説明

廃棄物処理システム

【課題】廃棄物とともに燃焼灰を燃焼処理する廃棄物処理システムにおいて、排ガス中の塩化水素濃度の変動を抑制し、塩化水素濃度を低レベルで安定化させること。
【解決手段】本発明の廃棄物処理システムは、熱分解反応器7で生成された熱分解ガスに同伴する不燃物を溶融させる燃焼溶融炉13と、排ガス中の飛灰を除去する第1の排ガス処理手段29の後段に配置されて排ガスの脱塩処理を行う第2の排ガス処理手段31と、燃焼灰が貯留されるホッパ51から燃焼灰を切り出して熱分解反応器又は燃焼溶融炉に供給する灰供給手段53とを備えている。ここで、第1の排ガス処理手段と第2の排ガス処理手段との間を流れる排ガス中の塩化水素濃度の検出値に基づいて燃焼灰の切り出し量を制御することにより塩化水素濃度の変動を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみなどの廃棄物とともに他の焼却施設などで発生した燃焼灰を燃焼処理して溶融スラグ化する廃棄物処理システムに係り、特に、排ガス中の塩化水素濃度を所定範囲に制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、都市ごみ等の一般廃棄物や廃プラスチック等の可燃物を含む廃棄物を処理する廃棄物処理システムにおいては、例えば、廃棄物を熱分解反応器に投入し、低酸素雰囲気で熱分解処理することにより、熱分解ガスと主として不揮発性成分からなる熱分解残留物を生じさせ、熱分解残留物より分離された燃焼性成分と先の熱分解ガスとを燃焼溶融炉に導いて燃焼処理し、熱分解ガスなどに含まれる灰分を溶融させて溶融スラグ化し、燃焼溶融炉から排出された溶融スラグを水槽に導いて固形スラグとして回収することが行われている。
【0003】
また、このような廃棄物処理システムにおいては、燃焼溶融炉から排出される排ガス中の塩化水素などの酸性ガスを除去するため、排ガス中に脱塩剤を吹き込んで脱塩用バグフィルタの濾布面に脱塩剤の粉体層を形成し、この粉体層に酸性ガスを通過させることにより、酸性ガスを中和して除去することが行われている。
【0004】
ここで、脱塩剤としては、消石灰や重曹などが用いられ、例えば、脱塩用バグフィルタの後流側を流れる排ガス中の塩化水素濃度を検出し、この検出値に基づいて重曹の供給量を制御する方法が開示されている(特許文献1参照。)。このように脱塩剤の供給量を制御して供給量の適正化を図ることにより、ランニングコストを低減することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−113327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のように、燃焼処理において灰分を溶融スラグ化させる廃棄物処理システムにおいては、他の廃棄物処理施設(例えば、溶融炉をもたない焼却設備を含む)から排出された燃焼灰を廃棄物とともに燃焼処理することにより、燃焼灰を溶融スラグ化させて減容処理することが行われている。
【0007】
しかしながら、このような燃焼灰には塩素が比較的多く含まれているため、燃焼灰を燃焼処理する際には塩化水素ガスが多量に発生する。つまり、燃焼溶融炉から排出される排ガス中には燃焼灰に由来する塩化水素ガスが含まれることにより、その分、排ガス中の塩化水素濃度は高い値を示すようになる。更に、燃焼灰に含まれる塩素の量は焼却施設によって異なるため、例えば、複数の焼却施設から回収された燃焼灰を連続的に投入して処理すると、排ガス中の塩化水素濃度に大きな変動を生じることがある。
【0008】
ここで、燃焼灰の供給量は、排ガス中の塩化水素濃度が許容範囲に収まるように任意の量に設定されているが、塩化水素濃度の変動幅が大きくなると、特許文献1のように、脱塩剤の供給量を制御するだけでは、塩化水素濃度の増加に対応しきれず、塩化水素濃度が一時的に限界値を超えてしまうおそれがある。また、脱塩剤の供給量を過剰にして塩化水素濃度の変動を抑制することも考えられるが、そのようにすると脱塩剤の供給量増加に伴うランニングコストの増加が問題となってくる。
【0009】
本発明は、廃棄物とともに燃焼灰を燃焼処理する廃棄物処理システムにおいて、排ガス中の塩化水素濃度の変動を抑制し、塩化水素濃度を低レベルで安定化させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するため、廃棄物を熱分解して熱分解ガスと熱分解残渣を発生させる熱分解反応器と、熱分解ガスを燃焼させるとともに、熱分解ガスに同伴する不燃物を溶融させて溶融スラグを排出する燃焼溶融炉と、この燃焼溶融炉から排出される排ガス中の飛灰を除去する第1の排ガス処理手段と、この第1の排ガス処理手段から排出される排ガス中に脱塩剤を添加して脱塩処理を行う第2の排ガス処理手段と、燃焼灰が貯留されるホッパから燃焼灰を切り出して熱分解反応器又は燃焼溶融炉に供給する灰供給手段とを備えた廃棄物処理システムにおいて、第1の排ガス処理手段と第2の排ガス処理手段との間を流れる排ガス中の塩化水素濃度の検出値に基づいて燃焼灰の切り出し量を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
これによれば、例えば、燃焼灰の塩素量が増加して排ガス中の塩化水素濃度が増加した場合、燃焼灰の供給量を減少させることにより、塩化水素濃度の増加を抑制することができる。このように、塩化水素濃度の変動を抑制することにより、例えば、所定量の脱塩剤を供給することで、塩化水素濃度を低レベルに維持することができ、脱塩剤の過剰供給に伴うランニングコストの増加などを抑制することができる。なお、塩化水素濃度が減少するときは、燃焼灰の供給量を適宜増加させることができるため、燃焼灰の処理能力の低下を抑制することができる。
【0012】
具体的に、制御手段は、検出値が第1の規定値を超えたとき、切り出し量を減少させ、検出値が第1の規定値よりも低い第2の規定値を下回ったとき、切り出し量を増加させるように制御する。このように、例えば、塩化水素濃度の所定の管理幅を塩化水素濃度の限界値よりも低い範囲に設定し、これらの範囲を基準として燃焼灰の供給量を制御することにより、塩化水素濃度を容易に低いレベルで安定化させることができる。
【0013】
更に、第2の排ガス処理手段は、検出値に基づいて脱塩剤の添加量を制御する添加量制御手段を備えていることが好ましい。すなわち、燃焼灰の供給量を制御して塩化水素濃度の変動が抑制された状態で、更に脱塩剤の供給量を適宜制御することにより、塩化水素濃度を低いレベルでより安定化させることができる。更に、脱塩剤の供給量を適正化させることができるため、ランニングコストをより低減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、廃棄物とともに燃焼灰を燃焼処理する廃棄物処理システムにおいて、排ガス中の塩化水素濃度の変動を抑制して、塩化水素濃度を低レベルに安定化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を適用してなる廃棄物処理システムの実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明を廃棄物プラントに適用した一実施形態の全体構成図である。
【0016】
図示しないごみピットに貯留された廃棄物は、ごみ破砕機により所定の大きさ(例えば、150mm)に破砕された状態で搬送機1により搬送され、ホッパ3に投入される。ホッパ3からスクリューフィーダ5により搬送された廃棄物は回転ドラム式の熱分解反応器7に投入される。廃棄物は、熱分解反応器7において低酸素雰囲気で加熱(例えば、300〜600℃)されて熱分解することにより、熱分解ガスと主として不揮発性成分からなる熱分解残渣が生じる。この熱分解ガスと熱分解残渣は排出装置9に導かれて分離され、熱分解ガスはガスライン11を介して燃焼溶融炉13に供給され、熱分解残渣は、図示しない冷却装置により所定温度(例えば、80℃)に冷却された後、燃焼性成分と不燃焼性成分とに分別される。ここで分別された灰分などの細粒不燃物を含む燃焼性成分は、所定の大きさ(例えば、1mm)に微粉砕された後、燃焼溶融炉13に供給される。
【0017】
燃焼溶融炉13は、頂部にバーナが取り付けられ、そのバーナの下方の炉壁には、空気ノズル15が設けられている。熱分解ガスと燃焼性成分は、バーナの近傍から炉内に供給され、空気ノズル15には、例えば、ごみピット内から空気供給ラインを通じて圧送された空気が供給される。燃焼溶融炉13の底部には、溶融スラグを排出するスラグ排出口17が設けられ、その下方には冷却水を貯留する水槽19が設けられている。燃焼溶融炉13で高温(例えば、1300℃)に加熱されて溶融した灰分は、溶融スラグとなってスラグ排出口17から水槽19内に落下し、水冷されて固形スラグとなる。固形スラグは、水槽19内からコンベアなどで搬出されてスラグヤード21に回収される。
【0018】
燃焼溶融炉13から排出された高温の排ガスは、高温空気加熱器23、廃熱ボイラ25によって順次熱回収された後、減温塔27に導かれて冷却され、続いて、除塵用バグフィルタ29、脱塩用バグフィルタ31を経由して、それぞれ除塵及び脱塩処理が施され、誘引送風機33を介して煙突35から大気に放出される。
【0019】
高温空気加熱器23により熱回収されて高温に加熱された高温空気は、空気ライン37を介してその一部が熱分解反応器7に戻されて加熱用空気として利用され、残りの空気は、加熱空気冷却器39により冷却され、加熱空気送風機41を経由して高温空気加熱器23に戻される。また、廃熱ボイラ25によって回収された熱により生成された水蒸気は、蒸気タービンや発電機43により発電に利用される。なお、脱塩用バグフィルタ31により回収された脱塩残渣は、脱塩残渣回収装置45に回収されて重金属などが除去された後、系外へ排出されて適宜再利用される。
【0020】
以上説明した廃棄物処理システムはいずれも周知の構成であるが、本実施形態の廃棄物処理システムは、このような構成に対し、更に、HCl分析計47、制御装置49、ホッパ51、スクリューフィーダ53などを備えている。
【0021】
HCl分析計47は、除塵用バグフィルタ29と脱塩用バグフィルタ31を接続する排ガス流路を流れる排ガス中の塩化水素(HCl)濃度をサンプリングして分析する。制御装置49にはHCl分析計47で検出された結果が入力され、この入力情報に基づいてスクリューフィーダ53の切り出し量が制御されるようになっている。ホッパ51に貯留された燃焼灰はスクリューフィーダ53の一端側に供給され、この供給された燃焼灰は他端側へ搬送されてから搬送機1の上方に落下するようになっている。
【0022】
燃焼灰は、一又は複数の他の焼却設備から排出された燃焼灰であり、具体的には、例えば、ボイラより生じたボイラ灰、排ガスを除塵して回収された除塵灰などを含んでいる。本実施形態の廃棄物処理システムは、燃焼灰を廃棄物とともに燃焼処理して溶融スラグ化させ、減容処理することを目的とするものであり、所定の条件下で燃焼灰の供給量を制御することを特徴としている。なお、燃焼灰には、本実施形態の廃棄物処理システムで発生した燃焼灰を含むことができる。
【0023】
以下、本実施形態の廃棄物処理システムの動作を詳細に説明する。
【0024】
各焼却施設より集められた燃焼灰は、ホッパ51に投入され、ホッパ51よりスクリューフィーダ53の一端側に落下して搬送された後、他端側から下方の搬送機1の上に落下する。そして、搬送機1より落下した廃棄物と燃焼灰は、ホッパ3を介して熱分解反応器7に供給される。ここで、燃焼灰と廃棄物は特に強制的に混合させることを必要としないが、予め混合装置などで混合してから熱分解反応器7に供給するようにしてもよい。
【0025】
廃棄物と燃焼灰が熱分解反応器7に供給されると、主として廃棄物が熱分解処理されて熱分解ガスと熱分解残渣を生じる。そして、熱分解反応器7から排出された燃焼灰、熱分解残渣中の燃焼性成分および熱分解ガスは、いずれも燃焼溶融炉13に供給されて燃焼処理される。燃焼溶融炉13においては、熱分解残渣や熱分解ガス中に含まれる灰分と燃焼灰とが溶融されて溶融スラグを生成し、その後、溶融スラグは水槽19において水冷されて固形スラグとなり、スラグヤードに回収された後、所定の形状に形成され、建材又は舗装材などに再利用される。
【0026】
一方、燃焼溶融炉13から排出された排ガスは、高温空気加熱器23、廃熱ボイラ25でそれぞれ熱回収され、更に減温塔27に送られて温度が下げられる。減温塔27で温度が下げられた排ガスは、除塵バグフィルタ29に送られて飛灰が濾過される。ここで、廃熱ボイラ25、減温塔27および除塵バグフィルタ29より回収された飛灰は必要に応じて燃焼灰として処理することが可能である。
【0027】
除塵バグフィルタ29を通過した排ガスには、脱塩剤供給装置55より脱塩剤(以下、重曹という。)が供給され、脱塩用バグフィルタ31の濾布面に重曹の粉体層を形成し、この粉体層に排ガスを通過させることによって排ガス中の塩化水素が除去される。脱塩剤供給装置55は、例えば、HCl分析計47により検出された塩化水素濃度、又は、図示しない脱塩用バグフィルタ31を通過した後の排ガスをサンプリングして検出された塩化水素濃度に基づいて重曹の供給量が制御される。
【0028】
HCl分析計47は、除塵バグフィルタ29の後流側で、かつ、脱塩剤の供給位置よりも上流側を流れる排ガス中の塩化水素濃度を検出し、この検出結果を電気信号に変換して制御装置49に出力する。制御装置49では、その入力情報に基づいて演算処理された結果を、スクリューフィーダ53の駆動モータに出力することによって、モータの回転数を制御して燃焼灰の切り出し量を制御する。
【0029】
図3は、燃焼灰の切り出し量(線c)を固定した状態で、燃焼灰と廃棄物を同時に処理したときの排ガス中の塩化水素濃度の時間変化(線a)と、廃棄物のみを処理したときの排ガス中の塩化水素濃度の時間変化(線b)を比較して示す。
【0030】
図より、廃棄物由来の塩化水素濃度と、燃焼灰と廃棄物を同時処理したときの塩化水素濃度の時間変化とを比較してみると、燃焼灰由来の塩化水素濃度は、廃棄物由来の塩化水素濃度よりも変動幅が格段に大きいことがわかる。このため、燃焼灰を廃棄物とともに処理する際に、塩化水素濃度が急激に増加する場合、例えば、塩化水素濃度に基づいて重曹の供給量を増加させたとしても、その供給能力によっては、脱塩剤による処理が間に合わず、塩化水素濃度が限界値を超えてしまうおそれがある。
【0031】
これに対して、本実施形態の制御を行ったときの排ガス中の塩化水素濃度の時間変化(d線)と、燃焼灰の供給量(e線)の制御の一例を図2に示す。
【0032】
本実施形態では、HCl分析計47の検出値(以下、単に検出値という。)に基づいて燃焼灰の切り出し量を制御する際に、塩化水素濃度の管理幅として上限値と下限値を設け、検出値が上限値を超えたときには、スクリューフィーダ53の切り出し量を減少させ、検出値が下限値を下回ったときには、切り出し量を増加させるようにする。そして、検出値が下限値以上かつ上限値以下のときは、例えば、切り出し量を一定に保持するようにする。このように管理幅を設けて不感帯制御を行うことにより、検出値の変動を安定化させることができる。ここで、管理幅の上限値と下限値、及び、管理幅の設定値については、適宜定めることができる。なお、本実施形態では、不感帯を設けて制御を行っているが、このように管理幅を設けないで一つの規定値によって制御を行うようにしてもよい。
【0033】
図4は、図3の燃焼灰の切り出し量の制御処理を説明するためのフローチャートである。
【0034】
まず、ステップ1では、検出値が上限値を超えているか否かが制御装置49により判断される。ここで、検出値が上限値を超えていると判断されると、処理はステップ2に移行し、切り出し量をΔQ減少させるようにスクリューフィーダ53の駆動モータの回転数が制御される。
【0035】
一方、検出値が上限値を超えていないと判断されると、処理はステップ3に移行し、検出値が下限値を下回っているか否かが制御装置49により判断される。ここで、検出値が下限値を下回っていると判断されると、処理はステップ4に移行し、切り出し量をΔQ増加させるようにスクリューフィーダ53の駆動モータの回転数が制御される。これに対し、ステップ3において検出値が下限値を下回っていないと判断されると、処理はステップ5に移行し、そのときの切り出し量が保持される。
【0036】
ステップ1〜5の処理は、塩化水素濃度のサンプリング周期に応じて繰り返し行われる。なお、本実施形態では、切り出し量の増加、減少の制御を予め設定されたΔQの単位で段階的に行うようにしているが、この例に限らず、例えば、上限値及び下限値と検出値との差に応じてΔQが定まるように制御してもよい。
【0037】
以上述べたように、本実施形態では、排ガス中の塩化水素濃度の検出値に基づいて燃焼灰の切り出し量を制御しているため、排ガス中の塩化水素濃度の変動を抑制し、塩化水素濃度を低レベルに安定化させることができる。加えて、本実施形態によれば、排ガス中の塩化水素濃度の変動を抑制できるため、従来のように塩化水素濃度に基づいた脱塩剤の供給量制御、或いは、脱塩剤を一定量供給する方法によっても、塩化水素濃度を低レベルに維持することができ、それにより脱塩剤の過剰供給に伴うランニングコストの増加などを抑制することができる。
【0038】
更に、本実施形態では、燃焼灰を廃棄物とともに熱分解反応器7に供給する例を説明したが、この例に限られるものではなく、例えば、燃焼灰を直接燃焼溶融炉13に投入し、その投入量を制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明を廃棄物プラントに適用した一実施形態の全体構成図である。
【図2】本実施形態の制御の行ったときの排ガス中の塩化水素濃度の時間変化と、燃焼灰の供給量の制御の一例を示す図である。
【図3】燃焼灰の切り出し量を固定した状態で燃焼灰と廃棄物を同時処理したときの排ガス中の塩化水素濃度の時間変化と、廃棄物のみ処理したときの塩化水素濃度の時間変化を比較して示す図である。
【図4】図2の燃焼灰の切り出し量の制御処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
7 熱分解反応器
13 燃焼溶融炉
29 除塵用バグフィルタ
31 脱塩用バグフィルタ
47 HCl分析計
49 制御装置
51 ホッパ
53 スクリューフィーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を熱分解して熱分解ガスと熱分解残渣を発生させる熱分解反応器と、前記熱分解ガスを燃焼させるとともに、該熱分解ガスに同伴する不燃物を溶融させて溶融スラグを排出する燃焼溶融炉と、該燃焼溶融炉から排出される排ガス中の飛灰を除去する第1の排ガス処理手段と、該第1の排ガス処理手段から排出される排ガス中に脱塩剤を添加して脱塩処理を行う第2の排ガス処理手段と、燃焼灰が貯留されるホッパから前記燃焼灰を切り出して前記熱分解反応器又は前記燃焼溶融炉に供給する灰供給手段とを備えた廃棄物処理システムにおいて、
前記第1の排ガス処理手段と前記第2の排ガス処理手段との間を流れる前記排ガス中の塩化水素濃度の検出値に基づいて前記燃焼灰の切り出し量を制御する制御手段を備えることを特徴とする廃棄物処理システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検出値が第1の規定値を超えたとき、前記切り出し量を減少させ、前記検出値が前記第1の規定値よりも低い第2の規定値を下回ったとき、前記切り出し量を増加させることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理システム。
【請求項3】
前記第2の排ガス処理手段は、前記検出値に基づいて前記脱塩剤の添加量を制御する添加量制御手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−240981(P2009−240981A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92573(P2008−92573)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】