説明

廃熱利用装置

【課題】廃熱利用装置において用いられる回転電機に付随する変換器を冷却する効果を高める。
【解決手段】ランキンサイクル回路は、膨張機72、凝縮器、ギヤポンプ67、及びボイラによって構成されている。駆動ギヤ65及び従動ギヤ66と共にギヤポンプ67を構成するポンプ室64には吐出通路47が接続されている。吐出通路47の途中には収容室44が設けられており、収容室44には整流器68が収容されている。整流器68は、オルタネータ43に電気的に接続されており、オルタネータ43にはバッテリ45が整流器68を介して電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃熱源の廃熱を利用して回転電機の駆動軸に回転力を付与する膨張機を備えた廃熱利用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機である発電機のコイルの温度が上昇すると、電気抵抗が増大し、発電効率が低下する。そのため、発電機のコイルを冷却することが望ましい。特許文献1に開示のランキンサイクルシステムでは、膨張機及び発電機を収納する密閉容器内にポンプから液状の作動流体(液冷媒)が送り込まれ、発電機が冷却される。
【0003】
発電機で生じた交流電気を直流電気に変換する場合には整流器が用いられるが、整流器も冷却する必要がある。
整流器の設置場所としては、発電機のコイルを収納する密閉容器(ハウジング)内が一般的に考えられる。特許文献1では、膨張機及び発電機を収納する密閉容器内にポンプから液状の作動流体(液冷媒)が送り込まれ、発電機が冷却される。従って、密閉容器内に整流器を設置すれば、発電機と共に整流器も作動流体によって冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−174494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、密閉容器内に整流器を設置したとしても、整流器が常に液冷媒に浸っている状態にはならない。そのため、整流器を冷却する効果は高くない。
本発明は、廃熱利用装置において用いられる回転電機に付随する整流器を冷却する効果を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、循環冷媒流路を流れる冷媒に廃熱源の廃熱を伝達する第1熱交換器と、前記第1熱交換器を通過した冷媒を利用して前記回転電機の駆動軸に回転力を付与する膨張機と、前記膨張機を通過した冷媒から熱を奪う第2熱交換器と、前記第1熱交換器より上流、かつ前記第2熱交換器より下流の前記循環冷媒流路に設けられて液冷媒を送り出す送り出し手段とを備えた廃熱利用装置を対象とし、請求項1の発明では、前記回転電機で生じる交流電気を直流電気に変換する変換器が前記回転電機を収納する回転電機ハウジング外の液冷媒通路に設けられている。
【0007】
変換器が液冷媒通路内の液冷媒に常に浸されているため、変換器の冷却効果が高い。
好適な例では、前記液冷媒通路は、前記循環冷媒流路の一部である。
好適な例では、前記変換器は、前記ポンプの吐出側の前記循環冷媒流路に設けられている。
【0008】
変換器の発熱による液冷媒の加熱は、ポンプの吐出側で行なわれるため、キャビテーションに起因する冷媒の送り出し効率の低下は生じない。
好適な例では、前記ポンプの吐出側の前記循環冷媒流路に分岐接続し、且つ前記回転電機ハウジング内に接続する分岐通路が設けられており、前記第1熱交換器より下流、かつ前記第2熱交換器より上流の前記循環冷媒流路と前記回転電機ハウジング内とを接続する流出通路が設けられており、前記変換器は、前記分岐通路の分岐部より下流の前記循環冷媒流路に設けられている。
【0009】
変換器によって加熱された液冷媒が回転電機ハウジング内へ送られることはない。
好適な例では、流出通路は前記膨張機よりも下流、かつ前記第2熱交換器より上流の前記循環冷媒流路と前記回転電機ハウジング内とを接続する。
【0010】
第1熱交換器よりも下流であっても、膨張機よりも下流側の方が膨張機より上流側より圧力が小さく、流出通路を介して回転電機ハウジング内から循環冷媒流路に液冷媒を戻し易い。
【0011】
好適な例では、前記変換器は、前記送り出し手段の吸入側の前記循環冷媒流路に設けられている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、廃熱利用装置において用いられる回転電機に付随する変換器を冷却する効率を向上することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態を示す部分側断面図。
【図2】廃熱利用装置を示す模式図。
【図3】(a)は、部分拡大側断面図。(b)は、図3(a)のA−A線断面図。
【図4】第2の実施形態の廃熱利用装置を示す模式図。
【図5】第2の実施形態の部分側断面図。
【図6】第2の実施形態の部分拡大断面図。
【図7】第3の実施形態を示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図2に示すように、廃熱利用装置11は、廃熱源としてのエンジン12(燃焼機関)と、ランキンサイクル回路13とを備えている。
【0015】
ランキンサイクル回路13では、エンジン12からの廃熱によって加熱される冷媒が循環する。廃熱利用装置11を構成する廃熱回収機器34は、ランキンサイクル回路13の一部を構成している。
【0016】
図1に示すように、廃熱回収機器34を構成する全体ハウジング35は、筒状をなすセンターハウジング36と、センターハウジング36の前端〔図1において左端〕に連結された回転電機ハウジングとしての発電機ハウジング37と、センターハウジング36の後端〔図1において右端〕に連結されたリヤハウジング39とから構成されている。
【0017】
センターハウジング36に一体形成された隔壁361と発電機ハウジング37の前端壁371とには駆動軸40が軸受51,52を介して回転可能に支持されており、発電機ハウジング37内の駆動軸40にはロータ41が固定されている。発電機ハウジング37の内周面にはステータ42がロータ41を取り囲むように固定されている。駆動軸40、コイル421を備えたステータ42及びロータ41は、ブラシレス式のオルタネータ43(発電機)を構成する。駆動軸40は、オルタネータ43のロータ軸である。オルタネータ43は、ロータ41が回転することによってステータ42のコイル421に電力を生じさせる機能を有する。
【0018】
駆動軸40は、前端壁371を貫通して外部に突出しており、駆動軸40の突出端部にはプーリ57が止着されている。プーリ57にはベルト59が巻き掛けられている。ベルト59は、エンジン12の回転出力軸であるクランク軸68〔図2参照〕に止着されたプーリ69〔図2参照〕に巻き掛けられている。
【0019】
センターハウジング36の後部内にはサイドプレート62が隔壁361に対向するように固設されている。隔壁361とサイドプレート62との間にはポンプ室64が区画されている。駆動軸40は、隔壁361及びサイドプレート62を貫通している。
【0020】
図3(a),(b)に示すように、ポンプ室64内には駆動軸40に止着された駆動ギヤ65と、駆動ギヤ65に噛合する従動ギヤ66とが配設されている。ポンプ室64、駆動ギヤ65及び従動ギヤ66は、ギヤポンプ67を構成する。図3(b)に示すように、駆動ギヤ65及び従動ギヤ66は、ポンプ室64内を吸入室641と吐出室642とに区画する。
【0021】
図1に示すように、センターハウジング36の後部内には支持ブロック63が固設されている。支持ブロック63には回転軸70が軸受71によって回転可能に支持されている。回転軸70は、駆動軸40と同軸上で駆動軸40に連結されている。
【0022】
支持ブロック63とリヤハウジング39との間にはスクロール式の膨張機72が設けられている。
次に、膨張機72の構成を説明する。
【0023】
回転軸70の後端には偏心軸73が設けられている。偏心軸73は、回転軸70の回転により回転軸70の回転軸線の周りを公転する。偏心軸73には可動スクロール74がブッシュ75及び軸受76を介して回転可能に支持されている。可動スクロール74は、軸受76に支持された可動側端板741と、可動側端板741から突設された渦巻状の可動側渦巻壁742とを備えている。
【0024】
センターハウジング36の後部内には固定スクロール77が可動スクロール74と対向するように固設されている。固定スクロール77は、固定側端板771と、固定側端板771から支持ブロック63に向けて突設された渦巻状の固定側渦巻壁772とを備えている。可動スクロール74の可動側渦巻壁742と、固定スクロール77の固定側渦巻壁772とは、互いに噛み合わされて容積変更可能な膨張室78を区画する。
【0025】
固定側端板771とリヤハウジング39との間には供給室79が区画されており、固定側端板771の中央部には供給口773が供給室79に連通するように形成されている。リヤハウジング39には導入ポート391が形成されている。サイドプレート62と支持ブロック63との間には排出室80が形成されている。膨張室78の冷媒は、排出室80へ排出される。センターハウジング36の周壁には排出ポート362が排出室80に連通するように形成されている。
【0026】
次に、廃熱利用装置11におけるランキンサイクル回路13について説明する。
図2に示すように、ランキンサイクル回路13は、廃熱回収機器34を構成する膨張機72、凝縮器29、廃熱回収機器34を構成するギヤポンプ67、第1ボイラ20、及び第2ボイラ21によって構成されている。
【0027】
第1ボイラ20は、吸熱器202と放熱器201とを備える。ギヤポンプ67におけるポンプ室64〔図3(a),(b)参照〕の吐出側には第1ボイラ20の吸熱器202が第1流路22を介して接続されている。放熱器201は、エンジン12に接続された冷却水循環経路23上に設けられている。冷却水循環経路23上にはラジエータ24が設けられている。車両のエンジン12を冷却した冷却水(冷却流体)は、冷却水循環経路23を循環して放熱器201及びラジエータ24で放熱する。
【0028】
第2ボイラ21は、吸熱器212と放熱器211とを備える。第1ボイラ20の吸熱器202の吐出側には第2ボイラ21の吸熱器212が接続流路25を介して接続されている。放熱器211は、エンジン12に接続された排気通路26上に設けられている。エンジン12からの排気は、放熱器211で放熱した後、マフラ27から排気される。ギヤポンプ67から吐出された冷媒は、第1ボイラ20及び第2ボイラ21の吸熱器202,212と放熱器201,211との間での熱交換によりエンジン12からの廃熱によって加熱される。
【0029】
第2ボイラ21の吸熱器212の吐出側には膨張機72における導入ポート391〔図1参照〕が供給流路28を介して接続されている。第1ボイラ20及び第2ボイラ21で加熱された高温高圧の冷媒は、供給流路28を介して膨張機72に導入されるようになっている。膨張機72側の排出ポート362〔図1参照〕には凝縮器29が排出流路30を介して接続されている。膨張機72で膨張した低圧の冷媒は、排出流路30を介して凝縮器29へ排出されるようになっている。凝縮器29の下流側にはギヤポンプ67のポンプ室64〔図1参照〕が第2流路31を介して接続されている。
【0030】
第2流路31、第1流路22、接続流路25、供給流路28及び排出流路30は、ランキンサイクル回路の循環冷媒流路を構成する。
図3(b)に示すように、ポンプ室64の吸入室641には吸入通路46が接続されており、ポンプ室64の吐出室642には吐出通路47が接続されている。吸入通路46は、第2流路31の一部を構成しており、吐出通路47は、第1流路22の一部を構成する。ポンプ室64、吐出通路47及び吸入通路46は、隔壁361の端面363に凹み形成されている。
【0031】
吐出通路47には分岐通路48が分岐接続されており、分岐通路48の終端には絞り部としての絞り通路49が設けられている。絞り通路49は、発電機ハウジング37内の内部空間Kに開口している。
【0032】
図2に示すように、ギヤポンプ67は、循環冷媒流路の一部である第1流路22と分岐通路48との分岐部480と、第2熱交換器である凝縮器29との間の循環冷媒流路に設けられている。つまり、ギヤポンプ67は、第1熱交換器である第1ボイラ20及び第2ボイラ21より上流、かつ第2熱交換器である凝縮器29より下流の循環冷媒流路に設けられている。循環冷媒流路は、内部空間K外を通過している。
【0033】
図3(a)に示すように、センターハウジング36の隔壁361及びサイドプレート62には流出通路50が貫設されている。流出通路50の入口は、オルタネータ43のロータ41より下側に設けられている。内部空間Kは、流出通路50を介して排出室80に連通している。
【0034】
ギヤポンプ67のポンプ作用により、第2流路31内の冷媒は、ポンプ室64の吸入室641に吸入されて吐出室642へ送られる。吐出室642へ送られた冷媒の一部は、第1流路22、第1ボイラ20、第2ボイラ21、膨張機72及び凝縮器29を通過してポンプ室64の吸入室641へ還流する。吐出室642へ送られた冷媒の残りは、分岐通路48及び絞り通路49を経由して内部空間Kへ流入する。内部空間Kへ流入した冷媒は、流出通路50、排出室80、排出ポート362、排出流路30及び凝縮器29を通過してポンプ室64の吸入室641へ還流する。
【0035】
図3(a)に示すように、サイドプレート62に対向する隔壁361の端面363には収容室44が凹み形成されている。図3(b)に示すように、収容室44は、収容室44が吐出通路47に連通するように吐出通路47の途中に設けられている。収容室44には変換器としての整流器68が収容されている。整流器68は、オルタネータ43に電気的に接続されており、オルタネータ43にはバッテリ45が整流器68を介して電気的に接続されている。オルタネータ43で生じた交流電気は、整流器68で直流電気に変換され、整流器68で変換された直流電気がバッテリ45に蓄電されるようになっている。
【0036】
次に、廃熱利用装置11の作用について説明する。
エンジン12が始動されると、ベルト59及びプーリ57を介してエンジン12から駆動力が伝達されるために駆動軸40が回転し、オルタネータ43が発電する。オルタネータ43によって発電された電気は、バッテリ45に蓄えられる。
【0037】
駆動軸40が回転開始すると、ギヤポンプ67の駆動ギヤ65及び膨張機72の回転軸70が駆動軸40と一体的に回転開始する。ギヤポンプ67の駆動ギヤ65の回転は、従動ギヤ66に伝達され、駆動ギヤ65及び従動ギヤ66が噛合しながら互いに逆方向に回転する。これにより第2流路31の冷媒がギヤポンプ67を通過して第1流路22へ送られる。
【0038】
第1流路22へ送られた冷媒の一部は、第1ボイラ20の吸熱器202、接続流路25、及び第2ボイラ21の吸熱器212を通過して供給流路28へ送られる。第1ボイラ20の吸熱器202及び第2ボイラ21の吸熱器212を通過する冷媒は、エンジン12からの廃熱によって加熱される。
【0039】
第1流路22へ送られた冷媒の残りは、分岐通路48及び絞り通路49を経由して内部空間Kへ流入する。凝縮器29を通過して第2流路31を流れる冷媒は、冷却されて液化しており、ギヤポンプ67から送り出された液冷媒は、低温である。従って、内部空間Kへ流入した低温の液冷媒は、内部空間K内でオルタネータ43を冷却する。オルタネータ43を冷却した冷媒は、流出通路50を経由して排出室80へ流出し、排出室80へ流出した冷媒は、排出流路30及び凝縮器29を経由してギヤポンプ67へ還流する。
【0040】
第1ボイラ20及び第2ボイラ21(第1熱交換器)で加熱された高圧の冷媒は、導入ポート391から膨張機72の供給室79を経て膨張室78に導入されて膨張する。この冷媒の膨張により膨張機72が機械的エネルギー(回転付与力)を出力し、この回転付与力によって回転軸70及び駆動軸40の回転がアシストされる。膨張機72は、冷媒を利用してオルタネータ43の駆動軸40に回転力を付与する。膨張して圧力が低下した冷媒は、排出流路30へ排出される。排出流路30へ排出された冷媒は、凝縮器29を通過してギヤポンプ67へ還流する。
【0041】
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
オルタネータ43が発電している状態では、発電された交流電気が整流器68で直流電気に変換され、整流器68が発熱する。ギヤポンプ67から吐出通路47へ吐出された液冷媒は、収容室44を通過する。収容室44は、液冷媒で満たされており、収容室44内の整流器68は内部空間K外の収容室44内で常に液冷媒に浸されて冷却される。
【0042】
第1の実施形態では以下の効果が得られる。
(1)整流器68は、液冷媒通路である収容室44内で液冷媒に常に浸される。そのため、整流器68を冷却する効果が高い。
【0043】
(2)ギヤポンプ67の吸入側で液冷媒が加熱されると、キャビテーションが生じて冷媒の送り出し効率が低下するおそれがある。しかし、整流器68の発熱による液冷媒の加熱は、ギヤポンプ67の吐出側で行なわれるため、キャビテーション発生に起因する冷媒の送り出し効率の低下は生じない。
【0044】
(3)凝縮器29にて冷却された液冷媒の一部は、分岐通路48を経由して内部空間Kへ流れる。凝縮器29にて低温化された液冷媒によってオルタネータ43を冷却する構造は、オルタネータ43を冷却する効率の向上に寄与する。
【0045】
(4)分岐通路48及び絞り通路49は、ギヤポンプ67より下流の循環冷媒流路(つまり吐出通路47)と内部空間Kとを連通している。隔壁361を貫通している分岐通路48及び絞り通路49は、分岐通路48内の液冷媒の昇温回避の観点から短い方がよい。オルタネータ43の存在領域である内部空間Kを区画する隔壁361の端面363にギヤポンプ67を設けると共に、端面363に吸入通路46及び吐出通路47を設けた構成は、分岐通路48及び絞り通路49の短縮化に寄与する。又、分岐通路48及び絞り通路49の短縮化は、分岐通路48及び絞り通路49の形成容易化に有利である。
【0046】
(5)エンジン12の回転力によって発電するオルタネータ43を廃熱利用によって発電する発電機として兼用するため、廃熱利用の新たな発電機が不要である。
次に、図4〜図6の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
【0047】
図4は、廃熱回収装置を示す。回転電機としてのモータジェネレータ43Aは、モータとしてランキンサイクル作動開始時にはギヤポンプ67を駆動すると共に、膨張機72の回転によって発電する。
【0048】
図5に示すように、廃熱回収機器34Aを構成する全体ハウジング69は、センターハウジング36と、センターハウジング36の前端〔図5において左端〕に連結されたモータジェネレータハウジング37Aと、センターハウジング36の後端〔図5において右端〕に連結されたリヤハウジング39とから構成されている。
【0049】
図6に示すように、収容室44Aが吸入通路46の途中に設けられている。収容室44Aには変換器としてのインバータ68Aが収容されている。収容室44Aは、液冷媒で満たされており、収容室44A内のインバータ68Aは、モータジェネレータハウジング37Aの内部空間K外の液冷媒通路(収容室44A)内で常に液冷媒に浸されて冷却される。
【0050】
第2の実施形態では、第1の実施形態における(1),(3),(4)項と同様の効果が得られる。
次に、図7の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
【0051】
収容室44は、分岐部480よりも下流の吐出通路47上に形成されており、整流器68が収容室44に収容されている。
第3の実施形態では、整流器68を冷却した液冷媒が分岐通路48へ流入することがないため、オルタネータ43の冷却効果が第1の実施形態の場合よりも向上する。
【0052】
本発明では以下のような実施形態も可能である。
○液冷媒通路である分岐通路48上に整流器68を配設してもよい。
○送り出し手段を全体ハウジング35,69外に配設してもよい。
【0053】
○ポンプとして、ギヤポンプに代えてロータリー式などの他の形式のポンプを採用してもよい。
前記した実施形態から把握できる技術思想について以下に記載する。
【0054】
(イ)前記廃熱源は、燃焼機関であり、前記回転電機は、前記燃焼機関の回転出力軸の回転によって発電するオルタネータである請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の廃熱利用装置。
【符号の説明】
【0055】
11…廃熱利用装置。12…廃熱源である燃焼機関としてのエンジン。20,21…第1熱交換器である第1ボイラ及び第2ボイラ。29…第2熱交換器である凝縮器。35,69…全体ハウジング。37…回転電機ハウジングとしての発電機ハウジング。37A…回転電機ハウジングとしてのモータジェネレータハウジング。40…駆動軸。43…回転電機としてのオルタネータ。43A…回転電機としてのモータジェネレータ。46…循環冷媒流路の一部である液冷媒通路としての吸入通路。47…循環冷媒流路の一部である液冷媒通路としての吐出通路。48…液冷媒通路としての分岐通路。480…分岐部。50…流出通路。67…ポンプとしてのギヤポンプ。68…整流器。68A…インバータ。72…膨張機。K…内部空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環冷媒流路を流れる冷媒に廃熱源の廃熱を伝達する第1熱交換器と、前記第1熱交換器を通過した冷媒を利用して回転電機の駆動軸に回転力を付与する膨張機と、前記膨張機を通過した冷媒から熱を奪う第2熱交換器と、前記第1熱交換器より上流、かつ前記第2熱交換器より下流の前記循環冷媒流路に設けられて液冷媒を送り出すポンプとを備えた廃熱利用装置において、
前記回転電機で生じる交流電気を直流電気に変換する変換器が前記回転電機を収納する回転電機ハウジング外の液冷媒通路に設けられている廃熱利用装置。
【請求項2】
前記液冷媒通路は、前記循環冷媒流路の一部である請求項1に記載の廃熱利用装置。
【請求項3】
前記変換器は、前記ポンプの吐出側の前記循環冷媒流路に設けられている請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の廃熱利用装置。
【請求項4】
前記ポンプの吐出側の前記循環冷媒流路に分岐接続し、且つ前記回転電機ハウジング内に接続する分岐通路が設けられており、
前記第1熱交換器より下流、かつ前記第2熱交換器より上流の前記循環冷媒流路と前記回転電機ハウジング内とを接続する流出通路が設けられており、
前記変換器は、前記分岐通路の分岐部より下流の前記循環冷媒流路に設けられている請求項3に記載の廃熱利用装置。
【請求項5】
前記流出通路は、前記膨張機よりも下流、かつ前記第2熱交換器より上流の前記循環冷媒流路と前記回転電機ハウジング内とを接続する請求項4に記載の廃熱利用装置。
【請求項6】
前記変換器は、前記ポンプの吸入側の前記循環冷媒流路に設けられている請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の廃熱利用装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−87659(P2013−87659A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227019(P2011−227019)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】