説明

座席状態検出装置、車両用ヘッドランプの照射方向調節装置及び着座検出装置

【課題】 座席シート上の乗員着座の判別の信頼性を向上することができる着座検出装置を提供する。
【解決手段】着座検出装置10は、圧力に応じてオン・オフが切り替わる複数の感圧スイッチ部11を並列接続して座席シートに分散配置するセンサ本体10aを備えており、複数の感圧スイッチ部11の少なくとも1つのオン状態に基づき座席シート上の乗員着座を判別する。感圧スイッチ部11は、直列接続された複数の感圧スイッチ11a,11bからなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座席状態検出装置、車両用ヘッドランプの照射方向調節装置及び着座検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの車両の座席シート上の乗員着座の如何を判別する着座検出装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この着座検出装置が備えるセンサ本体は、一対のフィルム(31,32)上に配設された一対の電極(33,34)により構成された感圧スイッチが複数並列接続されている。この感圧スイッチは、圧力に応じてオン・オフが切り替わるもので、この着座検出装置が備える判定回路(4)は、複数の感圧スイッチの少なくとも1つのオン状態に基づいて座席シート上の乗員着座を判別する。
【特許文献1】特開平9−315199号公報(第1図、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1の着座検出装置では、いずれか1つの感圧スイッチが接触故障などで短絡して常時オン状態になると、座席シート上の乗員着座が判別されてしまうため、当該判別の信頼性が低下してしまう。
【0004】
本発明の第1の目的は、座席シート上に加わる荷重が所定荷重を超えることの判別の信頼性を向上することができる座席状態検出装置及び車両用ヘッドランプの照射方向調節装置を提供することにある。
【0005】
本発明の第2の目的は、座席シート上の乗員着座の判別の信頼性を向上することができる着座検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、圧力に応じてオン・オフが切り替わる複数の感圧スイッチ部を並列接続して座席シートに分散配置するセンサ本体を備え、該複数の感圧スイッチ部の少なくとも1つのオン状態に基づき該座席シート上に加わる荷重が所定荷重を超えることを判別する座席状態検出装置において、前記感圧スイッチ部は、直列接続された複数の感圧スイッチからなることを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の座席状態検出装置において、前記センサ本体は、第1電源接続用端子に接続された第1電極及び第2電源接続用端子に接続された第2電極からなる離隔電極が複数並列配置された第1フィルムと、前記複数の離隔電極に対応して開口部が形成されたスペーサと、前記離隔電極の第1及び第2電極にそれぞれ対向する、相互に短絡された一対の対向電極が前記複数の離隔電極ごとにそれぞれ配置された第2フィルムとが重ね合わされて構成され、前記複数の感圧スイッチは、圧力に応じて導通・非導通が切り替わる前記第1電極とこれに対向する前記一対の対向電極のいずれか一方の対向電極と、圧力に応じて導通・非導通が切り替わる前記第2電極とこれに対向する前記一対の対向電極のいずれか他方の対向電極とで構成されたことを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の座席状態検出装置を備えた車両用ヘッドランプの照射方向調節装置において、前記座席シート上に加わる荷重が所定荷重を超えると判別されたときに、車両用ヘッドランプの照射方向を下方から上方に調節する調節手段を備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、圧力に応じてオン・オフが切り替わる複数の感圧スイッチ部を並列接続して座席シートに分散配置するセンサ本体を備え、該複数の感圧スイッチ部の少なくとも1つのオン状態に基づき該座席シート上の乗員着座を判別する着座検出装置において、前記感圧スイッチ部は、直列接続された複数の感圧スイッチからなることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
以上詳述したように、請求項1又は2に記載の発明では、前記感圧スイッチ部は、該感圧スイッチ部を構成する直列接続された複数の感圧スイッチの全てがオン状態になることでオン状態となる。従って、仮にいずれか1つの感圧スイッチが接触故障などで短絡して常時オン状態になっても、これに直列接続された他の感圧スイッチがオン状態にならない限り、前記感圧スイッチ部がオン状態になることはない。つまり、前記感圧スイッチ部を複数の感圧スイッチの集合体としてその冗長性を確保したことで、前記座席シート上に加わる荷重が所定荷重を超えることの判別に際してその信頼性を向上することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、前記座席シート上に加わる荷重が所定荷重を超えると判別されたときに、前記調節手段により車両用ヘッドランプの照射方向が下方から上方に調節される。一般に、前記座席シート上に著しい荷重が加わるとき、これを搭載する車両はこの荷重の分だけ下方に沈み込む。このとき、車両用ヘッドランプの照射方向も下方にずれることになり、当該車両は前方(路面)を適切に照明できなくなることがある。しかしながら、これに対応して前記調整手段により車両用ヘッドランプの照射方向が下方から上方に調節されることで、前方(路面)の照明が適切になされる。また、前記感圧スイッチ部を複数の感圧スイッチの集合体としてその冗長性を確保したことで、例えば前記座席シート上に加わる荷重が所定荷重を超えたと誤判別されて前記調整手段により車両用ヘッドランプの照射方向が下方から上方へと誤調節され、対向車両の走行を妨げたりすることも抑制できる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、前記感圧スイッチ部は、該感圧スイッチ部を構成する直列接続された複数の感圧スイッチの全てがオン状態になることでオン状態となる。従って、仮にいずれか1つの感圧スイッチが接触故障などで短絡して常時オン状態になっても、これに直列接続された他の感圧スイッチがオン状態にならない限り、前記感圧スイッチ部がオン状態になることはない。つまり、前記感圧スイッチ部を複数の感圧スイッチの集合体としてその冗長性を確保したことで、前記座席シート上の乗員着座の判別に際してその信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について図面に従って説明する。
図7は、本発明が適用される自動車の助手席を示す斜視図である。同図に示されるように、この助手席の座席シート1は、シート表皮2、クッションパッド3及びクッションばね4などが上から順番に配置されて構成されている。そして、座席シート1の幅方向中央部の後部側には、シート表皮2とクッションパッド3との間に挟まれる態様で後述する着座検出装置10のセンサ本体10aが収容されている。このセンサ本体10aは、座席シート1の着座面に沿って広がる態様で配置・収容されている。なお、クッションパッド3の内部に着座検出装置10のセンサ本体10aが収容されていてもよい。
【0014】
図1は、着座検出装置10及びその周辺構造の電気的構成を示す回路図である。同図に示されるように、この着座検出装置10は、前記センサ本体10aと、電子制御装置(以下、「ECU(Electronic Control Unit )」という)10bとを備えている。そして、センサ本体10aは、並列接続された複数の感圧スイッチ部11と、短絡検出用抵抗12と、断線検出用抵抗13とを備えており、電源線14,15を介してECU10bに接続されることで所定電圧が供給されている。なお、センサ本体10aは、座席シート1に収容されることで上記複数の感圧スイッチ部11を座席シート1に分散配置する。
【0015】
前記感圧スイッチ部11は、直列接続された複数(2個)の感圧スイッチ11a,11bを備えており、感圧スイッチ11a側で前記短絡検出用抵抗12を介して電源線14と接続され、感圧スイッチ11b側で電源線15と接続されている。これら感圧スイッチ11a,11bは、圧力に応じて個別にオン・オフが切り替わる。つまり、上記感圧スイッチ部11は、圧力に応じて、全ての感圧スイッチ11a,11bが同時にオン状態になるときにオン状態となり、少なくとも一方の感圧スイッチ11a,11bがオフ状態になるときにオフ状態となる。これは、前記感圧スイッチ部11を複数の感圧スイッチ(11a,11b)の集合体としてその冗長性を確保するためである。
【0016】
前記短絡検出用抵抗12は、並列接続された複数の感圧スイッチ部11に直列接続されており、一端が感圧スイッチ11a側で感圧スイッチ部11に接続され、他端が前記電源線15に接続されている。
【0017】
前記断線検出用抵抗13は、並列接続された複数の感圧スイッチ部11に並列接続されており、一端及び他端がそれぞれ感圧スイッチ11a,11b側で感圧スイッチ部11に接続されている。
【0018】
ECU10bは、前記電源線14,15を介してセンサ本体10aに接続されており、同センサ本体10aに所定電圧を供給することでその抵抗値を監視する。そして、ECU10bは、センサ本体10aの抵抗値に応じて座席シート1上の乗員着座の如何を判別等する。
【0019】
ここで、前記短絡検出用抵抗12の抵抗値を抵抗値Rs、前記断線検出用抵抗13の抵抗値を抵抗値Roとして、センサ本体10a(座席シート1)の状態と対応するその抵抗値との関係について説明する。例えば前記複数の感圧スイッチ部11の全てのオフ状態では、前記センサ本体10aの抵抗値は、直列接続となる前記短絡検出用抵抗12及び前記断線検出用抵抗13に支配的な抵抗値(=Rs+Ro)になる。一方、前記複数の感圧スイッチ部11の少なくとも1つのオン状態では、前記センサ本体10aの抵抗値は、これらに直列接続された前記短絡検出用抵抗12に支配的な抵抗値(=Rs)になる。従って、ECU10bは、基本的に圧力に応じた上記感圧スイッチ部11のオン・オフに基づくセンサ本体10aの抵抗値の相違に基づき、座席シート1上の乗員着座の如何を判別する。なお、前記複数の感圧スイッチ部11は、座席シート1上に加わる荷重が所定荷重を超えることで少なくとも1つがオン状態になるように設定されている。従って、ECU10bは、座席シート1上に加わる荷重が所定荷重を超えるか否かを判別する座席状態検出の機能を併せ有している。
【0020】
また、例えば前記電源線14,15が短絡した場合には、前記センサ本体10aの見かけ上の抵抗値は、前記短絡検出用抵抗12に比べて十分に小さな抵抗値になる。ECU10bは、このときのセンサ本体10aの抵抗値に基づき、短絡異常を検出する。つまり、こうした短絡異常と前記感圧スイッチ部11のオン状態とは、前記短絡検出用抵抗12の設置により電気的に明確に区別し得ることから、当該短絡異常によってECU10bにより前記座席シート1上の乗員着座と誤判別されることが回避される。換言すれば、前記短絡検出用抵抗12が設置されていないとき、前記複数の感圧スイッチ部11の少なくとも1つのオン状態では、前記センサ本体10aの抵抗値は、短絡異常時と同様に十分に小さな抵抗値になって、これらの区別が不明確となる。
【0021】
さらに、例えば前記電源線14,15が断線した場合には、前記センサ本体10aの見かけ上の抵抗値は、前記短絡検出用抵抗12及び前記断線検出用抵抗13に比べて十分に大きな抵抗値になる。ECU10bは、このときのセンサ本体10aの抵抗値に基づき、断線異常を検出する。つまり、こうした断線異常と前記複数の感圧スイッチ部11の全てのオフ状態とは、前記断線検出用抵抗13の設置により電気的に明確に区別し得ることから、当該断線異常によってECU10bにより前記座席シート1上に乗員が着座していないと誤判別されることが回避される。換言すれば、前記断線検出用抵抗13が設置されていないとき、前記複数の感圧スイッチ部11の全てのオフ状態では、前記センサ本体10aの抵抗値は、断線異常時と同様に十分に大きな抵抗値になって、これらの区別が不明確となる。
【0022】
前記ECU10bには、シートベルトの装着を促す報知手段としてのインジケータ16が接続されている。ECU10bは、前記座席シート1上の乗員着座が判別されたときに、前記インジケータ16を点灯駆動してシートベルトの装着を促す。なお、ECU10bは、前記座席シート1上に乗員が着座していないと判別されたときや、前述の短絡異常若しくは断線異常が検出されたとき、あるいはシートベルトの装着が確認されたときには、前記インジケータ16の点灯駆動を行わない。
【0023】
また、前記ECU10bは、車両用ヘッドランプの照射方向を調節制御するヘッドランプECU21に接続されており、センサ本体10aの抵抗値に基づく座席シート1上の状態(座席シート1上に加わる荷重が所定荷重を超えるか否かの状態)に応じた信号を同ヘッドランプECU21に出力する。また、上記ECU10bは、前述の短絡異常若しくは断線異常が検出されたときには、これらの異常の存在を表す信号を同ヘッドランプECU21に出力する。上記ヘッドランプECU21は、アクチュエータ22に接続されており、上記ECU10bからのこれらの信号に基づき上記アクチュエータ22を駆動することで車両用ヘッドランプ23の照射方向を調節する。
【0024】
具体的には、ヘッドランプECU21は、上記ECU10bから座席シート1上に加わる荷重が所定荷重を超える状態を表す信号が出力されたときに、車両用ヘッドランプ23の照射方向を下方から上方に調節する。一般に、前記座席シート1上に著しい荷重が加わるとき、これを搭載する車両はこの荷重の分だけ下方に沈み込む。このとき、車両用ヘッドランプ23の照射方向も下方にずれることになり、当該車両は前方(路面)を適切に照明できなくなることがある。ヘッドランプECU21は、これに対応して前記アクチュエータ22を駆動し車両用ヘッドランプ23の照射方向を下方から上方に調節することで、前方(路面)の照明の適切化を図る。
【0025】
一方、ヘッドランプECU21は、上記ECU10bから座席シート1上に加わる荷重が所定荷重を超えていない状態を表す信号が出力されたときや、前述の短絡異常若しくは断線異常の存在を表す信号が出力されたときには、車両用ヘッドランプ23の照射方向の上方への調節を禁止する。これは、特に着座検出装置10の異常(短絡異常・断線異常)時において、徒に車両用ヘッドランプ23の照射方向を上方に調節して対向車両の走行を妨げたりすることを回避するためである。
【0026】
次に、上記センサ本体10aの細部構造について図2〜図6に基づき説明する。なお、図2はセンサ本体10aを示す平面図であり、図3(a)(b)はそれぞれ図2のA−A線及びB−B線に沿った断面図である。また、図4、図5及び図6は、それぞれセンサ本体10aを構成する第1フィルム31、スペーサ32及び第2フィルム33を示す平面図である。図2及び図3に示されるように、センサ本体10aは、平面視略Y字のシート状(薄板状)に形成されており、これら第1フィルム31、スペーサ32及び第2フィルム33が上から順番に重ね合わされることで、並列接続された複数(6個)の感圧スイッチ部11等を構成している。そして、本実施形態の感圧スイッチ11a,11bは、センサ本体10aの左右の分岐部においてその延出方向に隣り合って配置されている。
【0027】
詳述すると、前記第1フィルム31は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)材にて平面視略Y字のシート状に形成されており、図4に示されるように、直線部31aと、同直線部31aから一側及び他側(図4の右側及び左側)にそれぞれ分岐する第1分岐部31b及び第2分岐部31cとを有している。そして、この第1フィルム31の一側端面(下面)には、回路パターン34が印刷されている。この回路パターン34は、基本的にその外形に沿って印刷された銀ペーストを酸化防止用のカーボンにて被覆することで形成されている。この酸化防止用のカーボンは、銀ペーストよりも小さい電気伝導度を有するものの導体として形成されている。
【0028】
上記回路パターン34は、前記直線部31aの先端部一側(図4の右側)に配置された第1電源接続用端子34aと、同第1電源接続用端子34aに連続する第1配線部34bと、前記直線部31aの先端部他側(図4の左側)に配置された第2電源接続用端子34cと、同第2電源接続用端子34cに連続する第2配線部34dとを有している。上記第1及び第2電源接続用端子34a,34cは、それぞれ前記電源線14,15に接続するための外部接続用の端子である。
【0029】
上記第1配線部34bは、直線部31aに沿ってその一側(図4の右側)寄りに伸び、更に第1分岐部31bに沿ってその一側寄りに伸び、先端で折り返してその他側(図4の左側)寄りに伸びて、再び基端で折り返して第2分岐部31cに沿ってその一側寄りに伸びている。そして、第1配線部34bの第1分岐部31bに沿ってその他側寄りに伸びる部分及び第2分岐部31cに沿ってその一側寄りに伸びる部分には、その延出方向に所定間隔をおいて円形の複数(3つ)の第1電極34eがそれぞれ連続形成されている。これら第1電極34eの直径は、第1配線部34bの幅に比べて十分に大きく設定されている。
【0030】
なお、第1配線部34bは、前記第1電源接続用端子34aと、配線長でこれに最も近い位置にある第1電極34e(第1分岐部31bの先端部に配置された第1電極34e)との間で所定距離だけ開放されており、前記短絡検出用抵抗12はこの開放部に印刷されたカーボンにより、所定の抵抗値Rsを有するように形成されている。
【0031】
一方、上記第2配線部34dは、直線部31aに沿ってその他側(図4の左側)寄りに伸びて分岐し、第1分岐部31bに沿ってその一側(図4の右側)寄り及び第2分岐部31cに沿ってその他側(図4の左側)寄りにそれぞれ伸びている。そして、第2配線部34dの第1分岐部31bに沿ってその一側寄りに伸びる部分及び第2分岐部31cに沿ってその他側寄りに伸びる部分には、その延出方向に所定間隔をおいて円形の複数(3つ)の第2電極34fがそれぞれ連続形成されている。これら第2電極34fの直径は、前記第1電極34eの直径と同等に設定されている。そして、これら第1及び第2電極34e,34fの中心は、第1分岐部31b若しくは第2分岐部31cの延出方向に伸びる一直線上に配置されている。また、第1分岐部31bに配置された第1及び第2電極34e,34fと、第2分岐部31cに配置された第1及び第2電極34e,34fとは、左右対称に配置されている。各第1電極34e及びこれに隣り合う第2電極34fは、第1及び第2分岐部31b,31cの延出方向(第1及び第2電極34e,34fに共通の径方向)に所定距離だけ離隔された離隔電極を形成している。つまり、この離隔電極は、所定距離だけ離隔された1組の第1及び第2電極34e,34fにより形成されており、前記第1フィルム31にはこの離隔電極が複数(6組)並列配置されている。
【0032】
なお、前記断線検出用抵抗13は、配線長で前記第1電源接続用端子34aに最も遠い位置にある第1電極34e(第2分岐部31cの先端部に配置された第1電極34e)と、配線長で前記第2電源接続用端子34cに最も遠い位置にある一方の第2電極34f(第2分岐部31cの先端部に配置された第2電極34f)との間の開放部に印刷されたカーボンにより、所定の抵抗値Roを有するように形成されている。
【0033】
前記スペーサ32は、例えばPET材にて第1フィルム31と同様に平面視略Y字のシート状に形成されている。このスペーサ32は、粘着剤が塗布されたその上面に前記第1フィルム31が載置されることでこれと結合されている(図3参照)。図5に示されるように、上記スペーサ32は、第1フィルム31が重ね合わされた状態において、第1及び第2電極34e,34fとそれぞれ同心となり、且つ、これら第1及び第2電極34e,34fの直径よりも小さい内径を有する円形の開口部32a,32bを有している。つまり、上記スペーサ32には、複数の離隔電極に対応して開口部が形成されている。また、このスペーサ32には、一側及び他側(図5の右側及び左側)の各分岐部で開口部32a,32bに共通の径方向でこれらを連通し、当該分岐部の基端側で両側の分岐部間を連通する内部空気通路32cが形成されている。
【0034】
前記第2フィルム33は、例えばPET材にて第1フィルム31と同様に平面視略Y字のシート状に形成されている。この第2フィルム33は、下面に粘着剤が塗布されたスペーサ32が載置されることでこれと結合されている(図3参照)。つまり、第1及び第2フィルム31,33は、スペーサ32が介装されることで、荷重が加わらない初期状態において所定の間隔に保持されている。図6に示されるように、この第2フィルム33の他側端面(上面)には、複数(6つ)の回路パターン35が印刷されている。これら回路パターン35は、基本的にその外形に沿って印刷された銀ペーストを酸化防止用のカーボンにて被覆することで形成されている。この酸化防止用のカーボンは、銀ペーストよりも小さい電気伝導度を有するものの導体として形成されている。
【0035】
上記回路パターン35は、スペーサ32を介して第1フィルム31が重ね合わされた状態において、第1及び第2電極34e,34fとそれぞれ同心となり、且つ、これら第1及び第2電極34e,34fの直径と同等の直径を有する円形の一対の対向電極35a,35bを有している。そして、各一対の対向電極35a,35bは、これらに共通の径方向からずれた方向に伸びる配線部35cにより相互に短絡されている。つまり、前記第2フィルム33には、配線部35cにより短絡された一対の対向電極35a,35bが複数(6組)配置されている。
【0036】
ここで、圧力が加わって第1フィルム31及び第2フィルム33が撓み、離隔電極を形成するいずれか1組の第1及び第2電極34e,34fと、スペーサ32の開口部32a,32bを介してこれらに対向する一対の対向電極35a,35bとがともに接触して導通したとする。このとき、第1電極34eに短絡検出用抵抗12を介して接続された第1電源接続用端子34a(電源線14)と、第2電極34fに接続された第2電源接続用端子34c(電源線15)とは、これら第1及び第2電極34e,34fに接触する一対の対向電極35a,35bにより導通される。つまり、前記感圧スイッチ部11は、第1フィルム31の離隔電極(第1及び第2電極34e,34f)と、これに対向する第2フィルム33の一対の対向電極35a,35b等により構成されている。そして、各感圧スイッチ部11の感圧スイッチ11aは、第1電極34eとこれに対向する一方の対向電極35aとにより構成されており、感圧スイッチ11bは、第2電極34fとこれに対向する他方の対向電極35bとにより構成されている。
【0037】
なお、第1フィルム31及び第2フィルム33の撓みに伴い開口部32a,32b内の空気が圧縮等されることになる。この圧縮等された空気は、前記内部空気通路32cを介して最終的に外部へ放出等されるようになっている。
【0038】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、前記感圧スイッチ部11は、同感圧スイッチ部11を構成する直列接続された複数の感圧スイッチ11a,11bの全てがオン状態になることでオン状態となる。従って、仮にいずれか1つの感圧スイッチ(11a又は11b)が接触故障などで短絡して常時オン状態になっても、これに直列接続された他の感圧スイッチ(11a又は11b)がオン状態にならない限り、前記感圧スイッチ部11がオン状態になることはない。つまり、前記感圧スイッチ部11を複数の感圧スイッチ11a,11bの集合体としてその冗長性を確保したことで、前記座席シート1上の乗員着座の判別(座席シート1上に加わる荷重が所定荷重を超えることの判別)に際してその信頼性を向上することができる。
【0039】
(2)本実施形態では、前記座席シート1上に加わる荷重が所定荷重を超えると判別されたときに、ヘッドランプECU21等により車両用ヘッドランプ23の照射方向が下方から上方に調節される。これにより、前方(路面)の照明が適切になされる。また、前記感圧スイッチ部11を複数の感圧スイッチ11a,11bの集合体としてその冗長性を確保したことで、例えば前記座席シート1上に加わる荷重が所定荷重を超えたと誤判別されてヘッドランプECU21等により車両用ヘッドランプ23の照射方向が下方から上方へと誤調節され、対向車両の走行を妨げたりすることも抑制できる。
【0040】
(3)本実施形態では、前記座席シート1上の乗員着座が判別されたときに、前記インジケータ16が点灯駆動されることによりシートベルトの装着が促される。従って、シートベルトの装着忘れなどを抑制できる。
【0041】
(4)本実施形態では、離隔電極を形成する第1及び第2電極34e,34f及びこれらに対向する一対の対向電極35a,35bを円形にして十分な接触面積を確保し得るようにしたことで、信頼性の高い感圧スイッチ部11を構成することができる。例えば離隔電極を櫛歯状に形成した場合のように対向電極との接触面積が小さくなる場合に比べ、より信頼性の高い感圧スイッチ部11を構成することができる。
【0042】
(5)本実施形態では、例えば車両のフロント部分に車高センサを別途設けなくても、これに代用して所定荷重を超えた荷重を判別することで車両の下方への沈み込みを検出し、これに基づき車両用ヘッドランプ23の照射方向の調節を行うことができる。従って、例えば車高センサを設けることで生じるコストの増大や設計自由度の制約を回避することができる。
【0043】
(6)本実施形態では、座席シート1上の乗員を判別してシートベルトの装着を促すシステム(着座検出装置10)を一部兼用して、ヘッドランプの照射方向を調節するシステムを構成したことで、当該システムのために要する設計変更やコストの増大を最小限に抑制することができる。
【0044】
(7)本実施形態では、並列接続された複数の感圧スイッチ部11を備えているため、例えばいずれか1つの感圧スイッチ部11が断線したとしても、残りの感圧スイッチ部11によって座席シート1上の乗員着座等の判別を継続することができる。
【0045】
(8)本実施形態では、感圧スイッチ部11のオン・オフに基づいて座席シート1上の乗員着座等を判別するようにしたため、簡単な構成で確実に座席シート1上の乗員着座等を判別することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態について図面に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の感圧スイッチ11a,11bを、センサ本体の左右の分岐部においてその延出方向に直交する方向に隣り合うように配置変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
【0047】
図8は本実施形態のセンサ本体40を示す平面図であり、図9(a)(b)はそれぞれ図8のA−A線及びB−B線に沿った断面図である。同図に示されるように、センサ本体40は、平面視略Y字のシート状に形成されており、第1フィルム41、スペーサ42及び第2フィルム43が上から順番に重ね合わされることで、並列接続された複数(6個)の感圧スイッチ部11等を構成している。そして、本実施形態の感圧スイッチ11a,11bは、センサ本体10aの左右の分岐部においてその延出方向に直交する方向(左右方向)に隣り合って配置されている。
【0048】
詳述すると、前記第1フィルム41は、例えばPET材にて平面視略Y字のシート状に形成されており、直線部41aと、同直線部41aから一側及び他側(図8の右側及び左側)にそれぞれ分岐する第1分岐部41b及び第2分岐部41cとを有している。そして、この第1フィルム41の一側端面(下面)には、回路パターン44が印刷されている。この回路パターン44は、基本的にその外形に沿って印刷された銀ペーストを酸化防止用のカーボンにて被覆することで形成されている。
【0049】
上記回路パターン44は、前記直線部41aの先端部一側(図8の右側)に配置された第1電源接続用端子44aと、同第1電源接続用端子44aに連続する第1配線部44bと、前記直線部41aの先端部他側(図8の左側)に配置された第2電源接続用端子44cと、同第2電源接続用端子44cに連続する第2配線部44dとを有している。上記第1及び第2電源接続用端子44a,44cは、それぞれ前記電源線14,15に接続するための外部接続用の端子である。
【0050】
上記第1配線部44bは、直線部41aに沿ってその一側(図8の右側)寄りに伸び、更に第1分岐部41bに沿ってその一側寄りに伸び、先端で折り返してその他側(図8の左側)寄りに伸びて、再び基端で折り返して第2分岐部41cに沿ってその一側寄りに伸びている。そして、第1配線部44bの第1分岐部41bに沿ってその他側寄りに伸びる部分及び第2分岐部41cに沿ってその一側寄りに伸びる部分には、その延出方向に所定間隔をおいて円形の複数(3つ)の第1電極44eがそれぞれ連続形成されている。
【0051】
なお、第1配線部44bは、前記第1電源接続用端子44aと、配線長でこれに最も近い位置にある第1電極44e(第1分岐部41bの先端部に配置された第1電極44e)との間で所定距離だけ開放されており、前記短絡検出用抵抗12はこの開放部に印刷されたカーボンにより、所定の抵抗値Rsを有するように形成されている。
【0052】
一方、上記第2配線部44dは、直線部41aに沿ってその他側(図8の左側)寄りに伸びて分岐し、第1分岐部41bに沿ってその一側(図8の右側)寄り及び第2分岐部41cに沿ってその他側(図8の左側)寄りにそれぞれ伸びている。そして、第2配線部44dの第1分岐部41bに沿ってその一側寄りに伸びる部分及び第2分岐部41cに沿ってその他側寄りに伸びる部分には、その延出方向に所定間隔をおいて円形の複数(3つ)の第2電極44fがそれぞれ連続形成されている。これら第2電極44fの直径は、前記第1電極44eの直径と同等に設定されている。そして、第1及び第2分岐部41b,41cのそれぞれにおいて、第1及び第2電極44e,44fは、左右対称に配置されている。また、第1分岐部41bに配置された第1及び第2電極44e,44fと、第2分岐部41cに配置された第1及び第2電極44e,44fとは、左右対称に配置されている。各第1電極44e及びこれに隣り合う第2電極44fは、第1及び第2分岐部41b,41cの延出方向に直交する方向(第1及び第2電極44e,44fに共通の径方向)に所定距離だけ離隔された離隔電極を形成している。つまり、この離隔電極は、所定距離だけ離隔された1組の第1及び第2電極44e,44fにより形成されており、前記第1フィルム41にはこの離隔電極が複数(6組)並列配置されている。
【0053】
なお、前記断線検出用抵抗13は、配線長で前記第1電源接続用端子44aに最も遠い位置にある第1電極44e(第2分岐部41cの先端部に配置された第1電極44e)と、配線長で前記第2電源接続用端子44cに最も遠い位置にある一方の第2電極44f(第2分岐部41cの先端部に配置された第2電極44f)との間の開放部に印刷されたカーボンにより、所定の抵抗値Roを有するように形成されている。
【0054】
前記スペーサ42は、例えばPET材にて第1フィルム41と同様に平面視略Y字のシート状に形成されている。このスペーサ42は、粘着剤が塗布されたその上面に前記第1フィルム41が載置されることでこれと結合されている(図9参照)。上記スペーサ42は、第1フィルム41が重ね合わされた状態において、第1及び第2電極44e,44fとそれぞれ同心となり、且つ、これら第1及び第2電極44e,44fの直径よりも小さい内径を有する円形の開口部42a,42bを有している。つまり、上記スペーサ42には、複数の離隔電極に対応して開口部が形成されている。また、このスペーサ42には、一側及び他側(図8の右側及び左側)の各分岐部で両開口部42a,42bの中心線に沿ってこれらを連通し、当該分岐部の基端側で両側の分岐部間を連通する内部空気通路42cが形成されている。
【0055】
前記第2フィルム43は、例えばPET材にて第1フィルム41と同様に平面視略Y字のシート状に形成されている。この第2フィルム43は、下面に粘着剤が塗布されたスペーサ42が載置されることでこれと結合されている(図9参照)。つまり、第1及び第2フィルム41,43は、スペーサ42が介装されることで、荷重が加わらない初期状態において所定の間隔に保持されている。この第2フィルム43の他側端面(上面)には、複数(6つ)の回路パターン45が印刷されている。これら回路パターン45は、基本的にその外形に沿って印刷された銀ペーストを酸化防止用のカーボンにて被覆することで形成されている。
【0056】
上記回路パターン45は、スペーサ42を介して第1フィルム41が重ね合わされた状態において、第1及び第2電極44e,44fとそれぞれ同心となり、且つ、これら第1及び第2電極44e,44fの直径と同等の直径を有する円形の一対の対向電極45a,45bを有している。そして、各一対の対向電極45a,45bは、これらに共通の径方向からずれた方向に伸びる配線部45cにより相互に短絡されている。つまり、前記第2フィルム43には、配線部45cにより短絡された一対の対向電極45a,45bが複数(6組)配置されている。
【0057】
このような構成において、前記感圧スイッチ部11は、第1の実施形態に準じて、第1フィルム41の離隔電極(第1及び第2電極44e,44f)と、これに対向する第2フィルム43の一対の対向電極45a,45b等により構成されている。そして、各感圧スイッチ部11の感圧スイッチ11aは、第1電極44eとこれに対向する一方の対向電極45aとにより構成されており、感圧スイッチ11bは、第2電極44fとこれに対向する他方の対向電極45bとにより構成されている。
【0058】
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態の効果と同様の効果が得られるようになる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0059】
・前記各実施形態において、感圧スイッチ部11を構成する直列接続の感圧スイッチは3つ以上であってもよい。
・前記各実施形態において、並列接続される感圧スイッチ部11は、複数であればいくつであってもよい。また、複数の感圧スイッチ部及びこれを構成する複数の感圧スイッチの配置も適宜変更してもよい。
【0060】
・前記各実施形態においては、電源線14に接続される第1電源接続用端子34a,44a及び第1配線部34b,44bと、電源線15に接続される第2電源接続用端子34c,44c及び第2配線部34d,44dとをともに第1フィルム31,41に印刷した。これに対して、例えば上記第1電源接続用端子34a,44a及び第1配線部34b,44bを第1フィルム31,41及び第2フィルム33,43のいずれか一方に印刷し、上記第2電源接続用端子34c,44c及び第2配線部34d,44dを第1フィルム31,41及び第2フィルム33,43のいずれか他方に印刷してもよい。また、上記に限らず、第1フィルム31,41に印刷される回路パターン34,44及び第2フィルム33,43に印刷される回路パターン35,45の形状を適宜変更してもよい。
【0061】
・前記各実施形態において、回路パターン35,45を、例えば銀−炭素系ペーストなどのその他の材料で印刷してもよい。
・前記各実施形態において、第1フィルム31,41及び第2フィルム33,43の配置を逆にして、第1フィルム31,41がスペーサ32,42を介して第2フィルム33,43の下側に配置されるようにしてもよい。
【0062】
・前記各実施形態において、第1フィルム31,41、スペーサ32,42及び第2フィルム33,43を、例えばポリエチレンナフタレート材などのその他の材料で成形してもよい。
【0063】
・前記各実施形態において、例えば前記クッションパッド3が上下に分割された分割パッドの場合には、前記センサ本体10a,40を上下の分割パッド間に収容するようにしてもよい。
【0064】
・前記各実施形態においては特に言及していないが、ECU10bは、CPU(Central Processing Unit )を備えたディジタルコンピュータや、コンパレータなどの汎用のロジック回路の組み合せで構成してもよい。
【0065】
・前記各実施形態において、ECU10b及びヘッドランプECU21を一体化して単独の制御装置としてもよい。
・前記各実施形態においては、座席シート1上の乗員着座の如何を判別する着座検出装置10の着座検出の機能を、座席シート1上に加わる荷重が所定荷重を超えるか否かを判別する座席状態検出の機能と兼用にした。これに対して、着座検出装置10に準じた構成(センサ本体10a,40、ECU10b)を有する、座席状態検出用の専用の装置を別途設けてもよい。そして、この独立した座席状態検出装置による座席状態の検出に基づき、前記車両用ヘッドランプ23の照射方向を調節制御するようにしてもよい。
【0066】
・前記各実施形態において、着座検出装置10により座席シート1上の乗員着座が判別されたときには、例えばスピーカからシートベルトの装着を促す警報音や音声を発生してもよい。
【0067】
・前記各実施形態においては、車両の助手席の座席シート1上の乗員着座等の判別に本発明を適用したが、その他の各種座席シート上の乗員着座等の判別に適用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
【0068】
(イ)請求項4に記載の着座検出装置において、
前記座席シート上の乗員着座が判別されたときにシートベルトの装着を促す報知手段を備えたことを特徴とする着座検出装置。この技術的思想によれば、前記座席シート上の乗員着座が判別されたときに、前記報知手段によりシートベルトの装着が促される。従って、シートベルトの装着忘れなどが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す回路図。
【図2】同実施形態を示す平面図。
【図3】(a)(b)は、図2のA−A線及びB−B線に沿った断面図。
【図4】第1フィルムを示す平面図。
【図5】スペーサを示す平面図。
【図6】第2フィルムを示す平面図。
【図7】車両の助手席を示す斜視図。
【図8】本発明の第1の実施形態を示す平面図。
【図9】(a)(b)は、図8のA−A線及びB−B線に沿った断面図。
【符号の説明】
【0070】
1…座席シート、10…着座検出装置、10a,40…センサ本体、10b…ECU、11…感圧スイッチ部、11a,11b…感圧スイッチ、21…調節手段を構成するヘッドランプECU、22…調節手段を構成するアクチュエータ、23…車両用ヘッドランプ、31,41…第1フィルム、32,42…スペーサ、32a,32b,42a,42b…開口部、33,43…第2フィルム、34a,44a…第1電源接続用端子、34c,44c…第2電源接続用端子、34e,44e…感圧スイッチ部の一方の感圧スイッチ及び離隔電極を構成する第1電極、34f,44f…感圧スイッチ部の他方の感圧スイッチ及び離隔電極を構成する第2電極、35a,45a…感圧スイッチ部の一方の感圧スイッチを構成する対向電極、35b,45b…感圧スイッチ部の他方の感圧スイッチを構成する対向電極、35c,45c…配線部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力に応じてオン・オフが切り替わる複数の感圧スイッチ部を並列接続して座席シートに分散配置するセンサ本体を備え、該複数の感圧スイッチ部の少なくとも1つのオン状態に基づき該座席シート上に加わる荷重が所定荷重を超えることを判別する座席状態検出装置において、
前記感圧スイッチ部は、直列接続された複数の感圧スイッチからなることを特徴とする座席状態検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の座席状態検出装置において、
前記センサ本体は、
第1電源接続用端子に接続された第1電極及び第2電源接続用端子に接続された第2電極からなる離隔電極が複数並列配置された第1フィルムと、
前記複数の離隔電極に対応して開口部が形成されたスペーサと、
前記離隔電極の第1及び第2電極にそれぞれ対向する、相互に短絡された一対の対向電極が前記複数の離隔電極ごとにそれぞれ配置された第2フィルムとが重ね合わされて構成され、
前記複数の感圧スイッチは、圧力に応じて導通・非導通が切り替わる前記第1電極とこれに対向する前記一対の対向電極のいずれか一方の対向電極と、圧力に応じて導通・非導通が切り替わる前記第2電極とこれに対向する前記一対の対向電極のいずれか他方の対向電極とで構成されたことを特徴とする座席状態検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の座席状態検出装置を備えた車両用ヘッドランプの照射方向調節装置において、
前記座席シート上に加わる荷重が所定荷重を超えると判別されたときに、車両用ヘッドランプの照射方向を下方から上方に調節する調節手段を備えたことを特徴とする車両用ヘッドランプの照射方向調節装置。
【請求項4】
圧力に応じてオン・オフが切り替わる複数の感圧スイッチ部を並列接続して座席シートに分散配置するセンサ本体を備え、該複数の感圧スイッチ部の少なくとも1つのオン状態に基づき該座席シート上の乗員着座を判別する着座検出装置において、
前記感圧スイッチ部は、直列接続された複数の感圧スイッチからなることを特徴とする着座検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−62562(P2006−62562A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248661(P2004−248661)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】