説明

履物用送風装置

【課題】履物を履いた状態での足への快適性を向上させることができる履物用送風装置を提供すること。
【解決手段】履物用送風装置1によれば、電池3からモータ4に付与された駆動電力によってモータ4の駆動軸4aが回転駆動され羽根車5が回転するので、羽根車5によって空気が送風される。また、本体2は、収容部2aの収容空間Aがノズル部2aによって外部へ連通されているので、羽根車5によって送風された空気がノズル部2bから収容部2の外部へ排気される。更に、ノズル部2bは、薄型で、収容部2aよりもコンパクトに構成されているので、靴Sと足との間にノズル部2bを挟入することができ、靴Sを履いた状態でも使用することができる。従って、羽根車5によって送風された空気をノズル部2bから靴Sと足との間へ排気することができるので、靴S内を除湿および乾燥するに加え足を冷却することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物用送風装置に関し、特に、履物を履いた状態での足への快適性を向上させることができる履物用送風装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
靴を乾燥させる技術として、例えば、特開平2−241427号公報には、送風ファン13からの送風を送風パイプ22によって靴内に導いて靴を乾燥させる靴乾燥機が開示されている。
【特許文献1】特開平2−241427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した靴乾燥機は、濡れた状態の靴を乾燥させるためのものであり、靴を履く際の足への快適性は向上するが、靴を履いた状態での足への快適性を向上させるものではなかった。
【0004】
本発明は、足への快適性を向上させる新たな手法を提供するためになされたものであり、履物を履いた状態での足への快適性を向上させることができる履物用送風装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を解決するために請求項1記載の履物用送風装置は、駆動軸を有するモータと、そのモータの駆動軸に軸支される羽根車と、前記モータに駆動電力を付与する電池と、それらモータ、羽根車および電池を収容する収容部と、その収容部から延設され、前記収容部の収容空間を外部へ連通するノズル部とを有する本体とを備え、その本体のノズル部の厚み寸法は、そのノズル部の幅寸法よりも小さい寸法で形成されると共に、前記収容部の厚み寸法よりも小さい寸法で形成され、前記ノズル部を履物と足との間に挟入して使用する。
【0006】
請求項2記載の履物用送風装置は、請求項1記載の履物用送風装置において、前記モータと前記電池とを電気的に接続する回路上に介設され、所定時間経過後に前記モータと前記電池との電気的な接続を遮断するタイマースイッチを備えている。
【0007】
請求項3記載の履物用送風装置は、請求項1又は2に記載の履物用送風装置において、前記羽根車が前記収容部内に収容された状態において、前記収容部は、前記羽根車と前記ノズル部との間に薬剤を保持するための保持部を備えている。
【0008】
請求項4記載の履物用送風装置は、請求項1から3のいずれかに記載の履物用送風装置において、前記ノズル部は、前記収容部に沿って延設され、その収容部と所定間隔を隔てて対向して設けられている。
【0009】
請求項5記載の履物用送風装置は、請求項4記載の履物用送風装置において、前記ノズル部の長さ寸法は、前記収容部の長さ寸法よりも短く形成されている。
【0010】
請求項6記載の履物用送風装置は、請求項4又は5に記載の履物用送風装置において、前記ノズル部の先端は、前記収容部から離間する方向へ向かって傾斜する傾斜面を備え、その傾斜面は、前記収容部と対向して形成されている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の履物用送風装置によれば、モータは、電池から駆動電力が付与され、その付与された駆動電力によって駆動軸が回転駆動される。また、羽根車は、モータの駆動軸に軸支され、その駆動軸の回転によって回転する。即ち、電池からモータに付与された駆動電力によってモータの駆動軸が回転駆動され、その回転駆動された駆動軸の回転によって羽根車が回転するので、羽根車によって空気が送風される。
【0012】
また、本体は、モータ、羽根車および電池を収容する収容部の収容空間がノズル部によって外部へ連通されているので、羽根車によって送風された空気がノズル部から収容部の外部へ排出される。
【0013】
また、ノズル部の厚み寸法は、そのノズル部の幅寸法よりも小さい寸法で形成されると共に、収容部の厚み寸法よりも小さい寸法で形成されている。これにより、ノズル部は、薄型で、収容部よりもコンパクトに構成される。よって、例えば、靴等の履物と足との間にノズル部を挟入することができ、履物を履いた状態でも使用することができる。
【0014】
従って、羽根車によって送風された空気をノズル部から履物と足との間へ排気することができるので、履物内を除湿および乾燥するに加え足を冷却することができる。よって、履物を履いた状態での足への快適性を向上させることができるという効果がある。
【0015】
請求項2記載の履物用送風装置によれば、請求項1記載の履物用送風装置の奏する効果に加え、モータと電池とを電気的に接続する回路上に介設され、所定時間経過後にモータと電池との電気的な接続を遮断するタイマースイッチを備えているので、電池からモータへ付与される駆動電力の供給を所定時間後に自動で停止させることができる。よって、電池とモータとの電気的な接続を遮断するための遮断操作を使用者が自ら行う必要がないので、使用者による煩雑な操作を不要として、利便性の向上を図ることができるという効果がある。また、使用者が遮断操作を行い忘れた場合でも、電池の浪費を防止することができるので、ランニングコストの低減を図ることができるという効果がある。
【0016】
請求項3記載の履物用送風装置によれば、請求項1又は2に記載の履物用送風装置の奏する効果に加え、羽根車が収容部内に収容された状態において、収容部は、羽根車とノズル部との間に薬剤を保持するための保持部を備えているので、羽根車からノズル部までの空気の流通経路上に薬剤を配置することができる。従って、羽根車によって送風される空気と共に薬剤の効能を履物内に排気することができるので、履物内において薬剤の効能を得ることができるという効果がある。
【0017】
請求項4記載の履物用送風装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の履物用送風装置の奏する効果に加え、ノズル部は、収容部に沿って延設され、その収容部と所定間隔を隔てて対向して設けられているので、ノズル部と収容部との対向間に履物の側壁等を挿入することにより、ノズル部を履物に引っ掛けることができる。よって、履物への保持性が向上するので、履物からの脱落を防止することができるという効果がある。また、ノズル部を履物に引っ掛けることができるので、履物と足とによってノズル部を固定する必要がなく、歩行時の違和感を軽減させることができるという効果がある。
【0018】
請求項5記載の履物用送風装置によれば、請求項4記載の履物用送風装置の奏する効果に加え、ノズル部の長さ寸法は、収容部の長さ寸法よりも短く形成されているので、ノズル部を履物の側壁に引っ掛けた場合でも、ノズル部の先端が履物の中底に干渉することがないので、履物への保持性を向上させることができるという効果がある。
【0019】
請求項6記載の履物用送風装置によれば、請求項4又は5に記載の履物用送風装置の奏する効果に加え、ノズル部の先端は、収容部から離間する方向へ向かって傾斜する傾斜面を備え、その傾斜面は、収容部と対向して形成されているので、ノズル部を履物に引っ掛ける際に、ノズル部と収容部との対向間への履物の挿入を傾斜面によってガイドすることができ、履物への取付性を向上させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1(a)から図1(d)は、本発明の第1実施形態における履物用送風装置1の概観図であり、図(a)は履物用送風装置1の正面図を、図1(b)は履物用送風装置1の背面図を、図1(c)は履物用送風装置1の上面図を、図1(d)は履物用送風装置1の側面図を、それぞれ示している。また、図1(e)は、図1(a)のIe−Ie線における履物用送風装置1の断面図である。
【0021】
まず、図1を参照して、履物用送風装置1の詳細構成について説明する。履物用送風装置1は、靴S(図3参照)等の履物内に空気を送風するための装置であり、本体2と、その本体2に収容される電池3、モータ4、羽根車5及び消臭剤6とを主に備えて構成されている。本体2は、履物用送風装置1の骨格をなす部材であり、ポリプロピレン等の合成樹脂から構成されると共に、収容部2aと、その収容部2aの最上部から延設されるノズル部2bとを備えて構成されている。
【0022】
収容部2aは、電池3、モータ4、羽根車5及び消臭剤6等を収容するための部位であり、収容空間Aを有する中空状体に構成され、図1(a)及び図1(b)に示すように、本体2の正面視および背面視において、下部側(図1(a)下側、図1(b)下側)の幅寸法が上部側(図1(a)上側、図1(b)上側)の幅寸法よりも広く略台形状に形成されると共に、図1(d)に示すように、本体2の側面視において、最下部が正面側(図1(d)左側)へ隆起して、下部側(図1(d)下側)の厚み寸法が上部側(図1(d)上側)の厚み寸法よりも厚く形成されている。また、図1(a)に示すように、収容部2aの正面側における高さ方向(図1(a)上下方向)略中央部には、吸入口2a1が設けられている。吸入口2a1は、後述するように羽根車5によって空気を送風する場合に、羽根車5によって送風する空気を収容部2a内に吸い込むための部位であり、収容部2aの収容空間Aを外部へ連通して、本体2の正面視において矩形状に貫通形成されている。また、図1(b)に示すように、収容部2aの背面側における高さ方向(図1(b)上下方向)上下2箇所には、電池交換口2a2および薬剤交換口2a3がそれぞれ設けられている。電池交換口2a2は、収容部2a内に収容される電池3を交換するための部位であり、本体2の背面視において、電池3の外形よりも大きく矩形状に形成されている。薬剤交換口2a3は、収容部2a内に収容される消臭剤6を交換するための部位であり、本体2の背面視において、後述する袋体9の外形よりも大きく矩形状に形成されている。なお、電池交換口2a2及び薬剤交換口2a3には、それら電池交換口2a2及び薬剤交換口2a3を閉封する蓋部材11,12がそれぞれ着脱可能に配設されている。
【0023】
また、図1(e)に示すように、収容部2a内の最上部には、保持部7が設けられている。保持部7は、消臭剤6等の薬剤を保持するための部位であり、一対の保持板7aを備えて構成されている。一対の保持板7aは、その略中央部に穿設された貫通孔7a1を有する板状体にそれぞれ構成されると共に、収容部2a内に羽根車5が収容された状態において、収容部2a内における羽根車5とノズル部2bとの間に所定距離を隔てて対向して接着剤(図示せず)等によりそれぞれ接着されている。消臭剤6は、一対の保持板7a間に収容されることにより、保持部7に保持される。
【0024】
図1(a)及び図1(e)に示すように、収容部2a内の最下部には、電池3が収納されている。電池3は、モータ4に駆動電力を付与するものであり、R6P形電池(単3形マンガン乾電池)から構成されている。また、図1(a)に示すように、電池3は、その両端が、収容部2a内にそれぞれ配設された電極板21とバネ22とによって挟持されている。電極板21は、電池3の正極側を支持するためのものであり、金属材料から板状体に構成されている。一方、バネ22は、電池3の負極側を支持するためのものであり、円錐コイルバネから構成されている。電池3は、バネ22によって電極板21側(図1(a)左側)へ付勢され、電極板21とバネ22とによって挟持されることにより、収容部2a内に着脱可能に固定される。なお、電極板21及びバネ22には、電池3とモータ4とを電気的に接続するための電線(図示せず)の一端側がそれぞれ接続されている。
【0025】
上述したように、本実施形態では、電池3がR6P形電池から構成されているので、モータ4に付与する駆動電力が低下した場合には、本体2の収容部2aに設けられた電池交換口2a2から別の電池に交換することができる。よって、電池3をバッテリー等で構成する場合と比較して、装置の小型化、軽量化および低価格化を図ることができる。
【0026】
図1(e)に示すように、収容部2a内における電池3と保持部7との間には、モータ4が収容されている。モータ4は、羽根車5を回転させるものであり、駆動軸4aを有するDCモータから構成され、その駆動軸4aを保持部7側へ向けて接着剤(図示せず)等により収容部2a内に接着固定されている。なお、モータ4には、一端側が電極板21及びバネ22にそれぞれ接続された電線の他端側がそれぞれ接続されている。これにより、電線を介して電池3からモータ4に駆動電力が付与され、その付与された駆動電力によって駆動軸4aが回転駆動される。
【0027】
電池3とモータ4とを電気的に接続するための電線上には、タイマースイッチ8が介設されている。タイマースイッチ8は、電池3とモータ4との電気的な接続を通電または遮断するためのものであり、オン、オフ及びタイマーオフの状態をそれぞれ切り替え可能なスライドタイプのスイッチから構成され、図1(b)に示すように、本体2の背面側に配設されている。また、タイマースイッチ8は、通電状態にある電池3とモータ4との電気的な接続を所定時間経過後に遮断するための制御回路(図示せず)を備えている。これにより、タイマースイッチ8が使用者によってタイマーオフの状態に切り替えられた場合には、電池3からモータ4へ付与される駆動電力の供給を所定時間経過後に自動で停止させることができる。よって、電池3とモータ4との電気的な接続を遮断するための遮断操作、即ち、タイマースイッチ8をオフの状態に切り替える操作を使用者が自ら行う必要がないので、使用者による煩雑な操作を不要として、利便性の向上を図ることができる。また、使用者が遮断操作を行い忘れた場合、即ち、タイマースイッチ8を切り忘れた場合でも、電池3の浪費を防止することができるので、ランニングコストの低減を図ることができる。なお、本実施形態では、タイマースイッチ8がスライドタイプのスイッチから構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、回転タイプのスイッチによって構成しても良い。
【0028】
図1(a)及び図1(e)に示すように、モータ4の駆動軸4aには、羽根車5が軸支されている。羽根車5は、回転することにより空気を送風するものであり、ポリプロピレン等の合成樹脂から構成されている。ここで、図2を参照して、羽根車5の詳細構成について説明する。図2(a)は、羽根車5の上面図であり、図2(b)は、羽根車5の側面図である。
【0029】
図2(a)に示すように、羽根車5は、軸部5aと、その軸部5aの外周に設けられる複数の羽根5bと、その羽根5bの外周に設けられる壁部5cとを備えて構成されている。軸部5aは、モータ4の駆動軸4aに軸支される部位であり、貫通部5a1を有する円筒状体に構成されている。貫通部5a1は、モータ4の駆動軸4aが挿入される部位であり、軸部5aの軸心に沿ってモータ4の駆動軸4aの軸径よりも小さい直径で軸部5aに貫通形成されている。なお、上述したように、羽根車5は合成樹脂から構成されているので、貫通部5a1が弾性変形することにより、その貫通部5a1にモータ4の駆動軸4aを挿入することができると共に、その挿入された駆動軸4aを保持することができる。
【0030】
羽根5bは、空気を送風するための部位であり、軸部5aから放射状に延設されると共に、軸部5aの軸心方向にねじれを伴って形成されている。壁部5cは、羽根5bによって送風する空気を軸部5aの軸心方向へ効率良く導くための部位であり、円筒状体に構成され、軸部5aの軸心と同心に設けられている。なお、本実施形態では、壁部5cを設けて構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、壁部5cを省略して構成しても良い。
【0031】
上述のように構成される羽根車5によれば、軸部5aがモータ4の駆動軸4aに軸支されることにより、その回転軸4aの回転によって回転し、羽根5bによって空気を送風する。また、羽根5bによって送風される空気は、壁部5cによって軸部5aの軸心方向、即ち、モータ4の駆動軸4aの軸心方向へ導かれる。上述したように、モータ4は、その駆動軸4aを保持部7側へ向けているので、羽根5bによって送風される空気は、保持部7の保持板7aに穿設された貫通孔7a1を流通して、ノズル部2b側へ送風される。
【0032】
図1に戻って、消臭剤6について説明する。図1(a)及び図1(e)に示すように、収容部2a内の保持部7には、消臭剤6が収容されている。消臭剤6は、不快な臭いを化学的に分解して除去または抑制するためのものであり、化学物質から粒状体に構成され、網目状に形成された袋体9内に収容されている。また、消臭剤6は、消臭効果が低下した場合には、本体2の収容部2aに設けられた薬剤交換口2a3から別の消臭剤に交換することができる。よって、装置のコストパフォーマンスを向上させることができる。なお、本実施形態では、袋体9が網目状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、格子状に形成しても良い。
【0033】
本体2のノズル部2bは、収容部2aの収容空間Aを外部へ連通するための部位であり、連通路2b1を有する中空状体に構成され、図1(c)及び図1(d)に示すように、収容部2aの最上部からその収容部2aの正面側(図1(d)左側)に沿って延設され、収容部2aと所定間隔を隔てて対向して設けられている。また、ノズル部2bは、図1(d)に示すように、本体2の側面視において、収容部2aの高さ方向(図1(d)上下方向)略中央部まで延設されている。即ち、ノズル部2bの長さ寸法は、収容部2aの長さ寸法よりも短く形成されている。また、ノズル部2bは、図1(a)に示すように、本体2の正面視において矩形状に形成され、図1(a)及び図1(d)に示すように、本体2の側面視における厚み寸法が本体2の正面視における幅寸法よりも小さい寸法で形成されると共に、その厚み寸法が収容部2aの厚み寸法よりも小さい寸法で形成されている。これにより、ノズル部2bは、薄型で、収容部2aよりもコンパクトに構成される。また、図1(d)及び図1(e)に示すように、ノズル部2bの先端には、収容部2aから離間する方向へ向かって傾斜し、且つ、その収容部2aと対向して形成される傾斜面2b2が設けられ、その傾斜面2b2には、連通路2b1が外部へ開口される開口部2b3が設けられている。
【0034】
次に、図3を参照して、履物用送風装置1の使用方法について説明する。図3は、履物用送風装置1の使用方法を説明する説明図であり、図3(a)及び図3(c)は、履物用送風装置1を靴S内に装置した状態を、図3(b)は、履物用送風装置1における本体2のノズル部2bを靴Sに引っ掛けた状態を、それぞれ示している。なお、図3(c)では、靴Sが断面視されていると共に、その靴Sの一部が省略して図示されている。
【0035】
上述のように構成される履物用送風装置1によれば、電池3からモータ4に付与された駆動電力によってモータ4の駆動軸4aが回転駆動され、その回転駆動された駆動軸4aの回転によって羽根車5が回転するので、羽根車5によって空気が送風される。また、本体2は、電池3、モータ4及び羽根車5を収容する収容部2aの収容空間Aがノズル部2aによって外部へ連通されているので、羽根車5によって送風された空気がノズル部2bから収容部2の外部へ排気される。よって、図3(a)に示すように、履物用送風装置1を靴S内に装置することにより、羽根車5によって送風された空気をノズル部2bから靴S内へ排気することができるので、靴S内を除湿および乾燥することができる。従って、靴Sを履く際の足への快適性を向上させることができる。
【0036】
更に、本体2のノズル部2bは、薄型で、収容部2aよりもコンパクトに構成されているので、靴Sと足との間にノズル部2bを挟入することができ、靴Sを履いた状態でも使用することができる。従って、羽根車5によって送風された空気をノズル部2bから靴Sと足との間へ排気することができるので、靴S内を除湿および乾燥するに加え足を冷却することができる。よって、靴Sを履いた状態での足への快適性を向上させることができる。その結果、靴Sを長時間履いたままの状態でも、足の蒸れや靴S内の温度上昇を解消することができると共に、足への水虫の発症を予防することができる。また、ノズル部2bを靴Sと足との間に挟入することにより、靴Sと足とによってノズル部2bを固定することができるので、歩行時にも使用することができる。
【0037】
また、本体2のノズル部2bは、収容部2aに沿って延設され、その収容部2aと所定間隔を隔てて対向して設けられているので、図3(b)に示すように、ノズル部2bと収容部2aとの対向間に靴Sの側壁Swを挿入することにより、ノズル部2bを靴Sに引っ掛けることができる。よって、靴Sへの保持性が向上するので、靴Sからの脱落を防止することができる。また、ノズル部2bを靴Sに引っ掛けることができるので、靴Sと足とによってノズル部2bを固定する必要がなく、歩行時の違和感を軽減させることができる。更に、図3(c)に示すように、本体2のノズル部2b側を靴Sの中底Sb側に向けて靴S内に装置した場合でも、ノズル部2bと収容部2aとの対向間に形成されるスペースにより、羽根車5によって送風された空気を確実にノズル部2bから靴S内に排気することができる。
【0038】
また、本体2の収容部2aは、その収容部2a内に羽根車5が収容された状態において、収容部2a内における羽根車5とノズル部2bとの間に薬剤を保持するための保持部7を備えているので、羽根車5からノズル部2bまでの空気の流通経路上に、薬剤として消臭剤6を配置することができる。従って、羽根車5によって送風される空気と共に消臭剤6の効能を靴S内に排気することができるので、靴S内において消臭剤6の効能を得ることができる。その結果、足の不快な臭いを除去または抑制することができる。なお、本実施形態では、薬剤が消臭剤6によって構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、芳香を与える芳香剤、臭気を除去する脱臭剤または細菌を除去する除菌剤等の薬剤によって構成しても良い。ここで、例えば、薬剤を芳香剤によって構成する場合には、靴S内に芳香が与えられるので、使用者の気分をリラックスさせることができる。また、保持部7によって保持される薬剤は、1種類の薬剤のみによって構成される場合に限られず、複数種類の薬剤によって構成しても良い。
【0039】
また、本体2のノズル部2bの長さは、収容部2aの長さよりも短く形成されているので、ノズル部2aを靴Sの側壁Swに引っ掛けた場合でも、ノズル部2bの先端が靴Sの中底Sbに干渉することがないので、靴Sへの保持性を向上させることができる。また、ノズル部2bの先端は、収容部2aから離間する方向へ向かって傾斜する傾斜面2b2を備え、その傾斜面2b2は、収容部2aと対向して形成されているので、ノズル部2bを靴Sに引っ掛ける際に、ノズル部2bと収容部2aとの対向間への靴Sの挿入を傾斜面2b2によってガイドすることができ、靴Sへの取付性を向上させることができる。
【0040】
また、吸入口2a1は、収容部2aの正面側、即ち、ノズル部2bと同一側に設けられているので、収容部2aの背面側に設けられる場合と比較して、図3(a)に示すように、履物用送風装置1を靴S内に装置した場合でも、吸入口2a1が靴Sの中底Sbによって密封されることがないと共に、図3(b)に示すように、ノズル部2bを靴Sに引っ掛けた場合でも、吸入口2a1からの埃等の進入を抑制することができる。
【0041】
次に、図4及び図5を参照して、第2実施形態における履物用送風装置201について説明する。第1実施形態における履物用送風装置1は、本体2のノズル部2bが収容部2aに沿って延設される場合を説明したが、第2実施形態における履物用送風装置201は、本体202のノズル部202bが収容部202aから突出して延設されている。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
図4(a)は、第2実施形態における履物用送風装置201の概観正面図であり、図4(b)は、履物用送風装置201の外観側面図であり、図4(c)は、図4(a)のIVc−IVc線における履物用送風装置201の断面図であり、図4(d)は、図4(a)のIVd−IVd線における履物用送風装置201の断面図である。また、図5は、履物用送風装置201の使用方法を説明する説明図であり、図5(a)は、履物用送風装置201を靴S内に装置した状態を、図5(b)は、履物用送風装置201における本体202のノズル部202bを靴Sに引っ掛けた状態を、それぞれ示している。
【0043】
まず、図4を参照して、履物用送風装置201の詳細構成について説明する。履物用送風装置201の本体202は、収容部202aと、その収容部202aから突出して延設されるノズル部202bとを主に備えて構成されている。
【0044】
収容部202aは、収容空間Bを有する中空状体に構成され、両端が閉封された円筒状に形成されると共に、この収容部202a内には、電池3、モータ4、羽根車5及び消臭剤6等が直列に収容されている。また、図4(a)に示すように、収容部202a内の一端側(図4(a)上側)には、保持部7が設けられている。保持部7は、保持板207aを備えて構成されている。保持板207aは、板状体に構成され、収容部202a内に羽根車5が収容された状態において、収容部202a内における羽根車5とノズル部2bとの間に接着剤(図示せず)等により接着されている。消臭剤6は、保持板207aに支持されることにより、保持部7に保持される。
【0045】
ノズル部202bは、連通路2b1を有する中空状体に構成され、図4(b)に示すように、本体202の側面視において、収容部202aの外周面に接して延設されている。また、ノズル部202bは、図4(a)に示すように、本体202の正面視において、先端側(図4(a)左側)の幅寸法が収容部202a側(図4(a)右側)の幅寸法よりも広く略台形状に形成され、図4(a)及び図4(b)に示すように、本体202の側面視における厚み寸法が本体202の正面視における幅寸法よりも小さい寸法で形成されると共に、その厚み寸法が収容部202aの直径よりも小さい寸法で形成されている。これにより、ノズル部202bは、薄型で、収容部202aよりもコンパクトに構成される。
【0046】
上述のように構成される履物用送風装置201によれば、羽根5bによって送風される空気は、収容部202aの一端側(図4(a)上側)で折り返し、保持部7の保持板207aに沿って流通して、ノズル部202b側へ送風される。よって、図5(a)に示すように、履物用送風装置201を靴S内に装置することにより、羽根車5によって送風された空気をノズル部202bから靴S内に排気することができるので、靴S内を除湿および乾燥することができる。従って、靴Sを履く際の足への快適性を向上させることができる。
【0047】
更に、本体202のノズル部202bは、薄型で、収容部202aよりもコンパクトに構成されているので、図5(b)に示すように、靴Sと足(図示せず)との間にノズル部202bを挟入することができ、靴Sを履いた状態でも使用することができる。従って、羽根車5によって送風された空気をノズル部202bから靴Sと足との間へ排気することができるので、靴S内を除湿および乾燥するに加え足を冷却することができる。よって、靴Sを履いた状態での足への快適性を向上させることができる。また、ノズル部202bを靴Sと足との間に挟入することにより、靴Sと足とによってノズル部202bを固定することができるので、歩行時にも使用することができる。
【0048】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0049】
例えば、上記第1実施形態では、収容部2aが本体2の正面視において略台形状に形成される場合を、上記第2実施形態では、収容部202aが円筒状に形成される場合を、それぞれ説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、略円錐状に形成しても良い。
【0050】
また、上記第1実施形態では、ノズル部2bが本体2の正面視において矩形状に形成される場合を、上記第2実施形態では、ノズル部202bが本体202の正面視において略台形状に形成される場合を、それぞれ説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、二股形状や三股形状に構成しても良い。
【0051】
また、上記各実施形態では、タイマースイッチ8が、電池3とモータ4との電気的な接続を所定時間経過後に遮断するための制御回路を備えて構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、制御回路を省略して構成しても良い。この場合には、装置の低価格化を図ることができる。
【0052】
また、上記第1実施形態では、吸入口2a1が収容部2aの正面側、即ち、ノズル部2bと同一側に設けて構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、収容部2aの背面側または収容部2aの側面側に設けて構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】(a)から(d)は、第1実施形態における履物用送風装置の外観図であり、(e)は、(a)のIe−Ie線における履物用送風装置の断面図である。
【図2】(a)は、羽根車の上面図であり、(b)は、羽根車の側面図である。
【図3】第1実施形態における履物用送風装置の使用方法を説明する説明図である。
【図4】(a)及び(b)は、第2実施形態における履物用送風装置の概観図であり、(c)は、(a)のIVb−IVb線における履物用送風装置の断面図であり、(d)は、(a)のIVb−IVb線における履物用送風装置の断面図である。
【図5】第2実施形態における履物用送風装置の使用方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1,201 履物用送風装置
2,202 本体
2a,202a 収容部
2b,202b ノズル部
2b2 傾斜面
3 電池
4 モータ
4a 駆動軸
5 羽根車
6 消臭剤(薬剤)
7 保持部
8 タイマースイッチ
A,B 収容空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸を有するモータと、
そのモータの駆動軸に軸支される羽根車と、
前記モータに駆動電力を付与する電池と、
それらモータ、羽根車および電池を収容する収容部と、その収容部から延設され、前記収容部の収容空間を外部へ連通するノズル部とを有する本体とを備え、
その本体のノズル部の厚み寸法は、そのノズル部の幅寸法よりも小さい寸法で形成されると共に、前記収容部の厚み寸法よりも小さい寸法で形成され、
前記ノズル部を履物と足との間に挟入して使用することを特徴とする履物用送風装置。
【請求項2】
前記モータと前記電池とを電気的に接続する回路上に介設され、所定時間経過後に前記モータと前記電池との電気的な接続を遮断するタイマースイッチを備えていることを特徴とする請求項1記載の履物用送風装置。
【請求項3】
前記羽根車が前記収容部内に収容された状態において、
前記収容部は、前記羽根車と前記ノズル部との間に薬剤を保持するための保持部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の履物用送風装置。
【請求項4】
前記ノズル部は、前記収容部に沿って延設され、その収容部と所定間隔を隔てて対向して設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の履物用送風装置。
【請求項5】
前記ノズル部の長さ寸法は、前記収容部の長さ寸法よりも短く形成されていることを特徴とする請求項4記載の履物用送風装置。
【請求項6】
前記ノズル部の先端は、前記収容部から離間する方向へ向かって傾斜する傾斜面を備え、
その傾斜面は、前記収容部と対向して形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の履物用送風装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−35974(P2008−35974A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−211443(P2006−211443)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(392004727)電子ブロック機器製造株式会社 (3)
【Fターム(参考)】