説明

廃イオン交換樹脂集合固化体の製造方法

【解決課題】低コストで効率的、且つ安定的な焼却処理を可能にする廃イオン交換樹脂集合固化体の製造方法、製造装置及び廃イオン交換樹脂集合固化体を提供する。
【解決手段】廃イオン交換樹脂貯槽10からの廃イオン交換樹脂の樹脂表面水を粗く水切りし、計量機構60で計量し、混合槽70に投入する。吸水材貯槽30から吸水材を計量後、混合槽70に投入し、廃イオン交換樹脂の残留水分を吸水材に吸水させる。次に、可燃性結合材貯槽20から可燃性結合材を計量後、混合槽70に投入し、脱水後の廃イオン交換樹脂と吸水後の吸水材との混合物に混合させる。カルシウム塩貯槽40からカルシウム塩を計量し後、混合槽70に投入して、可燃性結合材と一緒に廃イオン交換樹脂と吸水材との混合物に混合させる。混合物72を混練成形装置80内で、可燃性結合材の軟化点以上で溶融点に至らない温度に維持しながら混練、成形して得た成形体84を切断手段90によって切断し固化体貯槽100内で冷却保管する。

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、細粒状廃イオン交換樹脂の処理技術に関し、特に、含水率が高く焼却し難い細粒状廃イオン交換樹脂を焼却処理する処理技術に関する。
【0002】
本発明は、含水率が高い細粒状廃イオン交換樹脂を固化体に成形し、燃料として再利用する処理技術に関し、汽力発電施設、特に原子力発電施設で発生する放射性イオン交換樹脂の焼却処理技術として有用である。
【従来の技術】
【0003】
汽力発電施設、特に原子力発電施設などでは、発電施設の運転において発生する放射能を有する液体の処理に、粒状又は粉末状のイオン交換樹脂を使用して放射能の除去を行っている。これらイオン交換樹脂は、再生して繰り返し使用するか、あるいは再生せずに放射性廃棄物として廃棄処理されることになっている。しかし、これら使用済みの放射性イオン交換樹脂(廃イオン交換樹脂)は、粒径が0.4〜1.0mm程度の粒状又は数10μm程度の粉末状の細粒状物質であるため飛散し易い。通常は、原子力発電施設の放射能汚染などの問題を防止するために、水を張った槽内で保管し、容器に入れて搬送するか又は水スラリーとして配管を経由して移送するなどして取り扱われている。そのため、使用済みの放射性イオン交換樹脂は多量の水分を含み、燃焼しにくい、という問題がある。また、粒度が細かすぎて、通常、発電施設などに既設されている焼却炉では、燃焼室に留まることなく通過してしまい未焼却のまま残ってしまうので焼却処理が難しい、という問題がある。そのため、廃イオン交換樹脂は、処理されずに、発電施設内の廃棄物貯留槽に保管されたままになっており、その貯蔵量は増加の一途を辿っている。
【0004】
これまで、廃イオン交換樹脂の処理方法として、化学処理方式、熱分解方式、スチーム方式、溶融処理方式、直接処理方式などが提案されているが、これまで提案されている種々の方式では、装置が複雑で制御が困難であること、処理コストがかかり過ぎること、安定した運転ができないこと、故障が多いこと、材料上に問題があること、などの種々の理由によって実用化されていないか、または実用化されていても問題が多いのが現状である。
【0005】
廃イオン交換樹脂を簡易に処理する方法として、本発明者らは可燃性結合材と廃イオン交換樹脂を混合、若しくは更にカルシウム塩を加えてブレンドして集合固化体を製造する方法を提唱した(特許文献1)。この製造方法は、廃イオン交換樹脂の水分を粗切りし、これに石油系ワックスなどの可燃性結合材を混合して、混錬成形機にて加熱成形するものである。この製造方法によれば、カルシウム塩を添加することで廃イオン交換樹脂の焼却時に発生するSOの量を低減することができるが、加圧時に液状化しやすく、混練式固化体製造装置内部に水分が溜まることで装置の運転が不安定になり、安定して連続的に高収率で固化体を製造することが難しいという問題が残る。
【特許文献1】特開2005-31060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、低コストで効率的、且つ安定的な焼却処理を可能にする廃イオン交換樹脂集合固化体の製造方法、特に連続製造方法、製造装置及び廃イオン交換樹脂集合固化体を提供することにある。なお、「集合固化体」とは、可燃性結合材をバインダとして、細粒状の廃イオン交換樹脂を結合させてなる集合体を固形化したもの全般を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究した結果、細粒状の廃イオン交換樹脂と、石油ワックスや植物性ワックスなどの比較的低融点で且つ常温で固体である可燃性結合材と、廃イオン交換樹脂中に含まれる水分を吸収する吸水材とを混合し、さらに場合によってはカルシウム塩を添加混合し、加熱しながら混練し、球状、円柱状、角柱状など所望の形状に成形し、冷却することによって、既設の焼却炉に容易に装荷して焼却処理できる廃イオン交換樹脂の固化体を製造できることを知見した。
【0008】
本発明によれば、廃イオン交換樹脂から樹脂表面水を除去する粗水切り工程と、粗水切りした後の廃イオン交換樹脂と、吸水材とを混合して、該吸水材に該廃イオン交換樹脂の残留水分を吸水させる吸水工程と、吸水後の廃イオン交換樹脂と吸水材とに、粉末又は粒状の可燃性結合材を添加し混合する可燃性結合材添加工程と、吸水後の廃イオン交換樹脂と吸水材と可燃性結合材との混合物を混練成形機に供給する工程と、吸水後の廃イオン交換樹脂と吸水材と該可燃性結合材とを可燃性結合材の軟化点以上で溶融点に至らない温度に維持しながら混練して成形体に成形する混練成形工程と、該成形体を冷却し固体化する冷却固化工程と、を含む、廃イオン交換樹脂の集合固化体の製造方法が提供される。
【0009】
本発明において、前記吸水工程の後、前記混練成形工程の前に、カルシウム塩を添加するカルシウム塩添加工程をさらに含むことが好ましい。特に、可燃性結合材添加工程の後で混練成形工程の前に、カルシウム塩を添加することが好ましい。
【0010】
すなわち、本発明の廃イオン交換樹脂集合固化体の製造方法は、粗水切りした廃イオン交換樹脂を可燃性結合材と混合させる前に、予め吸水材と混合させて残留水分を吸水させてしまうことを特徴とする。残留水分を吸水した後の吸水材は、加圧しても吸水した水分を放出することがほとんどなく、残留水分が吸水された後の廃イオン交換樹脂に対してカルシウム塩を添加することによって、カルシウム塩が廃イオン交換樹脂中の残留水分を吸出すことを防止することができる。このように、カルシウム塩が水分とほとんど接触することが無くなり、その後の混練成形工程での混錬加圧成形時において液状化することがないため、安定的に集合固化体を製造することができる。
【0011】
本発明において処理することができる廃イオン交換樹脂としては、汽力発電施設、特に原子力発電施設などで発生する廃イオン交換樹脂を挙げることができる。しかし、これらに限定されず、およそ焼却処理が必要な廃イオン交換樹脂全般に適用することができる。
【0012】
本発明において処理することができる廃イオン交換樹脂の種類は特に限定されるものではなく、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂とを含む混合廃イオン交換樹脂、実質的に陰イオン交換樹脂のみを含む廃陰イオン交換樹脂、実質的に陽イオン交換樹脂のみを含む廃陽イオン交換樹脂などを対象とすることができる。具体的には、強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂、キレート樹脂などに適用可能である。強酸性陽イオン交換樹脂としては、ダイヤイオンSKN-1、SKN-3、PK228G、SK1BN(以上、三菱化学製)、アンバーライト200C、IR120B、アンバージェット1600(以上、ローム&ハース製)、ダウエックスHCR-W2-H、HGR-H、MS650C(以上、ダウケミカル製)を好ましく挙げることができる。強塩基性陰イオン交換樹脂としては、ダイヤイオンSAN-1、SMN-1、SMN-3、PA312L、PA316L(以上、三菱化学製)、アンバーライトIRA900、IRA400T(以上、ローム&ハース製)、ダウエックスSBR-OH、SBR-P-C-OH、MS550A(以上、ダウケミカル)を好ましく挙げることができる。弱酸性陽イオン交換樹脂としては、WK10、WK11、WK20(以上、三菱化学製)、MAC3(ダウケミカル製)を好ましく挙げることができる。弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、WA10、WA11、WA20、WBA-2(以上、三菱化学製)を好ましく挙げることができる。キレート樹脂としては、ユニセレック(ユニチカ製)を好ましく挙げることができる。
【0013】
これら廃イオン交換樹脂の粒径は特に限定されるものではないが、一般的な焼却炉では焼却処理が不充分であるような細粒状の廃イオン交換樹脂である場合に本発明が特に効果的であるので、好ましい。典型的には、平均粒径が0.4〜1.0mm程度の粒状、又は平均粒径が数10μm程度の粉末状の廃イオン交換樹脂が好ましい。なお、粉末樹脂としては、エピコール社のPD1、PD3、グレーバー社のパウデックスなどを挙げることができる。さらに、本発明において処理することができる廃イオン交換樹脂は、乾燥形態でも湿潤形態でもよい。しかし、従来技術では湿潤状態の廃イオン交換樹脂の焼却処理が困難であった点を考慮すれば、湿潤状態の廃イオン交換樹脂を本発明により処理することで、より一層の効果がもたらされるので、好ましい。
【0014】
本発明で使用する吸水材としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩、ポリアクリル酸のアルカリ土類金属塩、グアガム誘導体、ポリアルキレンオキサイド及びセルロース系繊維などを好ましく挙げることができ、特に架橋型ポリアクリル酸ナトリウム、架橋型ポリアクリル酸カルシウムが好ましい。
【0015】
吸水材の含有量は前記廃イオン交換樹脂100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、特に5質量部以下であることが好ましい。一般に使用されているポリアクリル酸などの吸水性ポリマーは、自重の10倍以上の水分を吸収が可能であるため、少量の使用でも廃イオン交換樹脂中の残留水分を十分に吸水することができる。吸水材の含有量が多すぎると、可燃性結合剤が廃イオン交換樹脂粒子間に行き渡らず、結合力が低下して固化体の強度も低下し、固化できない場合もある。これを避けるためには、可燃性結合材を増量する必要が生じ、経済的にも好ましくない。
【0016】
本発明で用いることができる可燃性結合材は、軟化点が水の沸点以下で且つ常温で固体である物質であることが好ましく、石油ワックス、植物性ワックス、木蝋、白蝋などを好ましく挙げることができる。石油ワックスとしては、軟化温度範囲が45〜55℃のパラフィンワックス、例えばJISK2235に規定されている125P、130P、135P、140P、145P、150P、155Pなどを好ましく用いることができる。本発明において可燃性結合材を加熱成形する場合には、可燃性結合材を融点に至らない温度での軟化した状態で用いることが好ましい。融点を超えると可燃性結合材の液状化現象が起こり、収量が極端に低下するので好ましくない。可燃性結合材を粉末又は粒状で用いる場合には、155P(粒状、顆粒状、紛状)や140P(顆粒状)が好ましい。なお、パラフィンワックスについて「融点」とは、溶融した試料を既定の条件で放冷したとき、試料の温度降下速度が規定の速度以下となったときの温度である(JISK2235)。
【0017】
可燃性結合材の含有量は、細粒状廃イオン交換樹脂100質量部に対して33質量部〜200質量部の範囲であることが好ましく、60質量部〜80質量部の範囲であることがより好ましい。この範囲であれば、廃イオン交換樹脂と可燃性結合材の混合体は、安定した形状を保つことが可能であり、その上、可燃性結合材の使用量を減少させることができるので経済的観点からも有利である。
【0018】
本発明において用いることができるカルシウム塩としては、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸水素カルシウムなどを好ましく挙げることができる。カルシウム塩は、イオン交換樹脂、特に陽イオン交換樹脂中の硫酸イオンと反応して、硫酸カルシウムとして析出させるため、SOxの排出を抑止する。特に、硝酸カルシウムを用いる場合には、燃焼効率を高めることもでき、燃焼残渣を著しく削減できる。
【0019】
本発明において用いることができるカルシウム塩の量は、イオン交換樹脂中に含まれる硫黄(S)の量に応じて変動する。典型的には、イオン交換樹脂中の硫黄に対して、1〜5wt%、好ましくは1〜2wt%の範囲となるように添加することが好ましく、一般的には、廃イオン交換樹脂100質量部に対して3.5質量部以上20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは7質量部以上10質量部以下である。カルシウム塩を多量に用いることは、燃焼効率の向上及び燃焼残渣の低減には資するが、廃イオン交換樹脂の焼却処理の運転コストが高くなってしまうので好ましくない。一般的には、陽イオン交換樹脂1g中約15wt%の硫黄が含まれている。廃イオン交換樹脂が陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とを1:1で含む場合、カルシウム塩の添加量を硫黄分に対して10wt%とすると、例えば硝酸カルシウムとして添加することができるカルシウム塩の量は、イオン交換樹脂1リットル当たり17.4gとなる。陽イオン交換樹脂中に含まれる硫黄に対して、その約0.4当量〜約0.8当量の水酸化カルシウムを添加することができる。
【0020】
したがって、本発明によれば、廃イオン交換樹脂と、可燃性結合材と、吸水材と、場合によってはカルシウム塩とを含む廃イオン交換樹脂の集合固化体が提供される。本発明による廃イオン交換樹脂の集合固化体の形状、寸法は、特に限定されるものではないが、汽力発電施設などが保有する通常の焼却設備で焼却処理可能な形状、寸法であることが好ましい。焼却炉の投入口を通過する大きさであれば、焼却処理は可能であるが、人による運搬を考慮し20kg以下が好ましい。さらに、本発明の廃イオン交換樹脂の集合固化体は、一般的な原子力発電所が保有する焼却設備で焼却することができるような強度を有することが好ましい。集合固化体は、焼却設備に投入する際に大部分が粉砕しない程度の強度、積載時の荷重や、運搬時の重機を使った衝撃に耐える程度の強度を持つことが好ましい。
【0021】
また、本発明によれば、本発明の廃イオン交換樹脂の集合固化体の製造方法を実施する製造装置が提供される。本発明の廃イオン交換樹脂集合固化体の製造装置は、廃イオン交換樹脂貯槽と、可燃性結合材貯槽と、吸水材貯槽と、該廃イオン交換樹脂貯槽からの廃イオン交換樹脂、該可燃性結合材貯槽からの可燃性結合材及び吸水材貯槽からの吸水材を計量する計量機構と、該計量機構により計量された廃イオン交換樹脂、可燃性結合材及び吸水材を受け入れ、混合する混合槽と、加熱手段を具備し、混合物を加熱しながら混練し、所望形状に成形する混練成形装置と、成形体を冷却する冷却手段と、を具備する。
[好ましい実施形態]
本方法の一実施形態として、原子力発電施設から排出される廃イオン交換樹脂を例にして、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の廃イオン交換樹脂集合固化体の製造装置による製造方法の工程を示す概略フロー図である。
【0023】
図1に示すように、本発明の製造装置は、廃イオン交換樹脂貯槽10と、可燃性結合材貯槽20と、吸水材貯槽30と、廃イオン交換樹脂貯槽10からの廃イオン交換樹脂、可燃性結合材貯槽20からの可燃性結合材及び吸水材貯槽30からの吸水材を計量する計量機構60と、計量機構60により計量された廃イオン交換樹脂、可燃性結合材及び吸水材を受け入れ、混合する混合槽70と、加熱手段を具備し、混合物72を加熱しながら混練して成形体84に成形する混練成形装置80と、成形体を冷却する冷却手段と、を具備する。図1に示すように、さらに、カルシウム塩貯槽40及び予備貯槽50を具備することが好ましい。予備貯槽50は、必要に応じて、混合槽70又は混練成形装置80に供給するための任意の添加剤を貯蔵することができる。本発明の製造装置は、さらに、混練成形装置80の出口に切断手段90を具備し、切断手段90により所望寸法に切断された集合固化体86を貯蔵する固化体貯槽100を具備し、該固化体貯槽100は冷却手段としても作用する構成であることが好ましい。また、固化体貯槽100は、焼却炉(図示せず)に集合固化体86を投入する投入手段110を具備するものでもよい。
【0024】
次に、図1に示すフローに従って本発明の廃イオン交換樹脂集合固化体の製造方法を説明する。
【0025】
一般的に、原子力発電施設からの廃イオン交換樹脂は放射性物質を吸着しているので、細粒状の廃イオン交換樹脂を廃棄物貯留槽(図示せず)に移送し水中保管している。廃棄物貯留槽(図示せず)に水中保管されていた廃イオン交換樹脂をメッシュスクリーン(図示せず)などを通過させて、樹脂表面水を粗く水切りする。粗水切りした廃イオン交換樹脂を、廃イオン交換樹脂貯槽10に受入れ、計量機構60に供給して計量した後、混合槽70に投入する。次に、吸水材貯槽30から吸水材を計量機構60に供給して計量した後、廃イオン交換樹脂が投入されている混合槽70に投入し、廃イオン交換樹脂と吸水材とを混合させて、廃イオン交換樹脂の残留水分を吸水材に吸水させる。次いで、可燃性結合材貯槽20から可燃性結合材を計量機構60に供給して計量した後、混合槽70に投入し、脱水後の廃イオン交換樹脂と吸水後の吸水材との混合物に混合させる。このとき、カルシウム塩貯槽40からカルシウム塩を計量機構60で計量してから混合槽70に投入して、可燃性結合材と一緒に廃イオン交換樹脂と吸水材との混合物に混合させてもよい。また全ての材料を混合機に投入してから混合しても良い。廃イオン交換樹脂と可燃性結合材とが均一に混合されるまで混合槽70内で撹拌混合させる。
【0026】
次いで、混合槽70で得られた混合物72を材料供給機78に一括または分割で投入し、さらに混合させた後、混合物82を混練成形装置80に定量供給し、可燃性結合材の軟化点以上で溶融点に至らない温度に維持しながら混練して、脱水後の廃イオン交換樹脂を可燃性結合材によって結合させて成形体84とする。この成形体84には、廃イオン交換樹脂の残留水分を吸水した吸水材と、廃イオン交換樹脂のスルホン酸などの硫黄分と結合させるためのカルシウム塩も含まれている。
【0027】
混練成形装置(押出成形機)80の出口に設けた回転ブレードなどの切断手段90によって所望寸法に切断された成形体84を袋102などに受入れて、固化体貯槽100内に導入する。固化体貯槽100内で放冷しながら貯蔵して、集合固化体86とする。集合固化体86は、焼却処理に供されるまで固化体貯槽100内で保管される。固化体貯槽100には、反転機構110などの投入手段が設けられていて、集合固化体86を焼却装置に容易に投入できるようになされていることが好ましい。焼却処理は、汽力発電施設などが保有する通常の焼却装置にて焼却することが好ましい。
【0028】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であることは当業者には容易に理解されよう。以下、代表的な変更例を説明する。
【0029】
本発明の製造方法及び装置において、廃イオン交換樹脂を廃イオン交換樹脂貯槽10内に貯蔵保管する前段階として、原子力発電設備などの廃イオン交換樹脂発生源から廃イオン交換樹脂を採取して、廃イオン交換樹脂貯槽10に受入れる工程及び設備を含めることができる。廃イオン交換樹脂受入工程に用いることができる供給手段としては、台車などの人力による供給、又は動力揚重機、コンベア、リフター、フォークリフト、リーチフォークリフト、気送装置、ニーダー等の搬送装置を介しての動力による供給を挙げることができる。また、上記の搬送装置に、材料容器の開封装置、反転装置、掻き取り装置等を組み合わせてもよい。さらに、上述の供給手段は、手動により操作しても、自動制御してもよい。
【0030】
本発明の廃イオン交換樹脂貯槽10、可燃性結合材貯槽20、吸水材貯槽30、カルシウム塩貯槽40及び予備貯槽50としては、1バッチ若しくは数バッチの材料を保管し、固化体の製造に備える貯槽であればよく、例えば下記のような貯槽が考えられる。なお、材質は特に限定しない。(1)上面の全部又は一部及び/又は側面の一部が開放であり、材料投入が可能な投入口と排出口を有する容器。(2)人力または動力で開閉可能な蓋・扉を有する貯槽。(3)投入口にホッパを有する貯槽。(4)人力または動力で開閉可能な蓋・扉を有するホッパを具備する貯槽。(5)手動又は自動の材料容器の開封装置、反転装置、掻き取り装置を具備する貯槽。(6)覗き窓や体積計量目盛り等の目視計量手段を具備する貯槽。(7)材料を平滑に調整するノッカー、ショッカー、バイブレータ等の加震機を具備する貯槽。(8)赤外線・超音波等のレベル計、重量計又は重量センサなどの計量手段を具備する貯槽。(9)計量値を電気信号に変換して発信する信号発信装置を有する貯槽。(10)規定量を作業者に告知する告知手段を有する貯槽。(11)貯槽自体が移動・反転等できる構造であり、人力又は動力で、移送容器または混合槽に投入できる貯槽。(12)水切り機構、ドレン回収機構、空気押出機構、負圧吸引機構を具備する貯槽。(13)除湿、乾燥手段を具備する貯槽。
【0031】
また、廃イオン交換樹脂貯槽から廃イオン交換樹脂を計量機構60又は混合槽70に投入するために、以下のような排出機構をさらに具備していてもよい。(1)手動又は自動の弁手段を具備する排出機構。(2)覗き窓や計量部に体積計量目盛り等を有する目視計量手段を具備する排出機構。(3)材料を平滑に調整できる加震機等を具備する排出機構。(4)赤外線・超音波等のレベル計、重量計又は重量センサなどの計量機構を具備する排出機構。(5)計量値を電気信号に変換して発信する電気信号発信装置を有する排出機構。(6)規定量を作業者に告知できる告知手段を有する排出機構。(7)フィーダー、ニーダー、シリンダー等の定量供給機を具備する排出機構。(8)材料の詰まりを解消できるノッカー、ショッカー、バイブレータ等の加震機や内部攪拌装置等を具備する排出機構。
【0032】
また、計量機構60としては、以下のような装置を利用することができる。(1)手動又は自動の材料容器の開封装置、反転装置、掻き取り装置を具備する計量槽。(2)覗き窓や計量部に体積計量目盛り等を付けた目視計量手段を具備する計量槽。(3)材料を平滑に調整できる加震機等を具備する計量槽。(4)赤外線・超音波等のレベル計、重量計又は重量センサなどの計量手段を有する計量槽。(5)計量値を電気信号に変換して、発信できる信号発信装置を有する計量槽。(6)規定量を作業者に告知できる告知手段を有する計量槽。(7)移送容器または混合機に投入するために計量槽自体を手動又は自動で移動・反転できる構造を具備する計量槽。(8)体積計量容器・重量計量器。
【0033】
また、混合槽70としては、以下のような装置を利用することができる。(1)バケツや袋などの容器(手動又は撹拌機構により混合を行う)。(2)手動又は自動の材料容器の開封装置、反転装置、掻き取り装置を具備する混合槽。(3)覗き窓や計量部に体積計量目盛り等の目視計量手段を具備する混合槽。(4)材料を平滑に調整する加震機等を具備する混合槽。(5)赤外線・超音波等のレベル計、重量計又は重量センサなどの計量手段を具備する混合槽。(6)計量値を電気信号に変換して発信する信号発信手段を具備する混合槽。(8)規定量を作業者に告知できる告知手段を有する混合槽。(9)移送機器または成形機に投入するために混合機自体を手動又は自動で移動・反転できる構造を具備する混合槽。
【0034】
また、混合槽70から混練成形装置80に混合物を供給するための材料供給機78には、以下のような供給手段をさらに具備していてもよい。(1)台車、動力揚重機、コンベア、リフター、フォークリフト、リーチフォークリフト、気送装置、ニーダー等の手動又は自動の搬送装置。(2)材料の詰まりを防止するノッカー、ショッカー、バイブレータ等の加震機を具備する材料供給装置。(3)必要に応じ材料を加熱・冷却・真空乾燥が可能な機構又は装置を有する供給装置。(4)混練槽の材料過不足信号に対応し、供給速度を変速可能な装置を有する供給機。
【0035】
また、混練成形装置80としては、以下のような装置を利用することができる。(1)人力で圧縮成形する成形機。(2)可燃性結合材の軟化温度範囲に温度制御する温度制御機構付き成形型枠を利用する加圧成形機。(3)可燃性結合材の軟化温度範囲に温度制御する温度制御機構付き成形型枠を利用し、手動又は自動で重量付加用液体を入れる液体利用加圧成形機。(4)可燃性結合材の軟化温度範囲に温度制御が可能である温度制御機構を具備する成形機。(5)加圧部直前の材料接触部又は成形機全体の冷却が可能な冷却手段を具備する成形機。(6)ブリケット、タブレット、ペレット等の造粒成形機。(7)スクリュー、シリンダ等の押出成形機(8)プレス、ホットプレス等の圧縮成形機等。(9)製造速度可変機構を具備する成形機。(10)成形圧力検出・制御機構を具備する成形機。(11)圧力変動に速度を追従できる圧力変動追従型製造速度可変機構を有する成形機。(12)製造速度の変動を供給装置に追従信号として発信が可能な装置を有する成形機。(13)過電流検出自動制御機構を具備する成形機。(14)温度検出自動制御機構を具備する成形機。(15)材料の真空乾燥が可能である真空乾燥装置を有する成形機。(16)内部で材料の導電率等を測定し、水分の蓄積が有った場合に装置を停止したり警報等の発信が可能な水分検出自動制御機構を具備する成形機。(17)成形機動力を利用して固化体を切断する切断機構を有する成形機。(18)製造速度変動追従型切断速度制御機構を具備する成形機。
【0036】
また、混練成形装置80により得られた成形体はそのまま貯蔵しても良いが、集合固化体を所望の寸法とするために混練成形装置80の出口で成形体を切断することが望ましく、以下のような方法及び切断機を利用してもよい。(1)手動により成形体を折るか、刃物等の道具を用いて切断する。(2)連続又は間欠で圧縮空気を成形体に吹き付けて、成形体を折る。(3)成形機出口に邪魔板等を設置し、成形体を衝突させて折る。(4)邪魔板等を単独又は複数取り付けた折り曲げ部を、人力又は動力により往復・回転運動させ成形体を折る。(5)動力で作動する刃物を用いて、成形体を切断する。(6)混練成形装置の製造速度信号に追従して切断速度を変速させて、成形体を切断する。(7)位置検出センサを用いて成形体の位置を検出して切断機を作動させ、成形体を切断する。(8)ローラコンベア等で成形体を受けて直線的に長く成形し、位置センサを用いて、所望の寸法、例えば固化体貯槽の内寸法に併せて切断する。
【0037】
また、冷却手段としては固化体貯槽100内で保管中に自然放冷する態様でもよいが、周囲温度が高温である場合には成形体同士が接着することを回避するために以下のような冷却方法を利用することができる。(1)人力又は動力により送風し、風冷する。(2)施設の換気空調の給気・排気を利用し風冷する。(3)成形体を液体に浸すか又は液体を噴霧して冷却する。(4)成形体を仮受け容器に受けて、放冷又は風冷、液体冷却した後に、固化体貯槽、袋、容器などに固化体を人力又は動力で投入する。
【0038】
本発明の集合固化体又は集合固化体の前駆体である成形体を固化体貯槽100内に保管する場合には、焼却装置への投入の便を考慮して、袋102又は容器等に小分けして保管することが好ましい。袋は封をせずに開放したままでも、袋自体で縛ったり、紐、粘着テープ、ポリシーラ等を利用して封をしてもよい。固化体貯槽100としては、ドラム缶等の硬質材料で、固化体の変形や飛散を防止できるように蓋をした場合に密封性が高く、輸送等に耐える強度を持ち、運搬性が良く重量測定が容易で、焼却炉に投入する際には反転装置等に容易に取付可能であるなどの特性を有する貯槽であることが好ましい。
【0039】
また、本発明の廃イオン交換樹脂集合固化体を焼却装置へ投入する際には、台車、人力又は動力揚重機、コンベア、リフター、フォークリフト、リーチフォークリフト等の搬送装置を介し焼却炉の投入口付近まで貯槽を運搬した後に、以下のような投入方法を用いることができる。(1)人力で固化体又は袋詰めの固化体を投入する。(2)人力又は動力で貯槽を吊上げ、反転等を行い省力化できる装置を利用して投入する。(3)固化体貯槽100から固化体単品又は袋詰めの固化体を、動力揚重機、コンベア、リフター、フォークリフト、リーチフォークリフト等の搬送装置を介し、焼却炉の投入口に投入する。(4)掻き取り装置を用いて投入する。
【発明の効果】
【0040】
本方法により得られた集合固化体は、目視確認により、廃イオン交換樹脂と可燃性結合材とが均一に混合しており、大きな割れ、引け巣がなく、既存の焼却設備に投入しても粉砕せずに必要な寸法を維持できるので、充分に焼却処理可能である。
【0041】
また、本方法によれば、従来、スクリーンなどを内蔵した水切り容器に廃イオン交換樹脂を供給して、樹脂粒間水までを除去し、さらに乾燥機により樹脂粒間水を除去しなければ焼却処理できなかった廃イオン交換樹脂を、粗い水切りで樹脂表面に付着している水分だけを除去するだけでよいので、特殊な水切り及び乾燥設備が不要で非常に簡便である。
【0042】
さらに、特に陽イオン交換樹脂中に含まれる硫黄分からのSOx発生の問題を回避するために利用するカルシウム塩の添加を、吸水材により廃イオン交換樹脂の残留水分を除去した後に行うので、廃イオン交換樹脂の加圧時の液状化を防止することができ、集合固化体の安定連続製造が可能である。
【0043】
また、可燃性結合材とブレンドした後の集合固化体の成形も、単に放冷するだけで行うことができるので、非常に簡便である。
【0044】
以下、実施例を参照しながら本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0045】
図1に示す製造装置を用いて、表1に示す重量比率で廃イオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂)に吸水材(ポリアクリル酸ナトリウム又はポリアクリル酸カルシウム)を計量添加して混合し、次に可燃性結合材(石油ワックス:日本製蝋(株)社製 顆粒状ワックス:PF-155;適性軟化温度範囲45〜55℃)を計量添加して混合し、最後にカルシウム塩(水酸化カルシウム)を計量添加して混合して混合物を形成させ、混合物をノズル部を約55℃に加熱した連続式混練押出し成形装置(本田鐵工(株)社製 横軸スクリュー型押出成形機:HDE-3D)に供給し、加熱しながら混練・成形して成形体を形成し、連続式混練押出し成形機出口にて約100mmに切断して、本発明の廃イオン交換樹脂集合固化体を製造した。なお、実施例2で用いたポリアクリル酸カルシウムは、吸水材としての作用とカルシウム塩としての作用を兼備するため、実施例1で用いた吸水材(ポリアクリル酸ナトリウム)とカルシウム塩(水酸化カルシウム)の合計量(17質量部)よりも少量(15質量部)とした。
【0046】
吸水材を使用しなかった以外は上述の方法と同様にして、対照の廃イオン交換樹脂集合固化体を製造した。
【0047】
本発明の装置による連続製造性及び焼却装置での焼却状態を目視により確認した。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
連続製造性に関して、対照では運転開始直後は10kg/h程度の処理が可能であったが、水分の圧搾蓄積により収量が徐々に低下し、運転開始30分後には収量はほとんどゼロとなった。一方、吸水材としてポリアクリル酸塩を添加した実施例1及び2では60kg/hの収量が常時達成可能であった。
【0050】
得られた集合固化体の外観や形状を目視により、有意な割れなどがないことを確認した。更に、集合固化体を3メートルの高さからコンクリートの平坦な床に自由落下させて、有意な変形やひび割れが生じないことを確認した。また、加熱空気を連続して供給できる常圧の小型焼却炉を700℃に予熱し、集合固化体を数百グラム投入したところ、短時間で着火して良好な燃焼状態を示した。また、間欠的に集合固化体を追加投入したところ、良好な燃焼状態を継続して維持できることが確認された。さらに、燃焼空気を分析したところ、主な有害成分と考えられるSOの濃度は1ppm以下と良好であることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、細粒状の廃イオン交換樹脂を既設の焼却設備で焼却処理可能な形態とした集合固化体及びその成形方法及び焼却処理方法が提供される。
【0052】
本発明の集合固化体は、従来提案されているイオン交換樹脂の処理方法の問題点、すなわち乾燥処理によりイオン交換樹脂の粒内水を除去する前処理工程が必要であること;廃イオン交換樹脂が細粒状であり、樹脂移送が煩雑であること;など焼却処理の困難さなどをすべて解決し、低コストで効率的、且つ安定的な焼却処理を可能にする。
【0053】
そして、廃イオン交換樹脂と吸水材とを混合させて、吸収材に廃イオン交換樹脂の残留水分を吸水させた後に、カルシウム塩を添加することにより、安定的に集合固化体を製造すると共に、陽イオン交換樹脂焼却時に発生するSOxを抑制することができ、焼却炉の腐食問題及び環境中へのSOx排気問題を解決することができる。
【0054】
また、本発明によれば、原子力発電施設などにおいて、これまで適切な処理方法がないため大量に保管され、今後も増加することが予測されている放射性廃棄物としての廃イオン交換樹脂を可燃性結合材と一緒に集合固化体として成形することにより、各原子力発電施設などが保有している既設の焼却設備を用いて容易に焼却処理可能にする。よって、新規な処理設備又は既設の処理設備を改良するなどの設備投資を伴わずに、大量に保管されている廃イオン交換樹脂を従来の雑固体を焼却する態様で容易に且つ効率的に、低コストで焼却処理可能とする。
【0055】
さらに、本発明は、原子力発電施設からの廃イオン交換樹脂のみならず、火力発電所その他の設備からの廃イオン交換樹脂にも適用可能である。よって、近年、特に問題となっている産業廃棄物の減容化及び焼却処理の一助となる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明の連続製造方法及び装置の工程フローを示す概略図である。
【符号の説明】
【0057】
10:廃イオン交換樹脂貯槽
20:可燃性結合材貯槽
30:吸水材貯槽
40:カルシウム塩貯槽
60:計量機構
70:混合槽
78:材料供給機
80:混練成形装置
90:切断手段
100:固化体貯槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃イオン交換樹脂から樹脂表面水を除去する粗水切り工程と、
粗水切りした後の廃イオン交換樹脂と、吸水材とを混合して、該吸水材に該廃イオン交換樹脂の残留水分を吸水させる吸水工程と、
吸水後の廃イオン交換樹脂と吸水材とに、粉末又は粒状の可燃性結合材を添加し混合する可燃性結合材添加工程と、
吸水後の廃イオン交換樹脂と吸水材と可燃性結合材との混合物を混錬成形機に供給する工程と、
吸水後の廃イオン交換樹脂と吸水材と該可燃性結合材とを可燃性結合材の軟化点以上で溶融点に至らない温度に維持しながら混練して、所望の形状の成形体に成形する混練成形工程と、
該成形体を冷却し固体化する冷却固化工程と、
を含む、廃イオン交換樹脂の集合固化体の製造方法。
【請求項2】
前記吸水工程の後、前記混練成形工程の前に、カルシウム塩を添加するカルシウム塩添加工程をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
廃イオン交換樹脂と、可燃性結合材と、吸水材とを含む廃イオン交換樹脂の集合固化体。
【請求項4】
前記可燃性結合材は、軟化点が水の沸点以下で且つ常温で固体である物質であり、
前記吸水材は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリアクリル酸アルカリ土類金属塩及びセルロース系繊維から選択される、請求項3に記載の集合固化体。
【請求項5】
前記可燃性結合材の含有量は前記廃イオン交換樹脂100質量部に対して33質量部〜200質量部の範囲であり、前記吸水材の含有量は前記廃イオン交換樹脂100質量部に対して20質量部以下である、請求項3又は4に記載の集合固化体。
【請求項6】
さらにカルシウム塩を含む、請求項3〜4のいずれか1項に記載の集合固化体。
【請求項7】
前記カルシウム塩の含有量は前記廃イオン交換樹脂100質量部に対して20質量部以下である、請求項6に記載の集合固化体。
【請求項8】
廃イオン交換樹脂貯槽と、
可燃性結合材貯槽と、
吸水材貯槽と、
該廃イオン交換樹脂貯槽からの廃イオン交換樹脂、該可燃性結合材貯槽からの可燃性結合材及び吸水材貯槽からの吸水材を計量する計量機構と、
該計量機構により計量された廃イオン交換樹脂、可燃性結合材及び吸水材を受け入れ、混合する混合槽と、
加熱手段を具備し、混合物を加熱混練しながら所望形状の成形体に成形する混練成形装置と、
成形体を冷却する冷却手段と、
を具備する、廃イオン交換樹脂の集合固化体の製造装置。
【請求項9】
さらに、カルシウム塩貯槽を具備する、請求項8に記載の製造装置。
【請求項10】
さらに、前記成形装置の出口に成形体を切断する切断手段を具備する、請求項8又は9に記載の製造装置。
【請求項11】
前記冷却手段は、固化体貯槽である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の製造装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−136274(P2007−136274A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−329857(P2005−329857)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】