説明

後処理装置及び画像形成装置

【課題】 折り処理により、湾曲したり、ふくらんだ用紙の満杯を確実に検知する。
【解決手段】 排紙皿上に集積された折り処理用紙の上限を検知することが出来る折り用紙満杯センサを排紙部に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折り処理装置を有する後処理装置及び該後処理装置を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は画像を形成した用紙あるいは画像形成し、各種の後処理を施した用紙を集積する排紙皿を有する。該排紙皿には集積可能な上限があるために、多くの画像形成装置では、前記排紙皿に満杯センサを設けて、用紙が上限を超えて集積されて溢れ、散乱したり、排紙ジャムが発生することを防止している(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−69137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
画像形成装置の付属装置として用いられる後処理装置は周知のように、用紙を折り畳み処理する折り処理装置を有するものが多いが、折り処理された用紙が排紙皿に排出された場合、たとえば特許文献1に記載されたような従来の満杯センサでは、満杯を検知することができない場合が多い。
【0004】
すなわち、折り畳まれた用紙は多くの場合、湾曲したり、ふくらんだりしているために、排紙皿上に不規則に集積し、従来の満杯センサが機能しなくなる。たとえば、1枚の折り畳み用紙が排紙された段階で満杯センサが作動したり、限度を超えて集積されても満杯センサが作動しなかったりする。
【0005】
本発明は折り処理装置を装備した後処理装置におけるこのような問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的は、下記の発明により達成される。
(請求項1)
折り処理装置及び少なくとも折り処理された用紙を集積する排紙皿を有する後処理装置において、
折り処理されて前記排紙皿に集積された用紙の上限を検知する折り用紙満杯センサを有することを特徴とする後処理装置。
(請求項2)
折り処理されないで前記排紙皿に集積された用紙の上限を検知する非折り用紙満杯センサを有することを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
(請求項3)
前記排紙皿の上方に設けられた用紙堆積皿を有し、前記折り用紙満杯センサは、前記用紙堆積皿の下面に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
(請求項4)
前記折り用紙満杯センサは前記非折り用紙満杯センサの検知位置よりも上方に位置する用紙を検知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の後処理装置。
(請求項5)
請求項1〜4のいずれか1項に記載の後処理装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0007】
請求項1〜5のいずれかの発明により、折り処理された用紙が排紙皿に排紙され、不揃いに集積した場合であっても、用紙の満杯がほぼ確実に検知され、満杯前にセンサが誤作動したり、用紙があふれて散乱する等の不具合が防止される。
【0008】
請求項2の発明により、排紙部の外形を変えることなく、折り処理用紙の満杯センサを設けることができるので、装置が大型化したり、操作上不便になる等の弊害を伴うことなく、満杯センサを設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)画像形成装置
図1は画像形成装置本体A、自動原稿送り装置DF、後処理装置B、大容量給紙装置LTから成る画像形成装置の全体図である。
【0010】
図示の画像形成装置本体Aは、画像読取部(画像入力装置)1、画像処理部2、画像書込部3、画像形成部4、給紙カセット5A,5B,5C、手差し給紙トレイ5D、第1給紙部6A,6B,6C,6D、第2給紙部6F、定着装置7、排紙部8及び自動両面コピー給紙部(ADU)8Bを備えている。
【0011】
画像形成装置本体Aの上部には、自動原稿送り装置DFが搭載されている。画像形成装置本体Aの図示の左側面の排紙部8側には、後処理装置Bが連結されている。
【0012】
自動原稿送り装置DFの原稿台上に載置された原稿は矢印方向に搬送され画像読取部1の光学系により原稿の片面又は両面の画像が結像され、イメージセンサ1Aにより読み込まれる。
【0013】
イメージセンサ1Aにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部2において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、画像書込部3に信号を送られる。
【0014】
画像書込部3においては、半導体レーザからの信号に従った出力光が画像形成部4の感光体ドラム4Aに照射され、潜像を形成する。画像形成部4においては、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の処理が行われる。給紙カセット5A〜5C、手差し給紙トレイ5D、大容量給紙装置LTから各々第1給紙部6A〜6Eにより給送された用紙Sには転写手段4Bにより画像が転写される。画像を担持した用紙Sは、定着装置7により定着処理され、排紙部8から後処理装置Bに送り込まれる。或いは搬送路切換板8Aにより自動両面コピー給紙部8Bに送り込まれた片面画像処理済みの用紙Sは再び画像形成部4において、両面画像処理後、排紙部8から排出される。
【0015】
後処理装置Bは、後処理装置搬入部10、後処理装置排出部20、用紙付加部(表紙用紙給紙部)30、穿孔処理装置40、搬送部50、折り処理装置60から構成されている。
【0016】
(2)後処理装置
図2は、本発明に係る後処理装置Bの全体構成図である。
【0017】
(2−1)後処理装置搬入部・後処理装置排出部
後処理装置搬入部10には、画像形成装置本体Aから画像形成処理された用紙Sが導入される。
【0018】
後処理装置搬入部10の用紙導入位置は、画像形成装置本体Aの排紙部8の用紙排出位置に対向する。
【0019】
入口ローラ11に導入された用紙Sは、搬送路切換手段G1によって後処理装置排出部20と穿孔処理装置40の何れかに分岐される(分岐部)。
【0020】
穿孔処理及び折り処理が設定されない場合、搬送路切換手段G1は穿孔処理装置40への搬送路を遮断し、後処理装置排出部20への搬送路を開放する。
【0021】
後処理装置排出部20に向かう第1搬送路p1を通過する用紙Sは、搬送ローラ21,22に挟持されて直進し、排紙ローラ23により後処理装置排出部20から排出され、昇降可能なメイン排紙皿24上に積載される。24はメイン排紙皿であり、最大2000枚の用紙Sを積載する事が出来る。27は、少数枚の画像形成や折り処理モードにおいて排紙される排紙皿である。
【0022】
搬送路切換手段G2によって搬送ローラ22の用紙搬送方向下流側の図示上方に分岐された用紙Sは、第6搬送路p6の搬送ローラ25を通過し、排紙ローラ26によって排出され、後処理装置B上部に配置された後処理装置排出部としての排紙皿27上に積載される。排紙皿27上には、少数枚の画像形成における用紙、試しに画像形成した用紙やジャム処理後に排出される用紙等が排紙される。また、折り処理された用紙Sが排紙皿27に排出され集積される。
【0023】
(2−2)付加用紙給紙部30
付加用紙給紙部30の用紙が堆積される用紙堆積皿としての給紙皿31A、31B内に収容された表紙用又はインサート用の用紙Sは、給紙ユニット32により1枚づつ給送され、第5搬送路p5の搬送ローラ33,34,35,36に挟持されて、分岐部の上流側の搬送路に合流される(合流部)。
【0024】
付加用紙給紙部30には給紙皿31A、31Bが上下2段に配置され、各給紙皿には最大500枚の表紙用又はインサート用の用紙Sを収容する事が可能である。
【0025】
なお、付加用紙給紙部30に用紙Sを装填して、画像記録を行うことなく、用紙Sに対して穿孔処理、折り処理を実施することも可能である。
【0026】
(2−3)穿孔処理装置40
後処理装置搬入部10の搬送路切換手段G1により分岐された用紙Sは、搬送路切換手段G1の下方に配置された搬送ローラ41に挟持され、穿孔処理装置(第1処理部)40に搬送される(第2搬送路p2)。
【0027】
穿孔処理装置40の下流側の搬送路には、整合手段42が配置され、穿孔処理前の用紙Sの用紙幅方向を整合する。
【0028】
穿孔処理装置40の穿孔器は、図示しない駆動手段により駆動されるパンチと、パンチの刃部に嵌合するダイスとから成る。穿孔処理された用紙Sは、下方の搬送部50に送られる(パンチ機能)。
【0029】
(2−4)搬送部50
搬送部50に送られた用紙Sは、搬送ローラ51,52,53,54により挟持されて折り処理装置60に搬送される。搬送ローラ51,52,53,54は、駆動源に接続する駆動ローラと、駆動ローラに圧接する従動ローラとから成る。各従動ローラはソレノイドSOLに接続して、駆動ローラに接離可能である。
【0030】
穿孔処理された小サイズの用紙Sのうち、折り処理が行われない用紙Sは、搬送路切換手段G3により分岐された第3A搬送路P3Aを通過し、搬送ローラ600に挟持されて搬送される。穿孔処理された大サイズの用紙Sは、折り処理の要否に拘わらず搬送路切換手段G3の分岐位置の下方の第3B搬送路P3Bに搬送され、搬送ローラ53,54によって搬送され、折り処理装置60に導入される。ここで第3A搬送路P3Aと、第3B搬送路P3Bとを合わせて第3搬送路を構成している。
【0031】
なお、搬送部50に搬送路切換手段55が設けられ、2枚の小サイズの用紙Sを蓄積して搬送する事により、2枚同時に後述の折り処理を行う事ができる。
【0032】
(2−5)折り処理装置60
搬送部50から折り処理装置(第2処理部)60に搬送された用紙Sは、レジストローラ601に挟持されて搬送され、第1折り部61、第2折り部62、第3折り部63において、後述する外中折り、内中折り、Z折り、外三つ折り、内三つ折り、内四つ折り(以下、観音折りとも称す)、ダブルパラレル折り等の各種モードの折り処理(折り機能)を施されて、第4搬送路p4を介して第1搬送路p1に戻る。
【0033】
図3は、折り処理装置60の断面図である。
【0034】
第1折り部61は、折りローラ611と折りローラ611に圧接する圧接ローラ613とからなる上流側折り畳ローラ対、折りローラ612と折りローラ612に圧接する圧接ローラ614とからなる下流側の折りローラ対及び折りローラ611、612間のニップに用紙Sをガイドするガイド部材615から構成されている。折りローラ611、621はモータM1で駆動されて回転し、用紙Sの搬送及び折り畳みを行う。なお、ガイド部材615は後に説明するガイド部材721と同様に折りローラ間のニップに近接・離間するコロからなる。
【0035】
折り処理装置60には、第1折り部61、第2折り部62及び第3折り部63を接続する複数の搬送路m,n,q,r,u,v,w,x及び用紙Sを挟持して搬送する複数の搬送ローラ602,6O3,604,605,606,607,608,609が配置されている。
【0036】
第2折り部62及び第3折り部63は、第1折り部61とほぼ同一の構成であり、第1折り部61は最下部に、第2折り部62は中間に、第3折り部63は最上部にそれぞれ配置される。第1折り部61より第3折り部63に搬送する場合には、搬送切換手段G4にて切り換え直接案内するようにする。第2折り部62の折りローラ621、622はモータM2で駆動されて回転する。用紙Sの搬送及び折り畳みを行い、第3折り部63の折りローラ631、632はモータM3で駆動されて回転し、用紙Sの搬送及び折り畳みを行う。用紙Sはレジストローラ601により下方から供給され、上方に搬送される過程で後に説明するように、搬送路m〜x及び第1〜第3折り部61〜62が適宜選択されて各種の折り処理が行われる。
【0037】
ガイド部材615、632、721は同じ構造であり、ガイド部材721について後に説明する。
【0038】
(3)折り処理
次に、3個の折り部61、62、63を用いて実行可能な各種の折り処理モードについて説明する。
【0039】
折り処理装置60において、2面開きの外中折りと内中折り処理、3面開きのZ折り処理と外三つ折り処理と内三つ折り処理、4面開きの観音折り処理とダブルパラレル折り処理の7種が実行可能である。なお、折り処理機能が設定されている場合は、定着後の用紙Sが自動両面コピー給紙部8B側に途中まで送り込まれ、その後、反転されて画像形成装置本体Aから搬出される事により、画像面tを下側にして搬出される。また、両面画像形成した用紙Sの折り処理では、画像面tは表面画像を担持する面となる。
【0040】
(3−1)外中折り処理
用紙Sへの用紙画像面外側の外中折り処理は、第1折り部61において行われる。
【0041】
図4(a)は外中折り処理時の用紙Sの処理経路を示す正面図、図4(b)〜(d)は用紙Sの外中折り処理工程を示す模式図、図4(e)は折り処理された用紙Sの斜視図である。
【0042】
以下、用紙画像面外側の中折り処理工程を説明する。
【0043】
(a) 画像形成装置本体Aにより画像面tを下側(フェイスダウン)にして形成されて排出される用紙Sは、図1に示すように、後処理装置Bの後処理装置搬入部10、搬送部50を通過して、図4(a)に示すように、画像面tを下側にしてレジストローラ601に挟持されて折り処理装置60に導入される。
【0044】
第1折り部61に搬送された用紙Sの先端部が、駆動回転する折りローラ611と折り圧接ローラ613の挟持位置を通過し、駆動回転する折りローラ612と折り圧接ローラ614に挟持されて搬送され、搬送路mを直進する。センサPS1(図3参照)により用紙先端通過を検出されたのち、所定時間経過後、制御手段により、折りローラ611,612の駆動が停止され、用紙Sは所定位置に停止される。この用紙停止位置は、用紙Sの搬送方向中央部近傍が折りローラ611,612の中間位置である(図4(b)参照)。
【0045】
(b) 折りローラ612と折り圧接ローラ614の逆転駆動開始により、用紙Sの先端方向の二分の一箇所で折りローラ611,612の圧接位置にガイド部材615が作動し、押し込まれて加圧され、中折りの折り目aが形成される(図4(c),(d)参照)。
【0046】
(c) 中折りの折り目aが形成された用紙Sは、駆動される折りローラ611,612に挟持されて排出され、折り目aを先頭にして搬送路n,qを通過し、第2折り部62に進行する。
【0047】
(d) 折り目aが形成されて中折り処理が完了した用紙Sは、駆動する搬送ローラ603,607に挟持されて搬送路rを通過して排出され、折り目aを先頭にして第1搬送路p1(図2参照)に進行する。
【0048】
(3−2)内中折り処理
用紙Sへの用紙画像面内側の内中折り処理は、第3折り部63において行われる。
【0049】
図5(a)は内中折り処理時の用紙Sの処理経路を示す正面図、図5(b)〜(e)は用紙Sの内中折り処理工程を示す模式図、図5(f)は折り処理された用紙Sの斜視図である。
【0050】
折り処理装置60に導入された用紙Sは、第1折り部61を無処理のまま通過し、搬送路n,vを経て、第3折り部63に送られる。第3折り部63において、折りローラ631,632によって画像面tを内側にして中折り処理された用紙Sは、折り目aを先頭にして、搬送路rを通過し第1搬送路p1に排出される。
【0051】
(3−3)Z折り処理
用紙SへのZ折り処理は、第1折り部61においてZ折りの第1折り処理が行われ、第3折り部63においてZ折りの第2折り処理が行われる。
【0052】
図6(a)はZ折り処理時の用紙Sの処理経路を示す正面図、図6(b)〜(g)は、第1折り部61、第3折り部63によるZ折り処理工程を示す模式図である。
【0053】
レジストローラ601に挟持されて第1折り部61に搬送された用紙Sの先端部が、駆動回転する折りローラ611と折り圧接ローラ613の対向位置を通過し、駆動回転する折りローラ612と折り圧接ローラ614に挟持されて搬送される。センサPS1により用紙先端通過を検出されたのち、所定時間経過後、制御手段により、折りローラ611,612の駆動が停止され、用紙Sは所定位置に停止する。この用紙停止位置は、用紙Sの先端部が折りローラ611,612の対向位置より用紙搬送方向の全長Lの四分の一だけ前進した位置である(図6(b)参照)。
【0054】
折りローラ612の折りローラ611への圧接と、折りローラ612、折り圧接ローラ614の逆回転開始駆動とにより、用紙Sの先端方向の四分の一箇所が折りローラ611,612の圧接位置Nにガイド部材615で押し込まれて加圧され、Z折りの第1の折り目bが形成される(図6(c)参照)。
【0055】
Z折りの第1の折り目bが形成された用紙Sは、駆動回転する折りローラ611,612に挟持されて排出され、第1の折り目bを先頭にして第3折り部63に進行する(図6(d)参照)。
【0056】
第3折り部63に搬送された用紙Sの第1の折り目bが、駆動回転する折りローラ631,632間を通過し、センサPS3により用紙先端通過が検出されたのち、所定時間経過後、折りローラ対の回転がが停止し、用紙Sは所定位置に停止する。この用紙停止位置は、用紙Sの後端部と折りローラ対の対向位置との間隔が、用紙Sの全長Lの二分の一である(図6(e)参照)。
【0057】
第1折り部61と同様にして折りローラ対の圧接と逆転駆動開始により、用紙Sの搬送方向中央部が折りローラ631,632の圧接位置にガイド部材633で押し込まれて加圧され、Z折りの第2の折り目cが形成される(図6(f)参照)。この時、折りローラ631,632の圧接位置に用紙Sの先端部が先に到達し、次に第2の折り目cとなる湾曲部が圧接位置に到達する。なお、ガイド部材631は後に説明するガイド部材721(図7参照)と同様に、折りローラ間のニップに近接・離間するコロからなる。
【0058】
第2の折り目cが形成されてZ折り処理が完了した用紙Sは、駆動回転する折りローラ631,632及び搬送ローラ606に挟持されて排出され、第2の折り目cを先頭にして搬送路rを通過し、第1搬送路p1(図2参照)に排出される(図6(g)参照)。
【0059】
図6(h)は、Z折り処理された用紙Sの斜視図である。bはZ折り処理された用紙Sの第1の折り目、cは第2の折り目、tは画像面を示す。Z折り処理された用紙Sは、ファイル装填に好適な形状となる。
【0060】
(3−4)外三つ折り処理
用紙Sへの外三つ折り処理は、第1折り部61において第1折り処理が行われ、第2折り部62において第2折り処理が行われる。
【0061】
図7(a)は外三つ折り処理時の用紙Sの処理経路を示す正面図、図7(b)〜(g)は、第1折り部61、第2折り部62による外三つ折り処理工程を示す模式図である。
【0062】
第1折り部61において、搬送された用紙Sの先端部通過をセンサPS1が検知して所定パルスを計数後に、用紙Sが所定位置に停止する。
【0063】
用紙Sの先端部が折りローラ対の対向位置から用紙全長Lの三分の二の位置に停止した後、折りローラ611,612により第1折り処理が行われ、用紙Sに第1の折り目dが形成される(図7(b)〜(d)参照)。
【0064】
第2折り部62において、用紙Sの第1の折り目dが折りローラ621,622の対向位置から用紙全長Lの三分の一の位置に停止した後、ガイド部材721で押し込まれ折りローラ621,622により第2折り処理が行われ、用紙Sに第2の折り目eが形成される(図7(e)〜(g)参照)。
【0065】
第2の折り目eが形成されて外三つ折り処理が完了した用紙Sは、駆動回転する第2折り部62の折りローラ621,622及び搬送ローラ604,605に挟持されて第2の折り目eを先頭にして搬送され、第3折り部63を通過し、搬送ローラ608,609に挟持されて排出され、第2の折り目cを先頭にして搬送路rを通過し、第1搬送路p1に排出される(図7(a)参照)。
【0066】
図7(h)は、Z字型に外三つ折り処理された用紙Sの斜視図である。dは外三つ折り処理された用紙Sの第1の折り目、eは第2の折り目、tは画像面を示す。
【0067】
(3−5)内三つ折り処理
用紙Sへの内三つ折り処理は、第1折り部61において第1折り処理が行われ、第2折り部62において第2折り処理が行われる。
【0068】
内三つ折り処理は、外三つ折り処理時の用紙搬送経路と同じであるから、用紙Sの処理経路を示す正面図は省略する。
【0069】
図8(a)〜(f)は、第1折り部61、第2折り部62による内三つ折り処理工程を示す模式図である。
【0070】
内三つ折り処理時には、第1折り部61、第2折り部62における用紙Sの停止位置が異なる。
【0071】
第1折り部61において、用紙Sの先端部が折りローラ611,612の対向位置から用紙全長Lの三分の一の位置に停止した後、折りローラ611,612間にガイド部材615にておしこまれ、第1折り処理が行われ、用紙Sに第1の折り目fが形成される(図8(a)〜(c)参照)。
【0072】
第2折り部62において、用紙Sの第1の折り目dが折りローラ621,622の対向位置から用紙全長Lの三分の一の位置に停止した後、折りローラ621,622間にガイド部材721にて押し込まれ、第2折り処理が行われ、用紙Sに第2の折り目gが形成される(図8(d)〜(f)参照)。
【0073】
図8(g)は、内三つ折り処理された用紙Sの斜視図である。fは内三つ折り処理された用紙Sの第1の折り目、gは第2の折り目、tは画像面を示す。
【0074】
(3−6)ダブルパラレル折り処理
用紙Sへのダブルパラレル折り処理は、第1折り部61において第1折り処理が行われ、第2折り部62において第2折り処理が行われる。
【0075】
ダブルパラレル折り処理は、外三つ折り処理時の用紙搬送経路は同じであるから、用紙Sの処理経路を示す正面図は省略する。
【0076】
図9(a)〜(f)は、第1折り部61、第2折り部62によるダブルパラレル折り処理工程を示す模式図である。
【0077】
ダブルパラレル折り処理は、外三つ折り処理時や内三つ折り処理時の用紙搬送経路と同じであるが、用紙Sの停止位置が異なる。
【0078】
第1折り部61において、用紙Sの先端部が折りローラ611,612の対向位置から用紙全長Lの二分の一の位置に停止した後、折りローラ611,612間にガイド部材615にて押し込まれ、第1折り処理が行われ、用紙Sに第1の折り目hが形成される(図9(a)〜(c)参照)。
【0079】
第2折り部62において、用紙Sの第1の折り目hが折りローラ621,622の対向位置から用紙全長Lの四分の一の位置に停止した後、折りローラ621,622間にガイド部材721にて押し込まれ、第2折り処理が行われ、用紙Sに内側の第2の折り目i、外側の第3の折り目jが同時に形成される(図9(d)〜(f)参照)。
【0080】
図9(g)は、ダブルパラレル折り処理された用紙Sの斜視図である。hはダブルパラレル折り処理された用紙Sの第1の折り目、iは第2の折り目、jは第3の折り目、tは画像面を示す。
【0081】
(3−7)観音折り処理
用紙Sへの観音折り処理は、第1折り部61において第1折り処理が行われ、第2折り部62において第2折り処理が行われ、第3折り部63において第3折り処理が行われる。
【0082】
図10(a)は観音折り処理時の用紙Sの処理経路を示す正面図、図10(b)〜(g)は、第1折り部61、第2折り部62、第3折り部63による観音折り処理工程を示す模式図である。
【0083】
第1折り部61において、用紙Sの先端部が折りローラ611,612の対向位置から用紙全長Lの四分の一の位置に停止した後、折りローラ611,612間にガイド部材615にて押し込まれ、第1折り処理が行われ、用紙Sに第1の折り目pkが形成される(図10(b)〜(d)参照)。
【0084】
第1の折り目pkが形成された用紙Sは、第2折り部62において、用紙Sの後端部と折りローラ621,622の対向位置との間隔が用紙全長Lの四分の一の位置に停止した後、折りローラ621,622間にガイド部材635により押し込まれ、第2折り処理が行われ、用紙Sに第2の折り目pmが形成される(図10(e),(f)参照)。
【0085】
第1の折り目pkと第2の折り目pmが形成された用紙Sは、第3折り部63において、用紙Sの搬送方向中央部が折りローラ631,632の対向位置に停止した後、折りローラ631,632により第3折り処理が行われ、用紙Sに第3の折り目nが形成される(図10(g),(h)参照)。
【0086】
観音折り処理が完了した用紙Sは、第3折り部63から搬送ローラ606,607に挟持されて排出され、第3の折り目nを先頭にして第1搬送路p1に排出される(図10(a)参照)。
【0087】
図10(i)は、観音開き型に観音折り処理された用紙Sの斜視図である。pkは用紙Sの第1の折り目、pmは第2の折り目、pnは第3の折り目を示す。
【0088】
(4)排紙部
図11は本発明の実施の形態に係る後処理装置の排紙部の断面図である。
【0089】
後処理装置Bには、排紙皿27が取り付けられる。排紙皿27には、搬送ローラ対25及び排紙ローラ対26により搬送された用紙Sが排出されて集積する。折り処理されない用紙Sが排紙皿27に堆積するが、堆積した用紙Sの高さが上限Lに達すると、満杯センサ200が作動して満杯が検知される。満杯センサ200は軸203に回転自在に支持されたアクチュエータ201と光センサ202とからなり、用紙Sの最上面が上限Lに達すると、アクチュエータ201の上端を用紙Sが押して、アクチュエータ201を時計方向に回転させ、この回転を光センサ202が検知して満杯を検知する。
【0090】
前記に説明したように、満杯センサ200は、折り処理されない、平板状の用紙の上限を検知する非折り用紙満杯センサである。
【0091】
排紙皿27の上方には、付加用紙給紙部30が配置される。付加用紙給紙部30は、図1における画像形成装置本体から排紙された用紙Sに表紙やインサート紙として付加される用紙Sを供給するものであり、給紙皿31B、側板31D、31E及び給紙ユニット32を有する。
【0092】
給紙皿31B上に積載された用紙Sは給紙ユニット32により上から1枚づつ搬出されて図1の用紙導入部10に供給される。
【0093】
給紙皿31Bには、用紙Sを押し上げる押上板31C及び支持枠31Fが設けられ、支持枠31Fの下面には、第2満杯センサとしての満杯センサ100が取り付けられる。図示の例では、給紙皿31Bの下面に満杯センサ100が設けられるが、排紙皿27の上方に他の排紙皿が設けられた構成では、該他の排紙皿の下面に満杯センサ100を設けることができる。
【0094】
満杯センサ100は軸103に回転自在に支持されたアクチュエータ101と光センサ102とからなる。アクチュエータ101は図示のように、中央部が下方に湾曲した形状であり、その中央部下面で用紙を検知する。
【0095】
すなわち、折り畳まれた用紙SAがアクチュエータ101を押すことにより、図11(b)に示すようにアクチュエータ101が時計方向に回転し、光センサ102がこの回転を検知して、折り畳み用紙SAの満杯を検知する。
【0096】
このように満杯センサ100は折り畳み用紙SAの満杯を検知する折り用紙満杯センサである。満杯センサ100は集積用紙の枚数や堆積高さを正確に検知するものではない。しかしながら、満杯センサ200の上方に設けられ、満杯センサ200が検知する用紙Sの上限Lよりも上方に存在する用紙を検知するように配置されているので、折り処理により、湾曲したり、ふくらんだ用紙を確実に検知することが可能であり、わずかな枚数で誤作動するということも回避することができる。
【0097】
図11に示す例では、満杯センサとして、機械的なアクチュエータを有するものを用いたが、光学センサ、超音波センサ等を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る後処理装置の全体図である。
【図3】折り処理装置の断面図である。
【図4】外中折り処理時の用紙の処理経路を示す正面図、用紙の外中折り処理工程を示す模式図、折り処理された用紙の斜視図である。
【図5】内中折り処理時の用紙の処理経路を示す正面図、用紙の内中折り処理工程を示す模式図、折り処理された用紙の斜視図である。
【図6】Z折り処理時の用紙Sの処理経路を示す正面図、Z折り処理工程を示す模式図、Z折り処理された用紙の斜視図である。
【図7】外三つ折り処理時の用紙の処理経路を示す正面図、外三つ折り処理工程を示す模式図、Z字型に外三つ折り処理された用紙の斜視図である。
【図8】内三つ折り処理工程を示す模式図、内三つ折り処理された用紙の斜視図である。
【図9】ダブルパラレル折り処理工程を示す模式図、ダブルパラレル折り処理された用紙の斜視図である。
【図10】観音折り処理時の用紙の処理経路を示す正面図、観音折り処理工程を示す模式図、観音開き型に観音折り処理された用紙の斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る後処理装置の排紙部の断面図である。
【符号の説明】
【0099】
27 排紙皿
60 折り処理装置
100、200 満杯センサ
L 上限
SA 折り畳み用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り処理装置及び少なくとも折り処理された用紙を集積する排紙皿を有する後処理装置において、
折り処理されて前記排紙皿に集積された用紙の上限を検知する折り用紙満杯センサを有することを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
折り処理されないで前記排紙皿に集積された用紙の上限を検知する非折り用紙満杯センサを有することを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記排紙皿の上方に設けられた用紙堆積皿を有し、前記折り用紙満杯センサは、前記用紙堆積皿の下面に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記折り用紙満杯センサは前記非折り用紙満杯センサの検知位置よりも上方に位置する用紙を検知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の後処理装置を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−27801(P2006−27801A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208351(P2004−208351)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】