説明

建設機械の油圧回路

【課題】複数の油圧ポンプのうち一つをアキュムレータの蓄圧源として兼用する構成を前提として、アキュムレータの蓄圧によるトルク消費を減らすとともに、蓄圧作用による他のポンプへの影響を抑える。
【解決手段】第3ポンプ3のポンプライン16に分配弁17を介してアクチュエータライン18と蓄圧ライン19とを接続し、分配弁17の蓄圧位置ロで第3ポンプ油をアキュムレータ回路Bと主回路Aとにパラレルに供給する一方、蓄圧が完了状態で第3ポンプ油を主回路Aのみに供給する構成とする。これを前提として、第1、第2ポンプ1,2のうちから高圧選択された圧油を減圧弁12の一次側に導入してアキュムレータ11の蓄圧に利用することにより、第3ポンプ3による蓄圧の機会を減らすようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油圧ショベル等の建設機械において、主回路の油圧ポンプをアキュムレータの蓄圧源として兼用するポンプ兼用型の油圧回路に関するものである。
に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ポンプ兼用型の油圧回路として、特許文献1に示されているように、一つの油圧ポンプからの圧油を分配弁を介してアクチュエータ回路とアキュムレータ回路とにパラレルに供給し、アキュムレータの蓄圧完了で分配弁を切換えてアキュムレータへの圧油の供給を停止する構成のものが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2577874号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実際の建設機械では、複数の油圧アクチュエータと、各油圧アクチュエータの作動を個別に制御する複数のコントロールバルブを複数のグループに分け、グループごとに別々の油圧ポンプで駆動し、かつ、全ポンプのトータルで馬力制御する構成がとられている。
【0005】
たとえば油圧ショベルでは、左走行モータとそのコントロールバルブを含む第1グループと、右走行モータとそのコントロールバルブを含む第2グループと、残りの油圧アクチュエータとそのコントロールバルブを備えた第3グループに分け、各グループを第1、第2、第3の三台の油圧ポンプで駆動する構成がとられる。
【0006】
この実機構成を前提として公知技術を実施する場合、たとえば第3ポンプを兼用ポンプとして機能させることになる。いいかえれば、第3ポンプのみがアキュムレータの蓄圧を担うことになる。
【0007】
ところが、そもそも、蓄圧のためにわざわざ大容量の兼用ポンプの圧力を上げることで大きなトルクを消費するため、この蓄圧のためのトルク消費が頻繁に繰り返されることでエネルギーロスが大きくなる。
【0008】
また、兼用ポンプ(第3ポンプ)のトルクが上がることで、トータルの馬力制御によって第1、第2ポンプの流量が減少するため、たとえば走行中(とくに登坂時)に蓄圧作用が行われると速度が低下し、蓄圧終了で速度が上がる等、ハンチングに似た現象が発生する。
【0009】
このため、操作性及びオペレータの体感の面で好ましくない。
【0010】
そこで本発明は、複数の油圧ポンプを備え、うち一つをアキュムレータの蓄圧源として兼用する構成を前提として、アキュムレータの蓄圧によるトルク消費を減らして省エネルギーを実現できるとともに、蓄圧作用による他のポンプへの影響を抑えることができる建設機械の油圧回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する手段として、本発明においては、複数の油圧アクチュエータと、リモコン弁からのパイロット圧により作動して上記各油圧アクチュエータの作動を制御する複数のコントロールバルブとによって主回路を構成するとともに、この主回路の油圧源として複数の油圧ポンプを設け、かつ、上記リモコン弁のパイロット油圧源としてのアキュムレータを有するアキュムレータ回路を設けた建設機械の油圧回路において、上記複数の油圧ポンプのうち一つを上記アキュムレータの蓄圧源を兼ねる兼用ポンプとして定め、この兼用ポンプのポンプラインに、圧油を上記アキュムレータ回路と上記主回路とにパラレルに供給する蓄圧位置と上記アキュムレータ回路への供給を停止して主回路のみに供給する蓄圧停止位置とを備えた分配弁を設け、かつ、上記アキュムレータの蓄圧完了で閉じる蓄圧制御弁を上記分配弁と直列状態で上記アキュムレータ回路に設けるとともに、上記兼用ポンプ以外の油圧ポンプから高圧選択された圧油を上記分配弁と蓄圧制御弁との間に導入する補助蓄圧ラインを設けたものである。
【0012】
この構成によれば、兼用ポンプのみでなく、他の油圧ポンプの圧力(油圧アクチュエータを作動させることによって発生する圧力)をアキュムレータの蓄圧に利用できるため、兼用ポンプによる蓄圧の機会(回数または1回当たりの所要時間)を減らしてトルク消費を減少させ、省エネルギーを実現することができる。
【0013】
また、兼用ポンプによる蓄圧の機会を減らすことで、他のポンプに対する影響、たとえば走行中に走行用ポンプの流量が変化することによるハンチング様の動き等を抑制することができる。
【0014】
本発明において、上記蓄圧制御弁として、ポンプ圧を減圧して上記アキュムレータに供給する減圧弁を用いるのが望ましい(請求項2)。
【0015】
このようにコンパクトかつ構造が簡単で安価な減圧弁を用いることにより、回路の小型化、コストダウンを実現することができる。
【0016】
ところで、減圧弁は、他の弁と比較して、構造上、油の漏れが発生し易いという難点がある。このため、兼用ポンプ油を直接、減圧弁の一次側に導入する構成とすると、油漏れによるエネルギーロスが大きいという弊害が生じる。
【0017】
この点、本発明によると、分配弁と蓄圧制御弁を直列に接続し、アキュムレータの蓄圧完了状態では兼用ポンプ油を分配弁でブロックする構成としているため、蓄圧制御弁として減圧弁を用いながら、減圧弁からの油の漏れを防止でき、この点でも省エネルギーとなる。
【0018】
また、本発明においては、分配弁として油圧パイロット式の切換弁を用いるとともに、この分配弁のパイロットラインに、上記アキュムレータの圧力に応じて開閉作動する油圧パイロット式の開閉弁を設け、上記アキュムレータの蓄圧完了時に上記開閉弁を開いて上記パイロットラインをタンクに連通させることにより、上記分配弁を上記蓄圧停止位置に切換えるように構成するのが望ましい(請求項3)。
【0019】
この構成によれば、アキュムレータの蓄圧完了に伴う分配弁の切換えを、開閉弁の作動による油圧制御のみによって自動的に行うことができる。すなわち、アキュムレータ圧力をセンサで検出し、コントローラで分配弁を制御する構成をとる場合等と比較して、制御のための構成が簡単でコストが安くてすみ、しかも制御の信頼性が高いものとなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、アキュムレータの蓄圧によるトルク消費を減らして省エネルギーを実現できるとともに、蓄圧作用による他のポンプへの影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図2】図1の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態を図1,2によって説明する。
【0023】
この回路においては、複数の油圧アクチュエータと、リモコン弁により操作されてコントロールバルブの作動を個別に制御する複数の油圧パイロット式のコントロールバルブとによって主回路Aが構成されるとともに、この主回路Aの油圧源として複数の油圧ポンプと、リモコン弁のパイロット油圧源を確保するためのアキュムレータ回路Bとが設けられている。
【0024】
実施形態では、主回路Aを構成する油圧アクチュエータ群とコントロールバルブ群が第1〜第3の三つのグループA1,A2,A3に分けられ、グループA1〜A3ごとに油圧ポンプ(第1〜第3ポンプ)1,2,3が設けられている。
【0025】
なお、ここでは説明を分かり易くするために、各グループA1〜A3について一つずつの油圧アクチュエータ4,5,6とコントロールバルブ7,8,9を示している。また、コントロールバルブ7〜9を個別に制御するリモコン弁10についても代表として一つだけ示している。
【0026】
アキュムレータ回路Bは、アキュムレータ11と、蓄圧蓄圧制御弁としての減圧弁12とから成り、このアキュムレータ回路Bにリモコン弁10の一次側が接続されている。13はアキュムレータ11と減圧弁12との間に設けられた逆流防止用のチェック弁である。
【0027】
減圧弁12は、導入されるポンプ圧を減圧してアキュムレータ11に送る減圧機能と、アキュムレータ圧力が設定値(蓄圧完了となる圧力)まで上昇したときに通路を閉じて圧油の供給を停止する蓄圧制御弁としての機能を果たす。
【0028】
第1〜第3各ポンプ1〜3のうち第1及び第2両ポンプ1,2は、基本的には主回路用ポンプとして定められ、第1ポンプ1のポンプライン(第1ポンプライン)14は第1グループA1に、第2ポンプ2のポンプライン(第2ポンプライン)15は第2グループA2にそれぞれ接続されている。
【0029】
これに対し、第3ポンプ3は、アキュムレータ11の蓄圧源を兼ねる兼用ポンプとして定められ、そのポンプライン(第3ポンプライン)16が、分配弁17を介して、第3グループA3に圧油を供給するアクチュエータライン18とアキュムレータ回路Bとに接続されている。
【0030】
詳述すると、分配弁17は、両側パイロットポート17a,17bに加えられるパイロット圧に応じて第1(中立)、第2、第3各位置イ,ロ,ハの間で切換わる油圧パイロット式切換弁として構成され、この分配弁17の各位置イ〜ハで次の状態となる。
【0031】
第1位置イ
第3ポンプライン16に対しアキュムレータ回路Bが蓄圧ライン19によって接続される一方、アクチュエータライン18は遮断される。従って、第3ポンプ3からの油(以下、各ポンプ1〜3からの油を第1ポンプ油、第2ポンプ油、第3ポンプ油という)はアキュムレータ回路Bのみに供給される。
【0032】
図1,2中、20は蓄圧ライン19に設けられたチェック弁である。
【0033】
第2位置(蓄圧位置)ロ
第3ポンプライン16に対し、アクチュエータライン18とアキュムレータ回路Bの双方が接続される。従って、第3ポンプ油は第3グループA3とアキュムレータ回路Bとにパラレルに供給される。
【0034】
すなわち、第3グループA3の油圧アクチュエータ6の駆動とアキュムレータ11の蓄圧が同時に可能となる。
【0035】
なお、分配弁17の、アクチュエータライン18及び蓄圧ライン19に通じる両通路21,22に絞り21a,22aが設けられ(図2のみに符号を付している)、この絞り21a,22aにより、通常、第3ポンプ油がアキュムレータ回路Bよりもアクチュエータライン18に多く流れるように流量調整される。
【0036】
第3位置(蓄圧停止位置)ハ
第3ポンプライン16に対し、アクチュエータライン18は接続されたまま、アキュムレータ回路B(蓄圧ライン19)が遮断される。
【0037】
従って、アキュムレータ蓄圧作用は停止し、油圧アクチュエータ6のみが駆動可能となる。
【0038】
この分配弁17の入口側には絞り23が設けられ、この絞り23の前後の差圧によって分配弁17が第2、第3両位置ロ,ハ間で切換わる。
【0039】
すなわち、分配弁17の片側のパイロットポート(第1パイロットポート)17aに絞り23の入口側圧力、反対側のパイロットポート(第2パイロットポート)17bに出口側圧力がそれぞれ導入され、絞り23の前後差圧が一定以上に達すると、分配弁17が第1位置イから第2位置ロに切換わるように構成されている。
【0040】
また、第2パイロットポート17bはパイロットライン24を介してタンクTに接続され、このパイロットライン24に油圧パイロット式の開閉弁25が設けられている。
【0041】
この開閉弁25は、アキュムレータ圧力とパイロットライン24の圧力とが対向して導入され、アキュムレータ圧力が設定値(蓄圧完了値)に達すると、開閉弁25が開いてパイロットライン24がタンクTに連通するように構成されている。
【0042】
この状態では、分配弁17の第2パイロットポート17bに導入される圧力が低下するため、分配弁17が第2位置ロから第3位置ハに切換わる。
【0043】
ここまでの構成において、機械の運転開始前は、図1に示すように開閉弁25が閉じ、分配弁17が中立の第1位置イにある。
【0044】
この状態で運転が開始され、絞り23の前後差圧が一定値に達すると、分配弁17が第2位置ロに切換わり、第3ポンプ油が第3グループA3の油圧アクチュエータ6とアキュムレータ回路Bとにパラレルに供給可能な状態となる。
【0045】
従って、このときアキュムレータ11の圧力が低ければ(蓄圧を必要とする状態であれば)、第3ポンプ油が減圧弁12を介してアキュムレータ回路Bに導入され、アキュムレータ11が蓄圧される。
【0046】
この蓄圧作用によってアキュムレータ圧力が設定値まで回復すると、前記のように減圧弁12が閉じてアキュムレータ11の蓄圧作用が停止する一方、開閉弁25が開いて分配弁17が第3位置ハに切換わるため、第3ポンプ油の全量が第3グループA3の油圧アクチュエータ6に供給される。
【0047】
ここで、アキュムレータ蓄圧時に、第3グループA3の油圧アクチュエータ6が非作動状態であれば、第3ポンプ油の多く(アキュムレータ蓄圧に用いられる以外の油)が第3グループA3のコントロールバルブ9のアンロード通路を通ってアンロードされる。
【0048】
つまり、蓄圧のためだけに、大トルクを消費して大容量の第3ポンプ3の圧力を上げなければならず、これが頻繁に行われることで大きなエネルギーロスとなる。
【0049】
また、第1、第2両ポンプ油により走行モータを駆動する走行時(とくに登坂時。このとき、通常、第3グループA3の油圧アクチュエータ6は非作動状態となる)に上記蓄圧/蓄圧停止が繰り返されると、トータルの馬力制御によってその都度第1、第2ポンプの流量が変化するため、走行速度が変動し、ハンチング様の動きが発生する。
【0050】
この回路においては、このような問題を解消する手段として、第1、第2両ポンプ1,2のポンプライン15,16に補助蓄圧ライン26,27が分岐接続され、この補助蓄圧ライン26,27がそれぞれチェック弁28,29を介して減圧弁12の一次側、すなわち蓄圧ライン19に接続されている。
【0051】
この構成によると、アクチュエータ作動によって第1、第2両ポンプ1,2の少なくとも一方に圧力が立っている状態では、そのポンプ圧(両ポンプ1,2ともに圧力が立っていれば高い方の圧力)が減圧弁12で減圧されてアキュムレータ回路Bに導入される。
【0052】
従って、この導入された圧力によりアキュムレータ11の蓄圧作用が行われてアキュムレータ11が蓄圧完了またはそれに近い状態となるため、それだけ第3ポンプ3による蓄圧の機会(回数または1回当たりの所要時間)を減らすことができる。
【0053】
これにより、トルク消費を減少させ、省エネルギーを実現することができる。
【0054】
また、第3ポンプ3による蓄圧作用が行われる機会を減らすことで、第1、第2両ポンプ1,2に対する影響、たとえば前記のように走行中に両ポンプ1,2の流量が変化することによるハンチング様の動き等を抑制することができる。
【0055】
なお、第1、第2両ポンプ1,2からアキュムレータ11に供給される油量そのものは、アキュムレータ11の洩れを補償するだけの少量であるため、この両ポンプ1,2による蓄圧作用によって走行時の直進性が阻害されるおそれがない。
【0056】
また、実施形態によると、次の効果を得ることができる。
【0057】
(I) アキュムレータ11の蓄圧完了で閉じる蓄圧制御弁として、コンパクトかつ構造が簡単で安価な減圧弁12を用いているため、回路の小型化、コストダウンを実現することができる。
【0058】
ここで、減圧弁12は、他の弁と比較して、構造上、油の漏れが発生し易いため、第3ポンプ油を直接、減圧弁12の一次側に導入する構成とすると、油漏れによるエネルギーロスが大きいという弊害が生じる。
【0059】
この点、実施形態では、分配弁17と減圧弁12を蓄圧ライン19によって直列に接続し、アキュムレータ11の蓄圧完了状態で分配弁17が第3位置ハに切換わって第3ポンプ油を分配弁17でブロックする構成としているため、蓄圧制御弁として減圧弁12を用いながら、減圧弁12からの油の漏れを防止でき、この点でも省エネルギーとなる。
【0060】
(II) 分配弁17として油圧パイロット式の切換弁を用い、この分配弁17のパイロットライン24に、アキュムレータ圧力に応じて開閉作動する油圧パイロット式の開閉弁25を設け、アキュムレータの蓄圧完了時に開閉弁25を開いてパイロットライン24をタンクTに連通させることにより、分配弁17を第3位置(蓄圧停止位置)ハに切換えるように構成したから、アキュムレータ11の蓄圧完了に伴う分配弁17の切換えを、開閉弁25の作動による油圧制御のみによって自動的に行うことができる。すなわち、制御のための構成が簡単でコストが安くてすみ、しかも制御の信頼性が高いものとなる。
【0061】
他の実施形態
(1) 蓄圧制御弁として、減圧弁12に代えて、アキュムレータ圧力に応じて開閉する開閉弁のような減圧機能を持たない弁を用いてもよい。
【0062】
(2) 分配弁17として、電磁式の切換弁を用い、アキュムレータ圧力をセンサで検出し、コントローラで電磁切換式の分配弁を制御する構成をとってもよい。
【0063】
(3) 上記実施形態では第3ポンプ3を兼用ポンプとして用いる構成をとったが、第1ポンプ1または第2ポンプ2を兼用ポンプとして用いる構成をとってもよい。
【0064】
(4) 本発明はショベルのほか、ショベルを母体として構成される解体機や破砕機等、主回路の油圧源として複数の油圧ポンプを設け、かつ、リモコン弁のパイロット油圧源としてのアキュムレータを有するアキュムレータ回路を設けた建設機械に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
A 主回路
A1,A2,A3 主回路を構成する油圧アクチュエータのグループ
1 第1ポンプ
2 第2ポンプ
3 第3ポンプ
4,5,6 油圧アクチュエータ
7,8,9 コントロールバルブ
10 リモコン弁
B アキュムレータ回路
11 アキュムレータ
12 減圧弁
15,16,17 各ポンプのポンプライン
17 分配弁
24 分配弁のパイロットライン
25 開閉弁
26 第1、第2ポンプ油をアキュムレータに導く補助蓄圧ライン
28,29 チェック弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の油圧アクチュエータと、リモコン弁からのパイロット圧により作動して上記各油圧アクチュエータの作動を制御する複数のコントロールバルブとによって主回路を構成するとともに、この主回路の油圧源として複数の油圧ポンプを設け、かつ、上記リモコン弁のパイロット油圧源としてのアキュムレータを有するアキュムレータ回路を設けた建設機械の油圧回路において、上記複数の油圧ポンプのうち一つを上記アキュムレータの蓄圧源を兼ねる兼用ポンプとして定め、この兼用ポンプのポンプラインに、圧油を上記アキュムレータ回路と上記主回路とにパラレルに供給する蓄圧位置と上記アキュムレータ回路への供給を停止して主回路のみに供給する蓄圧停止位置とを備えた分配弁を設け、かつ、上記アキュムレータの蓄圧完了で閉じる蓄圧制御弁を上記分配弁と直列状態で上記アキュムレータ回路に設けるとともに、上記兼用ポンプ以外の油圧ポンプから高圧選択された圧油を上記分配弁と蓄圧制御弁との間に導入する補助蓄圧ラインを設けたことを特徴とする建設機械の油圧回路。
【請求項2】
上記蓄圧制御弁として、ポンプ圧を減圧して上記アキュムレータに供給する減圧弁を用いたことを特徴とする請求項1記載の建設機械の油圧回路。
【請求項3】
分配弁として油圧パイロット式の切換弁を用いるとともに、この分配弁のパイロットラインに、上記アキュムレータの圧力に応じて開閉作動する油圧パイロット式の開閉弁を設け、上記アキュムレータの蓄圧完了時に上記開閉弁を開いて上記パイロットラインをタンクに連通させることにより、上記分配弁を上記蓄圧停止位置に切換えるように構成したことを特徴とする請求項1または2記載の建設機械の油圧回路。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−36495(P2013−36495A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170915(P2011−170915)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】