広角センサーアレイモジュール、並びにそのイメージキャリブレーション方法、動作方法、及びアプリケーション
【課題】複数のイメージを組み合わせて1つの広角イメージを作成する方法、広角センサーアレイモジュールのイメージキャリブレーション方法、動作方法、及びアプリケーション提供する。
【解決手段】第1のイメージセンサーS1と、第2のイメージセンサーS2と、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の相対的な空間関係に従って得られる少なくとも1つの変換マトリクスを記憶する記憶ユニット22と、プロセッサ21とを有し、プロセッサ21は、第1のイメージ及び第2のイメージを変換マトリクスを用いて組み合わせ、合成イメージを作製する。
【解決手段】第1のイメージセンサーS1と、第2のイメージセンサーS2と、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の相対的な空間関係に従って得られる少なくとも1つの変換マトリクスを記憶する記憶ユニット22と、プロセッサ21とを有し、プロセッサ21は、第1のイメージ及び第2のイメージを変換マトリクスを用いて組み合わせ、合成イメージを作製する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年7月23日に出願された台湾特許出願第097127886号の優先権の利益を主張するものであり、その全開示事項は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(1.発明の分野)
本発明は、一般に、イメージセンサーに関し、より詳細には、広角センサーアレイモジュール、並びにそのイメージキャリブレーション方法、動作方法、及びアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の説明)
従来技術では、イメージセンサーの視野は、広角レンズ又は魚眼レンズを用いて広げることができるが、通常、これらのレンズは、コストが高い。従って、複数の一般的なイメージセンサーを組み合わせることで広い視野を作製することにより、コストを下げるという方法が提案されてきた。例えば、米国特許出願公開第2005/0025313号明細書は、「複数の狭角イメージから広角イメージを作製するためのデジタルイメージングシステム(Digital
imaging system for creating a wide‐angle image from multiple narrow angle images)」という名称の複数のイメージングデバイスを含むイメージングシステムを開示している。該イメージングデバイスは、各イメージングデバイスの視野が隣接する各イメージングデバイスの視野と重なり合うように配置される。該デジタルイメージングシステムは、さらに、各イメージングデバイスを同時に作動させ、すべてのデバイスの視野のイメージを同時に取り込むためのコントロールモジュールを含み、各イメージングデバイスから得られたイメージを合わせて、一つの広角イメージが作製される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0025313号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この方法では、複数のイメージを組み合わせて一つの広角イメージを作製する方法が重要な課題となってきた。本発明は、少なくとも1つの変換マトリクスを用いて複数のイメージを組み合わせる広角センサーアレイモジュールを提供し、ここで、変換マトリクスは、個々のイメージングデバイス間の相対的な空間関係であり、センサーアレイモジュールに予め記憶されている。さらに、イメージングデバイス間の相対的な空間関係を前もって知ることができる場合は、各イメージングデバイスの視野が、隣接する各イメージングデバイスの視野と重なり合わなくてもよく、その結果、センサーアレイモジュールの合成視野をさらに広げることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも2つの一般的なイメージセンサーを用いてセンサーアレイモジュールの視野を広げ、モジュールのコストを効果的に下げるために高価な特別のカメラレンズを使用しなくてもよい、広角センサーアレイモジュールを提供する。
【0007】
本発明は、さらに、広角センサーアレイモジュールのイメージキャリブレーション方法を提供し、該キャリブレーション方法は、少なくとも2つのイメージセンサー間の相対的な空間関係に従って少なくとも1つの変換マトリクスを前もって算出する。さらに、イメージセンサー間の相対的な空間関係がすでに分かっている場合、各イメージセンサーの視野は、全視野を広げるために、隣接する各イメージセンサーの視野と重なり合わなくてもよい。
【0008】
本発明は、さらに、広角センサーアレイモジュールの動作方法を提供し、該動作方法は、一つの広角イメージを作製するために、センサーアレイモジュールに予め記憶された変換マトリクスを用いて複数のイメージを正しく組み合わせる。
【0009】
本発明は、さらに、広角センサーアレイモジュールのアプリケーションを提供し、ここで、センサーアレイモジュールは、ポインターポジショニングシステムの視野を広げ、システムコストを削減するために、ポインターポジショニングシステムに適用される。
【0010】
本発明は、合成イメージを作製するための広角センサーアレイモジュールを提供する。この広角センサーアレイモジュールは、第1のイメージセンサー、第2のイメージセンサー、記憶ユニット、及びプロセッサを含む。第1のイメージセンサーは、第1のイメージを取りこむためのものである。第2のイメージセンサーは、第2のイメージを取りこむためのものであり、第1のイメージセンサーに対して相対的な空間関係を有する。記憶ユニットは、少なくとも1つの変換マトリクスを記憶し、ここで、該変換マトリクスは、第1のイメージセンサーと第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られる。プロセッサは、変換マトリクスを用いて第1のイメージと第2のイメージを組み合わせ、合成イメージを作製する。
【0011】
本発明のもう1つの側面によると、本発明は、第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーを含む広角センサーアレイモジュールのイメージキャリブレーション方法をさらに提供する。該イメージキャリブレーション方法は、以下のステップを含む:少なくとも3個の基準点を提供するステップであって、該基準点は基準座標系を定義し、各基準点は基準座標を有するステップ、該第1のイメージセンサーによって少なくとも3個の基準点を含む第1のイメージを取り込むステップであって、該第1のイメージは第1のイメージ座標系を定義し、該第1のイメージに含まれる各基準点は第1のイメージ座標を有するステップ、該基準座標系及び該第1のイメージ座標系に従って第1の変換マトリクスを得るステップ、該第2のイメージセンサーによって少なくとも3個の基準点を含む第2のイメージを取り込むステップであって、該第2のイメージは第2のイメージ座標系を定義し、該第2のイメージに含まれる各基準点は第2のイメージ座標を有するステップ、該基準座標系及び該第2のイメージ座標系に従って第2の変換マトリクスを得るステップ、及び該第1のイメージ及び/又は該第2のイメージを該第1の変換マトリクス及び/又は該第2の変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップ。
【0012】
本発明のもう1つの側面によると、本発明は、第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーを含む広角センサーアレイモジュールのイメージキャリブレーション方法をさらに提供する。該イメージキャリブレーション方法は、以下のステップを含む:該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係を決定するステップ、該相対的な空間関係に従って少なくとも1つの変換マトリクスを得るステップ、及び該第1のイメージセンサーによって取り込まれたイメージ及び/又は該第2のイメージセンサーによって取り込まれたイメージを該変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップ。
【0013】
本発明のもう1つの側面によると、本発明は、第1のイメージセンサーと、第2のイメージセンサーと、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られる少なくとも1つの変換マトリクスを記憶する記憶ユニットとを含む広角センサーアレイモジュールの動作方法をさらに提供する。該動作方法は、以下のステップを含む:該第1のイメージセンサーによって第3のイメージを取り込むステップ、該第2のイメージセンサーによって第4のイメージを取り込むステップ、該第3のイメージ及び/又は該第4のイメージを該変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップ、該仮想面でのオブジェクトイメージの少なくとも1つの特性パラメータを取り込むステップ、及び該特性パラメータをイメージディスプレイ又は記憶ユニットに伝送するステップ。
【0014】
本発明のもう1つの側面によると、本発明は、第1のイメージセンサーと、第2のイメージセンサーと、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られる少なくとも1つの変換マトリクスを記憶する記憶ユニットとを含む広角センサーアレイモジュールの動作方法をさらに提供する。該動作方法は、以下のステップを含む:該第1のイメージセンサーによって第3のイメージを取り込むステップ、該第3のイメージによっての第1の特性パラメータを生成するステップと、該第2のイメージセンサーによって第4のイメージを取り込むステップ、該第4のイメージによって第2の特性パラメータを生成するステップと、該第1の特性パラメータ及び該第2の特性パラメータを該変換マトリクスを用いて仮想面へ変換して、該第1の特性パラメータ及び該第2の特性パラメータを組み合わせるステップと、及び該特性パラメータをイメージディスプレイ又は記憶ユニットに伝送するステップ。
【0015】
本発明のもう1つの側面によると、本発明は、少なくとも1つの光源と、広角センサーアレイモジュールと、イメージディスプレイとを含むポインターポジショニングシステムをさらに提供する。該センサーアレイモジュールは、合成視野を有する合成イメージを作製するために用いられる。該センサーアレイモジュールは、第1のイメージを取り込むための第1のイメージセンサーと、第2のイメージを取り込むための、該第1のイメージセンサーに対して相対的な空間関係を有する第2のイメージセンサーと、変換マトリクスを記憶する、該第1のイメージと該第2のイメージを該変換マトリクスを用いて組み合わせ該合成イメージを作製する、該第一のイメージ及び/又は該第2のイメージは該光源のイメージを含み、該変換マトリクスは該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られ、該合成イメージ及び該光源のイメージに基づいて特性パラメータを生成するイメージプロセッシングユニットとを含む。該イメージディスプレイは、該センサーアレイモジュールに連結され、アプリケーションで生成された画像を表示し、該特性パラメータに基づいて該アプリケーションを制御し、かつ該画像を更新するために用いられる。
【0016】
本発明のもう1つの側面によると、本発明は、少なくとも1つの光源と、広角センサーアレイモジュールと、イメージディスプレイとを含むポインターポジショニングシステムをさらに提供する。該センサーアレイモジュールは、合成視野を有する合成イメージを作製するために用いられる。該センサーアレイモジュールは、第3のイメージを取り込むための第1のイメージセンサーと、第4のイメージを取り込むための、該第1のイメージセンサーに対して相対的な空間関係を有する第2のイメージセンサーと、該第3のイメージによって第1の特性パラメータを生成し、かつ該第4のイメージによって第2の特性パラメータを生成し、該第1の特性パラメータと該第2の特性パラメータを該変換マトリクスを用いて合成特性パラメータを作製する、該第一の特性パラメータ及び該第2の特性パラメータの少なく1つは該第3のイメージ或いは該第4のイメージでの該光源のイメージによって決められ、該変換マトリクスは該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られるイメージプロセッシングユニットと、を含む広角センサーアレイモジュールとを含む。該イメージディスプレイは、センサーアレイモジュールに連結され、アプリケーションで生成された画像を表示し、該合成特性パラメータに基づいて該アプリケーションを制御し、かつ該画像を更新するために用いられる。
【0017】
本発明の広角センサーアレイモジュール、並びにその動作方法及びアプリケーションは、キャリブレーションモードで前もって算出される少なくとも1つの変換マトリクスを用いて、実行性を高めるために、複数のイメージを組み合わせ、センサーアレイモジュールの全視野を広げる。さらに、本発明の広角センサーアレイモジュールには、特別のカメラレンズが使用されないため、トータルコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの概略図を示す。
【図1b】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの別の概略図を示す。
【図2】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの動作方法のフローチャートを示す
【図3】本発明の一つの実施形態に係る広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードを示すフローチャートを示す。
【図4a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードの動作概略図を示す。
【図4b】図4aに示す広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードの動作概略図の上面図を示す。
【図5a】基準点によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージの概略図を示す。
【図5b】第1のイメージセンサーによって定義される第1のイメージ座標系に基づく基準点イメージの概略図を示す。
【図5c】第2のイメージセンサーによって定義される第2のイメージ座標系に基づく基準点イメージの概略図を示す。
【図5d】異なる座標系間での基準点イメージの座標変換の概略図を示す。
【図6a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードの別の動作概略図を示す。キャリブレーションは、6つの基準点を用いて実施される。
【図6b】図6aに示す異なる座標系間での基準点イメージの座標変換の概略図を示す。
【図7a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードの別の動作概略図を示す。キャリブレーションは、8つの基準点を用いて実施される。
【図7b】図7aに示す異なる座標系間での基準点イメージの座標変換の概略図を示す。
【図8a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードの別の動作概略図を示す。
【図8b】図8aに示す広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードの動作概略図の上面図を示す。
【図9a】図8aに示す基準点によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージの概略図を示す。
【図9b】図8aに示す第1のイメージセンサーによって定義される第1のイメージ座標系に基づく基準点イメージの概略図を示す。
【図9c】図8aに示す第2のイメージセンサーによって定義される第2のイメージ座標系に基づく基準点イメージの概略図を示す。
【図10a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの動作モードのフローチャートを示す。
【図10b】本発明の別の実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの動作モードのフローチャートを示す。
【図11a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの動作モードのアプリケーションの概略図を示す。
【図11b】図11aに示す広角センサーアレイモジュールの第1のイメージセンサーによって取り込まれたイメージを示す。
【図11c】図11aに示す広角センサーアレイモジュールの第2のイメージセンサーによって取り込まれたイメージを示す。
【図11d】図11aに示す広角センサーアレイモジュールによって取り込まれた合成イメージを示す。
【図12】本発明の別の実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のその他の目的、効果、及び新規な特徴は、以下の詳細な説明を添付図面と照らし合わせることでより明らかとなるであろう。
【0020】
可能な限り、図面全体を通して、同一又は類似の部材を参照するために同一の参照番号が用いられることに留意されたい。
【0021】
図1a及び1bを参照すると、これらは、それぞれ、本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュール1及び1’の概略図を示す。広角センサーアレイモジュール1及び1’は、第1のイメージセンサーS1、第2のイメージセンサーS2、並びに、プロセッサ21、記憶ユニット22、及び伝送インターフェースユニット23を含むイメージプロセッシングユニット2を有する。さらに、広角センサーアレイモジュール1及び1’は、検出効率を向上させるために第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2の前面にそれぞれ配置された複数のレンズ又は一式のレンズ(図示せず)をさらに有してよい。イメージプロセッシングユニット2は、広角センサーアレイモジュール1及び1’が動作中に必要な電力を供給する電源供給ユニット(図示せず)をさらに有してよい。
【0022】
第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2の実施形態には、これらに限定されないが、CCDイメージセンサー及びCMOSイメージセンサーが含まれる。第1のイメージセンサーS1は、イメージを取り込むためのものであり、第1の視野VA1を有する。第2のイメージセンサーS2は、イメージを取り込むためのものであり、第2の視野VA2を有する。広角センサーアレイモジュール1及び1’は、合成イメージを取り込むためのものであり、合成視野VA及びVA’を有する。合成視野VA及びVA’は、第1の視野VA1と第2の視野VA2を組み合わせることによって形成される。従って、VA(VA’)≧VA1かつVA(VA’)≧VA2となる。さらに、本実施形態では、2つのイメージセンサーしか用いていないが、広角センサーアレイモジュール1及び1’は、種々のアプリケーションに応じて、2つ以上のイメージセンサーを有してもよい。
【0023】
図1aを再度参照すると、広角センサーアレイモジュール1において、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2は、互いに平行に配置されており、すなわち、第1のイメージセンサーS1の第1の視野VA1の中心法線n1と、第2のイメージセンサーS2の第2の視野VA2の中心法線n2と、合成視野VAの中心法線との間に角度差はない。第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2は、イメージプロセッシングユニット2と連結されている。イメージプロセッシングユニット2のプロセッサ21は、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージを処理するためのものであり、例えば、イメージキャリブレーション、イメージコンビネーション、特性の取り込み、歪み補償、等を実施する。記憶ユニット22は、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージ、及び/又は、プロセッサ21によって処理されたイメージ、を記憶するためのものである。記憶ユニット22は、例えば、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の空間距離、及び中心法線n1、n2、nの間の角度θ(図1aではθ=0°)等の複数のパラメータを記憶し、それにより、プロセッサ21は、それらのパラメータを用いて、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージを処理することができる。伝送インターフェースユニット23は、広角センサーアレイモジュール1及び1’によって取り込まれたイメージを、イメージディスプレイデバイス(図示せず)に伝送して表示させるか、又は記憶ユニットに伝送して記憶させる。本発明は、イメージプロセッシングユニット2を用いて第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージを処理して組み合わせ、それによって、広角センサーアレイモジュール1の合成視野VAを広げることができる。
【0024】
図1bを再度参照すると、広角センサーアレイモジュール1’は、広角センサーアレイモジュール1の別の実施形態であり、ここで、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間には角度差θ=θ1+θ2が存在し、すなわち、第1の視野VA1の中心法線n1と合成視野VAの中心法線との間の第1の角度差θ1、及び第2の視野VA2の中心法線n2と合成視野VAの中心法線との間の第2の角度差θ2が存在し、ここで、第1の角度差θ1は、第2の角度差θ2と等しい場合もあれば異なる場合もある。本実施形態では、例えば、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の空間距離、第1の角度差θ1、第2の角度差θ2、等の第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の相対的な空間関係に関する種々のパラメータ、並びに該パラメータに従って得られた変換マトリクスが、記憶ユニット22に記憶されている。プロセッサ21は、変換マトリクスを用いて仮想面を作製する。この別の実施形態でも、イメージプロセッシングユニット2は、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージを処理して組み合わせ、それによって、広角センサーアレイモジュール1’の合成視野VA’を広げることができ、VA’>VAとなる。さらに、本発明の広角センサーアレイモジュール1及び1’は、シューティングゲームでのライトガンの照準の位置決め、又はポインティングデバイスの位置決め等、ポインターポジショニングシステムに適用することができ、それによって、ポインターポジショニングシステムの視野の制限を低減することができる。
【0025】
図2を参照すると、これは、本発明の一実施形態の広角センサーアレイモジュール1及び1’の動作方法のフローチャートを示しており、該動作方法には、キャリブレーションモード31及び動作モード32が含まれる。キャリブレーションモード31は、センサーアレイモジュール1及び1’が工場から出荷される前、又は最初の使用時に実施され、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の相対的な空間関係に関する種々のパラメータを取得し、該パラメータに従って2つのイメージ間の変換マトリクスを得、また仮想面を得る。動作モード32は、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージを仮想面へ変換する工程と、取り込まれたイメージのオブジェクト特性を取り込む工程とを含む。キャリブレーションモード31及び動作モード32の詳細な説明を以下の段落で示す。
【0026】
図3を参照すると、これは、本発明の一実施形態に係るキャリブレーションモード31のフローチャートを示しており、キャリブレーションモード31は、以下に示すステップを含む。
−第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーの視野内に少なくとも3つの基準点を提供するステップ(ステップ310)。該基準点は、基準座標系を定義する。
−第1のイメージセンサーで第1のイメージを取り込み、それによって第1のイメージ座標系を定義するステップ(ステップ3111)。
−第1のイメージ内の基準点のイメージ座標を得るステップ(ステップ3112)。
−基準座標系と第1のイメージ座標系との間の相対的な空間関係に従って第1の変換マトリクスを得るステップ(ステップ3113)。
−第2のイメージセンサーで第2のイメージを取り込み、それによって第2のイメージ座標系を定義するステップ(ステップ3121)。
−第2のイメージ内の基準点のイメージ座標を得るステップ(ステップ3122)。
−基準座標系と第2のイメージ座標系との間の相対的な空間関係に従って第2の変換マトリクスを得るステップ(ステップ3123)。
−第1の変換マトリクスを用いて第1のイメージを仮想面へ変換するステップ、及び/又は、第2の変換マトリクスを用いて第2のイメージを仮想面へ変換するステップ(ステップ313)。
【0027】
図4a及び4bを参照すると、図4aは、本発明のキャリブレーションモード31の典型的な一実施形態を示し、図4bは、図4aの上面図を示す。この典型的な実施形態では、広角センサーアレイモジュール1及び1’は、キャリブレーションパラメータとなる間隔をおいた4つの基準点P1〜P4のイメージを取り込み、ここで、基準点P1〜P4の実施形態には、赤外LED及び赤外レーザーダイオードが含まれ、基準点P1〜P4は、第1の視野VA1と第2の視野VA2とが重なり合う領域内に位置する(ステップ310)。基準点P1〜P4は、x軸、y軸、z軸を含む基準座標系を定義する。広角センサーアレイモジュール1’は、X軸、Y軸、Z軸を含む座標系に従ってイメージを取り込み、第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーは、それぞれ、自身のイメージ座標系を定義する。例えば、第1のイメージセンサーは、X1軸、Y軸、Z1軸を含む第1のイメージ座標系を定義し、また、第2のイメージセンサーは、X2軸、Y軸、Z2軸を含む第2のイメージ座標系を定義する。この典型的な実施形態では、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間に横方向の角度差はあるが、両者間に縦方向の角度差はない。例えば、第1のイメージセンサーS1の中心法線n1(X1,0,Z1)と基準点P1〜P4によって定義される基準座標系のz軸との間には第1の角度差θ1=−Φが存在し、第2のイメージセンサーS2の中心法線n2(X2,0,Z2)と基準点P1〜P4によって定義される基準座標系のz軸との間には第2の角度差θ2=Φが存在する(図4b)。
【0028】
図5aは、基準点P1〜P4によって定められる基準座標系に基づく基準点イメージを示す。図5bは、第1のイメージセンサーS1によって取り込まれた第1のイメージ座標系に基づく基準点イメージP1’〜P4’(第1のイメージ)を示し(ステップ3111)、第1のイメージ内の各基準点イメージの座標を得ることができる(ステップ3112)。座標変換を用いて、基準座標系と第1のイメージ座標系との間の変換マトリクスH1を、式(1)として得ることができる(ステップ3113)。
【0029】
【数1】
【0030】
すなわち、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージの座標が(x,y,z)であることが既知の場合、座標(x,y,z)は、式(2)のような変換マトリクスH1を用いて第1のイメージセンサーS1によって定義される第1のイメージ座標系に基づく座標へ変換することができる。
【0031】
【数2】
【0032】
同様に、図5cは、第2のイメージセンサーS2によって取り込まれた第2のイメージ座標系に基づく基準点イメージP1’’〜P4’’(第2のイメージ)を示し(ステップ3121)、第2のイメージ内の各基準点イメージの座標を得ることができる(ステップ3122)。座標変換を用いて、基準座標系と第2のイメージ座標系との間の変換マトリクスH2を、式(3)として得ることができる(ステップ3123)。
【0033】
【数3】
【0034】
すなわち、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージの座標が(x,y,z)であることが既知の場合、座標(x,y,z)は、式(4)のような変換マトリクスH2を用いて第2のイメージセンサーS2によって定義される第2のイメージ座標系に基づく座標へ変換することができる。
【0035】
【数4】
【0036】
上記得られた変換マトリクスH1及びH2は、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の相対的な空間関係を表している。最後に、第1のイメージは、第1の変換マトリクスH1を用いることによって仮想面へ変換され、及び/又は、第2のイメージは、第2の変換マトリクスH2を用いることによって仮想面へ変換されるが(ステップ313)、ここで、仮想面は、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく(すなわち、第1のイメージ及び第2のイメージが、それぞれ、変換マトリクスを通して基準座標系へ変換される)、第1のイメージS1によって定義される第1のイメージ座標系に基づく(すなわち、第2のイメージが、変換マトリクスを通して、第1のイメージ座標系へ変換される)、あるいは、第2のイメージS2によって定義される第2のイメージ座標系に基づく(すなわち、第1のイメージが、変換マトリクスを通して、第2のイメージ座標系へ変換される)ことができる。
【0037】
さらに、イメージセンサー間の相対的な空間関係が未知である場合でも、第1のイメージセンサーS1によって取り込まれた基準点イメージP1’〜P4’の座標、及び基準点イメージP1〜P4の予め定義された座標、例えば、(x,y,z)、を用いることにより、式(2)に従って、第1の変換マトリクスH1を得ることができる。同様に、第2のイメージセンサーS2によって取り込まれた基準点イメージP1’’〜P4’’の座標、及び基準点イメージP1〜P4の予め定義された座標を用いることにより、式(4)に従って、第2の変換マトリクスH2を得ることもできる。
【0038】
図5dを参照すると、これは、第1のイメージ及び第2のイメージが、変換マトリクスを通して仮想面へ変換される実施形態を示す。例えば、取り込まれたイメージが、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく場合、基準点イメージの座標は、P1=(−1,1)、P2=(1,1)、P3=(−1,−1)、P4=(1,−1)である。イメージセンサー間の相対的な空間関係が既知の場合(変換マトリクスが既知)、これらの座標は、変換マトリクスH1を通して第1のイメージ座標系に基づく座標系へ変換することができ(図5dの左下図)、あるいは、変換マトリクスH2を通して第2のイメージ座標系に基づく座標系へ変換することができる(図5dの右下図)。さらに、取り込まれたイメージが第1のイメージ座標系に基づく場合、基準点イメージP1’’〜P4’’は、第1のイメージ座標系に基づく仮想面へ変換マトリクスを2回使用して変換することができ、これらは、変換後の基準点イメージP1’〜P4’に相当することになる。同様に、取り込まれたイメージが第2のイメージ座標系に基づく場合、基準点イメージP1’〜P4’は、第2のイメージ座標系に基づく仮想面へ変換マトリクスを2回使用して変換することができ、これらは、基準点イメージP1’’〜P4’’に相当することになる。
【0039】
基準点は、4つに限定されないことは理解されよう。基準座標系を形成するには少なくとも3つの基準点が必要であるため、本発明では、第1の視野VA1及び第2の視野VA2に、それぞれ、少なくとも3つの基準点を設ける必要がある。図6a及び6bは、キャリブレーションモード31において6つの基準点を用いる本発明の典型的な一実施形態を示す。図7a及び7bは、キャリブレーションモード31において8つの基準点を用いる本発明の別の典型的な実施形態を示す。これらの実施形態の変換マトリクスの算出は、4つの基準点を用いる場合と同様であるため、本明細書では詳細な説明を行わない。
【0040】
図8a及び8bを参照すると、図8aは、本発明のキャリブレーションモード31の別の選択肢としての実施形態を示す。図8bは、図8aの上面図を示す。この別の実施形態においても、広角センサーアレイモジュール1’は、キャリブレーションパラメータとなる間隔をおいた4つの基準点P1〜P4のイメージを取り込み、ここで、基準点P1〜P4は、第1の視野VA1と第2の視野VA2とが重なり合う領域内に位置する(ステップ310)。基準点P1〜P4は、x軸、y軸、z軸を含む基準座標系を定義する。広角センサーアレイモジュール1’は、X軸、Y軸、Z軸を含む座標系に基づくイメージを取り込み、第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーは、それぞれ、自身のイメージ座標系を定義する。例えば、第1のイメージセンサーは、X1軸、Y軸、Z1軸を含む第1のイメージ座標系を定義し、第2のイメージセンサーは、X2軸、Y軸、Z2軸を含む第2のイメージ座標系を定義する。この別の実施形態では、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間には、横方向の角度差、及び縦方向の角度差が存在する。例えば、第1のイメージセンサーS1の中心法線n1(X1,0,Z1)と基準点P1〜P4によって定義される基準座標系のz軸との間には、第1の横方向の角度差θ1=−Φ及び縦方向の角度差θが存在し、第2のイメージセンサーS2の中心法線n2(X2,0,Z2)と基準点P1〜P4によって定義される基準座標系のz軸との間には、第2の横方向の角度差θ2=Φ及び縦方向の角度差θが存在し、ここで、第1のイメージセンサーS1の中心法線n1と基準点P1〜P4によって定義される基準座標系のz軸との間の縦方向の角度差は、第2のイメージセンサーS2の中心法線n2と基準点P1〜P4によって定義される基準座標系のz軸との間の縦方向の角度差と等しくない場合がある。
【0041】
図9a〜9cを参照すると、図9aは、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージを示す。図9bは、第1のイメージセンサーS1によって取り込まれた第1のイメージ座標系に基づく基準点イメージP1’〜P4’を示し(ステップ3111)、第1のイメージ内の各基準点イメージの座標を得ることができる(ステップ3112)。座標変換を用いて、基準座標系と第1のイメージ座標系との間のx方向の変換マトリクスH1x及びy方向の変換マトリクスH1yを、それぞれ、式(5)及び式(6)として得ることができる(ステップ3113)。
【0042】
【数5】
【0043】
【数6】
【0044】
次に、基準座標系と第1のイメージ座標系との間の変換マトリクスH1を式(7)として得ることができる。
【0045】
【数7】
【0046】
すなわち、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージの座標が(x,y,z)であることが既知の場合、座標(x,y,z)は、数式(8)のような変換マトリクスH1を用いて第1のイメージセンサーS1によって定義される第1のイメージ座標系に基づく座標へ変換することができる。
【0047】
【数8】
【0048】
同様に、図9cは、第2のイメージセンサーS2によって取り込まれた第2のイメージ座標系に基づく基準点イメージP1’’〜P4’’を示し(ステップ3121)、第2のイメージ内の各基準点イメージの座標を得ることができる(ステップ3122)。座標変換を用いて、基準座標系と第2のイメージ座標系との間のx方向の変換マトリクスH2x及びy方向の変換マトリクスH2yを、それぞれ、式(9)及び式(10)として得ることができる(ステップ3123)。
【0049】
【数9】
【0050】
【数10】
【0051】
次に、基準座標系と第2のイメージ座標系との間の変換マトリクスH2を、式(11)として得ることができる。
【0052】
【数11】
【0053】
すなわち、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージの座標が(x,y,z)であることが既知の場合、座標(x,y,z)は、式(12)のような変換マトリクスH2を用いて第2のイメージセンサーS2によって定義される第2のイメージ座標系に基づく座標へ変換することができる。
【0054】
【数12】
【0055】
さらに、イメージセンサー間の相対的な空間関係が未知である場合でも、第1のイメージセンサーS1によって取り込まれた基準点イメージP1’〜P4’の座標、及び基準点イメージP1〜P4の予め定義された座標、例えば、(x,y,z)、を用いることにより、式(8)に従って第1の変換マトリクスH1を得ることができる。同様に、第2のイメージセンサーS2によって取り込まれた基準点イメージP1’’〜P4’’の座標、及び基準点イメージP1〜P4の予め定義された座標を用いることにより、式(12)に従って第2の変換マトリクスH2を得ることもできる。
【0056】
次に、動作モード31の実行後に得られた変換マトリクスH1、H2、及び仮想面は、動作モード32においてプロセッサ21が使用するために、イメージプロセッシングユニット2の記憶ユニット22に前もって記憶される。
【0057】
別の実施形態では、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2は、予め成形されたフレーム(図示せず)に取り付けることができ、従って、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2をフレーム上で組み合わせた場合、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の相対的な空間関係は既知である。例えば、第1のイメージセンサーS1の中心法線と第2のイメージセンサーS2の中心法線との間の横方向の角度差、及び/又は、縦方向の角度差は、前もって知ることができる。従って、この別の実施形態のキャリブレーションモード31では、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2の視野内に少なくとも3つの基準点をそれぞれ配置する必要がない。イメージセンサー間の相対的な空間関係から、変換マトリクスを直接算出することができ、また、その変換マトリクスを用いて仮想面を得ることができる。最後に、変換マトリクス及び仮想面は、記憶ユニット22に記憶される。ここで、仮想面は、第1のイメージセンサーS1によって定義される第1のイメージ座標系に基づくことができ(すなわち、第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージを、変換マトリクスを通して第1のイメージ座標系に変換することができる)、あるいは、第2のイメージセンサーS2によって定義される第2のイメージ座標系に基づくことができる(すなわち、第1のイメージセンサーS1によって取り込まれたイメージを、変換マトリクスを通して第2のイメージ座標系に変換することができる)。
【0058】
図2を再度参照すると、既に上述したように、キャリブレーションモード31は、広角センサーアレイモジュール1及び1’が工場から出荷される前、又は最初の使用時に実施される較正プロセスである。実際の動作段階(動作モード32)では、キャリブレーションモード31を繰り返す必要はない。以下、動作モード32について詳細に説明する。
【0059】
図10aを参照すると、これは、本発明の一つの実施形態に係る広角センサーアレイモジュール1及び1’の動作モード32のフローチャートを示す。動作モード32は、以下のステップを含む。
−第1のイメージセンサーで第3のイメージを取り込むステップ(ステップ3211)。
−第2のイメージセンサーで第4のイメージを取り込むステップ(ステップ3212)。
−第3のイメージ及び/又は第4のイメージを変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップ(ステップ3213)。
−仮想面でのオブジェクトイメージの少なくとも1つの特性パラメータを取り込むステップ(ステップ3214)。
−前記特性パラメータを伝送するステップ(ステップ3215)。
【0060】
図10a及び図11a〜11dを参照して、広角センサーアレイモジュール1及び1’の動作モード32を、アプリケーションの実施形態を用いて説明する。ここで、広角センサーアレイモジュール1’は、ポインターポジショニングシステムに適用され、ライトガンの照準やポインティングデバイス等の光源T3及びT4は、それぞれ、第1のイメージセンサーS1の第1の視野VA1内、及び第2のイメージセンサーS2の第2の視野VA2内に位置する。まず、第1のイメージセンサーS1を用いて第2のイメージI3を取り込み(ステップ3211)、第2のイメージセンサーS2を用いて第4のイメージI4を取り込む(ステップ3212)。次に、プロセッサ21は、記憶ユニット22に予め記憶された変換マトリクス、例えば、キャリブレーションモード31で得られた変換マトリクスH1及びH2、を用いて、第3のイメージI3及び第4のイメージI4を仮想面へ変換し、合成視野VAを有する合成イメージCIを作製する。上述のように、仮想面は、第3のイメージI3又は第4のイメージI4によって定義される座標系のいずれかに基づくこともできる。次に、プロセッサ21は、オブジェクトイメージの座標、面積、色、指向性、境界、頂点の数、アスペクト比のパラメータ等の合成イメージCI内、光源T3及びT4のイメージ等のオブジェクトイメージの特性パラメータを取り込む(ステップ3214)。最後に、特性パラメータは、伝送インターフェースユニット23を通して、イメージディスプレイデバイス又は記憶デバイス(図示せず)へ伝送されるが、ここで、イメージディスプレイデバイスは、TV画面、投影スクリーン、ゲーム機画面、又はコンピュータ画面であってよい。イメージディスプレイデバイスは、アプリケーションで生成された画像を表示し、光源T3及びT4のイメージの座標及びパラメータ等のオブジェクトイメージの特性パラメータに基づいて該アプリケーションを制御し、かつ該画像を更新するために用いられる。
【0061】
図10b及び図11a〜11dを参照して、広角センサーアレイモジュール1及び1’の動作モード32の別の実施形態を以下で説明する。動作モード32は、以下のステップを含む。
−第1のイメージセンサーで第3のイメージを取り込むステップ(ステップ3221)
−第3のイメージ内のオブジェクトイメージの第1の特性パラメータを取り込むステップ(ステップ3222)
−第2のイメージセンサーで第4のイメージを取り込むステップ(ステップ3223)
−第4のイメージ内のオブジェクトイメージの第2の特性パラメータを取り込むステップ(ステップ3224)
−第1の特性パラメータ及び第2の特性パラメータを変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップ(ステップ3226)
−特性パラメータを伝送するステップ(ステップ3215)。
本実施形態と図10aとの違いは、第3及び第4のイメージを取り込んだ後、プロセッサ11が、まず、それぞれのイメージ内のオブジェクトの特性パラメータを取り込み、次に、記憶ユニット22に記憶された変換マトリクスを用いて該特性パラメータを仮想面へ変換して合成特性パラメータを生成することにある。最後に、上述のように、該特性パラメータは、伝送インターフェースユニット23を通してイメージディスプレイデバイス又は記憶デバイスへ伝送される。従って、イメージディスプレイデバイスは、光源T3及びT4のイメージの座標及びパラメータ等の合成特性パラメータに基づいて該アプリケーションを制御し、かつ該画像を更新するために用いられる。このようにして、広角センサーアレイモジュール1及び1’内に少なくとも2つのイメージセンサーを配置することによって、ポインターポジショニングシステムの視野を著しく広げることができる(図11dに示すように)。
【0062】
さらに、本発明は、上述の方法を用い、2つ以上のイメージセンサーによって取り込まれたイメージを組み合わせて合成イメージを作製することもできる。例えば、図12を参照すると、これは、4つのイメージセンサーS1〜S4がマトリクス状に配置された実施形態を示し、ここで、θ21は、イメージセンサーS2とイメージセンサーS1の間の角度差であり、θ31は、イメージセンサーS3とイメージセンサーS1の間の角度差であり、θ41は、イメージセンサーS4とイメージセンサーS1の間の角度差である。このようにして、上記段落で述べた方法を用いることにより、イメージセンサーS2〜S4とイメージセンサーS1との間の変換マトリクスをこれらの空間関係に従って算出し、イメージセンサーS1〜S4によって取り込まれたイメージを組み合わせて合成イメージを作製することができる。本発明において、イメージセンサーの数は4つに限定されず、適切な数のイメージセンサー及びそれらの相対的な空間関係を、種々の要件に従って設計可能であることも理解できるであろう。
【0063】
以上述べたように、複数のイメージセンサーを用いることによってイメージセンサーモジュールの視野を広げることができることから、複数のイメージを正しく組み合わせる方法が重要な課題となってきている。従って、本発明は、広角センサーアレイモジュール、並びにそのキャリブレーション方法及び動作方法を提供する。広角センサーアレイモジュールに少なくとも1つの変換マトリクスを前もって記憶しておくことにより、動作中に該変換マトリクスを用いてイメージを正しく組み合わせることができる。さらに、本発明の広角センサーアレイモジュールは、例えばシューティングゲーム等のポインターポジショニングシステムに適用することができ、それにより、動作中のポインターポジショニングシステムの視野を著しく広げることができ、システムコストを削減することもできる。
【0064】
本発明をその好適な実施形態との関連で説明してきたが、これは、本発明を限定するために用いられるものではない。以下の特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の多くの変更及び変形が当業者によって可能であることを理解すべきである。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年7月23日に出願された台湾特許出願第097127886号の優先権の利益を主張するものであり、その全開示事項は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(1.発明の分野)
本発明は、一般に、イメージセンサーに関し、より詳細には、広角センサーアレイモジュール、並びにそのイメージキャリブレーション方法、動作方法、及びアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の説明)
従来技術では、イメージセンサーの視野は、広角レンズ又は魚眼レンズを用いて広げることができるが、通常、これらのレンズは、コストが高い。従って、複数の一般的なイメージセンサーを組み合わせることで広い視野を作製することにより、コストを下げるという方法が提案されてきた。例えば、米国特許出願公開第2005/0025313号明細書は、「複数の狭角イメージから広角イメージを作製するためのデジタルイメージングシステム(Digital
imaging system for creating a wide‐angle image from multiple narrow angle images)」という名称の複数のイメージングデバイスを含むイメージングシステムを開示している。該イメージングデバイスは、各イメージングデバイスの視野が隣接する各イメージングデバイスの視野と重なり合うように配置される。該デジタルイメージングシステムは、さらに、各イメージングデバイスを同時に作動させ、すべてのデバイスの視野のイメージを同時に取り込むためのコントロールモジュールを含み、各イメージングデバイスから得られたイメージを合わせて、一つの広角イメージが作製される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0025313号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この方法では、複数のイメージを組み合わせて一つの広角イメージを作製する方法が重要な課題となってきた。本発明は、少なくとも1つの変換マトリクスを用いて複数のイメージを組み合わせる広角センサーアレイモジュールを提供し、ここで、変換マトリクスは、個々のイメージングデバイス間の相対的な空間関係であり、センサーアレイモジュールに予め記憶されている。さらに、イメージングデバイス間の相対的な空間関係を前もって知ることができる場合は、各イメージングデバイスの視野が、隣接する各イメージングデバイスの視野と重なり合わなくてもよく、その結果、センサーアレイモジュールの合成視野をさらに広げることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも2つの一般的なイメージセンサーを用いてセンサーアレイモジュールの視野を広げ、モジュールのコストを効果的に下げるために高価な特別のカメラレンズを使用しなくてもよい、広角センサーアレイモジュールを提供する。
【0007】
本発明は、さらに、広角センサーアレイモジュールのイメージキャリブレーション方法を提供し、該キャリブレーション方法は、少なくとも2つのイメージセンサー間の相対的な空間関係に従って少なくとも1つの変換マトリクスを前もって算出する。さらに、イメージセンサー間の相対的な空間関係がすでに分かっている場合、各イメージセンサーの視野は、全視野を広げるために、隣接する各イメージセンサーの視野と重なり合わなくてもよい。
【0008】
本発明は、さらに、広角センサーアレイモジュールの動作方法を提供し、該動作方法は、一つの広角イメージを作製するために、センサーアレイモジュールに予め記憶された変換マトリクスを用いて複数のイメージを正しく組み合わせる。
【0009】
本発明は、さらに、広角センサーアレイモジュールのアプリケーションを提供し、ここで、センサーアレイモジュールは、ポインターポジショニングシステムの視野を広げ、システムコストを削減するために、ポインターポジショニングシステムに適用される。
【0010】
本発明は、合成イメージを作製するための広角センサーアレイモジュールを提供する。この広角センサーアレイモジュールは、第1のイメージセンサー、第2のイメージセンサー、記憶ユニット、及びプロセッサを含む。第1のイメージセンサーは、第1のイメージを取りこむためのものである。第2のイメージセンサーは、第2のイメージを取りこむためのものであり、第1のイメージセンサーに対して相対的な空間関係を有する。記憶ユニットは、少なくとも1つの変換マトリクスを記憶し、ここで、該変換マトリクスは、第1のイメージセンサーと第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られる。プロセッサは、変換マトリクスを用いて第1のイメージと第2のイメージを組み合わせ、合成イメージを作製する。
【0011】
本発明のもう1つの側面によると、本発明は、第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーを含む広角センサーアレイモジュールのイメージキャリブレーション方法をさらに提供する。該イメージキャリブレーション方法は、以下のステップを含む:少なくとも3個の基準点を提供するステップであって、該基準点は基準座標系を定義し、各基準点は基準座標を有するステップ、該第1のイメージセンサーによって少なくとも3個の基準点を含む第1のイメージを取り込むステップであって、該第1のイメージは第1のイメージ座標系を定義し、該第1のイメージに含まれる各基準点は第1のイメージ座標を有するステップ、該基準座標系及び該第1のイメージ座標系に従って第1の変換マトリクスを得るステップ、該第2のイメージセンサーによって少なくとも3個の基準点を含む第2のイメージを取り込むステップであって、該第2のイメージは第2のイメージ座標系を定義し、該第2のイメージに含まれる各基準点は第2のイメージ座標を有するステップ、該基準座標系及び該第2のイメージ座標系に従って第2の変換マトリクスを得るステップ、及び該第1のイメージ及び/又は該第2のイメージを該第1の変換マトリクス及び/又は該第2の変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップ。
【0012】
本発明のもう1つの側面によると、本発明は、第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーを含む広角センサーアレイモジュールのイメージキャリブレーション方法をさらに提供する。該イメージキャリブレーション方法は、以下のステップを含む:該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係を決定するステップ、該相対的な空間関係に従って少なくとも1つの変換マトリクスを得るステップ、及び該第1のイメージセンサーによって取り込まれたイメージ及び/又は該第2のイメージセンサーによって取り込まれたイメージを該変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップ。
【0013】
本発明のもう1つの側面によると、本発明は、第1のイメージセンサーと、第2のイメージセンサーと、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られる少なくとも1つの変換マトリクスを記憶する記憶ユニットとを含む広角センサーアレイモジュールの動作方法をさらに提供する。該動作方法は、以下のステップを含む:該第1のイメージセンサーによって第3のイメージを取り込むステップ、該第2のイメージセンサーによって第4のイメージを取り込むステップ、該第3のイメージ及び/又は該第4のイメージを該変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップ、該仮想面でのオブジェクトイメージの少なくとも1つの特性パラメータを取り込むステップ、及び該特性パラメータをイメージディスプレイ又は記憶ユニットに伝送するステップ。
【0014】
本発明のもう1つの側面によると、本発明は、第1のイメージセンサーと、第2のイメージセンサーと、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られる少なくとも1つの変換マトリクスを記憶する記憶ユニットとを含む広角センサーアレイモジュールの動作方法をさらに提供する。該動作方法は、以下のステップを含む:該第1のイメージセンサーによって第3のイメージを取り込むステップ、該第3のイメージによっての第1の特性パラメータを生成するステップと、該第2のイメージセンサーによって第4のイメージを取り込むステップ、該第4のイメージによって第2の特性パラメータを生成するステップと、該第1の特性パラメータ及び該第2の特性パラメータを該変換マトリクスを用いて仮想面へ変換して、該第1の特性パラメータ及び該第2の特性パラメータを組み合わせるステップと、及び該特性パラメータをイメージディスプレイ又は記憶ユニットに伝送するステップ。
【0015】
本発明のもう1つの側面によると、本発明は、少なくとも1つの光源と、広角センサーアレイモジュールと、イメージディスプレイとを含むポインターポジショニングシステムをさらに提供する。該センサーアレイモジュールは、合成視野を有する合成イメージを作製するために用いられる。該センサーアレイモジュールは、第1のイメージを取り込むための第1のイメージセンサーと、第2のイメージを取り込むための、該第1のイメージセンサーに対して相対的な空間関係を有する第2のイメージセンサーと、変換マトリクスを記憶する、該第1のイメージと該第2のイメージを該変換マトリクスを用いて組み合わせ該合成イメージを作製する、該第一のイメージ及び/又は該第2のイメージは該光源のイメージを含み、該変換マトリクスは該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られ、該合成イメージ及び該光源のイメージに基づいて特性パラメータを生成するイメージプロセッシングユニットとを含む。該イメージディスプレイは、該センサーアレイモジュールに連結され、アプリケーションで生成された画像を表示し、該特性パラメータに基づいて該アプリケーションを制御し、かつ該画像を更新するために用いられる。
【0016】
本発明のもう1つの側面によると、本発明は、少なくとも1つの光源と、広角センサーアレイモジュールと、イメージディスプレイとを含むポインターポジショニングシステムをさらに提供する。該センサーアレイモジュールは、合成視野を有する合成イメージを作製するために用いられる。該センサーアレイモジュールは、第3のイメージを取り込むための第1のイメージセンサーと、第4のイメージを取り込むための、該第1のイメージセンサーに対して相対的な空間関係を有する第2のイメージセンサーと、該第3のイメージによって第1の特性パラメータを生成し、かつ該第4のイメージによって第2の特性パラメータを生成し、該第1の特性パラメータと該第2の特性パラメータを該変換マトリクスを用いて合成特性パラメータを作製する、該第一の特性パラメータ及び該第2の特性パラメータの少なく1つは該第3のイメージ或いは該第4のイメージでの該光源のイメージによって決められ、該変換マトリクスは該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られるイメージプロセッシングユニットと、を含む広角センサーアレイモジュールとを含む。該イメージディスプレイは、センサーアレイモジュールに連結され、アプリケーションで生成された画像を表示し、該合成特性パラメータに基づいて該アプリケーションを制御し、かつ該画像を更新するために用いられる。
【0017】
本発明の広角センサーアレイモジュール、並びにその動作方法及びアプリケーションは、キャリブレーションモードで前もって算出される少なくとも1つの変換マトリクスを用いて、実行性を高めるために、複数のイメージを組み合わせ、センサーアレイモジュールの全視野を広げる。さらに、本発明の広角センサーアレイモジュールには、特別のカメラレンズが使用されないため、トータルコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの概略図を示す。
【図1b】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの別の概略図を示す。
【図2】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの動作方法のフローチャートを示す
【図3】本発明の一つの実施形態に係る広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードを示すフローチャートを示す。
【図4a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードの動作概略図を示す。
【図4b】図4aに示す広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードの動作概略図の上面図を示す。
【図5a】基準点によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージの概略図を示す。
【図5b】第1のイメージセンサーによって定義される第1のイメージ座標系に基づく基準点イメージの概略図を示す。
【図5c】第2のイメージセンサーによって定義される第2のイメージ座標系に基づく基準点イメージの概略図を示す。
【図5d】異なる座標系間での基準点イメージの座標変換の概略図を示す。
【図6a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードの別の動作概略図を示す。キャリブレーションは、6つの基準点を用いて実施される。
【図6b】図6aに示す異なる座標系間での基準点イメージの座標変換の概略図を示す。
【図7a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードの別の動作概略図を示す。キャリブレーションは、8つの基準点を用いて実施される。
【図7b】図7aに示す異なる座標系間での基準点イメージの座標変換の概略図を示す。
【図8a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードの別の動作概略図を示す。
【図8b】図8aに示す広角センサーアレイモジュールのキャリブレーションモードの動作概略図の上面図を示す。
【図9a】図8aに示す基準点によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージの概略図を示す。
【図9b】図8aに示す第1のイメージセンサーによって定義される第1のイメージ座標系に基づく基準点イメージの概略図を示す。
【図9c】図8aに示す第2のイメージセンサーによって定義される第2のイメージ座標系に基づく基準点イメージの概略図を示す。
【図10a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの動作モードのフローチャートを示す。
【図10b】本発明の別の実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの動作モードのフローチャートを示す。
【図11a】本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの動作モードのアプリケーションの概略図を示す。
【図11b】図11aに示す広角センサーアレイモジュールの第1のイメージセンサーによって取り込まれたイメージを示す。
【図11c】図11aに示す広角センサーアレイモジュールの第2のイメージセンサーによって取り込まれたイメージを示す。
【図11d】図11aに示す広角センサーアレイモジュールによって取り込まれた合成イメージを示す。
【図12】本発明の別の実施形態に係る広角センサーアレイモジュールの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のその他の目的、効果、及び新規な特徴は、以下の詳細な説明を添付図面と照らし合わせることでより明らかとなるであろう。
【0020】
可能な限り、図面全体を通して、同一又は類似の部材を参照するために同一の参照番号が用いられることに留意されたい。
【0021】
図1a及び1bを参照すると、これらは、それぞれ、本発明の一実施形態に係る広角センサーアレイモジュール1及び1’の概略図を示す。広角センサーアレイモジュール1及び1’は、第1のイメージセンサーS1、第2のイメージセンサーS2、並びに、プロセッサ21、記憶ユニット22、及び伝送インターフェースユニット23を含むイメージプロセッシングユニット2を有する。さらに、広角センサーアレイモジュール1及び1’は、検出効率を向上させるために第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2の前面にそれぞれ配置された複数のレンズ又は一式のレンズ(図示せず)をさらに有してよい。イメージプロセッシングユニット2は、広角センサーアレイモジュール1及び1’が動作中に必要な電力を供給する電源供給ユニット(図示せず)をさらに有してよい。
【0022】
第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2の実施形態には、これらに限定されないが、CCDイメージセンサー及びCMOSイメージセンサーが含まれる。第1のイメージセンサーS1は、イメージを取り込むためのものであり、第1の視野VA1を有する。第2のイメージセンサーS2は、イメージを取り込むためのものであり、第2の視野VA2を有する。広角センサーアレイモジュール1及び1’は、合成イメージを取り込むためのものであり、合成視野VA及びVA’を有する。合成視野VA及びVA’は、第1の視野VA1と第2の視野VA2を組み合わせることによって形成される。従って、VA(VA’)≧VA1かつVA(VA’)≧VA2となる。さらに、本実施形態では、2つのイメージセンサーしか用いていないが、広角センサーアレイモジュール1及び1’は、種々のアプリケーションに応じて、2つ以上のイメージセンサーを有してもよい。
【0023】
図1aを再度参照すると、広角センサーアレイモジュール1において、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2は、互いに平行に配置されており、すなわち、第1のイメージセンサーS1の第1の視野VA1の中心法線n1と、第2のイメージセンサーS2の第2の視野VA2の中心法線n2と、合成視野VAの中心法線との間に角度差はない。第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2は、イメージプロセッシングユニット2と連結されている。イメージプロセッシングユニット2のプロセッサ21は、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージを処理するためのものであり、例えば、イメージキャリブレーション、イメージコンビネーション、特性の取り込み、歪み補償、等を実施する。記憶ユニット22は、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージ、及び/又は、プロセッサ21によって処理されたイメージ、を記憶するためのものである。記憶ユニット22は、例えば、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の空間距離、及び中心法線n1、n2、nの間の角度θ(図1aではθ=0°)等の複数のパラメータを記憶し、それにより、プロセッサ21は、それらのパラメータを用いて、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージを処理することができる。伝送インターフェースユニット23は、広角センサーアレイモジュール1及び1’によって取り込まれたイメージを、イメージディスプレイデバイス(図示せず)に伝送して表示させるか、又は記憶ユニットに伝送して記憶させる。本発明は、イメージプロセッシングユニット2を用いて第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージを処理して組み合わせ、それによって、広角センサーアレイモジュール1の合成視野VAを広げることができる。
【0024】
図1bを再度参照すると、広角センサーアレイモジュール1’は、広角センサーアレイモジュール1の別の実施形態であり、ここで、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間には角度差θ=θ1+θ2が存在し、すなわち、第1の視野VA1の中心法線n1と合成視野VAの中心法線との間の第1の角度差θ1、及び第2の視野VA2の中心法線n2と合成視野VAの中心法線との間の第2の角度差θ2が存在し、ここで、第1の角度差θ1は、第2の角度差θ2と等しい場合もあれば異なる場合もある。本実施形態では、例えば、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の空間距離、第1の角度差θ1、第2の角度差θ2、等の第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の相対的な空間関係に関する種々のパラメータ、並びに該パラメータに従って得られた変換マトリクスが、記憶ユニット22に記憶されている。プロセッサ21は、変換マトリクスを用いて仮想面を作製する。この別の実施形態でも、イメージプロセッシングユニット2は、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージを処理して組み合わせ、それによって、広角センサーアレイモジュール1’の合成視野VA’を広げることができ、VA’>VAとなる。さらに、本発明の広角センサーアレイモジュール1及び1’は、シューティングゲームでのライトガンの照準の位置決め、又はポインティングデバイスの位置決め等、ポインターポジショニングシステムに適用することができ、それによって、ポインターポジショニングシステムの視野の制限を低減することができる。
【0025】
図2を参照すると、これは、本発明の一実施形態の広角センサーアレイモジュール1及び1’の動作方法のフローチャートを示しており、該動作方法には、キャリブレーションモード31及び動作モード32が含まれる。キャリブレーションモード31は、センサーアレイモジュール1及び1’が工場から出荷される前、又は最初の使用時に実施され、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の相対的な空間関係に関する種々のパラメータを取得し、該パラメータに従って2つのイメージ間の変換マトリクスを得、また仮想面を得る。動作モード32は、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージを仮想面へ変換する工程と、取り込まれたイメージのオブジェクト特性を取り込む工程とを含む。キャリブレーションモード31及び動作モード32の詳細な説明を以下の段落で示す。
【0026】
図3を参照すると、これは、本発明の一実施形態に係るキャリブレーションモード31のフローチャートを示しており、キャリブレーションモード31は、以下に示すステップを含む。
−第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーの視野内に少なくとも3つの基準点を提供するステップ(ステップ310)。該基準点は、基準座標系を定義する。
−第1のイメージセンサーで第1のイメージを取り込み、それによって第1のイメージ座標系を定義するステップ(ステップ3111)。
−第1のイメージ内の基準点のイメージ座標を得るステップ(ステップ3112)。
−基準座標系と第1のイメージ座標系との間の相対的な空間関係に従って第1の変換マトリクスを得るステップ(ステップ3113)。
−第2のイメージセンサーで第2のイメージを取り込み、それによって第2のイメージ座標系を定義するステップ(ステップ3121)。
−第2のイメージ内の基準点のイメージ座標を得るステップ(ステップ3122)。
−基準座標系と第2のイメージ座標系との間の相対的な空間関係に従って第2の変換マトリクスを得るステップ(ステップ3123)。
−第1の変換マトリクスを用いて第1のイメージを仮想面へ変換するステップ、及び/又は、第2の変換マトリクスを用いて第2のイメージを仮想面へ変換するステップ(ステップ313)。
【0027】
図4a及び4bを参照すると、図4aは、本発明のキャリブレーションモード31の典型的な一実施形態を示し、図4bは、図4aの上面図を示す。この典型的な実施形態では、広角センサーアレイモジュール1及び1’は、キャリブレーションパラメータとなる間隔をおいた4つの基準点P1〜P4のイメージを取り込み、ここで、基準点P1〜P4の実施形態には、赤外LED及び赤外レーザーダイオードが含まれ、基準点P1〜P4は、第1の視野VA1と第2の視野VA2とが重なり合う領域内に位置する(ステップ310)。基準点P1〜P4は、x軸、y軸、z軸を含む基準座標系を定義する。広角センサーアレイモジュール1’は、X軸、Y軸、Z軸を含む座標系に従ってイメージを取り込み、第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーは、それぞれ、自身のイメージ座標系を定義する。例えば、第1のイメージセンサーは、X1軸、Y軸、Z1軸を含む第1のイメージ座標系を定義し、また、第2のイメージセンサーは、X2軸、Y軸、Z2軸を含む第2のイメージ座標系を定義する。この典型的な実施形態では、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間に横方向の角度差はあるが、両者間に縦方向の角度差はない。例えば、第1のイメージセンサーS1の中心法線n1(X1,0,Z1)と基準点P1〜P4によって定義される基準座標系のz軸との間には第1の角度差θ1=−Φが存在し、第2のイメージセンサーS2の中心法線n2(X2,0,Z2)と基準点P1〜P4によって定義される基準座標系のz軸との間には第2の角度差θ2=Φが存在する(図4b)。
【0028】
図5aは、基準点P1〜P4によって定められる基準座標系に基づく基準点イメージを示す。図5bは、第1のイメージセンサーS1によって取り込まれた第1のイメージ座標系に基づく基準点イメージP1’〜P4’(第1のイメージ)を示し(ステップ3111)、第1のイメージ内の各基準点イメージの座標を得ることができる(ステップ3112)。座標変換を用いて、基準座標系と第1のイメージ座標系との間の変換マトリクスH1を、式(1)として得ることができる(ステップ3113)。
【0029】
【数1】
【0030】
すなわち、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージの座標が(x,y,z)であることが既知の場合、座標(x,y,z)は、式(2)のような変換マトリクスH1を用いて第1のイメージセンサーS1によって定義される第1のイメージ座標系に基づく座標へ変換することができる。
【0031】
【数2】
【0032】
同様に、図5cは、第2のイメージセンサーS2によって取り込まれた第2のイメージ座標系に基づく基準点イメージP1’’〜P4’’(第2のイメージ)を示し(ステップ3121)、第2のイメージ内の各基準点イメージの座標を得ることができる(ステップ3122)。座標変換を用いて、基準座標系と第2のイメージ座標系との間の変換マトリクスH2を、式(3)として得ることができる(ステップ3123)。
【0033】
【数3】
【0034】
すなわち、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージの座標が(x,y,z)であることが既知の場合、座標(x,y,z)は、式(4)のような変換マトリクスH2を用いて第2のイメージセンサーS2によって定義される第2のイメージ座標系に基づく座標へ変換することができる。
【0035】
【数4】
【0036】
上記得られた変換マトリクスH1及びH2は、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の相対的な空間関係を表している。最後に、第1のイメージは、第1の変換マトリクスH1を用いることによって仮想面へ変換され、及び/又は、第2のイメージは、第2の変換マトリクスH2を用いることによって仮想面へ変換されるが(ステップ313)、ここで、仮想面は、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく(すなわち、第1のイメージ及び第2のイメージが、それぞれ、変換マトリクスを通して基準座標系へ変換される)、第1のイメージS1によって定義される第1のイメージ座標系に基づく(すなわち、第2のイメージが、変換マトリクスを通して、第1のイメージ座標系へ変換される)、あるいは、第2のイメージS2によって定義される第2のイメージ座標系に基づく(すなわち、第1のイメージが、変換マトリクスを通して、第2のイメージ座標系へ変換される)ことができる。
【0037】
さらに、イメージセンサー間の相対的な空間関係が未知である場合でも、第1のイメージセンサーS1によって取り込まれた基準点イメージP1’〜P4’の座標、及び基準点イメージP1〜P4の予め定義された座標、例えば、(x,y,z)、を用いることにより、式(2)に従って、第1の変換マトリクスH1を得ることができる。同様に、第2のイメージセンサーS2によって取り込まれた基準点イメージP1’’〜P4’’の座標、及び基準点イメージP1〜P4の予め定義された座標を用いることにより、式(4)に従って、第2の変換マトリクスH2を得ることもできる。
【0038】
図5dを参照すると、これは、第1のイメージ及び第2のイメージが、変換マトリクスを通して仮想面へ変換される実施形態を示す。例えば、取り込まれたイメージが、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく場合、基準点イメージの座標は、P1=(−1,1)、P2=(1,1)、P3=(−1,−1)、P4=(1,−1)である。イメージセンサー間の相対的な空間関係が既知の場合(変換マトリクスが既知)、これらの座標は、変換マトリクスH1を通して第1のイメージ座標系に基づく座標系へ変換することができ(図5dの左下図)、あるいは、変換マトリクスH2を通して第2のイメージ座標系に基づく座標系へ変換することができる(図5dの右下図)。さらに、取り込まれたイメージが第1のイメージ座標系に基づく場合、基準点イメージP1’’〜P4’’は、第1のイメージ座標系に基づく仮想面へ変換マトリクスを2回使用して変換することができ、これらは、変換後の基準点イメージP1’〜P4’に相当することになる。同様に、取り込まれたイメージが第2のイメージ座標系に基づく場合、基準点イメージP1’〜P4’は、第2のイメージ座標系に基づく仮想面へ変換マトリクスを2回使用して変換することができ、これらは、基準点イメージP1’’〜P4’’に相当することになる。
【0039】
基準点は、4つに限定されないことは理解されよう。基準座標系を形成するには少なくとも3つの基準点が必要であるため、本発明では、第1の視野VA1及び第2の視野VA2に、それぞれ、少なくとも3つの基準点を設ける必要がある。図6a及び6bは、キャリブレーションモード31において6つの基準点を用いる本発明の典型的な一実施形態を示す。図7a及び7bは、キャリブレーションモード31において8つの基準点を用いる本発明の別の典型的な実施形態を示す。これらの実施形態の変換マトリクスの算出は、4つの基準点を用いる場合と同様であるため、本明細書では詳細な説明を行わない。
【0040】
図8a及び8bを参照すると、図8aは、本発明のキャリブレーションモード31の別の選択肢としての実施形態を示す。図8bは、図8aの上面図を示す。この別の実施形態においても、広角センサーアレイモジュール1’は、キャリブレーションパラメータとなる間隔をおいた4つの基準点P1〜P4のイメージを取り込み、ここで、基準点P1〜P4は、第1の視野VA1と第2の視野VA2とが重なり合う領域内に位置する(ステップ310)。基準点P1〜P4は、x軸、y軸、z軸を含む基準座標系を定義する。広角センサーアレイモジュール1’は、X軸、Y軸、Z軸を含む座標系に基づくイメージを取り込み、第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーは、それぞれ、自身のイメージ座標系を定義する。例えば、第1のイメージセンサーは、X1軸、Y軸、Z1軸を含む第1のイメージ座標系を定義し、第2のイメージセンサーは、X2軸、Y軸、Z2軸を含む第2のイメージ座標系を定義する。この別の実施形態では、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間には、横方向の角度差、及び縦方向の角度差が存在する。例えば、第1のイメージセンサーS1の中心法線n1(X1,0,Z1)と基準点P1〜P4によって定義される基準座標系のz軸との間には、第1の横方向の角度差θ1=−Φ及び縦方向の角度差θが存在し、第2のイメージセンサーS2の中心法線n2(X2,0,Z2)と基準点P1〜P4によって定義される基準座標系のz軸との間には、第2の横方向の角度差θ2=Φ及び縦方向の角度差θが存在し、ここで、第1のイメージセンサーS1の中心法線n1と基準点P1〜P4によって定義される基準座標系のz軸との間の縦方向の角度差は、第2のイメージセンサーS2の中心法線n2と基準点P1〜P4によって定義される基準座標系のz軸との間の縦方向の角度差と等しくない場合がある。
【0041】
図9a〜9cを参照すると、図9aは、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージを示す。図9bは、第1のイメージセンサーS1によって取り込まれた第1のイメージ座標系に基づく基準点イメージP1’〜P4’を示し(ステップ3111)、第1のイメージ内の各基準点イメージの座標を得ることができる(ステップ3112)。座標変換を用いて、基準座標系と第1のイメージ座標系との間のx方向の変換マトリクスH1x及びy方向の変換マトリクスH1yを、それぞれ、式(5)及び式(6)として得ることができる(ステップ3113)。
【0042】
【数5】
【0043】
【数6】
【0044】
次に、基準座標系と第1のイメージ座標系との間の変換マトリクスH1を式(7)として得ることができる。
【0045】
【数7】
【0046】
すなわち、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージの座標が(x,y,z)であることが既知の場合、座標(x,y,z)は、数式(8)のような変換マトリクスH1を用いて第1のイメージセンサーS1によって定義される第1のイメージ座標系に基づく座標へ変換することができる。
【0047】
【数8】
【0048】
同様に、図9cは、第2のイメージセンサーS2によって取り込まれた第2のイメージ座標系に基づく基準点イメージP1’’〜P4’’を示し(ステップ3121)、第2のイメージ内の各基準点イメージの座標を得ることができる(ステップ3122)。座標変換を用いて、基準座標系と第2のイメージ座標系との間のx方向の変換マトリクスH2x及びy方向の変換マトリクスH2yを、それぞれ、式(9)及び式(10)として得ることができる(ステップ3123)。
【0049】
【数9】
【0050】
【数10】
【0051】
次に、基準座標系と第2のイメージ座標系との間の変換マトリクスH2を、式(11)として得ることができる。
【0052】
【数11】
【0053】
すなわち、基準点P1〜P4によって定義される基準座標系に基づく基準点イメージの座標が(x,y,z)であることが既知の場合、座標(x,y,z)は、式(12)のような変換マトリクスH2を用いて第2のイメージセンサーS2によって定義される第2のイメージ座標系に基づく座標へ変換することができる。
【0054】
【数12】
【0055】
さらに、イメージセンサー間の相対的な空間関係が未知である場合でも、第1のイメージセンサーS1によって取り込まれた基準点イメージP1’〜P4’の座標、及び基準点イメージP1〜P4の予め定義された座標、例えば、(x,y,z)、を用いることにより、式(8)に従って第1の変換マトリクスH1を得ることができる。同様に、第2のイメージセンサーS2によって取り込まれた基準点イメージP1’’〜P4’’の座標、及び基準点イメージP1〜P4の予め定義された座標を用いることにより、式(12)に従って第2の変換マトリクスH2を得ることもできる。
【0056】
次に、動作モード31の実行後に得られた変換マトリクスH1、H2、及び仮想面は、動作モード32においてプロセッサ21が使用するために、イメージプロセッシングユニット2の記憶ユニット22に前もって記憶される。
【0057】
別の実施形態では、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2は、予め成形されたフレーム(図示せず)に取り付けることができ、従って、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2をフレーム上で組み合わせた場合、第1のイメージセンサーS1と第2のイメージセンサーS2との間の相対的な空間関係は既知である。例えば、第1のイメージセンサーS1の中心法線と第2のイメージセンサーS2の中心法線との間の横方向の角度差、及び/又は、縦方向の角度差は、前もって知ることができる。従って、この別の実施形態のキャリブレーションモード31では、第1のイメージセンサーS1及び第2のイメージセンサーS2の視野内に少なくとも3つの基準点をそれぞれ配置する必要がない。イメージセンサー間の相対的な空間関係から、変換マトリクスを直接算出することができ、また、その変換マトリクスを用いて仮想面を得ることができる。最後に、変換マトリクス及び仮想面は、記憶ユニット22に記憶される。ここで、仮想面は、第1のイメージセンサーS1によって定義される第1のイメージ座標系に基づくことができ(すなわち、第2のイメージセンサーS2によって取り込まれたイメージを、変換マトリクスを通して第1のイメージ座標系に変換することができる)、あるいは、第2のイメージセンサーS2によって定義される第2のイメージ座標系に基づくことができる(すなわち、第1のイメージセンサーS1によって取り込まれたイメージを、変換マトリクスを通して第2のイメージ座標系に変換することができる)。
【0058】
図2を再度参照すると、既に上述したように、キャリブレーションモード31は、広角センサーアレイモジュール1及び1’が工場から出荷される前、又は最初の使用時に実施される較正プロセスである。実際の動作段階(動作モード32)では、キャリブレーションモード31を繰り返す必要はない。以下、動作モード32について詳細に説明する。
【0059】
図10aを参照すると、これは、本発明の一つの実施形態に係る広角センサーアレイモジュール1及び1’の動作モード32のフローチャートを示す。動作モード32は、以下のステップを含む。
−第1のイメージセンサーで第3のイメージを取り込むステップ(ステップ3211)。
−第2のイメージセンサーで第4のイメージを取り込むステップ(ステップ3212)。
−第3のイメージ及び/又は第4のイメージを変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップ(ステップ3213)。
−仮想面でのオブジェクトイメージの少なくとも1つの特性パラメータを取り込むステップ(ステップ3214)。
−前記特性パラメータを伝送するステップ(ステップ3215)。
【0060】
図10a及び図11a〜11dを参照して、広角センサーアレイモジュール1及び1’の動作モード32を、アプリケーションの実施形態を用いて説明する。ここで、広角センサーアレイモジュール1’は、ポインターポジショニングシステムに適用され、ライトガンの照準やポインティングデバイス等の光源T3及びT4は、それぞれ、第1のイメージセンサーS1の第1の視野VA1内、及び第2のイメージセンサーS2の第2の視野VA2内に位置する。まず、第1のイメージセンサーS1を用いて第2のイメージI3を取り込み(ステップ3211)、第2のイメージセンサーS2を用いて第4のイメージI4を取り込む(ステップ3212)。次に、プロセッサ21は、記憶ユニット22に予め記憶された変換マトリクス、例えば、キャリブレーションモード31で得られた変換マトリクスH1及びH2、を用いて、第3のイメージI3及び第4のイメージI4を仮想面へ変換し、合成視野VAを有する合成イメージCIを作製する。上述のように、仮想面は、第3のイメージI3又は第4のイメージI4によって定義される座標系のいずれかに基づくこともできる。次に、プロセッサ21は、オブジェクトイメージの座標、面積、色、指向性、境界、頂点の数、アスペクト比のパラメータ等の合成イメージCI内、光源T3及びT4のイメージ等のオブジェクトイメージの特性パラメータを取り込む(ステップ3214)。最後に、特性パラメータは、伝送インターフェースユニット23を通して、イメージディスプレイデバイス又は記憶デバイス(図示せず)へ伝送されるが、ここで、イメージディスプレイデバイスは、TV画面、投影スクリーン、ゲーム機画面、又はコンピュータ画面であってよい。イメージディスプレイデバイスは、アプリケーションで生成された画像を表示し、光源T3及びT4のイメージの座標及びパラメータ等のオブジェクトイメージの特性パラメータに基づいて該アプリケーションを制御し、かつ該画像を更新するために用いられる。
【0061】
図10b及び図11a〜11dを参照して、広角センサーアレイモジュール1及び1’の動作モード32の別の実施形態を以下で説明する。動作モード32は、以下のステップを含む。
−第1のイメージセンサーで第3のイメージを取り込むステップ(ステップ3221)
−第3のイメージ内のオブジェクトイメージの第1の特性パラメータを取り込むステップ(ステップ3222)
−第2のイメージセンサーで第4のイメージを取り込むステップ(ステップ3223)
−第4のイメージ内のオブジェクトイメージの第2の特性パラメータを取り込むステップ(ステップ3224)
−第1の特性パラメータ及び第2の特性パラメータを変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップ(ステップ3226)
−特性パラメータを伝送するステップ(ステップ3215)。
本実施形態と図10aとの違いは、第3及び第4のイメージを取り込んだ後、プロセッサ11が、まず、それぞれのイメージ内のオブジェクトの特性パラメータを取り込み、次に、記憶ユニット22に記憶された変換マトリクスを用いて該特性パラメータを仮想面へ変換して合成特性パラメータを生成することにある。最後に、上述のように、該特性パラメータは、伝送インターフェースユニット23を通してイメージディスプレイデバイス又は記憶デバイスへ伝送される。従って、イメージディスプレイデバイスは、光源T3及びT4のイメージの座標及びパラメータ等の合成特性パラメータに基づいて該アプリケーションを制御し、かつ該画像を更新するために用いられる。このようにして、広角センサーアレイモジュール1及び1’内に少なくとも2つのイメージセンサーを配置することによって、ポインターポジショニングシステムの視野を著しく広げることができる(図11dに示すように)。
【0062】
さらに、本発明は、上述の方法を用い、2つ以上のイメージセンサーによって取り込まれたイメージを組み合わせて合成イメージを作製することもできる。例えば、図12を参照すると、これは、4つのイメージセンサーS1〜S4がマトリクス状に配置された実施形態を示し、ここで、θ21は、イメージセンサーS2とイメージセンサーS1の間の角度差であり、θ31は、イメージセンサーS3とイメージセンサーS1の間の角度差であり、θ41は、イメージセンサーS4とイメージセンサーS1の間の角度差である。このようにして、上記段落で述べた方法を用いることにより、イメージセンサーS2〜S4とイメージセンサーS1との間の変換マトリクスをこれらの空間関係に従って算出し、イメージセンサーS1〜S4によって取り込まれたイメージを組み合わせて合成イメージを作製することができる。本発明において、イメージセンサーの数は4つに限定されず、適切な数のイメージセンサー及びそれらの相対的な空間関係を、種々の要件に従って設計可能であることも理解できるであろう。
【0063】
以上述べたように、複数のイメージセンサーを用いることによってイメージセンサーモジュールの視野を広げることができることから、複数のイメージを正しく組み合わせる方法が重要な課題となってきている。従って、本発明は、広角センサーアレイモジュール、並びにそのキャリブレーション方法及び動作方法を提供する。広角センサーアレイモジュールに少なくとも1つの変換マトリクスを前もって記憶しておくことにより、動作中に該変換マトリクスを用いてイメージを正しく組み合わせることができる。さらに、本発明の広角センサーアレイモジュールは、例えばシューティングゲーム等のポインターポジショニングシステムに適用することができ、それにより、動作中のポインターポジショニングシステムの視野を著しく広げることができ、システムコストを削減することもできる。
【0064】
本発明をその好適な実施形態との関連で説明してきたが、これは、本発明を限定するために用いられるものではない。以下の特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の多くの変更及び変形が当業者によって可能であることを理解すべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成イメージを作製するための広角センサーアレイモジュールであって、該センサーアレイモジュールは、
第1のイメージを取り込むための第1のイメージセンサーと、
第2のイメージを取り込むための、該第1のイメージセンサーに対して相対的な空間関係を有する第2のイメージセンサーと、
少なくとも1つの変換マトリクスを記憶する記憶ユニットであって、該変換マトリクスは、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られる、記憶ユニットと、
該第1のイメージと該第2のイメージを該変換マトリクスを用いて組み合わせ、該合成イメージを作製するプロセッサと、
を含む広角センサーアレイモジュール。
【請求項2】
前記相対的な空間関係が、前記第1のイメージセンサーと前記第2のイメージセンサーとの間の横方向の角度である、請求項1に記載のセンサーアレイモジュール。
【請求項3】
前記横方向の角度が2Φであり、前記変換マトリクスが、
【数13】
及び/又は
【数14】
である、請求項2に記載のセンサーアレイモジュール。
【請求項4】
前記相対的な空間関係が、前記第1のイメージセンサーと前記第2のイメージセンサーとの間の横方向の角度及び縦方向の角度である、請求項1に記載のセンサーアレイモジュール。
【請求項5】
前記横方向の角度が2Φであり、前記縦方向の角度がθであり、前記変換マトリクスが、
【数15】
及び/又は
【数16】
である、請求項4に記載のセンサーアレイモジュール。
【請求項6】
前記第1及び第2のイメージセンサーを装着するためのフレームをさらに含み、それにより、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係が該フレームによって定義される、請求項1に記載のセンサーアレイモジュール。
【請求項7】
前記第1のイメージセンサーに対して第1の相対的な空間関係を有する第3のイメージセンサー、及び前記第1のイメージセンサーに対して第2の相対的な空間関係を有する第4のイメージセンサーをさらに含み、該第1の相対的な空間関係に従って得られる第1の変換マトリクス、及び該第2の相対的な空間関係に従って得られる第2の変換マトリクスが、前記記憶ユニットに記憶され、前記プロセッサが、前記第1、第2、第3、及び第4のイメージセンサーによって取り込まれたイメージを、前記変換マトリクス、該第1の変換マトリクス、及び該第2の変換マトリクスを用いて組み合わせて前記合成イメージを作製する、請求項1に記載のセンサーアレイモジュール。
【請求項8】
第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーを含む広角センサーアレイモジュールのイメージキャリブレーション方法であって、該イメージキャリブレーション方法は、
少なくとも3個の基準点を提供するステップであって、該基準点は基準座標系を定義し、各基準点は基準座標を有するステップと、
該第1のイメージセンサーによって少なくとも3個の基準点を含む第1のイメージを取り込むステップであって、該第1のイメージは第1のイメージ座標系を定義し、該第1のイメージに含まれる各基準点は第1のイメージ座標を有するステップと、
該基準座標系及び該第1のイメージ座標系に従って第1の変換マトリクスを得るステップと、
該第2のイメージセンサーによって少なくとも3個の基準点を含む第2のイメージを取り込むステップであって、該第2のイメージは第2のイメージ座標系を定義し、該第2のイメージに含まれる各基準点は第2のイメージ座標を有するステップと、
該基準座標系及び該第2のイメージ座標系に従って第2の変換マトリクスを得るステップと、
該第1のイメージ及び/又は該第2のイメージを該第1の変換マトリクス及び/又は該第2の変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップと、
を含むイメージキャリブレーション方法。
【請求項9】
前記基準座標系、前記第1のイメージ座標系及び前記第2のイメージ座標系が3次元デカルト座標系である、請求項8に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項10】
前記仮想面が、前記基準座標系、前記第1のイメージ座標系及び前記第2のイメージ座標系のいずれか1つに基づく、請求項8に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項11】
前記仮想面が前記基準座標系に基づく場合、前記第1のイメージを前記第1の変換マトリクスを用いて該仮想面へ変換し、前記第2のイメージを前記第2の変換マトリクスを用いて該仮想面へ変換する、請求項10に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項12】
前記仮想面が前記第1のイメージ座標系に基づく場合、前記第2のイメージを前記第1の変換マトリクス及び前記第2の変換マトリクスを用いて該仮想面へ変換する、請求項10に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項13】
前記仮想面が前記第2のイメージ座標系に基づく場合、前記第1のイメージを前記第1の変換マトリクス及び前記第2の変換マトリクスを用いて該仮想面へ変換する、請求項10に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項14】
第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーを含む広角センサーアレイモジュールのイメージキャリブレーション方法であって、該イメージキャリブレーション方法は、
該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係を決定するステップと、
該相対的な空間関係に従って少なくとも1つの変換マトリクスを得るステップと、
該第1のイメージセンサーによって取り込まれたイメージ及び/又は該第2のイメージセンサーによって取り込まれたイメージを該変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップと、
を含むイメージキャリブレーション方法。
【請求項15】
前記相対的な空間関係が、前記第1のイメージセンサーと前記第2のイメージセンサーとの間の横方向の角度及び/又は縦方向の角度である、請求項14に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項16】
前記仮想面が、前記第1のイメージセンサーによって定義される座標系又は前記第2のイメージセンサーによって定義される座標系に基づく、請求項14に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項17】
前記第1のイメージセンサーの視野が、前記第2のイメージセンサーの視野と重なり合う又は重なり合わなく、請求項14に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項18】
第1のイメージセンサーと、第2のイメージセンサーと、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られる少なくとも1つの変換マトリクスを記憶する記憶ユニットとを含む広角センサーアレイモジュールの動作方法であって、該動作方法は、
該第1のイメージセンサーによって第3のイメージを取り込むステップと、
該第2のイメージセンサーによって第4のイメージを取り込むステップと、
該第3のイメージ及び/又は該第4のイメージを該変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップと、
該仮想面でのオブジェクトイメージの少なくとも1つの特性パラメータを取り込むステップと、
を含む動作方法。
【請求項19】
前記特性パラメータが、前記オブジェクトイメージの座標、面積、色、指向性、境界、頂点の数及びアスペクト比から成る群から選択される、請求項18に記載の動作方法。
【請求項20】
前記第1のイメージセンサーと前記第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係が、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の横方向の角度及び/又は縦方向の角度である、請求項18に記載の動作方法。
【請求項21】
第1のイメージセンサーと、第2のイメージセンサーと、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られる少なくとも1つの変換マトリクスを記憶する記憶ユニットとを含む広角センサーアレイモジュールの動作方法であって、該動作方法は、
該第1のイメージセンサーによって第3のイメージを取り込むステップと、
該第3のイメージによっての第1の特性パラメータを生成するステップと、
該第2のイメージセンサーによって第4のイメージを取り込むステップと、
該第4のイメージによって第2の特性パラメータを生成するステップと、
該第1の特性パラメータ及び該第2の特性パラメータを該変換マトリクスを用いて仮想面へ変換して、該第1の特性パラメータ及び該第2の特性パラメータを組み合わせるステップと、
を含む動作方法。
【請求項22】
前記第1及び前記第2の特性パラメータが、前記オブジェクトイメージの座標、面積、色、指向性、境界、頂点の数及びアスペクト比から成る群から選択される、請求項21に記載の動作方法。
【請求項23】
前記第1のイメージセンサーと前記第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係が、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の横方向の角度及び/又は縦方向の角度である、請求項21に記載の動作方法。
【請求項24】
少なくとも1つの光源と、
合成視野を有する合成イメージを作製するための広角センサーアレイモジュールであって、
第1のイメージを取り込むための第1のイメージセンサーと、
第2のイメージを取り込むための、該第1のイメージセンサーに対して相対的な空間関係を有する第2のイメージセンサーと、
変換マトリクスを記憶する、該第1のイメージと該第2のイメージを該変換マトリクスを用いて組み合わせ該合成イメージを作製する、該第一のイメージ及び/又は該第2のイメージは該光源のイメージを含み、該変換マトリクスは該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られ、該合成イメージ及び該光源のイメージに基づいて特性パラメータを生成するイメージプロセッシングユニットと、を含む広角センサーアレイモジュールと、
該センサーアレイモジュールに連結され、アプリケーションで生成された画像を表示し、該特性パラメータに基づいて該アプリケーションを制御し、かつ該画像を更新するためのイメージディスプレイと、を含むポインターポジショニングシステム。
【請求項25】
前記光源が、ライトガンの照準又はポインティングデバイスである、請求項24に記載のポインターポジショニングシステム。
【請求項26】
少なくとも1つの光源と、
合成視野を有する合成イメージを作製するための広角センサーアレイモジュールであって、
第3のイメージを取り込むための第1のイメージセンサーと、
第4のイメージを取り込むための、該第1のイメージセンサーに対して相対的な空間関係を有する第2のイメージセンサーと、
該第3のイメージによって第1の特性パラメータを生成し、かつ該第4のイメージによって第2の特性パラメータを生成し、該第1の特性パラメータと該第2の特性パラメータを該変換マトリクスを用いて合成特性パラメータを作製する、該第一の特性パラメータ及び該第2の特性パラメータの少なく1つは該第3のイメージ或いは該第4のイメージでの該光源のイメージによって決められ、該変換マトリクスは該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られるイメージプロセッシングユニットと、を含む広角センサーアレイモジュールと、
該センサーアレイモジュールに連結され、アプリケーションで生成された画像を表示し、該合成特性パラメータに基づいて該アプリケーションを制御し、かつ該画像を更新するためのイメージディスプレイと、を含むポインターポジショニングシステム。
【請求項27】
前記光源が、ライトガンの照準又はポインティングデバイスである、請求項26に記載のポインターポジショニングシステム。
【請求項1】
合成イメージを作製するための広角センサーアレイモジュールであって、該センサーアレイモジュールは、
第1のイメージを取り込むための第1のイメージセンサーと、
第2のイメージを取り込むための、該第1のイメージセンサーに対して相対的な空間関係を有する第2のイメージセンサーと、
少なくとも1つの変換マトリクスを記憶する記憶ユニットであって、該変換マトリクスは、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られる、記憶ユニットと、
該第1のイメージと該第2のイメージを該変換マトリクスを用いて組み合わせ、該合成イメージを作製するプロセッサと、
を含む広角センサーアレイモジュール。
【請求項2】
前記相対的な空間関係が、前記第1のイメージセンサーと前記第2のイメージセンサーとの間の横方向の角度である、請求項1に記載のセンサーアレイモジュール。
【請求項3】
前記横方向の角度が2Φであり、前記変換マトリクスが、
【数13】
及び/又は
【数14】
である、請求項2に記載のセンサーアレイモジュール。
【請求項4】
前記相対的な空間関係が、前記第1のイメージセンサーと前記第2のイメージセンサーとの間の横方向の角度及び縦方向の角度である、請求項1に記載のセンサーアレイモジュール。
【請求項5】
前記横方向の角度が2Φであり、前記縦方向の角度がθであり、前記変換マトリクスが、
【数15】
及び/又は
【数16】
である、請求項4に記載のセンサーアレイモジュール。
【請求項6】
前記第1及び第2のイメージセンサーを装着するためのフレームをさらに含み、それにより、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係が該フレームによって定義される、請求項1に記載のセンサーアレイモジュール。
【請求項7】
前記第1のイメージセンサーに対して第1の相対的な空間関係を有する第3のイメージセンサー、及び前記第1のイメージセンサーに対して第2の相対的な空間関係を有する第4のイメージセンサーをさらに含み、該第1の相対的な空間関係に従って得られる第1の変換マトリクス、及び該第2の相対的な空間関係に従って得られる第2の変換マトリクスが、前記記憶ユニットに記憶され、前記プロセッサが、前記第1、第2、第3、及び第4のイメージセンサーによって取り込まれたイメージを、前記変換マトリクス、該第1の変換マトリクス、及び該第2の変換マトリクスを用いて組み合わせて前記合成イメージを作製する、請求項1に記載のセンサーアレイモジュール。
【請求項8】
第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーを含む広角センサーアレイモジュールのイメージキャリブレーション方法であって、該イメージキャリブレーション方法は、
少なくとも3個の基準点を提供するステップであって、該基準点は基準座標系を定義し、各基準点は基準座標を有するステップと、
該第1のイメージセンサーによって少なくとも3個の基準点を含む第1のイメージを取り込むステップであって、該第1のイメージは第1のイメージ座標系を定義し、該第1のイメージに含まれる各基準点は第1のイメージ座標を有するステップと、
該基準座標系及び該第1のイメージ座標系に従って第1の変換マトリクスを得るステップと、
該第2のイメージセンサーによって少なくとも3個の基準点を含む第2のイメージを取り込むステップであって、該第2のイメージは第2のイメージ座標系を定義し、該第2のイメージに含まれる各基準点は第2のイメージ座標を有するステップと、
該基準座標系及び該第2のイメージ座標系に従って第2の変換マトリクスを得るステップと、
該第1のイメージ及び/又は該第2のイメージを該第1の変換マトリクス及び/又は該第2の変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップと、
を含むイメージキャリブレーション方法。
【請求項9】
前記基準座標系、前記第1のイメージ座標系及び前記第2のイメージ座標系が3次元デカルト座標系である、請求項8に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項10】
前記仮想面が、前記基準座標系、前記第1のイメージ座標系及び前記第2のイメージ座標系のいずれか1つに基づく、請求項8に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項11】
前記仮想面が前記基準座標系に基づく場合、前記第1のイメージを前記第1の変換マトリクスを用いて該仮想面へ変換し、前記第2のイメージを前記第2の変換マトリクスを用いて該仮想面へ変換する、請求項10に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項12】
前記仮想面が前記第1のイメージ座標系に基づく場合、前記第2のイメージを前記第1の変換マトリクス及び前記第2の変換マトリクスを用いて該仮想面へ変換する、請求項10に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項13】
前記仮想面が前記第2のイメージ座標系に基づく場合、前記第1のイメージを前記第1の変換マトリクス及び前記第2の変換マトリクスを用いて該仮想面へ変換する、請求項10に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項14】
第1のイメージセンサー及び第2のイメージセンサーを含む広角センサーアレイモジュールのイメージキャリブレーション方法であって、該イメージキャリブレーション方法は、
該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係を決定するステップと、
該相対的な空間関係に従って少なくとも1つの変換マトリクスを得るステップと、
該第1のイメージセンサーによって取り込まれたイメージ及び/又は該第2のイメージセンサーによって取り込まれたイメージを該変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップと、
を含むイメージキャリブレーション方法。
【請求項15】
前記相対的な空間関係が、前記第1のイメージセンサーと前記第2のイメージセンサーとの間の横方向の角度及び/又は縦方向の角度である、請求項14に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項16】
前記仮想面が、前記第1のイメージセンサーによって定義される座標系又は前記第2のイメージセンサーによって定義される座標系に基づく、請求項14に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項17】
前記第1のイメージセンサーの視野が、前記第2のイメージセンサーの視野と重なり合う又は重なり合わなく、請求項14に記載のイメージキャリブレーション方法。
【請求項18】
第1のイメージセンサーと、第2のイメージセンサーと、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られる少なくとも1つの変換マトリクスを記憶する記憶ユニットとを含む広角センサーアレイモジュールの動作方法であって、該動作方法は、
該第1のイメージセンサーによって第3のイメージを取り込むステップと、
該第2のイメージセンサーによって第4のイメージを取り込むステップと、
該第3のイメージ及び/又は該第4のイメージを該変換マトリクスを用いて仮想面へ変換するステップと、
該仮想面でのオブジェクトイメージの少なくとも1つの特性パラメータを取り込むステップと、
を含む動作方法。
【請求項19】
前記特性パラメータが、前記オブジェクトイメージの座標、面積、色、指向性、境界、頂点の数及びアスペクト比から成る群から選択される、請求項18に記載の動作方法。
【請求項20】
前記第1のイメージセンサーと前記第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係が、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の横方向の角度及び/又は縦方向の角度である、請求項18に記載の動作方法。
【請求項21】
第1のイメージセンサーと、第2のイメージセンサーと、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られる少なくとも1つの変換マトリクスを記憶する記憶ユニットとを含む広角センサーアレイモジュールの動作方法であって、該動作方法は、
該第1のイメージセンサーによって第3のイメージを取り込むステップと、
該第3のイメージによっての第1の特性パラメータを生成するステップと、
該第2のイメージセンサーによって第4のイメージを取り込むステップと、
該第4のイメージによって第2の特性パラメータを生成するステップと、
該第1の特性パラメータ及び該第2の特性パラメータを該変換マトリクスを用いて仮想面へ変換して、該第1の特性パラメータ及び該第2の特性パラメータを組み合わせるステップと、
を含む動作方法。
【請求項22】
前記第1及び前記第2の特性パラメータが、前記オブジェクトイメージの座標、面積、色、指向性、境界、頂点の数及びアスペクト比から成る群から選択される、請求項21に記載の動作方法。
【請求項23】
前記第1のイメージセンサーと前記第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係が、該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の横方向の角度及び/又は縦方向の角度である、請求項21に記載の動作方法。
【請求項24】
少なくとも1つの光源と、
合成視野を有する合成イメージを作製するための広角センサーアレイモジュールであって、
第1のイメージを取り込むための第1のイメージセンサーと、
第2のイメージを取り込むための、該第1のイメージセンサーに対して相対的な空間関係を有する第2のイメージセンサーと、
変換マトリクスを記憶する、該第1のイメージと該第2のイメージを該変換マトリクスを用いて組み合わせ該合成イメージを作製する、該第一のイメージ及び/又は該第2のイメージは該光源のイメージを含み、該変換マトリクスは該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られ、該合成イメージ及び該光源のイメージに基づいて特性パラメータを生成するイメージプロセッシングユニットと、を含む広角センサーアレイモジュールと、
該センサーアレイモジュールに連結され、アプリケーションで生成された画像を表示し、該特性パラメータに基づいて該アプリケーションを制御し、かつ該画像を更新するためのイメージディスプレイと、を含むポインターポジショニングシステム。
【請求項25】
前記光源が、ライトガンの照準又はポインティングデバイスである、請求項24に記載のポインターポジショニングシステム。
【請求項26】
少なくとも1つの光源と、
合成視野を有する合成イメージを作製するための広角センサーアレイモジュールであって、
第3のイメージを取り込むための第1のイメージセンサーと、
第4のイメージを取り込むための、該第1のイメージセンサーに対して相対的な空間関係を有する第2のイメージセンサーと、
該第3のイメージによって第1の特性パラメータを生成し、かつ該第4のイメージによって第2の特性パラメータを生成し、該第1の特性パラメータと該第2の特性パラメータを該変換マトリクスを用いて合成特性パラメータを作製する、該第一の特性パラメータ及び該第2の特性パラメータの少なく1つは該第3のイメージ或いは該第4のイメージでの該光源のイメージによって決められ、該変換マトリクスは該第1のイメージセンサーと該第2のイメージセンサーとの間の相対的な空間関係に従って得られるイメージプロセッシングユニットと、を含む広角センサーアレイモジュールと、
該センサーアレイモジュールに連結され、アプリケーションで生成された画像を表示し、該合成特性パラメータに基づいて該アプリケーションを制御し、かつ該画像を更新するためのイメージディスプレイと、を含むポインターポジショニングシステム。
【請求項27】
前記光源が、ライトガンの照準又はポインティングデバイスである、請求項26に記載のポインターポジショニングシステム。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図12】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図12】
【公開番号】特開2010−28820(P2010−28820A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171806(P2009−171806)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(508001534)ピックスアート イメージング インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(508001534)ピックスアート イメージング インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
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