局内装置、加入者装置、光通信システム、故障装置特定方法、および装置のプログラム
【課題】常時発光状態の故障装置が複数発生した場合、自動的に故障装置を特定することができなかった。
【解決手段】局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムで、1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、他の加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量が上記停止指示の送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、その停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合にはその停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定するようにする。
【解決手段】局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムで、1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、他の加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量が上記停止指示の送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、その停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合にはその停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定するようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばPON(Passive Optical Network)システムなど、局内装置(OLT;Optical Line Terminator)に、複数の加入者装置(ONU;Optical Network Unit)が接続されて構成されるポイントツーマルチポイントの光通信システムに用いられる局内装置、加入者装置、光通信システム、故障装置特定方法、および装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、PONシステムは、OLTに、Optical Splitterを介して複数のONUが接続されて構成される。
各ONUから出力される上り方向の光信号の波長には同一波長が使用されるため、OLTは、DBA(Dynamic Bandwidth Allocation)スケジューラにより上り方向のトラヒックのスケジューリングを行い、各ONUへ送信許可を与える。このことにより、各ONUからの送信データが、複数のONUにより共有される光伝送路で衝突しないようにしている。
【0003】
また、光通信システムで、アイドル時にONUから送信されるアイドルパターンの継続時間が規格に定められた規定値より長く、論理接続が1つだけ確立している場合に、その接続されているONUを異常と判定するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、光通信システムで、ONUからの定期レスポンスがなくなった場合、接続されたONUを2つのグループに分けてそれぞれに消光コマンドを送信し、今まで継続して受信されていた光信号が消滅する、または他のONUからの定期レスポンスが返信されることで、故障している1台のONUを特定するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−28451号公報
【特許文献2】特開2004−112746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、同一光ファイバーに接続された複数のONUの中で、あるONUが故障により常に光を出力する状態(常時発光モード)におちいった場合、他のONUが送出する光信号と衝突するため、他のユーザへのサービスに影響を与え、最悪は他のユーザへのサービスが停止にいたるという問題が発生する。
【0007】
こうした常時発光モードの故障ONUが発生した場合、その故障ONUを特定するためには、同一光ファイバーに接続された全ユーザ宅へ保守員を派遣し、センタ−側の保守員と連絡をとり、ONUの1台ずつについて電源を落としていくことにより、障害ONUを特定する作業が必要となっていた。
このため、故障装置特定までに時間がかかり、サービス復旧までに時間を要し、また保守員の現地派遣などによる保守費用がかかるという問題があった。
【0008】
また、上述した特許文献1のものは、常時発光状態の故障ONUが1台だけの場合に特定しようとするものであり、常時発光状態の故障ONUが複数存在する場合についてまで考慮されたものではなかった。すなわち、常時発光状態の故障ONUが複数存在した場合、その故障ONUを含むすべてのONUのリンクが不安定な(リンクが確立しない)状態となるため、故障ONUを特定することが困難となっていた。
【0009】
また、上述した特許文献2のものは、ONUが応答しないような故障モードを想定したものであり、例えばONUの信号処理部や光送信部の故障により、ONUは応答しているが常時発光モードとなる故障状態についてまで考慮されたものではなかった。
また、2つのグループに分けて消光コマンドを送信していくため、常時発光状態の故障ONUが複数存在し、両方のグループに存在する場合には故障ONUの特定ができない虞があった。
【0010】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、常時発光状態の故障装置が複数発生した場合であっても、自動的に故障装置を特定することができる局内装置、加入者装置、光通信システム、故障装置特定方法、および装置のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するために、本発明に係る局内装置は、局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムに用いられる局内装置であって、上記加入者装置からの受光光量を測定する測定手段と、上記加入者装置に光出力停止指示を送信する停止指示手段と、上記停止指示手段により1つの加入者装置に停止指示を送信させ、他の加入者装置の受光光量を上記測定手段により測定させ、当該測定された受光光量が上記停止指示手段による停止指示送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、該停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合には該停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定する故障装置特定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る加入者装置は、規格に定められた手順により割り当てられる規格IDと、MAC(Media Access Control)アドレスに関連付けて割り当てられた固定IDとの設定を受け、測定用の信号送出要求を上記固定IDにより受信した場合、所定の測定用パターンを送出するパターン送出手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る光通信システムは、上述した本発明に係る局内装置に、上述した本発明に係る加入者装置の複数が光分岐手段を介して接続されて構成されたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る故障装置特定方法は、局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムにおける故障装置特定方法であって、1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、他の加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量が上記停止指示の送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、該停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合には該停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定する故障装置特定工程を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る局内装置のプログラムは、局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムに用いられる局内装置のプログラムであって、1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、他の加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量が上記停止指示の送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、該停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合には該停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定する故障装置特定手順を上記局内装置のコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、常時発光状態の故障装置が複数発生した場合であっても、自動的に故障装置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態としてのPONシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態としての動作を概略的に示すフローチャートである。
【図3】Discoveryプロセスを示すシーケンス図である。
【図4】Static LLIDの割り付け例を示す図である。
【図5】本実施形態による正常性確認動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態による正常性確認を説明する図である。
【図7】本実施形態による常時発光ONU特定動作を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態による常時発光ONU特定動作を説明する図である。
【図9】Static LLIDの割り付け具体例を示す図である。
【図10】本実施形態による正常性確認での正常状態具体例を示す図である。
【図11】本実施形態による正常性確認での故障発生状態具体例を示す図である。
【図12】本実施形態による常時発光ONU特定動作1の具体例を示す図である。
【図13】本実施形態による常時発光ONU特定動作2の具体例を示す図である。
【図14】本実施形態による常時発光ONU特定動作3の具体例を示す図である。
【図15】本実施形態による常時発光ONU特定動作4の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る局内装置、加入者装置、光通信システム、故障装置特定方法、および装置のプログラムを、PONシステムに適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
まず、本実施形態の概略について説明する。
本実施形態は、PONシステムにおける局社側に設置されたOLT装置にて、規格に定められた処理(IEEE802.3ahで定義)で確立した論理的なリンクとは異なる予め固定的に割り付けられたリンクを使用することで、複数台のONUが同時に常時発行状態に陥った場合であっても、同一PON回線配下に接続された各ONUが光出力するタイミングで、各ONUの光出力パワーをモニタすることを可能とする。
【0020】
本実施形態では、こうして測定された各ONUの光出力パワーを正常な状態時のパワーと比較することで、常時発光状態に陥った故障ONUを特定することを可能とする。また、故障を特定されたONUはOLTより遠隔制御により停止させることでシステムより排除し、サービスの継続を可能とする。
【0021】
次に、本実施形態としてのPONシステムの構成について、図1を参照して説明する。
本実施形態としてのPONシステムは、図1に示すように、センター側に設置されるOLT101が、1芯光ファイバなどによる光伝送路102、Optical Splitter103(光分岐手段)を介して、複数のONU104を収容して構成される。
各ONU104は、エンドユーザ端末105からの信号を光信号に変換してOLT101との間で送受信を行う。
【0022】
次に、本実施形態による動作の概略について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0023】
ONU起動時には、IEEE802.3ahに規定されているDiscoveryプロセスが行われ、ONU104とOLT101間でハンドシェークが行われ、起動したONU104のMACアドレスに対してDynamic LLIDの割り付けが行われ、論理的なリンクが確立される。
【0024】
このDiscoveryプロセスによって確立される論理的なリンクは、ONUの電源OFF、光ファイバー断、外部からの障害(常時発光など)などにより、一度リンクが切断されると、再度、Discoveryプロセスにより論理的なリンクを確立する必要がある。このDiscoveryプロセスにより割り付けられるLLIDを、以降Dynamic LLID(規格ID)と呼ぶことにする。
【0025】
また、本実施形態では、DiscoveryプロセスでのLLIDの割り付けとは別に、固定的なLLID(以下、Static LLID;固定ID)の割り付けを予め行う(ステップS1)。
【0026】
OLT101は、各ONU104の設置の際に、そのONUから受信される受信信号における光出力パワー(受光光量)を初期値として測定する。OLT101は、この光出力パワーの初期値を、そのONU104における光出力パワーの基準値として、そのONU104の特定情報(例えばMACアドレス、Static LLIDなど)に関連付けて格納する(ステップS2)。
【0027】
OLT101は、このStatic LLIDにより、各ONU104に対して予め定められた周期毎に正常性確認動作を行う(ステップS3)。常時発光モードの故障ONUが存在すると検出された場合(ステップS4;Yes)、常時発光ONUの特定動作を行う(ステップS5)。
【0028】
次に、本実施形態による各動作の詳細について、図面を参照して説明する。
【0029】
<1> DiscoveryプロセスによるLLID(Logical Link Identification)の割り当て
各ONU104から出力される上り方向の光信号には、同一波長が使用されるため、本実施形態としてのPONシステムでは、各ONUから出力される上り方向の光信号の衝突を避けるために、次のような手順をとる。
【0030】
ONUが起動すると、図3に示すように、IEEE802.3ahに規定されているDiscoveryプロセスが行われる。
【0031】
まず、OLT101は、ONU104からのリンク登録要求を受け付けるため、Discovery Gateを送信する(ステップS11)。ONU104は、Discovery Gateを受信すると、リンク登録要求を送信する(ステップS12)。
【0032】
OLT101は、リンク登録要求を受信すると、ONUのMACアドレスに割り付けるLLID(Dynamic LLID)を決定し、ONU104に送信する(ステップS13)。
【0033】
ONU104は、割り付けられたDynamic LLIDを認識し、装置内の記憶部(不図示)に保存する。
【0034】
OLT101は、割り付けたDynamic LLIDに対して送信許可信号を送信する(ステップS14)。ONU104は、割り付けられたDynamic LLIDを正常に認識し、保存したことをOLT101に通知する(ステップS15)。
OLT101は、ONUからの応答を受信し、論理的なリンクが確立される(ステップS16)。
【0035】
こうして論理的なリンクが確立されると、以降、ONU104は、最大50ms周期でリンクの正常性確認のためのフレーム(Report)を送信する(ステップS17)。OLT101は、1秒以上の間、Reportフレームの受信が無かった場合に、リンクを未確立状態とする。
【0036】
<2> 固定的なLLIDの割り付け(図2ステップS1)
本実施形態では、図4に示すように、Discoveryプロセスで割り付けるDynamic LLIDとは別に、Static LLIDを予め割り付け、OLT101及びONU104に設定する。
【0037】
OLT101の配下に接続される各ONUのMACアドレスは通常分かっているため、このMACアドレスとStatic LLIDとを1対1に関連付け、そのマッピングをONU104設置の際などに予め決めておく。このマッピングをOLT101及びONU104に設定し、それぞれの記憶部(不図示)に記憶させておく。
【0038】
<3> LLID単位でのDBAによるトラヒックのスケジューリング
OLT101に実装されたDBAスケジューラにより、OLT101は、各LLID(Dynamic LLID、Static LLID)に対して発光許可時刻のスケジューリングを行い、決定した発光許可時刻を各ONUへ通知する。そして、各ONU104は、OLT101より通知された時刻に従い光出力を行う。
この発光許可時間の割り当てやスケジューリングでは、OLT101が、公知のDBAによるスケジューリングをDynamic LLID、Static LLIDそれぞれについて行う。Static LLIDに対しては、予め定められた時間毎に周期的に行うようスケジューリングする。
【0039】
ここで、本実施形態では、Dynamic LLIDとStatic LLIDの使い分けとして、ユーザトラヒックに対しては、Dynamic LLIDを使用し、Static LLIDは常時発光ONUを検出するためのパワーモニタ用のLLIDとして使用することとする。
【0040】
<4> Static LLIDに対する光出力パワー測定による正常性確認(図2ステップS3)
本実施形態では、図5、図6に示すように、各ONUのStatic LLIDに対して周期的に光出力パワーを測定する(ステップS21)。
【0041】
光出力パワーの測定の際には、OLTが測定用の信号送出要求をStatic LLIDによりONUに送信し、そのStatic LLIDを割り付けられたONUが、所定の測定用パターンを送出する。OLTは、その測定用パターンに対して光出力パワーを測定し、そのONUの特定情報に関連付けて格納する。
【0042】
こうして測定された各ONU−i(104−1,104−2,・・・,104−n)についての測定値と、図2ステップS2で基準値としてOLTに格納された光出力パワーの初期値とを、各ONUについて比較する(ステップS22)。
【0043】
この比較により、図6に例示するように、各ONUに対する測定結果が局設置時の初期値に対して変動がなければ(変動が所定の閾値未満であれば)正常と判定する(ステップS23)。
一方、この測定結果との比較により、局設置時の初期値に比べて所定の閾値以上大きい値になっているONUが存在した場合、常時発光モードの故障ONUが存在すると判定する(ステップS24)。
【0044】
なお、<4>の正常性確認動作を行う光出力パワーの測定周期は、例えば1分に1回や1時間に1回など、予め設定された周期であれば任意の期間毎であってよい。このように、ユーザトラヒックの帯域(データ通信量)を圧迫しない程度に測定周期を設定することで、ユーザトラヒックに影響を与えないように本実施形態による正常性確認動作を行うことができる。
【0045】
<5> 常時発光故障ONUの特定方法(図2ステップS5)
上述した<4>の正常性確認動作の結果、常時発光状態の故障ONUが存在することが判明した場合の故障ONU特定動作について、図7を参照して説明する。
【0046】
OLTは、まずONU1(104−1)に対し光出力の停止制御を行う(ステップS31)。この状態で図8に示すように、他の各ONUの光出力パワーを測定し、その測定値と、ONU1の光出力停止制御を行う前の測定値とを比較する(ステップS32)。
この光出力停止制御を行う前の測定値は、<4>の正常性確認動作による周期的な光出力パワー測定における直前の測定値を、測定対象のONUの特定情報に関連付けて記憶手段に格納して用いてもよく、ONU設置の際に基準値として格納された初期値を用いてもよい。
【0047】
こうしてステップS32での比較を行うことにより、もしONU1に光出力停止制御を行った状態での他のONUの測定値が、光出力停止制御を行う前の測定値によりも所定の閾値以上低いレベルになっていれば、ONU1が常時発光状態のONUとして特定されることとなる(ステップS34)。
【0048】
ステップS32での比較により、他の各ONUの測定値が、光出力停止制御を行う前の測定値に比べて変化していない(変化が所定の閾値未満である)場合、ONU1は常時発光状態のONUでないと判定され、光出力停止制御を解除される(ステップS33)。
以降同様の手順でONU2(104−2)以降の各ONU−iに対して、常時発光モードの故障状態であるかどうかを判別する。
【0049】
また、OLTは、故障状態と特定されたONUを遠隔制御により停止させることでシステムより排除し、サービスの継続を可能とする。
【0050】
通常、常時発光状態のONUが存在すると光信号の衝突により、光信号によるデータの送受信が困難となり、光出力停止制御や解除などの制御が不能となる虞があるが、本実施形態ではStatic LLIDを使用することで、それらの制御を可能としている。
【0051】
次に、本実施形態としてのPONシステムによる常時発光ONUの特定動作について、図9〜図15に示す具体例を用いて詳細に説明する。
この具体例では、OLTに4台のONU(ONU1、ONU2、ONU3、ONU4)が接続されており、ONU1とONU4とが常時発光モードの故障になっていることとして説明する。
【0052】
ONU1、ONU2、ONU3、ONU4それぞれには、図9に例示するように、予めStatic LLIDがMACアドレスに関連付けられて割り当てられ、OLTおよびONUそれぞれの記憶部に記憶される。
【0053】
OLTは、図10に示すように、各ONU設置の際に光出力パワーを測定し、各Static LLIDに対する光出力パワーの基準値を確定させる。図10の例では、ONU1=0.5mW、ONU2=1.0mW、ONU3=0.3mW、ONU4=0.1mWとしている。
以降、上述した正常性確認動作を周期的に行う際、各Static LLIDに対する光出力パワーがこの基準値であれば、常時発光状態のONUは存在しないことになる。
【0054】
ここで、ある時点より、ONU1とONU4が常時発光状態に陥り、各Static LLIDに対する光出力パワーが図11のように変わったとする。
この場合、OLTは、周期的な正常性確認動作の際に、基準値よりも常時発光ONUの光出力パワー分上乗せされた値が測定されるONUが存在することにより、常時発光モードの故障ONUが発生したことを検出する。
【0055】
常時発光ONUの存在が検出されると、OLTは常時発光ONUの検出動作に移行する。まず、OLTは、ONU1の光出力を強制停止させ、他のStatic LLIDに対する光出力パワーを測定する。測定の結果、図12のように、ONU1を強制停止させる前よりも他のONUの測定値が下がったことにより、ONU1が常時発光故障であると特定できる。この場合、OLTは、ONU1に対して光出力を強制停止させたままとすることで、システム運用から排除する。
【0056】
次に、OLTは、ONU2の光出力を強制停止させ、他のStatic LLIDに対する光出力パワーを測定する。測定の結果、図13のように、他のONUの測定値がONU2を強制停止させる前と変わらないことにより、ONU2が正常なONUであると特定できる。この場合、OLTは、ONU2に対して光出力の強制停止を解除する指示を送信する。
【0057】
次に、OLTは、ONU3の光出力を強制停止させ、他のStatic LLIDに対する光出力パワーを測定する。測定の結果、図14のように、他のONUの測定値がONU3を強制停止させる前と変わらないことにより、ONU3が正常なONUであると特定できる。この場合、OLTは、ONU3に対して光出力の強制停止を解除する指示を送信する。
【0058】
次に、OLTは、ONU4の光出力を強制停止させ、他のStatic LLIDに対する光出力パワーを測定する。測定の結果、図15のように、ONU4を強制停止させる前よりも他のONUの測定値が下がったことにより、ONU4が常時発光故障であると特定できる。この場合、OLTは、ONU4に対して光出力を強制停止させたままとすることで、システム運用から排除する。
【0059】
以上のようにして、OLTは、ONU1とONU4が常時発光モードの故障であると特定できる。また、故障装置と特定されたONUをOLTより遠隔制御で停止させることにより、システムより排除でき、サービスを継続させることができる。
【0060】
以上のように、上述した本実施形態としての常時発光障害の自動検出方式によれば、以下の効果が得られる。
【0061】
同一PON回線配下において複数台の常時発光状態の故障ONUが発生した場合であっても、ONUを1台ずつ光出力停止させてチェックするため、故障ONUを自動的に特定することができる。
【0062】
また、故障ONUを特定した後、OLTより遠隔で光出力停止の制御を行うことができる。
【0063】
また、常時発光状態の故障ONUを特定するために、同一ファイバーに接続された全ユーザ宅へ保守員を派遣し、センタ−側の保守員と連絡をとり、1台ずつ電源を落とすことにより故障ONUを特定するといった手間が不要となる。このため、こうした手間による保守費用を抑えることができる。
【0064】
また、故障ONUを特定するための時間を短縮できるため、サービス停止時間を短縮することができる。
【0065】
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
【0066】
例えば、上述した実施形態としてのOLTを実現するための処理手順をプログラムとして記録媒体に記録することにより、本発明の実施形態による上述した各機能を、その記録媒体から供給されるプログラムによって、装置を構成するコンピュータのCPUに処理を行わせて実現させることができる。
この場合、上記の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
すなわち、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体および該記録媒体から読み出された信号は本発明を構成することになる。
この記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROM等を用いてよい。
【0067】
この本発明に係るプログラムによれば、当該プログラムによって制御されるOLTに、上述した実施形態における各機能を実現させることができる。
【符号の説明】
【0068】
101 OLT(局内装置)
102 光伝送路
103 Optical Splitter(光分岐手段)
104 ONU(加入者装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばPON(Passive Optical Network)システムなど、局内装置(OLT;Optical Line Terminator)に、複数の加入者装置(ONU;Optical Network Unit)が接続されて構成されるポイントツーマルチポイントの光通信システムに用いられる局内装置、加入者装置、光通信システム、故障装置特定方法、および装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、PONシステムは、OLTに、Optical Splitterを介して複数のONUが接続されて構成される。
各ONUから出力される上り方向の光信号の波長には同一波長が使用されるため、OLTは、DBA(Dynamic Bandwidth Allocation)スケジューラにより上り方向のトラヒックのスケジューリングを行い、各ONUへ送信許可を与える。このことにより、各ONUからの送信データが、複数のONUにより共有される光伝送路で衝突しないようにしている。
【0003】
また、光通信システムで、アイドル時にONUから送信されるアイドルパターンの継続時間が規格に定められた規定値より長く、論理接続が1つだけ確立している場合に、その接続されているONUを異常と判定するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、光通信システムで、ONUからの定期レスポンスがなくなった場合、接続されたONUを2つのグループに分けてそれぞれに消光コマンドを送信し、今まで継続して受信されていた光信号が消滅する、または他のONUからの定期レスポンスが返信されることで、故障している1台のONUを特定するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−28451号公報
【特許文献2】特開2004−112746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、同一光ファイバーに接続された複数のONUの中で、あるONUが故障により常に光を出力する状態(常時発光モード)におちいった場合、他のONUが送出する光信号と衝突するため、他のユーザへのサービスに影響を与え、最悪は他のユーザへのサービスが停止にいたるという問題が発生する。
【0007】
こうした常時発光モードの故障ONUが発生した場合、その故障ONUを特定するためには、同一光ファイバーに接続された全ユーザ宅へ保守員を派遣し、センタ−側の保守員と連絡をとり、ONUの1台ずつについて電源を落としていくことにより、障害ONUを特定する作業が必要となっていた。
このため、故障装置特定までに時間がかかり、サービス復旧までに時間を要し、また保守員の現地派遣などによる保守費用がかかるという問題があった。
【0008】
また、上述した特許文献1のものは、常時発光状態の故障ONUが1台だけの場合に特定しようとするものであり、常時発光状態の故障ONUが複数存在する場合についてまで考慮されたものではなかった。すなわち、常時発光状態の故障ONUが複数存在した場合、その故障ONUを含むすべてのONUのリンクが不安定な(リンクが確立しない)状態となるため、故障ONUを特定することが困難となっていた。
【0009】
また、上述した特許文献2のものは、ONUが応答しないような故障モードを想定したものであり、例えばONUの信号処理部や光送信部の故障により、ONUは応答しているが常時発光モードとなる故障状態についてまで考慮されたものではなかった。
また、2つのグループに分けて消光コマンドを送信していくため、常時発光状態の故障ONUが複数存在し、両方のグループに存在する場合には故障ONUの特定ができない虞があった。
【0010】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、常時発光状態の故障装置が複数発生した場合であっても、自動的に故障装置を特定することができる局内装置、加入者装置、光通信システム、故障装置特定方法、および装置のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するために、本発明に係る局内装置は、局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムに用いられる局内装置であって、上記加入者装置からの受光光量を測定する測定手段と、上記加入者装置に光出力停止指示を送信する停止指示手段と、上記停止指示手段により1つの加入者装置に停止指示を送信させ、他の加入者装置の受光光量を上記測定手段により測定させ、当該測定された受光光量が上記停止指示手段による停止指示送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、該停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合には該停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定する故障装置特定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る加入者装置は、規格に定められた手順により割り当てられる規格IDと、MAC(Media Access Control)アドレスに関連付けて割り当てられた固定IDとの設定を受け、測定用の信号送出要求を上記固定IDにより受信した場合、所定の測定用パターンを送出するパターン送出手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る光通信システムは、上述した本発明に係る局内装置に、上述した本発明に係る加入者装置の複数が光分岐手段を介して接続されて構成されたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る故障装置特定方法は、局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムにおける故障装置特定方法であって、1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、他の加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量が上記停止指示の送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、該停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合には該停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定する故障装置特定工程を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る局内装置のプログラムは、局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムに用いられる局内装置のプログラムであって、1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、他の加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量が上記停止指示の送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、該停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合には該停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定する故障装置特定手順を上記局内装置のコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、常時発光状態の故障装置が複数発生した場合であっても、自動的に故障装置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態としてのPONシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態としての動作を概略的に示すフローチャートである。
【図3】Discoveryプロセスを示すシーケンス図である。
【図4】Static LLIDの割り付け例を示す図である。
【図5】本実施形態による正常性確認動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態による正常性確認を説明する図である。
【図7】本実施形態による常時発光ONU特定動作を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態による常時発光ONU特定動作を説明する図である。
【図9】Static LLIDの割り付け具体例を示す図である。
【図10】本実施形態による正常性確認での正常状態具体例を示す図である。
【図11】本実施形態による正常性確認での故障発生状態具体例を示す図である。
【図12】本実施形態による常時発光ONU特定動作1の具体例を示す図である。
【図13】本実施形態による常時発光ONU特定動作2の具体例を示す図である。
【図14】本実施形態による常時発光ONU特定動作3の具体例を示す図である。
【図15】本実施形態による常時発光ONU特定動作4の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る局内装置、加入者装置、光通信システム、故障装置特定方法、および装置のプログラムを、PONシステムに適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
まず、本実施形態の概略について説明する。
本実施形態は、PONシステムにおける局社側に設置されたOLT装置にて、規格に定められた処理(IEEE802.3ahで定義)で確立した論理的なリンクとは異なる予め固定的に割り付けられたリンクを使用することで、複数台のONUが同時に常時発行状態に陥った場合であっても、同一PON回線配下に接続された各ONUが光出力するタイミングで、各ONUの光出力パワーをモニタすることを可能とする。
【0020】
本実施形態では、こうして測定された各ONUの光出力パワーを正常な状態時のパワーと比較することで、常時発光状態に陥った故障ONUを特定することを可能とする。また、故障を特定されたONUはOLTより遠隔制御により停止させることでシステムより排除し、サービスの継続を可能とする。
【0021】
次に、本実施形態としてのPONシステムの構成について、図1を参照して説明する。
本実施形態としてのPONシステムは、図1に示すように、センター側に設置されるOLT101が、1芯光ファイバなどによる光伝送路102、Optical Splitter103(光分岐手段)を介して、複数のONU104を収容して構成される。
各ONU104は、エンドユーザ端末105からの信号を光信号に変換してOLT101との間で送受信を行う。
【0022】
次に、本実施形態による動作の概略について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0023】
ONU起動時には、IEEE802.3ahに規定されているDiscoveryプロセスが行われ、ONU104とOLT101間でハンドシェークが行われ、起動したONU104のMACアドレスに対してDynamic LLIDの割り付けが行われ、論理的なリンクが確立される。
【0024】
このDiscoveryプロセスによって確立される論理的なリンクは、ONUの電源OFF、光ファイバー断、外部からの障害(常時発光など)などにより、一度リンクが切断されると、再度、Discoveryプロセスにより論理的なリンクを確立する必要がある。このDiscoveryプロセスにより割り付けられるLLIDを、以降Dynamic LLID(規格ID)と呼ぶことにする。
【0025】
また、本実施形態では、DiscoveryプロセスでのLLIDの割り付けとは別に、固定的なLLID(以下、Static LLID;固定ID)の割り付けを予め行う(ステップS1)。
【0026】
OLT101は、各ONU104の設置の際に、そのONUから受信される受信信号における光出力パワー(受光光量)を初期値として測定する。OLT101は、この光出力パワーの初期値を、そのONU104における光出力パワーの基準値として、そのONU104の特定情報(例えばMACアドレス、Static LLIDなど)に関連付けて格納する(ステップS2)。
【0027】
OLT101は、このStatic LLIDにより、各ONU104に対して予め定められた周期毎に正常性確認動作を行う(ステップS3)。常時発光モードの故障ONUが存在すると検出された場合(ステップS4;Yes)、常時発光ONUの特定動作を行う(ステップS5)。
【0028】
次に、本実施形態による各動作の詳細について、図面を参照して説明する。
【0029】
<1> DiscoveryプロセスによるLLID(Logical Link Identification)の割り当て
各ONU104から出力される上り方向の光信号には、同一波長が使用されるため、本実施形態としてのPONシステムでは、各ONUから出力される上り方向の光信号の衝突を避けるために、次のような手順をとる。
【0030】
ONUが起動すると、図3に示すように、IEEE802.3ahに規定されているDiscoveryプロセスが行われる。
【0031】
まず、OLT101は、ONU104からのリンク登録要求を受け付けるため、Discovery Gateを送信する(ステップS11)。ONU104は、Discovery Gateを受信すると、リンク登録要求を送信する(ステップS12)。
【0032】
OLT101は、リンク登録要求を受信すると、ONUのMACアドレスに割り付けるLLID(Dynamic LLID)を決定し、ONU104に送信する(ステップS13)。
【0033】
ONU104は、割り付けられたDynamic LLIDを認識し、装置内の記憶部(不図示)に保存する。
【0034】
OLT101は、割り付けたDynamic LLIDに対して送信許可信号を送信する(ステップS14)。ONU104は、割り付けられたDynamic LLIDを正常に認識し、保存したことをOLT101に通知する(ステップS15)。
OLT101は、ONUからの応答を受信し、論理的なリンクが確立される(ステップS16)。
【0035】
こうして論理的なリンクが確立されると、以降、ONU104は、最大50ms周期でリンクの正常性確認のためのフレーム(Report)を送信する(ステップS17)。OLT101は、1秒以上の間、Reportフレームの受信が無かった場合に、リンクを未確立状態とする。
【0036】
<2> 固定的なLLIDの割り付け(図2ステップS1)
本実施形態では、図4に示すように、Discoveryプロセスで割り付けるDynamic LLIDとは別に、Static LLIDを予め割り付け、OLT101及びONU104に設定する。
【0037】
OLT101の配下に接続される各ONUのMACアドレスは通常分かっているため、このMACアドレスとStatic LLIDとを1対1に関連付け、そのマッピングをONU104設置の際などに予め決めておく。このマッピングをOLT101及びONU104に設定し、それぞれの記憶部(不図示)に記憶させておく。
【0038】
<3> LLID単位でのDBAによるトラヒックのスケジューリング
OLT101に実装されたDBAスケジューラにより、OLT101は、各LLID(Dynamic LLID、Static LLID)に対して発光許可時刻のスケジューリングを行い、決定した発光許可時刻を各ONUへ通知する。そして、各ONU104は、OLT101より通知された時刻に従い光出力を行う。
この発光許可時間の割り当てやスケジューリングでは、OLT101が、公知のDBAによるスケジューリングをDynamic LLID、Static LLIDそれぞれについて行う。Static LLIDに対しては、予め定められた時間毎に周期的に行うようスケジューリングする。
【0039】
ここで、本実施形態では、Dynamic LLIDとStatic LLIDの使い分けとして、ユーザトラヒックに対しては、Dynamic LLIDを使用し、Static LLIDは常時発光ONUを検出するためのパワーモニタ用のLLIDとして使用することとする。
【0040】
<4> Static LLIDに対する光出力パワー測定による正常性確認(図2ステップS3)
本実施形態では、図5、図6に示すように、各ONUのStatic LLIDに対して周期的に光出力パワーを測定する(ステップS21)。
【0041】
光出力パワーの測定の際には、OLTが測定用の信号送出要求をStatic LLIDによりONUに送信し、そのStatic LLIDを割り付けられたONUが、所定の測定用パターンを送出する。OLTは、その測定用パターンに対して光出力パワーを測定し、そのONUの特定情報に関連付けて格納する。
【0042】
こうして測定された各ONU−i(104−1,104−2,・・・,104−n)についての測定値と、図2ステップS2で基準値としてOLTに格納された光出力パワーの初期値とを、各ONUについて比較する(ステップS22)。
【0043】
この比較により、図6に例示するように、各ONUに対する測定結果が局設置時の初期値に対して変動がなければ(変動が所定の閾値未満であれば)正常と判定する(ステップS23)。
一方、この測定結果との比較により、局設置時の初期値に比べて所定の閾値以上大きい値になっているONUが存在した場合、常時発光モードの故障ONUが存在すると判定する(ステップS24)。
【0044】
なお、<4>の正常性確認動作を行う光出力パワーの測定周期は、例えば1分に1回や1時間に1回など、予め設定された周期であれば任意の期間毎であってよい。このように、ユーザトラヒックの帯域(データ通信量)を圧迫しない程度に測定周期を設定することで、ユーザトラヒックに影響を与えないように本実施形態による正常性確認動作を行うことができる。
【0045】
<5> 常時発光故障ONUの特定方法(図2ステップS5)
上述した<4>の正常性確認動作の結果、常時発光状態の故障ONUが存在することが判明した場合の故障ONU特定動作について、図7を参照して説明する。
【0046】
OLTは、まずONU1(104−1)に対し光出力の停止制御を行う(ステップS31)。この状態で図8に示すように、他の各ONUの光出力パワーを測定し、その測定値と、ONU1の光出力停止制御を行う前の測定値とを比較する(ステップS32)。
この光出力停止制御を行う前の測定値は、<4>の正常性確認動作による周期的な光出力パワー測定における直前の測定値を、測定対象のONUの特定情報に関連付けて記憶手段に格納して用いてもよく、ONU設置の際に基準値として格納された初期値を用いてもよい。
【0047】
こうしてステップS32での比較を行うことにより、もしONU1に光出力停止制御を行った状態での他のONUの測定値が、光出力停止制御を行う前の測定値によりも所定の閾値以上低いレベルになっていれば、ONU1が常時発光状態のONUとして特定されることとなる(ステップS34)。
【0048】
ステップS32での比較により、他の各ONUの測定値が、光出力停止制御を行う前の測定値に比べて変化していない(変化が所定の閾値未満である)場合、ONU1は常時発光状態のONUでないと判定され、光出力停止制御を解除される(ステップS33)。
以降同様の手順でONU2(104−2)以降の各ONU−iに対して、常時発光モードの故障状態であるかどうかを判別する。
【0049】
また、OLTは、故障状態と特定されたONUを遠隔制御により停止させることでシステムより排除し、サービスの継続を可能とする。
【0050】
通常、常時発光状態のONUが存在すると光信号の衝突により、光信号によるデータの送受信が困難となり、光出力停止制御や解除などの制御が不能となる虞があるが、本実施形態ではStatic LLIDを使用することで、それらの制御を可能としている。
【0051】
次に、本実施形態としてのPONシステムによる常時発光ONUの特定動作について、図9〜図15に示す具体例を用いて詳細に説明する。
この具体例では、OLTに4台のONU(ONU1、ONU2、ONU3、ONU4)が接続されており、ONU1とONU4とが常時発光モードの故障になっていることとして説明する。
【0052】
ONU1、ONU2、ONU3、ONU4それぞれには、図9に例示するように、予めStatic LLIDがMACアドレスに関連付けられて割り当てられ、OLTおよびONUそれぞれの記憶部に記憶される。
【0053】
OLTは、図10に示すように、各ONU設置の際に光出力パワーを測定し、各Static LLIDに対する光出力パワーの基準値を確定させる。図10の例では、ONU1=0.5mW、ONU2=1.0mW、ONU3=0.3mW、ONU4=0.1mWとしている。
以降、上述した正常性確認動作を周期的に行う際、各Static LLIDに対する光出力パワーがこの基準値であれば、常時発光状態のONUは存在しないことになる。
【0054】
ここで、ある時点より、ONU1とONU4が常時発光状態に陥り、各Static LLIDに対する光出力パワーが図11のように変わったとする。
この場合、OLTは、周期的な正常性確認動作の際に、基準値よりも常時発光ONUの光出力パワー分上乗せされた値が測定されるONUが存在することにより、常時発光モードの故障ONUが発生したことを検出する。
【0055】
常時発光ONUの存在が検出されると、OLTは常時発光ONUの検出動作に移行する。まず、OLTは、ONU1の光出力を強制停止させ、他のStatic LLIDに対する光出力パワーを測定する。測定の結果、図12のように、ONU1を強制停止させる前よりも他のONUの測定値が下がったことにより、ONU1が常時発光故障であると特定できる。この場合、OLTは、ONU1に対して光出力を強制停止させたままとすることで、システム運用から排除する。
【0056】
次に、OLTは、ONU2の光出力を強制停止させ、他のStatic LLIDに対する光出力パワーを測定する。測定の結果、図13のように、他のONUの測定値がONU2を強制停止させる前と変わらないことにより、ONU2が正常なONUであると特定できる。この場合、OLTは、ONU2に対して光出力の強制停止を解除する指示を送信する。
【0057】
次に、OLTは、ONU3の光出力を強制停止させ、他のStatic LLIDに対する光出力パワーを測定する。測定の結果、図14のように、他のONUの測定値がONU3を強制停止させる前と変わらないことにより、ONU3が正常なONUであると特定できる。この場合、OLTは、ONU3に対して光出力の強制停止を解除する指示を送信する。
【0058】
次に、OLTは、ONU4の光出力を強制停止させ、他のStatic LLIDに対する光出力パワーを測定する。測定の結果、図15のように、ONU4を強制停止させる前よりも他のONUの測定値が下がったことにより、ONU4が常時発光故障であると特定できる。この場合、OLTは、ONU4に対して光出力を強制停止させたままとすることで、システム運用から排除する。
【0059】
以上のようにして、OLTは、ONU1とONU4が常時発光モードの故障であると特定できる。また、故障装置と特定されたONUをOLTより遠隔制御で停止させることにより、システムより排除でき、サービスを継続させることができる。
【0060】
以上のように、上述した本実施形態としての常時発光障害の自動検出方式によれば、以下の効果が得られる。
【0061】
同一PON回線配下において複数台の常時発光状態の故障ONUが発生した場合であっても、ONUを1台ずつ光出力停止させてチェックするため、故障ONUを自動的に特定することができる。
【0062】
また、故障ONUを特定した後、OLTより遠隔で光出力停止の制御を行うことができる。
【0063】
また、常時発光状態の故障ONUを特定するために、同一ファイバーに接続された全ユーザ宅へ保守員を派遣し、センタ−側の保守員と連絡をとり、1台ずつ電源を落とすことにより故障ONUを特定するといった手間が不要となる。このため、こうした手間による保守費用を抑えることができる。
【0064】
また、故障ONUを特定するための時間を短縮できるため、サービス停止時間を短縮することができる。
【0065】
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
【0066】
例えば、上述した実施形態としてのOLTを実現するための処理手順をプログラムとして記録媒体に記録することにより、本発明の実施形態による上述した各機能を、その記録媒体から供給されるプログラムによって、装置を構成するコンピュータのCPUに処理を行わせて実現させることができる。
この場合、上記の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
すなわち、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体および該記録媒体から読み出された信号は本発明を構成することになる。
この記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROM等を用いてよい。
【0067】
この本発明に係るプログラムによれば、当該プログラムによって制御されるOLTに、上述した実施形態における各機能を実現させることができる。
【符号の説明】
【0068】
101 OLT(局内装置)
102 光伝送路
103 Optical Splitter(光分岐手段)
104 ONU(加入者装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムに用いられる局内装置であって、
前記加入者装置からの受光光量を測定する測定手段と、
前記加入者装置に光出力停止指示を送信する停止指示手段と、
前記停止指示手段により1つの加入者装置に停止指示を送信させ、他の加入者装置の受光光量を前記測定手段により測定させ、当該測定された受光光量が前記停止指示手段による停止指示送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、該停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合には該停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定する故障装置特定手段と、
を備えたことを特徴とする局内装置。
【請求項2】
前記測定手段により所定のタイミングで測定された受光光量の基準値を、該測定対象である前記加入者装置の特定情報に関連付けて格納する基準値格納手段と、
前記加入者装置の受光光量を前記測定手段により測定させ、当該測定された受光光量を、該測定対象の加入者装置の特定情報に関連付けられて前記基準値格納手段に格納された基準値と比較し、該測定された受光光量が該格納された基準値よりも所定の閾値以上大きくなっている場合、常時発光故障の加入者装置が存在すると検出する故障検出手段と、
を備え、
前記故障装置特定手段は、前記故障検出手段により常時発光故障の加入者装置が存在すると検出された場合に故障装置の特定を行うことを特徴とする請求項1記載の局内装置。
【請求項3】
前記故障検出手段は、予め定められた周期により周期的に受光光量の測定を行うことを特徴とする請求項2記載の局内装置。
【請求項4】
前記特定情報は、規格に定められた手順により割り当てられる規格IDとは別に設けられ、前記加入者装置のMAC(Media Access Control)アドレスに関連付けて割り当てられた固定IDであることを特徴とする請求項2または3記載の局内装置。
【請求項5】
前記停止指示手段は、前記固定IDを用いて前記光出力停止指示を送信し、
前記故障装置特定手段は、前記固定IDを用いて故障装置の特定を行うことを特徴とする請求項4記載の局内装置。
【請求項6】
前記基準値は、前記加入者装置が設置される際に測定された初期値であることを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の局内装置。
【請求項7】
規格に定められた手順により割り当てられる規格IDと、MAC(Media Access Control)アドレスに関連付けて割り当てられた固定IDとの設定を受け、
測定用の信号送出要求を前記固定IDにより受信した場合、所定の測定用パターンを送出するパターン送出手段を備えたことを特徴とする加入者装置。
【請求項8】
請求項1から6の何れか1項に記載の局内装置に、請求項7記載の加入者装置の複数が光分岐手段を介して接続されて構成されたことを特徴とする光通信システム。
【請求項9】
局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムにおける故障装置特定方法であって、
1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、他の加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量が前記停止指示の送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、該停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合には該停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定する故障装置特定工程を備えたことを特徴とする故障装置特定方法。
【請求項10】
所定のタイミングで測定された前記加入者装置からの受光光量の基準値を、該測定対象である前記加入者装置の特定情報に関連付けて格納する基準値格納工程と、
前記加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量を、該測定対象の加入者装置の特定情報に関連付けられて前記基準値格納工程で格納された基準値と比較し、該測定された受光光量が該格納された基準値よりも所定の閾値以上大きくなっている場合、常時発光故障の加入者装置が存在すると検出する故障検出工程と、
を備え、
前記故障装置特定工程は、前記故障検出工程により常時発光故障の加入者装置が存在すると検出された場合に行われることを特徴とする請求項9記載の故障装置特定方法。
【請求項11】
前記故障検出工程では、予め定められた周期により周期的に受光光量の測定を行うことを特徴とする請求項10記載の故障装置特定方法。
【請求項12】
前記特定情報は、規格に定められた手順により割り当てられる規格IDとは別に設けられ、前記加入者装置のMAC(Media Access Control)アドレスに関連付けて割り当てられた固定IDであることを特徴とする請求項10または11記載の故障装置特定方法。
【請求項13】
前記故障装置特定工程では、前記固定IDを用いて前記1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、前記固定IDを用いて故障装置の特定を行うことを特徴とする請求項12記載の故障装置特定方法。
【請求項14】
前記基準値は、前記加入者装置が設置される際に測定された初期値であることを特徴とする請求項10から13の何れか1項に記載の故障装置特定方法。
【請求項15】
局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムに用いられる局内装置のプログラムであって、
1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、他の加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量が前記停止指示の送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、該停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合には該停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定する故障装置特定手順を前記局内装置のコンピュータに実行させることを特徴とする局内装置のプログラム。
【請求項16】
所定のタイミングで測定された前記加入者装置からの受光光量の基準値を、該測定対象である前記加入者装置の特定情報に関連付けて格納する基準値格納手順と、
前記加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量を、該測定対象の加入者装置の特定情報に関連付けられて前記基準値格納手順で格納された基準値と比較し、該測定された受光光量が該格納された基準値よりも所定の閾値以上大きくなっている場合、常時発光故障の加入者装置が存在すると検出する故障検出手順と、
を前記局内装置のコンピュータに実行させ、
前記故障検出手順により常時発光故障の加入者装置が存在すると検出された場合に、前記故障装置特定手順を実行させることを特徴とする請求項15記載の局内装置のプログラム。
【請求項17】
前記故障検出手順では、予め定められた周期により周期的に受光光量の測定を行うことを特徴とする請求項16記載の局内装置のプログラム。
【請求項18】
前記特定情報は、規格に定められた手順により割り当てられる規格IDとは別に設けられ、前記加入者装置のMAC(Media Access Control)アドレスに関連付けて割り当てられた固定IDであることを特徴とする請求項16または17記載の局内装置のプログラム。
【請求項19】
前記故障装置特定手順では、前記固定IDを用いて前記1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、前記固定IDを用いて故障装置の特定を行うことを特徴とする請求項18記載の局内装置のプログラム。
【請求項20】
前記基準値は、前記加入者装置が設置される際に測定された初期値であることを特徴とする請求項16から19の何れか1項に記載の局内装置のプログラム。
【請求項1】
局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムに用いられる局内装置であって、
前記加入者装置からの受光光量を測定する測定手段と、
前記加入者装置に光出力停止指示を送信する停止指示手段と、
前記停止指示手段により1つの加入者装置に停止指示を送信させ、他の加入者装置の受光光量を前記測定手段により測定させ、当該測定された受光光量が前記停止指示手段による停止指示送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、該停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合には該停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定する故障装置特定手段と、
を備えたことを特徴とする局内装置。
【請求項2】
前記測定手段により所定のタイミングで測定された受光光量の基準値を、該測定対象である前記加入者装置の特定情報に関連付けて格納する基準値格納手段と、
前記加入者装置の受光光量を前記測定手段により測定させ、当該測定された受光光量を、該測定対象の加入者装置の特定情報に関連付けられて前記基準値格納手段に格納された基準値と比較し、該測定された受光光量が該格納された基準値よりも所定の閾値以上大きくなっている場合、常時発光故障の加入者装置が存在すると検出する故障検出手段と、
を備え、
前記故障装置特定手段は、前記故障検出手段により常時発光故障の加入者装置が存在すると検出された場合に故障装置の特定を行うことを特徴とする請求項1記載の局内装置。
【請求項3】
前記故障検出手段は、予め定められた周期により周期的に受光光量の測定を行うことを特徴とする請求項2記載の局内装置。
【請求項4】
前記特定情報は、規格に定められた手順により割り当てられる規格IDとは別に設けられ、前記加入者装置のMAC(Media Access Control)アドレスに関連付けて割り当てられた固定IDであることを特徴とする請求項2または3記載の局内装置。
【請求項5】
前記停止指示手段は、前記固定IDを用いて前記光出力停止指示を送信し、
前記故障装置特定手段は、前記固定IDを用いて故障装置の特定を行うことを特徴とする請求項4記載の局内装置。
【請求項6】
前記基準値は、前記加入者装置が設置される際に測定された初期値であることを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の局内装置。
【請求項7】
規格に定められた手順により割り当てられる規格IDと、MAC(Media Access Control)アドレスに関連付けて割り当てられた固定IDとの設定を受け、
測定用の信号送出要求を前記固定IDにより受信した場合、所定の測定用パターンを送出するパターン送出手段を備えたことを特徴とする加入者装置。
【請求項8】
請求項1から6の何れか1項に記載の局内装置に、請求項7記載の加入者装置の複数が光分岐手段を介して接続されて構成されたことを特徴とする光通信システム。
【請求項9】
局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムにおける故障装置特定方法であって、
1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、他の加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量が前記停止指示の送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、該停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合には該停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定する故障装置特定工程を備えたことを特徴とする故障装置特定方法。
【請求項10】
所定のタイミングで測定された前記加入者装置からの受光光量の基準値を、該測定対象である前記加入者装置の特定情報に関連付けて格納する基準値格納工程と、
前記加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量を、該測定対象の加入者装置の特定情報に関連付けられて前記基準値格納工程で格納された基準値と比較し、該測定された受光光量が該格納された基準値よりも所定の閾値以上大きくなっている場合、常時発光故障の加入者装置が存在すると検出する故障検出工程と、
を備え、
前記故障装置特定工程は、前記故障検出工程により常時発光故障の加入者装置が存在すると検出された場合に行われることを特徴とする請求項9記載の故障装置特定方法。
【請求項11】
前記故障検出工程では、予め定められた周期により周期的に受光光量の測定を行うことを特徴とする請求項10記載の故障装置特定方法。
【請求項12】
前記特定情報は、規格に定められた手順により割り当てられる規格IDとは別に設けられ、前記加入者装置のMAC(Media Access Control)アドレスに関連付けて割り当てられた固定IDであることを特徴とする請求項10または11記載の故障装置特定方法。
【請求項13】
前記故障装置特定工程では、前記固定IDを用いて前記1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、前記固定IDを用いて故障装置の特定を行うことを特徴とする請求項12記載の故障装置特定方法。
【請求項14】
前記基準値は、前記加入者装置が設置される際に測定された初期値であることを特徴とする請求項10から13の何れか1項に記載の故障装置特定方法。
【請求項15】
局内装置に複数の加入者装置が光分岐手段を介して接続されて構成されたシステムに用いられる局内装置のプログラムであって、
1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、他の加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量が前記停止指示の送信前の受光光量より所定の閾値以上小さくなった場合、該停止指示を送信した加入者装置を故障装置と特定し、他の場合には該停止指示を送信した加入者装置を故障装置でないと判定する故障装置特定手順を前記局内装置のコンピュータに実行させることを特徴とする局内装置のプログラム。
【請求項16】
所定のタイミングで測定された前記加入者装置からの受光光量の基準値を、該測定対象である前記加入者装置の特定情報に関連付けて格納する基準値格納手順と、
前記加入者装置の受光光量を測定し、当該測定された受光光量を、該測定対象の加入者装置の特定情報に関連付けられて前記基準値格納手順で格納された基準値と比較し、該測定された受光光量が該格納された基準値よりも所定の閾値以上大きくなっている場合、常時発光故障の加入者装置が存在すると検出する故障検出手順と、
を前記局内装置のコンピュータに実行させ、
前記故障検出手順により常時発光故障の加入者装置が存在すると検出された場合に、前記故障装置特定手順を実行させることを特徴とする請求項15記載の局内装置のプログラム。
【請求項17】
前記故障検出手順では、予め定められた周期により周期的に受光光量の測定を行うことを特徴とする請求項16記載の局内装置のプログラム。
【請求項18】
前記特定情報は、規格に定められた手順により割り当てられる規格IDとは別に設けられ、前記加入者装置のMAC(Media Access Control)アドレスに関連付けて割り当てられた固定IDであることを特徴とする請求項16または17記載の局内装置のプログラム。
【請求項19】
前記故障装置特定手順では、前記固定IDを用いて前記1つの加入者装置に光出力の停止指示を送信し、前記固定IDを用いて故障装置の特定を行うことを特徴とする請求項18記載の局内装置のプログラム。
【請求項20】
前記基準値は、前記加入者装置が設置される際に測定された初期値であることを特徴とする請求項16から19の何れか1項に記載の局内装置のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−66608(P2011−66608A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214491(P2009−214491)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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