説明

布材

【課題】シート特性に悪影響を極力及ぼすことなく、表皮材として使用可能な布材に通電手段を性能良く取付けることにある。
【解決手段】表材12の一面側にパッド材14が積層された布材10において、通電により発熱可能な加熱線20と、加熱線20に電力を供給可能な通電手段18を有し、通電手段18が、メッキ層18cを有する布体18bと導線18aを有して、加熱線20に電気的に接する構成とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通電により発熱可能な加熱線を備える布材に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の加熱線を備える発熱体として特許文献1の発熱体が公知である。この発熱体は、平坦な担持体と、波状の加熱線と、加熱線に電力を供給可能な通電手段を備える。そして公知技術では、複数の加熱線を担持体に並列配置したのち、一対の通電手段にて電気的に並列につなげることで、複数の加熱線の並列回路を発熱体に形成する。
そして公知の発熱体は、例えば車両用シートのヒータとして使用することができる。このとき発熱体(シート構成と別体の発熱体)は、シートの伸縮性や使用時の耐久性等を考慮して、車両用シートの内部(表皮材とクッション材の間)に配設される(特許文献1の段落[0037]を参照)。
【0003】
ところで上述の通電手段は、加熱線の端部に接触する波状の接触導体線と、この接触導体線を縫着する支持体(織布又は織物)を有する(特許文献1の段落[0024]〜[0036]を参照)。
この接触導体線は、複数の導線からなる線束であり、典型的に複数の導線が甘撚りされて集束する。この導線は、銅又は銅合金からなる芯材と、芯材を被覆するコーティング層(銀又は銀合金のコーティング層)を備える。
そして上述の技術では、比較的多くの接触導体線を支持体に配置することで、加熱線との接触性を向上させるとともに、通電手段の機械的強度を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−305579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで公知技術の通電手段では、接触導体線(導線)の数を積極的に増加させる構成である。このため通電手段の柔軟性が極端に低下して、表皮材の着座性に悪影響を与えるおそれがあった。もっとも接触導体線の数を少なくすればよいのであるが、そうすると加熱線と通電手段の接触性が悪化して、ヒータとしての性能の悪化を招きやすい。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シート特性に悪影響を極力及ぼすことなく、表皮材として使用可能な布材に通電手段を性能良く取付けることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、第1発明の布材は、表材の一面側にパッド材が積層されている。
この布材は、通電により発熱可能な加熱線と、この加熱線に電力を供給可能な通電手段を有し、例えば車両用シートの表皮材として使用することができる。この種の布材では、シート特性に悪影響を極力及ぼすことなく、通電手段を布材に性能良く取付けることが望ましい。
【0007】
そこで本発明では、上述の通電手段が、メッキ層を有する布部材と導線を有して、加熱線に電気的に接する構成とされる。そして本発明の通電手段では、導線の数を極力低減した場合(通電手段の柔軟性の悪化を防止又は低減した場合)においても、上述のメッキ層によって、加熱線との接触性が好適に確保される。
【0008】
第2発明の布材は、第1発明に記載の布材であって、上述の導線の一部又は全部が弛緩状態とされて表材又は布体に取付けられている。
このように導線を弛緩させることで、着座時の応力が通電手段に作用したとしても、前記応力によって導線が過度に緊張することが防止又は低減される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る第1発明では、表皮材の特性に悪影響を極力及ぼすことなく、表皮材として使用可能な布材に通電手段を性能良く取付けることができる。また第2発明によれば、導線の断線を防止又は低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】車両用シートの斜視図である。
【図2】表皮材裏面の一部透視正面図である。
【図3】加熱線の側面図である。
【図4】別例の加熱線の側面図である。
【図5】表材の縦断面図である。
【図6】別例のシートクッション一部の縦断面図である。
【図7】表皮材裏面の側部の正面図である。
【図8】シートクッション一部の縦断面図である。
【図9】(a)は、空席時の布材の昇温性能を示すグラフであり、(b)は、着座時の布材の昇温性能を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図9を参照して説明する。各図では、便宜上、一部の加熱線にのみ符号を付すことがある。
また各図には、適宜、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート側方に符号L、車両用シート上方に符号UP、車両用シート下方に符号DWを付すこととする。
【0012】
図1の車両用シート2は、シートクッション4とシートバック6とヘッドレスト8を有する。これら部材は、各々、シート外形をなすクッション材(4P,6P,8P)と、クッション材を覆う表皮材(4S,6S,8S)を有する(図6、図8を参照)。なお典型的なクッション材として、例えばポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)を用いることができる。
【0013】
そして本実施形態では、シートクッション4の着座側の表皮材4Sが、発熱可能な布材10(詳細は後述)にて構成されている(図2を参照)。そしてこの布材10に、複数の加熱線20を取付けたのち、通電手段18によって電気的につなげる(各部材の詳細構成は後述する)。このときシート特性に悪影響を極力及ぼすことなく、通電手段18を性能良く取付けることが望ましい。
そこで本実施形態では、後述するように、シート特性に悪影響を極力及ぼすことなく、表皮材4Sとして使用可能な布材10に通電手段18を性能良く取付けることとした。
【0014】
[布材]
本実施形態の布材10は、基本構成(表材12、パッド材14、裏基布16)と、後述する加熱線20及び通電手段18を有する(図2、図6を参照)。
そして本実施形態では、表材12とパッド材14と裏基布16をこの順で積層して一体化することにより、表材12の裏面(一面)にパッド材14を積層する。そして後述する加熱線20と通電手段18を、表材12の裏面に配設する構成とした。
以下、各構成について説明する。
【0015】
(布材の基本構成)
表材12は、表皮材4Sの表側(着座側)を構成する部材であり、天然繊維や合成繊維などの布帛(織物、編物、不織布)又は皮革(天然皮革や合成皮革)にて構成することができる。
なお表材12は、平織物、斜文織物又は朱子織物等のいかなる構成の織物でもよく、経編、丸編又は横編等のいかなる構成の編物でもよい。そして布材10は、いかなる繊維(原料)、いかなるウェブ形成技術、いかなるウェブ結合技術によって製造した不織布でもよい。
【0016】
またパッド材14は、柔軟性を備える多孔性の部材であり、好ましくはクッション材よりも柔軟な部材である。このパッド材14として、例えば含気率の高いウレタンパッドや、軟質ウレタンフォームからなるスラブウレタンフォームを用いることができる。
そして裏基布16は、布材10の裏側(着座側とは異なる側)を構成する部材であり、例えば織編物や不織布にて構成することができる。
【0017】
[加熱線]
本実施形態の加熱線20は、通電により発熱可能な線状部材であり、金属や合金などの導線、メッキされた線材(合成繊維の芯材とメッキ層を備える線材)、炭素繊維、カバリングされた炭素繊維を例示することができる。
なかでもカバリングされた炭素繊維は、座り心地への影響が少なく、一般的な炭素繊維よりも耐久性に優れるため、本実施形態の加熱線20として用いることが好ましい。
【0018】
ここでカバリングされた炭素繊維は、炭素繊維からなる芯部22(例えば複数の炭素繊維のフィラメントからなる束)と、この芯部22に撚り合された(スパイラル状に配置の)カバリング糸24を有することが好ましい(図3を参照)。
芯部22中の炭素繊維の本数(フィラメント数)は特に限定しないが、典型的には2本以上の複数であることが望ましい。
そして炭素繊維の芯部22をカバリング糸24でカバリングすることで、着座時の応力(繊維軸に対する垂直方向のせん断力や圧縮力)が特定の炭素繊維に集中することを防止又は低減できる。このように加熱線20の耐久性を向上させることで、着座時の押圧や摩擦によって断線したりしにくくなる。
【0019】
(炭素繊維)
上述の炭素繊維として、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)やピッチ系炭素繊維のフィラメントを例示することができる。
PAN系炭素繊維とは、ポリアクリロニトリル(PAN)を炭化焼成してなる繊維であり、耐炎化繊維、炭素化繊維及び黒鉛化繊維を例示できる。またピッチ系炭素繊維とは、石油ピッチや石炭ピッチを炭化焼成してなる繊維であり、不融化繊維、炭素化繊維及び黒鉛繊維を例示できる。なかでも焼成温度1000℃以上の炭素繊維(炭素化繊維、黒鉛化繊維、黒鉛繊維)は良好な電気伝導性を有するため、本実施形態の炭素繊維として使用することが好ましい。
【0020】
(カバリング糸)
またカバリング糸24として、動物系又は植物系の天然繊維、合成繊維又はこれらの混繊糸を例示することができる(図3を参照)。なかでもこれら繊維等のフィラメントが好ましい。
合成繊維として、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、セルロース系繊維又はこれらの混繊糸を例示できる。なかでもポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリトリエチレンテレフタレート,ポリ乳酸など)のフィラメントや、ポリアミド系繊維(ナイロン6,ナイロン66など)のフィラメントは、使用時の耐久性に優れるため、カバリング糸24として好適に使用することができる。なおカバリング糸24(一部又は全部)は、後述の融着部よりも高融点であることが望ましい。
【0021】
ここで加熱線20中のカバリング糸24の本数は特に限定しないが、1本(シングルカバリング)、2本(ダブルカバリング)であることが好ましい。
シングルカバリングすることで、芯部22の露出性(通電手段18との接触性)を好適に確保することができる(図2、図8を参照)。一方、ダブルカバリングすることにより、加熱線20の耐久性を向上させることができる。なおカバリング糸24の撚り方向はS撚又はZ撚のいずれでもよい。
【0022】
またカバリング糸24の撚数は、炭素繊維やカバリング糸24の太さ(繊度)、カバリング糸24のフィラメント数(例えばシングルカバリングやダブルカバリング)などによって適宜設定される。
例えばシングルカバリングの場合、カバリング糸24の撚数を20〜1000T/mに設定することで、加熱線20に所望の耐久性を付与することができる。ここでカバリング糸24の撚数が20T/m未満であると、所望の加熱線20の耐久性が得られない傾向にある。またカバリング糸24の撚数が1000T/mより多いと、芯部22(炭素繊維)の露出面積が低下して、後述する通電手段18との接触が阻害されるおそれがある。そしてカバリング糸24の撚数を150〜500T/mに設定することで、所望の耐久性と接触性を備えた加熱線20とすることができる。
【0023】
(融着部)
さらに加熱線20は、加熱により溶融したのち固化可能な融着部を有し、この融着部が、芯部22の軸線方向にスパイラル状に配置することが好ましい(図4を参照)。
上述の構成では、固化時における融着部の融着によって、加熱線20の芯部22が適度に収束される。このため下記(1)及び(2)のいずれの手法によっても、加熱線20の耐久性を向上させることができる。
さらに加熱線20の一部が融着・固化する(接着性を備える)ため、下記(2)の手法によって、より簡単に表材12に接着することができる。
【0024】
例えば融着部の一例として融着糸26を用いることができる。この融着糸26を芯部22に撚り合わせてスパイラル状に配置する。融着糸26の撚り方向は特に限定しないが、カバリングによるトルクを防ぐために、カバリング糸24とは異なる撚り方向であることが好ましい(図4を参照)。
そして融着糸26の融点は、布材10の構成繊維の融点よりも低いことが望ましく、布材10の構成繊維の融点より20℃以下とすることが好ましい。例えばポリエチレンテレフタレートのカバリング糸24を用いる場合、240℃以下の融点を有する融着糸26(例えばポリアミド系、ポリエステル系、ポリエチレン系のフィラメント)を用いることができる。
【0025】
またカバリング糸24の一部(融着部の他例)を溶融、固化可能とすることができる(図3を参照)。カバリング糸24の一部を融着部とすることで、加熱線20の構成がシンプル化されるとともに、芯部22の露出をより確実に確保することができる。
この種のカバリング糸24として、混繊型や芯鞘型のカバリング糸を例示できる。混繊型のカバリング糸24とは、比較的高融点の繊維と、比較的低融点の繊維(融着部)が混在する合成繊維である。また芯鞘型のカバリング糸24とは、例えば、比較的高融点の芯糸と、比較的低融点の鞘糸(融着部)を有する合成繊維である。
【0026】
(加熱線の取付け方法)
加熱線20の取付け方法として下記の手法を例示することができる。
(1)表材12としての織物緯糸の構成糸の一部として加熱線20を打ち込み、かつ表材12の一面側に、他面側よりも多くの加熱線20を配置させて取付ける。
(2)表材12の裏面に加熱線20を接着して取付ける。
なお表材12に取付ける加熱線20は単数でもよいが、複数の加熱線20を平行に取付けることが好ましい。なお複数の加熱線20同士の間隔寸法(W1)は特に限定しないが、典型的には5mm〜50mmである(図2を参照)。
【0027】
(1)の手法では、表材12(織物)の織製時に、加熱線20(緯糸)を、複数の経糸21毎に交錯させて打込む(図5を参照)。このとき加熱線20をカバリングすることにより加熱線20を曲げても折れにくくなり、ガイドやレピアのヘッドにおける屈曲に耐えられるようになる。
そして(1)の手法によれば、表材12の裏面に加熱線20の大部分を配置することで、布材10の表面側(意匠面側)に加熱線20が極力露出しない構成となる。これにより摩擦や摩耗に対して加熱線20の耐久性が極めて高くなる。
【0028】
(2)の手法では、表材12(布帛又は皮革)の裏面に加熱線20を接着して取付ける(図6を参照)。このとき加熱線20を接着剤にて接着してもよいが、融着部を有する加熱線20を用いることで、より簡単に表材12に接着することができる。
また接着剤を用いると接着剤が炭素繊維(芯部22)に浸透して、通電手段18との接続を阻害しやすい。これに対して溶融部がスパイラル状に分布(配置)の加熱線20では、通電手段18と接続可能な露出部を確保できる。また表材12に接着する際、2点間を結ぶ長さよりも長い長さで接続することが好ましく、周期的に揺動させていることが更に好ましい。これは布材10(表皮材4S)に力が加わった時、加熱線20に力が加わって断線するのを防ぐのに有効なためである(図2を参照)。
そして(2)の手法によれば、表材12の裏面に加熱線20の全部を配置することで、表材12の表面(意匠面)に加熱線20が露出しない構成となる。
【0029】
(樹脂層)
さらに(2)の手法では、表材12の裏面に樹脂層(比較的平滑な樹脂層19)を設けることが好ましい(図6を参照)。
この樹脂層19に加熱線20を接着して取付けることで、加熱線20を表材12に安定的に取付けることができる。樹脂層19に用いられる樹脂は、熱や乾燥により硬化して表材12に接着可能な熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂である。
【0030】
上述の熱可塑性樹脂として、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリイミド樹脂を例示することができる。また熱硬化性樹脂として、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂を例示することができる。
なかでもアクリル樹脂は、耐久性及び耐光性に優れることから、樹脂層19の構成として使用することが望ましい。
【0031】
(樹脂層の形成方法)
そして上述の樹脂(単数又は複数の樹脂)を、所定の溶剤に分散して樹脂組成物(バッキング剤)を調製する。このバッキング剤を表材12裏面の全部または一部に付与したのち、加熱又は乾燥することで樹脂層19を形成することができる。
表材12に対するバッキング剤の付与量は特に限定しないが、例えば30〜200g/cm2に設定することができる。
なおコーティングする方法としては限定されず、コーティング機で塗布するほかにも、凸版型捺染、凹版型捺染、孔版型捺染の有版捺染やインクジェット捺染の無版型捺染などのプリントによる塗布が挙げられる。プリントのなかでもグラビアロールやロータリースクリーン捺染が好ましく用いられる。
【0032】
[通電手段]
そして通電手段18は、加熱線20と電源9を電気的につなげる部材であり、導線18aと、布体18bと、メッキ層18cを有する(図2、図7、図8を参照)。
この通電手段18によって、電源9と加熱線20を電気的につなげることにより、加熱線20を通電により発熱させることができる。
【0033】
(布体)
布体18bは、導線18aの配索方向に長尺な帯状部材(例えばシート前後方向に長尺な帯状部材)であり、加熱線20の配索数に対応した長さ寸法(W2)に設定される(図2を参照)。また布体18bの幅寸法は特に限定しないが、比較的少数(1〜5本程度)の導線18aを取付け可能な幅寸法に設定することができる。そして布体18bによって加熱線20とより広い面積で接着(接触)することができ、接触抵抗を低減できる。
そして布体18bは、例えば布帛又は皮革にて構成することができる。また上述の[加熱線の取付け方法]を参照して、布体18bの一部又は全部を導線18aにて構成することもできる。
【0034】
(メッキ層)
メッキ層18cは、電気伝導性を有する金属又は合金を有する層であり、布体18b(被めっき体)に設けられる。メッキ層18cは、布体18b全体に形成してもよく、布体18bの一面(表材12を臨む面)にのみ形成してもよい。
そして本実施形態では、このメッキ層18cによって、通電手段18と加熱線20の接触を確保することにより、通電手段18中の導線18aの数を極力低減することができる。このため通電手段18(布体18b)の柔軟性を維持できるとともに、通電手段18の重量を低減することができる。
【0035】
ここでメッキ層18cの形成方法は、布体18bの材質に応じて適宜選択することができる。例えば布帛の布体18bには、無電解メッキ処理によってメッキ層18cを形成できる。また一部に導線18aを有する布体18bでは、無電解メッキ処理又は電気メッキ処理のいずれにおいてもメッキ層18cを形成できる。
なおメッキ処理に用いられる金属として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、コバルト(Co)及びパラジウム(Pd)を例示できる。またメッキ処理に用いられる合金として、Ni-Sn、Cu-Ni、Cu-Sn、Cu-Sn、Cu-Zn及びFe-Niを例示できる。
【0036】
(導線)
導線18aは、電気伝導性を有する線材であり、金属や合金などの導線、メッキされた線材(合成繊維の芯材とメッキ層を備える線材)を例示できる。
ここで通電手段18中の導線18aの数は単数でもよく複数でもよいが、布材10の柔軟性や重量増加を考慮すると、導線の数は5本以下であることが好ましい。
そして本実施形態では、この導線18aとメッキ層18cを併用する。これにより着座時の応力によって布体18b(メッキ層18c)が破断しても、導線18aによって加熱線20の通電状態を好適に維持することができる。
【0037】
そして導線18aは、加熱線20と接続するために表材12又は布体18bに取付けることができる。すなわち表材12裏面に取付けた導線18aを、布体18bで覆うことができる。また布体18bに取付けた導線18aを、表材12裏面に当接することができる。また表材12と布体18b(メッキ層18cで被覆)と導線18aを、この順で配置する(並列配置する)ことができる。
導線18aを、表材12裏面に当接させるとともに、布体18bにて被覆する(保護する)ことで、着座時の応力が通電手段18にかかったとしても、導線18aが摩耗しにくくなる。また表材12と布体18bと導線18aを並列配置した場合には、加熱線20とより広い接触面積を確保することができる。
なお導線18aの取付け方法は、縫着や接着等の各種手法を取り得る。そして導線18aは、周期的に揺動させて表材12又は布体18bに配置することが好ましい。また加熱線20と布体18bの接触をより広くするために、例えば縫製を複数本とすることが好ましく、より好ましくは縫製を3本以上とする。
【0038】
(導線の状態)
このとき導線18aの一部又は全部を弛緩状態として、表材12又は布体18bに取付けることが好ましい。
例えば導線18a全体を、正弦波状などの波形、ジグザグ状又は階段状とすることで、導線18aを弛緩状態で布体18bに取付けることができる。また導線18aの一部を湾曲又は屈曲状(弛緩状態)とし、残りを直線状(緊張状態)とすることもできる。換言すると、導線18aの長さ寸法を、布体18bの長さ寸法W2よりも長尺に設定することで、導線18aの一部又は全部を弛緩状態とすることができる(図2を参照)。
このように導線18aの全部又は一部を弛緩させることで、着座時の応力が通電手段18に作用したとしても、前記応力によって導線18aが過度に緊張することが防止又は低減される。
【0039】
(通電手段の配設)
図2、図7及び図8を参照して、複数の加熱線20を表材12裏面に取付けたのち、パッド材14と裏基布16を配置してラミネートにより一体化する。このときラミネート時の加熱によって、融着部が溶融固化して、加熱線20(芯部22)が固定される。
つぎに布材10両端部からパッド材14と裏基布16を除去して、加熱線20の両端を露出させる。そして一対の通電手段18,18を複数の加熱線20の両端に各々配置したのち、通電手段18を表材12の裏面に縫着して、複数の加熱線20の両端を電気的に並列につなげる。そして一対の通電手段18,18に、各々電源ケーブル9aの端子をつなげて、複数の加熱線20の並列回路を布材10に形成する。
本実施形態では、一対の通電手段18,18によって、複数の加熱線20の並列回路を形成することにより、比較的低電圧で複数の加熱線20を発熱させることができる。
【0040】
本実施形態の通電手段18によれば、上述の通り、導線18aの数を極力低減した(通電手段18の柔軟性を維持した)としても、メッキ層18cによって、加熱線20との接触性が好適に確保される。
このため本実施形態によれば、シート特性に悪影響を極力及ぼすことなく、表皮材4Sとして使用可能な布材10に通電手段18を性能良く取付けることができる。
【0041】
また本実施形態では、加熱線20の大部分又は全部が表皮材4S(表材12)の裏面に配置するため、断熱性を有するパッド材14の影響を受けにくく、乗員に対して加熱線20の熱が速やかに伝わる。このため布材10によれば、その昇温性や消費電力の改善を図る(ヒータの性能向上を図る)ことができる。
また表材12表面に、加熱線20が極力露出しないため、着座性や見栄えの良いシート構成となる。そしてパッド材14には加熱線20を取付けないため、パッド材14本来のクッション性が好適に維持される(着座性の良い構成である)。
このため本実施形態によれば、シート特性に悪影響を極力及ぼすことなく、表皮材4Sとして使用可能な布材10に加熱線20を性能良く取付けることができる。
【0042】
以下、本実施形態を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されない。
[実施例1]
加熱線として、炭素繊維(東レ社製、「トレカT300−1K−50A」)の芯部と、ナイロン6のカバリング糸(22dtex−7フィラメント)を用いた。
そしてカバリング糸の撚数を400T/mに設定して、芯部に対してS撚シングルカバリングを行ったものを実施例1の加熱線とした。
【0043】
また表材を構成する糸として、先染め(アイボリー)ポリエチレンテレフタレート(PET)の仮撚加工糸(167dtex/2−48フィラメント)の経糸と、先染め(アイボリー)PETの仮撚加工糸(84dtex/2−36フィラメント)の第1緯糸と、先染め(アイボリー)PETの仮撚加工糸(470dtex−96フィラメント)の第2緯糸を使用した。
そして経糸を整経したのち、ジャガード織機にて第1緯糸と第2緯糸(緯糸)を交互に打ち込む(柄を表現する)中で、緯糸19本に1本の周期で加熱線を打ち込んだ。
このとき経糸8本毎に加熱線を打ち込み、経糸8本に1本の割合で加熱線を表材表面に配置した(図5を参照)。このとき表材の柄を考慮して、経糸の浮き柄同士の間(凹部分)に表側の加熱線を配置した。
【0044】
つぎに表材に対して、公知の仕上げ加工(起毛、剪毛)を行ったのち、バッキング剤を裏面に付与して乾燥したものを実施例1の表材とした。バッキング剤として、ブチルアクリレートとアクリロニトリルから合成されたアクリル系ポリマーと難燃剤を主成分とするものを用いた。そしてバッキング剤の付与量は、45g/m2、乾燥温度は150℃×1minとした。表材の仕上げ密度は、経/緯=141/98本/2.54cmであった。加熱線同士の間隔寸法(W1)は5mmであった。
そして表材の裏面に、ウレタンシートのパッド材(厚み5mm)と、ハーフトリコット(15dtexのナイロン6)の裏基布を配置したのち、フレームラミネーションにより一体化して布材とした(基本構成を備える布材を作製した)。
【0045】
つぎに図2を参照して、シート座面メイン用に所定寸法の布材を切り出した。このとき布材の加熱部面積は、後述する比較例1のシートヒータの加熱部面積と同一とした。
そして縫製縫い合わせ部の中でヒータとして通電したい部分(例えば図2の右端部分と左端部分)から、ウレタンシートと裏基布とバッキング剤の樹脂層を除去したのち、同部分に、錫メッキされた銅線(導線の一例)を載せて縫い合わせた。本実施例では、2本の導線を正弦波状(弛緩状態)として平行に表材裏面に縫着した(図7を参照)。
そしてこれら2本の導線上に、各々、銅とニッケルにて無電解メッキされたリボン状PET織布(15mm幅)を縫い合わせた(布体とメッキ層と導線を有する通電手段を表材に取付けた)。
このように複数の加熱線を、一対の通電手段によって電気的に並列につなげて、加熱線の並列回路を布材に形成した(実施例1の布材を作製した)。
【0046】
[実施例2]
加熱線として、炭素繊維(東レ社製、「トレカT300−1K−50A」)の芯部と、ナイロン6のカバリング糸(22dtex−7フィラメント)と、融着糸(110dtex−10フィラメント、東レ社製、「エルダー(登録商標)」)を用いた。
そしてカバリング糸(下糸巻き付け糸)と融着糸(上糸巻き付け糸)を、撚数400T/mに設定して、芯部に対してSZ撚ダブルカバリングを行ったものを実施例2の加熱線とした。
また加熱線を省略した実施例1の織物に、公知の仕上げ加工を行ったのち、バッキング剤を裏面に付与して乾燥したものを実施例2の表材とした。
【0047】
そして複数の実施例2の加熱線を、表材の幅方向に10mmの間隔で並べたのち、揺動(振幅5mm、周期20mm)しながら、130℃に加熱した一対のテフロン(登録商標)加工ロールの間を通させることで、実施例2の加熱線を表材裏面に接着した。
そして表材の裏面に、ウレタンシートのパッド材(厚み5mm)と、ハーフトリコット(15dtexのナイロン6)の裏基布を配置したのち、フレームラミネーションにより一体化した。
そして実施例1と同様の手法にて、複数の加熱線を、一対の通電手段によって電気的に並列につなげることにより、実施例2の布材を作製した。
【0048】
[比較例1]
比較例1として、別体型シートヒータ(WET社製シートヒータ、型番:87510−50600、炭素繊維を編地上に、9mm間隔、振幅10mm、金属線間隔約220mm、270mmに渡り並列に配置されており、座面側には5mmのウレタンシートがフレームラミネーションされているヒータ)を用いた。
【0049】
[試験方法]
(空席時の昇温試験)
無風状態の試験室内(23℃、30%RH)に、下方向への断熱のためのシート材(100mm厚のウレタンシート)を敷いて、その上に各実施例の布材を設置した。各実施例の布材は、その表材表面を上にしてシート材上に配置した。
そして各実施例の布材の加熱部中央部に、銅板(40mm平方、厚さ0.1mm)を四方セロハンテープで密着固定した。さらに温度測定機(キーエンス社製、NR−600)にK熱電対を接続し、K熱電対の測定部を銅板中央にセロハンテープで密着固定した。
そして各実施例の布材に、一対の通電手段を介して電源から15Wの電力を供給して、空席時の昇温試験を行った(図9(a)を参照)。
【0050】
つぎに比較例1の別体型シートヒータの昇温試験を行った。試験室内にシート材を敷いて、その上に比較例1の別体型シートヒータを設置した後、その上に実施例1の布材(非通電)を配置した(実車と同様の状況とした)。
ここで比較例1の別体型シートヒータは、座面側を上にしてシート材上に配置した。別体型シートヒータの表側と、実施例1の布材の表材(炭素繊維)の間には、両部材の2枚のウレタンシート(5mm+5mm=10mm)が配置する。その他の試験条件は、実施例の布材と同様の条件とした。そして比較例1の別体型シートヒータに電源から電力を供給して、空席時の昇温試験を行った(図9(a)を参照)。
【0051】
(着席時の昇温試験)
自動車運転席(ポリエステル製織物表皮)を試験室内に設置して、その上に各実施例の布材を設置した。各実施例の布材は、炭素繊維がシート前後方向に配置する向きとして、被験者の臀部下に設置した。臀部の最も圧力がかかる位置に、空席時の昇温試験と同様に、銅板を設置して温度を測定した。その他の試験条件は、空席時の昇温試験と同様の条件とした。そして上記運転席に被験者(身長180cm、体重68kg)が着座すると同時に、各実施例の布材に電源から15Wの電力を供給して、着席時の昇温試験を行った(図9(b)を参照)。
【0052】
つぎに比較例1の別体型シートヒータの昇温試験を行った。自動車運転席を試験室内に設置して、その上に比較例1の別体型シートヒータを設置した後、その上に実施例1の布材を配置した(実車と同様の状況とした)その他の試験条件は、実施例の布材における着席時の昇温試験と同様の条件とした。そして比較例1の別体型シートヒータに電源から電力を供給して、着席時の昇温試験を行った(図9(b)を参照)。
【0053】
(乗降耐久性試験)
本試験では、シート上での人の動きの一例(上下動、前後動、ツイスト運動)を、臀部模型を備えるロボットによって再現した。
より具体的には、20℃の環境の下、臀部模型(座位臀部幅:39cm)を各実施例の布材(通電状態の布材)に配置して、77kgの荷重を臀部模型にかけた。そして各実施例の布材上で、臀部模型の上下動(50mm)と前後動(30mm)とツイスト運動(15度)をこの順で50万回繰り返した。そして試験後の各実施例の布材(表材)の表面観察を行うとともに、各布材を分解して炭素繊維の断線の有無を確認した。
【0054】
[試験結果及び考察]
(昇温試験)
実施例1及び実施例2の布材は、空席時及び着席時のいずれの場合にも、38℃付近まで速やかに昇温することがわかった(図9(a)(b)を参照)。また実施例1及び実施例2の布材は、加熱線の隙間寸法が比較的広く且つ被験者と加熱線の距離が近いにもかかわらず、均一に昇温されていると感じられた。
このことから実施例1及び実施例2の布材は、車両用シートのヒータとして好適に使用できることがわかった。すなわち実際の使用を想定した場合、実施例1及び2の布材によって、乗員が乗り込む前に先にエンジンをかけた後(加熱線に通電した後)、コートを脱いで掛けたり荷物を積み込んだりする間のわずかな時間で、シートは昇温され、暖かいシートで迎えられる。また運転手が車両に乗り込んでエンジンをかけると、すばやくシートが昇温して寒さから解放される。
【0055】
これとは異なり比較例1の別体型シートヒータは、着席時の場合、38℃付近までの昇温に時間がかかった(昇温速度が遅かった)。また比較例1の別体型ヒータは、空席時の場合、38℃付近まで昇温されなかった(実施例と比較例とで、最終到達温度に差が生じた)。
このことから比較例1の別体型シートヒータは、車両用シートのヒータとして用いる場合は、より多くの電力を供給しない限り暖かくならないことがわかる。すなわち実際の使用を想定した場合、比較例1の別体型シートヒータでは昇温に時間がかかるために冷たいシートに乗り込むことになるか、もしくは予め長い間アイドリングをしない限り、暖かくすることはできない。
【0056】
(乗降耐久性試験)
実施例1及び実施例2の布材では、試験後の表材表面に炭素繊維の糸端が観察されなかった。また実施例1及び実施例2の布材を分解して確認したところ、加熱線の断線によってヒータ機能が失われた部分はなかった。
上述の結果は、導電糸の数を低減すること(2本の導電糸を用いたこと)により、通電手段の柔軟性が好適に維持されたためと推測される。このことから実施例1及び実施例2の布材では、その柔軟性を確保することで(着座時の応力を分散する構成とすることで)、加熱線の破損や断線を防止又は低減できることがわかった。
【0057】
さらに炭素繊維の芯部をカバリング糸でカバリングすることで、着座時の応力(繊維軸に対する垂直方向のせん断力や圧縮力)が特定の炭素繊維に集中することを防止又は低減できることがわかった。このため実施例1及び実施例2の加熱線が、着座時の押圧や摩擦によって折れ曲がったり断線したりしにくくなることがわかった(加熱線の耐久性が向上したことがわかった)。
【0058】
(シート特性)
実施例1の布材では、加熱線(炭素繊維)が表材表面にほとんど現われていなかった。また実施例1の布材は、通電手段の存在に伴う凹凸感がなく、布材自体の有する良好な意匠性と風合い(柔軟性)を維持していた。そして実施例1の布材は、表材の色が染色のベージュであるにもかかわらず、加熱線は見えず表材本来の意匠性を維持していた。
また実施例2の布材でも、加熱線が表材表面に現われておらず、良好な意匠性を維持していた。また実施例2の布材は、加熱線や通電手段の存在に伴う凹凸感がなく、良好な風合いを維持していた。
以上の結果を総合すると、実施例1及び実施例2によれば、表皮材の特性に悪影響を極力及ぼすことなく、表皮材として使用可能な布材に通電手段を性能良く取付けることができることがわかった。
【0059】
本実施形態の布材は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、シートクッション4の表皮材4Sとして布材10を使用する例を説明した。本実施形態の布材は、天板メイン部、天板サイド部、かまち部、背裏部、及びヘッドレスト部などの車両用シート2の各種構成の表皮材(例えば4S,6S,8S)として使用することができる。また車両用シートのほか、天井部、ドア部、ハンドルなどの車両の各種構成の表皮材として使用することができる。
(2)また本実施形態では、表材12に加熱線20を取付ける例を説明した。これとは異なり、パッド材14(表材12を臨む側)に加熱線20を取付けてもよい。
また本実施形態では、表材12に対して加熱線20を波状に配設した。この加熱線20は、直線状やジグザグ状などの各種状態で表材12等に配設できる。
【0060】
(3)また本実施形態において、表材12に対して加熱線20を接着する場合、表材12と加熱線20を剥離不能に接着してもよい。
また着座時の押圧によって、表材12と加熱線20が剥離可能となる接着強度で、表材12に対して加熱線20を接着してもよい。表材12から加熱線20を剥離する(自由状態とする)ことで、着座時の応力によって加熱線20に過度のテンションがかかることを防止又は低減して、加熱線20の断線の危険性を低減できる。なお加熱線20と表材12が剥離しても、加熱線20の両端は通電手段18によって表材12に固定される(布材10と加熱線20の一体性は確保される)。
(4)また同様に表材12(布体18b)に対して導線18aを接着する場合、表材12(布体18b)と導線18aを剥離不能に接着してもよい。また着座時の押圧によって、表材12(布体18b)と導線18aが剥離可能となる接着強度で、表材12(布体18b)に対して導線18aを接着してもよい。
【0061】
(5)また本実施形態では、布材10に対して、複数の加熱線20をシート幅方向に並列配置する例を説明した。複数の加熱線の配置関係は特に限定されるものではなく、例えばシート前後方向に並列配置してもよい。この場合には一対の通電手段をシート前後に配置する。
(6)また本実施形態の樹脂層19は、布材10裏面の全面に形成されていてもよく、布材10裏面の一部(加熱線の配置位置)に形成されていてもよい。また加熱線を安定的に取付け可能であるならば、布材から樹脂層を省略してもよい。
【符号の説明】
【0062】
2 車両用シート
4 シートクッション
4S 表皮材
10 布材
12 表材
14 パッド材
16 裏基布
18 通電手段
18a 導線
18b 布体
18c メッキ層
19 樹脂層
20 加熱線
22 芯部
24 カバリング糸
26 融着糸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表材の一面側にパッド材が積層された布材において、
通電により発熱可能な加熱線と、前記加熱線に電力を供給可能な通電手段を有し、
前記通電手段が、メッキ層を有する布体と導線を有して、前記加熱線に電気的に接する布材。
【請求項2】
前記導線の一部又は全部が弛緩状態とされて前記表材又は前記布体に取付けられた請求項1に記載の布材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−225365(P2010−225365A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70067(P2009−70067)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】