説明

弾性ローラの研磨装置

【課題】弾性ローラを研磨する際に、研磨目の方向不良を発生させることのない弾性ローラ用研磨装置を提供する。
【解決手段】ローラ研磨機1に供給される未研磨の弾性ローラ30を整列させるローラ整列機2が設けられてなり、ローラ整列機には、弾性ローラを投入する投入口13が配設され、投入口は、シャフトの一方の軸端32を通過させる第一ガイド部26と、シャフトの他方の軸端33を通過させる第二ガイド部27とを直線上に対向させて、シャフトの投入姿勢を規制し、投入口に正常な向きの投入姿勢で投入された弾性ローラは、正常な向きで軸端把持手段21A、21Bにセットされるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに異なる形状の両軸端を有するシャフトの周囲に形成された弾性層の外周面を研磨して所定の外形寸法と所定の研磨目とをこの弾性層に付与するローラ研磨機を具え、このローラ研磨機を、前記シャフトの両軸端のそれぞれを把持する一対の軸端把持手段と、これらの軸端把持手段を駆動して弾性ローラを一定方向に回転させるローラ回転手段と、回転する弾性ローラの弾性層の外周面に砥石を当ててこれを研磨する研磨手段とで構成してなる弾性ローラ用研磨装置に関し、特に、研磨目方向不良の発生を防止することができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置においては、画像形成の各工程で、シャフトの周囲に弾性層を形成してなる種々の弾性ローラが用いられており、これらの弾性ローラのうち、転写ローラや給紙ローラ等の紙をフィードする機能を有するローラは、紙の送り方向に対して所定の紙送り性能を確保するため、弾性ローラの表面に所定の表面性状を付与するべく、弾性層の外周面を仕上げるに際し、所定の方向に研磨目を施すことが行われている。
【0003】
そして、このような研磨目を弾性層表面に形成するため、シャフトの両軸端のそれぞれを把持する一対の軸端把持手段と、これらの軸端把持手段を駆動して弾性ローラを一定方向に回転させるローラ回転手段と、回転する弾性ローラの弾性層の外周面に砥石を当ててこれを研磨する研磨手段とよりなるローラ研磨機を具える弾性ローラ用研磨装置が用いられている。
【0004】
このような性能を要求される弾性ローラにおいては、それが画像形成装置に取り付けられた状態において、もし研磨目がその回転方向に対して所定の方向とは逆の方向に向いていた場合には、所望の性能を発揮することができなくなってしまうので、画像形成装置への取付状態における研磨目を所定の向きに合わせることは非常に重要である。
【0005】
一方、弾性ローラのシャフトの両軸端のそれぞれは、具備すべき機能が互いに異なるため、通常、それらの軸端の形状は互いに異なるよう構成されていて(例えば、特許文献1参照。)、この例として、図1に側面図で示すように、弾性ローラ30のシャフト31の一方の軸端32にのみDカットと呼ばれる切欠き35を設け画像形成装置側の回転駆動力を弾性層34に伝達できるようにしたもの、図2に側面図で示すように、弾性ローラ30Aのシャフト31Aの一方の軸端32Aのみを段付形状にしたもの、図3に示すように、弾性ローラ30Bのシャフト31Bの一方の軸端32Bの弾性層34からの突出長l1を他方の軸端33Bの突出長l2より長くしたもの、そして、図4に示すように、弾性ローラ30Cのシャフト31Cの一方の軸端32Cの太さd1を他方の軸端33Cの太さd2より太くしたものや、さらには、上記の形状の異なる要素を組み合わせた、例えば、図5に側面図で示すような、弾性ローラ30Dのシャフト31Dの一方の軸端32Dにのみ、Dカット状の切欠き35を設けるとともに、一方の軸端32Dの弾性層34からの突出長l1を他方の軸端33Dの突出長l2より長くするものなどを示すことができる。
【0006】
画像形成装置への取り付け状態において、研磨目を所定方向に向かせるためには、上記のようにシャフトに方向性を具えさせた上で、第一の要件として、画像形成装置にシャフトを装着する際に、装置に対するシャフトの向きを逆向きにしないこと、第二の要件として、シャフトの周りの弾性層の周面を研磨して研磨目を形成するに際して、シャフトの向きに対して研磨目が一定の向きに向くようにすることの両方が求められる。
【0007】
第一の要件に対しては、特許文献1において、シャフトを所定の向きに対して逆向きに装着するのを防止する方法が示されているが、第二の要件に対しては、従来、弾性ローラを一定の方向にのみ回転させるローラ回転手段を具えるローラ研磨機を用いるとともに、作業者が、シャフトを、ローラ研磨機の軸端把持手段に装着する際、シャフトが逆向きにならないよう目視で確認しながら装着することが行われていた。
【特許文献1】特開2004−150610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の装着は作業者によって行われるため、シャフトを、ローラ研磨機の軸端把持手段に装着する際、シャフトの向きを逆にしてしまう間違いが生じることもあり、このことは、品質保証の面で好ましくなく、改良が求められていた。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、弾性ローラを研磨する際に、研磨目の方向不良を発生させることのない弾性ローラ用研磨装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
<1>は、互いに異なる形状の両軸端を有するシャフトの周囲に形成された弾性層の外周面を研磨して所定の外形寸法と所定の研磨目とをこの弾性層に付与するローラ研磨機を具え、このローラ研磨機を、前記シャフトの両軸端のそれぞれを把持する一対の軸端把持手段と、これらの軸端把持手段を駆動して弾性ローラを一定方向に回転させるローラ回転手段と、回転する弾性ローラの弾性層の外周面に砥石を当ててこれを研磨する研磨手段とで構成してなる弾性ローラ用研磨装置において、
前記ローラ研磨機に供給される未研磨の弾性ローラを整列させるローラ整列機が配列されてなり、
このローラ整列機には、前記弾性ローラを前記ローラ整列機に投入するための投入口が設けられ、この投入口は、前記シャフトの一方の軸端を通過させる第一ガイド部と、前記シャフトの他方の軸端を通過させる第二ガイド部とを直線上に対向させてなり、前記シャフトの一方の軸端を第一ガイド部に、前記他方の軸端を前記第二ガイド部にそれぞれ対応させた正常な向きの弾性ローラ投入姿勢に対してはその投入を可能にし、前記一方の軸端を第二ガイド部に、前記他方の軸端を前記第一ガイド部にそれぞれ対応させた、前記正常な向きとは反対の向きの弾性ローラ投入姿勢に対してはその投入を不可能にするよう構成されるとともに、
前記投入口に、正常な向きの投入姿勢で投入された弾性ローラは、正常な向きで前記軸端把持手段にセットされるよう構成されてなる弾性ローラ用研磨装置である。
【0011】
<2>は、<1>において、前記第一ガイド部と前記第二ガイド部とを結ぶ直線の方向を投入口幅方向と呼ぶとき、前記投入口を、第一ガイド部の投入口幅方向における開口部長さが、第二ガイド部と異なるよう構成してなる弾性ローラ用研磨装置である。
【0012】
<3>は、<1>において、前記投入口を、前記第一ガイド部が、挿入されるシャフトの一方の軸端に形成されたDカット状切欠きに対応する段付きを有する開口部形状を有し、前記第二ガイド部が、段付きのない開口部形状を有するよう構成してなる弾性ローラ用研磨装置である。
【発明の効果】
【0013】
<1>によれば、前記ローラ研磨機に供給される未研磨の弾性ローラを整列させるローラ整列機が配列されており、このローラ整列機には、前記弾性ローラを前記ローラ整列機に投入するための投入口が設けられ、このローラ整列機には、前記弾性ローラを前記ローラ整列機に投入するための投入口が設けられ、この投入口は、前記シャフトの一方の軸端を通過させる第一ガイド部と、前記シャフトの他方の軸端を通過させる第二ガイド部とを直線上に対向させてなり、前記シャフトの一方の軸端を第一ガイド部に、前記他方の軸端を前記第二ガイド部にそれぞれ対応させた正常な向きの弾性ローラ投入姿勢に対してはその投入を可能にし、前記一方の軸端を第二ガイド部に、前記他方の軸端を前記第一ガイド部にそれぞれ対応させた、前記正常な向きとは反対の向きの弾性ローラ投入姿勢に対してはその投入を不可能にするよう構成されているので、弾性ローラの投入の向きを揃えることができ、しかも、本発明の弾性ローラ用研磨装置は、前記投入口に、正常な向きの投入姿勢で投入された弾性ローラは、正常な向きで前記軸端把持手段にセットされるよう構成されているので、シャフトを、前記軸端把持手段に対して一定の向きに装着することができ、したがって、シャフトの向きに対して研磨目が一定の向きに向くようにすることができる。
【0014】
<2>によれば、前記第一ガイド部と前記第二ガイド部とを結ぶ直線の方向を投入口幅方向と呼ぶとき、前記投入口を、第一ガイド部の投入口幅方向における開口部長さが、第二ガイド部と異なるよう構成したので、軸端の長さが左右で異なる弾性ローラのローラ整列機における逆向きの投入を効果的に防止することができる。
【0015】
<3>によれば、前記投入口を、前記第一ガイド部が、挿入されるシャフトの一方の軸端に形成されたDカット状切欠きに対応する段付きを有する開口部形状を有し、前記第二ガイド部が、段付きのない開口部形状を有するよう構成したので、軸端の形状が左右で異なる弾性ローラのローラ整列機における逆向きの投入を効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図に基づいて説明する。図6は、この実施形態の弾性ローラ用研磨装置を示す概略平面図、図7は、図6のA−A矢視に対応する矢視図、そして、図8は、図6のB−B矢視に対応する矢視図であり、弾性ローラ研磨装置10は、例として、図1に示した、シャフト31の周囲に弾性層34を形成してなる弾性ローラ30を研磨するローラ研磨機1と、ローラ研磨機1に供給される未研磨の弾性ローラ30を整列させるローラ整列機2とを具えて構成される。
【0017】
ローラ研磨機1は、弾性ローラ30のシャフト31の両軸端32、33のそれぞれを把持する一対の軸端把持手段21A、21Bと、これらの軸端把持手段21A、21Bを駆動して弾性ローラ30を一定方向Aに回転させるローラ回転手段22と、回転する弾性ローラ30の弾性層34の外周面に砥石24を当ててこれを研磨する研磨手段23とよりなる。
【0018】
砥石24は、図7に示すように、一定の回転速度で一定方向に回転しながら、把持手段21A、21Bに把持された弾性ローラ30の軸線方向に並進するよう構成されていて、砥石24の周面と弾性層34の外周面とが所定の相対速度で所定の向きに相対変位することにより弾性層34の外周面は所定の外形寸法に仕上げられるとともに、その外周面には、図7に示すように、一定の方向に向いた、一定の表面性状を有する研磨目35が弾性層34の全長にわたって形成される。
【0019】
ここで、弾性ローラ30のシャフト31の両軸端32、33は、図1に示した通り、互いに異なる形状を有し、図6に示した弾性ローラ用研磨装置10の場合、図1に示した弾性ローラ30を研磨するよう構成されており、一方の軸端32には、Dカットと呼ばれる切欠き35が形成され、他方の軸端33は、円筒状をなし、そこには切欠きは形成されていない。
【0020】
ローラ整列機2は、ローラ研磨機1に供給される未研磨の弾性ローラ30を整列させるよう構成され、ローラ整列機2には、未研磨の弾性ローラ30を投入する投入口13と、ここに投入された弾性ローラ30を排出する排出口14と、弾性ローラ30を投入口13から排出口14まで移動させる間、弾性ローラ30の両軸端32、33のそれぞれをガイドする一対の互いに対向するガイド溝11、12とが配設されている。
【0021】
また、ローラ研磨機1とローラ整列機2との間には、ローラ整列機2から排出された弾性ローラ30を、ローラ研磨機1まで移載するローラ移載機3が設けられる。ローラ移載機としては種々の構成のものが可能であるが、ローラ整列機2の一方のガイド溝11にガイドされ排出された軸端32は、必ず、ローラ研磨機1の、一方の軸端把持手段21Aにセットされ、ローラ整列機2の他方のガイド溝12にガイドされ排出された軸端33が、他方の軸端把持手段21Bにセットされるよう構成されることだけは必須の要件であり、図示の場合、ローラ移載機3は、ローラ研磨機1とローラ整列機2との間を往復変位するローラ置台16と、ローラ置台16を往復させる置台移動手段(図示せず)とで構成される。
【0022】
そして、その作動は、ローラ置台16が未研磨の弾性ローラ30を載置して、前記往復変位におけるローラ整列機2の側の端P1に位置している図6に示す待機状態から始まって、弾性ローラ30が研磨終了後ローラ研磨機1から排出されたあと、ローラ置台16が、往復変位におけるローラ研磨機1の側の端P2まで変位し、そこでローラ研磨機1の軸端把持手段21A、21Bに弾性ローラ30を受け渡し、その後、ローラ整列機2の側の端P1に戻ってローラ整列機2から排出された弾性ローラ30を受け取りローラ置台16上に載置するまでを1サイクルとしてこれを繰り返す。
【0023】
なお、上記の作動において、空のローラ置台16を、ローラ整列機2の側の端P1に戻すに際しては、弾性ローラ30との干渉を避けるため、ローラ置台16を下降させてから端P1への移動を開始し、ローラ置台16を端P1に戻す途中もしくは戻してからこれを元の高さに復帰させるのがよい。
【0024】
一方、ローラ整列機2には複数本の弾性ローラ30が貯蔵され、これらの弾性ローラ30を投入する投入口13は、排出口14より高い位置に設けられ、排出口14から弾性ローラ30が排出されると、それぞれの弾性ローラ30は、重力により、シャフト31の軸端32、33のそれぞれを案内するガイド溝11、12にガイドされながら下降し、排出口14に向かって移動するよう構成されている。
【0025】
排出口14から弾性ローラ30を排出するに際しては、相互に弾性ローラ1本分の間隔を空けて配置されたストッパ18、19の作動により、弾性ローラ30を1本ずつ排出するよう構成されており、図8に示した例の場合、両方のストッパ18、19を下降させてローラの排出を抑制している図示の状態から、排出口14に近い側の第一のストッパ18だけを上昇させて排出口14の最も近くに位置する弾性ローラ30だけ排出させてこれをローラ置台16に移載する。
【0026】
このとき、排出口14から遠い側に位置する第二のストッパ19は下降したままなので、他の弾性ローラ30は第二のストッパ19によりそのローラ整列機2からの排出が抑制されている。そして、この状態から、第一のストッパ18を下降させ、第二のストッパ19を上昇させることにより、弾性ローラ30のそれぞれを1本分だけ排出口14に向かって前進させることができ、ついで、第二のストッパ19を下降させることにより1サイクル分の作動を終了して図示の状態に戻すことができる。
【0027】
ここで、本発明の特徴要件の一つは、投入口13は、シャフト31の一方の軸端32を通過させる第一ガイド部26と、シャフト31の他方の軸端33を通過させる第二ガイド部27とを直線上に対向させてなり、シャフト31の一方の軸端32を第一ガイド部26に、他方の軸端33を第二ガイド部27にそれぞれ対応させた正常な向きの弾性ローラ投入姿勢に対してはその投入を可能にし、一方の軸端32を第二ガイド部27に、他方の軸端33を第一ガイド部26に対応させた、正常な向きとは反対の向きの弾性ローラ投入姿勢に対してはその投入を不可能にするよう構成されている点であり、これにより、弾性ローラ30の逆向きの投入を防止することができる。
【0028】
そして、本発明の第二の特徴要件として、前述のように、ローラ移載機3は、ローラ整列機2の投入口13の一方のガイド部26を通過してガイド溝11にガイドされ排出された軸端32は、ローラ研磨機1の、一方の軸端把持手段21Aにセットされ、ローラ整列機2の投入口13の他方のガイド部27を通過して他方のガイド溝12にガイドされ排出された軸端33は、他方の軸端把持手段21Bにセットされるよう構成されており、すなわち、投入口13に正常な向きの投入姿勢で投入された弾性ローラ30は、正常な向きで軸端把持手段21A、21Bにセットされるよう構成されているので、前記第一、および、第二の特徴要件を組み合わせることにより、弾性ローラ30をローラ研磨機1に取り付けるに際し、方向性のあるシャフト31を一定の向きに揃えることができ、このことによって、弾性ローラ30の研磨目を、シャフト31の向きに対して一定となるようにすることができる。
【0029】
図9(a)は、図8のD―D矢視に対応する、投入口13を示す断面図であり、第一ガイド部26は、挿入されるシャフト31の一方の軸端32に形成されたDカット状切欠き35に対応する、段付き29を有する開口部形状とし、第二ガイド部27は、段付きのない開口部形状とすることにより、図9(b)に示すように、シャフト31の一方の軸端32を第一ガイド部26に、他方の軸端33を前記第二ガイド部にそれぞれ対応させた正常な向きの弾性ローラ投入姿勢に対してはその投入を可能にし、図9(c)に示すように、一方の軸端32を第二ガイド部27に、他方の軸端33を第一ガイド部26に対応させた、正常な向きとは反対の向きの弾性ローラ投入姿勢に対しては、他方の軸端33と第一ガイド部26とが干渉して弾性ローラ30をローラ整列機2に投入することができないよう構成されている。
【0030】
なお、第一ガイド部26に繋がるガイド溝11において、段付きを有する部分を、その全長にわたって設けることもできるが、図10に、図9のE−E断面に対応する断面図で示すように、段付きを有する部分は投入口13の部分だけで十分であり、これだけで弾性ローラ30をローラ整列機2に逆向きにセットしてしまうのを防止する効果を得ることができる。
【0031】
また、図5に示した弾性ローラ33Dのように、軸端32D、33Dの長さが左右で異なる弾性ローラを研磨する場合には、図11(a)に断面図で示した構成の投入口13を用いればよく、投入口13Aは、第一ガイド部26Aと第二ガイド部27Aとを結ぶ直線28の方向を投入口幅方向と呼ぶとき、第一ガイド部26Aの投入口幅方向における開口部長さaと、第二ガイド部27Aの開口部長さbとが異なるよう構成され、この構成により、図11(b)に示すように、弾性ローラ30Dの正常な向きの投入姿勢に対してはその投入を可能にし、図11(c)に示すように、正常な向きとは反対の向きの投入姿勢に対しては、短い方の軸端33Dに隣接する弾性層34の端部36が、第二ガイド部27Aと干渉して、弾性ローラ30Dの投入を不可能にするよう構成されている。
【0032】
以上に、投入口の構成例として2つの例を、図を参照して説明したが、この他にも、図4に示したような、軸端32C、33Cの太さが左右で異なる弾性ローラ30Cを研磨する場合には、ガイド部の開口高さ(軸端の太さに対応)を左右で異ならせたり、図2に示した、段付のある軸端32Aとそうでない軸端33Aとを左右に有するシャフト31Aの場合には、ガイド部の一方のみを、前記段付に対応する形状にすることにより同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る弾性ローラ用研磨装置において研磨の対象とする弾性ローラを示す断面図である。
【図2】他の例の弾性ローラを示す断面図である。
【図3】他の例の弾性ローラを示す断面図である。
【図4】他の例の弾性ローラを示す断面図である。
【図5】他の例の弾性ローラを示す断面図である。
【図6】本発明に係る弾性ローラ用研磨装置を示す概略平面図である。
【図7】図6のA−A矢視に対応し、砥石によって研磨される途中の弾性層を示す矢視図である。
【図8】図6のB−B矢視に対応し、ローラ整列機を示す側面図である。
【図9】図6のD−D矢視に対応して、投入口を示す断面図である。
【図10】図9のE−E断面に対応した面におけるガイド溝を示す断面図である。
【図11】投入口の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 ローラ研磨機
2 ローラ整列機
3 ローラ移載機
10 弾性ローラ研磨装置
11 ガイド溝
12 ガイド溝
13、13A ローラ整列機の投入口
14 ローラ整列機の排出口
16 ローラ置台
17 ガイド溝の、長さ方向投入口側部分
18 第一のストッパ
19 第二のストッパ
21A、21B 軸端把持手段
22 ローラ回転手段
23 研磨手段
24 砥石
26、26A 第一ガイド部
27、27A 第二ガイド部
28 直線
30、30A、30B、30C、30D 弾性ローラ
31、31A、31B、31C、31D シャフト
32、32A、32B、32C、32D シャフトの、一方の軸端
33、33A、33B、33C、33D シャフトの、他方の軸端
34 弾性層
35 切欠き
36 弾性層の端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる形状の両軸端を有するシャフトの周囲に形成された弾性層の外周面を研磨して所定の外形寸法と所定の研磨目とをこの弾性層に付与するローラ研磨機を具え、このローラ研磨機を、前記シャフトの両軸端のそれぞれを把持する一対の軸端把持手段と、これらの軸端把持手段を駆動して弾性ローラを一定方向に回転させるローラ回転手段と、回転する弾性ローラの弾性層の外周面に砥石を当ててこれを研磨する研磨手段とで構成してなる弾性ローラ用研磨装置において、
前記ローラ研磨機に供給される未研磨の弾性ローラを整列させるローラ整列機が配列されてなり、
このローラ整列機には、前記弾性ローラを前記ローラ整列機に投入するための投入口が設けられ、この投入口は、前記シャフトの一方の軸端を通過させる第一ガイド部と、前記シャフトの他方の軸端を通過させる第二ガイド部とを直線上に対向させてなり、前記シャフトの一方の軸端を第一ガイド部に、前記他方の軸端を前記第二ガイド部にそれぞれ対応させた正常な向きの弾性ローラ投入姿勢に対してはその投入を可能にし、前記一方の軸端を第二ガイド部に、前記他方の軸端を前記第一ガイド部にそれぞれ対応させた、前記正常な向きとは反対の向きの弾性ローラ投入姿勢に対してはその投入を不可能にするよう構成されるとともに、
前記投入口に、正常な向きの投入姿勢で投入された弾性ローラは、正常な向きで前記軸端把持手段にセットされるよう構成されてなる弾性ローラ用研磨装置。
【請求項2】
前記第一ガイド部と前記第二ガイド部とを結ぶ直線の方向を投入口幅方向と呼ぶとき、前記投入口を、第一ガイド部の投入口幅方向における開口部長さが、第二ガイド部と異なるよう構成してなる請求項1に記載の弾性ローラ用研磨装置。
【請求項3】
前記投入口を、前記第一ガイド部が、挿入されるシャフトの一方の軸端に形成されたDカット状切欠きに対応する段付きを有する開口部形状を有し、前記第二ガイド部が、段付きのない開口部形状を有するよう構成してなる請求項1に記載の弾性ローラ用研磨装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−279525(P2008−279525A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123616(P2007−123616)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】