説明

形状測定装置

【課題】複数台の測定機間での振動の影響を排除した上で高い操作性と測定精度を実現した新たな形状測定装置を提供する。
【解決手段】形状測定装置は、被測定物50を挟んで対向配置される少なくとも2台の駆動機構付き測定機CMM1,CMM2と、これらの測定機ごとにそれぞれ対応して接続される少なくとも2台の制御装置41,42と、を備えるものであって、前記制御装置41,42は、測定機CMM1,CMM2の動作状態を検出自在であるとともに、制御装置41,42ごとで連携を取り合うことにより、一の測定機CMM1の動作状態の検出結果に応じて他の測定機CMM2に対する動作指令を発信自在である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状測定装置に係り、特に、2台以上の駆動機構付き測定機が被測定物を挟んで対向配置される構成の形状測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両ボディーのような大きな被測定物の形状を高速に測定する三次元形状測定装置として、2台の三次元測定機が被測定物を挟んで対向配置され、これら2台の測定機を用いることによって被測定物の同時測定を行うことができるデュアル形式の形状測定装置が知られている。この様な形式の形状測定装置の場合、2台の測定機で被測定物の形状測定を行うことができるので、効率の良い形状測定が可能となっている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−347256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、デュアル形式の形状測定装置の場合、一方の測定機が動作を行う際に振動が発生してしまい、この振動が他方の測定機に伝わることで測定精度に影響を与えてしまうという問題が存在していた。このような2台の測定機間での振動の影響を排除する従来の方策としては、オペレータによって測定機の動作管理を行うことが考えられるが、このような人的な管理手法を用いたのでは、形状測定装置の操作性が損なわれてしまうことになる。
【0005】
本発明は、上述した課題の存在に鑑みて成されたものであって、その目的は、複数台の測定機間での振動の影響を排除した上で高い操作性と測定精度を実現することのできる新たな形状測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る形状測定装置は、被測定物を挟んで対向配置される少なくとも2台の駆動機構付き測定機と、これらの測定機ごとにそれぞれ対応して接続される少なくとも2台の制御装置と、を備える形状測定装置であって、前記制御装置は、前記測定機の動作状態を検出自在であるとともに、制御装置ごとで連携を取り合うことにより、一の測定機の動作状態の検出結果に応じて他の測定機に対する動作指令を発信自在であることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る形状測定装置において、前記制御装置は、前記一の測定機が測定又は倣い動作をしているときには前記他の測定機を待機させるように動作指令を発信することができる。
【0008】
また、本発明に係る形状測定装置において、前記制御装置は、前記一の測定機又は前記他の測定機のいずれか一方を優先的に操作可能なメイン測定機として制御し、いずれか他方を前記メイン測定機の動作状態に応じて動作が制約されるサブ測定機として制御するように構成されることができる。
【0009】
さらに、本発明に係る形状測定装置において、前記制御装置が発信する動作指令には、前記測定機を移動させるための移動指令と、前記測定機に被測定物の測定又は倣い動作をさせるための測定・倣い指令と、前記測定機を待機させるための待機指令と、が含まれることとすることができる。
【0010】
また、本発明に係る形状測定装置において、前記制御装置が前記一の測定機に対して移動指令を発信する際に、当該制御装置は、前記他の測定機が停止しているときには前記一の測定機に対して移動指令を発信し、前記他の測定機が測定又は倣い動作をしているときには前記一の測定機に対して待機指令を発信するとともに、当該他の測定機の測定又は倣い動作の終了を検出したときに前記一の測定機が移動動作を行うように移動指令を発信し、前記他の測定機が移動しているときには前記一の測定機に対して移動指令を発信するようにすることができる。
【0011】
また、本発明に係る形状測定装置において、前記制御装置が前記一の測定機に対して測定・倣い指令を発信する際に、当該制御装置は、前記他の測定機が停止しているときには前記一の測定機に対して測定・倣い指令を発信し、前記他の測定機が測定動作、倣い動作、もしくは移動をしているときには前記一の測定機に対して待機指令を発信するとともに、当該他の測定機の測定動作、倣い動作、もしくは移動の終了を検出したときに前記一の測定機が測定・倣い動作を行うように測定・倣い指令を発信するようにすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数台の測定機間での振動の影響を排除した上で高い操作性と測定精度を実現した新たな形状測定装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、本実施形態に係る形状測定装置の概略構成を例示する外観斜視図であり、図2は、図1で示した本実施形態に係る形状測定装置のシステム構成を示したシステム概念図である。
【0015】
図1および図2にて示されるように、本実施形態に係る形状測定装置は、2台の三次元測定機CMM1,CMM2を有しており、これら2台の三次元測定機CMM1,CMM2が被測定物50を挟んで対向配置される構成を有している。一方の三次元測定機CMM1には、スピンドル11とその先端に取り付けられた測定子21、これらを駆動する駆動装置31、並びに測定のための移動制御を行う制御装置41が設置されている。他方の三次元測定機CMM2についても同様に、スピンドル12とその先端に取り付けられた測定子22、これらを駆動する駆動装置32、並びに測定のための移動制御を行う制御装置42が備わっている。
【0016】
一方の三次元測定機CMM1に接続する制御装置41と、他方の三次元測定機CMM2に接続する制御装置42とは、互いの連携が可能となるように有線もしくは無線の連携手段によって接続されており、これら2台の制御装置41,42が連携して制御を行うことにより、本実施形態に係る形状測定装置における全体の動作制御が実現可能となっている。
【0017】
また、これら2台の制御装置41,42は、2台の三次元測定機CMM1,CMM2が互いに連携して効率良く形状測定動作を行えるようにするために、一方の三次元測定機CMM1については優先的に操作可能なメイン測定機として制御し、他方の三次元測定機CMM2についてはメイン測定機の動作状態に応じて動作が制約されるサブ測定機として制御するようにプログラムされている。2台の制御装置41,42による制御をこのような構成とすることによって、2台の三次元測定機CMM1,CMM2の間での優先順位が規定され、効率良い測定動作が実現されることとなる。
【0018】
なお、スピンドル11,12の先端に取り付けられた測定子21,22については、接触式や非接触式のものを設置することができ、具体的には、タッチプローブや倣いプローブ、レーザプローブ、画像プローブなどのあらゆる形式のものを採用することが可能となっている。
【0019】
本実施形態に係る形状測定装置は、以上のような構成を有しているので、2台の三次元測定機CMM1,CMM2が協働してX,Y,Z三軸方向の測定が可能となっている。なお、本実施形態に係る形状測定装置については、コンピュータ制御を利用した自動測定機能と、ジョイスティック操作による手動測定機能を有するように構成することが可能であるが、以下の説明では、自動測定機能を用いた場合を例示して説明を行うこととする。
【0020】
次に、図3乃至図5を用いて、本実施形態に係る形状測定装置の具体的な測定制御動作を説明する。
【0021】
まず、本実施形態に係る形状測定装置では、図3に示すように、動作コマンドの種類を判別し、例えばメイン測定機である一方の三次元測定機CMM1がどのような種類の動作をこれから実行するかの選択を行う。図3で示すフローチャートの場合、動作コマンドの種類を判別した上で(ステップS10)三次元測定機CMM1に移動動作を行わせるか否かを判断し(ステップS11)、移動動作を行う必要がある場合には移動指令(ステップS12)を選択して図4に示す移動指令処理に移行し、移動動作を行う必要がない場合には測定指令(ステップS13)を選択して図5に示す測定指令処理に移行することとなる。
【0022】
なお、動作コマンドの種類の判別(ステップS10)は、制御装置41,42にあらかじめ設定されたプログラムによって行っても良いし、操作オペレータが制御装置41,42の画面ボタンを介して選択することなどにより行うこともできる。また、動作指令の選択判断(ステップS11)は、三次元測定機CMM1,CMM2の動作状態を検出自在な制御装置41,42によって行うことができ、例えば、メイン測定機である三次元測定機CMM1が被測定物50から離れた位置にあるときには移動指令(ステップS12)を選択し、三次元測定機CMM1がそのまま被測定物50の形状測定を実施できる位置にある場合には測定指令(ステップS13)を選択することとなる。
【0023】
また、三次元測定機CMM1,CMM2に対する制御装置41,42からの動作指令には、三次元測定機CMM1,CMM2を移動させるための移動指令や、三次元測定機CMM1,CMM2に被測定物50の測定動作をさせるための測定指令、三次元測定機CMM1,CMM2に被測定物50の倣い動作をさせるための倣い指令、三次元測定機CMM1,CMM2を待機させるための待機指令などの指令を設定することが可能である。ただし、以下では、説明の明確化のために、主として移動指令、測定指令および待機指令を選択する場合を例示して説明を行うこととする。
【0024】
続いて、図4を用いることにより、三次元測定機CMM1を制御する制御装置41が移動指令を選択した場合の処理について説明を行う。
【0025】
制御装置41が三次元測定機CMM1に対する移動指令を発信すると(ステップS20)、まず、サブ測定機である三次元測定機CMM2の動作状態を制御装置42に検出させ、三次元測定機CMM2が測定動作、あるいは倣い動作を行っているか否かを判断する(ステップS21)。三次元測定機CMM2が測定動作・倣い動作を行っていない場合には、移動の際の振動が発生しても何ら問題ないので、そのまま三次元測定機CMM1の移動コマンドを実施させることになる(ステップS24)。しかし、三次元測定機CMM2が測定動作・倣い動作を行っている場合には、制御装置41が三次元測定機CMM2に対して移動要求前待機状態ステータスを送信し、三次元測定機CMM2に対して三次元測定機CMM1の移動要求を通知しつつ、三次元測定機CMM1に対して待機指令を与えることとなる(ステップS22)。
【0026】
ステップS22を実行した場合には、その後、ステップS21と同じ判断処理、すなわち、サブ測定機である三次元測定機CMM2の動作状態を制御装置42に検出させ、三次元測定機CMM2が測定動作、あるいは倣い動作を行っているか否かを判断する(ステップS23)。このステップS23の判断処理で三次元測定機CMM2の動作状態が引き続き測定動作・倣い動作を行っている状態であると判断された場合には、ステップS23の判断処理を繰り返し行う。そして、三次元測定機CMM2の測定動作・倣い動作が停止すると、繰り返されていたステップS23の判断処理はループ状態を解消され、三次元測定機CMM1の移動コマンドが実施される(ステップS24)。
【0027】
以上説明した図4に示されるアルゴリズムにより、三次元測定機CMM2が測定動作・倣い動作を行っているときの三次元測定機CMM1の移動が禁止されるので、三次元測定機CMM1の移動を発生原因とする振動が測定動作・倣い動作中の三次元測定機CMM2に伝わることはない。これにより、複数台の測定機間での振動の影響を排除した上で高い操作性と測定精度を実現した、新たな形状測定装置が実現できる。
【0028】
なお、三次元測定機CMM1の移動が禁止されるのは、三次元測定機CMM2が測定動作・倣い動作を行っている場合のみであり、三次元測定機CMM2が停止中のとき、および三次元測定機CMM2が移動中のときには三次元測定機CMM1の移動動作は許可されることとなる。
【0029】
つまり、制御装置41が三次元測定機CMM1に対して移動指令を発信する際に、制御装置41は、三次元測定機CMM2が停止しているときには三次元測定機CMM1に対して移動指令を発信し、三次元測定機CMM2が測定又は倣い動作をしているときには三次元測定機CMM1に対して待機指令を発信するとともに、三次元測定機CMM2の測定又は倣い動作の終了を検出したときに三次元測定機CMM1が移動動作を行うように移動指令を発信し、三次元測定機CMM2が移動しているときには三次元測定機CMM1に対して移動指令を発信するように制御を行うこととなる。
【0030】
次に、図5を用いることにより、三次元測定機CMM1を制御する制御装置41が図3のステップS13により測定指令を選択した場合の処理について説明を行う。
【0031】
制御装置41が三次元測定機CMM1に対する測定指令を発信すると(ステップS30)、まず、サブ測定機である三次元測定機CMM2でエラーが発生していないかどうかをチェックする(ステップS31)。仮に、このステップS31での判断処理にて三次元測定機CMM2のエラー発生を確認した場合には、三次元測定機CMM2のエラーが復帰するまで図5の処理はステップS32の判断処理を繰り返し行うこととなり、それ以上処理を進めることができなくなる。そして、ステップS32において三次元測定機CMM2のエラー復帰が確認されると、繰り返されていたステップS32の判断処理はループ状態を解消され、三次元測定機CMM1の測定コマンドの実施が続行されることとなる。
【0032】
続いて、三次元測定機CMM2が停止状態であるか否かが確認される(ステップS33)。このステップS33において、三次元測定機CMM2が停止状態であると判断された場合には、測定指令を行っている三次元測定機CMM1がメイン測定機であるか、あるいはサブ測定機であるかが判断され(ステップS34)、本実施形態の場合は三次元測定機CMM1がメイン測定機であるので測定コマンドが実行されることとなる(ステップS39)。
【0033】
なお、仮に、三次元測定機CMM1がサブ測定機である場合には、他の測定機である三次元測定機CMM2が測定指令を受けているか否かが確認され(ステップS35)、他の測定機である三次元測定機CMM2が測定指令を受けていない場合のみ測定コマンドが実行される(ステップS39)。
【0034】
ステップS33において他の測定機である三次元測定機CMM2が停止中ではないと判断された場合、および、ステップS35において他の測定機である三次元測定機CMM2が測定指令を受けていると判断された場合には、本測定指令アルゴリズムはステップS36へと処理が進行し、制御装置41が三次元測定機CMM2に対して測定要求前待機状態ステータスを送信し、三次元測定機CMM2に対して三次元測定機CMM1の測定要求を通知しつつ、三次元測定機CMM1に対して待機指令を与えることとなる(ステップS36)。
【0035】
ステップS36が実行された場合には、その後、先に行われたステップS31〜ステップS32と同じ判断処理、すなわち、三次元測定機CMM2でエラーが発生していないかどうかが確認され、エラーが発生している場合にはステップS32の前まで処理が戻され、ステップS32以降の処理が再び実行されることとなる(ステップS37)。また、ステップS37において、三次元測定機CMM2でエラーが発生していないことが確認された場合には、ステップS38において三次元測定機CMM2のエラー復帰の有無が確認され、三次元測定機CMM2のエラー復帰が確認されると、三次元測定機CMM1の測定コマンドが実施される(ステップS39)。なお、ステップS38において三次元測定機CMM2のエラー復帰が確認されるまでは、ステップS37〜ステップS38の処理が繰り返し実行されることとなる。
【0036】
以上説明した図5に示されるアルゴリズムにより、三次元測定機CMM2が測定動作・倣い動作・移動を行っているときの三次元測定機CMM1の測定動作が禁止されるので、三次元測定機CMM2の動作を発生原因とする振動が三次元測定機CMM1の測定動作に伝わることはない。これにより、複数台の測定機間での振動の影響を排除した上で高い操作性と測定精度を実現した、新たな形状測定装置が実現できる。
【0037】
なお、三次元測定機CMM1の測定が許可されるのは、三次元測定機CMM2が停止している場合のみであり、三次元測定機CMM2が動作中のときには三次元測定機CMM1の測定動作は完全に禁止されることとなる。
【0038】
つまり、制御装置41が三次元測定機CMM1に対して測定指令を発信する際に、制御装置41は、三次元測定機CMM2が停止しているときには三次元測定機CMM1に対して測定指令を発信し、三次元測定機CMM2が測定動作、倣い動作、もしくは移動をしているときには三次元測定機CMM1に対して待機指令を発信するとともに、三次元測定機CMM2の測定動作、倣い動作、もしくは移動の終了を検出したときに三次元測定機CMM1が測定動作を行うように測定指令を発信するように制御を行うこととなる。
【0039】
なお、ステップS34において、制御装置41が測定指令を発信している相手がメイン測定機とサブ測定機のいずれであるかを確認するのは、2台の三次元測定機CMM1,CMM2が同時に動作を行う場合に2台の測定機CMM1,CMM2が競合動作を行うことを避ける意図であり、メイン測定機の動作を優先させ、サブ測定機の動作を制限することによって、結果として形状測定の効率が向上するのである。
【0040】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。例えば、上述した本実施形態に係る形状測定装置の図4および図5を用いた処理説明では、一方の測定機を三次元測定機CMM1とし、他方の測定機を三次元測定機CMM2として説明した。しかしながら、図4および図5で説明したアルゴリズムは、本発明に係る形状測定機が備える全ての三次元測定機に対して実行されるものである。
【0041】
また、上述した本実施形態に係る形状測定装置では、2台の三次元測定機を備えた形態を例示して説明を行ったが、三次元測定機の設置個数については3台以上であっても良い。
【0042】
さらに、図5を用いて説明した測定指令のアルゴリズムについては、倣い動作の指令を行うための倣い指令のアルゴリズムとしてそのまま用いることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態に係る形状測定装置の概略構成を例示する外観斜視図である。
【図2】図1で示した本実施形態に係る形状測定装置のシステム構成を示したシステム概念図である。
【図3】本実施形態に係る形状測定装置の具体的な測定制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る形状測定装置の具体的な測定制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本実施形態に係る形状測定装置の具体的な測定制御動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
CMM1,CMM2 三次元測定機、11,12 スピンドル、21,22 測定子、31,32 駆動装置、41,42 制御装置、50 被測定物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物を挟んで対向配置される少なくとも2台の駆動機構付き測定機と、
これらの測定機ごとにそれぞれ対応して接続される少なくとも2台の制御装置と、
を備える形状測定装置であって、
前記制御装置は、前記測定機の動作状態を検出自在であるとともに、制御装置ごとで連携を取り合うことにより、一の測定機の動作状態の検出結果に応じて他の測定機に対する動作指令を発信自在であることを特徴とする形状測定装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記一の測定機が測定又は倣い動作をしているときには前記他の測定機を待機させるように動作指令を発信することを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記一の測定機又は前記他の測定機のいずれか一方を優先的に操作可能なメイン測定機として制御し、いずれか他方を前記メイン測定機の動作状態に応じて動作が制約されるサブ測定機として制御するように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の形状測定装置。
【請求項4】
前記制御装置が発信する動作指令には、
前記測定機を移動させるための移動指令と、
前記測定機に被測定物の測定又は倣い動作をさせるための測定・倣い指令と、
前記測定機を待機させるための待機指令と、
が含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の形状測定装置。
【請求項5】
前記制御装置が前記一の測定機に対して移動指令を発信する際に、
当該制御装置は、
前記他の測定機が停止しているときには前記一の測定機に対して移動指令を発信し、
前記他の測定機が測定又は倣い動作をしているときには前記一の測定機に対して待機指令を発信するとともに、当該他の測定機の測定又は倣い動作の終了を検出したときに前記一の測定機が移動動作を行うように移動指令を発信し、
前記他の測定機が移動しているときには前記一の測定機に対して移動指令を発信することを特徴とする請求項4に記載の形状測定装置。
【請求項6】
前記制御装置が前記一の測定機に対して測定・倣い指令を発信する際に、
当該制御装置は、
前記他の測定機が停止しているときには前記一の測定機に対して測定・倣い指令を発信し、
前記他の測定機が測定動作、倣い動作、もしくは移動をしているときには前記一の測定機に対して待機指令を発信するとともに、当該他の測定機の測定動作、倣い動作、もしくは移動の終了を検出したときに前記一の測定機が測定・倣い動作を行うように測定・倣い指令を発信することを特徴とする請求項4に記載の形状測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−264839(P2009−264839A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112910(P2008−112910)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】