説明

差込式の非接触給電装置

【課題】第1に、信頼性や安全性が向上し、第2に、小型軽量であり、取り扱い性等に優れ、第3に、発熱や放射ノイズ等が少なく、第4に、放熱性にも優れた、差込式の非接触給電装置を提案する。
【解決手段】本発明の非接触給電装置1では、受電部5の受電部本体20が、対をなす2次コイル6を備えており、両2次コイル6が、差込空間Sを介して対峙配設されている。又、給電部3の給電部本体21が、1次コイル4を備えており、給電に際し、受電部本体20の差込空間Sに差込口Eから差込まれ、もって1次コイル4が、両2次コイル6間に略サンドイッチ状態で近接対応位置する。更に受電部本体20は、フェライトコア等の磁心コア25を備えており、両2次コイル6の外側にそれぞれ配設されている。又、給電部本体21および受電部本体20には、中央空間穴Hが全体的に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差込式の非接触給電装置に関する。すなわち、二輪車等の軽車輌について、搭載されたバッテリーを充電する、差込式の非接触給電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
《技術的背景》
車輌にはバッテリーが搭載されており、ランプ類,点火装置,始動装置等に、電力を供給している。
そして最近は、搭載されたバッテリーにて走行用モーターに電力を供給する、電動バイク,電動アシスト自転車,その他の軽車輌が、普及しつつある。例えば、最近の高規格(2倍アシスト)の電動アシスト自転車の認可や、都市部での一般車の駐車違反の取り締まり強化等に伴い、このような電動車輌の普及が促進されつつある。
そして、搭載されたバッテリーの放電が進むと、当然のことながら、走行に支障が生じバッテリーの寿命も短くなるので、バッテリーへの充電が充電装置を用いて適宜実施されている。
【0003】
《従来技術》
ところで、この種の二輪車等の軽車輌に搭載されたバッテリーへの充電は、従来、次のように行われていた。
すなわち多くの場合、接触式の充電装置が用いられており、バッテリー側の端子やコンセントに、充電装置側のわに口クリップやプラグ等をコネクタ接続して、充電が実施されていた。
これに対し、非接触式の充電装置も一部には存在したが、本格普及には至っていなかった。なお、非接触式の充電装置としては、例えば次の特許文献1,2,3に示されたものが挙げられるが、これらはいずれも、この種車輌のバッテリー充電用ではなく、車輌バッテリーへの適用は困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−4514号公報
【特許文献2】特開2001−167956号公報
【特許文献3】特開昭60−132806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
《問題点》
ところで、従来の上述した接触式の充電装置によるバッテリー充電については、多用されてはいるものの、次の課題が指摘されていた。
まず、頻繁な抜き差しに伴い、コネクタの接触不良が発生し易かった。又、押圧力や引張力にてコネクタが力を込めて抜き差しされるので、コネクタの付け根付近でケーブル(リード線)に力が加わり、断線も発生し易かった。そして、このようなトラブルが多発しており、信頼性や安全性に問題が指摘されていた。
又、導電部分が外部露出している箇所(例えばプラグ)もあり、雨水や洗車水の浸入による絶縁不良発生が指摘され、感電の危険があり、屋外使用に不安が指摘されていた。もってこの面からも、信頼性や安全性に問題が指摘されていた。
他方、上述した非接触式の充電装置によるバッテリー充電については、一部では使用されているものの、次の課題が指摘されていた。
すなわち、構造が複雑であり、装置サイズが大型化し、重量も重く、価格が高く、取り扱いも容易でなく、落とした場合のダメージが大きい、等々の難点が指摘されていた。
【0006】
《本発明について》
本発明の差込式の非接触給電装置は、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、信頼性や安全性が向上し、第2に、小型軽量であり、取り扱い性等に優れ、第3に、発熱や放射ノイズ等が少なく、第4に、放熱性にも優れた、差込式の非接触給電装置を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
請求項1については、次のとおり。
請求項1の差込式の非接触給電装置は、車輌に搭載されたバッテリーを充電する。すなわち、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、給電部側の1次コイルから、該車輌に搭載された受電部側の2次コイルに、非接触で近接対応位置しつつ電力を供給可能、そして該バッテリーを充電可能である。
そして、該1次コイルおよび該2次コイルは、渦巻状に巻回された扁平なフラット構造をなしている。受電部本体は、対をなす該2次コイルを備え、両該2次コイルが、差込空間を介して対峙配設されている。給電部本体は、該1次コイルを備えており、給電に際し、該受電部本体の差込空間に差込まれ、もって該1次コイルが、両該2次コイル間にサンドイッチ状態で近接対応位置すること、を特徴とする。
【0008】
請求項2については、次のとおり。
請求項2の差込式の非接触給電装置では、請求項1において、請求項1とは逆に、該給電部本体は、対をなす1次コイルを備えており、両該1次コイルが、差込空間を介して対峙配設されている。
そして該受電部本体は、2次コイルを備えており、給電に際し、該給電部本体の差込空間に差込まれ、もって該2次コイルが、両該1次コイル間にサンドイッチ状態で近接対応位置すること、を特徴とする。
請求項3については、次のとおり。
請求項3の差込式の非接触給電装置では、請求項1において、該車輌は、二輪車その他の軽車輌よりなる。そして該受電部本体は、フェライトコア等の磁心コアを備えており、該磁心コアは、扁平なフラット構造をなし、両該2次コイルの外側にそれぞれ配設されていること、を特徴とする。
請求項4については、次のとおり。
請求項4の差込式の非接触給電装置では、請求項3において、該1次コイルおよび2次コイルは、それぞれ環状に巻回されて中央空間が形成されている。該磁心コアも、中央空間が形成されている。そして、該給電部本体および該受電部本体は、これらの該中央空間に対応した中央空間穴が、全体的に形成されていること、を特徴とする。
【0009】
請求項5については、次のとおり。
請求項5の差込式の非接触給電装置では、請求項4において、通信装置が付設されている。そして該通信装置は、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、該1次コイルの中央空間に配設された1次側コイルアンテナと、一方の該2次コイルの中央空間に配設された2次側コイルアンテナとの間で、非接触で近接対応位置しつつ、微弱電磁波を伝送可能となっている。
もって該通信装置は、該非接触給電装置の1次コイルと2次コイルとが、給電可能な位置関係で近接対応位置しているか否かの位置合わせ検出機能を備えている。もって、該1次側コイルアンテナと該2次側コイルアンテナ間での微弱電磁波伝送を条件に、該1次コイルから該2次コイルへの給電が実施される。
そして、該通信装置の2次側コイルアンテナには、少なくとも、該1次側コイルアンテナが差込まれる差込口側に、専用の磁心コアが配設されていること、を特徴とする。
【0010】
請求項6については、次のとおり。
請求項6の差込式の非接触給電装置では、請求項3において、該給電部本体は、該1次コイルが樹脂ケース中に埋め込まれており、もって略パドル状をなしている。そして、高周波交流が該1次コイルに供給される。
該受電部本体は、両該2次コイルおよび両該磁心コアが、該差込空間穴を存しつつ樹脂ケース中に埋め込まれており、もって略ハウジング状をなしている。そして該2次コイルからの高周波交流が、該バッテリーに供給されること、を特徴とする。
請求項7については、次のとおり。
請求項7の差込式の非接触給電装置では、請求項3によらない構成が可能である。
すなわち請求項3では、該受電部本体は、対をなす該2次コイルを備えると共に、両該2次コイルの外側に、それぞれ該磁心コアが配設されている。そして給電に際し、差込まれた該給電部本体の1次コイルが、両該2次コイル間に略サンドイッチ状態で近接対応位置していたが、請求項7は、これによらない構成よりなる。
すなわち、この請求項7では、該受電部本体は、1個の2次コイルを備えると共に、該2次コイルの片側に、磁心コアが配設されている。そして給電に際し、該給電部本体の1次コイルが、該2次コイルの反対側に対し近接対応位置すると共に、該1次コイルの外側に磁心コアが被せられること、を特徴とする。
【0011】
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)給電に際し、受電部本体に、外部電源に接続された給電部本体が、差込まれる。
(2)もって、給電部本体の1次コイルが、受電部本体の2次コイル間に、サンドイッチ状態で近接対応位置する。
(3)そして、1次コイルと2次コイルとが電磁結合され、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、電力が、給電部側の1次回路から受電部側の2次回路に供給され、バッテリーが充電される。
(4)バッテリーの充電が完了し、給電が終了すると、給電部本体が受電部本体から抜き取られる。
(5)さてそこで、本発明によると以下のようになる。まず、差込空間への差込みと抜き取りにより、給電が開始され終了するので、接触不良や断線発生の虞はない。
(6)1次コイルや2次コイルは、コイル導線が絶縁被覆された構造よりなると共に、樹脂ケースに埋め込まれており、防水面に優れている。
(7)1次コイル,2次コイル,磁心コア等は、扁平なフラット構造よりなる。又、給電部本体に磁心コアは用いられていない。もって、構造が簡単であり、小型化され重量も軽い。
(8)給電に際し、1次コイルと2次コイルは、極く僅かな間隔でバランス良く近接対応位置する。又、形成される磁束は、両外側の磁心コアにてシールドされる。これらにより、給電損失や発熱損失が少なく、放射ノイズも低減される。
(9)給電部本体および受電部本体には、中央空間穴が形成されており、自然放熱可能である。
(10)そこで、本発明の差込式の非接触給電装置は、次の効果を発揮する。
【発明の効果】
【0012】
《第1の効果》
第1に、信頼性や安全性が向上する。すなわち、本発明の差込式の非接触給電装置では、まず、給電部本体を受電部本体に差込んだり抜き取る際に、力を込めた動作を何ら要することなく、充電が開始されると共に終了される。
前述したこの種従来技術、つまり接触式の充電装置を用いた従来技術のように、頻繁なコネクタの抜き差しや力を込めた抜き差しに伴うケーブル(リード線)の断線発生や、露出した接点による接触不良等の虞はなく、信頼性や安全性が向上する。
又、1次コイルや2次コイルは、それぞれ、コイル導線が絶縁被覆されており、しかも樹脂ケース中に埋め込まれている。このように、両コイルは防水構造化されており、前述したこの種従来技術に比し防水面に優れており、雨水や洗車水の浸入による絶縁不良,感電の危険は解消され、屋外使用にも適している。これらの面からも、信頼性や安全性が向上する。
【0013】
《第2の効果》
第2に、小型軽量であり、取り扱い性等に優れている。すなわち、本発明の非接触給電装置では、1次コイル,2次コイル,磁心コア等として、扁平なフラット構造を採用すると共に、給電部本体側において磁心コアは用いられておらず、前述したこの種従来技術、つまり非接触式充電装置を用いる従来技術に比し、構造が簡単である。
もって、装置サイズが小型化され、重量も軽く、特に中央空間穴が設けられた給電部本体の持ち運びや取り扱いが容易である。又、給電部本体は、誤って落とすことも考えられるが、その際のダメージが少なく、壊れにくく損傷の危険も低い。
【0014】
《第3の効果》
第3に、発熱や放射ノイズ等も少ない。すなわち、本発明の差込式の非接触給電装置では、給電に際し、1次コイルと2次コイルとが、極く僅かな間隔でバランス良く近接対応位置する。しかも、1次コイルや2次コイル間に形成される磁束は、両外側の磁心コアで、誘導,方向付けされシールドされる。
もって、給電損失,発熱損失,放射ノイズ、電磁波障害等が、大きく低減される。
【0015】
《第4の効果》
第4に、放熱性にも優れている。すなわち、本発明の差込式の非接触給電装置では、給電部本体および受電部本体に、中央空間穴が形成されている。そこで、発熱がある場合でも、中央空間穴にて自然放熱されるようになっており、放熱性にも優れている。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る差込式の非接触給電装置について、発明を実施するための形態の説明に供し、(1)図は、全体の側面説明図、(2)図は、その要部の平面説明図である。
【図2】同発明を実施するための形態の説明に供し、1次コイル,2次コイル,磁心コア等を示し、(1)図は、正面断面図、(2)図は、分解平面図、(3)図は、平面図、(4)図は、上側の磁心コアを外した状態の平面図である。
【図3】同発明を実施するための形態の説明に供し、他の例を示し、(1)図は、その使用例1の正面断面図、(2)図は、その使用例2の正面断面図である。
【図4】同発明を実施するための形態の説明に供し、通信装置を示し、(1)図は、平面図、(2)図は、正面図、(3)図は、要部の平面図、(4)図は、要部の側面図である。
【図5】非接触給電装置の説明に供し、コイル等の平面説明図である。
【図6】非接触給電装置の説明に供し、回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。
《非接触給電装置1について》
まず、非接触給電装置1について、図5,図6を参照して、一般的に説明する。
非接触給電装置1は、車輌Aに搭載されたバッテリー2を充電するために使用され、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、給電部3側の1次コイル4から、車輌Aに搭載された受電部5側の2次コイル6に、非接触で近接対応位置しつつ電力を供給可能、そしてバッテリー2を充電可能である。
このような非接触給電装置1について、一般的に更に詳述する。
【0018】
まず、非接触給電装置1の給電部3について述べる。給電部3の1次回路7では、外部電源8からの交流が、高周波電源9を経た後、ケーブル10にて1次コイル4に供給される。
このような給電部3について更に詳述すると、給電部3の1次回路7は、プラグ11にて、家内や室内のAC100V,50Hzや60Hzの外部電源(商用電源)8のコンセントに、接続される(図1の(1)図も参照)。高周波電源9は、周波数等変換用のインバーターよりなり、例えば数kHz〜数十kHz程度の高周波交流を、給電交流,励磁電流として、1次コイル4に向けて通電する。
1次回路7において、図6中12は、周波数制御用のチョークコイル、13は、直列共振用のコンデンサ、14は、並列共振用のコンデンサである。
1次コイル4は、図5に示したように、複数回ターン方式で略平板状のフラット構造をなす。すなわち、絶縁被覆されたコイル導線が、同一平面において並列化された平行位置関係を維持しつつ、円形や方形の渦巻き状に複数回巻回ターンされ、もって、全体的に凹凸のない平坦で肉厚の薄い扁平フラット構造をなすと共に、環状,略フランジ状をなしている。図5中、15はモールド樹脂、16は発泡材、17はベースプレートである。
【0019】
次に、非接触給電装置1の受電部5について述べる。受電部5の2次回路18では、2次コイル6からの高周波交流が、直流化されてバッテリー2に供給される。
このような受電部5について、更に詳述する。まず、磁界結合方式による非接触給電について述べる。前述したように給電に際し、1次コイル4には、高周波交流が給電交流,励磁電流として通電,印加される。すると磁界が、1次コイル4のコイル導線の周囲に生じ、磁束がそのコイル面に対して直角方向に形成される。
そして、このように形成された磁束が、受電部5の2次コイル6を貫き鎖交することにより、誘導起電力が生成されて磁場が形成される。このように誘起された磁界を利用して、電力が送受される。非接触給電装置1では、このような電磁誘導の相互誘導作用に基づき、1次コイル4と2次コイル6間に磁束の磁路が形成されて、1次コイル4と2次コイル6とが電磁結合され、もって非接触給電が実施される。
【0020】
このような2次コイル6を備えた受電部5が、車輌Aに配設されており、車輌Aに搭載されたバッテリー2を充電する。
本発明が適用対象とする車輌Aとしては、電動アシスト自転車、電動自動車,電動バイク,電動車イス等の電動車輌が代表的であるが、その他、バッテリー2にてモーターに電力を供給して駆動せしめ、もって走行可能な各種の二輪車,三輪車,四輪車等の軽車輌への適用が、考えられる。勿論、ランプ類,点火装置,始動装置等に、電力を供給する用途のバッテリー2への適用も、可能である。
2次回路18について、図6中19は、並列共振用のコンデンサである。2次コイル6の形状,大きさ,その他の構成は、1次コイル4について前述した所に準じ、1次コイル4と見合った形状,大きさ,その他の構成よりなる。
非接触給電装置1について、一般的説明は以上のとおり。
【0021】
《本発明の概要》
以下、本発明の差込式の非接触給電装置1について、図1,図2等を参照して説明する。まず、本発明の概要については、次のとおり。
本発明の非接触給電装置1では、受電部5の受電部本体20が、対をなす2次コイル6を備えており、両2次コイル6が、差込空間Sを介して対峙配設されている。
又、給電部3の給電部本体21が、1次コイル4を備えており、給電に際し、受電部本体20の差込空間Sに差込口Eから差込まれ、もって1次コイル4が、両2次コイル6間にサンドイッチ状態で近接対応位置する。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明について、更に詳述する。
【0022】
《給電部3について》
まず、本発明の非接触給電装置1の給電部3について述べる。前述したように、そして図1の(1)図にも示したように、給電部3の1次回路7では、外部電源8からの交流が、高周波電源9を経た後、給電高周波交流,励磁電流として、ケーブル10にて、給電部本体21の1次コイル4に通電,印加される。
給電部本体21は、図1の(2)図に示したように、長方形フラット環状の1次コイル4が、樹脂ケース22(図5のモールド樹脂15)中に、被覆されて埋め込まれた略パドル状(平らな操作板状)をなしている。
すなわち、図示した給電部本体21は、1セットの1次コイル4が樹脂ケース22に埋め込み内蔵された横長長方形部分と、ケーブル10の先端部が樹脂ケース22に埋め込み内蔵され、手で握持される縦長長方形部分と、からなる。樹脂ケース22は、例えばゴム(合成ゴム,天然ゴム)製、その他の樹脂製よりなる。
なお、図1の(1)図中、23は給電スタンドであり、例えば地上や床等側に立設されており、高周波電源9等が内臓され、ランプ24が付設されている。ランプ24は、夜間照明用として使用されると共に、各段階の充電ステップ表示用としても使用される。
給電部3については、以上のとおり。
【0023】
《受電部5について》
次に、本発明の非接触給電装置1の受電部5について述べる。前述したように、そして図1の(1)図にも示したように、車輌Aに配設された受電部5の2次回路18では、2次コイル6からの高周波交流が、バッテリー2に供給される。
図示例では、この種車輌Aとして、電動アシスト自転車が示されている。そして、バッテリー2がサドル下部に配設され、2次コイル6を備えた受電部本体20が、後部荷台の下部スペースに配設されている。2次回路18には、バッテリー2への充電電力供給用に直流化や定電圧化を実施するコンバータ(図示せず)も、設けられている。
そして受電部本体20では、図2の(1)図に示したように、2分割されて対をなす長方形フラット環状の2次コイル6が、差込空間Sを介して対峙配設されると共に、両2次コイル6の外側に、それぞれ磁心コア25が配設されている。
すなわち、差込空間Sを介して配設された扁平なフラット構造の両2次コイル6の外側に、それぞれ、同じく扁平なフラット構造の磁心コア25が配設されている。磁心コア25としては、フェライトコアが代表的に使用されるが、その他の強磁性体も使用可能である。
図2の各図は、このような2次コイル6,磁心コア25、更には差込まれた1次コイル4等の説明に供する。そして(1)図は、相互関係を示す正面断面図、(2)図は、これを分解して示した分解平面図、(3)図は、上側の磁心コア25側からみた平面図、(4)図は、上側の磁心コア25を取り外した状態の平面図である。
【0024】
そして、図1の(2)図に示したように、受電部本体20は、このような両2次コイル6および両磁心コア25が、差込空間Sを存しつつ樹脂ケース26(図5のモールド樹脂15)中に、被覆されて埋め込まれている。樹脂ケース26は、例えばゴム(合成ゴム,天然ゴム)製、その他の樹脂製よりなる。
すなわち、図示した受電部本体20は、上側の磁心コア25と2次コイル6のペアを埋め込み内蔵した上部分と、下側の2次コイル6と磁心コア25のペアを埋め込み内蔵した下部分とが、差込空間Sを介して配された構造よりなる。もって受電部本体20は、差込口E付の中空内部空間である差込空間Sを備えた、横長長方形の中空ハウジングケース状をなしている。
そして差込空間Sは、給電に際し、前述した給電部本体21の横長長方形部分が、長手方向に沿って差込口Eから差込まれるに足る、スペースよりなる。つまり、1次コイル4を内蔵した給電部本体21を、両2次コイル6間にてサンドイッチ状態で差込み嵌挿可能な、中空内部空間よりなる。
【0025】
給電に際し、このような受電部本体20の差込空間Sに、給電部本体21が差込まれた場合、受電部本体20側の両2次コイル6と、給電部本体21側の1次コイル4とは、数mm〜十数mm程度、例えば10mm程度の僅かなギャップGを介して、非接触で近接対応位置する。
なお、このギャップGは、エアー空間間隙であるエアーギャップとして形成される場合と、又は/及び、受電部本体20側の樹脂ケース26のムクの肉厚や、給電部本体21の樹脂ケース22のムクの肉厚として形成される場合とがあり、両場合を包含した意味にて用いられる。後者の場合、受電部本体20と給電部本体21とは、物理的には接触しているが電気的には非接触となる。
又、磁心コア25は、給電に際し、1次コイル4と2次コイル6に形成される磁束を、誘導,方向付けすべく機能する。もって、電磁シールド機能を発揮し、周囲への漏出磁界,放射ノズルを低減するが、これを補強すべく、受電部本体20を形成する樹脂ケース26中に、金属製の導電性物質を混入しておくと良い。
受電部5については、以上のとおり。
【0026】
《中央空間穴Hについて》
次に、中央空間穴Hについて、図1の(2)図,図2の(2)図,(3)図等を参照して、説明する。
1次コイル4および2次コイル6は、それぞれ環状に巻回されて中央空間Hが形成されており、磁心コア25も、中央空間Hが形成されている。
そして、給電部本体21および受電部本体20は、これらの中央空間H,Hに対応連通した中央空間穴Hが、全体的に形成されている。
【0027】
このような中央空間穴Hについて、更に詳述する。まず、図示した1次コイル4および2次コイル6は、見合った長方形フラット環状に巻回され、もって中央に長方形の中央空間Hを備えている。磁心コア25も、長方形環状に形成され、もって中央に、中央空間Hより若干狭目の長方形の中央空間Hを備えている。
そして、このような1次コイル4を内蔵しつつ樹脂ケース22で形成された給電部本体21には、1次コイル4の中央空間Hと連通する、若干狭目の中央空間穴Hが形成されている。2次コイル6や磁心コア25を内蔵しつつ樹脂ケース26で形成される受電部本体20にも、2次コイルの中央空間Hや磁心コア25の中央空間Hと連通する、若干狭目の中央空間穴Hが形成されている。
そして、給電部本体21に形成される中央空間穴Hと、受電部本体20に形成される中央空間穴Hとは、同一形状,大きさよりなると共に、給電に際し給電部本体21が差し込まれると、重なり連通する位置取りよりなる。
因に図面上では、前述した差込空間Sは、差込口Eを備えた横穴,めくら穴よりなるのに対し、この中央空間穴Hは、縦穴,貫通穴よりなる。
なお、図示例の中央空間穴Hは、1個の穴にて形成されているが、これによらず、より小さな複数個の穴にて形成するようにしてもよい。又、図示例によらず中央空間穴Hを形成しないことも、勿論可能である。更に、受電部本体20のみに中央空間穴Hを形成し、給電部本体21には形成しない例も考えられる。
中央空間穴Hについては、以上のとおり。
【0028】
《作用等》
本発明の差込式の非接触給電装置1は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)この非接触給電装置1では、給電に際し、給電部3の給電部本体21が、受電部5の受電部本体20の差込空間Sに、差込口Eから差込まれる(図1を参照)。なお給電部3は、予めプラグ11にて外部電源8に接続されている。
【0029】
(2)このような差込みにより、給電部本体21の1次コイル4が、受電部本体20の両2次コイル6間に、サンドイッチ状態で近接対応位置する。対をなす両2次コイル6間に差し込まれ、もって僅かなギャップGを介して挟み込まれた状態で、非接触で近接対応位置する(図2の(1)図を参照)。
【0030】
(3)もって、給電そしてバッテリー2への充電が実施される。すなわち、給電部本体21の1次コイル4と、受電部本体20の2次コイル6とが、電磁結合され、1次コイル4で形成された磁束が、2次コイル6を貫くことにより、2次コイル6に誘導起電力が生成される。
このような電磁誘導の相互誘導作用に基づき、電力が、給電部3側の1次回路7から、車輌Aに搭載された受電部5側の2次回路18に供給されて、車載のバッテリー2の充電が開始される(図1の(1)図,図6を参照)。
【0031】
(4)バッテリー2の電圧が上昇して所定電圧となり、満充電に達して充電が完了すると、非接触給電装置1による給電は終了する。そして、給電部本体21が受電部本体20から抜き取られて、取り外される(図1を参照)。
【0032】
(5)さてそこで、本発明に係る差込式の非接触給電装置1によると、次の各点のようになる。
まず、本発明の非接触給電装置1では、給電部本体21を受電部本体20の差込空間Sに対して、差込むことにより、給電が開始される。そして給電が終了すると、受電部本体20の差込空間Sから、給電部本体21が抜き取られる(図1を参照)。
このように、差込空間Sに対する差込みと抜き取りの際に、押圧力や引張力による力を込めた作業を殆ど要することなく、抜き差しに伴う断線発生の虞もなく、又、露出した接点による接触不良の虞もなく、バッテリー2の充電が行われる。
【0033】
(6)又、本発明の非接触給電装置1において、1次コイル4や2次コイル6は、そのコイル導線が絶縁被覆された構造よりなる。しかも、1次コイル4や2次コイル6は、樹脂ケース22や樹脂ケース26中に、被覆されて埋め込まれている(図1を参照)。
このように、この1次コイル4や2次コイル6、そしてこの非接触給電装置1は、導電部分の外部露出箇所がなく、防水面に優れている。
【0034】
(7)又、本発明の非接触給電装置1では、1次コイル4や2次コイル6として、扁平なフラット構造のものを採用すると共に、フェライトコア等の磁心コア25も、扁平なフラット構造よりなる(図2の(1)図,図5を参照)。
又、給電部3側の給電部本体21において、磁心コアは用いられていない。すなわち、両外側に磁心コア25を備えた2次コイル6間の内側に、1次コイル4が差込まれる構成なので(図2の(1)図を参照)、1次コイル4側について、磁束の誘導,方向付け,シールド用の磁心コアは、不要である。
これらにより、この非接触給電装置1の給電部本体21や受電部本体20、特に給電部本体21は、構造が簡単であり、小型化されており、重量(質量)も軽い。
【0035】
(8)又、本発明の非接触給電装置1では、給電に際し、1次コイル4が、磁心コア25付の2次コイル6に、サンドイッチ状態で挟みこまれて、近接対応位置する(図2の(1)図を参照)。すなわち、この非接触給電装置1では、電磁結合方式による一般的な非接触給電装置のように、1次コイル4と2次コイル6間のギャップGを広く取りたい、というニーズはない。
そこで給電に際し、1次コイル4と2次コイル6とは、極く僅かなギャップGで対峙すると共に、バランス良く近接対応位置する。しかも、1次コイル4と2次コイル6間に形成される磁束は、両2次コイル6の外側にそれぞれ位置する磁心コア25にて、確実に誘導,方向付けされ、シールドされる。
もって、給電部本体21側の1次コイル4と受電部本体20側の2次コイル6間において、給電損失や発熱損失(ループ循環電流によるジュール熱損失等)が少なく、給電効率に優れている。又、電磁シールド効果が確実であり、外部放射される高周波電磁波による周囲への放射ノイズ,電磁波障害も、低減される。
【0036】
(9)更に、この非接触給電装置1では、給電部本体21および受電部本体20について、中央空間穴Hが形成されている。
この非接触給電装置1では、上述したように給電部本体21や受電部本体20での発熱は比較的少ないが、発熱がある場合は、この中央空間穴Hにて、例えば3度〜4度程度の自然放熱が可能となっている。
作用等については、以上のとおり。
【0037】
《本発明の展開等》
ところで、本発明の差込式の非接触給電装置1については、更に、以下の第1,第2,第3,第4等の構成が、考えられる。
第1に、コイル導線については、次のとおり。
1次コイル4および2次コイル6のコイル導線について、線間間隔を存しつつ粗巻きにして巻回する構成が、考えられる。このように、コイル導線を粗巻きにして、巻回されたコイル導線間に隙間を配した構成を採用すると、線間の間隔隙間が存在せずコイル導線が密接巻回されている構成に比し、周波数特性が改善され高周波交流抵抗が低減されるようになる。
【0038】
すなわち、絶縁被覆されているものの、コイル導線が密接巻回されると、隣接するコイル導線相互間で、特性上悪影響を及ぼし合うのに対し、コイル導線間に線間の間隔隙間が存すると、リッツ線のように、表皮効果が低減されるようになる。表皮効果による電流集中が分散され、高周波交流抵抗が低減され、ジュール熱損失が軽減され、電力損失が軽減される。
つまり、1次コイル4や2次コイル6のコイル導線として、一般的な平角線を使用した場合でも、リッツ線を使用した場合に準じた効果が得られるようになる。10kHz以上の高周波の場合でも、高価なリッツ線を使用しなくても、通常の平角線でもほぼ同等の効果が得られるようになる。
因に、図示例の1次コイル4は、コイル導線が19ターン巻回されている。2次コイル6は、上下並列接続の場合は、コイル導線が1次コイル4と同様のターン数で巻回され、上下直列接続の場合は、半分のターン数での巻回となる。
コイル導線については、以上のとおり。
【0039】
第2に、図示例の2次コイル6とは異なり、2次コイル6’を1個とする構成については、次のとおり。
すなわち、前述した図1,図2に図示した例の受電部本体20は、対をなす2個の2次コイル6を備えると共に、両2次コイル6の外側に、それぞれ磁心コア25が配設されていた。そして給電に際し、差込まれた給電部本体21の1次コイル4が、両2次コイル6間にサンドイッチ状態で近接対応位置していた。
しかしながら、このような構成によらず、次のように2次コイル6’を1個とした構成も、考えられる。
すなわち、図3の(1)図に示したように、受電部本体20’は、1個の2次コイル6’を備えると共に、この2次コイル6’の片側に、磁心コア25’が配設されている。そして給電に際し、給電部本体21’の1次コイル4’を、この2次コイル6’の磁心コア25’とは反対側に対応位置させると共に、この1次コイル4’の外側に、専用の磁心コア27が被せられる構成が考えられる。
図3の(1)図の図面上では、1個の2次コイル6’の下側に、1個の磁心コア25’が配設されており、給電に際し、この1個の2次コイル6’の上側に、給電部本体21’の1個の1次コイル4’が載せられ、更にその上側に、1個の磁心コア27が被せられることになる。
この図3の(1)図に示した非接触給電装置1’について、その他の構成,機能,作用,効果等は、前述した図1,図2等に示した非接触給電装置1準じるので、その説明は省略する。
【0040】
そして更に、この図3の(1)図に示した非接触給電装置1’は、上側に被せられた磁心コア27を外すことにより、1次コイル4’を備えた給電部本体21’が、そのまま、前述した図1,図2等に示した非接触給電装置1について、使用可能となる。
すなわち、図3の(1)図の非接触給電装置1’で使用された給電部本体21’は、図3の(2)図に示したように、図1,図2に示した非接触給電装置1に対しても、その給電部本体21に代えそのまま使用可能である。
2次コイル6’を1個とした構成については、以上のとおり。
【0041】
第3に、図示例とは逆に、差込空間Sを給電部本体21側に設ける構成については、次のとおり。
すなわち、前述した図1,図2に図示した例とは逆に、給電部本体21が、対をなす2個の1次コイル4を備えており、両1次コイル4が、差込空間Sを介して対峙配設する構成も考えられる。
この場合、受電部本体20は、1個の2次コイル6を備えており、給電に際し、給電部本体21の差込空間Sに差込口Eから差込まれ(実際上は、2次コイル6に対し、差込空間Sを備えた両1次コイル4が、外嵌される)、もって2次コイル6が、両1次コイル4間にサンドイッチ状態で近接対応位置するようにした構成とする。
このような構成とした図示しない非接触給電装置1では、給電部本体21が、対をなす1次コイル4と、その外側にそれぞれ配設された磁心コア25とを備えており、図1,図2の非接触給電装置1に比べ、給電部本体21の重量は重くなる。しかしながら、車輌Aに搭載される受電部本体20は軽量となる。これらの点以外のその他の構成,機能,作用,効果等は、前述した図1,図2等に示した図示例の非接触給電装置1に準じる。
差込空間Sを給電部本体21側に設ける構成については、以上のとおり。
【0042】
第4に、通信装置28については、次のとおり。
図4に示したように、この非接触給電装置1には、通信装置28が付設されている。この通信装置28は、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、給電部本体21の1次コイル4の中央空間Hに配設された1次側コイルアンテナ29と、受電部本体20の一方の2次コイル6の中央空間Hに配設された2次側コイルアンテナ30との間で、非接触で近接対応位置しつつ、微弱電磁波を伝送可能となっている。
もって、この通信装置28は、給電に際し差込まれた非接触給電装置1の給電部本体21の1次コイル4と、受電部本体20の2次コイル6とが、給電可能な位置関係で近接対応位置しているか否かの位置合わせ検出機能を、備えている。つまり、1次側コイルアンテナ29と2次側コイルアンテナ30間での所定微弱電磁波伝送を条件に、給電部3の1次回路7そして1次コイル4から、受電部5の2次回路18そして2次コイル6へと、給電が実施されるようになっている。
【0043】
すなわち、この通信装置28は、非接触給電装置1と共に使用され、通信時に対峙位置決めされる1次側コイルアンテナ29と、2次側コイルアンテナ30とを、備えている。そして、2次側コイルアンテナ30から、1次側コイルアンテナ29に対し、磁束形成による電磁誘導の相互誘導作用に基づき、微弱電磁波を伝送可能となっている(電磁誘導の相互誘導作用については、非接触給電装置1について前述した所に準じる。又、図6も参照)。
1次側コイルアンテナ29は、給電部本体21の1次コイル4の中央空間H、そして中央空間穴Hに配設されている。2次側コイルアンテナ30は、受電部本体20の一方の2次コイル6の中央空間H、そして中央空間穴Hに配設されている。
従って給電に際し、非接触給電装置1の1次コイル4と2次コイル6とが、ギャップGを介して近接対応位置すると、この通信装置28の1次側コイルアンテナ29と2次側コイルアンテナ30も、ギャップGを介して近接対応位置され、もって例えば数MHz程度の微弱電磁波を伝送可能となる関係となっている。
そこで通信装置28は、非接触給電装置1の位置合わせ検出,確認機能を発揮する。通信装置28で微弱電磁波が伝送された場合は、非接触給電装置1の1次コイル4と2次コイル6とが、給電可能な位置関係にあると判定される。
従って、微弱電磁波が伝送されると、通信装置28の1次側コイルアンテナ29側の回路における電圧や電流検知に基づき、通信装置28側から非接触給電装置1の高周波電源9に対し、通電オン信号が送出されて、給電が開始される。
【0044】
ところで、このような通信装置28において、その2次側コイルアンテナ30には、少なくとも、1次側コイルアンテナ29が差込まれる差込口E側に、専用の磁心コア31が配設されている。
すなわち通信装置28は、上述したように、非接触給電装置1の位置合わせ検出,確認機能を発揮する。しかしながら、図4の(1)図に示した構成のまま使用すると、1次側コイルアンテナ29と2次側コイルアンテナ30とが、例えば30mm〜40mm程度隔離した遠い距離間隔でも、微弱電磁波が伝送されてしまう。つまり、非接触給電装置1側の1次コイル4と2次コイル6とが、未だ近接対応位置しておらず、給電可能となっていない状態でも、微弱電磁波が伝送されていまい、通信装置28の位置合わせ検出,確認機能が不確実化する虞がある。
そこで、図4の(3)図,(4)図に示したように、2次側コイルアンテナ30について、専用の磁心コア31を、1次側コイルアンテナ29が差込まれる側に、配設しておく構成を採用すると、両者が5mm〜6mm程度接近した距離間隔となって始めて、微弱電磁波が伝送可能となる。つまり、非接触給電装置1の1次コイル4と2次コイル6とが、給電可能に近接対応位置して始めて、所期のとおり微弱電磁波が伝送されるようになる。
もって、通信装置28の位置合わせ検出,確認機能が確実化され、もって通信装置28の位置合わせ精度が大きく改善される。
なお、図示の磁心コア31は、平面において略コ字形状をなし、2次側コイルアンテナ30を囲んだ構成よりなるが、少なくとも1次側コイルアンテナ29の差込側に配設された構成であれば良い。
通信装置28については、以上のとおり。
【符号の説明】
【0045】
1 非接触給電装置
1’非接触給電装置
2 バッテリー
3 給電部
4 1次コイル
4’1次コイル
5 受電部
6 2次コイル
6’2次コイル
7 1次回路
8 外部電源
9 高周波電源
10 ケーブル
11 プラグ
12 チョークコイル
13 コンデンサ
14 コンデンサ
15 モールド樹脂
16 発泡材
17 ベースプレート
18 2次回路
19 コンデンサ
20 受電部本体
20’受電部本体
21 給電部本体
21’給電部本体
22 樹脂ケース
23 給電スタンド
24 ランプ
25 磁心コア
25’磁心コア
26 樹脂ケース
27 磁心コア
28 通信装置
29 1次側コイルアンテナ
30 2次側コイルアンテナ
31 磁心コア
A 車輌
E 差込口
G ギャップ
H 中央空間穴
中央空間
中央空間
S 差込空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌に搭載されたバッテリーを充電する差込式の非接触給電装置であって、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、給電部側の1次コイルから、該車輌に搭載された受電部側の2次コイルに、非接触で近接対応位置しつつ電力を供給可能、そして該バッテリーを充電可能であり、
該1次コイルおよび該2次コイルは、渦巻状に巻回された扁平なフラット構造をなしており、受電部本体は、対をなす該2次コイルを備え、両該2次コイルが差込空間を介して対峙配設されており、
給電部本体は、該1次コイルを備えており、給電に際し、該受電部本体の差込空間に差込まれ、もって該1次コイルが、両該2次コイル間にサンドイッチ状態で近接対応位置すること、を特徴とする差込式の非接触給電装置。
【請求項2】
請求項1において、請求項1とは逆に、該給電部本体は、対をなす1次コイルを備えており、両該1次コイルが、差込空間を介して対峙配設されており、
該受電部本体は、2次コイルを備えており、給電に際し、該給電部本体の差込空間に差込まれ、もって該2次コイルが、両該1次コイル間にサンドイッチ状態で近接対応位置すること、を特徴とする差込式の非接触給電装置。
【請求項3】
請求項1において、該車輌は、二輪車その他の軽車輌よりなり、
該受電部本体は、フェライトコア等の磁心コアを備えており、該磁心コアは、扁平なフラット構造をなし、両該2次コイルの外側にそれぞれ配設されていること、を特徴とする差込式の非接触給電装置。
【請求項4】
請求項3において、該1次コイルおよび2次コイルは、それぞれ環状に巻回されて中央空間が形成されており、該磁心コアも、中央空間が形成されており、
該給電部本体および該受電部本体は、これらの該中央空間に対応した中央空間穴が、全体的に形成されていること、を特徴とする差込式の非接触給電装置。
【請求項5】
請求項4において、通信装置が付設されており、
該通信装置は、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、該1次コイルの中央空間に配設された1次側コイルアンテナと、一方の該2次コイルの中央空間に配設された2次側コイルアンテナとの間で、非接触で近接対応位置しつつ、微弱電磁波を伝送可能となっており、
もって該通信装置は、該非接触給電装置の1次コイルと2次コイルとが、給電可能な位置関係で近接対応位置しているか否かの位置合わせ検出機能を備えており、該1次側コイルアンテナと該2次側コイルアンテナ間での微弱電磁波伝送を条件に、該1次コイルから該2次コイルへの給電が実施され、
該通信装置の2次側コイルアンテナには、少なくとも、該1次側コイルアンテナが差込まれる差込口側に、専用の磁心コアが配設されていること、を特徴とする差込式の非接触給電装置。
【請求項6】
請求項3において、該給電部本体は、該1次コイルが樹脂ケース中に埋め込まれており、もって略パドル状をなすと共に、高周波交流が該1次コイルに供給され、
該受電部本体は、両該2次コイルおよび両該磁心コアが、該差込空間穴を存しつつ樹脂ケース中に埋め込まれており、もって略ハウジング状をなすと共に、該2次コイルからの高周波交流が該バッテリーに供給されること、を特徴とする差込式の非接触給電装置。
【請求項7】
請求項3において、請求項3では、該受電部本体は、対をなす該2次コイルを備えると共に、両該2次コイルの外側にそれぞれ該磁心コアが配設されており、給電に際し、差込まれた該給電部本体の1次コイルが、両該2次コイル間に略サンドイッチ状態で近接対応位置していたが、これによらず、
該受電部本体は、1個の2次コイルを備えると共に、該2次コイルの片側に磁心コアが配設されており、給電に際し、該給電部本体の1次コイルが、該2次コイルの反対側に対し近接対応位置すると共に、該1次コイルの外側に磁心コアが被せられること、を特徴とする差込式の非接触給電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−39831(P2012−39831A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180338(P2010−180338)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000187208)昭和飛行機工業株式会社 (72)
【Fターム(参考)】