説明

小型マッサージ機

【課題】マッサージを適切な温度状況下で行う装置を提供する。
【解決手段】小型マッサージ機1は、揉み、叩き、指圧、振動の少なくとも一つの動作を発生させるマッサージ機構2と、このマッサージ機構2を収納した状態で据え置きを可能にするケーシング3と、このケーシング3の表面に配置されて前記マッサージ機構2により発生される動作を行う動作体4とを有しており、前記ケーシング3における表面の一部又は全部を覆うカバー体12と、このカバー体12とケーシング3との間へ温風又は冷風を供給する温冷風供給部とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、使用者の背部から全身にかけてのマッサージが行える椅子型マッサージ機が開発されているが、これらのマッサージ機とは別に、使用者の首、腰、下肢等の特定部位のマッサージに特化した小型マッサージ機が開発されている。これら小型マッサージ機は、多くの場合据え置きタイプであるものの、小型マッサージ機を手で持った上で使用者に対しマッサージを施術する、すなわちハンディタイプとして使用することも可能である。
小型マッサージ機の例として、使用者の下肢をマッサージできる下肢用マッサージ機が開発されており、例えば、特許文献1に示すようなものがある。
【0003】
この下肢用マッサージ機は、左右下肢の各ふくらはぎをマッサージする第1マッサージ機構を内部に備えたレッグレスト部と、このレッグレスト部の先端側に配置され、左右下肢の各足をマッサージする第2マッサージ機構を内部に備えたフットレスト部と、レッグレスト部及び/又はフットレスト部の左右方向中央部に配置され、両マッサージ機構を同時に駆動する駆動機構とを備えている。下肢用マッサージ機では、使用者のふくらはぎや足を効果的にマッサージ可能となっている。
【特許文献1】再公表2005/023169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、最近のユーザからの要望は多様なものがあり、例えば、下肢のマッサージを行いつつも下肢を暖めたいとの要望がある。また、特許文献1のような下肢用マッサージ機を夏に使用すると、下肢の部分が暑くて困るので対応して欲しい等の要望もある。これらの要望は、下肢用マッサージ機に限定されるものではなく、小型マッサージ機全般に対するものである。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、マッサージが施術される場所(下肢に限定されない)の温度コントロールが可能となっている小型マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
すなわち、本発明に係る据置型の温熱マッサージ機は、揉み、叩き、指圧、振動の少なくとも一つの動作を発生させるマッサージ機構と、このマッサージ機構を収納したケーシングと、このケーシングの表面に配置されて前記マッサージ機構により発生された動作を使用者に伝える動作体と、を有するものであって、前記ケーシングの表面の一部又は全部を覆うカバー体と、このカバー体の裏面側へ温風又は冷風を供給する温冷風供給部と、を有していることを特徴とする。
【0006】
好ましくは、前記ケーシングの表面には、前記動作体が配置されたマッサージ部と、このマッサージ部に隣接する非マッサージ部とが設けられており、前記カバー体はマッサージ部を覆う配置で設けられていて、前記温冷風供給部は、前記カバー体とマッサージ部との間に温風又は冷風を供給するように構成されているとよい。
さらに好ましくは、前記温冷風供給部は、前記カバー体とマッサージ部を構成するカバー体とで形成された二重構造の間に温風又は冷風を供給するように構成されているとよい。
【0007】
また、前記ケーシングの表面には、前記動作体が配置されたマッサージ部と、このマッサージ部に隣接する非マッサージ部とが設けられており、前記カバー体は非マッサージ部を覆う配置で設けられていて、前記温冷風供給部は、カバー体と非マッサージ部との間に温風又は冷風を供給するように構成されていてもよい。
さらに、前記マッサージ部に配置された動作体は、主動作体と副動作体とを有しており、前記カバー体は主動作体のみを覆う配置で設けられていてもよい。
また、前記マッサージ部に配置された動作体は、主動作体と副動作体とを有しており、前記カバー体は主動作体及び副動作体を覆う配置で設けられていてもよい。
【0008】
前記マッサージ部に配置された動作体は、主動作体と副動作体とを有しており、前記カバー体は副動作体のみを覆う配置で設けられていてもよい。
なお、前記カバー体はケーシングの表面に対して着脱自在とされていてもよい。
前記カバー体は、前記温冷風供給部から供給される温風又は冷風を通過可能な材質で形成されていることは好ましい。
前記カバー体は、前記温冷風供給部から供給される温風又は冷風を非通過とする材質で形成されていてもよい。
【0009】
好ましくは、前記カバー体には、温冷風供給部から供給される温風又は冷風を逃がすための排気口が設けられているとよい。
前記カバー体と動作体との間、又はカバー体とケーシングとの間に、温冷風供給部から供給される温風又は冷風を逃がすための隙間が設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る小型マッサージ機を用いることで、マッサージが施術される場所(下肢に限定されない)のマッサージが適切な温度状況下で行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1〜図4は、本発明に係る小型マッサージ機1の第1実施形態を示している。
この小型マッサージ機1(以下、温熱マッサージ機と呼ぶこともある)は、マッサージ機構2と、このマッサージ機構2を収納した状態で据え置きを可能にするケーシング3と、このケーシング3の表面に配置された動作体4(4A〜4D)とを有している。
なお、以下では説明の便宜上、図3における左右方向を「左右方向」と言い、図3における上下方向を「上下方向」と言い、図3における紙面貫通方向を「前後方向」と言う。これは、図1に示した前後方向、左右方向、上下方向と一致する。
【0012】
第1実施形態において、動作体4は、互いに所定間隔をおいて配置された左右一対の主動作体4A,4Bと、これらの両外側に配置された左右一対の副動作体4C、4Dとを有したものを示している。
主動作体4A,4Bはそれぞれ、円形のパッド7の下面に内装された揉み玉が水平旋回する構造で、揉みによるマッサージ動作が可能となっている。また副動作体4C、4Dは、ケーシング3の上面略全体を覆う状態で設けられた振動盤(表面盤)8に、それぞれ、足底型の配置群を形成するように多数のツボ押し突起9が突設された構造で、振動によるマッサージ動作が可能となっている。
【0013】
なお、振動盤8には、主動作体4A,4Bを上方へ露出させて、それらの動きを邪魔しないようにした開口8a,8bが設けられている。
マッサージ機構2は、1台又は複数の電動モータ10を駆動源として、この電動モータ10の出力軸の回転が主動作体4A,4Bや副動作体4C、4Dに伝達され、上記の各動作を発生させるように構成されている。
本発明に係る温熱マッサージ機1では、ケーシング3の表面に対し、動作体4を覆う状態でカバー体12が設けられていると共に、このカバー体12の裏面側すなわち内側へ温風又は冷風を供給する温冷風供給部13が設けられている。この温冷風供給部13は、カバー体12のケーシング3に対面であって、カバー体12とケーシング3との間に温風又は冷風を供給する構成となっている。カバー体12は、振動盤8に対して着脱自在に取り付けられる。
【0014】
温冷風供給部13は、図3に示すように、ケーシング3内部に設けられたダクト20と、このダクト20内に設けられたファン21と、ダクト20内であって且つファン21で発生される空気流の下流側となるように配置されたヒータ22とを有している。
ダクト20は、ケーシング3の側面部で外部へ向けてエア取り入れ口23を開口させ、またケーシング3の略中央となる位置で上方の振動盤8へ向けて立ち上がっている。振動盤8へ至ったダクト20の先端は、主動作体4A,4Bのまわりに配置されたスリット状の吹き出し口25からカバー体12の裏側(カバー体12と振動盤8との間)へ向けて開放されている(図1参照)。
【0015】
従って、この温冷風供給部13において、ヒータ22を稼働(加熱)させたうえでファン21を作動させれば、ダクト20内を経て吹き出し口25から温風が吹き出すものとなり、ヒータ22を非稼働(非加熱)のまま単にファン21だけを作動させれば、ダクト20内を経て吹き出し口25から常温の空気(冷風)が吹き出すものとなる。
カバー体12は、第1実施形態ではケーシング3における表面の略全部(振動盤8の上面全体)を覆うようにして設けられており、このカバー体12の下に第1及び第2の全ての動作体4A〜4Dが含まれるようになっている。このカバー体12の外周部は振動盤8の外周部に沿って固定的で且つ密着的に取り付けられている。
【0016】
カバー体12は、伸縮性や可撓性を有する布、人工皮革、レザー等で形成されており、第1、第2の動作体4A〜4Dによるマッサージ動作を使用者へ伝えるのに邪魔とならず、また使用者との接触で、簡単には破れや裂け、摩耗が生じないようになっている。
またカバー体12は、温冷風供給部13から供給される温風又は冷風を非通過な材質で形成されている。そしてカバー体12には、温冷風供給部13から供給される温風又は冷風を逃がすための排気口27が設けられている。
図例では振動盤8の上面側であってその左右両側縁部に沿うような配置で排気口27が複数配置され、また各排気口27が長方形の開口形状に形成されたものとしてある(図4参照)。しかし、排気口27の配置や形成数、開口形状などは特に限定されるものではない。例えば丸孔を複数並べて設けるようなことも可能である。
【0017】
このように、カバー体12が温風又は冷風を非通過な材質である場合には、排気口27を有し、その排気口27は限られた開口面積を有しているため、カバー体12の内側に温風や冷風が供給されたとき、カバー体12は適度にバルーン状に膨らむようになる。
そのため、使用者による押し当て箇所に対し、カバー体12が優しくフィットし、肌触りを良好にする効果が得られることになる。また、カバー体12の内側へ吹き込まれた温風又は冷風は、カバー体12を膨らませた状態を維持させるように滞留して、カバー体12に対する伝熱の作用を高めて、温風の場合は加熱性や保温性を、また冷風の場合は冷却性を高めるのに有益となる。
【0018】
なお、カバー体12は、振動盤8の周囲に嵌り込む枠体を備え、その枠体に伸縮性や可撓性を有する布などが張り付けられた構成であってもよい。この構成であると、振動盤8に対するカバー体12の着脱自在となり、その着脱操作が容易になる。この場合、排気口27は枠体に形成される構成であってもよい。
次に、上記構成を具備して成る温熱マッサージ機1の使用態様を述べる。
使用者は、床上での座位、寝位、立位になるか、又は椅子座になったうえで、所望に応じて首、肩、背中、腰、脚(大腿〜脹ら脛、足首)、足裏など、任意の箇所を、主動作体4A,4Bや副動作体4C,4Dに押し付けるようにする。使用者がその後、据置型の温熱マッサージ機1を作動状態とすると、マッサージ機構2がマッサージ動作をして、マッサージが開始される。
【0019】
また、この状態で使用者が温風又は冷風を選択してその吹き出しを開始させると、図3に示すように、温冷風供給部13から温風が供給され、吹き出し口25を通じてカバー体12とケーシング3との間へ温風又は冷風が吹き込まれるようになる。温風又は冷風が供給されるにつれ、カバー体12はバルーン状に膨らんで使用者の押し当て箇所に優しくフィットするようになる。
さらに、温風や冷風はカバー体12を介して使用者の押し当て箇所に届くようになるため、当該箇所を温めたり、冷やしたり、蒸れ感を解消したりするようになる。
【0020】
かかる作動態様により、使用者は所望箇所を温められつつマッサージされることとなり、非常に効果的なリラックス効果を受けることができる。
なお、カバー体12の内側へ供給された温風又は冷風は、カバー体12を過剰に膨らませることなく排気口27から放出されるので、カバー体12の破損の原因になったり、使用者へ接触による不快感(硬すぎる感じ)を与えたりすることはない。勿論、マッサージ動作の伝達を妨げるものではない。
なお、マッサージ機構2と、温冷風供給部13とは同時に作動させてもよいし、別々に作動させてもよい。温冷風供給部13のみを作動させると、加温又は冷却装置として作用するものとなる。
【0021】
なお、温冷風供給部13において、吹き出し口25の配置は特に限定されるものではない。例えば振動盤8の上面全面にわたって広く分散配置させるようにしてもよい。また、ヒータ22と置換又は併用選択式とするようにして、ペルチエ素子などで構成された空冷部を設けると、積極的に冷風を発生させることができる。
図5に示すように、カバー体12に対して排気口27を設けることに代えて、カバー体12と動作体4(副動作体4C,4Dの振動盤8)との間に、温冷風供給部13から供給される温風又は冷風を逃がすための隙間30を設けるようにしてもよい。
【0022】
なお、副動作体4C,4Dは省略することが可能であり、この場合、振動盤8も無いので、カバー体12はケーシング3の上面を略全体的に覆う状態に設けることになる。このような場合は、カバー体12とケーシング3との間に、温冷風供給部13から供給される温風又は冷風を逃がすための隙間30を設けるようにすればよい。
更に、図6に示すように、動作体4(副動作体4C,4Dの振動盤8)に対し、温冷風供給部13から供給される温風又は冷風を逃がすための排気部31を設けるようにしてもよい。
【0023】
この場合も、副動作体4C,4D(振動盤8)を省略し、ケーシング3の上面を略全体的に覆う状態にカバー体12を設ける態様とするのであれば、ケーシング3自体に、温冷風供給部13から供給される温風又は冷風を逃がすための排気部31を設けるようにする。
図7に示すように、カバー体12自体について、温冷風供給部13から供給される温風又は冷風を通過可能な材質で形成することも可能である。この場合、排気口27(図4参照)、隙間30(図5参照)、排気部31(図6参照)等は省略することも可能になる。
[第2実施形態]
図8、図9は、本発明に係る据置型温熱マッサージ機1の第2実施形態を示している。
【0024】
第2実施形態の温熱マッサージ機1は、ケーシング3の表面に、枕型の大きな膨らみを持った主動作体4Eが設けられていると共に、この主動作体4Eの左右両側に、副動作体4F,4Gが設けられたものとなっている。
主動作体4Eは、使用者のスイッチ操作に応じて左右一対の揉み玉が揉み、叩き、指圧などの複雑なマッサージ動作をする構成となっている。また副動作体4F,4Gに関しては、第1実施形態で説明した副動作体4C,4Dの場合と略同じであり、ケーシング3の表面略全体を覆う状態で設けられた振動盤8に、それぞれ、足底型の配置群を形成するように多数のツボ押し突起9が突設された構造で、振動によるマッサージ動作が可能となっている。
【0025】
図8に示すように、主動作体4E及び副動作体4F,4Gに対し、カバー体12は、主動作体4Eだけを個別に覆うようにした枕カバータイプ(符号12A)を採用することが可能である。この場合、温風や冷風が吹き出すスリット状の吹き出し口25は、主動作体4Eのまわりであって、カバー体12Aの裏面側(二重構造の間)となるような振動盤上の位置に設けられなくてはならない。
図9に示すように、主動作体4E及び副動作体4F,4Gに対し、カバー体12は、これら主動作体4E及び副動作体4F,4Gを全体として覆うようにした一体成型タイプ(符号12B)を採用することが可能である。
【0026】
一体成型タイプ(12B)の場合、主動作体4Eに対応した膨らみ部分35を形成させるのが好適である。
なお、その他の構成や作用効果、及び変形実施例への展開などに関しては第1実施形態の場合と同様であり、ここでの詳説は省略する。
[第3実施形態]
図10,図11は、本発明に係る据置型の温熱マッサージ機1の第3実施形態を示している。
【0027】
第3実施形態の温熱マッサージ機1は、ケーシング3の表面に、使用者の首を嵌め込んで首の両側等をマッサージ可能な「溝付きタイプの主動作体4H」が設けられていると共に、この主動作体4Hの前方に「小型枕タイプの第2副動作体4J」が設けられ、更に主動作体4Hの左右両側に「第1副動作体4K,4L」が設けられたものとなっている。
図10に示すように、主動作体4H,第1副動作体4K,4L、第2副動作体4Jに対し、カバー体12は、主動作体4Hや第2副動作体4Jだけを個別に覆うようにした枕カバータイプ(符号12C,12D)を採用することが可能である。この場合、温風や冷風が吹き出すスリット状の吹き出し口25は、主動作体4H及び第2副動作体4Jのまわりであって、カバー体12C,12Dの裏面側(二重構造の間)となるような振動盤上の位置に設けられなくてはならない。
【0028】
図11の如く、主動作体4H,第1副動作体4K,4L、第2副動作体4Jに対し、カバー体12は、主動作体4H,第1副動作体4K,4L、第2副動作体4Jを全体として覆うようにした一体成型タイプ(符号12E)を採用することが可能である。
なお、その他の構成や作用効果、及び変形実施例への展開などに関しては第1、第2実施形態の場合と同様であり、ここでの詳説は省略する。
[第4実施形態]
図12、図13は、本発明に係る据置型の温熱マッサージ機1の第4実施形態を示している。
【0029】
第4実施形態の温熱マッサージ機1は、カバー体12の細部構造を除き、基本的には第1実施形態で説明したもの(図1〜図4参照)と略同じであって、マッサージ機構2とケーシング3と動作体4とを有し、このうち動作体4は、互いに所定間隔をおいて配置された左右一対の主動作体4A,4Bと、これらの両外側に配置された左右一対の副動作体4C,4Dとを有している。
第4実施形態のカバー体12は、ケーシング3における表面の一部を覆うようになったもので、主動作体4A,4B、副動作体4C,4Dに対し、カバー体12は、主動作体4A,4Bだけを個別に覆うようにしている。この場合、温風や冷風が吹き出す吹き出し口25は、主動作体4A,4Bのまわりであって、カバー体12Eの内側となるような位置に設けられなくてはならない。
【0030】
なお、図13から明かなように、主動作体4A,4Bにはそれぞれ、それらの上方を覆うようにしてマッサージ機構2の構成に含まれる動作カバー40(マッサージ部を構成するカバー体)が設けられている。そのため、カバー体12はこの動作カバー40の更に上方を覆う状態となっている。
すなわち、主動作体4A,4Bを基準にしてその上方の構造を説明すれば、これら主動作体4A,4Bが二重構造のカバー(動作カバー40とカバー体12)とで覆われ、これら二重のカバー間(二重構造の間)に温冷風供給部13(図13中のダクト20参照)からの温風又は冷風が供給されるような状態となっている、と言うことができる。
【0031】
なお、カバー体12は、図14に示すように、個々の主動作体4A,4Bを各個別に覆うように設ける(主動作体4A,4Bに1対1対応でカバー体12を設ける)こともできる。
[第5実施形態]
図15は、本発明に係る据置型の温熱マッサージ機1の第5実施形態を示している。
第5実施形態の温熱マッサージ機1は、カバー体12の細部構造を除き、基本的には第1実施形態で説明したもの(図1〜図4参照)と略同じであって、マッサージ機構2とケーシング3と動作体4とを有し、このうち動作体4は、互いに所定間隔をおいて配置された左右一対の主動作体4A,4Bと、これらの両外側に配置された左右一対の副動作体4C,4Dとを有している。
【0032】
第5実施形態のカバー体12は、ケーシング3における表面の一部を覆うようになったもので、主動作体4A,4B、副動作体4C,4Dに対し、カバー体12は、主動作体4A,4Bは覆わず(上方に開放露出させ)、副動作体4C,4Dだけを個別に覆うようにした異形タイプ(図例では穴あきタイプ)を採用している。この場合、温風や冷風が吹き出す吹き出し口25は、副動作体4C,4Dのまわりであって、カバー体12の内側となるような位置に設けられなくてはならない。
[第6実施形態]
図16は、本発明に係る据置型の温熱マッサージ機1の第6実施形態を示している。
【0033】
第6実施形態の温熱マッサージ機1は、ケーシング3の細部構造を除き、基本的には第2実施形態で説明したもの(図9参照)と略同じであって、マッサージ機構2とケーシング3と動作体4とを有し、このうち動作体4は、枕型の大きな膨らみを持った主動作体4Eと、この左右両側で足底型に配置された副動作体4F,4Gとを有している。
ただ、副動作体4F,4Gが配置された振動盤8は、ケーシング3の表面略全体を覆うものではなく、主動作体4Eの前後左右を所定範囲で取り囲む大きさに制限されたものとなっている。
【0034】
また、ケーシング3は、主動作体4E、及び副動作体4F,4Gに対してそれらの前方へ張り出すような形体で形成されており、その結果、ケーシング3の表面は、主動作体4E、及び副動作体4F,4Gが設けられているマッサージ部5と、このマッサージ部5の前方に隣接する非マッサージ部6(主動作体4E、及び副動作体4F,4Gが設けられていない部分)とを有したものとなっている。
このようなケーシング3に対し、第6実施形態のカバー体12は、マッサージ部5及び非マッサージ部6を全体として覆う配置で設けられている。
【0035】
このような構成であると、使用者は、マッサージ部5(主動作体4E、又は副動作体4F,4G)にてマッサージを受けた後の休憩時、又はマッサージを受ける前の準備段階などに、非マッサージ部6へ身体の一部(足など)を移動させ、温めたり冷やしたりするということができる。
勿論、マッサージ部5を使用しないときでも、単なる温め効果や冷やし効果を得るためのものとして、この温熱マッサージ機1を使用することもできる。
[第7実施形態]
図17は、本発明に係る据置型の温熱マッサージ機1の第7実施形態を示している。
【0036】
第7実施形態の温熱マッサージ機1は、カバー体12が非マッサージ部6のみを覆う配置で設けられている点を除き、第6実施形態(図16参照)と略同じである。
なお、第6実施形態ではカバー体12がマッサージ部5と非マッサージ部6とを両方覆う配置とされ、第7実施形態ではカバー体12が非マッサージ部6だけを覆う配置とされたものとして説明しているが、カバー体12がマッサージ部5だけを覆う配置として設けることもできる。また第1実施形態〜第6実施形態では、カバー体12がマッサージ部5だけを覆う配置として設けられた例と言うことができる。
【0037】
本発明は、上記各実施形態以外にも、実施の形態に応じて部材形状、構造、材質など適宜変更可能なものである。
例えば、操作スイッチなどをリモコンに集約させるなどすれば、ケーシング3における表面全体を完全に覆う状態でカバー体12を設けることができる。
カバー体12の内側温度や表面温度、或いは温冷風供給部13の作動時間などを考慮して、装置自体の過熱や使用者側の低温火傷などへの注意喚起を促すべく、表示や音声で報知するシステムを採用することができる。例えば、カバー体12において、熱で色の変わる素材を一部又は全部に使用して、使用状態(加熱状態)が視認できるような構成とさせてもよい。
【0038】
また、小型マッサージ機を例示して説明を行ったが、図1,図8,図10のマッサージ機を手で持った上で使用者に対しマッサージを施術することは可能である。したがって、本発明に係るマッサージ機は、手で持った上で使用されるハンディタイプのマッサージ機を除外するものではない。
つまり、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る小型マッサージ機の第1実施形態を示した斜視図である。
【図2】本発明に係る小型マッサージ機の第1実施形態を示した斜視図である。
【図3】図2のA−A線矢視に対応させて描いた一部破砕正面図である。
【図4】カバー体の外周部(排気口周辺)を拡大して示した斜視断面図である。
【図5】カバー体の外周部(排気口周辺)を拡大して示した斜視断面図である(変形例)。
【図6】図2のA−A線矢視に対応させて描いた一部破砕正面図である(変形例)。
【図7】図2のA−A線矢視に対応させて描いた一部破砕正面図である(変形例)。
【図8】本発明に係る小型マッサージ機の第2実施形態を示した斜視図である。
【図9】本発明に係る小型マッサージ機の第2実施形態を示した斜視図である。
【図10】本発明に係る小型マッサージ機の第3実施形態を示した斜視図である。
【図11】本発明に係る小型マッサージ機の第3実施形態を示した斜視図である。
【図12】本発明に係る小型マッサージ機の第4実施形態を示した斜視図である。
【図13】第4実施形態の主動作体まわりを示した正面断面図である。
【図14】第4実施形態の主動作体まわりを示した正面断面図である(変形例)。
【図15】本発明に係る小型マッサージ機の第5実施形態を示した斜視図である。
【図16】本発明に係る小型マッサージ機の第6実施形態を示した斜視図である。
【図17】本発明に係る小型マッサージ機の第7実施形態を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1 小型マッサージ機(温熱マッサージ機)
2 マッサージ機構
3 ケーシング
4 動作体
4A,4B 主動作体(第1実施形態)
4C,4D 副動作体(第1実施形態)
4E 主動作体(第2実施形態)
4F,4G 副動作体(第2実施形態)
4H 主動作体(第3実施形態)
4J 第1副動作体 (第3実施形態)
4K,4L 第2副動作体(第3実施形態)
5 マッサージ部
6 非マッサージ部
12 カバー体
13 温冷風供給部
27 排気口
30 隙間
31 排気部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揉み、叩き、指圧、振動の少なくとも一つの動作を発生させるマッサージ機構と、このマッサージ機構を収納したケーシングと、このケーシングの表面に配置されて前記マッサージ機構により発生された動作を使用者に伝える動作体と、を有する小型マッサージ機において、
前記ケーシングの表面の一部又は全部を覆うカバー体と、このカバー体の裏面側へ温風又は冷風を供給する温冷風供給部と、を有していることを特徴とする小型マッサージ機。
【請求項2】
前記ケーシングの表面には、前記動作体が配置されたマッサージ部と、このマッサージ部に隣接する非マッサージ部とが設けられており、
前記カバー体はマッサージ部を覆う配置で設けられていて、
前記温冷風供給部は、前記カバー体とマッサージ部との間に温風又は冷風を供給するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の小型マッサージ機。
【請求項3】
前記温冷風供給部は、前記カバー体とマッサージ部を構成するカバー体とで形成された二重構造の間に温風又は冷風を供給するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の小型マッサージ機。
【請求項4】
前記ケーシングの表面には、前記動作体が配置されたマッサージ部と、このマッサージ部に隣接する非マッサージ部とが設けられており、
前記カバー体は非マッサージ部を覆う配置で設けられていて、
前記温冷風供給部は、カバー体と非マッサージ部との間に温風又は冷風を供給するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の小型マッサージ機。
【請求項5】
前記マッサージ部に配置された動作体は、主動作体と副動作体とを有しており、前記カバー体は主動作体のみを覆う配置で設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の小型マッサージ機。
【請求項6】
前記マッサージ部に配置された動作体は、主動作体と副動作体とを有しており、前記カバー体は主動作体及び副動作体を覆う配置で設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の小型マッサージ機。
【請求項7】
前記マッサージ部に配置された動作体は、主動作体と副動作体とを有しており、前記カバー体は副動作体のみを覆う配置で設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の小型マッサージ機。
【請求項8】
前記カバー体はケーシングの表面に対して着脱自在とされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の小型マッサージ機。
【請求項9】
前記カバー体は、前記温冷風供給部から供給される温風又は冷風を通過可能な材質で形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の小型マッサージ機。
【請求項10】
前記カバー体は、前記温冷風供給部から供給される温風又は冷風を非通過とする材質で形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の小型マッサージ機。
【請求項11】
前記カバー体には、温冷風供給部から供給される温風又は冷風を逃がすための排気口が設けられていることを特徴とする請求項9又は10に記載の小型マッサージ機。
【請求項12】
前記カバー体と動作体との間、又はカバー体とケーシングとの間に、温冷風供給部から供給される温風又は冷風を逃がすための隙間が設けられていることを特徴とする請求項9又は10に記載の小型マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−268628(P2009−268628A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120396(P2008−120396)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(592009214)大東電機工業株式会社 (106)
【Fターム(参考)】