小型基地局、及びプログラム
【課題】移動体通信において、アップリンク通信の通信品質を利用者に報知することが可能な小型基地局、及びプログラムを提供する。
【解決手段】小型基地局は、移動端末200との間で無線通信を行うフェムトセル基地局100であって、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信における通信品質を測定する測定部120と、測定部120によって測定された前記通信品質を報知する品質報知部130と、を備える。
【解決手段】小型基地局は、移動端末200との間で無線通信を行うフェムトセル基地局100であって、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信における通信品質を測定する測定部120と、測定部120によって測定された前記通信品質を報知する品質報知部130と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信における小型基地局、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の無線通信技術の発達により、携帯電話通信網などの無線通信ネットワークが一般に普及するようになった。しかし、こうした無線通信には、無線電波の受信状態により無線通信回線が維持できなかったり、通信品質が劣化したりするという問題点があった。そこで、電波不感エリアや、特に通信品質を確保したい場所に、個別に小型基地局を設置する通信システムの構築が検討されている。
【0003】
この通信システムにおいては、半径数十メートル程度の通話エリアを持つ小型基地局(以下、「フェムトセル基地局」と称す。)を設置し、携帯電話端末と無線通信を行う。当該通信は、フェムトセル基地局が接続する有線通信回線を用いて、携帯電話のコアネットワークに接続されるので、当該携帯電話端末は、フェムトセル基地局を介して携帯電話通信網と通信することが可能となる。
【0004】
下記特許文献1には、光通信ネットワークに接続される無線基地局を用いた通信システムが開示されている。この通信システムを用いることで、加入者宅内で使用する携帯電話からの信号は、無線基地局から光通信ネットワークを介してIP網、一般電話交換網、又は移動通信交換網等の各種ネットワークに接続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−15103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯電話端末などの移動端末を使った移動体通信では、基地局から移動端末へ通信が行われるダウンリンク通信の通信品質を、当該移動端末において利用者に通知することが行われている。しかし、この通知では、移動端末から基地局へ通信が行われるアップリンク通信の通信品質を利用者へ通知することは行われていなかった。
【0007】
従来のマクロセル基地局を用いた通信では、ダウンリンク通信の通信品質を表示すれば、ダウンリンクの品質が悪い時はアップリンクの品質が悪いことが多いため、アップリンク通信の通信品質を別途表示する必要はなかった。しかし、フェムトセル基地局を用いた通信では、ダウンリンク通信の通信品質とアップリンク通信の通信品質とは大きく異なる場合があるため、ダウンリンク通信の通信品質を通知するだけでは、利用者はアップリンク通信の通信品質を知ることはできないという問題点があった。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みて成されたものであり、移動体通信において、アップリンク通信の通信品質を利用者に報知することが可能な小型基地局、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に係る小型基地局は、移動端末との間で無線通信を行う小型基地局であって、前記移動端末から前記小型基地局への通信における通信品質を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された前記通信品質を報知する品質報知手段と、を備え
ることを特徴としている。
【0010】
第1の態様に係る小型基地局によれば、測定手段は移動端末から小型基地局への通信における通信品質を測定し、品質報知手段は当該測定により得られた通信品質の報知を行う。したがって、本発明の第1の態様に係る小型基地局を用いれば、移動端末から小型基地局への通信における通信品質を知ることができ、移動端末を使用する位置を変えるなどの通信品質を向上させる対策をとることが可能となる。
【0011】
本発明の第2の態様に係る小型基地局は、第1の態様に係る小型基地局において特に、前記小型基地局は、前記移動端末から送信された電波と、他の基地局と通信している他の移動端末から送信された電波とが干渉を生じ得る位置に配置されていることを特徴としている。
【0012】
第2の態様に係る小型基地局によれば、他の基地局と通信を行っている他の移動端末が送信する電波と、第2の態様に係る小型基地局と通信をしている移動端末から送信された電波とが干渉を生じ、移動端末から第2の態様に係る小型基地局への通信における通信品質が悪化した場合、当該通信品質を報知することで、利用者に対して通信品質の悪化を知らせることができる。したがって、第2の態様に係る小型基地局を用いれば、移動端末を使用する位置を変えるなどの通信品質を向上させる対策をとることが特に効果的な状況において、当該対策の方法を利用者に報知することが可能であるので、利用者にとって利便性のよい無線通信を提供しやすくなる。
【0013】
本発明の第3の態様に係る小型基地局は、第1又は第2の態様に係る小型基地局において特に、前記測定手段によって測定された前記通信品質が所定レベル以下である場合に、当該通信品質を改善する方法を報知する改善方法報知手段をさらに備えることを特徴としている。
【0014】
第3の態様に係る小型基地局によれば、測定手段によって測定された通信品質が所定レベル以下である場合、改善方法報知手段は、当該通信品質を改善する方法を報知する。したがって、第3の態様に係る小型基地局の利用者は、移動端末から小型基地局への通信における通信品質を知ることができるだけでなく、通信品質が悪くなった場合に当該通信品質を改善する方法を知ることができ、その改善方法を行うことで通信品質の改善された通信を利用することが可能となる。
【0015】
本発明の第4の態様に係る小型基地局は、第1から第3のいずれか一つの態様に係る小型基地局において特に、前記小型基地局は複数の前記移動端末と通信可能であり、前記品質報知手段は、前記複数の前記移動端末の各々に対応させて前記通信品質を報知することを特徴としている。
【0016】
第4の態様に係る小型基地局によれば、品質報知手段は、小型基地局が通信可能な複数の移動端末から小型基地局へのそれぞれの通信における通信品質を、それぞれ複数の移動端末の各々に対応させて報知することが可能となる。したがって、小型基地局に対し、複数の移動端末を用いて通信を行っていても、移動端末毎の通信品質を知ることができるので、移動端末を使用する位置を変えるなどの通信品質を向上させる対策を、移動端末毎にとることが可能となる。
【0017】
本発明の第5の態様に係る小型基地局は、第1から第4のいずれか一つの態様に係る小型基地局において特に、前記品質報知手段は、前記小型基地局上において前記通信品質を報知することを特徴としている。
【0018】
第5の態様に係る小型基地局によれば、品質報知手段は、移動端末から小型基地局への通信の通信品質を、当該小型基地局上において報知する。したがって、第5の態様に係る小型基地局の利用者は、小型基地局からの当該通信品質の報知を受けることで、通信を行っている移動端末を使用する位置を変えるなどの通信品質を向上させる対策をとることが可能となる。
【0019】
本発明の第6の態様に係る小型基地局は、第1から第4のいずれか一つの態様に係る小型基地局において特に、前記品質報知手段は、前記移動端末上において前記通信品質を報知することを特徴としている。
【0020】
第6の態様に係る小型基地局によれば、品質報知手段は、移動端末から小型基地局への通信の通信品質を、通信を行っている移動端末上において報知する。したがって、第6の態様に係る小型基地局の利用者は、通信を行っている移動端末から当該通信品質の報知を受けることができるので、利用中の通信の通信品質を利用している移動端末で知ることができ、通信を行っている移動端末を使用する位置を変えるなどの通信品質を向上させる対策をとることが可能となる。
【0021】
本発明の第7の態様に係るプログラムは、移動端末との間で無線通信を行う小型基地局に搭載されるコンピュータを、前記移動端末から前記小型基地局への通信における通信品質を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された前記通信品質を報知する品質報知手段と、として機能させることを特徴としている。
【0022】
第7の態様に係るプログラムによれば、移動端末との間で無線通信を行う小型基地局に搭載されるコンピュータに実行させることで、移動端末から小型基地局への通信における通信品質を測定する測定手段と、測定手段によって測定された通信品質を報知する品質報知手段と、として機能させることができる。したがって、本発明の第7の態様に係るプログラムを搭載したコンピュータを用いれば、移動端末から小型基地局への通信における通信品質を知ることができ、移動端末を使用する位置を変えるなどの通信品質を向上させる対策をとることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、移動体通信におけるアップリンク通信の通信品質を、利用者に報知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局を用いる通信システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局の構成を概略的に示したブロック図である。
【図3】移動端末の構成を概略的に示したブロック図である。
【図4】フェムトセル基地局がディスプレイを用いて文章で通信品質を報知する一例である。
【図5】フェムトセル基地局がディスプレイを用いて図形で通信品質を報知する一例である。
【図6】フェムトセル基地局がLEDを用いて通信品質を報知する一例である。
【図7】移動端末がディスプレイを用いて通信品質を報知する一例である。
【図8】移動端末がLEDを用いて通信品質を報知する一例である。
【図9】フェムトセル基地局がディスプレイを用いて通信品質を改善する方法を報知する一例である。
【図10】移動端末がディスプレイを用いて通信品質を改善する方法を報知する一例である。
【図11】移動端末と他の移動端末の電波が干渉を起こす場合の一例を概略的に示したものである。
【図12】フェムトセル基地局が汎用的なコンピュータであった場合の構成を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一または相応する要素を示すものとする。
【0026】
本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100は、移動体通信網における通信システム1に用いられる小型基地局である。図1に、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局を有する通信システム1の構成を概略的に示す図を示す。通信システム1は、コアネットワーク5、IPネットワーク6、小型基地局であるフェムトセル基地局100、及び移動端末200(200A〜200C)を有する。
【0027】
さらに、図2は、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100の構成を概略的に示したブロック図である。フェムトセル基地局100は、送受信部110、アンテナ115、測定手段である測定部120、判定部125、品質報知手段である品質報知部130、改善方法報知手段である改善方法報知部140、及び出力部150を備える。さらに、出力部150は、ディスプレイ151、スピーカー152、及びLED(Light Emitting Diode)153を有する。
【0028】
また、図3は、移動端末200の構成を概略的に示したブロック図である。移動端末200は、送受信部210、アンテナ215、及び出力部250を備える。さらに、出力部250は、ディスプレイ251、スピーカー252、LED253、及びバイブレータ254を有している。
【0029】
これらの構成を持つ通信システム1では、移動端末200とフェムトセル基地局100とが、無線電波R1を用いた非対称通信にて通信を行い、さらにフェムトセル基地局100は、通信信号S10を用いて固定通信網であるIPネットワーク6を介して、移動体通信網であるコアネットワーク5との通信を行う。よって、移動端末200は、フェムトセル基地局100を介して移動体通信網と通信を行うことができ、移動端末200は移動体通信網の端末として利用されるものである。
【0030】
次に、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100が、移動端末200からフェムトセル基地局100への通信であるアップリンク通信の通信品質の報知を、当該フェムトセル基地局100上で行う動作について、説明を行う。まず、移動端末200の送受信部210がアンテナ215を用いて送信した無線通信信号を、フェムトセル基地局100の送受信部110がアンテナ115を用いて受信したとき、送受信部110は、この移動端末200からの無線通信のアップリンク通信に関する通信情報信号S11を測定部120に出力する。この通信情報信号S11には、例えば、当該無線通信におけるRSSI(Received Signal Strength Indication)や、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)などの無線通信の品質を評価するための情報が含まれている。
【0031】
そして、測定部120は受け取った通信情報信号S11に基づいて、当該アップリンク通信の通信品質を測定する。この測定部120が行う通信品質の測定は、通信情報信号S11に含まれる、移動端末200からフェムトセル基地局100へと受信された無線電波信号のRSSIや、SINRなどを基に、通信品質を測定してもよい。さらに、測定部120は、測定した通信品質を通信品質信号S12として、品質報知部130に出力する。
また、アップリンク通信の通信品質の測定は、フェムトセル基地局100を用いて通信を行う移動端末200が複数ある場合、複数ある移動端末200それぞれとの間のアップリンク通信の通信品質を別々に測定するものである。
【0032】
測定部120からの通信品質信号S12を受け取った品質報知部130は、通信品質信号S12に含まれる移動端末200からフェムトセル基地局100への通信の通信品質の情報を基に、出力部150に品質報知命令信号S13を出力する。この品質報知命令信号S13を受け取った出力部150は、利用者に対して、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を報知する。またこのとき、フェムトセル基地局100を使用する移動端末200が複数ある場合、複数ある移動端末200それぞれのアップリンク通信の通信品質を個別に報知してもよい。(ここで、個々に通信品質の報知が行われる移動端末200において、移動端末200Aが端末1、移動端末200Bが端末2、及び移動端末200Cが端末3であるとする)
【0033】
フェムトセル基地局100の出力部150の行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、ディスプレイ等を用いた文字や図形などによる表示であってよい。図4は、フェムトセル基地局100がディスプレイ151を用いて当該アップリンク通信の通信品質を文章で報知する一例である。図4では、フェムトセル基地局100と通信をする端末1及び端末2の通信品質について文字による報知が行われている。さらに、図5は、フェムトセル基地局100がディスプレイ151を用いて当該アップリンク通信の通信品質を図形で報知する一例である。図5では、フェムトセル基地局100と通信をする端末1、端末2、及び端末3の通信品質について、携帯電話等で一般的に用いられるアンテナマークによって、アップリンク通信の通信品質を表示する場合を例示している。図5で例示したアンテナマークは、アンテナマークの図形中に表示された棒の数によって通信品質を三段階で表すものであり、図5において、ディスプレイ151に表示させている例では、端末1の通信品質は3段階中の3、端末2の通信品質は3段階の1、端末3の通信品質は3段階中の3となっており、利用者に対して、端末2の通信品質が悪いことを報知している。
【0034】
また、フェムトセル基地局100の出力部150の行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、スピーカー等を用いた音による報知であってよい。その場合、出力部150はスピーカー152を用いて、当該アップリンク通信の通信品質を音によって利用者に報知する。このときの音による報知は、「端末1の電波状況が悪化しています」や「端末1の通信品質は良です」などといった音声案内でなされてもよい。
【0035】
さらに、スピーカー152が行う、音によるアップリンク通信の通信品質の報知は音声案内に限らず、ビープ音のような発振音でなされてもよい。この発振音による報知においては、発振音の音高や発振音が鳴る周期などにより差別化をすることで、複数ある移動端末200のどの端末からのアップリンク通信であるかや、その通信品質の良し悪しを区別して報知がなされてもよい。例えば、発振音の音高が高いときは、端末1の通信品質を表し、発振音の音高が低いときは、端末2の通信品質を表す。さらに、発振音が鳴る周期が長いときは、当該端末とのアップリンク通信の通信音質は良く、発振音が鳴る周期が短いときは、当該端末とのアップリンク通信の通信音質が悪いというような、区別がされてよい。
【0036】
また、フェムトセル基地局100の出力部150の行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、LEDなどによるランプ表示であってもよい。図6は、フェムトセル基地局100がLED153を用いて当該アップリンク通信の通信品質を報知する一例である。図6では、フェムトセル基地局100と通信をする移動端末200(端末1、端末2、及び端末3)それぞれに対応したLEDを用いて、それぞれのLEDの点灯の
仕方により、利用者に対して各移動端末200からのアップリンク通信の通信品質が報知される。
【0037】
なお、フェムトセル基地局100の出力部150の行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、例示したものに限らず、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質が悪化していることを、利用者が認識できるものであればよい。
【0038】
次に、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100が、アップリンク通信の通信品質の報知を、移動端末200上で行う動作について、説明を行う。測定部120からの通信品質信号S12を受け取った品質報知部130は、さらに、送受信部110にも品質報知命令信号S13を出力する。品質報知部130からの品質報知命令信号S13を受け取った送受信部110は、無線通信により、この品質報知命令を移動端末200へと送信する。この品質報知命令の送信は、フェムトセル基地局100を用いて通信を行う移動端末200が複数ある場合、複数ある移動端末200それぞれに送信を行ってよい。
【0039】
次に、移動端末200の送受信部210は、アンテナ215を用いて当該品質報知命令を受信し、出力部250に品質報知命令信号S21を出力する。この品質報知命令信号S21を受け取った出力部250は、利用者に対して、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を報知する。
【0040】
移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、ディスプレイ等を用いた文字や図形などによる表示であってよい。図7は、移動端末200がディスプレイ251を用いて、当該移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を報知する一例である。図7では、携帯電話等で一般的に用いられるアンテナマークによって、ダウンリンク通信の通信品質と共に、アップリンク通信の通信品質を表示する場合を例示している。図7で例示したアンテナマークは、アンテナマークの図形中に表示された棒の数によって通信品質を三段階で表すものであり、図7において、ディスプレイ251に表示されている例では、移動端末200のダウンリンクの通信品質は3段階中の3、アップリンクの通信品質は3段階の2となっており、利用者に対して、移動端末200のアップリンクの通信品質がやや悪いことを報知している。
【0041】
また、移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、スピーカー等を用いた音による報知であってよい。その場合、出力部250はスピーカー252を用いて、当該移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を音によって利用者に報知する。このときの音による報知は、「電波状況が悪化しています」や「通信品質は良です」などといった音声案内がされてもよい。さらに、音によるアップリンク通信の通信品質の報知は、音声案内に限らず、ビープ音のような発振音でなされてもよい。この場合、発振音の音高や、音が鳴る周期などにより通信品質の良し悪しを区別して報知してもよい。
【0042】
また、移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、LEDなどによるランプ表示であってもよい。図8は、移動端末200がLED253を用いて当該アップリンク通信の通信品質を報知する一例である。図8による例では、LED253の点灯の仕方により、利用者に対してフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質が報知される。
【0043】
また、移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、バイブレータ等を使った振動によるものであってもよい。その場合、出力
部250はバイブレータ254を用い、当該移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を、移動端末200を振動させて利用者に報知する。このときの振動による報知においては、振動の大きさや、振動の周波数などにより通信品質の良し悪しを区別して報知してもよい。
【0044】
なお、移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、例示したものに限らず、当該移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質が悪化していることを、利用者が認識できるものであればよい。また、移動端末200の出力部250が行うアップリンク通信の通信品質の報知は、当該移動端末200の通信品質だけであってもよいし、同じフェムトセル基地局100を利用する別の移動端末200の通信品質を報知してもよい。
【0045】
次に、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100が、アップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知を、フェムトセル基地局100上で行う動作について、説明を行う。測定部120が行ったアップリンク通信における通信品質の測定結果は、通信品質信号S14として判定部125にも出力される。通信品質信号S14を受け取った判定部125は、通信品質信号S14に含まれる通信品質情報に基づいて、通信品質の改善方法の報知を行うか否かの判定を行う。この判定は、例えば、通信品質の測定に用いられたRSSIやSINRといった、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信における通信品質に関連する値と、所定レベルである所定の閾値とを比較し、通信品質に関連する値が所定の閾値を超えていれば、通信品質の改善方法の報知を行わない旨の判定を行い、通信品質に関連する値が所定の閾値以下であれば、通信品質の改善方法の報知を行う旨の判定を行う。そして、判定部125は、当該判定結果の情報を含む判定結果信号S15を、改善方法報知部140に対して出力する。また、この判定では、フェムトセル基地局100を利用する移動端末200が複数あった場合、移動端末200それぞれの通信品質について判定を行ってよい。この場合の判定結果は、どの移動端末200の判定であるかを区別して出力される。
【0046】
次に、判定部125からの判定結果信号S15を受け取った改善方法報知部140は、判定結果信号S15に含まれる判定結果が、報知を行う旨の判定であった場合、出力部150に対し、改善方法報知命令信号S16を出力する。この改善方法報知命令信号S16を受け取った出力部150は、利用者に対して、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を改善する方法を報知する。
【0047】
フェムトセル基地局100の出力部150が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、ディスプレイ等を用いた文字や図形などによる表示であってよい。図9は、フェムトセル基地局100がディスプレイ151を用いて当該アップリンク通信の通信品質を改善する方法を報知する一例である。図9では、ディスプレイ151において、アップリンク通信の通信品質が悪かった端末1について、通信品質を改善する方法が文字によって表示されている。
【0048】
また、フェムトセル基地局100の出力部150が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、スピーカー等を用いた音声案内であってよい。その場合、出力部150はスピーカー152を用いて、当該アップリンク通信の通信品質を改善する方法を音声にて利用者に報知する。このときの音声による報知においては、「端末1を利用する場所を変えてください」や「基地局に近づいて、端末1を利用してください」などといった音声案内がされてよい。
【0049】
これらの、フェムトセル基地局100の出力部150にて行われる、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、「移動端末を利用する場所を変える
」、「基地局と移動端末との間にある障害物を取り除く」、及び「基地局の設置場所を変える」などの、移動端末200とフェムトセル基地局100とが行う無線通信の通信品質が改善すると考えられる方法の案内であればよい。
【0050】
なお、フェムトセル基地局100の出力部150が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、例示したものに限らず、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質が改善する方法が、利用者に報知できるものであればよい。
【0051】
次に、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100が、アップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知を、移動端末200上で行う動作について、説明を行う。改善方法報知部140が出力する改善方法報知命令信号S16は、送受信部110にも出力される。この改善方法報知命令信号S16を受け取った送受信部110は、無線通信により、改善方法報知命令を移動端末200へと送信する。この改善方法報知命令の送信は、フェムトセル基地局100を用いて通信を行う移動端末200が複数ある場合、複数ある移動端末200それぞれに送信を行ってよい。
【0052】
次に、移動端末200の送受信部210は、アンテナ215を用いて当該改善方法報知命令を受信し、出力部250に改善方法報知命令信号S22を出力する。この改善方法報知命令信号S22を受け取った出力部250は、利用者に対して、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を改善する方法を報知する。
【0053】
移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、ディスプレイ等を用いた文字や図形などによる表示であってよい。図10は、移動端末200がディスプレイ251を用いて当該移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を改善する方法を報知する一例である。
【0054】
また、移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、スピーカー等を用いた音声案内であってよい。その場合、出力部250はスピーカー252を用いて、当該移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を改善する方法を音声にて利用者に報知する。このときの音声による報知においては、「移動端末を利用する場所を変えてください」や「基地局に近づいて、移動端末を利用してください」などといった音声案内がされてよい。
【0055】
これらの、移動端末200の出力部250にて行われる、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、「移動端末を利用する場所を変える」、「基地局との間にある障害物を取り除く」、及び「基地局の設置場所を変える」などの、移動端末200とフェムトセル基地局100とが行う無線通信の通信品質が改善すると考えられる方法の案内であればよい。
【0056】
なお、移動端末200の出力部250の行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、例示したものに限らず、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質が改善する方法が、利用者に報知できるものであればよい。また、移動端末200の出力部250が行うアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、当該移動端末200の通信品質を改善する方法だけであってもよいし、同じフェムトセル基地局100を利用する別の移動端末200の通信品質を改善する方法を報知してもよい。
【0057】
以上のように、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100によれば、移動端
末200からフェムトセル基地局100への無線通信におけるアップリンク通信の通信品質を、利用者に対して報知することができる。また、アップリンク通信の通信品質が悪い場合には、アップリンク通信の通信品質を改善するための方法も、利用者に対して報知するので、利用者は無線通信技術の知識がなくても当該改善方法の報知に従うことで、移動端末200からフェムトセル基地局100への無線通信におけるアップリンク通信の通信品質を改善することができる。したがって、移動端末200の利用者は、通信品質の改善した利便性のよい無線通信を行うことが可能である。
【0058】
また、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100を利用する移動端末200は、他の基地局を利用する他の移動端末と電波干渉が起きる場所での使用が想定されている。図11は、移動端末200と移動端末400との電波が干渉を起こす場合の一例を概略的に示したものである。図11において、他の基地局300と通信を行う他の移動端末400が、移動端末200の周囲に存在する場合、移動端末200とフェムトセル基地局100との通信電波は、他の基地局300と他の移動端末400との通信電波と電波干渉を起こし、移動端末200とフェムトセル基地局100との通信における通信品質が特に悪化するおそれがある。そういった場合、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100が、利用者に対してアップリンク通信の通信品質を報知することで、利用者は現在の通信品質を把握することができ、さらに、通信品質が悪化した場合は、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100が通信品質の改善方法を報知するので、利用者は容易に通信品質の改善を行うことが可能である。なお、ここでいう他の基地局300とは、マクロセル基地局であってもよいし、フェムトセル基地局であってもよい。
【0059】
なお、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100は、汎用的なコンピュータであってもよい。図12は、フェムトセル基地局100が汎用的なコンピュータであった場合の構成を概略的に示した図である。フェムトセル基地局100は、CPU(Central Processing Unit)160及びメモリ170を備え、メモリ170に保持されているプログラム175をCPU160が読み込み実行することで、図2で示したようなフェムトセル基地局100の諸機能を実現することができる。
【0060】
また、本発明の実施の形態では、小型基地局がフェムトセル基地局である場合を例示して説明したが、本発明においては、小型基地局はフェムトセル基地局に限るものではない。また、報知を行うアップリンク通信の通信品質は、アップリンク通信単独での報知だけではなく、非対称なアップリンク通信とダウンリンク通信との通信品質を総合的に評価し、ひとまとめにした通信品質を報知してもよい。さらに、小型基地局と通信を行う移動端末が三つの場合を例示したが、本発明で小型基地局を利用する移動端末の数を限定するものではない。
【0061】
なお、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲にとって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
1 通信システム
5 コアネットワーク
6 IPネットワーク
100 フェムトセル基地局
120 測定部
130 品質報知部
140 改善方法報知部
160 CPU
170 メモリ
175 プログラム
200 移動端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信における小型基地局、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の無線通信技術の発達により、携帯電話通信網などの無線通信ネットワークが一般に普及するようになった。しかし、こうした無線通信には、無線電波の受信状態により無線通信回線が維持できなかったり、通信品質が劣化したりするという問題点があった。そこで、電波不感エリアや、特に通信品質を確保したい場所に、個別に小型基地局を設置する通信システムの構築が検討されている。
【0003】
この通信システムにおいては、半径数十メートル程度の通話エリアを持つ小型基地局(以下、「フェムトセル基地局」と称す。)を設置し、携帯電話端末と無線通信を行う。当該通信は、フェムトセル基地局が接続する有線通信回線を用いて、携帯電話のコアネットワークに接続されるので、当該携帯電話端末は、フェムトセル基地局を介して携帯電話通信網と通信することが可能となる。
【0004】
下記特許文献1には、光通信ネットワークに接続される無線基地局を用いた通信システムが開示されている。この通信システムを用いることで、加入者宅内で使用する携帯電話からの信号は、無線基地局から光通信ネットワークを介してIP網、一般電話交換網、又は移動通信交換網等の各種ネットワークに接続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−15103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯電話端末などの移動端末を使った移動体通信では、基地局から移動端末へ通信が行われるダウンリンク通信の通信品質を、当該移動端末において利用者に通知することが行われている。しかし、この通知では、移動端末から基地局へ通信が行われるアップリンク通信の通信品質を利用者へ通知することは行われていなかった。
【0007】
従来のマクロセル基地局を用いた通信では、ダウンリンク通信の通信品質を表示すれば、ダウンリンクの品質が悪い時はアップリンクの品質が悪いことが多いため、アップリンク通信の通信品質を別途表示する必要はなかった。しかし、フェムトセル基地局を用いた通信では、ダウンリンク通信の通信品質とアップリンク通信の通信品質とは大きく異なる場合があるため、ダウンリンク通信の通信品質を通知するだけでは、利用者はアップリンク通信の通信品質を知ることはできないという問題点があった。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みて成されたものであり、移動体通信において、アップリンク通信の通信品質を利用者に報知することが可能な小型基地局、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に係る小型基地局は、移動端末との間で無線通信を行う小型基地局であって、前記移動端末から前記小型基地局への通信における通信品質を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された前記通信品質を報知する品質報知手段と、を備え
ることを特徴としている。
【0010】
第1の態様に係る小型基地局によれば、測定手段は移動端末から小型基地局への通信における通信品質を測定し、品質報知手段は当該測定により得られた通信品質の報知を行う。したがって、本発明の第1の態様に係る小型基地局を用いれば、移動端末から小型基地局への通信における通信品質を知ることができ、移動端末を使用する位置を変えるなどの通信品質を向上させる対策をとることが可能となる。
【0011】
本発明の第2の態様に係る小型基地局は、第1の態様に係る小型基地局において特に、前記小型基地局は、前記移動端末から送信された電波と、他の基地局と通信している他の移動端末から送信された電波とが干渉を生じ得る位置に配置されていることを特徴としている。
【0012】
第2の態様に係る小型基地局によれば、他の基地局と通信を行っている他の移動端末が送信する電波と、第2の態様に係る小型基地局と通信をしている移動端末から送信された電波とが干渉を生じ、移動端末から第2の態様に係る小型基地局への通信における通信品質が悪化した場合、当該通信品質を報知することで、利用者に対して通信品質の悪化を知らせることができる。したがって、第2の態様に係る小型基地局を用いれば、移動端末を使用する位置を変えるなどの通信品質を向上させる対策をとることが特に効果的な状況において、当該対策の方法を利用者に報知することが可能であるので、利用者にとって利便性のよい無線通信を提供しやすくなる。
【0013】
本発明の第3の態様に係る小型基地局は、第1又は第2の態様に係る小型基地局において特に、前記測定手段によって測定された前記通信品質が所定レベル以下である場合に、当該通信品質を改善する方法を報知する改善方法報知手段をさらに備えることを特徴としている。
【0014】
第3の態様に係る小型基地局によれば、測定手段によって測定された通信品質が所定レベル以下である場合、改善方法報知手段は、当該通信品質を改善する方法を報知する。したがって、第3の態様に係る小型基地局の利用者は、移動端末から小型基地局への通信における通信品質を知ることができるだけでなく、通信品質が悪くなった場合に当該通信品質を改善する方法を知ることができ、その改善方法を行うことで通信品質の改善された通信を利用することが可能となる。
【0015】
本発明の第4の態様に係る小型基地局は、第1から第3のいずれか一つの態様に係る小型基地局において特に、前記小型基地局は複数の前記移動端末と通信可能であり、前記品質報知手段は、前記複数の前記移動端末の各々に対応させて前記通信品質を報知することを特徴としている。
【0016】
第4の態様に係る小型基地局によれば、品質報知手段は、小型基地局が通信可能な複数の移動端末から小型基地局へのそれぞれの通信における通信品質を、それぞれ複数の移動端末の各々に対応させて報知することが可能となる。したがって、小型基地局に対し、複数の移動端末を用いて通信を行っていても、移動端末毎の通信品質を知ることができるので、移動端末を使用する位置を変えるなどの通信品質を向上させる対策を、移動端末毎にとることが可能となる。
【0017】
本発明の第5の態様に係る小型基地局は、第1から第4のいずれか一つの態様に係る小型基地局において特に、前記品質報知手段は、前記小型基地局上において前記通信品質を報知することを特徴としている。
【0018】
第5の態様に係る小型基地局によれば、品質報知手段は、移動端末から小型基地局への通信の通信品質を、当該小型基地局上において報知する。したがって、第5の態様に係る小型基地局の利用者は、小型基地局からの当該通信品質の報知を受けることで、通信を行っている移動端末を使用する位置を変えるなどの通信品質を向上させる対策をとることが可能となる。
【0019】
本発明の第6の態様に係る小型基地局は、第1から第4のいずれか一つの態様に係る小型基地局において特に、前記品質報知手段は、前記移動端末上において前記通信品質を報知することを特徴としている。
【0020】
第6の態様に係る小型基地局によれば、品質報知手段は、移動端末から小型基地局への通信の通信品質を、通信を行っている移動端末上において報知する。したがって、第6の態様に係る小型基地局の利用者は、通信を行っている移動端末から当該通信品質の報知を受けることができるので、利用中の通信の通信品質を利用している移動端末で知ることができ、通信を行っている移動端末を使用する位置を変えるなどの通信品質を向上させる対策をとることが可能となる。
【0021】
本発明の第7の態様に係るプログラムは、移動端末との間で無線通信を行う小型基地局に搭載されるコンピュータを、前記移動端末から前記小型基地局への通信における通信品質を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された前記通信品質を報知する品質報知手段と、として機能させることを特徴としている。
【0022】
第7の態様に係るプログラムによれば、移動端末との間で無線通信を行う小型基地局に搭載されるコンピュータに実行させることで、移動端末から小型基地局への通信における通信品質を測定する測定手段と、測定手段によって測定された通信品質を報知する品質報知手段と、として機能させることができる。したがって、本発明の第7の態様に係るプログラムを搭載したコンピュータを用いれば、移動端末から小型基地局への通信における通信品質を知ることができ、移動端末を使用する位置を変えるなどの通信品質を向上させる対策をとることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、移動体通信におけるアップリンク通信の通信品質を、利用者に報知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局を用いる通信システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局の構成を概略的に示したブロック図である。
【図3】移動端末の構成を概略的に示したブロック図である。
【図4】フェムトセル基地局がディスプレイを用いて文章で通信品質を報知する一例である。
【図5】フェムトセル基地局がディスプレイを用いて図形で通信品質を報知する一例である。
【図6】フェムトセル基地局がLEDを用いて通信品質を報知する一例である。
【図7】移動端末がディスプレイを用いて通信品質を報知する一例である。
【図8】移動端末がLEDを用いて通信品質を報知する一例である。
【図9】フェムトセル基地局がディスプレイを用いて通信品質を改善する方法を報知する一例である。
【図10】移動端末がディスプレイを用いて通信品質を改善する方法を報知する一例である。
【図11】移動端末と他の移動端末の電波が干渉を起こす場合の一例を概略的に示したものである。
【図12】フェムトセル基地局が汎用的なコンピュータであった場合の構成を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一または相応する要素を示すものとする。
【0026】
本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100は、移動体通信網における通信システム1に用いられる小型基地局である。図1に、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局を有する通信システム1の構成を概略的に示す図を示す。通信システム1は、コアネットワーク5、IPネットワーク6、小型基地局であるフェムトセル基地局100、及び移動端末200(200A〜200C)を有する。
【0027】
さらに、図2は、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100の構成を概略的に示したブロック図である。フェムトセル基地局100は、送受信部110、アンテナ115、測定手段である測定部120、判定部125、品質報知手段である品質報知部130、改善方法報知手段である改善方法報知部140、及び出力部150を備える。さらに、出力部150は、ディスプレイ151、スピーカー152、及びLED(Light Emitting Diode)153を有する。
【0028】
また、図3は、移動端末200の構成を概略的に示したブロック図である。移動端末200は、送受信部210、アンテナ215、及び出力部250を備える。さらに、出力部250は、ディスプレイ251、スピーカー252、LED253、及びバイブレータ254を有している。
【0029】
これらの構成を持つ通信システム1では、移動端末200とフェムトセル基地局100とが、無線電波R1を用いた非対称通信にて通信を行い、さらにフェムトセル基地局100は、通信信号S10を用いて固定通信網であるIPネットワーク6を介して、移動体通信網であるコアネットワーク5との通信を行う。よって、移動端末200は、フェムトセル基地局100を介して移動体通信網と通信を行うことができ、移動端末200は移動体通信網の端末として利用されるものである。
【0030】
次に、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100が、移動端末200からフェムトセル基地局100への通信であるアップリンク通信の通信品質の報知を、当該フェムトセル基地局100上で行う動作について、説明を行う。まず、移動端末200の送受信部210がアンテナ215を用いて送信した無線通信信号を、フェムトセル基地局100の送受信部110がアンテナ115を用いて受信したとき、送受信部110は、この移動端末200からの無線通信のアップリンク通信に関する通信情報信号S11を測定部120に出力する。この通信情報信号S11には、例えば、当該無線通信におけるRSSI(Received Signal Strength Indication)や、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)などの無線通信の品質を評価するための情報が含まれている。
【0031】
そして、測定部120は受け取った通信情報信号S11に基づいて、当該アップリンク通信の通信品質を測定する。この測定部120が行う通信品質の測定は、通信情報信号S11に含まれる、移動端末200からフェムトセル基地局100へと受信された無線電波信号のRSSIや、SINRなどを基に、通信品質を測定してもよい。さらに、測定部120は、測定した通信品質を通信品質信号S12として、品質報知部130に出力する。
また、アップリンク通信の通信品質の測定は、フェムトセル基地局100を用いて通信を行う移動端末200が複数ある場合、複数ある移動端末200それぞれとの間のアップリンク通信の通信品質を別々に測定するものである。
【0032】
測定部120からの通信品質信号S12を受け取った品質報知部130は、通信品質信号S12に含まれる移動端末200からフェムトセル基地局100への通信の通信品質の情報を基に、出力部150に品質報知命令信号S13を出力する。この品質報知命令信号S13を受け取った出力部150は、利用者に対して、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を報知する。またこのとき、フェムトセル基地局100を使用する移動端末200が複数ある場合、複数ある移動端末200それぞれのアップリンク通信の通信品質を個別に報知してもよい。(ここで、個々に通信品質の報知が行われる移動端末200において、移動端末200Aが端末1、移動端末200Bが端末2、及び移動端末200Cが端末3であるとする)
【0033】
フェムトセル基地局100の出力部150の行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、ディスプレイ等を用いた文字や図形などによる表示であってよい。図4は、フェムトセル基地局100がディスプレイ151を用いて当該アップリンク通信の通信品質を文章で報知する一例である。図4では、フェムトセル基地局100と通信をする端末1及び端末2の通信品質について文字による報知が行われている。さらに、図5は、フェムトセル基地局100がディスプレイ151を用いて当該アップリンク通信の通信品質を図形で報知する一例である。図5では、フェムトセル基地局100と通信をする端末1、端末2、及び端末3の通信品質について、携帯電話等で一般的に用いられるアンテナマークによって、アップリンク通信の通信品質を表示する場合を例示している。図5で例示したアンテナマークは、アンテナマークの図形中に表示された棒の数によって通信品質を三段階で表すものであり、図5において、ディスプレイ151に表示させている例では、端末1の通信品質は3段階中の3、端末2の通信品質は3段階の1、端末3の通信品質は3段階中の3となっており、利用者に対して、端末2の通信品質が悪いことを報知している。
【0034】
また、フェムトセル基地局100の出力部150の行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、スピーカー等を用いた音による報知であってよい。その場合、出力部150はスピーカー152を用いて、当該アップリンク通信の通信品質を音によって利用者に報知する。このときの音による報知は、「端末1の電波状況が悪化しています」や「端末1の通信品質は良です」などといった音声案内でなされてもよい。
【0035】
さらに、スピーカー152が行う、音によるアップリンク通信の通信品質の報知は音声案内に限らず、ビープ音のような発振音でなされてもよい。この発振音による報知においては、発振音の音高や発振音が鳴る周期などにより差別化をすることで、複数ある移動端末200のどの端末からのアップリンク通信であるかや、その通信品質の良し悪しを区別して報知がなされてもよい。例えば、発振音の音高が高いときは、端末1の通信品質を表し、発振音の音高が低いときは、端末2の通信品質を表す。さらに、発振音が鳴る周期が長いときは、当該端末とのアップリンク通信の通信音質は良く、発振音が鳴る周期が短いときは、当該端末とのアップリンク通信の通信音質が悪いというような、区別がされてよい。
【0036】
また、フェムトセル基地局100の出力部150の行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、LEDなどによるランプ表示であってもよい。図6は、フェムトセル基地局100がLED153を用いて当該アップリンク通信の通信品質を報知する一例である。図6では、フェムトセル基地局100と通信をする移動端末200(端末1、端末2、及び端末3)それぞれに対応したLEDを用いて、それぞれのLEDの点灯の
仕方により、利用者に対して各移動端末200からのアップリンク通信の通信品質が報知される。
【0037】
なお、フェムトセル基地局100の出力部150の行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、例示したものに限らず、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質が悪化していることを、利用者が認識できるものであればよい。
【0038】
次に、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100が、アップリンク通信の通信品質の報知を、移動端末200上で行う動作について、説明を行う。測定部120からの通信品質信号S12を受け取った品質報知部130は、さらに、送受信部110にも品質報知命令信号S13を出力する。品質報知部130からの品質報知命令信号S13を受け取った送受信部110は、無線通信により、この品質報知命令を移動端末200へと送信する。この品質報知命令の送信は、フェムトセル基地局100を用いて通信を行う移動端末200が複数ある場合、複数ある移動端末200それぞれに送信を行ってよい。
【0039】
次に、移動端末200の送受信部210は、アンテナ215を用いて当該品質報知命令を受信し、出力部250に品質報知命令信号S21を出力する。この品質報知命令信号S21を受け取った出力部250は、利用者に対して、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を報知する。
【0040】
移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、ディスプレイ等を用いた文字や図形などによる表示であってよい。図7は、移動端末200がディスプレイ251を用いて、当該移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を報知する一例である。図7では、携帯電話等で一般的に用いられるアンテナマークによって、ダウンリンク通信の通信品質と共に、アップリンク通信の通信品質を表示する場合を例示している。図7で例示したアンテナマークは、アンテナマークの図形中に表示された棒の数によって通信品質を三段階で表すものであり、図7において、ディスプレイ251に表示されている例では、移動端末200のダウンリンクの通信品質は3段階中の3、アップリンクの通信品質は3段階の2となっており、利用者に対して、移動端末200のアップリンクの通信品質がやや悪いことを報知している。
【0041】
また、移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、スピーカー等を用いた音による報知であってよい。その場合、出力部250はスピーカー252を用いて、当該移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を音によって利用者に報知する。このときの音による報知は、「電波状況が悪化しています」や「通信品質は良です」などといった音声案内がされてもよい。さらに、音によるアップリンク通信の通信品質の報知は、音声案内に限らず、ビープ音のような発振音でなされてもよい。この場合、発振音の音高や、音が鳴る周期などにより通信品質の良し悪しを区別して報知してもよい。
【0042】
また、移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、LEDなどによるランプ表示であってもよい。図8は、移動端末200がLED253を用いて当該アップリンク通信の通信品質を報知する一例である。図8による例では、LED253の点灯の仕方により、利用者に対してフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質が報知される。
【0043】
また、移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、バイブレータ等を使った振動によるものであってもよい。その場合、出力
部250はバイブレータ254を用い、当該移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を、移動端末200を振動させて利用者に報知する。このときの振動による報知においては、振動の大きさや、振動の周波数などにより通信品質の良し悪しを区別して報知してもよい。
【0044】
なお、移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質の報知は、例示したものに限らず、当該移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質が悪化していることを、利用者が認識できるものであればよい。また、移動端末200の出力部250が行うアップリンク通信の通信品質の報知は、当該移動端末200の通信品質だけであってもよいし、同じフェムトセル基地局100を利用する別の移動端末200の通信品質を報知してもよい。
【0045】
次に、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100が、アップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知を、フェムトセル基地局100上で行う動作について、説明を行う。測定部120が行ったアップリンク通信における通信品質の測定結果は、通信品質信号S14として判定部125にも出力される。通信品質信号S14を受け取った判定部125は、通信品質信号S14に含まれる通信品質情報に基づいて、通信品質の改善方法の報知を行うか否かの判定を行う。この判定は、例えば、通信品質の測定に用いられたRSSIやSINRといった、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信における通信品質に関連する値と、所定レベルである所定の閾値とを比較し、通信品質に関連する値が所定の閾値を超えていれば、通信品質の改善方法の報知を行わない旨の判定を行い、通信品質に関連する値が所定の閾値以下であれば、通信品質の改善方法の報知を行う旨の判定を行う。そして、判定部125は、当該判定結果の情報を含む判定結果信号S15を、改善方法報知部140に対して出力する。また、この判定では、フェムトセル基地局100を利用する移動端末200が複数あった場合、移動端末200それぞれの通信品質について判定を行ってよい。この場合の判定結果は、どの移動端末200の判定であるかを区別して出力される。
【0046】
次に、判定部125からの判定結果信号S15を受け取った改善方法報知部140は、判定結果信号S15に含まれる判定結果が、報知を行う旨の判定であった場合、出力部150に対し、改善方法報知命令信号S16を出力する。この改善方法報知命令信号S16を受け取った出力部150は、利用者に対して、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を改善する方法を報知する。
【0047】
フェムトセル基地局100の出力部150が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、ディスプレイ等を用いた文字や図形などによる表示であってよい。図9は、フェムトセル基地局100がディスプレイ151を用いて当該アップリンク通信の通信品質を改善する方法を報知する一例である。図9では、ディスプレイ151において、アップリンク通信の通信品質が悪かった端末1について、通信品質を改善する方法が文字によって表示されている。
【0048】
また、フェムトセル基地局100の出力部150が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、スピーカー等を用いた音声案内であってよい。その場合、出力部150はスピーカー152を用いて、当該アップリンク通信の通信品質を改善する方法を音声にて利用者に報知する。このときの音声による報知においては、「端末1を利用する場所を変えてください」や「基地局に近づいて、端末1を利用してください」などといった音声案内がされてよい。
【0049】
これらの、フェムトセル基地局100の出力部150にて行われる、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、「移動端末を利用する場所を変える
」、「基地局と移動端末との間にある障害物を取り除く」、及び「基地局の設置場所を変える」などの、移動端末200とフェムトセル基地局100とが行う無線通信の通信品質が改善すると考えられる方法の案内であればよい。
【0050】
なお、フェムトセル基地局100の出力部150が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、例示したものに限らず、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質が改善する方法が、利用者に報知できるものであればよい。
【0051】
次に、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100が、アップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知を、移動端末200上で行う動作について、説明を行う。改善方法報知部140が出力する改善方法報知命令信号S16は、送受信部110にも出力される。この改善方法報知命令信号S16を受け取った送受信部110は、無線通信により、改善方法報知命令を移動端末200へと送信する。この改善方法報知命令の送信は、フェムトセル基地局100を用いて通信を行う移動端末200が複数ある場合、複数ある移動端末200それぞれに送信を行ってよい。
【0052】
次に、移動端末200の送受信部210は、アンテナ215を用いて当該改善方法報知命令を受信し、出力部250に改善方法報知命令信号S22を出力する。この改善方法報知命令信号S22を受け取った出力部250は、利用者に対して、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を改善する方法を報知する。
【0053】
移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、ディスプレイ等を用いた文字や図形などによる表示であってよい。図10は、移動端末200がディスプレイ251を用いて当該移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を改善する方法を報知する一例である。
【0054】
また、移動端末200の出力部250が行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、スピーカー等を用いた音声案内であってよい。その場合、出力部250はスピーカー252を用いて、当該移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質を改善する方法を音声にて利用者に報知する。このときの音声による報知においては、「移動端末を利用する場所を変えてください」や「基地局に近づいて、移動端末を利用してください」などといった音声案内がされてよい。
【0055】
これらの、移動端末200の出力部250にて行われる、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、「移動端末を利用する場所を変える」、「基地局との間にある障害物を取り除く」、及び「基地局の設置場所を変える」などの、移動端末200とフェムトセル基地局100とが行う無線通信の通信品質が改善すると考えられる方法の案内であればよい。
【0056】
なお、移動端末200の出力部250の行う、利用者に対するアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、例示したものに限らず、移動端末200からフェムトセル基地局100へのアップリンク通信の通信品質が改善する方法が、利用者に報知できるものであればよい。また、移動端末200の出力部250が行うアップリンク通信の通信品質を改善する方法の報知は、当該移動端末200の通信品質を改善する方法だけであってもよいし、同じフェムトセル基地局100を利用する別の移動端末200の通信品質を改善する方法を報知してもよい。
【0057】
以上のように、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100によれば、移動端
末200からフェムトセル基地局100への無線通信におけるアップリンク通信の通信品質を、利用者に対して報知することができる。また、アップリンク通信の通信品質が悪い場合には、アップリンク通信の通信品質を改善するための方法も、利用者に対して報知するので、利用者は無線通信技術の知識がなくても当該改善方法の報知に従うことで、移動端末200からフェムトセル基地局100への無線通信におけるアップリンク通信の通信品質を改善することができる。したがって、移動端末200の利用者は、通信品質の改善した利便性のよい無線通信を行うことが可能である。
【0058】
また、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100を利用する移動端末200は、他の基地局を利用する他の移動端末と電波干渉が起きる場所での使用が想定されている。図11は、移動端末200と移動端末400との電波が干渉を起こす場合の一例を概略的に示したものである。図11において、他の基地局300と通信を行う他の移動端末400が、移動端末200の周囲に存在する場合、移動端末200とフェムトセル基地局100との通信電波は、他の基地局300と他の移動端末400との通信電波と電波干渉を起こし、移動端末200とフェムトセル基地局100との通信における通信品質が特に悪化するおそれがある。そういった場合、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100が、利用者に対してアップリンク通信の通信品質を報知することで、利用者は現在の通信品質を把握することができ、さらに、通信品質が悪化した場合は、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100が通信品質の改善方法を報知するので、利用者は容易に通信品質の改善を行うことが可能である。なお、ここでいう他の基地局300とは、マクロセル基地局であってもよいし、フェムトセル基地局であってもよい。
【0059】
なお、本発明の実施の形態に係るフェムトセル基地局100は、汎用的なコンピュータであってもよい。図12は、フェムトセル基地局100が汎用的なコンピュータであった場合の構成を概略的に示した図である。フェムトセル基地局100は、CPU(Central Processing Unit)160及びメモリ170を備え、メモリ170に保持されているプログラム175をCPU160が読み込み実行することで、図2で示したようなフェムトセル基地局100の諸機能を実現することができる。
【0060】
また、本発明の実施の形態では、小型基地局がフェムトセル基地局である場合を例示して説明したが、本発明においては、小型基地局はフェムトセル基地局に限るものではない。また、報知を行うアップリンク通信の通信品質は、アップリンク通信単独での報知だけではなく、非対称なアップリンク通信とダウンリンク通信との通信品質を総合的に評価し、ひとまとめにした通信品質を報知してもよい。さらに、小型基地局と通信を行う移動端末が三つの場合を例示したが、本発明で小型基地局を利用する移動端末の数を限定するものではない。
【0061】
なお、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲にとって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
1 通信システム
5 コアネットワーク
6 IPネットワーク
100 フェムトセル基地局
120 測定部
130 品質報知部
140 改善方法報知部
160 CPU
170 メモリ
175 プログラム
200 移動端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末との間で無線通信を行う小型基地局であって、
前記移動端末から前記小型基地局への通信における通信品質を測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定された前記通信品質を報知する品質報知手段と、
を備える、小型基地局。
【請求項2】
前記小型基地局は、前記移動端末から送信された電波と、他の基地局と通信している他の移動端末から送信された電波とが干渉を生じ得る位置に配置されている、請求項1に記載の小型基地局。
【請求項3】
前記測定手段によって測定された前記通信品質が所定レベル以下である場合に、当該通信品質を改善する方法を報知する改善方法報知手段をさらに備える、請求項1又は2に記載の小型基地局。
【請求項4】
前記小型基地局は複数の前記移動端末と通信可能であり、
前記品質報知手段は、前記複数の前記移動端末の各々に対応させて前記通信品質を報知する、請求項1から3のいずれか一つに記載の小型基地局。
【請求項5】
前記品質報知手段は、前記小型基地局上において前記通信品質を報知する、請求項1から4のいずれか一つに記載の小型基地局。
【請求項6】
前記品質報知手段は、前記移動端末上において前記通信品質を報知する、請求項1から4のいずれか一つに記載の小型基地局。
【請求項7】
移動端末との間で無線通信を行う小型基地局に搭載されるコンピュータを、
前記移動端末から前記小型基地局への通信における通信品質を測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定された前記通信品質を報知する品質報知手段と、
として機能させる、プログラム。
【請求項1】
移動端末との間で無線通信を行う小型基地局であって、
前記移動端末から前記小型基地局への通信における通信品質を測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定された前記通信品質を報知する品質報知手段と、
を備える、小型基地局。
【請求項2】
前記小型基地局は、前記移動端末から送信された電波と、他の基地局と通信している他の移動端末から送信された電波とが干渉を生じ得る位置に配置されている、請求項1に記載の小型基地局。
【請求項3】
前記測定手段によって測定された前記通信品質が所定レベル以下である場合に、当該通信品質を改善する方法を報知する改善方法報知手段をさらに備える、請求項1又は2に記載の小型基地局。
【請求項4】
前記小型基地局は複数の前記移動端末と通信可能であり、
前記品質報知手段は、前記複数の前記移動端末の各々に対応させて前記通信品質を報知する、請求項1から3のいずれか一つに記載の小型基地局。
【請求項5】
前記品質報知手段は、前記小型基地局上において前記通信品質を報知する、請求項1から4のいずれか一つに記載の小型基地局。
【請求項6】
前記品質報知手段は、前記移動端末上において前記通信品質を報知する、請求項1から4のいずれか一つに記載の小型基地局。
【請求項7】
移動端末との間で無線通信を行う小型基地局に搭載されるコンピュータを、
前記移動端末から前記小型基地局への通信における通信品質を測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定された前記通信品質を報知する品質報知手段と、
として機能させる、プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−101286(P2011−101286A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255928(P2009−255928)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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