説明

少なくとも1つの装置を制御するためのシステム及び方法

例えば、ドア、門、窓、ブラインド、シャッター、カーテン、日よけ又は光源の操作装置などの少なくとも1つの装置(2,3)を制御するためのシステム及び方法である。システムは、前記少なくとも1つの装置に関連した少なくとも1つの制御可能なユニット(10,14)と、前記少なくとも1つの制御可能なユニット(10,14)に制御信号を送信する複数のノード(12,16,19,20,22)とを備える。制御信号を送信する複数のノード(12,16,19,20,22)の少なくとも1つはコマンドオリジネータを送信するように設定、前記コマンドオリジネータは、該信号を発信している所定のタイプのノード(12,16,19,20,22)のIDを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は少なくとも1つの装置を制御するためのシステム及び方法に関わり、前記システムは前記少なくとも1つの装置に関連した少なくとも1つの制御可能なユニットと、前記少なくとも1つの制御可能なユニットに制御信号を送信する複数のノードとを備える。
【背景技術】
【0002】
例えば家庭用自動化システムのような、制御ポイント(control points)、センサ及びアクチュエータを含む制御システムにおいては、ある種の優先規則(priority rules)を設定することができるが、例えば、他のコマンドよりも優先度の高いコマンドが直ちに実行され、かつ更にそのようなコマンドがより低い優先度に設定されたコマンドの実行を、例えばある期間妨げるようにしうることを確実なものとするために、ある種の優先規則が設定される。
【0003】
通常は、そのような優先度のレベルは降順にアレンジ(配列、準備、手配)され、例えばユーザの安全確保、製品又は環境の保護、ユーザのマニュアル制御、自動快適制御(automatic comfort control)の順とする。したがって、例えば降雨センサから窓操作装置に、雨が降っているので開いた窓を閉めなくてはならないことを知らせる、すなわち環境制御レベルにおけるコマンド信号が送信され、次の温度センサからのコマンド信号は、温度が高いので例えば換気のために窓を開けることを指示する、即ち自動快適制御レベルにおけるコマンド信号である場合は、温度センサからのコマンド信号は降雨センサ信号が有効である間は優先度によって動作の実行を妨げられることになる。殆どの家庭用自動化技術は、ある優先度レベルが起動されるとそれより下位の全てのレベルがロックされるように設計されている。
【0004】
しかし、これによってユーザは制御システムに混乱し不満を抱くかもしれない。というのも、ユーザには、なぜ例えばリモートコントロールから送信したコマンド信号が実行されないのかがわかり得ないからである。例えば、風が吹いて、例えばシステム内の風速センサからの信号により風速が予め定められたレベルを超えていることを知らされているので、テラスの日よけが一番高い位置にロックされることがある。しかし、ユーザが例えば日が照っているのでリモートコントロールを使って日よけを下ろす制御をしようとした場合、ユーザはなぜ日よけが下がらないのかをわかり得ない。従ってユーザは、リモートコントロールが故障している、日よけに欠陥がある、又はシステム全体が動作不良(malfunctioning)だと考えることだろう。
【0005】
さらに制御システムは、ある環境においてある動作をブロックするように構成することができ、これは通常は好ましいものかもしれないが、あるときにはユーザの必要性と相反するものになり得る。例えば日が照っているときは、例えば家具やカーペット等を保護するためにブラインドが上げられないようにシステムをセットアップすることができる。ある場合においては、ユーザはそのような設定を覆してリモートコントロールでブラインドを上げたいと思うかもしれない。
【0006】
したがって、本発明の目的は、従来技術におけるシステムに関して改善をもたらすような制御システム及びそのようなシステムの制御方法を提供することである。
【0007】
さらに、本発明の目的は、そのような制御システム及びシステムの制御方法を提供することによってユーザがそのような状況において混乱することを回避できるようにすることである。
【0008】
また、本発明の目的は、そのような制御システム及びシステムの制御方法を提供することによって、例えば家庭用自動化システム等の制御システムの管理能力(management capability)を、例えば特定のタイプのノードからのコマンドの実行を妨げられるようにすることによって改善できるようにすることである。
【0009】
以下により詳細に説明するように、本発明はこれらおよびその他の目的を達成するものである。
【発明の開示】
【0010】
本発明は、例えば、ドア、門、窓、ブラインド、シャッター、カーテン、日よけ又は光源の操作装置などの少なくとも1つの装置を制御するシステムであって、前記少なくとも1つの装置に関連した少なくとも1つの制御可能なユニットと、前記少なくとも1つの制御可能なユニットに制御信号を送信する複数のノードとを備え、該制御信号を送信する前記複数のノードの少なくとも1つはコマンドオリジネータ(command originator、送信元、送信元情報)を送信するように設定され、前記コマンドオリジネータは、該信号を発信している所定のタイプのノードのID(identification)を含む、システムに関する。
【0011】
これにより、先のコマンド信号/制御信号が制御可能なユニットをロックしたために、例えばリモートコントロールなどのシステム内の別のノードから制御可能なユニットに送信されたコマンド信号が拒絶された場合、制御可能なユニットは前記別のノードにその原因を通知することができる。
【0012】
上記の例を考慮すると、風が吹いて、例えばシステム内の風速センサからの信号によって風速が予め定められたレベルを超えていることを通知されているので、テラスの日よけが一番高い位置にロックされていた場合で、かつ例えば日が照っているのでユーザがリモートコントロールを使って日よけを下ろす制御をしようとした場合、ユーザは、日よけからの応答信号で、例えば非実行のステータス(non-execution status)と風速センサが日よけの動作をブロックしたのでコマンドを実行することができないという表示(indication)とを含む応答確認信号(acknowledge signal)で、通知を受けることができる。
【0013】
理解されるであろうが、コマンド信号はユーザ操作のリモートコントロール以外の別のタイプのコントローラからでも送信することができるが、そのような場合にも、例えばブロックしているノード又はセンサのタイプなどに関する情報は、該コントローラに有用な情報を提供するものである。
【0014】
好ましくは、請求項2に特徴付けられるように、前記少なくとも1つの制御可能なユニットは、受信した制御信号に応じて前記コマンドオリジネータに関する情報を送信するように構成してもよく、該制御信号の実行は前の制御信号のために拒否され、該前の制御信号は該コマンドオリジネータに関連する。
【0015】
これにより、ユーザは例えばリモートコントロールから送信された制御信号が実行されなかった原因の通知を受けることができる。
【0016】
更に有利な実施形態によれば、請求項3に特徴付けられるように、拒否された制御信号を送信した前記ノードはコマンドオリジネータに関連する情報を表示する手段、例えばノードのタイプに応じた視覚信号などを含んでもよい。
【0017】
これにより、ユーザは直接的でわかりやすい方法で、例えば、リモートコントロールのディスプレイ等に表れるアイコン又はシンボルによって原因の通知を受けることができ、例えば風速センサのピクトグラムが、更には点滅したり又は別の方法でユーザの注意を引きつける。
【0018】
有利には、請求項4に特徴付けられるように、前記少なくとも1つの制御可能なユニットは、制御信号とともに受信したコマンドオリジネータに関する情報を保存するように構成してもよく、前記少なくとも1つの制御可能なユニットはさらに、対応するコマンドオリジネータを有するノードから発信される制御信号を拒絶するように構成してもよい。
【0019】
これにより、制御可能なユニットに、動作がブロックされたときに全ての制御信号を拒絶させる代わりに特定の制御信号を選択可能な方法で拒絶させることが可能となる。例えば、太陽光センサから送られた信号は実行することができるのに対して、風速センサから送られた信号は拒否することが可能となる。
【0020】
さらに上記の例に言及すると、日が照っているときは例えば家具やカーペット等を日光から保護するために例えばブラインドが上げられないようにシステムをセットアップすることができるが、ユーザが要望すればそのような状態を覆すことができる。本実施形態によれば、ユーザは例えば日よけ又はブラインドに信号を送ることができ、該信号は太陽光センサから受信した信号をブロックする必要があることをシステムに通知し、これによってたとえ日が照っていても、ユーザは要望どおりにブラインドを上げる又は日よけを収縮することが可能となる。例えば、リモートコントロールに「太陽光センサブロック」機能キーといったようなものを備え付けてもよい。
【0021】
好ましくは、請求項5に特徴付けられるように、前記少なくとも1つの制御可能なユニットは、コマンドオリジネータ情報を保存しかつ処理する手段を含んでもよい。
【0022】
有利には、請求項6に特徴付けられるように、コマンドオリジネータ情報を保存しかつ処理する前記手段は、タイマ機能手段(timer function means)を含んでもよく、これによってブロックを時間に依存して(time-dependable)行うことができる。
【0023】
本発明はまた、例えばドア、門、窓、ブラインド、シャッター、カーテン、日よけ又は光源の操作装置などの装置を操作する方法であって、該装置は制御可能なユニットに関連付けられ、前記制御可能なユニットは制御システム内の複数のノードから制御信号を受信しかつ前記制御信号に従って前記装置を動作させるように設計されている方法において、コマンドオリジネータが制御信号に割り当てられ、前記コマンドオリジネータは、該信号を発信している所定のタイプのノードのIDを含む、方法に関する。
【0024】
これにより、例えばリモートコントロールなどのシステム内の別のノードから制御可能なユニットに送られたコマンド信号が拒否又は拒絶された場合、例えば先のコマンド信号が制御可能なユニットをロックしたために該コマンド信号は動作に至らなかった場合、制御可能なユニットはその原因を前記別のノードに通知することができる。
【0025】
好ましくは、請求項8に特徴付けられるように、前記少なくとも1つの制御可能なユニットは、受信した制御信号に応じて前記コマンドオリジネータに関する情報を送信してもよく、該制御信号の実行は該コマンドオリジネータに関連した前の制御信号のために拒否される。
【0026】
これにより、ユーザは例えばリモートコントロールから送信された制御信号が実行されなかった原因の通知を受けることができる。
【0027】
請求項9に特徴付けられるような、更なる有利な実施形態によれば、コマンドオリジネータに関する情報、例えばノードのタイプに応じた視覚信号を、拒否された制御信号を送信したノードによって表示してもよい。
【0028】
これにより、ユーザは直接的でわかりやすい方法で、例えばリモートコントロールのディスプレイ等に表れるアイコン又はシンボルによって原因の通知を受けることができ、例えば風速センサのピクトグラムが更には点滅したり又は別の方法でユーザの注意を引きつける。
【0029】
有利には、請求項10に特徴付けられるように、制御信号と共に受信されたコマンドオリジネータに関する情報は、前記少なくとも1つの制御可能なユニットに保存してもよく、前記少なくとも1つの制御可能なユニットはさらに対応するコマンドオリジネータを有するノードから発信される制御信号を拒否してもよい。
【0030】
これにより、制御可能なユニットに、動作がブロックされたときに全ての制御信号を拒絶させる代わりに特定の制御信号を選択可能な方法で拒絶させることが可能となる。例えば、太陽光センサから送られた信号は実行することができるのに対して、風速センサから送られた信号は拒否することが可能となる。
【0031】
さらに、上記の例に言及すると、日が照っているときは、例えば家具やカーペット等を保護するために例えばブラインドが上げられないようにシステムをセットアップすることができるが、ユーザが要望すればそのような状況を覆すことができる。本実施形態によれば、ユーザは例えば日よけ又はブラインドに信号を送ることができ、該信号は太陽光センサから受信した信号をブロックする必要があることをシステムに通知し、これによってたとえ日が照っていても、ユーザは要望どおりにブラインドを上げる又は日よけを収縮することが可能となる。例えば、リモートコントロールに「太陽光センサブロック」機能キーといったようなものを備え付けてもよい。
【0032】
好ましくは、請求項11に特徴付けられるように、前記少なくとも1つの制御可能なユニットは、コマンドオリジネータ情報を保存しかつ処理する手段を含んでもよい。
【0033】
請求項12に特徴付けられるような、更なる有利な実施形態によれば、前記保存されたコマンドオリジネータ情報は、期間の経過時に拒絶してもよく、これにより時間に依存してブロックすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1に、本発明の実施形態による制御システムの一例である家庭用自動化システム又はその一部を示す。図において、建物、家屋等1が模式的に示されているが、窓2が位置する家屋又は部屋の一部のみを詳細に図示している。窓2には窓のアクチュエータ、操作装置又は開放装置4が備えられており、該装置は概して6で示す駆動装置と制御可能なノード5、例えば無線周波数受信機及び制御手段からなるノードとを備える。更に、窓2は日よけ3を備えていてもよく、該日よけは図示のように収縮可能であり、操作装置8によって操作されていてもよく、この操作装置8は概して9で示す駆動エンジンと制御可能なノード10、例えば無線周波数受信機及び制御手段からなるノードとを備えてよい。
【0035】
制御システムはまた、例えば風速センサ12、太陽光センサ16及び降雨センサ19などの1以上のセンサを含むことができる。このようなセンサは図示のように、例えばそれぞれ風速計13及び光度計17などのセンサ部と、例えばそれぞれ14及び18などの送信機部とを含むことができ、該送信機部は例えばRF(無線周波数)手段からなるものでもよく、あるいは有線送信(wired transmission)に基づくものであってもよい。降雨センサ19は窓2に一体化することができるが、同時にセンサ部と送信機部(図示せず)とを含んでいる。例えば温度センサ等として更なるセンサ又はコントローラを部屋の内部に設けてもよい。
【0036】
更には、制御システムは図示のように、例えば窓開放装置4及び日よけ3などの制御可能な装置を操作するための1つ以上のリモートコントロール20及び22を備えてもよい。これらのリモートコントロールは例えば同様の特性を有する同種のものであってもよいが、例えば優先度などに関して異なる特性を有する異なるものであってもよい。1つのリモートコントロール、例えばリモートコントロール20を例えばマスターコントロールとし、それに対してもう一つの、例えばリモートコントロール22をスレーブリモートコントロールとしてもよい。
【0037】
これらのリモートコントロール20及び22並びにセンサ12,16及び19とは全て、制御可能なユニット、例えば窓2及び日よけ3に関連付けられた制御可能なノード5及び10に対して、それぞれ制御信号を送信することができる。理解されるであろうが、この点においての用語「制御信号」は、センサ又はリモートコントロールなどのノードから制御可能なユニットに送信されるいかなる信号も包含するものであり、測定値等を表す信号などを含んでおり、また制御可能なユニットは例えば予め定義され又は設定された規則に従って、そのような信号に反応してもよいし、又は反応しなくてもよい。
【0038】
例えば、風速センサ12から、日よけ3に関連付けられた制御可能なユニット10に送信された信号は、風速が予め定められたレベルを超えたときに日よけをロックすることができ、例えば、日よけ3を収縮した位置に留めておくことができる。風速センサ12から送られたこのコマンド信号又は制御信号は、信号を送信した機器のタイプ、例えば「風速センサ」に関する情報を有しており、この情報は日よけ3に関連付けられた制御可能なユニット10に保存される。例えばリモートコントロール20から制御信号が送信され、日よけ3を伸展(roll out)するように命令している場合、制御可能なユニット10はその命令が風速センサによってブロックされていて、例えば応答確認(acknowledgement)などの応答信号を、風速センサが原因で動作が実行できないという情報と共にリモートコントロール20に送り返すことを決定するであろう。
【0039】
図1に示したシステムが異なる場所に設置された2以上の風速センサを有する場合、日よけの制御可能なユニット10は、ロックを引き起こしているコマンド信号は風速センサ、即ちそのタイプの制御ノードから送信されたという情報を保存するだろうが、必ずしも特定の風速センサから送信されたという情報を保存する必要はないことがわかるだろう。リモートコントロール20に送信された情報はまた、この例においては、風速センサによって動作が実行不可能だったことを明示するものである。特定の風速センサに関する情報は、ユーザになんらの有用な情報ももたらすものではない。
【0040】
さらに、コマンドオリジネータ情報を含む制御信号が制御可能なノードに送信され、その信号によって制御可能なノードが例えば動作を実行し、その後に装置をロックするとき、タイマ機能を同様に備えていてもよいことがわかるだろう。例えば、降雨センサ19からの信号によって、窓操作装置4が例えばノード5によって制御されて窓を閉めかつロックし、同時にこの動作の原因が降雨センサであるという情報を該ノードが保存する場合、タイマはノード5に降雨センサの信号が送られてから例えば10分間ロック状態を維持するようにセットアップしてもよい。
【0041】
さらに、コマンドオリジネータ情報、すなわち制御信号を送信した機器のタイプに関する情報を、コマンドを実行できるか否かを判断するために用いてもよい。
【0042】
例えば、降雨センサ19等からの制御信号が制御可能なノード10で受信され、その後に例えば日よけが収縮した位置でロックされると、その禁止(disablement)は例えばセンサまたはリモートコントロールなどのあるタイプのノードに関連するものであることを登録することができる。さらに上述のように、この禁止の登録はタイマに依存したものとしてもよい。そのような情報を提供する1つ以上の信号を制御可能なノードに送信することができ、上述するように各信号によってセットアップが行われることがわかるだろう。
【0043】
従って、ノードにおいてそのような信号を受信すると、例えば図2に示すテーブル32にエントリされるが、各行36,37,38は着信信号に対応しており、列34に示すようにその信号によって動作が禁止されている。第1の列は機器のタイプからなるが、その機器からのコマンド信号は実行することができない。例えば、「センサX」は太陽光センサであってもよく、「センサY」は降雨センサであってもよく、そして「リモートコントロール」はマスターリモートコントロールであってもよい。同様に他のタイプのコントローラも含んでよいことがわかるだろう。さらに、これらのそれぞれに対して、タイマ機能35をアクティブにしてもよく、例えばどのくらいの長さブロック状態をアクティブにしておくかを指示することができる。テーブルの全てのエントリに対して、ノードは同様に各信号を送信したオリジネータの記録も有しており、例えばテーブル32の列39に示すように、「ソース(source)オリジネータ」の記録を有することがわかるだろう。
【0044】
さらにノードは、ブロック状態にさせるものではないが例えば装置の動作にのみ関連する他の制御信号のオリジネータの記録も同様に有することができる。
【0045】
図1に示すように、そのようなテーブル32を、システム内の制御可能なノード、例えば5及び10のそれぞれに割り当ててもよい。
【0046】
そのようなノードで制御信号が受信されると、コマンドオリジネータが識別される。その制御信号が動作をロックするような性質のものである場合、最初に説明したようにコマンドオリジネータは保存される。制御信号があるタイプの機器、即ちあるオリジネータのタイプの動作のロックを開始するものである場合、テーブル32にエントリがされ、タイマ機能35がセットアップされる。さらに、その制御信号が例えば実行の必要がある動作などの機能を有している場合は、テーブルの内容を考慮してこの信号が評価されることが留意される。例えばその機能がテーブルの内容によって禁止されているものであるか検査するために評価が行われる。その機能の実行が禁止される場合は、先に説明したように、その結果に対する応答信号を例えば当該ノードに送り返す等してもよい。
【0047】
制御可能なノードにおいて制御信号が受信される度毎にテーブル32は更新され、例えばタイマ機能が期限切れになると、制御信号がテーブルの内容に関して評価される前にテーブルからエントリが削除される。
【0048】
実際上の理由で、テーブルのエントリの数には限りがあることがわかるだろう。テーブルが満杯の時にエントリされることを要求する内容を有する制御信号が受信された場合には、別の解決方法が可能となる。最も簡単な解決方法は、その制御信号を拒絶することである。しかしながら、このような状況を処理する他の方法も可能である。例えば、タイマの残り時間値が最も小さいエントリを削除する等の判断を行ってもよい。
【0049】
本発明に係るコマンドオリジネータシステムは、例えば家庭用自動化システムなどの制御システムで使用される他の処理システム及び方法と組合せてもよいことが理解されるであろう。ここでの例として、また本発明の更なる態様によれば、優先度及びレベルの管理処理を含めることができるが、これについては以下に更に詳しく説明する。
【0050】
優先度を管理するために、例えば図1に示すシステムにおいて、センサ及び制御ノードからの信号は、いくつかのレベルの優先度設定指示(priority indications)を含んでよい。そして制御可能なノードにおいてこれらの信号が受信された際に、それらは管理テーブルに登録されかつ保存され、そしてテーブル内に保存された情報に基づいて評価が行われる。この評価に基づいて、制御可能なユニットに関連付けられた装置の動作、例えば起動、停止、中止、反転等々が行われる。
【0051】
そのような管理テーブルを、上述したコマンドオリジネータシステムと組合わせて1つのテーブルにすることができるが、そのテーブルを図1に示した、例えばこの例においてはノード5及び10などの制御可能なノードのそれぞれに関連付けられたテーブル32に代わるものとしてもよい。
【0052】
そのようなテーブルの詳細を図3を参照して更に説明する。図3は制御システム内の制御可能なノード又は装置のためのこのような管理テーブル40の一例を示したものである。
【0053】
優先度レベルは通例に従って降順にアレンジしてよい。例えば以下のような順である:人体安全確保、製品又は環境の保護、ユーザによるマニュアル操作、自動快適制御。いくつかのレベルを定義してよい。例えば最高レベル0から最低レベル7に及ぶ図3の41に示すような8つのレベルであり、これらのレベルのうち、下位の4つのレベルは快適自動制御レベルに充て、レベル3及び2をユーザのマニュアル制御に充て、一方でレベル1及び0をそれぞれ製品又は環境の保護、及び人体安全確保に充ててよい。
【0054】
ノードから信号が受信されると、その信号のあるコマンドレベルの単一又は複数の優先度に関する内容により、図3に示すような管理テーブル内にエントリが保存される。ここで、各行はノードから特定の制御可能なノードに送信された信号に対応している。それぞれの制御可能なノードはこのような管理テーブルを有することがわかるだろう。各コマンドに対して、テーブルは優先度を有することができ、例えば「許可(enable)」または「禁止(disable)」であり、これによりテーブルにおける対応する設定がなされる。受信した信号がある優先度レベルに対する「許可」又は「禁止」を指定するものでなかった場合は、評価はこのレベルの信号の影響を受けないことになる。さらに、コマンド信号は期間を示していてもよく、その期間内はテーブル内にコマンドを保存しなければならない。例えばコマンドの受信から15分間である。これにより、テーブルはタイマ動作を表示する列43も含んでおり、例えば当該コマンドの総時間又はコマンドの残り時間を表示するものである。制御可能なノードはテーブル40を管理するタイマ手段を有することは明らかである。
【0055】
テーブルが設定され優先度設定指示を含む新たなコマンドが受信されると、テーブルにエントリがなされ、テーブルの評価が行われてその結果が評価行(evaluation row)45に登録される。評価を行うのに異なる規則とアルゴリズムとを用いてよい。例えば図3に示すように、各レベルにおいて、少なくとも1つの「禁止」な優先度を含んでいるとき、コマンドレベルは禁止とされていることが表示されている。テーブルを評価する別の方法としては、例えば過半数に基づいて(based on majority)評価してもよい。
【0056】
新たに着信するコマンド信号で、禁止されたレベルのコマンドを含むものは実行することができず、一方で禁止されていないレベルのコマンドは実行することができる。
【0057】
上述のように、優先度設定指示を含む新たなコマンド信号を受信する度毎に評価が行われるが、期間の経過によってコマンドがテーブルから削除されると、評価もまた再評価されてよい。さらに、テーブルの再評価は一定の間隔で実行されてもよいことがわかるだろう。
【0058】
コマンドが受信され、それがエントリされる優先度設定指示を含まず、例えば実行すべき動作のみを要求しているときは、そのようなコマンドは該当するレベルが許可されていれば実行される。
【0059】
図3に示すように、テーブル40はまた、コマンドオリジネータを表示する列46を含み、例えば図示のように、1番目のエントリはスレーブリモートコントロールから生じ、2番目のエントリは太陽光センサから生じ、3番目のエントリは降雨センサから生じたものである、ということなどを表示している。この方法において、また先に述べたように、コマンドが拒絶された場合、情報を制御ノードに送り返すことができ、この情報は所望の動作が実行されなかった理由をユーザに通知する働きをすることができる。
【0060】
この方法において、コマンドオリジネータ情報はまた、レベル及び優先度管理システムに関連した用途も見出すことができる。
【0061】
本発明は、上述しまた図面に示したような特定の例に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した本発明の範囲内で数々の変更を加えることができ、また様々な用途に用いることができることが理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明による制御システムの一例を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施形態による優先度及びコマンド管理テーブルの一例を示す図である。
【図3】本発明の更なる態様による優先度及びコマンドレベル管理テーブルの一例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えばドア、門、窓、ブラインド、シャッター、カーテン、日よけ又は光源の操作装置などの少なくとも1つの装置(2,3)を制御するシステムであって、前記少なくとも1つの装置に関連した少なくとも1つの制御可能なユニット(10,14)と、前記少なくとも1つの制御可能なユニット(10,14)に制御信号を送信する複数のノード(12,16,19,20,22)とを備えるシステムにおいて、該制御信号を送信する前記複数のノード(12,16,19,20,22)の少なくとも1つはコマンドオリジネータを送信するように構成され、前記コマンドオリジネータは、該信号を発信している所定のタイプのノード(12,16,19,20,22)のIDを含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの制御可能なユニット(10,14)は、受信した制御信号に応じて前記コマンドオリジネータに関する情報を送信するように構成され、該制御信号の実行は該コマンドオリジネータに関連した前の制御信号のために拒否される、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
拒否された制御信号を送信した前記ノード(12,16,19,20,22)はコマンドオリジネータに関連する情報を表示する手段、例えばノードのタイプに応じた視覚信号などを含む、請求項1又は2記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの制御可能なユニット(10,14)は、制御信号とともに受信したコマンドオリジネータに関する情報を保存するように構成され、前記少なくとも1つの制御可能なユニット(10,14)はさらに、対応するコマンドオリジネータを有するノード(12,16,19,20,22)から発信される制御信号を拒否するように構成される、請求項1,2又は3記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの制御可能なユニット(10,14)は、コマンドオリジネータ情報を保存しかつ処理する手段(32,40)を含む、請求項1乃至4の1項以上に記載のシステム。
【請求項6】
コマンドオリジネータ情報を保存しかつ処理する前記手段(32,40)はタイマ機能手段を含む、請求項5記載のシステム。
【請求項7】
例えばドア、門、窓、ブラインド、シャッター、カーテン、日よけ又は光源の操作装置などの装置(2,3)を操作する方法であって、該装置は制御可能なユニット(10,14)に関連付けられ、前記制御可能なユニット(10,14)は制御システム内の複数のノード(12,16,19,20,22)から制御信号を受信しかつ前記制御信号に従って前記装置を動作させるように設計されている方法において、コマンドオリジネータが制御信号に割り当てられ、前記コマンドオリジネータは、該信号を発信している所定のタイプのノード(12,16,19,20,22)のIDを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの制御可能なユニット(10,14)は、受信した制御信号に応じて前記コマンドオリジネータに関する情報を送信し、該制御信号の実行は該コマンドオリジネータに関連した前の制御信号のために拒否される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
コマンドオリジネータに関する情報、例えばノードのタイプに応じた視覚信号は、拒否された制御信号を送信したノード(12,16,19,20,22)によって表示される、請求項7又は8記載の方法。
【請求項10】
制御信号と共に受信されたコマンドオリジネータに関する情報は、前記少なくとも1つの制御可能なユニット(10,14)によって保存され、前記少なくとも1つの制御可能なユニット(10,14)はさらに対応するコマンドオリジネータを有するノード(12,16,19,20,22)から発信される制御信号を拒否するように構成されている、請求項7,8又は9記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの制御可能なユニット(10,14)は、コマンドオリジネータ情報を保存しかつ処理する手段(32,40)を含む、請求項7乃至10に記載の方法。
【請求項12】
前記保存されたコマンドオリジネータ情報は、期間の経過時に拒絶される、請求項11記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−547337(P2008−547337A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518628(P2008−518628)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【国際出願番号】PCT/DK2005/000465
【国際公開番号】WO2007/003188
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(503206086)ヴィーケーアール ホールディング エー/エス (9)
【Fターム(参考)】