説明

微生物およびその部分が誘導する炭水化物特異的細胞性免疫

本発明は、ある特定の炭水化物エピトープの存在に関連する障害の予防および処置の分野に関する。より詳細には、本発明は、炭水化物エピトープ陽性腫瘍の予防および処置に関する。本発明は、有効な炭水化物特異的細胞性免疫応答を誘導するための調合物および方法に関する。本発明者らは、炭水化物特異的で有効な細胞性Th1型免疫応答および細胞傷害性T細胞免疫応答が、ヒトまたは動物の疾患に関連する炭水化物エピトープまたは少なくとも1つのその部分を発現する適当量の少なくとも1つの微生物の投与によって誘導され得ることを初めて示す。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物の混合物から、目的の炭水化物エピトープを含む炭水化物陽性微生物を分離するための方法であって、
(a)該目的の炭水化物エピトープに対して特異的な炭水化物結合分子を微生物の混合物と接触させる工程、および
(b)該混合物から、該炭水化物結合分子に結合した少なくとも1つの微生物を分離する工程、
(c)該炭水化物結合分子に対する特異的結合について、該分離された微生物を試験することによって、該分離された微生物が炭水化物陽性微生物であることを必要に応じて試験する工程
を包含する、方法。
【請求項2】
(d)前記微生物ならびに/またはその部分および/もしくは溶解物による、前記炭水化物エピトープに対する炭水化物特異的で有効な細胞性免疫応答および/または液性免疫応答の誘導をインビボまたはインビトロにおいて試験する工程
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項3に記載の方法であって、工程(d)において、前記炭水化物陽性微生物ならびに/またはその部分および/もしくは溶解物による、前記炭水化物エピトープに対する、有効な炭水化物特異的細胞性免疫応答の誘導を、CD4陽性Th1型T細胞の活性化および/または細胞傷害性CD8陽性T細胞の活性化について、好ましくは少なくとも1つの動物もしくはヒトおよび/またはインビトロにおいて試験する工程を包含する、方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の方法であって、工程(d)における前記細胞性免疫応答の試験が、
i.)少なくとも1つの樹状細胞に、工程(a)〜(c)において同定された前記炭水化物陽性細胞を負荷する工程;
ii.)該炭水化物陽性微生物を負荷された適当量の該少なくとも1つの樹状細胞を、樹状細胞によって活性化され得るかまたは抑制され得る適当量の免疫細胞と接触させる工程;
iii.)該免疫細胞と該負荷された樹状細胞との相互作用を可能にするために培養する工程;
iv.)該炭水化物陽性微生物と同じ炭水化物エピトープを有する適当量の少なくとも1つの第2化合物を負荷された適当量の抗原提示細胞(APC)を加える工程であって、ここで、該第2化合物は、該第1炭水化物陽性微生物と異なる、工程;
v.)該免疫細胞の再刺激のために培養する工程;
vi.)該免疫細胞の再刺激が生じたか否かを測定する工程
を包含する、方法。
【請求項5】
適当量の前記第2化合物を負荷された前記APCの少なくとも一部を、前記目的の炭水化物エピトープを認識する炭水化物結合分子の存在下において前記免疫細胞と接触させる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の方法であって、
前記免疫細胞が(再)刺激された場合に分泌される、該免疫細胞の分泌産物、例えば、インターフェロンα、インターフェロンγもしくはGM−CSF、および/または
該免疫細胞の増殖
を測定することによって、再刺激が測定される、方法。
【請求項7】
請求項2から6までの1項に記載の方法であって、前記細胞性免疫応答試験が、以下の群:
(i)工程(d(vi))において、前記免疫細胞の再刺激が、GM−CSF分泌を測定することによって測定される、細胞性免疫応答試験1;
(ii)工程(d(vi))において、再刺激されたリンパ球の量/程度が、INFγおよび/またはTNFαの分泌の量を測定することによって測定される、細胞性免疫応答試験2;
(iii)工程(d(vi))において、再刺激されたリンパ球の量/程度が、増殖および/または増殖誘導を測定することによって測定される、細胞性免疫応答試験3;
(iv)
(a)適当量の
(i)前記炭水化物陽性微生物、その溶解物または部分、
(ii)それらを含んでいる調合物、
(iii)本発明の栄養補助食品もしくは薬学組成物、または
(iv)炭水化物エピトープを有するかもしくは含む分子、
(v)炭水化物エピトープを有する分子を含んでいる混合物、
(vi)該炭水化物エピトープ、その溶解物または部分が陽性であるかもしくはそれらを含んでいる細胞、
を負荷された、適当量の、1つの樹状細胞、複数の樹状細胞、または少なくとも1つの樹状細胞を含む細胞の混合物と、適当量の少なくとも1つの炭水化物結合分子とを接触させる工程;
(b)該1つの樹状細胞、複数の樹状細胞、または細胞の混合物に対する、該炭水化物結合分子の結合を試験する工程
を包含する、前記目的の炭水化物エピトープに対する、細胞性免疫応答試験4;
(v)
a)適当量のマーカーで標識された該目的の炭水化物エピトープを含んでいる細胞株由来の適当量の標的細胞を、該炭水化物エピトープに向けられた少なくとも1つの免疫細胞、または該目的の炭水化物エピトープに向けられた少なくとも1つの免疫細胞を含む細胞の混合物とともにインキュベートする工程、および
b)該マーカーの放出を測定することによって該標的細胞の溶解を測定する工程であって、該炭水化物エピトープに対して陽性の細胞性免疫応答は、該炭水化物エピトープを含んでいる細胞の溶解のほうが炭水化物エピトープ陰性細胞の溶解よりも有意に高い溶解を示し、そして/または該炭水化物エピトープに対して陽性の細胞性免疫応答は、炭水化物エピトープに向けられた免疫細胞とともにインキュベートされた、該炭水化物エピトープを含む細胞の溶解のほうが、該炭水化物エピトープに向けられていない対応するコントロール免疫細胞とともにインキュベートされた、該炭水化物エピトープを含んでいる細胞の溶解よりも有意に高い溶解を示す工程、
を包含する、該目的の炭水化物エピトープに対する、細胞性免疫応答試験5
から選択される、方法。
【請求項8】
請求項2から7の少なくとも1項に記載の方法であって、ここで、
a.抗体、血清中の抗体、または血清、血漿もしくは便から得られた抗体と、前記炭水化物エピトープを有する化合物との結合をELISAにおいて試験する工程であって、該炭水化物エピトープに対して陽性の液性免疫応答は、該炭水化物エピトープを有する化合物と該抗体との結合のほうが、該炭水化物エピトープを有しない該化合物または該炭水化物エピトープを破壊する酵素的もしくは化学的な処理後の化合物(例えば、タンパク質またはペプチド)と該抗体との結合よりも有意に強い結合を示す工程を包含する、該炭水化物エピトープに対する液性免疫応答試験1;
b.抗体、血清中の抗体、または血清、血漿もしくは便から得られた抗体と、ポリアクリルアミドに結合した炭水化物構造(PAA結合体)との結合をELISAにおいて試験する工程であって、炭水化物エピトープに対して陽性の液性免疫応答は、該炭水化物エピトープを含んでいる該PAA結合体と1つの抗体とまたは複数の抗体の結合のほうが、該炭水化物エピトープを破壊する酵素的もしくは化学的な処理後の同じPAA結合体との結合よりも有意に高い結合を示し、そして/または該炭水化物エピトープを含んでいるPAA結合体と1つの抗体または複数の抗体との結合のほうが該炭水化物エピトープを含んでいないPAA結合体との結合に比べてより高い結合を示す工程、好ましくはその両方を示す工程を包含する、該炭水化物エピトープに対する液性免疫応答試験2;
c.抗体、血清中の抗体、または該血清、血漿もしくは便から得られた抗体の結合を、該炭水化物エピトープを含んでいる細胞および該炭水化物エピトープを含んでいない細胞との結合について、フローサイトメトリー試験において試験する工程であって、該炭水化物エピトープに対して陽性の液性免疫応答は、該炭水化物エピトープを含んでいる細胞と該抗体との結合のほうが、該炭水化物エピトープが陰性の細胞と該抗体との結合よりも、有意に高い結合を示す工程を包含する、該炭水化物エピトープに対する液性免疫応答試験3;
d.抗体、血清中の抗体、または該血清、血漿もしくは便から得られた抗体の結合を、該炭水化物エピトープを含んでいる細胞および該炭水化物エピトープが陰性の細胞との結合について、免疫蛍光試験において試験する工程であって、該炭水化物エピトープに対する陽性の液性免疫応答は、該炭水化物エピトープを含んでいる細胞と1つの抗体または複数の抗体との結合のほうが、該炭水化物エピトープを含んでいない細胞および/または該炭水化物エピトープを破壊する酵素的もしくは化学的な処理後の該炭水化物エピトープを含んでいる細胞との結合よりも有意に高い結合を示す工程を包含する、該炭水化物エピトープに対する液性免疫応答試験(液性免疫応答試験4);
e.i.適当量のマーカーで標識された、該炭水化物エピトープを含んでいる適当量の細胞を、適当量の抗体、血清中の抗体、または該血清、血漿もしくは便から得られた抗体と、適当量の補体とともにインキュベートする工程;
ii.(a)においてインキュベートした後に該マーカーの放出を測定することによって該細胞の溶解を測定する工程であって、該炭水化物エピトープに対して陽性の液性免疫応答は、該炭水化物エピトープを含んでいる細胞の溶解のほうが、該炭水化物エピトープを含んでいない細胞の溶解よりも有意に高い溶解を示し、そして/あるいは該炭水化物エピトープに対して陽性の液性免疫応答は、該炭水化物エピトープを含んでいる細胞の溶解のほうが、補体のない溶解よりも、および/または該抗体のない溶解よりも、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる細胞に結合しないかもしくはあまり結合しない、1つの抗体または複数の抗体を用いる溶解よりも高い溶解を示す工程
を包含する、該炭水化物エピトープに対する液性免疫応答試験5;
f)i)適当量のマーカーで標識された、該炭水化物エピトープを含んでいる適当量の細胞および/または該炭水化物エピトープを含んでいない適当量の細胞を、適当量の抗体、血清中の抗体、または該血清、血漿もしくは便から得られた抗体と、適当量の少なくとも1つの免疫エフェクター細胞または免疫エフェクター細胞もしくは末梢血単核球を含む細胞の混合物とともにインキュベートする工程、および
ii)(a)において該インキュベートした後に該マーカーの放出を測定することによって該細胞の溶解を測定する工程であって、該炭水化物エピトープに対して陽性の液性免疫応答は、該炭水化物エピトープを含んでいる細胞の溶解のほうが、炭水化物エピトープ陰性細胞の溶解よりも、該抗体なしの溶解よりも、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる細胞に結合しないかもしくは結合がより少ない、1つの抗体または複数の抗体を用いた溶解よりも、有意に高い溶解を示す工程
を包含する、該炭水化物エピトープに対する液性免疫応答試験6
からなる群から選択される液性免疫応答試験において、前記炭水化物エピトープに対して有効な炭水化物特異的液性免疫応答の誘導が試験される、方法。
【請求項9】
前述の請求項のいずれかに記載の方法であって、
(i)前記炭水化物エピトープは、TF、Core−1、Tn、シアリル−Tn、シアリル−TF、Globo−H、Lewis−Y、シアリル−Lewis−A、シアリル−Lewis−X、ポリシアル酸、Lewis−X、GM2、GD2、GD3、9−O−アセチルGD3、GD3L、フコシルGM1、FucosylGM1、Lewis−A、Lewis−B、sLac、シアル酸が付いた1型鎖、CA19−9抗原、CA72−4抗原およびCA−50抗原を含む群から選択され、そして
(ii)前記炭水化物結合分子は、レクチン、セレクチン、ならびに/あるいはTF、Core−1、Tn、シアリル−Tn、シアリル−TF、Globo−H、Lewis−Y、シアリル−Lewis−A、シアリル−Lewis−X、ポリシアル酸、Lewis−X、GM2、GD2、GD3、9−O−アセチルGD3、GD3L、フコシルGM1、FucosylGM1、Lewis−A、Lewis−B、sLac、シアル酸が付いた1型鎖、CA19−9抗原、CA72−4抗原もしくはCA−50抗原に結合するか、またはこれらの炭水化物エピトープのいずれかもしくはその一部を含んでいる炭水化物構造に結合する、レクチン、セレクチン、および/または抗体、および/またはそれに由来する分子を含む群から選択される、
方法。
【請求項10】
a.)少なくとも1つの樹状細胞に第1炭水化物陽性化合物を負荷する工程であって、ここで、該炭水化物陽性化合物は、目的の炭水化物エピトープを有する、工程;
b.)該炭水化物陽性化合物を負荷された適当量の該少なくとも1つの樹状細胞を、樹状細胞によって活性化され得るかまたは抑制され得る適当量の免疫細胞と接触させる工程;
c.)該免疫細胞と該負荷された樹状細胞との相互作用を可能にするために培養する工程;
d.)該第1化合物と同じ炭水化物エピトープを有する適当量の少なくとも1つの第2化合物を負荷された適当量の抗原提示細胞(APC)を加える工程であって、ここで、該第2化合物は、該第1炭水化物陽性化合物と異なる、工程;
e.)該免疫細胞の再刺激のために培養する工程;
f.)該免疫細胞の再刺激が生じたか否かを測定する工程
を包含する、細胞性免疫応答試験。
【請求項11】
適当量の前記第2化合物を負荷された前記APCの少なくとも一部を、前記目的の炭水化物を認識する炭水化物結合分子の存在下において前記免疫細胞と接触させる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載の方法であって、
前記免疫細胞が(再)刺激された場合に分泌される該免疫細胞の分泌産物、例えば、インターフェロンα、インターフェロンγもしくはGM−CSF、および/または
該免疫細胞の増殖
を測定することによって、再刺激が測定される、方法。
【請求項13】
目的の炭水化物エピトープに対する機能的樹状細胞を産出するための方法であって、適当量の樹状細胞もしくは樹状細胞の混合物、または少なくとも1つの樹状細胞を含む細胞の混合物を、本明細書中に定義される請求項の1つに記載の、適当量の炭水化物陽性微生物またはその部分もしくは溶解物、および/あるいは該炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物構造、炭水化物結合体または哺乳動物細胞と、適当な時間にわたって適当な条件下で、接触させることによって、該炭水化物エピトープ、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物構造、炭水化物結合体もしくは哺乳動物細胞に対する少なくとも1つの機能的樹状細胞を産出する工程を包含する、方法。
【請求項14】
前記樹状細胞がヒト起源である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記炭水化物エピトープが、双極性炭水化物エピトープでない、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
炭水化物エピトープ、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物構造、炭水化物結合体もしくは哺乳動物細胞に対する、活性化された1つのT細胞もしくは複数のT細胞、T細胞クローンまたはT細胞株を産出するための方法であって、
(a)請求項13から15のうちの少なくとも1項に記載の適当量の少なくとも1つの機能的樹状細胞を、適当量の少なくとも1つのT細胞もしくはT細胞の混合物または少なくとも1つのT細胞を含む細胞の混合物、該T細胞の培養物またはT細胞の混合物と、前記負荷された機能的樹状細胞とともに接触させることによって、1つのT細胞または複数のT細胞を該炭水化物抗原に対して活性化させるかまたはプライミングする工程、および
(b)適当量の抗原提示細胞(APC)で、好ましくは、ヒト細胞もしくは動物細胞または該炭水化物エピトープを有する分子を負荷された負荷された少なくとも1つの機能的樹状細胞で、該T細胞を再刺激する工程
を包含する、方法。
【請求項17】
前述の請求項のいずれかに記載の方法によって産出される機能的樹状細胞、活性化された1つのT細胞もしくは複数のT細胞、T細胞クローンまたはT細胞株であって、ここで、該活性化された1つのT細胞もしくは複数のT細胞、T細胞クローンまたはT細胞株は、前記炭水化物エピトープ、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物構造、炭水化物結合体もしくは哺乳動物細胞に向けられたものである、機能的樹状細胞、活性化された1つのT細胞もしくは複数のT細胞、T細胞クローンまたはT細胞株。
【請求項18】
目的の炭水化物エピトープを特異的に認識する少なくとも1つの炭水化物結合分子によって認識される、該目的の炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物陽性微生物またはその部分もしくは溶解物であって、該微生物、該部分または該溶解物が、該炭水化物エピトープ、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物構造、炭水化物結合体もしくは哺乳動物細胞に対して有効な炭水化物特異的細胞性免疫応答を誘導する、炭水化物陽性微生物またはその部分もしくは溶解物。
【請求項19】
請求項1から9のうちの少なくとも1項に記載の方法によって入手可能な炭水化物陽性微生物。
【請求項20】
請求項18または19において定義されたような少なくとも1つの炭水化物陽性微生物を含んでいる、栄養補助食品および薬学組成物を含む群から選択される調合物。
【請求項21】
(a)前記有効な炭水化物特異的細胞性免疫応答が、前記炭水化物エピトープ、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物構造、炭水化物結合体もしくは哺乳動物細胞に向けられた、Th1型のCD4陽性T細胞の活性化および/またはCD8陽性細胞傷害性T細胞の活性化を含み、そして
(b)該炭水化物エピトープが、TF、Core−1、Tn、シアリル−Tn、シアリル−TF、Globo−H、Lewis−Y、シアリル−Lewis−A、シアリル−Lewis−X、ポリシアル酸、Lewis−X、GM2、GD2、GD3、9−O−アセチルGD3、GD3L、フコシルGM1、フコシルGM1、Lewis−A、Lewis−B、sLac、シアル酸が付いた1型鎖、CA19−9抗原、CA72−4抗原および/またはCA−50抗原を含む群から選択され、そして
(c)該炭水化物結合分子が、TF、Core−1、Tn、シアリル−Tn、シアリル−TF、Globo−H、Lewis−Y、シアリル−Lewis−A、シアリル−Lewis−X、ポリシアル酸、Lewis−X、GM2、GD2、GD3、9−O−アセチルGD3、GD3L、フコシルGM1、フコシルGM1、Lewis−A、Lewis−B、sLac、シアル酸が付いた1型鎖、CA19−9抗原、CA72−4抗原もしくはCA−50抗原に結合するか、またはこれらの炭水化物エピトープのいずれかもしくはその一部を含んでいる炭水化物構造に結合する、レクチン、セレクチン、ならびに/あるいは抗体および/もしくはそれに由来する分子を含む群から選択される、
請求項20に記載の調合物。
【請求項22】
前記有効な炭水化物特異的細胞性免疫応答が、前記炭水化物エピトープ、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物構造、炭水化物結合体もしくは哺乳動物細胞に向けられた、Th1型のCD4陽性T細胞の活性化およびCD8陽性細胞傷害性T細胞の活性化を含む、請求項20または21に記載の調合物。
【請求項23】
ヒト細胞または動物細胞由来の分子上に存在する炭水化物エピトープに対して、ヒトまたは動物を免疫するかまたはワクチン接種するための方法であって、
(i)目的の炭水化物エピトープに向けられた、有効量の機能的樹状細胞、活性化されたT細胞、T細胞クローンもしくはT細胞株、または前述の請求項のいずれかに記載の細胞の混合物をヒトまたは動物に投与し、そして、該細胞によって、該炭水化物エピトープ、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物構造、炭水化物結合体もしくは哺乳動物細胞に対する免疫応答を該ヒトまたは動物において誘導する工程(プライミング)、および
ii)ヒト細胞または動物細胞あるいはその部分もしくは溶解物由来の分子上に存在する炭水化物エピトープを特異的に認識する少なくとも1つの炭水化物結合分子によって認識される少なくとも1つの炭水化物陽性微生物を含んでいる有効量の調合物を投与することによって該免疫応答を追加免疫する工程であって、該微生物、該部分もしくは該溶解物またはそれらを含んでいる該調合物は、該炭水化物エピトープ、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物構造、炭水化物結合体もしくは哺乳動物細胞に対して有効な炭水化物特異的細胞性免疫応答を誘導する、工程
を包含する、方法。
【請求項24】
少なくとも1つの動物またはヒトにおいて、炭水化物エピトープ、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物構造、炭水化物結合体もしくは哺乳動物細胞に対する、有効な炭水化物特異的な細胞性免疫応答および/または特異的な液性免疫を誘導するかまたは増強するための方法であって、前述の請求項のいずれかに記載の有効量の調合物をヒトまたは動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項25】
炭水化物エピトープ陽性の腫瘍および/または疾患を予防および/または処置するための方法であって、前述の請求項のいずれかに記載の、該炭水化物エピトープ、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物構造、炭水化物結合体もしくは哺乳動物細胞に対する、適当量の調合物、炭水化物陽性微生物またはその溶解物もしくは部分、機能的樹状細胞、あるいは活性化されたT細胞、T細胞株またはT細胞クローンをヒトまたは動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項26】
前記炭水化物エピトープに関連する疾患を予防および/または治療するための薬物または栄養補助食品を製造するための、前述の請求項のいずれかに記載の方法によって分離されるかまたは同定される炭水化物陽性微生物、またはその部分もしくは溶解物の使用であって、該微生物ならびに/またはその部分および/もしくは溶解物が、該炭水化物エピトープ、および/または該炭水化物エピトープを含んでいる、炭水化物構造、炭水化物結合体もしくは哺乳動物細胞に対して、炭水化物特異的で有効な細胞性免疫応答および/または液性免疫応答を少なくとも1つの動物またはヒトにおいて誘導する、使用。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図3a】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図11−3】
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【図12】
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【図13A)】
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【図13B)】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19−1】
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【図19−2】
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【図20】
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【図21】
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【図22−1】
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【図22−2】
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【図23】
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【公表番号】特表2010−508833(P2010−508833A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535632(P2009−535632)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/009765
【国際公開番号】WO2008/055702
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(509067887)グリコトープ ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】