説明

工業用炭素原料の製造方法及びその装置

【課題】炭素含有物をコンテナ内に収納し、コンテナ搬送部により前側準備部から組成分離部、冷却部を経て後側準備部へと搬送経路上を搬送し、前側準備部及び後側準備部は組成分離部の組成分離室内の厳格な温度管理のために設けられ、組成分離部の各組成分離室において間接加熱され、各組成分離室は窒素置換密閉雰囲気に作製されているので炭素含有物は燃焼を伴わずに炭素化して工業用の炭素原料が製造される。
【解決手段】コンテナWを搬送可能なコンテナ搬送部Aと、コンテナ搬送部の搬送経路Rの前側位置に配置された前側準備部Bと、前側準備部の後側位置に配置された組成分離部Cと、組成分離部の後側位置に配置された冷却部Dと、冷却部の後側位置に配置された後側準備部Eと、後側準備部の搬送経路上を搬送されてくるコンテナ内の炭素素材及び各種素材を分別回収する分別回収部Fとを備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば、自然界に植生する草木、植物等の一般廃棄物や家電品、自動車、園芸用品、農業資材、プラスチック製品等の産業廃棄物等の炭素含有物を熱により組成分離し、炭素含有物から工業用の炭素原料を製造すると同時に炭素含有物から各種素材を回収する際に用いられる工業用炭素原料の製造方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、産業廃棄物を含む不用有機物の再利用について種々検討されているが、その大部分は相変わらず、焼却処理又は埋立処理によって処分されている。
【0003】
これら焼却処理又は埋立処理において、近年は紙おむつやパチンコ台などのような合成樹脂と他の有機物又は無機物とが混合しているものが大量に排出されるようになり、これに伴いそれらの分別作業も必要になり、分別作業後において、焼却処理又は埋立処理をしなければならず、それだけ処理作業が困難となっており、しかも焼却処理場の増設や埋立処理地の確保が困難となってきている。
【0004】
そこで、本発明者らは、特開平10−130007号公報に示すように、これら炭素含有物を含む産業廃棄物から炭素素材を製造し、工業用に再利用を図るようにした構造のものを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−130007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながらこれら従来構造の場合、炭素含有物から炭素素材を製造することは可能であるものの、これら産業廃棄物中にはさらに回収して再利用可能な各種の素材が多く存在しているにもかかわらず、これら産業廃棄物中に存在する各種の素材を回収することができず、それだけ、資源を無駄にしていることがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような課題を解決することを目的とするものであり、本発明のうちで、請求項1記載の方法の発明は、炭素含有物を搬送経路中に直列状に配置された複数個の組成分離室において搬送し、該複数個の組成分離室はいずれも窒素置換密閉雰囲気に作製され、かつ、該複数個の組成分離室の間接加熱温度は、炭素含有物から工業用の炭素原料を製造できると同時に該炭素含有物から各種素材を回収できる各種素材の組成特性に応じた温度に管理されていることを特徴とする工業用炭素原料の製造方法にある。
【0008】
又、請求項2記載の装置の発明にあっては、各種の炭素含有物が収納されたコンテナを搬送可能なコンテナ搬送部と、該コンテナ搬送部の搬送経路の前側位置に配置された前側準備部と、該コンテナの搬送経路の該前側準備部の後側位置に配置された組成分離部と、該コンテナの搬送経路の該組成分離部の後側位置に配置された冷却部と、該コンテナの搬送経路の該冷却部の後側位置に配置された後側準備部と、該後側準備部の搬送経路上を搬送されてくるコンテナ内の炭素素材及び各種素材を分別回収する分別回収部とを備えてなり、上記組成分離部は上記コンテナの搬送経路の途中に直列状に配置された複数個の組成分離室からなり、該複数個の組成分離室のいずれも窒素置換密閉雰囲気に作製され、かつ、該複数個の組成分離室の間接加熱温度は、炭素含有物から工業用の炭素原料を製造できると同時に該炭素含有物から各種素材を回収できる各種素材の組成特性に応じた温度に管理可能な構造となっていることを特徴とする工業用炭素原料の製造装置にある。
【0009】
又、請求項3記載の装置の発明は、上記前側準備部と上記組成分離部との間の搬送経路に水分を蒸発除去する水分除去部及び又は油分などの高分子化合物を蒸発除去する高分子化合物除去部を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項4記載の装置の発明は、上記組成分離部の複数個の組成分離室はそれぞれ独立した密閉構造に構成されていることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の装置の発明は、上記組成分離部の複数個の組成分離室には各組成分離室における組成分離により発生した分解ガスを排出する分解ガス排出管がそれぞれ独立して設けられていることを特徴とするものであり、又、請求項6記載の装置の発明は、上記分解ガス排出管から排出される分解ガスを冷却する冷却器を独立して設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項7記載の装置の発明は、上記組成分離部の組成分離室の総数が増減可能な構造に構成されていることを特徴とするものであり、又、請求項8記載の発明は、上記冷却器に気液分離器を設けてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上述の如く、請求項1又は2記載の発明にあっては、炭素含有物をコンテナ内に収納し、このコンテナをコンテナ搬送部により前側準備部から組成分離部、冷却部を経て後側準備部へと搬送経路上を搬送することになり、上記前側準備部及び後側準備部は組成分離部の組成分離室内の厳格な温度管理のために設けられ、炭素含有物は上記組成分離部の各組成分離室において間接加熱され、各組成分離室は窒素置換密閉雰囲気に作製されているので炭素含有物は燃焼を伴わずに炭素化して工業用の炭素原料が製造され、酸化燃焼しないので二酸化炭素の発生を殆ど無くすことができ、同時に、複数個の組成分離室の間接加熱温度は、炭素含有物から工業用の炭素原料を製造できると同時に炭素含有物から各種素材を回収できる各種素材の組成特性に応じた温度に管理されているから、各種素材の組成特性に応じた加熱温度により炭素含有物は組成分離して各種素材を回収可能な状態となり、炭素素材及び各種素材は冷却部により発火を防ぐために冷却され、冷却部を経て炭素素材及び各種素材は後側準備部より混在状態で搬送排出され、この混在状態の炭素素材及び各種素材を分別回収部により工業用の炭素原料と各種素材毎とに分別回収することになり、したがって、自然界に植生する草木、植物等の一般廃棄物や家電品、自動車、園芸用品、農業資材、プラスチック製品等の産業廃棄物等の炭素含有物を熱により組成分離し、炭素含有物から工業用の炭素原料を製造することができると同時に炭素含有物から土砂、鉄、非鉄金属、ガラス素材、或いはレアメタル等を素材毎、組成毎に各種素材を回収して再利用することができ、焼却処理や埋立て処分していた廃棄物や草木をも無駄無く利用することができ、資源の浪費を大幅に減少することができ、資源保護にも大いに寄与することができ、多方面への経済効果が期待できる。
【0011】
又、請求項3記載の発明にあっては、上記前側準備部と上記組成分離部との間の搬送経路に水分を蒸発除去する水分除去部を及び又は油分などの高分子化合物を蒸発除去する高分子化合物除去部を設けてなるから、後続の組成分離部における炭素含有物の組成分離を良好に行うことができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記組成分離部の複数個の組成分離室はそれぞれ独立した密閉構造に構成されているから、複数個の組成分離室間での温度干渉や各室内で発生する分解ガスの干渉を防ぐことができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記組成分離部の複数個の組成分離室には各組成分離室における組成分離により発生した分解ガスを排出する分解ガス排出管がそれぞれ独立して設けられているから、各組成分離室で発生する異なる組成の分解ガス間での干渉を防いで排出することができ、又、請求項6記載の発明にあっては、上記分解ガス排出管から排出される分解ガスを冷却する冷却器を独立して設けてなるから、各組成分離室で発生する異なる組成の分解ガス間での干渉を防いで排出することができる。
【0012】
又、請求項7記載の発明にあっては、上記組成分離部の組成分離室の総数が増減可能な構造に構成されているから、回収すべき素材の種類などにより組成分離室の総数を増減することにより組成分離の効率化を図ることができ、又、請求項8記載の発明にあっては、上記冷却器に気液分離器を設けているから、処理される炭素含有物の種類によっては、組成分離室における組成分離により発生する分解ガスを水で洗浄することにより塩化水素として回収することができ、かつ、この分解ガスから食塩、工業用塩等の固形物や木酢、竹酢等の液化物を酸化していない状態で採取回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態例の構成系統図である。
【図2】本発明の実施の形態例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1、図2は本発明の装置の実施の形態例を示し、大別すると、産業廃棄物等の各種の炭素含有物が収納されたコンテナWを搬送可能なコンテナ搬送部Aと、コンテナ搬送部Aの搬送経路Rの前側位置に配置された前側準備部Bと、コンテナWの搬送経路Rの前側準備部Bの後側位置に配置された組成分離部Cと、コンテナWの搬送経路Rの組成分離部Cの後側位置に配置された冷却部Dと、コンテナWの搬送経路Rの冷却部Dの後側位置に配置された後側準備部Eと、該後側準備部Eの搬送経路R上を搬送されてくるコンテナW内の炭素素材及び各種素材を分別回収する分別回収部Fとから構成されている。
【0015】
この場合、上記前側準備部Bと上記組成分離部Cとの間の搬送経路Rに水分を蒸発除去する水分除去部G及び油分などの高分子化合物を除去する高分子化合物除去部Hが設けられている。
【0016】
ここに、上記コンテナ搬送部Aは、例えば、自然界に植生する草木、植物等の一般廃棄物や家電品、自動車、園芸用品、農業資材、プラスチック製品等の産業廃棄物等の炭素含有物が収納されたコンテナWを前側準備部Bから組成分離部C、冷却部Dを経て後側準備部Eに至るまでの搬送経路Rにおいて内部通過搬送させる構造となっている。
【0017】
又、上記組成分離部Cは上記コンテナWの搬送経路Rの途中に直列状に配置された複数個の組成分離室C1〜C5からなり、複数個の組成分離室C1〜C5のいずれも窒素置換密閉雰囲気に作製され、かつ、複数個の組成分離室C1〜C5の間接加熱温度は、炭素含有物から工業用の炭素原料を製造できると同時に炭素含有物から各種素材、例えば、土砂、鉄、非鉄金属、ガラス素材等を回収できる各種素材の組成特性に応じた温度に管理可能な構造となっている。
【0018】
この場合、上記組成分離部の組成分離室C1〜C5のみならず、上記前側準備部B、冷却部D及び後側準備部Eについても、窒素発生装置Qからの各室への窒素注入により空気と入れ替えることで窒素置換密閉雰囲気に作製している。
【0019】
この場合、上記前側準備部Bと上記組成分離部Cとの間の搬送経路Rに水分を蒸発除去する水分除去部G及び油分などの高分子化合物を蒸発除去する高分子化合物除去部Hが設けられている。
【0020】
又、上記炭素原料を製造できると同時に炭素含有物から各種素材を回収できるこれら各種素材の組成特性に応じた間接加熱温度としては、300℃〜450℃程度の範囲内の温度が選択され、この場合、各室は10℃単位の厳格な温度管理制御ができる構造となっている。
【0021】
又、上記組成分離部の複数個の組成分離室C1〜C5はそれぞれ独立した密閉構造に構成され、かつ、上記組成分離部Cの複数個の組成分離室C1〜C5には各組成分離室における組成分離により発生した分解ガスを排出する分解ガス排出管C11〜C51がそれぞれ独立して設けられ、さらに、分解ガス排出管C11〜C51から排出される分解ガスを冷却する冷却器I1・I2を独立して設け、各冷却器I1・I2に気液分離器I11・I21を連結し、気液分離器I11・I21により液化物はタンクI12・I22に回収されると共に無害な気体は大気放出され、さらに、この場合、上記組成分離室の総数は5個となっているが、上記組成分離部Cの組成分離室C1〜C5の総数が増減可能な構造に構成されている。
【0022】
又、上記分別回収部Fは、上記後側準備部Eより搬送排出されてくる炭素素材及び各種素材を破砕機、篩機、磁選機、比重選別機、溶融分別装置等から構成されている。
【0023】
この実施の形態例は上記構成であるから、例えば、前処理作業として、必要に応じ、炭素含有物の種類や大きさにより圧潰や破砕を行い、この炭素含有物をコンテナW内に収納し、このコンテナWをコンテナ搬送部Aにより前側準備部Bから水分除去部G、高分子化合物除去部H、組成分離部C、冷却部Dを経て後側準備部Eへと搬送経路R上を搬送することになり、上記前側準備部B及び後側準備部Eは組成分離部Cの組成分離室C1〜C5内の厳格な温度管理のために設けられ、上記水分除去部Gは炭素含有物に付着する水分を除去するために必要に応じて設けられ、上記高分子除去部Hは炭素含有物に付着する油分などの高分子化合物を蒸発除去するために必要に応じて設けられ、そして、水分や油分などが蒸発除去された炭素含有物は上記組成分離部Cの各組成分離室C1〜C5において間接加熱され、各組成分離室C1〜C5は窒素置換密閉雰囲気に作製されているので炭素含有物は燃焼を伴わずに炭素化して工業用の炭素原料が製造され、酸化燃焼しないので二酸化炭素の発生を殆ど無くすことができ、同時に、複数個の組成分離室C1〜C5の間接加熱温度は、炭素含有物から工業用の炭素原料を製造できると同時に炭素含有物から各種素材を回収できる各種素材の組成特性に応じた温度に管理されているから、各種素材の組成特性に応じた加熱温度により炭素含有物は組成分離して各種素材を回収可能な状態となり、炭素素材及び各種素材は冷却部Dにより発火を防ぐために冷却され、冷却部Dを経て炭素素材及び各種素材は後側準備部Eより混在状態で搬送排出され、この混在状態の炭素素材及び各種素材を分別回収部Fにより工業用の炭素原料と各種素材毎とに分別回収することになり、したがって、自然界に植生する草木、植物等の一般廃棄物や家電品、自動車、園芸用品、農業資材、プラスチック製品等の産業廃棄物等の炭素含有物を熱により組成分離し、炭素含有物から工業用の炭素原料を製造することができると同時に炭素含有物から土砂、鉄、非鉄金属、ガラス素材、或いはレアメタル等を素材毎、組成毎に各種素材を回収して再利用することができ、焼却処理や埋立て処分していた廃棄物や草木をも無駄無く利用することができ、資源の浪費を大幅に減少することができ、資源保護にも大いに寄与することができ、多方面への経済効果が期待できる。
【0024】
この場合、上記前側準備部Bと上記組成分離部Cとの間の搬送経路Rに水分を蒸発除去する水分除去部Gを及び又は油分などの高分子化合物を蒸発除去する高分子化合物除去部Hを設けてなるから、後続の組成分離部における炭素含有物の組成分離を良好に行うことができ、又、この場合、上記組成分離部Cの複数個の組成分離室C1〜C5はそれぞれ独立した密閉構造に構成されているから、複数個の組成分離室C1〜C5間での温度干渉や各室内で発生する分解ガスの干渉を防ぐことができ、又、この場合、上記組成分離部Cの複数個の組成分離室C1〜C5には各組成分離室C1〜C5における組成分離により発生した分解ガスを排出する分解ガス排出管G11〜G51がそれぞれ独立して設けられているから、各組成分離室C1〜C5で発生する異なる組成の分解ガス間での干渉を防いで排出することができ、又、この場合、上記分解ガス排出管G11〜G51から排出される分解ガスを冷却する冷却器I1・I2を二つの系統に独立して設けてなるから、各組成分離室C1〜C5で発生する異なる組成の分解ガス間での干渉を防いで排出することができる。
【0025】
又、この場合、上記組成分離部Cの組成分離室C1〜C5の総数が増減可能な構造に構成されているから、回収すべき素材の種類などにより組成分離室の総数を増減することにより組成分離の効率化を図ることができ、又、この場合、上記冷却器I1・I2に気液分離器I11・I21を設けているから、処理される炭素含有物の種類によっては、組成分離室C1〜C5における組成分離により発生する分解ガスを水で洗浄することにより塩化水素として回収することができ、かつ、この分解ガスから食塩、工業用塩等の固形物や木酢、竹酢等の液化物を酸化していない状態で採取回収することができる。
【0026】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、コンテナWの構造、コンテナ搬送部A、前側準備部B、組成分離部C、冷却部D、後側準備部E及び分別回収部Fの構造などは適宜変更して設計される。
【0027】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0028】
W コンテナ
A コンテナ搬送部
R 搬送経路
B 前側準備部
C 組成分離部
D 冷却部
E 後側準備部
F 分別回収部
G 水分除去部
H 高分子化合物除去部
1 組成分離室
2 組成分離室
3 組成分離室
4 組成分離室
5 組成分離室
11 分解ガス排出管
21 分解ガス排出管
31 分解ガス排出管
41 分解ガス排出管
51 分解ガス排出管
1 冷却器
2 冷却器
11 気液分離器
21 気液分離器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素含有物を搬送経路中に直列状に配置された複数個の組成分離室において搬送し、該複数個の組成分離室はいずれも窒素置換密閉雰囲気に作製され、かつ、複数個の組成分離室の間接加熱温度は、炭素含有物から工業用の炭素原料を製造できると同時に該炭素含有物から各種素材を回収できる各種素材の組成特性に応じた温度に管理されていることを特徴とする工業用炭素原料の製造方法。
【請求項2】
各種の炭素含有物が収納されたコンテナを搬送可能なコンテナ搬送部と、該コンテナ搬送部の搬送経路の前側位置に配置された前側準備部と、該コンテナの搬送経路の該前側準備部の後側位置に配置された組成分離部と、該コンテナの搬送経路の該組成分離部の後側位置に配置された冷却部と、該コンテナの搬送経路の該冷却部の後側位置に配置された後側準備部と、該後側準備部の搬送経路上を搬送されてくるコンテナ内の炭素素材及び各種素材を分別回収する分別回収部とを備えてなり、上記組成分離部は上記コンテナの搬送経路の途中に直列状に配置された複数個の組成分離室からなり、該複数個の組成分離室のいずれも窒素置換密閉雰囲気に作製され、かつ、該複数個の組成分離室の間接加熱温度は、炭素含有物から工業用の炭素原料を製造できると同時に該炭素含有物から各種素材を回収できる各種素材の組成特性に応じた温度に管理可能な構造となっていることを特徴とする工業用炭素原料の製造装置。
【請求項3】
上記前側準備部と上記組成分離部との間の搬送経路に水分を蒸発除去する水分除去部及び又は油分などの高分子化合物を蒸発除去する高分子化合物除去部を設けてなることを特徴とする請求項2記載の工業用炭素原料の製造装置。
【請求項4】
上記組成分離部の複数個の組成分離室はそれぞれ独立した密閉構造に構成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の工業用炭素原料の製造装置。
【請求項5】
上記組成分離部の複数個の組成分離室には各組成分離室における組成分離により発生した分解ガスを排出する分解ガス排出管がそれぞれ独立して設けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の工業用炭素原料の製造装置。
【請求項6】
上記分解ガス排出管から排出される分解ガスを冷却する冷却器を独立して設けてなることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の工業用炭素原料の製造装置。
【請求項7】
上記組成分離部の組成分離室の総数は増減可能な構造に構成されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の工業用炭素原料の製造装置。
【請求項8】
上記冷却器に気液分離器を設けてなることを特徴とする請求項6又は7記載の工業用炭素原料の製造装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−31203(P2011−31203A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181487(P2009−181487)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(396019309)
【出願人】(309025122)
【出願人】(309025133)
【Fターム(参考)】