Current Applied Physics、2002(No.2)、339〜343ページ
【非特許文献3】Nature、vol.426(2003)、166〜169ページ
【非特許文献4】Advanced Materials、vol.12(2000−No.7)、490〜491ページ
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ポリチオフェン、ポリピロ−ル、ポリアニリン、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機酸とを含む新規組成物が提供される。
【0008】
少なくとも1つの新規組成物を含む少なくとも1つの層を含む電子デバイスが提供される。電子デバイスの少なくともバッファーにおける新規組成物の使用もまた提供される。
【0009】
前述の概要および次の詳細な説明は、添付の特許請求の範囲に定義されるように、本発明について模範的で説明的なものであるにすぎず、本発明を限定するものではない。
【0010】
本発明は一例として例示され、添付図に限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
一実施形態では、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機酸とを含む新規組成物が提供される。
【0012】
本明細書で用いるところでは、用語「非ポリマー」は、約2000以下の分子量を有する化合物を意味することを意図される。本明細書で用いるところでは、用語「フッ素化有機酸」は、少なくとも1つの酸基と炭素原子に結合した少なくとも1つのフッ素とを有する有機化合物を意味することを意図される。該用語は部分フッ素化および過フッ素化された物質を包含する。
【0013】
本新規組成物に好適な導電性ポリマーはホモポリマーであることができ、またはそれらは2つ以上のそれぞれのモノマーの共重合体であることができる。本組成物は、1つまたは複数の異なる導電性ポリマーと1つまたは複数の異なる非ポリマーフッ素化有機酸とを含んでもよい。一実施形態では、導電性ポリマーはポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、およびそれらの組合せから選択される。
【0014】
本新規組成物での使用を考慮されるポリチオフェンは下の式I
【0015】
【化1】

【0016】
(式中、
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、アミドスルホネート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択され、または両R基は一緒になって、その環が任意選択的に1つまたは複数の二価の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでもよい3、4、5、6、もしくは7員環の芳香族もしくは脂環式環を完成するアルキレンもしくはアルケニレン鎖を形成してもよく、
nは少なくとも約4である)
を含む。
【0017】
本明細書で用いるところでは、用語「アルキル」は脂肪族炭化水素に由来する基を意味し、非置換または置換であってもよい線状、分岐および環式基を含む。用語「ヘテロアルキル」は、アルキル基内の炭素原子の1つまたは複数が窒素、酸素、硫黄などの別の原子によって置換されたアルキル基を意味することを意図される。用語「アルキレン」は2ポイントの結合を有するアルキル基を意味する。
【0018】
本明細書で用いるところでは、用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する脂肪族炭化水素に由来する基を意味し、非置換または置換であってもよい線状、分岐および環式基を含む。用語「ヘテロアルケニル」は、アルケニル基内の炭素原子の1つまたは複数が窒素、酸素、硫黄などの別の原子によって置換されたアルケニル基を意味することを意図される。用語「アルケニレン」は2ポイントの結合を有するアルケニル基を意味する。
【0019】
本明細書で用いるところでは、置換基についての次の用語は、下に与えられる式を意味する。
「アルコール」 −R−OH
「アミドスルホネート」 −R−C(O)N(R)R−SO
「ベンジル」 −CH−C
「カルボキシレート」 −R−C(O)O−Z
「エーテル」 −R−O−R
「エーテルカルボキシレート」 −R−O−R−C(O)O−Z
「エーテルスルホネート」 −R−O−R−SO
「ウレタン」 −R−O−C(O)−N(R
ここで、すべての「R」基は各存在で同じまたは異なるものであり、
そして、
は単結合またはアルキレン基であり、
はアルキレン基であり、
はアルキル基であり、
は水素またはアルキル基であり、
ZはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、N(RまたはRであり、
上の基のいかなるものもさらに非置換または置換であってもよく、いかなる基も、過フッ素化基をはじめとして、Fが1つまたは複数の水素に置換していてもよい。
【0020】
一実施形態では、ポリチオフェンで両Rは一緒になって−O−(CHY)−O−(ここで、mは2または3であり、Yは各存在で同じまたは異なるものであり、水素、アルキル、アルコール、アミドスルホネート、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択される。一実施形態では、すべてのYは水素である。一実施形態では、ポリチオフェンはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である。一実施形態では、少なくとも1つのY基は水素ではない。一実施形態では、少なくとも1つのY基はFが少なくとも1つの水素に置換した置換基である。一実施形態では、少なくとも1つのY基は過フッ素化されている)を形成する。
【0021】
本新規組成物での使用を考慮されるポリピロールは下の式II
【0022】
【化2】

【0023】
(ここで式IIにおいて、
nは少なくとも約4であり、
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、アミドスルホネート、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択され、または両R基は一緒になって、その環が任意選択的に1つまたは複数の二価の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでもよい3、4、5、6、もしくは7員環の芳香族もしくは脂環式環を完成するアルキレンもしくはアルケニレン鎖を形成してもよく、そして
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アルカノイル、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択される)
を含む。
【0024】
一実施形態では、Rは各存在で同じまたは異なるものであり、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、アミドスルホネート、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、ウレタン、エポキシ、シラン、シロキサン、および1つまたは複数のスルホン酸、カルボン酸、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、またはシロキサン部分で置換されたアルキルから独立して選択される。
【0025】
一実施形態では、Rは水素、アルキル、および1つまたは複数のスルホン酸、カルボン酸、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、またはシロキサン部分で置換されたアルキルから選択される。
【0026】
一実施形態では、ポリピロールは非置換であり、RおよびRの両方とも水素である。
【0027】
一実施形態では、両Rは一緒になって、アルキル、ヘテロアルキル、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択される基でさらに置換されている、6または7員環の脂環式環を形成する。これらの基はモノマーおよび生じたポリマーの溶解性を向上させることができる。一実施形態では、両Rは一緒になって、アルキル基でさらに置換されている、6または7員環の脂環式環を形成する。一実施形態では、両Rは一緒になって、少なくとも1個の炭素原子を有するアルキル基でさらに置換されている、6または7員環の脂環式環を形成する。
【0028】
一実施形態では、両Rは一緒になって−O−(CHY)−O−(ここで、mは2または3であり、Yは各存在で同じまたは異なるものであり、水素、アルキル、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、アミドスルホネート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択される。一実施形態では、少なくとも1つのY基は水素ではない。一実施形態では、少なくとも1つのY基は、Fが少なくとも1つの水素に置換した置換基である。一実施形態では、少なくとも1つのY基は過フッ素化されている)を形成する。
【0029】
本新規組成物での使用を考慮されるポリアニリンは下の式IIIまたは式IV
【0030】
【化3】

【0031】
(式中、
nは少なくとも約4であり、
pは0〜4の整数であり、
mは1〜5の整数であり、ただし、p+m=5であり、および
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、アルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、カルボン酸、ハロゲン、シアノ、または1つまたは複数のスルホン酸、カルボン酸、ハロ、ニトロ、シアノもしくはエポキシ部分で置換されたアルキルから選択され、または任意の2つのR基は一緒になって、その環が任意選択的に1つまたは複数の二価の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでもよい3、4、5、6、もしくは7員環の芳香族もしくは脂環式環を完成するアルキレンもしくはアルケニレン鎖を形成してもよい)
を含む。
【0032】
一実施形態では、ポリアニリンは非置換であり、p=0である。
【0033】
酸化重合によって形成されたポリチオフェンおよびポリピロール・ポリマーは正に帯電している。ポリアニリンの導電性形では、窒素の少なくとも幾つかはプロトン化されており、その結果それはまた正に帯電している。正電荷は、重合に使用された負イオン、通常は酸アニオンでバランスしている。
【0034】
本新規組成物での使用を考慮される非ポリマーフッ素化有機酸は、水性または非水性液体媒体に可溶性または分散性であることができる。一実施形態では、非ポリマーフッ素化有機酸は、非ポリマーフッ素化スルホン酸、非ポリマーフッ素化リン酸、非ポリマーフッ素化ホスホン酸、非ポリマーフッ素化カルボン酸、非ポリマーフッ素化アクリル酸、およびそれらの混合物から選択される。一実施形態では、非ポリマーフッ素化有機酸は高度にフッ素化されている。用語「高度にフッ素化されている」は、炭素原子に結合した水素の少なくとも50%がフッ素で置換されたことを意味することを意図される。一実施形態では、非ポリマーフッ素化有機酸は過フッ素化されている。一実施形態では、非ポリマーフッ素化有機酸はフルオロエーテル有機酸、フルオロアミド有機酸、またはフルオロアミドエーテル有機酸である。一実施形態では、非ポリマーフッ素化有機酸は過フッ素化されている。
【0035】
本明細書で用いるところでは、次の用語は下に与えられる式を意味する。
エーテル有機酸 R−O−R−Q
アミド有機酸 R−C(O)N(R)R−Q
アミドエーテル有機酸 R−C(O)N(R)R−O−R−Q
ここで、R、R、Rは上に定義された通りであり、Qは酸基または酸塩基である。本明細書で用いるところでは、接頭辞「フルオロ」は、少なくとも1つの水素がフッ素で置換されたことを意味することを意図される。該用語には、部分フッ素化および過フッ素化されていることが含まれる。一実施形態では、Qは−SOZ、−COZ、−POZ(ここで、Zは上に定義された通りである)から選択される。
【0036】
一実施形態では、非ポリマー有機酸は式V
−(O−CFCFR−O−CFCFR’SOH (V)
(式中、Rはフルオロアルキル基であり、RおよびR’は独立してF、Clまたは1〜10個の炭素原子を有する過フッ素化アルキル基から選択され、a=0、1または2である)
を有するフルオロエーテルスルホン酸である。一実施形態では、Rは過フッ素化アルキル基である。一実施形態では、Rはジフルオロメチルおよび1,1,2,2−テトラフルオロエチルから選択される。
【0037】
式Vを有するフルオロエーテルスルホン酸の例には、2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(パーフルオロエトキシ)プロパン−2−イルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホン酸、および2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸が挙げられるが、それらに限定されない。
【0038】
フルオロエーテルスルホン酸は、相当するスルホニルフルオリドから加水分解してスルホン酸を形成することによって製造することができる。スルホニルフルオリドは公知の合成手順に従って製造することができる。該酸はまたアルカリ金属塩に変換することもできる。
【0039】
一実施形態では、本新規組成物は、導電性ポリマーと非ポリマーフッ素化有機酸との水性分散系を含む。一実施形態では、本新規組成物は、導電性ポリマーと非ポリマーフッ素化有機酸との非水性分散系を含む。本明細書で用いるところでは、用語「分散系」は、微粒子の懸濁を含有する連続液体媒体を意味する。本明細書で用いるところでは、用語「水性」は、かなりの部分の水を有する液体を意味し、一実施形態では、それは少なくとも約40重量%水である。
【0040】
本新規組成物は、導電性ポリマーと非ポリマーフッ素化有機酸とを一緒に加えることによって形成することができる。本新規組成物はまた、非ポリマーフッ素化有機酸の存在下に導電性ポリマーを形成するために重合反応を実施することによって形成することもできる。
【0041】
一実施形態では、本新規組成物は、導電性ポリマーの溶液または分散系を非ポリマーフッ素化有機酸の溶液または分散系と組み合わせることによって形成される。一実施形態では、導電性ポリマーは水性分散系の形にあり、非ポリマー有機酸は水性溶液の形にある。一実施形態では、該材料は、成分の混合を確実にするために超音波処理または微小流動化を用いてブレンドされる。
【0042】
チオフェン、ピロール、およびアニリン・ポリマーの合成はよく知られており、広範囲にわたって記載されてきた。チオフェンモノマーの重合は、例えば、米国特許公報(特許文献1)に記載された。アニリンモノマーの重合は、例えば、米国特許公報(特許文献3)に記載された。
【0043】
一実施形態では、導電性ポリマーは、可溶性ポリマー酸の存在下に、導電性ポリマーを形成するためのモノマーの酸化重合によって製造される。重合は一般に均一溶液で実施される。一実施形態では、重合は均一水性溶液で実施される。別の実施形態では、導電性ポリマーを得るための重合は、水および有機溶媒のエマルジョンで実施される。一般に、幾らかの水が酸化剤および/または触媒の十分な溶解度を得るために存在する。過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどのような酸化剤を使用することができる。塩化第二鉄、または硫酸第二鉄のような触媒もまた存在してもよい。生じた重合生成物は、導電性ポリマーの溶液、分散系、またはエマルジョンであろう。導電性ポリマーの溶液、分散系、またはエマルジョンは本明細書では以下まとめて「液体導電性ポリマー組成物」と言われる。
【0044】
ポリピロールと非ポリマー有機酸アニオンとの水性分散系はシグマ−アルドリッチ(ミズーリ州セントルイス)(Sigma−Aldrich(St.Louis,MO))から商業的に入手可能である。ポリ(2,3−エチレンジオキシチオフェン)/PSSAの水性分散系はエッチ.シー.スタルク有限責任会社(独国レーベルクーセン)(H.C.Starck,GmbH(Leverkusen,Germany))から商業的に入手可能である。ドープしたポリアニリンの水性および非水性分散系、ならびにドープしたポリアニリン固形分はコビオン・オーガニック・セミコンダクターズ有限責任会社(独国フランクフルト)(Covion Organic Semiconductors GmbH(Frankfurt,Germany))またはオルメコン(独国アムベルスベック)(Ormecon(Ambersbek,Germany))から商業的に入手可能である。
【0045】
一実施形態では、導電性ポリマーを形成するための重合反応は、非ポリマーフッ素化有機酸の存在下に実施される。重合は上記のように実施することができる。一実施形態では、重合は、非ポリマーフッ素化有機酸と追加のポリマー酸との存在下に実施される。一実施形態では、追加のポリマー酸はポリマースルホン酸である。一実施形態では、ポリマースルホン酸は、ポリスチレンスルホン酸(「PSSA」)およびポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(「PAAMPSA」)から選択される。
【0046】
一実施形態では、本新規組成物は水性分散系の形にあり、共分散液体をさらに含む。本明細書で用いるところでは、用途「共分散液体」は、室温で液体であり、水と混和性である物質を意味する。本明細書で用いるところでは、用語「混和性」は、共分散液体が(各特定の共分散液体について本明細書に述べられる濃度で)水と混合して実質的に均質の溶液を形成できることを意味する。
【0047】
本新規組成物での使用を考慮される共分散液体は一般に極性の水混和性有機液体である。好適なタイプの共分散液体の例には、エーテル、環式エーテル、アルコール、アルコールエーテル、ケトン、ニトリル、スルフィド、スルホキシド、アミド、アミン、カルボン酸など、ならびにそれらの任意の2つ以上の組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0048】
一実施形態では、共分散液体は、n−プロパノール、イソプロパノール、メタノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルアセトアミド、N−メチルピラゾール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、4−メチル−1,3−ジオキサン、4−フェニル−1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、2,5−ジメトキシ−2,5−ジヒドロフラン、1−メチルピロリジン、1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド、およびそれらの任意の2つ以上の組合せから選択される液体を含む。
【0049】
一実施形態では、少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機酸との非水性分散系を含む組成物が提供される。一実施形態では、非水性組成物は、導電性ポリマー固形分と非ポリマーフッ素化有機酸固形分とを非水性液体媒体に分散させることによって製造される。一実施形態では、非水性組成物は、非ポリマーフッ素化有機酸固形分を導電性ポリマーの非水性溶液または非水性分散系に分散させることによって製造される。一実施形態では、非水性組成物は、導電性ポリマー固形分を非ポリマーフッ素化有機酸の非水性分散系または非水性溶液に分散させることによって製造される。一実施形態では、非水性組成物は、導電性ポリマーの非水性溶液または分散系を、非ポリマーフッ素化有機酸の非水性溶液または分散系と組み合わせることによって製造される。2つの非水性媒体は、それらが所望の割合で互いに混和性である限り、同じまたは異なるものであることができる。上記実施形態の任意のもので、材料は、成分の十分な混合を確実にするために超音波処理または微小流動化を用いてブレンドすることができる。
【0050】
導電性ポリマーの分散系は一般に、酸化重合法での酸の存在のためにかなり低いpHを有する。例えば、エッチ.シー.スタルク有限責任会社、独国レーベルクーセン(H.C.Starck,GmbH(Leverkusen,Germany))製の水性ポリ(エチレンジオキシチオフェン)(「PEDT」)分散系、バイトロン(Baytron)(登録商標)−P VP AI4083およびCH8000は2より下のpHを有する。酸性は腐食性であり得るので、より高いpHの導電性ポリマーの水性分散系を所有することはしばしば望ましい。バイトロン−Pで、pHをより高いレベルに調整することは、導電性ポリマーの電気的特性およびOLEDでのバッファー層としてのそれらの機能的有効性に悪影響を及ぼし得る。
【0051】
少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化酸とを含む新規組成物では、電気的特性を犠牲にすることなくpHを調整できることが分かった。pHは、公知の技術、例えば、イオン交換を用いて、水性の塩基性溶液での滴定、または固体アルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ土類水酸化物の添加によって調整することができる。本新規組成物は、pHを1〜8に調整されることができる。pHをより高い、より中性の値に調整することは、本新規組成物での導電性ポリマーの電気的特性およびデバイス性能に悪影響を及ぼさず、ほとんどのケースでそれらの特性を改善する。
【0052】
一実施形態では、液体導電性ポリマー組成物は、分解した化学種、副反応生成物、未反応モノマー、およびイオン性不純物を除去するために、およびpHを調整するために好適な条件下に少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させられる。これは、導電性ポリマーを形成するための重合反応後に任意の時点で実施することができる。このように処理は、合成されたままの導電性ポリマー、それが非ポリマーフッ素化有機酸と組み合わせられた後の導電性ポリマー、それが非ポリマーフッ素化有機酸なしで非水性液体媒体に再分散された後の導電性ポリマー、およびそれが非ポリマーフッ素化有機酸ありで非水性液体媒体に再分散された後の導電性ポリマーについて実施することができる。液体導電性ポリマー組成物は、共分散液体の添加前または後に少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させることができる。一実施形態では、液体導電性ポリマー組成物は、第1イオン交換樹脂および第2イオン交換樹脂と接触させられる。
【0053】
別の実施形態では、第1イオン交換樹脂は、上に述べられたスルホン酸カチオン交換樹脂のような、酸性カチオン交換樹脂であり、第2イオン交換樹脂は、第三級アミンまたは第四級交換樹脂のような、塩基性アニオン交換樹脂である。
【0054】
イオン交換は、流体媒体(非水性分散系のような)中のイオンが流体媒体に不溶性である固定固体粒子に結合した類似の荷電イオンと交換する可逆化学反応である。用語「イオン交換樹脂」は本明細書ではすべてのかかる物質を意味するために用いられる。樹脂は、イオン交換基が結合するポリマー担体の架橋性のために不溶性にされる。イオン交換樹脂は、交換に利用可能な正に帯電した可動イオンを有する酸性カチオン交換体と、その交換可能なイオンが負に帯電している塩基性アニオン交換体とに分類される。
【0055】
酸性カチオン交換樹脂および塩基性アニオン交換樹脂の両方とも本新規方法での使用を考慮される。一実施形態では、酸性カチオン交換樹脂は、スルホン酸カチオン交換樹脂のような有機酸カチオン交換樹脂である。本新規方法での使用を考慮されるスルホン酸カチオン交換樹脂には、例えば、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スルホン化架橋スチレンポリマー、フェノール−ホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂、ベンゼン−ホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂、およびそれらの混合物が含まれる。別の実施形態では、酸性カチオン交換樹脂は、カルボン酸、アクリル酸またはリン酸カチオン交換樹脂のような有機酸カチオン交換樹脂である。さらに、異なるカチオン交換樹脂の混合物も使用することができる。多くのケースで、塩基性イオン交換樹脂を使用してpHを所望のレベルに調整することができる。幾つかのケースでは、pHを水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムなどの溶液のような水性の塩基性溶液でさらに調整することができる。
【0056】
別の実施形態では、塩基性アニオン交換樹脂は第三級アミンアニオン交換樹脂である。本新規組成物での使用を考慮される第三級アミンアニオン交換樹脂には、例えば、第三級アミン化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、第三級アミン化架橋スチレンポリマー、第三級アミン化フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、第三級アミン化ベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂、およびそれらの混合物が含まれる。さらなる実施形態では、塩基性アニオン交換樹脂は第四級アミンアニオン交換樹脂、またはこれらと他の交換樹脂との混合物である。
【0057】
第1および第2イオン交換樹脂は、同時にか、引き続いてかのどちらかで液体導電性ポリマー組成物と接触してもよい。例えば、一実施形態では、両樹脂が液体導電性ポリマー組成物に同時に添加され、少なくとも約1時間、例えば、約2時間〜約20時間分散系と接触したままにされる。イオン交換樹脂は次に濾過によって組成物から除去することができる。フィルターのサイズは、比較的大きいイオン交換樹脂粒子は除去されるが、溶液およびより小さい分散系粒子は通過するであろうように選ばれる。塩基性アニオン交換および/または酸性カチオン交換樹脂は酸性部位をより塩基性にし、分散系の上昇したpHをもたらす。一般に、少なくとも1グラムのイオン交換樹脂が約1gの組成物固形分当たり使用される。他の実施形態では、イオン交換樹脂の使用量は、約5グラム以下のイオン交換樹脂対組成物固形分の比で用いられ、達成されるべきであるpHに依存する。一実施形態では、約1グラムのレワチッチ(Lewatit)(登録商標)MP62WS、バイエル有限責任会社(Bayer GmbH)製の弱塩基性アニオン交換樹脂、および約1グラムのレワチッチ(登録商標)モノプラス(MonoPlus)S100、バイエル有限責任会社製の強酸性ナトリウムカチオン交換樹脂が本新規組成物の1グラム当たり使用される。
【0058】
別の実施形態では、より導電性の分散系は、少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機酸とを含む本新規組成物への高導電性添加物の添加によって形成される。一実施形態では、比較的高いpHの新規組成物は、形成することができ、分散系中の酸によって攻撃されない、導電性添加物、特に金属添加物をさらに含む。
【0059】
一実施形態では、本新規組成物は、パーコレーション閾値に達するために十分な重量百分率で少なくとも1つの導電性添加物をさらに含む。好適な導電性添加物の例には、導電性ポリマー、金属粒子およびナノ粒子、金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、カーボンナノ粒子、グラファイト繊維または粒子、カーボン粒子、およびそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。分散剤が導電性添加物の分散を容易にするために含まれてもよい。
【0060】
一実施形態では、本新規組成物は沈着されて導電または半導電層を形成し、それは、電極、電気活性素子、光活性素子、または生物活性素子として、単独で、または他の電気活性材料と組み合わせて使用される。本明細書で用いるところでは、用語「電気活性素子」、「光活性素子」および「生物活性素子」は、電磁場、電位、太陽エネルギー放射、および生物刺激場のような刺激に反応して指定された活性を示す素子を意味する。
【0061】
一実施形態では、本新規組成物は沈着されて電子デバイスにバッファー層を形成する。用語「バッファー層」は本明細書で用いるところでは、陽極と活性有機材料との間に使用することができる導電または半導電層を意味することを意図される。バッファー層は、有機電子デバイスの性能を手助けするためのまたは改善するための他の態様のうちで、下位層の分極、正孔輸送、正孔注入、酸素および金属イオンのような不純物の捕捉を含むが、それらに限定されない、1つまたは複数の機能を有機電子デバイスで成し遂げると考えられる。
【0062】
用語「層」または「フィルム」は所望の区域をカバーするコーティングを意味する。該区域は、全体デバイスほどに大きいもしくは実際の目に見えるディスプレイのような特定の機能区域ほどに小さい、または単一サブピクセルほどに小さいものであることができる。フィルムは、蒸着および液着をはじめとする、任意の通常の沈着技術によって形成することができる。典型的な液着技術には、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、スロット−ダイコーティング、スプレーコーティング、および連続ノズルコーティングのような連続沈着技術、ならびにインクジェット印刷、グラビア印刷、およびスクリーン印刷のような不連続沈着技術が含まれるが、それらに限定されない。
【0063】
一実施形態では、少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機酸とを含む液体組成物から沈着されたバッファー層が提供される。一実施形態では、バッファー層は少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機スルホン酸とを含む水性分散系から沈着される。別の実施形態では、バッファー層は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、非置換ポリピロール、および非置換ポリアニリンから選択される、少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機酸とを含む水性分散系から沈着される。
【0064】
別の実施形態では、少なくとも1つの共分散液体をさらに含む、少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機酸とを含む液体組成物から沈着されたバッファー層が提供される。一実施形態では、共分散液体は、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メタノール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、およびそれらの混合物から選択される。
【0065】
別の実施形態では、他の水溶性または水分散性材料でさらにブレンドされている、少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機酸とを含む水性分散系から沈着されたバッファー層が提供される。材料の最終用途に依存して、添加することができる追加の水溶性または水分散性材料のタイプの例には、ポリマー、染料、コーティング助剤、カーボンナノチューブ、金属ナノワイヤーおよびナノ粒子、有機および無機導電性インクおよびペースト、電荷輸送材料、圧電性、焦電気性、または強誘電性酸化物ナノ粒子またはポリマー、光導電性酸化物ナノ粒子またはポリマー、分散剤、架橋剤、ならびにそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。該材料は簡単な分子またはポリマーであることができる。好適な他の水溶性または水分散性ポリマーの例には、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(スチレンスルホン酸)、およびポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアミン、ポリピロール、ポリアセチレンのような導電性ポリマー、ならびにそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0066】
別の実施形態では、本新規組成物を含む少なくとも1つの導電または半導電層を含む電子デバイスが提供される。1つまたは複数の層を本新規組成物から製造されたことから恩恵を受けるかもしれない有機電子デバイスには、(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、またはダイオードレーザー)、(2)エレクトロニクスプロセスにより信号を検出するデバイス(例えば、光検出器、光導電セル、フォトレジスター、光スイッチ、フォトトランジスタ、光電管、IR検出器)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(例えば、光起電装置または太陽電池)、および(4)1つまたは複数の有機半導体層を含む1つまたは複数の電子部品を含むデバイス(例えば、トランジスタまたはダイオード)が含まれるが、それらに限定されない。本新規組成物のための他の用途には、記憶貯蔵デバイス用のコーティング材、帯電防止フィルム、バイオセンサー、エレクトロクロミック素子、固体電解質キャパシタ、再充電可能なバッテリーのようなエネルギー貯蔵装置、および電磁遮蔽用途が含まれる。
【0067】
一実施形態では、有機電子デバイスは、デバイスの層の少なくとも1つが本新規バッファー層を含む、2つの電気接触層の間に置かれた電気活性層を含む。一実施形態は、陽極層110、バッファー層120、エレクトロルミネセンス層130、および陰極層150を有するデバイスである、図1に示されるような、OLEDデバイスの1つのタイプで例示される。任意の電子注入/輸送層140が陰極層150に隣接している。バッファー層120と陰極層150(または任意の電子注入/輸送層140)との間にエレクトロルミネセンス層130がある。
【0068】
デバイスは、陽極層110または陰極層150に隣接することができる担体または基材(示されていない)を含んでもよい。最も頻繁には、担体は陽極層110に隣接している。担体は、柔軟なまたは堅い、有機または無機のものであることができる。一般に、ガラスまたは柔軟な有機フィルムが担体として使用される。陽極層110は、陰極層150と比較して正孔を注入するためにより効率的である電極である。陽極は、金属、混合金属、合金、金属酸化物または混合酸化物を含有する材料を含むことができる。好適な材料には、2族元素(すなわち、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、11族元素、4,5、および6族の元素、ならびに8〜10族遷移元素の混合酸化物が含まれる。陽極層110が光伝達性であるべき場合、酸化インジウムスズなどの、12、13および14族元素の混合酸化物が使用されてもよい。本明細書で用いるところでは、語句「混合酸化物」は、2族元素または12、13、もしくは14族元素から選択される2つ以上の異なるカチオンを有する酸化物を意味する。陽極層110用材料の幾つかの非限定的な、具体的な例には、酸化インジウムスズ(「ITO」)、酸化アルミニウムスズ、金、銀、銅、およびニッケルが挙げられるが、それらに限定されない。陽極はまた、ポリアニリン、ポリチオフェン、またはポリピロールなどの有機材料を含んでもよい。周期表からの族が左から右に1〜18として番号を付けられるIUPAC記数法が全体にわたって用いられる((非特許文献1))。
【0069】
陽極層110は、化学もしくは物理蒸着法またはスピンコーティング法で形成されてもよい。化学蒸着は、プラズマ強化化学蒸着(「PECVD」)または金属有機化学蒸着(「MOCVD」)として行われてもよい。物理蒸着は、イオンビーム・スパッタリングをはじめとするスパッタリング、ならびにe−ビーム蒸発および抵抗蒸発のすべての形を含むことができる。物理蒸着の具体的な形には、rfマグネトロン・スパッタリングおよび誘導結合プラズマ物理蒸着(「IMP−PVD」)が含まれる。これらの蒸着技術は半導体製造技術内でよく知られている。
【0070】
陽極層110はリソグラフ操作中にパターン化されてもよい。パターンは要望通りに変わってもよい。該層は、例えば、第1電気接触層材料を付ける前にパターン化マスクまたはレジストを第1の柔軟な複合バリア構造体上に置くことによってパターンで形成することができる。あるいはまた、該層は全体層(ブランケット・デポジットとも呼ばれる)として付け、その後、例えば、パターン化レジスト層および湿式化学または乾式エッチング技法を用いてパターン化することができる。当該技術でよく知られている他のパターン化方法もまた用いることができる。電子デバイスがアレイ内に置かれる時に、陽極層110は典型的には、実質的に同じ方向に伸びる長さを有する実質的に平行のストリップに成形される。
【0071】
バッファー層120は、当業者に周知の任意の技法を用いて基材上に堆積させることができる。
【0072】
エレクトロルミネセンス(EL)層130は典型的には、蛍光染料、蛍光およびリン光性金属錯体、共役ポリマー、ならびにそれらの混合物を含むが、それらに限定されない任意の有機EL材料であってもよい。蛍光染料の例には、ピレン、ペリレン、ルブレン、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。金属錯体の例には、トリス(8−ヒドロキシキノレート)アルミニウム(Alq3)などの金属キレート化オキシノイド化合物;ペトロフ(Petrov)らの(特許文献4)に開示されているようなイリジウムとフェニルピリジン、フェニルキノリン、またはフェニルピリミジン配位子との錯体、および、例えば、米国特許公報(特許文献5)、(特許文献6)、(特許文献7)、および(特許文献8)に記載されている有機金属錯体などのシクロメタル化(cyclometalated)イリジウムおよび白金エレクトロルミネセンス化合物;ならびにそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。電荷を帯びるホスト材料および金属錯体を含むエレクトロルミネセンス放出層は、トンプソン(Thompson)らによって米国特許公報(特許文献9)に、ならびにバローズ(Burrows)およびトンプソンによって(特許文献10)および(特許文献11)に記載された。共役ポリマーの例には、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリ(スピロビフルオレン)、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0073】
選ばれる特定の材料は、具体的な用途、操作中に用いられる電位、または他の因子に依存するかもしれない。エレクトロルミネセンス有機材料を含有するEL層130は、蒸着、溶液処理技法または熱転写をはじめとする任意の数の技法を用いて付けることができる。別の実施形態では、ELポリマー前駆体を付け、次に、典型的には熱または他の外部エネルギー源(例えば、可視光、またはUV放射線)によってポリマーに変換することができる。
【0074】
任意層140は、電子注入/輸送両方を容易にするために機能することができ、また、層界面での失活反応を防ぐための閉じ込め層として役立つことができる。より具体的には、層140は電子移動度を高め、かつ、層130および150がさもなければ直接接触する場合に失活反応の可能性を下げるかもしれない。任意層140用の材料の例には、金属キレート化オキシノイド化合物(例えば、Alqなど);フェナントロリン−ベースの化合物(例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DDPA」)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DPA」)など);アゾール化合物(例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(「PBD」など)、3−(4−ベフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(「TAZ」など);他の類似の化合物;またはそれらの任意の1つまたは複数の組合せが挙げられるが、それらに限定されない。あるいはまた、任意層140は無機であってもよく、BaO、LiF、LiOなどを含む。
【0075】
陰極層150は、電子または負電荷キャリアを注入するために特に効率的である電極である。陰極層150は、第1電気接触層(このケースでは、陽極層110)より低い仕事関数を有する任意の金属または非金属であることができる。本明細書で用いるところでは、用語「より低い仕事関数」は、約4.4eV以下の仕事関数を有する材料を意味することを意図される。本明細書で用いるところでは、「より高い仕事関数」は、少なくとも約4.4eVの仕事関数を有する材料を意味することを意図される。
【0076】
陰極層用の材料は、1族のアルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Rb、Cs)、2族金属(例えば、Mg、Ca、Baなど)、12族金属、ランタニド(例えば、Ce、Sm、Euなど)、およびアクチニド(例えば、Th、Uなど)から選択することができる。アルミニウム、インジウム、イットリウム、およびそれらの組合せなどの材料もまた使用されてもよい。陰極層150用の材料の具体的な非限定的な例には、バリウム、リチウム、セリウム、セシウム、ユーロピウム、ルビジウム、イットリウム、マグネシウム、サマリウム、ならびにそれらの合金および組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0077】
陰極層150は化学または物理蒸着法によって通常形成される。一般に、陰極層は、陽極層110に関連して上に議論されたように、パターン化されるであろう。デバイスがアレイ内に置かれる場合、陰極層150は実質的に平行なストリップへパターン化されてもよく、ここで陰極層ストリップの長さは実質的に同じ方向に、そして陽極層ストリップの長さに実質的に垂直に伸びる。ピクセルと呼ばれる電子要素は、交差点(そこで、アレイが平面図または上面図で見られる時に陽極層ストリップが陰極層ストリップと交差する)で形成される。
【0078】
他の実施形態では、追加の層が有機電子デバイス内に存在してもよい。例えば、バッファー層120とEL層130との間の層(示されていない)は、正電荷輸送、層のバンドギャップ整合、保護層としての機能などを容易にするかもしれない。同様に、EL層130と陰極層150との間の追加の層(示されていない)は、負電荷輸送、層間のバンドギャップ整合、保護層としての機能などを容易にするかもしれない。当該技術で公知である層を用いることができる。さらに、上記の層のいかなるものも、2つ以上の層で製造することができる。あるいはまた、無機陽極層110、バッファー層120、EL層130、および陰極層150の幾つかまたはすべてが、電荷キャリア輸送効率を上げるために表面処理されてもよい。構成要素層のそれぞれ用の材料の選択は、高いデバイス効率のデバイスを提供するという目標を製造コスト、製造複雑性、または潜在的な他の因子とバランスさせることによって決定されてもよい。
【0079】
異なる層は任意の好適な厚さを有してもよい。一実施形態では、無機陽極層110は通常、約500nm以下、例えば、約10〜200nmであり、バッファー層120は通常、約250nm以下、例えば、約50〜200nmであり、EL130は通常、約100nm以下、例えば、約50〜80nmであり、任意層140は通常、約100nm以下、例えば、約20〜80nmであり、そして陰極層150は通常、約100nm以下、例えば、約1〜50nmである。陽極層110または陰極層150が少なくとも幾らかの光を透過する必要がある場合、かかる層の厚さは約100nmを超えないかもしれない。
【0080】
有機発光ダイオード(OLED)では、それぞれ、陰極150および陽極110層からEL層130中へ注入された電子および正孔は、ポリマー中に負におよび正に帯電した極性イオンを形成する。これらの極性イオンは、加えられた電場の影響下に移行し、逆に帯電した化学種と極性イオン励起子を形成し、その後に放射再結合を受ける。通常約12ボルト未満、そして多くの場合に約5ボルト以下の陽極と陰極との間の十分な電位差がデバイスにかけられてもよい。実際の電位差は、より大きな電子部品でのデバイスの使用に依存するかもしれない。多くの実施形態では、陽極層110は正電圧にバイアスをかけられ、陰極層150は、電子デバイスの運転の間ずっと実質的に接地電位またはゼロボルトにある。バッテリーまたは他の電源は、回路の一部として電子デバイスに電気的に接続されてもよいが、図1には例示されていない。
【0081】
一実施形態では、本新規組成物から沈着された少なくとも1つのバッファー層を含むOLEDは、改善された寿命を有することが分かった。一実施形態ではバッファー層は、任意の溶液加工技術を用いて沈着され、pHが約2.0より上に調整された水性分散系である。
【0082】
一実施形態では、pH中性組成物が電子デバイスの少なくとも1つの層に使用される。一OLED実施形態では、pHは、デバイス製造中のITO層のエッチングを減らし、従ってOLEDのポリマー層中へ拡散するInおよびSnイオンの濃度をはるかに下げるように調整される。InおよびSnイオンは低下した運転寿命の一因となるのではないかと疑われるので、これは重要な便益である。より低い酸性度はまた、製造中におよび長期貯蔵にわたってディスプレイの金属部品(例えば、電気接触パッド)の腐食も減らす。PEDT/PSSA残渣は残留水分と相互作用してディスプレイ中へ酸を放出し、ゆっくりした腐食をもたらすであろう。
【0083】
本新規組成物を含む有機電子デバイス中の層は、非水性媒体から塗布された導電性ポリマーの層でさらにオーバーコートされてもよい。導電性ポリマーは電荷移動を容易にし、そしてまたコーティング性も改善することができる。好適な導電性ポリマーの例には、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸、同時係属の米国特許公報(特許文献12)に開示されているもののようなポリアニリン/ポリマー酸コロイド、同時係属の米国特許公報(特許文献13)に開示されているもののようなポリチオフェン/ポリマー酸コロイド、ポリピロール、ポリアセチレン、およびそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。かかる層を構成する組成物は導電性ポリマーをさらに含んでもよく、また、染料、カーボンナノチューブ、カーボンナノ粒子、金属ナノワイヤー、金属ナノ粒子、カーボン繊維および粒子、グラファイト繊維および粒子、コーティング助剤、有機および無機導電性インクおよびペースト、電荷輸送材料、半導性または絶縁性無機酸化物粒子、圧電性、焦電気性、または強誘電性酸化物ナノ粒子またはポリマー、光導電性酸化物ナノ粒子またはポリマー、分散剤、架橋剤、ならびにそれらの組合せを含んでもよい。これらの材料は、モノマーの重合の前か後かおよび/または少なくとも1つのイオン交換樹脂での処理の前か後かのいずれかに本新規組成物に添加することができる。
【0084】
一実施形態では、本新規組成物から製造された電極を含む薄膜電界効果トランジスタが提供される。薄膜電界効果トランジスタでの電極としての使用のためには、導電性ポリマーおよび導電性ポリマーを分散させるまたは溶解させるための液体は、導電性ポリマーか半導体ポリマーかのどちらかの再溶解を回避するために、半導体ポリマーおよび半導体ポリマー用の溶媒と相溶性でなければならない。導電性ポリマーから製造された薄膜電界効果トランジスタ電極は10S/cmより大きい導電率を有するべきである。しかしながら、非ポリマー有機酸アニオンでドープされた導電性ポリマーは10S/cmまたはそれより低い範囲の導電率を提供するにすぎない。従って、一実施形態では、電極は、金属ナノワイヤー、金属ナノ粒子、カーボンナノチューブなどのような導電率エンハンサーと組み合わせて少なくとも1つの非ポリマー有機酸アニオンでドープされたポリチオフェン、ポリピロール、およびポリアニリンから選択される導電性ポリマーと、フッ素化コロイド形成ポリマースルホン酸とを含む。本新規組成物はゲート電極、ドレイン電極、またはソース電極として薄膜電界効果トランジスタで使用されてもよい。
【0085】
本新規組成物のための使用の別の例示は薄膜電界効果トランジスタであり、図2に示される。この例示で、誘電性ポリマーまたは誘電性酸化物薄膜210は、一側面にゲート電極220、反対側に、それぞれ、ドレインおよびソース電極、230および240を有する。ドレイン電極とソース電極との間に、有機半導体フィルム250が沈着される。ナノワイヤーまたはカーボンナノチューブを含有する新規水性分散系は、溶液薄膜沈着物中の有機ベースの誘電性ポリマーおよび半導体ポリマーとのそれらの相溶性のためにゲート、ドレインおよびソース電極の用途にとって理想的である。新規組成物はコロイド状分散系であるので、所望のまたは高い導電性のためのパーコレーション閾値に達するために(水溶性ポリマースルホン酸を含有する組成物と比較して)より少ない重量百分率の導電性フィラーが必要とされる。
【0086】
別の実施形態では、本新規組成物を含む1つの層を含む電界効果抵抗デバイスが提供される。電界効果抵抗デバイスは、(非特許文献2)に例示されるようにゲート電圧のパルスにさらされた時に導電性ポリマーフィルムで抵抗の可逆的変化を受ける。
【0087】
別の実施形態では、本新規組成物を含む少なくとも1つの層を含むエレクトロクロミックディスプレイが提供される。エレクトロクロミックディスプレイは、材料の薄膜が電位にさらされた時の色の変化を利用する。
【0088】
さらに別の実施形態では、本新規組成物でトップコートされたシリコンチップを含む記憶貯蔵デバイスが提供される。例えば、追記型(WORM)メモリーは当該技術で公知である((非特許文献3))。情報が記録される時、シリコンチップの回路格子中の幾つかのポイントでのより高い電圧は導電性ポリマーをそれらのポイントで破壊して「ゼロ」ビットデータを生み出す。触れられていないポイントでの導電性ポリマーは導電性のままであり、「1」ビットデータになる。
【0089】
別の実施形態では、本新規組成物は、バイオセンサーまたは電磁遮蔽用途のためのコーティングを形成するために使用される。
【0090】
別の実施形態では、本新規組成物は、プラスチックおよび陰極線管用の帯電防止コーティング材、固体電解質キャパシタ用の電極材料、金属耐食コーティング、プリント配線板のスルーホールめっき、フォトダイオード、バイオセンサー、光検出器、再充電可能なバッテリー、光起電装置、およびフォトダイオードのために使用することができる。さらに、本新規組成物のための他の用途の例は、例えば、(非特許文献4)に見いだすことができる。
【0091】
本明細書で用いるところでは、用語「含む」、「含んでいる」、「含まれる」、「はじめとする」、「有する」、「有している」またはそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図される。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、もしくは装置は、それらの要素のみに必ずしも限定されず、明記されないまたはかかるプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素を含んでもよい。さらに、別段の記載が明記されていない限り、「または」は、包括的なまたはを意味し、排他的なまたはを意味しない。例えば、条件AまたはBは次の任意の1つによって満たされる:Aは真であり(または存在し)そしてBは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在せず)そしてBは真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方とも真である(または存在する)。
【0092】
また、単数形(「a」または「an」)の使用は、本発明の要素および構成要素を記載するために用いられる。これは、便宜上および本発明の一般的な意味を与えるためにのみ行われる。この記載は、1つまたは少なくとも1つおよび単数形を含むと解釈されるべきであり、また、それが別段の意図が明らかでない限り複数形も含む。
【0093】
本新規組成物およびそれらの使用は今、次の非限定的な実施例を参照することによってより詳細に説明されるであろう。
【実施例】
【0094】
(実施例1)
本実施例は、3つの非ポリマーフルオロエーテルスルホン酸、およびそれらのアルカリ金属塩の製造を例示する。
【0095】
次の3つのフルオロエーテルスルホン酸のスルホニルフルオリド形を先ずデザインされた合成手順に従って製造する。スルホニルフルオリドのそれぞれを加水分解してスルホン酸を形成する。酸はまた、次の実施例でのそれらの使用に依存してアルカリ金属塩に変換する。
1)2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(パーフルオロエトキシ)プロパン−2−イルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸:
【0096】
【化4】

【0097】
2)1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホン酸:
【0098】
【化5】

【0099】
3)2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸:
【0100】
【化6】

【0101】
(実施例2)
本実施例は、2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(パーフルオロエトキシ)プロパン−2−イルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸、およびポリスチレンスルホン酸の存在下の3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合、ならびにそれで製造した有機発光ダイオードを例示する。
【0102】
12.52g(25.97ミリモル)のパーフルオロスルホン酸、660.57gの脱イオン水を1リットルのジャケット付き三口丸底フラスコ中へ集める。15.95gの30%ポリスチレンスルホン酸溶液(ポリサイエンス社(PolySciences,Inc.)製の70,000分子量)を共酸として反応器に加える。混合物を20℃で30分間撹拌するに任せ、2.768ml(25.973ミリモル)のバイトロン−M(エッチ.シー.スタルク、米国マサチューセッツ州(H.C.Starck,MA,USA)製の3,4−エチレンジオキシチオフェンに対する商品名)を混合物に加え、硫酸第二鉄および過硫酸ナトリウムの添加前に15分間超、撹拌するに任せる。7.55g(31.709ミリモル)の過硫酸ナトリウムを先ずガラスバイアル中で10gの脱イオン水に溶解させ、次に混合物を撹拌しながら割当量混合物に移す。硫酸第二鉄の原液を、先ず0.0942gの硫酸第二鉄水和物を20.8617gの総重量へと脱イオン水で溶解させることによって製造する。7.30g(0.0637ミリモル)の硫酸第二鉄原液を、過硫酸ナトリウム溶液の添加直後に反応フラスコに加える。重合を、循環流体で制御して約20℃で撹拌しながら進行させる。反応を、レワチッチ(Lewatit)(登録商標)S100、架橋ポリスチレンのスルホン酸ナトリウムに対する、バイエル、ペンシルバニア州ピッツバーグ(Bayer,Pittsburgh,PA)製の商品名、およびレワチッチ(登録商標)MP62WS、架橋ポリスチレンの第三級/第四級アミンの遊離塩基/塩化物に対する、バイエル、ペンシルバニア州ピッツバーグ製の商品名を加えることによって約12時間で終了させる。2つの樹脂は別々に使用前に先ず脱イオン水で水に何の色もなくなるまで洗浄する。樹脂処理は少なくとも4時間続ける。生じたスラリーを次に、2ピースのワットマン(Whatman)#4濾紙を含有するブフナー漏斗(Buchner Funnel)を通して吸引濾過する。分散系のpHおよび導電率を測定する。
【0103】
水性分散系をITO基板上へスピンコートし、そして順次コビオン(独国フランクフルト)(Covion(Frankfurt,Germany))製の発光スーパー・イエロー(Super Yellow)かダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)(Dow Chemical Company(Midland,Michigan,USA))製のルミネーション・グリーン(Lumination Green)かのどちらかでスピンコートする。Ba/Alの陰極を次に発光層上に蒸着させる。デバイスをデバイス電圧、効率、および寿命について試験する。
【0104】
分散系の第2サンプルをイオン交換樹脂でさらに処理してまたは塩基性水溶液で滴定してデバイス製造および試験のためにpHをより高い値に調整する。
【0105】
(実施例3)
本実施例は、超音波処理による、2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(パーフルオロエトキシ)プロパン−2−イルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸とバイトロン−P(登録商標)、AI4083とのブレンディング、およびより高いpHを達成するための追加処理、ならびにそれで製造した有機発光ダイオードを例示する。
【0106】
本実施例では、バイトロン−P(登録商標)AI4083(固体:約2.6%、pH約1.67)を使用して該パーフルオロスルホン酸とのブレンドを形成する。AI4083はエッチ.シー.スタルク有限責任会社、独国レーベルクーセン製の水性PEDT/PSSA分散系である。PEDT/PSSA間のw/w比は1:6である。1.227gのパーフルオロスルホン酸を、磁気撹拌機で撹拌しながら250mLの丸底フラスコ中の96.84gのバイトロン−P(登録商標)に加える。生じた分散系は約3.8%固体を含有し、その中ではパーフルオロスルホン酸/PEDT/PSSA間の当量比は1.0/1.0/4.6である。「当量比」は本明細書で用いるところでは、パーフルオロスルホン酸の酸当量の数対PEDTおよび/またはポリマー酸アニオンのモノマー単位の数の比を意味することを意図される。全体分散系を次に超音波処理にさらす。分散系を次に、アキュサイザー(AccuSizer)モデル780A(パーティクル・サイジング・システムズ、カリフォルニア州サンタ・バーバラ(Particle Sizing Systems,Santa Barbara,CA))を用いて粒度についてチェックする。
【0107】
水性分散系をITO基板上へスピンコートし、そして順次コビオン(独国フランクフルト)製の発光スーパー・イエローかダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)製のルミネーション・グリーンかのどちらかでスピンコートする。Ba/Alの陰極を次に発光層上に蒸着させる。デバイスをデバイス電圧、効率、および寿命について試験する。
【0108】
分散系の第2サンプルをデバイス製造および試験のためにより高いpHを達成するためイオン交換樹脂でさらに処理するまたは塩基性水溶液で滴定する。
【0109】
(実施例4)
本実施例は、超音波処理による、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホン酸とバイトロン−P(登録商標)、AI4083とのブレンディング、およびより高いpHを達成するための追加処理、ならびにそれで製造した有機発光ダイオードを例示する。
【0110】
本実施例では、バイトロン−P(登録商標)AI4083(固体:約2.6%、pH約1.67)を使用して該パーフルオロスルホン酸とのブレンドを形成する。AI4083はエッチ.シー.スタルク有限責任会社、独国レーベルクーセン製の水性PEDT/PSSA分散系である。PEDT/PSSA間のw/w比は1:6である。0.804gのパーフルオロスルホン酸を、磁気撹拌機で撹拌しながら250mLの丸底フラスコ中の96.84gのバイトロン−P(登録商標)に加える。生じた分散系は3.40%固体を含有し、その中ではパーフルオロスルホン酸/PEDT/PSSA間の当量比は1.0/1.0/4.6である。「当量比」は本明細書で用いるところでは、パーフルオロスルホン酸の酸当量の数対PEDTおよび/またはポリマー酸アニオンのモノマー単位の数の比を意味することを意図される。全体分散系を次に超音波処理にさらす。分散系を次に、アキュサイザー・モデル780A(パーティクル・サイジング・システムズ、カリフォルニア州サンタ・バーバラ)を用いて粒度についてチェックする。
【0111】
水性分散系をITO基板上へスピンコートし、そして順次コビオン(独国フランクフルト)製の発光スーパー・イエローかダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)製のルミネーション・グリーンかのどちらかでスピンコートする。Ba/Alの陰極を次に発光層上に蒸着させる。デバイスをデバイス電圧、効率、および寿命について試験する。
【0112】
分散系の第2サンプルをイオン交換樹脂でさらに処理してまたは塩基性水溶液で滴定してデバイス製造および試験のためにpHをより高い値に調整する。
【0113】
(実施例5)
本実施例は、2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(パーフルオロエトキシ)プロパン−2−イルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸とコビニオン(独国フランクフルト)によって販売される、オルメコン(独国アムベルスベック)製の水性PAni分散系とのブレンディング、およびより高いpHを達成するための追加処理、ならびにそれで製造した有機発光ダイオードを例示する。
【0114】
オルメコン製のD1002W PAniは、水に分散された導電性ポリアニリン/PSSA(「ドープしたPAni」)である。選択された量の該パーフルオロスルホン酸を既知量のD1002W分散系に加える。ドープしたPAni/パーフルオロスルホン酸の水性分散系をITO基板上へスピンコートし、そして順次コビオン(独国フランクフルト)製の発光スーパー・イエローかダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)製のルミネーション・グリーンかのどちらかでスピンコートする。Ba/Alの陰極を次に発光層上に蒸着させる。デバイスを、D1000W PAniそのままで製造したデバイスとの比較のためにデバイス電圧、効率、および寿命について試験する。
【0115】
PAni/パーフルオロスルホン酸の分散系の第2サンプルをデバイス製造および試験のためにより高いpHに調整する。
【0116】
(実施例6)
本実施例は、2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(パーフルオロエトキシ)プロパン−2−イルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸と市販の水性ポリピロール分散系とのブレンディングおよびより高いpHを達成するための追加処理ならびにそれで製造した有機発光ダイオードを例示する。
【0117】
アルドリッチ製の市販の水性ポリピロール組成物(5%、w/w)(2003−2004年カタログ#48,255−2)は、有機酸でドープした導電性ポリピロールである(「ドープしたPPy」)。これを脱イオン水で2.5%w/wに希釈する。希釈は適度なスピン速度(<5,000RPM)の使用を可能にする粘度を得るために必要である。選択された量の該パーフルオロスルホン酸を既知量の希釈したドープしたPPy分散系に加える。ドープしたPPy/パーフルオロスルホン酸分散系をITO基板上へスピンコートする。乾燥した層を順次コビオン(独国フランクフルト)製の発光スーパー・イエローかダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)製のルミネーション・グリーンかのどちらかでスピンコートする。Ba/Alの陰極を次に発光層上に蒸着させる。デバイスをデバイス電圧、効率、および寿命について試験する。
【0118】
ドープしたPPy/パーフルオロスルホン酸の分散系の第2サンプルをデバイス製造および試験のためにより高いpHに調整する。
【0119】
(実施例7)
本実施例は、2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(パーフルオロエトキシ)プロパン−2−イルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸と非水性PEDT/PSSA分散系とのブレンディング、およびそれで製造した有機発光ダイオードを例示する。
【0120】
水性PEDT/PSSA分散系を先ず、非水性PEDT/PSSA分散系への再調合の前に調製する。水性PEDT/PSSA分散系を、該パーフルオロスルホン酸の使用なしを除いて実施例2の手順と類似の手順に従って製造する。調製したままの水性PEDT/PSSA分散系を単離し、n−プロパノール、DMAc、またはNMPでの再分散前に部分的に湿って保つ。再調合した非水性PEDT/PSSA分散系(「ドープしたPEDT」)に、選択された量の該パーフルオロスルホン酸を加える。非水性のドープしたPEDT/パーフルオロスルホン酸分散系をITO基板上へスピンコートし、そして順次コビオン(独国フランクフルト)製の発光スーパー・イエローかダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)製のルミネーション・グリーンかのどちらかでスピンコートする。Ba/Alの陰極を次に発光層上に蒸着させる。デバイスをデバイス電圧、効率、および寿命について試験する。
【0121】
分散系の第2サンプルをデバイス製造および試験のためにより高いpHを達成するため処理する。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本新規組成物を含むバッファー層を含む1タイプの電子デバイスの断面図を例示する。
【図2】本新規組成物を含む電極を含む薄膜電界効果トランジスタの断面図を例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの導電性ポリマーと少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機酸とを含むことを特徴とする組成物。
【請求項2】
pH1および8を有する水性分散系であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリチオフェンが式I
【化1】

(式中、
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、かつ、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、アミドスルホネート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択され、または両R基は一緒になって、その環が任意選択的に1つまたは複数の二価の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでもよい3、4、5、6、もしくは7員環の芳香族もしくは脂環式環を完成するアルキレンもしくはアルケニレン鎖を形成してもよく、
nは少なくとも約4である)
を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリピロールが式II
【化2】

(式中、
nは少なくとも約4であり、
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、かつ、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、アミドスルホネート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択され、または両R基は一緒になって、その環が任意選択的に1つまたは複数の二価の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでもよい3、4、5、6、もしくは7員環の芳香族もしくは脂環式環を完成するアルキレンもしくはアルケニレン鎖を形成してもよく、そして
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、かつ、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アルカノイル、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、アミドスルホネート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択される)
を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリアニリンが式IIIまたは式IV
【化3】

(式中、
nは少なくとも約4であり、
pは0〜4の整数であり、
mは1〜5の整数であり、ただし、p+m=5であり、および
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、かつ、アルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、カルボン酸、ハロゲン、シアノ、または1つまたは複数のスルホン酸、カルボン酸、ハロ、ニトロ、シアノもしくはエポキシ部分で置換されたアルキルから選択され、または任意の2つのR基は一緒になって、その環が任意選択的に1つまたは複数の二価の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでもよい3、4、5、6、もしくは7員環の芳香族もしくは脂環式環を完成するアルキレンもしくはアルケニレン鎖を形成してもよい)
を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記非ポリマーフッ素化有機酸が非ポリマーフッ素化スルホン酸、非ポリマーフッ素化リン酸、非ポリマーフッ素化ホスホン酸、非ポリマーフッ素化カルボン酸、非ポリマーフッ素化アクリル酸、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記非ポリマーフッ素化有機酸がフルオロアミド有機酸、フルオロアミドエーテル有機酸、フルオロエーテル有機酸、およびそれらの組合せから選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記非ポリマーフッ素化有機酸が高度にフッ素化されていることを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記非ポリマー有機酸が過フッ素化されていることを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記非ポリマーフッ素化有機酸が式V
−(O−CFCFR−O−CFCFR’SOH (V)
(式中、Rはフルオロアルキル基であり、RおよびR’は独立してF、Clまたは1〜10個の炭素原子を有する過フッ素化アルキル基から選択され、そしてa=0、1または2である)
を有するフルオロエーテルスルホン酸であることを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記フルオロエーテルスルホン酸が2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(パーフルオロエトキシ)プロパン−2−イルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホン酸、および2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸から選択されることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
ポリマー、染料、カーボンナノチューブ、金属ナノワイヤー、金属ナノ粒子、カーボンナノ粒子、カーボン繊維、カーボン粒子、グラファイト繊維、グラファイト粒子、コーティング助剤、有機導電性インク、有機導電性ペースト、無機導電性インク、無機導電性ペースト、電荷輸送材料、半導性無機酸化物ナノ粒子、絶縁性無機酸化物ナノ粒子、圧電性ナノ粒子、焦電気性ナノ粒子、強誘電性酸化物ナノ粒子、圧電性ポリマー、焦電気性ポリマー、強誘電性酸化物ポリマー、光導電性酸化物ナノ粒子、光導電性ポリマー、分散剤、架橋剤、およびそれらの組合せから選択される追加の材料をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1つの共分散液体をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
前記共分散液体がエーテル、環式エーテル、アルコール、アルコールエーテル、ケトン、ニトリル、スルフィド、スルホキシド、アミド、アミン、カルボン酸、およびそれらの組合せから選択されることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の組成物を含む少なくとも1つの層を含むことを特徴とする電子デバイス。
【請求項16】
請求項に記載の組成物を含む少なくとも1つの層がバッファー層であることを特徴とする請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
光センサー、光スイッチ、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、光検出器、フォトトランジスタ、光導電体、光電管、赤外検出器、ダイオードレーザー、エレクトロクロミック素子、電磁遮蔽デバイス、固体電解質キャパシタ、エネルギー貯蔵デバイス、電界効果抵抗デバイス、記憶貯蔵デバイス、バイオセンサー、光導電セル、光起電装置、太陽電池、記憶貯蔵器、帯電防止フィルム、エレクトロクロミック、固体電解質キャパシタ、エネルギー貯蔵器、電磁遮蔽およびダイオードから選択されることを特徴とする請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
請求項1に記載の組成物を含む少なくとも1つの電極を含むことを特徴とする薄膜電界効果トランジスタ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−532758(P2007−532758A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508483(P2007−508483)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/012461
【国際公開番号】WO2005/100464
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】