説明

幹細胞を用いるinvitro技術

(a)血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;(b)初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;(c)密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞数を、2回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させる工程;並びに、(d)培養された細胞中の内皮前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。他の態様も説明される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は全般的に、血管障害に罹患したヒト患者を治療する方法及び装置、特に血管新生及び/又は新脈管化及び/又は脈管新生を促進する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、以下の優先権を請求するものである:
(a)2004年6月1日に出願された米国特許仮出願第60/576,266号、「幹細胞と共に使用するin vitro技術」、及び
(b)2004年7月15日に出願された米国特許仮出願第60/588,520号、「幹細胞使用の指示」。
これらの出願は両方とも、本明細書の譲受人に譲渡されており、これらは本明細書に参照として組入れられている。
【0003】
発明の背景
一部の動脈機能障害は、脂肪沈着による動脈の狭窄及び他の血管の異常により生じる。これは、血流を妨げ、並びに/又は組織及び臓器に十分な栄養素及び酸素が供給されることを妨害する。
【0004】
血管障害は、一般的症状であり、患者の「生活の質」をひどく損ない得る。冠動脈移植、バルーン血管形成及び冠状血管のステント留置などの動脈機能障害の医学的療法の大きい進歩及び脈管再生手技の改善にもかかわらず、かなりの割合の患者が、動脈機能障害-由来の疾患に罹患している。
【0005】
内皮前駆細胞(EPC)が、血管疾患に罹患している患者の治療のために使用されてきた。このような重篤な症例において、薬物又は直接的脈管再生手技が最早有効でないか、もしくは使用することができない場合は、代替療法が必要である。EPCは、虚血性組織に適用される。EPCは、血管を形成する細胞層である内皮を形成するために分化する能力を有する。これらの細胞は、再-内皮化、新脈管化、脈管新生及び血管新生プロセスに関与している。移植されたEPCが治癒プロセスの一部となり始める機構は、自己-再集団化(self-repopulation)、損傷した組織の細胞との癒合(fusion)並びにサイトカイン及び増殖因子の分泌を含む。EPCの再集団化及びそれらの成熟型内皮細胞への分化は、再-内皮化、新脈管化、脈管新生及び血管新生プロセスにおけるそれらの機能を可能にする。最新の証拠は、EPCの損傷した組織の細胞との癒合は、組織機能の再生を増強することを示唆している。更に、サイトカイン及び増殖因子の分泌後に、EPCは、組織に固有の細胞の細胞生存に影響を及ぼすことができ、幹細胞の損傷した組織への動員を補助することがある。
【0006】
共通の祖先細胞である血管芽細胞は、内皮前躯体及び造血(血液細胞)前駆体の両方を生じる。この祖先細胞は、中胚葉前駆細胞である、造血幹細胞及び脈管胚葉へ分化し、内皮前駆体へ分化する。これらの細胞は、増殖、移動、及び内皮細胞へ分化する能力を有するが、依然特異的成熟型内皮マーカーは獲得していない。内皮系列への参加(commitment)後に、脈管胚葉は、脈管新生と称されるプロセスにおいて、静脈及び動脈の原始血管叢へ集成する。この原始脈管は、引き続き血管新生により、並びに新たに形成された血管のリモデリング及び動脈新生により、機能的網へ精緻化される。EPCは、血管外傷又は急性心筋梗塞(AMI)を有する患者において、動員(すなわち、骨髄(BM)から循環への増加した数の移動)することが示されている(例えば、以下のふたつの論文を参照し、これらは本明細書に参照として組入れられている:(a)Gill, M., S. Diasら、(2001), "Vascular trauma induces rapid but transient mobilization of VEGFR2(+)AC133(+) endothelial precursor cells," Circ Res 88(2): 167-74;及び、(b)Shintani, S., T. Muroharaら、(2001), "Mobilization of endothelial precursors in patients with acute myocardial infraction," Circulation, 103(23): 2776-9)。一般に、EPCの使用は、虚血性又は瘢痕性組織内の天然のバイパス形成の促進を目的としており、従ってこれらの患者の臨床的症状を緩和する。
【0007】
多くの動物実験及び臨床試験が、本療法の、患者の身体機能の改善により顕在化されるような、血流を増強し、及び虚血性症状の関連した緩和を生じる可能性を調べている。
【0008】
移植のための自家EPCの様々な給源が説明されており、これは、骨髄(BM)から直接吸引された幹細胞、及びBM-由来の末梢血幹細胞を含む。
【0009】
前駆細胞、又は幹細胞は、複製し、移動し、及び多種多様な細胞型へ分化することができる骨髄細胞を含む。骨髄造血幹細胞は、「CD34陽性」(CD34+)であること、すなわちCD34マーカーを発現することを特徴としている。
【0010】
よく定義された造血前駆体の集団の可塑性は、標的臓器に存在する環境の合図に反応して、それらを分化形質転換すること、より詳細には内皮細胞へ転換することができると仮定される。
【0011】
骨髄移植は、医療手技の比較的簡単さのために、臨床上魅力的である。これは、骨髄の腸骨稜からの吸引、及び吸引液又は選択された細胞の梗塞後瘢痕への即時再注入を必要としている。それにもかかわらず、この手技は、侵襲性であり、麻酔下で行われなければならない。
【0012】
成体循環中のEPCの存在を示す第一の証拠は、健常ヒト志願者単由来の単核血液細胞が、内皮細胞-様表現型をin vitroにおいて獲得し、及びin vivoにおいて毛細血管に組込むことが示された場合に得られた(Asahara, T., T. Muroharaら、(1997), "Isolation of putative precursor endothelial cells for angiogenesis," Science, 275(5302): 964-7を参照し、これは本明細書に参照として組入れられている)。これらの推定EPCは、CD34及び血管内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2/KDR)の発現により特徴付けられ、これらふたつの抗原は、胚性内皮前駆体、及び造血幹細胞(HSC)により共有される。CD34に加え、初期造血前駆細胞は、CD133(AC133)を発現し、これは分化後には発現されない。現在実用目的で、広く受入れられている循環中のEPCの定義は、CD34+/VEGFR-2+又はCD133+/VEGFR-2+細胞である。
【0013】
末梢血EPCは、未治療の患者の血液、又はEPC動員を増強するために、顆粒球-コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球単球、コロニー-刺激因子(GM-CSF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、及び線維芽細胞増殖因子(FGF)などのサイトカインを用いて治療された患者の血液から得ることができる。動員治療は、典型的には、血液学的障害及び動脈由来の障害に罹患した患者においては回避される。HMG CoA還元酵素インヒビター(スタチン)などの治療も、循環中のEPCの数を上昇することが報告されている。例えば下記文献を参照のこと:
【0014】
1. Dimmeler S., et al. (2001), "HMG-CoA reductase inhibitors (statins) increase endothelial progenitor cells via the PI 3-kinase/Akt pathway," J. Clin. Invest. 108: 391-397。
2. Hyun-Jae, Hyo-Soo Kim, et al. (2003), "Effects of intracoronary infusion of peripheral blood stem-cells mobilized with granulocyte-colony stimulating factor on left ventricular systolic function and restenosis after coronary stenting in myocardial infraction: the MAGIC cell randomized clinical trial," The Lancet 363: 751-75。
3. Brigit.Assmus, Volker Schachinger et al., (2002), "Transplantation of progenitor cells and regeneration enhancement in acute myocardial infraction (TOPCARE-AMI)," Circulation 106: 3009-3017。
4. Alexandra Aicher, Winfreid Brenner, et al., (2003), "Assessment of the tissue distribution of transplanted human endothelial progenitor cells by radioactive labeling," Circulation 107: 2134-2139。
【0015】
これらの各論文は、本明細書に参照として組入れられている。
【0016】
末梢血を採取する手技は、BM採取よりも、患者にとってより単純かつより都合がよい。EPCは末梢血から単離することができるという事実は、療法に使用するこれらの細胞の選択において、更に重要な要因である。更により多くの細胞型を含むBMからの前駆細胞の単離は、技術的に困難が多い。
【0017】
EPC及びBMC治療の結果は、心筋梗塞ラットモデルにおいて、改善された心臓機能、より大きい毛細血管密度、顕著に増加した側副血管の数、心電図での左心室駆出率の改善、虚血面積瘢痕の減少及び心筋細胞のアポトーシス防止を示している。更にヌードマウスの虚血モデルにおいて、改善された血流及び毛細血管密度、並びに後肢における低下した四肢喪失率が示された。
【0018】
以下の論文は、本明細書に説明された技術と組合せて使用することができる技術を説明しており、これらは本明細書に参照として組入れられている:
(1) Kalka, C., H. Masuda, et al. (2000). "Vascular endothelial growth factor (165) gene transfer augments circulating endothelial progenitor cells in human subjects." Circ Res 86 (12): 1198-202。
(2) Kawamoto, A., H. C. Gwon, et al. (2001). "Therapeutic potential of ex vivo expanded endothelial progenitor cells for myocardial ischemia." Circulation 103 (5): 634-7。
(3) Kawamoto, A., T. Tkebuchava, et al. (2003). "Intramyocardial transplantation of autologous endothelial progenitor cells for therapeutic neovascularization of myocardial ischemia." Circulation 107 (3): 461-8。
(4) Kamihata, H., H. Matsubara, et al. (2001). "Implantation of bone marrow mononuclear cells into ischemic myocardium enhances collateral perfusion and regional function via side supply of angioblasts, angiogenic ligands, and cytokines." Circulation 104 (9): 1046-52。
(5) Kocher, A. A., M. D. Schuster, et al. (2001). "Neovascularization of ischemic myocardium by human bone-marrow-derived angioblasts prevents cardiomyocyte apoptosis, reduces remodeling and improves cardiac function." Nat Med 7 (4): 430-6。
【0019】
以下の論文及び書籍の章は、本明細書に説明された技術と組合せて使用することができる技術を説明しており、これらは本明細書に参照として組入れられている:
Flammera J et al. (2002). "The impact of ocular blood flow in glaucoma." Progress in Retinal and Eye Research 21: 359-393。
Zarbin MA (2004). "Current concepts in the pathogenesis of age-related macular degeneration." Arch Ophthahnol. 122 (4): 598-614。
Frank RN (2004). "Diabetic retinopathy." N Engl J Med 350: 48-58。
Singleton JR (2003). "Microvascular complications of impaired glucose tolerance." Diabetes 52: 2867-2873。
Bahlmann FH et. (2004). "Erythropoietin regulates endothelial progenitor cells." Blood 103(3): 921-6。
Greenfield, Ed. (2001). "Surgery: scientific principles and practice." Lippincot: Philadelphia, chapter 107。
Kouwenhoven EA et al. (2000). "Etiology and pathophysiology of chronic transplant dysfunction." Transplant Internal 13 (6): 385-401。
Browne EZ et al. (1986). "Complications of skin grafts and pedicle flaps." Hand Clin.2: 353-9。
Chen et al. (1991). "Four types of venous flaps for wound coverage: a clinical appraisal." J. Trauma 31 (9): 1286-93。
Beatrice et al. (2004) Dermatol. Surg. 30 (3): 399。
Ferretti et al. (2003). "Angiogenesis and nerve regeneration in a model of human skin equivalent transplant." Life Sci. 73: 1985-94。
Schechner et al. (2003). "Engraftment of a vascularized human skin equivalent." FASEB J. 17 (15): 2250-60。
【0020】
心筋障害を治療するためのEPC及び他の骨髄由来細胞を使用することの恩典の可能性を試験するために、最近数年間ヒトにおいて研究が行われている。最新の研究は、急性心筋梗塞後の自家前駆細胞の移植は、拘束後損傷を限定するように見えることを明らかにしている。以下の臨床試験は、心臓障害を伴う患者へ投与される骨髄-由来又は血液-由来の細胞の安全性及び有効性を評価した研究に焦点を当てている。
【0021】
Perinらは、自家単核BMCを経心内膜注射で受け取った21名の患者(治療群14名、対照群7名)を含む臨床試験を実施した(Perin, E. C, H. F. Dohmannら,(2003), "Transendocardial, autologous bone marrow cell transplantation for severe, chronic ischemic heart failure," Circulation, 107(18): 2294-302を参照し、これは本明細書に参照として組入れられている)。4ヶ月目に、治療された患者における駆出率の改善、収縮期後容積の低下、及び注射されたセグメントの著しい機構改善が存在した。
【0022】
別のグループは、心筋梗塞に罹患し、冠動脈バイパス移植を受けた患者6名において、自家EPCを梗塞境界に注射した。術後3〜9ヶ月で、患者全員が生存し、良好であり、4名の患者において全般的(global)左心室機能が増強された。患者6名全員が、運動能の注目すべき改善を報告した。心筋灌流スキャンは、6名の患者のうち5名は定性分析により際だって改善されたことを報告した。この研究の結果は、心臓へのEPC移植は、恐らく血管新生を誘導し、その結果梗塞を生じた心筋層の灌流を改善することを指摘している(Stamm, C, B. Westphal, ら、(2003), "Autologous bone-marrow stem-cell transplantation for myocardial regeneration," Lancet 361(9351): 45-6参照のこと、これは本明細書に参照として組入れられている)。
【0023】
急性心筋梗塞における前駆細胞移植及び再生増強(TOPCARE-AMI)の研究は、再灌流された急性心筋梗塞を伴う患者における、梗塞後の冠動脈への直接的、循環している内皮前駆細胞又は骨髄細胞の送達に関連している(Assmus, B., V. Schachingerら、 (2002), "Transplantation of Progenitor Cells and Regeneration Enhancement in Acute Myocardial Fraction (TOPCARE-AMI)," Circulation, 106(24): 3009-17を参照し、これは本明細書に参照として組入れられている)。第一の患者20名において、11名はEPCを受取り、9名はBMCを受け取った。4ヶ月目に、前駆細胞の移植は、ランダム化されないマッチした参照群と比較して、全般的左心室駆出率の有意な増加を生じ、心電図は、改善された梗塞ゾーン内の局所的壁運動、低下した収縮後左心室容積、及び梗塞ゾーンでの増加した心筋生存能(viability)を明らかにした。いずれの患者の治療においても、不整脈、又はクレアチニンキナーゼ及びトロポニンの増加などの、有害事象は存在しなかった。BM-及び末梢血-由来細胞の間に差異はなかった。
【0024】
Amit Patel of University of Pittsburghにより指導されたチームにより実行された研究は、20名の重度の心不全患者が関与し、その中の10名には、BM由来のEPCが冠状血管へ注射された。1-、3-及び6-ヶ月のフォローアップ時に、この幹細胞患者の駆出率は、他の患者と比べ、有意に改善された(Abstract from American Association for Thoracic Surgery, トロント, 2004年5月参照)。
【0025】
下記の論文も関心があり、これらは本明細書に参照として組入れられている:
J. Folkman, Y. Shing, J. Biol. Chem. 267, 10931 (1992)。
W. Brugger, S. Heimfeld, R. J. Berenson, R. - Mertelsmann, L. Kanz, N. Engl J. Med.333, 283 (1995)。
F. Katz, R. W. Tindle, D. R. Sutherland, M. D. Greaves, Leuk. Res. 9,191 (1985)。
R. G. Andrews, J. W. Singer, I. D. Bernstein, Blood 67,842 (1986)。
B. I. Terman, M. Dougher-Vermazen, M. E. Carrion, D. Dimitrov, D. C. Armellino, et al, Biochem. Biophys. Res. Commun. 187, 1579 (1992)。
B. Millauer, S. Wizigmann-Voos, H. Schnurch, R. Martinez, N. P. H. Moller, et al,Cell 72/835 (1993)。
J. C. Voyta, D. P. Via, C. E. Butterfield, B. R. Zetter, J. Cell Biol. 99, 2034 (1984)。
P. J. Newman, M. C. Berndt, J. Gorski, G. C. White, S. Lyman, et al, Science 247, 1219 (1990)。
T. N. Sato, Y. Tozawa, U. Deutsch, K.Wolburg-Buchholz, Y. Fujiwara, et al, Nature 376,70 (1995)。
H. Schnurch, W. Risau, Development 119, 957 (1993)。
J. L. Liesveld, K. E. Frediani, A. W. Harbol, J. F. DiPersio, C. N. Abboud, Leukemia 8, 2111 (1994)。
S. Takeshita, L. P. Zheng, E. Brogi, M. Kearney, L. Q. Pu, et al, J. Clin. Invest. 93, 662 (1994)。
R. Baffour, J. Berman, J. L. Garb, S. W. Rhee, J. Kaufman, et al, J. Vase. Surg. 16,181 (1992)。
J. M. Isner, A. Pieczek, R. Schainfeld, R. Blair, L. Haley, et al, Lancet 348, 370 (1996)。
Y. Sato, K. Okamura, A. Morimoto, R. Hamanaka, K. Hamanaguchi, et al, Exp. Cell Res. 204, 223 (1993)。
【0026】
下記の論文も関心があり、これらは本明細書に参照として組入れられている:
Badorff, C., R. P. Brandes, et al. (2003). "Transdifferentiation of blood- derived human adult endothelial progenitor cells into functionally active cardiomyocytes." Circulation 107 (7): 1024-32。
Bhattacharya, V., P. A. McSweeney, et al. (2000). "Enhanced endothelialization and microvessel formation in polyester grafts seeded with CD34(+) bone marrow cells." Blood 95 (2): 581-5。
Grant, M. B, W. S. May, et al. (2002). "Adult hematopoietic stem cells provide functional hemangioblast activity during retinal neovascularization " Nat Med 8 (6): 607-12。
Hirata, K., T. S. Li, et al. (2003). "Autologous bone marrow cell implantation as therapeutic angiogenesis for ischemic hindlimb in diabetic rat model." Am J Physiol Heart Circ Physiol 284(1): H66-70。
Ikenaga, S., K. Hamano, et al. (2001). "Autologous bone marrow implantation induced angiogenesis and improved deteriorated exercise capacity in a rat ischemic hindlimb model." J Surg Res 96 (2): 277-83。
Kalka, C., H. Masuda, et al. (2000). "Transplantation of ex vivo expanded endothelial progenitor cells for therapeutic neovascularization." Proc Natl Acad Sci USA 97 (7):3422-7。
Kaushal, S., G. E. Amiel, et al. (2001). "Functional small-diameter neovessels created using endothelial progenitor cells expanded ex vivo." Nat Med 7 (9): 1035-40。
Komowski, R., M. B. Leon, et al. (2000). "Electromagnetic guidance for catheter-based transendocardial injection: a platform for intramyocardial angiogenesis therapy. Results in normal and ischemic porcine models." J Am Coll Cardiol 35(4): 1031-9。
Li, R. K., Z. Q. Jia, et al. (1996). "Cardiomyocyte transplantation improves heart function." Ann Thorac Surg 62 (3): discussion 660-1。
Rajnoch, C., J. C. Chachques, et al. (2001). "Cellular therapy reverses myocardial dysfunction." J Thorac Cardiovasc Surg 121 (5): 871-8。
Schatteman, G. C., H. D. Hanlon, et al. (2000). "Blood-derived angioblasts accelerate blood-flow restoration in diabetic mice." J Clin Invest 106 (4): 571-8。
Shintani, S., T. Murohara, et al. (2001). "Augmentation of postnatal neovascularization with autologous bone marrow transplantation." Circulation 103(6): 897-903。
Strauer, B. E., M. Brehm, et al. (2002). "Repair of infarcted myocardium by autologous intracoronary mononuclear bone marrow cell transplantation in humans." Circulation 106 (15): 1913-8。
Taylor, D. A., B. Z. Atkins, et al. (1998). "Regenerating functional myocardium: improved performance after skeletal myoblast transplantation." Nat Med 4 (8): 929-33。
Thompson, C. A., B. A. Nasseri, et al. (2003). "Percutaneous transvenous cellular cardiomyoplasty. A novel nonsurgical approach for myocardial cell transplantation." J Am Coll Cardiol 41(11): 1964-71。
Tomita, S., R. K. Li, et al. (1999). "Autologous transplantation of bone marrow cells improves damaged heart function." Circulation 100(19 Suppl):II247-56。
Tomita, S., D. A. Mickle, et al. (2002). "Improved heart function with myogenesis and angiogenesis after autologous porcine bone marrow stromal cell transplantation." J Thorac Cardiovasc Surg 123 (6): 1132-40。
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Rupp et al. (2004). "Statin therapy in patients with coronary artery disease improves the impaired endothelial progenitor cell differentiation into cardiomyogenic cells." Basic Res Cardiol. 99(1): 61-8。
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Di Stefano et al. (2002) "Different growth conditions for peripheral blood endothelial progenitors." Cardiovasc Radiat Med. 3 (3-4): 172-5。
Akita et al. (2003). "Hypoxic preconditioning augments efficacy of human endothelial progenitor cells for therapeutic neovascularization." Lab Invest. 83 (1): 65-73。
Wang et al. (2004). "Mechanical, cellular, and molecular factors interact to modulate circulating endothelial cell progenitors." Am J Physiol Heart Circ Physiol. 286 (5): H1985-93。
Bahlmann et al. (2003). "Endothelial progenitor cell proliferation and differentiation is regulated by erythropoietin." Kidney Int. 64 (5): 1648-52。
Heeschen et al. (2003). "Erythropoietin is a potent physiologic stimulus for endothelial progenitor cell mobilization." Blood. 102 (4): 1340-6。
Verma et al. (2004). "C-reactive protein attenuates endothelial progenitor cell survival, differentiation, and function: Further evidence of a mechanistic link between C-reactive protein and cardiovascular disease." Circulation. 109 (17): 2058-67。
【0027】
Isnerらの米国特許第5,980,887号、第6,569,428号、及び第6,676,937号は、概して、選択された患者において、血管新生を調節する、すなわち血管形成を増強又は阻害する方法において使用するため、並びに一部の好ましい態様において、血管新生モジュレーターを特定の場所へ標的化するための、EC前駆体を含有する医薬品を開示しており、これらは本明細書に参照として組入れられている。例えば、EC前駆体を使用し、血管新生を増強するか、又は血管新生モジュレーター、例えば抗-もしくは前-血管由来物質を、各々、病理部位もしくは実用的な血管新生の部位へ送達することができる。加えて別の態様において、EC前駆体を使用し、損傷した血管の再-内皮化を誘導し、その結果平滑筋細胞増殖の間接的阻害により、再狭窄を減少することができる。
【0028】
Kanzらの米国特許第5,541,103号は、ある種の癌に罹患した患者の高-投与量化学療法を開示し、これは本明細書に参照として組入れられている。回復を促進するために、末梢血前駆細胞のex vivo拡大のプロセスが説明されており、ここではCD34+細胞が濃縮され、及びIL-1、IL-3、IL-6、EPO及びSCFを含む培地において培養される。Ex vivoで拡大された末梢血前駆細胞は、化学療法後、癌患者へ投与することができる。
【0029】
Itescuの米国特許出願第2003/0199464号は、心筋細胞の喪失に関連している対象の心臓の障害を治療する方法を開示し、これは本明細書に参照として組入れられている。この方法は、対象の心臓内で心筋細胞増殖を引き起こすのに有効であることが説明された量の物質を、対象へ投与し、これによりその障害を治療することを含む。ある態様において、この物質は、ヒト内皮前駆細胞である。この出願は、対象の心筋細胞の易アポトーシス性を決定する方法も開示している。
【0030】
ItescuのPCT国際公開公報第01/94420号は、(a)幹細胞を、対象内のある場所から採取する工程;(b)幹細胞から内皮前駆細胞を回収する工程;(c)工程(b)由来の内皮前駆細胞を、対象内の異なる場所へ導入し、前駆体を組織へ移動し、組織の脈管再生化を刺激する工程;を含む、対象において心筋梗塞損傷を受けた組織の脈管新生を刺激する方法を開示しており、これは本明細書に参照として組入れられている。幹細胞は、直接採取されるか、又は動員により採取され得る。内皮前駆細胞は、対象への導入前に、拡大される。梗塞周囲の組織内で血管新生を誘導する方法が説明されている。ヒト骨髄-由来の内皮細胞前駆体の、虚血性障害により損傷した組織部位への輸送を、選択的に増加させる方法も説明されており、これは、(a)内皮前駆細胞を対象へ投与する工程;(b)ケモカインを対象へ投与し、これにより内皮細胞前駆体を虚血組織へ誘引する工程を含む。同種幹細胞を対象へ注射することを含む、対象において心筋梗塞で損傷した組織の脈管新生又は血管新生を刺激する方法も開示される。これらの(instant)方法のいずれかを含む、心筋梗塞に罹患した対象において心筋機能を改善する方法も説明されている。内皮前駆細胞を動員するために、G-CSF又は抗-CXCR4抗体を対象へ注射することを含む、心筋梗塞に罹患した対象において心筋機能を改善する方法も説明されている。
【0031】
Gillisの米国特許第5,199,942号は、細胞減少療法を受ける患者の自家造血細胞移植の方法を開示しており、これは、(1)細胞減少療法前の患者の骨髄又は末梢血から造血前駆細胞を得る工程;(2)インターロイキン-3(IL-3)、steel factor(SF)、顆粒球マクロファージ-コロニー刺激因子(GM-CSF)、インターロイキン-1(IL-1)、GM-CSF/IL-3融合タンパク質及びそれらの組合せからなる群より選択されるex vivo増殖因子により、ex vivoにおいて造血前駆細胞を拡大し、拡大された前駆細胞集団を含有する細胞調製物を提供する工程;並びに、(3)細胞調製物を、細胞減少療法と同時に又は後に、患者へ投与する工程を含む。この方法は任意に、造血前駆細胞を末梢血へ動員するための動員増殖因子による予備的治療、並びに細胞調製物中で投与された造血前駆細胞の生着及び増殖を促進するための生着増殖因子による引き続きの治療を含む。この特許は、細胞培地、ex vivo増殖因子、及び自家血清を含有する、造血前駆細胞拡大培地組成物も開示している。
【0032】
Shoshanの米国特許第4,656,130号は、コラーゲン原線維の貯蔵安定したコーティング(storage stable coating)で被覆された基体を含む、コラーゲンで被覆された細胞増殖プレートを開示し、これは本明細書に参照として組入れられている。コラーゲン被覆された細胞増殖プレートを調製する方法は、蒸留水中に懸濁された生物学的に活性のあるコラーゲン原線維を、組織培養皿上に分散する工程を含む。その後このコラーゲン原線維懸濁液を含む皿を、無菌の空気流及び紫外光の条件下で、層流フード下に配置する。原線維は皿の底へ沈着及び接着し、水は無菌の空気流中で蒸発し及び層流フード排気中で除去され、並びに紫外光は、得られるコラーゲン原線維の薄層が、無菌であり、生存細胞の接種にすぐに使用できることを確実にする。この方法は、細胞増殖を支持する特性を著しく低下することなく、室温で保管した場合に妥当な貯蔵寿命を維持することができる、都合の良い予め被覆された細胞増殖プレートを得ることとして説明されている。
【0033】
Swiderekらの米国特許第5,932,473号は、塩溶液中に細胞接着促進因子を含有する組成物でコーティングされている、細胞培養基体を開示し、これは本明細書に参照として組入れられている。プラスチック、ガラス又は多孔質繊維などの基体は、基体1cm2当たり組成物約50〜500μlを提供するために、0.005〜0.5Mクエン酸又は硫酸塩溶液中に約5〜1000μg/mlのポリ-D-リシンを含有する組成物でコーティングされている。被覆された基体は、余分な材料を除去するためにすすぎ、乾燥し、増大した貯蔵寿命及び/又は安定性を有する被覆された基体を得る。被覆された基体は、エタノールのような無菌培地ですすぐことにより滅菌することができる。
【0034】
Septakの米国特許第6,040,182号は、組織培養-処理したプラスチック表面、例えばポリスチレンアッセイプレートなどの上への高-タンパク質-結合能を促進する方法及び材料を開示し、これは本明細書に参照として組入れられている。
【0035】
Ozkanの米国特許第4,450,231号は、免疫複合体を決定するための、血清標本などのイムノアッセイを開示し、これは本明細書に参照として組入れられている。プラスチックベース上に、プラスチックベースに接着し及び標本の免疫複合体を吸収する能力を有する非タンパク質性非イオン性ポリマーの層を作製すること、層上に標本を配置すること、及び、免疫複合体量の指標を生じるように層を処理することを含む方法が説明されている。このポリマーは、ポリエチレングリコール、デキストラン、ポリ塩化ビニル、ポリマー性ポリオール又はポリエチレングリコールの付加物であってよい。そのようなアッセイにおいて使用するための製品は、プラスチック、ポリスチレン及びポリ塩化ビニルで形成されたウェル又はテストチューブを有するプレートであり、そのプレートウェル上又はテストチューブの空洞にそのような非タンパク質性非イオン性層を伴うことが好ましい。
【0036】
Kutrykらの米国特許出願第2003/0229393号は、用具の表面に細胞を動員するために、前駆細胞表面抗原を認識、結合及び/又は相互作用する抗体、抗体断片又は小型分子を混入している生体適合性マトリックスで被覆された、ステント、ステントグラフト、合成血管グラフト、又は心臓弁などの医療用具を作製する組成物及び方法を開示しており、これは本明細書に参照として組入れられている。用具上のコーティングは、内膜過形成を防ぐために、用具の表面上での、結合した細胞の接着、増殖、並びに成熟し及び機能性の内皮細胞への分化を促進するよう前駆体内皮細胞を助長するための、化合物又は増殖因子も含む。そのような医療用具の作製法、組成物、並びに再狭窄、アテローム動脈硬化症又は他の種類の血管閉塞などの血管疾患を伴う哺乳類を治療する方法が、説明されている。
【発明の開示】
【0037】
発明の概要
本特許出願は、組織由来の幹細胞を、単離、分化及び拡大する方法を詳述している。例えば、幹細胞は、内皮前駆細胞(EPC)を含んでよい。あるいは又は加えて、組織は、ヒト末梢血を含んでよい。典型的には、幹細胞は、ドナーへ又は他の個体へ移植される(例えば、脈管新生及び/又は血管新生及び/又は新脈管化を増強するため)。本特許出願は、適切な数の機能性EPCを含有する生成物を得るためのプロトコールを提供する。説明された方法は、(a)組織から細胞亜-集団を抽出する工程;(b)強化された培養培地において、培養物中のEPCを1〜30日間(又は3〜30又は4、5、6、7もしくは8日間)拡大及び分化する工程;並びに/又は、(c)培養物の細胞成分を同定する工程;(d)適切な数のEPCを患者へ移植する工程を含む。本明細書に説明された一部の態様は、特に血液由来のEPCへ関連しているが、本発明の範囲は、必要な変更を加えて、様々な体組織由来の幹細胞と共に使用する技術を含むことは理解されるべきである。
【0038】
一部の適用に関して、本方法は、ドナー及び/又は患者から血液試料を採取する工程、試料末梢血単核細胞から単離する工程、単核細胞画分から、CD31リッチ細胞の集団、前駆細胞を分離する工程、並びにこれらの細胞を、細胞混合物中に存在する造血前駆細胞に、EPCへの分化及び増殖を引き起こすような条件下で、増殖する工程を含む。循環中のEPC数は0.1%未満であるので、このex vivo拡大工程が典型的には利用される。この増大段階後、細胞は、患者の冠状血管又は心筋などの標的臓器内の血管への注射により、移植することができる。
【0039】
従って、本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞の数を、2回通過細胞を3〜30日間の期間培養することにより増加させる工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
【0040】
ある態様において、第一の勾配への血液細胞の適用は、血液細胞を、ショ糖とエピクロロヒドリンとのコポリマー、例えばFicoll-Paque Plus(商標)(Amersham Biosciences, ウプスラ, スウェーデン)又はLymphoprep(商標)(Axis-Shield PoC AS, オスロ, ノルウェー)又は他の供給業者から入手できるものを含む勾配へ適用することを含む。ある態様において、密度勾配は、現場の技術者により調製される。
【0041】
ある態様において、初回通過細胞の第二の勾配への適用は、初回通過細胞を、イオジキサノールの水溶液、例えばオプティプレップ(商標)又はNycodenz(商標)(Axis-Shield PoC AS, オスロ, ノルウェー)などを含む勾配へ適用することを含む。
ある態様において、初回通過細胞の第二の勾配への適用は、初回通過細胞を、ポリビニルピロリドン-コートしたシリカコロイド、例えばパーコール(商標)(Amersham Biosciences, ウプスラ, スウェーデン)などを含む勾配へ適用することを含む。
【0042】
更に、本発明の態様に従い:
幹細胞を含有する組織を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配へ適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配へ適用する工程;
2回通過細胞を、密度1.055〜1.068g/mlを有する3回通過細胞の選択に好適な第三の勾配へ適用する工程;
密度1.055〜1.068g/mlを有する細胞の数を、3回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させる工程;を含む、幹細胞を抽出するために使用する方法が提供される。
【0043】
ある態様において、第三の勾配は、密度1.059〜1.068g/mlを有する細胞の選択に適し、及びここで2回通過細胞の第三の勾配への適用は、密度1.059〜1.068g/mlを有する細胞の選択を含む。
【0044】
本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;並びに
血漿及び/又は抗体を含有する(例えば、被覆された)表面上で2回通過細胞をインキュベーションする工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
【0045】
加えて、本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;並びに
コラーゲン又はフィブロネクチン以外の増殖促進分子を含有する表面上で2回通過細胞を培養する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
【0046】
ある態様において、2回通過細胞のインキュベーションは、増殖促進分子に加え、コラーゲン及びフィブロネクチンの少なくとも1種を含む表面上で、2回通過細胞をインキュベーションすることを含む。
【0047】
更に加えて、本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
2回通過細胞を、最大5%血清(例えば、無血清、1%未満の血清、又は1〜5%の血清)を含む培養培地において、1〜5日の持続する期間培養する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
【0048】
更に加えて、本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
2回通過細胞を、10%を超える血清を含む培養培地において、1〜5日の持続する期間培養する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
ある態様において、2回通過細胞の培養は、20%未満の血清を含む培養培地で2回通過細胞を培養することを含む。
【0049】
本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
低-血清期間中に、2回通過細胞を、10%未満血清を含む培養培地において培養する工程;
高-血清期間中に、2回通過細胞を、10%より大きい血清を含む培養培地において培養する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
【0050】
ある態様において、低-血清期間中の2回通過細胞の培養は、2回通過細胞の、1〜5日間の培養を含む。
【0051】
ある態様において、高-血清期間中の2回通過細胞の培養は、2回通過細胞の、1〜30日間の培養を含む。
【0052】
ある態様において、低-血清期間の2回通過細胞の培養は、高-血清期間の2回通過細胞の培養前に行われる。
【0053】
ある態様において、低-血清期間の2回通過細胞の培養は、高-血清期間の2回通過細胞の培養後に行われる。
【0054】
更に本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
少なくとも2時間持続する低酸素及び/又は高炭酸(H/H)期間、2回通過細胞をH/H条件下で培養する工程;
少なくとも1日間持続する非-H/Hの期間、2回通過細胞を非-H/H条件下で培養する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
【0055】
本特許出願及び「特許請求の範囲」において、用語高炭酸は、CO2濃度が5%よりも大きいことを意味する。
【0056】
ある態様において、H/H及び非-H/H期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに2回通過細胞のH/H条件下での培養が、この培養期間の最初の2日間、2回通過細胞をH/H条件下で培養することを含む。
【0057】
ある態様において、H/H及び非-H/H期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに2回通過細胞のH/H条件下での培養が、この培養期間の最後の2日間、2回通過細胞をH/H条件下で培養することを含む。
【0058】
ある態様において、H/H及び非-H/H期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに2回通過細胞のH/H条件下での培養は、この培養期間の最初の2日間と最後の2日間の間で少なくとも2時間、2回通過細胞をH/H条件下で培養することを含む。
【0059】
ある態様において、2回通過細胞のH/H条件下での培養は、2回通過細胞の非H/H条件下での培養以前に行われる。
【0060】
ある態様において、2回通過細胞のH/H条件下での培養は、2回通過細胞の非H/H条件下での培養以降に行われる。
【0061】
尚更に本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
2回通過細胞を、エリスロポイエチン、VEGF、IGF、FGF、エストロゲンファミリー分子(例えば、17-β-エストラジオール、エストロン、エストリオール、エストラジオール誘導体、吉草酸エストラジオール、エストラジオールシピオネート、メストラノール、キネストロール)、プロゲスチン-ファミリーの分子(例えば、プロゲステロン、カロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン)、スタチン(例えば、シムバスタチン、アトロバスタチン)、及び糖尿病治療薬(例えば、ロシグリタゾン)の少なくとも1種を含む培養培地において培養する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
【0062】
ある態様において、糖尿病治療薬は、ロシグリタゾンを含み、2回通過細胞の培養は、2回通過細胞をロシグリタゾン含む培養培地において培養することを含む。
【0063】
ある態様において、スタチンは、シムバスタチン又はアトロバスタチンを含み、2回通過細胞の培養は、2回通過細胞をシムバスタチン又はアトロバスタチンを含む培養培地において培養することを含む。
【0064】
ある態様において、エストロゲン及びプロゲスチンファミリーからのホルモン分子は、17-β-エストラジオール及びプロゲステロンを含み、2回通過細胞の培養は、2回通過細胞を17-β-エストラジオール及び/又はプロゲステロン含む培養培地において培養することを含む。
【0065】
ある態様において、エストロゲン及びプロゲスチンファミリーからのホルモン分子は、17-β-エストラジオール及びプロゲステロンを含み、2回通過細胞の培養は、2回通過細胞を17-β-エストラジオールを含む培養培地において培養し、及びある期間の後プロゲステロンが添加されることを含む。
【0066】
ある態様において、エストロゲン及びプロゲスチンファミリーからのホルモン分子は、17-β-エストラジオール及びプロゲステロンを含み、2回通過細胞の培養は、2回通過細胞をプロゲステロンを含む培養培地において培養し、及びある期間の後17-β-エストラジオールが添加されることを含む。
【0067】
更に本発明の態様に従い:
幹細胞を含有する組織を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;並びに
密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞の数を、2回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させる工程;を含む、幹細胞を抽出するために使用する方法が提供される。
【0068】
ある態様において、この方法は、幹細胞を、骨髄から抽出する工程を含む。
ある態様において、この方法は、幹細胞の抽出を促進するために、骨髄由来の幹細胞を動員することを含む。
ある態様において、この方法は、幹細胞を、血液、臍帯血、胚、胎児もしくは胎盤から抽出することを含む。
【0069】
ある態様において、2回通過細胞の培養は:
2回通過細胞を、第一の容器内で、その期間の第一の部分の間培養する工程;
その期間の第一の部分の最後に、第一の容器から2回通過細胞の少なくとも一部を除去する工程;並びに
第一の容器から除去された細胞を、第二の容器において、その期間の第二の部分培養する工程;を含む。
【0070】
ある態様において、2回通過細胞の少なくとも一部の除去は、第一の容器の表面に接着する除去細胞の選択を含む。
【0071】
ある態様において、2回通過細胞の少なくとも一部の除去が、第一の容器の表面に接着しない除去細胞の選択を含む。
【0072】
ある態様において、第一の容器は、その表面上に増殖促進分子を含み、並びに第一の容器内での細胞の培養は、増殖促進分子を含む第一の容器内で細胞を培養することを含む。
【0073】
ある態様において、第二の容器は、その表面上に増殖促進分子を含み、並びに第二の容器内での細胞の培養は、増殖促進分子を含む第二の容器内で細胞を培養することを含む。
ある態様において、増殖促進分子は、血漿(これは、自家、同種又は異種であることができる)、コラーゲン、フィブロネクチン、増殖因子及び幹細胞表面受容体に対する抗体からなるリストより選択される。
【0074】
従って、本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
2回通過細胞を、3〜30日の持続する期間培養することにより、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞の数を増加させる工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
【0075】
ある態様において、血液の第一の勾配への適用は、血液を、ショ糖とエピクロロヒドリンとのコポリマーを含有する溶液に適用することを含む。
ある態様において、初回通過細胞の第二の勾配への適用は、初回通過細胞を、イオジキサノールの水溶液へ適用することを含む。
ある態様において、初回通過細胞の第二の勾配への適用は、初回通過細胞を、ポリビニルピロリドン-被覆されたシリカコロイドを含む段階密度溶液へ適用することを含む。
【0076】
ある態様において、血液細胞の第一の勾配への適用は、血液細胞のフィコール-様勾配への適用を含む。
ある態様において、初回通過細胞の第二の勾配への適用は、初回通過細胞のオプティプレップ-様勾配への適用を含む。
ある態様において、初回通過細胞の第二の勾配への適用は、初回通過細胞のパーコール-様勾配への適用を含む。
【0077】
本発明の態様に従い:
幹細胞を含有する組織を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配へ適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配へ適用する工程;
2回通過細胞を、密度1.055〜1.068g/mlを有する3回通過細胞の選択に好適な第三の勾配へ適用する工程;
密度1.055〜1.068g/mlを有する細胞の数を、3回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させる工程;並びに
培養された細胞中の内皮前駆細胞を同定する工程;を含む、幹細胞を抽出するために使用する方法も提供される。
【0078】
ある態様において、第三の勾配は、密度1.059〜1.068g/mlを有する細胞の選択に適し、及びここで2回通過細胞の第三の勾配への適用は、密度1.059〜1.068g/mlを有する細胞の選択を含む。
【0079】
本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
血漿を含有する表面上で2回通過細胞を培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
【0080】
ある態様において、培養は、表面が自家血漿で被覆された場合に、表面上で2回通過細胞を培養することを含む。
【0081】
ある態様において、培養は、表面が同種血漿及び異種血漿からなる群から選択された少なくとも1種の血漿で被覆された場合に、表面上で2回通過細胞を培養することを含む。
【0082】
本発明の態様に従い:
組織を、血漿を含む表面上で培養する工程;を含む、組織と共に使用する方法が提供される。
ある態様において、組織は血液を含む。
ある態様において、血漿は自家血漿を含む。
【0083】
本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
抗体を含有する表面上で2回通過細胞を培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
【0084】
ある態様において、前駆細胞は、内皮前駆細胞(EPC)を含み、前駆細胞の同定は、EPCの同定を含む。
ある態様において、培養は、表面が自家血漿で被覆された場合に、表面上で2回通過細胞を培養することを含む。
ある態様において、培養は、表面が同種血漿及び異種血漿からなるリストより選択される少なくとも1種の血漿で被覆された場合に、表面上で2回通過細胞を培養することを含む。
【0085】
本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
コラーゲン又はフィブロネクチン以外の増殖促進分子を含有する表面上で2回通過細胞を培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0086】
ある態様において、前駆細胞は、内皮前駆細胞(EPC)を含み、前駆細胞の同定は、EPCの同定を含む。
ある態様において、2回通過細胞の培養は、増殖促進分子に加え、コラーゲン及びフィブロネクチンの少なくとも1種を含む表面上での、2回通過細胞の培養を含む。
【0087】
本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
2回通過細胞を、最大5%血清を含む培養培地において、1〜5日の持続する期間培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
ある態様において、前駆細胞は、内皮前駆細胞(EPC)を含み、前駆細胞の同定は、EPCの同定を含む。
【0088】
本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
2回通過細胞を、10%を超える血清を含む培養培地において、1〜5日の持続する期間培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
ある態様において、2回通過細胞の培養は、20%未満の血清を含む培養培地において、2回通過細胞を培養する工程を含む。
【0089】
本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
低-血清期間中に、2回通過細胞を、10%未満血清を含む培養培地において培養する工程;
高-血清期間中に、2回通過細胞を、10%より大きいか又は等しい血清を含む培養培地において培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0090】
ある態様において、低-血清期間中の2回通過細胞の培養は、2回通過細胞の、最大5%血清を含む培養培地における培養を含む。
ある態様において、低-血清期間中の2回通過細胞の培養は、2回通過細胞の、血清を含有しない培養培地における培養を含む。
ある態様において、低-血清期間中の2回通過細胞の培養は、2回通過細胞の、1〜5日間の培養を含む。
【0091】
ある態様において、高-血清期間中の2回通過細胞の培養は、2回通過細胞の、1〜30日間の培養を含む。
ある態様において、低-血清期間の2回通過細胞の培養は、高-血清期間の2回通過細胞の培養前に行われる。
ある態様において、低-血清期間の2回通過細胞の培養は、高-血清期間の2回通過細胞の培養後に行われる。
【0092】
本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
少なくとも2時間持続する低酸素期間、2回通過細胞を低酸素条件下で培養する工程;
少なくとも1日間持続する非低酸素の期間、2回通過細胞を非低酸素条件下で培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0093】
ある態様において、前駆細胞は、内皮前駆細胞(EPC)を含み、前駆細胞の同定は、EPCの同定を含む。
ある態様において、低酸素及び非低酸素期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに2回通過細胞の低酸素条件下での培養は、培養期間の最初の2日間、2回通過細胞を低酸素条件で培養することを含む。
ある態様において、低酸素及び非低酸素期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに2回通過細胞の低酸素条件下での培養は、培養期間の最後の2日間、2回通過細胞を低酸素条件で培養することを含む。
【0094】
ある態様において、低酸素及び非低酸素期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに2回通過細胞の低酸素条件下での培養は、培養期間の最初の2日と最後の2日の間の少なくとも2時間、2回通過細胞を低酸素条件で培養することを含む。
ある態様において、2回通過細胞の低酸素条件下での培養は、2回通過細胞の非低酸素条件下での培養以前に行われる。
ある態様において、2回通過細胞の低酸素条件下での培養は、2回通過細胞の非低酸素条件下での培養以後に行われる。
【0095】
本発明の態様に従い:
第一の所望の密度範囲を有する細胞を選択するために、血液を勾配に適用する工程;
選択された細胞を、エストロゲンを含む培地において、及び引き続きプロゲスチンを含む培地において培養することにより、第二の所望の密度範囲を有する細胞の数を増加させる工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0096】
本発明の態様に従い:
第一の所望の密度範囲を有する細胞を選択するために、血液を勾配に適用する工程;
選択された細胞を、プロゲスチンを含む培地において、及び引き続きエストロゲンを含む培地において培養することにより、第二の所望の密度範囲を有する細胞の数を増加させる工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0097】
本発明の態様に従い:
第一の所望の密度範囲を有する細胞を選択するために、血液を勾配に適用する工程;
選択された細胞を、エストロゲン及びプロゲスチンを含む培地において培養することにより、第二の所望の密度範囲を有する細胞の数を増加させる工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
【0098】
ある態様において、プロゲスチンは、プロゲステロンを含む。
ある態様において、エストロゲンは、エストラジオールを含む。
ある態様において、培養は、3〜30日の持続する期間培養することを含む。
【0099】
本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
少なくとも2時間持続する高炭酸期間、2回通過細胞を高炭酸条件下で培養する工程であり、この高炭酸期間が、5%よりも高いCO2レベルで特徴付けられる、工程;
少なくとも1日間持続する非高炭酸の期間、2回通過細胞を非高炭酸条件下で培養する工程であり、この非高炭酸期間が、5%未満か又は等しいCO2レベルで特徴付けられる、工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0100】
ある態様において、高炭酸期間のCO2レベルは、少なくとも6%であるように設定される。
【0101】
ある態様において、高炭酸及び非高炭酸期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに2回通過細胞の高炭酸条件での培養は、培養期間の最初の2日間、2回通過細胞を高炭酸条件で培養することを含む。
【0102】
ある態様において、高炭酸及び非高炭酸期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに2回通過細胞の高炭酸条件での培養は、培養期間の最後の2日間、2回通過細胞を高炭酸条件で培養することを含む。
【0103】
ある態様において、高炭酸及び非高炭酸期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに2回通過細胞の高炭酸条件での培養は、培養期間の最初の2日及び最後の2日の間で少なくとも2時間、2回通過細胞を高炭酸条件で培養することを含む。
【0104】
ある態様において、2回通過細胞の高炭酸条件下での培養は、2回通過細胞の非高炭酸条件下での培養以前に行われる。
【0105】
ある態様において、2回通過細胞の高炭酸条件下での培養は、2回通過細胞の非高炭酸条件下での培養以後に行われる。
【0106】
本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
2回通過細胞を、エリスロポイエチン、VEGF、IGF、FGF、エストロゲン、17-β-エストラジオール、エストロン、エストリオール、エストラジオール誘導体、吉草酸エストラジオール、エストラジオールシピオネート、メストラノール、キネストロール、プロゲスチン、プロゲスチンファミリー由来の分子、プロゲステロン、合成プロゲステロン、カロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、スタチン、シムバスタチン、アトロバスタチン、糖尿病治療薬、及びロシグリタゾンからなるリストより選択される少なくとも1種の物質を含む培養培地において培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法が提供される。
【0107】
本発明の態様に従い:
幹細胞を含有する組織を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞の数を、2回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させる工程;並びに
培養された細胞中の内皮前駆細胞を同定する工程;を含む、幹細胞を抽出するために使用する方法も提供される。
【0108】
ある態様において、組織の適用は、臍帯血を第一の勾配へ適用することを含む。
ある態様において、組織の適用は、胚細胞を第一の勾配へ適用することを含む。
ある態様において、組織の適用は、胎盤細胞を第一の勾配へ適用することを含む。
ある態様において、組織の適用は、胎児細胞を第一の勾配へ適用することを含む。
【0109】
ある態様において、幹細胞を、骨髄から抽出する工程を含む。
ある態様において、幹細胞の抽出を促進するために、骨髄由来の幹細胞を動員する。
ある態様において、幹細胞を、末梢血から抽出する工程を含む。
ある態様において、2回通過細胞の培養は:
2回通過細胞を、第一の容器内で、その期間の第一の部分の間培養する工程;
その期間の第一の部分の最後に、第一の容器から2回通過細胞の少なくとも一部を除去する工程;並びに
第一の容器から除去された細胞を、第二の容器において、その期間の第二の部分培養する工程;を含む。
【0110】
ある態様において、2回通過細胞の少なくとも一部の除去は、第一の容器の表面に接着する除去細胞の選択を含む。
ある態様において、2回通過細胞の少なくとも一部の除去は、第一の容器の表面に接着しない除去細胞の選択を含む。
【0111】
ある態様において、第一の容器は、その表面上に増殖促進分子を含み、並びに第一の容器内での細胞の培養は、増殖促進分子を含む第一の容器内で細胞を培養することを含む。
ある態様において、増殖促進分子は、血漿、コラーゲン、フィブロネクチン、増殖因子及び幹細胞表面受容体に対する抗体からなるリストより選択される。
【0112】
ある態様において、第二の容器は、その表面上に増殖促進分子を含み、並びに第二の容器内での細胞の培養は、増殖促進分子を含む第二の容器内で細胞を培養することを含む。
ある態様において、増殖促進分子は、血漿、コラーゲン、フィブロネクチン、増殖因子及び幹細胞表面受容体に対する抗体からなるリストより選択される。
【0113】
本発明の態様に従い、内皮前駆細胞(EPC)を、対象の末梢神経組織、対象の中枢神経組織、対象の視神経、対象の脈絡膜組織、対象の網膜組織、対象の網膜下腔、対象の角膜組織、対象の腎組織、対象の損傷した骨の組織、対象の骨折した骨の組織、対象の炎症組織、対象の感染組織、対象の挫傷した組織、皮膚の損傷、潰瘍又は創傷組織、対象の脳組織、対象の四肢の組織、皮膚移植片の組織、及び対象の再び取付けた切断された四肢の組織からなるリストより選択される対象の組織近傍又は空隙へ適用することを含む、症状を治療する方法も提供される。
【0114】
ある態様において、この方法は:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;並びに
密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞の数を、2回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させる工程;によるEPCの生成を含む。
【0115】
ある態様において、この方法は:
幹細胞を含む組織を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
2回通過細胞を、密度1.055〜1.068g/mlを有する3回通過細胞の選択に好適な第三の勾配に適用する工程;並びに
密度1.055〜1.068g/mlを有する細胞の数を、3回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させる工程;によるEPCの生成を含む。
【0116】
ある態様において、この方法は:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;並びに
2回通過細胞を、抗体を含む表面上で培養する工程;によるEPCの生成を含む。
【0117】
ある態様において、この方法は:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;並びに
2回通過細胞を、コラーゲン又はフィブロネクチン以外の増殖促進分子を含む表面上で培養する工程;によるEPCの生成を含む。
【0118】
ある態様において、この方法は:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;並びに
2回通過細胞を、最大5%血清を含む培養培地において、1〜5日の持続する期間培養する工程;によるEPCの生成を含む。
【0119】
ある態様において、この方法は:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;並びに
2回通過細胞を、10%よりも多い血清を含む培養培地において、1〜5日の持続する期間培養する工程;によるEPCの生成を含む。
【0120】
ある態様において、この方法は:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
低-血清期間中、2回通過細胞を、10%未満血清を含む培養培地において培養する工程;並びに
高-血清期間中、2回通過細胞を、10%よりも多いか又は等しい血清を含む培養培地において培養する工程;によるEPCの生成を含む。
【0121】
ある態様において、この方法は:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
少なくとも2時間持続する低酸素の期間中、2回通過細胞を、低酸素条件下で培養する工程;並びに
少なくとも1日持続する非低酸素の期間中、2回通過細胞を、非低酸素条件下で培養する工程;によるEPCの生成を含む。
【0122】
ある態様において、この方法は:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
少なくとも2時間持続する高炭酸の期間中、2回通過細胞を、高炭酸条件下で培養する工程であり、高炭酸期間が、5%を超えるCO2レベルを特徴とする工程;並びに
少なくとも1日持続する非高炭酸の期間中、2回通過細胞を、非高炭酸条件下で培養する工程であり、非高炭酸期間が、5%未満か又は等しいCO2レベルを特徴とする工程;によるEPCの生成を含む。
【0123】
ある態様において、この方法は:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;並びに
2回通過細胞を、エリスロポイエチン、エストロゲン、エストロゲン-ファミリー分子、17-β-エストラジオール、エストロン、エストリオール、エストラジオール誘導体、吉草酸エストラジオール、エストラジオールシピオネート、メストラノール、キネストロール、プロゲスチン、プロゲスチンファミリー由来の分子、プロゲステロン、合成プロゲステロン、カロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、スタチン、シムバスタチン、アトロバスタチン、糖尿病治療薬、及びロシグリタゾンからなるリストより選択される少なくとも1種の物質を含む培養培地において培養する工程;
幹細胞を含む組織を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;並びに
2回通過細胞を、3〜30日の持続する期間培養することにより、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞の数を増加させる工程;によるEPCの生成を含む。
【0124】
本発明の態様に従い:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞の数を、2回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させる工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0125】
ある態様において、前駆細胞は、内皮前駆細胞(EPC)を含み、前駆細胞の同定は、EPCの同定を含む。
【0126】
本発明の態様に従い、:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用する工程;
初回通過細胞を、各々それらの第一部分及び第二部分に分割する工程;
初回通過細胞の第一部分を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用する工程;
初回通過細胞の第二部分を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞と混合する工程;
密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞の数を、2回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させる工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0127】
ある態様において、初回通過細胞の分割は、第二部分よりも大きい第一部分の設定を含む。
【0128】
ある態様において、初回通過細胞の分割が、第二部分よりも小さい第一部分の設定を含む。
【0129】
本発明の態様に従い:
血液を、第一の所望の密度範囲を有する細胞を選択するための勾配に適用する工程;
選択された細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより第二の所望の密度範囲を有する細胞の数を増加させる工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0130】
ある態様において、血液の勾配への適用は、血液を、密度1.077g/ml未満を有する細胞を選択するのに好適な勾配へ適用することを含む。
ある態様において、血液の勾配への適用は、血液を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞を選択するのに好適な勾配へ適用することを含む。
ある態様において、細胞数の増加は、細胞を4〜8日の持続する期間培養することを含む。
ある態様において、血液の勾配への適用は、血液を、ショ糖とエピクロロヒドリンとのコポリマーを含む溶液へ適用することを含む。
【0131】
ある態様において、血液の勾配への適用は、血液を、ポリビニルピロリドン-被覆されたシリカコロイドを含む段階密度溶液へ適用することを含む。
ある態様において、血液の勾配への適用は、血液を、イオジキサノールの水溶液へ適用することを含む。
ある態様において、血液の勾配への適用は、血液を、フィコール-様勾配へ適用することを含む。
ある態様において、血液の勾配への適用は、血液を、オプティプレップ-様勾配へ適用することを含む。
ある態様において、血液の勾配への適用は、血液を、パーコール-様勾配へ適用することを含む。
【0132】
本発明の態様に従い:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用する工程;
選択された細胞を、3〜30日の持続する期間、自家血漿を含む表面上で培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0133】
本発明の態様に従い:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用する工程;
選択された細胞を、抗体を含む表面上で培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0134】
ある態様において、培養は、表面が自家血漿で被覆された場合に、表面上で細胞を培養することを含む。
【0135】
ある態様において、培養は、表面が同種血漿及び異種血漿からなるリストより選択される少なくとも1種の血漿で被覆された場合に、細表面上で胞を培養することを含む。
【0136】
本発明の態様に従い:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用する工程;
選択された細胞を、コラーゲン又はフィブロネクチン以外の増殖促進分子を含む表面上で培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0137】
ある態様において、細胞の培養は、細胞を、増殖促進分子に加え、コラーゲン及びフィブロネクチンの少なくとも1種を含む表面上で培養することを含む。
【0138】
本発明の態様に従い:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用する工程;
選択された細胞を、最大5%の血清を含む培養培地において1〜5日の持続する期間培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0139】
本発明の態様に従い:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用する工程;
選択された細胞を、10%よりも多い血清を含む培養培地において1〜5日の持続する期間培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0140】
ある態様において、細胞の培養は、細胞を20%未満の血清を含む培養培地において培養することを含む。
【0141】
本発明の態様に従い:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用する工程;
低-血清期間中に、10%未満の血清を含む培養培地において選択された細胞を培養する工程;
高-血清期間中に、10%よりも多いか又は等しい血清を含む培養培地中で選択された細胞を培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0142】
ある態様において、低-血清期間中の細胞の培養は、最大5%血清を含む培養培地において細胞を培養することを含む。
ある態様において、低-血清期間中の細胞の培養は、血清-非含有培養培地において細胞を培養することを含む。
ある態様において、低-血清期間中の細胞の培養は、1〜5日の期間細胞を培養することを含む。
ある態様において、高-血清期間中の細胞の培養は、1〜30日の期間細胞を培養することを含む。
ある態様において、低-血清期間中の細胞の培養は、高-血清期間中の細胞培養以前に行われる。
ある態様において、低-血清期間中の細胞の培養は、高-血清期間中の細胞培養以後に行われる。
【0143】
本発明の態様に従い:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用する工程;
少なくとも2時間持続する低酸素の期間中、選択された細胞を低酸素条件下で培養する工程;
少なくとも1日間持続する非低酸素の期間中、選択された細胞を非低酸素条件下で培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0144】
ある態様において、低酸素及び非低酸素期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに低酸素条件下での細胞培養は、培養期間の最初の2日間、細胞を低酸素条件下で培養することを含む。
【0145】
ある態様において、低酸素及び非低酸素期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに低酸素条件下での細胞培養は、培養期間の最後の2日間、細胞を低酸素条件下で培養することを含む。
【0146】
ある態様において、低酸素及び非低酸素期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに低酸素条件下での細胞培養は、培養期間の最初の2日及び最後の2日の間、少なくとも2時間、細胞を低酸素条件下で培養することを含む。
【0147】
ある態様において、低酸素条件下での細胞の培養は、非低酸素条件下での細胞培養以前に行われる。
【0148】
ある態様において、低酸素条件下での細胞の培養は、非低酸素条件下での細胞培養以後に行われる。
【0149】
本発明の態様に従い:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用する工程;
少なくとも2時間持続する高炭酸の期間中、選択された細胞を高炭酸条件下で培養する工程であり、高炭酸期間は、5%よりも大きいCO2レベルにより特徴付けられる工程;
少なくとも1日持続する非高炭酸の期間中、選択された細胞を非高炭酸条件下で培養し、非高炭酸期間は、5%未満か又は等しいCO2レベルにより特徴付けられる工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0150】
ある態様において、この方法は、高炭酸期間中のCO2レベルが、少なくとも6%であるように設定することを含む。
【0151】
ある態様において、高炭酸及び非-高炭酸期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに高炭酸条件下での細胞培養は、培養期間の最初の2日間、細胞を高炭酸条件下で培養することを含む。
【0152】
ある態様において、高炭酸及び非-高炭酸期間は、30日未満持続する培養期間以内であり、並びに高炭酸条件下での細胞培養は、培養期間の最後の2日間、細胞を高炭酸条件下で培養することを含む。
【0153】
ある態様において、高炭酸及び非-高炭酸期間は、30日未満持続する培養期間内であり、並びに高炭酸条件下での細胞培養は、培養期間の最初の2日及び最後の2日の間で、少なくとも2時間、細胞を高炭酸条件下で培養することを含む。
【0154】
ある態様において、高炭酸条件下での細胞の培養は、非高炭酸条件下での細胞培養以前に行われる。
【0155】
ある態様において、高炭酸条件下での細胞の培養は、非高炭酸条件下での細胞培養以後に行われる。
【0156】
本発明の態様に従い:
血液を、第一の所望の密度範囲を有する細胞の選択に好適な勾配に適用する工程;
選択された細胞を、VEGF、IGF、FGF、エリスロポイエチン、エストロゲン、エストロゲン-ファミリー分子、17-β-エストラジオール、エストロン、エストリオール、エストラジオール誘導体、吉草酸エストラジオール、エストラジオールシピオネート、メストラノール、キネストロール、プロゲスチン、プロゲスチンファミリー分子、プロゲステロン、合成プロゲステロン、カロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、スタチン、シムバスタチン、アトロバスタチン、糖尿病治療薬、及びロシグリタゾンからなるリストより選択される少なくとも1種の物質を含む培養培地において培養する工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、血液を抽出するために使用する方法も提供される。
【0157】
ある態様において、前駆細胞は、内皮前駆細胞(EPC)を含み、前駆細胞の同定は、EPCの同定を含む。
ある態様において、血液の勾配への適用は、血液を、密度1.077g/ml未満を有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む。
ある態様において、血液の勾配への適用は、血液を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む。
【0158】
本発明の態様に従い:
幹細胞を含有する組織を、第一の所望の密度範囲を有する細胞の選択に好適な勾配に適用する工程;
選択された細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより、第二の所望の密度範囲を有する細胞の数を増加させる工程;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定する工程;を含む、幹細胞を抽出するために使用する方法も提供される。
【0159】
ある態様において、組織の適用は、臍帯血の勾配への適用を含む。
ある態様において、組織の適用は、胚細胞の勾配への適用を含む。
ある態様において、組織の適用は、胎児細胞の勾配への適用を含む。
ある態様において、組織の適用は、胎盤細胞の勾配への適用を含む。
【0160】
ある態様において、方法は、幹細胞を、骨髄から抽出することを含む。
ある態様において、方法は、幹細胞の抽出を促進するために、骨髄由来の幹細胞を動員することを含む。
ある態様において、方法は、血液から幹細胞を抽出することを含む。
【0161】
ある態様において、方法は:
細胞を、第一の容器において、その期間の第一の部分の間培養する工程;
その期間の第一の部分の終了時に、第一の容器から細胞の少なくとも一部を除去する工程;並びに
第二の容器内で、その期間の第二の部分、第一の容器から除去した細胞を培養する工程;を含む、細胞を培養することを含む。
【0162】
ある態様において、この方法は、細胞の少なくとも一部の除去が、第一の容器の表面に接着する除去細胞を選択する工程を含む。
ある態様において、細胞の少なくとも一部の除去は、第一の容器の表面に接着しない除去細胞を選択する工程を含む。
ある態様において、第一の容器は、それらの表面上に増殖促進分子を含み、並びに第一の容器における細胞の培養は、増殖促進分子を含む第一の容器において細胞を培養することを含む。
ある態様において、増殖促進分子は、血漿、コラーゲン、フィブロネクチン、増殖因子及び幹細胞表面受容体に対する抗体からなるリストより選択される。
【0163】
ある態様において、第二の容器は、それらの表面上に増殖促進分子を含み、並びに第二の容器における細胞の培養は、増殖促進分子を含む第二の容器において細胞を培養することを含む。
ある態様において、増殖促進分子は、血漿、コラーゲン、フィブロネクチン、増殖因子及び幹細胞表面受容体に対する抗体からなるリストより選択される。
【0164】
態様の詳細な説明
本発明の態様に従い、内皮前駆細胞(EPC)を、ヒト末梢血から単離、分化、及び増殖する方法が提供される。EPCは典型的には、脈管新生及び/又は血管新生及び/又は新脈管化を誘導するために、患者に移植される。典型的には、フィコール(Ficoll)のような密度勾配により分離される末梢血単核細胞(PBMC)は、更に1種又は複数の他の密度勾配(例えば、パーコール(Percoll)、オプティプレップ(OptilPrep)、又はNycodenzなど)により濃縮され、その後組織培養皿に接着することが可能になる。細胞は典型的には、強化培養培地において3〜30日間増殖される。培養期間のいくつかの時点で、表現型評価のための試料が採取される。拡大された細胞は収集され、患者へ移植されるまで保存される。
【0165】
本発明の態様に従い、適宜個別に又は組合せて使用することができる、一連のプロトコールが、以下に説明される。数値は、例証のために提供され、限定のためではないことは理解されるべきである。典型的には示された各値は、示された値の25%以内である値の範囲から選択された例であるが必ずしもではない。同様に、ある工程が、高度な具体性を伴い説明されているが、当業者は、必要な変更を加え、他の工程を行うことができることを理解するであろう。
【0166】
組織培養皿コーティングのプロトコール
培養皿のような適当な容器は、EPC-増殖促進分子の1種又は組合せでコーティングされてもよい。これらの分子は、CD34、CD133、Tie-2、VEGFR-2(KDR)、CD144などの前駆体細胞表面受容体に対する抗体、又はLDL、VEGF、FGF、IGF、もしくは血小板-由来増殖因子(PDGF)などの分子を含むことができる。
【実施例】
【0167】
実施例1:自家血漿によるT-75フラスコのコーティング
20個のT-75フラスコに関して:細胞調製日に調製。
T-75フラスコ表面の血漿によるコーティングは、遠心分離された組織試料から除去された自家血漿、あるいは、Chemicon(Temecula, CA, US)から市販されている血漿など、様々な供給業者からの血漿を用いて行うことができる。
フィコールチューブの上側画分から血漿を収集する。
各フラスコへ血漿2〜5mlを充填する。
37℃で少なくとも30分間インキュベーションする。
血漿を廃棄する。
フラスコを10ml PBSにより2回洗浄する。
フラスコはそのまま使用することができる。
【0168】
実施例2:T-75フラスコの25μg/mlフィブロネクチンによるコーティング
20個のT-75フラスコに関して:(a)細胞調製日、又は(b)細胞調製の前日に調製。
PBS中25μg/mlフィブロネクチン溶液50mlを調製する。
250μlフィブロネクチン5mg/mlをPBS 50mlへ添加する。
各フラスコへフィブロネクチン25μg/mlの2〜5mlを充填する。
37℃で少なくとも30分間インキュベーションする。
フィブロネクチン溶液を収集する。
フィブロネクチン溶液は、滅菌50mlチューブ中で4℃で貯蔵される場合は、典型的には最大1週間、再使用することができる。
フラスコをPBSで2回洗浄する。
乾燥したフラスコを室温で保管する。
乾燥したフラスコは、室温(RT)で1週間保存することができる。
【0169】
実施例3:T-75フラスコのフィブロネクチン及び5μg/ml抗-CD34によるコーティング
20個のT-75フラスコに関して:(a)細胞調製日、又は(b)細胞調製の前日に調製。
実施例1に説明されたように、フラスコをフィブロネクチンによりコーティングする。
PBS中5μg/ml抗-CD34溶液25mlを調製する。
抗-CD34 1mg/mlの125μlをPBS 25mlへ添加する。
各フラスコへ抗-CD34 5μg/mlの5mlを充填する。
37℃で2時間又は4℃で一晩、インキュベーションする。
抗体溶液を除去する。
フラスコをPBSで2回洗浄する。
フラスコはそのまま使用することができる。
【0170】
細胞調製
血液バッグを上下に穏やかに反転することにより、血液を混合する。
血液をバッグから、滅菌500mlボトルへ移す。
血液をフィコール勾配に負荷する。
チューブに、血液を最大50ml充填する。
チューブを1050gで20分間、室温で回転する。
上側層からほとんどの血漿を、空の50mlチューブへ収集する。
白血球リング(例えばPBMC)画分を各チューブから収集する。
各PBMCを、PBS 15〜20mlを予め充填した新たな50mlチューブへ移す。
PBSを用い1本のチューブの容積を30mlに調節する。
チューブを、580gで15分間、室温で回転し、上清を廃棄する。
細胞ペレットを穏やかに混合し、PBS 1〜5mlに再懸濁する。
4本毎のチューブの内容物を、1個の50mlチューブにまとめ、チューブにPBSを最大50mlまで充填する。
【0171】
例えば:
(1)オプティプレップ勾配1.072g/mlの調製
1.072g/mlのオプティプレップ勾配36mlに関して
(i)0.5%ヒト又はウシ血清アルブミン、0.8% NaCl、10mM Hepes、1mM EDTA(pH7.4へ緩衝)の溶液25ml;を、(ii)10ml オプティプレップ溶液+0.5%ヒト又はウシ血清アルブミン、0.8% NaCl、10mM Hepes、1mM EDTA(pH7.4へ緩衝)溶液5mlの混合物11mlと;一緒に混合することにより、1.072g/mlの勾配を調製。
(a)先に説明された細胞調製工程からの細胞10ml;を、(b)10ml オプティプレップ溶液+0.5%ヒト又はウシ血清アルブミン、0.8% NaCl、10mM Hepes、1mM EDTA(pH7.4へ緩衝)溶液5mlの混合物10ml;と一緒に混合。
(a)及び(b)20mlの混合物を、工程(i)及び(ii)で調製した1.072g/mlのオプティプレップ勾配の表面に配置し、並びにこの表面へ、0.5%ヒト又はウシ血清アルブミン、0.8% NaCl、10mM Hepes、1mM EDTA(pH7.4へ緩衝)の1.5ml溶液を配置する。
例えば室温又は4℃での、ブレーキを使用しない、70Ogで30分間の遠心分離。
単離された細胞を、勾配と、0.5%ヒト又はウシ血清アルブミン、0.8% NaCl、10mM Hepes、1mM EDTA(pH7.4へ緩衝)の溶液の境界面から収集する。
395gで10分間、室温で遠心分離する。
上清を廃棄、及びペレットを培養培地10mlへ再懸濁する。
【0172】
(2)細胞密度1.060〜1.068g/mlのためのパーコール勾配の調製。
例えば、30ml連続パーコール勾配調製物について:50mlチューブにおいて13.5ml パーコール (Amersham)、15.0ml MEM Spinner修飾物、1.5ml 10xEarle's塩溶液を混合し、
固定角ローターを使用し、ブレーキをかけず、14000 x gで10分間遠心分離する。
ローターの外側の勾配を慎重に採取する。この勾配はすぐに使用される。
このチューブは、14000 x gでの遠心分離に耐えることができなければならない。パーコール勾配上に細胞全てを適用する。
ブレーキをかけず、400 x gで30分間遠心分離する。
濃縮されたPBMCを収集し、50mlチューブへ移す。
チューブにPBSを充填し、300 x gで10分間遠心分離する。
PBS 50ml中に再懸濁し、200 x gで10分間遠心分離する。
PBS 50ml中に再懸濁し、200 x gで10分間遠心分離する。
細胞カウントのために試料50μlを採取する。
【0173】
血清調製
血清は、患者の凝固した血漿から直接得るか(「血餅除去」血清)、又は抗凝固剤で前処理された血液から作製された血漿から調製することができる。
例えば、抗凝固剤で前処理された血液からの血清の調製に関して:
フィコールチューブ(前記細胞調製の説明参照)の上側画分から収集した血漿を採取する。
各50ml血漿に関して、凝固機構を触媒するために、0.8M CaCl22H2Oを1.2ml、又は塩化カルシウム、トロンボプラスチン、トロンビンアゴニストペプチドもしくはそれ以外などのいずれか他の化学/生物学的凝固誘導剤を添加する。
37℃で0.5〜4時間インキュベーションする。
凝固された血漿を、3500gで10分間回転する。
新たなチューブに血清を収集する。血餅が、血清と混合しないようにする。
培地調製のために収集された血清を使用するか、又は等分し、使用時まで-20℃で保存する。
【0174】
細胞カウント
4個の96ウェルプレートに、トリパンブルー(TB)50μlを各々に予め充填する。
細胞試料20μlを、1個のTB含有ウェルに移し、1:5希釈液を作製し、上下のピペッティングにより穏やかに混合する。
希釈した細胞10μlを、血球計算盤の2チャンバーの各々に負荷する。
上下チャンバーの中心25四角に存在する、透明な(生存)及び青色(死滅)細胞をカウントする。
10細胞よりも少ない数がカウントされた場合は、細胞試料50μlを、TB 50μlに移すことにより1:2希釈する。
200細胞よりも多い数がカウントされた場合は、1:5懸濁液20μlを、1個のTB-含有ウェルに移し、上下のピペッティングにより穏やかに混合することにより、1:25希釈液を作製する。
下記式に従い、各チャンバーの細胞数を計算する:
生存細胞数 x 10,000 x 希釈係数 = 生存細胞数 /ml
死滅細胞数 x 10,000 x 希釈係数 = 死滅細胞数 /ml
死滅細胞率(%)=死滅細胞数/(生存細胞数 + 死滅細胞数)x100
死滅細胞率(%)は典型的には、30%を超えてはならない。
平均細胞数を計算する。
カウント結果の記録。
最終の細胞数及び細胞収量/ml血液のまとめ。
【0175】
培地調製
必要な培地容積を計算する。
培養培地の調製。
培地は、1〜20%自家血清を含まなければならない。
培地は、下記添加剤を、0.5pg/ml〜1ng/ml、又は1ng/ml〜100μg/mlの様々な濃度で含有することができ:例えば、EPO(0.01〜10 IU/ml)、IGF(1〜100ng/ml)、FGF 10〜100ng/ml、VEGF (0.5〜20 ng/ml);ヘパリン5〜100 IU/ml;様々な分子は、それらの質量により左右され、及び望ましいモル濃度は、pg〜μgの範囲であるか、又はこれと対応するモル濃度であることができる:スタチン分子(例えば、シムバスタチン5〜500μg/ml)、糖尿病治療薬(例えば、ロシグリタゾン5〜500μg/ml)、及び/又はステロイドホルモン、例えばエストロゲン(例えば、17-β-エストラジオール(2〜2000ng/ml)及びプロゲスチン(例えば、プロゲステロン2〜2000ng/ml)、並びにそれらの組合せ。
【0176】
ステロイド型生殖器系ホルモン(例えば、エストロゲン及びプロゲスチン)は、EPC血中レベルが上昇することにより、それらの作用を発揮すると仮定されている。従って、このような分子又はそれらのいずれかの組合せの適用は、in vitroにおいて、特に末梢血由来の細胞にそれらの作用が施される場合に、前駆体の生成又はEPCへの分化の収量を増加させることができる。
【0177】
低%血清培地の例
培地100mlに関して以下が添加される:
VEGF 100μg/mlを2μl(最終濃度10μg/ml)
ヘパリン5000U/ml 100μl(最終濃度5U/ml)
自家血清5ml
血清-非含有培地94.9ml
【0178】
高%血清培地の例1
培地100mlに関して以下が添加される:
VEGF 100μg/mlを2μl(最終濃度10μg/ml)
ヘパリン5000U/ml 100μl(最終濃度5U/ml)
自家血清20ml
血清-非含有培地79.9ml
【0179】
高%血清培地の例2
培地100mlに関して以下が添加される:
VEGF 100μg/mlを5μl(最終濃度10μg/ml)
ヘパリン5000U/ml 100μl(最終濃度5U/ml)
プロゲステロン5mg/ml 4μl (最終濃度0.2μg/ml)
自家血清10ml
血清-非含有培地89.9ml
【0180】
高%血清培地の例3
培地100mlに関して以下が添加される:
VEGF 100μg/mlを5μl(最終濃度10μg/ml)
ヘパリン5000U/ml 100μl(最終濃度5U/ml)
17-β-エストラジオール0.05mg/ml 4μl (最終濃度0.002μg/ml)
自家血清10ml
血清-非含有培地89.9ml
【0181】
高%血清培地の例3
培地100mlに関して以下が添加される:
VEGF 100μg/mlを5μl(最終濃度10μg/ml)
ヘパリン5000U/ml 100μl(最終濃度5U/ml)
プロゲステロン0.05mg/ml 4μl (最終濃度0.002μg/ml)
17-β-エストラジオール0.005mg/ml 4μl (最終濃度0.0002μg/ml)
自家血清10ml
血清-非含有培地89.9ml
【0182】
高%血清培地の例4
培地100mlに関して以下が添加される:
VEGF 100μg/mlを2μl(最終濃度10μg/ml)
ヘパリン5000U/mlを100μl(最終濃度5U/ml)
シムバスタチン 570μMを330μl(最終濃度0.95μM)
自家血清10ml
血清-非含有培地89.6ml
【0183】
培養
一緒にした細胞懸濁液から細胞を分離する。
チューブを50Ogで15分間、室温で回転し、上清を廃棄する。
細胞ペレットを穏やかに混合し、細胞を5〜50x106/mlに再懸濁する。
1〜5x106細胞/mlで播種する。
フラスコを37℃、5% CO2でインキュベーションする。
細胞を低血清レベル(例えば最大5%)含む培地においてインキュベーションする。あるいは又は加えて、高(>10%)血清レベルを使用する。
本発明の態様に従い、細胞は、低-血清培地中でインキュベーションし、その後高-血清培地中でインキュベーションする。
【0184】
あるいは、細胞は、高-血清培地中でインキュベーションし、続けて低-血清培地中でインキュベーションする。
【0185】
態様に従い、(a)0.5%〜5%血清含有培地におけるインキュベーションを、高-血清培地(>10%血清)におけるインキュベーション前に実行し、並びに(b)血清-非含有培地におけるインキュベーションを、(i)0.5%〜5%血清培地中でのインキュベーション前、(ii)0.5%〜5%血清含有培地におけるインキュベーションと高-血清培地でのインキュベーションの間、及び/又は(iii)高-血清培地におけるインキュベーション後に実施する。
【0186】
あるいは、(a)0.5%〜5%血清含有培地におけるインキュベーションを、高-血清培地(>10%血清)におけるインキュベーション後に実行し、並びに(b)血清-非含有培地におけるインキュベーションを、(i)0.5%〜5%血清培地中でのインキュベーション後、(ii)高-血清培地におけるインキュベーションと0.5%〜5%血清含有培地におけるインキュベーションの間、及び/又は(iii)高-血清培地におけるインキュベーション前に実施する。
【0187】
ある態様において、低-血清培地に関して本明細書において説明された技術は、血清-非含有培地を用いて実行される。
【0188】
細胞の増加した拡大及び分化は、細胞培養物を、低酸素条件及び/又は高炭酸条件(H/H)に2〜12時間、12〜24時間、24〜36時間又は36〜48時間曝露することにより得ることができる。これは、細胞培養時の異なる時点で、1回又は複数回行われる(低酸素条件に適用された試料のプロトコールに関して以下参照)。
【0189】
本特許出願及び「特許請求の範囲」の状況において、用語高炭酸条件は、5%よりも多いCO2濃度を意味する。
【0190】
培養の最初の3日間の後、細胞を、高レベル血清(例えば>10%)を含む培地において増殖した。
培養物の形態の試験を行う。
培地の交換は、2〜3日毎に行う。
例えば、細胞がT-75フラスコ中で培養される場合:
1. 細胞を50mlチューブ中に収集する。
2. 各フラスコに新鮮な培地5mlを充填する。
3. チューブを450gで10分間、室温で回転し、上清を廃棄する。
4. 細胞ペレットを穏やかに混合し、各フラスコについて新鮮な培地5mlに細胞を再懸濁する。
5. 細胞懸濁液5mlを各フラスコに戻す。
6. 蛍光標示式細胞分取器(FACS)及び/又は免疫組織化学分析のための細胞を、数日毎(例えば、6、9、13、16、20、24及び30日目)に採取する。
7. 培養物が処理される限りは、培養物の形態を調べ記録する。
8. 手技の最初及び最後、並びに培養期間中10日毎に、無菌試験のために増殖皿から培養培地を採取する。
9. 全ての培養細胞を収集する(下記項目参照「FACS染色のための細胞の収集」)。
【0191】
適用された低酸素条件及び/又は高炭酸条件
一部の適用に関して、細胞の増加した拡大及び分化は、細胞培養物を、低酸素条件(例えば、1〜5%又は5〜15%酸素)及び/又は高炭酸条件(例えば、6〜10% CO2)に2〜48時間曝露することにより得られる。これは典型的には、細胞培養時の異なる時点で、1回又は複数回行われる。
【0192】
例えば:
培養1日目に、酸素管理したインキュベーター内でT-75 フラスコをインキュベーションする。酸素圧5%に設定及び/又はCO2濃度を5%を上回るように設定(例えば、6%〜8%、又は8%〜10%)し、これをこのレベルで6時間維持する。インキュベーターからフラスコを取り出し、培養物を試験する。細胞の試料を採取し、トリパンブルー排除法により生存度について試験する。インキュベーターの酸素圧を21%に設定し、及び/又はCO2濃度を5%に設定する。フラスコをインキュベーターへ再挿入し、その期間の残りの時間インキュベーションを継続する。この手法は、例えば、培養期間中週1回及び/又は培養終了前24、48、又は72時間以内に反復することができる。
【0193】
ある態様において、細胞は、5%未満又はこれと等しいCO2環境内で培養する前に、高炭酸条件で培養される。あるいは又は加えて、細胞は、5%未満又はこれと等しいCO2環境内で培養され、引き続き高炭酸条件で培養される。
【0194】
接着細胞及び/又は剥離細胞及び/又は浮遊細胞の再播種
例えば:
一部の適用に関して、細胞の増加した拡大及び分化は、培養培地中の新たな予め被覆された皿上に収集された細胞を再播種することにより、実現することができる。
培養の3日目又は4日目に、全ての培養された細胞を収集する(下記「FACS染色のための細胞収集」の項参照)。チューブを、450gで10分間、室温で回転する。上清を廃棄する。その後、ペレットを穏やかに混合し、細胞を、フラスコ1個につき新鮮な培地10ml中に再懸濁する。最後に、懸濁した細胞を、新たな予めコートしたT-75フラスコへ播種する。細胞の培養を継続し、本明細書に説明されたように、適宜、他の活動を全て行う(例えば、培地交換、目視検査、及び/又はフローサイトメトリー)。
この手技は、培養期間中週1回及び/又は培養終了前24、48、又は72時間以内に行うことができる。
【0195】
細胞保存
細胞は、保存培地に維持するか、又は使用するまで、例えば患者への移植するまで凍結緩衝液中で凍結することができる。
【0196】
FACS染色のための細胞収集
細胞を50mlチューブ中に収集する。
冷PBSでピペッティングすることにより、慎重にフラスコ表面を洗浄し、接着細胞を剥離する。
洗浄した接着細胞を50mlチューブに収集する。
冷PBS 5mlを添加する。
細胞スクレーパーを用い穏やかに円を描くことにより、接着細胞の剥離を維持する。
適当ならば、5ml EDTAを添加し、37℃で5分間インキュベーションする。剥離した細胞を収集し、これらをチューブに加える。
チューブを450gで5分間、室温で回転する。ペレットを2〜5ml PBS中に再懸濁する。
細胞をカウントし、カウント結果を記録する。
各操作日について、最終の細胞数及び播種した細胞の収量数をまとめる。
FACSのために細胞を当量に分ける。
【0197】
FACS染色
細胞をPBSで洗浄する。
チューブを450gで5分間、4〜8℃で回転する。
緩衝液を注傾し、及び残りを組織上に吸収することにより、上清全体を廃棄する。
細胞ペレットを穏やかに混合する。
染色試薬(染色表に従う)を添加し、細胞ペレットを混合する。
チューブを15〜30分間氷上、暗所でインキュベーションする。
細胞をPBSで洗浄する。
チューブを450gで5分間、4〜8℃で回転する。
緩衝液を注傾し、及び残りを組織上に吸収することにより、上清全体を廃棄する。
細胞ペレットを穏やかに混合する。
1本のチューブにつき0.5ml PBS (又は、チューブが1x106個未満の細胞を含む場合は、これ未満)を添加する。
凝集物が視認できる場合は、細胞懸濁液を、200μmメッシュを通して移す。
FACS装置を用い染色結果を判読する。
FACS結果をまとめ記録する。
【0198】
コロニー形成試験
1. 培養された細胞を収集する(「FACS染色のための細胞収集」の項参照)
2. M199中に50ng/ml SCF、2IU/ml EPO、5ng/ml IL-3及び25mg/ml BTI-内皮細胞増殖補因子(ECGS)を含有する強化培地0.7ml中に 100x103個細胞を懸濁する。
3. 丸底チューブへ、下記成分を添加し、穏やかに混合する;
3.1. メチルセルロース2%−1.4ml
3.2. FCS−0.9ml
3.3. 細胞懸濁液−0.7ml
4. 2個の35mmペトリ皿に混合物各3mlを播種した(各々中1.5ml)。
5. ddH2Oを予め充填した別の35mmペトリ皿を含む100mmペトリ皿中に、35mmペトリ皿の両方を配置した。
6. 37℃、5% CO2、湿度97%下でインキュベーションする。
7. 10〜14日後に、倒立顕微鏡を用いて、コロニーをスコア化する。
【0199】
管形成試験
1. ECMatrixを4℃で一晩解凍する。
2. 滅菌微量遠心チューブ中のECMatrix溶液900μlへ、10x希釈緩衝液を100μl添加する。
3. 穏やかに混合;この溶液はピペッティングしない。溶液は固化を避けて、氷上に維持する。
4.緩衝したECMatrix溶液40μlを、予め4℃で一晩冷却した96-ウェル組織培養プレートの各ウェルに移す。
5. 37℃で少なくとも1時間インキュベーションし、マトリックス溶液を固化させる。
6. 培養された細胞を収集する(「FACS染色のための細胞収集」の項参照)。
7. M199中に10%ヒト血清、25μg/ml BTI-内皮細胞増殖補因子(ECGS)及び5IU/mlヘパリンを含有する強化培地中に、0.15x106個になるよう細胞を懸濁する。
8.重合したECMatrixの表面上に1個のウェルにつき150μlの細胞懸濁液をピペッティングする。
9. 37℃、5% CO2、湿度97%下で一晩インキュベーションする。
10. 倒立顕微鏡下、倍率40X-200Xで、管形成を観察する。
【0200】
細胞特定
細胞がヒトへ移植される場合、典型的には下記の条件に合致しなければならない:
(I)細胞は一般に、あらゆる細菌又はウイルスの夾雑を含まないこと。
(II)細胞は、(a)リンパ球よりもより大きいサイズ、及び/又は(b)長い、紡錘型もしくは不規則型、及び/又は(c)顆粒状もしくは暗い核、及び/又は(d)鞭毛様構造もしくは原虫、及び/又は(e)線維芽細胞様もしくは多角形の形で、形態学的に特徴付けられること。
(III)最終的細胞懸濁液は一般に、以下の1種又は複数のマーカーを発現している細胞を少なくとも1x106個含むこと:CD31、及び/又はCD34、及び/又はCD133及び/又はCD34+CD133、及び/又はKDR、及び/又はCD34+KDR、及び/又はCD144、及び/又はvon Willebrand因子、及び/又はSH2(CD105)、及び/又はSH3、及び/又はフィブロネクチン、及び/又はコラーゲン(I、III及びIV型)、及び/又はICAM(1又は2型)、及び/又はVCAM1、及び/又はビメンチン及び/又はBMP-R IA及び/又はBMP-RII及び/又はCD44及び/又はインテグリンb1及び/又はaSM-アクチン及び/又はMUC18及び/又は酵素反応Dil-Ac-LDLに陽性。
【0201】
本発明の態様で得られた結果
実施例1. EPCの2回通過単離を、先に説明されたような、フィコール(初回通過)及びオプティプレップ(2回通過)を使用する7回の個別の実験で行った。表1の結果は、2回通過細胞におけるCD34+細胞の割合の濃縮を示している。濃縮は、2回通過後のCD34+細胞の割合を、オプティプレップを使用する初回通過後のCD34+細胞の割合により除算したものとして定義している。
【0202】
【表1】

【0203】
実施例1. 個別の実験セットにおいて、初回通過の濃縮されたEPCの、管を形成する能力は、高血清レベル(>10%自家血清又は非-自家血清)、1、2、10又は20ng/ml VEGF、及び5〜25IU/mlヘパリンを含む培地の存在下で、フィブロネクチン-コートしたT-75フラスコ上でのin-vitro増殖後の管-形成試験を用いて評価した。典型的管形成は、図1に示した。先に説明されたプロトコールを使用し、ヒト血液で実施したこれらの実験において、画像は、倒立顕微鏡(Nikon ECLPSE TS100)を使用し倍率x4及びx20で撮影した。
図1は、培養物中の初回通過EPC濃縮からの管形成試験を示す。
【0204】
実施例2. 個別の実験のセットにおいて、2回通過細胞からのEPCの濃縮を、自家血清、VEGF、b-FGF、IGF、及びヘパリンを含む培地の存在下で、フィブロネクチン-コートしたT-75フラスコ上でのin-vitro増殖後に評価した。20回の個別の実験からのフローサイトメトリー染色率の結果は、実施例2について、表2にまとめた。先に説明されたプロトコールを使用し、ヒト血液で実施したこれらの実験において、高血清レベル(>10%)及び1、2、10、又は20ng/ml VEGFを含む培地において培養した細胞のFACS染色結果は、0日目から13日目までの染色レベルにおいて以下の変化を生じた。
【0205】
【表2】

【0206】
実施例3. 個別の実験のセットにおいて、初回通過細胞からのEPCの濃縮を、自家血清、VEGF、及びヘパリンを含む培地の存在下で、フィブロネクチン-コートしたT-75フラスコ上でのin-vitro増殖後に評価した。個別の実験からのフローサイトメトリー染色率結果は、実施例3についての表にまとめた。これらの実験は、先に説明されたプロトコールを使用し、ヒト血液で実施した。インキュベーション前に、細胞は1%未満のCD34を示した。5〜20%自家血清(典型的には10%);1、2、10、又は20ng/ml VEGF及び5〜25 IU/mlヘパリンを含む培地で培養した細胞のFACS染色結果を、まとめた。以下の表面マーカーを分析した:CD45(汎-リンパ球マーカー)、幹/前駆細胞マーカーCD34及びCD117、並びに及びEPC/内皮細胞マーカーCD133、KDR(VEGF-R)、CD144、並びにDil-Ac-LDL。
【0207】
【表3】

【0208】
実施例4. 個別の実験のセットにおいて、初回通過細胞からのEPCの濃縮を、自家血清、VEGF、及びヘパリンを含む培地の存在下で、自家血漿-コートしたT-75フラスコ上でのin-vitro増殖後に評価した。17回の個別の実験からのフローサイトメトリー染色率結果は、実施例4についての表にまとめた。これらの実験は、先に説明されたプロトコールを使用し、ヒト血液で実施した。インキュベーション前に、細胞は1%未満のCD34を示した。5〜20%自家血清(典型的には10%);1、2、10、又は20ng/ml VEGF及び5〜25 IU/mlヘパリンを含む培地で培養した細胞のFACS染色結果を、まとめた。以下の表面マーカーを分析した:CD45(汎-リンパ球マーカー)、幹/前駆細胞マーカーCD34及びCD117、並びにEPC/内皮細胞マーカーCD133、及びKDR(VEGF-R)。
【0209】
【表4】

【0210】
実施例5. 個別の実験のセットにおいて、初回通過細胞からのEPCの濃縮を、自家血清、VEGF、プロゲステロン、及びヘパリンを含む培地の存在下で、自家血漿-コートしたT-75フラスコ上でのin-vitro増殖後に評価した。3回の個別の実験からのフローサイトメトリー染色率結果は、実施例5についての表にまとめた。これらの実験は、先に説明されたプロトコールを使用し、ヒト血液で実施した。インキュベーション前に、細胞は1%未満のCD34を示した。5〜20%自家血清(典型的には10%);1、2、10、又は20ng/ml VEGF、0.002〜2μg/mlプロゲステロン、及び5〜25 IU/mlヘパリンを含む培地で培養した細胞のFACS染色結果を、まとめた。以下の表面マーカーを分析した:CD45(汎-リンパ球マーカー)、幹/前駆細胞マーカーCD34及びCD117、並びにEPC/内皮細胞マーカーCD133、及びKDR(VEGF-R)。
【0211】
【表5】

【0212】
実施例 6. 個別の実験のセットにおいて、初回通過細胞からのEPCの濃縮を、自家血清、VEGF、17-β-エストラジオール、及びヘパリンを含む培地の存在下で、自家血漿-コートしたT-75フラスコ上でのin-vitro増殖後に評価した。3回の個別の実験からのフローサイトメトリー染色率結果は、実施例6についての表にまとめた。これらの実験は、先に説明されたプロトコールを使用し、ヒト血液で実施した。インキュベーション前に、細胞は1%未満のCD34を示した。5〜20%自家血清(典型的には10%);1、2、10、又は20ng/ml VEGF、0.002〜2μg/ml 17-β-エストラジオール及び5〜25 IU/mlヘパリンを含む培地で培養した細胞のFACS染色結果を、まとめた。以下の表面マーカーを分析した:CD45(汎-リンパ球マーカー)、幹/前駆細胞マーカーCD34及びCD117、並びにEPC/内皮細胞マーカーCD133、及びKDR(VEGF-R)。
【0213】
【表6】

【0214】
実施例7. 個別の実験のセットにおいて、初回通過細胞からのEPCの濃縮を、自家血清、VEGF及びヘパリンを含む培地の存在下で、血漿及び抗-CD34抗体-コートしたT-75フラスコ上でのin-vitro増殖後に評価した。2回の個別の実験からのフローサイトメトリー染色率結果は、実施例7についての表にまとめた。これらの実験は、先に説明されたプロトコールを使用し、ヒト血液で実施した。インキュベーション前に、細胞は1%未満のCD34を示した。5〜20%自家血清(典型的には10%);1、2、10、又は20ng/ml VEGF、及び5〜25 IU/mlヘパリンを含む培地で5ml自家血漿及び0.5〜10μg/ml 抗-ヒトCD34でコートしたT-75フラスコにおいて培養した細胞のFACS染色体結晶を含む、培地において培養した細胞のFACS染色結果を、まとめた。以下の表面マーカーを分析した:CD45(汎-リンパ球マーカー)、幹/前駆細胞マーカーCD34及びCD117、並びにEPC/内皮細胞マーカーCD133、及びKDR(VEGF-R)。
【0215】
【表7】

【0216】
実施例8. 個別の実験のセットにおいて、初回通過細胞からのEPCの濃縮を、自家血清、VEGF及びヘパリンを含む培地の存在下で、高%CO2の加湿した環境下での、フィブロネクチン-コートしたT-75フラスコ上でのin-vitro増殖後に評価した。3回の個別の実験からのフローサイトメトリー染色率結果は、実施例8についての表にまとめた。これらの実験は、先に説明されたプロトコールを使用し、ヒト血液で実施した。インキュベーション前に、細胞は1%未満のCD34を示した。5〜20%自家血清(典型的には10%);1、2、10、又は20ng/ml VEGF、0.002-2μg/ml 17-β-エストラジオール及び5〜25 IU/mlヘパリンで、37℃、6.5〜12.5% CO2及び97%湿度でのインキュベーションが提供された。以下の表面マーカーを分析した:CD45(汎-リンパ球マーカー)、幹/前駆細胞マーカーCD34、並びにEPC/内皮細胞マーカーCD133。
【0217】
【表8】

【0218】
身体組織への血液供給の完全な又は部分的喪失(虚血)は、多くの疾患において、原因として又は疾患の転帰の原因となる中間段階いずれかとしての共通の機構である。供給におけるこの欠損は、罹患組織の進行性の機能不全発生、栄養素、主に酸素の枯渇、更にはCO2のような代謝産物の蓄積から生じる病理過程の開始につながる。これらの過程が重篤であるならば、これらは事実上細胞及び組織の死滅に繋がる。
【0219】
損なわれた血液供給を増大又は代換するための新規血管形成の誘導は、罹患した組織又は臓器の機能の回復、並びに罹患した細胞の死滅の予防に繋がる。心臓の機能を回復し及び更なる損傷を防ぐために、枯渇した臓器への血液供給の回復の原理が、心臓専門医により実践される(例えば、冠血管移植手術及びバルーン血管形成術)。
【0220】
この侵襲的方法は一般に、大きい及び中間サイズの血管が閉塞した場合にのみ可能である。しかし脈管化の減少に関連した多くの疾患において、閉塞は、この種の介入適用できない小さい血管において生じる。
【0221】
本発明の態様において、虚血組織へ直接、又は虚血組織の近傍の開存している血管のいずれかへ注射される自家又は非-自家内皮前駆体/幹細胞を使用し、枯渇した臓器において新規血管を形成することにより、欠損した脈管化を増大又は交換するために、血液-枯渇した臓器又は組織へ、EPCが供給される。このような脈管構造作製の成功は、一般に機能を回復し、更なる損傷を防止し、血液供給枯渇に随伴する病理過程の形成を未然に防ぎ、及び/又は罹患臓器における細胞死を回避する。更に場合によっては、臓器のある領域での制御された血管形成は、他の領域の病的脈管化を減少する。
【0222】
本発明の態様において、EPCの臓器又は組織への供給は、以下の虚血に関連した症状の1種又は複数を治療する。結果としての損なわれた血液供給の改善は、一般に部分的もしくは完全にその疾患を治癒するか、又はその症状の進行の停止もしくは遅延に繋がる。
・緑内障。本疾患は、視神経乳頭の虚血に関連した視神経繊維の進行性死滅からなる。視神経乳頭の脈管構造の回復につながる治療は、一般に、本疾患の進行を停止し、並びに視神経機能の一部を回復する(それらの軸索は神経乳頭部で損なわれているにもかかわらず、その視神経線維の少なくとも一部において細胞体がまだ死んでいない)。本発明の態様において、EPCの視神経乳頭及び/又はその周囲への注射は、一般に、所望の脈管構造の誘導に作用する(前記Flammera Jらの論文参照)。
【0223】
・加齢黄斑変性。本疾患は、その代謝必要物を網膜の外側層へ供給する血管組織である、脈絡膜の循環のかく乱に関連している。これらのかく乱は、網膜を損ない、その進行性の死滅に繋がり、結果的にその視覚機能の低下を伴う。本発明の態様において、EPCの脈絡膜への注射は一般に、この疾患過程を停止し、及び失明を防止する(前記Zarbin MAの論文参照)。
【0224】
・糖尿病性網膜症。本疾患は、網膜での局所的虚血、その結果の視力を損なう浮腫に繋がる小血管の疾患である。新規脈管化が生じるにもかかわらず、これは虚血の結果として生じ、及び正確な視力に最も重要な領域−黄斑に生じ、これにより視力が損なわれる。本発明の態様において、黄斑に隣接するがその内部ではない領域へのEPC投与による血管増殖の制御された誘導は、黄斑領域での血管増殖及び浮腫形成を低下もしくは排除する。このEPC-誘導した血管増殖の制御された誘導は、典型的には、黄斑領域の脈管化のための網膜の必要性を不要にするのに十分な血液を網膜に供給する。(前記Frank RNの論文、及び前記Singleton JRらの論文参照)。
【0225】
・糖尿病性腎症。本疾患は、腎臓血管のアテローム硬化性閉塞及び腎臓の血液-濾過構造の破壊、従って腎不全に関連しており、これは透析が必要である。本発明の態様において、EPCの腎臓への注射による、代換血管の誘導は、この過程を停止する。(前記Bahlmann FHらの論文(2004)参照)。
【0226】
・骨の偽癒着。外傷及び手術後のこの発生は、通常骨折/罹患した骨の外科的切開領域の不充分な血液供給の結果である。本発明の態様において、骨折/罹患した骨の外科的切開領域へのEPCの局所的適用は、脈管化を回復し、病巣の治癒を可能にする。
【0227】
・慢性皮膚潰瘍。これらの病巣は、皮膚の関連領域への損なわれた血液供給の結果である。本発明の態様において、慢性皮膚潰瘍へのEPCの局所的適用は、血液供給を回復し、一般に創傷治癒に繋がる。
【0228】
・脳卒中後の血管性痴呆。本症状は、脳の血管の進行性不可逆性閉塞の結果である。本発明の態様において、EPCの脳への供給は、損なわれた循環の少なくとも一部を回復し、その結果脳機能を回復し、及び/又は脳機能の悪化を遅延する。
【0229】
・糖尿病性血管症。手足の小血管の進行性閉塞は、外科的切断の一般的原因である。本発明の態様において、このような切断は、EPCの局所的注射による罹患した四肢への循環の回復により防止される。
【0230】
全ての移植組織のように、皮膚移植片の生存は、血液供給により左右される(例えば前記Greenfieldにより編集された著書、及び前記Kouwenhoven EAらの論文を参照)。遊離移植片及び皮膚弁の両方は、不適切な脈管化のために、失敗することがある。遊離移植片は、床内で適切に脈管化する必要があり、並びに弁は、局所的吻合連結が確立されるまで、それ自身の血液供給を継続する必要がある(例えば前記Browne EZら、Chenら、及びBeatriceらの論文を参照)。このことは、人工皮膚により作製された移植組織についても当てはまる(例えば前記Ferrettiらの論文参照)。これらの場合において、良好な脈管化は、移植片の最適な再神経支配の前提条件である。
【0231】
本発明の態様において、脈管化は、皮膚移植片のEPC播種により誘導される。このようなEPC-誘導した脈管化は一般に、皮膚移植片の生存の可能性を増加させる。一部の適用に関して、このEPC播種技術は、前記Schechnerらの論文に説明された内皮細胞移植技術と組合せて、変更を加えて使用される。
【0232】
本発明の態様において、脈管化は、切断された四肢の再付着時の、付着部位へのEPC播種により誘導される。このようなEPC播種は、一般に、再付着した四肢への微小循環の回復を補助する。
【0233】
先に説明された適応症は、EPCの治療的用途の単なる例であることを注意しなければならない。他の本発明の態様において、血液循環が損なわれている他の症状が、血管が不充分又は存在しない場所への、EPCの適切な適用により治療される。
【0234】
心臓患者への投与前の幹細胞集団の増加に関して本明細書に説明された技術も、前述のいずれかの症状を伴う患者での使用に適用することができることも注意しなければならない。
【0235】
本発明の態様は、下記の特許仮出願の一方又は両方において説明された技術の実践を含む(任意に本明細書に説明された技術と組合わせて):
(a)2004年6月1日に出願された米国特許仮出願第60/576,266号「In vitro techniques for use with stem cells」、並びに
(b)2004年7月15日に出願された米国特許仮出願第60/588,520号「Indications for stem cell use」。
これらの両出願は、本特許出願の譲渡人に譲渡されており、本明細書に参照として組入れられている。
【0236】
初回通過細胞から濃縮されたEPCの安全性及び有効性は、現在進行中の臨床試験において評価された。これらの実験は、先に説明されたプロトコールを使用し、患者の自家血液により実行された。
【0237】
最大薬物療法を受ける重篤な狭心症に罹患した患者16名が、本臨床試験に登録し、これはTheraVitaeで開始され、本発明の態様に従い実行された。患者は、通常心臓血管系臨床試験において行われるように、最大6ヶ月間経過観察した。各患者は、自分自身の管理を継続し、治療後の症状を、治療前の症状と比較する。少なくとも3ヶ月間経過観察した最初の10名の患者の結果の一部を、以下に示す。ここに示された結果は、完全ではなく、及びデータの完全な解析は、本臨床試験の完了時に行われるであろうということは強調されなければならない。
【0238】
安全性−治療は、高い安全性プロファイルを示している。限定された数の患者が、本治療と恐らく関連ありと定義された軽い有害事象を生じた(上昇した赤血球沈降速度、血管造影時の胸部痛)。これらの所見は、患者の臨床的症状に影響を及ぼすことなく、短期間で消失した。
【0239】
有効性(表1、2及び3参照)−患者全員の全身の臨床的症状は、「狭心症に関するカナダ循環器学会の等級化(CCS)」の改善により示されるように、改善し、より良い運動能を示した。患者は全員、心臓の症状を伴わずに歩行能を改善した。この所見は、推定作業負荷の増加、セスタミビスキャンにより行われる運動能の主観的評価によっても裏付けられる。両方の結果は、高い統計学的有意性を示している。
【0240】
【表9】

【0241】
【表10】

【0242】
【表11】

【0243】
ある態様において、本明細書のいずれかの「特許請求の範囲」に列記された技術により作製されたEPCは、ヒト又は動物へ投与される。
【0244】
ある態様において、本明細書のいずれかの「特許請求の範囲」に列記された技術により作製されたEPCは、血管及び/もしくは心臓障害の治療、又は加齢の治療、又は全身性障害の治療、又は複数の全身性障害の治療に使用される。
一部の適用に関して、本明細書に説明された技術は、動物組織に適用される。
【0245】
当業者には、本発明は、ここで先に具体的に示され及び説明されたものに限定されないことは理解されるであろう。むしろ本発明の範囲は、先に説明された様々な特徴の組合せ及び部分組合せ、更には当業者らが前記説明を読む際に生じるような、先行技術にはないそれらの変更及び修飾の両方を含む。
【図面の簡単な説明】
【0246】
【図1】図1は、培養物中の初回通過EPC濃縮からの管形成試験を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞数を、2回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させ;及び
培養された細胞中の内皮前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項2】
血液の第一の勾配への適用が、血液を、ショ糖とエピクロロヒドリンとのコポリマーを含有する溶液に適用することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
初回通過細胞の第二の勾配への適用が、初回通過細胞をイオジキサノール水溶液に適用することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
初回通過細胞の第二の勾配への適用が、初回通過細胞をポリビニルピロリドン-被覆されたシリカコロイドを含む段階密度溶液に適用することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
血液細胞の第一の勾配への適用が、血液細胞をフィコール(Ficoll)-様勾配に適用することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
初回通過細胞の第二の勾配への適用が、初回通過細胞をオプティプレップ(OptilPrep)-様勾配に適用することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
初回通過細胞の第二の勾配への適用が、初回通過細胞をパーコール(Percoll)-様勾配に適用することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
幹細胞を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
幹細胞を含む組織を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配へ適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配へ適用し;
2回通過細胞を、密度1.055〜1.068g/mlを有する3回通過細胞の選択に好適な第三の勾配へ適用し;
密度1.055〜1.068g/mlを有する細胞数を、3回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させ;及び
培養された細胞中の内皮前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項9】
前記の第三の勾配が、密度1.059〜1.068g/mlを有する細胞の選択に適し、及びここで前記の2回通過細胞の第三の勾配への適用が、密度1.059〜1.068g/mlを有する細胞を選択することを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
血漿を含む表面上で2回通過細胞を培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項11】
前記培養が、表面が自家血漿で被覆された時に、表面上で2回通過細胞を培養することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記培養が、表面が同種血漿及び異種血漿からなる群から選択される少なくとも1種の血漿で被覆された時に、表面上で2回通過細胞を培養することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
血漿を含む表面上で組織を培養するステップを含む、組織と共に使用する方法。
【請求項14】
前記組織が、血液を含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記血漿が、自家血漿を含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
抗体を含有する表面上で2回通過細胞を培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項17】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記培養が、表面が自家血漿で被覆された時に、表面上で2回通過細胞を培養することを含む、請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記培養が、表面が同種血漿及び異種血漿からなるリストより選択される少なくとも1種の血漿で被覆された時に、表面上で2回通過細胞を培養することを含む、請求項16記載の方法。
【請求項20】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
コラーゲン又はフィブロネクチン以外の増殖促進分子を含有する表面上で2回通過細胞を培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項21】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
2回通過細胞の培養が、前記増殖促進分子に加え、コラーゲン及びフィブロネクチンの少なくとも1種を含む表面上で、2回通過細胞を培養することを含む、請求項20記載の方法。
【請求項23】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
2回通過細胞を、最大5%血清を含む培養培地において、1〜5日の持続する期間培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項24】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定が、EPCの同定を含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
2回通過細胞を、10%を超える血清を含む培養培地において、1〜5日の持続する期間培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項26】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
2回通過細胞の培養が、20%未満の血清を含む培養培地において、2回通過細胞を培養する工程を含む、請求項25記載の方法。
【請求項28】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
低-血清期間中に、2回通過細胞を、10%未満の血清を含む培養培地において培養し;
高-血清期間中に、2回通過細胞を、10%以上の血清を含む培養培地において培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項29】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
低-血清期間中の2回通過細胞の培養が、2回通過細胞の、最大5%の血清を含む培養培地における培養を含む、請求項28記載の方法。
【請求項31】
低-血清期間中の2回通過細胞の培養が、2回通過細胞の、無血清培養培地における培養を含む、請求項28記載の方法。
【請求項32】
低-血清期間中の2回通過細胞の培養が、2回通過細胞の、1〜5日間の培養を含む、請求項28記載の方法。
【請求項33】
高-血清期間中の2回通過細胞の培養が、2回通過細胞の、1〜30日間の培養を含む、請求項28記載の方法。
【請求項34】
低-血清期間の2回通過細胞の培養が、高-血清期間の2回通過細胞の培養前に行われる、請求項28記載の方法。
【請求項35】
低-血清期間の2回通過細胞の培養が、高-血清期間の2回通過細胞の培養後に行われる、請求項28記載の方法。
【請求項36】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
少なくとも2時間持続する低酸素期間中、2回通過細胞を低酸素条件下で培養し;
少なくとも1日持続する非低酸素期間中、2回通過細胞を非低酸素条件下で培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項37】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定が、EPCの同定を含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
低酸素及び非低酸素期間が、30日未満持続する培養期間以内であり、そして2回通過細胞の低酸素条件下での培養が、培養期間の最初の2日間、2回通過細胞を低酸素条件で培養することを含む、請求項36記載の方法。
【請求項39】
低酸素及び非低酸素期間が、30日未満持続する培養期間以内であり、そして2回通過細胞の低酸素条件下での培養が、培養期間の最後の2日間、2回通過細胞を低酸素条件で培養することを含む、請求項36記載の方法。
【請求項40】
低酸素及び非低酸素期間が、30日未満持続する培養期間以内であり、そして2回通過細胞の低酸素条件下での培養が、培養期間の最初の2日間と最後の2日間の間で少なくとも2時間、2回通過細胞を低酸素条件で培養することを含む、請求項36記載の方法。
【請求項41】
2回通過細胞の低酸素条件下での培養が、2回通過細胞の非低酸素条件下での培養以前に行われる、請求項36記載の方法。
【請求項42】
2回通過細胞の低酸素条件下での培養が、2回通過細胞の非低酸素条件下での培養以後に行われる、請求項36記載の方法。
【請求項43】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
第一の所望の密度範囲を有する細胞を選択するために、血液を勾配に適用し;
選択された細胞を、エストロゲンを含む培地、及び引き続きプロゲスチンを含む培地において培養することにより、第二の所望の密度範囲を有する細胞数を増加させ;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項44】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
第一の所望の密度範囲を有する細胞を選択するために、血液を勾配に適用し;
選択された細胞を、プロゲスチンを含む培地、及び引き続きエストロゲンを含む培地において培養することにより、第二の所望の密度範囲を有する細胞数を増加させ;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項45】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
第一の所望の密度範囲を有する細胞を選択するために、血液を勾配に適用し;
選択された細胞を、エストロゲン及びプロゲスチンを含む培地において培養することにより、第二の所望の密度範囲を有する細胞数を増加させ;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項46】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項43〜45のいずれか1項記載の方法。
【請求項47】
前記プロゲスチンが、プロゲステロンを含む、請求項43〜45のいずれか1項記載の方法。
【請求項48】
前記エストロゲンが、エストラジオールを含む、請求項43〜45のいずれか1項記載の方法。
【請求項49】
前記培養が、3〜30日の持続する期間培養することを含む、請求項43〜45のいずれか1項記載の方法。
【請求項50】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
少なくとも2時間持続する高炭酸期間、2回通過細胞を高炭酸条件下で培養し、この高炭酸期間が、5%よりも高いCO2レベルで特徴付けられ;
少なくとも1日間持続する非高炭酸の期間、2回通過細胞を非高炭酸条件下で培養し、この非高炭酸期間が、5%以下のCO2レベルで特徴付けられ;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項51】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項50記載の方法。
【請求項52】
高炭酸期間のCO2レベルを少なくとも6%であるように設定することを含む、請求項50記載の方法。
【請求項53】
高炭酸及び非高炭酸期間が、30日未満持続する培養期間以内であり、そして2回通過細胞の高炭酸条件下での培養が、培養期間の最初の2日間、2回通過細胞を高炭酸条件で培養することを含む、請求項50記載の方法。
【請求項54】
高炭酸及び非高炭酸期間が、30日未満持続する培養期間以内であり、そして2回通過細胞の高炭酸条件下での培養が、培養期間の最後の2日間、2回通過細胞を高炭酸条件で培養することを含む、請求項50記載の方法。
【請求項55】
高炭酸及び非高炭酸期間が、30日未満持続する培養期間以内であり、そして2回通過細胞の高炭酸条件下での培養が、培養期間の最初の2日間及び最後の2日間の間で少なくとも2時間、2回通過細胞を高炭酸条件で培養することを含む、請求項50記載の方法。
【請求項56】
2回通過細胞の高炭酸条件下での培養が、2回通過細胞の非高炭酸条件下での培養以前に行われる、請求項50記載の方法。
【請求項57】
2回通過細胞の高炭酸条件下での培養が、2回通過細胞の非高炭酸条件下での培養以後に行われる、請求項50記載の方法。
【請求項58】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
2回通過細胞を、エリスロポイエチン、VEGF、IGF、FGF、エストロゲン、17-β-エストラジオール、エストロン、エストリオール、エストラジオール誘導体、吉草酸エストラジオール、エストラジオールシピオネート、メストラノール、キネストロール、プロゲスチン、プロゲスチンファミリー由来の分子、プロゲステロン、合成プロゲステロン、カロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、スタチン、シムバスタチン、アトロバスタチン、糖尿病治療薬、及びロシグリタゾンからなるリストより選択される少なくとも1種の物質を含む培養培地において培養し;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項59】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項58記載の方法。
【請求項60】
幹細胞を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
幹細胞を含有する組織を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞数を、2回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させ;及び
培養された細胞中の内皮前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項61】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項60記載の方法。
【請求項62】
前記組織の適用が、臍帯血を第一の勾配へ適用することを含む、請求項60記載の方法。
【請求項63】
前記組織の適用が、胚細胞を第一の勾配へ適用することを含む、請求項60記載の方法。
【請求項64】
前記組織の適用が、胎盤細胞を第一の勾配へ適用することを含む、請求項60記載の方法。
【請求項65】
前記組織の適用が、胎児細胞を第一の勾配へ適用することを含む、請求項60記載の方法。
【請求項66】
幹細胞を、骨髄から抽出する工程を含む、請求項60記載の方法。
【請求項67】
幹細胞の抽出を促進するために、骨髄由来の幹細胞を動員することを含む、請求項60記載の方法。
【請求項68】
幹細胞を、末梢血から抽出する工程を含む、請求項60記載の方法。
【請求項69】
2回通過細胞の培養が以下のステップ:
2回通過細胞を、第一の容器内で、その期間の第一の部の間培養し;
その期間の第一の部分の最後に、第一の容器から2回通過細胞の少なくとも一部を除去し;及び
第一の容器から除去された細胞を、第二の容器において、その期間の第二の部分中培養すること
を含む、請求項60記載の方法。
【請求項70】
2回通過細胞の少なくとも一部の除去が、第一の容器の表面に接着する除去細胞の選択を含む、請求項69記載の方法。
【請求項71】
2回通過細胞の少なくとも一部の除去が、第一の容器の表面に接着しない除去細胞の選択を含む、請求項69記載の方法。
【請求項72】
第一の容器が、その表面上に増殖促進分子を含み、そして第一の容器内での細胞の培養が、増殖促進分子を含む第一の容器内で細胞を培養することを含む、請求項69記載の方法。
【請求項73】
前記増殖促進分子が、血漿、コラーゲン、フィブロネクチン、増殖因子及び幹細胞表面受容体に対する抗体からなるリストより選択される、請求項72記載の方法。
【請求項74】
前記第二の容器が、その表面上に増殖促進分子を含み、そして第二の容器内での細胞の培養が、増殖促進分子を含む第二の容器内で細胞を培養することを含む、請求項69記載の方法。
【請求項75】
前記増殖促進分子が、血漿、コラーゲン、フィブロネクチン、増殖因子及び幹細胞表面受容体に対する抗体からなるリストより選択される、請求項74記載の方法。
【請求項76】
症状を治療する方法であって:
内皮前駆細胞(EPC)を、対象の末梢神経組織、対象の中枢神経組織、対象の視神経、対象の脈絡膜組織、対象の網膜組織、対象の網膜下腔、対象の角膜組織、対象の腎組織、対象の損傷した骨の組織、対象の骨折した骨の組織、対象の炎症組織、対象の感染組織、対象の挫傷した組織、皮膚の損傷、潰瘍又は創傷組織、対象の脳組織、対象の四肢の組織、皮膚移植片の組織、及び対象の再び取付けた切断された四肢の組織からなるリストより選択される対象の組織近傍又は空隙へ適用するステップ
を含む、前記方法。
【請求項77】
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;及び
密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞数を、2回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させること
により、EPCを生成させるステップを含む、請求項76記載の方法。
【請求項78】
幹細胞を含む組織を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
2回通過細胞を、密度1.055〜1.068g/mlを有する3回通過細胞の選択に好適な第三の勾配に適用し;及び
密度1.055〜1.068g/mlを有する細の数を、3回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させること
により、EPCを生成させるステップを含む、請求項76記載の方法。
【請求項79】
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し、
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;及び
2回通過細胞を、抗体を含む表面上で培養すること
により、EPCを生成させるステップを含む、請求項76記載の方法。
【請求項80】
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;及び
2回通過細胞を、コラーゲン又はフィブロネクチン以外の増殖促進分子を含む表面上で培養すること
により、EPCを生成させるステップを含む、請求項76記載の方法。
【請求項81】
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;及び
2回通過細胞を、最大5%血清を含む培養培地において、1〜5日の持続する期間培養すること
により、EPCを生成させるステップを含む、請求項76記載の方法。
【請求項82】
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;及び
2回通過細胞を、10%よりも多い血清を含む培養培地において、1〜5日の持続する期間培養すること
により、EPCを生成させるステップを含む、請求項76記載の方法。
【請求項83】
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
低-血清期間中、2回通過細胞を、10%未満の血清を含む培養培地において培養し;及び
高-血清期間中、2回通過細胞を、10%よりも多いか又は等しい血清を含む培養培地において培養すること
により、EPCを生成させるステップを含む、請求項76記載の方法。
【請求項84】
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
少なくとも2時間持続する低酸素期間中、2回通過細胞を、低酸素条件下で培養し;及び
少なくとも1日持続する非低酸素期間中、2回通過細胞を、非低酸素条件下で培養すること
により、EPCを生成させるステップを含む、請求項76記載の方法。
【請求項85】
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
少なくとも2時間持続する高炭酸期間中、2回通過細胞を、高炭酸条件下で培養し、高炭酸期間が、5%を超えるCO2レベルを特徴とし;及び
少なくとも1日持続する非高炭酸期間中、2回通過細胞を、非高炭酸条件下で培養し、非高炭酸期間が、5%以下のCO2レベルを特徴とすること
により、EPCを生成させるステップを含む、請求項76記載の方法。
【請求項86】
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
2回通過細胞を、エリスロポイエチン、エストロゲン、エストロゲン-ファミリー分子、17-β-エストラジオール、エストロン、エストリオール、エストラジオール誘導体、吉草酸エストラジオール、エストラジオールシピオネート、メストラノール、キネストロール、プロゲスチン、プロゲスチンファミリー分子、プロゲステロン、合成プロゲステロン、カロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、スタチン、シムバスタチン、アトロバスタチン、糖尿病治療薬、及びロシグリタゾンからなるリストより選択される少なくとも1種の物質を含む培養培地において培養し;
幹細胞を含む組織を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;並びに
2回通過細胞を、3〜30日の持続する期間培養することにより、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞数を増加させること
により、EPCを生成させるステップを含む、請求項76記載の方法。
【請求項87】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞数を、2回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させ;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項88】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項87記載の方法。
【請求項89】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、密度1.077g/ml未満を有する初回通過細胞の選択に好適な第一の勾配に適用し;
初回通過細胞を、各々それらの第一部分及び第二部分に分割し;
初回通過細胞の第一部分を、密度1.055〜1.074g/mlを有する2回通過細胞の選択に好適な第二の勾配に適用し;
初回通過細胞の第二部分を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞と混合し;
密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞数を、2回通過細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより増加させ;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項90】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項89記載の方法。
【請求項91】
初回通過細胞の分割が、第一部分を、第二部分よりも大きいように設定することを含む、請求項89記載の方法。
【請求項92】
初回通過細胞の分割が、第一部分を、第二部分よりも小さいように設定することを含む、請求項89記載の方法。
【請求項93】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、第一の所望の密度範囲を有する細胞の選択のために勾配に適用し;
選択された細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより第二の所望の密度範囲を有する細胞数を増加させ;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項94】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項93記載の方法。
【請求項95】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.077g/ml未満を有する細胞を選択するのに好適な勾配へ適用することを含む、請求項93記載の方法。
【請求項96】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞を選択するのに好適な勾配へ適用することを含む、請求項93記載の方法。
【請求項97】
細胞数の増加が、細胞を4〜8日の持続する期間培養することを含む、請求項93記載の方法。
【請求項98】
血液の勾配への適用が、血液を、ショ糖とエピクロロヒドリンとのコポリマーを含む溶液へ適用することを含む、請求項93記載の方法。
【請求項99】
血液の勾配への適用が、血液を、ポリビニルピロリドン-被覆されたシリカコロイドを含む段階密度溶液へ適用することを含む、請求項93記載の方法。
【請求項100】
血液の勾配への適用が、血液を、イオジキサノールの水溶液へ適用することを含む、請求項93記載の方法。
【請求項101】
血液の勾配への適用が、血液を、フィコール-様勾配へ適用することを含む、請求項93記載の方法。
【請求項102】
血液の勾配への適用が、血液を、オプティプレップ-様勾配へ適用することを含む、請求項93記載の方法。
【請求項103】
血液の勾配への適用が、血液を、パーコール-様勾配へ適用することを含む、請求項93記載の方法。
【請求項104】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用し;
選択された細胞を、3〜30日の持続する期間、自家血漿を含む表面上で培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項105】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項104記載の方法。
【請求項106】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用し;
選択された細胞を、抗体を含む表面上で培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項107】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項106記載の方法。
【請求項108】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.077g/ml未満を有する細胞を選択するのに好適な勾配へ適用することを含む、請求項104又は106記載の方法。
【請求項109】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞を選択するのに好適な勾配へ適用することを含む、請求項104又は106記載の方法。
【請求項110】
前記培養が、表面が自家血漿で被覆された時に、表面上で細胞を培養することを含む、請求項106記載の方法。
【請求項111】
前記培養が、表面が同種血漿及び異種血漿からなるリストより選択される少なくとも1種の血漿で被覆された時に、表面上で細胞を培養することを含む、請求項106記載の方法。
【請求項112】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用し;
選択された細胞を、コラーゲン又はフィブロネクチン以外の増殖促進分子を含む表面上で培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項113】
前駆細胞が、内皮前駆細胞(EPC)を含み、前駆細胞の同定が、EPCの同定を含む、請求項112記載の方法。
【請求項114】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.077g/ml未満を有する細胞を選択するのに好適な勾配へ適用することを含む、請求項112記載の方法。
【請求項115】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞を選択するのに好適な勾配へ適用することを含む、請求項112記載の方法。
【請求項116】
細胞の培養が、細胞を、増殖促進分子に加え、コラーゲン及びフィブロネクチンの少なくとも1種を含む表面上で培養することを含む、請求項112記載の方法。
【請求項117】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用し;
選択された細胞を、最大5%の血清を含む培養培地において1〜5日の持続する期間培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項118】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項117記載の方法。
【請求項119】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.077g/ml未満を有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項117記載の方法。
【請求項120】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項117記載の方法。
【請求項121】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用し;
選択された細胞を、10%よりも多い血清を含む培養培地において1〜5日の持続する期間培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項122】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項121記載の方法。
【請求項123】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.077g/ml未満を有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項121記載の方法。
【請求項124】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項121記載の方法。
【請求項125】
細胞の培養が、細胞を20%未満の血清を含む培養培地において培養することを含む、請求項121記載の方法。
【請求項126】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用し;
低-血清期間中に、10%未満の血清を含む培養培地において選択された細胞を培養し;
高-血清期間中に、10%以上の血清を含む培養培地中で選択された細胞を培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項127】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項126記載の方法。
【請求項128】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.077g/ml未満を有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項126記載の方法。
【請求項129】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項126記載の方法。
【請求項130】
低-血清期間中の細胞の培養が、最大5%血清を含む培養培地において細胞を培養することを含む、請求項126記載の方法。
【請求項131】
低-血清期間中の細胞の培養が、血清-非含有培養培地において細胞を培養することを含む、請求項126記載の方法。
【請求項132】
低-血清期間中の細胞の培養が、1〜5日の期間細胞を培養することを含む、請求項126記載の方法。
【請求項133】
高-血清期間中の細胞の培養が、1〜30日の期間細胞を培養することを含む、請求項126記載の方法。
【請求項134】
低-血清期間中の細胞の培養が、高-血清期間中の細胞培養以前に行われる、請求項126記載の方法。
【請求項135】
低-血清期間中の細胞の培養が、高-血清期間中の細胞培養以後に行われる、請求項126記載の方法。
【請求項136】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用し;
少なくとも2時間持続する低酸素の期間中、選択された細胞を低酸素条件下で培養し;
少なくとも1日間持続する非低酸素の期間中、選択された細胞を非低酸素条件下で培養し;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項137】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項136記載の方法。
【請求項138】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.077g/ml未満を有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項136記載の方法。
【請求項139】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項136記載の方法。
【請求項140】
低酸素及び非低酸素期間が、30日未満持続する培養期間以内であり、そして低酸素条件下での細胞培養が、培養期間の最初の2日間、細胞を低酸素条件下で培養することを含む、請求項136記載の方法。
【請求項141】
低酸素及び非低酸素期間が、30日未満持続する培養期間以内であり、そして低酸素条件下での細胞培養が、培養期間の最後の2日間、細胞を低酸素条件下で培養することを含む、請求項136記載の方法。
【請求項142】
低酸素及び非低酸素期間が、30日未満持続する培養期間以内であり、そして低酸素条件下での細胞培養が、培養期間の最初の2日間及び最後の2日間の間、少なくとも2時間、細胞を低酸素条件下で培養することを含む、請求項136記載の方法。
【請求項143】
低酸素条件下での細胞の培養が、非低酸素条件下での細胞培養以前に行われる、請求項136記載の方法。
【請求項144】
低酸素条件下での細胞の培養が、非低酸素条件下での細胞培養以後に行われる、請求項136記載の方法。
【請求項145】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、所望の密度範囲を有する細胞を選択するために勾配に適用し;
少なくとも2時間持続する高炭酸期間中、選択された細胞を高炭酸条件下で培養し、高炭酸期間は、5%よりも大きいCO2レベルにより特徴付けられ;
少なくとも1日間持続する非高炭酸期間中、選択された細胞を非高炭酸条件下で培養し、高炭酸期間は、5%以下のCO2レベルにより特徴付けられ;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項146】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項145記載の方法。
【請求項147】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.077g/ml未満を有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項145記載の方法。
【請求項148】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項145記載の方法。
【請求項149】
高炭酸期間中のCO2レベルが、少なくとも6%であるように設定することを含む、請求項145記載の方法。
【請求項150】
高炭酸及び非-高炭酸期間が、30日未満持続する培養期間以内であり、そして高炭酸条件下での細胞培養が、培養期間の最初の2日間、細胞を高炭酸条件下で培養することを含む、請求項145記載の方法。
【請求項151】
高炭酸及び非-高炭酸期間が、30日未満持続する培養期間以内であり、そして高炭酸条件下での細胞培養が、培養期間の最後の2日間、細胞を高炭酸条件下で培養することを含む、請求項145記載の方法。
【請求項152】
高炭酸及び非-高炭酸期間が、30日未満持続する培養期間以内であり、そして高炭酸条件下での細胞培養が、培養期間の最初の2日間及び最後の2日間の間、少なくとも2時間、細胞を高炭酸条件下で培養することを含む、請求項145記載の方法。
【請求項153】
高炭酸条件下での細胞の培養が、非高炭酸条件下での細胞培養以前に行われる、請求項145記載の方法。
【請求項154】
高炭酸条件下での細胞の培養が、非高炭酸条件下での細胞培養以後に行われる、請求項145記載の方法。
【請求項155】
血液を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
血液を、第一の所望の密度範囲を有する細胞の選択に好適な勾配に適用し;
選択された細胞の培養培地における培養が、VEGF、IGF、FGF、エリスロポイエチン、エストロゲン、エストロゲン-ファミリー分子、17-β-エストラジオール、エストロン、エストリオール、エストラジオール誘導体、吉草酸エストラジオール、エストラジオールシピオネート、メストラノール、キネストロール、プロゲスチン、プロゲスチンファミリー分子、プロゲステロン、合成プロゲステロン、カロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、スタチン、シムバスタチン、アトロバスタチン、糖尿病治療薬、及びロシグリタゾンからなるリストより選択される少なくとも1種の物質を含む培養培地において培養し;並びに
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項156】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項155記載の方法。
【請求項157】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.077g/ml未満を有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項155記載の方法。
【請求項158】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項155記載の方法。
【請求項159】
幹細胞を抽出するために使用する方法であって、以下のステップ:
幹細胞を含有する組織を、第一の所望の密度範囲を有する細胞の選択に好適な勾配に適用し;
選択された細胞を3〜30日の持続する期間培養することにより、第二の所望の密度範囲を有する細胞数を増加させ;及び
培養された細胞中の前駆細胞を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項160】
前記前駆細胞が内皮前駆細胞(EPC)を含み、前記の前駆細胞の同定がEPCの同定を含む、請求項159記載の方法。
【請求項161】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.077g/ml未満を有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項159記載の方法。
【請求項162】
血液の勾配への適用が、血液を、密度1.055〜1.074g/mlを有する細胞を選択するのに好適な勾配に適用することを含む、請求項159記載の方法。
【請求項163】
組織の適用が、臍帯血の勾配への適用を含む、請求項159記載の方法。
【請求項164】
組織の適用が、胚細胞の勾配への適用を含む、請求項159記載の方法。
【請求項165】
組織の適用が、胎児細胞の勾配への適用を含む、請求項159記載の方法。
【請求項166】
組織の適用が、胎盤細胞の勾配への適用を含む、請求項159記載の方法。
【請求項167】
幹細胞を、骨髄から抽出することを含む、請求項159記載の方法。
【請求項168】
幹細胞の抽出を促進するために、骨髄由来の幹細胞を動員する、請求項159記載の方法。
【請求項169】
幹細胞を、血液から抽出する工程を含む、請求項159記載の方法。
【請求項170】
細胞を培養することが以下のステップ:
細胞を、第一の容器内で、その期間の第一の部分の間培養し;
その期間の第一の部分の終了時に、第一の容器から細胞の少なくとも一部を除去し;及び
第二の容器内で、その期間の第二の部分中、第一の容器から除去した細胞を培養すること
を含む、請求項159記載の方法。
【請求項171】
細胞の少なくとも一部の除去が、第一の容器の表面に接着する除去細胞を選択するステップを含む、請求項170記載の方法。
【請求項172】
細胞の少なくとも一部の除去が、第一の容器の表面に接着しない除去細胞を選択するステップを含む、請求項170記載の方法。
【請求項173】
第一の容器が、それらの表面上に増殖促進分子を含み、そして第一の容器における細胞の培養が、増殖促進分子を含む第一の容器において細胞を培養することを含む、請求項170記載の方法。
【請求項174】
前記増殖促進分子が、血漿、コラーゲン、フィブロネクチン、増殖因子及び幹細胞表面受容体に対する抗体からなるリストより選択される、請求項173記載の方法。
【請求項175】
第二の容器が、それらの表面上に増殖促進分子を含み、そして第二の容器における細胞の培養が、増殖促進分子を含む第二の容器において細胞を培養することを含む、請求項170記載の方法。
【請求項176】
前記増殖促進分子が、血漿、コラーゲン、フィブロネクチン、増殖因子及び幹細胞表面受容体に対する抗体からなるリストより選択される、請求項175記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−501011(P2008−501011A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−514327(P2007−514327)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【国際出願番号】PCT/IL2005/000571
【国際公開番号】WO2005/120090
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506399099)アイエヌ モーション インベストメント,リミティド (1)
【Fターム(参考)】