説明

弾性波分波器

【課題】送信側フィルタチップと受信側フィルタチップとを有する弾性波分波器において、アイソレーション特性の改善を図る。
【解決手段】弾性波分波器1は、送信側フィルタチップ30及び受信側フィルタチップ20を備えている。受信側フィルタチップ20は、受信側圧電基板21と、受信側圧電基板21上に形成されている受信側弾性波フィルタ部23とを有する。送信側フィルタチップ30は、送信側圧電基板31と、送信側圧電基板31上に形成されている送信側弾性波フィルタ部33とを有する。受信側圧電基板21の厚みTRxが、送信側圧電基板31の厚みTTxよりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波分波器に関する。特には、本発明は、送信側フィルタチップと受信側フィルタチップとを有する弾性波分波器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アンテナ端子と、送信側信号端子及び受信側信号端子との間において、送信信号と受信信号とを分波する分波器として、弾性表面波や弾性境界波などの弾性波を使用した弾性波分波器が広く用いられるようになってきている。
【0003】
弾性波分波器は、一般的に、実装基板上に実装されている送信側フィルタチップと受信側フィルタチップとを有している。送信側フィルタチップには、アンテナ端子と送信側信号端子との間に接続されている送信側弾性波フィルタ部が設けられている。一方、受信側フィルタチップには、アンテナ端子と受信側信号端子との間に接続されている受信側弾性波フィルタ部が設けられている。
【0004】
例えば、弾性波分波器を小型化する観点からは、送信側弾性波フィルタ部の圧電基板と、受信側弾性波フィルタ部の圧電基板とを一体に形成することが好ましい。しかしながら、この場合は、弾性波分波器のアイソレーション特性が悪くなりがちであるという問題があった。
【0005】
このような問題などに鑑み、例えば、下記の特許文献1などにおいては、送信側弾性波フィルタ部の圧電基板と、受信側弾性波フィルタ部の圧電基板とを別個に設けた弾性波分波器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−318128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、送信側弾性波フィルタ部の圧電基板と、受信側弾性波フィルタ部の圧電基板とを別個に設けた場合であっても、十分に良好なアイソレーション特性が得られない場合が合った。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、送信側フィルタチップと受信側フィルタチップとを有する弾性波分波器において、アイソレーション特性の改善を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る弾性波分波器は、アンテナ端子と、送信側信号端子と、受信側信号端子と、送信側フィルタチップ及び受信側フィルタチップとを備えている。受信側フィルタチップは、受信側圧電基板と、受信側弾性波フィルタ部とを有する。受信側弾性波フィルタ部は、受信側圧電基板上に形成されている。受信側弾性波フィルタ部は、アンテナ端子と受信側信号端子との間に接続されている。送信側フィルタチップは、送信側圧電基板と、送信側弾性波フィルタ部とを有する。送信側弾性波フィルタ部は、送信側圧電基板上に形成されている。送信側弾性波フィルタ部は、アンテナ端子と送信側信号端子との間に接続されている。受信側圧電基板の厚みTRxが、送信側圧電基板の厚みTTxよりも小さい。
【0010】
本発明に係る弾性波分波器のある特定の局面では、受信側圧電基板の厚みTRxが、0.2mm以下である。この構成によれば、送信側周波数帯における送信側信号端子と受信側信号端子との間のアイソレーション特性をより改善することができる。
【0011】
本発明に係る弾性波分波器の他の特定の局面では、受信側圧電基板の厚みTRxが、0.1mm以上である。この構成によれば、送信側周波数帯における送信側信号端子と受信側信号端子との間のアイソレーション特性を悪化させることなく、受信側フィルタチップの剛性を高めることができる。
【0012】
本発明に係る弾性波分波器の別の特定の局面では、送信側圧電基板の厚みTTxが、0.3mm以下である。この構成によれば、送信側信号端子と受信側信号端子との間のアイソレーション特性をより改善することができる。
【0013】
本発明に係る弾性波分波器のさらに他の特定の局面では、受信側弾性波フィルタと送信側弾性波フィルタとのいずれか一方が、バランス型フィルタである。
【0014】
本発明に係る弾性波分波器のさらに別の特定の局面では、受信側弾性波フィルタが、バランス型フィルタである。
【0015】
本発明に係る弾性波分波器のまた他の特定の局面では、受信側圧電基板と、送信側圧電基板とは、異なる材料からなる。
【0016】
本発明に係る弾性波分波器のまた別の特定の局面では、受信側圧電基板がLiTaO基板からなり、送信側圧電基板がLiNbO基板からなる。この構成では、比較的薄い受信側圧電基板が、剛性が比較的高いLiTaO基板からなるため、弾性波分波器の耐久性の劣化を抑制しつつ、アイソレーション特性を高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、受信側圧電基板の厚みTRxが、送信側圧電基板の厚みTTxよりも小さい。このため、送信側周波数帯における送信側信号端子と受信側信号端子との間のアイソレーション特性を改善することができる。また、求められる耐電力性が低い受信側フィルタチップの受信側圧電基板は、求められる耐電力性が高い送信側フィルタチップの送信側圧電基板よりも小さくし得るため、破損しにくい。このため、受信側圧電基板の厚みTRxを送信側圧電基板の厚みTTxよりも小さくしても、耐久性がそれほど劣化しない。従って、本発明によれば、優れたアイソレーション特性を有し、かつ高い耐久性を有する弾性波分波器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る弾性波分波器の模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る弾性波分波器の等価回路図である。
【図3】本発明の一実施形態における受信側フィルタチップの模式的断面図である。
【図4】本発明の一実施形態における送信側フィルタチップの模式的断面図である。
【図5】実施例1〜3及び比較例のそれぞれにおける送信側信号端子と第1の受信側信号端子との間のアイソレーション特性を表すグラフである。
【図6】実施例1及び実施例4のそれぞれにおける送信側信号端子と第1の受信側信号端子との間のアイソレーション特性を表すグラフである。
【図7】直達波を説明するための等価回路図である。
【図8】直達波を説明するための等価回路図である。
【図9】直達波を説明するための等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施した好ましい形態について、図1及び図2に示す弾性表面波分波器1を例に挙げて説明する。但し、弾性表面波分波器1は、単なる例示である。本発明に係る弾性波分波器は、弾性表面波分波器1に何ら限定されない。本発明に係る弾性波分波器は、例えば、弾性境界波を利用した弾性境界波分波器であってもよい。
【0020】
本実施形態の弾性表面波分波器1は、送信周波数帯(Tx帯)が1850MHz〜1910MHzであり、受信周波数帯(Rx帯)が1930MHz〜1990MHzである。
【0021】
図1は、本実施形態に係る弾性波分波器の模式図である。図2は、本実施形態に係る弾性波分波器の等価回路図である。図3は、受信側フィルタチップの模式的断面図である。図4は、送信側フィルタチップの模式的断面図である。
【0022】
図1に示すように、弾性表面波分波器1は、配線基板10と、受信側フィルタチップ20と、送信側フィルタチップ30とを備えている。受信側フィルタチップ20と送信側フィルタチップ30とは、配線基板10にフリップチップ実装されている。配線基板10の上には、樹脂層11が形成されている。この樹脂層11によって受信側フィルタチップ20と送信側フィルタチップ30とが封止されている。
【0023】
図3に示すように、受信側フィルタチップ20は、受信側圧電基板21を備えている。受信側圧電基板21は、圧電性を有する基板である限りにおいて特に限定されない。受信側圧電基板21は、例えば、LiNbO基板、LiTaO基板、水晶基板、ZnO基板等により構成することができる。なかでも、受信側圧電基板21は、LiTaO基板により構成されていることが好ましい。受信側圧電基板21をLiTaO基板により構成した場合、横モードリップルを抑圧することができ、温度特性にも優れたフィルタを得ることができる。
【0024】
受信側圧電基板21の上には、弾性表面波を励振させるIDT電極を含む電極22が形成されている。この電極22によって受信側弾性表面波フィルタ部23が構成されている。電極22は、例えば、Al,Pt,Au,Ag,Cu,Ti,Ni,Cr,Pd,Ni,Wなどの金属や、これらの金属の一種以上を含む合金などにより形成することができる。電極22は、例えば、複数の金属膜や合金膜の積層体により構成されていてもよい。
【0025】
図4に示すように、送信側フィルタチップ30は、送信側圧電基板31を備えている。送信側圧電基板31は、圧電性を有する基板である限りにおいて特に限定されない。送信側圧電基板31は、例えば、LiNbO基板、LiTaO基板、水晶基板、ZnO基板等により構成することができる。なかでも、送信側圧電基板31は、LiNbO基板により構成されていることが好ましい。送信側圧電基板をLiNbO基板により構成した場合、挿入損失が低減された、広帯域の通過特性を有するフィルタを得ることができる。もっとも、送信側圧電基板31は、受信側圧電基板21と同じ種類の圧電基板により構成されていてもよい。
【0026】
送信側圧電基板31の上には、弾性表面波を励振させるIDT電極を含む電極32が形成されている。この電極32によって送信側弾性表面波フィルタ部33が構成されている。電極32は、例えば、Al,Pt,Au,Ag,Cu,Ti,Ni,Cr,Pd,Ni,Wなどの金属や、これらの金属の一種以上を含む合金などにより形成することができる。電極32は、例えば、複数の金属膜や合金膜の積層体により構成されていてもよい。
【0027】
図2に示すように、弾性表面波分波器1は、アンテナ端子12と、送信側信号端子13と、第1及び第2の受信側信号端子14a、14bとを備えている。
【0028】
送信側弾性表面波フィルタ部33は、アンテナ端子12と送信側信号端子13との間に接続されている。本実施形態では、送信側弾性表面波フィルタ部33は、平衡−不平衡変換機能を有さないラダー型弾性表面波フィルタ部により構成されており、送信側信号端子13がひとつ設けられている。
【0029】
受信側弾性表面波フィルタ部23は、アンテナ端子12と第1及び第2の受信側信号端子14a、14bとの間に接続されている。本実施形態では、受信側弾性表面波フィルタ部23は、平衡−不平衡変換機能を有する所謂バランス型の縦結合共振子型弾性波フィルタ部により構成されている。
【0030】
なお、送信側弾性表面波フィルタ部および受信側弾性表面波フィルタ部は、上記の組み合わせに限ったものではない。本実施形態では、送信側弾性表面波フィルタ部をラダー型フィルタ部、受信側弾性表面波フィルタ部を縦結合共振子型フィルタ部としているが、構成を変えても本実施形態と同様の効果が得られる。
【0031】
本実施形態では、受信側圧電基板21の厚みTRxが、送信側圧電基板31の厚みTTxよりも小さい。従って、実施例においても裏付けられるように、送信側周波数帯における送信側信号端子13と第1の受信側信号端子14aとの間のアイソレーション特性を良好にすることができる。
【0032】
また、送信側フィルタチップ30よりも求められる耐電力性が低い受信側フィルタチップ20の方が、圧電基板を小さくし得る。このため、受信側圧電基板21は、送信側圧電基板31よりも小さく、破損しにくい。よって、受信側圧電基板21の厚みTRxを送信側圧電基板31の厚みTTxよりも小さくしても、弾性表面波分波器1の耐久性がそれほど低下しない。従って、本実施形態の弾性表面波分波器1は、優れたアイソレーション特性を有し、かつ高い機械的耐久性を有する。
【0033】
また、本実施形態では、薄い受信側圧電基板21が高剛性のLiTaO基板により構成されている。このため、より高い耐久性を実現することができる。
【0034】
受信側圧電基板21の厚みTRxが薄い方がより優れたアイソレーション特性が得られるため、受信側圧電基板21の厚みTRxは0.2mm以下であることが好ましい。但し、受信側圧電基板21の厚みTRxが0.1mm以下である場合は、受信側圧電基板21の厚みTRxが薄くなっても、弾性表面波分波器1のアイソレーション特性は大きく変化しなくなる。このため、アイソレーション特性を改善する観点からは、受信側圧電基板21の厚みTRxを0.1mm未満にする必要はない。また、受信側圧電基板21の厚みTRxが薄くなりすぎると、受信側圧電基板21の機械的強度が低下する傾向にある。このため、受信側圧電基板21の厚みTRxは、0.1mm以上であることが好ましい。
【0035】
より優れたアイソレーション特性を得る観点からは、送信側圧電基板31の厚みTTxも薄い方が好ましい。このため、送信側圧電基板31の厚みTTxは、0.3mm以下であることが好ましく、0.25mm以下であることがより好ましい。
【0036】
なお、受信側圧電基板21の厚みTRxを送信側圧電基板31の厚みTTxよりも小さくすることにより、送信側周波数帯における送信側信号端子13と第1の受信側信号端子14aとの間のアイソレーション特性を改善できる理由は、以下の理由によるものと考えられる。弾性表面波分波器に電気信号が印加されると、電磁界の洩れが生じる。これにより、送信側圧電基板31、受信側圧電基板21、アンテナ端子12、送信側信号端子13及び受信側信号端子14a、14bと、グランドとの間にインダクタンスや容量の電気的な結合が発生する。その結果、信号の一部が、圧電基板の上に形成されているIDT電極を経由せずに、発生したインダクタンスや容量を経由して直達する場合がある。以下に、信号の一部が直達する現象について説明する。
【0037】
送信用弾性表面波フィルタチップ及び受信用弾性表面波フィルタチップは、基板にフリップチップ実装され、かつ封止樹脂により封止されている。すなわち、弾性表面波フィルタチップは、IDT電極が形成された一方の主面が基板に対向しており、反対側の他方の主面上には高分子系材料(樹脂)からなる封止部が存在している。この封止部や圧電基板部により、弾性表面波フィルタチップの他方の主面上に存在する容量に起因する直達波が発生する。
【0038】
例えば図7の回路図に示すように、入力端子61,62と出力端子63,64を備えた2端子対の弾性表面波フィルタ60を考える。このとき、図8の回路図において矢印70,72で示すように、弾性表面波フィルタ60を経ずに、入力端子61,62から出力端子63,64に直接伝わる信号が存在する。この信号を直達波と言う。
【0039】
直達波は、図9の等価回路図に示すように、入力端子61,62と出力端子63,64との間の相互インダクタンスによる成分74と、入力端子61,62と出力端子63,64との間の容量結合による成分76と、グランドの浮きによる成分78などを含む。
【0040】
この直達波により、弾性波分波器における、送信端子と受信端子間のアイソレーション特性が悪くなる場合がある。ここで、送信側圧電基板、受信側圧電基板、アンテナ端子、送信側信号端子及び受信側信号端子と、グランドとの間に発生する容量の大きさは、圧電基板の厚みに依存する。具体的には、圧電基板の厚みが薄くなるほど圧電基板と各端子間に発生する容量の大きさが小さくなる。このため、圧電基板の厚みが薄くなるほど、発生した容量を介しての信号の直達成分が少なくなる。本実施形態では、受信側圧電基板21の厚みが薄くされているため、受信側弾性表面波フィルタ部23における信号の直達を抑制することができる。その結果、アイソレーション特性の悪化を抑制できるものと考えられる。
【0041】
以下、受信側圧電基板21の厚みTRxを送信側圧電基板31の厚みTTxよりも小さくすることにより、送信側周波数帯における送信側信号端子13と第1の受信側信号端子14aとの間のアイソレーション特性を改善できることについて、実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0042】
図5及び図6に上記実施形態に係る弾性表面波分波器1と実質的に同様の構成を有する実施例1〜4に係る弾性表面波分波器のアイソレーション特性と、比較例に係る弾性表面波分波器のアイソレーション特性とを示す。なお、比較例に係る弾性表面波分波器は、受信側圧電基板21の厚みTRxと送信側圧電基板31の厚みTTxとを共に、0.25mmとしたこと以外は、上記実施形態に係る弾性表面波分波器1と同様の構成を有している。
【0043】
図5及び図6において実線で示すグラフは、送信側圧電基板31の厚みTTxが0.25mmであり、受信側圧電基板21の厚みTRxが0.1mmである、実施例1に係る弾性表面波分波器1のアイソレーション特性を示すグラフである。
【0044】
図5において、一点破線で示すグラフは、送信側圧電基板31の厚みTTxが0.25mmであり、受信側圧電基板21の厚みTRxが0.15mmである、実施例2に係る弾性表面波分波器1のアイソレーション特性を示すグラフである。
【0045】
図5において、二点破線で示すグラフは、送信側圧電基板31の厚みTTxが0.25mmであり、受信側圧電基板21の厚みTRxが0.2mmである、実施例3に係る弾性表面波分波器1のアイソレーション特性を示すグラフである。
【0046】
図5において、点線で示すグラフは、受信側圧電基板21の厚みTRxと送信側圧電基板31の厚みTTxとが等しい、比較例に係る弾性表面波分波器のアイソレーション特性を示すグラフである。
【0047】
図6において、一点破線で示すグラフは、送信側圧電基板31の厚みTTxが0.25mmであり、受信側圧電基板21の厚みTRxが0.05mmである、実施例4に係る弾性表面波分波器1のアイソレーション特性を示すグラフである。
【0048】
図5に示すように、受信側圧電基板21の厚みTRxと送信側圧電基板31の厚みTTxとが等しい比較例と比べて、受信側圧電基板21の厚みTRxが、送信側圧電基板31の厚みTTxよりも小さい実施例1〜4では、送信側周波数帯における送信側信号端子13と第1の受信側信号端子14aとの間のアイソレーション特性が良好であることが分かる。また、受信側圧電基板21の厚みTRxが薄い方が、送信側周波数帯における送信側信号端子13と第1の受信側信号端子14aとの間のアイソレーション特性がより良好であることが分かる。しかしながら、図6に示すように、受信側圧電基板21の厚みTRxが0.1mmである場合と、受信側圧電基板21の厚みTRxが0.05mmである場合とでは、弾性表面波分波器のアイソレーション特性は、同等であった。以上の結果から、受信側圧電基板21の厚みTRxは、0.2mm以下であることが好ましく、0.15mm以下であることがより好ましいことが分かる。また、受信側圧電基板21の厚みTRxは、0.1mm以上であることが好ましいことが分かる。
【符号の説明】
【0049】
1…弾性表面波分波器
10…配線基板
11…樹脂層
12…アンテナ端子
13…送信側信号端子
14a…第1の受信側信号端子
14b…第2の受信側信号端子
20…受信側フィルタチップ
21…受信側圧電基板
22…電極
23…受信側弾性表面波フィルタ部
30…送信側フィルタチップ
31…送信側圧電基板
32…電極
33…送信側弾性表面波フィルタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ端子と、
送信側信号端子と、
受信側信号端子と、
送信側フィルタチップ及び受信側フィルタチップとを備える弾性波分波器であって、
前記受信側フィルタチップは、受信側圧電基板と、前記受信側圧電基板上に形成されており、前記アンテナ端子と前記受信側信号端子との間に接続されている受信側弾性波フィルタ部とを有し、
前記送信側フィルタチップは、送信側圧電基板と、前記送信側圧電基板上に形成されており、前記アンテナ端子と前記送信側信号端子との間に接続されている送信側弾性波フィルタ部とを有し、
前記受信側圧電基板の厚みTRxが、前記送信側圧電基板の厚みTTxよりも小さい、弾性波分波器。
【請求項2】
前記受信側圧電基板の厚みTRxが、0.2mm以下である、請求項1に記載の弾性波分波器。
【請求項3】
前記受信側圧電基板の厚みTRxが、0.1mm以上である、請求項2に記載の弾性波分波器。
【請求項4】
前記送信側圧電基板の厚みTTxが、0.3mm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の弾性波分波器。
【請求項5】
前記受信側弾性波フィルタと前記送信側弾性波フィルタとのいずれか一方が、バランス型フィルタである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の弾性波分波器。
【請求項6】
前記受信側弾性波フィルタが、バランス型フィルタである、請求項5に記載の弾性波分波器。
【請求項7】
前記受信側圧電基板と、前記送信側圧電基板とは、異なる材料からなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の弾性波分波器。
【請求項8】
前記受信側圧電基板がLiTaO基板からなり、前記送信側圧電基板がLiNbO基板からなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の弾性波分波器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−199810(P2011−199810A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67402(P2010−67402)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】