説明

弾性表面波フィルタ、電子装置および周波数特性制御方法

【課題】 2段構成の弾性表面波フィルタの群遅延および挿入損失の周波数特性を簡易な方法で改善する。
【解決手段】 第1の弾性表面波フィルタに温度センサ3と温度調節部5を付設し、第2の弾性表面波フィルタ2に温度センサ4と温度調節部6を付設する。そして、第1の弾性表面波フィルタ1を通過した信号の周波数特性におけるピーク点と、第2の弾性表面波フィルタ2を通過した信号の周波数特性におけるボトム点とが重なり合うように、第1の弾性表面波フィルタ1の温度と第2の弾性表面波フィルタ2の温度とを所定の温度差になるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段構成の弾性表面波フィルタの群遅延および挿入損失の周波数特性を改善することができる弾性表面波フィルタ、この弾性表面波フィルタを使用した電子装置および弾性表面波フィルタの周波数特性制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、テレビ、ビデオ等には弾性表面波(SAW)フィルタが多く用いられており、これらの電子機器の小型化に貢献している。ところで、一般的な弾性表面波フィルタにおいては、図8に示すように、通過帯域内の群遅延の周波数特性に細かなリップルがあり、また、図9に示すように通過帯域内の挿入損失の周波数特性にも細かなリップルがある。これらのリップルによる振幅、群遅延偏差の周波数特性の劣化に起因して、携帯電話等の電子機器における変調精度等が低下する。また、弾性表面波フィルタは、不要周波数帯域の挿入損失量を増加させるために、2つの弾性表面波フィルタを直列接続して使用することがあるが、この場合にはリップルも2倍になってしまい、さらに変調精度が低下する。
【0003】
このように弾性表面波フィルタには群遅延および挿入損失の周波数特性にリップルがあり、リップルを最小にすることで変調精度の低下を抑えることができるため、従来から弾性表面波フィルタの素子の単体特性を改善し変調精度の劣化を低減する努力がなされている。しかしながら、弾性表面波フィルタ等の素子の単体特性を改善することは難しく、量産時の歩留まりも悪いものとなってしまう。
【0004】
また、弾性表面波フィルタの単体特性をデジタルフィルタを用いて補正する従来技術のデジタル送受信機がある(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、弾性表面波フィルタの後段にA/D変換器を介してデジタルフィルタを配置し、該デジタルフィルタにより、弾性表面波フィルタの周波数特性及び群遅延特性を改善(補償)するものである。
【特許文献1】特開 2000−278161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように弾性表面波フィルタでは、通過帯域内の群遅延および挿入損失の周波数特性に細かなリップルがあるが、弾性表面波フィルタの周波数特性を単体で改善することは難しいという問題がある。また、従来技術のデジタルフィルタにより周波数特性を補償する方法は、回路構成とその処理方法が複雑になるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、多段構成の弾性表面波フィルタの群遅延および挿入損失の周波数特性を簡易な方法で改善することができる弾性表面波フィルタおよび弾性表面波フィルタの周波数特性制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1に記載の発明は、2つの弾性表面波フィルタを直列に接続した弾性表面波フィルタであって、前記2つの弾性表面波フィルタの温度をそれぞれ検出する温度検出手段と、少なくとも1つの前記弾性表面波フィルタの温度を変化させる温度調節手段と、前記温度検出手段により得られた前記2つの弾性表面波フィルタの温度から前記2つの弾性表面波フィルタの温度差を算出し、該温度差が所定の温度差になるように前記温度調節手段を制御する温度制御手段とを備えることを特徴とする。
これにより、弾性表面波フィルタの群遅延および挿入損失の周波数特性をの変調精度の劣化を低減することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、前記2つの弾性表面波フィルタの温度の温度差は、前記2つの弾性表面波フィルタのそれぞれの周波数特性におけるピークがインターリーブする温度差であることを特徴とする。
これにより、一方の弾性表面波フィルタの通過帯域内リップルの山(ピーク点)ともう一方の弾性表面波フィルタの通過帯域内リップルの谷(ボトム点)とが重なるように、2つの弾性表面波フィルタの温度差を一定に管理することができ、2つの弾性表面波フィルタにより合成された周波数特性に生じるリップルを低減することができる。この結果、弾性表面波フィルタによる変調精度の劣化を低減することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、直列に接続された2つの弾性表面波フィルタと、前記2つの弾性表面波フィルタの温度をそれぞれ検出する温度検出手段と、少なくとも1つの前記弾性表面波フィルタの温度を変化させる温度調節手段と、前記温度検出手段により得られた前記2つの弾性表面波フィルタの温度から前記2つの弾性表面波フィルタの温度差を算出し、該温度差が所定の温度差になるように前記温度調節手段を制御する温度制御手段とを備える電子装置である。
これにより、振幅や群遅延偏差の周波数特性を改善することができ通信装置における変調精度を改善することができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、前記2つの弾性表面波フィルタの温度の温度差は、
前記2つの弾性表面波フィルタのそれぞれの周波数特性におけるピークがインターリーブする温度差であることを特徴とする電子装置である。
これにより、弾性表面波フィルタのリップル特性を改善することができ、振幅や群遅延偏差の周波数特性が改善するため通信装置における変調精度を改善することができる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、2つの弾性表面波フィルタを直列に接続した弾性表面波フィルタにおける周波数特性制御方法であって、前記2つの弾性表面波フィルタの温度をそれぞれ検出する温度検出過程と、前記温度検出過程により得られた前記2つの弾性表面波フィルタの温度から前記2つの弾性表面波フィルタの温度差を算出し、該温度差が所定の温度差になるように、少なくとも1つの前記弾性表面波フィルタの温度を変化させる温度制御過程とを有することを特徴とする。
これにより、弾性表面波フィルタの群遅延および挿入損失の周波数特性をの変調精度の劣化を低減することができる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、前記2つの弾性表面波フィルタの温度の温度差は、前記2つの弾性表面波フィルタのそれぞれの周波数特性におけるピークがインターリーブする温度差であることを特徴とする。
これにより、一方の弾性表面波フィルタの通過帯域内リップルの山(ピーク点)ともう一方の弾性表面波フィルタの通過帯域内リップルの谷(ボトム点)とが重なるように、2つの弾性表面波フィルタの温度差を一定に管理することができ、2つの弾性表面波フィルタにより合成された周波数特性に生じるリップルを低減することができる。この結果、弾性表面波フィルタによる変調精度の劣化を低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、多段構成の弾性表面波フィルタを用いた電子装置において、弾性表面波フィルタの周波数特性のリップルを簡易な方法により低減し、弾性表面波フィルタによる変調精度の劣化を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態による弾性表面波フィルタを図面を参照して説明する。
<第1の実施の形態>
図1は第1の実施形態の構成を示すブロック図である。図1において、弾性表面波フィルタ1の出力は、弾性表面波フィルタ2へ入力するように接続されており、同一の弾性表面波フィルタを直列接続した2段の弾性表面波フィルタ構成を有している。第1の弾性表面波フィルタ1には、温度センサ3と温度調節部5が付設され、この温度センサ3の出力に基づいて、温度調節部5により弾性表面波フィルタ1の温度を上昇または低下させる制御を行う。同様に、第2の弾性表面波フィルタ2にも、温度センサ4と温度調節部6が付設され、この温度センサ4の出力に基づいて温度調節部6により弾性表面波フィルタ2の温度を上昇または低下させる制御を行う。温度調節部5、6は例えば、ペルチェ素子で構成すればよい。弾性表面波フィルタ1、2の温度を制御する制御回路10は、内部に温度制御部11、および記憶部20を有している。記憶部20内には、温度管理情報21として、弾性表面波フィルタ1の通過帯域内リップルの山(ピーク点)と、弾性表面波フィルタ2の通過帯域内リップルの谷(ボトム点)とが重なるようにするために必要な温度差(ΔT)の情報が記憶されている。温度制御部11は、温度センサ3、4のそれぞれから弾性表面波フィルタ1、2の温度T1、T2の情報を受け取り、|T1−T2|=ΔTになるように、温度調節部5及び温度調節部6の制御を行う。
【0015】
ここで、2段構成の弾性表面波フィルタの変調精度の劣化を低減させる原理について説明する。図1に示す2段構成の弾性表面波フィルタにおいては、弾性表面波フィルタの温度特性による周波数のずれを利用している。弾性表面波フィルタにおいては、温度変化により、群遅延および挿入損失の周波数特性曲線がほぼ相似な形状のまま周波数軸方向にシフト移動する特性を有している。このため、2つの弾性表面波フィルタ1および弾性表面波フィルタ2をそれぞれ異なる温度条件で使用し、温度特性による変化量が2つの弾性表面波フィルタの合成された特性になるようにする。
【0016】
すなわち、一方の弾性表面波フィルタ1の通過帯域内リップルの山(ピーク点)と、もう一方の弾性表面波フィルタ2の通過帯域内リップルの谷(ボトム点)とが重なるように温度管理を行うことにより、2つの弾性表面波フィルタ1および弾性表面波フィルタ2により合成された周波数特性に生じるリップルを低減(相殺)することができる。これにより、弾性表面波フィルタによる変調精度の劣化を低減することができる。
【0017】
図4は、弾性表面波フィルタ1と弾性表面波フィルタ2の群遅延の周波数特性の例を示す図であり、弾性表面波フィルタ1の通過帯域内リップルの山と、もう一方の弾性表面波フィルタ2の通過帯域内リップルの谷が重なるように弾性表面波フィルタ1および2の温度管理を行う例を示している。この例では、弾性表面波フィルタ2の温度を弾性表面波フィルタ1の温度より一定温度(これがΔTとなる)だけ高くしている。
【0018】
図4において、aで示す実線が弾性表面波フィルタ1の群遅延の周波数特性曲線であり、約0℃における周波数特性曲線である。また、bで示す破線が弾性表面波フィルタ2の群遅延の周波数特性曲線であり、約40℃における周波数特性曲線である。図4に示すように、弾性表面波フィルタ1と弾性表面波フィルタ2に40℃の温度差を与えることにより、弾性表面波フィルタ2の群遅延周波数特性曲線bは、弾性表面波フィルタ1の群遅延周波数特性曲線aとほぼ相似な形状を維持しつつ、周波数がΔfだけずれ、弾性表面波フィルタ1の周波数特性曲線のピーク点と、弾性表面波フィルタ2の周波数特性曲線のボトム点とが重なるようになる。
【0019】
したがって、弾性表面波フィルタ1と弾性表面波フィルタ2を総合した群遅延の周波数特性は、図5に示すように、全体に群遅延量が2倍になるとと共に、その通過帯域内の群遅延の周波数特性は、図4に比較してピーク点とボトム点とが打ち消しあいリップルが低減していることが分かる。通常は2段でフイルタを構成するとリップルは2倍になるが、本例では、1段のリップル程度の幅に収めることができる。
【0020】
また、図6は、弾性表面波フィルタ1と弾性表面波フィルタ2の挿入損失の周波数特性の例を示す図である。図6において、aで示す実線は弾性表面波フィルタ1の挿入損失の周波数特性曲線であり、約0℃における周波数特性曲線である。bで示す破線は弾性表面波フィルタ2の挿入損失の周波数特性曲線であり、約40℃における周波数特性曲線である。図6に示すように、弾性表面波フィルタ1の挿入損失の周波数特性曲線aと、弾性表面波フィルタ2の挿入損失の周波数特性曲線bは、ほぼ相似であり、周波数がΔfだけずれ、弾性表面波フィルタ1の周波数特性曲線のピーク点と、弾性表面波フィルタ2の周波数特性曲線のボトム点とが重なるようになる。
【0021】
したがって、弾性表面波フィルタ1と弾性表面波フィルタ2を総合した挿入損失の周波数特性は、図7に示すように、全体の挿入損失量が2倍になるとと共に、その通過帯域内の挿入損失の周波数特性は、図6に比較してリップルが低減し平坦になっていることが分かる。通常は2段でフィルタを構成するとリップルは2倍になるが、本例では、1段のリップル程度の幅に収めることができる。
【0022】
このように、2つの弾性表面波フィルタ1と弾性表面波フィルタ2の温度管理を行うことにより、一方の弾性表面波フィルタ1の通過帯域内リップルの山(ピーク点)と、もう一方の弾性表面波フィルタ2の通過帯域内リップルの谷(ボトム点)とが重なるようにでき、2つの弾性表面波フィルタ1および2により合成された周波数特性に生じるリップルを低減(相殺)することができる。この結果、弾性表面波フィルタによる変調精度の劣化を低減することができる。
なお、2つの弾性表面波フィルタを2段直列接続すると、群遅延量及び挿入損失が2倍になるため、予め1段あたりの群遅延量及び挿入損失を所望の値の半分にしておくことで2段直列接続した場合の値を所望量にすることができる。
【0023】
次に、図2を参照して、図1に示す制御回路10の動作を説明する。図2は、図1に示す制御回路10の制御動作を示すフローチャートである。まず温度制御部11は、温度センサ3の出力T1と温度センサ4の出力T2をそれそれ読み込み、内部に保持する(ステップS1、S2)。そして、温度制御部11は、記憶部20に記憶されている温度差ΔTを読み込み、それぞれ読み込んだ値が、|T1−T2|=ΔTの関係を満たしているか否かを判定する(ステップS3)。この判定の結果、|T1−T2|=ΔTの関係を満たしていれば、温度制御部11は、ステップS1へ戻り同じ処理を繰り返し実行する。
【0024】
一方、|T1−T2|=ΔTの関係を満たしていない場合、温度制御部11は、検出温度が高い方の弾性表面波フィルタ側の温度調節部の温度を現状維持するように制御し、検出温度の低い方の弾性表面波フィルタ側の温度調節部の温度が、検出温度の高い方の温度よりΔTだけ低い温度になるように制御する温度制御信号を温度調節部5、6のそれぞれに対して出力する(ステップS4、S5)。ただし、2つの弾性表面波フィルタ1、2の温度が高い方へ徐々に移行していくことを防止するために、2つの弾性表面波フィルタ1、2のうち、検出温度が高い方の弾性表面波フィルタが所定温度(例えば、70℃)を超えないように制御することが望ましい。これにより、弾性表面波フィルタ1、2の温度制御が行われ、この処理動作を繰り返しすことにより、|T1−T2|=ΔTを維持するように温度制御が行われる。
このように、2つの弾性表面波フィルタ1および弾性表面波フィルタ2の温度管理を簡単な処理手順により行うことができる。
【0025】
なお、弾性表面波フィルタを3段以上直列接続する場合は、奇数段では本発明によるリップル低減効果を十分には発揮できない(2つの弾性表面波フィルタのペアでリップルを低減するため)ため、直列接続するのは偶数段である必要がある。
【0026】
<第2の実施の形態>
次に、図3を参照して、第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態の構成を示すブロック図である。図3に示す構成が図1に構成と異なる点は、弾性表面波フィルタ1の温度を調節する温度調節部5が取り除かれている点である。
第1の実施の形態では、2つの弾性表面波フィルタ1、2それぞれの温度を調節するようにしたが、弾性表面波フィルタ1の温度T1と、弾性表面波フィルタ2の温度T2は、その温度差ΔTが一定でありさえすればよく、「T1>T2」または「T1<T2」のいずれであってもよく、さらに、2つの弾性表面波フィルタ1と弾性表面波フィルタ2の温度差が一定でありさえすれば、T1およびT2は一定値である必要はない。したがって、図3に示す弾性表面波フィルタ1の温度T1は原則的に常温(弾性表面波フィルタ2が置かれている環境温度と同じ)になるため、弾性表面波フィルタ2の温度のみを温度調節部6によって変化させるだけでも第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。この場合、温度制御する手順において、図2に示すステップS4を省略して、ステップS1〜S3及びステップS5のみを行えばよい。
なお、温度調節部6は、弾性表面波フィルタ1側に設けるようにしてもよい。
【0027】
このように、2段構成の弾性表面波フィルタの内の一方の温度を制御し、2つの弾性表面波フィルタの温度差を一定に管理することにより、第1の実施の形態の場合と同様に、群遅延や挿入損失の周波数特性におけるリップルを低減できる。また、第1の実施の形態の場合よりも、回路構成と制御方法をより簡単にすることができる。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、弾性表面波フィルタを用いた電子装置、および弾性表面波フィルタは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、多段構成の弾性表面波フィルタを用いた電子装置において、弾性表面波フィルタの周波数特性のリップルを簡易な方法により低減し、弾性表面波フィルタによる変調精度の劣化を低減する効果を奏するので、本発明は、弾性表面波フィルタを用いた電子装置、および弾性表面波フィルタの周波数特性を改善する場合などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】弾性表面波フィルタの第1の構成例を示す図である。
【図2】図2に示す制御回路における処理手順を示すフローチャートである。
【図3】弾性表面波フィルタの第2の構成例を示す図である。
【図4】2つの弾性表面波フィルタの群遅延の周波数特性の例を示す図である。
【図5】2つの弾性表面波フィルタの合成された群遅延の周波数特性を示す図である。
【図6】2つの弾性表面波フィルタの挿入損失の周波数特性の例を示す図である。
【図7】2つの弾性表面波フィルタの合成された挿入損失の周波数特性を示す図である。
【図8】汎用の弾性表面波フィルタの群遅延の周波数特性の例を示す図である。
【図9】汎用の弾性表面波フィルタの挿入損失の周波数特性の例を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
1、2 弾性表面波フィルタ
3、4 温度センサ
5、6 温度調節部
10 制御回路
11 温度制御部
20 記憶部
21 温度管理情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの弾性表面波フィルタを直列に接続した弾性表面波フィルタであって、
前記2つの弾性表面波フィルタの温度をそれぞれ検出する温度検出手段と、
少なくとも1つの前記弾性表面波フィルタの温度を変化させる温度調節手段と、
前記温度検出手段により得られた前記2つの弾性表面波フィルタの温度から前記2つの弾性表面波フィルタの温度差を算出し、該温度差が所定の温度差になるように前記温度調節手段を制御する温度制御手段と
を備えることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
【請求項2】
前記2つの弾性表面波フィルタの温度の温度差は、
前記2つの弾性表面波フィルタのそれぞれの周波数特性におけるピークがインターリーブする温度差であることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
【請求項3】
直列に接続された2つの弾性表面波フィルタと、
前記2つの弾性表面波フィルタの温度をそれぞれ検出する温度検出手段と、
少なくとも1つの前記弾性表面波フィルタの温度を変化させる温度調節手段と、
前記温度検出手段により得られた前記2つの弾性表面波フィルタの温度から前記2つの弾性表面波フィルタの温度差を算出し、該温度差が所定の温度差になるように前記温度調節手段を制御する温度制御手段と
を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項4】
前記2つの弾性表面波フィルタの温度の温度差は、
前記2つの弾性表面波フィルタのそれぞれの周波数特性におけるピークがインターリーブする温度差であることを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
2つの弾性表面波フィルタを直列に接続した弾性表面波フィルタにおける周波数特性制御方法であって、
前記2つの弾性表面波フィルタの温度をそれぞれ検出する温度検出過程と、
前記温度検出過程により得られた前記2つの弾性表面波フィルタの温度から前記2つの弾性表面波フィルタの温度差を算出し、該温度差が所定の温度差になるように、少なくとも1つの前記弾性表面波フィルタの温度を変化させる温度制御過程と
を有することを特徴とする弾性表面波フィルタの周波数特性制御方法。
【請求項6】
前記2つの弾性表面波フィルタの温度の温度差は、
前記2つの弾性表面波フィルタのそれぞれの周波数特性におけるピークがインターリーブする温度差であることを特徴とする請求項3に記載の周波数特性制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−157545(P2006−157545A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−345929(P2004−345929)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】