説明

形状測定装置及び形状測定方法

【課題】物体に形成された測定対象物の形状を低測定力で高感度かつ高精度で測定が可能な形状測定装置及び形状測定方法を提供する。
【解決手段】基部側に発光器11及び受光器12が設けられ、先端に光を反射する光反射部13が設けられて自由状態で垂直配置された先側領域14を有し、先側領域14の一部の曲げ歪みによって通過光に光量変化を発生させる撓み検知部15が形成された光ファイバ16と、光ファイバ16の先端部に固着配置された探触子17と、光ファイバ16の下方に配置され測定対象物18が形成された物体19を載せるXYテーブル20と、XYテーブル20を相対的に上下するZ方向昇降手段21とを有し、探触子17に測定対象物18を側方から当接させて受光器12での光量変化を検知し、探触子17に測定対象物18が当接した際の探触子17の位置から測定対象物18の二次元形状を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体に形成された、例えば、小穴、微細突起、又は微細溝等の測定対象物の形状を測定する形状測定装置及び形状測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超精密機器や光通信機器、微細金型を製作する微細加工技術の進歩に伴い、加工物に形成されている微細幾何形状を測定する重要性が増加している。例えば、自動車用エンジンでは、次期排出ガス規制をクリアするには燃焼室に噴射する燃料の微粒化が不可欠で、そのためには、自動車用燃料噴射ノズルの内径を小さくする必要がある(一般に、自動車用燃料噴射ノズルの内径を0.1mm以下にできるかが燃費向上を左右する)。また、医療、光通信、電子デバイス等の分野においても、高性能化、環境への配慮、エネルギー効率の向上といった観点から、更に微細かつ精密な幾何形状の形成が要求されている。
ここで、内径が0.1mm以下で、アスペクト比(深さと内径の比)が10以上の小径深穴の加工にはドリル、放電加工等が用いられており、小径深穴を精密に加工するためには、穴の内径や幾何形状(例えば、真円度、真直度、円筒度等)を高精度に測定しながら、加工を進める必要がある。一般に、穴の内径や幾何形状の測定方法としては、1)ピンゲージやボアゲージを使用する機械式方法、2)測定顕微鏡を使用する方法、3)電気的導通現象を用いる方法、4)光学触針を測定対象物に接触させる光学式方法(例えば、特許文献1、2参照)等が挙げられる。
【0003】
【特許文献1】特開2000−121330号公報
【特許文献2】特開平8−233545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、機械式方法では、ピンゲージで測定可能な最小内径は0.1mm、ボアゲージで測定可能な最小内径は0.5mmなので、内径が0.1mm未満の穴に対しては適用できないという問題が生じる。また、測定顕微鏡を使用する方法では、穴の入口部形状の測定しか行なうことができず、穴内壁の評価ができないという問題があり、電気的導通現象を用いる方法では、測定対象が導電性を有する素材(例えば、金属)に限られるという問題が生じる。更に、光学式方法では、測定精度が対象となる材料やその表面の粗さの影響を受け易く、測定の原理上、深穴、及び深溝などの形状に対しては測定が困難になるとともに、測定可能な最小内径が0.1mmであるという問題がある。
【0005】
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので、物体に形成された測定対象物の形状を低測定力で高感度かつ高精度で測定が可能な形状測定装置及び形状測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う第1の発明に係る形状測定装置は、基部側に発光器及び受光器が設けられ、先端に前記発光器から入射した光を反射する光反射部が設けられて自由状態で垂直配置された先側領域を有し、前記光反射部より基側の前記先側領域に該先側領域の一部の曲げ歪みによって通過光に光量変化を発生させる撓み検知部が形成された光ファイバと、
前記光ファイバの先端部に固着配置された探触子と、
前記探触子が設けられた前記光ファイバの下方に配置され、測定対象物が形成された物体を載せるXYテーブルと、
前記探触子が設けられた前記光ファイバの少なくとも前記先側領域に対して前記XYテーブルを相対的に上下するZ方向昇降手段とを有し、
前記探触子に対して前記XYテーブルに載せた前記物体に形成された前記測定対象物を側方から当接させて前記受光器で受光する光の光量変化を検知し、前記探触子が前記測定対象物に当接した際の該探触子の位置を前記XYテーブルから読み出して、前記測定対象物の二次元形状を測定する。
【0007】
第1の発明に係る形状測定装置において、前記Z方向昇降手段は前記XYテーブル又は前記光ファイバを昇降するものであり、前記探触子が前記測定対象物に当接した際の該XYテーブル及び前記Z方向昇降手段からの各出力に基づいて、該測定対象物の三次元形状を測定することができる。
【0008】
前記目的に沿う第2の発明に係る形状測定装置は、自由状態で垂直配置され先端部に探触子が設けられた触針と、
基部側に発光器及び受光器が設けられ、先端に前記発光器から入射した光を反射する光反射部が設けられた先側領域を有し、前記触針に固着され該触針とともに撓んで通過光に光量変化を発生させる撓み検知部が形成された光ファイバと、
前記探触子が設けられた前記触針の下方に配置され、測定対象物が形成された物体を載せるXYテーブルと、
前記探触子が設けられた前記触針に固着された前記光ファイバの先側領域に対して前記XYテーブルを相対的に上下するZ方向昇降手段とを有し、
前記探触子に対して前記XYテーブルに載せた前記物体に形成された前記測定対象物を側方から当接させて前記受光器で受光する光の光量変化を検知し、前記探触子が前記測定対象物に当接した際の該探触子の位置を前記XYテーブルから読み出して、前記測定対象物の二次元形状を測定する。
【0009】
第2の発明に係る形状測定装置において、前記Z方向昇降手段は前記XYテーブル又は前記触針を昇降するものであり、前記探触子が前記測定対象物に当接した際の該XYテーブル及び前記Z方向昇降手段からの各出力に基づいて、該測定対象物の三次元形状を測定することができる。
【0010】
第1、第2の発明に係る形状測定装置において、前記光ファイバは芯線部とその周囲のクラッド部とを有し、前記撓み検知部は、該芯線部に届く1又は2以上の溝又は疵によって形成することができる。
また、前記光ファイバは芯線部とその周囲のクラッド部とを有し、前記撓み検知部は、該芯線部内に存在する屈折率変化領域によって形成することもできる。
そして、前記測定対象物は内側寸法が0.5mm以下の小穴とすることができる。
【0011】
前記目的に沿う第3の発明に係る形状測定方法は、基部側に発光器及び受光器が設けられ、先端に前記発光器から入射した光を反射する光反射部が設けられて自由状態で垂直配置された先側領域を有し、前記光反射部より基側の前記先側領域に該先側領域の一部の曲げ歪みによって通過光に光量変化を発生させる撓み検知部が形成された光ファイバと、該光ファイバの先端部に固着配置された探触子とを有する光ファイバセンサを、前記探触子を下端にして垂直配置し、
前記探触子の下方に配置されたXYテーブルに測定対象物が形成された物体を載置して、前記探触子を前記測定対象物に側方から当接可能な位置に配置し、前記XYテーブルを移動させることによって、前記測定対象物と前記探触子とを接触させて、前記受光器で受光する光の光量変化が発生したときの前記XYテーブルの出力から前記測定対象物の二次元形状を測定する。
【0012】
前記目的に沿う第4の発明に係る形状測定方法は、自由状態で垂直配置され先端部に探触子が設けられた触針と、該触針に固着され、基部側に発光器及び受光器が設けられ、先端に前記発光器から入射した光を反射する光反射部が設けられた先側領域を有し、前記触針とともに撓んで通過光に光量変化を発生させる撓み検知部が形成された光ファイバとを有する光ファイバセンサを前記探触子を下端にして垂直配置し、
前記探触子の下方に配置されたXYテーブルに測定対象物が形成された物体を載置して、前記探触子を前記測定対象物に側方から当接可能な位置に配置し、前記XYテーブルを移動させることによって、前記測定対象物と前記探触子とを接触させて、前記受光器で受光する光の光量変化が発生したときの前記XYテーブルの出力から前記測定対象物の二次元形状を測定する。
【0013】
第3、第4の発明に係る形状測定方法において、前記測定対象物は内側寸法が0.5mm以下の小穴とすることができる。
また、前記XYテーブル又は前記光ファイバセンサを垂直に上下させるZ方向昇降手段を備え、前記探触子が前記測定対象物に当接した際の前記XYテーブルからの出力及び前記Z方向昇降手段からの出力から前記測定対象物の三次元形状を測定することができる。
【0014】
第1、第2の発明に係る形状測定装置において、前記先側領域の前記光反射部より基側で前記撓み検知部より先側の撓み部の側面には光反射層が形成され、該光反射層の外側には隙間を設けて該光反射層に向かって光を照射する光照射手段が配置され、該光反射層で反射された光の検知が可能な高さ位置で該光照射手段の両側には第1、第2の光検知手段がそれぞれ設けられている構成とすることができる。
【0015】
第1、第2の発明に係る形状測定装置において、前記先側領域の前記光反射部より基側で前記撓み検知部より先側の撓み部の外側には隙間を設けて該撓み部に向かって光を照射する光照射手段が配置され、更に該撓み部を間にして該光照射手段の反対側には該撓み部を透過した光を検知する光検知手段が配置されている構成とすることもできる。
ここで、前記光検知手段は1又は2以上設けられていることが好ましい。
【0016】
第3、第4の発明に係る形状測定方法において、前記先側領域の前記光反射部より基側で前記撓み検知部より先側の撓み部の側面に光反射層を形成し、該光反射層の外側に隙間を設けて配置した光照射手段から光を該光反射層に照射し該光反射層で反射した光を該光の検知が可能な高さ位置で該光照射手段の両側に配置した第1、第2の光検知手段でそれぞれ検知して、該第1、第2の光検知手段で検知された光強度差から前記探触子と前記測定対象物との当接を検知することができる。
【0017】
第3、第4の発明に係る形状測定方法において、前記先側領域の前記光反射部より基側で前記撓み検知部より先側の撓み部の外側に隙間を設けて該撓み部に向かって光を照射する光照射手段を配置し、更に該撓み部を間にして該光照射手段に対向して該撓み部を透過した光を検知する光検知手段を配置して、該光検知手段で検知される光強度の変化から前記探触子と前記測定対象物との当接を検知することもできる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1〜7、12〜14記載の形状測定装置及び請求項8〜11、15、16記載の形状測定方法においては、測定対象物と探触子が接した場合の光ファイバを通じての反射光の光量変化に基づいて形状測定を行なうので、測定対象物の材質の影響を受けず、しかも、電気的なノイズに強く高精度の測定を行なうことができる。
特に、請求項1及びこれに従属する請求項2、5〜7、12〜14記載の形状測定装置並びに請求項8及びこれに従属する請求項10、11、15、16記載の形状測定方法においては、光ファイバの先側領域の先端部に固着配置された探触子を測定対象物に接触させて形状を測定するので、光ファイバと探触子のサイズを選定することで、例えば、測定対象物が微小の穴であってもその形状を測定することができる。
また、請求項3及びこれに従属する請求項4〜7、12〜14記載の形状測定装置並びに請求項9及びこれに従属する請求項10、11、15、16記載の形状測定方法においては、触針の先端部の探触子を測定対象物に接触させて形状を測定するので、触針と探触子のサイズを選定することで、例えば、測定対象物が微小の穴であってもその形状を測定することができる。
また、触針の先端部に取付ける探触子の質量を極めて小さくできるので、測定対象物に探触子が接することを検知する動特性を向上させることができ、これに伴い、測定精度を高めることができる。
【0019】
請求項2、4記載の形状測定装置及び請求項11記載の形状測定方法においては、測定対象物の三次元形状を測定することができるので、例えば、超精密機器、光通信機器、微細金型に形成された小穴の真直度、円筒度を容易に測定することが可能になる。
請求項5記載の形状測定装置においては、光ファイバの撓み検知部は芯線部に届く溝又は疵によって形成されているので、探触子が測定対象物に接触した際に、より小さな測定力(測定対象物の表面を押す力)で先側領域を大きく撓ませることができ、光ファイバの通過光の光量変化を大きくすることが可能になる。その結果、高感度、高精度の形状測定を行なうことができる。
【0020】
請求項7記載の形状測定装置及び請求項10記載の形状測定方法においては、例えば、超精密機器、光通信機器、微細金型に形成された小穴の形状を測定することができ、高性能の超精密機器、光通信機器、微細金型を製造することができる。
【0021】
請求項12記載の形状測定装置及び請求項15記載の形状測定方法においては、光ファイバが撓むことにより、撓み部と第1、第2の光検知手段との距離がそれぞれ変化するため、第1、第2の光検知手段でそれぞれ検知される反射光の強度に変化が現われる。このため、光ファイバが垂直配置されている場合と撓んだ場合における第1、第2の光検知手段でそれぞれ検知される反射光の強度変化挙動を求めることで、探触子が測定対象物に当接したか否かを感度よく検知することができると共に、探触子が測定対象物に当接して光ファイバがどの方向に撓んだかを検知することができる。その結果、探触子を測定対象物に接触させて形状を測定する際の、形状測定精度をより向上させることができる。
【0022】
請求項13、14記載の形状測定装置及び請求項16記載の形状測定方法においては、光ファイバが撓むことにより、撓み部と光検知手段との距離が拡縮するため、光検知手段で検知される透過光の強度に変化が現われる。このため、光ファイバが垂直配置されている場合と撓んだ場合における光検知手段でそれぞれ検知される透過光の強度変化を求めることで、探触子が測定対象物に当接したか否かを感度よく検知することができる。その結果、探触子を測定対象物に接触させて形状を測定する際の、形状測定精度をより向上させることができる。
請求項14記載の形状測定装置においては、複数の光検知手段でそれぞれ検知される透過光の強度変化挙動を求めることで、探触子が測定対象物に当接した際に光ファイバがどの方向に撓んだかを検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る形状測定装置のブロック図、図2は同形状測定装置の使用状態を示す部分拡大図、図3は接触時及び非接触時に受光器で測定される反射光の光量変化を示す説明図、図4は本発明の第2の実施の形態に係る形状測定装置の光ファイバセンサの説明図、図5は本発明の第3の実施の形態に係る形状測定装置の使用状態を示す部分拡大図、図6は本発明の第4の実施の形態に係る形状測定装置の光ファイバセンサの説明図、図7(A)は非接触時に第1、第2の光検知手段で測定される反射光の光路を示す正面図、(B)は(A)のP−P矢視断面図、図8(A)は接触時に第1、第2の光検知手段で測定される反射光の光路を示す正面図、(B)は(A)のP’−P’矢視断面図、図9は本発明の第5の実施の形態に係る形状測定装置の光ファイバセンサの説明図、図10(A)は非接触時に光検知手段で測定される透過光の光路を示す正面図、(B)は(A)のQ−Q矢視断面図、図11(A)は接触時に光検知手段で測定される透過光の光路を示す正面図、(B)は(A)のQ’−Q’矢視断面図、図12は変形例に係る形状測定装置において、(A)は非接触時に第1、第2の光検知手段で測定される透過光の光路を示す説明図、(B)は接触時に第1、第2の光検知手段で測定される透過光の光路を示す説明図である。
【0024】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る形状測定装置10は、基部側に発光器11及び受光器12が設けられ、先端に発光器11から入射した光を反射する光反射部13が設けられて自由状態で垂直配置された先側領域14を有し、光反射部13より基側の先側領域14にその部分(先側領域14の一部)の曲げ歪みによって通過光に光量変化を発生させる撓み検知部15が形成された光ファイバ16と、光ファイバ16の先端部に固着配置された探触子17とを有している。なお、光ファイバ16と探触子17で光ファイバセンサ17aが構成されている。
【0025】
また、形状測定装置10は、探触子17が設けられた光ファイバ16の下方に配置され、測定対象物の一例である内側寸法が0.5mm以下の小穴18が形成された物体19(図2参照)を載せるXYテーブル20と、探触子17が設けられた光ファイバ16の先側領域14に対してXYテーブル20を上下するZ方向昇降手段21と、探触子17に対してXYテーブル20に載せた物体19に形成された小穴18を側方から当接させて受光器12で受光する光の光量変化を検知し、探触子17が小穴18に当接した際の探触子17の位置をXYテーブル20から読み出して、小穴18の平面形状を測定する制御部22とを有している。以下、詳細に説明する。なお、小穴18の内側寸法とは、小穴18の平面形状が円形の場合は内径を指し、小穴18の平面形状が非円形の場合は、最大内幅長さを指す。
【0026】
発光器11は、例えば、発光ダイオード、半導体レーザ等の発光素子を用いて構成されている。また、受光器12は、例えば、光電子倍増管、光ダイオード、光トランジスタ等の光応答素子を用いて構成されている。そして、発光器11の出力側、受光器12の入力側にはそれぞれ光ファイバ23、24が接続され、光ファイバ23、24は光分岐コネクタ
25を介して光ファイバ16の基部に接続している。
【0027】
光ファイバ16は、例えば、外径Dが3〜60μmであって、中央部に光が通過する直径dが1〜9μmの芯線部26(例えば、石英ガラス製の線材)、その周囲に厚さtが1〜60μmのクラッド部27(例えば、芯線部26より屈折率が低い石英ガラス層)が形成されている。また、光ファイバ16の先端には、鏡面状に研磨加工された後、例えば、金蒸着を行なって形成された厚さwが0.001〜1mmの光反射部13が設けられている。そして、光ファイバ16の先端の光反射部13から基側に向けて長さL(L/Dが、例えば、30〜300)の範囲に形成される先側領域14には、光ファイバ16のクラッド部27の、例えば、半周部分に芯線部26に届く複数の溝28が、例えば、フェムト秒レーザ加工機を用いて形成されて撓み検知部15を形成している。
【0028】
ここで、溝28は、先側領域14の範囲であれば任意の位置に形成でき、溝28の形状(例えば、V字状、U字状、矩形状、又は台形状における開口部幅と深さ)及び間隔も任意に設定できるが、溝28は探触子17が小穴18の内周面に触れた際に一番撓む部分に形成するのがよい。そして、溝28の形状及び間隔は先側領域14の撓み量に影響するので、溝28の形状及び間隔を選定して先側領域14の撓み量を調整する。
また、探触子17は、例えば、超硬、ガラス、立方晶窒化硼素で形成された直径が0.005〜0.15mmの球体であり、例えば、エポキシ樹脂を用いた接着剤層28aを介して光ファイバ16の先端部に固着されている。更に、光ファイバ16の先側領域14より基側の領域はガイド部材29内に収納されている。これによって、探触子17を下方に向けて先側領域14を自由状態で垂直配置することができるとともに、撓み検知部15で撓み易くすることができる。
【0029】
以上の構成とすることにより、発光器11を駆動して光ファイバ23及び光分岐コネクタ25を介して光を光ファイバ16内に入射させると、光は、光ファイバ16の芯線部26とその周囲のクラッド部27との境界面30で全反射を繰り返しながら芯線部26内を先端に向かって進行する。そして、先端に達した光は光反射部13で反射して光ファイバ16内を基部に向かって逆向きに進行し、光分岐コネクタ25及び光ファイバ24を介して受光器12に到達し光量が測定される。なお、先側領域14のクラッド部27には溝28が形成されているため、先側領域14が垂直配置されている場合は、光が先側領域14を通過する際に、溝28に入射する光は溝28で散乱されて光ファイバ16の外部に漏れ出し、先側領域14内の溝28で散乱されずに通過した反射光が受光器12に到達して、その光量が測定される。
【0030】
これに対して、光ファイバ16の先端の探触子17が小穴18の側壁に当接して先側領域14に曲げ歪みが発生すると、先側領域14を通過する光が溝28に入射する際の入射角度は、曲げ歪み量に応じて変化する。
このため、光が溝28で散乱される割合が少なくなるような入射角度に変化すると、反射光の光ファイバ16からの漏れが減少し受光器12に到達する反射光の光量が増加する。これに対して、光が溝28で散乱される割合が多くなるような入射角度に変化すると、光の溝28での散乱が多くなって反射光が光ファイバ16から漏れる割合が増加し受光器12に到達する反射光の光量が減少する。従って、光ファイバ16の先側領域14が垂直配置されている場合に受光器12で測定される反射光の光量に対して、反射光の光量変化が生じたか否かを検知することで、探触子17が小穴18の内周面に接触したか否かを判定することができる。
【0031】
XYテーブル20は、小穴18が形成された物体19を載せるテーブル31と、テーブル31をX方向及びY方向に独立して、例えば、0.1μmピッチで移動させることが可能な送り機構を備えたXY方向移動手段32とを有している。また、光ファイバ16の先側領域14より基側の領域をガイドするガイド部材29は、XYテーブル20とは別に設けられた固定手段(図示せず)に支持されている。更に、XYテーブル20は、光ファイバ16の先側領域14、探触子17、及び小穴18の平面的な位置関係を撮像するカメラ部(図示せず)と、カメラ部で撮像した画像を表示する表示部(図示せず)とを有している。
【0032】
また、Z方向昇降手段21には、XYテーブル20を、例えば、0.1μmピッチで上下動することが可能な送り機構が設けられている。これによって、物体19をX方向、Y方向、及びZ方向にそれぞれ移動させることができ、物体19を移動させることにより、物体19に形成された小穴18をX方向、Y方向、及びZ方向に移動させることができる。その結果、物体19の表面に形成された小穴18の開口端33から、探触子17が一定距離だけ小穴18内に進入するようにXYテーブル20のZ方向の位置を調整し、探触子17に対してXYテーブル20に載せた物体19に形成された小穴18の内周面を側方から当接させることができる。
【0033】
制御部22は、XYテーブル20の原点位置を任意の点(例えば、探触子17の中心位置)に設定する機能、XYテーブル20をX方向及びY方向に移動させて、このとき受光器12で測定される反射光の光量をXYテーブル20のXY方向移動手段32から出力される出力値(XYテーブル20の原点に対するテーブル31のX方向及びY方向への移動量)とともに読み込む機能とを有している。更に、制御部22は、読み込んだ反射光の光量から光量変化を検出する機能と、光量変化が生じたときのXY方向移動手段32からの出力値、すなわち、探触子17との接触点のX座標及びY座標を求める機能と、探触子17との接触点のX座標及びY座標から小穴18の二次元形状である内側寸法(小穴18が円形穴の場合は内径と真円度、小穴18が非円形穴の場合は最大内幅長さ)を求める機能とを有している。
【0034】
更に、制御部22は、物体19の表面に形成された小穴18の開口端33から小穴18内に進入する探触子17の進入距離、すなわち、小穴18の内周面上における探触子17との接触点のZ方向位置(Z方向昇降手段21の出力値)を変えながら小穴18の二次元形状を求めて、小穴18の三次元形状を形成する機能を有している。これにより、小穴18の内周面の深さ方向の凹凸状況、真直度、及び円筒度を求めることができる。
なお、制御部22は、上記の各機能を発現するプログラムを、例えば、パーソナルコンピュータに搭載することにより構成することができる。
【0035】
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る形状測定装置10を使用した形状測定方法について説明する。
先ず、光ファイバセンサ17aにガイド部材29を装着させ、ガイド部材29を固定手段に取付けて、光ファイバ16の先側領域14を探触子17を下端にして垂直配置する。そして、XYテーブル20の原点位置を探触子17の中心位置に設定する。
次いで、内側寸法が0.5mm以下の小穴18が形成された物体19をXYテーブル20のテーブル31上に載置し、カメラ部で撮像した光ファイバ16の先側領域14、探触子17、及び小穴18の平面的な位置関係を表示部で確認しながら、XY方向移動手段32を操作して測定しようとする小穴18のX方向及びY方向位置を調整する。そして、小穴18の開口端33から、探触子17が一定距離だけ小穴18内に進入するようにZ方向昇降手段21を操作してXYテーブル20のZ方向の位置を調整する。
【0036】
次いで、発光器11及び受光器12を稼動させて、発光器11で発生させた光を光ファイバ23及び光分岐コネクタ25を介して光ファイバ16に入射させ、光ファイバ16の先端の光反射部13で反射し光ファイバ16内を基部に向かって進行した反射光を光分岐コネクタ25及び光ファイバ24を介して受光器12に入射させる。そして、受光器12で反射光の光量を測定する。
【0037】
XYテーブル20をX方向及びY方向に移動させて、探触子17の位置とその位置での反射光の光量を測定する。小穴18の内周面が探触子17に当接した場合、探触子17は小穴18の内周面からの反力を受けて光ファイバ16の先側領域14に曲げ歪みが発生する。これによって、先側領域14を通過する光が芯線部26とクラッド部27との境界面30に入射する際の入射角度が変化し、先側領域14が探触子17を下端にして垂直配置されている場合(探触子17が小穴18の内周面に接触していない場合)と比較して、先側領域14を通過する光が溝28で散乱される割合が変化(減少又は増加)する。これに伴って、受光器12で検出される反射光の光量も変化する。図3に、発光器11で発生させた赤外線を光ファイバ16内に入射させ、受光器12で反射光の光量を測定した結果を示す。探触子17が小穴18の内側面に接触した場合先側領域14に曲げ歪みが発生し、受光器12に到達する反射光の光量が減少していることが判る。
【0038】
受光器12で測定される反射光の光量をXYテーブル20のXY方向移動手段32から出力される出力値とともに読み込み、読み込んだ反射光の光量から光量変化が検出されたときのXY方向移動手段32からの出力値X、Yを求めると、この出力値X、Yは、小穴18内周面を探触子17に接触させるために、小穴18をX方向及びY方向に移動させたときのそれぞれの移動量となる。移動量X、Yが求まると、探触子17に接触している小穴18内周面上の接触点は探触子17の中心(XYテーブル20の原点)に対して、tanθ=Y/Xを満たす角度θ方向に存在していることになるので、小穴18内周面上の接触点に接する探触子17上の点の座標は、探触子17の半径をrとすると、(rcosθ,rsinθ,Z)となる。ここで、Zは、小穴18内に進入している探触子17の中心と小穴18の開口端33との距離を示す。そして、小穴18内周面上の接触点の探触子17の中心に対する座標は、(rcosθ+X,rsinθ+Y,Z)となる。従って、探触子17に接触する小穴18の内周面上の他の接触点の座標を順次求めると、Z座標が一定の各接触点のX座標及びY座標から、小穴18の内周面の二次元形状(小穴18が円形穴の場合は内径と真円度、小穴18が非円形穴の場合は最大内幅長さ)が求まる。
【0039】
更に、小穴18の開口端33から小穴18内に進入する探触子17の進入距離Z、すなわち、探触子17と小穴18の内周面との接触点のZ方向位置を変えながら、探触子17と接触している小穴18内周面上の接触点のX座標及びY座標を求める、これにより、探触子17と接触した小穴18内周面上の接触点のX座標、Y座標、及びZ座標が求まり、小穴18の内周面の三次元形状(小穴18の内壁面の深さ方向、すなわちZ方向の凹凸状況)、小穴18の真直度、小穴18の円筒度が求まる。
【0040】
本発明の第2の実施の形態に係る形状測定装置について説明するが、第2の実施の形態に係る形状測定装置は、第1の実施の形態に係る形状測定装置10と比較して、図4に示すように、光ファイバセンサ34の撓み検知部35の構成が異なることが特徴となっている。このため、撓み検知部35に関してのみ詳細に説明し、同一の構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
光ファイバ36の先端の光反射部13から基側に向けて長さL(L/Dが、例えば、30〜300)の範囲に形成される先側領域37の芯線部26内には、芯線部26の軸方向に対して層状に1又は2以上の屈折率変化領域(ファイバーグレーティング)38が形成されて撓み検知部35を形成している。ここで、屈折率変化領域38は、その屈折率が前後の芯線部26の屈折率より高く又は低くなっている領域で、例えば、低出力のレーザ光を芯線部26に照射して光ファイバ36の芯線部26の組成を変質させることにより形成できる。なお、この変質部は層状であってもよいし、部分的であってもよい。
【0042】
先側領域37の芯線部26には、屈折率変化領域38が形成されているため、光ファイバ36内を伝播する光のうち、屈折率変化領域38の間隔、すなわち、グレーティング間隔によって決まる特定波長及びその近傍波長の光が屈折率変化領域38で反射され、先側領域37内の屈折率変化領域38で反射されずに通過した波長の反射光が受光器(例えば、光スペクトラムアナライザ)に到達して、その光量が測定される。このため、光ファイバ36の先端の探触子17が小穴18の側壁に当接して先側領域37に曲げ歪みが発生すると、屈折率変化領域38の間隔が変化し、屈折率変化領域38で反射される光の波長が変化する。従って、受光器に到達する光の波長変化を検知することにより、探触子17が小穴18の内周面に接触したか否かを判定することができる。
【0043】
なお、本発明の第2の実施の形態に係る形状測定装置を使用した形状測定方法は、第1の実施の形態に係る形状測定装置10を使用した形状測定方法と実質的に同一なので、形状測定方法に関する説明は省略する。
【0044】
本発明の第3の実施の形態に係る形状測定装置について説明するが、第3の実施の形態に係る形状測定装置は、第1の実施の形態に係る形状測定装置10と比較して、図5に示すように、光ファイバセンサ40の構成が異なるとともに、光ファイバ41が触針42に固着されていることが特徴となっている。このため、光ファイバセンサ40を構成する光ファイバ41及び触針42に関してのみ詳細に説明し、同一の構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
触針42は、自由状態で垂直配置され、先端部には探触子43が設けられている。ここで、触針42は、例えば、外径Wが10〜100μmであって、例えば、金属、ガラス繊維、炭素繊維などの弾性体で形成されている。また、探触子43は、例えば、超硬、ガラス、立方晶窒化硼素で形成された直径が0.005〜0.15mmの球体であり、例えば、エポキシ樹脂を用いた接着剤層44を介して触針42の先端部に固着されている。これによって、触針42の先側を小穴18内に挿入し、探触子43を小穴18の内周面に接触させることにより、触針42を撓ませることができる。
【0046】
ここで、光ファイバ41は、例えば、外径Dが3〜60μmであって、中央部に光が通過する直径dが1〜9μmの芯線部26(例えば、石英ガラス製の線材)、その周囲に厚さtが1〜60μmのクラッド部27(例えば、芯線部26より屈折率が低い石英ガラス層)が形成されている。また、光ファイバ41の先端には、鏡面状に研磨加工された後、例えば、金蒸着を行なって形成された厚さδが0.001〜1mmの光反射部45が設けられている。更に、光ファイバ41の先端の光反射部45から基側に向けて長さL(L/Dが、例えば、30〜300)の範囲に形成される先側領域46には、光ファイバ41のクラッド部27の、例えば、半周部分に芯線部26に届く複数の溝48が形成されて撓み検知部49を形成している。
【0047】
また、光ファイバ41は、エポキシ樹脂を用いて、触針42の軸心方向と平行になるようにその軸心方向を揃えて触針42の側部に貼り付けられている。このため、触針42が撓むと、光ファイバ41も触針42とともに撓む。このため、光が溝48で散乱される割合が少なくなるような入射角度に変化すると、反射光の光ファイバ41からの漏れが減少し受光器12に到達する反射光の光量が増加する。これに対して、光が溝48で散乱される割合が多くなるような入射角度に変化すると、光の溝48での散乱が多くなって反射光が光ファイバ41から漏れる割合が増加し受光器12に到達する反射光の光量が減少する。従って、光ファイバ41の先側領域46が垂直配置されている場合に受光器12で測定される反射光の光量に対して、反射光の光量変化が生じたか否かを検知することで、探触子43が小穴18の内周面に接触したか否かを判定することができる。なお、符号50は、光ファイバ41が固着された触針42の先側領域46より基側の領域を収納するガイド部材である。これによって、探触子43を下方に向けて触針42を自由状態で垂直配置することができる。
【0048】
本発明の第3の実施の形態に係る形状測定装置を使用した形状測定方法は、第1の実施の形態に係る形状測定装置10を使用した形状測定方法と比較して、触針42の先端部に固着配置された探触子43を小穴18の内周面に接触させることが特徴となっており、それ以外は第1の実施の形態に係る形状測定装置10を使用した形状測定方法と実質的に同一とすることができる。このため、本発明の第3の実施の形態に係る形状測定装置を使用した形状測定方法に関する説明は省略する。
【0049】
続いて、本発明の第4の実施の形態に係る形状測定装置51について説明するが、第4の実施の形態に係る形状測定装置51は、第1の実施の形態に係る形状測定装置10と比較して、図6に示すように、光ファイバセンサ17aの光ファイバ16の先側領域14において光反射部13より基側で撓み検知部15より先側の撓み部57の側面には光反射層の一例である金蒸着膜58が形成され、金蒸着膜58の外側には隙間を設けて、金蒸着膜58に向かって光を照射する光照射手段59が配置され、金蒸着膜58で反射された光を検知可能な高さ位置、例えば、光照射手段59と同一高さ位置で光照射手段59の両側には第1、第2の光検知手段60、61がそれぞれ設けられていることが特徴となっている。
【0050】
ここで、図6、図7(A)、(B)、図8(A)、(B)に示すように、光照射手段59として、例えば、基側に発光器の一例である半導体レーザ(図示せず)が接続され、先側に光照射口62が形成された光ファイバ63を使用することができる。また、第1、第2の光検知手段60、61として、例えば、アバランシェフォトダイオードを検出素子に用いた受光器(図示せず)が基側に接続され、先側に光受入口64、65が形成された光ファイバ66、67を使用することができる。
【0051】
そして、各光ファイバ63、66、67は、図6に示すように、光ファイバ16の撓み部57を取囲んで配置された、例えば筒状のファイバ固定部材68の外側部に沿って基側から先側まで配設され、各光ファイバ63、66、67の先側はファイバ固定部材68の先部の同一高さ位置に並べて形成された各挿通孔69よりファイバ固定部材68の内側に引き込まれて、光ファイバ63の光照射口62、光ファイバ66、67の光受入口64、65をそれぞれ光ファイバ16の撓み部57に形成された金蒸着膜58に向けて配置されている。
【0052】
本発明の第4の実施の形態に係る形状測定装置51を使用した形状測定方法は、第1の実施の形態に係る形状測定装置10を使用した形状測定方法において、先ず、光反射部13より基側で撓み検知部15より先側の撓み部57の側面に金蒸着膜58を形成し、金蒸着膜58の外側に隙間を設けて配置した光照射手段59から光を金蒸着膜58に照射し金蒸着膜58で反射した光を、この光の検知が可能な高さ位置、例えば、光照射手段59と同一高さ位置で光照射手段59の両側に配置した第1、第2の光検知手段60、61でそれぞれ検知して、第1、第2の光検知手段60、61で検知された光強度差から探触子17が物体19に当接したか否かを判定することが特徴となっている。このため、光照射手段59から照射した光を第1、第2の光検知手段60、61で検知して探触子17と物体19との当接を検知する方法に関してのみ説明し、探触子17が物体19に当接したことが確認された後に行う形状測定装置51を使用した形状測定方法は形状測定装置10の場合と同様なので説明は省略する。
【0053】
図7(A)、(B)に示すように、探触子17が物体19に接触していない状態では、光照射手段59の光照射口62から光ファイバ16に形成された金蒸着膜58に向けて照射された光は、金蒸着膜58で反射され、反射した光の一部は第1、第2の光検知手段60、61の光受入口64、65から光ファイバ66、67内に進入し、光ファイバ66、67を通過して受光器で光強度が測定される。第1、第2の光検知手段60、61で検知される光の強度は、光照射手段59に対する第1、第2の光検知手段60、61の位置関係で決まり、例えば、光照射口62の中心線が光ファイバ16の軸心に向けて配置し、第1、第2の光検知手段60、61を光照射手段59の両側に対称に配置した場合、光照射手段59の光照射口62から金蒸着膜58に向けて照射され金蒸着膜58で反射した光は、第1、第2の光検知手段60、61の光受入口64、65に均等に入射することになる。このため、第1、第2の光検知手段60、61で検知される光の強度は等しくなる。
【0054】
探触子17が物体19の小穴18の内周面に接触していない状態から、図8(A)、(B)に示すように探触子17が小穴18の内周面、すなわち物体19に接触する状態になって、例えば、光ファイバセンサ17aが光ファイバ63、66、67から遠ざかる方向に変位した場合、光受入口64、65に入射する反射光が増加することになって第1、第2の光検知手段60、61で検知される光の強度が増加する。逆に、光ファイバセンサ17aが光ファイバ63、66、67に接近する方向に変位した場合、光受入口64、65に入射する反射光が減少することになって第1、第2の光検知手段60、61で検知される光の強度が減少する。
【0055】
また、図8(B)において、探触子17が物体19に接触して、例えば、探触子17が光ファイバ66側に撓んだ場合、第1の光検知手段60で検知される光の強度が増加すると共に第2の光検知手段61で検知される光の強度が低下する。逆に、光ファイバセンサ17aが光ファイバ67に接近する方向に変位した場合、第1の光検知手段60で検知される光の強度が減少すると共に第2の光検知手段61で検知される光の強度が増加する。このため、探触子17が物体19に接触したことが検知できると共に、探触子17が物体19に接触してどの方向に移動したかも検知できる。
なお、第1、第2の光検知手段60、61で検知される光の強度が、探触子17が物体19に接触していない状態で検知された光の強度に変化することから、探触子17が物体19から離脱したことが検知できる。
【0056】
本発明の第5の実施の形態に係る形状測定装置について説明する。
第5の実施の形態に係る形状測定装置は、第1の実施の形態に係る形状測定装置10と比較して、図9に示すように、光ファイバセンサ17aの先側領域14において光反射部13より基側で撓み検知部15より先側の撓み部57の外側には隙間を設けて撓み部57に向かって光を照射する光照射手段73が配置され、更に撓み部57を間にして光照射手段73の反対側には撓み部57を透過した光を検知する光検知手段74が配置されていることが特徴となっている。
【0057】
ここで、光照射手段73として、例えば、基側に発光器の一例である半導体レーザ(図示せず)が接続され、先側に光照射口75が形成された光ファイバ76を使用することができる。また、光検知手段74として、例えば、アバランシェフォトダイオードを検出素子に用いた受光器(図示せず)が基側に接続され、先側に光受入口77が形成された光ファイバ78を使用することができる。また、図9に示すように、光ファイバ17aの外側には、撓み部57を取囲むように、例えば筒状のファイバ固定部材79が設けられ、ファイバ固定部材79の先部の同一高さ位置には向かい合って挿通孔80、81が形成されている。そして、各光ファイバ76、78は、ファイバ固定部材79の外側部に沿って基側から先側までそれぞれ配設され、挿通孔80、81よりファイバ固定部材79の内側に引き込まれて、光ファイバ76の光照射口75、光ファイバ78の光受入口77は撓み部57を間にして向かい合って配置されている。
【0058】
本発明の第5の実施の形態に係る形状測定装置を使用した形状測定方法は、第1の実施の形態に係る形状測定装置10を使用した形状測定方法を用いて、先ず、先側領域14の光反射部13より基側で撓み検知部15より先側の撓み部57の外側に隙間を設けて撓み部72に向かって光を照射する光照射手段73を配置し、更に撓み部57を間にして光照射手段73に対向して撓み部57を透過した光を検知する光検知手段74を配置して、光検知手段74で検知される光強度の変化から探触子17が物体19に当接したか否かを判定することが特徴となっている。このため、光照射手段73から照射した光検知手段74で検知して探触子17と物体19との当接を検知する方法に関してのみ説明し、探触子17が物体19に当接したことが確認された後に行う形状測定装置を使用した形状測定方法は形状測定装置10の場合と同様なので説明は省略する。
【0059】
図10(A)、(B)に示すように、探触子17が物体19に接触していない状態では、光照射手段73の光照射口75から撓み部57に向けて照射された光は撓み部57を透過し、透過した光の一部は光検知手段74の光受入口77から光ファイバ78内に進入し、光ファイバ78を通過して受光器で光強度が測定される。なお、光検知手段74で検知される光の強度は、光ファイバ16、光照射手段73、及び光検知手段74の位置関係で決まり、探触子17が物体19に接触していない状態では光ファイバ16、光照射手段73、及び光検知手段74の位置関係は一定に保たれるので、光検知手段74で検知される光強度は一定となる。
【0060】
探触子17が物体19に接触していない状態から、図11(A)、(B)に示すように探触子17が物体19に接触する状態になると、物体19に接触した探触子17が物体19から押返されて、光ファイバ16は撓む。例えば、撓み部57が光照射口75から離れるように変位した場合、撓み部57を透過する光量が増加する。その結果、光受入口77から入射す透過光が増加することになって光検知手段74で検知される光の強度が強くなる。逆に、撓み部57が光照射口75に接近するように変位した場合、撓み部57を透過する光量は減少する。このため、光検知手段74で検知される光の強度の変化を検知することにより、探触子17が物体19に接触したことが検知できる。なお、光検知手段74で検知される光の強度が、探触子17が物体19に接触していない状態で検知された光の強度に戻ることから、探触子17が物体19から離脱したことが検知できる。
【0061】
図12(A)、(B)に第5の実施の形態に係る形状測定装置の変形例を示す。変形例では、撓み部57を間にして光照射手段73に対向させて複数、例えば、2つの光検知手段82、83が配置されていることが特徴となっている。ここで、光検知手段82、83は、例えば、アバランシェフォトダイオードを検出素子に用いた受光器(図示せず)が基側に接続され、先側に光受入口84、85が形成された光ファイバ86、87を使用することができる。
【0062】
従って、図12(A)に示すように、探触子17が物体19に接触していない状態では、光照射手段73の光照射口75から光ファイバ16に向けて照射された光は、光ファイバ16を透過し光検知手段82、83の光受入口84、85から光ファイバ86、87内に進入し、光ファイバ86、87を通過して受光器で光強度が測定される。光検知手段86、87で検知される光の強度は、光ファイバ16、光照射手段73、及び光検知手段82、83の位置関係で決まりる。例えば、光照射口75の中心線に対して光検知手段82、83が対称位置に配置されるようにすると、光照射手段73の光照射口75から照射され光ファイバ16を透過した光は、光検知手段82、83の光受入口84、85に均等に入射することになる。このため、探触子17が物体19に接触していない状態では、光ファイバ16、光照射手段73、及び光検知手段82、83の位置関係は一定に保たれるので、光検知手段82、83で検知される光の強度は同一強度に保たれる。
【0063】
一方、図12(B)に示すように、探触子17が物体19に接触して、例えば、光ファイバ16が光ファイバ87側に撓んだ場合、光受入口84と光ファイバ16との距離より光受入口85と光ファイバ16との距離が短くなって、光検知手段83で検知される光の強度が強くなる。このため、探触子17が物体19に接触したことが検知できると共に、探触子17が物体19に接触してどの方向に移動したかも検知できる。なお、光検知手段82、83で検知される光の強度が、探触子17が物体19に接触していない状態で検知された光の強度に戻ることから、探触子17が物体19から離脱したことが検知できる。
【0064】
本発明の第6の実施の形態に係る形状測定装置は、第3の実施の形態の光ファイバセンサ40の先側領域46において、光反射部45より基側で撓み検知部49より先側の撓み部の側面には光反射層の一例である金蒸着膜が形成され、金蒸着膜の外側には隙間を設けて、金蒸着膜に向かって光を照射する光照射手段が配置され、金蒸着膜で反射された光の検知が可能な高さ位置、例えば、光照射手段と同一高さ位置で光照射手段の両側には第1、第2の光検知手段がそれぞれ設けられていることが特徴となっており、本発明の第4の実施の形態に係る形状測定装置51において、光ファイバセンサ17aの先側領域14において光反射部13より基側で撓み検知部15より先側の撓み部57の側面には光反射層の一例である金蒸着膜58が形成され、金蒸着膜58の外側には隙間を設けて、金蒸着膜58に向かって光を照射する光照射手段59が配置され、光照射手段59と同一高さ位置で光照射手段59の両側には、金蒸着膜58で反射された光を検知する第1、第2の光検知手段60、61がそれぞれ設けた構成と同様にすることができる。このため、本発明の第6の実施の形態に係る形状測定装置についての説明は省略する。
【0065】
また、本発明の第6の実施の形態に係る形状測定装置を使用した形状測定方法にいて、探触子43が物体19の小孔8の内周面に当接したか否かの判定は、第4の実施の形態に係る形状測定装置51を使用した形状測定方法において、探触子17が物体19に当接したか否かの判定と同様に行うことができ、探触子43が物体19に当接したことが確認された後に行う形状測定装置を使用した形状測定方法は形状測定装置10の場合と同様なので、本発明の第6の実施の形態に係る形状測定装置を使用した形状測定方法についての説明は省略する。
【0066】
本発明の第7の実施の形態に係る形状測定装置は、第3の実施の形態の光ファイバセンサ40の先側領域46において、光反射部45より基側で撓み検知部49より先側の撓み部の外側には隙間を設けて撓み部向かって光を照射する光照射手段が配置され、更に撓み部を間にして光照射手段の反対側には撓み部を透過した光を検知する光検知手段が配置されていることが特徴となっており、本発明の第5の実施の形態に係る形状測定装置において、光ファイバセンサ17aの先側領域14において光反射部13より基側で撓み検知部15より先側の撓み部57の外側には隙間を設けて撓み部57向かって光を照射する光照射手段73が配置され、更に撓み部57を間にして光照射手段73の反対側には撓み部57を透過した光を検知する光検知手段74が配置されている構成と同様にすることができる。このため、本発明の第7の実施の形態に係る形状測定装置についての説明は省略する。
【0067】
また、本発明の第7の実施の形態に係る形状測定装置を使用した形状測定方法にいて、探触子43が物体19の小穴18の内周面に当接したか否かの判定は、第5の実施の形態に係る形状測定装置を使用した形状測定方法において、探触子17が物体19に当接したか否かの判定と同様に行うことができ、探触子43が物体19に当接したことが確認された後に行う形状測定装置を使用した形状測定方法は形状測定装置10の場合と同様なので、本発明の第7の実施の形態に係る形状測定装置を使用した形状測定方法についての説明は省略する。
【0068】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、第1、第3の実施の形態で、光ファイバの先側領域に存在するクラッド部の半周部分に複数の溝を形成することで撓み検知部を構成したが、溝は1本だけ形成することも、溝の代りに1又は2本以上の疵を形成することもできる。また、溝又は疵は、クラッド部の全周に形成するようにしてもよい。更に、クラッド部に複数の溝(疵)を形成する場合、溝(疵)の間隔を変化させてもよい。溝(疵)の間隔を変化させることにより、先側領域の溝(疵)で光が散乱される割合を波長毎に変化させることができ、受光器で検知する反射光の光量を波長毎に変えることができる。
また、第3の実施の形態で、撓み検知部を光ファイバの芯線部に届く1又は2以上の溝によって形成したが、芯線部内に存在する屈折率変化領域によって形成してもよい。
【0069】
測定対象物を小穴とし小穴の内周面の二次及び三次元形状を求めたが、測定対象物は任意の形状とすることができ、例えば、測定対象物を溝とすると、溝の二次元形状(一定深さ位置での溝幅)及び三次元形状(内側面の深さ方向の凹凸状況)を求めることができ、測定対象物を突起とすると、突起の二次元形状(一定高さ位置での外幅)及び三次元形状(外側面の高さ方向の凹凸状況)を求めることができる。
また、Z方向昇降手段でXYテーブルを上下させるようにしたが、Z方向昇降手段で光ファイバセンサ又は光ファイバ又は触針を上下させるようにしてもよい。
【0070】
第4〜第7の実施の形態では、光検知手段の受光器に使用する検出素子としてアバランシェフォトダイオードを使用したが、光検出に光電子倍増管、フォトダイオード、スペクトルアナライザを使用してもよい。
第4の実施の形態で、光ファイバ16の先側領域14において、光反射部13より基側で撓み検知部15より先側の撓み部57の側面に光反射層の一例である金蒸着膜58を形成し、金蒸着膜58の外側に隙間を設けて、金蒸着膜58に向かって光を照射する光照射手段59を配置すると共に、光照射手段59と同一高さ位置で光照射手段59の両側には、金蒸着膜58で反射された光を検知する第1、第2の光検知手段60、61をそれぞれ設けるようにしたが、光ファイバ16とは別の光ファイバの先端部に探触子を取付け、光ファイバの先側領域の側面に光反射層の一例である金蒸着膜を形成し、金蒸着膜の外側には隙間を設けて、金蒸着膜に向かって光を照射する光照射手段を配置すると共に、
金蒸着膜で反射された光の検知が可能な高さ位置(例えば、光照射手段と同一高さ位置)で光照射手段の両側に第1、第2の光検知手段をそれぞれ設けるようにすることもできる。これにより、光ファイバの先端部に取付けた探触子が物体に接触したか否かのみを検知することができる。
【0071】
また、第5の実施の形態で、光ファイバ16の先側領域14において、光反射部13より基側で撓み検知部15より先側の撓み部57の外側に隙間を設けて撓み部57に向かって光を照射する光照射手段73を配置し、更に撓み部57を間にして光照射手段73の反対側に撓み部57を透過した光を検知する光検知手段74を配置したが、光ファイバ16とは別の光ファイバの先端部に探触子を取付け、光ファイバの先側領域の外側に先側領域に向かって光を照射する光照射手段を配置し、先側領域を間にして光照射手段の反対側に先側領域を透過した光を検知する光検知手段を配置するようにすることもできる。これにより、光ファイバの先端部に取付けた探触子が物体に接触したか否かのみを検知することができる。
【0072】
第6の実施の形態で、光ファイバ41の先側領域46において、光反射部45より基側で撓み検知部49より先側の撓み部の側面に光反射層の一例である金蒸着膜を形成し、金蒸着膜の外側に隙間を設けて、金蒸着膜に向かって光を照射する光照射手段を配置すると共に、光照射手段と同一高さ位置で光照射手段の両側に金蒸着膜で反射された光を検知する第1、第2の光検知手段をそれぞれ設けるようにしたが、光ファイバ41とは別の光ファイバの先側領域の側面に光反射層の一例である金蒸着膜を形成し、金蒸着膜の外側には隙間を設けて、金蒸着膜に向かって光を照射する光照射手段を配置すると共に、金蒸着膜で反射された光の検知が可能な高さ位置(例えば、光照射手段と同一高さ位置)で光照射手段の両側に第1、第2の光検知手段をそれぞれ設けるようにして、この光ファイバを触針42に固着することもできる。これにより、触針42の探触子43が物体19に接触したか否かのみを検知することができる。
【0073】
第7の実施の形態で、光ファイバ41の先側領域46において、光反射部45より基側で撓み検知部49より先側の撓み部の外側に隙間を設けて撓み部向かって光を照射する光照射手段を配置し、更に撓み部を間にして光照射手段の反対側に撓み部を透過した光を検知する光検知手段を配置したが、光ファイバ41とは別の光ファイバの先側領域の外側に先側領域に向かって光を照射する光照射手段を配置し、先側領域を間にして光照射手段の反対側に先側領域を透過した光を検知する光検知手段を配置するようにして、この光ファイバを触針42に固着することもできる。これにより、触針42の探触子43が物体19に接触したか否かのみを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る形状測定装置のブロック図である。
【図2】同形状測定装置の使用状態を示す部分拡大図である。
【図3】接触時及び非接触時に受光器で測定される反射光の光量変化を示す説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る形状測定装置の光ファイバセンサの説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る形状測定装置の使用状態を示す部分拡大図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る形状測定装置の光ファイバセンサの説明図である。
【図7】(A)は非接触時に第1、第2の光検知手段で測定される反射光の光路を示す正面図、(B)は(A)のP−P矢視断面図である。
【図8】(A)は接触時に第1、第2の光検知手段で測定される反射光の光路を示す正面図、(B)は(A)のP’−P’矢視断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る形状測定装置の光ファイバセンサの説明図である。
【図10】(A)は非接触時に光検知手段で測定される透過光の光路を示す正面図、(B)は(A)のQ−Q矢視断面図である。
【図11】(A)は接触時に光検知手段で測定される透過光の光路を示す正面図、(B)は(A)のQ’−Q’矢視断面図である。
【図12】変形例に係る形状測定装置において、(A)は非接触時に第1、第2の光検知手段で測定される透過光の光路を示す説明図、(B)は接触時に第1、第2の光検知手段で測定される透過光の光路を示す説明図である。
【符号の説明】
【0075】
10:形状測定装置、11:発光器、12:受光器、13:光反射部、14:先側領域、15:撓み検知部、16:光ファイバ、17:探触子、17a:光ファイバセンサ、18:小穴、19:物体、20:XYテーブル、21:Z方向昇降手段、22:制御部、23、24:光ファイバ、25:光分岐コネクタ、26:芯線部、27:クラッド部、28:溝、28a:接着剤層、29:ガイド部材、30:境界面、31:テーブル、32:XY方向移動手段、33:開口端、34:光ファイバセンサ、35:撓み検知部、36:光ファイバ、37:先側領域、38:屈折率変化領域、40:光ファイバセンサ、41:光ファイバ、42:触針、43:探触子、44:接着剤層、45光反射部、46:先側領域、48:溝、49:撓み検知部、50:ガイド部材、51:形状測定装置、57:撓み部、58:金蒸着膜、59:光照射手段、60:第1の光検知手段、61:第2の光検知手段、62:光照射口、63:光ファイバ、64、65:光受入口、66、67:光ファイバ、68:ファイバ固定部材、69:挿通孔、73:光照射手段、74:光検知手段、75:光照射口、76:光ファイバ、77:光受入口、78:光ファイバ、79:ファイバ固定部材、80、81:挿通孔、82、83:光検知手段、84、85:光受入口、86、87:光ファイバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部側に発光器及び受光器が設けられ、先端に前記発光器から入射した光を反射する光反射部が設けられて自由状態で垂直配置された先側領域を有し、前記光反射部より基側の前記先側領域に該先側領域の一部の曲げ歪みによって通過光に光量変化を発生させる撓み検知部が形成された光ファイバと、
前記光ファイバの先端部に固着配置された探触子と、
前記探触子が設けられた前記光ファイバの下方に配置され、測定対象物が形成された物体を載せるXYテーブルと、
前記探触子が設けられた前記光ファイバの少なくとも前記先側領域に対して前記XYテーブルを相対的に上下するZ方向昇降手段とを有し、
前記探触子に対して前記XYテーブルに載せた前記物体に形成された前記測定対象物を側方から当接させて前記受光器で受光する光の光量変化を検知し、前記探触子が前記測定対象物に当接した際の該探触子の位置を前記XYテーブルから読み出して、前記測定対象物の二次元形状を測定することを特徴とする形状測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の形状測定装置において、前記Z方向昇降手段は前記XYテーブル又は前記光ファイバを昇降するものであり、前記探触子が前記測定対象物に当接した際の該XYテーブル及び前記Z方向昇降手段からの各出力に基づいて、該測定対象物の三次元形状を測定することを特徴とする形状測定装置。
【請求項3】
自由状態で垂直配置され先端部に探触子が設けられた触針と、
基部側に発光器及び受光器が設けられ、先端に前記発光器から入射した光を反射する光反射部が設けられた先側領域を有し、前記触針に固着され該触針とともに撓んで通過光に光量変化を発生させる撓み検知部が形成された光ファイバと、
前記探触子が設けられた前記触針の下方に配置され、測定対象物が形成された物体を載せるXYテーブルと、
前記探触子が設けられた前記触針に固着された前記光ファイバの先側領域に対して前記XYテーブルを相対的に上下するZ方向昇降手段とを有し、
前記探触子に対して前記XYテーブルに載せた前記物体に形成された前記測定対象物を側方から当接させて前記受光器で受光する光の光量変化を検知し、前記探触子が前記測定対象物に当接した際の該探触子の位置を前記XYテーブルから読み出して、前記測定対象物の二次元形状を測定することを特徴とする形状測定装置。
【請求項4】
請求項3記載の形状測定装置において、前記Z方向昇降手段は前記XYテーブル又は前記触針を昇降するものであり、前記探触子が前記測定対象物に当接した際の該XYテーブル及び前記Z方向昇降手段からの各出力に基づいて、該測定対象物の三次元形状を測定することを特徴とする形状測定装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の形状測定装置において、前記光ファイバは芯線部とその周囲のクラッド部とを有し、前記撓み検知部は、該芯線部に届く1又は2以上の溝又は疵によって形成されていることを特徴とする形状測定装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の形状測定装置において、前記光ファイバは芯線部とその周囲のクラッド部とを有し、前記撓み検知部は、該芯線部内に存在する屈折率変化領域によって形成されていることを特徴とする形状測定装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の形状測定装置において、前記測定対象物は内側寸法が0.5mm以下の小穴であることを特徴とする形状測定装置。
【請求項8】
基部側に発光器及び受光器が設けられ、先端に前記発光器から入射した光を反射する光反射部が設けられて自由状態で垂直配置された先側領域を有し、前記光反射部より基側の前記先側領域に該先側領域の一部の曲げ歪みによって通過光に光量変化を発生させる撓み検知部が形成された光ファイバと、該光ファイバの先端部に固着配置された探触子とを有する光ファイバセンサを、前記探触子を下端にして垂直配置し、
前記探触子の下方に配置されたXYテーブルに測定対象物が形成された物体を載置して、前記探触子を前記測定対象物に側方から当接可能な位置に配置し、前記XYテーブルを移動させることによって、前記測定対象物と前記探触子とを接触させて、前記受光器で受光する光の光量変化が発生したときの前記XYテーブルの出力から前記測定対象物の二次元形状を測定することを特徴とする形状測定方法。
【請求項9】
自由状態で垂直配置され先端部に探触子が設けられた触針と、該触針に固着され、基部側に発光器及び受光器が設けられ、先端に前記発光器から入射した光を反射する光反射部が設けられた先側領域を有し、前記触針とともに撓んで通過光に光量変化を発生させる撓み検知部が形成された光ファイバとを有する光ファイバセンサを前記探触子を下端にして垂直配置し、
前記探触子の下方に配置されたXYテーブルに測定対象物が形成された物体を載置して、前記探触子を前記測定対象物に側方から当接可能な位置に配置し、前記XYテーブルを移動させることによって、前記測定対象物と前記探触子とを接触させて、前記受光器で受光する光の光量変化が発生したときの前記XYテーブルの出力から前記測定対象物の二次元形状を測定することを特徴とする形状測定方法。
【請求項10】
請求項8及び9のいずれか1項に記載の形状測定方法において、前記測定対象物は内側寸法が0.5mm以下の小穴であることを特徴とする形状測定方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の形状測定方法において、前記XYテーブル又は前記光ファイバセンサを垂直に上下させるZ方向昇降手段を備え、前記探触子が前記測定対象物に当接した際の前記XYテーブルからの出力及び前記Z方向昇降手段からの出力から前記測定対象物の三次元形状を測定することを特徴とする形状測定方法。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の形状測定装置において、前記先側領域の前記光反射部より基側で前記撓み検知部より先側の撓み部の側面には光反射層が形成され、該光反射層の外側には隙間を設けて該光反射層に向かって光を照射する光照射手段が配置され、該光反射層で反射された光の検知が可能な高さ位置で該光照射手段の両側には第1、第2の光検知手段がそれぞれ設けられていることを特徴とする形状測定装置。
【請求項13】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の形状測定装置において、前記先側領域の前記光反射部より基側で前記撓み検知部より先側の撓み部の外側には隙間を設けて該撓み部に向かって光を照射する光照射手段が配置され、更に該撓み部を間にして該光照射手段の反対側には該撓み部を透過した光を検知する光検知手段が配置されていることを特徴とする形状測定装置。
【請求項14】
請求項13記載の形状測定装置において、前記光検知手段は1又は2以上設けられていることを特徴とする形状測定装置。
【請求項15】
請求項8〜11のいずれか1項に記載の形状測定方法において、前記先側領域の前記光反射部より基側で前記撓み検知部より先側の撓み部の側面に光反射層を形成し、該光反射層の外側に隙間を設けて配置した光照射手段から光を該光反射層に照射し該光反射層で反射した光を該光の検知が可能な高さ位置で該光照射手段の両側に配置した第1、第2の光検知手段でそれぞれ検知して、該第1、第2の光検知手段で検知された光強度差から前記探触子と前記測定対象物との当接を検知することを特徴とする形状測定方法。
【請求項16】
請求項8〜11のいずれか1項に記載の形状測定方法において、前記先側領域の前記光反射部より基側で前記撓み検知部より先側の撓み部の外側に隙間を設けて該撓み部に向かって光を照射する光照射手段を配置し、更に該撓み部を間にして該光照射手段に対向して該撓み部を透過した光を検知する光検知手段を配置して、該光検知手段で検知される光強度の変化から前記探触子と前記測定対象物との当接を検知することを特徴とする形状測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−122370(P2008−122370A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269005(P2007−269005)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(591065549)福岡県 (121)
【Fターム(参考)】