説明

崩壊性水含有カプセル

崩壊性水含有カプセルであって、(a)約40重量%〜約95重量%の水相であって、水相の少なくとも50重量%の水を含む、水相、b)約5重量%〜約20重量%のスピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末であって、疎水性表面処理がなされ、かつ約25nm〜約150nmの平均長軸粒径、約4nm〜約50nmの平均短軸粒径、及び約3を超えるアスペクト(縦横)比を有する、金属酸化物粉末、を含む、カプセル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常の保存条件下及び通常の混合プロセス下で安定であるが、身体表面に適用される際に崩壊する崩壊性水含有カプセルに関する。本発明は更に、かかるカプセルを製造する方法、かかるカプセルを利用するパーソナルケア組成物、並びにかかるカプセルを用いる皮膚処置又は皮膚のメークアップに関する。
【背景技術】
【0002】
ファンデーション組成物は、顔及び体のその他の部分に適用して肌の色調及びきめを均一にして、毛穴、欠陥、小じわなどを隠すことができる。ファンデーション組成物はまた、皮膚に潤いを与え、皮膚の油分を整え、そして日光、風、及びその他の環境要因の悪影響から皮膚を守るためにも適用される。
【0003】
ファンデーション組成物は、一般に、液体又はクリーム懸濁液、エマルション、ゲル、固形パウダー、ルースパウダー又は無水油及びろう組成物の形態で入手可能である。エマルション型ファンデーションは、組み込まれた水及び水溶性皮膚処置剤によって潤い効果を提供する点で好適である。一方、より多い量及び種類の粉末及び顔料を、固形パウダー及びルースパウダー内に配合することができる。
【0004】
近年、潤いと、並びに皮膚に対する良好なカバー性及び皮膚上での自然な外見の両方を有する理想的な外見と、を追求する消費者は、二工程レジメンのファンデーション適用を習慣としている。典型的に、二工程レジメンは、液体又はエマルション形態のファンデーションの適用、続く固形又はルースパウダーファンデーションの適用を含む。こうした要求の厳しい消費者は、こうした二工程レジメンが最良の結果を提供すると考えるが、こうしたレジメンは相当に複雑でもある。皮膚に良好な感触及び良好な外観の両方を提供できるファンデーション製品が必要とされている。
【0005】
一方、崩壊性水含有カプセルは当該技術分野において既知である。こうしたカプセルは、皮膚への適用及び皮膚での崩壊に際し、独特の感触又は感触の変化を提供する。皮膚への適用に際し、こうしたカプセルは、潤いを与える感触又は新鮮な感触を提供する。こうしたカプセルはまた、多かれ少なかれ安定した方法で、ビタミンC誘導体のような水溶性皮膚活性剤を皮膚に供給し得る。
【0006】
既知の崩壊性水含有カプセルは、通常、微細な多孔質性粉末、例えば、PCT国際公開第01/85138号、日本特許公開第2001−131528A号、同第2000−247823A号、同第2000−309506A号、同第11−130614A号、同第10−265367A号、同第5−65212A号、及び同第4−308520A号に開示されるように、表面処理されていてもされていなくてもよいシリカ粒子から製造される。多孔質シリカを使用することにより比較的安定なカプセルを提供できるが、多孔質シリカは、皮膚への適用後に望ましくない乾燥した感触を与える場合があることも観察されている。これは、カプセルに含有される豊富な水によって潤った感触を提供することが期待されている製品にとって好ましくないことは明らかである。加えて、これらの公開のいくつかは、カプセルの製造に関して、高剪断での混合及び剪断に先立つ凍結が包含される、極端な条件及び工程を開示する。このような条件及び工程は費用がかさみ、商業上の好ましくない。
【0007】
例えば、日本特許公開第2006−509732A号、同第2001−226230A号、同第2001−158716A号、及び同第1−125314A号に開示されるようなフッ素系表面コーティング剤によって被覆された粉末を利用することが一部に試みられている。しかし、上述したカプセルには、皮膚への適用が望ましく、かつ十分な許容剪断応力を提供するようなものはない。PCT国際公開第2008/018028号は、フッ素系表面コーティング剤により被覆された粉末からなる、カプセルを開示する。フッ素系表面コーティング剤を含まないカプセルを提供することは、安全性と環境の観点から特に有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】PCT国際公開第01/85138号
【特許文献2】日本特許公開第2001−131528A号
【特許文献3】日本特許公開第2000−247823A号
【特許文献4】日本特許公開第2000−309506A号
【特許文献5】日本特許公開第11−130614A号
【特許文献6】日本特許公開第10−265367A号
【特許文献7】日本特許公開第5−65212A号
【特許文献8】日本特許公開第4−308520A号
【特許文献9】日本特許公開第2006−509732A号
【特許文献10】日本特許公開第2001−226230A号
【特許文献11】日本特許公開第2001−158716A号
【特許文献12】日本特許公開第1−125314A号
【特許文献13】PCT国際公開第2008/018028号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述した通り、身体表面に良好な感触を与えることができるとともに、通常の保存条件下及び通常の混合プロセス下で安定であるが、身体表面に適用する際に特定の剪断応力で崩壊するような、適切な許容剪断力を有することができる崩壊性水含有カプセルが必要とされている。更に身体表面に良好な外観を与える崩壊性水含有カプセルも必要とされている。更に、経済的に製造することができる崩壊性水含有カプセルも必要とされている。
【0010】
既存の技術には、本発明の利点及び利益の全てを提供するものは存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、崩壊性水含有カプセルであって、
(a)約40重量%〜約95重量%の水相であって、水相の少なくとも50重量%の水を含む、水相、及び
(b)約5重量%〜約20重量%のスピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末であって、疎水性表面処理がなされ、かつ約25nm〜約150nmの平均長軸粒径、約4nm〜約50nmの平均短軸粒径、及び約3を超えるアスペクト(縦横)比を有する、金属酸化物粉末、を含むカプセルを対象とする。
【0012】
本発明はまた、上述の崩壊性水含有カプセルを含むパーソナルケア組成物を対象とする。
【0013】
本発明はまた、上述の崩壊性水含有カプセルを製造する方法を対象とする。
【0014】
本発明のこれら及びその他の特徴、態様、並びに利点は、添付の特許請求の範囲と共に本開示を読めば、当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に請求する請求項をもって結論とするが、本発明は、以下の好ましい非限定的な実施形態の説明及び添付図面と併せた描写から更なる理解が得られると考えられる。
【図1】100μmの長さを示しているスケールを伴う、本発明の崩壊性水含有カプセルの好ましい実施形態の顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、以下の記載から更に十分に理解されるものと考えられる。
【0017】
百分率、部及び比は全て、特に記述しない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。全てのこのような重量は、提示された成分に関する場合、活性成分の濃度に基づき、したがって市販材料に包含される場合のあるキャリア又は副生成物を包含しない。
【0018】
本明細書に有用な活性物質及び他の成分のような成分は全て、美容及び/若しくは治療的な利益、又はそれらの自明であると見なされている作用様式によって分類又は記載されることがある。ただし、本明細書に有用な活性物質及び他の成分が、場合によっては美容的及び/若しくは治療的な複数の利益をもたらすこと、又は複数の作用様式で作用することもあることを理解すべきである。それゆえ、本明細書での分類は便宜上のことであって、成分を特定の適用又は列記された適用に限定しようとするものではない。
【0019】
崩壊性水含有カプセル
本発明は、崩壊性水含有カプセルに関し、この崩壊性水含有カプセルは、カプセルの約40重量%〜約95重量%の水相を含み、水相の内の全てが水であってもよく、かつ水溶性溶媒とゲル化剤を更に含み得る。このような豊富な量の水を構造中に保持させるために、本発明のカプセルは、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末を含み、この粉末は疎水性表面処理がなされ、かつ約25nm〜約150nmの平均長軸粒径、約4nm〜約50nmの平均短軸粒径、及び約3を超えるアスペクト(縦横)比を有する。本発明は、通常の保存条件下及び通常の混合プロセス下で安定であるが、適用される際に崩壊する崩壊性水含有カプセルを提供する。理論に束縛されるものではないが、疎水性表面処理された、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末は、互いにバランスのとれた付着を維持しながら、水相を囲み、撥水するフラクタル構造も提供することにより、カプセルの安定性と一体性をもたらすと考えられている。
【0020】
好ましくは、本カプセルは実質的に界面活性剤を含まない。理論に束縛されるものではないが、界面活性剤は、水相と、疎水性表面処理された、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物との間の表面張力の差を縮めることにより、本発明のカプセルの安定性及び許容剪断応力度に負の影響を与えると考えられる。本明細書において、界面活性剤としては、洗浄能力を有するもの、並びに水相と油相とを乳化するための乳化剤としてのみ作用するものが挙げられる。
【0021】
好ましくは、本カプセルは、1μm未満の粒径を有する1重量%未満の多孔質性粉末を含み、より好ましくは、1μm未満の粒径を有する多孔質性粉末は実質的に含まない。理論に束縛されるものではないが、小さいサイズの多孔質性粉末は、身体表面に望ましくない乾燥した感触を与える程、身体表面から皮脂を吸収すると考えられている。本発明において1%以上含まれないことが好ましい多孔質性粉末としては、シリカ、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、セルロース、及び他に拡大下で観測される場合に多孔質構造を有し得るものが挙げられる。同じ化合物から製造される粉末が、それが精製され、加工処理され、合成され、ないしは別の方法で処理されるプロセスに基づいて、多孔性の又は多孔性でない構造のいずれかをとり得ることに留意されたい。
【0022】
好ましくは本カプセルは、安全性と環境への関心に対処するために、フッ素表面被覆された色素を実質的に含まない。フッ素表面被覆用の材料としては、本明細書においては、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、パーフルオロアルキルリン酸、これらの塩、及びこれらの混合物は避けることが好ましい。
【0023】
本発明の崩壊性水含有カプセルは、皮膚、毛髪、又は頭皮のような身体表面にて崩壊する際に、表面に独特の利益を与える。崩壊性水含有カプセルは、カプセル中の豊富な水を放出することによって、表面にまず清々しい感触を与え、次に潤いを与える感触を提供する。カプセルは、疎水性表面処理された、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物の特性により、更に表面に良好な感触をもたらす。カプセルに他の粉末を含有させることにより、更なる感触利益がもたらされ得る。粉末構成成分が表面に適用される場合、この構成成分は、かかる粉末構成成分に固有の外観的な効果をもたらす。
【0024】
本カプセルは、それ自体、ルースパウダー製品の形態の製品を提供し得る。また本カプセルは、異なる製品形態を提供するために、他の構成成分と混合されてよい。本カプセルは、通常の保存条件下で安定であるとともに、通常の混合プロセス下、例えば他の成分との混合時に安定であるが、身体表面に適用される際に崩壊するような適切な剪断力許容度を有する。
【0025】
本発明のカプセルは、水、粉末、及び他の構成成分をパーソナル表面に送達するためのパーソナルケア組成物として、特に有用である。本明細書のパーソナルケア組成物としては、皮膚ケア、メークアップ、広範囲の処理、香料、制汗、脱臭、ヘアカラーリング、ヘアトリートメント、ヘアスタイリング、及び他の目的のためのものが挙げられる。本明細書のパーソナルケア組成物は、粉末、ワックス固化固体形態、液体、ローション、ペースト、エアゾール、及び他の製品形態をとることができる。非常に好ましい製品形態の一実施形態は、ファンデーション及び皮膚ケア製品のような、皮膚に使用するための粉末である。
【0026】
本発明のカプセルは、皮膚の処置及び皮膚のメークアップ用のパーソナルケア組成物として用いるのに、あるいはこのようなパーソナルケア組成物に組み込むのに特に好適である。したがって、本発明はまた皮膚の処置又はメークアップ方法にも関し、この方法は、
(1)本発明の崩壊性水含有カプセルを提供する工程と、
(2)崩壊性水含有カプセルを、指又はアプリケーターにより皮膚上で剪断して、崩壊性水含有カプセルを崩壊させる工程であって、これにより崩壊性水含有カプセルの構成成分が皮膚に適用される工程と、
(3)水を蒸発させる及び/又は皮膚に吸収させる工程と、を含む。
【0027】
このようなパーソナルスキンケア組成物のために、本カプセルの粉末構成成分は、適切な皮膚処置及び/又はメークアップ効果をもたらすように選択される。更に、本カプセルは、様々な皮膚処置剤及び香料を、水相中に溶解若しくは分散させた形態で、又は粉末構成成分内に集めて含んでよい。本崩壊性水含有カプセルに包み込まれたこうした皮膚処置剤及び香料を供給することは、1つ以上の理由のために有利である。感熱性の構成成分に関しては、本カプセルは、使用前の蒸発を防止し、又は遅らせる。パーソナルケア組成物の残りとの接触により、効果を劣化させる又は損なう可能性がある構成成分については、本カプセルはバリアとして作用する。他の構成成分は、本カプセルの適用及び崩壊に際し、特定の知覚を提供する可能性がある。
【0028】
水相
本カプセルは水相を含み、水相は、水相の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%の水、以降に記載されるような任意の水溶性溶媒、及び任意のゲル化剤を含む。本カプセルは、カプセルの約40重量%〜約95重量%、好ましくは約60重量%〜約90重量%の水相を含む。水相は、水のみで作られてもよい。好ましくは脱イオン水が使用される。ミネラルカチオンを包含する天然供給源からの水もまた、所望される製品特性に応じて使用することができる。好ましい実施形態では、水は、発酵させた生物培養物又はその濾液から供給されてよい。この種類の非常に好ましい市販品は、商標名SK−IIピテラとしてカワシマ(Kashiwayama)から市販のGalactomyces発酵濾液である。
【0029】
水相のpHは、製品の望ましい特性、特に皮膚処置剤が含まれる場合には、皮膚処置剤の活性及び安定性を考慮して選択される。好ましい実施形態では、pHは約4〜約8に調整される。望ましいpHを達成するために、緩衝剤及び他のpH調整剤を包含させることができる。
【0030】
水溶性溶媒
本カプセルの水相は、低級アルキルアルコール及び水溶性保湿剤から選択される水溶性溶媒を更に含んでもよい。水溶性溶媒は、供給されるべき望ましい皮膚感触によって、及び/又は特定の皮膚処置剤を供給するために、選択される。
【0031】
本明細書において有用な低級アルキルアルコールは、1〜6個の炭素を有する一価アルコール、より好ましくはエタノール及びイソプロパノールである。
【0032】
本明細書で有用な水溶性保湿剤としては、ブチレングリコール(1,3ブタンジオール)、ペンチレングリコール(1,2−ペンタンジオール)、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトースのような多価アルコール類;並びに尿素、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、シクロデキストリン、及びこれらの混合物のような他の水溶性化合物が挙げられる。同様に本明細書で有用なものとしては、CTFA名称がPEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000であるもの、及びこれらの混合物のような、約1000までの分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのような水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマーが挙げられる。
【0033】
好ましい一実施形態においては、本カプセルは、約1%〜約30%の水溶性保湿剤を含む。カプセルがファンデーションとして使用される非常に好ましい一実施形態においては、カプセルは、約3%〜約30%の水溶性保湿剤を含む。
【0034】
本明細書において、市販の保湿剤としては:商標名1,3−ブチレングリコールとしてCelaneseから市販のブチレングリコール、商標名HYDROLITE−5としてDragocoから市販のペンチレングリコール、商標名STAR及びSUPEROLとしてThe Procter & Gamble Companyから市販のグリセリン、Croda Universal Ltd.から市販のCRODEROL GA7000、Unichemaから市販のPRECERINシリーズ、及びNOFから化合物名として同様の商標名で市販のもの;商標名LEXOL PG−865/855としてInolexから市販のプロピレングリコール、BASFから市販の1,2−PROPYLENE GLYCOL USP;商標名LIPONICシリーズでLipoから市販のソルビトール、ICIから市販のSORBO、ALEX、A−625、及びA−641、並びにUPIから市販のUNISWEET 70、UNISWEET CONC;BASFから同様の商標名で市販のジプロピレングリコール;商標名DIGLYCEROLとしてSolvay GmbHから市販のジグリセリン;協和(Kyowa)及びエーザイ株式会社から同様の商標名で市販のキシリトール;株式会社林原生物化学研究所から商標名MALBITで市販のマルチトール、Freeman及びBioibericaから同様の商標名で市販のコンドロイチン硫酸ナトリウム、並びにAtomergic Chemetalsから市販の商標名ATOMERGIC SODIUM CHONDROITIN SULFATE;チッソ株式会社から市販のヒアルロン酸ナトリウム、Active Organicsから市販の商標名ACTIMOISTの同様物、Intergenから市販のAVIAN SODIUM HYALURONATEシリーズ、一丸ファルコス株式会社から市販のヒアルロン酸Na;旭化成株式会社、協和及び第一製薬(Daiichi Seiyaku)から市販の、同様の商標名を有するアデノシンリン酸ナトリウム;Merck、和光(Wako)及び昭和化工株式会社から市販の、同様の商標名を有する乳酸ナトリウム、商標名CAVITRONとしてAmerican Maizeから市販のシクロデキストリン、Rhone−Poulencから市販のRHODOCAPシリーズ、Tomenから市販のDEXPEARL;並びにUnion Carbideから市販の、CARBOWAXシリーズの商標名を有するポリエチレングリコールが挙げられる。
【0035】
ゲル化剤
本組成物のカプセルの水相は、更にカプセルの約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%のゲル化剤を含み、このゲル化剤は、水相に約10mPas〜約1,000,000mPas、好ましくは約10mPas〜約100,000mPasの粘度をもたらす。ゲル化剤は比較的強固な構造内に水及び任意の水溶性溶媒を保持することから、カプセルの貯蔵寿命を延長するようにカプセルの安定性と一体性を改善すると考えられている。
【0036】
本明細書のゲル化剤として有用なポリマーは、水溶性又は水混和性ポリマーである。本明細書のゲル化剤に関する用語「水溶性又は水混和性」は、高温及び/又は混合の補助ありで又はなしで、十分な量の水に溶解させた場合に、溶解して透明な溶液を作る化合物に関する。
【0037】
本明細書で有用であるのは、カルボキシメチルデンプン、及びメチルヒドロキシプロピルデンプンのようなデンプン誘導体ポリマーである。本明細書において非常に有用な市販の化合物としては、LCWから市販の商標名カバゲルCOVAGELのカルボキシメチルナトリウムデンプンが挙げられる。
【0038】
本明細書で有用なものは、セルロース誘導体ポリマーである。本明細書で有用なセルロース誘導体ポリマーとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、セルロース粉末及びこれらの混合物が挙げられる。同様に有用であるのは、カルボキシメチルデンプン、及びメチルヒドロキシプロピルデンプンのようなデンプン誘導体ポリマーである。本明細書で非常に有用な市販の化合物としては、商標名Natrosol Hydroxyethylcelluloseのヒドロキシエチルセルロース、商標名Aqualon Cellulose Gumのカルボキシメチルセルロースが挙げられ、両方ともAqualonから入手可能である。
【0039】
本明細書で有用なものは、カルボン酸/カルボキシレートコポリマーである。本明細書で有用な市販のカルボン酸/カルボキシレートコポリマーには、Pemulen TR−1、Pemulen TR−2、Carbopol 1342、Carbopol 1382及びCarbopol ETD 2020の商標名を有するCTFA名称アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマーが挙げられ、全てB.F.Goodrich Companyから入手可能である。
【0040】
本明細書のカルボン酸/カルボキシレートコポリマーを中和するために、中和剤を含んでよい。このような中和剤の非限定例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、トロメタミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0041】
約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコールが本明細書において有用である。以下の一般式を有するものが有用である。
【0042】
【化1】

式中、R95は、H、メチル、及びそれらの混合物からなる群より選択される。R95がHであるとき、これらの物質は、エチレンオキシドのポリマーであり、これはポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン、及びポリエチレングリコールとしても既知である。R95がメチルであるとき、これらの物質は、プロピレンオキシドのポリマーであり、これはポリプロピレンオキシド、ポリオキシプロピレン、及びポリプロピレングリコールとしても既知である。R95がメチルであるとき、得られるポリマーの種々の位置異性体が存在し得るということも理解される。上記構造では、x3は、約1,500〜約25,000、好ましくは約2,500〜約20,000、より好ましくは約3,500〜約15,000の平均値を有する。他の有用なポリマーとしては、ポリプロピレングリコール及び混合ポリエチレン−ポリプロピレングリコール、又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーポリマーが挙げられる。本明細書で有用なポリエチレングリコールポリマーは、PEG−2M(式中、R95はHであり、かつx3は約2,000の平均値を有する(PEG−2MはUnion Carbideから市販のPolyox WSR(登録商標)N−10として、及びPEG−2,000などとしても既知));PEG−5M(式中、R95はHであり、かつx3は約5,000の平均値を有する(PEG−5MはPolyox WSR(登録商標)N−35及びPolyox WSR(登録商標)N−80(どちらもUnion Carbideから市販)として、並びにPEG−5,000及びポリエチレングリコール300,000,としても既知));PEG−7M(式中、R95はHであり、かつx3は約7,000の平均値を有する(PEG−7MはUnion Carbideから市販のPolyox WSR(登録商標)N−750としても既知));PEG−9M(式中、R95はHであり、かつx3は約9,000の平均値を有する(PEG9−MはUnion Carbideから市販のPolyox WSR(登録商標)N−3333としても既知));及びPEG−14M(式中、R95はHであり、かつx3は約14,000の平均値を有する(PEG−14MはUnion Carbideから市販のPOLYOX WSR(登録商標)N−3000としても既知))である。
【0043】
本明細書で有用なものは、ビニルポリマー、例えば、CTFA名称カルボマーの架橋アクリル酸ポリマー、プルラン、マンナン、スクレログルカン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、キサンタンガム、アカシアガム、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、カロブガム、カラヤゴム、イナゴマメゴム、カラゲニン、ペクチン、アミロペクチン、寒天、マルメロ種子(Cydonia oblonga Mill)、デンプン(米、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦)、藻類コロイド(藻類抽出物)、微生物学的ポリマー、例えば、デキストラン、サクシノグルカン、デンプン系ポリマー、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸系ポリマー、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アクリレートポリマー、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、並びに無機水溶性物質、例えば、ベントナイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ラポナイト、ヘクトナイト、及び無水ケイ酸である。
【0044】
本明細書で有用な市販のゲル化剤としては、Kelcoから商標名KELTROLシリーズとして市販のキサンタンガム、B.F.Goodrich Companyから商標名CARBOPOL 934、CARBOPOL 940、CARBOPOL 950、CARBOPOL 980、及びCARBOPOL 981として全て市販のカルボマー、Rohm and Hassから商標名ACRYSOL 22として市販のアクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、Seppicから商標名SEPIGEL305として市販のポリアクリルアミド、LCWから商標名COVACRYL MV60として市販のポリアクリル酸ナトリウム、ISPから市販の商標名LUBRAGEL NPのポリメタクリル酸グリセリル及びポリメタクリル酸グリセリルの混合物、商標名LUBRAGEL OILのプロピレングリコール及びPVM/MAコポリマー、Michel Mercier Products Inc.(NJ,USA)から商標名Clearogel SC11として市販のスクレログルカン、全てAmercholから供給される商標名CARBOWAX PEG、POLYOX WASR、及びUCON FLUIDSのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド系ポリマーが挙げられる。
【0045】
本明細書で有用であるのは、全てCalgon社から市販の、商標名MERQUAT 280、メルクアット295を持つポリクオタニウム22、商標名MERQUAT PLUS 3330、メルクアットプラス3331を持つポリクオタニウム39、及び商標名メルクアット2001、メルクアット2001Nを持つポリクオタニウム47のような両性ポリマーである。他の有用な両性ポリマーとしては、National Starch & Chemicalから供給される、商標名AMPHOMER、AMPHOMER SH701、AMPHOMER 28−4910、AMPHOMER LV71、及びAMPHOMER LV47を持つオクチルアクリルアミン/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマーが挙げられる。
【0046】
スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末
本組成物の崩壊性水含有カプセルは、カプセルの約5重量%〜約20重量%、好ましくは約7重量%〜約18重量%のスピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末を含み、この粉末は疎水性表面処理がなされ、かつ約25nm〜約150nm、好ましくは約30nm〜約100nmの平均長軸粒径、約4nm〜約50nm、好ましくは約5nm〜約20nmの平均短軸粒径、及び約3を超える、好ましくは約4〜約50のアスペクト(縦横)比を有する。スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末に関して、「平均粒径」は、透過型電子顕微鏡での粒子の観察による、算術平均を意味するものとし、「アスペクト(縦横)比」は、長軸対短軸比を意味するものとする。本発明の、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末は、当該技術分野で有用な他の金属酸化物粉末とは区別され、他の金属酸化物粉末は程度の差はあるが無定形の形状であり、したがって3未満のアスペクト(縦横)比を有している。好ましくは金属酸化物は二酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化鉄から選択され、より好ましくは二酸化チタンである。スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末を疎水性表面処理するのに有用なコーティング剤としては、ジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、n−オクチルトリエトキシシラン、メチル−α−スチレンポリシロキサン、アクリルシリコーンコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0047】
理論に束縛されるものではないが、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末は、ファンデルワールス結合を介して互いに結合している水相の相界面に、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末の疎水性表面の表面張力によって並び、かつ高アスペクト(縦横)比の形状が、水相を囲みかつ撥水するフラクタル構造をもたらすと考えられている。更に、疎水性表面と、この比較的小さい粒径の、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末との組み合わせに由来する全体構造は、本組成物の崩壊性水含有カプセルの好適な許容剪断応力に貢献すると考えられている。崩壊性水含有カプセルのコア構造を構成するのに加え、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末は、皮膚をカバーする、及び皮膚をUV保護するなどの利益ももたらす。
【0048】
本明細書において、市販のスピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末としては、大東化成(Daito Kasei)から商品名OTS−11 TTO−V−3として市販の、約60nmの長軸粒径及び約10nmの短軸粒径を有する(アスペクト(縦横)比約6)、トリエトキシカプリリルシランで被覆された二酸化チタンが挙げられる。
【0049】
球状粉末
本組成物の崩壊性水含有カプセルは、カプセルの約0.1重量%〜約40重量%、好ましくは約3重量%〜約25重量%の球状粉末を更に含み得る。本明細書の球状の粉末は、少なくとも1μm、好ましくは約1μm〜約25μm、より好ましくは約4μm〜約15μmの粒径を有し、疎水性表面を有し、かつ球状の形状である。球状粉末は、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末について上記したものと、同様のコーティング剤で被覆され得る。
【0050】
理論に束縛されるものではないが、球状粉末の、より大きなサイズ及び球状の形状に基づき、球状粉末は、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末の外側の境界に整列するものと考えられている。スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末及び球状粉末により、二重被覆構造がもたらされることから、本カプセルには改善された許容剪断応力度がもたらされると考えられている。
【0051】
同様に球状粉末は、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末のみでは容易には送達できない、独特の外観効果又は肌触りももたらす。一例では、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末単独では、毛穴などの肌のムラを隠すというよりは、比較的マットな仕上がりと、強調効果がもたらされ得る。球状でかつ半透明の球状粉末は、その形状及び半透明性に由来する光拡散効果により、外観の自然さを改善することができる。他の例では、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末単独では、この粉末の小さい粒径に起因して、肌に対してきしむ感触がもたらされ得る。軟らかく、球状の球状粉末は、このような肌の感触を軽減して、良好ななめらかな感触をもたらし得る。
【0052】
本明細書で有用な球状粉末としては、ポリアクリレート、ケイ酸塩、硫酸塩、アルミナ、金属二酸化物、炭酸塩、セルロース、ポリアルキレン、酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、アクリル酸エーテル、シリコーン、並びにこれらの混合物及びこれらの複合材が挙げられる。特に、本明細書で有用な材料としては、ポリアクリレート、例えばメチルメタクリレートコポリマー、及びナイロン、架橋されたポリメチルメタクリレート;ケイ酸塩、例えばケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸アルミニウム及びシリカビーズ;アルミナ;金属二酸化物、例えば二酸化チタン及び水酸化アルミニウム;炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム;セルロース;ポリアルキレン、例えばポリエチレン、及びポリプロピレン;酢酸ビニル;ビニルアセテート;ポリスチレン;ポリアミド;アクリル酸エーテル、例えばアクリル酸メチルエーテル及びアクリル酸エチルエーテル;ポリビニルピロリドン;並びにシリコーン、例えばポリオルガノシルセスキオキサン樹脂、例えばポリメチルシルセスキオキサン、及び固体のシリコーンエラストマー、例えばビニルジメチコン/メチコーンシルセスキオキサンクロスポリマーが挙げられる。極めて好ましい材料は、メチルメタクリレートコポリマー、シリカビーズ、ナイロン、ポリメチルシルセスキオキサン、ビニルジメチコン/メチコーンシルセスキオキサンクロスポリマー、ポリオルガノシロキサンエラストマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0053】
一実施形態では、ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂及びシリコーンエラストマー粉末を、肌の毛穴を隠す効果を向上させるために使用してもよい。
【0054】
本明細書で極めて有用な市販の球状粉末としては、Ganz Chemical Co.,Ltd.から入手可能な商標名GANZ PEARLシリーズ及び富士シリシア化学(株)から入手可能なシリシアシリーズのメチルメタクリレートコポリマー、東レ・ダウ・コーニング(株)から入手可能な商標名ナイロン・パウダー(シリーズのナイロン−12、大東化成から入手可能な商標名PF−5ナイロンSP 500のC9〜15のフルオロアルコールホスフェートで被覆されたナイロン−12(5μm)、大東化成から入手可能な商標名PF−5トスパール145のC9〜15フルオロアルコールホスフェートで被覆されたポリメチルシルセスキオキサン、信越化学工業株式会社(ShinEtsu Chemical Co., Ltd.)(日本、東京)から入手可能な商標名KSPシリーズのビニルジメチコン/メチコーンシルセスキオキサンクロスポリマー、並びに東レ・ダウ・コーニングから入手可能な商標名トレフィルシリーズの硬化ポリオルガノシロキサンエラストマーが挙げられる。
【0055】
1つの非常に好ましい実施形態では、球状粉末は、100重量部の球状シリコーンエラストマー粒子と、球状シリコーンエラストマー粒子を被覆するための0.5〜25重量部のポリオルガノシルセキオキサンとを含む撥水性シリコーンエラストマー粉末であり、撥水性シリコーンエラストマー粉末は分散することなく水に浮き、少なくとも1μmの平均粒径を有し、かつタイプAデュロメーター硬度が、約10〜約80と測定される硬度を有し、好ましくは、被覆されたポリオルガノシルセキオキサンの表面は更にトリメチルシリル基と結合し、かつ好ましくは、被覆されたポリオルガノシルセキオキサンの表面は、更に加水分解によりテトラアルコキシシランと、トリメチルアルコキシシラン、トリメチルシラノール、及びヘキサメチルジシラザンからなる群から選択される少なくとも1つのシリル化剤と凝縮される。かかる撥水性シリコーンエラストマー粉末は、カプセルに安定性をもたらすのに特に有利である。かかる撥水性シリコーンエラストマー粉末は、参照例1として以下に例示される。
【0056】
着色粉末
本組成物の崩壊性水含有カプセルは、カプセルの約0.1重量%〜約8重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の着色粉末を更に含み得る。本発明の、1つの非常に好ましい実施形態では、本カプセルは着色粉末を含むファンデーションである。本明細書において、着色粉末は、約0.15μm〜1μm未満、好ましくは約150nm〜約500nmの粒径を有し、疎水性コーティング剤により表面を被覆される。着色粉末は、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末について上記したものと、同様のコーティング剤で被覆され得る。
【0057】
本明細書で有用な着色粉末としては、色を与える又は色調を変化させるもの、また更に、特定の肌触りをもたらすものが挙げられる。本明細書で有用な着色粉末としては、アルミナ、硫酸バリウム、第二リン酸カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、二酸化チタン、酸化鉄、チタン酸鉄(iron titate)、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、酸化クロム、水酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト、二酸化チタン被覆マイカ、窒化ホウ素;有機粉末、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、メチルメタクリレート樹脂、12−ナイロン、6−ナイロン、スチレン−アクリル酸コポリマー、ポリプロピレン、塩化ビニルポリマー、テトラフルオロエチレンポリマー、魚鱗箔(グアニン)、レーキタールカラー染料、及びレーキナチュラルカラー染料が挙げられる。特に着色粉末として本明細書で有用なものは、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウム、及びこれらの混合物である。
【0058】
本明細書において非常に有用な市販の着色粉末としては、大東化成から商標名OTS−2 TIO2 CR−50として市販される、約250nmの粒径を有する、トリエトキシカプリルシランで被覆された二酸化チタン、大東化成から商標名OTS−2 YELLOW LL−100P、OTS−2 BLACK BL−100P、及びOTS−2 RED R−516Pとして市販される、約400nmの粒径を有する、トリエトキシカプリリルシラン被覆黄色、黒色及び赤色酸化鉄が挙げられる。
【0059】
皮膚処置剤
本発明の組成物のカプセルは更に、水相又は粉末構成成分に溶解又は分散した皮膚処置剤を含んでいてもよい。極性を有するこれらの皮膚処置剤は、水相に溶解又は分散可能であるが、水相内に溶解又は分散しないものは、粉末構成成分内に混合し、集めてもよい。含まれる場合、皮膚処置剤は、通常、カプセルの約0.001重量%〜約20重量%でカプセルの安定性に影響しない量で含まれる。
【0060】
本明細書で有用な皮膚処理剤としては、皮膚ライトニング剤、抗ニキビ剤、皮膚軟化剤、非ステロイド系抗炎症剤、局所麻酔薬、人工日焼け剤、防腐剤、抗菌及び抗真菌活性物質、皮膚鎮静剤、UV保護剤、皮膚バリア修復剤、しわ防止剤、皮膚萎縮防止剤、脂質、皮脂阻害物質、皮膚感覚剤、タンパク質分解酵素抑制剤、皮膚収斂剤(skin tightening agent)、かゆみ止め剤、発毛阻害物質、落屑酵素強化剤、糖化防止剤、制汗剤、酸化毛髪着色剤、毛髪スタイリング剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0061】
市販のフラボノイド化合物としては、アルプス薬品工業(日本)から市販のヘスぺリジン、メチルヘスペリジン、及びルチン;並びに林原生物化学研究所(日本)及び東洋精糖株式会社(日本)から市販の商標名α−GヘスペリジンPS−CCのグルコシルヘスぺリジン及びグルコシルルチンが挙げられる。
【0062】
本明細書で有用なビタミンB3化合物としては、例えば、次式を有するものが挙げられる。
【0063】
【化2】

式中、Rは−CONH2(例えば、ナイアシンアミド)、又は−CH2OH(例えば、ニコチニルアルコール);これらの誘導体;及びこれらの塩である。前出のビタミンB3化合物の代表的な誘導体としては、ニコチン酸の非血管拡張性エステル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N−オキシド及びナイアシンアミドN−オキシドを包含する、ニコチン酸エステルが挙げられる。好ましいビタミンB3化合物は、ナイアシンアミド及びニコチン酸トコフェロールであり、より好ましいものはナイアシンアミドである。好ましい実施形態では、ビタミンB3化合物は限られた量の塩の形態を含有し、より好ましくはビタミンB3化合物の塩は実質的に含まれない。好ましくは、ビタミンB3化合物は約50%未満のかかる塩を含有し、より好ましくは本質的に塩形態を含まない。本明細書において極めて有用な市販のビタミンB3化合物としては、Reillyから市販のナイアシンアミドUSPが挙げられる。
【0064】
本明細書で有用なビタミンB6化合物としては、ピリドキシン、ピリドキシンのエステル、例えばピリドキシントリパニテート(tripahnitate)、ピリドキシンジパルミテート、及びピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシンのアミン、例えばピリドキサミン、ピリドキシンの塩、例えばピリドキシンHCl、及びこれらの誘導体、例えばピリドキサミン、ピリドキサル、ピリドキサルホスフェート、及びピリドキシン酸が挙げられる。特に有用なビタミンB6化合物は、ピリドキシン、ピリドキシンのエステル及びピリドキシンの塩からなる群から選択される。ビタミンB6化合物は、合成又は天然起原であることができ、本質的に純粋な化合物又は化合物の混合物(例えば、天然供給源からの抽出物又は合成物質の混合物)として使用することができる。本明細書で使用するとき、用語「ビタミンB6」には、このようなものの異性体及び6個の互変異性体が挙げられる。本明細書で有用な市販のビタミンB6化合物には、例えば、DSMから市販のピリドキシンHCl、日光ケミカルズ株式会社から市販の、商標名NIKKOL DPのピリドキシンジパルミテート及び商標名NIKKOL DKのピリドキシンジオクタノエートが挙げられる。
【0065】
本明細書において有用な皮膚ライトニング剤は、処置前と比較した場合に過度の色素沈着を改善する活性成分を指す。本明細書において有用な皮膚ライトニング剤としては、アスコルビン酸化合物、アセチルグルコサミン、アゼライン酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸及びその誘導体、グリチルリチン酸、ヒドロキノン、コウジ酸、アルブチン、クワ抽出物、並びにこれらの混合物が挙げられる。皮膚ライトニング剤の組み合わせの使用は、それらが異なる機構により皮膚ライトニングの効果をもたらす可能性があるという点で、有利であると考えられている。
【0066】
本明細書で有用なアスコルビン酸化合物には、本質的にL型のアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、及びこれらの誘導体が挙げられる。アスコルビン酸は、例えばロシュ・ビタミン・ジャパンから入手可能である。本明細書で有用なアスコルビン酸塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウム及びプロタミン塩が挙げられる。本明細書において有用なアスコルビン酸誘導体としては、例えば、アスコルビン酸のエステル、及びアスコルビン酸のエステル塩が挙げられる。特に好ましいアスコルビン酸化合物としては、アスコルビン酸とグルコースのエステルであって、通常はL−アスコルビン酸2−グルコシド又はアスコルビルグルコシドと称される、2−o−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、及びその金属塩、並びにリン酸アスコルビルナトリウム、リン酸アスコルビルカリウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、及びリン酸アスコルビルカルシウムのようなリン酸L−アスコルビン酸エステル塩が挙げられる。市販のアスコルビン酸化合物には、昭和電工から市販のリン酸アスコルビルマグネシウム、林原から市販の2−o−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、及びDSMから市販の商標名STAY C50のリン酸L−アスコルビルナトリウムが挙げられる。
【0067】
本明細書で有用なその他の疎水性皮膚ライトニング剤としては、アスコルビン酸誘導体、例えばテトライソパルミチン酸アスコルビル(例えば、日光ケミカルから市販のVC−IP)、パルミチン酸アスコルビル(例えば、DSMから入手可能)、ジパルミチン酸アスコルビル(例えば、日光ケミカルズから市販のNIKKOL CP;ウンデシレノイルフェニルアラニン(例えば、Seppicから市販のSEPIWHITE MSH;オクタデセン二酸(例えば、Uniquemaから市販のARLATONE DIOIC DCA;メマツヨイグサ種子(oenothera biennis sead)抽出物、及びピーラス・マルス(pyrus malus)(リンゴ)果実抽出物、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0068】
本明細書で有用なその他の皮膚処置剤としては、パンテノール、過酸化ベンゾイル、3−ヒドロキシ安息香酸、ファルネソール、フィタントリオール、グリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリチル酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、シス−レチノイン酸、トランス−レチノイン酸、レチノール、レチニルエステル(例えば、レチニルプロピオネート)、フィチン酸、N−アセチル−L−システイン、リポ酸、トコフェロール及びそのエステル(例えば、トコフェリルアセテート)、アゼライン酸、アラキドン酸、テトラサイクリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ヒドロコルチゾン、アセトミノフェン、レゾルシノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、オクトピロックス、塩酸リドカイン、クロトリマゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、ネオマイシン硫酸塩、テオフィリン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0069】
日光及びUV保護効果を提供するためのUV保護剤は、本明細書の皮膚処置剤として有用である。含まれる場合、有機UV保護剤の総量はカプセルの約0.1%〜約20%である。油溶性有機UV剤、水溶性有機UV剤及び無機UV剤は、本発明のカプセルに組み込まれてもよい。有用な有機UV保護剤としては、主にUVB領域で紫外線を吸収するもの、及び主にUVA領域で紫外線を吸収するものが挙げられる。UVBからの保護は、SPF(太陽光線保護指数)によって記述され、UVAからの保護はPA(UVA保護)によって記述される。UVA保護剤とUVB保護剤との組み合わせは、有効な日焼け止め効果を有する組成物を提供することが当該技術分野において周知である。好ましい実施形態の1つでは、本発明は、少なくとも15のSPF及び少なくとも++のPAを有する日焼け止め製品又は化粧品製品である。
【0070】
UVBフィルタとして有効な、有用な油溶性有機UV保護剤としては、3−ベンジリデンカンファー誘導体、好ましくは3−(4−メチルベンジリデン)カンファー及び3−ベンジリデンカンファー;アミノ安息香酸誘導体、好ましくは2−エチルヘキシル4−(ジメチルアミノ)−ベンゾエート及びアミル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート;ケイ皮酸のエステル、好ましくは2−エチルヘキシル4−メトキシシンナメート及びイソペンチル4−メトキシシンナメート;サリチル酸のエステル、好ましくは2−チルヘキシル(thylhexyl)サリチラート、4−イソプロピルベンジルサリチラート及びホモメンチルサリチラート;ベンゾフェノン誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−3)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン及び2.2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;ベンザルマロン酸のエステル、好ましくはジ(2−エチルヘキシル)4−メトキシベンザルマロネート;及び2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジンが挙げられる。
【0071】
UVAフィルタとして有効な、有用な油溶性有機UV保護剤としては、ジベンゾイルメタンの誘導体、特に1−(4’−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1.3−ジオン及び1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1.3−ジオンが挙げられる。
【0072】
市販されている本明細書の油溶性有機UV保護剤としては、次のものが挙げられる:ROCHE VITAMINS JAPANから商標名PARSOL MCXで市販の2−エチルヘキシル4−メトキシシンナメート、及びBASFから市販の2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−3)。
【0073】
UVBフィルタとして有効な、有用な水溶性有機UV保護剤としては、次のものが挙げられる:2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、及びそのナトリウム、カリウム、又はトリエタノール−アンモニウム塩;ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(ベンゾフェノン−4)及びその塩;例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)−ベンゼンスルホン酸、2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)スルホン酸及びその塩のような、3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体。
【0074】
市販されている本明細書の水溶性有機UV保護剤としては、次のものが挙げられる:BASFから商標名パーソル(PARSOL)HSで入手可能なフェニルベンジルイミダゾール−5−スルホン酸及びシムライズ(Symrise)から入手可能なネオヘロパンハイドロ(Neo Helopan Hydro)、及びBASFから入手可能な2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(ベンゾフェノン−4)。
【0075】
本明細書で有用な無機UV保護剤は、水に難溶性又は不溶性の化粧品及び皮膚科学的に許容可能な金属酸化物及び/又はその他の金属化合物であり、特に、チタン(TiO2)、亜鉛(ZnO)、鉄(例えばFe23)、ジルコニウム(ZrO2)、ケイ素(SiO2)、マンガン(例えばMnO)、アルミニウム(Al23)及びセリウム(例えばCe23)の酸化物、対応する金属の混合酸化物及びこのような酸化物の混合物である。無機UV保護剤は、200nmより小さい、好ましくは100nmより小さい粒径を有する。したがって、表面コーティング特性に応じて、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末と上記のしかるべき着色粉末とはUV保護利益をもたらし得る。疎水性コーティング剤で表面を被覆されていないものも、水相に分散するUV保護剤として本明細書で有用である。
【0076】
本明細書における市販の無機UV保護剤としては、BASFから商標名Z−cote HP1で市販の、平均粒径約70nmの酸化亜鉛、及び三好化成株式会社(Miyoshi)から商標名SI−TTO−S−3Z−LHC及びSAMT−UFZO−450で市販の、平均粒径約50nmの酸化チタン、及び大東化成工業株式会社から商標名OTS−7 FZO−50で市販の、粒径約20nmの、トリエトキシカプリリルシランで被覆された酸化亜鉛が挙げられる。
【0077】
追加的な構成成分
本明細書において、カプセルは、例えば、組成物又は身体表面に審美的又は機能的効果をもたらすためのもの、例えば外見、匂い又は感触に関連する知覚上の効果、治療的効果、あるいは予防的効果をもたらすための、局所製品に従来使用されるような追加的な構成成分を更に含有してよい(上記の必要とされる材料自体がこうした効果をもたらす可能性があることは理解されるべきである)。含まれる場合、その量はカプセルの約10重量%以下に保たれる。
【0078】
好適な局所用成分の部類の例としては、他の上記の構成成分の定義に合致しない粉末及び顔料、キレート防止剤、研磨材、収れん剤、染料、精油、芳香剤、フィルム形成ポリマー、可溶化剤、固化防止剤、消泡剤、バインダー、緩衝剤、充填剤、変性剤、pH調整剤、噴射剤、還元剤、隔離剤、化粧用殺生物剤、及び防腐剤が挙げられる。
【0079】
崩壊性水含有カプセルを製造する方法
本発明は、カプセルの物理的な構造は維持しながらも、経済的で効果的な方式で、上記のような崩壊性水含有カプセルを製造するのに好適な方法に関する。水相と粉末相とを混合することに関するプロセスでは、粉末相は、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末、任意の球状粉末、及び任意の着色粉末を含む。簡便さのために、本章において、カプセルを形成するために水相と粉末相とを混合することは「主混合」と言い、一方、主混合の前の特定の組成構成成分の混合は「プレミックス」と言う。
【0080】
理論に束縛されるものではないが、上記のように、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末は、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末の粒子をファンデルワールス結合により互いに結合させながら、水相の相界面に、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末の表面の表面張力によって並ぶものと考えられている。残りの任意の球状粉末の内より大きなものと、着色粉末とが、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末の外側の境界に並ぶ。本明細書で好適なプロセスは、水相を微細化し、かつ微細化した水相のサイズを維持し、ひいてはスピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末を相界面に整列させ安定なカプセルを形成するのに十分なエネルギーを提供するが、カプセルの物理的構造を直ちに破壊し得る剪断応力は提供しないようなものである。高速攪拌のような、カプセルに高い剪断応力を加える手段、及び破砕又は混練を与える機械的混合手段は、避けられるのが好ましい。
【0081】
一般には、水相及び粉末相は主混合の前に別個に調製される。粉末相は、以下のカプセル製造方法を妨害する場合のある、あらゆるアグロメレーションを砕くために粉砕されてよい。ゲル化剤が組み込まれる場合、組成構成成分の物理特性及び混合装置の構成要素に応じて、ゲル化剤を水相又は粉末相のいずれかの残りとプレミックスしてよい。
【0082】
好ましい一実施形態では、主混合のための容器の内壁は、その内壁の表面エネルギーを低下させ、それにより有効な態様でのカプセル製造を提供するために、例えばシリコーン又はテフロンで疎水性に被覆される。最終主要パッケージを主混合のために直接使用する場合、「パック内製造(make-in-pack)」方法で後述するように、最終主要パッケージの内壁は50ダイン/cm以下、好ましくは40ダイン/cm以下の表面エネルギーを有するべきである。
【0083】
主混合に好適な混合装置は、外部エネルギー供給型又は容器振盪型である。これらの装置はカプセルが製造される容器内に混合ブレード又は同様のものを有さないものである。これらの装置は、製造プロセス中に与えられる剪断応力がほとんど存在しないか又は制御可能な量のみ存在するという点で好都合である。これらの装置はまた、製造プロセスが比較的短い時間内で行われるという点でも好都合である。
【0084】
外部エネルギー供給型の混合装置としては、振動ミキサー及び共振周波数ミキサーが挙げられるが、これらに限定されない。振動ミキサーは、垂直の振盪動作、ジャイロ振動又は振動数による衝撃により、対流混合を提供するものである。共振周波数ミキサーは、振動を使用して材料を励起し高効率エネルギー移動によって混合を可能にするものである。容器振盪型の混合装置は、回転運動は与えないが、ジャイロ振盪動作の交互の加速又は遅延による衝撃によって、対流混合を提供するものである。これらの外部エネルギー供給型又は容器振盪型装置では、カプセルを製造するための組成構成成分は、単に混合容器中に共に充填され、混合される。混合容器は反転しない。したがって、それらの装置は、消費者が使用するための最終主要パッケージ中でカプセルが直接製造される、いわゆる「パック内製造」方法を提供するために使用されてもよい。したがって、非常に好ましい実施形態では、本方法は、外部エネルギー供給型又は容器振盪型の混合装置の使用に関し、カプセルは消費者による使用のための最終主要パッケージ内に提供され、ここで本方法は、
i)水相とスピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末とを最終主要パッケージに直接供給する工程と、
ii)カプセルを混合するために、工程i)の製品を混合装置に搭載する工程と、を含む。
【0085】
本明細書において、「最終主要パッケージ」は、最終主要パッケージ内へと製品を供給又は充填するためにのみ使用される仮の容器又はパッケージではなく、消費者がその製品を受容する主要なパッケージを意味する。
【0086】
本明細書において非常に好ましい市販の振動ミキサーとしては、CPS Colorから市販のCOROB 200、並びに月島テクノマシナリー株式会社から市販のTSTM振動ミキサー及び1型振動ミキサーが挙げられる。本明細書において非常に好ましい市販の共振周波数ミキサーとしては、Resodyn社から市販のResodyn Resonant Acoustic Mixersが挙げられる。本明細書において非常に好ましい市販の容器振盪ミキサーとしては、Willy A.Bachofen AGから市販のT2F、T10B、T50A及びDyna Mix型TURBULAミキサー、並びにCPS Colorから市販のCOROB M300/CORB及びVIBROが挙げられる。
【0087】
他の実施形態では、本カプセルは、カプセルの組成構成成分と、50ダイン/cm以下の表面張力を有する内壁を有する最終主要パッケージとを含む、崩壊性水含有カプセルを提供するために、消費者に使用時調製製品として提供され、
水相とスピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末とは使用前に別個にパッケージ化され、かつカプセルは
i)水相とスピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末とを最終主要パッケージに充填する工程と、
ii)水相が、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末に被包されるまでの間、工程i)の製品を手動で振盪する工程と、により作製される。
【0088】
この実施形態では、本カプセル製造方法は、使用時に、使用者により最終主要パッケージが手動で振盪されることにより生じる。このような使用時に調製される製品は、製品が使用時に新しく作られるという感覚、及び/又は製品を作製する楽しみを使用者に与える。あるいは、このような使用時の調製動作は販売促進のため、ないしは別の目的で効果的な製品製造の実演として使用されてもよい。
【0089】
カプセルを提供するために使用される混合装置には無関係に、混合が実施された容器内に液体が残っていないことを、肉眼により粉末様の外観を識別することで、被包の完了を判定することができる。
【0090】
崩壊性水含有カプセルの衝撃耐性
本発明のカプセルは、通常の保存条件下及び通常の混合プロセス下で安定であるが、身体表面に適用される際には崩壊するような適切な衝撃耐性を有する。通常の保存条件下とは、5℃〜40℃の環境を意味する。本発明のカプセルの崩壊は、元々のカプセルの流動性で乾燥した粉末様の外観が非流動性の湿ったペースト様の外観に変化するときに裸眼で容易に観測できる。
【0091】
このような衝撃耐性は、以下の実施例の節に記載されるような回転ドラム式衝撃試験により、適切に定量的に測定される。好ましくは本カプセルは、少なくとも8分の衝撃耐性を有する。衝撃耐性は、製品の使用目的に従って調整され得る。本発明に従って、衝撃耐性が非常に高く、かつ好ましくは崩壊時に冷感が生じるカプセルを提供することが可能であるが、しかしながらこの安定性は、適用される際の崩壊性とつり合いが取られるべきである。
【実施例】
【0092】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明し、かつ実証する。これら実施例は、例示目的のためにのみ提供され、しかも、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、それらの多くの変更が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。成分は、適用できる場合は、化学名又はCTFA名称で識別され、そうでない場合には以下で定義される。
【0093】
以下は、皮膚に使用するためのカプセル組成物、それらの調製方法、並びにそれらの特性の技術的及び感覚的評価である。実施例1〜5は本発明に従うカプセルであるが、比較例1〜4は本発明に従わないものである。加えて、参照例1は、本明細書において好ましい撥水性シリコーンエラストマー粉末を特徴づけるために提供される。
【0094】
参照例1
以下の実施例で用いられる撥水性シリコーンエラストマー粉末は、このように調製される。
【0095】
1Lのガラス製ビーカー中で、580mm2/sの粘度を有する式(1)のメチルビニルポリシロキサン500gと、30mm2/sの粘度を有する式(2)のメチル水素ポリシロキサン19g(すなわち、ヒドロシリル基の数量は、オレフィン不飽和基毎に1.06である)とを、ホモミキサーにより2000rpmで混合することで溶解させた。次いで、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(添加されるエチレンオキシドの内の9モル)3gと、水55gを添加し、ホモミキサーにより6000rpmで混合して水中油型エマルション形態及び増粘性を得、更に15分にわたって混合した。次いで、2000rpmでの混合下で水421gを添加し、均質で白色のエマルションを得た。このエマルションを、アンカー型撹拌翼を備えた混合装置を装備した、1Lのガラス製フラスコに移し、15〜20℃の温度に調節し、塩化白金酸オレフィン錯体のトルエン溶液0.8g(白金含量0.5%)と、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1.6g(添加されるエチレンオキシドの内の9モル)との共溶媒を加え、同様の温度で12時間にわたって混合し、シリコーンエラストマー微粒子の水分散体を得た。シリコーンエラストマー微粒子は、光学顕微鏡による観察では球状の形状であり、電気抵抗方式粒度分布測定装置「Multisizer−3」(Beckman Coulter)による測定では、5μmの平均粒径容量を有していた。
【0096】
得られたこのような球状シリコーンエラストマー微粒子の水分散剤870gを、アンカー型撹拌翼を備えた混合装置を装備した、3Lのガラス製フラスコに移し、水2013gと28%のアンモニア溶液57gとを加えた。この溶液のpHは11.3であった。温度を5〜10℃に調節した後、流体の温度を5〜10℃に維持しながらメチルトリメトキシシラン46.8g(球状エラストマー微粒子100重量部あたり5.1重量部の加水分解縮合ポリメチルシルセキオキサン)を20分かけて滴下し、次いで流体の温度を5〜10℃に維持しつつトリメチルシラノール8.4g(球状エラストマー微粒子100重量部あたり1.9重量部の加水分解縮合ポリメチルシルセキオキサン)と、テトラメトキシシラン4.8g(トリメチルシラノール1モル当たり0.34モル)とを5分かけて滴下し、同様の温度で更に1時間混合し、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン及びトリメチルシラノールの加水分解縮合を完了させた。
【0097】
加水分解縮合させた、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン及びトリメチルシラノールメトキシシリルの、シリコーンエラストマー微粒子の水分散体溶液を、加圧濾過しながら水分含量約30%になるまで脱水した。脱水物を、アンカー型撹拌翼を備えた混合装置を装備した5Lのガラス製フラスコに移し、3000gの50%メタノール溶液を加え、30分にわたって混合し、加圧濾過しながら脱水した。脱水物を、アンカー型撹拌翼を備えた混合装置を装備した5Lのガラス製フラスコに移し、3000gの水を加え、30分にわたって混合し、加圧濾過しながら脱水した。脱水物を一般的な熱風ドライヤーで105℃で乾燥させ、ジェットミルで粉砕し、流動性微粒子を得た。電子顕微鏡での観察により、表面を約100nmの微粒子で被覆された球状の微粒子が得られたことが確認され、ここで、球状のシリコーンエラストマー微粒子はポリメチルシルセキオキサンで被覆されていた。界面活性剤を用いて水中に微粒子を分散させ、電気抵抗方式粒度分布測定装置「Multisizer−3」(Beckman Coulter)を用いて測定したところ、平均粒径容量は5μmであった。JIS K 6253で測定した場合、得られた微粒子はタイプAデュロメーター硬度、29を有していた。
【0098】
得られた微粒子1gを水50gと共に100mLのビーカーに配置し、1分間ガラス棒で撹拌したところ、粒子は水に全く分散せず、表面に浮いたまま留まった。
【0099】
【表1】

【0100】
【表2】

【0101】
構成成分の定義
*1 スピンドル(紡錘形状)成形された、トリエトキシカプリリルシランで被覆された二酸化チタン(10nm/60nm,アスペクト(縦横)比6):大東化成からOTS−11 TTO−V−3として市販。
*2 トリエトキシカプリリルシランで被覆されたメチルメタクリレートクロスポリマー(5μm):大東化成からOTS−2 MR−7GCとして市販。
*3 ジメチコンで被覆されたシリカを含有する、DL−α−酢酸トコフェロール(5μm):三好化成からSA−SB−705/VEAC(50%)として市販。
*4 トリエトキシカプリリルシランで被覆された二酸化チタン(250nm):大東化成からOTS−2 TiO2 CR−50として市販。
*5 トリエトキシカプリリルシランで被覆された酸化亜鉛(20nm、無定形):大東化成OTS−7 FZO−50として市販。
*6 トリエトキシカプリリルシランで被覆された黄酸化鉄(400nm):大東化成からOTS−2 YELLOW LL−100Pとして市販。
*7 トリエトキシカプリリルシランで被覆された黒酸化鉄(400nm):大東化成からOTS−2 BLACK BL−100Pとして市販。
*8 トリエトキシカプリリルシランで被覆された赤色酸化鉄(400nm):大東化成からOTS−2 RED R−516Pとして市販。
*9 トリエトキシカプリリルシランで被覆されたマイカ(20μm):大東化成からOTS−2 MICA Y−2300として市販。
*10 ジメチコンで被覆されたマイカ、二酸化チタン(20μm):三好化成からSA FLAMENCO REDとして市販。
*11 ジメチコンで被覆された酸化アルミニウム、二酸化チタン及びスズ(20μm):三好化成からSA Xirona Silverとして市販。
*12 アスコルビン酸:ロシュ・ビタミン・ジャパン(株)市販のアスコルビン酸
*13 カルボキシメチルナトリウムデンプン:LCWから市販のCOVAGEL。
*14 ポリアクリル酸ナトリウム:LCWからCOVACRYL MV60として市販。
*15 微結晶セルロース及びセルロースガムで被覆された二酸化チタン(250nm):大東化成からAC−5 TiO2 CR−50として市販。
*16 二酸化チタンで被覆されたマイカ(20μm):THE MEARLからFLAMENCO SUPER PEARLとして市販。
*17 Galactomyces発酵濾液:カシワヤマからSK−IIピテラとして市販。
*18 ブチレングリコール:Celaneseから1,3−ブチレングリコールとして市販。
*19 ナイアシンアミド:DSMからナイアシンアミドUSPとして市販。
*20 クワ根抽出物:丸善製薬(株)からクワBGとして市販。
*21 アセチルグルコサミン:Technical Sourcing InternationalからN−アセチル−D−グルコサミンとして市販。
*22 DL−パンテノール:DSMからD−パンテノールUSPとして市販。
*23 トリエトキシカプリリルシランで被覆された二酸化チタン(35nm、無定形):大東化成からOTS−5 TiO2 MT500SAとして市販。
*24 ジメチルシリル化シリカ(15nm,多孔質):日本アエロジルから市販のアエロジルR 972。
【0102】
調製方法
構成成分Aを混合し、疎水性内側表面を有する容器に移す。構成成分Bを別個に混合し、同じ容器に移す。容器を閉め、T2F型TURBLERミキサー(Willy A.Bachofen AG)により95rpmで3分にわたって振盪する。
【0103】
試験方法
カプセル化:KEYENCEからのDIGITAL MICROSCOPE VHX−900により、微粒子と等しい大きさのカプセルが観察された場合、「良好」として評価する。カプセルが形成されなかった場合、「良好でない」として評価する。図1は、首尾よく形成された、本発明の好ましい実施形態のカプセルの、倍率200倍の顕微鏡写真を提供する。図1に見られるように、カプセルの透明な境界が観察される。カプセルが形成されない場合、このような境界は観察されずに、程度の差はあるがむしろ均質な塊が観察される。カプセルを形成しなかったこれらの組成物については、残りの試験を実施することはできなかった。
【0104】
衝撃耐性(回転ドラム式衝撃試験):粉末試料5gを秤量し、50mLのポリプロピレン容器に配置する。ふたを閉めた後、容器を1Lのプラスチック製容器に載置する。1Lの容器のふたを閉め、T2F型TURBLERミキサー(Willy A.Bachofen AG)に設置し、100rpmで1分間振盪し、観察するために止める。同様の振盪及び観察手順を、全15サイクルの間、各1分間の振盪後毎に繰り返す。粉末試料が崩壊して液体へと変化した場合、エンドポイントであると見なし、合計振盪時間を記録する。試料が合計5分の振盪に耐え、合計6分で崩壊した場合には、その値は「5分」として定義される。8分間の振盪に耐えた組成物は、受容可能な安定性を有しているものとして見なす。
【0105】
適用時の冷感:手に適用する際の冷感について、5人の熟練官能試験員により5段階評価で評価する(冷却を感じない−1、非常に弱い冷却を感じる−2、弱い冷却を感じる−3、強い冷却を感じる−4、非常に強い冷却を感じる−5)。次いで平均を算出する。3.0以上の算出スコアを提供しない組成物は、十分な冷感を提供しないものとして見なす。
【0106】
評価
実施例1〜5及び比較例1〜4の試験結果が表1及び2に見出される。スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末を含まず、その代わりに無定形に成形された二酸化チタンを含有している比較例1は、カプセルを形成しなかった。スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末を含まず、その代わりに多孔質性のサブマイクロメートル(15nm)サイズのジメチルシリル化シリカを含有している比較例2では、許容可能な知覚上の効果はもたらされなかった。スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末の量が、必要とされる量未満であるものの、不足分は無定形に成形された二酸化チタンで補った比較例3では、許容可能な安定性はもたらされなかった。水相の量が必要とされる量未満である比較例4では、許容可能な知覚上の効果はもたらされなかった。球状粉末を含まない実施例3では許容可能な安定性がもたらされたが、球状粉末を含有している他の実施例では、より良好な安定性がもたらされた。
【0107】
実施例1〜5の利用
実施例1〜5のカプセルは、通常の保存条件下及び通常の混合プロセス下で安定であるが、皮膚に適用される際に特定の剪断応力下で崩壊するような適切な衝撃耐性を有する。崩壊するとき、実施例1〜5のカプセルは皮膚に良好な感触を与える。実施例1〜3はファンデーションとして有用である。皮膚に適用する際に、カプセルは好適な冷感、及びカバー性と自然な外見とのバランスのとれた良好な皮膚外観を提供する。実施例4は、皮膚ライトニング粉末及び/又は冷却粉末として有用である。皮膚に適用する際に、カプセルは好適な冷感をもたらし、皮膚ライトニング剤が皮膚へと浸透する。実施例5はアイシャドウ及び頬紅として有用である。皮膚に適用する際に、カプセルは好適な冷感と良好な外観をもたらす。
【0108】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0109】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他の任意の参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0110】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
崩壊性水含有カプセルであって、
(a)約40重量%〜約95重量%の水相であって、該水相の少なくとも50重量%の水を含む、水相、及び
(b)約5重量%〜約20重量%のスピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末であって、疎水性表面処理がなされ、かつ約25nm〜約150nmの平均長軸粒径、約4nm〜約50nmの平均短軸粒径、及び約3を超えるアスペクト(縦横)比を有する、金属酸化物粉末、を含む、カプセル。
【請求項2】
前記スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物が二酸化チタンである、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
少なくとも1μmの平均粒径を有し、かつ疎水性表面を有する球状粉末を更に含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項4】
前記球状粉末がシリコーンエラストマー粉末である、請求項3に記載のカプセル。
【請求項5】
前記シリコーンエラストマー粉末が、100重量部の球状シリコーンエラストマー粒子と、前記球状シリコーンエラストマー粒子を被覆するための0.5〜25重量部のポリオルガノシルセキオキサンとを含む撥水性シリコーンエラストマー粉末であり、前記撥水性シリコーンエラストマー粉末が、分散することなく水に浮き、少なくとも1μmの平均粒径を有し、かつタイプAデュロメーター硬度が、約10〜約80と測定される硬度を有する、請求項4に記載のカプセル。
【請求項6】
約0.15μm以上1μm未満の平均粒径を有し、かつ疎水性表面処理された、約0.1重量%〜約8重量%の着色粉末を更に含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項7】
水相が更にゲル化剤を含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項8】
更に皮膚に有効な成分を含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項9】
更に香料を含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項10】
前記カプセルが界面活性剤を実質的に含まない、請求項1に記載のカプセル。
【請求項11】
前記カプセルが、1μm未満の粒径を有する多孔質性粉末を1重量%未満含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項12】
前記カプセルが、フッ素表面被覆された色素を実質的に含まない、請求項1に記載のカプセル。
【請求項13】
請求項1に記載のカプセルを含む、化粧品組成物。
【請求項14】
前記カプセルが、通常の保存条件下及び通常の混合プロセス下では安定であるが、身体表面に適用される際には崩壊するような、適切な衝撃耐性を有する、請求項1に記載のカプセル。
【請求項15】
前記カプセルが、本明細書で定義される回転ドラム式衝撃試験により測定した場合に、少なくとも8分の衝撃耐性を有する、請求項14に記載のカプセル。
【請求項16】
請求項1に記載のカプセルの製造方法であって、前記カプセルの前記構成成分が、外部エネルギー供給型及び容器振盪型からなる群から選択される混合装置により混合される、方法。
【請求項17】
前記カプセルが、消費者による使用のための最終主要パッケージに提供される方法であって、該方法が、
i)前記水相と前記スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末とを前記最終主要パッケージに直接供給する工程と、
ii)前記カプセルを作製するために、工程i)の製品を混合装置に搭載する工程と、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記カプセルの組成構成成分と、50ダイン/cm以下の表面張力を有する内壁を有する最終主要パッケージとを含む、請求項1に記載の崩壊性水含有カプセルを提供するための、使用時調製製品であって、
前記水相と前記スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末とが使用前に別個にパッケージ化され、かつ前記カプセルが、
i)前記水相と前記スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末とを前記最終主要パッケージに充填する工程と、
ii)前記水相が、前記スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末に被包されるまでの間、工程i)の製品を手動で振盪する工程と、により作製される、使用時調製製品。
【請求項19】
皮膚の処置又はメークアップ方法であって:
(1)請求項1の崩壊性水含有カプセルを提供する工程と、
(2)崩壊性水含有カプセルを、指又はアプリケーターにより皮膚上で剪断して、崩壊性水含有カプセルを崩壊させる工程であって、これにより崩壊性水含有カプセルの構成成分が皮膚に適用される工程と、
(3)水を蒸発させる及び/又は皮膚に吸収させる工程と、を含む、方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−519154(P2012−519154A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549208(P2011−549208)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/022822
【国際公開番号】WO2010/090986
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】