建築材料およびそれを作製し設置する方法
建築材料は、一実施態様において、構造体のフレームを覆う特有の構成を有する連結システムを有している。この建築材料は、一実施態様において、ボードにエンボス加工され、隣接するボードの端部に係合し、すなわち合わさるようになっている、整合するフランジを有する建築ボードである。他の実施態様において、建築材料は、建築ボードと、建築ボードの裏面に取り付けられた可撓性の、またはヒンジ付きの物品から構成された作り込みのパネル連結部である。この物品は、接着剤によって建築ボードに取り付けられるのが好ましく、建築ボードを構造体に固定する留め具を受け入れるために縁部を越えて建築ボードから離れる方向へ延びている。留め具は釘であるのが好ましい。建築材料の構成部材は、建築ボードシステムのせん断強度性能を維持し、または高めつつ、1列の釘を用いることによって構造体のフレームに取り付けられるのが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一実施態様において、構造体のフレームを覆う建築材料に関し、この建築材料は、隣接するボードの端部に係合し、この建築ボードを複数の建築ボードのシステム内に、このシステムのせん断強度を低コストで向上させながら固定する手段を構成するようになっている延長フランジを有する建築ボードから構成されている。
【背景技術】
【0002】
外装市場では、建築ボードが構造体のフレームを覆うのに用いられている。この市場には、様々な材料、特に、木材、セラミック、金属、プラスチック、またはこれらのうちの2つ以上の複合材料から構成される複数の建築ボードが含まれている。これらのボードは、一般に、構造体を覆い、それによって保護と装飾の被覆を行うために構造体のフレーム上に互いに隣接させて配置しなければならない別個の複数のプランクまたはパネルの形態をしている。この被覆を連続したものにするために、複数のボードの間の複数の連結部は、満足のいく外観になるように処理しなければならない。しかし、この処理は時間がかかり、コストがかかる場合がある。したがって、コストを低減し、建築ボードの設置のしやすさを改善する連結機構を有する改良された建築材料が必要である。建築ボードには、特に、連結部の間の水の浸出を抑制し、複数の建築ボードの間の連結強度を向上させ、建築ボードシステムのせん断強度を高める点で優れていることも市場において求められている。
【特許文献1】米国特許第6,572,697号明細書
【特許文献2】米国特許第6,676,744号明細書
【特許文献3】米国特許第6,689,451号明細書
【特許文献4】米国特許第6,030,474号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2003−0056458号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2003−0046891号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2003−0054123号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
住宅建設のような建設業界では、木材フレ−ムおよび金属フレームを含む様々な種類のフレームに取り付けるのに釘止めすることができる建築ボードを用いることが好まれている。しかし、セラミック、コンクリート、石材、または厚い金属のような硬い、高密度の、またはもろい材料は、釘止めすることができず、したがって、釘用の穴を事前にあけるといった他の何らかの手段によって木材またはスチール製のフレームに取り付けなければならない。穴をあけるのには時間およびコストがかかり、したがって、事前に穴をあけることなく、セラミックや高密度のセメント複合材料のような釘止め不可能な基体を釘止めする手段を見つけることによって設置コストを低減する必要がある。
【0004】
複数の建築パネルを設置する際、これらのパネルは、それらの縁部がフレーム部材を同時に覆うように互いに突き当てられる。パネルの各縁部は、各パネル連結部に2列の釘が配置されるように、1列の釘によってフレーム部材に固定される。この工程は、建築法によって規定された最低限のレベルのせん断強度を達成するために必要である。設置コストを低減する1つの方法として、各パネル連結部に2列の釘を有する建築ボードシステムに匹敵するか、またはそれよりも優れたせん断強度性能を得ながら、パネル連結部に使用する釘の数を最小限に抑えるのが有利である。
【0005】
相じゃくりされた複数の縁を有する合板やOSBパネルのような釘止め可能な材料は、
複数のパネル同士を連結するのにのみ必要な釘の数を減らすことができるが、建築法を満たすのに必要な最低限のレベルのせん断強度を維持するために、これらの製品の各連結部にも依然として2列の釘が必要である。例えば、木材をベースにし相じゃくりされた複数のパネルは、せん断力の作用の下で座屈するのを避けるために、2列の釘、すなわち、重ね継ぎされる下方のボードの相じゃくり部を通る1列の釘と、重ねられたボードの相じゃくり部を通る1列の釘によって釘止めされる。せん断力の作用の下で座屈に抵抗力のある、1列のみの釘を用いた連結処理が必要である。
【0006】
ファイバーセメントから作られ相じゃくりされた複数の建築ボードは、最低限のレベルのせん断強度を維持しつつ、ボード同士を連結するのに必要な釘の数を減らすのに適していない。ファイバーセメントボードは、一般にもろく、そのため、このようなボードの、相じゃくりされた縁部は、出荷および設置時に壊れやすい。さらに、相じゃくり連結部をファイバーセメントパネルの縁部に機械加工するのにはコストがかかる。パネルの縁部が壊れにくくなるようにファイバーセメントパネルの縁部を処理する手段が必要である。
【0007】
建築ボードは、時には、工場で仕上げられて販売されている。このようなボードの仕上げは、ボードがフレーム部材に釘止めされるときに損傷することが少なくない。建築ボードは、再塗装し、または元の仕上げに合った被覆材によって再コーキング(あるいはこれらの両方を)しなければならない。これは、時間のかかる工程であり、コストを増大させる。したがって、ボードの、仕上げられた面への損傷を最小限に抑えて建築ボードをフレーム部材に釘止めする手段も必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
構造体のフレームを覆う建築材料が提供される。一実施態様において、この建築材料は、各連結部またはフレーム部材の所に1列の留め具を用いて構造体のフレームを覆う特有の構成を有している。この建築材料は、建築ボードの端部を越えて延びるぴったり合うフランジを有する建築ボードであるのが好ましい。ぴったり合うフランジは、建築ボード上にエンボス加工されるのが好ましく、隣接する建築ボードの端部に係合し、すなわちぴったり合わさるようになっているのが好ましい。この建築材料は、隣接する建築ボードとの間に相じゃくりされた連結部に沿って配置され、水の浸出をなくす耐水材料をさらに有していてよい。
【0009】
他の実施態様において、建築材料は、建築ボードに連結された物品から構成されていてよい。建築ボードは、パネル、プランク、トリム、屋根用スレート、屋根葺き板、またはタイルとすることができるが、それらに限られない。さらに、建築ボードは、石材、れんが、粘土、金属、セラミック、ガラス、ビニル、ファイバーセメント、セメント、およびPVCを含むがそれらに限られない複数の材料の個々のもの、またはそれらの組合せから作ることができる。特に、ファイバーセメント建築ボードによって、特有の構成において特に有利な特性が実現される。同様に、この物品は、石材、れんが、粘土、金属、セラミック、ガラス、ビニル、ファイバーセメント、セメント、およびPVCも、布およびガラス繊維も含むがそれらに限られない複数の材料の個々のもの、またはそれらの組合せから作られていてよい。
【0010】
この物品は、建築ボードの1つの縁部を越えて延び、留め具を受け入れて建築ボードを構造体に固定する連結部として働くのが好ましい。一実施態様において、この物品は、同じ構成の他の建築材料を容易に構造体に揃えて固定することができるようにするフランジとしても働くのが好ましい。これら2つの建築材料は、フレーム部材に取り付けることができる建築ボードシステムとして協働する。この建築ボードシステムは、他の建築ボードシステム以上のせん断強度を達成する能力を有している。この建築ボードシステムは、各建築ボードを3つの縁部のみでフレーム部材に釘止めすることによってこのレベルのせん
断強度を達成し、それによって、コストを低減しシステムの設置の容易さを改善できるようにするのが好ましい。この物品は、ボードと目板部の構成のような特定の美的な見た目を有する特定の建築ボードシステムを形成するように構成してもよい。
【0011】
この物品は、2つ以上のフランジから構成してもよく、この場合、少なくとも2つのフランジはヒンジまたは溝部によって連結される。ヒンジは、ポリマー材料、軟質PVC、ナイロンメッシュ、エラストマのような可撓性の材料から作られるのが好ましく、化学結合、機械結合、熱結合、および、熱溶融型ポリウレタン接着剤のような接着剤を含むがそれらに限られない任意の適切な固定手段によってフランジに取り付けてよい。ヒンジは、例えば共有押し出し成形、引抜き、または射出成形によって少なくとも1つのフランジと同時に形成してもよい。ヒンジは、少なくとも1つのフランジが、ヒンジを中心として回転し、建築ボードに取り付けられたフランジの隣に、または建築ボードに実質的に平行な平面内に位置するのを可能にするのが好ましく、それによって、連結部の強度が向上させられる。ヒンジは、連結部に可撓性も与え、それによって、建築材料を梱包し出荷することによる損傷を防止するのに役立つ。
【0012】
この物品は、任意の適切な化学的手段、熱的手段、または機械的手段によって建築ボードに取り付けられていてよい。例えば、この物品は、構造用接着剤、ポリウレタン接着剤、熱溶融型ポリウレタン接着剤、エポキシ接着剤、アクリルフォーム、ポリウレタンフォーム、感圧接着剤、感圧発泡接着剤(例えば、ブチルゴムまたはアクリルフォーム)、シリコンコーク、およびポリウレタンコークを含む任意の適切な接着剤を用いて建築ボードに接着することができる。接着剤はこの物品と建築ボードの間の層として塗布してよい。一実施態様において、接着剤は、物品の本体に組み込まれ、物品が建築ボードに押し付けられた時に作用してもよい。他の実施態様において、接着剤は熱によって作用させられてもよい。他の実施態様において、物品は重合体材料であり、溶剤が、ポリマーの嵩を増やしてポリマーを建築物品に接着させるのに用いられる。
【0013】
溝部は、金属のような剛性の材料から作ってよく、化学結合、機械結合、熱結合、および接着剤を含む任意の適切な固定手段によってフランジに取り付けてよい。溝部は、複数の建築ボードの、互いに隣接する端部の間に位置し、建築ボードシステムをフレーム部材に固定するための領域を形成するのが好ましい。建築ボードシステムのせん断強度をさらに高めるために、建築ボードシステムの、複数の縁部の間および/または互いに隣接する複数の建築ボードを連結する溝内に連結用化合物を追加してもよい。
【0014】
建築ボードは、斜面にされた複数の縁部、および/または複数の切欠きとタブをさらに有していてよい。斜面にされた縁部、および/または切欠きは、互いに隣接する複数のボード同士を相互係合させ、複数のボードの設置のしやすさを改善しつつ、改善されたせん断強度を有する建築ボードシステムを形成する。
【0015】
建築材料は、他の実施態様において構成してもよい。例えば、建築材料は、建築ボードの間の継ぎ目を目立たなくするのに役立つ傾斜した縁部を備える建築ボードを有するように構成してよい。建築ボードは、互いに反対側の両縁部、例えば頂部の縁部と底部の縁部、または、互いに反対側の側縁部に沿って傾斜部を形成され、その結果、互いに隣接する建築ボードの縁部が設置時に重なり合うのが好ましい。建築ボードの縁部に沿ったこの重なり合った構成は、ヒンジ付きの物品と一緒に、各ボードが高温、低温、または含水率の変化にさらされることによって膨張または収縮する時に、各ボードの縁部が互いに滑って嵌り合うことができるようにすることよって連結部を目立たなくするのに役立つ。傾斜した縁部は、建築ボードをフレーム部材に容易に揃えて固定することができるようにする手段を形成することによって設置時間を短縮するのにも役立つ。
【0016】
同様に、他の実施態様において、建築材料は、表面、および互いに反対側の両縁部を有するファイバーセメント製のボードと、ボードの表面に連結された物品を備えている。この物品は、互いに反対側の両縁部の少なくとも一方を越えて延び、留め具を受け入れてボードを構造体に固定するようになっている。この物品は、少なくとも、パネルに連結された第1のフランジと、互いに反対側の両縁部の一方を越えて延び、第1のフランジに対して移動することができる第2のフランジを有している。
【0017】
他の実施態様において、建築材料は少なくとも2つの材料ストリップを備えている。各材料ストリップは表面を有し、少なくとも2つのストリップは、互いに隣接し縁部に沿って連結されている。建築材料は、実質的に平面状の表面と、互いに反対側の両端部を有するボードをさらに備え、少なくとも2つの材料ストリップの一方の表面が、ボードの、互いに反対側の両端部の一方に沿ってボードの表面に連結されている。少なくとも2つの材料ストリップの一方は、ボードの、互いに反対側の両端部の一方を越えて延びるように構成され、このように延びているストリップは、ボードに連結されたストリップに対して移動することができる。
【0018】
他の実施態様において、建築材料のシステムが、フレーム部材に連結された少なくとも2枚のボードを備え、一方のボードは主ボードであり、少なくとも2枚のボードのうちの第2のボードは、これに隣接するボードである。少なくとも2枚のボードは、表面と、互いに反対側の両端部と、互いに反対側の両縁部をそれぞれ有している。このシステムは、主ボードの、互いに反対側の両端部の一方に沿って主ボードの表面に連結された物品をさらに備え、この物品は、主ボードの表面に平行であり、主ボードの、互いに反対側の両端部の一方を越えて延びる少なくとも1つのフランジを有している。このシステムは、少なくとも物品を通ってフレーム部材に延びる1列の留め具をさらに備え、物品を通って延びる1列の留め具は、主ボードとそれに隣接するボードをフレーム部材に対して固定している。
【0019】
様々な実施態様の建築材料は、複数の方法で設置してよい。一実施態様では、互いに反対側の両縁部の少なくとも一方から第1のボードから離れる方向へ延びる少なくとも1つのフランジを有する第1のボードを選択することと、物品の表面がフレーム部材の、外側を向いた面に沿って位置するように構造体のフレーム部材上に第1のボードを位置させることと、表面および互いに反対側の両縁部を有する第2のボードを選択することと、第2のボードの、互いに反対側の両縁部の少なくとも一方が第1のボードの一方の縁部に隣接するように、構造体のフレーム部材上に第2のボードを揃えることと、物品をフレーム部材に固定し、第1のボードと第2のボードをフレーム部材に対して固定することを含む、建築材料システムを設置する方法が提供される。他の実施態様において、この方法およびシステムは、各ボード連結部に1列のみの釘を用いて物品をフレーム部材に固定することを含んでいる。
【0020】
これらおよび他の目的および利点は、添付の図面を参照した以下の説明からより完全に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
一実施形態において、建築材料5は、相じゃくりされた少なくとも1つの建築ボードを有している。建築材料は、図1A、1B、および1Cに示されているように、1枚のボード10の縁部が、これに隣接するボード20と重なり合って実質的に平らに揃った連結部30を形成するようにさねはぎ継ぎするのが好ましい。この建築ボードは、ファイバーセメントから作るのが好ましいが、石材、れんが、粘土、金属、セラミック、ガラス、ビニル、セメント、プラスチック、またはそれらの複合材料を含む任意の適切な材料から作ることができる。
【0022】
連結部30は、少なくとも建築ボード10の端部の近くの表面に沿って、隣接するボード20の端部50を受け入れるようになった切り欠き、すなわち溝40を有するのが好ましい。あるいは、隣接するボード20の端部50は、切り欠き、すなわち溝40の特有の形状部を受け入れるようになっていてもよい。例えば、図1Aに示すボード20の端部50は、建築ボード10の切り欠き、すなわち溝40を受け入れるようになったくぼみ60を有している。くぼみ60と切り欠き、すなわち溝40は、連結部30を形成するのに役立っている。建築材料5の切り欠き、すなわち溝40とくぼみ60は任意の適切な方法で形成されていてよい。例えば、くぼみ60および切り欠き、すなわち溝40は、形成工程時にファイバーセメントのグリーンシート上にエンボス加工されてよい。
【0023】
任意構成として、くぼみ60の一部は、図1A、1B、および1Cに示されているように、建築ボード10の切り欠き、すなわち溝40によって覆わないままにしてもよい。こうする際は、くぼみ60の露出された部分および建築ボード10の端部70の結果として、目板部(batten)80が形成されるのが好ましい。目板部80は、図1A、1B、および1Cに示す複数のリブ65のような複数の装飾部材を成形、スコーリング、エンボス加工、または押出し成形することによってさらに改善することができる、システムの装飾部材である。
【0024】
この建築材料によって、システムの見た目を改善するのに加えて、さらに、互いに隣接する建築ボード10,20の間の水処理を行ってもよい。例えば、図1Bにおいて、耐水材料75を溝40の表面とくぼみ60の間に配置してもよい。耐水材料75は、システム内に染み込む場合がある水を流す空間を形成している。
【0025】
図1Cは、相じゃくりされた建築ボードの他の実施形態である。くぼみ60は、建築ボード10の突出部材90を受け入れる溝85をさらに有している。溝85と突出部材90は、互いに隣接する建築ボード10,20を互いに嵌合させており、システムのせん断強度を向上させるのに役立っている。溝85は、建築ボード20をフレーム部材210に固定する指標も与えている。留め具は、隣接する建築ボード10の溝40が留め具を覆って隠れた固定が行われるように、建築ボード20のくぼみ60に取り付けるのが好ましいが、留め具は、連結部30の所で互いに隣接する建築ボード10,20を通ってフレーム部材210に取り付けてもよい。
【0026】
システムのせん断強度をさらに向上させるために、溝40の表面とくぼみ60の表面の間に接着材料を塗布してもよい。この接着材料は、構造用接着剤、ポリウレタン接着剤、熱溶融型ポリウレタン接着剤、エポキシ接着剤、アクリルフォーム、ポリウレタンフォーム、感圧接着剤、感圧発泡接着剤(例えば、ブチルゴムまたはアクリルフォーム)、シリコンコーク、およびポリウレタンコークを含む任意の適切な材料から選択されてよい。感圧接着剤のような接着材料を連結部30の溝40とくぼみ60の間に追加することによって、建築ボードが平面外へ移動するのを制限するのに役立たせることができ、複数の建築ボードの間の連結部の所での座屈を抑制するのに役立たせることができる。さらに、接着材料は、建築材料5をフレーム部材210に固定するのに1列の留め具を用いる場合を含めて、建築材料5がより高いせん断荷重値を達成できるようにするのに役立つ。
【0027】
相じゃくりされた建築ボードは、荷重が連結部を横切って伝達されることができるようにしてシステムが単一のボードにより近い振る舞いをできるようにする実質的に曲がらない連結部を形成している。例えば、6インチ×12インチの釘止めパターン(例えば、建築ボードの周囲に沿って6インチ間隔、建築ボードの領域内で12インチ間隔)でフレーム部材に取り付けられた相じゃくりされたボードを用いたシステムの試験において、このシステムは、280lbs/ftを超える荷重をかけても1/8インチ(約3.18mm
)しか歪まなかった。
【0028】
他の実施形態において、建築材料は、製造業者によって事前に組み立てられ、建築業者によって設置される準備の整った状態で販売される、図2Aに示されているように、作り込みのパネル連結部100を有している。作り込みのパネル連結部100は、1つの連結部105と、パネル、プランク、トリム、屋根用スレート、屋根葺き板、タイルのようなものであるが、それらに限られない建築ボード110から構成されている。建築ボード110は、木材、金属、またはプラスチックのような様々な材料から作ることができる。建築ボード110は、石材、セラミック、または金属を含むがそれらに限られない釘止め不可能な材料から作られていてもよい。あるいは、建築ボード110は、工場で施された仕上げ、または設置前に現場で施された仕上げを有していてもよい。一実施形態において、建築ボード110は、ファイバーセメントから作られているのが好ましい。ファイバーセメントは、有利なことに、不燃性、強度、釘止め可能性、および耐久性について好ましい特性を有している。低密度ファイバーセメントは、この材料を機械加工するのが比較的容易であり、かつ重量が軽いために取扱いおよび設置が容易であるため、より高密度のファイバーセメントに対して追加の利点を有している。
【0029】
連結部105は、好ましくは接着剤150、より好ましくは、熱溶融湿気硬化ポリウレタン、ポリウレタン接着剤、感圧フォーム、ゴムテープ、および、布の裏打ちを有する弾性テープのようなものであるがこれらに限られない、連結部にファイバーセメントボードを接着することができる接着剤によって建築ボード110に貼り付けられている。しかし、連結部105は、建築ボードと一体であり、かつ建築ボードに調和する嵌合領域を形成し、隣接する建築ボードの端部を受け入れるようになっているフランジを、建築ボードの端部に沿って、エンボス加工し、または成形した結果として形成することもできる。
【0030】
図2Aの連結部105は、ヒンジ130によって連結された2つのフランジ120aおよび120bから構成されるのが好ましい。しかし、連結部は、接着剤150を介在することなく建築ボード110および/またはフレーム部材210に直接連結することができる一体のフランジから構成してもよい。フランジは、布およびガラス繊維から作られたメッシュのような可撓性の材料から作られるのが好ましいが、金属のような剛性の材料から作ってもよい。接着剤およびファイバーセメントの特有の特性のような、作り込みのパネル連結部100の個々の構成要素は、引用によって全体が本明細書に組み入れられ、本明細書に開示する詳細な説明の一部とみなされる特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、および特許文献7において詳細に論じられ記載されている。
【0031】
一実施形態において、図2Aに示す連結部105は、事前に組み立てられ事前に設置された建築ボード110の1つの縁部のみに貼り付けられている。他の実施形態において、連結部105はボードの、互いに反対側の2つの縁部、または場合によっては他の縁部にも取り付けられていてよいことが分かる。連結部105は、図2B、3、および4に示す建築ボード220のような、隣接する建築ボードの縁部にも取り付けられるように構成されている。建築ボード110と同様に、建築ボード220は、ヒンジによって連結された一対のフランジを有する、それ自体の連結部を有するように製造することができる。さらに、連結部105を建築ボード110に連結するのに用いられる接着剤150と同様に、連結部105を建築ボード220に連結するのに同じ接着剤150を用いることができる。上述のように、接着剤150は、熱溶融型ポリウレタン接着剤であるが、セメントの表面とプラスチックの表面または金属の表面のような、互いに異なる熱膨張係数を有する表面の間の、変位の差を埋め合わせる任意の弾性材料から作ることもできる。例えば、接着材料は、熱溶融または低温硬化時に設置することができる感圧接着テープとすることができる。
【0032】
フランジ120a,120bは、金属、ゴム、またはエラストマのような様々な材料から作ることができるが、PVCから作られているのが好ましく、可撓性のヒンジ130によって連結されるのが好ましい。可撓性のヒンジ130は、軟質PVC(plasticized PVC)材料から作られるのが好ましいが、軟質ポリマー(plasticized polymer)、天然ゴムまたは合成ゴム、金属、または弾性材料のような可撓性の任意の材料から作ることができる。好ましい一実施形態のフランジ120a,120bは互いに同じ材料から作られているが、フランジ120a,120bは別々の2つの材料から作ることもできる。例えば、フランジ120aをエラストマから作ることができ、一方、フランジ120bをPVCのようなプラスチック材料から作ることができる。さらに、好ましい実施形態のヒンジ130はフランジ120a,120bとは異なる材料であるが、ヒンジは一方または両方のフランジと同じ材料とすることもできる。
【0033】
フランジ120bが、ヒンジ130を中心として移動し、すなわち回転し、フランジ120aにほぼ平行であり、および/または建築ボード110と同一面となる面に沿って位置できるように、ヒンジ130はフランジ120aと120bの間に位置するのが好ましい。しかし、ヒンジ130は一方のフランジの代わりをすることもできる。例えば、フランジ120aは、建築ボード110に直接接着すると共に建築ボードをフランジ120bに連結することができるようにより長い、および/またはより広い形態のヒンジ130によって代用することができる。ヒンジ130は、フランジ120a,120bが建築ボード110から外れたり2つに割れたりするリスクを軽減しながら、作り込みのパネル連結部100を製造現場で容易に梱包し設置現場に出荷することができるようにする手段を形成している。さらに、ヒンジ130は、建築ボードが連結されるフレーム部材210が、沈下する構造体と一緒に移動した時に連結部の間にひびが入るリスクを最小限に抑えるように、図2Bに示されているように、連結された建築ボード110と220の間にいくらかの弾力性も与えている。
【0034】
図2Aに示されているように、建築ボード110の縁に沿って追加のビード135を追加し、連結部105を保護するのに役立たせ、それでもなおフランジ120aとフランジ120bの間の移動を可能にしてもよい。このビード135は、図2Bに示されているように、建築ボード110が他の建築ボード220に連結されたときに密封部を形成するのにも役立つ。ビード135は、建築ボード110,220の間の隙間にぴったり合ってこの隙間を満たし、周囲の水のような物が連結部105を通って染み出すのを防止するのに役立つことができるように、シリコンゴムのような弾性的な、および/または変形可能な重合体材料であるのが好ましい。しかし、ビード135は軟質PVCまたは軟質シリコンから作られていてもよい。ビード135は、図9Aおよび9Bに示されているように、連結部105と一緒に共有押し出し成形されるのが好ましいが、製造時または設置時に連結部105が建築ボード110に取り付けられた後に取り付けてもよい。いずれにせよ、ビード135が存在すると、防水剤としてのコーキング材料と、建築ボードを構造体に設置する際にコーキング材料を塗布する追加のステップの必要を最小限に抑えるのに役立つ。
【0035】
図9Aおよび9Bは、ビード135と一緒に共有押し出し成形された2つのフランジ120a,120bを有する連結部105を示している。この実施形態において、ビード135は、ヒンジとしても、建築ボード110,220の間および連結部105とフレーム部材210の間への水の浸入の抑制部としても働く。したがって、ビード135は、基本的に、図2Aに示されている実施形態のヒンジ130と置き換えることができる。
【0036】
図9Aには、ビード135が、フランジ120a,120bの間において、ほぼ楕円形状を有しているのが示されている。ビード135が楕円形状であることによって、ビードが建築ボード110,220の間の隙間も、連結部105とフレーム部材210の間の隙
間も満たすことができる。図9Bには、ビード135が、一面がフランジ120a,120bの表面と実質的に同一面になった概ね半楕円形状を有しているのが示されている。図9Bに示されている実施形態によって、連結部105が、図9Aに示されている実施形態に比べてフレーム部材210の面と共に、凹凸のより少ない面に沿って位置させることができる可能性が高まる。
【0037】
各実施形態において、ビード135はフランジ120a,120bと同じ材料から作られていても、フランジ120a,120bとは大幅に異なる材料から作られていてもよい。一実施形態において、ビード135は、フランジ120a,120bと実質的に同じ材料であるが、フランジ120a,120bよりも概して柔軟で可撓性が高い。この実施形態において、フランジ120a,120bは剛性であり、すなわち曲がらないのが好ましい。他の実施形態において、ビード135は、フランジ120a,120bと実質的に同じ材料から作られ、実質的に同じ材料特性を有している。この実施形態において、ビード135とフランジ120a,120bはどちらも可撓性であり、および/または柔軟であるのが好ましい。他の実施形態において、ビード135はフランジ120a,120bとは大幅に異なる材料から作られており、フランジは剛性であり、ビードは可撓性であり、および/または柔軟である。
【0038】
建築材料の他の実施形態において、複数の建築ボードは、図10A、10B、および10Cに示されている連結部105と実質的に同様の連結部に連結されている。
【0039】
図10Aの連結部105は、フランジ120a,120bの間に配置されたヒンジ130を有している。フランジ120a,120bは、通常、ヒンジ130と実質的に同一面を形成している。しかし、ヒンジ130は、フランジ120bがフランジ120aに対して移動できるようにする可撓性の材料から作られるのが好ましい。図10Aの連結部を用いた建築材料システムは、改善されたせん断強度性能を有している。例えば、図10Aの連結部を用いた建築材料システムの一実施形態の試験において、このシステムは、6インチ×12インチの釘止めパターン(例えば、周囲に沿って約6インチ間隔、領域内で概ね12インチ間隔)の下で、1フィート当たり200ポンドの荷重を作用させても1/8インチ(約3.18mm)しか歪まなかった。
【0040】
図10Bの連結部105は、3つのフランジ120a,120b,120cの間に間隔を置いて配置された2つのヒンジ130a,130bを有している。ヒンジ130aはフランジ120aとフランジ120cの間に配置され、一方、ヒンジ130bはフランジ120bとフランジ120cの間に配置されている。ヒンジ130a,130bは、フランジ120aおよび120bがフランジ120cに対して移動できるようにする可撓性の材料から作られているのが好ましい。図10Bの連結部105は、連結部105とフレーム部材の間、および互いに隣接する建築ボードの間への水の進入を抑制するためにビード135もフランジ120b上に有するのが好ましい。ビード135は、シリコンゴムのような弾性的な、および/または変形可能な重合体材料である。
【0041】
二重ヒンジ機構を備える連結部を有する建築材料システムが、建築材料のせん断強度特性を向上させるのに役立つ。例えば、図10Bの連結部105と実質的に同様の連結部を用いたシステムのASTM E72−02 Section 14試験によって、高められたせん断強度が示された。6インチ×12インチの釘止めパターンを用いた試験に基づいて、厚さが3/8インチのボードを用いたシステムは、1フィート当たり約150ポンド以上の荷重に耐えることができる。例えば、縁が45度の斜面になった建築ボードに連結部を接着するのに熱溶融型ポリウレタンを用いた、図10Bの連結部を用いた建築ボードシステムの一実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり200ポンドを超える最大荷重に耐えることができ、1フィート当たり約154ポンドの荷重の時に
1/8インチしか歪まなかった。縁が30度の斜面になった建築ボードに連結部を接着するのに熱溶融型ポリウレタンを用いた、図10Bの連結部を用いた建築ボードシステムの他の実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり200ポンドを超える最大荷重に耐えることができ、1フィート当たり約150ポンドから170ポンドの間の時に1/8インチしか歪まなかった。縁が30度の斜面になった建築ボードに連結部を接着するのにポリウレタン接着剤を用いた、図10Bの連結部を用いた建築ボードシステムの他の実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり244ポンドを超える最大荷重に耐えることができ、1フィート当たり約195ポンドの時に1/8インチしか歪まなかった。
【0042】
厚さが1/2インチであり、6インチ×12インチの釘止めパターンによって構造体に取り付けられたボードを有するシステムは、1フィート当たり約250ポンド以上の荷重に耐えることができる。例えば、縁が30度の斜面になった建築ボードに連結部を接着するのに熱溶融型ポリウレタンを用いた、図10Bの連結部を用いた建築ボードシステムの他の実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり270ポンドを超える荷重に耐えることができ、1フィート当たり約260ポンドの時に1/8インチしか歪まなかった。
【0043】
図10Cの連結部105も、3つのフランジ120a,120b,120cの間に間隔を置いて配置された2つのヒンジ130a,130bを有している。ヒンジ130aはフランジ120aとフランジ120cの間に配置され、一方、ヒンジ130bはフランジ120bとフランジ120cの間に配置されている。ヒンジ130a,130bは、フランジ120aおよび120bがフランジ120cに対して移動できるようにする可撓性の材料から作られるのが好ましい。図10Cの連結部も、フランジ120cの延長部に沿ってビード135を有するのが好ましい。フランジ120cの延長部の表面は、建築材料の、斜面になった縁部に平行であるのが好ましい(例えば、建築ボードの、斜面になった縁部が約30度に傾斜している場合、フランジ120cの延長部は約30度に傾斜しているのが好ましい)。フランジ120cの延長部は、互いに隣接するボードの間の水を処理する手段として働くのが好ましい。ビード135は、連結部105とフレーム部材の間、および互いに隣接する建築ボードの間の防水材として働くのが好ましい。ビード135は、シリコンゴムのような弾性的な、および/または変形可能な重合体材料である。
【0044】
図10Cの連結部を用いた建築材料システムは、改善されたせん断強度性能を有している。例えば、縁が45度の斜面になった建築ボードに連結部を接着するのに熱溶融型ポリウレタンを用い、図10Cの連結部を用いた建築ボードシステムの一実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり150ポンドの荷重の作用下で1/8インチしか歪まなかった。
【0045】
他の実施形態において、連結部は、図11および12に示されているように、実質的に同じ平面内において、少なくとも3つの材料ストリップ、すなわちフランジ340a,340b,340cから形成された溝部330を介して連結された少なくとも2つの材料ストリップ、すなわちフランジ320a,320bを有する連結体310を含んでいる。フランジ320a,320bは、金属のような、溝部330と同じ材料から作られるのが好ましいが、異なる材料から作ってもよい。例えば、フランジ320a,320bは、布メッシュまたはガラス繊維メッシュ、軟質ポリマー、天然ゴムまたは合成ゴム、または弾性材料のような可撓性の比較的高い材料から作られていてよく、一方、溝330は剛性の比較的高い重合体材料または金属から作ることができる。フランジ320a,320bは、建築ボードの端部に沿ったくぼみ部360に沿って建築ボード350に取り付けられるのが好ましい。くぼみ部360は、建築ボード350を硬化させた後に機械加工しても、建築ボードを形成する時に成形または押出し成形してもよい。溝部330は、互いに隣接す
る建築ボード350の端部370の間に位置し、互いに隣接する両ボードをフレーム部材210に連結する固定領域を形成している。連結体310は、6インチの間隔を置いて設けられた通常の釘380を用いてフレーム部材210に取り付けられるのが好ましい。連結体310は、釘止めなどの固定手段によってフレーム部材210と建築ボード350の間を強力に機械的に連結するのに役立つ。
【0046】
連結体310のフランジ320a,320bは、接着剤、機械的な結合、および化学結合を含む任意の適切な手段によって建築ボード350に取り付けられていてよい。他の実施形態において、連結体310のフランジ320a,320bは、図12に示されているように複数の孔390を有している。孔390は、建築ボード350のくぼみ部360と連結体310の間を強力に連結するのに役立つ。さらに、図11に示されているように、連結体310を建築ボード350に連結する助けにするのに接合化合物395を用いてもよい。接合化合物395はエポキシ系のタイル接着剤であるのが好ましいが、他の接合化合物組成を用いてもよい。接合化合物395は、連結体310を連結体310の孔390を通ってくぼみ部360に接着することができる。さらに、接合化合物395は、建築システムにおいて互いに隣接する建築ボード350の縁部を横切る剛性の連結部を確立し、せん断抵抗を向上させるのに役立たせることができる。
【0047】
建築ボードは、ファイバーセメントから作られるのが好ましいが、金属、木材、またはプラスチックのような様々な材料から作ることができる。建築ボードは、石材、セラミック、または金属を含むがそれらに限られない釘止め不可能な材料から作ってもよい。あるいは、建築ボードは、工場で施された仕上げまたは設置前に現場で施された仕上げを有していてもよい。
【0048】
建築ボードは、30度から60度の間の角度に傾斜した縁部を有するのが好ましいが、縁部は90度から180度の間の角度に傾斜していてもよい。例えば、建築ボード110の縁部は、図8に示されているように、合成角部を有するように製造することができる。合成角部を有する建築ボード縁部は、建築ボードのシステムと構造体の間をしっかり連結するのに役立つ。一例において、合成角部800は、建築ボードシステムのせん断強度および耐候性を向上させる。合成角部800は、また、ボード・目板部構成における目板部のように見える。
【0049】
建築ボードの縁に沿った角度は、さらに、図2Bに示されている建築ボード110および220のような互いに隣接する2つの建築ボード間に適切な重なりを生じさせるのに役立つ。この重なりは、建築ボードシステムが風化や沈下のような外部作用の結果としての、建築ボードの間の移動を埋め合わせることができるようにする1つの手段である。例えば、この重なりは、建築ボード110,220が互いに離れる方向に移動させられた場合にフレーム部材210が露出される恐れを最小限に抑えるのに役立ち、このような状況時に、フレーム部材を建築ボード110の縁部によって保護することができる。
【0050】
建築ボード110の縁部は、フランジ120aを受け入れるくぼみ部を備えるように構成されるのが好ましいが、縁部は、くぼみ部を形成せずに製造することもできる。建築ボード110の縁部がくぼみ部を有する場合、くぼみ部は、フランジ120aを建築ボード110に接着し、フランジ120aの頂面を建築ボード110の頂面と同一面にできるのに必要なよりも深く、長くないのが好ましい。図示の実施形態は、フランジ120aが建築ボードに接着された時に凸凹が生じるのを避けるように建築ボード110の縁部に沿ってくぼみ部を有しているが、建築ボードは、くぼみ部を有さないように製造することもできる。
【0051】
図2Aに示されているように、建築ボード110の縁部は、さらに、連結部105に連
結されている側とは反対側の表面に沿ってくぼみ235が形成されるようにエンボス加工または機械加工することができる。あるいは、建築ボード110がグリーンシートである時にくぼみ235を成形または押出し成形することができる。建築ボードに沿ったこのくぼみ235は、図2B、3、および4に示されているように、建築ボード110が建築ボード220に揃えられ連結された時に目板部240を形成するのに役立つ。目板部240は建築ボード110の縁に沿ってくぼみを設けることによって形成することができるが、目板部は主として装飾的なものであり、建築ボードシステムの機能のためには必要ではない。
【0052】
連結部105は、建築ボード110の幅と同じ幅を有しているのが好ましく、あるいは、複数の連結部を建築ボードの幅に沿って離れた位置に設けることができるように連結部105の幅を建築ボード110の幅より狭くすることもできる。連結部105のフランジ120a,120bは、建築ボード110よりも薄いのが好ましいが、建築ボード110の厚さ以上であってもよい。フランジ120aは、接着剤の、少なくとも2つのビードを保持するのに十分な幅を有するのが好ましいが、建築ボード110の裏面全体を覆うのに十分な大きさとすることもできる。フランジ120bは、フレーム部材の幅(公称2インチ)をちょうど覆い、割れることなく1列の固定具を保持できるのに十分な幅を有するのが好ましい。しかし、フランジ120bは、隣接する建築ボードの裏面全体を覆うのに十分な大きさにすることもできる。フランジ120a,120bの厚さはフランジの材料にある程度依存する。しかし、フランジは、求められるせん断値を得るのに十分な厚さを有するが、建築ボードの裏面に凸凹を生じさせるほど厚くないのが好ましい。フランジ120a,120bのテクスチャも様々であってよいが、両フランジは滑らかであるのが好ましい。図示の実施形態におけるフランジ120a,120bのテクスチャは、両フランジと建築ボード110,220の間の結合工程に役立つのが理想的である。
【0053】
図2Aに示す実施形態のフランジ120a,120bは、水が連結部に浸入した時に水を処理するのに役立つ細管状の複数の裂け目140も有している。ヒンジ130、すなわち可撓性の手段は、フランジ120a,120bと共有押し出し成形されていてよく、柔軟であるが、それにもかかわらず適切なせん断強度を保持している、フランジよりも柔らかい材料から作られていてよい。ヒンジ130も、フレーム部材に押し付けられた時に水の浸入を抑制する大きさにされているのが好ましい。あるいは、別個の2つの材料から構成され一体にされたフランジによってヒンジ130を置き換えることができ、この場合、フランジ120aはフランジ120bよりも柔らかい材料から作られ、フランジ120aは柔軟であるが、それにもかかわらず適切なせん断強度を有している。製造時にフランジ120aおよび建築ボード110に塗布される接着剤150は、連結部に比類するせん断強度を有する任意の接着剤とすることができ、製造のために速乾性を有するのが理想的である。
【0054】
連結部のフランジは多くの方法で建築ボードに取り付けられていてよい。好ましい実施形態は、図2Aに示されているように、フランジと建築ボードの表面の間の接着剤150によってフランジ120aを建築ボード110に接着するのを示しているが、フランジ120aは、図13および14に示されているように、材料ストリップ410を用いて、建築ボード110の端部と共に連結部420の一部を挟むことによって建築ボード110に取り付けることもできる。材料ストリップ410は、ファイバーセメント、プラスチック、および金属を含む任意の適切な材料から作ることができる。材料ストリップ410と建築ボード430の間は、接着剤、構造用接着剤、化学結合、機械結合、感圧接着剤、およびテープを含む様々な手段によって結合させることができる。
【0055】
他の実施形態において、連結部105と建築ボード110は、図15および16に示されているように、連結部を建築ボードの縁部にスナップ式に留めることによって、または
、図17に示されているように連結部を建築ボードにリベット式に固定することによって連結されていてよい。
【0056】
連結部105は、様々な手段によって建築ボード110にスナップ式に留めることができる。例えば、一実施態様において、図15に示されているように、建築ボード830の縁部を受け入れるようになった溝810をフランジ820の縁部に沿って連結部805に機械加工し、または成形することができる。あるいは、他の実施形態において、図16に示されているように、建築ボード860の端部にスナップ式に留められるようになったフック840をフランジ850に沿って連結部845の端部に形成することができる。
【0057】
連結部は建築ボードにリベット式に固定してもよい。連結部865は、図17に示されているように、少なくとも1つのリベット部870を有している。リベット部870を受け入れる少なくとも1つの孔890を建築ボード880に成形し、または機械加工することができる。建築ボード880と連結部865の間は、リベット部870を孔890内に挿入し、リベット部をたたき、または他の方法で曲げてリベット部870を建築ボードの表面に固定することによって連結される。
【0058】
建築材料は、多くの方法で壁またはフレーム部材に取り付けることができる。例えば、一実施形態において、建築材料は、図2Bに示されているように、連結部105をフレーム部材210に揃え、建築ボード220を連結部105上に配置してフランジ120bを覆い、建築ボード220およびフランジ120bをフレーム部材210に釘止めすることによって取り付けることができる作り込みのパネル連結部100である。この実施形態において、建築ボード110および220は1列の釘によってフレーム部材210に取り付けられている。第2の列の釘を建築ボード110とフランジ120aの目板部240の部分を通して打ち付けて建築ボードシステムに追加の支持を行うこともできるが、目板部240の側部の継ぎ目に沿った1列の釘230で十分である。
【0059】
図18に示されているように、建築ボード920a,920bの縁部の間に接着剤910を塗布してもよい。接着剤910は、構造用接着剤、ポリウレタン接着剤、熱溶融型ポリウレタン接着剤、エポキシ接着剤、アクリルフォーム、ポリウレタンフォーム、感圧接着剤、感圧発泡接着剤(例えば、ブチルゴムやアクリルフォーム)、シリコンコーク、ポリウレタンコーク、ゴムテープ、布の裏打ちを有する弾性テープを含むがそれらに限られず、ファイバーセメントを接着するのに十分なのが好ましい任意の適切な接着剤材料から選択してよい。接着剤910は、図19に示されているように、1つまたは複数の、離れた所定の位置に塗布されるか、または、図20に示されているように、互いに隣接するパネル920a,920bの縁に沿って連続的に塗布されていてよい。建築ボードシステムは連結部105によって構造体のフレーム部材210に連結されるのが好ましいが、互いに隣接する建築ボード920a,920bの縁部の間に接着剤910を塗布することによって、連結部105無しでシステムに十分なせん断強度を与えることができる。接着剤910は、互いに隣接する建築ボード920a,920bを連結させるのに役立つだけでなく、組立体のせん断強度性能を向上させ、複数の建築ボードの間の相対的な移動および平面外への移動を制限し、複数の建築ボードの間で荷重が伝達されるのを促進する。
【0060】
建築材料システムのせん断強度性能の、互いに隣接する建築ボードの縁部の間の接着剤による向上を、このようなシステムのASTM E72−02 Section 14試験の結果によって例示する。例えば、接着剤を複数のボードの縁部の間に不連続に塗布した場合、このシステムは、6インチ×12インチの釘止めパターンを用いて1フィート当たり220ポンドを超える荷重に耐えることができる。接着剤を複数のボードの縁部の間に連続的に塗布した場合、このシステムは、6インチ×12インチの釘止めパターンを用いて1フィート当たり260ポンドを超える荷重に耐えることができる。
【0061】
図2Bの実施形態はフランジ120aと建築ボード110の間にのみ接着剤を付与しているが、接着剤150は、図3および4に示されているように、フランジ120bと建築ボード220の間にも塗布してもよい。接着剤150は、Loctite Hysol 3631熱溶融型ポリウレタン接着剤のような熱溶融型ポリウレタンであるのが好ましいが、接着剤は、Bostik ISR 7003ポリウレタン接着剤のような構造用接着剤を含むがこれに限られない任意の適切な接着剤、または3M VHB 4956感圧発泡テープやPVT−3300ブチルゴムテープ(Calisle Coating&Waterproofing Inc)のような感圧接着テープの形態とすることができる。接着剤150は、フランジ120bの長さに沿って連続的または離散的に塗布されていてよい。例えば、接着テープを保護するために剥ぎ取り式の頂部材料を有する感圧接着テープを、工場でフランジ120bに貼り付けてもよい。剥ぎ取り式の頂部材料は、フランジ120bを建築ボード220に接着する前に現場で取り外し、感圧接着剤を露出させることができる。この設置方法は、1列の釘230が見える図2Bの実施形態とは対照的に、釘が建築ボード220の裏に隠される「隠し釘」が形成されるという追加の利点を有している。
【0062】
あるいは、作り込みのパネル連結部100は、図21に示されているように、連結部105をフレーム部材210に揃え、フランジ120bをフレーム部材に釘止めすることによってフレーム部材210に固定されていてもよい。この代替の実施形態において、建築ボード110は、図2Bの実施形態に関して説明したのと同様に1列の釘230によってフレーム部材に固定されるのが好ましい。しかし、図2Bの実施形態では、フランジ120aと建築ボード110の間にのみ接着剤を付与しているのに対して、図21の実施形態では、フランジ120bと建築ボード220の端部の間に塗布された、構造用接着剤のような接着剤、または感圧接着テープのような自己接着テープをさらに設けている。フランジ120bと建築ボード220の間の接着剤は、相対的な移動および平面外への移動を制限し、また、複数のパネルの間での荷重の伝達を促進するのに役立つ。さらに、接着剤150および/または両面接着テープは、建築ボードシステム、すなわち組立体のせん断強度性能を向上させるのに役立つ。
【0063】
さらに他の実施形態において、作り込みのパネル連結部100は、図4に示されているように、1列の釘230を連結部105のヒンジ130を通して配置することによってフレーム部材210に取り付けられていてよい。この実施形態において、建築ボード110は、建築ボード110をフレーム部材210に揃えてヒンジ130をフレーム部材210の中央の近くに配置し、次に、1列の釘をヒンジ130の長さに沿ってヒンジ130を通して打ち付け、すなわち固定することによって設置される。建築ボード220は、図4に示されているように、接着剤150または自己接着テープによってフレーム部材210および建築ボード110に取り付けられている。接着剤150は、フランジ120bまたは建築ボード220の縁部のいずれかに塗布される。図3の実施形態と同様に、この設置方法は、1列の釘230が見える図2Bの実施形態とは対照的に、釘が建築ボード220の裏に隠される「隠し釘」が形成されるという利点を有している。
【0064】
荷重の、連結部を横切る伝達を促進して建築ボードの組立体、すなわちシステムが1枚の大きな建築ボードのように調和して振舞うことができるようにするために、図22〜25に示されているように、互いに隣接する建築ボード1010a,1010bの間に相互係合部1005が形成されるように、適切な角度の斜面を各ボードの縁部に形成してもよい。斜面の角度は、図22に示されているように、30度から60度の間であるのが好ましい。相互係合部1005は、建築ボード1010a,1010bの縁に沿って斜面の角度を変化させることによって形成するのが好ましい。図22および23は、建築ボード1010a,1010bのほぼ中央付近で斜面の角度が変化しているのを示しているが、角
度の変化部は、建築ボードの縁に沿った任意の点に形成することができる。他の実施形態において、相互係合部1005は、図24および25に示されているように、切欠き1020内に嵌るようになった少なくとも1つのタブ1030を受け入れる少なくとも1つの切欠き1020を建築ボード1010aの縁に沿って形成することによって形成されている。切欠き1020とそれに対応するタブ1030は、建築ボード1010a,1010bの中央付近に配置され、長さが約1フィートであるのが好ましいが、この長さはせん断荷重に抵抗できる任意の適切な寸法とすることができる。他の実施形態において、切欠き1020とそれに対応するタブ1030は、建築ボード1010a,1010bの縁に沿った複数の位置に位置させ、この縁に沿って所定の間隔を置いて配置されていてよい。
【0065】
相互係合部は、水噴射を用いて建築ボードの端部に沿って斜面部または切欠きおよびタブを切削することによって形成してよい。相互係合部は、建築ボードがグリーンシートである時に形成してよく、または仕上げラインにおけるオートクレーブ後に形成してもよい。結果として得られる相互係合部は、斜面部、および/または、切欠きとタブを有し互いに隣接する建築ボードが連結された時により大きいせん断荷重に抵抗するのに役立つ。
【0066】
互いに隣接する建築ボードの間に相互係合部を有する建築材料システムのせん断強度性能が向上することを、このようなシステムに対するASTM E72−02 試験の結果によって例示する。6インチ×12インチの釘止めパターンを用いたこのような試験に基づいて、相互係合部を有する建築材料システムは、1フィート当たり200ポンド以上の荷重に耐えることができる。例えば、建築ボードの厚さが約3/8インチである、図25のシステムと実質的に同様の構造を有する一実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり216ポンドを超える荷重に耐えることができた。建築ボードの厚さが約3/8インチである、図23のシステムと実質的に同様の構造を有する他の実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり250ポンドを超える荷重に耐えることができた。
【0067】
前述のように、建築ボードは、所定の品質および/または厚さのファイバーセメントを含むがそれに限られない様々な複数の材料から作ることができる。しかし、材料またはその材料の寸法にかかわらず、上に説明し示した連結部を有する建築ボードは、2枚の建築ボードを連結する連結部に沿った1列の釘によって、建築法を満たすのに十分なせん断強度を達成することができる。
【0068】
例えば、業界の標準では、連結部105無しでパネル上に2列の釘が使用されている。複数のパネルのシステムが、図7Aに示されているように、2つのパネル縁部が各フレーム部材をわずかに覆うように2つのフレーム部材210の間にパネル720を揃えることによって構造体の外側に取り付けられる。次に、1列の釘730が各パネル縁部を通して打ち付けられ、すなわち固定されてパネル720がフレーム部材に固定される。このパネル720が両方のフレーム部材に固定されると、他のパネル710が、固定されたパネルの隣に、かつ他の組のフレーム部材210の間に配置される。次に、このパネル710は1列の釘730を各パネル縁部に沿って打ち付け、すなわち固定することによってフレーム部材210に固定される。この工程は、構造体の外側が複数のパネルによって覆われるまで繰り返される。
【0069】
複数のパネルを固定するこの代表的な工程では、各パネル上に2列の釘を使用し(例えば、各パネルの、互いに反対側の端部に沿って1列の釘を使用し)、2枚のパネルが合わさる単一のフレーム部材の所に2列の釘を使用する必要がある。すぐに分かるように、この工程はコストがかかり非効率である。しかし、建築業界において利用可能な材料および製品のために、各連結部、すなわちフレーム部材の所に2列の釘を用いて、建築法を満たす必要な結合とせん断強度を達成するのが業界の標準である。
【0070】
6インチ×12インチの釘止めパターンを用いたASTM E72−02 Section 14の標準に従って行った試験において、作り込みのパネル連結部のシステムを、図7Bに示されているように、1列の市販の8d釘を用いてフレーム部材に釘止めし、その後、このシステムに荷重をかけた。図7Aに示されているように、連結部105を用いず、2列の市販の8d釘を用いた、業界の標準のパネルシステムに対して同様の試験を行った。これらの試験の結果が、表1にまとめられており、作り込みのパネル連結部が、業界の標準より優れた歪み値および1フィート当たり200ポンドの最大荷重に耐える能力を有することが示されている。
【0071】
【表1】
6インチ×12インチの釘止めパターンを用いて構造体に固定された、本発明の実施形態を用いた建築材料システムは、ASTM E72−02 Section 14試験において130lbs/ftと270lbs/ftの間のせん断値に耐えることができるが、このようなシステムは150lbs/ftの、最低限のせん断強度を有するのが好ましい。
【0072】
本発明の実施形態を用い、より緻密な釘止めパターンを用いた建築材料システムは、さらに高いせん断強度を達成することができる。例えば、4インチ×6インチの釘止めパターンを用いて構造体に固定された、本発明の実施形態を用いた建築材料システムは、300lbs/ftを超えるせん断強度を達成することができた。表2に示されているように、本発明の実施形態を用いた建築材料システムの最低せん断強度値は、概して、釘止めパターンが緻密になるにつれて高くなっている(例えば、周囲の釘の間隔が短くなるにつれて、システムの最低せん断強度値が高くなる)。
【0073】
【表2】
パネルシステムに追加のせん断強度を与えるために、図26に示されているように、パネル1110aの縁に沿って、隣接するパネル1110bの縁に沿った相応の長穴に受け入れられるビスケット1105を挿入してもよい。図26は、連結部105を有していないパネルシステム1100を示しているが、作り込みのパネル連結部100のシステムのせん断強度を高めるためにビスケット1105を連結部と一緒に用いてもよい。複数の長穴は、ジョインタルータによってパネル1110a,1110bの縁に沿って形成してよい。互いに隣接する2つのパネル1110a,1110bを連結する前に、ビスケット1105を少なくとも一方のパネルの長穴に挿入してよい。ビスケット1105は、化学結合、機械結合、および接着剤を含む任意の適切な留め具によってパネル1110a,1110bに連結することができる。図26に示されているビスケット1105は、圧縮された木材粒子から作られるのが好ましいが、ビスケットは、金属、ファイバーセメント、およびプラスチックを含む任意の適切な材料から作ることができる。
【0074】
互いに隣接する建築ボードの端部の間にビスケットを有する建築材料システムのせん断強度性能の向上を、このようなシステムに対するASTM E72−02 Section 14試験の結果によって例示する。6インチ×12インチの釘止めパターンを用いたこのような試験に基づいて、このシステムは、1フィート当たり少なくとも170ポンドの荷重に耐えることができ、1フィート当たり約230ポンドの荷重を受けた時に1/8インチ歪む。例えば、建築ボードの厚さが約3/8インチである、図26のシステムと実質的に同様の構造を有する一実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり150ポンドを超えるせん断強度を有していた。
【0075】
ビスケット1105を有していても有していなくても、作り込みのパネル連結部100は、上述のように連結部105をパネルに取り付けるのに加えて、プランク、屋根葺き板、スレート、およびタイルを含む他の建築ボードから形成することもできる。例えば、連結部105は、図27〜29に示されているように、トリム1200に取り付けることができる。
【0076】
図27〜29のトリム1200は、低密度ファイバーセメント材料から作られるのが好ましいが、木材、金属、およびプラスチックを含むがそれらに限られない他の複数の材料から作ることもできる。トリム1200は、石材、セラミック、または金属を含むがこれらに限られない釘止め不可能な材料から作ってもよい。トリム1200は、工場で施された仕上げまたは設置前に現場で施された仕上げを有していてもよい。
【0077】
図27のトリム1200は平坦なプランクとして示されているが、トリム組立体は、(図29に示されているような)コーナー片、または、窓および戸口の周りを含む複数の任意の位置に配置されるようになったプランクに取り付けることができる。また、コーナーのトリム1200は、別々に形成された平坦な部材から組み立てることもでき、例えば図29に示されているコーナー形状を形成するように押出し成形または成形することもでき
る。トリム1200は、任意の種類の弧形状または屈曲形状に押出し成形または成形してもよい。トリム1200は、窓、ドア、入口通路、ゲーブルベント、ポルチコ、片蓋柱、シャッターなどの上または周りに使用するのに適した装飾トリム製品を形成するように弧形状部、屈曲形状部、または平坦形状部の組合せから組み立て、または形成してもよい。
【0078】
トリム1200は、トリムの前面に沿って延長フランジ1210を含む縁部1205を有するのが好ましい。縁部1205は、羽目板プランクを受け入れることができるように機械加工され、または押出し成形されるのが好ましい。連結部105は、連結部105の一部が縁部1205から延び、縁部1205と延長フランジ1210によって溝1220が形成されるように、トリム1200の裏面に取り付けられるのが好ましい。連結部105は、化学結合、機械結合、および接着剤を含む任意の適切な手段によってトリム1200に取り付けてよい。
【0079】
図27に示されているように、連結部105の一部は釘止め縁部として働いてよく、この場合、トリム1200は、連結部105を通ってフレーム部材210に入った少なくとも1つの留め具、すなわち釘230によってフレーム部材に取り付けられる。連結部105を釘止め縁部として用いることによって、釘が隠れるという利点が得られる。図28に示されているように、羽目板1230の縁がトリムの縁部1205に突き当てられ、溝1220内に入れられるように、1枚または2枚以上の羽目板1230の縁部を溝1220内に挿入してもよい。この組立体において、連結部105は、羽目板1230の裏に水が進入するのを防止する水切りとしても働く。したがって、この組立体は、コーキングを必要とせず、そのため、設置時間が短縮されコストが低減される。また、羽目板1230のプランクの表面が、羽目板プランクが延長フランジ1210と連結部の間の溝1220内に挿入された時に、連結部105を覆って釘の列を隠す。
【0080】
連結部は、金属、ガラス繊維、および布のような様々なメッシュを含む様々な材料から作ることができる。連結部が、図2Aの連結部105のように、2つのフランジから形成される場合、連結部は、可撓性のヒンジ130を有するのが好ましく、水切りとして働くことができる。可撓性のヒンジ130は、水の浸入を抑制するのに役立つプラスチック材料から作ることができる。あるいは、水の浸入を低減するために、連結部105とトリム1200の裏面の間にプラスチックビードを追加することができる。
【0081】
ファイバーセメント製の建築ボードから作り込みのパネル連結部100を製造する好ましい方法は、図5に示されているように、以下のステップを含む。本明細書に記載され図示されている方法は、記載された動作の順序に限定されず、また、記載された全ての動作の実施に必ずしも限定されない。本発明の実施形態の実施においては、他の順序、他の動作、一部の動作の省略、または複数の動作の同時実施を用いてもよい。さらに、前述のように、建築ボードの好ましい材料はファイバーセメントであるが、建築ボードは、木材やスチールのような様々な材料から作ることができる。
【0082】
ステップ510:成形機からグリーンシートを受け取る:このステップにおいて、成形可能なファイバーセメントの「グリーンシート」を成形機によって作製する。この成形機は、ハチェックプロセスなどであるがこれに限られない、スラリ脱水製造工程を用いる。成形可能なファイバーセメントグリーンシートが形成されると、それは残りの工程に送られる。
【0083】
ステップ520:前面にパターンを付加する:このステップにおいて、ファイバーセメントグリーンシートにパターンまたはテクスチャを付加して建築ボードに装飾構成を設けるかどうかに関する判定を行う。装飾構成が望ましいと判定された場合、製造工程はステップ530に進む。装飾構成が望ましくない場合、製造工程は、ステップ530を飛ばし
てステップ540に進む。
【0084】
ステップ530:グリーンシートにパターンを付加する:このステップにおいて、ファイバーセメントグリーンシートにパターンを付加する。このパターンは、ローラまたはプレートを用いたエンボス加工またはプレス成形によってグリーンシートに付加するのが好ましいが、クレービング、斜面形成、またはジェット噴霧を含むがそれらに限られない他の様々な方法によって付加することもできる。建築ボードの前面にテクスチャまたは目板部を付加するのが好ましく、一方、裏面には、連結部が配置され、建築ボードと同一面を形成し、作り込みのパネル連結部に適さない厚さを付加しないようにする、凹まされた溝を形成するのが好ましい。目板部は、グリーンシートに、エンボス加工またはプレス成形によってテクスチャを加えた後に、エンボス加工またはプレス成形するのが好ましい。
【0085】
ステップ540:建築ボードの縁部に傾斜部を切削する:このステップにおいて、建築ボードの直角縁部の頂部および底部から30度の傾斜部を水噴射によって形成するのが好ましい。90度から180度の範囲内で、30度以外の傾斜部を用いてもよい。あるいは、縁部は、図8に示されているように、傾斜部と合成角部の組合せを有していてもよい。さらに、これらの傾斜部は、鋸を使用したり、ローラ成形したりするような、水噴射を使用する以外の手段によって切削することもできる。
【0086】
ステップ550:材料を硬化させる:このステップにおいて、ファイバーセメントグリーンシートを周囲の温度で24時間までの間、事前に硬化させるのが好ましい。次に、グリーンシートを温度が約180℃で圧力が約125psiのオートクレーブに12時間までの間入れるのが好ましい。あるいは、所定のレベルの強度および/または事前に選択された材料特性が得られるまで、ファイバーセメントグリーンシートを比較的湿度の高い状態下で周囲温度、または昇温された温度で空気硬化または湿気硬化させることができる。例えば、曲げ強度または引張り強度を選択してよいが、密度、せん断強度、含水率、または未反応成分の含有率のような他の材料特性を硬化の指標として使用してもよい。
【0087】
ステップ560:材料仕上げを行う(任意):このステップにおいて、コーティングを、好ましくはスプレーコーティング装置によって建築ボードの少なくとも一方の側に任意構成として塗布するが、ローラコーティング、カーテンコーティング、パウダーコーティング、真空コーティング、または他の公知のコーティング手段を含むがそれらに限られない他の手段によって塗布してもよい。次に、コーティングの組成に適した方法、例えば熱硬化、放射線硬化、またはそれらの組合せによってコーティングを硬化させる。
【0088】
ステップ570:接着剤を塗布し連結部を貼り付ける:このステップにおいて、建築ボードがローリングコンベアに沿って移動するのに従って建築ボードの裏側に接着剤を塗布し連結部を貼り付ける。接着剤は、熱溶融型ポリウレタン接着剤であるのが好ましいが、ポリマーとセメントの表面の間を良好に接着し適切なせん断強度を生じさせる任意の組成物から作ることができる。連結部は、ファイバーセメントを含む様々な材料から作ることができるが、PVCのようなプラスチック材料から作るのが好ましい。連結部は、建築ボードに貼り付ける前にストリップとして事前に切断しても、スプールから直接貼り付けてもよい。したがって、建築ボードに接着剤を塗布し連結部を貼り付けることができる選択可能な複数の方法がある。例えば、建築ボードと連結部ストリップを押し付ける前に連結部ストリップの表面に接着剤を塗布することができる。あるいは、接着剤を液体の形態で、または自己接着ストリップとして連結部ストリップ上に設けてもよい。自己接着ストリップは、製造工程の間に建築ボードに貼り付けることも、現場で設置工程の間に貼り付けることもできる。他の実施形態において、建築ボードは、ステップ560の後、建築ボードの裏側が上を向くように裏返される。次に、建築ボードの裏側に縁部に沿って接着剤を塗布し連結部ストリップを貼り付けて、作り込みのパネル連結部を形成する。次に、表側
が上を向くように建築ボードを裏返す。さらに他の実施形態において、連結部ストリップは、ねじ、ステープル、他の接着手段などであるがそれらに限られない他の様々な種類の留め具を用いて貼り付けられる。別の実施形態において、連結部は、ステップ540の後、グリーンシート上に設置される。他の実施形態において、連結部ストリップは、建築ボードの裏面全体にぴったりと沿う大きさにされる。この連結部ストリップは、建築ボードの裏側の大部分を覆うように貼り付けられるが、連結部ストリップが、複数の建築ボード同士を連結するための1つの縁部に沿って建築ボードを越えて延びるように、建築ボードからずらされる。
【0089】
ステップ580:材料を積み重ねる:このステップにおいて、仕上げられた作り込みの建築材料は梱包および/または出荷のために積み重ねられる。
【0090】
上述のように、好ましい一実施形態の、作り込みのパネル連結部は、ファイバーセメント建築ボードから製造される。しかし、ファイバーセメント建築ボードを他の材料に置き換えてもよい。他の建築ボード材料を使用する場合、図6に示されているように、作り込みのパネル連結部を製造する以下の方法が好ましい。しかし、説明し図示する方法は、記載する動作の順序に限定されず、また、必ずしも記載された全ての動作を実施することに限定されない。本発明の実施形態の実施においては、動作の他の順序、一部の動作の省略、または各動作の同時実施を用いてもよい。
【0091】
ステップ610:仕上げられた材料を受け取る:このステップにおいて、木材、木材複合材料、およびビニルなどであるがそれらに限られない任意の建築ボード材料を仕上げられた状態で得るか、または当業者に公知の方法に従って仕上げる。
【0092】
ステップ620:直角縁部に傾斜部を切削する:このステップにおいて、水噴射によって建築ボードの頂部および底部の直角縁部から、30度から60度の範囲内の傾斜部を切削するのが好ましい。90度から180度の範囲内の傾斜部を含む他の傾斜部を用いてもよい。さらに、水噴射を使用する以外の手段によってこれらの傾斜部を切削することもできる。このステップは、使用する材料およびそれに対応する仕上げ工程に応じて製造工程においてより早い時期に行うこともできる。
【0093】
ステップ630:連結部用の、凹まされた溝を形成する(任意):このステップにおいて、建築ボード材料に応じて、切削、またはエンボス加工を含むがそれらに限らない工程によって裏側直角縁部に任意構成として溝を形成する。連結部をぴったりと合わせて配置するために、建築ボードの裏側直角縁部に沿って凹まされた溝を追加するのが好ましい。
【0094】
ステップ640:接着剤を塗布し連結部を貼り付ける。このステップにおいて、建築ボードがローリングコンベアに沿って移動するのに従って建築ボードの裏側に接着剤を塗布し連結部を貼り付ける。接着剤は、熱溶融型ポリウレタン接着剤であるのが好ましいが、ポリマーとセメントの表面の間を良好に接着し適切なせん断強度を生じさせる任意の組成物から作ることができる。連結部は、ファイバーセメントを含む様々な材料から作られていてよいが、PVCのようなプラスチック材料から作るのが好ましい。連結部は、建築ボードに貼り付ける前にストリップとして事前に切断しても、スプールから直接貼り付けてもよい。したがって、建築ボードに接着剤を塗布し連結部を貼り付けることができる選択可能な複数の方法がある。例えば、建築ボードと連結部ストリップを押し付ける前に連結部ストリップの表面に接着剤を塗布することができる。あるいは、接着剤を液体の形態で、または自己接着ストリップとして連結部ストリップ上に事前に形成してもよい。自己接着ストリップは、製造工程の間に建築ボードに貼り付けても、現場で設置工程の間に貼り付けてもよい。さらに他の実施形態において、連結部ストリップは、ねじ、ステープル、他の接着手段などであるがそれらに限られない他の様々な種類の留め具を用いて貼り付け
られる。他の実施形態において、連結部ストリップは、建築ボードの裏面全体にぴったりと沿う大きさにされる。この連結部ストリップは、建築ボードの裏側の大部分を覆うように貼り付けられるが、連結部ストリップが、複数の建築ボード同士を連結するための1つの縁部に沿って建築ボードを越えて延びてように、建築ボードからずらされる。
【0095】
ステップ650:材料を積み重ねる:このステップにおいて、仕上げられた作り込みの建築材料を積み重ねる。
【0096】
改良された連結部がファイバーセメントパネルまたは他の種類の建築ボードにいくつかの利点をもたらすことができることが上述の実施形態から分かる。これらの利点は、パネルや平坦なファイバーセメントに限られず、上述のように、様々な建築材料に適用することができる。
【0097】
上述の相じゃくりされたボードは、荷重の、連結部を横切る伝達を可能にする剛性の連結部を形成するように構成するのが好ましい。相じゃくりされたボードの剛性の連結部は、システムおよびそのシステムを構成する個々のボードのせん断強度を高めるのに役立つ。相じゃくりされたボードの連結部は、ボードに合うようにボード上にエンボス加工するのが好ましいが、連結部は、建築ボードの表面に取り付けられる別個の物品であってよい。
【0098】
上述の物品、すなわち連結部は、表面上へのボードの設置を簡略化し優れたせん断強度を与える事前に組み立てられたボードを形成するようにボードに接着するのが望ましい。例えば、この物品、すなわち連結部は、釘止め領域、すなわち固定領域を形成することができ、一実施形態において、フレーム部材の所に2列の釘を用いた連結部と少なくとも同じせん断強度を達成しつつ、互いに隣接するボードの、単一列の釘による釘止めを可能にする。さらに、連結部の一実施形態の可撓性によって、容易に製造し、搬送し、配達することができる耐久性の高い建築材料が提供され、また、変位差によって生じる複数の建築ボードの間の応力を緩和することができる建築材料が提供される。
【0099】
上述の物品、すなわち連結部は、それが接着された建築ボードの縁部と協働して、互いに隣接する複数の建築ボード同士を連結し、複数の建築ボードが、フレーム部材に釘止めされたときに適切に揃うようにするロック領域を形成するようにもなっている。さらに、この建築材料は、コーキングを必要とせずに、建築ボードシステムの継ぎ目の間の水の浸出を防止するのに役立つ連結部を提供する。
【0100】
本発明を特定の好ましい実施形態に基づいて説明したが、本明細書の開示を参照すれば、他の複数の実施形態が当業者には明らかである。したがって、本発明は、好ましい実施形態の詳細によって制限されるものではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ特徴付けられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1A】フレーム部材の所で互いに接触している相じゃくりされた2枚の建築ボードを備える建築材料システムの一実施形態の側断面図である。
【図1B】フレーム部材の所で相互係合させられた相じゃくりされた2枚の建築ボードを備える建築材料システムの一実施形態の側断面図である。
【図1C】少なくとも1本の釘によってフレーム部材に取り付けられた、図1Bの建築材料システムの側断面図である。
【図2A】建築ボードの縁部に接着された、細管状の裂け目を有するヒンジ付きフランジを備える建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図2B】釘によってフレーム部材と、別個の建築ボードに取り付けられた、図2Aの建築材料の側断面図である。
【図3】フランジが釘によってフレーム部材に取り付けられ、さらに、接着剤によって別個の建築ボードに貼り付けられた、図2Aの建築材料の側断面図である。
【図4】建築材料が、フランジのヒンジ付き連結部を通る釘によってフレーム部材に取り付けられている、図3の他の実施形態を示す図である。
【図5】ファイバーセメント製の建築ボードを用いた、図2Aの建築材料を製造する好ましい方法を示すフローチャートである。
【図6】ファイバーセメント以外の材料から作られた建築ボードを用いた、図2Aの建築材料を製造する他の方法を示すフローチャートである。
【図7A】複数のパネルの間の連結部が各フレーム部材の所に2列の釘を必要とする、パネルが通常どのように設置されるかに基づいた、構造体に連結されたパネルシステムの側断面図である。
【図7B】複数のパネルが構造体に連結され、各連結部、すなわちフレーム部材の所に1列の釘しか必要としない建築材料システムの一実施形態の側断面図である。
【図8】別個の建築ボードに設けられた複合角部を有する建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図9A】フランジの間に実質的に楕円形のビードを有し、ビードがヒンジとして働いてよい、連結部の一実施形態の側断面図である。
【図9B】フランジの間に実質的に半楕円形のビードを有し、ビードがヒンジとして働いてよい、連結部の一実施形態の側断面図である。
【図10A】フランジの間に、フランジと実質的に同じ平面内にヒンジを有する連結部の一実施形態の側断面図である。
【図10B】フランジの間に2つのヒンジを有し、一方のフランジがビードを有する、連結部の一実施形態の側断面図である。
【図10C】フランジの間に2つのヒンジを有し、一方のフランジが延長部材の端部の所にビードを有する、連結部の一実施形態の側断面図である。
【図11】建築ボード同士が連結体および連結化合物によって連結された建築材料システムの一実施形態の側断面図である。
【図12】連結部が、穴があけられた面を備える少なくとも2つのフランジを有する連結体である、連結部の一実施形態の斜視図である。
【図13】材料ストリップが建築ボードの表面と同一面を形成するように連結部が材料ストリップと建築ボードの表面の間に挟まれた、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図14】材料ストリップが建築ボードの表面に沿って位置するように連結部が材料ストリップと建築ボードの表面の間に挟まれた、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図15】連結部が、建築ボードの、相応の端部を受け入れるようになった溝を備える端部を有する、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図16】連結部が、建築ボードの一部に沿って形成されたリップにスナップ式に嵌められるようになったj字形のフックを備える端部を有する、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図17】建築ボードが連結部のリベット部を受け入れるようになった孔を有する、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図18】接着剤が、互いに隣接する建築ボードの端部の間に位置している、建築材料システムの一実施形態の側断面図である。
【図19】2枚の建築ボードが並べて位置させられ、接着剤が、両建築ボードの、互いに隣接する両縁部に沿って互いに離れた複数の位置に塗布されている、建築材料システムの一実施形態の平面図である。
【図20】2枚の建築ボードが並べて位置させられ、接着剤が、両建築ボードの、互いに隣接する両縁部に沿って連続的に塗布されている、建築材料システムの一実施形態の平面図である。
【図21】接着剤が、連結部の釘止め領域と、隣接する建築ボードの表面の間に配置されている、建築材料システムの一実施形態の側断面図である。
【図22】2枚の建築ボードが、合わさって相互係合部を形成するようになった、互いに対応する斜面を形成された縁部を有する、建築材料システムの一実施形態の平面図である。
【図23】相互係合させられた、図22の建築ボードの平面図である。
【図24】一方のボードが切欠きを有し、他方のボードが切欠きと合わさるようになった対応するタブを有する、建築材料システムの一実施形態の平面図である。
【図25】相互係合させられた、図24の建築ボードの平面図である。
【図26】2枚の建築ボードが連結され、ビスケットが、両建築ボードの、互いに隣接する縁部に沿って長穴に入れられた、建築材料システムの一実施形態の平面図である。
【図27】連結部の一部が平坦なプランクトリムの縁部から延びている、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図28】複数の羽目板プランクがトリムに連結されている、図27の建築材料の斜視図である。
【図29】連結部の一部がコーナートリムの縁部から延びている、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一実施態様において、構造体のフレームを覆う建築材料に関し、この建築材料は、隣接するボードの端部に係合し、この建築ボードを複数の建築ボードのシステム内に、このシステムのせん断強度を低コストで向上させながら固定する手段を構成するようになっている延長フランジを有する建築ボードから構成されている。
【背景技術】
【0002】
外装市場では、建築ボードが構造体のフレームを覆うのに用いられている。この市場には、様々な材料、特に、木材、セラミック、金属、プラスチック、またはこれらのうちの2つ以上の複合材料から構成される複数の建築ボードが含まれている。これらのボードは、一般に、構造体を覆い、それによって保護と装飾の被覆を行うために構造体のフレーム上に互いに隣接させて配置しなければならない別個の複数のプランクまたはパネルの形態をしている。この被覆を連続したものにするために、複数のボードの間の複数の連結部は、満足のいく外観になるように処理しなければならない。しかし、この処理は時間がかかり、コストがかかる場合がある。したがって、コストを低減し、建築ボードの設置のしやすさを改善する連結機構を有する改良された建築材料が必要である。建築ボードには、特に、連結部の間の水の浸出を抑制し、複数の建築ボードの間の連結強度を向上させ、建築ボードシステムのせん断強度を高める点で優れていることも市場において求められている。
【特許文献1】米国特許第6,572,697号明細書
【特許文献2】米国特許第6,676,744号明細書
【特許文献3】米国特許第6,689,451号明細書
【特許文献4】米国特許第6,030,474号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2003−0056458号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2003−0046891号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2003−0054123号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
住宅建設のような建設業界では、木材フレ−ムおよび金属フレームを含む様々な種類のフレームに取り付けるのに釘止めすることができる建築ボードを用いることが好まれている。しかし、セラミック、コンクリート、石材、または厚い金属のような硬い、高密度の、またはもろい材料は、釘止めすることができず、したがって、釘用の穴を事前にあけるといった他の何らかの手段によって木材またはスチール製のフレームに取り付けなければならない。穴をあけるのには時間およびコストがかかり、したがって、事前に穴をあけることなく、セラミックや高密度のセメント複合材料のような釘止め不可能な基体を釘止めする手段を見つけることによって設置コストを低減する必要がある。
【0004】
複数の建築パネルを設置する際、これらのパネルは、それらの縁部がフレーム部材を同時に覆うように互いに突き当てられる。パネルの各縁部は、各パネル連結部に2列の釘が配置されるように、1列の釘によってフレーム部材に固定される。この工程は、建築法によって規定された最低限のレベルのせん断強度を達成するために必要である。設置コストを低減する1つの方法として、各パネル連結部に2列の釘を有する建築ボードシステムに匹敵するか、またはそれよりも優れたせん断強度性能を得ながら、パネル連結部に使用する釘の数を最小限に抑えるのが有利である。
【0005】
相じゃくりされた複数の縁を有する合板やOSBパネルのような釘止め可能な材料は、
複数のパネル同士を連結するのにのみ必要な釘の数を減らすことができるが、建築法を満たすのに必要な最低限のレベルのせん断強度を維持するために、これらの製品の各連結部にも依然として2列の釘が必要である。例えば、木材をベースにし相じゃくりされた複数のパネルは、せん断力の作用の下で座屈するのを避けるために、2列の釘、すなわち、重ね継ぎされる下方のボードの相じゃくり部を通る1列の釘と、重ねられたボードの相じゃくり部を通る1列の釘によって釘止めされる。せん断力の作用の下で座屈に抵抗力のある、1列のみの釘を用いた連結処理が必要である。
【0006】
ファイバーセメントから作られ相じゃくりされた複数の建築ボードは、最低限のレベルのせん断強度を維持しつつ、ボード同士を連結するのに必要な釘の数を減らすのに適していない。ファイバーセメントボードは、一般にもろく、そのため、このようなボードの、相じゃくりされた縁部は、出荷および設置時に壊れやすい。さらに、相じゃくり連結部をファイバーセメントパネルの縁部に機械加工するのにはコストがかかる。パネルの縁部が壊れにくくなるようにファイバーセメントパネルの縁部を処理する手段が必要である。
【0007】
建築ボードは、時には、工場で仕上げられて販売されている。このようなボードの仕上げは、ボードがフレーム部材に釘止めされるときに損傷することが少なくない。建築ボードは、再塗装し、または元の仕上げに合った被覆材によって再コーキング(あるいはこれらの両方を)しなければならない。これは、時間のかかる工程であり、コストを増大させる。したがって、ボードの、仕上げられた面への損傷を最小限に抑えて建築ボードをフレーム部材に釘止めする手段も必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
構造体のフレームを覆う建築材料が提供される。一実施態様において、この建築材料は、各連結部またはフレーム部材の所に1列の留め具を用いて構造体のフレームを覆う特有の構成を有している。この建築材料は、建築ボードの端部を越えて延びるぴったり合うフランジを有する建築ボードであるのが好ましい。ぴったり合うフランジは、建築ボード上にエンボス加工されるのが好ましく、隣接する建築ボードの端部に係合し、すなわちぴったり合わさるようになっているのが好ましい。この建築材料は、隣接する建築ボードとの間に相じゃくりされた連結部に沿って配置され、水の浸出をなくす耐水材料をさらに有していてよい。
【0009】
他の実施態様において、建築材料は、建築ボードに連結された物品から構成されていてよい。建築ボードは、パネル、プランク、トリム、屋根用スレート、屋根葺き板、またはタイルとすることができるが、それらに限られない。さらに、建築ボードは、石材、れんが、粘土、金属、セラミック、ガラス、ビニル、ファイバーセメント、セメント、およびPVCを含むがそれらに限られない複数の材料の個々のもの、またはそれらの組合せから作ることができる。特に、ファイバーセメント建築ボードによって、特有の構成において特に有利な特性が実現される。同様に、この物品は、石材、れんが、粘土、金属、セラミック、ガラス、ビニル、ファイバーセメント、セメント、およびPVCも、布およびガラス繊維も含むがそれらに限られない複数の材料の個々のもの、またはそれらの組合せから作られていてよい。
【0010】
この物品は、建築ボードの1つの縁部を越えて延び、留め具を受け入れて建築ボードを構造体に固定する連結部として働くのが好ましい。一実施態様において、この物品は、同じ構成の他の建築材料を容易に構造体に揃えて固定することができるようにするフランジとしても働くのが好ましい。これら2つの建築材料は、フレーム部材に取り付けることができる建築ボードシステムとして協働する。この建築ボードシステムは、他の建築ボードシステム以上のせん断強度を達成する能力を有している。この建築ボードシステムは、各建築ボードを3つの縁部のみでフレーム部材に釘止めすることによってこのレベルのせん
断強度を達成し、それによって、コストを低減しシステムの設置の容易さを改善できるようにするのが好ましい。この物品は、ボードと目板部の構成のような特定の美的な見た目を有する特定の建築ボードシステムを形成するように構成してもよい。
【0011】
この物品は、2つ以上のフランジから構成してもよく、この場合、少なくとも2つのフランジはヒンジまたは溝部によって連結される。ヒンジは、ポリマー材料、軟質PVC、ナイロンメッシュ、エラストマのような可撓性の材料から作られるのが好ましく、化学結合、機械結合、熱結合、および、熱溶融型ポリウレタン接着剤のような接着剤を含むがそれらに限られない任意の適切な固定手段によってフランジに取り付けてよい。ヒンジは、例えば共有押し出し成形、引抜き、または射出成形によって少なくとも1つのフランジと同時に形成してもよい。ヒンジは、少なくとも1つのフランジが、ヒンジを中心として回転し、建築ボードに取り付けられたフランジの隣に、または建築ボードに実質的に平行な平面内に位置するのを可能にするのが好ましく、それによって、連結部の強度が向上させられる。ヒンジは、連結部に可撓性も与え、それによって、建築材料を梱包し出荷することによる損傷を防止するのに役立つ。
【0012】
この物品は、任意の適切な化学的手段、熱的手段、または機械的手段によって建築ボードに取り付けられていてよい。例えば、この物品は、構造用接着剤、ポリウレタン接着剤、熱溶融型ポリウレタン接着剤、エポキシ接着剤、アクリルフォーム、ポリウレタンフォーム、感圧接着剤、感圧発泡接着剤(例えば、ブチルゴムまたはアクリルフォーム)、シリコンコーク、およびポリウレタンコークを含む任意の適切な接着剤を用いて建築ボードに接着することができる。接着剤はこの物品と建築ボードの間の層として塗布してよい。一実施態様において、接着剤は、物品の本体に組み込まれ、物品が建築ボードに押し付けられた時に作用してもよい。他の実施態様において、接着剤は熱によって作用させられてもよい。他の実施態様において、物品は重合体材料であり、溶剤が、ポリマーの嵩を増やしてポリマーを建築物品に接着させるのに用いられる。
【0013】
溝部は、金属のような剛性の材料から作ってよく、化学結合、機械結合、熱結合、および接着剤を含む任意の適切な固定手段によってフランジに取り付けてよい。溝部は、複数の建築ボードの、互いに隣接する端部の間に位置し、建築ボードシステムをフレーム部材に固定するための領域を形成するのが好ましい。建築ボードシステムのせん断強度をさらに高めるために、建築ボードシステムの、複数の縁部の間および/または互いに隣接する複数の建築ボードを連結する溝内に連結用化合物を追加してもよい。
【0014】
建築ボードは、斜面にされた複数の縁部、および/または複数の切欠きとタブをさらに有していてよい。斜面にされた縁部、および/または切欠きは、互いに隣接する複数のボード同士を相互係合させ、複数のボードの設置のしやすさを改善しつつ、改善されたせん断強度を有する建築ボードシステムを形成する。
【0015】
建築材料は、他の実施態様において構成してもよい。例えば、建築材料は、建築ボードの間の継ぎ目を目立たなくするのに役立つ傾斜した縁部を備える建築ボードを有するように構成してよい。建築ボードは、互いに反対側の両縁部、例えば頂部の縁部と底部の縁部、または、互いに反対側の側縁部に沿って傾斜部を形成され、その結果、互いに隣接する建築ボードの縁部が設置時に重なり合うのが好ましい。建築ボードの縁部に沿ったこの重なり合った構成は、ヒンジ付きの物品と一緒に、各ボードが高温、低温、または含水率の変化にさらされることによって膨張または収縮する時に、各ボードの縁部が互いに滑って嵌り合うことができるようにすることよって連結部を目立たなくするのに役立つ。傾斜した縁部は、建築ボードをフレーム部材に容易に揃えて固定することができるようにする手段を形成することによって設置時間を短縮するのにも役立つ。
【0016】
同様に、他の実施態様において、建築材料は、表面、および互いに反対側の両縁部を有するファイバーセメント製のボードと、ボードの表面に連結された物品を備えている。この物品は、互いに反対側の両縁部の少なくとも一方を越えて延び、留め具を受け入れてボードを構造体に固定するようになっている。この物品は、少なくとも、パネルに連結された第1のフランジと、互いに反対側の両縁部の一方を越えて延び、第1のフランジに対して移動することができる第2のフランジを有している。
【0017】
他の実施態様において、建築材料は少なくとも2つの材料ストリップを備えている。各材料ストリップは表面を有し、少なくとも2つのストリップは、互いに隣接し縁部に沿って連結されている。建築材料は、実質的に平面状の表面と、互いに反対側の両端部を有するボードをさらに備え、少なくとも2つの材料ストリップの一方の表面が、ボードの、互いに反対側の両端部の一方に沿ってボードの表面に連結されている。少なくとも2つの材料ストリップの一方は、ボードの、互いに反対側の両端部の一方を越えて延びるように構成され、このように延びているストリップは、ボードに連結されたストリップに対して移動することができる。
【0018】
他の実施態様において、建築材料のシステムが、フレーム部材に連結された少なくとも2枚のボードを備え、一方のボードは主ボードであり、少なくとも2枚のボードのうちの第2のボードは、これに隣接するボードである。少なくとも2枚のボードは、表面と、互いに反対側の両端部と、互いに反対側の両縁部をそれぞれ有している。このシステムは、主ボードの、互いに反対側の両端部の一方に沿って主ボードの表面に連結された物品をさらに備え、この物品は、主ボードの表面に平行であり、主ボードの、互いに反対側の両端部の一方を越えて延びる少なくとも1つのフランジを有している。このシステムは、少なくとも物品を通ってフレーム部材に延びる1列の留め具をさらに備え、物品を通って延びる1列の留め具は、主ボードとそれに隣接するボードをフレーム部材に対して固定している。
【0019】
様々な実施態様の建築材料は、複数の方法で設置してよい。一実施態様では、互いに反対側の両縁部の少なくとも一方から第1のボードから離れる方向へ延びる少なくとも1つのフランジを有する第1のボードを選択することと、物品の表面がフレーム部材の、外側を向いた面に沿って位置するように構造体のフレーム部材上に第1のボードを位置させることと、表面および互いに反対側の両縁部を有する第2のボードを選択することと、第2のボードの、互いに反対側の両縁部の少なくとも一方が第1のボードの一方の縁部に隣接するように、構造体のフレーム部材上に第2のボードを揃えることと、物品をフレーム部材に固定し、第1のボードと第2のボードをフレーム部材に対して固定することを含む、建築材料システムを設置する方法が提供される。他の実施態様において、この方法およびシステムは、各ボード連結部に1列のみの釘を用いて物品をフレーム部材に固定することを含んでいる。
【0020】
これらおよび他の目的および利点は、添付の図面を参照した以下の説明からより完全に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
一実施形態において、建築材料5は、相じゃくりされた少なくとも1つの建築ボードを有している。建築材料は、図1A、1B、および1Cに示されているように、1枚のボード10の縁部が、これに隣接するボード20と重なり合って実質的に平らに揃った連結部30を形成するようにさねはぎ継ぎするのが好ましい。この建築ボードは、ファイバーセメントから作るのが好ましいが、石材、れんが、粘土、金属、セラミック、ガラス、ビニル、セメント、プラスチック、またはそれらの複合材料を含む任意の適切な材料から作ることができる。
【0022】
連結部30は、少なくとも建築ボード10の端部の近くの表面に沿って、隣接するボード20の端部50を受け入れるようになった切り欠き、すなわち溝40を有するのが好ましい。あるいは、隣接するボード20の端部50は、切り欠き、すなわち溝40の特有の形状部を受け入れるようになっていてもよい。例えば、図1Aに示すボード20の端部50は、建築ボード10の切り欠き、すなわち溝40を受け入れるようになったくぼみ60を有している。くぼみ60と切り欠き、すなわち溝40は、連結部30を形成するのに役立っている。建築材料5の切り欠き、すなわち溝40とくぼみ60は任意の適切な方法で形成されていてよい。例えば、くぼみ60および切り欠き、すなわち溝40は、形成工程時にファイバーセメントのグリーンシート上にエンボス加工されてよい。
【0023】
任意構成として、くぼみ60の一部は、図1A、1B、および1Cに示されているように、建築ボード10の切り欠き、すなわち溝40によって覆わないままにしてもよい。こうする際は、くぼみ60の露出された部分および建築ボード10の端部70の結果として、目板部(batten)80が形成されるのが好ましい。目板部80は、図1A、1B、および1Cに示す複数のリブ65のような複数の装飾部材を成形、スコーリング、エンボス加工、または押出し成形することによってさらに改善することができる、システムの装飾部材である。
【0024】
この建築材料によって、システムの見た目を改善するのに加えて、さらに、互いに隣接する建築ボード10,20の間の水処理を行ってもよい。例えば、図1Bにおいて、耐水材料75を溝40の表面とくぼみ60の間に配置してもよい。耐水材料75は、システム内に染み込む場合がある水を流す空間を形成している。
【0025】
図1Cは、相じゃくりされた建築ボードの他の実施形態である。くぼみ60は、建築ボード10の突出部材90を受け入れる溝85をさらに有している。溝85と突出部材90は、互いに隣接する建築ボード10,20を互いに嵌合させており、システムのせん断強度を向上させるのに役立っている。溝85は、建築ボード20をフレーム部材210に固定する指標も与えている。留め具は、隣接する建築ボード10の溝40が留め具を覆って隠れた固定が行われるように、建築ボード20のくぼみ60に取り付けるのが好ましいが、留め具は、連結部30の所で互いに隣接する建築ボード10,20を通ってフレーム部材210に取り付けてもよい。
【0026】
システムのせん断強度をさらに向上させるために、溝40の表面とくぼみ60の表面の間に接着材料を塗布してもよい。この接着材料は、構造用接着剤、ポリウレタン接着剤、熱溶融型ポリウレタン接着剤、エポキシ接着剤、アクリルフォーム、ポリウレタンフォーム、感圧接着剤、感圧発泡接着剤(例えば、ブチルゴムまたはアクリルフォーム)、シリコンコーク、およびポリウレタンコークを含む任意の適切な材料から選択されてよい。感圧接着剤のような接着材料を連結部30の溝40とくぼみ60の間に追加することによって、建築ボードが平面外へ移動するのを制限するのに役立たせることができ、複数の建築ボードの間の連結部の所での座屈を抑制するのに役立たせることができる。さらに、接着材料は、建築材料5をフレーム部材210に固定するのに1列の留め具を用いる場合を含めて、建築材料5がより高いせん断荷重値を達成できるようにするのに役立つ。
【0027】
相じゃくりされた建築ボードは、荷重が連結部を横切って伝達されることができるようにしてシステムが単一のボードにより近い振る舞いをできるようにする実質的に曲がらない連結部を形成している。例えば、6インチ×12インチの釘止めパターン(例えば、建築ボードの周囲に沿って6インチ間隔、建築ボードの領域内で12インチ間隔)でフレーム部材に取り付けられた相じゃくりされたボードを用いたシステムの試験において、このシステムは、280lbs/ftを超える荷重をかけても1/8インチ(約3.18mm
)しか歪まなかった。
【0028】
他の実施形態において、建築材料は、製造業者によって事前に組み立てられ、建築業者によって設置される準備の整った状態で販売される、図2Aに示されているように、作り込みのパネル連結部100を有している。作り込みのパネル連結部100は、1つの連結部105と、パネル、プランク、トリム、屋根用スレート、屋根葺き板、タイルのようなものであるが、それらに限られない建築ボード110から構成されている。建築ボード110は、木材、金属、またはプラスチックのような様々な材料から作ることができる。建築ボード110は、石材、セラミック、または金属を含むがそれらに限られない釘止め不可能な材料から作られていてもよい。あるいは、建築ボード110は、工場で施された仕上げ、または設置前に現場で施された仕上げを有していてもよい。一実施形態において、建築ボード110は、ファイバーセメントから作られているのが好ましい。ファイバーセメントは、有利なことに、不燃性、強度、釘止め可能性、および耐久性について好ましい特性を有している。低密度ファイバーセメントは、この材料を機械加工するのが比較的容易であり、かつ重量が軽いために取扱いおよび設置が容易であるため、より高密度のファイバーセメントに対して追加の利点を有している。
【0029】
連結部105は、好ましくは接着剤150、より好ましくは、熱溶融湿気硬化ポリウレタン、ポリウレタン接着剤、感圧フォーム、ゴムテープ、および、布の裏打ちを有する弾性テープのようなものであるがこれらに限られない、連結部にファイバーセメントボードを接着することができる接着剤によって建築ボード110に貼り付けられている。しかし、連結部105は、建築ボードと一体であり、かつ建築ボードに調和する嵌合領域を形成し、隣接する建築ボードの端部を受け入れるようになっているフランジを、建築ボードの端部に沿って、エンボス加工し、または成形した結果として形成することもできる。
【0030】
図2Aの連結部105は、ヒンジ130によって連結された2つのフランジ120aおよび120bから構成されるのが好ましい。しかし、連結部は、接着剤150を介在することなく建築ボード110および/またはフレーム部材210に直接連結することができる一体のフランジから構成してもよい。フランジは、布およびガラス繊維から作られたメッシュのような可撓性の材料から作られるのが好ましいが、金属のような剛性の材料から作ってもよい。接着剤およびファイバーセメントの特有の特性のような、作り込みのパネル連結部100の個々の構成要素は、引用によって全体が本明細書に組み入れられ、本明細書に開示する詳細な説明の一部とみなされる特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、および特許文献7において詳細に論じられ記載されている。
【0031】
一実施形態において、図2Aに示す連結部105は、事前に組み立てられ事前に設置された建築ボード110の1つの縁部のみに貼り付けられている。他の実施形態において、連結部105はボードの、互いに反対側の2つの縁部、または場合によっては他の縁部にも取り付けられていてよいことが分かる。連結部105は、図2B、3、および4に示す建築ボード220のような、隣接する建築ボードの縁部にも取り付けられるように構成されている。建築ボード110と同様に、建築ボード220は、ヒンジによって連結された一対のフランジを有する、それ自体の連結部を有するように製造することができる。さらに、連結部105を建築ボード110に連結するのに用いられる接着剤150と同様に、連結部105を建築ボード220に連結するのに同じ接着剤150を用いることができる。上述のように、接着剤150は、熱溶融型ポリウレタン接着剤であるが、セメントの表面とプラスチックの表面または金属の表面のような、互いに異なる熱膨張係数を有する表面の間の、変位の差を埋め合わせる任意の弾性材料から作ることもできる。例えば、接着材料は、熱溶融または低温硬化時に設置することができる感圧接着テープとすることができる。
【0032】
フランジ120a,120bは、金属、ゴム、またはエラストマのような様々な材料から作ることができるが、PVCから作られているのが好ましく、可撓性のヒンジ130によって連結されるのが好ましい。可撓性のヒンジ130は、軟質PVC(plasticized PVC)材料から作られるのが好ましいが、軟質ポリマー(plasticized polymer)、天然ゴムまたは合成ゴム、金属、または弾性材料のような可撓性の任意の材料から作ることができる。好ましい一実施形態のフランジ120a,120bは互いに同じ材料から作られているが、フランジ120a,120bは別々の2つの材料から作ることもできる。例えば、フランジ120aをエラストマから作ることができ、一方、フランジ120bをPVCのようなプラスチック材料から作ることができる。さらに、好ましい実施形態のヒンジ130はフランジ120a,120bとは異なる材料であるが、ヒンジは一方または両方のフランジと同じ材料とすることもできる。
【0033】
フランジ120bが、ヒンジ130を中心として移動し、すなわち回転し、フランジ120aにほぼ平行であり、および/または建築ボード110と同一面となる面に沿って位置できるように、ヒンジ130はフランジ120aと120bの間に位置するのが好ましい。しかし、ヒンジ130は一方のフランジの代わりをすることもできる。例えば、フランジ120aは、建築ボード110に直接接着すると共に建築ボードをフランジ120bに連結することができるようにより長い、および/またはより広い形態のヒンジ130によって代用することができる。ヒンジ130は、フランジ120a,120bが建築ボード110から外れたり2つに割れたりするリスクを軽減しながら、作り込みのパネル連結部100を製造現場で容易に梱包し設置現場に出荷することができるようにする手段を形成している。さらに、ヒンジ130は、建築ボードが連結されるフレーム部材210が、沈下する構造体と一緒に移動した時に連結部の間にひびが入るリスクを最小限に抑えるように、図2Bに示されているように、連結された建築ボード110と220の間にいくらかの弾力性も与えている。
【0034】
図2Aに示されているように、建築ボード110の縁に沿って追加のビード135を追加し、連結部105を保護するのに役立たせ、それでもなおフランジ120aとフランジ120bの間の移動を可能にしてもよい。このビード135は、図2Bに示されているように、建築ボード110が他の建築ボード220に連結されたときに密封部を形成するのにも役立つ。ビード135は、建築ボード110,220の間の隙間にぴったり合ってこの隙間を満たし、周囲の水のような物が連結部105を通って染み出すのを防止するのに役立つことができるように、シリコンゴムのような弾性的な、および/または変形可能な重合体材料であるのが好ましい。しかし、ビード135は軟質PVCまたは軟質シリコンから作られていてもよい。ビード135は、図9Aおよび9Bに示されているように、連結部105と一緒に共有押し出し成形されるのが好ましいが、製造時または設置時に連結部105が建築ボード110に取り付けられた後に取り付けてもよい。いずれにせよ、ビード135が存在すると、防水剤としてのコーキング材料と、建築ボードを構造体に設置する際にコーキング材料を塗布する追加のステップの必要を最小限に抑えるのに役立つ。
【0035】
図9Aおよび9Bは、ビード135と一緒に共有押し出し成形された2つのフランジ120a,120bを有する連結部105を示している。この実施形態において、ビード135は、ヒンジとしても、建築ボード110,220の間および連結部105とフレーム部材210の間への水の浸入の抑制部としても働く。したがって、ビード135は、基本的に、図2Aに示されている実施形態のヒンジ130と置き換えることができる。
【0036】
図9Aには、ビード135が、フランジ120a,120bの間において、ほぼ楕円形状を有しているのが示されている。ビード135が楕円形状であることによって、ビードが建築ボード110,220の間の隙間も、連結部105とフレーム部材210の間の隙
間も満たすことができる。図9Bには、ビード135が、一面がフランジ120a,120bの表面と実質的に同一面になった概ね半楕円形状を有しているのが示されている。図9Bに示されている実施形態によって、連結部105が、図9Aに示されている実施形態に比べてフレーム部材210の面と共に、凹凸のより少ない面に沿って位置させることができる可能性が高まる。
【0037】
各実施形態において、ビード135はフランジ120a,120bと同じ材料から作られていても、フランジ120a,120bとは大幅に異なる材料から作られていてもよい。一実施形態において、ビード135は、フランジ120a,120bと実質的に同じ材料であるが、フランジ120a,120bよりも概して柔軟で可撓性が高い。この実施形態において、フランジ120a,120bは剛性であり、すなわち曲がらないのが好ましい。他の実施形態において、ビード135は、フランジ120a,120bと実質的に同じ材料から作られ、実質的に同じ材料特性を有している。この実施形態において、ビード135とフランジ120a,120bはどちらも可撓性であり、および/または柔軟であるのが好ましい。他の実施形態において、ビード135はフランジ120a,120bとは大幅に異なる材料から作られており、フランジは剛性であり、ビードは可撓性であり、および/または柔軟である。
【0038】
建築材料の他の実施形態において、複数の建築ボードは、図10A、10B、および10Cに示されている連結部105と実質的に同様の連結部に連結されている。
【0039】
図10Aの連結部105は、フランジ120a,120bの間に配置されたヒンジ130を有している。フランジ120a,120bは、通常、ヒンジ130と実質的に同一面を形成している。しかし、ヒンジ130は、フランジ120bがフランジ120aに対して移動できるようにする可撓性の材料から作られるのが好ましい。図10Aの連結部を用いた建築材料システムは、改善されたせん断強度性能を有している。例えば、図10Aの連結部を用いた建築材料システムの一実施形態の試験において、このシステムは、6インチ×12インチの釘止めパターン(例えば、周囲に沿って約6インチ間隔、領域内で概ね12インチ間隔)の下で、1フィート当たり200ポンドの荷重を作用させても1/8インチ(約3.18mm)しか歪まなかった。
【0040】
図10Bの連結部105は、3つのフランジ120a,120b,120cの間に間隔を置いて配置された2つのヒンジ130a,130bを有している。ヒンジ130aはフランジ120aとフランジ120cの間に配置され、一方、ヒンジ130bはフランジ120bとフランジ120cの間に配置されている。ヒンジ130a,130bは、フランジ120aおよび120bがフランジ120cに対して移動できるようにする可撓性の材料から作られているのが好ましい。図10Bの連結部105は、連結部105とフレーム部材の間、および互いに隣接する建築ボードの間への水の進入を抑制するためにビード135もフランジ120b上に有するのが好ましい。ビード135は、シリコンゴムのような弾性的な、および/または変形可能な重合体材料である。
【0041】
二重ヒンジ機構を備える連結部を有する建築材料システムが、建築材料のせん断強度特性を向上させるのに役立つ。例えば、図10Bの連結部105と実質的に同様の連結部を用いたシステムのASTM E72−02 Section 14試験によって、高められたせん断強度が示された。6インチ×12インチの釘止めパターンを用いた試験に基づいて、厚さが3/8インチのボードを用いたシステムは、1フィート当たり約150ポンド以上の荷重に耐えることができる。例えば、縁が45度の斜面になった建築ボードに連結部を接着するのに熱溶融型ポリウレタンを用いた、図10Bの連結部を用いた建築ボードシステムの一実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり200ポンドを超える最大荷重に耐えることができ、1フィート当たり約154ポンドの荷重の時に
1/8インチしか歪まなかった。縁が30度の斜面になった建築ボードに連結部を接着するのに熱溶融型ポリウレタンを用いた、図10Bの連結部を用いた建築ボードシステムの他の実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり200ポンドを超える最大荷重に耐えることができ、1フィート当たり約150ポンドから170ポンドの間の時に1/8インチしか歪まなかった。縁が30度の斜面になった建築ボードに連結部を接着するのにポリウレタン接着剤を用いた、図10Bの連結部を用いた建築ボードシステムの他の実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり244ポンドを超える最大荷重に耐えることができ、1フィート当たり約195ポンドの時に1/8インチしか歪まなかった。
【0042】
厚さが1/2インチであり、6インチ×12インチの釘止めパターンによって構造体に取り付けられたボードを有するシステムは、1フィート当たり約250ポンド以上の荷重に耐えることができる。例えば、縁が30度の斜面になった建築ボードに連結部を接着するのに熱溶融型ポリウレタンを用いた、図10Bの連結部を用いた建築ボードシステムの他の実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり270ポンドを超える荷重に耐えることができ、1フィート当たり約260ポンドの時に1/8インチしか歪まなかった。
【0043】
図10Cの連結部105も、3つのフランジ120a,120b,120cの間に間隔を置いて配置された2つのヒンジ130a,130bを有している。ヒンジ130aはフランジ120aとフランジ120cの間に配置され、一方、ヒンジ130bはフランジ120bとフランジ120cの間に配置されている。ヒンジ130a,130bは、フランジ120aおよび120bがフランジ120cに対して移動できるようにする可撓性の材料から作られるのが好ましい。図10Cの連結部も、フランジ120cの延長部に沿ってビード135を有するのが好ましい。フランジ120cの延長部の表面は、建築材料の、斜面になった縁部に平行であるのが好ましい(例えば、建築ボードの、斜面になった縁部が約30度に傾斜している場合、フランジ120cの延長部は約30度に傾斜しているのが好ましい)。フランジ120cの延長部は、互いに隣接するボードの間の水を処理する手段として働くのが好ましい。ビード135は、連結部105とフレーム部材の間、および互いに隣接する建築ボードの間の防水材として働くのが好ましい。ビード135は、シリコンゴムのような弾性的な、および/または変形可能な重合体材料である。
【0044】
図10Cの連結部を用いた建築材料システムは、改善されたせん断強度性能を有している。例えば、縁が45度の斜面になった建築ボードに連結部を接着するのに熱溶融型ポリウレタンを用い、図10Cの連結部を用いた建築ボードシステムの一実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり150ポンドの荷重の作用下で1/8インチしか歪まなかった。
【0045】
他の実施形態において、連結部は、図11および12に示されているように、実質的に同じ平面内において、少なくとも3つの材料ストリップ、すなわちフランジ340a,340b,340cから形成された溝部330を介して連結された少なくとも2つの材料ストリップ、すなわちフランジ320a,320bを有する連結体310を含んでいる。フランジ320a,320bは、金属のような、溝部330と同じ材料から作られるのが好ましいが、異なる材料から作ってもよい。例えば、フランジ320a,320bは、布メッシュまたはガラス繊維メッシュ、軟質ポリマー、天然ゴムまたは合成ゴム、または弾性材料のような可撓性の比較的高い材料から作られていてよく、一方、溝330は剛性の比較的高い重合体材料または金属から作ることができる。フランジ320a,320bは、建築ボードの端部に沿ったくぼみ部360に沿って建築ボード350に取り付けられるのが好ましい。くぼみ部360は、建築ボード350を硬化させた後に機械加工しても、建築ボードを形成する時に成形または押出し成形してもよい。溝部330は、互いに隣接す
る建築ボード350の端部370の間に位置し、互いに隣接する両ボードをフレーム部材210に連結する固定領域を形成している。連結体310は、6インチの間隔を置いて設けられた通常の釘380を用いてフレーム部材210に取り付けられるのが好ましい。連結体310は、釘止めなどの固定手段によってフレーム部材210と建築ボード350の間を強力に機械的に連結するのに役立つ。
【0046】
連結体310のフランジ320a,320bは、接着剤、機械的な結合、および化学結合を含む任意の適切な手段によって建築ボード350に取り付けられていてよい。他の実施形態において、連結体310のフランジ320a,320bは、図12に示されているように複数の孔390を有している。孔390は、建築ボード350のくぼみ部360と連結体310の間を強力に連結するのに役立つ。さらに、図11に示されているように、連結体310を建築ボード350に連結する助けにするのに接合化合物395を用いてもよい。接合化合物395はエポキシ系のタイル接着剤であるのが好ましいが、他の接合化合物組成を用いてもよい。接合化合物395は、連結体310を連結体310の孔390を通ってくぼみ部360に接着することができる。さらに、接合化合物395は、建築システムにおいて互いに隣接する建築ボード350の縁部を横切る剛性の連結部を確立し、せん断抵抗を向上させるのに役立たせることができる。
【0047】
建築ボードは、ファイバーセメントから作られるのが好ましいが、金属、木材、またはプラスチックのような様々な材料から作ることができる。建築ボードは、石材、セラミック、または金属を含むがそれらに限られない釘止め不可能な材料から作ってもよい。あるいは、建築ボードは、工場で施された仕上げまたは設置前に現場で施された仕上げを有していてもよい。
【0048】
建築ボードは、30度から60度の間の角度に傾斜した縁部を有するのが好ましいが、縁部は90度から180度の間の角度に傾斜していてもよい。例えば、建築ボード110の縁部は、図8に示されているように、合成角部を有するように製造することができる。合成角部を有する建築ボード縁部は、建築ボードのシステムと構造体の間をしっかり連結するのに役立つ。一例において、合成角部800は、建築ボードシステムのせん断強度および耐候性を向上させる。合成角部800は、また、ボード・目板部構成における目板部のように見える。
【0049】
建築ボードの縁に沿った角度は、さらに、図2Bに示されている建築ボード110および220のような互いに隣接する2つの建築ボード間に適切な重なりを生じさせるのに役立つ。この重なりは、建築ボードシステムが風化や沈下のような外部作用の結果としての、建築ボードの間の移動を埋め合わせることができるようにする1つの手段である。例えば、この重なりは、建築ボード110,220が互いに離れる方向に移動させられた場合にフレーム部材210が露出される恐れを最小限に抑えるのに役立ち、このような状況時に、フレーム部材を建築ボード110の縁部によって保護することができる。
【0050】
建築ボード110の縁部は、フランジ120aを受け入れるくぼみ部を備えるように構成されるのが好ましいが、縁部は、くぼみ部を形成せずに製造することもできる。建築ボード110の縁部がくぼみ部を有する場合、くぼみ部は、フランジ120aを建築ボード110に接着し、フランジ120aの頂面を建築ボード110の頂面と同一面にできるのに必要なよりも深く、長くないのが好ましい。図示の実施形態は、フランジ120aが建築ボードに接着された時に凸凹が生じるのを避けるように建築ボード110の縁部に沿ってくぼみ部を有しているが、建築ボードは、くぼみ部を有さないように製造することもできる。
【0051】
図2Aに示されているように、建築ボード110の縁部は、さらに、連結部105に連
結されている側とは反対側の表面に沿ってくぼみ235が形成されるようにエンボス加工または機械加工することができる。あるいは、建築ボード110がグリーンシートである時にくぼみ235を成形または押出し成形することができる。建築ボードに沿ったこのくぼみ235は、図2B、3、および4に示されているように、建築ボード110が建築ボード220に揃えられ連結された時に目板部240を形成するのに役立つ。目板部240は建築ボード110の縁に沿ってくぼみを設けることによって形成することができるが、目板部は主として装飾的なものであり、建築ボードシステムの機能のためには必要ではない。
【0052】
連結部105は、建築ボード110の幅と同じ幅を有しているのが好ましく、あるいは、複数の連結部を建築ボードの幅に沿って離れた位置に設けることができるように連結部105の幅を建築ボード110の幅より狭くすることもできる。連結部105のフランジ120a,120bは、建築ボード110よりも薄いのが好ましいが、建築ボード110の厚さ以上であってもよい。フランジ120aは、接着剤の、少なくとも2つのビードを保持するのに十分な幅を有するのが好ましいが、建築ボード110の裏面全体を覆うのに十分な大きさとすることもできる。フランジ120bは、フレーム部材の幅(公称2インチ)をちょうど覆い、割れることなく1列の固定具を保持できるのに十分な幅を有するのが好ましい。しかし、フランジ120bは、隣接する建築ボードの裏面全体を覆うのに十分な大きさにすることもできる。フランジ120a,120bの厚さはフランジの材料にある程度依存する。しかし、フランジは、求められるせん断値を得るのに十分な厚さを有するが、建築ボードの裏面に凸凹を生じさせるほど厚くないのが好ましい。フランジ120a,120bのテクスチャも様々であってよいが、両フランジは滑らかであるのが好ましい。図示の実施形態におけるフランジ120a,120bのテクスチャは、両フランジと建築ボード110,220の間の結合工程に役立つのが理想的である。
【0053】
図2Aに示す実施形態のフランジ120a,120bは、水が連結部に浸入した時に水を処理するのに役立つ細管状の複数の裂け目140も有している。ヒンジ130、すなわち可撓性の手段は、フランジ120a,120bと共有押し出し成形されていてよく、柔軟であるが、それにもかかわらず適切なせん断強度を保持している、フランジよりも柔らかい材料から作られていてよい。ヒンジ130も、フレーム部材に押し付けられた時に水の浸入を抑制する大きさにされているのが好ましい。あるいは、別個の2つの材料から構成され一体にされたフランジによってヒンジ130を置き換えることができ、この場合、フランジ120aはフランジ120bよりも柔らかい材料から作られ、フランジ120aは柔軟であるが、それにもかかわらず適切なせん断強度を有している。製造時にフランジ120aおよび建築ボード110に塗布される接着剤150は、連結部に比類するせん断強度を有する任意の接着剤とすることができ、製造のために速乾性を有するのが理想的である。
【0054】
連結部のフランジは多くの方法で建築ボードに取り付けられていてよい。好ましい実施形態は、図2Aに示されているように、フランジと建築ボードの表面の間の接着剤150によってフランジ120aを建築ボード110に接着するのを示しているが、フランジ120aは、図13および14に示されているように、材料ストリップ410を用いて、建築ボード110の端部と共に連結部420の一部を挟むことによって建築ボード110に取り付けることもできる。材料ストリップ410は、ファイバーセメント、プラスチック、および金属を含む任意の適切な材料から作ることができる。材料ストリップ410と建築ボード430の間は、接着剤、構造用接着剤、化学結合、機械結合、感圧接着剤、およびテープを含む様々な手段によって結合させることができる。
【0055】
他の実施形態において、連結部105と建築ボード110は、図15および16に示されているように、連結部を建築ボードの縁部にスナップ式に留めることによって、または
、図17に示されているように連結部を建築ボードにリベット式に固定することによって連結されていてよい。
【0056】
連結部105は、様々な手段によって建築ボード110にスナップ式に留めることができる。例えば、一実施態様において、図15に示されているように、建築ボード830の縁部を受け入れるようになった溝810をフランジ820の縁部に沿って連結部805に機械加工し、または成形することができる。あるいは、他の実施形態において、図16に示されているように、建築ボード860の端部にスナップ式に留められるようになったフック840をフランジ850に沿って連結部845の端部に形成することができる。
【0057】
連結部は建築ボードにリベット式に固定してもよい。連結部865は、図17に示されているように、少なくとも1つのリベット部870を有している。リベット部870を受け入れる少なくとも1つの孔890を建築ボード880に成形し、または機械加工することができる。建築ボード880と連結部865の間は、リベット部870を孔890内に挿入し、リベット部をたたき、または他の方法で曲げてリベット部870を建築ボードの表面に固定することによって連結される。
【0058】
建築材料は、多くの方法で壁またはフレーム部材に取り付けることができる。例えば、一実施形態において、建築材料は、図2Bに示されているように、連結部105をフレーム部材210に揃え、建築ボード220を連結部105上に配置してフランジ120bを覆い、建築ボード220およびフランジ120bをフレーム部材210に釘止めすることによって取り付けることができる作り込みのパネル連結部100である。この実施形態において、建築ボード110および220は1列の釘によってフレーム部材210に取り付けられている。第2の列の釘を建築ボード110とフランジ120aの目板部240の部分を通して打ち付けて建築ボードシステムに追加の支持を行うこともできるが、目板部240の側部の継ぎ目に沿った1列の釘230で十分である。
【0059】
図18に示されているように、建築ボード920a,920bの縁部の間に接着剤910を塗布してもよい。接着剤910は、構造用接着剤、ポリウレタン接着剤、熱溶融型ポリウレタン接着剤、エポキシ接着剤、アクリルフォーム、ポリウレタンフォーム、感圧接着剤、感圧発泡接着剤(例えば、ブチルゴムやアクリルフォーム)、シリコンコーク、ポリウレタンコーク、ゴムテープ、布の裏打ちを有する弾性テープを含むがそれらに限られず、ファイバーセメントを接着するのに十分なのが好ましい任意の適切な接着剤材料から選択してよい。接着剤910は、図19に示されているように、1つまたは複数の、離れた所定の位置に塗布されるか、または、図20に示されているように、互いに隣接するパネル920a,920bの縁に沿って連続的に塗布されていてよい。建築ボードシステムは連結部105によって構造体のフレーム部材210に連結されるのが好ましいが、互いに隣接する建築ボード920a,920bの縁部の間に接着剤910を塗布することによって、連結部105無しでシステムに十分なせん断強度を与えることができる。接着剤910は、互いに隣接する建築ボード920a,920bを連結させるのに役立つだけでなく、組立体のせん断強度性能を向上させ、複数の建築ボードの間の相対的な移動および平面外への移動を制限し、複数の建築ボードの間で荷重が伝達されるのを促進する。
【0060】
建築材料システムのせん断強度性能の、互いに隣接する建築ボードの縁部の間の接着剤による向上を、このようなシステムのASTM E72−02 Section 14試験の結果によって例示する。例えば、接着剤を複数のボードの縁部の間に不連続に塗布した場合、このシステムは、6インチ×12インチの釘止めパターンを用いて1フィート当たり220ポンドを超える荷重に耐えることができる。接着剤を複数のボードの縁部の間に連続的に塗布した場合、このシステムは、6インチ×12インチの釘止めパターンを用いて1フィート当たり260ポンドを超える荷重に耐えることができる。
【0061】
図2Bの実施形態はフランジ120aと建築ボード110の間にのみ接着剤を付与しているが、接着剤150は、図3および4に示されているように、フランジ120bと建築ボード220の間にも塗布してもよい。接着剤150は、Loctite Hysol 3631熱溶融型ポリウレタン接着剤のような熱溶融型ポリウレタンであるのが好ましいが、接着剤は、Bostik ISR 7003ポリウレタン接着剤のような構造用接着剤を含むがこれに限られない任意の適切な接着剤、または3M VHB 4956感圧発泡テープやPVT−3300ブチルゴムテープ(Calisle Coating&Waterproofing Inc)のような感圧接着テープの形態とすることができる。接着剤150は、フランジ120bの長さに沿って連続的または離散的に塗布されていてよい。例えば、接着テープを保護するために剥ぎ取り式の頂部材料を有する感圧接着テープを、工場でフランジ120bに貼り付けてもよい。剥ぎ取り式の頂部材料は、フランジ120bを建築ボード220に接着する前に現場で取り外し、感圧接着剤を露出させることができる。この設置方法は、1列の釘230が見える図2Bの実施形態とは対照的に、釘が建築ボード220の裏に隠される「隠し釘」が形成されるという追加の利点を有している。
【0062】
あるいは、作り込みのパネル連結部100は、図21に示されているように、連結部105をフレーム部材210に揃え、フランジ120bをフレーム部材に釘止めすることによってフレーム部材210に固定されていてもよい。この代替の実施形態において、建築ボード110は、図2Bの実施形態に関して説明したのと同様に1列の釘230によってフレーム部材に固定されるのが好ましい。しかし、図2Bの実施形態では、フランジ120aと建築ボード110の間にのみ接着剤を付与しているのに対して、図21の実施形態では、フランジ120bと建築ボード220の端部の間に塗布された、構造用接着剤のような接着剤、または感圧接着テープのような自己接着テープをさらに設けている。フランジ120bと建築ボード220の間の接着剤は、相対的な移動および平面外への移動を制限し、また、複数のパネルの間での荷重の伝達を促進するのに役立つ。さらに、接着剤150および/または両面接着テープは、建築ボードシステム、すなわち組立体のせん断強度性能を向上させるのに役立つ。
【0063】
さらに他の実施形態において、作り込みのパネル連結部100は、図4に示されているように、1列の釘230を連結部105のヒンジ130を通して配置することによってフレーム部材210に取り付けられていてよい。この実施形態において、建築ボード110は、建築ボード110をフレーム部材210に揃えてヒンジ130をフレーム部材210の中央の近くに配置し、次に、1列の釘をヒンジ130の長さに沿ってヒンジ130を通して打ち付け、すなわち固定することによって設置される。建築ボード220は、図4に示されているように、接着剤150または自己接着テープによってフレーム部材210および建築ボード110に取り付けられている。接着剤150は、フランジ120bまたは建築ボード220の縁部のいずれかに塗布される。図3の実施形態と同様に、この設置方法は、1列の釘230が見える図2Bの実施形態とは対照的に、釘が建築ボード220の裏に隠される「隠し釘」が形成されるという利点を有している。
【0064】
荷重の、連結部を横切る伝達を促進して建築ボードの組立体、すなわちシステムが1枚の大きな建築ボードのように調和して振舞うことができるようにするために、図22〜25に示されているように、互いに隣接する建築ボード1010a,1010bの間に相互係合部1005が形成されるように、適切な角度の斜面を各ボードの縁部に形成してもよい。斜面の角度は、図22に示されているように、30度から60度の間であるのが好ましい。相互係合部1005は、建築ボード1010a,1010bの縁に沿って斜面の角度を変化させることによって形成するのが好ましい。図22および23は、建築ボード1010a,1010bのほぼ中央付近で斜面の角度が変化しているのを示しているが、角
度の変化部は、建築ボードの縁に沿った任意の点に形成することができる。他の実施形態において、相互係合部1005は、図24および25に示されているように、切欠き1020内に嵌るようになった少なくとも1つのタブ1030を受け入れる少なくとも1つの切欠き1020を建築ボード1010aの縁に沿って形成することによって形成されている。切欠き1020とそれに対応するタブ1030は、建築ボード1010a,1010bの中央付近に配置され、長さが約1フィートであるのが好ましいが、この長さはせん断荷重に抵抗できる任意の適切な寸法とすることができる。他の実施形態において、切欠き1020とそれに対応するタブ1030は、建築ボード1010a,1010bの縁に沿った複数の位置に位置させ、この縁に沿って所定の間隔を置いて配置されていてよい。
【0065】
相互係合部は、水噴射を用いて建築ボードの端部に沿って斜面部または切欠きおよびタブを切削することによって形成してよい。相互係合部は、建築ボードがグリーンシートである時に形成してよく、または仕上げラインにおけるオートクレーブ後に形成してもよい。結果として得られる相互係合部は、斜面部、および/または、切欠きとタブを有し互いに隣接する建築ボードが連結された時により大きいせん断荷重に抵抗するのに役立つ。
【0066】
互いに隣接する建築ボードの間に相互係合部を有する建築材料システムのせん断強度性能が向上することを、このようなシステムに対するASTM E72−02 試験の結果によって例示する。6インチ×12インチの釘止めパターンを用いたこのような試験に基づいて、相互係合部を有する建築材料システムは、1フィート当たり200ポンド以上の荷重に耐えることができる。例えば、建築ボードの厚さが約3/8インチである、図25のシステムと実質的に同様の構造を有する一実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり216ポンドを超える荷重に耐えることができた。建築ボードの厚さが約3/8インチである、図23のシステムと実質的に同様の構造を有する他の実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり250ポンドを超える荷重に耐えることができた。
【0067】
前述のように、建築ボードは、所定の品質および/または厚さのファイバーセメントを含むがそれに限られない様々な複数の材料から作ることができる。しかし、材料またはその材料の寸法にかかわらず、上に説明し示した連結部を有する建築ボードは、2枚の建築ボードを連結する連結部に沿った1列の釘によって、建築法を満たすのに十分なせん断強度を達成することができる。
【0068】
例えば、業界の標準では、連結部105無しでパネル上に2列の釘が使用されている。複数のパネルのシステムが、図7Aに示されているように、2つのパネル縁部が各フレーム部材をわずかに覆うように2つのフレーム部材210の間にパネル720を揃えることによって構造体の外側に取り付けられる。次に、1列の釘730が各パネル縁部を通して打ち付けられ、すなわち固定されてパネル720がフレーム部材に固定される。このパネル720が両方のフレーム部材に固定されると、他のパネル710が、固定されたパネルの隣に、かつ他の組のフレーム部材210の間に配置される。次に、このパネル710は1列の釘730を各パネル縁部に沿って打ち付け、すなわち固定することによってフレーム部材210に固定される。この工程は、構造体の外側が複数のパネルによって覆われるまで繰り返される。
【0069】
複数のパネルを固定するこの代表的な工程では、各パネル上に2列の釘を使用し(例えば、各パネルの、互いに反対側の端部に沿って1列の釘を使用し)、2枚のパネルが合わさる単一のフレーム部材の所に2列の釘を使用する必要がある。すぐに分かるように、この工程はコストがかかり非効率である。しかし、建築業界において利用可能な材料および製品のために、各連結部、すなわちフレーム部材の所に2列の釘を用いて、建築法を満たす必要な結合とせん断強度を達成するのが業界の標準である。
【0070】
6インチ×12インチの釘止めパターンを用いたASTM E72−02 Section 14の標準に従って行った試験において、作り込みのパネル連結部のシステムを、図7Bに示されているように、1列の市販の8d釘を用いてフレーム部材に釘止めし、その後、このシステムに荷重をかけた。図7Aに示されているように、連結部105を用いず、2列の市販の8d釘を用いた、業界の標準のパネルシステムに対して同様の試験を行った。これらの試験の結果が、表1にまとめられており、作り込みのパネル連結部が、業界の標準より優れた歪み値および1フィート当たり200ポンドの最大荷重に耐える能力を有することが示されている。
【0071】
【表1】
6インチ×12インチの釘止めパターンを用いて構造体に固定された、本発明の実施形態を用いた建築材料システムは、ASTM E72−02 Section 14試験において130lbs/ftと270lbs/ftの間のせん断値に耐えることができるが、このようなシステムは150lbs/ftの、最低限のせん断強度を有するのが好ましい。
【0072】
本発明の実施形態を用い、より緻密な釘止めパターンを用いた建築材料システムは、さらに高いせん断強度を達成することができる。例えば、4インチ×6インチの釘止めパターンを用いて構造体に固定された、本発明の実施形態を用いた建築材料システムは、300lbs/ftを超えるせん断強度を達成することができた。表2に示されているように、本発明の実施形態を用いた建築材料システムの最低せん断強度値は、概して、釘止めパターンが緻密になるにつれて高くなっている(例えば、周囲の釘の間隔が短くなるにつれて、システムの最低せん断強度値が高くなる)。
【0073】
【表2】
パネルシステムに追加のせん断強度を与えるために、図26に示されているように、パネル1110aの縁に沿って、隣接するパネル1110bの縁に沿った相応の長穴に受け入れられるビスケット1105を挿入してもよい。図26は、連結部105を有していないパネルシステム1100を示しているが、作り込みのパネル連結部100のシステムのせん断強度を高めるためにビスケット1105を連結部と一緒に用いてもよい。複数の長穴は、ジョインタルータによってパネル1110a,1110bの縁に沿って形成してよい。互いに隣接する2つのパネル1110a,1110bを連結する前に、ビスケット1105を少なくとも一方のパネルの長穴に挿入してよい。ビスケット1105は、化学結合、機械結合、および接着剤を含む任意の適切な留め具によってパネル1110a,1110bに連結することができる。図26に示されているビスケット1105は、圧縮された木材粒子から作られるのが好ましいが、ビスケットは、金属、ファイバーセメント、およびプラスチックを含む任意の適切な材料から作ることができる。
【0074】
互いに隣接する建築ボードの端部の間にビスケットを有する建築材料システムのせん断強度性能の向上を、このようなシステムに対するASTM E72−02 Section 14試験の結果によって例示する。6インチ×12インチの釘止めパターンを用いたこのような試験に基づいて、このシステムは、1フィート当たり少なくとも170ポンドの荷重に耐えることができ、1フィート当たり約230ポンドの荷重を受けた時に1/8インチ歪む。例えば、建築ボードの厚さが約3/8インチである、図26のシステムと実質的に同様の構造を有する一実施形態の試験において、このシステムは、1フィート当たり150ポンドを超えるせん断強度を有していた。
【0075】
ビスケット1105を有していても有していなくても、作り込みのパネル連結部100は、上述のように連結部105をパネルに取り付けるのに加えて、プランク、屋根葺き板、スレート、およびタイルを含む他の建築ボードから形成することもできる。例えば、連結部105は、図27〜29に示されているように、トリム1200に取り付けることができる。
【0076】
図27〜29のトリム1200は、低密度ファイバーセメント材料から作られるのが好ましいが、木材、金属、およびプラスチックを含むがそれらに限られない他の複数の材料から作ることもできる。トリム1200は、石材、セラミック、または金属を含むがこれらに限られない釘止め不可能な材料から作ってもよい。トリム1200は、工場で施された仕上げまたは設置前に現場で施された仕上げを有していてもよい。
【0077】
図27のトリム1200は平坦なプランクとして示されているが、トリム組立体は、(図29に示されているような)コーナー片、または、窓および戸口の周りを含む複数の任意の位置に配置されるようになったプランクに取り付けることができる。また、コーナーのトリム1200は、別々に形成された平坦な部材から組み立てることもでき、例えば図29に示されているコーナー形状を形成するように押出し成形または成形することもでき
る。トリム1200は、任意の種類の弧形状または屈曲形状に押出し成形または成形してもよい。トリム1200は、窓、ドア、入口通路、ゲーブルベント、ポルチコ、片蓋柱、シャッターなどの上または周りに使用するのに適した装飾トリム製品を形成するように弧形状部、屈曲形状部、または平坦形状部の組合せから組み立て、または形成してもよい。
【0078】
トリム1200は、トリムの前面に沿って延長フランジ1210を含む縁部1205を有するのが好ましい。縁部1205は、羽目板プランクを受け入れることができるように機械加工され、または押出し成形されるのが好ましい。連結部105は、連結部105の一部が縁部1205から延び、縁部1205と延長フランジ1210によって溝1220が形成されるように、トリム1200の裏面に取り付けられるのが好ましい。連結部105は、化学結合、機械結合、および接着剤を含む任意の適切な手段によってトリム1200に取り付けてよい。
【0079】
図27に示されているように、連結部105の一部は釘止め縁部として働いてよく、この場合、トリム1200は、連結部105を通ってフレーム部材210に入った少なくとも1つの留め具、すなわち釘230によってフレーム部材に取り付けられる。連結部105を釘止め縁部として用いることによって、釘が隠れるという利点が得られる。図28に示されているように、羽目板1230の縁がトリムの縁部1205に突き当てられ、溝1220内に入れられるように、1枚または2枚以上の羽目板1230の縁部を溝1220内に挿入してもよい。この組立体において、連結部105は、羽目板1230の裏に水が進入するのを防止する水切りとしても働く。したがって、この組立体は、コーキングを必要とせず、そのため、設置時間が短縮されコストが低減される。また、羽目板1230のプランクの表面が、羽目板プランクが延長フランジ1210と連結部の間の溝1220内に挿入された時に、連結部105を覆って釘の列を隠す。
【0080】
連結部は、金属、ガラス繊維、および布のような様々なメッシュを含む様々な材料から作ることができる。連結部が、図2Aの連結部105のように、2つのフランジから形成される場合、連結部は、可撓性のヒンジ130を有するのが好ましく、水切りとして働くことができる。可撓性のヒンジ130は、水の浸入を抑制するのに役立つプラスチック材料から作ることができる。あるいは、水の浸入を低減するために、連結部105とトリム1200の裏面の間にプラスチックビードを追加することができる。
【0081】
ファイバーセメント製の建築ボードから作り込みのパネル連結部100を製造する好ましい方法は、図5に示されているように、以下のステップを含む。本明細書に記載され図示されている方法は、記載された動作の順序に限定されず、また、記載された全ての動作の実施に必ずしも限定されない。本発明の実施形態の実施においては、他の順序、他の動作、一部の動作の省略、または複数の動作の同時実施を用いてもよい。さらに、前述のように、建築ボードの好ましい材料はファイバーセメントであるが、建築ボードは、木材やスチールのような様々な材料から作ることができる。
【0082】
ステップ510:成形機からグリーンシートを受け取る:このステップにおいて、成形可能なファイバーセメントの「グリーンシート」を成形機によって作製する。この成形機は、ハチェックプロセスなどであるがこれに限られない、スラリ脱水製造工程を用いる。成形可能なファイバーセメントグリーンシートが形成されると、それは残りの工程に送られる。
【0083】
ステップ520:前面にパターンを付加する:このステップにおいて、ファイバーセメントグリーンシートにパターンまたはテクスチャを付加して建築ボードに装飾構成を設けるかどうかに関する判定を行う。装飾構成が望ましいと判定された場合、製造工程はステップ530に進む。装飾構成が望ましくない場合、製造工程は、ステップ530を飛ばし
てステップ540に進む。
【0084】
ステップ530:グリーンシートにパターンを付加する:このステップにおいて、ファイバーセメントグリーンシートにパターンを付加する。このパターンは、ローラまたはプレートを用いたエンボス加工またはプレス成形によってグリーンシートに付加するのが好ましいが、クレービング、斜面形成、またはジェット噴霧を含むがそれらに限られない他の様々な方法によって付加することもできる。建築ボードの前面にテクスチャまたは目板部を付加するのが好ましく、一方、裏面には、連結部が配置され、建築ボードと同一面を形成し、作り込みのパネル連結部に適さない厚さを付加しないようにする、凹まされた溝を形成するのが好ましい。目板部は、グリーンシートに、エンボス加工またはプレス成形によってテクスチャを加えた後に、エンボス加工またはプレス成形するのが好ましい。
【0085】
ステップ540:建築ボードの縁部に傾斜部を切削する:このステップにおいて、建築ボードの直角縁部の頂部および底部から30度の傾斜部を水噴射によって形成するのが好ましい。90度から180度の範囲内で、30度以外の傾斜部を用いてもよい。あるいは、縁部は、図8に示されているように、傾斜部と合成角部の組合せを有していてもよい。さらに、これらの傾斜部は、鋸を使用したり、ローラ成形したりするような、水噴射を使用する以外の手段によって切削することもできる。
【0086】
ステップ550:材料を硬化させる:このステップにおいて、ファイバーセメントグリーンシートを周囲の温度で24時間までの間、事前に硬化させるのが好ましい。次に、グリーンシートを温度が約180℃で圧力が約125psiのオートクレーブに12時間までの間入れるのが好ましい。あるいは、所定のレベルの強度および/または事前に選択された材料特性が得られるまで、ファイバーセメントグリーンシートを比較的湿度の高い状態下で周囲温度、または昇温された温度で空気硬化または湿気硬化させることができる。例えば、曲げ強度または引張り強度を選択してよいが、密度、せん断強度、含水率、または未反応成分の含有率のような他の材料特性を硬化の指標として使用してもよい。
【0087】
ステップ560:材料仕上げを行う(任意):このステップにおいて、コーティングを、好ましくはスプレーコーティング装置によって建築ボードの少なくとも一方の側に任意構成として塗布するが、ローラコーティング、カーテンコーティング、パウダーコーティング、真空コーティング、または他の公知のコーティング手段を含むがそれらに限られない他の手段によって塗布してもよい。次に、コーティングの組成に適した方法、例えば熱硬化、放射線硬化、またはそれらの組合せによってコーティングを硬化させる。
【0088】
ステップ570:接着剤を塗布し連結部を貼り付ける:このステップにおいて、建築ボードがローリングコンベアに沿って移動するのに従って建築ボードの裏側に接着剤を塗布し連結部を貼り付ける。接着剤は、熱溶融型ポリウレタン接着剤であるのが好ましいが、ポリマーとセメントの表面の間を良好に接着し適切なせん断強度を生じさせる任意の組成物から作ることができる。連結部は、ファイバーセメントを含む様々な材料から作ることができるが、PVCのようなプラスチック材料から作るのが好ましい。連結部は、建築ボードに貼り付ける前にストリップとして事前に切断しても、スプールから直接貼り付けてもよい。したがって、建築ボードに接着剤を塗布し連結部を貼り付けることができる選択可能な複数の方法がある。例えば、建築ボードと連結部ストリップを押し付ける前に連結部ストリップの表面に接着剤を塗布することができる。あるいは、接着剤を液体の形態で、または自己接着ストリップとして連結部ストリップ上に設けてもよい。自己接着ストリップは、製造工程の間に建築ボードに貼り付けることも、現場で設置工程の間に貼り付けることもできる。他の実施形態において、建築ボードは、ステップ560の後、建築ボードの裏側が上を向くように裏返される。次に、建築ボードの裏側に縁部に沿って接着剤を塗布し連結部ストリップを貼り付けて、作り込みのパネル連結部を形成する。次に、表側
が上を向くように建築ボードを裏返す。さらに他の実施形態において、連結部ストリップは、ねじ、ステープル、他の接着手段などであるがそれらに限られない他の様々な種類の留め具を用いて貼り付けられる。別の実施形態において、連結部は、ステップ540の後、グリーンシート上に設置される。他の実施形態において、連結部ストリップは、建築ボードの裏面全体にぴったりと沿う大きさにされる。この連結部ストリップは、建築ボードの裏側の大部分を覆うように貼り付けられるが、連結部ストリップが、複数の建築ボード同士を連結するための1つの縁部に沿って建築ボードを越えて延びるように、建築ボードからずらされる。
【0089】
ステップ580:材料を積み重ねる:このステップにおいて、仕上げられた作り込みの建築材料は梱包および/または出荷のために積み重ねられる。
【0090】
上述のように、好ましい一実施形態の、作り込みのパネル連結部は、ファイバーセメント建築ボードから製造される。しかし、ファイバーセメント建築ボードを他の材料に置き換えてもよい。他の建築ボード材料を使用する場合、図6に示されているように、作り込みのパネル連結部を製造する以下の方法が好ましい。しかし、説明し図示する方法は、記載する動作の順序に限定されず、また、必ずしも記載された全ての動作を実施することに限定されない。本発明の実施形態の実施においては、動作の他の順序、一部の動作の省略、または各動作の同時実施を用いてもよい。
【0091】
ステップ610:仕上げられた材料を受け取る:このステップにおいて、木材、木材複合材料、およびビニルなどであるがそれらに限られない任意の建築ボード材料を仕上げられた状態で得るか、または当業者に公知の方法に従って仕上げる。
【0092】
ステップ620:直角縁部に傾斜部を切削する:このステップにおいて、水噴射によって建築ボードの頂部および底部の直角縁部から、30度から60度の範囲内の傾斜部を切削するのが好ましい。90度から180度の範囲内の傾斜部を含む他の傾斜部を用いてもよい。さらに、水噴射を使用する以外の手段によってこれらの傾斜部を切削することもできる。このステップは、使用する材料およびそれに対応する仕上げ工程に応じて製造工程においてより早い時期に行うこともできる。
【0093】
ステップ630:連結部用の、凹まされた溝を形成する(任意):このステップにおいて、建築ボード材料に応じて、切削、またはエンボス加工を含むがそれらに限らない工程によって裏側直角縁部に任意構成として溝を形成する。連結部をぴったりと合わせて配置するために、建築ボードの裏側直角縁部に沿って凹まされた溝を追加するのが好ましい。
【0094】
ステップ640:接着剤を塗布し連結部を貼り付ける。このステップにおいて、建築ボードがローリングコンベアに沿って移動するのに従って建築ボードの裏側に接着剤を塗布し連結部を貼り付ける。接着剤は、熱溶融型ポリウレタン接着剤であるのが好ましいが、ポリマーとセメントの表面の間を良好に接着し適切なせん断強度を生じさせる任意の組成物から作ることができる。連結部は、ファイバーセメントを含む様々な材料から作られていてよいが、PVCのようなプラスチック材料から作るのが好ましい。連結部は、建築ボードに貼り付ける前にストリップとして事前に切断しても、スプールから直接貼り付けてもよい。したがって、建築ボードに接着剤を塗布し連結部を貼り付けることができる選択可能な複数の方法がある。例えば、建築ボードと連結部ストリップを押し付ける前に連結部ストリップの表面に接着剤を塗布することができる。あるいは、接着剤を液体の形態で、または自己接着ストリップとして連結部ストリップ上に事前に形成してもよい。自己接着ストリップは、製造工程の間に建築ボードに貼り付けても、現場で設置工程の間に貼り付けてもよい。さらに他の実施形態において、連結部ストリップは、ねじ、ステープル、他の接着手段などであるがそれらに限られない他の様々な種類の留め具を用いて貼り付け
られる。他の実施形態において、連結部ストリップは、建築ボードの裏面全体にぴったりと沿う大きさにされる。この連結部ストリップは、建築ボードの裏側の大部分を覆うように貼り付けられるが、連結部ストリップが、複数の建築ボード同士を連結するための1つの縁部に沿って建築ボードを越えて延びてように、建築ボードからずらされる。
【0095】
ステップ650:材料を積み重ねる:このステップにおいて、仕上げられた作り込みの建築材料を積み重ねる。
【0096】
改良された連結部がファイバーセメントパネルまたは他の種類の建築ボードにいくつかの利点をもたらすことができることが上述の実施形態から分かる。これらの利点は、パネルや平坦なファイバーセメントに限られず、上述のように、様々な建築材料に適用することができる。
【0097】
上述の相じゃくりされたボードは、荷重の、連結部を横切る伝達を可能にする剛性の連結部を形成するように構成するのが好ましい。相じゃくりされたボードの剛性の連結部は、システムおよびそのシステムを構成する個々のボードのせん断強度を高めるのに役立つ。相じゃくりされたボードの連結部は、ボードに合うようにボード上にエンボス加工するのが好ましいが、連結部は、建築ボードの表面に取り付けられる別個の物品であってよい。
【0098】
上述の物品、すなわち連結部は、表面上へのボードの設置を簡略化し優れたせん断強度を与える事前に組み立てられたボードを形成するようにボードに接着するのが望ましい。例えば、この物品、すなわち連結部は、釘止め領域、すなわち固定領域を形成することができ、一実施形態において、フレーム部材の所に2列の釘を用いた連結部と少なくとも同じせん断強度を達成しつつ、互いに隣接するボードの、単一列の釘による釘止めを可能にする。さらに、連結部の一実施形態の可撓性によって、容易に製造し、搬送し、配達することができる耐久性の高い建築材料が提供され、また、変位差によって生じる複数の建築ボードの間の応力を緩和することができる建築材料が提供される。
【0099】
上述の物品、すなわち連結部は、それが接着された建築ボードの縁部と協働して、互いに隣接する複数の建築ボード同士を連結し、複数の建築ボードが、フレーム部材に釘止めされたときに適切に揃うようにするロック領域を形成するようにもなっている。さらに、この建築材料は、コーキングを必要とせずに、建築ボードシステムの継ぎ目の間の水の浸出を防止するのに役立つ連結部を提供する。
【0100】
本発明を特定の好ましい実施形態に基づいて説明したが、本明細書の開示を参照すれば、他の複数の実施形態が当業者には明らかである。したがって、本発明は、好ましい実施形態の詳細によって制限されるものではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ特徴付けられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1A】フレーム部材の所で互いに接触している相じゃくりされた2枚の建築ボードを備える建築材料システムの一実施形態の側断面図である。
【図1B】フレーム部材の所で相互係合させられた相じゃくりされた2枚の建築ボードを備える建築材料システムの一実施形態の側断面図である。
【図1C】少なくとも1本の釘によってフレーム部材に取り付けられた、図1Bの建築材料システムの側断面図である。
【図2A】建築ボードの縁部に接着された、細管状の裂け目を有するヒンジ付きフランジを備える建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図2B】釘によってフレーム部材と、別個の建築ボードに取り付けられた、図2Aの建築材料の側断面図である。
【図3】フランジが釘によってフレーム部材に取り付けられ、さらに、接着剤によって別個の建築ボードに貼り付けられた、図2Aの建築材料の側断面図である。
【図4】建築材料が、フランジのヒンジ付き連結部を通る釘によってフレーム部材に取り付けられている、図3の他の実施形態を示す図である。
【図5】ファイバーセメント製の建築ボードを用いた、図2Aの建築材料を製造する好ましい方法を示すフローチャートである。
【図6】ファイバーセメント以外の材料から作られた建築ボードを用いた、図2Aの建築材料を製造する他の方法を示すフローチャートである。
【図7A】複数のパネルの間の連結部が各フレーム部材の所に2列の釘を必要とする、パネルが通常どのように設置されるかに基づいた、構造体に連結されたパネルシステムの側断面図である。
【図7B】複数のパネルが構造体に連結され、各連結部、すなわちフレーム部材の所に1列の釘しか必要としない建築材料システムの一実施形態の側断面図である。
【図8】別個の建築ボードに設けられた複合角部を有する建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図9A】フランジの間に実質的に楕円形のビードを有し、ビードがヒンジとして働いてよい、連結部の一実施形態の側断面図である。
【図9B】フランジの間に実質的に半楕円形のビードを有し、ビードがヒンジとして働いてよい、連結部の一実施形態の側断面図である。
【図10A】フランジの間に、フランジと実質的に同じ平面内にヒンジを有する連結部の一実施形態の側断面図である。
【図10B】フランジの間に2つのヒンジを有し、一方のフランジがビードを有する、連結部の一実施形態の側断面図である。
【図10C】フランジの間に2つのヒンジを有し、一方のフランジが延長部材の端部の所にビードを有する、連結部の一実施形態の側断面図である。
【図11】建築ボード同士が連結体および連結化合物によって連結された建築材料システムの一実施形態の側断面図である。
【図12】連結部が、穴があけられた面を備える少なくとも2つのフランジを有する連結体である、連結部の一実施形態の斜視図である。
【図13】材料ストリップが建築ボードの表面と同一面を形成するように連結部が材料ストリップと建築ボードの表面の間に挟まれた、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図14】材料ストリップが建築ボードの表面に沿って位置するように連結部が材料ストリップと建築ボードの表面の間に挟まれた、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図15】連結部が、建築ボードの、相応の端部を受け入れるようになった溝を備える端部を有する、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図16】連結部が、建築ボードの一部に沿って形成されたリップにスナップ式に嵌められるようになったj字形のフックを備える端部を有する、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図17】建築ボードが連結部のリベット部を受け入れるようになった孔を有する、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図18】接着剤が、互いに隣接する建築ボードの端部の間に位置している、建築材料システムの一実施形態の側断面図である。
【図19】2枚の建築ボードが並べて位置させられ、接着剤が、両建築ボードの、互いに隣接する両縁部に沿って互いに離れた複数の位置に塗布されている、建築材料システムの一実施形態の平面図である。
【図20】2枚の建築ボードが並べて位置させられ、接着剤が、両建築ボードの、互いに隣接する両縁部に沿って連続的に塗布されている、建築材料システムの一実施形態の平面図である。
【図21】接着剤が、連結部の釘止め領域と、隣接する建築ボードの表面の間に配置されている、建築材料システムの一実施形態の側断面図である。
【図22】2枚の建築ボードが、合わさって相互係合部を形成するようになった、互いに対応する斜面を形成された縁部を有する、建築材料システムの一実施形態の平面図である。
【図23】相互係合させられた、図22の建築ボードの平面図である。
【図24】一方のボードが切欠きを有し、他方のボードが切欠きと合わさるようになった対応するタブを有する、建築材料システムの一実施形態の平面図である。
【図25】相互係合させられた、図24の建築ボードの平面図である。
【図26】2枚の建築ボードが連結され、ビスケットが、両建築ボードの、互いに隣接する縁部に沿って長穴に入れられた、建築材料システムの一実施形態の平面図である。
【図27】連結部の一部が平坦なプランクトリムの縁部から延びている、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【図28】複数の羽目板プランクがトリムに連結されている、図27の建築材料の斜視図である。
【図29】連結部の一部がコーナートリムの縁部から延びている、建築材料の一実施形態の側断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体のフレームを覆う建築材料であって、
表面および互いに反対側の縁部を有する、ファイバーセメント製のボードと、
前記ボードの前記表面に連結され、前記互いに反対側の縁部の少なくとも一方を越えて延び、留め具を受け入れて前記ボードを前記構造体に固定するようになっており、前記ボードに連結された第1のフランジ、および前記互いに反対側の縁部の一方を越えて延びる第2のフランジを少なくとも有し、前記第2のフランジは、前記第1のフランジに対して移動することができる、物品と、
を有する建築材料。
【請求項2】
前記ボードはパネルである、請求項1に記載の建築材料。
【請求項3】
前記物品の前記第1のフランジと前記第2のフランジは一体に形成されている、請求項1に記載の建築材料。
【請求項4】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは共有押し出し成形されている、請求項3に記載の建築材料。
【請求項5】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは、前記第1のフランジと前記第2のフランジの、互いに隣接する端部に沿って配置された重合体材料によって一体に形成されている、請求項3に記載の建築材料。
【請求項6】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは、前記留め具を受け入れる溝部によって一体に形成されている、請求項3に記載の建築材料。
【請求項7】
前記溝部は金属から作られている、請求項6に記載の建築材料。
【請求項8】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは前記溝部と同じ材料から作られている、請求項7に記載の建築材料。
【請求項9】
ファイバーセメント製の前記パネルは、前記物品の、少なくとも2つの前記フランジの少なくとも一方を受け入れる、前記互いに反対側の縁部の一方の長さに沿ったくぼみ部を有する、請求項2に記載の建築材料。
【請求項10】
前記第1のフランジは、前記くぼみ部の表面に沿ってファイバーセメント製の前記パネルに連結されている、請求項9に記載の建築材料。
【請求項11】
前記第1のフランジは、少なくとも1つの留め具によって前記くぼみ部の前記表面に連結されている、請求項10に記載の建築材料。
【請求項12】
前記第1のフランジは、接着剤によって前記くぼみ部の前記表面に連結されている、請求項11に記載の建築材料。
【請求項13】
前記第2のフランジはプラスチックから作られている、請求項1に記載の建築材料。
【請求項14】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは同じ材料から作られている、請求項13に記載の建築材料。
【請求項15】
前記第1のフランジはファイバーセメント製の前記ボードに接着されている、請求項1
に記載の建築材料。
【請求項16】
前記第1のフランジと前記第2のフランジはヒンジによって連結され、該ヒンジは、前記第1のフランジと第2のフランジの間に位置し、前記第2のフランジが、前記ヒンジによって、該ヒンジを中心として回転し、前記第1のフランジと実質的に平行な平面に実質的に沿って位置できるようになっている、請求項1に記載の建築材料。
【請求項17】
前記ヒンジは可撓性の材料から作られている、請求項16に記載の建築材料。
【請求項18】
前記ヒンジは、軟質PVCまたはシリコンから成る材料群から選択されたビードである、請求項16に記載の建築材料。
【請求項19】
前記ビードは、互いに連結された少なくとも2つの前記フランジと共有押し出し成形されている、請求項18に記載の建築材料。
【請求項20】
表面をそれぞれ有し、互いに隣接し縁部に沿って互いに連結された少なくとも2つの材料ストリップと、
実質的に平面状の表面および互いに反対側の端部を有するボードであって、前記少なくとも2つの材料ストリップの一方の前記表面が、前記ボードの前記互いに反対側の端部の一方に沿って前記ボードの表面に連結されているボードと、
を有し、
前記少なくとも2つの材料ストリップの1つが、前記ボードの前記互いに反対側の端部の一方を越えて延び、延びている該材料ストリップが、前記ボードに連結された前記材料ストリップに対して移動することができる、
建築材料。
【請求項21】
前記少なくとも2つの材料ストリップはヒンジによって連結されている、請求項20に記載の建築材料。
【請求項22】
前記ヒンジは可撓性であり、前記少なくとも2つの材料ストリップの間に位置し、前記少なくとも2つの材料ストリップの一方が、前記ヒンジによって、該ヒンジを中心として回転し、前記ボードに連結された前記材料ストリップと同一面を形成するように位置できるようになっている、請求項21に記載の建築材料。
【請求項23】
前記ヒンジは重合体材料から作られている、請求項22に記載の建築材料。
【請求項24】
前記ヒンジはゴムから作られている、請求項22に記載の建築材料。
【請求項25】
前記ヒンジは金属から作られている、請求項22に記載の建築材料。
【請求項26】
前記ヒンジはビードである、請求項22に記載の建築材料。
【請求項27】
前記ビードは重合体材料であり、前記少なくとも2つの材料ストリップと一緒に共有押し出し成形されている、請求項26に記載の建築材料
【請求項28】
前記ボードは釘止め不可能な材料から形成されている、請求項20に記載の建築材料。
【請求項29】
前記ボードの前記材料は、セメント複合材料、セラミック、ガラス、および石材から成る群から選択されている、請求項28に記載の建築材料。
【請求項30】
前記ボードはファイバーセメントから作られている、請求項20に記載の建築材料。
【請求項31】
ファイバーセメント製の前記ボードはパネルである、請求項30に記載の建築材料。
【請求項32】
前記少なくとも2つの材料ストリップは溝部によって連結されており、該溝部は、前記ボードを建築構造体のフレーム部材に固定するための固定領域を形成している、請求項20に記載の建築材料。
【請求項33】
前記溝部は概ねU字形であり、縁部をそれぞれ有する3つの材料ストリップから形成されている、請求項32に記載の建築材料。
【請求項34】
前記3つの材料ストリップの1つが、前記溝部の、留め具を受け入れる底部を形成している、請求項33に記載の建築材料。
【請求項35】
前記3つの材料ストリップの残りの2つが、前記溝部の側面を形成し、前記溝部の前記底部に連結されている、請求項34に記載の建築材料。
【請求項36】
前記溝部と前記少なくとも2つの材料ストリップは同じ材料から作られている、請求項32に記載の建築材料。
【請求項37】
前記溝部と前記少なくとも2つの材料ストリップは金属から作られている、請求項36に記載の建築材料。
【請求項38】
前記少なくとも2つの材料ストリップの表面は孔をあけられている、請求項37に記載の建築材料。
【請求項39】
前記少なくとも2つの材料ストリップは互いに異なる材料から作られている、請求項20に記載の建築材料。
【請求項40】
フレーム部材に連結された少なくとも2枚のボードであって、該ボードの一方が主ボードであり、前記少なくとも2枚のボードのうちの第2のボードが、隣接するボードであり、前記少なくとも2枚のボードは、表面、互いに反対側の端部、および互いに反対側の縁部を有する、2枚のボードと、
前記主ボードの前記互いに反対側の端部の一方に沿って前記主ボードの前記表面に連結され、前記主ボードの前記表面に平行な少なくとも1つのフランジを有し、該少なくとも1つのフランジは、前記主ボードの前記互いに反対側の端部の一方を越えて延びている、物品と、
少なくとも前記物品を通って前記フレーム部材に延びる1列の留め具であって、前記物品を通って延びる前記1列の留め具は、前記主ボードと前記隣接するボードを前記フレーム部材に対して固定している、1列の留め具と、
を有し、構造体を覆う建築システム。
【請求項41】
前記留め具は釘である、請求項40に記載の建築システム。
【請求項42】
前記物品は、前記主ボードに取り付けられた第2のフランジを有する、請求項40に記載の建築システム。
【請求項43】
前記1列の留め具は、前記第2のフランジを通って前記フレーム部材に延びている、請求項42に記載の建築システム。
【請求項44】
前記第2のフランジは前記隣接するボードに接着されている、請求項43に記載の建築システム。
【請求項45】
前記第2のフランジは接着剤によって前記主ボードに取り付けられている、請求項42に記載の建築システム。
【請求項46】
前記主ボードの前記互いに反対側の端部の一方を越えて延びている前記少なくとも1つのフランジは、前記1列の留め具によって前記隣接するボードに連結されている、請求項42に記載の建築システム。
【請求項47】
前記1列の留め具は、前記隣接するボードおよび前記第2のフランジを通って前記フレーム部材に延びている、請求項46に記載の建築システム。
【請求項48】
前記第2のフランジは、ヒンジによって前記少なくとも1つのフランジに連結されている、請求項42に記載の建築システム。
【請求項49】
前記ヒンジは、前記主ボードと前記隣接するボードの間の、前記フレーム部材の所の少なくとも1つの隙間を満たすビードである、請求項48に記載の建築システム。
【請求項50】
前記ビードは、前記物品と前記フレーム部材の間の水の進入を抑制する形状を有する、請求項49に記載の建築システム。
【請求項51】
前記ビードの前記形状は実質的に楕円形である、請求項50に記載の建築システム。
【請求項52】
前記主ボードの前記互いに反対側の端部の少なくとも一方はくぼみ部を有し、前記くぼみ部は、前記建築システムの表面に沿って目板部を形成している、請求項40に記載の建築システム。
【請求項53】
前記主ボードはファイバーセメントから作られている、請求項40に記載の建築システム。
【請求項54】
前記主ボードはパネルである、請求項53に記載の建築システム。
【請求項55】
前記物品は、前記主ボードの前記互いに反対側の端部の一方を越えて延びる前記少なくとも1つのフランジに平行であり、前記主ボードの、前記物品に連結された前記表面と反対側の表面と同一面を形成しているフランジを有する連結体である、請求項40に記載の建築システム。
【請求項56】
前記連結体は金属から作られている、請求項55に記載の建築システム。
【請求項57】
前記第2のフランジと前記少なくとも1つのフランジは、前記1列の留め具を受け入れるように構成された溝部によって連結されている、請求項42に記載の建築システム。
【請求項58】
前記主ボードの前記表面と前記隣接するボードの前記表面は、それぞれ、互いに反対側の端部の少なくとも一方にくぼみ部を有し、前記主ボードと前記隣接するボードの、前記くぼみ部を有する前記端部が互いの方に向けられている、請求項57に記載の建築システム。
【請求項59】
前記物品の前記第2のフランジは、前記主ボード上の前記くぼみ部の表面に連結され、前記物品の前記少なくとも1つのフランジは、前記隣接するボードの前記くぼみ部の表面
に連結されている、請求項58に記載の建築システム。
【請求項60】
前記主ボードと前記隣接するボードの前記両くぼみ部は溝を形成している、請求項58に記載の建築システム。
【請求項61】
前記両くぼみ部によって形成された前記溝は、エポキシ接合化合物によって満たされている、請求項60に記載の建築システム。
【請求項62】
前記エポキシ接合化合物の表面が、前記主ボードの前記表面および前記隣接するボードの前記表面とほぼ同一面を形成している、請求項61に記載の建築システム。
【請求項63】
前記主ボードの前記縁部の一方の少なくとも一部が、前記隣接するボードの前記縁部の一方の一部に対応するように前記主ボードの前記表面に対して傾斜している、請求項40に記載の建築システム。
【請求項64】
前記主ボードの、傾斜した前記縁部は実質的に30度傾斜している、請求項63に記載の建築システム。
【請求項65】
前記主ボードと前記隣接するボードの間の、前記フレーム部材の所に接着剤層をさらに有する、請求項40に記載の建築システム。
【請求項66】
前記接着剤層は感圧接着剤から構成されている、請求項65に記載の建築システム。
【請求項67】
前記接着剤層は熱溶融型接着剤から構成されている、請求項65に記載の建築システム。
【請求項68】
前記主ボードに対する荷重をさらに有し、前記主ボードは厚さが約3/8インチ以下である、請求項40に記載の建築システム。
【請求項69】
前記主ボードに対する前記荷重に耐えることができ、前記荷重は1フィート当たり約150ポンド以上である、請求項68に記載の建築システム。
【請求項70】
前記荷重は、前記主ボードの前記表面に沿って1フィート当たり約250ポンドであり、前記主ボードは、厚さが約1/2インチ以下である、請求項69に記載の建築システム。
【請求項71】
前記主ボードと前記隣接するボードは、前記フレーム部材の所で互いに接触している互いに隣接する縁部を有し、前記互いに隣接する縁部は、傾斜部を形成されて、前記主ボードと前記隣接するボードを相互係合させている、請求項40に記載の建築システム。
【請求項72】
前記主ボードの前記表面に沿って1フィート当たり約200ポンド以上のラッキング荷重に耐えることができる、請求項71に記載の建築システム。
【請求項73】
1フィート当たり220ポンドを超えるせん断強度を有する、請求項65に記載の建築システム。
【請求項74】
構造体のフレームを覆う建築材料システムを設置する方法であって、
実質的に平面状の表面、互いに反対側の縁部、および物品を有する第1のボードであって、前記物品は、前記互いに反対側の縁部の一方から、前記第1のボードから離れる方向へ延びる少なくとも1つのフランジを有する、第1のボードを選択することと、
前記構造体のフレーム部材上に、前記物品の表面が前記フレーム部材の、外側を向いた表面に沿って位置するように前記第1のボードを位置させることと、
表面および互いに反対側の縁部を有する第2のボードを選択することと、
前記第2のボードの前記互いに反対側の縁部の少なくとも一方が、前記第1のボードの前記縁部の一方に隣接するように、前記構造体の前記フレーム部材上に前記第2のボードを揃えることと、
前記フレーム部材に前記物品を固定して、前記第1のボードおよび前記第2のボードを前記フレーム部材に対して固定することと、
を含む方法。
【請求項75】
前記物品を前記フレーム部材に固定することは、前記物品を前記フレーム部材に釘止めすることを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記物品を前記フレーム部材に固定することは、前記物品が前記フレーム部材と前記第2のボードの前記表面の間に挟まれるように前記第2のボードを前記フレーム部材に釘止めすることを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記第2のボードを前記フレーム部材に釘止めすることによって、前記第1のボードが前記フレーム部材に連結される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記第2のボードと前記物品の間に接着剤層を塗布することをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項79】
前記接着剤は感圧接着剤である、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記第2のボードと前記第1のボードの前記各縁部の間に接着剤を塗布することをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項81】
前記接着剤は熱溶融型接着剤である、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記接着剤は感圧接着剤である、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記第1のボードはファイバーセメントから作られている、請求項74に記載の方法。
【請求項84】
前記第2のボードはファイバーセメントから作られている、請求項83に記載の方法。
【請求項1】
構造体のフレームを覆う建築材料であって、
表面および互いに反対側の縁部を有する、ファイバーセメント製のボードと、
前記ボードの前記表面に連結され、前記互いに反対側の縁部の少なくとも一方を越えて延び、留め具を受け入れて前記ボードを前記構造体に固定するようになっており、前記ボードに連結された第1のフランジ、および前記互いに反対側の縁部の一方を越えて延びる第2のフランジを少なくとも有し、前記第2のフランジは、前記第1のフランジに対して移動することができる、物品と、
を有する建築材料。
【請求項2】
前記ボードはパネルである、請求項1に記載の建築材料。
【請求項3】
前記物品の前記第1のフランジと前記第2のフランジは一体に形成されている、請求項1に記載の建築材料。
【請求項4】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは共有押し出し成形されている、請求項3に記載の建築材料。
【請求項5】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは、前記第1のフランジと前記第2のフランジの、互いに隣接する端部に沿って配置された重合体材料によって一体に形成されている、請求項3に記載の建築材料。
【請求項6】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは、前記留め具を受け入れる溝部によって一体に形成されている、請求項3に記載の建築材料。
【請求項7】
前記溝部は金属から作られている、請求項6に記載の建築材料。
【請求項8】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは前記溝部と同じ材料から作られている、請求項7に記載の建築材料。
【請求項9】
ファイバーセメント製の前記パネルは、前記物品の、少なくとも2つの前記フランジの少なくとも一方を受け入れる、前記互いに反対側の縁部の一方の長さに沿ったくぼみ部を有する、請求項2に記載の建築材料。
【請求項10】
前記第1のフランジは、前記くぼみ部の表面に沿ってファイバーセメント製の前記パネルに連結されている、請求項9に記載の建築材料。
【請求項11】
前記第1のフランジは、少なくとも1つの留め具によって前記くぼみ部の前記表面に連結されている、請求項10に記載の建築材料。
【請求項12】
前記第1のフランジは、接着剤によって前記くぼみ部の前記表面に連結されている、請求項11に記載の建築材料。
【請求項13】
前記第2のフランジはプラスチックから作られている、請求項1に記載の建築材料。
【請求項14】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは同じ材料から作られている、請求項13に記載の建築材料。
【請求項15】
前記第1のフランジはファイバーセメント製の前記ボードに接着されている、請求項1
に記載の建築材料。
【請求項16】
前記第1のフランジと前記第2のフランジはヒンジによって連結され、該ヒンジは、前記第1のフランジと第2のフランジの間に位置し、前記第2のフランジが、前記ヒンジによって、該ヒンジを中心として回転し、前記第1のフランジと実質的に平行な平面に実質的に沿って位置できるようになっている、請求項1に記載の建築材料。
【請求項17】
前記ヒンジは可撓性の材料から作られている、請求項16に記載の建築材料。
【請求項18】
前記ヒンジは、軟質PVCまたはシリコンから成る材料群から選択されたビードである、請求項16に記載の建築材料。
【請求項19】
前記ビードは、互いに連結された少なくとも2つの前記フランジと共有押し出し成形されている、請求項18に記載の建築材料。
【請求項20】
表面をそれぞれ有し、互いに隣接し縁部に沿って互いに連結された少なくとも2つの材料ストリップと、
実質的に平面状の表面および互いに反対側の端部を有するボードであって、前記少なくとも2つの材料ストリップの一方の前記表面が、前記ボードの前記互いに反対側の端部の一方に沿って前記ボードの表面に連結されているボードと、
を有し、
前記少なくとも2つの材料ストリップの1つが、前記ボードの前記互いに反対側の端部の一方を越えて延び、延びている該材料ストリップが、前記ボードに連結された前記材料ストリップに対して移動することができる、
建築材料。
【請求項21】
前記少なくとも2つの材料ストリップはヒンジによって連結されている、請求項20に記載の建築材料。
【請求項22】
前記ヒンジは可撓性であり、前記少なくとも2つの材料ストリップの間に位置し、前記少なくとも2つの材料ストリップの一方が、前記ヒンジによって、該ヒンジを中心として回転し、前記ボードに連結された前記材料ストリップと同一面を形成するように位置できるようになっている、請求項21に記載の建築材料。
【請求項23】
前記ヒンジは重合体材料から作られている、請求項22に記載の建築材料。
【請求項24】
前記ヒンジはゴムから作られている、請求項22に記載の建築材料。
【請求項25】
前記ヒンジは金属から作られている、請求項22に記載の建築材料。
【請求項26】
前記ヒンジはビードである、請求項22に記載の建築材料。
【請求項27】
前記ビードは重合体材料であり、前記少なくとも2つの材料ストリップと一緒に共有押し出し成形されている、請求項26に記載の建築材料
【請求項28】
前記ボードは釘止め不可能な材料から形成されている、請求項20に記載の建築材料。
【請求項29】
前記ボードの前記材料は、セメント複合材料、セラミック、ガラス、および石材から成る群から選択されている、請求項28に記載の建築材料。
【請求項30】
前記ボードはファイバーセメントから作られている、請求項20に記載の建築材料。
【請求項31】
ファイバーセメント製の前記ボードはパネルである、請求項30に記載の建築材料。
【請求項32】
前記少なくとも2つの材料ストリップは溝部によって連結されており、該溝部は、前記ボードを建築構造体のフレーム部材に固定するための固定領域を形成している、請求項20に記載の建築材料。
【請求項33】
前記溝部は概ねU字形であり、縁部をそれぞれ有する3つの材料ストリップから形成されている、請求項32に記載の建築材料。
【請求項34】
前記3つの材料ストリップの1つが、前記溝部の、留め具を受け入れる底部を形成している、請求項33に記載の建築材料。
【請求項35】
前記3つの材料ストリップの残りの2つが、前記溝部の側面を形成し、前記溝部の前記底部に連結されている、請求項34に記載の建築材料。
【請求項36】
前記溝部と前記少なくとも2つの材料ストリップは同じ材料から作られている、請求項32に記載の建築材料。
【請求項37】
前記溝部と前記少なくとも2つの材料ストリップは金属から作られている、請求項36に記載の建築材料。
【請求項38】
前記少なくとも2つの材料ストリップの表面は孔をあけられている、請求項37に記載の建築材料。
【請求項39】
前記少なくとも2つの材料ストリップは互いに異なる材料から作られている、請求項20に記載の建築材料。
【請求項40】
フレーム部材に連結された少なくとも2枚のボードであって、該ボードの一方が主ボードであり、前記少なくとも2枚のボードのうちの第2のボードが、隣接するボードであり、前記少なくとも2枚のボードは、表面、互いに反対側の端部、および互いに反対側の縁部を有する、2枚のボードと、
前記主ボードの前記互いに反対側の端部の一方に沿って前記主ボードの前記表面に連結され、前記主ボードの前記表面に平行な少なくとも1つのフランジを有し、該少なくとも1つのフランジは、前記主ボードの前記互いに反対側の端部の一方を越えて延びている、物品と、
少なくとも前記物品を通って前記フレーム部材に延びる1列の留め具であって、前記物品を通って延びる前記1列の留め具は、前記主ボードと前記隣接するボードを前記フレーム部材に対して固定している、1列の留め具と、
を有し、構造体を覆う建築システム。
【請求項41】
前記留め具は釘である、請求項40に記載の建築システム。
【請求項42】
前記物品は、前記主ボードに取り付けられた第2のフランジを有する、請求項40に記載の建築システム。
【請求項43】
前記1列の留め具は、前記第2のフランジを通って前記フレーム部材に延びている、請求項42に記載の建築システム。
【請求項44】
前記第2のフランジは前記隣接するボードに接着されている、請求項43に記載の建築システム。
【請求項45】
前記第2のフランジは接着剤によって前記主ボードに取り付けられている、請求項42に記載の建築システム。
【請求項46】
前記主ボードの前記互いに反対側の端部の一方を越えて延びている前記少なくとも1つのフランジは、前記1列の留め具によって前記隣接するボードに連結されている、請求項42に記載の建築システム。
【請求項47】
前記1列の留め具は、前記隣接するボードおよび前記第2のフランジを通って前記フレーム部材に延びている、請求項46に記載の建築システム。
【請求項48】
前記第2のフランジは、ヒンジによって前記少なくとも1つのフランジに連結されている、請求項42に記載の建築システム。
【請求項49】
前記ヒンジは、前記主ボードと前記隣接するボードの間の、前記フレーム部材の所の少なくとも1つの隙間を満たすビードである、請求項48に記載の建築システム。
【請求項50】
前記ビードは、前記物品と前記フレーム部材の間の水の進入を抑制する形状を有する、請求項49に記載の建築システム。
【請求項51】
前記ビードの前記形状は実質的に楕円形である、請求項50に記載の建築システム。
【請求項52】
前記主ボードの前記互いに反対側の端部の少なくとも一方はくぼみ部を有し、前記くぼみ部は、前記建築システムの表面に沿って目板部を形成している、請求項40に記載の建築システム。
【請求項53】
前記主ボードはファイバーセメントから作られている、請求項40に記載の建築システム。
【請求項54】
前記主ボードはパネルである、請求項53に記載の建築システム。
【請求項55】
前記物品は、前記主ボードの前記互いに反対側の端部の一方を越えて延びる前記少なくとも1つのフランジに平行であり、前記主ボードの、前記物品に連結された前記表面と反対側の表面と同一面を形成しているフランジを有する連結体である、請求項40に記載の建築システム。
【請求項56】
前記連結体は金属から作られている、請求項55に記載の建築システム。
【請求項57】
前記第2のフランジと前記少なくとも1つのフランジは、前記1列の留め具を受け入れるように構成された溝部によって連結されている、請求項42に記載の建築システム。
【請求項58】
前記主ボードの前記表面と前記隣接するボードの前記表面は、それぞれ、互いに反対側の端部の少なくとも一方にくぼみ部を有し、前記主ボードと前記隣接するボードの、前記くぼみ部を有する前記端部が互いの方に向けられている、請求項57に記載の建築システム。
【請求項59】
前記物品の前記第2のフランジは、前記主ボード上の前記くぼみ部の表面に連結され、前記物品の前記少なくとも1つのフランジは、前記隣接するボードの前記くぼみ部の表面
に連結されている、請求項58に記載の建築システム。
【請求項60】
前記主ボードと前記隣接するボードの前記両くぼみ部は溝を形成している、請求項58に記載の建築システム。
【請求項61】
前記両くぼみ部によって形成された前記溝は、エポキシ接合化合物によって満たされている、請求項60に記載の建築システム。
【請求項62】
前記エポキシ接合化合物の表面が、前記主ボードの前記表面および前記隣接するボードの前記表面とほぼ同一面を形成している、請求項61に記載の建築システム。
【請求項63】
前記主ボードの前記縁部の一方の少なくとも一部が、前記隣接するボードの前記縁部の一方の一部に対応するように前記主ボードの前記表面に対して傾斜している、請求項40に記載の建築システム。
【請求項64】
前記主ボードの、傾斜した前記縁部は実質的に30度傾斜している、請求項63に記載の建築システム。
【請求項65】
前記主ボードと前記隣接するボードの間の、前記フレーム部材の所に接着剤層をさらに有する、請求項40に記載の建築システム。
【請求項66】
前記接着剤層は感圧接着剤から構成されている、請求項65に記載の建築システム。
【請求項67】
前記接着剤層は熱溶融型接着剤から構成されている、請求項65に記載の建築システム。
【請求項68】
前記主ボードに対する荷重をさらに有し、前記主ボードは厚さが約3/8インチ以下である、請求項40に記載の建築システム。
【請求項69】
前記主ボードに対する前記荷重に耐えることができ、前記荷重は1フィート当たり約150ポンド以上である、請求項68に記載の建築システム。
【請求項70】
前記荷重は、前記主ボードの前記表面に沿って1フィート当たり約250ポンドであり、前記主ボードは、厚さが約1/2インチ以下である、請求項69に記載の建築システム。
【請求項71】
前記主ボードと前記隣接するボードは、前記フレーム部材の所で互いに接触している互いに隣接する縁部を有し、前記互いに隣接する縁部は、傾斜部を形成されて、前記主ボードと前記隣接するボードを相互係合させている、請求項40に記載の建築システム。
【請求項72】
前記主ボードの前記表面に沿って1フィート当たり約200ポンド以上のラッキング荷重に耐えることができる、請求項71に記載の建築システム。
【請求項73】
1フィート当たり220ポンドを超えるせん断強度を有する、請求項65に記載の建築システム。
【請求項74】
構造体のフレームを覆う建築材料システムを設置する方法であって、
実質的に平面状の表面、互いに反対側の縁部、および物品を有する第1のボードであって、前記物品は、前記互いに反対側の縁部の一方から、前記第1のボードから離れる方向へ延びる少なくとも1つのフランジを有する、第1のボードを選択することと、
前記構造体のフレーム部材上に、前記物品の表面が前記フレーム部材の、外側を向いた表面に沿って位置するように前記第1のボードを位置させることと、
表面および互いに反対側の縁部を有する第2のボードを選択することと、
前記第2のボードの前記互いに反対側の縁部の少なくとも一方が、前記第1のボードの前記縁部の一方に隣接するように、前記構造体の前記フレーム部材上に前記第2のボードを揃えることと、
前記フレーム部材に前記物品を固定して、前記第1のボードおよび前記第2のボードを前記フレーム部材に対して固定することと、
を含む方法。
【請求項75】
前記物品を前記フレーム部材に固定することは、前記物品を前記フレーム部材に釘止めすることを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記物品を前記フレーム部材に固定することは、前記物品が前記フレーム部材と前記第2のボードの前記表面の間に挟まれるように前記第2のボードを前記フレーム部材に釘止めすることを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記第2のボードを前記フレーム部材に釘止めすることによって、前記第1のボードが前記フレーム部材に連結される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記第2のボードと前記物品の間に接着剤層を塗布することをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項79】
前記接着剤は感圧接着剤である、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記第2のボードと前記第1のボードの前記各縁部の間に接着剤を塗布することをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項81】
前記接着剤は熱溶融型接着剤である、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記接着剤は感圧接着剤である、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記第1のボードはファイバーセメントから作られている、請求項74に記載の方法。
【請求項84】
前記第2のボードはファイバーセメントから作られている、請求項83に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2006−529011(P2006−529011A)
【公表日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533169(P2006−533169)
【出願日】平成16年5月17日(2004.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/015496
【国際公開番号】WO2004/104321
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505018256)ジェイムズ ハーディー インターナショナル ファイナンス ベスローテン フェンノートシャップ (11)
【氏名又は名称原語表記】JAMES HARDIE INTERNATIONAL FINANCE B.V.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月17日(2004.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/015496
【国際公開番号】WO2004/104321
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505018256)ジェイムズ ハーディー インターナショナル ファイナンス ベスローテン フェンノートシャップ (11)
【氏名又は名称原語表記】JAMES HARDIE INTERNATIONAL FINANCE B.V.
【Fターム(参考)】
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