説明

局所投与のための薬剤送達システム

【課題】口腔潰瘍への局所投与のための薬剤組成物、方法、及びキットを提供する。
【解決手段】本発明に係る薬剤送達システムは、液体の第1ユニットと薬剤の第2ユニットとを含む。前記第1ユニットは、前記第2ユニット内に位置する。前記第1ユニット及び前記第2ユニットは、シリコン、ポリエステル、ポリエチレン、アルミニウム、ゼラチン、ゲルカプセル、グアーガム、キャンディー、又はそれらの任意の組み合わせから作成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新しく調製された高濃度の効果的な衛生的医薬組成物の新規の送達システム(SMS packaging(登録商標))及びその使用を対象とする。スクラルファートを含むこの新規の送達システムは、哺乳動物の口腔疾患を治療及び防止するために使用される。また、本発明は、口腔潰瘍への局所投与のための、スクラルファートを含む薬剤組成物、方法、及びキット(Aftapet(登録商標)、Aftakit(登録商標)、ChemokitTM(登録商標))を提供する。
【背景技術】
【0002】
再発性アフタ性口内炎(Recurrent Aphthous Stomatitis(R.A.S))は、よく見られる疾患である。一般人口の20%は、何らかの慢性疾患の症状を患い、一般人口の60%は、生涯の間に再発性アフタ性口内炎を経験する。再発性アフタ性口内炎(R.A.S)は、若年期又はそれ以降に発生する慢性疾患であり、痛みを伴う再発性の表面的な口腔潰瘍を引き起こす特徴を有する。口腔潰瘍は、通常0〜14日の間に口腔粘膜上に発生し、肥大し、消失する。口腔潰瘍は、話す及び食べるといった口の機能を妨げ、激痛を引き起こす。再発性アフタ性口内炎は、3つの臨床型で発生する。R.A.Sの最も一般的な種類(80%)は、鵞口瘡と呼ばれるものであり、これは、1つ〜4つの潰瘍(それぞれ1〜5mmの直径を有する)が同時に口腔粘膜上に発生し、10〜14日後に自然治癒するという特徴を有する。他の種類(8%)は、大アフタであり、激痛を引き起こす1つの潰瘍(1cmよりも大きな直径を有する)から成るという特徴を有する。このような潰瘍は、6週間後に治癒し、その後に他の大アフタが続く。つまり、「1つの潰瘍の後に他の潰瘍が続く」疾患である。第3の種類は、ヘルペス様傷害(Herpetiform Lesions)(8%)であり、痛みを伴う多数の潰瘍から成る。これらの潰瘍は、痛みを伴う大きな潰瘍に融合することがある。
【0003】
この疾患の原因は知られていない。この傷害の発生は、家族歴、情動ストレス、食事製欠乏症、季節変化、熱性感染症、粘膜外傷、及び食事アレルギーに関連するとされてきた。
【0004】
R.A.Sの治療は、効果的であると証明されていない。コルチコステロイドの局所投与は、症状を部分的に和らげるが、長期の治療、特に副作用のために子供に適していない。麻酔クリームを局所的に塗付する、又は潰瘍を局所的にカバーすると、外傷又は化学損傷からある程度保護することができる。このようなペーストを潰瘍に塗付するのは困難であり、例え塗付しても部分的にしか軽減することができず、唾液や食事によって除去されるためにその効果は長く続かない。
【0005】
化学療法による口内粘膜炎は、重症度が1〜4の口内又は食道潰瘍を伴う急性又は慢性合併症であり、化学療法を受ける患者の約40%に発生する。この口内粘膜炎は、BMT(骨髄移植)の準備をしている患者の75%に発生する。この発生率は、持続注入化学療法を受ける患者においてはさらに高くなる。米国では、毎年400000人の患者が口内粘膜を患う。世界でも同様な結果が示された。口内粘膜炎は、ガン治療において多量の薬剤が投与された7〜10日後に発生する。感染による合併症を伴わない場合は、自然治癒性であり、一般的に細胞毒性を有する化学療法を停止した後の2〜4週間以内に治癒する。
【0006】
スクラルファートは、蔗糖八硫酸アルミニウム塩(aluminum octa-sulfate sucrose salt)である。スクラルファートは、ヒトにおける胃潰瘍の補助療法として開発された。スクラルファートは、体内にわずかに吸収され、胃酸の存在下でのペプシンの作用を阻害し、胃及び十二指腸の粘膜上でしか作用しない。その機構は完全に理解されていないが、全身作用よりも、むしろ局所作用を介して効果を発揮すると知られている。
【0007】
当該技術分野では、再発性アフタ性口内炎に対して有効な治療方法を開発する必要がある
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施形態では、本発明は、薬剤送達システムであって、液体の第1ユニットと粉末薬剤の第2ユニットとを含み、前記第1ユニットが前記第2ユニットの内部に位置するシステムを提供する。
【0009】
ある実施形態では、本発明は、液体の第1ユニットと薬剤の第2ユニットと前記第2ユニットに連結したチューブとを含み、且つ前記第1ユニットが前記第2ユニットの内部に位置する、医薬組成物を局所投与するための薬剤送達システムの使用であって、
(a)前記第2ユニットで前記液体を前記薬剤と混合し、それによって、前記薬剤の水溶液又はペーストを含む医薬組成物を作成するステップと、
(b)前記医薬組成物を、前記チューブを介して運搬するステップと、
(c)前記医薬組成物を局所投与するステップとを含む使用を提供する。
【0010】
ある実施形態では、本発明は、液体の第1ユニットと薬剤の第2ユニットとを含み、且つ前記第1ユニットが前記第2ユニットの内部に位置する、医薬組成物の摂取及び局所投与が安全になるように作成された薬剤送達システムの使用であって、
(a)前記第2ユニットで前記液体を前記薬剤と混合し、それによって、前記薬剤の水溶液又はペーストを含む医薬組成物を作成するステップと、
(b)前記医薬組成物を局所投与するステップとを含む使用を提供する。
【0011】
他の実施形態では、本発明は、対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍を治療するための、本発明に係る薬剤送達システムの使用であって、口を洗浄するステップと、前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、前記薬剤がスクラルファートであり、前記液体が水溶液である使用を提供する。
【0012】
他の実施形態では、本発明は、化学療法及び放射線療法によって誘発された口腔粘膜炎を有する対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍を治療するための、本発明に係る薬剤送達システムの使用であって、口を洗浄するステップと、前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、前記薬剤がスクラルファートであり、前記液体が水溶液である使用を提供する。
【0013】
他の実施形態では、本発明は、対象における口腔扁平苔癬の潰瘍を治療するための、本発明に係る前記薬剤送達システムの使用であって、口を洗浄するステップと、前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、前記薬剤がスクラルファートであり、前記液体が水溶液である使用を提供する。
【0014】
ある実施形態では、本発明は、アフタ性口内炎の潰瘍を局所治療するための、新しく調製され、且つ新しい状態で投与される局所組成物であって、水溶液又はペースト内にスクラルファートを含み、前記スクラルファートの濃度は、水及び等張生理食塩水約2〜5mLにおいて1/2〜10gである組成物を提供する。
【0015】
ある実施形態では、本発明は、アフタ性口内炎の潰瘍を治療するキットであって、スクラルファート粉末を含むキットを提供する。
【0016】
ある実施形態では、本発明は、対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍、歯周ポケット、膿瘍、サイト・オブ・エクストラクション(site of extraction)、又はそれらの組み合わせを治療する方法であって、
(a)口を洗浄するステップと、
(b)スクラルファートを含む粉末を水及び等張生理食塩水と混合し、混合液を得るステップと、
(c)作成したばかりの前記混合液を前記潰瘍及びその周囲の粘膜に局所投与するステップとを含み、それによって、前記対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍を治療する方法を提供する。
【0017】
ある実施形態では、本発明は、アフタ性口内炎の潰瘍を有する対象においてアフタ性口内炎の潰瘍の再発を防止する方法であって、
(a)口を洗浄するステップと、
(b)スクラルファートを含む粉末を水及び等張生理食塩水と混合し、混合液を得るステップと、
(c)作成したばかりの前記混合液を前記潰瘍及びその周囲の粘膜に局所投与するステップとを含み、それによって、前記対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍の再発を防止する方法を提供する。
【0018】
ある実施形態では、本発明は、化学療法又は放射線療法によって誘発された口腔粘膜炎を有する対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍を治療する方法であって、
(a)口を洗浄するステップと、
(b)スクラルファートを含む粉末を水及び等張生理食塩水と混合し、混合液を得るステップと、
(c)作成したばかりの前記混合液を前記潰瘍及びその周囲の粘膜に局所投与するステップとを含み、それによって、化学療法又は放射線療法によって誘発された口腔粘膜炎の潰瘍を治療する方法を提供する。
【0019】
ある実施形態では、本発明は、対象における口腔扁平苔癬の潰瘍を治療する方法であって、
(a)前記潰瘍に洗浄液を塗付するステップと、
(b)スクラルファートを含む粉末を水及び等張生理食塩水と混合し、混合液を得るステップと、
(c)作成したばかりの前記混合液を前記潰瘍に局所投与するステップとを含み、それによって、対象における口腔扁平苔癬の潰瘍を治療する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
下記の詳細な説明及び様々な具体的な詳細は、本発明を完全に理解するためのものである。しかしながら、当業者は、本発明がこれらの詳細な説明無しで実施され得ることを理解できるであろう。他の例では、本発明を不明慮にしないために、公知の方法、工程、及び構成要素を説明しない。
【0021】
ここに、アルファ−Dグルコピラノシド、ベータ−Dフルクトフラノシル−オクタキス−(硫酸水素塩)アルミニウム錯体の塩であるスクラルファートを有効な医薬(濃縮混合物として作成される際に)として紹介する。この塩の濃度を増加させると、塩と潰瘍の露出したタンパク質との間の結合がさらに形成され、口内粘膜(R.A.S及び化学治療誘発の口内粘膜炎)の潰瘍の治療に対してさらに効力のある薬剤となる。
【0022】
本発明は、幾つかの実施形態では、対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍、歯周ポケット、膿瘍、又はサイト・オブ・エクストラクション(site of extraction)、又はそれらの任意の組み合わせを治療するキット、方法、組成物、及び薬剤送達システムを提供する。幾つかの実施形態では、そのようなキット、方法、組成物、及び薬剤送達システムは、アフタ性口内炎における潰瘍の再発の防止に有用である。幾つかの実施形態では、そのようなキット、方法、組成物、及び薬剤送達システムは、化学療法又は放射線療法によって誘発された口内粘膜炎を有する対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍の治療に有用である。他の実施形態では、そのようなキット、方法、組成物、及び薬剤送達システムは、口腔扁平苔癬の潰瘍の治療に有用である。
【0023】
この態様によれば、そのようなキット、方法、組成物、及び薬剤送達システムは、子供及びペットなどの哺乳動物及びヒトの治療に有用である。
【0024】
幾つかの実施形態では、本発明に係るキット、方法、組成物、及び薬剤送達システムは、医薬組成物を新しく作成するために使用され得る。ある実施形態では、前記薬剤送達システムは、薬剤を長期間に渡って保存するのに使用され得る。他の実施形態では、前記長期間は、1ヶ月〜3年である。他の実施形態では、前記長期間は、1ヶ月〜5年である。他の実施形態では、前記薬剤送達システムは、保存安定性のために保存料又は冷却を必要としない組成物を含む。
【0025】
他の実施形態では、本発明に係る方法、キット、組成物、及び薬剤送達システムは、濃縮された医薬組成物の作成に使用され得る。他の実施形態では、本発明に係る薬剤送達システムは、ペーストの作成に使用され得る。他の実施形態では、前記薬剤送達システムは、使い捨て式のシステムである。他の実施形態では、前記薬剤送達システムは、衛生的な治療を可能にする。他の実施形態では、前記キット、方法、組成物、及び薬剤送達システムは、保存料無しに主に活性成分を含み得る。他の実施形態では、公知の副作用は発生しない。
【0026】
他の実施形態では、例えばスクラルファートを含む濃縮された混合物は、口腔疾患の治療、粘膜に対する鎮静作用、新しい潰瘍の発生防止、及び痛みの即時の解消に対してより効力のある薬剤である。
【0027】
他の実施形態では、本発明に係る薬剤送達システムは、衛生的な組成物の作成及び医薬組成物の衛生的な投与に使用され得る。
【0028】
ある実施形態では、本発明に係る組成物、方法、キット、薬剤送達システム、又は本発明に係る方法における使用は、局所投与に利用される。他の実施形態では、前記組成物、方法、キット、薬剤送達システム、又は本発明に係る方法における使用は、口腔粘膜への投与に利用される。他の実施形態では、前記キット又は薬剤送達システムにおける使用は、例えばチューインガムとして使用され、そのように医薬組成物を口腔粘膜に投与する。他の実施形態では、前記組成物又は薬剤送達システムは、さらに体内に取り込まれる。他の実施形態では、前記組成物及び薬剤送達システムは、可消化物質で作成される。
【0029】
ある実施形態では、本発明に係る薬剤送達システム又は方法における使用は、液体の第1ユニットと薬剤の第2ユニットとを含み、前記第1ユニットは、前記第2ユニットの内部に位置する。他の実施形態では、本発明に係る薬剤送達システムは、Smash Mix Squeeze(SMS)パッケージングである。他の実施形態では、2つのユニットは、互いに結合、固定、付着、又は連結している(卵における卵黄に類似)。
【0030】
ある実施形態では、本発明に係る薬剤送達システムは、シリコン、ポリエステル、アルミニウム、プラスチック、高密度ポリエチレン(high density polyethylene:HDPE)、低密度ポリエチレン(low density polyethylene:LDPE)、又は可消化物質(キャンディー、ゼラチン、ソフトゲル、グアーガム、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸塩(PHB)、又はそれらの任意の組み合わせなど)から作成される。
【0031】
ある実施形態では、本発明に係る薬剤送達システムは、第2ユニットに付着したチューブ又は漏斗をさらに含む。他の実施形態では、前記医薬組成物は、前記チューブ又は漏斗を介して塗付及び局所投与される。他の実施形態では、前記第2ユニットに圧力を加えることによって、前記医薬組成物が前記第2ユニットから前記漏斗又はチューブに運ばれる。他の実施形態では、前記第2ユニットを圧搾することによって、前記医薬組成物が前記第2ユニットから前記漏斗又はチューブに運ばれる。
【0032】
ある実施形態では、本発明に係る組成物、方法、キット、薬剤送達システム、又は方法における使用では、液体が使用され、前記液体は水である。他の実施形態では、前記液体は、水溶液である。他の実施形態では、前記液体は、等張生理食塩水と水とをそれぞれ1:1〜8:1の比で含む水溶液である。他の実施形態では、前記液体は、等張生理食塩水と水とをそれぞれ1:1の比で含む水溶液である。他の実施形態では、前記液体は、等張生理食塩水と水とをそれぞれ2:1の比で含む水溶液である。他の実施形態では、前記液体は、等張生理食塩水と水とをそれぞれ1:2の比で含む水溶液である。他の実施形態では、前記液体は、等張生理食塩水と水とをそれぞれ1:3の比で含む水溶液である。他の実施形態では、前記液体は、等張生理食塩水と水とをそれぞれ1:4の比で含む水溶液である。他の実施形態では、前記液体は、等張生理食塩水と水とをそれぞれ3:1の比で含む水溶液である。他の実施形態では、前記液体は、等張生理食塩水と水とをそれぞれ4:1の比で含む水溶液である。
【0033】
ある実施形態では、「等張」生理食塩水という用語は、0.9%(w/v)の塩化ナトリウム水溶液を意味する。
【0034】
他の実施形態では、前記液体は、第2の薬剤を含む水溶液である。他の実施形態では、前記第2の薬剤は、抗生物質である。他の実施形態では、前記水溶液は、麻酔性物質を含む。他の実施形態では、前記液体は、芳香油を含む水溶液である。他の実施形態では、前記芳香油は、スイート・マージョラムの芳香油、ミルラの芳香油、バニラの芳香油、ラベンダーの芳香油、ジュニパーの芳香油、クローブの芽の芳香油、又はそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、前記液体は、フレーバー素材をさらに含む。他の実施形態では、例えば芳香油などの、均質性及びクリーミーな感触をもたらすための任意の化合物を含む水溶液である。
【0035】
ある実施形態では、本発明に係る組成物、方法、キット、薬剤送達システム、又は方法における使用では、薬剤が使用される。他の実施形態では、前記薬剤は、粉末である。他の実施形態では、前記薬剤は、スクラルファートである。他の実施形態では、前記薬剤は、抗生物質の粉末である。他の実施形態では、前記薬剤は、2つの薬剤の組み合わせである。他の実施形態では、前記薬剤は、スクラルファートと抗生物質との混合物である。他の実施形態では、前記薬剤は、スクラルファートと麻酔物質との組み合わせである。
【0036】
ある実施形態では、本発明に係る組成物、方法、キット、薬剤送達システム、又は方法における使用では、水と等張生理食塩水とをそれぞれ1:1の比で含む水溶液、及びスクラルファートが使用され得る。
【0037】
ある実施形態では、本発明に係る組成物、方法、キットでは、医薬組成物の局所投与のための薬剤送達システムが使用される。前記薬剤送達システムは、液体の第1ユニットと、薬剤の第2ユニットと、前記第2ユニットに取り付けられたチューブとを含み、前記第1ユニットは前記第2ユニットの内部位置している。前記薬剤送達システムの使用は、
(a)前記第2ユニットで前記液体を前記薬剤と混合させ、それによって、薬剤の水溶液又はペーストを含む医薬組成物を作成するステップと、
(b)前記チューブを介して前記医薬組成物を運搬するステップと、
(c)前記医薬組成物を局所投与するステップとを含む。
【0038】
他の実施形態では、ステップ(a)は、ステップ(c)の前の1時間以内に行われる。他の実施形態では、前記医薬組成物の作成と投与との間の時間が短いことによって、反応性のある新しい組成物を使用することができる。
【0039】
ある実施形態では、前記組成物、方法、キットでは、前記薬剤送達システムが使用される。他の実施形態では、液体を含む前記第1ユニットに圧力が加えられ、それによって、前記液体が前記第2ユニットに移動し、前記薬剤と混合する。他の実施形態では、前記圧力は手によって加えられ、それによって、前記液体が前記第2ユニットに移動し、前記薬剤と混合する。他の実施形態では、前記第1ユニットは手で破壊され、それによって、前記液体が前記第2ユニットに移動し、前記薬剤と混合する。
【0040】
ある実施形態では、前記第2ユニットは手で圧搾され、それによって、前記医薬組成物はチューブ又は漏斗を介して運搬され、例えばへらを使用して手動的に口腔粘膜に投与される。
【0041】
この態様によれば、また幾つかの実施形態では、前記組成物が手動的に投与される前記薬剤送達システムは、シリコン、アルミニウム、又はポリエチレンから作成される。
【0042】
ある実施形態では、本発明に係る組成物、方法、キットでは、医薬組成物を安全に注入及び局所投与できるように構成された薬剤送達システムが使用される。前記薬剤送達システムは液体の第1ユニットと薬剤の第2ユニットとを含み、前記第1ユニットは前記第2ユニット内に位置する。前記薬剤送達システムの使用は、(a)前記第2ユニット内で前記液体を前記薬剤と混合し、それによって、前記薬剤の水溶液又はペーストを作成するステップと、
(b)前記薬剤を局所的に広げるステップとを含む。
【0043】
他の実施形態では、ステップ(a)はステップ(b)の前の1時間以内に行われる。他の実施形態では、前記医薬組成物の作成と投与との間の時間が短いことによって、反応性のある新しい組成物を使用することができる。
【0044】
他の実施形態では、前記薬剤送達システムを噛み、口腔内で前記液体と前記薬剤とを混合し、前記組成物を潰瘍部位に局所的に広げる。他の実施形態では、前記薬剤送達システムは、4〜5回噛まれ、その後に取り出される。他の実施形態では、前記薬剤送達システムは、4〜5回噛まれ、その後に体内に取り込まれる。他の実施形態では、前記薬剤送達システムは、1〜2分間噛まれ、その後に取り出される又は体内に取り込まれる。
【0045】
ある実施形態では、前記薬剤送達システムは、口腔内の潰瘍の治療のために、例えばキャンディー、ソフトゲル、チューイングガム、又はそれらの組み合わせなどの可消化物質で作成される。この態様によれば、また幾つかの実施形態では、前記薬剤送達システムの使用は、前記薬剤送達システムを噛むステップと、前記液体を前記薬剤と混合し、口腔内の潰瘍部位に広げるステップとを含む。ある実施形態では、前記可消化物質は、体内に取り込まれてもよく、溶解されてもよく、又は取り出されてもよい。この態様によれば、また幾つかの実施形態では、前記薬剤送達システムは、ゼラチン、ゲルのカプセル、グアーガム、キャンディー、ポリ−β−ヒドロキシブチル酸塩、又はそれらの任意の組み合わせ、及び随意的に芳香油のようなホモジナイザー(homogenizer)から作成される。他の実施形態では、前記薬剤システムにおける前記液体は、フレーバー素材をさらに含んでもよい。
【0046】
図1には、薬剤送達システムのある実施形態が描かれている。液体の第1ユニット(1−10)はボウル状のベースであり、壁(1−50)は2つのユニットを分離し、リング(1−60)は前記ベースと前記分離している壁とを連結する。したがって前記壁は、十分な強度を有するが、手で圧力を加えるのに必要な十分な脆弱性を有する。このシステムは、LDPE(低密度ポリエチレン)から作成されたカバーによって密封されている。第1ユニット(内部のバブル)を押すことによって、弱いバリアが破壊され、それによって、前記液体が第1ユニットから前記第2ユニット(1−20)に噴き出る。第2ユニットは、パッケージの形状を有する。手動的に3〜4回押すことによって、前記液体は前記粉末と混合する。前記第2ユニットの端には、小さな漏斗(1−40)が設けられている。その漏斗を通じて、医薬組成物は局所投与される。前記漏斗は、取り外し可能なカップ(1−30)によって閉じられている。このカップが取り外されると、外壁に「接着する」ので、医薬組成物の投与の障害となることはなく、また、紛失することも無い。ある実施形態では、前記第1ユニットに3mLの液体が加えられており、前記第2ユニットに約1〜3gの粉末が加えられる。
【0047】
例えば第1ユニット、第2ユニット、液体、薬剤、及びスクラルファートに関して本明細書に説明する如何なる実施形態も、方法、キット、薬剤送達システム、又は組成物などの本発明の如何なる態様に適用することができ、それらの実施形態に相当する。
【0048】
ある実施形態では、本発明に係る組成物、方法、キット、薬剤送達システムは、対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍の治療に有用であり、前記方法は、口を洗浄するステップと、その後に医薬組成物を局所投与するステップとを含み、前記薬剤はスクラルファートであり、前記液体は等張生理食塩水を有する水溶液である。他の実施形態では、アフタ性口内炎は、再発性アフタ性口内炎(R.A.S.)、化学療法誘発の口腔粘膜炎、口腔扁平苔癬の口腔潰瘍、又はそれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、アフタ性口内炎は、鵞口瘡、大アフタ、又はヘルペス様傷害として発生する。
【0049】
ある実施形態では、本発明に係る組成物、方法、キット、薬剤送達システムは、化学療法又は放射線療法誘発の口内粘膜炎を有する対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍の治療に有用であり、前記方法は、口を洗浄するステップと、その後に前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、前記薬剤はスクラルファートであり、前記液体は等張生理食塩水を有する水溶液である。他の実施形態では、口内粘膜炎は、化学療法、放射線療法、又は骨髄移植のために体に所定の準備を行うことによって誘発される。
【0050】
ある実施形態では、本発明に係る組成物、方法、キット、薬剤送達システムは、対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍の再発を防止するのに有用であり、前記潰瘍に洗浄液を塗付するステップと、その後に前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、前記薬剤はスクラルファートであり、前記液体は水溶液である。
【0051】
ある実施形態では、本発明に係る組成物、方法、キット、薬剤送達システムは、対象における口腔扁平苔癬の潰瘍を治療するのに有用であり、前記方法は、前記潰瘍に洗浄液を塗付するステップと、その後に前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、前記薬剤はスクラルファートであり、前記液体は等張生理食塩水を有する水溶液である。
【0052】
ある実施形態では、本発明に係る組成物、方法、キット、薬剤送達システムは、対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍の発達を阻止するのに有用であり、前記方法は、前記潰瘍に洗浄液を塗付するステップと、その後に前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、前記薬剤はスクラルファートであり、前記液体は等張生理食塩水を有する水溶液である。
【0053】
本発明に係るある実施形態では、「アフタ性口内炎」という用語は、発生の頻度又は重症度に応じて、ある実施形態では再発性アフタ性口内炎(RAS)、他の実施形態では大アフタ性口内炎(Major Aphthous Stomatitis:MAS)、他の実施形態では慢性再発性アフタ(Recurrent Aphthous Ulcer:RAU)、及び他の実施形態では大アフタ性潰瘍(Major Aphthous Ulcer:MAU)を意味する。特に脆弱な部分は、歯に擦られる領域及び外傷が発生する傾向のある任意の部分である。ある実施形態では、「アフタ性口内炎」という用語は、癌患者に行われる化学療法によって誘発される口腔粘膜炎を意味する。他の実施形態では、「アフタ性口内炎」という用語は、例えば頭部癌又は頸部癌に対して行われる放射線療法によって誘発される口腔粘膜炎を意味する。他の実施形態では、「アフタ性口内炎」という用語は、骨髄移植(BMT)のための治療を準備することによって誘発される口腔粘膜炎を意味する。
【0054】
ある実施形態では、前記薬剤送達システム、キット、及び方法では、前記医薬組成物の投与前に洗浄液が使用される。他の実施形態では、前記洗浄液は、前記医薬組成物を潰瘍に塗付する前にその潰瘍を消毒するための芳香油を含み、それによって、前記潰瘍に対してより優れた治癒効果をもたらす。他の実施形態では、前記洗浄液は、水と芳香油との混合液を含む。他の実施形態では、前記洗浄液は、純水、又は他の実施形態では水とエーテル油とを含む。
【0055】
ある実施形態では、本発明に係る組成物、方法、キット、薬剤送達システムでは、水溶液及びスクラルファートが使用される。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:1〜1:8の比の水及び等張生理食塩水約2〜5mLにおいて1/2〜10gであり得る。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:1の比の水及び等張生理食塩水約2〜5mLにおいて1/2〜10gであり得る。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:1〜2:1の比の水及び等張生理食塩水約1〜5mLにおいて1〜5gであり得る。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:1〜2:1の比の水及び等張生理食塩水約1〜5mLにおいて5〜10gであり得る。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:1〜2:1の比の水及び等張生理食塩水約1〜2mLにおいて1〜2gであり得る。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:1〜2:1の比の水及び等張生理食塩水約1mLにおいて2〜2.5gであり得る。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:1〜2:1の比の水及び等張生理食塩水約1〜2mLにおいて2.5〜3gであり得る。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:1〜1:8の比の水及び等張生理食塩水約1〜3mLにおいて3〜4gであり得る。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:1〜2:1の比の水及び等張生理食塩水約1mLにおいて4〜5gであり得る。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:1の比の水及び等張生理食塩水約1〜2mLにおいて2gであり得る。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ2:1の比の水及び等張生理食塩水約1〜2mLにおいて2gであり得る。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:2の比の水及び等張生理食塩水約1〜2mLにおいて2gであり得る。他の実施形態では、前記水溶液は、1/2mLの等張生理食塩水及び2mLの水である。他の実施形態では、前記組成物は、許容される担体及び/又は賦形剤を含む。
【0056】
ある実施形態では、本発明は、アフタ性口内炎の潰瘍を局所治療する局所組成物であって、水溶液、ペースト、又はクリーム内にスクラルファートを含み、スクラルファートの濃度がそれぞれ1:1の比の水及び等張生理食塩水約2.5mLにおいて1/2〜10gであり、新しく作成された状態で投与される組成物を提供する。
【0057】
他の実施形態では、「約」という用語は、示された数字又は数字の範囲からの約0.0001〜5%のずれを意味する。他の実施形態では、「約」という用語は、示された数字又は数字の範囲からの約1〜10%のずれを意味する。他の実施形態では、「約」という用語は、示された数字又は数字の範囲からの約25%以内のずれを意味する。
【0058】
本発明に係る組成物及び前記組成物に関して本明細書で説明する実施形態は、方法、キット、薬剤送達システムなどの本発明に係る如何なる態様にも適用することができ、それらの実施形態に相当することを理解されたい。
【0059】
ある実施形態では、本発明に係る組成物はペーストであり、液体におけるスクラルファートの濃度はペーストを形成するほどのものである(Aftakit)。他の実施形態では、前記組成物はゲルである。他の実施形態では、前記組成物は溶液であり、随意的にホモジナイザーが加えられる(Chemokit)。他の実施形態では、前記組成物は、クリームの感触を有する。
【0060】
ある実施形態では、方法、キット、薬剤送達システム、及び組成物は、対象の潰瘍を治療又は防止するために使用される。他の実施形態では、「対象」という用語は、子供及びペットなどの哺乳動物及びヒトを意味する。
【0061】
ある実施形態では、対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍の再発を防止する方法であって、対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍に医薬組成物を局所投与するステップを含み、前記組成物がペースト状、クリーム状、ゲル状、軟膏状、又はローション状である方法を提供する。
【0062】
ある実施形態では、本発明に係る方法、キット、及び薬剤送達システムでは、ペースト状、クリーム状、ゲル状、軟膏状、又はローション状の組成物が使用される。他の実施形態では、前記組成物は芳香油を含む。
【0063】
他の実施形態では、前記芳香油は、スイート・マージョラムの芳香油、ミルラの芳香油、バニラの芳香油、ラベンダーの芳香油、ジュニパーの芳香油、クローブの芽の芳香油、又はそれらの任意の組み合わせのものである。他の実施形態では、前記組成物は、スイート・マージョラムの芳香油の一滴、ミルラの芳香油の一滴、バニラの芳香油の一滴、ラベンダーの芳香油の一滴、ジュニパーの芳香油の一滴、クローブの芽の芳香油の一滴、又はそれらの任意の組み合わせをさらに含んでもよい。
【0064】
この態様によれば、また幾つかの実施形態では、前記方法、キット、及び薬剤送達システムでは、粉末状、ペースト状、カプセル状、タブレット状、クリーム状、ゲル状、懸濁液状、ガム状、キャンディー状、軟膏状、又はローション状の医薬組成物が使用される。他の実施形態では、前記医薬組成物は新しく作成される。他の実施形態では、前記医薬組成物は、保存料を含まない。他の実施形態では、前記医薬組成物は、主に活性成分を含む。他の実施形態では、例えばバナナ、イチゴ、又はバニラ味の天然香味料が加えられ得る。他の実施形態では、麻酔剤が加えられ得る。
【0065】
ある実施形態では、本発明は、アフタ性口内炎の潰瘍を治療するための、スクラルファート粉末を含むキットを提供する。
【0066】
ある実施形態では、「キット」という用語は、洗浄液の容器と、所定の比及び濃度でスクラルファートと液体とを個別の容器又は1つの容器に含む包装された、局所投与のための製品を意味する。尚、当業者に理解されるように、前記キットの使用は局所投与に最適化された。
【0067】
この態様によれば、またある実施形態では、スクラルファート粉末は、密封された無菌の容器に保存されている。他の実施形態では、前記容器は不透明であり、日光が入らないように密封されている。他の実施形態では、前記容器は、幾つかの部分に分離されており、各部分に所定量の前記粉末が含まれる。他の実施形態では、スクラルファートが活性化し、分解するのを防ぐために、この薬剤を日光に晒してはならない。他の実施形態では、前記所定量は、1回の投与量に相当し、1/2、1、2、若しくは3gであり、又は1日分の治療量に相当し、2、4、6、又は8gである(治癒するまで)(投与:1日2回(Bis in Die:BID)又は1日4回(Quater in Die:QID))。
【0068】
ある実施形態では、前記キットは、前記粉末から分離された水溶液をさらに含む。他の実施形態では、前記水溶液は部分に分けられており、それぞれの部分は所定の量の前記水溶液を含む。
【0069】
ある実施形態では、前記水溶液は、ミネラル水である。他の実施形態では、前記水溶液は、水道水である。他の実施形態では、前記水溶液は、水溶液及び食塩水である。
【0070】
ある実施形態では、本発明に係るキットは、塗付器をさらに含む。他の実施形態では、前記キットは、洗浄液を含む。他の実施形態では、前記キットは、芳香油を含む。
【0071】
ある実施形態では、前記キットは、個々の構成要素の使用範囲に関する取扱説明書を含む。前記構成要素は、キットの個々の容器に様々な濃度及び/又は比で存在し、前記容器はマークされている。したがって、使用者には、特定の利用における使用のための最適化された取扱説明書が提供される。
【0072】
ある実施形態では、前記キットは、そのキットが使用される(例えば、口内粘膜を治療するために)潰瘍の種類に対して最適化された構成要素及び/又は濃度を有する薬剤を含む。他の実施形態では、前記キットは、潰瘍のそれぞれの段階における使用に対して最適化された構成要素及び/又は濃度を有する薬剤を含む。
【0073】
ある実施形態では、本発明は、ヒトにおけるアフタ性口内炎を治療するためのキット(Aftakit(登録商標))、ペットにおけるアフタ性口内炎を治療するためのキット(Aftapet(登録商標))、又はヒトにおける化学療法誘発のアフタ性口内炎を治療するためのキット(Chemokit(登録商標))を提供する。
【0074】
ある実施形態では、本発明に係るキット、組成物、及び方法は、アフタ性口内炎の潰瘍、歯周ポケット、膿瘍、サイト・オブ・エクストラクション、又はそれらの組み合わせを治療するために使用され、前記方法は、
(a)口を洗浄するステップと、
(b)スクラルファートを含む粉末を水及び等張生理食塩水と混合し、混合液を得るステップと、
(c)作成したばかりの前記混合液を前記潰瘍の部位及びその周囲の粘膜に局所投与するステップとを含み、それによって、アフタ性口内炎の潰瘍を治療する。
【0075】
ある実施形態では、本発明に係るキット、組成物、及び方法は、化学療法又は放射線療法によって誘発された口内粘膜炎を有する対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍を治療するために使用され、
(a)口を洗浄するステップと、
(b)スクラルファートを含む粉末を水及び等張生理食塩水と混合し、混合液を得るステップと、
(c)作成したばかりの前記混合液を前記潰瘍の部位及びその周囲の粘膜に局所投与するステップとを含み、それによって、化学療法又は放射線療法によって誘発された口内粘膜炎の潰瘍を治療する。
【0076】
ある実施形態では、本発明に係るキット、組成物、及び方法は、アフタ性口内炎を有する対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍の再発を防止するために使用され、前記方法は、
(a)口を洗浄するステップと、
(b)スクラルファートを含む粉末を水及び等張生理食塩水と混合し、混合液を得るステップと、
(c)作成したばかりの前記混合液を前記潰瘍の部位及びその周囲の粘膜に局所投与するステップとを含み、それによって、アフタ性口内炎の潰瘍の再発を防止する。
【0077】
ある実施形態では、本発明に係るキット、組成物、及び方法は、対象における口腔扁平苔癬の潰瘍を治療するために使用され、前記方法は、
(a)前記潰瘍に洗浄液を塗付するステップと、
(b)スクラルファートを含む粉末を水及び等張生理食塩水と混合し、混合液を得るステップと、
(c)作成したばかりの前記混合液を前記潰瘍の部位及びその周囲の粘膜に局所投与するステップとを含み、それによって、対象における口腔扁平苔癬の潰瘍を治療する。
【0078】
ある実施形態では、アフタ性口内炎、化学療法若しくは放射線療法によって誘発された口内粘膜炎、口腔扁平苔癬を治療する、又はアフタ性口内炎を防止するための前記方法では、スクラルファート及び水−食塩水の混合液が使用される。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:1の比の水及び等張生理食塩水約2〜5mLにおいて1/2〜10gの範囲にある。他の実施形態では、スクラルファートの濃度は、それぞれ1:1〜1:8の比の水及び等張生理食塩水約1〜2mLにおいて約2gである。
【0079】
ある実施形態では、アフタ性口内炎、化学療法若しくは放射線療法によって誘発された口内粘膜炎、口腔扁平苔癬を治療する、又はアフタ性口内炎を防止するための前記方法は、混合するステップと局所投与するステップとを含む。他の実施形態では、前記混合するステップは、前記局所投与するステップの前の1時間以内に行われる。
【0080】
下記の実施例(限定するものではない)を参照しつつより詳細に本発明のこの態様を説明する。
【実施例】
【0081】
≪実施例1≫
【0082】
<アフタ性口内炎を治療するためのキット>
【0083】
キット:
【0084】
任意の種類のアフタ性口内炎を治療及び防止するためのキットは、20個のバブル容器と塗付器とを含む。それぞれの容器は不透明であり、1gのスクラルファートと、スイート・マージョラムの芳香油を含有する1mLのミネラル水を有する内部容器とを含んでいた。
【0085】
方法:
【0086】
口を水道水でよく洗浄した後に、内部の容器に圧力を加え、内部の容器の水及び粉末を混合したところ、新しいペーストが形成された。前記容器を開け、前記ペーストを直接又はへらを使用して潰瘍に投与した。この治療を1日に4回、5日間に渡って繰返した。
【0087】
結果:
【0088】
30人の患者に口をよく洗浄させた後に、この「新しいペースト」を投与して効果を調べた。その結果、1回の投与後に、痛みが著しく軽減した。1〜2回の投与後には、口の中で潰瘍を感じることはなく、治癒が継続した。患者の96%が、痛みの軽減及び潰瘍の治癒が促進されたことを報告した。患者の20%が、2回の投与の後に長期の寛解を経験したことを報告した。キットは、容易に使用することができた。潰瘍の隣接した部位にアフタが発生したと観察されることはなかった。
【0089】
≪実施例2≫
【0090】
<アフタ性口内炎を治療するためのシリンジ及びカップのキット>
【0091】
キット:
【0092】
任意の種類のアフタ性口内炎を治療及び防止するためのキットは、洗浄用のミネラル水が入った20固のボトルと、ミネラル水が入った20個のシリンジと、粉末が入った20個のカップと、混合及び投与するための棒とを含んでいた。各シリンジは水と等張生理食塩水とを1:1で含み、それぞれのカップは1gのスクラルファートを含んでいた。
【0093】
方法:
【0094】
それぞれのカップに0.5mLの水を注入し、水及びスクラルファートの粉末を棒で混合し、口洗浄の後にアフタ性潰瘍に投与した。薬剤は、潰瘍の見える部分に投与した。
【0095】
結果:
【0096】
20人の患者がこの「カップに入った1日投与量」の薬剤を使用した。痛みは、1日後に軽減した。患者の90%において潰瘍の治癒がすぐに始まった。
【0097】
≪実施例3≫
【0098】
<アフタ性口内炎を治療するためのキット>
【0099】
キット:
【0100】
如何なる種類のアフタ性口内炎を治療及び防止するためのキットは、黒い/有色のボトルに20gのスクラルファートと、1gの粉末を計り取るための計量スプーンと、0.5mlのミネラル水を有する密封された20個のカップと、へらとを含む。
【0101】
方法:
【0102】
計量スプーンで1gのスクラルファートを計り取って0.5ccの水が入ったカップに加えた。へらでスクラルファート及び水を混合し、口を水及びラベンダーの芳香油で洗浄した直後にアフタ性潰瘍に投与した。15人の成人及び5人の子供がこのキットを半年間使用した。彼らに、潰瘍部位に「前駆的な痛み」が発生するときに使用し、症状について日記を書くように指導した。親らに、痛みが発生した際にすぐにこの薬剤を投与するように指導した。
【0103】
結果:
【0104】
全ての患者は、1日後に痛みの軽減を感じた。子供は、1〜2回の投与後に非常に早く症状の改善を経験した。潰瘍は、2〜3日後に治癒した。寛解は、通常よりも長く報告された。95%の患者が症状の軽減を報告した。潰瘍が前駆的な状態にあるときに治療をしたところ、潰瘍は発達する前に消失した。
【0105】
≪実施例4≫
【0106】
<アフタ性口内炎を治療するための方法>
【0107】
キット:
【0108】
任意の種類のアフタ性口内炎を治療又は防止するためのキットは、スクラルファートが入った密封された有色のボトルと、綿棒とを含む。
【0109】
方法:
【0110】
水道水で口を洗浄した。綿棒を水道水で濡らし、スクラルファートに付け、アフタ性潰瘍に投与した。ペーストには、味、臭い、又は粘性を有していなかった。ペーストの余分な部分は、口の中に広がり、粘膜の上で保護層を形成し、アフタ性潰瘍の発達を防止した。
【0111】
結果:
【0112】
患者の90%において痛みがすぐに軽減した。潰瘍は、平均して3日間続いた。感触は心地良いものではなかった。
【0113】
≪実施例5≫
【0114】
<化学療法によって誘発されたアフタ性口内炎の治療>
【0115】
組成:
【0116】
1.5gのスクラルファートを、1:1の比の水及び等張生理食塩水2mLと混合し、ペーストを形成した。
【0117】
方法:
【0118】
痛みを伴う化学療法誘発口内炎を有する5人の女性患者に、1日に4〜6回、回復するまでにスクラルファートのペーストを投与し、治療した。この薬剤は、潰瘍がすでに発達したときに使用した。
【0119】
結果:
【0120】
5人の全ての患者は、痛み及び不快感が著しく軽減したこと、並びに潰瘍の期間が短縮したことを報告した。
【0121】
≪実施例6≫
【0122】
<ペットにおけるアフタ性口内炎を治療する方法>
【0123】
組成:
【0124】
4gのスクラルファートを4mLの水に溶解した。
【0125】
方法:
【0126】
動物病院にて、2匹の犬にこのペーストをへらで1日2回投与した。
【0127】
結果:
【0128】
1匹目の犬は発達したアフタ性潰瘍を有していたのに対して、他方の犬は食道で大きなびらん性の潰瘍を有していた。前者の犬では2日間以内に潰瘍の縮小が確認され、後者の犬では潰瘍は早く治癒しなかった。
【0129】
本明細書で本発明の一定の特徴について説明したが、当業者は、本発明に関する様々な改変、置換、変更、及び同等物を思いつくであろう。それ故に、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲内に入るそのような全ての改変及び変更を網羅することを理解されたい。

【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】薬剤送達システムの概略図である。液体の第1ユニット(1−10)は、ボウル状のベースであり、壁(1−50)が2つのユニットを分離し、リング(1−60)がベース及び分離壁を連結する。したがって、壁は安定するのに十分な強度を有するが、同時に手で圧迫するのに必要な脆弱性を有するようになる。このシステムは、LDPE(低密度ポリエチレン)から作成されたカバーによって密封されている。第1のユニット(内部のバブル)を圧迫することによって、脆弱なバリアが破壊し、それによって、液体が第1ユニットから第2ユニット(1−20)へと噴出す。第2ユニットは、パッケージの形状を有する。3〜4回の手動圧迫によって、液体が薬剤と混合する。第2ユニットの先端には、小さな漏斗(1−40)が取り付けられている。その漏斗を介して医薬組成物が局所投与される。漏斗は、取り外し可能なカップ(1−30)によって閉じられる。このカップは、取り外されるときは外壁に付着し、それによって、医薬組成物の投与の傷害となることがなく、また、紛失することもない。ある実施形態では、第1ユニットに3mLの液体が入っており、第2ユニットに約1〜3gの粉末が入っている。 図を簡潔及び明白にするために、図に示されている構成要素は必ずしも一定の縮尺に応じて描かれているわけではない。例えば、幾つかの構成要素の寸法は、他の要素に対する相対的な大きさよりも拡大されている場合がある。さらに、互いに対応する又は類似の構成要素を示すために、必要に応じて、2つの図の間で同じ参照番号が繰返されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達システムであって、
液体の第1ユニットと薬剤の第2ユニットとを含み、
前記第1ユニットは前記第2ユニットの内部に位置することを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の薬剤送達システムであって、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットは、シリコン、ポリエステル、ポリエチレン、アルミニウム、ゼラチン、ゲルカプセル、グアーガム、キャンディー、又はそれらの任意の組み合わせから作成されることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の薬剤送達システムであって、
前記ユニットは、互いに結合していることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載の薬剤送達システムであって、
前記液体は、水であることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載の薬剤送達システムであって、
前記液体は、水溶液であることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載の薬剤送達システムであって、
前記液体は、等張生理食塩水と水とをそれぞれ約1:1〜8:1の間の比で含むことを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載の薬剤送達システムであって、
前記液体は、第2の薬剤を含む水溶液であることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載の薬剤送達システムであって、
前記薬剤は、粉末であることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載の薬剤送達システムであって、
前記第2ユニットに取り付けられた、局所投与のためのチューブをさらに含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載の薬剤送達システムであって、
前記薬剤は、スクラルファートであることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載の薬剤送達システムであって、
前記液体は、等張生理食塩水と水とをそれぞれ約1:1〜8:1の間の比で含む水溶液であり、前記薬剤は、スクラルファートであることを特徴とするシステム。
【請求項12】
液体の第1ユニットと薬剤の第2ユニットと前記第2ユニットに取り付けられたチューブとを含み、且つ前記第1ユニットが前記第2ユニットの内部に位置する、医薬組成物の局所投与のための薬剤送達システムの使用であって、
(a)前記第2ユニットで前記液体を前記薬剤と混合し、それによって、前記薬剤の水溶液又はペーストを含む医薬組成物を作成するステップと、
(b)前記医薬組成物を、前記チューブを介して運搬するステップと、
(c)前記医薬組成物を局所投与するステップとを含むことを特徴とする使用。
【請求項13】
請求項12に記載の使用であって、
前記ステップ(b)は、前記ステップ(c)の前の1時間以内に行われることを特徴とする使用。
【請求項14】
請求項12に記載の使用であって、
前記液体を前記薬剤と混合させるために、前記第1ユニットに圧力が加えられることを特徴よする使用。
【請求項15】
請求項14に記載の使用であって、
前記圧力は、手で加えられることを特徴とする使用。
【請求項16】
請求項12に記載の使用であって、
前記ユニットは、シリコン、ポリエステル、ポリエチレン、アルミニウム、ゼラチン、可消化物質、又はそれらの任意の組み合わせから作成されることを特徴とする使用。
【請求項17】
請求項12に記載の使用であって、
前記液体は、水であることを特徴とする使用。
【請求項18】
請求項12に記載の使用であって、
前記液体は、水溶液であることを特徴とする使用。
【請求項19】
請求項18に記載の使用であって、
前記液体は、等張食塩と水とをそれぞれ約1:1〜8:1の間の比で含む水溶液であることを特徴とする使用。
【請求項20】
請求項12に記載の使用であって、
前記液体は、第2の薬剤を含む水溶液であることを特徴とする使用。
【請求項21】
請求項12に記載の使用であって、
前記薬剤は、粉末であることを特徴とする使用。
【請求項22】
請求項12に記載の使用であって、
前記薬剤は、スクラルファートであることを特徴とする使用。
【請求項23】
請求項12に記載の使用であって、
前記液体は、等張生理食塩水と水とをそれぞれ約1:1〜8:1の間の比で含む水溶液であり、前記薬剤は、スクラルファートであることを特徴とする使用。
【請求項24】
対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍を治療するための請求項12に記載の使用であって、
口を洗浄するステップと、その後に前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、
前記薬剤はスクラルファートであり、前記液体は水溶液であることを特徴とする使用。
【請求項25】
化学療法又は放射線療法によって誘発された口内粘膜炎を有する対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍を治療するための請求項12に記載の使用であって、
口を洗浄するステップと、その後に前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、
前記薬剤はスクラルファートであり、前記液体は水溶液であることを特徴とする使用。
【請求項26】
対象における口腔扁平苔癬の潰瘍を治療するための請求項12に記載の使用であって、
前記潰瘍に洗浄液を塗付するステップと、その後に前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、
前記薬剤はスクラルファートであり、前記液体は等張生理食塩水を有する水溶液であることを特徴とする使用。
【請求項27】
請求項24の使用であって、
前記スクラルファートの濃度は、1:1の比の水及び等張生理食塩水約2〜5mLにおいて1/2〜10gの範囲内にあることを特徴とする使用。
【請求項28】
請求項24に記載の使用であって、
前記アフタ性口内炎は、再発性アフタ性口内炎(R.A.S)、口内粘膜炎、又はそれらの組み合わせであることを特徴とする使用。
【請求項29】
請求項24に記載の使用であって、
前記アフタ性口内炎は、鵞口瘡、大アフタ、又はヘルペス様傷害として発生することを特徴とする使用。
【請求項30】
液体の第1ユニットと薬剤の第2ユニットとを含み、且つ前記第1ユニットが前記第2ユニットの内部に位置する、医薬組成物の注入及び局所投与を安全に行えるように構成された薬剤送達システムの使用であって、
(a)前記第2ユニットで前記液体を前記薬剤と混合し、それによって、前記薬剤の溶液又はペーストを含む医薬組成物を作成するステップと、
(b)前記医薬組成物を局所投与するステップとを含むことを特徴とする使用。
【請求項31】
請求項30に記載の使用であって、
前記ステップ(a)は、前記ステップ(b)の前の1時間以内に行われることを特徴とする使用。
【請求項32】
請求項30に記載の使用であって、
前記液体を前記薬剤と混合するために前記第1ユニットに圧力が加えられることを特徴とする使用。
【請求項33】
請求項30に記載の使用であって、
前記圧力は歯によって加えられ、前記医薬組成物は口腔内の口腔粘膜に投与されることを特徴とする使用。
【請求項34】
請求項30に記載の使用であって、
前記ユニットは、可消化物質、キャンディー、グアーガム、風船ガム、ゼラチン、又はそれらの任意の組み合わせから作成されることを特徴とする使用。
【請求項35】
請求項30に記載の使用であって、
前記液体は、水及び等張生理食塩水であることを特徴とする使用。
【請求項36】
請求項30に記載の使用であって、
前記液体は、水溶液であることを特徴とする使用。
【請求項37】
請求項30に記載の使用であって、
前記液体は、等張生理食塩水と水とをそれぞれ1:1〜8:1の間の比で含む水溶液であることを特徴とする使用。
【請求項38】
請求項30の使用であって、
前記液体は、第2の薬剤を含む水溶液であることを特徴とする使用。
【請求項39】
請求項30に記載の使用であって、
前記薬剤は、粉末であることを特徴とする使用。
【請求項40】
請求項30に記載の使用であって、
前記薬剤は、スクラルファートであることを特徴とする使用。
【請求項41】
請求項30に記載の使用であって、
前記液体は等張生理食塩水と水とをそれぞれ1:1〜8:1の間の比で含む水溶液であり、前記薬剤はスクラルファートであることを特徴とする使用。
【請求項42】
対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍を治療するための請求項30に記載の使用であって、
口を洗浄するステップと、その後に前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、
前記薬剤はスクラルファートであり、前記液体は水溶液であることを特徴とする使用。
【請求項43】
化学療法及び放射線療法によって誘発された口内粘膜炎を有する対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍を治療するための請求項30に記載の使用であって、
口を洗浄するステップと、その後に前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、
前記薬剤はスクラルファートであり、前記液体は水溶液であることを特徴とする使用。
【請求項44】
対象における口腔扁平苔癬の潰瘍を治療する請求項30に記載の使用であって、
前記潰瘍に洗浄液を塗付するステップと、その後に前記医薬組成物を局所投与するステップとを含み、
前記薬剤はスクラルファートであり、前記液体は水溶液であることを特徴とする使用。
【請求項45】
請求項42に記載の使用であって、
前記スクラルファートは、1:1の比の水及び等張生理食塩水約2〜5mLにおいて1/2〜10gの範囲内にあることを特徴とする使用。
【請求項46】
請求項42に記載の使用であって、
前記アフタ性口内炎は、再発性アフタ性口内炎(R.A.S)、口内粘膜炎、又はそれらの組み合わせであることを特徴とする使用。
【請求項47】
請求項42に記載の使用であって、
前記アフタ性口内炎は、鵞口瘡、大アフタ、又はヘルペス様傷害として発生することを特徴とする使用。
【請求項48】
水溶液又はペースト内でスクラルファートを含む、アフタ性口内炎の潰瘍を局所治療するための局所組成物であって、
前記スクラルファートの濃度は、1:1の比の水及び等張生理食塩水約2〜5mLにおいて1/2〜10gの範囲内にあり、
新しく作成され、新しい状態で投与されることを特徴とする局所組成物。
【請求項49】
請求項48に記載の組成物であって、
前記スクラルファートの濃度は、1:1の比の水及び等張生理食塩水約1〜2mLにおいて約2gであることを特徴とする組成物。
【請求項50】
請求項48に記載の組成物であって、
ペースト状、クリーム状、ゲル状、軟膏状、又はローション状であることを特徴とする組成物。
【請求項51】
請求項48に記載の組成物であって、
芳香油をさらに含むことを特徴とする組成物。
【請求項52】
請求項48に記載の組成物であって、
前記芳香油は、スイート・マージョラムの芳香油、ミルラの芳香油、バニラの芳香油、ラベンダーの芳香油、ジュニパーの芳香油、クローブの芽の芳香油、又はそれらの任意の組み合わせであることを特徴とする組成物。
【請求項53】
請求項48に記載の組成物であって、
前記水は、ミネラル水であることを特徴とする組成物。
【請求項54】
請求項48に記載の組成物であって、
前記アフタ性口内炎は、再発性アフタ性口内炎(R.A.S)であることを特徴とする組成物。
【請求項55】
請求項48に記載の組成物であって、
前記アフタ性口内炎は、鵞口瘡、大アフタ、又はヘルペス様傷害として発生することを特徴とする組成物。
【請求項56】
アフタ性口内炎の潰瘍を治療するためのキットであって、
スクラルファートの粉末を含むことを特徴とするキット。
【請求項57】
請求項56に記載のキットであって、
前記粉末は、密封された容器内に保管されていることを特徴とするキット。
【請求項58】
請求項56に記載のキットであって、
前記容器は、不透明であることを特徴とするキット。
【請求項59】
請求項56に記載されたキットであって、
前記容器は、複数の部分に分かれており、
前記部分のそれぞれは、所定の量の前記薬剤を含むことを特徴とするキット。
【請求項60】
請求項56に記載のキットであって、
前記粉末から分離した水溶液をさらに含むことを特徴とするキット。
【請求項61】
請求項60に記載のキットであって、
前記水溶液は、複数の部分に分かれており、
前記部分のそれぞれは、所定の量の前記水溶液を含むことを特徴とするキット。
【請求項62】
請求項60に記載のキットであって、
前記水溶液は、ミネラル水又は水道水、及び等張生理食塩水であることを特徴とするキット。
【請求項63】
請求項56に記載のキットであって、
塗付器と洗浄液とをさらに含むことを特徴とするキット。
【請求項64】
アフタ性口内炎の潰瘍、歯周ポケット、膿瘍、サイト・オブ・エキストラクション、又はそれらの任意の組み合わせを治療する方法であって、
(a)口を洗浄するステップと、
(b)スクラルファートを含む粉末を水と混合し、混合物を得るステップと、
(c)新しい前記混合物を前記潰瘍及びその周囲の粘膜に局所投与するステップと含み、
それによって、前記対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍を治療することを特徴とする方法。
【請求項65】
請求項64に記載の方法であって、
前記スクラルファートの濃度は、1:1の比の水及び等張生理食塩水約2〜5mLにおいて1/2〜10gの範囲内にあることを特徴とする方法。
【請求項66】
請求項64に記載の方法であって、
前記スクラルファートの濃度は、1:1の比の水及び等張生理食塩水約1〜2mLにおいて約2gであることを特徴とする方法。
【請求項67】
請求項64に記載の方法であって、
前記ステップ(b)は、前記ステップ(c)の前の1時間以内に行われることを特徴とする方法。
【請求項68】
アフタ性口内炎の潰瘍を有する対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍の再発を防止する方法であって、
(a)口を洗浄するステップと、
(b)スクラルファートを含む粉末を水と混合し、混合物を得るステップと、
(c)新しい前記混合物を前記潰瘍及びその周囲の粘膜に局所投与するステップと含み、
それによって、前記対象におけるアフタ性口内炎の潰瘍の再発を防止することを特徴とする方法。
【請求項69】
請求項68に記載の方法であって、
前記スクラルファートの濃度は、1:1の比の水及び等張生理食塩水約2〜5mLにおいて1/2〜10gの範囲内にあることを特徴とする方法。
【請求項70】
請求項68に記載の方法であって、
前記スクラルファートの濃度は、1:1の比の水及び等張生理食塩水約1〜2mLにおいて約2gであることを特徴とする方法。
【請求項71】
請求項68に記載の方法であって、
前記ステップ(b)は、前記ステップ(c)の前の1時間以内に行われることを特徴とする方法。
【請求項72】
化学療法及び放射線療法によって誘発された口内粘膜炎を有する対象におけるアルファ性口内炎の潰瘍を治療する方法であって、
(a)口を洗浄するステップと、
(b)スクラルファートを含む粉末を水及び等張生理食塩水と混合し、混合物を得るステップと、
(c)新しい前記混合物を前記潰瘍及びその周囲の粘膜に局所投与するステップと含み、
それによって、化学療法及び放射線療法によって誘発された口内粘膜炎の潰瘍を治療することを特徴とする方法。
【請求項73】
対象における口腔扁平苔癬の潰瘍を治療する方法であって、
(a)口を洗浄するステップと、
(b)スクラルファートを含む粉末を水及び等張生理食塩水と混合し、混合物を得るステップと、
(c)新しい前記混合物を前記潰瘍及びその周囲の粘膜に局所投与するステップと含み、
それによって、対象における口腔扁平苔癬の潰瘍を治療することを特徴とする方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2009−505693(P2009−505693A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525720(P2008−525720)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際出願番号】PCT/IL2006/000922
【国際公開番号】WO2007/017875
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(508043958)マヤバイオテック・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】MAYA−BIOTECH LTD.
【住所又は居所原語表記】Hagefen 9/2, 42810 Tzur Moshe, Israel
【Fターム(参考)】