説明

導電性粘着剤およびその製造方法、導電性粘着シートおよびその製造方法、剥離シート付き導電性粘着シートおよびその製造方法

【課題】ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を発揮できる導電性粘着剤およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の導電性粘着剤は、アクリル系粘着剤とポリピロール粒子とを含有し、ポリピロール粒子の含有量は、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して1〜15質量部であり、アクリル系粘着剤と、該アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して1〜15質量部のポリピロール粒子とを含有し、アクリル系粘着剤は、アクリル重合体がイソシアネート架橋剤によって架橋されたものであり、アクリル重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位とを含有し、カチオン性単量体単位を含有しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性粘着剤およびその製造方法、導電性粘着シートおよびその製造方法、剥離シート付き導電性粘着シートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学部材や電子部品に貼着される表面保護シート、フレキシブルプリント基板等のキャリアシートは、被着体に貼着されて使用された後に再剥離される。一般に、物体の剥離時には帯電が生じやすいが、光学部材や電子部品においては帯電を避けなければならない。そのため、表面保護シートおよびキャリアシートでは剥離時の静電気発生を防止するために、帯電防止性を有することが求められる。そこで、表面保護シートやキャリアシートにおいては、被着体に貼着させるための粘着剤に導電性を付与することがある。
例えば、特許文献1には、導電剤として界面活性剤やイオン導電剤を含む導電性粘着剤を用いることが開示されている。また、特許文献2には、イオン導電剤の他に導電性ポリオルガノシロキサンを粘着剤に含有させることが開示されている。
【特許文献1】特開2008−32852号公報
【特許文献2】特開2008−31293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1,2に記載の導電性粘着剤は、導電性に湿度依存性があり、低湿度条件下では充分な導電性が得られなかった。また、導電剤が低分子量であるため、長時間使用するとブリードアウトして、被着体を汚染することがあった。
また、特許文献2に記載の導電性ポリオルガノシロキサンは特殊なものであり、実用的とはいえなかった。
それらの問題に対し、導電剤として、π共役によって導電性を発現する高分子で、帯電防止性離型フィルム等の分野で使用されているポリピロールを用いることを検討した。ところが、ポリピロールを従来のアクリル系粘着剤に含有させると、ポリピロールが凝集し、導電性が発揮されないという問題を生じた。
本発明は、ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を発揮できる導電性粘着剤およびその製造方法を提供することを目的とする。また、ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を発揮できる粘着剤層を有する導電性粘着シートおよびその製造方法、剥離シート付き導電性粘着シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下の構成を有する。
[1] アクリル系粘着剤とポリピロール粒子とを含有する導電性粘着剤であって、
ポリピロール粒子の含有量は、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して1〜15質量部であり、
アクリル系粘着剤は、アクリル重合体がイソシアネート架橋剤によって架橋されたものであり、アクリル重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位とを含有し、カチオン性単量体単位を含有しないことを特徴とする導電性粘着剤。
[2]ポリピロール粒子はアニオン系界面活性剤によって分散化されている[1]に記載の導電性粘着剤。
[3](メタ)アクリル酸アルキルエステル単位と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位とからなるアクリル重合体に、イソシアネート架橋剤を添加し、架橋処理して、アクリル系粘着剤を得る工程と、
該アクリル系粘着剤の固形分100質量部に、ポリピロール粒子1〜15質量部を添加して、導電性粘着剤を得る工程とを有することを特徴とする導電性粘着剤の製造方法。
[4]基材と、該基材の少なくとも片面に設けられた粘着剤層とを有し、粘着剤層は、[1]または[2]に記載の導電性粘着剤を含むことを特徴とする導電性粘着シート。
[5][3]に記載の導電性粘着剤の製造方法により得た導電性粘着剤を、基材の少なくとも片面に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成する工程を有することを特徴とする導電性粘着シートの製造方法。
[6][4]に記載の導電性粘着シートと剥離シートとを有し、前記導電性粘着シートの粘着剤層の基材と反対側の面に剥離シートが貼り合わされていることを特徴とする剥離シート付き導電性粘着シート。
[7][5]に記載の導電性粘着シートの製造方法により導電性粘着シートを得た後に、粘着剤層の基材と反対側の面に剥離シートを貼り合せる工程を有することを特徴とする剥離シート付き導電性粘着シートの製造方法。
[8][3]に記載の導電性粘着剤の製造方法により得た導電性粘着剤を、剥離シートに塗布し、乾燥して、粘着剤層を形成する工程と、
該粘着剤層の剥離シートと反対側の面に基材を貼り合せる工程とを有することを特徴とする剥離シート付き導電性粘着シートの製造方法。
【発明の効果】
【0005】
本発明の導電性粘着剤は、ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を発揮できる。
本発明の導電性粘着剤の製造方法によれば、ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を発揮できる粘着剤を得ることができる。
本発明の導電性粘着シートおよび剥離シート付き導電性粘着シートは、ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を発揮できる粘着剤層を有する。
本発明の導電性粘着シートおよび剥離シート付き導電性粘着シートの製造方法によれば、ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を発揮できる粘着剤層を形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
<導電性粘着剤>
本発明の導電性粘着剤は、アクリル系粘着剤とポリピロール粒子とを含有する。
(アクリル系粘着剤)
アクリル系粘着剤は、アクリル重合体がイソシアネート架橋剤によって架橋されたものである。ここで、アクリル重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位とを含有し、カチオン性単量体単位を含有しない重合体である。
【0007】
アクリル重合体における(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸へキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル等が挙げられる。これらのなかでも、所望の粘着物性(粘着力、凝集力、タックのバランス等)に優れることから、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシメチルシクロへキシル等が挙げられる。
【0008】
アクリル重合体には、必要に応じて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位および(メタ)アクリル酸単位以外の他の単量体単位が含まれてもよい。ただし、他の単量体として、カチオン性単量体を含んではならない。
他の単量体としては、芳香族ビニル単量体、シアノ基含有単量体、脂環式炭化水素基含有単量体、オレフィン単量体、ビニルエステル単量体、ビニルエーテル単量体等が挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
シアノ基含有単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
脂環式炭化水素基含有単量体として、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オレフィン単量体としては、例えば、エチレン、ブタジエン、オクタジエン等が挙げられる。
ビニルエステル単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテル単量体としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等が挙げられる。
【0009】
アクリル重合体は、アクリル重合体全体を100質量部とした際に、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位と(メタ)アクリル酸単位との合計量が0.1〜10質量部であることが好ましい。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位と(メタ)アクリル酸単位との合計量が0.1質量部以上であれば、導電性粘着剤が再剥離性を発揮することができ、10質量部以下であれば、充分な粘着性を確保できる。
【0010】
カチオン性単量体は、四級アンモニウムイオンを形成しうる官能基を有する単量体のことである。
カチオン性単量体としては、アミド基含有単量体、アミノ基含有単量体が挙げられる。アミド基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アミノ基含有単量体としては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
【0011】
アクリル重合体の質量平均分子量は30万〜120万であることが好ましく、40万〜100万であることがより好ましい。本発明における質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィを用い、ポリスチレン換算で求めた値である。
アクリル重合体の質量平均分子量が30万以上であれば、凝集力の低下およびそれに起因する剥離時の糊残りを防止でき、120万以下であれば、粘度が低くなり、取り扱い性が良好になる。
【0012】
イソシアネート架橋剤としては、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタデシルジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3−クロロ−4−メチルフェニルジイソシアネート、p−クロロフェニルジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート類、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートHL、日本ポリウレタン工業社製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)などのイソシアネート付加物等が挙げられる。これらイソシアネート架橋剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、イソシアネート架橋剤としては、上記イソシアネート化合物を、N,N’−ジフェニルホルムアミジン化合物等のブロック化剤に反応させて得たブロックイソシアネートを用いることもできる。
【0013】
アクリル重合体を架橋するために使用するイソシアネート架橋剤の量は、アクリル重合体100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、2〜8質量部であることが特に好ましい。イソシアネート架橋剤の使用量が0.5質量部以上であれば、充分に再剥離性を発揮させることができ、20質量部以下であれば、確実に粘着性を確保することができる。
【0014】
(ポリピロール粒子)
ポリピロール粒子は、ピロールおよび/またはピロールの誘導体の重合体粒子である。
ここで、ピロール誘導体としては、例えば、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール、3−フェニルナフチルアミノピロール等が挙げられる。これらのなかでも、コストの点からは、ピロールが好ましい。
【0015】
本発明におけるポリピロール粒子は、例えば、以下の(a)〜(d)の工程を経て得ることができる。
(a)アニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌してO/W型の乳化液を調製する工程
(b)(a)工程で得た乳化液中にピロールおよび/またはピロール誘導体のモノマーを分散させる工程
(c)モノマーを酸化重合してポリピロールを含む反応液を得る工程
(d)反応液を後処理して、ポリピロールの粒子が有機溶媒に分散する分散液を得る工程
この製造方法により得たポリピロール粒子は、アニオン系界面活性剤によって分散化されたものであり、アクリル系粘着剤中に高い分散性で分散させることができる。
【0016】
(a)工程において使用されるアニオン系界面活性剤としては、有機溶媒に可溶であって疎水性末端を複数個有するものが好ましい。疎水性末端基としては、枝分れ構造を有するものでもよい。このような疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤を使用することにより、安定したミセルを形成させることができる。
疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤のなかでも、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(疎水性末端4つ)、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナトリウム(疎水性末端4つ)および分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(疎水性末端2つ)が好ましい。
アニオン系界面活性剤の量は、ピロールおよび/又はピロール誘導体のモノマー1molに対して0.8mol未満であることが好ましく、0.05〜0.6molであることがより好ましい。アニオン系界面活性剤の量が0.8mol未満であれば、得られる導電性粘着剤の導電性に湿度依存性が生じることを防止でき、0.05mol以上であれば、ポリピロール粒子の収率や分散安定性を向上させることができる。
【0017】
有機溶媒は疎水性であることが好ましい。疎水性の有機溶媒のなかでも、O/W型エマルションの安定性およびピロールモノマーとの親和性に優れることから、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンが好ましい。なお、両性溶媒でもポリピロールの重合を行うことはできるが、生成したポリピロール粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になる。
乳化液における有機相と水相との割合は、水相が75体積%以下であることが好ましい。水相が75体積%以下ではピロールモノマーの溶解量が少なくなり、生産効率が低下する傾向にある。
【0018】
(a)工程における混合攪拌は、例えば、マグネットスターラー、攪拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。
【0019】
(c)工程にて使用する酸化剤としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸およびクロロスルホン酸等の無機酸、アルキルベンゼンスルホン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸等の有機酸、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムおよび過酸化水素等の過酸化物が挙げられる。これらのなかでも、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が好ましい。酸化剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、塩化第二鉄等のルイス酸でもポリピロールを重合できるが、生成した粒子が凝集し、ポリピロール粒子を微分散できない場合がある。
酸化剤の使用量は、ピロールおよび/又はピロール誘導体のモノマー1molに対して0.1〜0.8molであることが好ましく、0.2〜0.6molであることがより好ましい。酸化剤の使用量が0.1mol以上であれば、重合度を高めることができ、ポリピロール粒子の回収性が向上し、0.8mol以下であれば、ポリピロールが凝集する傾向にある。
(c)工程における重合温度は0〜25℃が好ましく、0〜20℃が好ましい。重合温度が25℃以下であれば、副反応を抑制し、0℃以上であれば、容易に温度制御できる。
【0020】
(d)工程では、(c)工程によって得た反応液を、ポリピロール粒子を含む有機相と、未反応のモノマー、酸化剤および塩は水相中に溶解して残存する水相との二相に分け、有機相を分液回収し、イオン交換水で数回洗浄する。
また、特開2008−214401号公報に記載されている方法によりポリピロール粒子を得ることもできる。
【0021】
上記の製造方法によれば、ポリピロール粒子の平均粒径を容易に30〜100nmに、とりわけ40〜60nmにできる。ここで、平均粒径は、Microtrac社製NanotracUPA150を用いて、レーザードップラー法によって測定された値である。
また、上記製造方法によれば、平均粒径の±5nmの範囲内に全微粒子の90%以上が含まれるという極めて単分散に近い狭い粒径分布にできる。
上記のような粒子性状を有するポリピロール粒子は、有機溶媒中での分散安定性に優れる。
【0022】
ポリピロール粒子の含有量は、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して1〜15質量部であり、4〜10質量部であることが好ましい。ポリピロール粒子の含有量が1質量部未満であると、導電性が得られず、15質量部を超えると、粘着物性を損なうおそれがある。
【0023】
また、導電性粘着剤には、ポリピロール粒子の分散性を阻害しないものであれば、必要に応じて、酸化防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、充填剤、増粘剤などの他の添加剤が含まれてもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
【0024】
本発明者らが調べた結果、上記導電性粘着剤では、アクリル系粘着剤中のポリピロール粒子の分散性が高く、充分な導電性を有することが判明した。これは、ポリピロール粒子の分散性が高いことにより、均一な導電パスを形成でき、導電性が高くなるためと推測される。
しかも、本発明では、導電性を持たせるための導電剤として、π共役によって導電性を発揮するポリピロールを用いているため、導電性の湿度依存性が小さい。さらに、ポリピロールは分子量が大きいから、ブリードアウトが抑制されており、被着体への付着を防止できる。
また、ポリピロール粒子の製造は容易であるから、本発明の導電性粘着剤は実用的である。
また、導電性粘着剤に含まれるアクリル系粘着剤はアクリル重合体がイソシアネート架橋剤によって架橋されているため、凝集力が高く、再剥離性を発揮する。なお、架橋剤としてイソシアネート架橋剤以外の架橋剤(例えば、エポキシ架橋剤等)を用いた場合には、ポリピロールと架橋官能基との相互作用により反応が促進され、ポットライフが極端に短くなり、実用上問題が生じる。また、アクリル重合体の代わりにウレタン重合体を用いた場合には、ポリピロール粒子の分散性が低下して、導電性が損なわれる場合がある。
【0025】
(導電性粘着剤の製造方法)
導電性粘着剤は、アクリル重合体にイソシアネート架橋剤を添加し、架橋処理して、アクリル系粘着剤を得る工程と、該アクリル系粘着剤の固形分100質量部に、ポリピロール粒子1〜15質量部を添加する工程とを有する製造方法によって得られる。
架橋処理では、均一に架橋させるために、充分に攪拌することが好ましい。また、架橋処理では溶媒を適宜添加して粘度調整をしてもよい。
ポリピロール粒子を上記(a)〜(d)工程を経て得た場合には、簡便であることから、ポリピロール粒子を分散液の状態のまま、アクリル系粘着剤に添加することが好ましい。
また、アクリル系粘着剤についても、ポリピロール粒子をより高い分散性で分散できることから、溶媒に溶解または分散させておくことが好ましい。
【0026】
この製造方法によれば、ポリピロール粒子の凝集を抑制できるため、導電性の高い導電性粘着剤を得ることができる。したがって、この製造方法によれば、充分な導電性を有し、導電性に湿度依存性が小さく、導電剤のブリードアウトが抑制され、しかも実用的な粘着剤を得ることができる。
なお、上記製造方法とは異なり、アクリル重合体にポリピロール粒子を添加した後に、イソシアネート架橋剤を添加した場合には、ポリピロール粒子が凝集しやすいため、導電性粘着剤は得られにくい。
【0027】
<導電性粘着シート>
本発明の導電性粘着シートは、基材と、該基材の少なくとも片面に設けられ、上記導電性粘着剤を含む粘着剤層とを有する。
基材としては樹脂製のシートを用いることができる。基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記載する。)、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。これらのなかでも、耐熱性に優れることから、PETが好ましい。
粘着剤層は表面電気抵抗値が1011Ω以下であることが好ましく、10〜10Ωがより好ましい。粘着剤層の表面電気抵抗値が1011Ω以下であれば、剥離帯電を充分に抑制できる。ただし、10Ω未満の表面電気抵抗値は必ずしも必要ではない。
【0028】
本発明の導電性粘着シートの製造方法は、上述した導電性粘着剤の製造方法により得た導電性粘着剤を、基材の少なくとも片面に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成する方法である。
導電性粘着剤の塗布量は1〜40g/mであることが好ましい。導電性粘着剤の塗布量が1g/m以上であれば、充分な粘着力を確保できる。また、剥離帯電機能が必要な用途においては再剥離性が必要になることが多い。導電性粘着剤の塗布量が40g/m以下であれば、導電性粘着シートを再剥離する際に、剥離抵抗が重くなりすぎることを防止できる。
導電性粘着剤の塗布方法としては、例えば、メイヤーバーコータ、ロールコータ、ナイフコータ、グラビアコータ、リップコータ、カーテンコータ、ダイコータ等を用いた塗布方法が挙げられる。
乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥、真空乾燥、赤外線照射乾燥などを適用することができる。加熱する場合の乾燥温度は60〜150℃にすることが好ましい。乾燥温度が60℃以上であれば、短時間に乾燥でき、150℃以下であれば、導電性粘着剤を塗布する基材の変質を防止できる。
【0029】
<剥離シート付き導電性粘着シート>
本発明の剥離シート付き導電性粘着シートは、導電性粘着シートと剥離シートとを有し、導電性粘着シートの粘着剤層の基材と反対側の面に剥離シートが貼り合わされている。
剥離シートとしては、例えば、各種プラスチックフィルムにシリコーン等の剥離剤を塗布して剥離剤層を形成したもの、ポリプロピレンフィルム単体などが挙げられる。
【0030】
上記剥離シート付き導電性粘着シートは、以下の第1の製造方法および第2の製造方法により製造される。
第1の製造方法:上記導電性粘着シートの製造方法により導電性粘着シートを得た後に、粘着剤層の基材と反対側の面に剥離シートを貼り合せる方法。
第2の製造方法:剥離シートに前記導電性粘着剤を塗布し、乾燥して、粘着剤層を形成する工程と、該粘着剤層の剥離シートと反対側の面に基材を貼り合せる工程とを有する方法。
第2の製造方法において、導電性粘着剤の塗布方法および乾燥方法は、導電性粘着シートの製造方法における導電性粘着剤の塗布方法および乾燥方法と同様である。
第1の製造方法での粘着剤層への剥離シートの貼り合せ、第2の製造方法での粘着剤層への基材の貼り合わせでは、一対のロールで挟んで圧着することが好ましい。
【0031】
本発明の導電性粘着シートおよび剥離シート付き粘着シートにおける粘着剤層は、上述した導電性粘着剤から形成したものであるから、ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を有する。また、導電剤としてポリピロールを用いているから、導電性の湿度依存性が小さく、また、ブリードアウトが抑制され、被着体への付着を防止できる。しかも、特殊なポリマーを用いないから、実用的である。
【実施例】
【0032】
[製造例1]
<ポリピロール分散液の調製>
界面活性剤(スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム;花王(株)製ペレックスOT−P)2.0mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌した。得られた乳化液にピロールモノマー28mmolを加え、次いで、0.12M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(6mmol相当)を少量ずつ滴下し、24時間反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄した。これにより、トルエン中に、黒色のポリピロール(以下、PPyと表記)粒子(平均粒径50nm)がアニオン系界面活性剤によって分散されたPPy分散液(PPy微粒子濃度:2.0質量%)を得た。
【0033】
<アクリル重合体の調製>
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、溶媒である酢酸エチルおよびアセトンを添加した。次いで、反応装置内に、単量体成分としてアクリル酸ブチル95.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部とを、モノマー濃度が50質量%となるように溶媒中に添加した。その後、攪拌しながら窒素ガス気流中、80℃で8時間攪拌して重合した。反応終了後、トルエンを投入し、固形分濃度30質量%のアクリル重合体溶液を得た。得られたアクリル重合体の質量平均分子量Mwは50万であった。
【0034】
<導電性粘着剤の調製>
上記アクリル重合体の固形分100質量部に対し、最終調製濃度(PPy分散液添加後の粘着剤溶液の濃度)が5.0質量%となるように予め必要量のトルエンで希釈し、イソシアネート架橋剤〔旭化成(株)製:デュラネート24A−100〕6質量部を加え、均一になるまで充分に攪拌した。これにより得られた溶液に、上記調製したPPy分散液をアクリル重合体の固形分100質量部に対してPPy固形分が4質量部となるように添加し、均一になるまで攪拌して、5.0質量%の導電性粘着剤溶液を得た。
【0035】
<剥離シート付き導電性粘着シートの作製>
上記導電性粘着剤溶液をグラビアコータによって厚さ50μmのPETフィルム〔東レ(株)製:ルミラーS−10〕の片面に塗布し、100℃で2分間乾燥して厚さ5μmの粘着剤層を形成した。次いで、粘着剤層に厚さ38μmの剥離シート〔王子特殊紙(株)製:38RL−07(2)〕を貼り合わせて、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
【0036】
[製造例2]
PPy分散液を、アクリル重合体の固形分100質量部に対してPPy固形分が10質量部となるように添加したこと以外は製造例1と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
【0037】
[製造例3]
アクリル酸ブチル90.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、アクリル酸5.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例1と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
【0038】
[製造例4]
アクリル酸ブチル90.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、アクリル酸5.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例2と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
【0039】
[製造例5]
PPy分散液を、アクリル重合体の固形分100質量部に対してPPy固形分が0.5質量部となるように添加したこと以外は製造例1と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
【0040】
[製造例6]
アクリル酸ブチル90.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、アクリル酸5.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例5と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
【0041】
[製造例7]
アクリル酸ブチル94.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、メタクリル酸アミノエチル1.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例1と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
【0042】
[製造例8]
アクリル酸ブチル89.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、アクリル酸5.0質量部、メタクリル酸アミノエチル1.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例1と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
【0043】
[製造例9]
アクリル酸ブチル94.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、N−メチロールアクリルアミド1.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例1と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
【0044】
[製造例10]
アクリル酸ブチル89.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、アクリル酸5.0質量部、N−メチロールアクリルアミド1.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例1と同様にして、導電性粘着シートを得た。
【0045】
[製造例11]
アクリル酸ブチル90.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、アクリル酸5.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た。このアクリル重合体の固形分100質量部に対し、エポキシ系架橋剤〔三菱ガス化学(株)製:TETRAD−C〕2質量部を加えて架橋させた以外は製造例1と同様にして、粘着剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を攪拌しながらPPy分散液を滴下すると、直ぐに凝集物が発生し、30分後にゲル状となった。
【0046】
[製造例12]
イソシアネート架橋剤とPPy分散液の添加順序を入れ替えた以外は製造例1と同様にして、導電性粘着シートを得た。
【0047】
<導電性粘着シートの評価>
製造例1〜12の導電性粘着シートについて、PPy粒子の分散性、表面電気抵抗値の測定を以下の方法により行った。測定結果を表1に示す。
【0048】
[PPy粒子の分散性]
製造した直後の導電性粘着剤溶液および製造から8時間経過した後の導電性粘着剤溶液を用いて導電性粘着シートを作製し、粘着剤層の表面状態を目視およびデジタルマイクロスコープ〔(株)キーエンス製:VH−6300〕観察にて評価した。評価基準は以下の通りである。
○:PPy粒子の凝集物が全く見られなかった。
△:PPy粒子の凝集物が若干見られた。
×:PPy粒子の大きな凝集物が見られた。
××:塗布前にPPy粒子が凝集し、導電性粘着剤溶液がゲル化した。
なお、製造直後の導電性粘着剤溶液で導電性粘着シートを作製した際にPPy粒子の大きな凝集物が見られた場合には、8時間経過後の導電性粘着剤溶液を用いて導電性粘着シートを作製しなかった。
また、塗布前にPPy粒子が凝集し、粘着剤溶液がゲル化したものについては、製造直後においても導電性粘着シートの作製は行わなかった。
【0049】
[表面電気抵抗値測定]
製造例1〜12で作製した各導電性粘着シートを100mm×100mmの大きさに切り出した。
切り出した各導電性粘着シートの剥離フィルムを剥がし、粘着剤層表面の表面電気抵抗値を印加電圧100V、印加時間60秒の条件で表面電気抵抗値測定装置〔東亞電波工業(株)製:デジタル絶縁計DSM−8103〕を用いて測定した。
表面電気抵抗値は導電性の指標であり、この値が小さい程、導電性に優れる。
【0050】
【表1】

【0051】
なお、表1中での「BA」はアクリル酸ブチル、「2HEA」はアクリル酸2−ヒドロキシエチル、「AA」はアクリル酸、「AEMA」はメタクリル酸アミノエチル、「N−MAA」はN−メチロールアクリルアミドである。
【0052】
製造例1〜4では、PPy分散性が高く、充分に低い表面電気抵抗値を示していた。
これに対して、ポリピロール含有量が1質量部未満であった製造例5,6では、表面電気抵抗値が大きかった。
アクリル系粘着剤を構成するアクリル重合体がカチオン性単量体を含む製造例7〜10では、凝集物の発生が認められ、表面電気抵抗値も大きかった。
アクリル重合体をエポキシ架橋剤で架橋させた製造例11では、すぐに凝集物が発生し、粘着剤がゲル化したため、粘着シートが得られなかった。
イソシアネート架橋剤よりもポリピロール粒子を先に添加した製造例12では、すぐに凝集物が発生し、表面電気抵抗値が大きかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル系粘着剤とポリピロール粒子とを含有する導電性粘着剤であって、
ポリピロール粒子の含有量は、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して1〜15質量部であり、
アクリル系粘着剤は、アクリル重合体がイソシアネート架橋剤によって架橋されたものであり、アクリル重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位とを含有し、カチオン性単量体単位を含有しないことを特徴とする導電性粘着剤。
【請求項2】
ポリピロール粒子はアニオン系界面活性剤によって分散化されている請求項1に記載の導電性粘着剤。
【請求項3】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位とからなるアクリル重合体に、イソシアネート架橋剤を添加し、架橋処理して、アクリル系粘着剤を得る工程と、
該アクリル系粘着剤の固形分100質量部に、ポリピロール粒子1〜15質量部を添加して、導電性粘着剤を得る工程とを有することを特徴とする導電性粘着剤の製造方法。
【請求項4】
基材と、該基材の少なくとも片面に設けられた粘着剤層とを有し、粘着剤層は、請求項1または2に記載の導電性粘着剤を含むことを特徴とする導電性粘着シート。
【請求項5】
請求項3に記載の導電性粘着剤の製造方法により得た導電性粘着剤を、基材の少なくとも片面に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成する工程を有することを特徴とする導電性粘着シートの製造方法。
【請求項6】
請求項4に記載の導電性粘着シートと剥離シートとを有し、前記導電性粘着シートの粘着剤層の基材と反対側の面に剥離シートが貼り合わされていることを特徴とする剥離シート付き導電性粘着シート。
【請求項7】
請求項5に記載の導電性粘着シートの製造方法により導電性粘着シートを得た後に、粘着剤層の基材と反対側の面に剥離シートを貼り合せる工程を有することを特徴とする剥離シート付き導電性粘着シートの製造方法。
【請求項8】
請求項3に記載の導電性粘着剤の製造方法により得た導電性粘着剤を、剥離シートに塗布し、乾燥して、粘着剤層を形成する工程と、
該粘着剤層の剥離シートと反対側の面に基材を貼り合せる工程とを有することを特徴とする剥離シート付き導電性粘着シートの製造方法。

【公開番号】特開2010−100723(P2010−100723A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273096(P2008−273096)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【出願人】(595178748)王子タック株式会社 (76)
【Fターム(参考)】