平板ガラス表面の異物検出装置
【課題】A面とB面とで構成された両面を有する平板ガラスの表面に付着した異物を検出する。
【解決手段】平板ガラス30のA面に向かって、A面の法線ベクトルを基準にして第1の角度で、S偏光された第1波長のレーザー光を照射するA面レーザー光照射装置51と、平板ガラスのA面に照射される箇所を撮影するA面撮影装置11と、A面の法線ベクトルを基準にして、第1の角度よりも小さな第2の角度で前記A面に向かって照射し、照射されたレーザー光の大部分が平板ガラスの厚さ方向に透過する第2波長のレーザー光を照射するB面レーザー光照射装置53と、平板ガラスのB面に照射される箇所を撮影するB面撮影装置13と、ならびに、前記A面撮影装置とB面撮影装置とから入力された映像イメージを分析して、異物がいずれの撮影装置でより鮮やかに出力されるのかを判別することにより、異物が付着された面を判別する検出信号処理部90とを含む。
【解決手段】平板ガラス30のA面に向かって、A面の法線ベクトルを基準にして第1の角度で、S偏光された第1波長のレーザー光を照射するA面レーザー光照射装置51と、平板ガラスのA面に照射される箇所を撮影するA面撮影装置11と、A面の法線ベクトルを基準にして、第1の角度よりも小さな第2の角度で前記A面に向かって照射し、照射されたレーザー光の大部分が平板ガラスの厚さ方向に透過する第2波長のレーザー光を照射するB面レーザー光照射装置53と、平板ガラスのB面に照射される箇所を撮影するB面撮影装置13と、ならびに、前記A面撮影装置とB面撮影装置とから入力された映像イメージを分析して、異物がいずれの撮影装置でより鮮やかに出力されるのかを判別することにより、異物が付着された面を判別する検出信号処理部90とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板ガラス表面の異物検出装置に関し、より具体的には、マイクロ回路のパターンが蒸着される面の異物を正確に検出することができる、平板ガラス表面の異物検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平板ディスプレイに用いられる平板ガラスは、一方の面にだけマイクロ回路のパターンが蒸着され、ガラス業界では、当該面を‘A面’と称しており、他方の面にはマイクロ回路のパターンが蒸着されないが、これを、ガラス業界では‘B面’と称する。
【0003】
平板ガラスのA面の表面に異物がある場合、このような異物の上にマイクロ回路のパターンが蒸着されると、マイクロ回路のパターン不良が引き起こされ易くなる。したがって、マイクロ回路のパターンを蒸着する前に、ガラス基板(特に、回路が蒸着されるべきA面)の上に異物があるかどうかを正確に検査しなければならない。
【0004】
図1は、従来の平板ガラス表面の異物検出装置の概略図である。従来の平板ガラス表面の異物検出装置は、レーザー光照射部20を用いて、小さい厚さを有するレーザー光を、平板ガラスに斜めから入射させる。入射されたレーザー光31の一部は、平板ガラスを通過した後、透過されて透過レーザー光35を形成し、その残りは、平板ガラスで反射されて、反射レーザー光33を形成する。
【0005】
図1に示されているように、レーザー光を、平板ガラスの面と大きな角度を成すように斜めから入射すると、入射されたレーザー光31が平板ガラスのA面に到達する箇所と、投射レーザー光35が平板ガラスのB面に到達する箇所とは、δLだけの水平距離の差を有するようになる。
【0006】
A面の上部においてA面撮影装置11を用いて異物の撮影を行うと、平面ガラスのA面にのみ存在する異物を撮影することができる。この時の原理とは、A面撮影装置11が撮影する際に、平板ガラスのA面に到逹したレーザー光のみがA面の異物81によって散乱されてレンズへ入射し、平板ガラスのB面に到逹したレーザー光は、δLほど離れた位置で平板ガラスのB面に到達するため、A面撮影装置11のレンズには入射されない現象を利用したものである。しかしながら、図1の従来の平板ガラス表面の異物検出装置は、用いられるレーザー光の厚さが非常に薄くなければ、平板ガラスのA面の異物だけを検出することは不可能であるが、現実的に用いることのできるレーザー光の厚さによって、平板ガラスのB面にある一部の異物91も一緒に検出されるという問題がある。
【0007】
平板ガラスのA面と平板ガラスのB面に異物が付着するのは一般的なことであるため、図1に示されたような従来の異物検出装置では平板ガラスのB面にある一部の異物が検出されることから、当該検出結果を用いて、平板ガラスのA面上の異物に関する正確な情報を得ることはできなくなる。さらに、平板ガラスの厚さが薄くなるほど、入射レーザー光31が平板ガラスのA面に到達する箇所と、投射レーザー光35が平板ガラスのB面に到達する箇所との水平距離の差であるδLが減少し、検出結果はさらに不正確になるのが現状である。
【0008】
また別の問題として、平板ガラスの移送装置が上下に振動する場合、A面の異物とB面の異物とを正確に見分けするのがより難しくなることがある。このような問題を解決するために、従来の平板ガラスの異物検出装置では、高価の精密搬送設備を使用しなければならない問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、上下に振動する比較的に低価の搬送装備を使用しても、マイクロ回路のパターンが蒸着される平板ガラスの表面のA面上に付着した異物を正確に検出することができる、平板ガラス表面の異物検出装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上述した目的は、A面とB面とで構成された両面を有する平板ガラスの表面に付着した異物を検出する、平板ガラス表面の異物検出装置において、平板ガラスのA面の上部から前記A面に向かって、A面の法線ベクトルを基準にして第1の角度で、S方向に偏光された第1波長のレーザー光を照射するA面レーザー光照射装置と、A面レーザー光照射装置から照射されたレーザー光が、平板ガラスのA面に照射される箇所を撮影するA面撮影装置と、平板ガラスのA面の上部から、A面の法線ベクトルを基準にして第1の角度よりも小さな第2の角度で前記A面に向かって照射し、照射されたレーザー光の大部分が平板ガラスの厚さ方向に透過する第2波長のレーザー光を照射するB面レーザー光照射装置と、B面レーザー光照射装置から照射されたレーザー光が、平板ガラスのB面に照射される箇所を撮影するB面撮影装置と、ならびに、A面撮影装置及びB面撮影装置から入力された映像イメージを分析して、異物がいずれの撮影装置でより鮮やかに出力されるのかを判別することで、異物が付着された面を判別する検出信号処理部と、を含むことを特徴とする、平板ガラス表面の異物検出装置によって達成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置によると、上下の振動の発生する精度の低い平板ガラスの移送装置を使用するとしても、平板ガラス基板に存在する異物がA面とB面のうちいずれの面に付着されているのかを正確に検出できるようになるため、これを用いて、LCD、有機ELなどのような平板ディスプレイの生産の際に発生し得る、マイクロパターンの不良を低減することが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図2は、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置の好ましい実施形態を概略的に示した構成図であり、図3は、図2のA-A'方向の一部断面図である。
【0014】
説明に先立って、A面レーザー光照射装置51と、B面レーザー光照射装置53とがそれぞれ設けられる一側面とは、長方形に形成された平板ガラス基板30の4つの角部のうち、平板ガラス基板30の移送方向と並んで位置する角部を意味するものと定義される。
【0015】
図2及び図3を参照すると、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置は、平板ガラス基板30の上部の一側面からA面に向かって、S方向に偏光された第1波長のレーザー光を照射するA面レーザー光照射装置51と、A面上に存在する異物によって散乱されたレーザー光を受光するA面撮影装置11と、平板ガラス基板30の側面からB面に第2波長のレーザー光を照射するB面レーザー光照射装置53と、B面上に存在する異物によって散乱されたレーザー光を受光するB面撮影装置13と、A面撮影装置11及びB面撮影装置13から入力された映像信号に基づいて、当該異物が、A面またはB面のうちいずれの面に付着されているのかを検出する検出信号処理部90とを含む。
【0016】
ガラス基板30は、LCDのようなディスプレイ装置のパネルに用いられる、薄肉のガラス材質の基板であって、一般に、0.5乃至0.7mmの厚さで構成されて、A面は、マイクロ回路のパターンが蒸着形成される面を指称することとし、B面は、マイクロ回路のパターンが形成されない面を指称することとする。参照番号‘100’は、ガラス基板30の移送方向を示し、符号Sは、A面のレーザー照射部51と、B面のレーザー照射部53とによって照射されたレーザー光が、平面ガラス30のA面の上に照射される領域を示したものである。
【0017】
レーザー光照射装置51、53によってガラス基板のA面及びB面に照射されるレーザー光は、ほぼ100mmの幅と、0.65mm乃至0.95mmの厚さを有することが好ましい。このとき、レーザー光の幅(約100mm)は、ほぼ1mの幅を有するガラス基板30に好適な寸法であって、ガラス基板が大型化すると、それに伴い、レーザー光の幅もそれに応じて大きなものを使用しなければならない。例えば、工程中のガラス基板30が1m以上の幅を有したガラス基板30であれば、レーザー光は、100mm以上の幅を有するようにした方が好ましく、工程中のガラス基板30が1m以下の幅を有したものであれば、前記レーザー光は、100mm以下の幅を有するように構成する方が好ましい。
【0018】
A面レーザー光照射装置51は、ガラス基板30のA面に付着された異物を検出するための装置であるため、A面レーザー光照射装置51から出力されるレーザー光は、できる限り平板ガラス基板30を透過することなく、反射が生じるようにするのが好ましい。このような理由より、A面レーザー光照射装置51から照射されたレーザー光と、平板ガラス30のA面の法線ベクトルGとが成す角度を‘第1の角度’(図3のθ1)と定義する場合、第1の角度θ1は、できるだけ90度に近く維持した方が好適である。
【0019】
図4は、S偏光波のガラスへの入射角に対する透過率及び反射率が示されたグラフである。図4に表されているように、A面レーザー光照射装置51から照射されたレーザー光が、A面の法線ベクトルと75度(すなわち、θ1=75度)を形成しながら入射すると、入射光の約45%が反射されることが分かる。A面レーザー光照射装置51からA面に照射される光は、大気中においてA面に到達する境界面と、A面を透過した光がB面に到達する境界面とを含む、2つの境界面で反射が生じる。したがって、理論的には、第1の角度θ1が75度になると、入射光の約65%程度の光が反射されることが分かり、本願の発明者は、この程度の反射率が達成できた場合、実際のA面の異物の検出に適用することが可能となることを発見した。より好ましくは、第1の角度θ1を80度以上で、且つ90度以下の間に維持すれば、反射率を85%以上に維持することができるため、A面の異物の検出をより効率良く行うことができる。
【0020】
B面レーザー光照射装置53は、ガラス基板30のB面に付着した異物を検出するためにレーザー光を照射する装置である。図5に示されているように、B面レーザー光照射装置53から照射されたレーザー光が、入射光53iとしてθ2の角度で入射すると、入射光53iのうちの一部はθ2tの角度で透過光53tを形成し、その残りの一部はθ2rの角度で反射光53rを形成する。より厳密に言うと、ガラス基板30に吸収される光も存在するが、これはこく僅かな量であるため無視することとする。図2と同様に、A面の上部の側面からB面レーザー光照射装置53を用いて照射する場合は、B面レーザー光照射装置53から出力されるレーザー光は、できる限り平板ガラス基板30の厚さ方向に透過するようにされるのが好ましい。このような理由より、B面レーザー光照射装置53から照射されたレーザー光と、平板ガラス30のA面の法線ベクトルGとの成す角度を‘第2の角度’(図3のθ2)と定義する場合、第2の角度θ2は、できるだけ0度に近く維持する方が好ましい。B面レーザー光として偏光された光を使用しない場合、実験によれば、第2の角度θ2は、できるだけ40度以下となるのが好適であり、より好ましくは、10度以下とされる。偏光されていないレーザー光をガラスに照射する場合、入射角に対する透過率及び反射率は図4と同様のグラフを示して、第2の角度θ2が40度である場合は、入射光のうち85%程度が透過され、第2の角度θ2が10度である場合は、97%程度が透過されると知られている。
【0021】
図6は、P偏光波のガラスへの入射角に対する透過率及び反射率が示されたグラフである。図6に示されているように、B面レーザー光照射装置53から照射されたレーザー光としてP偏光波を用いる場合、A面の法線ベクトルと70度(すなわち、θ2=70度)を形成しながら入射すると、入射光の約90%が透過されることが分かる。したがって、理論的には、B面レーザーとしてP偏光されたレーザー光を使用する場合、第2の角度θ2を70度以下に維持すると、入射光の約90%程度以上の光を透過させることができ、本願の発明者は、この程度の透過率が達成できた場合、実際のB面の異物の検出に適用することが可能となるのを発見した。
【0022】
より好ましくは、B面レーザー光照射装置53から出射されるレーザー光を、P方向に偏光させた第2波長のレーザー光として形成し、これをブルースター角(brewster angle)で入射させるのが好ましい。P方向に偏光された光が、ガラス基板30にブルースター角を形成しながら入射すると、反射波が生じることなく、100%透過されるようになるためであり、図6を参照すると、ブルースター角は、約55度付近で成り立つことが分かる。
【0023】
さらに、A面撮影装置11とB面撮影装置13は、それぞれ、第1波長のみを通過させるフィルタ、及び第2波長のみを透過させるフィルタを具備することが好ましい。
【0024】
尚、P偏光方向とS偏光方向について、以下のように説明する。進行される光は、進行方向と垂直方向に正弦波形状を有する電界及び磁界が形成されるが、一般に、電界が形成される方向を偏光方向と規定する。以下において、図7を参照して偏光方向について説明する。一定の幅及び厚さを有するレーザー光が、地面に向かって入る方向に進行しながら、地面と出会う面をS面とするとき、y軸方向に電界が形成されると、これをP偏光といい、x軸方向に電界が形成されると、これをS偏光という。これを、図2を参照して説明すると、A面レーザー光照射装置51から照射されたレーザー光が、平板ガラス30のA面に照射される領域Sに平行した面に電界が形成されると、これをP偏光といい、垂直な面に電界が形成されると、これをS偏光と言う。
【0025】
図8は、A面レーザー照射装置によって照射されたレーザー光が、ガラス基板に付着された異物によって散乱された後、A面撮影装置で検出される過程を説明するための説明図であり、図9は、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置を介してガラス基板に付着した異物を検出し、これを視覚的に表示することを示した実施形態である。説明する前に、ガラス基板30には、A面とB面にそれぞれA面異物81とB面異物91とが付着されていると仮定した上で、本発明の平板ガラス表面の異物検出装置の働きについて説明する。A面レーザー光によってガラス基板30のA面に照射される入射光55は、A面に到逹した後、大部分は反射されて反射光57を形成し、少量のその残りは、ガラス基板30を透過する透過光59を形成する。
【0026】
以下では、図8及び図9を参照して、ガラス基板に存在する異物の検出、及び、検出した異物がガラス基板のいずれの面に存在するかを把握するための具体的な方法について説明する。A面レーザー光の照射装置によって照射されたレーザー光がA面異物81に照射されると、A面レーザー光の入射光55又は反射光57のうちの一部は、A面異物81によって任意の角度で散乱され、ガラス基板30の上部に配設されたA面撮影装置11で受光される。図9の‘11-81’は、前記ガラス基板30のA面異物81によって散乱され、反射されたA面レーザー光を、A面撮影装置11が感知して表示した異物検出イメージの画面を示したものである。図示されているように、散乱反射される光が多くなるほど、検出されるイメージはより鮮やかに表示され、ガラス基板30のA面に異物81が存在していることを、作業者に視覚的に表示してくれるようになる。
【0027】
一部の透過されたA面レーザー光がB面異物91に到逹するとしても、A面レーザー光の大部分がA面で反射されることから、B面異物91には相対的に少ない量のA面レーザー光が到逹するようになるため、これによる影響(すなわち、散乱及び反射)が少ない。このため、A面撮影装置11によって検出された映像信号に基づいて生成提供されるイメージの画面(図9の‘11-91’)は、全体的に暗い空白状態として表示されたり、あるいは検出された異物の映像の解像度が非常に低く、鮮かではないイメージ形態として表される。実質的には、A面撮影装置11は一枚の映像イメージを撮影するため、当該映像のイメージには、鮮やかに撮影されたA面異物と、比較的に少ない光量で撮影された、ぼやけて撮影されたB面異物が同時に表示されるようになる。
【0028】
一方、ガラス基板30のB面に付着したB面異物91について、以下のように説明する。B面レーザー光照射装置53によって照射されたB面レーザー光がA面異物81に到逹すると、入射されたすべての光に対して散乱及び反射が生じるため、B面撮影装置13によって撮影されたA面異物の撮影イメージ(図9の‘13-81’)は、鮮やかなイメージ形態として表される。一方、ガラス基板30のB面に付着したB面異物91に、B面レーザー光の照射装置53によって照射されるレーザー光が照射されると、B面レーザー光の大部分は、B面異物91によって任意の角度で散乱され、ガラス基板30の上部に配設されたB面撮影装置13で受光される。図9の‘13-91’は、ガラス基板30のB面に付着した異物91によって散乱反射されたB面レーザー光を、B面検出装置13が感知して表示する、異物検出イメージの画面を示したものである。実質的には、B面撮影装置13は、一枚の映像イメージを撮影するため、当該映像イメージには、鮮かに撮影されたA面異物と、鮮やかに撮影されたB面異物とが表示されるようになる。
【0029】
本発明の検出信号処理部は、A面撮影装置によって撮影された映像イメージ及びB面撮影装置によって撮影された映像イメージに示されたそれぞれの異物の鮮明度を用いて、当該異物がいずれの面に付着されたものであるかを検出することができるようになる。
【0030】
以下において、A面レーザー光照射装置51により、S方向偏光された第1の周波数レーザー光を、A面の法線ベクトルと80度を維持しながら入射させて、B面レーザー光照射装置53により、P方向偏光された第2の周波数レーザー光を、A面の法線ベクトルとブルースター角を維持しながら入射させる場合を仮定して、本発明にかかる、A面異物81とB面異物91の検出方法について定量的に説明する。このとき、A面レーザー光及びB面レーザー光は、100程度の入射量を有し、A面レーザー光が大気中に反射される反射率は85%であると仮定し、B面レーザー光は100%透過されると仮定し、また、異物に当たった光は、100%の散乱が生じるものと仮定することにする。
【0031】
【表1】
【0032】
この場合、表1に示されているように、A面レーザー光照射装置によって照射されたA面レーザー光により、A面異物は100程度の散乱が生じるが、一方、B面異物に関しては、15程度の散乱しか生じないようになる。これに比べて、B面撮影装置の焦点がA面とB面とで同等に認識されると仮定すれば、B面レーザー光照射装置によって照射されたB面レーザー光は、A面に照射された後に100%がB面に透過されるので、A面異物とB面異物の両方に対して100程度の散乱が発生する。したがって、A面撮影装置及びB面撮影装置によって検出された、A面異物に対して散乱された光量はトータルで200となるが、それに対し、A面撮影装置及びB面撮影装置によって検出された、B面異物に対して散乱された全体の光量は、115となる。検出信号処理部は、A面撮影装置によって撮影された映像イメージと、B面撮影装置によって撮影された映像イメージとを比較すると、それぞれの異物がA面に存在する異物であるか、B面に存在するものであるかを検出することができる。
【0033】
表1のような比較によっては異物の検出が困難である場合は、A面レーザー光の強度をB面レーザー光の強度よりも2倍大きく設定すれば、より一層容易に検出することができる。A面レーザー光は入射量200を有して、B面レーザー光は入射量100を有し、A面レーザー光が大気中に反射される反射率は85%であると仮定し、B面レーザー光は100%が透過されると仮定し、さらに、異物に当たった光は、100%の散乱が生じると仮定した場合、上記表1の数値は、表2のように変更される。
【0034】
【表2】
【0035】
上記表2に示されているように、A面レーザー光照射装置とB面レーザー光照射装置との出力を相異なるようにした場合、異物の位置による光量の差がより確実に示されるため、検出信号処理部は、A面撮影装置及びB面撮影装置から受光される当該異物の散乱光量の合計を用いて、当該異物がいずれの面に付着しているのかをより容易に検出することができる。
【0036】
図10は、ガラス基板30の移送装置が垂直に移動する場合でも、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置によって正確に異物の検出を行うことができることを説明する説明図である。図10(a)は、移送中のガラス基板30が、水平に正常な位置で移送中であることを示した図であり、図10(b)に示されたガラス基板32は、移送装置の垂直偏差によってそのフラットネスが変わったガラス基板32であって、正常の位置30から上部側に‘Δ’ほどフラットネスが変わった状態で移送中であることを示す。図10において、A面撮影装置がガラス基板30の上部に照射される領域を、参照番号‘50’として示している。
【0037】
従来、ガラス表面の異物検出装置は、上述したように、移送中に発生するガラス基板30のフラットネス変化に適切に対応することができず、ガラス基板30に付着した異物の検出精度が低下するという問題があった。しかし、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置は、ガラス基板30のフラットネス変化が発生した場合であっても、ガラス基板30の移送方向と垂直な方向から照射されるレーザー光によって、基板30のフラットネス変化による影響を最小化することができる。
【0038】
図10(a)及び(b)を参照し、A面異物の検出過程についてよく検討すると、A面レーザー光59が照射されている領域に到逹したガラス基板30が、完全な平面位置(すなわち、ガラス基板‘30’の位置)から‘Δ’ほど上部方向に移動してより高い地点(すなわち、ガラス基板‘32’の位置)に位置しても、ガラス基板32の上面は、上部レーザー光59の内部に依然として含まれている状態を維持するようになる。したがって、ガラス基板30のA面に付着した異物による散乱反射が生じるため、異物の検出を的確に行うことができる。
【0039】
これは、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置は、A面レーザー光59をガラス基板30の移送方向に垂直な方向から照射するとともに、上部レーザー光59が、ガラス基板30の上面から、所定の傾斜角を形成しながら斜めから入射するように構成することで、移送中にあるガラス基板30に‘Δ’ほどのフラットネスの変化が発生した場合でも、ガラス基板32の上面は、常に上記レーザー光の幅方向の内面に含まれ得るからである。
【0040】
図11は、本発明において用いられるレーザー光の形状を説明するための図である。図11(a)は、紙面の手前側に移送中のガラス基板30のA面の側面からレーザー光59が照射されていることを示した図であり、図11(b)は、図11(a)のB−B'断面を示した図である。図11(b)に示されているように、レーザー光59は、ガラス基板30の幅方向wには小さな厚さTを有し、ガラス基板30の厚さt方向には広い幅Φを有する、楕円形状を有するようにした。このようなレーザー形状を用いることにより、フラットネスが一定ではない、比較的に低価の移送装置を用いた場合であっても、ガラス基板30上の異物を正確に検出することが可能となった。
【0041】
以上で本発明にかかる特定の実施形態が説明及び図示されたが、本発明の技術的な思想から逸脱しない範囲内で、当業者であれば、多様に変形して実施することができるのが容易に理解できるだろう。このように変形した実施形態は、本発明の思想及び範囲から個別的に理解されてはならず、本発明に添付の特許請求の範囲内に属するとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、従来の平板ガラス表面の異物検出装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置の好ましい実施形態を概略的に示した構成図である。
【図3】図3は、図2のA-A'方向の一部断面図である。
【図4】図4は、S偏光波のガラスへの入射角に対する透過率及び反射率が示されたグラフである。
【図5】図5は、レーザー光の入射角に対する反射角及び透過角を説明する波形図である。
【図6】図6は、P偏光波のガラスへの入射角に対する透過率及び反射率が示されたグラフである。
【図7】図7は、P偏光及びS偏光を説明するための波形図である。
【図8】図8は、A面レーザー照射装置によって照射されたレーザー光がガラス基板に付着された異物によって散乱された後、A面撮影装置によって検出される過程を説明するための説明図である。
【図9】図9は、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置を介してガラス基板に付着した異物を検出し、これを視覚的に表示することを示した実施形態である。
【図10】図10は、ガラス基板の移送装置が垂直に移動する場合であっても、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置によって正確に異物の検出を行うことができることを説明するための説明図である。
【図11】図11は、本発明において用いられるレーザー光の形状を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0043】
11 A面撮影装置
13 B面撮影装置
30 平板ガラス
51 A面レーザー光照射装置
53 B面レーザー光照射装置
55 入射光
57 反射光
59 透過光
81 A面異物
91 B面異物
83 散乱光
100 平板ガラス移送方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板ガラス表面の異物検出装置に関し、より具体的には、マイクロ回路のパターンが蒸着される面の異物を正確に検出することができる、平板ガラス表面の異物検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平板ディスプレイに用いられる平板ガラスは、一方の面にだけマイクロ回路のパターンが蒸着され、ガラス業界では、当該面を‘A面’と称しており、他方の面にはマイクロ回路のパターンが蒸着されないが、これを、ガラス業界では‘B面’と称する。
【0003】
平板ガラスのA面の表面に異物がある場合、このような異物の上にマイクロ回路のパターンが蒸着されると、マイクロ回路のパターン不良が引き起こされ易くなる。したがって、マイクロ回路のパターンを蒸着する前に、ガラス基板(特に、回路が蒸着されるべきA面)の上に異物があるかどうかを正確に検査しなければならない。
【0004】
図1は、従来の平板ガラス表面の異物検出装置の概略図である。従来の平板ガラス表面の異物検出装置は、レーザー光照射部20を用いて、小さい厚さを有するレーザー光を、平板ガラスに斜めから入射させる。入射されたレーザー光31の一部は、平板ガラスを通過した後、透過されて透過レーザー光35を形成し、その残りは、平板ガラスで反射されて、反射レーザー光33を形成する。
【0005】
図1に示されているように、レーザー光を、平板ガラスの面と大きな角度を成すように斜めから入射すると、入射されたレーザー光31が平板ガラスのA面に到達する箇所と、投射レーザー光35が平板ガラスのB面に到達する箇所とは、δLだけの水平距離の差を有するようになる。
【0006】
A面の上部においてA面撮影装置11を用いて異物の撮影を行うと、平面ガラスのA面にのみ存在する異物を撮影することができる。この時の原理とは、A面撮影装置11が撮影する際に、平板ガラスのA面に到逹したレーザー光のみがA面の異物81によって散乱されてレンズへ入射し、平板ガラスのB面に到逹したレーザー光は、δLほど離れた位置で平板ガラスのB面に到達するため、A面撮影装置11のレンズには入射されない現象を利用したものである。しかしながら、図1の従来の平板ガラス表面の異物検出装置は、用いられるレーザー光の厚さが非常に薄くなければ、平板ガラスのA面の異物だけを検出することは不可能であるが、現実的に用いることのできるレーザー光の厚さによって、平板ガラスのB面にある一部の異物91も一緒に検出されるという問題がある。
【0007】
平板ガラスのA面と平板ガラスのB面に異物が付着するのは一般的なことであるため、図1に示されたような従来の異物検出装置では平板ガラスのB面にある一部の異物が検出されることから、当該検出結果を用いて、平板ガラスのA面上の異物に関する正確な情報を得ることはできなくなる。さらに、平板ガラスの厚さが薄くなるほど、入射レーザー光31が平板ガラスのA面に到達する箇所と、投射レーザー光35が平板ガラスのB面に到達する箇所との水平距離の差であるδLが減少し、検出結果はさらに不正確になるのが現状である。
【0008】
また別の問題として、平板ガラスの移送装置が上下に振動する場合、A面の異物とB面の異物とを正確に見分けするのがより難しくなることがある。このような問題を解決するために、従来の平板ガラスの異物検出装置では、高価の精密搬送設備を使用しなければならない問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、上下に振動する比較的に低価の搬送装備を使用しても、マイクロ回路のパターンが蒸着される平板ガラスの表面のA面上に付着した異物を正確に検出することができる、平板ガラス表面の異物検出装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上述した目的は、A面とB面とで構成された両面を有する平板ガラスの表面に付着した異物を検出する、平板ガラス表面の異物検出装置において、平板ガラスのA面の上部から前記A面に向かって、A面の法線ベクトルを基準にして第1の角度で、S方向に偏光された第1波長のレーザー光を照射するA面レーザー光照射装置と、A面レーザー光照射装置から照射されたレーザー光が、平板ガラスのA面に照射される箇所を撮影するA面撮影装置と、平板ガラスのA面の上部から、A面の法線ベクトルを基準にして第1の角度よりも小さな第2の角度で前記A面に向かって照射し、照射されたレーザー光の大部分が平板ガラスの厚さ方向に透過する第2波長のレーザー光を照射するB面レーザー光照射装置と、B面レーザー光照射装置から照射されたレーザー光が、平板ガラスのB面に照射される箇所を撮影するB面撮影装置と、ならびに、A面撮影装置及びB面撮影装置から入力された映像イメージを分析して、異物がいずれの撮影装置でより鮮やかに出力されるのかを判別することで、異物が付着された面を判別する検出信号処理部と、を含むことを特徴とする、平板ガラス表面の異物検出装置によって達成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置によると、上下の振動の発生する精度の低い平板ガラスの移送装置を使用するとしても、平板ガラス基板に存在する異物がA面とB面のうちいずれの面に付着されているのかを正確に検出できるようになるため、これを用いて、LCD、有機ELなどのような平板ディスプレイの生産の際に発生し得る、マイクロパターンの不良を低減することが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図2は、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置の好ましい実施形態を概略的に示した構成図であり、図3は、図2のA-A'方向の一部断面図である。
【0014】
説明に先立って、A面レーザー光照射装置51と、B面レーザー光照射装置53とがそれぞれ設けられる一側面とは、長方形に形成された平板ガラス基板30の4つの角部のうち、平板ガラス基板30の移送方向と並んで位置する角部を意味するものと定義される。
【0015】
図2及び図3を参照すると、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置は、平板ガラス基板30の上部の一側面からA面に向かって、S方向に偏光された第1波長のレーザー光を照射するA面レーザー光照射装置51と、A面上に存在する異物によって散乱されたレーザー光を受光するA面撮影装置11と、平板ガラス基板30の側面からB面に第2波長のレーザー光を照射するB面レーザー光照射装置53と、B面上に存在する異物によって散乱されたレーザー光を受光するB面撮影装置13と、A面撮影装置11及びB面撮影装置13から入力された映像信号に基づいて、当該異物が、A面またはB面のうちいずれの面に付着されているのかを検出する検出信号処理部90とを含む。
【0016】
ガラス基板30は、LCDのようなディスプレイ装置のパネルに用いられる、薄肉のガラス材質の基板であって、一般に、0.5乃至0.7mmの厚さで構成されて、A面は、マイクロ回路のパターンが蒸着形成される面を指称することとし、B面は、マイクロ回路のパターンが形成されない面を指称することとする。参照番号‘100’は、ガラス基板30の移送方向を示し、符号Sは、A面のレーザー照射部51と、B面のレーザー照射部53とによって照射されたレーザー光が、平面ガラス30のA面の上に照射される領域を示したものである。
【0017】
レーザー光照射装置51、53によってガラス基板のA面及びB面に照射されるレーザー光は、ほぼ100mmの幅と、0.65mm乃至0.95mmの厚さを有することが好ましい。このとき、レーザー光の幅(約100mm)は、ほぼ1mの幅を有するガラス基板30に好適な寸法であって、ガラス基板が大型化すると、それに伴い、レーザー光の幅もそれに応じて大きなものを使用しなければならない。例えば、工程中のガラス基板30が1m以上の幅を有したガラス基板30であれば、レーザー光は、100mm以上の幅を有するようにした方が好ましく、工程中のガラス基板30が1m以下の幅を有したものであれば、前記レーザー光は、100mm以下の幅を有するように構成する方が好ましい。
【0018】
A面レーザー光照射装置51は、ガラス基板30のA面に付着された異物を検出するための装置であるため、A面レーザー光照射装置51から出力されるレーザー光は、できる限り平板ガラス基板30を透過することなく、反射が生じるようにするのが好ましい。このような理由より、A面レーザー光照射装置51から照射されたレーザー光と、平板ガラス30のA面の法線ベクトルGとが成す角度を‘第1の角度’(図3のθ1)と定義する場合、第1の角度θ1は、できるだけ90度に近く維持した方が好適である。
【0019】
図4は、S偏光波のガラスへの入射角に対する透過率及び反射率が示されたグラフである。図4に表されているように、A面レーザー光照射装置51から照射されたレーザー光が、A面の法線ベクトルと75度(すなわち、θ1=75度)を形成しながら入射すると、入射光の約45%が反射されることが分かる。A面レーザー光照射装置51からA面に照射される光は、大気中においてA面に到達する境界面と、A面を透過した光がB面に到達する境界面とを含む、2つの境界面で反射が生じる。したがって、理論的には、第1の角度θ1が75度になると、入射光の約65%程度の光が反射されることが分かり、本願の発明者は、この程度の反射率が達成できた場合、実際のA面の異物の検出に適用することが可能となることを発見した。より好ましくは、第1の角度θ1を80度以上で、且つ90度以下の間に維持すれば、反射率を85%以上に維持することができるため、A面の異物の検出をより効率良く行うことができる。
【0020】
B面レーザー光照射装置53は、ガラス基板30のB面に付着した異物を検出するためにレーザー光を照射する装置である。図5に示されているように、B面レーザー光照射装置53から照射されたレーザー光が、入射光53iとしてθ2の角度で入射すると、入射光53iのうちの一部はθ2tの角度で透過光53tを形成し、その残りの一部はθ2rの角度で反射光53rを形成する。より厳密に言うと、ガラス基板30に吸収される光も存在するが、これはこく僅かな量であるため無視することとする。図2と同様に、A面の上部の側面からB面レーザー光照射装置53を用いて照射する場合は、B面レーザー光照射装置53から出力されるレーザー光は、できる限り平板ガラス基板30の厚さ方向に透過するようにされるのが好ましい。このような理由より、B面レーザー光照射装置53から照射されたレーザー光と、平板ガラス30のA面の法線ベクトルGとの成す角度を‘第2の角度’(図3のθ2)と定義する場合、第2の角度θ2は、できるだけ0度に近く維持する方が好ましい。B面レーザー光として偏光された光を使用しない場合、実験によれば、第2の角度θ2は、できるだけ40度以下となるのが好適であり、より好ましくは、10度以下とされる。偏光されていないレーザー光をガラスに照射する場合、入射角に対する透過率及び反射率は図4と同様のグラフを示して、第2の角度θ2が40度である場合は、入射光のうち85%程度が透過され、第2の角度θ2が10度である場合は、97%程度が透過されると知られている。
【0021】
図6は、P偏光波のガラスへの入射角に対する透過率及び反射率が示されたグラフである。図6に示されているように、B面レーザー光照射装置53から照射されたレーザー光としてP偏光波を用いる場合、A面の法線ベクトルと70度(すなわち、θ2=70度)を形成しながら入射すると、入射光の約90%が透過されることが分かる。したがって、理論的には、B面レーザーとしてP偏光されたレーザー光を使用する場合、第2の角度θ2を70度以下に維持すると、入射光の約90%程度以上の光を透過させることができ、本願の発明者は、この程度の透過率が達成できた場合、実際のB面の異物の検出に適用することが可能となるのを発見した。
【0022】
より好ましくは、B面レーザー光照射装置53から出射されるレーザー光を、P方向に偏光させた第2波長のレーザー光として形成し、これをブルースター角(brewster angle)で入射させるのが好ましい。P方向に偏光された光が、ガラス基板30にブルースター角を形成しながら入射すると、反射波が生じることなく、100%透過されるようになるためであり、図6を参照すると、ブルースター角は、約55度付近で成り立つことが分かる。
【0023】
さらに、A面撮影装置11とB面撮影装置13は、それぞれ、第1波長のみを通過させるフィルタ、及び第2波長のみを透過させるフィルタを具備することが好ましい。
【0024】
尚、P偏光方向とS偏光方向について、以下のように説明する。進行される光は、進行方向と垂直方向に正弦波形状を有する電界及び磁界が形成されるが、一般に、電界が形成される方向を偏光方向と規定する。以下において、図7を参照して偏光方向について説明する。一定の幅及び厚さを有するレーザー光が、地面に向かって入る方向に進行しながら、地面と出会う面をS面とするとき、y軸方向に電界が形成されると、これをP偏光といい、x軸方向に電界が形成されると、これをS偏光という。これを、図2を参照して説明すると、A面レーザー光照射装置51から照射されたレーザー光が、平板ガラス30のA面に照射される領域Sに平行した面に電界が形成されると、これをP偏光といい、垂直な面に電界が形成されると、これをS偏光と言う。
【0025】
図8は、A面レーザー照射装置によって照射されたレーザー光が、ガラス基板に付着された異物によって散乱された後、A面撮影装置で検出される過程を説明するための説明図であり、図9は、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置を介してガラス基板に付着した異物を検出し、これを視覚的に表示することを示した実施形態である。説明する前に、ガラス基板30には、A面とB面にそれぞれA面異物81とB面異物91とが付着されていると仮定した上で、本発明の平板ガラス表面の異物検出装置の働きについて説明する。A面レーザー光によってガラス基板30のA面に照射される入射光55は、A面に到逹した後、大部分は反射されて反射光57を形成し、少量のその残りは、ガラス基板30を透過する透過光59を形成する。
【0026】
以下では、図8及び図9を参照して、ガラス基板に存在する異物の検出、及び、検出した異物がガラス基板のいずれの面に存在するかを把握するための具体的な方法について説明する。A面レーザー光の照射装置によって照射されたレーザー光がA面異物81に照射されると、A面レーザー光の入射光55又は反射光57のうちの一部は、A面異物81によって任意の角度で散乱され、ガラス基板30の上部に配設されたA面撮影装置11で受光される。図9の‘11-81’は、前記ガラス基板30のA面異物81によって散乱され、反射されたA面レーザー光を、A面撮影装置11が感知して表示した異物検出イメージの画面を示したものである。図示されているように、散乱反射される光が多くなるほど、検出されるイメージはより鮮やかに表示され、ガラス基板30のA面に異物81が存在していることを、作業者に視覚的に表示してくれるようになる。
【0027】
一部の透過されたA面レーザー光がB面異物91に到逹するとしても、A面レーザー光の大部分がA面で反射されることから、B面異物91には相対的に少ない量のA面レーザー光が到逹するようになるため、これによる影響(すなわち、散乱及び反射)が少ない。このため、A面撮影装置11によって検出された映像信号に基づいて生成提供されるイメージの画面(図9の‘11-91’)は、全体的に暗い空白状態として表示されたり、あるいは検出された異物の映像の解像度が非常に低く、鮮かではないイメージ形態として表される。実質的には、A面撮影装置11は一枚の映像イメージを撮影するため、当該映像のイメージには、鮮やかに撮影されたA面異物と、比較的に少ない光量で撮影された、ぼやけて撮影されたB面異物が同時に表示されるようになる。
【0028】
一方、ガラス基板30のB面に付着したB面異物91について、以下のように説明する。B面レーザー光照射装置53によって照射されたB面レーザー光がA面異物81に到逹すると、入射されたすべての光に対して散乱及び反射が生じるため、B面撮影装置13によって撮影されたA面異物の撮影イメージ(図9の‘13-81’)は、鮮やかなイメージ形態として表される。一方、ガラス基板30のB面に付着したB面異物91に、B面レーザー光の照射装置53によって照射されるレーザー光が照射されると、B面レーザー光の大部分は、B面異物91によって任意の角度で散乱され、ガラス基板30の上部に配設されたB面撮影装置13で受光される。図9の‘13-91’は、ガラス基板30のB面に付着した異物91によって散乱反射されたB面レーザー光を、B面検出装置13が感知して表示する、異物検出イメージの画面を示したものである。実質的には、B面撮影装置13は、一枚の映像イメージを撮影するため、当該映像イメージには、鮮かに撮影されたA面異物と、鮮やかに撮影されたB面異物とが表示されるようになる。
【0029】
本発明の検出信号処理部は、A面撮影装置によって撮影された映像イメージ及びB面撮影装置によって撮影された映像イメージに示されたそれぞれの異物の鮮明度を用いて、当該異物がいずれの面に付着されたものであるかを検出することができるようになる。
【0030】
以下において、A面レーザー光照射装置51により、S方向偏光された第1の周波数レーザー光を、A面の法線ベクトルと80度を維持しながら入射させて、B面レーザー光照射装置53により、P方向偏光された第2の周波数レーザー光を、A面の法線ベクトルとブルースター角を維持しながら入射させる場合を仮定して、本発明にかかる、A面異物81とB面異物91の検出方法について定量的に説明する。このとき、A面レーザー光及びB面レーザー光は、100程度の入射量を有し、A面レーザー光が大気中に反射される反射率は85%であると仮定し、B面レーザー光は100%透過されると仮定し、また、異物に当たった光は、100%の散乱が生じるものと仮定することにする。
【0031】
【表1】
【0032】
この場合、表1に示されているように、A面レーザー光照射装置によって照射されたA面レーザー光により、A面異物は100程度の散乱が生じるが、一方、B面異物に関しては、15程度の散乱しか生じないようになる。これに比べて、B面撮影装置の焦点がA面とB面とで同等に認識されると仮定すれば、B面レーザー光照射装置によって照射されたB面レーザー光は、A面に照射された後に100%がB面に透過されるので、A面異物とB面異物の両方に対して100程度の散乱が発生する。したがって、A面撮影装置及びB面撮影装置によって検出された、A面異物に対して散乱された光量はトータルで200となるが、それに対し、A面撮影装置及びB面撮影装置によって検出された、B面異物に対して散乱された全体の光量は、115となる。検出信号処理部は、A面撮影装置によって撮影された映像イメージと、B面撮影装置によって撮影された映像イメージとを比較すると、それぞれの異物がA面に存在する異物であるか、B面に存在するものであるかを検出することができる。
【0033】
表1のような比較によっては異物の検出が困難である場合は、A面レーザー光の強度をB面レーザー光の強度よりも2倍大きく設定すれば、より一層容易に検出することができる。A面レーザー光は入射量200を有して、B面レーザー光は入射量100を有し、A面レーザー光が大気中に反射される反射率は85%であると仮定し、B面レーザー光は100%が透過されると仮定し、さらに、異物に当たった光は、100%の散乱が生じると仮定した場合、上記表1の数値は、表2のように変更される。
【0034】
【表2】
【0035】
上記表2に示されているように、A面レーザー光照射装置とB面レーザー光照射装置との出力を相異なるようにした場合、異物の位置による光量の差がより確実に示されるため、検出信号処理部は、A面撮影装置及びB面撮影装置から受光される当該異物の散乱光量の合計を用いて、当該異物がいずれの面に付着しているのかをより容易に検出することができる。
【0036】
図10は、ガラス基板30の移送装置が垂直に移動する場合でも、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置によって正確に異物の検出を行うことができることを説明する説明図である。図10(a)は、移送中のガラス基板30が、水平に正常な位置で移送中であることを示した図であり、図10(b)に示されたガラス基板32は、移送装置の垂直偏差によってそのフラットネスが変わったガラス基板32であって、正常の位置30から上部側に‘Δ’ほどフラットネスが変わった状態で移送中であることを示す。図10において、A面撮影装置がガラス基板30の上部に照射される領域を、参照番号‘50’として示している。
【0037】
従来、ガラス表面の異物検出装置は、上述したように、移送中に発生するガラス基板30のフラットネス変化に適切に対応することができず、ガラス基板30に付着した異物の検出精度が低下するという問題があった。しかし、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置は、ガラス基板30のフラットネス変化が発生した場合であっても、ガラス基板30の移送方向と垂直な方向から照射されるレーザー光によって、基板30のフラットネス変化による影響を最小化することができる。
【0038】
図10(a)及び(b)を参照し、A面異物の検出過程についてよく検討すると、A面レーザー光59が照射されている領域に到逹したガラス基板30が、完全な平面位置(すなわち、ガラス基板‘30’の位置)から‘Δ’ほど上部方向に移動してより高い地点(すなわち、ガラス基板‘32’の位置)に位置しても、ガラス基板32の上面は、上部レーザー光59の内部に依然として含まれている状態を維持するようになる。したがって、ガラス基板30のA面に付着した異物による散乱反射が生じるため、異物の検出を的確に行うことができる。
【0039】
これは、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置は、A面レーザー光59をガラス基板30の移送方向に垂直な方向から照射するとともに、上部レーザー光59が、ガラス基板30の上面から、所定の傾斜角を形成しながら斜めから入射するように構成することで、移送中にあるガラス基板30に‘Δ’ほどのフラットネスの変化が発生した場合でも、ガラス基板32の上面は、常に上記レーザー光の幅方向の内面に含まれ得るからである。
【0040】
図11は、本発明において用いられるレーザー光の形状を説明するための図である。図11(a)は、紙面の手前側に移送中のガラス基板30のA面の側面からレーザー光59が照射されていることを示した図であり、図11(b)は、図11(a)のB−B'断面を示した図である。図11(b)に示されているように、レーザー光59は、ガラス基板30の幅方向wには小さな厚さTを有し、ガラス基板30の厚さt方向には広い幅Φを有する、楕円形状を有するようにした。このようなレーザー形状を用いることにより、フラットネスが一定ではない、比較的に低価の移送装置を用いた場合であっても、ガラス基板30上の異物を正確に検出することが可能となった。
【0041】
以上で本発明にかかる特定の実施形態が説明及び図示されたが、本発明の技術的な思想から逸脱しない範囲内で、当業者であれば、多様に変形して実施することができるのが容易に理解できるだろう。このように変形した実施形態は、本発明の思想及び範囲から個別的に理解されてはならず、本発明に添付の特許請求の範囲内に属するとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、従来の平板ガラス表面の異物検出装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置の好ましい実施形態を概略的に示した構成図である。
【図3】図3は、図2のA-A'方向の一部断面図である。
【図4】図4は、S偏光波のガラスへの入射角に対する透過率及び反射率が示されたグラフである。
【図5】図5は、レーザー光の入射角に対する反射角及び透過角を説明する波形図である。
【図6】図6は、P偏光波のガラスへの入射角に対する透過率及び反射率が示されたグラフである。
【図7】図7は、P偏光及びS偏光を説明するための波形図である。
【図8】図8は、A面レーザー照射装置によって照射されたレーザー光がガラス基板に付着された異物によって散乱された後、A面撮影装置によって検出される過程を説明するための説明図である。
【図9】図9は、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置を介してガラス基板に付着した異物を検出し、これを視覚的に表示することを示した実施形態である。
【図10】図10は、ガラス基板の移送装置が垂直に移動する場合であっても、本発明にかかる平板ガラス表面の異物検出装置によって正確に異物の検出を行うことができることを説明するための説明図である。
【図11】図11は、本発明において用いられるレーザー光の形状を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0043】
11 A面撮影装置
13 B面撮影装置
30 平板ガラス
51 A面レーザー光照射装置
53 B面レーザー光照射装置
55 入射光
57 反射光
59 透過光
81 A面異物
91 B面異物
83 散乱光
100 平板ガラス移送方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A面とB面とで構成された両面を有する平板ガラスの表面に付着した異物を検出する、平板ガラス表面の異物検出装置において、
前記平板ガラスのA面の上部から前記A面に向かって、A面の法線ベクトルを基準にして第1の角度で、S方向に偏光された第1波長のレーザー光を照射するA面レーザー光照射装置と、
前記A面レーザー光照射装置から照射されたレーザー光が、前記平板ガラスのA面に照射される箇所を撮影するA面撮影装置と、
前記平板ガラスのA面の上部から、A面の法線ベクトルを基準にして前記第1の角度よりも小さな第2の角度で前記A面に向かって照射し、照射されたレーザー光の大部分が平板ガラスの厚さ方向に透過する第2波長のレーザー光を照射するB面レーザー光照射装置と、
前記B面レーザー光照射装置から照射されたレーザー光が、前記平板ガラスのB面に照射される箇所を撮影するB面撮影装置と、
ならびに、
前記A面撮影装置及び前記B面撮影装置から入力された映像イメージを分析して、前記異物が付着された面の判別を行う検出信号処理部と、
を含むことを特徴とする平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項2】
前記A面撮影装置には、前記第1の波長を選択的に透過するフィルタが設けられて、前記B面撮影装置には、前記第2の波長を選択的に透過するフィルタが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項3】
前記第1の角度は、75度以上であることを特徴とする、請求項1に記載の平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項4】
前記第1の角度は、80度以上であることを特徴とする、請求項3に記載の平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項5】
前記B面レーザー光照射装置は、P偏光されたレーザー光を照射することを特徴とする、請求項1に記載の平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項6】
前記第2の角度は、前記B面レーザー光照射装置から照射されたレーザー光が平板ガラスのA面によって反射される反射波と、前記平板ガラスの厚さ方向に屈折される屈折波とが成す角度が90度に維持されるブルースター角であることを特徴とする、請求項5に記載の平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項7】
前記第2の角度は、前記A面の法線ベクトルに対して70度以下であることを特徴とする、請求項5に記載の平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項8】
前記A面レーザー光照射装置及びB面レーザー光照射装置から照射されたレーザー光は、前記ガラス基板の厚さ方向に定義される幅φと、前記ガラス基板の幅方向に定義される厚さTとを有し、前記レーザー光は、幅φが厚さTよりも大きく形成される楕円形状であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載のガラス表面の異物検出装置。
【請求項9】
前記第2の角度は、0度以上であり、且つ40度以下の間の角度であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のガラス表面の異物検出装置。
【請求項1】
A面とB面とで構成された両面を有する平板ガラスの表面に付着した異物を検出する、平板ガラス表面の異物検出装置において、
前記平板ガラスのA面の上部から前記A面に向かって、A面の法線ベクトルを基準にして第1の角度で、S方向に偏光された第1波長のレーザー光を照射するA面レーザー光照射装置と、
前記A面レーザー光照射装置から照射されたレーザー光が、前記平板ガラスのA面に照射される箇所を撮影するA面撮影装置と、
前記平板ガラスのA面の上部から、A面の法線ベクトルを基準にして前記第1の角度よりも小さな第2の角度で前記A面に向かって照射し、照射されたレーザー光の大部分が平板ガラスの厚さ方向に透過する第2波長のレーザー光を照射するB面レーザー光照射装置と、
前記B面レーザー光照射装置から照射されたレーザー光が、前記平板ガラスのB面に照射される箇所を撮影するB面撮影装置と、
ならびに、
前記A面撮影装置及び前記B面撮影装置から入力された映像イメージを分析して、前記異物が付着された面の判別を行う検出信号処理部と、
を含むことを特徴とする平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項2】
前記A面撮影装置には、前記第1の波長を選択的に透過するフィルタが設けられて、前記B面撮影装置には、前記第2の波長を選択的に透過するフィルタが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項3】
前記第1の角度は、75度以上であることを特徴とする、請求項1に記載の平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項4】
前記第1の角度は、80度以上であることを特徴とする、請求項3に記載の平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項5】
前記B面レーザー光照射装置は、P偏光されたレーザー光を照射することを特徴とする、請求項1に記載の平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項6】
前記第2の角度は、前記B面レーザー光照射装置から照射されたレーザー光が平板ガラスのA面によって反射される反射波と、前記平板ガラスの厚さ方向に屈折される屈折波とが成す角度が90度に維持されるブルースター角であることを特徴とする、請求項5に記載の平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項7】
前記第2の角度は、前記A面の法線ベクトルに対して70度以下であることを特徴とする、請求項5に記載の平板ガラス表面の異物検出装置。
【請求項8】
前記A面レーザー光照射装置及びB面レーザー光照射装置から照射されたレーザー光は、前記ガラス基板の厚さ方向に定義される幅φと、前記ガラス基板の幅方向に定義される厚さTとを有し、前記レーザー光は、幅φが厚さTよりも大きく形成される楕円形状であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載のガラス表面の異物検出装置。
【請求項9】
前記第2の角度は、0度以上であり、且つ40度以下の間の角度であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のガラス表面の異物検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図6】
【公開番号】特開2011−158453(P2011−158453A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29375(P2010−29375)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(509296432)サムスン・コーニング・プレシジョン・グラス・カンパニー・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Corning Precision Glass Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(509296432)サムスン・コーニング・プレシジョン・グラス・カンパニー・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Corning Precision Glass Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
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