説明

広告表示システム,情報端末,および情報端末における広告表示方法

【課題】情報端末の位置に関連づけられた広告をわかりやすく表示する。
【解決手段】広告提供装置100は,位置情報と,該位置情報に関連づけられた広告情報とを,地理的因子送信手段140と広告送信手段120とにより,情報端末110に送信する。情報端末110は,送信された位置情報と,広告情報とを,地理的因子受信手段150と広告受信手段130とにより受信し,地図表示手段50および広告提示手段20により,情報端末110が備える地図情報を用いて,受信した位置情報に対応する地図の表示制御を行い,地図と受信した広告情報とを合わせて表示装置30に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,地理的因子に関連づけて広告を情報端末に表示する広告表示システムの技術に関する。
【0002】
情報端末としては,自宅やオフィスで利用されるパーソナルコンピュータ,車での移動時に利用されるカーナビゲーションシステム,出先や徒歩/バス/電車などでの移動時に利用される携帯端末や携帯電話,観光案内所や各種施設に設置される情報端末,街角やイベント会場に設置される大型ディスプレイなどが挙げられる。
【背景技術】
【0003】
近年,自宅やオフィスでパーソナルコンピュータを用いて地図を見たり,車での移動時にカーナビゲーションシステムを用いて現在地から目的地までの経路を見たり,あるいは,徒歩/バス/電車などでの移動時に携帯端末や携帯電話を用いて周辺の情報を見たりといった,場所に関係する情報の活用が盛んになってきている。
【0004】
それに伴い,例えば利用者がパーソナルコンピュータを用いてある場所の情報をアクセスしたときに,そのパーソナルコンピュータ上にその場所にある店舗の広告を表示したり,あるいは,利用者がカーナビゲーションシステムを用いてある場所に行ったときに,そのカーナビゲーションシステム上にその場所の近くにある施設の広告を表示するといった,場所に関連づけた広告の利用が注目されつつある。
【0005】
上述のように,場所や地域のような地理的因子に関連づけて広告を情報端末に提示する広告提示システムは,既に用いられている。しかしながら,提示される場所や地域に応じて広告の料金を算定するような広告提示システムは,まだ存在しない。
【0006】
また,同様に時間や季節,また曜日や平日/祝祭日などの日種別のような時間的因子に関連づけて広告を情報端末に提示する広告提示システムは,既に存在する。しかしながら,提示される時間や季節に応じて広告の料金を算定するような広告提示システムは用いられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−46193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来,場所や地域のような地理的因子または時間や季節のような時間的因子に関連づけて広告を情報端末に提示する方式は用いられていたが,一般にこれらの広告料金は,地理的因子または時間的因子に関係なく,広告を提示する回数などによって一律に定められていた。
【0009】
今後,地理的因子や時間的因子に関連づけて広告を情報端末に提示する広告の方式はますます盛んになるものと思われるが,広告の料金は,広告の効果が大きい場合には高く設定し,広告の効果が小さい場合には低く設定するというのが,広告の掲載を依頼する広告主にとっても,広告提示システムを提供する提供者にとっても望ましいと考えられる。そこで,利用者の人気や関心が高い,あるいは,広告主からの広告の掲載依頼が多い場所や地域もしくは時間や季節に関しては,広告掲載料を高くするといった,場所や地域もしくは時間や季節に応じて広告料金を設定する仕組みが必要になる。
【0010】
また,地理的因子に関連づけて広告を情報端末に表示する場合には,情報端末の位置情報に対応する地図の表示に合わせて広告を表示し,広告をわかりやすく表示することが望まれる。
【0011】
本発明は上記問題点の解決を図り,情報端末の位置に関連づけられた広告をわかりやすく表示する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は,上記課題を解決するため,広告提供装置と,情報端末とを備えた広告表示システムにおいて,前記広告提供装置は,位置情報と,該位置情報に関連づけられた広告情報とを前記情報端末に送信部で送信し,前記情報端末は,送信された前記位置情報と,前記広告情報とを受信部で受信し,前記情報端末が備える地図情報を用いて前記受信部で受信した前記位置情報に対応する地図の表示制御を行い,前記地図と,前記受信部で受信した前記広告情報とを合わせて表示部に表示することを特徴とする。
【0013】
また,本発明は,広告提供装置と,情報端末とを備えた広告表示システムにおいて,前記情報端末は,検出した前記情報端末の位置情報を前記広告提供装置に送信部で送信し,前記広告提供装置は,送信された前記情報端末の位置情報に関連づけられた広告情報を前記情報端末に送信し,前記情報端末は,送信された前記広告情報を受信部で受信し,前記情報端末が備える地図情報を用いて前記検出した前記情報端末の位置情報に対応する地図の表示制御を行い,前記地図と,前記受信部で受信した前記広告情報とを合わせて表示部に表示することを特徴とする。
【0014】
以上の各処理手段をコンピュータによって実現するためのプログラムは,コンピュータが読み取り可能な可搬媒体メモリ,半導体メモリ,ハードディスクなどの適当な記録媒体に格納することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば,利用者の人気や関心が高い,あるいは,広告主からの広告の掲載依頼が多い場所や地域あるいは時間や季節に関しては,広告掲載料を高くするといったような広告表示システムにおいて,情報端末の位置に関連づけられた広告を地図情報と合わせてわかりやすく表示することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の概要を説明するためのブロック図である。
【図2】広告の内容と広告の出力例を示す図である。
【図3】広告料金算定手段の構成例を示す図である。
【図4】基本料金算出表の例を示す図である。
【図5】顧客/広告データベースの例を示す図である。
【図6】広告料金算定手段の処理フローチャートである。
【図7】見積受付画面の例を示す図である。
【図8】見積提示/契約画面の例を示す図である。
【図9】広告提示/確認画面の例を示す図である。
【図10】広告提示/地図提示のフローチャートである。
【図11】広告料金変更のフローチャートである。
【図12】第1の例を示す図である。
【図13】第2の例を示す図である。
【図14】第3の例を示す図である。
【図15】第4の例を示す図である。
【図16】第5の例を示す図である。
【図17】第6の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は,本発明の概要を説明するためのブロック図である。広告料金算定手段10は,地理的因子または時間的因子に応じて広告料金を算定する手段である。広告提示手段20は,地理的因子または時間的因子に関連づけて広告を情報端末に提示する手段である。表示装置30は,パーソナルコンピュータ,携帯電話,カーナビゲーションシステムといった情報端末の表示装置である。
【0018】
地理的因子指定/獲得手段40は,利用者からの場所指定情報の入力やGPS(Global Positioning System) などによる情報端末が存在する位置の緯度経度情報から地理的因子の情報を取得する手段である。地図表示手段50は,地図情報を持ち,指定された場所の地図を表示装置30に表示する手段であり,表示装置30に地図を表示する必要がある場合に設けられる。利用状況獲得手段60は,広告の利用状況を獲得する手段である。また,利用者情報指定/獲得手段70は,広告の利用者情報を指定または獲得する手段である。80は広告主,90は利用者を表す。
【0019】
動作は,以下のとおりである。広告料金算定手段10は,広告主80からの広告依頼に対して,場所や地域のような地理的因子あるいは時間や季節のような時間的因子に応じて広告料金を算定する。このとき,必要に応じて利用状況獲得手段60により獲得した広告の利用状況および利用者情報指定/獲得手段70によって入力または獲得した利用者情報を,地理的因子または時間的因子とともに料金の算定に用いる。
【0020】
地理的因子指定/獲得手段40は,広告する情報端末の位置や広告内容の場所の情報を得て,広告提示手段20へ通知する。また,地図表示手段50が設けられていれば,地図表示手段50に表示すべき場所の情報を通知する。広告提示手段20は,指定された場所の情報に関連する広告を情報端末の表示装置30に提示する。必要であれば,地図表示手段50は,地図を情報端末の表示装置30に表示する。
【0021】
地理的因子の例としては,「場所」,「地点」,「経路」,「地域」などが挙げられる。
【0022】
時間的因子の例としては,「時刻」,「昼夜」,「季節」,「期間」,曜日や平日/祝祭日などの「日種別」などが挙げられる。
【0023】
広告の例としては,「店舗」,「施設」,「催し物」などの広告が挙げられる。
【0024】
情報端末の例としては,「パーソナルコンピュータ」,「カーナビゲーションシステム」,「携帯端末」,「携帯電話」,「街角端末」,ビルの壁面などに取り付けられた「大型ディスプレイ」などが挙げられる。
【0025】
利用状況の例としては「広告の閲覧回数」,「アクセス回数」などが挙げられる。
【0026】
また,利用者情報の例としては,「性別」,「年齢」,「国籍」,「職種」,「未婚/結婚」,「子供あり/なし」などが挙げられる。
【0027】
図2(A)に,広告主80から依頼された広告の内容の例を示す。広告の内容には,実際に広告する内容の情報の他に,場所などの地理的因子の情報または時間的因子の情報が含まれる。
【0028】
図2(B)は,パーソナルコンピュータなどの情報端末への広告の出力例を示す。パーソナルコンピュータなどの比較的大きい画面の表示装置30を持つ情報端末には,広告主80から依頼された広告の内容を表示するとともに,地図を表示し,地図内に広告に関連する場所が示されるようにする。
【0029】
図2(C)は,携帯電話などの表示パネルへの広告の出力例を示す。携帯電話などのように小さな表示画面しか持たない装置には,主としてテキスト情報の広告を表示する。もちろん簡略化した地図を併せて表示してもよい。
【0030】
図3は,広告料金算定手段10の構成例を示す。広告料金算定手段10は,広告主80からの広告依頼があると,場所や地域または時間や季節と広告料金を組にした表やデータベース,あるいは場所や地域または時間や季節から広告料金を算出する計算式によって,地理的因子または時間的因子に応じた広告料金を算定する。この処理のため,広告料金算定手段10は,見積受付手段11,料金算定手段12,見積提示手段13,契約受付手段14,料金変更手段15,基本料金算出表16,割引料金算出式17,顧客/広告データベース18を備える。
【0031】
図4は,基本料金算出表16の例を示す。基本料金算出表16には,例えば図4に示すように,広告の地域および時間帯ごとに,基本料金があらかじめ設定されている。
【0032】
図5は,顧客/広告データベース18の例を示す。顧客/広告データベース18には,図5に示すように,広告主80の名前,会社名,郵便番号,住所などの顧客情報と,地域,時間帯,契約期間,継続期間,広告本文,広告画像などの広告情報と,日時件数,利用者90の性別年齢などの利用者情報を含む利用状況の情報が格納される。
【0033】
図6は,広告料金算定手段10の処理フローチャート,図7は,見積受付画面の例,図8は,見積提示/契約画面の例,図9は,広告提示/確認画面の例を示す。
【0034】
図3に示す広告料金算定手段10の見積受付手段11は,図7に示すような見積受付画面を広告主80の端末に表示し,広告主80からの広告見積依頼を受け付ける(ステップS1)。見積受付の際の入力情報は,申込者情報として,名前,会社名,郵便番号,住所,電話番号,ファクシミリ番号,電子メールアドレス,ホームページを持っている場合,そのURL(Uniform Resource Locator)である。また,掲載する広告に関する情報としては,広告を掲載する地域,時間帯,掲載期間および広告の概要に関する情報である。
【0035】
次に,料金算定手段12は,図7に示す見積画面から入力された地域,時間帯などの情報を用いて,基本料金算出表16を参照し,基本料金を算出する(ステップS2)。
【0036】
算出した基本料金と,顧客/広告データベース18から検索された契約継続期間などの情報を用いて,所定の割引料金算出式17から割引料金を算出する(ステップS3)。割引料金算出式17は,例えば以下のような式である。
【0037】
〔割引料金=基本料金−総時間帯数による割引−契約継続期間による割引〕
以上の処理により広告料金を算出したならば,見積提示手段13により図8に示すような見積提示/契約受付画面を表示し,見積金額を提示する(ステップS4)。また,契約受付手段14は,見積提示/契約受付画面により,広告本文,広告する画像が格納された画像ファイル名,支払い方法などの指定を入力して契約の受付を行う(ステップS5)。
【0038】
契約受付手段14は,契約を受け付けると,図9に示すような広告提示/契約確認画面を表示し,広告の確認を行う(ステップS6)。広告提示/契約確認画面では,地図や広告内容を,実際に利用者の情報端末等に表示するイメージで表示する。確認がOKであれば,契約期間ほかの顧客情報および地域,時間帯,広告内容ほかの広告情報を,顧客/広告データベース18に記入する(ステップS7)。広告の確認がNGである場合,ステップS1の見積受付へ戻り,見積の条件を再入力する。
【0039】
図10は,図1に示すシステムにおける広告提示/地図提示のフローチャートである。地理的因子指定/獲得手段40は,利用者90に広告を提示する際に,システムの運用者または利用者90が指定した地理的因子を取得する。または,システムが自動的に地理的因子を獲得する(ステップS10)。次に,指定または獲得された地理的因子に応じてその地理的因子に関連する地図を,地図表示手段50によって情報端末の表示装置30に表示する(ステップS11)。その地図の表示とともに,指定または獲得された地理的因子に関連する広告を,広告提示手段20によって表示装置30に表示する(ステップS12)。その後,顧客/広告データベース18中の前記の広告に関する利用状況を更新する(ステップS13)。
【0040】
図11は,料金変更手段15による広告料金変更のフローチャートである。料金変更手段15は,定期的に図11に示す処理を実行する。まず,対象となる地域を設定し(ステップS20),前記の地域に属する広告の今期におけるアクセス数をカウントし,顧客/広告データベース18に記入する(ステップS21)。次に,現在の基本料金,今期アクセス数,前期アクセス数などの情報を用いて,所定の基本料金変更式から新しい基本料金を算出する(ステップS22)。基本料金変更式は,例えば次のような式である。
【0041】
〔新しい基本料金=現在の基本料金×今期アクセス数/前期アクセス数〕
基本料金算出表16の中の対象となる地域の広告に関する利用状況を更新する(ステップS23)。次に,対象となる地域が他にないかどうかを判定し,基本料金変更の対象となるすべての地域に対する処理が終了した場合には,処理を終了する(ステップS24)。まだ対象となる未処理の地域があれば,ステップS20へ戻り,同様に処理を繰り返す。
【0042】
以上の広告料金算定手段10の処理によって,場所や地域のような地理的因子あるいは時間や季節のような時間的因子に応じて広告料金を算出することが可能になる。
【0043】
次に,図12〜図17に従って,広告表示システムの具体的な例を説明する。
【0044】
〔第1の例〕
図12は,第1の例を示す図である。センタから携帯電話に広告のみを送信するような場合が,本例に相当する。すなわち,広告提供装置100は,センタに設置される装置であり,情報端末110は,小画面の表示装置30を備えた携帯電話等である。
【0045】
広告提供装置100において,広告料金算定手段10は,地理的因子,時間的因子,または地理的因子と時間的因子の両方に応じて広告の料金を算定する。広告提示手段20は,地理的因子または時間的因子に関連づけて広告を情報端末110に提示する。
【0046】
広告料金算定手段10が,地理的因子に応じて広告の料金を算定する場合の基本的な動作は,以下のとおりである。まず,広告主80は,広告とその広告を関連づける地理的因子を広告提供装置100に提示する。広告提供装置100における広告料金算定手段10は,提示された地理的因子に応じて広告料金を算定し,算定した広告料金を広告主80に提示し広告提示を受注する。広告提示手段20は,地理的因子に関連する広告を情報端末110に送信する。情報端末110は,地理的因子に関連する広告を表示装置30に表示し,利用者90に閲覧させる。地理的因子に代えて,または地理的因子とともに,時間帯などの時間的因子を用いて,広告料金を算定,広告を提示する場合も同様である。
【0047】
広告提供装置100には,さらに地理的因子指定/獲得手段40を追加することができる。地理的因子指定/獲得手段40は,地理的因子を指定または獲得する手段であり,センタで位置を指定して該当する広告を携帯電話の情報端末110に送信する場合や,PHS(Personal Handyphone System)の位置をセンタで獲得して該当する広告をPHSの情報端末110に送信する場合がある。
【0048】
広告提供装置100は,広告料金を算定して広告提示を受注する。その後,地理的因子指定/獲得手段40によって地理的因子を取得すると,広告提示手段20は,その指定または獲得された地理的因子に関連づけられた広告が存在するかどうかを調べ,存在すればその広告を情報端末110に提示する。
【0049】
また,広告提供装置100に利用状況獲得手段60を追加することできる。利用状況獲得手段60は,地理的因子,時間的因子またはその両方に関連する広告の利用状況を獲得する。利用状況獲得手段60を有するときの広告提供装置100の動作は,以下のとおりである。広告主80は,広告とその広告を関連づける地理的因子(または時間的因子)を広告提供装置100に提示する。広告料金算定手段10は,提示された地理的因子に応じて広告料金を算定し,算定した広告料金を広告主80に提示し広告提示を受注する。広告提示手段20は,地理的因子に関連づけて広告を情報端末110に送信する。情報端末110は,地理的因子に関連づけられた広告を表示装置30に表示し,利用者90に閲覧させる。利用状況獲得手段60は,前記地理的因子における広告の利用状況,すなわち広告の閲覧回数やアクセス回数を獲得する。広告料金算定手段10は,この広告の利用状況をもとに広告料金を修正する。
【0050】
さらに,広告提供装置100に利用者情報指定/獲得手段70を追加することもできる。利用者情報指定/獲得手段70は,提示される広告の利用者情報を指定する。または利用者情報指定/獲得手段70は,提示された広告の利用者情報を獲得する。広告料金算定手段10は,指定または獲得された利用者情報に応じて広告料金を修正する。
【0051】
〔第2の例〕
図13は,第2の例を示す図である。設置型端末115は,街角や施設内に設置される,いわゆるオールイン型の広告提供/提示装置である。設置型端末115は,地図情報もあらかじめ持っており,地理的因子,時間的因子またはその両方に応じて広告の料金を算定する広告料金算定手段10と,地理的因子,時間的因子またはその両方に関連づけて広告を表示装置30に提示する広告提示手段20と,地理的因子を指定または獲得する地理的因子指定/獲得手段40と,指定または獲得された地理的因子に関連づけられた地図を表示装置30に表示する地図表示手段50とを備えている。
【0052】
広告提供/提示装置である設置型端末115の動作は,以下のとおりである。まず,広告主80は,広告とその広告を関連づける地理的因子(または時間的因子)を設置型端末115に提示する。設置型端末115における広告料金算定手段10は,提示された地理的因子に応じて広告料金を算定し,算定した広告料金を広告主80に提示し広告提示を受注する。地理的因子指定/獲得手段40は,指定または獲得された地理的因子を,広告提示手段20および地図表示手段50に通知し,広告提示手段20は,地理的因子に関連づけて広告を表示装置30に表示する。また,地図表示手段50は,広告提示手段20による広告の提示とともに,該当する地図を表示装置30に表示する。利用者90は,表示装置30により地理的因子に関連づけられた広告を閲覧することができる。
【0053】
〔第3の例〕
図14は,第3の例を示す図である。本例は,いわゆるサーバ/クライアント型のシステムであり,サーバである広告提供装置100と,クライアントである情報端末110からなる。1台の広告提供装置100に対して有線または無線によるネットワークを介して多数の情報端末110の接続が可能である。情報端末110は,例えばデスクトップ型パーソナルコンピュータ,携帯型コンピュータ,PDA(Personal Digital Assistants),あるいはカーナビゲーションシステムなどの装置である。
【0054】
サーバ側の広告提供装置100は,地理的因子,時間的因子またはその両方に応じて広告の料金を算定する広告料金算定手段10と,地理的因子(または時間的因子)に関連づけられた広告をネットワークを介して情報端末110へ送信する広告送信手段120と,地理的因子を指定または獲得する地理的因子指定/獲得手段40と,指定または獲得した地理的因子をネットワークを介して情報端末110へ送信する地理的因子送信手段140とを持つ。
【0055】
クライアント側の情報端末110は,広告送信手段120から送信された広告を受信する広告受信手段130と,受信した広告を表示装置30に表示する広告提示手段20と,サーバ側から送信された地理的因子を受信する地理的因子受信手段150と,受信した地理的因子に関連づけられた地図を表示装置30に表示する地図表示手段50とを持つ。
【0056】
図14に示すシステムの動作は,以下のとおりである。広告主80は,広告とその広告を関連づける地理的因子(または時間的因子)を広告提供装置100に提示する。広告提供装置100は,広告料金算定手段10によって,提示された地理的因子等に応じて広告料金を算定し,算定した広告料金を広告主80に提示し広告提示を受注する。また,地理的因子指定/獲得手段40は,指定または獲得された地理的因子を,広告送信手段120および地理的因子送信手段140にに通知する。広告送信手段120は,指定または獲得された地理的因子に関連づけられた広告が存在すればその広告を情報端末110へ送信し,地理的因子送信手段140は,通知された地理的因子を情報端末110へ送信する。
【0057】
情報端末110では,広告提供装置100から送信された広告を,広告受信手段130によって受信し,広告提示手段20によって表示装置30に出力する。また,広告提供装置100から送信された地理的因子を,地理的因子受信手段150によって受信し,地図表示手段50は,広告提示手段20による広告の提示とともに,受信した地理的因子に該当する地図を表示装置30に表示する。利用者90は,表示装置30により地理的因子等に関連づけられた広告を閲覧することができる。
【0058】
〔第4の例〕
図15は,第4の例を示す図である。前述した第3の例では,地図情報を情報端末110が持つのに対し,第4の例では,サーバ側の広告提供装置100が地図情報を持つ。そのため,広告提供装置100は,第3の例における地理的因子送信手段140の代わりに,地理的因子指定/獲得手段40が指定または獲得した地理的因子に対応する地図情報を送信する地図送信手段145を持ち,情報端末110は,第3の例における地理的因子受信手段150の代わりに,地図受信手段155を持つ。ウェブサーバからパーソナルコンピュータに地図と広告を送信するような場合が本例に相当する。
【0059】
地理的因子指定/獲得手段40は,指定または獲得された地理的因子を広告送信手段120および地図送信手段145に通知する。広告送信手段120は,通知された地理的因子に関連づけられた広告が存在すればその広告を情報端末110へ送信する。一方,地図送信手段145は,広告提供装置100が持つ地図情報の中から通知された地理的因子に該当する地図を選択し,それをネットワークを介して情報端末110へ送信する。情報端末110では,地図受信手段155が地図を受信し,その地図を地図表示手段50が表示装置30に表示する。他の部分については,第3の例と同様である。
【0060】
〔第5の例〕
図16は,第5の例を示す図である。前述した第3および第4の例では,広告提供装置100が地理的因子指定/獲得手段40を持っていたのに対し,第5の例では,情報端末110が地理的因子指定/獲得手段40を持っている。また,第5の例では,情報端末110があらかじめ地図情報を持っている。センタからカーナビゲーションシステムに広告のみを送信するような場合が本例に相当する。
【0061】
地理的因子指定/獲得手段40は,利用者90が指定した場所やGPS等によって獲得した場所を示す地理的因子を,地図表示手段50に通知するともとに,地理的因子送信手段160に通知する。地図表示手段50は,通知された地理的因子が示す地図を表示装置30に表示する。また,地理的因子送信手段160は,地理的因子を広告提供装置100へネットワークを介して送信する。
【0062】
広告提供装置100では,地理的因子受信手段170によって情報端末110から送信された地理的因子を受信すると,広告送信手段120によって,その地理的因子に関連づけられた広告を検索し,該当する広告が存在すればその広告を情報端末110へ送信する。
【0063】
送信された広告は広告受信手段130が受信し,広告提示手段20は,その広告を地図表示手段50が表示する地図と併せて表示装置30に表示する。広告料金算定手段10その他の処理については,前述した第3,第4の例と同様である。
【0064】
〔第6の例〕
図17は,第6の例を示す図である。前述した第5の例との違いを説明すると,第5の例では,情報端末110が地図情報を持っているのに対し,第6の例では,広告提供装置100が地図情報を持っている。そのため,情報端末110において地理的因子指定/獲得手段40が地理的因子を入手すると,地理的因子送信手段160によって地理的因子を広告提供装置100へ送信する。
【0065】
広告提供装置100では,地理的因子受信手段170によって地理的因子を受信し,受信した地理的因子を広告送信手段120および地図送信手段145に通知する。広告送信手段120は,その地理的因子に関連づけられた広告を検索し,該当する広告が存在すればその広告を情報端末110へ送信する。また,地図送信手段145は,地理的因子に該当する地図を情報端末110へ送信する。
【0066】
情報端末110では,広告受信手段130が広告を受信し,広告提示手段20は,その広告を表示装置30に表示する。また,地図受信手段155が地図を受信し,地図表示手段50がその地図を表示装置30に表示する。広告料金算定手段10その他の処理については,前述した例と同様である。
【符号の説明】
【0067】
10 広告料金算定手段
20 広告提示手段
30 表示装置
40 地理的因子指定/獲得手段
50 地図表示手段
60 利用状況獲得手段
70 利用者情報指定/獲得手段
80 広告主
90 利用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告提供装置と,情報端末とを備えた広告表示システムにおいて,
前記広告提供装置は,
位置情報と,該位置情報に関連づけられた広告情報とを前記情報端末に送信する送信部を備え,
前記情報端末は,
送信された前記位置情報と,前記広告情報とを受信する受信部と,
前記情報端末が備える地図情報を用いて前記受信部で受信した前記位置情報に対応する地図の表示制御を行う制御部と,
前記地図と,前記受信部で受信した前記広告情報とを合わせて表示する表示部とを備えた,
ことを特徴とする広告表示システム。
【請求項2】
広告提供装置と,情報端末とを備えた広告表示システムにおいて,
前記情報端末は,
検出した前記情報端末の位置情報を前記広告提供装置に送信する送信部を備え,
前記広告提供装置は,
送信された前記情報端末の位置情報に関連づけられた広告情報を前記情報端末に送信する送信部を備え,
前記情報端末は,
送信された前記広告情報を受信する受信部と,
前記情報端末が備える地図情報を用いて前記検出した前記情報端末の位置情報に対応する地図の表示制御を行う制御部と,
前記地図と,前記受信部で受信した前記広告情報とを合わせて表示する表示部とを備えた,
ことを特徴とする広告表示システム。
【請求項3】
情報端末において,
位置情報と,該位置情報に関連付けられた広告情報とを広告提供装置から受信する受信部と,
前記情報端末が備える地図情報を用いて前記受信部で受信した前記位置情報に対応する地図の表示制御を行う制御部と,
前記地図と,前記受信部で受信した前記広告情報とを合わせて表示する表示部とを備えた,
ことを特徴とする情報端末。
【請求項4】
情報端末において,
検出した前記情報端末の位置情報を広告提供装置に送信する送信部と,
送信された前記情報端末の位置情報に関連づけられた広告情報を送信する前記広告提供装置から該広告情報を受信する受信部と,
前記情報端末が備える地図情報を用いて前記検出した前記情報端末の位置情報に対応する地図の表示制御を行う制御部と,
前記地図と,前記受信部で受信した前記広告情報とを合わせて表示する表示部とを備えた,
ことを特徴とする情報端末。
【請求項5】
情報端末における広告表示方法において,
位置情報と,該位置情報に関連付けられた広告情報とを広告提供装置から受信部で受信し,
前記情報端末が備える地図情報を用いて前記受信部で受信した位置情報に対応する地図の表示制御を行い,
前記地図と,前記受信部で受信した前記広告情報とを合わせて表示部に表示する
ことを特徴とする情報端末における広告表示方法。
【請求項6】
情報端末における広告表示方法において,
検出した前記情報端末の位置情報を広告提供装置に送信し,
送信された前記情報端末の位置情報に関連づけられた広告情報を送信する前記広告提供装置から該広告情報を受信部で受信し,
前記情報端末が備える地図情報を用いて前記検出した前記情報端末の位置情報に対応する地図の表示制御を行い,
前記地図と,前記受信部で受信した前記広告情報とを合わせて表示部に表示する
ことを特徴とする情報端末における広告表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−157251(P2010−157251A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20115(P2010−20115)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【分割の表示】特願2001−176505(P2001−176505)の分割
【原出願日】平成13年6月12日(2001.6.12)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】