説明

建造物の崩壊警報装置

【課題】 従来は天井や壁などの建造物の支持構造に耐震性を持たせて、建造物の落下や崩壊を防いでいたが、大地震発生時にはその安全範囲を超え、建造物の落下や崩壊の可能性が高まる。そこで、天井や壁を構成する部材の変化を察知し、建造物やそれに付随する部材の崩壊危険性を報知する警報装置を提供する。
【解決手段】 距離計測ユニットと、距離計測ユニットの計測値から天井や壁を構成する部材が落下する可能性を判断して崩壊警報を報知する警報ユニットから成る警報装置で、警報ユニットは距離計測ユニットが計測した前記部材と自距離計測ユニット間の距離データを計測距離記憶手段に記憶する。また地震発生後に再度前記部材との距離を計測し、該距離データと計測距離記憶手段に記憶した以前の距離データとの差分が大きい場合に、崩壊警報を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震等によって天井や壁や床等の建造物の崩壊の可能性を予測し、警報を報知する警報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、天井板や壁の支持構造に耐震性を持たせることによって、天井の落下や壁の倒壊等の建造物が崩壊する可能性を低くする方法が採られていた。このことは特許文献1及び特許文献2で示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−295409号公報
【特許文献2】特開平09−256521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す方法では、地震等によって繰り返し生じる振動や圧力によって、天井板と取付部材(基台部)を結合している止着具(リベットやビス)が脱落して、天井板が落下する可能性がある。
また特許文献2に示す方法では、壁(パーティション)を固定している天井と床面がゆがみ、パネルの移動可能高さを超えた場合に、支持具から外れ壁が倒れる可能性がある。
【0005】
従って、特許文献1及び特許文献2に記載された方法でも、天井板の落下や壁の倒壊を確実に防ぐことは困難であり、大地震によって天井板は落下し、壁は倒壊するものとして認識しておく必要がある。
そこで、本発明の課題は、天井板や壁との相対的な距離の変化を検知し、天井や壁などの建造物が崩壊する可能性がある旨と、その崩壊の可能性がある部位を、警報として報知する警報装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、建造物を構成する1以上の部位との距離を計測する距離計測ユニットと、前記距離計測ユニットからの距離データを解析して前記建造物を構成する所定の部位の崩壊の可能性を判定して前記崩壊に係る警報を所定の宛先へ通知するまたは自装置が備える警報手段によって報知する警報ユニットから構成される警報装置であって、前記距離計測ユニットは前記建造物を構成する天井、壁、床のいずれかの予め定めた部位または前記建造物に固定された部材の予め定めた部位と自距離計測ユニットとの間の距離を計測し、前記計測した距離データを定期的または非定期に前記警報ユニットに通知し、前記警報ユニットは、前記距離計測ユニットから通知された距離データを記憶しておき、警報ユニットは、振動検知手段またはネットワークを介して地震に係る情報を受信する地震情報受信手段を有し、前記振動検知手段が予め定めた値以上の振動を検知した場合または前記地震情報受信手段が地震に係る情報を受信した場合に、前記警報ユニットは、所定の時間が経過した後または前記振動検知手段が予め定めた値以上の振動を検知しなくなった後に、前記距離計測ユニットから距離データを受信し、前記受信した距離データと前記記憶している距離データを比較し、両データの差分が予め定めた値を超えた場合に、前記建造物を構成する所定の部位が崩壊する可能性がある旨を予め定められた所定の宛先へ通知するまたは前記警報手段によって報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、距離計測ユニットを机上や天井等の任意の位置に設置し、天井,壁,床等の建造物を構成する部材との間の距離を測定し、地震発生の前後で測定した距離を比較し、その差分から天井板の落下や壁が倒壊等の建造物が崩壊する可能性を報知できるので、既存の建造物に対して柔軟に設置でき、居住者の避難を適切にサポートすることができる。
また、実際に建造物が部分的にも崩壊しなかった場合であっても、地震後に補修すべき箇所が明確になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明による崩壊警報装置のブロック構成を示す図
【図2】本発明による崩壊警報装置の制御部の動作フローチャート
【図3】本発明による電話システムと統合された崩壊警報装置のブロック構成を示す図
【図4】電話制御装置における崩壊警報に係わる電話交換制御部に動作フローチャート
【図5】本発明による電話システムと統合された崩壊警報装置の設置イメージを示す図
【図6】天井崩壊の可能性がある状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
【0010】
図1は、本発明による崩壊警報装置のブロック構成を示す図で、
本発明による距離計測ユニット2は、建造物(本実施例では天井板1と本距離測定ユニット)との距離を計測する距離計測部21と計測した距離データを警報ユニット3に伝える測定値通知部22から構成されている。
【0011】
また警報ユニット3は、前記距離計測ユニットからの距離データを受信する測定値受信部32と、受信した距離データを記憶する計測値記憶部31と、診断の開始を指示する診断開始スイッチ35と、地震速報サーバ6から地震速報を受信する地震速報受信部33と、地震による所定の大きさの震動を検知したり該振動が収まったことを検知する振動検知部34と、崩壊警報を報知するためのランプ37、スピーカ38と、崩壊警報に係わるメールを、メールサーバ7を介して通知先端末8に送信するメール送信部36と、各部を制御する制御部30とから構成されている。
【0012】
距離計測ユニット2の距離計測部21は、天井を構成する建造物(天井板1)と自距離計測ユニットとの間の距離データV12を計測し、その距離データを、測定値通知部32を介して警報ユニット3に通知する。
警報ユニットでは、電源が投入された後、診断開始スイッチ35が押下されたことを検知すると、ランプ37を点灯状態とした後、距離計測ユニット2から通知された距離データを計測値記憶部31に随時記憶する。
【0013】
次に、地震速報サーバ6からの地震速報を地震速報受信部33で受信した後、所定の期間が経過した時点、もしくは振動検知部34が所定の大きさの振動が継続して発生したことを検知した後、その振動が収まった時点で、再度距離計測ユニットからの距離データを受信し、受信した距離データと前記計測値記憶部31に記憶した前回の距離データとを比較して、所定の差分があった場合に、建造物が崩壊する可能性が高まったと判断し、ランプ37を早い点滅状態とし、スピーカ38から建造物が崩壊する危険性が迫っている旨を示す警報ガイダンスメッセージを送出すると共に、メール送信部36からメールサーバ7を介して所定の通知先端末8に建造物が崩壊する可能性がある旨を示す警報メールを送信する。
【0014】
尚、本実施例では、各ユニットを独立したものとして説明しているが、距離計測ユニットと警報ユニットを一体化して単一の警報装置として構成してもよい。
また距離計測ユニットと警報ユニットを同数として示しているが、複数の距離計測ユニットをまとめて1つの警報ユニットで制御してもよい。
【0015】
尚、距離計測ユニットに内蔵される距離計測部は、前後左右に向きを変えることを可能とすることで、天井や壁等、任意の方向にある対象物との距離を計測できる。また計測位置を示す可視光ビームを照射することによって計測位置を明示することができる。
【0016】
尚、本実施例では警報メールを所定の宛先に送信するものとして説明しているが、メール送信部に代えて、電話発信部とガイダンス送出部を設けて、所定の宛先に電話発信を行い、ガイダンスメッセージによって警報を伝えてもよい。
【0017】
図2は、本発明による崩壊警報装置の制御部の動作フローチャートで、
本発明による警報ユニット3に電源が投入された後(S3000)、診断開始スイッチ35が押下されたことを検知すると(S3001,Y)、距離計測ユニットから受信した距離データを計測値記憶部31に記憶させるモードであることを示す記憶フラグをセットし(S3002)、警報ユニット3のランプ37を点灯状態(診断中状態)とする(S3003)。
【0018】
次に、周期的に距離計測ユニット2からの距離データ(自距離計測ユニットと診断対象とする建造物やそれに付随する部材との距離の計測値)を取り込む動作を起動するための監視タイマを起動し(S3010)、該監視タイマの満了を検知すると(S3020,Y)、測定値受信部32で受信される距離データを取り込む(S3021)。
次に、記録フラグがセットされている場合(S3022,Y)、前記取り込んだ距離データを計測値記憶部31に記録する(S3023)。
【0019】
次に、診断開始スイッチ35の押下を検知した場合(S3030,Y)、距離計測ユニットから受信した距離データを計測値記憶部31に記憶するモードであることを示す記憶フラグをセットし(S3031)、ランプ37を点灯状態(診断中状態)とする(S3032)。これは、地震検知後に安全が確認された場合に、後述の警戒モードを解除するための操作である。
【0020】
次に、地震によって所定の大きさの振動が継続したことを振動検知部34で検知した場合に(S3040,Y)、記録フラグをリセット(クリア)して計測結果を計測値記憶部31に記憶しない警戒モードとした後(S3041)、地震が収まり、振動が所定の時間継続して検知されなくなった場合に(S3042,Y)、ランプ37を遅い点灯状態(警戒中状態)とする(S3043)。
次に、距離計測ユニット2からの距離データを取り込み(S3044)、取り込んだ計測データと計測値記憶部31に記憶された以前の距離データとを比較する(S3045)。
【0021】
この比較結果において所定の差分があった場合には(S3050,Y)、計測対象である建造物(天井板や壁)や付随する照明器具等の部材が落下する可能性があると判断して、警報ユニットのランプ37を早い点滅状態とし(S3051)、またスピーカから建造物や付随する部材が崩壊・落下する危険性が迫っていることを示すトーンやガイダンスメッセージを報知し(S3052)、またメール送信部36から所定の宛先(本実施例ではメールサーバ7を介して通知先端末8)に、建造物や付随する部材が崩壊・落下する可能性がある旨を示す警報メールを送信する。(S3054)。
【0022】
尚、ステップ3040では、振動検知部の代わりに、地震速報サーバからの速報情報の受信部を設けて地震の発生を判断し、またステップ3042では、前記速報情報の受信から所定の期間経過したことを持って判断してもよい。
【0023】
図3は、本発明による電話システムと統合された崩壊警報装置のブロック構成を示す図で、
距離計測ユニット2と警報ユニット3の警報出力機能と電話機機能を一体化した内線電話機4a、4b、4cと、電話交換機能と警報ユニットの診断機能を一体化した電話制御装置5から構成されている。
【0024】
内線電話機は、建造物(本実施例では天井板1a、1b、1c)と内線電話機との間の距離を計測する距離計測部41a、41b、41cと、電話制御装置5に対して計測データを通知したり、警報出力指示を受信したり、電話機としての通信接続を行う回線インタフェース部42a、42b、42cと、内線電話機として、ダイヤル等の入力操作を行う操作ボタン45a、45b、45cと、電話機の状態を表示するLCD46a、46b、46cと、着信表示や警報表示を行うランプ47a、47b、47cと、通話音声や警報トーンや警報ガイダンスメッセージを出力するスピーカ48a、48b、48cと、有色有臭の霧(G49a、G49b、G49c)を出力することによって警報状態を知らせるスプレー噴出部49a、49b、49cと、各部を制御する電話機制御部40a、40b、40cから構成される。
【0025】
また電話制御装置5は、各内線電話機との通信接続を行う内線インタフェース部52a、52b、52cと、各内線電話機から受信した(取り込んだ)距離データを記憶する計測値記憶部51と、地震による震動の大きさ及び該振動が収まったことを検知する振動検知部54と、各部を制御する電話交換制御部50から構成される。
【0026】
各内線電話機の電話機制御部は、距離計測部で計測した距離データを、回線インタフェース部を介して電話制御装置5に通知する。
電話制御装置5は、各内線インタフェース部において各内線電話機からの距離データを受信し、電話交換制御部50は、前記受信した距離データを計測値記憶部51に記憶する。
【0027】
電話制御装置5の振動検知部54において、地震による所定の大きさの振動が継続して発生したことを検知した後、その振動が収まった時点で、再度各内線電話機から通知される距離データを取り込む。
電話交換制御部50は、取り込んだ距離データと計測値記憶部51に記憶した対応する計測データとを比較し、所定の差分があった場合に、その内線電話機近傍の建造物が崩壊する可能性が高まったと判断し、対応する内線電話機のランプを早い点滅状態とし、スピーカから建造物が崩壊する危険性が迫っている旨を示す警報ガイダンスメッセージを送出し、スプレー噴出部より有色有臭の霧を噴出して崩壊警報を報知する。
【0028】
また電話制御部5において、複数の内線電話機からの距離データと計測値記憶部51に記憶した距離データとに所定の差分があった場合には、所定の差分を検知しなかった(相対的に現在の距離データと計測値記憶部に記憶された距離データとの差分が小さい)内線電話機を検索し、検索した内線電話機のスピーカから安全な避難方向を示す避難誘導ガイダンスメッセージを報知する。
【0029】
図4は、電話制御装置における崩壊警報に係わる電話交換制御部に動作フローチャートで、
本発明による警報ユニットの機能を備えた電話制御装置5に電源が投入された後(S5000)、計測値記憶部51に対して受信した距離データを記憶させるモードであることを示す記憶フラグをセットし(S5002)、各内線電話機のランプを点灯状態(診断中状態)とする(S5003)。
【0030】
次に、周期的に各内線電話機からの距離データ(各内線電話機が具備する距離計測部と診断対象とする建造物やそれに付随する部材との距離の計測データ)を取り込む動作を起動するための監視タイマを起動し(S5010)、該監視タイマの満了を検知すると(S5020,Y)、各内線インタフェースで受信した距離データを取り込む(S5021)。
次に、記録フラグがセットされている場合(S5022,Y)、前記取り込んだ距離データを計測値記憶部51に記録する(S5023)。
【0031】
次に、内線電話機の操作ボタンの内、診断再開を要求するボタンの押下を検知した場合(S5030,Y)、受信した距離データを計測値記憶部51に記憶するモードであることを示す記憶フラグをセットし(S5031)、対応する内線電話機のランプを点灯状態(診断中状態)とする(S5032)。これは、地震検知後に安全が確認された場合に、後述の警戒モードを解除するための操作である。
【0032】
次に、地震によって所定の大きさの振動が継続したことを振動検知部54で検知した場合に(S5040,Y)、記録フラグをリセット(クリア)して受信した距離データを計測値記憶部51に記憶しない警戒モードとした後(S5041)、地震が収まり、振動が所定の時間継続して検知されなくなった場合に(S5042,Y)、ランプを遅い点灯状態(警戒中状態)とする(S5043)。
次に、各内線電話機からの距離データを取り込み(S5044)、取り込んだ計測データと計測値記憶部51に記憶された以前の距離データとを比較する(S5045)。
【0033】
この比較結果において所定の差分があった場合には(S5050,Y)、計測対象である建造物(天井板や壁)や付随する照明器具等の部材が落下する可能性があると判断して、対応する内線電話機のランプを早い点滅状態とし(S5051)、またスピーカから建造物や付随する部材が崩壊・落下する危険性が迫っていることを示すトーンやガイダンスメッセージを報知し(S5052)、またスプレー噴出部から有色有臭の霧を噴出することによって警報状態を知らせる(S5053)。
【0034】
次に、地震検知後の距離データと計測値記憶部51に記憶された距離データとの差分が所定の大きさを超えた内線電話機が複数存在し、かつ集中して(隣接して)いた場合には(S5060,Y)、差分が相対的に少ない距離データを通知してきた内線電話機を検索し、検索した内線電話機のスピーカから安全な避難方向を示す避難誘導ガイダンスメッセージを報知する(S5062)。
【0035】
図5は、本発明による崩壊警報装置の設置イメージを示す図で、
天井支持材90には天井板1a、1b、1cがビスで取付けられており、また各天井板には照明器具91a、91b、91cがビスで取り付けられている。
また床99には、机92a、92b、92cと本発明による電話交換機能と警報ユニットの診断機能を一体化した電話制御装置5が置かれ、机上には本発明による距離計測ユニットと警報ユニットの警報出力機能と電話機機能を一体化した内線電話機4a、4b、4cが設置されている。
【0036】
本図において、内線電話機4aは、天井板1aに取付けられた照明機器91aとの距離データV14aを、また内線電話機4bは、天井板1bとの距離データV14bを、また内線電話機4cは天井板1cとの距離データV14cを計測している。
【0037】
図6は、天井落下の可能性がある状態を示す図で、
図5の状態から、地震によって照明器具91aを固定しているビスが外れ、また天井板1bを固定しているビスが外れ、これらが落下しそうな状態を示している。
電話制御装置5は、内線電話機4aが計測した地震検知前の照明機器91aとの距離データV14aが、地震検知後に距離データV14a’に短縮されたことを検知したため、対応する内線電話機4aに崩壊警報の出力を指示する(図では警報スプレーG49aが噴射された状態を示す)。
【0038】
また電話制御装置5は、内線電話機4bが計測した地震検知前の天井板1bとの距離データV14bが、地震検知後に距離データV14b’に短縮されたことを検知したため、対応する内線電話機4bに崩壊警報の出力を指示する(図では警報スプレーG49bが噴射された状態を示す)。
次に、電話制御装置5は、内線電話機4aと内線電話機4bの2つ(隣接する複数の距離計測ユニット)が警報状態となったことから、地震の前後の距離データの差分が少ない内線電話機4cを抽出し、内線電話機4cのスピーカから避難方向を案内する避難誘導ガイダンスメッセージを送出する。
【0039】
尚、本実施例では、天井を構成する部材の落下を予測して警報を発するものとして説明したが、距離計測ユニットの計測対象を壁側に向けることにより、壁面の倒壊や壁を構成する部材が落下することを予測して警報を発することもできる。
【符号の説明】
【0040】
1、1a、1b、1c 天井板
2 距離計測ユニット
3 警報ユニット
4a、4b、4c 内線電話機
5 電話制御装置
6 地震速報配信サーバ
7 メールサーバ
8 通知先端末
21 距離計測部
22 測定値通知部
31 計測値記憶部
32 測定値受信部
33 地震速報受信部
34 振動検知部
35 診断開始スイッチ
36 メール送信部
37 ランプ
38 スピーカ
40a、40b、40c 電話機制御部
41a、41b、41c 距離計測部
42a、42b、42c 回線インタフェース部
45a、45b、45c 操作ボタン
46a、46b、46c LCD
47a、47b、47c ランプ
48a、48b、48c スピーカ
49a、49b、49c スプレー噴出部
50 電話交換制御部
51 計測値記憶部
52a、52b、52c 内線インタフェース部
54 振動検知部
90 天井支持材
91a、91b、91c 照明器具
92a、92b、92c 机
99 床

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物を構成する1以上の部位との距離を計測する距離計測ユニットと、前記距離計測ユニットからのデータを解析して前記建造物を構成する所定の部位の崩壊の可能性を判定して前記崩壊に係る警報を所定の宛先へ通知するまたは自装置が備える警報手段によって報知する警報ユニットから構成される警報装置であって、
前記距離計測ユニットは前記建造物を構成する天井、壁、床のいずれかの予め定めた部位または前記建造物に固定された部材の予め定めた部位と自距離計測ユニットとの間の距離を計測し、前記計測した距離データを定期的または非定期に前記警報ユニットに通知し、前記警報ユニットは、前記距離計測ユニットから通知された距離データを記憶しておき、
前記警報ユニットは、振動検知手段またはネットワークを介して地震に係る情報を受信する地震情報受信手段を有し、前記振動検知手段が予め定めた値以上の振動を検知した場合または前記地震情報受信手段が地震に係る情報を受信した場合に、
前記警報ユニットは、前記振動検知手段が予め定めた値以上の振動を検知しなくなった後または所定の時間が経過した後に、前記距離計測ユニットから距離データを受信し、前記受信した距離データと前記記憶している距離データを比較し、両データの差分が予め定めた値を超えた場合に、前記建造物を構成する所定の部位が崩壊する可能性がある旨を予め定められた所定の宛先へ通知するまたは前記警報手段により報知することを特徴とする建造物の崩壊警報装置。
【請求項2】
請求項1に記載の警報装置において、
前記警報ユニットは、前記距離計測ユニットから複数の部位に係る距離データを受信した場合に、前記受信した複数の部位の距離データの各々と記憶している対応する部位の距離データの各々を比較し、両データの差分が予め定めた値を超えた部位が存在する場合に、両データの差分が相対的に小さい距離データの部位を探索し、前記探索した部位の近傍を避難経路として案内する警報を報知することを特徴とする建造物の崩壊警報装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の警報装置において、
前記距離計測ユニットまたは前記警報ユニットは、固定的に設置される電話機もしくは電話制御装置と一体化または連動することを特徴とする建造物の崩壊警報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−252460(P2012−252460A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123560(P2011−123560)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】