形状測定装置、及び形状測定方法
【課題】誤差を抑制して回転テーブルの座標系を定める形状測定装置、形状測定方法を提供する。
【解決手段】形状測定装置は、回転テーブル50、回転テーブル50の表面から第1方向に距離h1をもって位置する基準球61b、回転テーブル50の表面から第1方向に距離h2(h2>h1)をもって位置する基準球61cを備える。制御部31は、回転テーブル50を回転軸周りに120°ずつ3回にわたって回転させ、120°回転毎に接触子17aを基準球61b、61cに追従させる。制御部31は、基準球61bの球心位置Ma11〜Ma13を通る円C1の中心位置O1と、基準球61cの球心位置Ma21〜Ma23を通る円C2の中心位置O2を求め、各中心位置O1,O2を通る直線A1をZT軸として算出する。
【解決手段】形状測定装置は、回転テーブル50、回転テーブル50の表面から第1方向に距離h1をもって位置する基準球61b、回転テーブル50の表面から第1方向に距離h2(h2>h1)をもって位置する基準球61cを備える。制御部31は、回転テーブル50を回転軸周りに120°ずつ3回にわたって回転させ、120°回転毎に接触子17aを基準球61b、61cに追従させる。制御部31は、基準球61bの球心位置Ma11〜Ma13を通る円C1の中心位置O1と、基準球61cの球心位置Ma21〜Ma23を通る円C2の中心位置O2を求め、各中心位置O1,O2を通る直線A1をZT軸として算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触子を用いて変位測定を行う3次元測定装置などの形状測定装置、及び形状測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接触子を被測定物(以下、ワーク)に追従させて、その接触子とワークとの接触に基づき、ワークの形状を測定する3次元測定装置が知られている。さらに、回転テーブル(ロータリーテーブル)を設けた3次元測定装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。回転テーブルは、ワークを載置可能に且つ回転軸を中心にワークを回転可能に構成されている。
【0003】
上記回転テーブルを使用して測定を行なう場合には、事前に回転テーブルの座標系の設定を行なう必要がある。回転テーブルの座標系の登録には、通常、回転テーブルの上面端に固定した基準球(マスタボール)が用いられる。例えば、3次元測定装置は、回転テーブルを所定角度から0°、120°、240°回転させ、各々の回転角における基準球の中心位置を測定する。続いて、3次元測定装置は、それら測定された基準球の中心位置を通る円平面、その円平面の中心を算出する。そして、3次元測定装置は、円平面の中心を通り且つ円平面に直交する法線を計算し、その法線を回転テーブルの座標系のZ軸として使用する。
【0004】
【特許文献1】特開2001−264048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、回転テーブルの回転軸が振れ回る場合、上記座標系の設定方法を用いると、回転テーブルの上面から所定長さ離れた位置において測定された円筒軸の直径値は、回転テーブルの上面近くの直径値より大きく求まる。つまり、従来の回転テーブルの座標系の設定方法は、回転軸の振れ回りに対応しておらず、誤差が大きく信頼性に欠ける。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、誤差を抑制して回転テーブルの座標系を定める形状測定装置、及び形状測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る形状測定装置は、被測定物の表面形状を測定する形状測定装置であって、接触子と前記被測定物との接触に基づき位置情報を取得する位置情報取得部と、前記被測定物を載置可能に構成され且つ回転軸を中心に回転する回転テーブルと、前記回転テーブルの表面から第1方向に第1距離をもって位置する第1の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第1情報提供部と、前記回転テーブルの表面から前記第1方向に前記第1距離よりも長い第2距離をもって位置する第2の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第2情報提供部と、前記接触子及び前記回転テーブルの駆動を制御する駆動制御部と、前記回転テーブル上の座標系を構成する座標軸を算出する座標系算出部とを備え、前記駆動制御部は、前記回転テーブルを前記回転軸周りに(360/n)度(n:3以上の整数)ずつn回にわたって回転させ、前記(360/n)度回転させる毎に前記接触子を前記第1情報提供部及び前記第2情報提供部に追従させ、前記座標系算出部は、前記第1情報提供部にて取得した前記第1の位置を通る第1の円の第1の中心を求め、前記第2情報提供部にて取得した前記第2の位置を通る第2の円の第2の中心を求め、前記第1の中心及び前記第2の中心を通る直線を前記座標軸として算出することを特徴とする。
【0008】
上記構成により、形状測定装置は、回転テーブル上の座標系を構成する座標軸を算出することができる。
【0009】
前記第1情報提供部は、前記回転テーブルの表面から前記第1方向に延びる第1柱状部と、前記回転テーブルの表面から前記第1長さをもって前記第1柱状部に中心を設け球状に形成された第1球状部とを備え、前記第2情報提供部は、前記回転テーブルの表面から前記第1方向に延びる第2柱状部と、前記回転テーブルの表面から前記第2長さをもって前記第2柱状部に中心を設け球状に形成された第2球状部とを備える構成としてもよい。
【0010】
本発明に係る形状測定方法は、接触子と被測定物との接触に基づき位置情報を取得する位置情報取得部と、前記被測定物を載置可能に構成され且つ回転軸を中心に回転する回転テーブルと、前記回転テーブルの表面から第1方向に第1距離をもって位置する第1の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第1情報提供部と、前記回転テーブルの表面から前記第1方向に前記第1距離よりも長い第2距離をもって位置する第2の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第2情報提供部と、前記接触子及び前記回転テーブルの駆動を制御する駆動制御部と、前記回転テーブル上の座標系を構成する座標軸を算出する座標系算出部とを備える形状測定装置を用いて、前記被測定物の表面形状を測定する形状測定方法であって、前記駆動制御部にて前記回転テーブルを前記回転軸周りに(360/n)度(n:3以上の整数)ずつn回にわたって回転させ、前記(360/n)度回転させる毎に前記接触子を前記第1情報提供部及び前記第2情報提供部に追従させる工程と、前記第1情報提供部にて取得した前記第1の位置を通る第1の円の第1の中心を求め、前記第2情報提供部にて取得した前記第2の位置を通る第2の円の第2の中心を求め、前記第1の中心及び前記第2の中心を通る直線を前記座標軸として算出させる工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、誤差を抑制して回転テーブルの座標系を定める形状測定装置、及び形状測定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る形状測定装置を図面と共に説明する。
【0013】
(実施形態に係る形状測定装置の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る形状測定装置の概略構成を示す斜視図である。この形状測定装置は、3次元測定機1と、この3次元測定機1を駆動制御して必要な測定値を取り込むと共に形状処理に必要な演算処理を実行するコンピュータ2とから構成されている。
【0014】
3次元測定機1は、例えば図1に示すように構成されており、除震台10の上には、定盤11がその上面をベース面として水平面と一致するように載置され、この定盤11の両端側から立設されたビーム支持体12a,12bの上端でX軸方向に延びるビーム13を支持している。ビーム支持体12aは、その下端がY軸駆動機構14によってY軸方向に駆動される。また、ビーム支持体12bは、その下端がエアーベアリングによって定盤11にY軸方向に移動可能に支持されている。ビーム13は、垂直方向(Z軸方向)に延びるコラム15を支持する。コラム15は、ビーム13に沿ってX軸方向に駆動される。コラム15には、スピンドル16がコラム15に沿ってZ軸方向に駆動されるように設けられている。スピンドル16の下端には、接触式のプローブ17が装着されている。また、プローブ17の先端には、任意形状、例えば楕円球形状の接触子17aが形成されている。この接触子17aにてワーク71に対して倣い測定が行われ、その測定に伴うXYZ座標値をコンピュータ2が取り込むように構成されている。
【0015】
定盤11上の所定位置には、後述するマシン座標系を設定するために用いられる定盤用基準球61aが装着されている。この定盤用基準球61aは、鋼球やセラミック球等である。定盤用基準球61aの半径は、既知である。つまり、3次元測定機1は、接触子17aの倣い測定により、定盤用基準球61aの中心位置を一意に特定することができる。
【0016】
定盤用基準球61aは、定盤用柱状部62aを介して、定盤11の上面から回定盤11の上面に直交する方向に所定高さh0をもって設けられている。定盤用柱状部62aは、定盤用チャック63aにより定盤11に固定されている。
【0017】
図2は、3次元測定機1の定盤11の断面図である。図1及び図2に示すように、定盤11は、その上面に凹部11Aを有する。その凹部11Aの中には、回転テーブル50が設けられている。回転テーブル50は、ワーク71を載置可能に且つワーク71が回転軸Hを中心に回転可能に構成されている。回転テーブル50は、その中心に貫通孔50Aを有する。貫通孔50Aは、長尺のワーク71を回転テーブル50に載置するために設けられている。
【0018】
回転テーブル50上には、第1基準球61b、及び第2基準球61cが設けられている。第1基準球61b、及び第2基準球61cは、鋼球やセラミック球等である。第1基準球61b及び第2基準球61cの半径は、既知である。つまり、3次元測定機1は、接触子17aの倣い測定により、第1基準球61b及び第2基準球61cの中心位置を一意に決定することができる。
【0019】
第1基準球61bは、第1柱状部62bを介して、回転テーブル50の上面から回転テーブル50の上面に直交する方向に第1の高さh1をもって設けられている。第1柱状部62bは、第1チャック63bにより回転テーブル50に固定されている。第1基準球61b(第1情報提供部)は、回転テーブル50の表面から第1方向に第1距離をもって位置する第1の位置を制御部31(後述するCPU31)にて取得可能に構成されている。
【0020】
第2基準球61cは、第2柱状部62cを介して、回転テーブル50の上面から回転テーブル50の上面に直交する方向に第2の高さh2をもって設けられている。第2の高さh2は、第1の高さよりh1より高い。第2柱状部62cは、第2チャック63cにより回転テーブル50に固定されている。第2基準球61c(第2情報提供部)は、回転テーブル50の表面から第1方向に第1距離よりも長い第2距離をもって位置する第2の位置を制御部31(後述するCPU31)にて取得可能に構成されている。
【0021】
第1基準球61b(第1柱状部62b、第1チャック63b)及び第2基準球61c(第2柱状部62c、第2チャック63c)は、回転テーブル50の中心(回転軸H)から所定長さ離れた位置に設けられている。第2基準球61c(第2柱状部62c、第2チャック63c)は、第1基準球61b(第1柱状部62b、第1チャック63b)と回転テーブル50の中心(回転軸H)から180°反対側の位置に設けられている。
【0022】
続いて、コンピュータ2の構成を説明する。コンピュータ2は、図1に示すように、コンピュータ本体21、キーボード22、マウス23、CRT24及びプリンタ25を備えて構成されている。
【0023】
コンピュータ本体21は、図3に示すように構成されている。図3は、本発明の実施形態に係るコンピュータ本体21の構成を示すブロック図である。
【0024】
コンピュータ本体21は、主に、CPU(制御部)31、RAM32、ROM33、HDD(記憶部)34、表示制御部35を有する。コンピュータ本体21において、キーボード22、及びマウス23から入力されるコード情報及び位置情報は、I/F36aを介してCPU31に入力される。CPU31は、ROM33に格納されたマクロプログラム及びHDD34からI/F36bを介してRAM32に格納された各種プログラムに従って、測定実行処理、及び後述する回転テーブル座標系算出処理等を実行する。
【0025】
CPU31は、測定実行処理に従って、I/F36cを介して3次元測定機1を制御する。HDD34は、各種制御プログラムを格納する記録媒体である。RAM32は、各種プログラムを格納する他、各種処理のワーク領域を提供する。また、CPU31は、表示制御部35を介してCRT24に測定結果等を表示する。
【0026】
CPU(制御部)31は、HDD34から各種プログラムを読み出し、そのプログラムを実行することにより各種機能を有する。CPU(制御部)31は、接触子17aとワーク71との接触に基づき位置情報を取得する位置情報取得部として機能する。CPU(制御部)31は、接触子17a及び回転テーブル50の駆動を制御する駆動制御部として機能する。CPU31(制御部)は、回転テーブル50上の座標系(回転テーブル座標系(XT、YT、ZT))を構成するZT軸(座標軸)を算出する座標系算出部として機能する。
【0027】
さらに、CPU31(制御部)は、回転テーブル50を回転軸H周りに120°ずつ3回にわたって回転させ、120°回転させる毎に接触子17aを第1基準球61b及び第2基準球61cに追従させる。さらに、CPU31(制御部)は、取得した複数の第1基準球61bの中心位置を通る第1の円の第1の中心を求め、取得した複数の第2基準球61cの中心位置を通る第2の円の第2の中心を求め、第1の中心及び第2の中心を通る直線AをZT軸(座標軸)として算出する。
【0028】
(座標系の説明)
次に、図4を参照して、本実施形態にて用いられる座標系について説明する。図4は、本実施形態に係る座標系を説明する図である。
【0029】
本実施形態においては、スケール座標系(XS、YS、ZS)、マシン座標系(XM、YM、ZM)、回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)、回転時テーブル座標系(XTθ、YTθ、ZTθ)、ワーク座標系(XW、YW、ZW)が設定されている。
【0030】
スケール座標系(XS、YS、ZS)は、予め設定された絶対位置を原点OSとする3次元測定機1(機械)の座標系である。マシン座標系(XM、YM、ZM)
は、定盤用基準球61aの中心位置を原点OMとなるようにスケール座標系(XS、YS、ZS)を平行移動させた座標系である。
【0031】
回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)は、回転角度が0°の時の回転テーブル50の上面の中心を原点OTとする座標系である。回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)は、回転テーブル50が回転した場合であっても変化しない。回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)は、回転テーブル50の中心を原点OTとして、回転テーブル50の中心軸方向をZTとする直交座標系である。
【0032】
回転時テーブル座標系(XTθ、YTθ、ZTθ)は、回転テーブル50を回転角θだけ回転させた時の回転テーブル50の中心を原点OTとする座標系である。回転時テーブル座標系(XTθ、YTθ、ZTθ)は、回転テーブル50が回転する度に変化する。
【0033】
ワーク座標系(XW、YW、ZW)は、ワーク71の上面をXWYW平面、ワーク71の上面の所定位置を原点OWとする座標系である。
【0034】
つまり、図4に示すように、定盤11の上方に位置する任意の点Pは、以下に示す数式1のように各種座標系にて表すことができる。
【0035】
【数1】
【0036】
続いて、各座標系の原点から、各座標系の軸に沿ってその正方向に延びるベクトルの算出方法について説明する。なお、以下において、スケール座標系(XS、YS、ZS)におけるベクトルXSは、以下に示す(数式2)のように表す。マシン座標系(XM、YM、ZM)におけるベクトルXMは、以下に示す(数式3)のように表す。回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)におけるベクトルXTは、以下に示す(数式4)のように表す。回転時テーブル座標系(XTθ、YTθ、ZTθ)におけるベクトルXTθは、以下に示す(数式5)のように表す。ワーク座標系(XW、YW、ZW)におけるベクトルXWは、以下に示す(数式6)のように表す。
【0037】
【数2】
【0038】
また、原点OSから原点OMへ向かうベクトルOMは、以下に示す(数式7)のように表す。原点OMから原点OTへ向かうベクトルOTは、以下に示す(数式8)のように表す。原点OTから原点OWへ向かうベクトルOWは、以下に示す(数式9)のように表す。
【0039】
【数3】
【0040】
ベクトルXMは、以下に示す(数式10)のように表すことができる。
【0041】
【数4】
【0042】
ベクトルXTは、以下に示す(数式11)のように表すことができる。
【0043】
【数5】
【0044】
変換マトリクスM1は、以下に示す(数式12)のように表される。(数式12)において、1行目は、XT軸の単位ベクトル成分を示し、2行目は、YT軸の単位ベクトル成分を示し、3行目は、ZT軸の単位ベクトル成分を示す。座標系は、右手系であるので、変換マトリクスM1の行列式の値は、「+1」でなくてはならない。
【0045】
【数6】
【0046】
ベクトルXTθは、以下に示す(数式13)のように表すことができる。
【0047】
【数7】
【0048】
回転マトリクスM2は、以下に示す(数式14)のように表される。座標系は、右手系であるので、回転マトリクスM2の行列式の値は、「+1」でなくてはならない。
【0049】
【数8】
【0050】
ベクトルXWは、以下に示す(数式15)のように表すことができる。
【0051】
【数9】
【0052】
変換マトリクスM3は、以下に示す(数式16)のように表される。(数式16)において、1行目は、XW軸の単位ベクトル成分を示し、2行目は、YW軸の単位ベクトル成分を示し、3行目は、ZW軸の単位ベクトル成分を示す。座標系は、右手系であるので、変換マトリクスM3の行列式の値は、「+1」でなくてはならない。
【0053】
【数10】
【0054】
上記の(数式10)〜(数式16)より、ベクトルXWは、以下に示す(数式17)のように表すことができる。
【0055】
【数11】
【0056】
(実施形態における回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)の算出処理)
次に、図5を参照して、実施形態における回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)の算出処理について説明する。図5は、実施形態における回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)の算出処理を示すフローチャートである。なお、図5に示す処理は、記憶部に格納されたプログラム等を制御部31により実行してなされるものである。
【0057】
図5に示すように、先ず、制御部31は、回転テーブル50の回転角を所定角度に設定する(ステップS101)。
【0058】
次に、制御部31は、図6の第1状態Iに示すように接触子17aにて第1基準球61bを追従させ、その第1基準球61bの球心位置を測定する(ステップS102)。続いて、制御部31は、図6の第2状態IIに示すように接触子17aにて第2基準球61cを追従させ、その第2基準球61cの球心位置を測定する(ステップS103)。
【0059】
次に、制御部31は、回転テーブル50を360°回転させたか否かを判断する(ステップS104)。ここで、制御部31は、回転テーブル50を360°回転させていないと判断すると(ステップS104、N)、回転テーブル50を120°回転させ(ステップS105)、再びステップS102からの処理を繰り返し実行する。一方、制御部31は、回転テーブル50を360°回転させたと判断すると(ステップS104、Y)、後述するステップS106の処理を実行する。
【0060】
ここで、図7は、回転テーブル50の回転及びその回転に伴う第1、第2基準球61b、61cの測定の概略を示す上面図である。ステップS101〜ステップS105の工程を経て、図7(a)〜図7(c)に示すように第1基準球61bの球心位置及び第2基準球61cの球心位置は、回転テーブル50が0°、120°、240°回転した3箇所にて測定される。なお、球心位置は、少なくとも4点以上の位置情報から決定される。
【0061】
図8は、図7の矢印C1方向からみた第1基準球61bの球心位置及び第2基準球61cの球心位置を示す図である。図8(a)〜図8(c)に示すように、回転テーブル50の回転角の変化(0°、120°、240°)に伴い、回転テーブル50の回転軸Hと理想的な軸心Hoとの間は、角度φ1〜φ3に亘って変化する。つまり、回転テーブル50の回転軸Hに振れ回り誤差が生じる。なお、図8(a)に示すように、回転テーブル50が0°回転時、第1基準球61bの球心位置Ma11が測定され、第2基準球61cの球心位置Ma21が測定される。同様に図8(b)に示すように、回転テーブル50が120°回転時、第1基準球61bの球心位置Ma12が測定され、第2基準球61cの球心位置Ma22が測定される。同様に図8(c)に示すように、回転テーブル50が240°回転時、第1基準球61bの球心位置Ma13が測定され、第2基準球61cの球心位置Ma23が測定される。
【0062】
ステップS104に続いて、制御部31は、図9に示すように、測定された第1基準球61bの3つの球心位置Ma11〜Ma13に基づき、それら球心位置Ma11〜Ma13を通る第1の円C1を算出する。さらに、制御部31は、第1の円C1の第1の中心位置O1を算出する(ステップS106)。
【0063】
続いて、制御部31は、図9に示すように、測定された第2基準球61cの3つの球心位置Ma21〜Ma23に基づき、それら球心位置Ma21〜Ma23を通る第2の円C2を算出する。さらに、制御部31は、第2の円C2の第2の中心位置O2を算出する(ステップS107)。
【0064】
次に、制御部31は、図9に示すように、第1の円C1の第1の中心位置O1及び第2の円C2の第2の中心位置O2を通る回転テーブル50の直線Aを算出する(ステップS108)。
【0065】
そして、制御部31は、回転テーブル50の直線Aに基づき回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)を算出する(ステップS109)。ステップS109において、制御部31は、第1の中心位置O1を原点OTとする。制御部31は、原点OT(中心位置O1)から第2の中心位置O2へと向かう直線Aに沿った方向をZT軸(座標軸)とする。例えば、制御部31は、原点OT(第1の中心位置O1)から方向Bに平行な方向をXT軸とする。ここで、方向Bは、回転テーブル50の回転角を0°とした時の第1基準球61bの球心位置Ma11から、回転テーブル50の回転角を120°とした時の第1基準球61bの球心位置Ma12へと向かう方向である。また、制御部31は、ZT軸、及びXT軸に直交する軸をYT軸とする。
【0066】
回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)の算出の後、図10に示すように、回転テーブル50上から、第1基準球61b(第1柱状部62b、第1チャック63b)及び第2基準球61c(第2柱状部62c、第2チャック63c)を取り除く。続いて、回転テーブル50の貫通孔50Aにワーク71を挿入し、回転テーブル50の上面にてワーク71をチャック81により固定する。そして、図10の第3状態IIIに示すように、接触子17aにてワーク71の形状を測定する。
【0067】
(実施形態に係る形状測定装置の効果)
次に、実施形態に係る形状測定装置の効果について説明する。実施形態に係る形状測定装置は、振れ回り誤差を考慮して、上記のように回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)を算出する。したがって、実施形態に係る形状測定装置は、回転テーブル50に振れ回り誤差が生じた場合であっても、誤差を抑制して回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)を算出することができる。
【0068】
(その他の実施形態)
以上、発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、追加、置換等が可能である。
【0069】
例えば、本発明に係る形状測定装置は、第1基準球61bを有する構成に限られるものではない。本発明に係る形状測定装置は、第1基準球61bの代わりに、回転テーブル50の表面から第1方向に第1距離をもって位置する第1の位置を制御部31にて取得可能な構成を有していれば良い。
【0070】
例えば、本発明に係る形状測定装置は、第2基準球61cを有する構成に限られるものではない。本発明に係る形状測定装置は、第2基準球61cの代わりに、回転テーブル50の表面から第1方向に第1距離よりも長い第2距離をもって位置する第2の位置を制御部31にて取得可能な構成を有していれば良い。
【0071】
例えば、本発明に係る形状測定装置は、回転テーブル50を120°ずつ回転させる構成に限られるものではない。本発明に係る形状測定装置は、回転テーブル50を回転軸H周りに(360/n)度(n:3以上の整数)ずつn回にわたって回転させ、(360/n)度回転させる毎に接触子17aを第1基準球61b及び第2基準球61cに追従させる構成であれば良い。
【0072】
例えば、本発明に係る形状測定装置は、回転テーブル50を360°回転させて第1基準球61bに係る球心位置Ma11〜Ma13を測定し、その後にさらに回転テーブル50を360°回転させて第2基準球61cに係る球心位置Ma21〜Ma23を測定する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態に係る形状測定装置の概略構成図である。
【図2】実施形態に係る3次元測定機1の定盤11の断面図である。
【図3】実施形態に係るコンピュータ本体21の機能ブロック図である。
【図4】各座標系を説明する図である。
【図5】実施形態に係る回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)の算出処理を示すフローチャートである。
【図6】実施形態に係る接触子17aの動作を示す図である。
【図7】実施形態の回転テーブル50の回転及びその回転に伴う第1、第2基準球61b、61cの測定の概略を示す上面図である。
【図8】図7の矢印C1方向からみた第1基準球61bの球心位置及び第2基準球61cの球心位置を示す図である。
【図9】実施形態に係る回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)を算出する概略を説明する図である。
【図10】実施形態に係るワーク71の形状測定の概略を説明する図である。
【符号の説明】
【0074】
1…3次元測定機、2…コンピュータ、10…除震台、11…定盤、12a,12b…ビーム支持体、13…ビーム、14…Y軸駆動機構、15…コラム、16…スピンドル、17…プローブ、17a…接触子、21…コンピュータ本体、22…キーボード、23…マウス、24…CRT、25…プリンタ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触子を用いて変位測定を行う3次元測定装置などの形状測定装置、及び形状測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接触子を被測定物(以下、ワーク)に追従させて、その接触子とワークとの接触に基づき、ワークの形状を測定する3次元測定装置が知られている。さらに、回転テーブル(ロータリーテーブル)を設けた3次元測定装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。回転テーブルは、ワークを載置可能に且つ回転軸を中心にワークを回転可能に構成されている。
【0003】
上記回転テーブルを使用して測定を行なう場合には、事前に回転テーブルの座標系の設定を行なう必要がある。回転テーブルの座標系の登録には、通常、回転テーブルの上面端に固定した基準球(マスタボール)が用いられる。例えば、3次元測定装置は、回転テーブルを所定角度から0°、120°、240°回転させ、各々の回転角における基準球の中心位置を測定する。続いて、3次元測定装置は、それら測定された基準球の中心位置を通る円平面、その円平面の中心を算出する。そして、3次元測定装置は、円平面の中心を通り且つ円平面に直交する法線を計算し、その法線を回転テーブルの座標系のZ軸として使用する。
【0004】
【特許文献1】特開2001−264048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、回転テーブルの回転軸が振れ回る場合、上記座標系の設定方法を用いると、回転テーブルの上面から所定長さ離れた位置において測定された円筒軸の直径値は、回転テーブルの上面近くの直径値より大きく求まる。つまり、従来の回転テーブルの座標系の設定方法は、回転軸の振れ回りに対応しておらず、誤差が大きく信頼性に欠ける。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、誤差を抑制して回転テーブルの座標系を定める形状測定装置、及び形状測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る形状測定装置は、被測定物の表面形状を測定する形状測定装置であって、接触子と前記被測定物との接触に基づき位置情報を取得する位置情報取得部と、前記被測定物を載置可能に構成され且つ回転軸を中心に回転する回転テーブルと、前記回転テーブルの表面から第1方向に第1距離をもって位置する第1の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第1情報提供部と、前記回転テーブルの表面から前記第1方向に前記第1距離よりも長い第2距離をもって位置する第2の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第2情報提供部と、前記接触子及び前記回転テーブルの駆動を制御する駆動制御部と、前記回転テーブル上の座標系を構成する座標軸を算出する座標系算出部とを備え、前記駆動制御部は、前記回転テーブルを前記回転軸周りに(360/n)度(n:3以上の整数)ずつn回にわたって回転させ、前記(360/n)度回転させる毎に前記接触子を前記第1情報提供部及び前記第2情報提供部に追従させ、前記座標系算出部は、前記第1情報提供部にて取得した前記第1の位置を通る第1の円の第1の中心を求め、前記第2情報提供部にて取得した前記第2の位置を通る第2の円の第2の中心を求め、前記第1の中心及び前記第2の中心を通る直線を前記座標軸として算出することを特徴とする。
【0008】
上記構成により、形状測定装置は、回転テーブル上の座標系を構成する座標軸を算出することができる。
【0009】
前記第1情報提供部は、前記回転テーブルの表面から前記第1方向に延びる第1柱状部と、前記回転テーブルの表面から前記第1長さをもって前記第1柱状部に中心を設け球状に形成された第1球状部とを備え、前記第2情報提供部は、前記回転テーブルの表面から前記第1方向に延びる第2柱状部と、前記回転テーブルの表面から前記第2長さをもって前記第2柱状部に中心を設け球状に形成された第2球状部とを備える構成としてもよい。
【0010】
本発明に係る形状測定方法は、接触子と被測定物との接触に基づき位置情報を取得する位置情報取得部と、前記被測定物を載置可能に構成され且つ回転軸を中心に回転する回転テーブルと、前記回転テーブルの表面から第1方向に第1距離をもって位置する第1の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第1情報提供部と、前記回転テーブルの表面から前記第1方向に前記第1距離よりも長い第2距離をもって位置する第2の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第2情報提供部と、前記接触子及び前記回転テーブルの駆動を制御する駆動制御部と、前記回転テーブル上の座標系を構成する座標軸を算出する座標系算出部とを備える形状測定装置を用いて、前記被測定物の表面形状を測定する形状測定方法であって、前記駆動制御部にて前記回転テーブルを前記回転軸周りに(360/n)度(n:3以上の整数)ずつn回にわたって回転させ、前記(360/n)度回転させる毎に前記接触子を前記第1情報提供部及び前記第2情報提供部に追従させる工程と、前記第1情報提供部にて取得した前記第1の位置を通る第1の円の第1の中心を求め、前記第2情報提供部にて取得した前記第2の位置を通る第2の円の第2の中心を求め、前記第1の中心及び前記第2の中心を通る直線を前記座標軸として算出させる工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、誤差を抑制して回転テーブルの座標系を定める形状測定装置、及び形状測定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る形状測定装置を図面と共に説明する。
【0013】
(実施形態に係る形状測定装置の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る形状測定装置の概略構成を示す斜視図である。この形状測定装置は、3次元測定機1と、この3次元測定機1を駆動制御して必要な測定値を取り込むと共に形状処理に必要な演算処理を実行するコンピュータ2とから構成されている。
【0014】
3次元測定機1は、例えば図1に示すように構成されており、除震台10の上には、定盤11がその上面をベース面として水平面と一致するように載置され、この定盤11の両端側から立設されたビーム支持体12a,12bの上端でX軸方向に延びるビーム13を支持している。ビーム支持体12aは、その下端がY軸駆動機構14によってY軸方向に駆動される。また、ビーム支持体12bは、その下端がエアーベアリングによって定盤11にY軸方向に移動可能に支持されている。ビーム13は、垂直方向(Z軸方向)に延びるコラム15を支持する。コラム15は、ビーム13に沿ってX軸方向に駆動される。コラム15には、スピンドル16がコラム15に沿ってZ軸方向に駆動されるように設けられている。スピンドル16の下端には、接触式のプローブ17が装着されている。また、プローブ17の先端には、任意形状、例えば楕円球形状の接触子17aが形成されている。この接触子17aにてワーク71に対して倣い測定が行われ、その測定に伴うXYZ座標値をコンピュータ2が取り込むように構成されている。
【0015】
定盤11上の所定位置には、後述するマシン座標系を設定するために用いられる定盤用基準球61aが装着されている。この定盤用基準球61aは、鋼球やセラミック球等である。定盤用基準球61aの半径は、既知である。つまり、3次元測定機1は、接触子17aの倣い測定により、定盤用基準球61aの中心位置を一意に特定することができる。
【0016】
定盤用基準球61aは、定盤用柱状部62aを介して、定盤11の上面から回定盤11の上面に直交する方向に所定高さh0をもって設けられている。定盤用柱状部62aは、定盤用チャック63aにより定盤11に固定されている。
【0017】
図2は、3次元測定機1の定盤11の断面図である。図1及び図2に示すように、定盤11は、その上面に凹部11Aを有する。その凹部11Aの中には、回転テーブル50が設けられている。回転テーブル50は、ワーク71を載置可能に且つワーク71が回転軸Hを中心に回転可能に構成されている。回転テーブル50は、その中心に貫通孔50Aを有する。貫通孔50Aは、長尺のワーク71を回転テーブル50に載置するために設けられている。
【0018】
回転テーブル50上には、第1基準球61b、及び第2基準球61cが設けられている。第1基準球61b、及び第2基準球61cは、鋼球やセラミック球等である。第1基準球61b及び第2基準球61cの半径は、既知である。つまり、3次元測定機1は、接触子17aの倣い測定により、第1基準球61b及び第2基準球61cの中心位置を一意に決定することができる。
【0019】
第1基準球61bは、第1柱状部62bを介して、回転テーブル50の上面から回転テーブル50の上面に直交する方向に第1の高さh1をもって設けられている。第1柱状部62bは、第1チャック63bにより回転テーブル50に固定されている。第1基準球61b(第1情報提供部)は、回転テーブル50の表面から第1方向に第1距離をもって位置する第1の位置を制御部31(後述するCPU31)にて取得可能に構成されている。
【0020】
第2基準球61cは、第2柱状部62cを介して、回転テーブル50の上面から回転テーブル50の上面に直交する方向に第2の高さh2をもって設けられている。第2の高さh2は、第1の高さよりh1より高い。第2柱状部62cは、第2チャック63cにより回転テーブル50に固定されている。第2基準球61c(第2情報提供部)は、回転テーブル50の表面から第1方向に第1距離よりも長い第2距離をもって位置する第2の位置を制御部31(後述するCPU31)にて取得可能に構成されている。
【0021】
第1基準球61b(第1柱状部62b、第1チャック63b)及び第2基準球61c(第2柱状部62c、第2チャック63c)は、回転テーブル50の中心(回転軸H)から所定長さ離れた位置に設けられている。第2基準球61c(第2柱状部62c、第2チャック63c)は、第1基準球61b(第1柱状部62b、第1チャック63b)と回転テーブル50の中心(回転軸H)から180°反対側の位置に設けられている。
【0022】
続いて、コンピュータ2の構成を説明する。コンピュータ2は、図1に示すように、コンピュータ本体21、キーボード22、マウス23、CRT24及びプリンタ25を備えて構成されている。
【0023】
コンピュータ本体21は、図3に示すように構成されている。図3は、本発明の実施形態に係るコンピュータ本体21の構成を示すブロック図である。
【0024】
コンピュータ本体21は、主に、CPU(制御部)31、RAM32、ROM33、HDD(記憶部)34、表示制御部35を有する。コンピュータ本体21において、キーボード22、及びマウス23から入力されるコード情報及び位置情報は、I/F36aを介してCPU31に入力される。CPU31は、ROM33に格納されたマクロプログラム及びHDD34からI/F36bを介してRAM32に格納された各種プログラムに従って、測定実行処理、及び後述する回転テーブル座標系算出処理等を実行する。
【0025】
CPU31は、測定実行処理に従って、I/F36cを介して3次元測定機1を制御する。HDD34は、各種制御プログラムを格納する記録媒体である。RAM32は、各種プログラムを格納する他、各種処理のワーク領域を提供する。また、CPU31は、表示制御部35を介してCRT24に測定結果等を表示する。
【0026】
CPU(制御部)31は、HDD34から各種プログラムを読み出し、そのプログラムを実行することにより各種機能を有する。CPU(制御部)31は、接触子17aとワーク71との接触に基づき位置情報を取得する位置情報取得部として機能する。CPU(制御部)31は、接触子17a及び回転テーブル50の駆動を制御する駆動制御部として機能する。CPU31(制御部)は、回転テーブル50上の座標系(回転テーブル座標系(XT、YT、ZT))を構成するZT軸(座標軸)を算出する座標系算出部として機能する。
【0027】
さらに、CPU31(制御部)は、回転テーブル50を回転軸H周りに120°ずつ3回にわたって回転させ、120°回転させる毎に接触子17aを第1基準球61b及び第2基準球61cに追従させる。さらに、CPU31(制御部)は、取得した複数の第1基準球61bの中心位置を通る第1の円の第1の中心を求め、取得した複数の第2基準球61cの中心位置を通る第2の円の第2の中心を求め、第1の中心及び第2の中心を通る直線AをZT軸(座標軸)として算出する。
【0028】
(座標系の説明)
次に、図4を参照して、本実施形態にて用いられる座標系について説明する。図4は、本実施形態に係る座標系を説明する図である。
【0029】
本実施形態においては、スケール座標系(XS、YS、ZS)、マシン座標系(XM、YM、ZM)、回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)、回転時テーブル座標系(XTθ、YTθ、ZTθ)、ワーク座標系(XW、YW、ZW)が設定されている。
【0030】
スケール座標系(XS、YS、ZS)は、予め設定された絶対位置を原点OSとする3次元測定機1(機械)の座標系である。マシン座標系(XM、YM、ZM)
は、定盤用基準球61aの中心位置を原点OMとなるようにスケール座標系(XS、YS、ZS)を平行移動させた座標系である。
【0031】
回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)は、回転角度が0°の時の回転テーブル50の上面の中心を原点OTとする座標系である。回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)は、回転テーブル50が回転した場合であっても変化しない。回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)は、回転テーブル50の中心を原点OTとして、回転テーブル50の中心軸方向をZTとする直交座標系である。
【0032】
回転時テーブル座標系(XTθ、YTθ、ZTθ)は、回転テーブル50を回転角θだけ回転させた時の回転テーブル50の中心を原点OTとする座標系である。回転時テーブル座標系(XTθ、YTθ、ZTθ)は、回転テーブル50が回転する度に変化する。
【0033】
ワーク座標系(XW、YW、ZW)は、ワーク71の上面をXWYW平面、ワーク71の上面の所定位置を原点OWとする座標系である。
【0034】
つまり、図4に示すように、定盤11の上方に位置する任意の点Pは、以下に示す数式1のように各種座標系にて表すことができる。
【0035】
【数1】
【0036】
続いて、各座標系の原点から、各座標系の軸に沿ってその正方向に延びるベクトルの算出方法について説明する。なお、以下において、スケール座標系(XS、YS、ZS)におけるベクトルXSは、以下に示す(数式2)のように表す。マシン座標系(XM、YM、ZM)におけるベクトルXMは、以下に示す(数式3)のように表す。回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)におけるベクトルXTは、以下に示す(数式4)のように表す。回転時テーブル座標系(XTθ、YTθ、ZTθ)におけるベクトルXTθは、以下に示す(数式5)のように表す。ワーク座標系(XW、YW、ZW)におけるベクトルXWは、以下に示す(数式6)のように表す。
【0037】
【数2】
【0038】
また、原点OSから原点OMへ向かうベクトルOMは、以下に示す(数式7)のように表す。原点OMから原点OTへ向かうベクトルOTは、以下に示す(数式8)のように表す。原点OTから原点OWへ向かうベクトルOWは、以下に示す(数式9)のように表す。
【0039】
【数3】
【0040】
ベクトルXMは、以下に示す(数式10)のように表すことができる。
【0041】
【数4】
【0042】
ベクトルXTは、以下に示す(数式11)のように表すことができる。
【0043】
【数5】
【0044】
変換マトリクスM1は、以下に示す(数式12)のように表される。(数式12)において、1行目は、XT軸の単位ベクトル成分を示し、2行目は、YT軸の単位ベクトル成分を示し、3行目は、ZT軸の単位ベクトル成分を示す。座標系は、右手系であるので、変換マトリクスM1の行列式の値は、「+1」でなくてはならない。
【0045】
【数6】
【0046】
ベクトルXTθは、以下に示す(数式13)のように表すことができる。
【0047】
【数7】
【0048】
回転マトリクスM2は、以下に示す(数式14)のように表される。座標系は、右手系であるので、回転マトリクスM2の行列式の値は、「+1」でなくてはならない。
【0049】
【数8】
【0050】
ベクトルXWは、以下に示す(数式15)のように表すことができる。
【0051】
【数9】
【0052】
変換マトリクスM3は、以下に示す(数式16)のように表される。(数式16)において、1行目は、XW軸の単位ベクトル成分を示し、2行目は、YW軸の単位ベクトル成分を示し、3行目は、ZW軸の単位ベクトル成分を示す。座標系は、右手系であるので、変換マトリクスM3の行列式の値は、「+1」でなくてはならない。
【0053】
【数10】
【0054】
上記の(数式10)〜(数式16)より、ベクトルXWは、以下に示す(数式17)のように表すことができる。
【0055】
【数11】
【0056】
(実施形態における回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)の算出処理)
次に、図5を参照して、実施形態における回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)の算出処理について説明する。図5は、実施形態における回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)の算出処理を示すフローチャートである。なお、図5に示す処理は、記憶部に格納されたプログラム等を制御部31により実行してなされるものである。
【0057】
図5に示すように、先ず、制御部31は、回転テーブル50の回転角を所定角度に設定する(ステップS101)。
【0058】
次に、制御部31は、図6の第1状態Iに示すように接触子17aにて第1基準球61bを追従させ、その第1基準球61bの球心位置を測定する(ステップS102)。続いて、制御部31は、図6の第2状態IIに示すように接触子17aにて第2基準球61cを追従させ、その第2基準球61cの球心位置を測定する(ステップS103)。
【0059】
次に、制御部31は、回転テーブル50を360°回転させたか否かを判断する(ステップS104)。ここで、制御部31は、回転テーブル50を360°回転させていないと判断すると(ステップS104、N)、回転テーブル50を120°回転させ(ステップS105)、再びステップS102からの処理を繰り返し実行する。一方、制御部31は、回転テーブル50を360°回転させたと判断すると(ステップS104、Y)、後述するステップS106の処理を実行する。
【0060】
ここで、図7は、回転テーブル50の回転及びその回転に伴う第1、第2基準球61b、61cの測定の概略を示す上面図である。ステップS101〜ステップS105の工程を経て、図7(a)〜図7(c)に示すように第1基準球61bの球心位置及び第2基準球61cの球心位置は、回転テーブル50が0°、120°、240°回転した3箇所にて測定される。なお、球心位置は、少なくとも4点以上の位置情報から決定される。
【0061】
図8は、図7の矢印C1方向からみた第1基準球61bの球心位置及び第2基準球61cの球心位置を示す図である。図8(a)〜図8(c)に示すように、回転テーブル50の回転角の変化(0°、120°、240°)に伴い、回転テーブル50の回転軸Hと理想的な軸心Hoとの間は、角度φ1〜φ3に亘って変化する。つまり、回転テーブル50の回転軸Hに振れ回り誤差が生じる。なお、図8(a)に示すように、回転テーブル50が0°回転時、第1基準球61bの球心位置Ma11が測定され、第2基準球61cの球心位置Ma21が測定される。同様に図8(b)に示すように、回転テーブル50が120°回転時、第1基準球61bの球心位置Ma12が測定され、第2基準球61cの球心位置Ma22が測定される。同様に図8(c)に示すように、回転テーブル50が240°回転時、第1基準球61bの球心位置Ma13が測定され、第2基準球61cの球心位置Ma23が測定される。
【0062】
ステップS104に続いて、制御部31は、図9に示すように、測定された第1基準球61bの3つの球心位置Ma11〜Ma13に基づき、それら球心位置Ma11〜Ma13を通る第1の円C1を算出する。さらに、制御部31は、第1の円C1の第1の中心位置O1を算出する(ステップS106)。
【0063】
続いて、制御部31は、図9に示すように、測定された第2基準球61cの3つの球心位置Ma21〜Ma23に基づき、それら球心位置Ma21〜Ma23を通る第2の円C2を算出する。さらに、制御部31は、第2の円C2の第2の中心位置O2を算出する(ステップS107)。
【0064】
次に、制御部31は、図9に示すように、第1の円C1の第1の中心位置O1及び第2の円C2の第2の中心位置O2を通る回転テーブル50の直線Aを算出する(ステップS108)。
【0065】
そして、制御部31は、回転テーブル50の直線Aに基づき回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)を算出する(ステップS109)。ステップS109において、制御部31は、第1の中心位置O1を原点OTとする。制御部31は、原点OT(中心位置O1)から第2の中心位置O2へと向かう直線Aに沿った方向をZT軸(座標軸)とする。例えば、制御部31は、原点OT(第1の中心位置O1)から方向Bに平行な方向をXT軸とする。ここで、方向Bは、回転テーブル50の回転角を0°とした時の第1基準球61bの球心位置Ma11から、回転テーブル50の回転角を120°とした時の第1基準球61bの球心位置Ma12へと向かう方向である。また、制御部31は、ZT軸、及びXT軸に直交する軸をYT軸とする。
【0066】
回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)の算出の後、図10に示すように、回転テーブル50上から、第1基準球61b(第1柱状部62b、第1チャック63b)及び第2基準球61c(第2柱状部62c、第2チャック63c)を取り除く。続いて、回転テーブル50の貫通孔50Aにワーク71を挿入し、回転テーブル50の上面にてワーク71をチャック81により固定する。そして、図10の第3状態IIIに示すように、接触子17aにてワーク71の形状を測定する。
【0067】
(実施形態に係る形状測定装置の効果)
次に、実施形態に係る形状測定装置の効果について説明する。実施形態に係る形状測定装置は、振れ回り誤差を考慮して、上記のように回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)を算出する。したがって、実施形態に係る形状測定装置は、回転テーブル50に振れ回り誤差が生じた場合であっても、誤差を抑制して回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)を算出することができる。
【0068】
(その他の実施形態)
以上、発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、追加、置換等が可能である。
【0069】
例えば、本発明に係る形状測定装置は、第1基準球61bを有する構成に限られるものではない。本発明に係る形状測定装置は、第1基準球61bの代わりに、回転テーブル50の表面から第1方向に第1距離をもって位置する第1の位置を制御部31にて取得可能な構成を有していれば良い。
【0070】
例えば、本発明に係る形状測定装置は、第2基準球61cを有する構成に限られるものではない。本発明に係る形状測定装置は、第2基準球61cの代わりに、回転テーブル50の表面から第1方向に第1距離よりも長い第2距離をもって位置する第2の位置を制御部31にて取得可能な構成を有していれば良い。
【0071】
例えば、本発明に係る形状測定装置は、回転テーブル50を120°ずつ回転させる構成に限られるものではない。本発明に係る形状測定装置は、回転テーブル50を回転軸H周りに(360/n)度(n:3以上の整数)ずつn回にわたって回転させ、(360/n)度回転させる毎に接触子17aを第1基準球61b及び第2基準球61cに追従させる構成であれば良い。
【0072】
例えば、本発明に係る形状測定装置は、回転テーブル50を360°回転させて第1基準球61bに係る球心位置Ma11〜Ma13を測定し、その後にさらに回転テーブル50を360°回転させて第2基準球61cに係る球心位置Ma21〜Ma23を測定する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態に係る形状測定装置の概略構成図である。
【図2】実施形態に係る3次元測定機1の定盤11の断面図である。
【図3】実施形態に係るコンピュータ本体21の機能ブロック図である。
【図4】各座標系を説明する図である。
【図5】実施形態に係る回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)の算出処理を示すフローチャートである。
【図6】実施形態に係る接触子17aの動作を示す図である。
【図7】実施形態の回転テーブル50の回転及びその回転に伴う第1、第2基準球61b、61cの測定の概略を示す上面図である。
【図8】図7の矢印C1方向からみた第1基準球61bの球心位置及び第2基準球61cの球心位置を示す図である。
【図9】実施形態に係る回転テーブル座標系(XT、YT、ZT)を算出する概略を説明する図である。
【図10】実施形態に係るワーク71の形状測定の概略を説明する図である。
【符号の説明】
【0074】
1…3次元測定機、2…コンピュータ、10…除震台、11…定盤、12a,12b…ビーム支持体、13…ビーム、14…Y軸駆動機構、15…コラム、16…スピンドル、17…プローブ、17a…接触子、21…コンピュータ本体、22…キーボード、23…マウス、24…CRT、25…プリンタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物の表面形状を測定する形状測定装置であって、
接触子と前記被測定物との接触に基づき位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記被測定物を載置可能に構成され且つ回転軸を中心に回転する回転テーブルと、
前記回転テーブルの表面から第1方向に第1距離をもって位置する第1の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第1情報提供部と、
前記回転テーブルの表面から前記第1方向に前記第1距離よりも長い第2距離をもって位置する第2の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第2情報提供部と、
前記接触子及び前記回転テーブルの駆動を制御する駆動制御部と、
前記回転テーブル上の座標系を構成する座標軸を算出する座標系算出部と
を備え、
前記駆動制御部は、
前記回転テーブルを前記回転軸周りに(360/n)度(n:3以上の整数)ずつn回にわたって回転させ、前記(360/n)度回転させる毎に前記接触子を前記第1情報提供部及び前記第2情報提供部に追従させ、
前記座標系算出部は、
前記第1情報提供部にて取得した前記第1の位置を通る第1の円の第1の中心を求め、前記第2情報提供部にて取得した前記第2の位置を通る第2の円の第2の中心を求め、前記第1の中心及び前記第2の中心を通る直線を前記座標軸として算出する
ことを特徴とする形状測定装置。
【請求項2】
前記第1情報提供部は、
前記回転テーブルの表面から前記第1方向に延びる第1柱状部と、
前記回転テーブルの表面から前記第1長さをもって前記第1柱状部に中心を設け球状に形成された第1球状部と
を備え、
前記第2情報提供部は、
前記回転テーブルの表面から前記第1方向に延びる第2柱状部と、
前記回転テーブルの表面から前記第2長さをもって前記第2柱状部に中心を設け球状に形成された第2球状部と
を備えることを特徴とする請求項1記載の形状測定装置。
【請求項3】
接触子と被測定物との接触に基づき位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記被測定物を載置可能に構成され且つ回転軸を中心に回転する回転テーブルと、
前記回転テーブルの表面から第1方向に第1距離をもって位置する第1の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第1情報提供部と、
前記回転テーブルの表面から前記第1方向に前記第1距離よりも長い第2距離をもって位置する第2の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第2情報提供部と、
前記接触子及び前記回転テーブルの駆動を制御する駆動制御部と、
前記回転テーブル上の座標系を構成する座標軸を算出する座標系算出部と
を備える形状測定装置を用いて、前記被測定物の表面形状を測定する形状測定方法であって、
前記駆動制御部にて前記回転テーブルを前記回転軸周りに(360/n)度(n:3以上の整数)ずつn回にわたって回転させ、前記(360/n)度回転させる毎に前記接触子を前記第1情報提供部及び前記第2情報提供部に追従させる工程と、
前記第1情報提供部にて取得した前記第1の位置を通る第1の円の第1の中心を求め、前記第2情報提供部にて取得した前記第2の位置を通る第2の円の第2の中心を求め、前記第1の中心及び前記第2の中心を通る直線を前記座標軸として算出させる工程と
を備えることを特徴とする形状測定方法。
【請求項1】
被測定物の表面形状を測定する形状測定装置であって、
接触子と前記被測定物との接触に基づき位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記被測定物を載置可能に構成され且つ回転軸を中心に回転する回転テーブルと、
前記回転テーブルの表面から第1方向に第1距離をもって位置する第1の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第1情報提供部と、
前記回転テーブルの表面から前記第1方向に前記第1距離よりも長い第2距離をもって位置する第2の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第2情報提供部と、
前記接触子及び前記回転テーブルの駆動を制御する駆動制御部と、
前記回転テーブル上の座標系を構成する座標軸を算出する座標系算出部と
を備え、
前記駆動制御部は、
前記回転テーブルを前記回転軸周りに(360/n)度(n:3以上の整数)ずつn回にわたって回転させ、前記(360/n)度回転させる毎に前記接触子を前記第1情報提供部及び前記第2情報提供部に追従させ、
前記座標系算出部は、
前記第1情報提供部にて取得した前記第1の位置を通る第1の円の第1の中心を求め、前記第2情報提供部にて取得した前記第2の位置を通る第2の円の第2の中心を求め、前記第1の中心及び前記第2の中心を通る直線を前記座標軸として算出する
ことを特徴とする形状測定装置。
【請求項2】
前記第1情報提供部は、
前記回転テーブルの表面から前記第1方向に延びる第1柱状部と、
前記回転テーブルの表面から前記第1長さをもって前記第1柱状部に中心を設け球状に形成された第1球状部と
を備え、
前記第2情報提供部は、
前記回転テーブルの表面から前記第1方向に延びる第2柱状部と、
前記回転テーブルの表面から前記第2長さをもって前記第2柱状部に中心を設け球状に形成された第2球状部と
を備えることを特徴とする請求項1記載の形状測定装置。
【請求項3】
接触子と被測定物との接触に基づき位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記被測定物を載置可能に構成され且つ回転軸を中心に回転する回転テーブルと、
前記回転テーブルの表面から第1方向に第1距離をもって位置する第1の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第1情報提供部と、
前記回転テーブルの表面から前記第1方向に前記第1距離よりも長い第2距離をもって位置する第2の位置を前記位置情報取得部にて取得可能に構成された第2情報提供部と、
前記接触子及び前記回転テーブルの駆動を制御する駆動制御部と、
前記回転テーブル上の座標系を構成する座標軸を算出する座標系算出部と
を備える形状測定装置を用いて、前記被測定物の表面形状を測定する形状測定方法であって、
前記駆動制御部にて前記回転テーブルを前記回転軸周りに(360/n)度(n:3以上の整数)ずつn回にわたって回転させ、前記(360/n)度回転させる毎に前記接触子を前記第1情報提供部及び前記第2情報提供部に追従させる工程と、
前記第1情報提供部にて取得した前記第1の位置を通る第1の円の第1の中心を求め、前記第2情報提供部にて取得した前記第2の位置を通る第2の円の第2の中心を求め、前記第1の中心及び前記第2の中心を通る直線を前記座標軸として算出させる工程と
を備えることを特徴とする形状測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−271030(P2009−271030A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124363(P2008−124363)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
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