説明

心臓血管疾患の予防のためのカプセル剤

本発明は、アセチルサリチル酸の被覆錠剤、シンバスタチン又はプラバスタチンの被覆錠剤、及びリシノプリル、ラミプリル又はペリンドプリルの被覆錠剤を含む、心臓血管疾患の予防のためのカプセル剤に関する。これらのカプセル剤は、高リスク集団の心臓血管疾患の予防に使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高リスクの患者における心臓血管疾患の予防のための医薬組成物に関する。より具体的には、本発明は、アセチルサリチル酸と、シンバスタチン化合物及びプラバスタチン化合物から選択される3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−補酵素A(HMG−CoA)還元酵素の阻害剤と、リシノプリル化合物、ラミプリル化合物及びペリンドプリル化合物から選択されるアンギオテンシン変換酵素(ACE)の阻害剤との組合せを含むカプセル剤に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓血管疾患は、先進国における死亡と罹患の主たる原因であり、世界全体でも、死亡と罹患の主たる原因となりつつある。心臓血管の危険因子はよく知られているが、その制御は、最先進国においてでさえ最適ではない。食習慣及び生活スタイルを変えれば、間違いなく心臓血管リスクは減少する。にもかかわらず、これら生活スタイルを変える最も効率的で費用効果が高い方法を見つけるための十分な研究が行われてこなかった。他方で、心臓血管疾患の治療及び予防は高額でありその費用は高くなりつつある。
【0003】
心臓血管疾患の症例のような慢性疾患の治療において、処方治療及び自己投与治療に対するコンプライアンスが低いことが大きな問題であることはよく知られている。先進国における長期治療に対するコンプラインスは50%と推定される。治療に対するコンプラインスが低いことの意味あいは、個人と社会の両方にとって重要である。患者にとっては、治療の利点が減少して下位の治療(infra−treatment)になってしまうことになり、臨床医にとっては、その効果を評価して、それらの治療に最も適した投与量を決めることがさらに困難になる。社会にとっては、コンプラインスが低くなると、化学品廃棄物が発生し、医療費及び自己治療が増加することになる。
【0004】
投与量の複雑さ及び有害作用は、処方のコンプライアンスに最も影響を及ぼす、薬物に関連する因子である。治療すべき疾患に対して複数の療法を使用すると、或いは一人の患者の複数の疾患を治療すると、投与量の複雑さ及び有害作用の両方が急速に高まり、そのため、その投与される薬剤に対するコンプライアンスが低下することになる。
【0005】
これに関連して、WaldとLaw(Br.Med.J.326、No.7404、1419−23、2003)は、1日1回の摂取で使用される、スタチン、高血圧薬、アスピリン、及び葉酸などのビタミンなどの薬物の組合せを引用して、「ポリピル(polypill)」という用語を定義した。スタチンという用語は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−補酵素A(HMG−CoA)還元酵素を阻害する化合物を含む。また、アスピリンは、化学名がアセチルサリチル酸である。WaldとLawは、無作為の短期臨床試験で実施されたメタ解析に基づいて、このポリピルの使用を、心臓血管疾患を最小限の有害作用で予防することにおいて重要な影響を与える方法として推奨している。心臓血管の危険因子を減らすいくつかの有効成分を含むポリピルの戦略はこのように、心臓発作及び卒中の高い発症を妨げるであろう。WaldとLawは、ポリピルの戦略は安全であり、その使用が一般化されると、他のどんなインターベンションよりも、西洋諸国における心臓血管疾患の予防に大きなインパクトを与えるであろうと結論し、また、このポリピルが、冠動脈疾患と発作の発症をそれぞれ最大88%と80%減少させることが可能である推定した。
【0006】
著者らは、最も適した患者のポリピルの摂取について分析した。急性冠動脈症候群又は脳虚血発作を患ったことのある患者、安定した慢性狭心症、一過性脳虚血発作及び糖尿病の患者が候補であると思われる。既往疾患がない集団においては、最も決定的な因子は年齢であり、急性冠動脈症候群又は発作による死亡の96%は55歳を超える人であり、55歳を超える人の予防治療によってこれらの死亡のほとんど全てが防げることになる。即ち、最も適した戦略は、虚血性疾患の全ての患者と55歳を超える全ての人を治療することであろう。
【0007】
したがって、心臓血管に使用するポリピルに関するいくつかの特許が公開されている。
【0008】
特許出願US2004219208は、高血圧症において使用される化合物、血糖降下薬、脂質低下剤、抗血栓剤、更年期用薬及び細胞増殖抑制剤から選択される1種又は複数の薬物と組み合わせたアンギオテンシンII拮抗薬を含む、持続放出性医薬品を取り上げている。
【0009】
特許US6576256は、HMG−CoA還元酵素阻害剤などの低コレステロール血症薬と、ACE阻害剤などのレニン−アンギオテンシン系阻害剤と、アスピリンと、ビタミンB6、ビタミンB12及び葉酸から選択される少なくとも1種のビタミンとの組合せを取り上げている。
【0010】
特許出願WO03/020243は、脂質低下剤と、レニン−アンギオテンシン系阻害剤と、アスピリンと、場合によっては、ビタミンB6、ビタミンB12及び葉酸から選択される少なくとも1種のビタミンとの組合せを取り上げている。
【0011】
特許出願WO2004/080488は、アセチルサリチル酸と、HMG−CoA還元酵素阻害剤と、カルシウム拮抗薬、ACE阻害剤、アンギオテンシンII拮抗薬及び利尿薬から選択される抗高血圧性物質との組合せを取り上げている。
【0012】
特許出願WO2005/011586は、βアドレナリン受容体拮抗薬若しくは利尿薬又はその両方と、HMG−CoA還元酵素阻害剤などの低コレステロール血症薬と、ACE阻害剤などのレニン−アンギオテンシン系阻害剤と、アスピリンとの組合せを取り上げている。
【0013】
特許出願WO2005/025673は、メトホルミンなどのビグアニド群の血糖降下薬と、HMG−CoA還元酵素阻害剤、胆汁酸金属イオン封鎖剤、プロブコール及びフィブリン酸化合物から選択される脂質低下剤と、レニン−アンギオテンシン系阻害剤から選択される抗高血圧剤との組合せを取り上げている。この抗高血圧剤は、ACE阻害剤、アンギオテンシンII拮抗薬及びレニン阻害剤、β遮断薬、利尿薬及びカルシウムチャネル拮抗薬から選択してもよい。この発明はまた、とりわけアセチルサリチル酸などのサリチル酸塩族の血小板抗凝集剤などの、任意選択の他の成分、及び種々のビタミン誘導体の存在に関するものである。
【0014】
特許出願WO2006/020522は、いくつかの救急症状、とりわけ心臓血管症状の初めに投与すべき種々の組合せを取り上げている。これらの組合せには、アスピリンと、選択される他の化合物のなかでも特にACE阻害剤をさらに含むスタチンとの組合せが挙げられる。
【0015】
特許出願WO2006/135415は、組み合わせるべき薬物は、アスピリン、ポリコサノール、アテノロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ジルチアゼム、ニフェジピン、ベラパミル、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ロサルタン、ヒドロクロロチアジドとロサルタンの組合せ、オルメサルタン、ロバスタチン、プラバスタチン、ジンバスタチン、アトルバスタチン、胆汁酸金属イオン封鎖剤、コレスチラミン、コレスチポール、ゲムフィブロジル、クロフィブレート、プロブコール、抗炎症薬、及び抗生物質全般でよい、微小エマルション中のナノ粒子を取り上げている。これらの組成物は、コリン、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、ナイアシン結合クロム、ビタミンC、ビタミンE、補酵素Q10、及びω−3油から選択される栄養補助食品又はそれらの組合せを含んでもよい。
【0016】
特許CN1785196は、アスピリンと、葉酸と、シンバスタチンと、ラミプリルとの組合せを取り上げている。
【0017】
特許出願US2006177504は、1種又は複数の抗炎症薬と、発作及び心臓血管障害の予防のための、アスピリン、クロピドグレル、チクロピジン、ジピリダモールとアスピリンとの組合せ、ジピリダモール、シロスタゾール、ペントキシフィリン、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、アンギオテンシン受容体遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、加えて、血管拡張性抗高血圧剤、血小板抗凝集剤及び経口抗凝集薬全般などの1種又は複数の医薬品との組合せを取り上げている。
【0018】
特許出願WO2006/105806は、スタチン、アンギオテンシンの生成又は活性を抑える化合物、抗炎症薬、及び少なくとも1種の抗酸化薬を含む組成物を取り上げている。スタチンはロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン及びフルバスタチンから選択してよく、アンギオテンシンの生成又は活性を抑える化合物は、アンギオテンシンII拮抗薬及びバルサルタン、ロサルタン、イルベサルタン、トランドラプリル、ペリンドプリル又はラミプリルなどのACE阻害剤から選択してよく、抗炎症薬はアセチルサリチル酸が好ましく、抗酸化薬はビタミンA、ビタミンC及びビタミンEから選択されるビタミンである。
【0019】
特許出願WO2007/011524は、ビグアニド誘導体である血糖降下薬、好ましくは、メトホルミン、脂質低下剤、好ましくは、シンバスタチン、抗高血圧剤、好ましくは、リシノプリル、及びアスピリンを含み、同じブリスターに含まれるこれらの有効成分が別々に提供される、医薬品の日常摂取用の品目(presentation)を取り上げている。
【0020】
特許出願WO2007/027454は、新規のジヒドロピリミジンに関連して、それらと、他の薬剤物質群のなかで、特に抗血小板薬、ACE阻害剤及び脂質低下剤との組合せを取り上げている。抗血小板薬としてアスピリンが挙げられ、ACE阻害剤としてラミプリル及びリシノプリルが挙げられ、脂質低下剤としてシンバスタチン及びプラバスタチンが挙げられる。
【0021】
特許出願US2007116756は、低コレステロール血症薬剤、レニン−アンギオテンシン系阻害剤、利尿薬、アスピリン、及び場合によっては、単回投与の品目において少なくとも1種のβアドレナリン作用受容体遮断薬の治療量を含む組成物、並びにその調製、使用及び心臓血管疾患患者の治療のための手順を取り上げている。
【0022】
特許出願WO2007/092270は、抗血小板薬、βアドレナリン作用受容体遮断薬、RAAS(レニンーアンギオテンシン−アルドステロン系:renin−angiotensin−aldosterone system)阻害剤、及び/又はコレステロール修飾剤の組合せ又はその組合せ療法を取り上げており、したがって、考えられる抗血小板薬としてはアスピリンが含まれ、コレステロール修飾剤としてはスタチンが含まれる。RAAS阻害剤は、ACE阻害剤、アンギオテンシンII拮抗薬及び/又はアルドステロン遮断薬(スピロノラクトン、エプレレノン又はその誘導体)から選択される化合物である。これらの組合せ又は組合せ療法は、冠動脈疾患が引き起こす死亡又は罹患を減少させると主張されている。
【0023】
特許CN101024082は、心臓血管疾患の予防及び治療に使用されるべき、性ホルモン、脂質低下剤、抗高血圧剤、血糖降下薬、及び抗凝集剤を含む種々の製剤に関するものである。脂質低下剤としてはスタチンが挙げられ、抗高血圧剤としてはACE阻害剤が挙げられ、抗凝集剤としてはアスピリンが挙げられる。
【0024】
US2003/0049314は、治療上有効な単位用量のコレステロール低下剤、治療上有効な単位用量のレニン−アンギオテンシン系の阻害剤、治療上有効な単位用量のアスピリン、及び薬学的に許容される担体の組合せを含む経口剤形に関するものである。
【0025】
インドのトレント・ファーマ社(Torrent Pharma)は、初めての心臓血管用ポリピルであるCVピル(CVpill)を商品化した。CVピルは、カプセル剤及び錠剤を含む単一キットで提供される。カプセル剤は、アトルバスタチン粉剤10mg、ラミプリル粉剤5mg及び腸溶コーティングで製剤したアスピリン75mg錠剤を含有する。該錠剤は、持続放出用に製剤したメトプロロールコハク酸塩50mgを含有する。該カプセル剤及び該錠剤は1日1回、同時に服用するものである。
【0026】
特許IN2003MU00153は、a)スタチン及びアスピリン、b)スタチン、アスピリン及びβ遮断薬、c)スタチン、アスピリン、β遮断薬及びACE阻害剤、並びにd)スタチン、アスピリン、β遮断薬及びアンギオテンシンII拮抗薬を含んでよいコンビパックに関するものである。いずれの場合も、上記成分の各成分は対応するブリスターに別々に詰め込まれる。
【0027】
現在、医療界においては、高リスク集団における心臓血管事象の予防のために、単回投与形態で3つの有効成分の最適用量を含む、アセチルサリチル酸、低コレステロール血症剤、好ましくはHMG−CoA還元酵素阻害剤、及び抗高血圧剤、好ましくはACE阻害剤の組合せをもつことの必要性が示されている(Schieffer B et al.,Role of 3−hydroxy−3−methylglutaryl Coenzyme A reductase inhibitors,angiotensin−converting enzyme inhibitors,cyclooxygenase−2 inhibitors,and aspirin in anti−inflammatory and immunomodulatory treatment of cardiovascular diseases.Am J Cardiol.2003 Jun 19;91(12A):12H−18H.Review;Takeda T et al.,Relationship between effects of statins,aspirin and angiotensin II modulators on high−sensitive C−reactive protein levels.Atherosclerosis.2003 Jul;169(1):155−8;Hippis−ley−Cox J et al.,Effect of combinations of drugs on all cause mortality in patients with ischaemic heart disease:nested case−control analysis,BMJ.2005 May 7;330(7499):1059−63;Kulkarni SP et al.,Long−term adherence with cardiovascular drug regimens.Am Heart J.2006 Jan;151(1):185−91;Gaziano TA et al.,Cardiovascular disease prevention with a multidrug regimen in the developing world:a cost−effectiveness analysis.Lancet.2006 Aug 19;368(9536):679−86.Review;and Choudhry NK et al.,Should patients receive secondary prevention medications for free after a myocardial infarction?An economic analysis.Health Aff(Millwood).2007 Jan−Feb;26(1):186−94)。特に、高リスク集団は、55歳を超える人、胸部苦悶、発作、動脈硬化症、間欠性跛行、糖尿病、冠動脈疾患、抹消血管疾患、血小板機能変化、血液透析、高コレステロール血症、高血圧、心筋梗塞、うっ血性心不全、虚血、ネフロパシー、心停止又は再狭窄の背景をもつ患者、喫煙者、肥満者及び運動不足の人と理解されている。
【0028】
現況技術の発明のいずれもが、アセチルサリチル酸、HMG−CoA還元酵素阻害剤及びACE阻害剤の複数の組合せを何とかして特許請求している事実があるにもかかわらず、WO特許出願第2004/080488号だけは、他の成分を含めない上記の3つの有効成分の組合せの具体例を記載している。したがって、例18では、アスピリン100mg、シンバスタチン10mg及びリシノプリル20mgを含む錠剤形の組合せを記載しており、同様に、例19では、アスピリン100mg、シンバスタチン40mg及びペリンドプリル8mgを含む、同じく錠剤形の別の組成物を記載している。しかしながら、これらの例は非常に短くしか記載されていないため、実際に実施するにはその記載が十分ではない。
【0029】
他方、各患者の背景によっては、各患者に従って選択すべき広範囲の考えられるポリピル(polypill)を医療界が入手できることが必要になる可能性がある。このことは、個々の患者の要件に対して定量的組成が適応する組合せを見つけることが困難なことが多く、このことがこれらの療法の実施を遅らせている主たる障害の1つである。この状況は、日々、個別化された療法に対する要求が増えてきている社会全般の感受性を考えると、日に日に、より急を要するものとなってきている。
【0030】
しかしながら、上述の発明の実施を試みようとする現行のいずれの製薬技術においても、成分の用量の変更が容易に行えないという障害があり、そのため、製造工程中の製剤に量的変更を組み入れると、余分なコストがかかり、遅れが出てしまうことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
したがって、他方で、社会と医療界に対して、全て同じ剤形で固定用量であるが、この固定用量が各患者又は集団の各小グループの個々の特徴に合わせて容易にカスタマイズできる、アセチルサリチル酸、HMG−CoA還元酵素阻害剤及びACE阻害剤の組合せを提供することが必要である。このことは全て、解決しなければならない剤形のサイズ及び異種成分間の互換性の問題を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0032】
この点において、本発明は、各有効成分を有する錠剤の数が対象とする患者又は集団の小グループの個々の特徴に合わせてカスタマイズできるような、可変数のアセチルサリチル酸錠剤、可変数のHMG−CoA還元酵素阻害剤錠剤、及び可変数のACE阻害剤錠剤を含むカプセル剤の形の新規の組成物を提供する。
【0033】
本発明では、シンバスタチンとプラバスタチンは、HMG−CoA還元酵素阻害剤から、低コレステロール血症の治療においてその中で最も広範に処方されている薬物の代表であることから選択されてきた。その役割として、ナトリウム塩として使用されるプラバスタチンは、その水溶性を考えると製剤レベルにおいて非常に有利である。同様に、リシノプリル、ラミプリル及びペリンドプリルは、高血圧治療において最も広範に処方されるACE阻害剤の代表的なものである。薬学的技術の観点からは、リシノプリルは、同じ群の他の化合物に比べて、少ない不純物で得られること及びリシノプリルは二水和物として使用されるが最も水溶性があるものの1つとなるという有利な点がある。同様に、エルブミン塩として使用されるペリンドプリルも自由に水に溶けることから、吸収が非常に容易である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】アセチルサリチル酸(A)100mgを含む被覆錠剤1錠と、シンバスタチン(S)20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠と、ラミプリル(R)2.5mgを含む被覆錠剤1錠とを含む本発明の目的であるカプセル剤を示す。
【0035】
本発明は、心臓血管疾患の予防のための、個々の患者又は集団の特定の小グループが必要とする投与量に適応できる固定用量の、アセチルサリチル酸、HMG−CoA還元酵素阻害剤及びACE阻害剤を含む治療用組合せのための製造に関する。
(発明の詳細な説明)
【0036】
さらに、本発明の組成物は、カプセル剤と同様、その有効成分を光による分解から保護するという利点がある。この利点は、有効成分が被覆錠剤として提供されること、即ち、異なる成分間の非互換性が妨げられることによって、さらに増加する。錠剤の総重量に対するコーティングの割合は通常1〜12%w/wの範囲、好ましくは、2〜6%w/wの範囲である。コーティングは、フィルム形成ポリマー、例えば、部分的に加水分解されたポリビニルアルコールやヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのフィルム形成剤等を含んでいる。コーティングは別の従来の賦形剤を含んでもよい。
【0037】
その調査の過程で、アセチルサリチル酸は水分によって分解してサリチル酸になることが見出された。続いて、アセチルサリチル酸の昇華がACE阻害剤の錠剤の表面で起こり、それによりその化学分解が誘発される。部分的に加水分解されたポリビニルアルコールコーティングフィルム(Opadry AMB(商標)、Colorcon)は、その水分バリア性から、アセチルサリチル酸及びACE阻害剤の錠剤の両方を保護するのに有用であることが明らかにされた。本発明のHMG−CoA還元酵素阻害剤の錠剤は、暗い外観を隠すためにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むフィルム(Opadry Orange(商標)、Colorcon)などのカラーフィルムで被覆してもよい。Opadry AMBのコーティングは1種又は複数の色素も含んでよい。
【0038】
この結果、本発明の組成物は安全で、安定かつ有効であり、サイズも小さいため容易に飲み込むことができる。ある実施形態によると、該組成物は、その経口用量を実質的に即時放出の形態で放出される。
【0039】
最後に、毒性学的安全性の証拠に加えて、薬力学的相互作用と薬物動態学的相互作用が存在しないこと、及びアセチルサリチル酸とシンバスタチンやプラバスタチンなどのHMG−CoA還元酵素阻害剤と、リシノプリル、ペリンドプリル及びラミプリルなどのACE阻害剤との組合せ療法の利点、並びに考えられる副作用が予測でき重篤でなく、患者にとって大きなリスクをとらずに臨床的に制御できるという事実により、本発明の組合せは革新的で安全かつ有効な治療となると結論することができる。
【0040】
シンバスタチンは、化学的には、2,2−ジメチル酪酸との(4R,6R)−6−[2−[(1S,2S,6R,8S,8aR)−1,2,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−8−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−1−ナフチル]エチル]テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−2H−ピラン−2−オン、8−エステルに相当する(WHO)。プラバスタチンは、化学的には、(3R,5R)−7−{(1S,2S,6S,8S,8aR)−1,2,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−6−ヒドロキシ−2−メチル−8−[(S)−2−メチルブチリルオキシ]−1−ナフチル}−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸に相当する(WHO)。リシノプリルは、化学的には、1−[N−[(S)−1−カルボキシ−3−フェニルプロピル]−L−リシル]−L−プロリンである(WHO)。ラミプリルは、化学的には、(2S,3aS,6aS)−1−[(S)−N−[(S)−1−カルボキシ−3−フェニルプロピル]アラニル]オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−2−カルボン酸の1−エチルエステルに相当する(OMS)。ペリンドプリルは、化学的には、(2S,3aS,7aS)−1−[(S)−N−[(S)−1−カルボキシブチル]アラニル]ヘキサヒドロ−2−インドリンカルボン酸の1−エチルエステルに相当する(OMS)。
【0041】
本発明は、心臓血管疾患を予防するための、各患者又は集団の各小グループの個々の特徴に合わせてカスタマイズされるカプセル剤であって、
(i)a)アセチルサリチル酸40.5mgを含む被覆錠剤w錠、及びアセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤x錠(wは0及び1から選択される整数であり、xは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、アセチルサリチル酸の合計量は40.5〜162mgであり、w+xは1又は2であることを満たす)、又は
b)アセチルサリチル酸50mgを含む被覆錠剤y錠、及びアセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤z錠(yは0及び1から選択される整数であり、zは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、アセチルサリチル酸の合計量は50〜200mgであり、y+zは1又は2であることを満たす)と、
(ii)a)シンバスタチン20mgを含む被覆錠剤s錠、及びシンバスタチン40mgを含む被覆錠剤t錠(sは0、1及び2から選択される整数であり、tは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、シンバスタチンの合計量は20〜80mgであり、s+tは1又は2であることを満たす)、又は
b)プラバスタチン又はその薬学的に許容される塩20mgを含む被覆錠剤u錠、及びプラバスタチン又はその薬学的に許容される塩40mgを含む被覆錠剤v錠(uは0、1及び2から選択される整数であり、vは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、プラバスタチン又はその薬学的に許容される塩の合計数量は20〜80mgであり、u+vは1又は2であることを満たす)と、
(iii)a)リシノプリル又は水和物5mgを含む被覆錠剤p錠、リシノプリル又は水和物10mgを含む被覆錠剤q錠、及びリシノプリル又は水和物20mgを含む被覆錠剤r錠(pは0、及び1から選択される整数であり、qは0及び1から選択される整数であり、rは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、リシノプリル又は水和物の合計量は5〜40mgであり、p+q+rは1、2又は3であることを満たす)、又は
b)ラミプリル2.5mgを含む被覆錠剤k錠、ラミプリル5mgを含む被覆錠剤m錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤n錠(kは0及び1から選択される整数であり、mは0及び1から選択される整数であり、及びnは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、ラミプリルの合計量は2.5〜20mgであり、k+m+nは1、2又は3であることを満たす)、又は
c)ペリンドプリル又はその薬学的に許容される塩2mgを含む被覆錠剤h錠、ペリンドプリル又はその薬学的に許容される塩4mgを含む被覆錠剤i錠、及びペリンドプリル又はその薬学的に許容される塩8mgを含む被覆錠剤j錠(hは0及び1から選択される整数であり、iは0及び1から選択される整数であり、jは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、ペリンドプリル又はその薬学的に許容される塩の合計量は2〜16mgであり、h+i+jは1、2又は3であることを満たす)と
を含み、
該アセチルサリチル酸の錠剤は、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール含有フィルムで被覆され、
該シンバスタチンの錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース含有フィルムで被覆され、
該プラバスタチン又は薬学的に許容される塩の錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース含有フィルムで被覆され、
該リシノプリル又は水和物の錠剤は、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール含有フィルムで被覆され、
該ラミプリルの錠剤は、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール含有フィルムで被覆され、
該ペリドプリル又は薬学的に許容される塩の錠剤は、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール含有フィルムで被覆されることを特徴とするカプセル剤に関する。
【0042】
プラバスタチンの薬学的に許容される塩として、好ましいのは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩である。最も好ましい塩はそのナトリウム塩である。リシノプリルは通常、二水和物であり、それゆえ、本発明で使用される好ましい種(form)である。ペリンドプリルの薬学的に許容される塩としてはアルカリ塩及びアルキルアミン塩があり、最も好ましいのはt−ブチルアミンを有する塩であり、これはエルブミン塩とも呼ばれる。
【0043】
特定の一実施形態によると、いずれの錠剤も非調節放出フォーマットを有している。本明細書で使用される用語「非調節放出」フォーマットとは、その溶解又はバイオアベイラビリティプロファイルを通常の形の成分のそれらから変更するという特定の意図をもって、その有効成分に化学的にも物理的にも追加の調節が加えられていない、有効成分の溶解及びバイオアベイラビリティのプロファイルに関するものであると定義すると理解される。非調節放出は実質的に有効成分の即時放出であるとも理解される。さらに、この非調節放出とは、徐放、遅延放出又は持続放出の効果が取り入れられていない伝統的又は従来の放出フォーマットであると理解される。即時放出とは、その錠剤がインビトロ及び胃又は上部胃腸管で即時に溶解することを意味する。好ましくは、即時放出とは、有効成分の少なくとも80%が投与後60分以内、好ましくは30分以内に放出されることを意味する。その試験方法は、シンバスタチン又はプラバスタチンで使用された例6、及びACE阻害剤で使用された例7に示された溶解試験である。
【0044】
本発明の好ましい一実施形態において、カプセル剤は、
(i)a)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、又は
b)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠と、
(ii)a)シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、又は
b)プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠と、
(iii)a)リシノプリル二水和物5、10若しくは20mgを含む被覆錠剤1錠、又は
b)ラミプリル2.5、5若しくは10mgを含む被覆錠剤1錠、又は
c)ペリドプリルエルブミン塩2、4若しくは8mgを含む被覆錠剤1錠と
を含むことを特徴とする。
【0045】
本発明の好ましい一実施形態では、カプセル剤は、
(1)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物5mgを含む被覆錠剤1錠、
(2)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物10mgを含む被覆錠剤1錠、
(3)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物20mgを含む被覆錠剤1錠、
(4)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル2.5mgを含む被覆錠剤1錠、
(5)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル5mgを含む被覆錠剤1錠、
(6)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤1錠、
(7)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン2mgを含む被覆錠剤1錠、
(8)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン4mgを含む被覆錠剤1錠、
(9)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン8mgを含む被覆錠剤1錠、
(10)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物5mgを含む被覆錠剤1錠、
(11)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物10mgを含む被覆錠剤1錠、
(12)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物20mgを含む被覆錠剤1錠、
(13)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル2.5mgを含む被覆錠剤1錠、
(14)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル5mgを含む被覆錠剤1錠、
(15)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤1錠、
(16)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン2mgを含む被覆錠剤1錠、
(17)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン4mgを含む被覆錠剤1錠、
(18)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン8mgを含む被覆錠剤1錠、
(19)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物5mgを含む被覆錠剤1錠、
(20)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物10mgを含む被覆錠剤1錠、
(21)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物20mgを含む被覆錠剤1錠、
(22)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル2.5mgを含む被覆錠剤1錠、
(23)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル5mgを含む被覆錠剤1錠、
(24)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤1錠、
(25)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン2mgを含む被覆錠剤1錠、
(26)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン4mgを含む被覆錠剤1錠、
(27)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン8mgを含む被覆錠剤1錠、
(28)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物5mgを含む被覆錠剤1錠、
(29)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物10mgを含む被覆錠剤1錠、
(30)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物20mgを含む被覆錠剤1錠、
(31)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル2.5mgを含む被覆錠剤1錠、
(32)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル5mgを含む被覆錠剤1錠、
(33)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤1錠、
(34)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン2mgを含む被覆錠剤1錠、
(35)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン4mgを含む被覆錠剤1錠、並びに
(36)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン8mgを含む被覆錠剤1錠
を含むことを特徴とする。
【0046】
本発明の別の好ましい実施形態では、カプセル剤は硬ゼラチンで作られることを特徴とする。
【0047】
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、カプセル剤はセルロースで作られることを特徴とする。
【0048】
特定の一実施形態によれば、カプセル剤又は錠剤は他の有効成分を含有しない。即ち、カプセル剤は、i)、ii)及びiii)の成分からなっている。
【0049】
本発明の好ましい一実施形態では、カプセル剤は、高リスク集団において、好ましくは、55歳を超えるヒト対象、胸部苦悶、発作、動脈硬化症、間欠性跛行、糖尿病、冠動脈疾患、抹消血管疾患、血小板機能変化、血液透析、高コレステロール血症、高血圧、心筋梗塞、うっ血性心不全、虚血、ネフロパシー、心停止又は再狭窄の背景をもつ患者、喫煙者、肥満対象及び運動不足の対象における、心臓血管疾患の予防に使用される。
【0050】
本発明のカプセル剤は、医師の裁量で1カプセル剤あたり最小の錠剤数による等差数列によって、また、治療する各患者又は集団の各小グループの特徴に基づいて、容易に用量の秤量をすることが可能となる。アセチルサリチル酸の用量は、米国標準の81mg(St.Joseph 81mg Aspirin(登録商標))及び国際標準の100mgに基づいて決定されている。可能な用量の秤量を表1に示す。
【表1】

【0051】
本発明のカプセル剤は、種々の材料からなっていてよく、これらのうち最も一般的なのは、従来の硬ゼラチンカプセル剤及びセルロースカプセル剤である。セルロースカプセル剤としては、これらに限定されないが、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及び好ましいヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの種々のアルキルセルロースから形成されるものが挙げられる。
【0052】
したがって、実用的な一実施形態では、本発明は、硬ゼラチンカプセル剤(黒酸化鉄若しくは赤酸化鉄又はそれらの混合物として表される酸化鉄0.12〜1.66%、二酸化チタン0.37〜2.33%、及びゼラチン100%(適量))、及びセルロースカプセル剤(HPMC99%、カラギーナン0.2%、塩化カリウム0.15%、及び色素0.65%)の両方に関する。硬ゼラチンカプセル剤及びセルロースカプセル剤の両方の組成は、本発明の範囲の制限を意味する目的のものではない。
【0053】
錠剤は通常、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、抗酸化剤、pH調節剤及びフィルム形成ポリマーなどの薬学的に許容される添加剤を含む。
【0054】
賦形剤としては、必ずしもこれらに限定されるものではないが、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、カオリン、ベントナイト、デンプン、炭酸マグネシウム、噴霧乾燥した若しくは湿った無水のマンニトールやラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、圧縮性糖、トレハロース、キシリトール等などのいくつかの糖類、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0055】
結合剤としては、必ずしもこれらに限定されるものではないが、アカシア、微結晶性セルロース、HPMC、10〜20%ゼラチン溶液、20〜50%グルコース溶液、ポリビニルピロリドン、10〜20%デンプン糊、ソルビトール、トラガカント、ポリエチレングリコール、マルトデキストリン、ポリメタクリレート等などのセルロース溶液、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0056】
崩壊剤としては、必ずしもこれらに限定されるものではないが、トウモロコシとジャガイモデンプン、メチルセルロース、セルロース全般、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ベントナイト/ビーグムなどの鉱物粘土粉末、ラウリル硫酸ナトリウムなどの加湿剤、クロスカルメロース、クロスポピドン、ナトリウムデンプングリコレート等などの超崩壊剤(使用される濃度が低い(通常2〜4%)ためこのように呼ばれる)、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0057】
潤滑剤としては、必ずしもこれらに限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、ポロキサマー、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、水素化植物油、タルク、グリセルベヘネート等、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0058】
流動促進剤としては、必ずしもこれらに限定されるものではないが、コロイドシリカ(1%)、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、トウモロコシデンプン等、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0059】
抗酸化剤としては、必ずしもこれらに限定されるものではないが、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、プロピルガレート、メタ重亜硫酸ナトリウム又はカリウム、フマル酸等、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0060】
pH調整剤としては、必ずしもこれらに限定されるものではないが、重炭酸ナトリウム、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、クエン酸、クエン酸カリウム等、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0061】
フィルム形成ポリマーとしては、必ずしもこれらに限定されるものではないが、ポリビニルアセテートフタレート、酢酸セルロース、HPMC、エチルセルロース、メチルセルロースアセテートサクシネート、ポリメタクリレート、メタクリル酸コポリマー、メチセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアルコール等などの特定のセルロース誘導体、及びそれらの混合物が挙げられる。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明を下記の例によってさらに例示するが、これは本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【0063】
(例1)
アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgを含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル2.5、5又は10mgを含む被覆錠剤1錠を含む硬ゼラチンカプセル剤
a)アセチルサリチル酸の被覆錠剤の製造
アセチルサリチル酸の被覆錠剤は、下記の一連の手順に従って通常の当業界での手順に準拠して製造した。アセチルサリチル酸、ナトリウムデンプングリコレート、微結晶性セルロース101を適切な割合で篩にかけ、これらの3成分を混合した後、予め篩にかけておいたタルクを添加し、それを再度混合し、圧縮し、得られたコアをOpadry AMB white OY−B−28920フィルム形成水溶液で被覆した。このようにして、アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤を得た。この錠剤の組成を表2に示す。Opadry AMB white OY−B−28920コーティング剤の組成を表3に示す。アセチルサリチル酸100mgの被覆錠剤1錠に対応するOpadry AMB white OY−B−28920水溶液を調製するための成分を表4に示す。
【表2】


【表3】


【表4】

【0064】
b)シンバスタチン20mgを含む被覆錠剤の製造
シンバスタチン20mgを含む被覆錠剤は、下記の一連の手順に従って通常の当業界での手順に準拠して製造した。微粉化シンバスタチン、ラクトース一水和物、アルファ化デンプン1500、アスコルビン酸及びクエン酸を適切な割合で篩にかけ、前記成分を混合し、精製水を添加し、それを乾燥し、篩にかけることによりSieving1を得た。他方、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)を0.4%顆粒として調製した。この調製は、微結晶性セルロース102を篩にかけ、BHAのエタノール溶液と混合し、次いでそれを乾燥し、篩にかけることによりBHAを0.4%顆粒として得ることによって実現された。一方、微結晶性セルロース102、上記0.4%BHA顆粒、コロイド性無水シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウムからなる混合物を調製し、次いで、これを篩にかけてSieving2を得た。Sieving1とSieving2を混合し、圧縮し、得られたコアをOpadry orange 06023821フィルム形成水溶液で被覆した。このようにして、シンバスタチン20mgの被覆錠剤を得た。その組成を表5に示す。Opadry orange 06023821コーティング剤の組成を表6に示す。シンバスタチン20mgの被覆錠剤1錠に対応する0.4%BHA顆粒を調製するための成分を表7に示す。シンバスタチン20mgの被覆錠1錠に対応するSieving1を調製するための成分を表8に示す。シンバスタチン20mgの被覆錠剤1錠に対応するOpadry orange 06023821水溶液を調製するための成分を表9に示す。
【表5】


【表6】


【表7】


【表8】


【表9】

【0065】
c)ラミプリル2.5、5及び10mgを含む被覆錠剤の製造
ラミプリル2.5、5及び10mgを含む被覆錠剤は、下記の一連の手順に従って通常の当業界での手順に準拠して製造した。ラミプリル、重炭酸ナトリウム及びアルファ化デンプン1500を乾燥篩にかけ、適切な割合で混合した。予め篩にかけておいた微結晶性セルロース101を2回のステップ(予混合、2回目の混合)で添加し、各添加の後、乾燥混合した。HPMCを精製水中に添加した後、混合し、乾燥し、篩にかけることによりSieving1を得た。予め篩にかけておいた微結晶性セルロース101を添加し、混合し、予め篩にかけておいたフマル酸ステアリルナトリウムを添加し、混合し、圧縮し、得られたコアをOpadry AMB yellowフィルム形成水溶液で被覆した。このようにして、ラミプリル2.5、5及び10mgの被覆錠剤を得た。表10、11及び12にそれぞれの組成を示す。得られたこの錠剤の破壊強度は9〜11kpであり、その崩壊時間は0.5〜2分であった。Opadry AMB yellowコーティング剤の組成を表13、14及び15に示す。これらの表はそれぞれラミプリル2.5、5及び10mgの被覆錠剤に対応する。ラミプリル2.5、5及び10mgの被覆錠剤1錠に対応する篩い分け1を調製するための成分をそれぞれ表16、17及び18に示す。ラミプリル2.5、5又は10mgの被覆錠剤1錠に対応するOpadry AMB yellow水溶液を調製するための成分を表19に示す。
【表10】


【表11】


【表12】


【表13】


【表14】


【表15】


【表16】


【表17】


【表18】


【表19】

【0066】
d)カプセル化の手順
ラミプリル、シンバスタチン及びアセチルサリチル酸の被覆錠剤は、それぞれ1:2:1の割合で、この目的のための通常のカプセル化機械を使用して、#0サイズの硬ゼラチンカプセルに投入した。錠剤の種類ごとに1台ずつ、3台の異なる充填ホッパを、この目的のために作動させた。これらのカプセルに、錠剤をカプセル中に押し込む穿孔機を使って充填した。この穿孔機は、錠剤の数が間違ったカプセルを除くように設定された品質保証システムを備えていた。
【0067】
e)安定性の検討
アルミニウム/アルミニウム(Alu/Alu)ブリスター及びPVC/PVDC(ポリ塩化ビニル/ポリ二塩化ビニル)−アルミニウムブリスターで包装したa)〜d)で得たカプセル剤のバッチを、3カ月間、それぞれ温度及び相対湿度(rh)を可変条件において、様々な条件において存在した不純物又は分解産物について下記の結果を得た。
1.アセチルサリチル酸錠剤の安定性
【表20】


【表21】


【表22】


【表23】


【表24】


【表25】

【0068】
(例2)
アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgを含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤1錠を含む硬ゼラチンカプセル剤
例1と同様に、ラミプリル錠剤の組成のみが異なる標題のカプセル剤を調製した。その組成を表20に示す。錠剤破壊強度は9〜11kpであり、崩壊時間は1〜2分であった。
【表26】

【0069】
(例3)
アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgを含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物20mgを含む被覆錠剤1錠を含む硬ゼラチンカプセル剤
例1と同様に、リシノプリル二水和物の錠剤の組成のみが異なる標題のカプセル剤を調製した。その組成を表21に示す。錠剤破壊強度は5.5〜7.5kpであり、崩壊時間は1分未満であった。
【表27】

【0070】
(例4)
アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgを含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤1錠を含む硬ゼラチンカプセル剤
例1と同様に、ラミプリル錠剤の組成のみが異なる標題のカプセル剤を調製した。その組成を表22に示す。錠剤破壊強度は9〜11kpであり、崩壊時間は0.5〜2分であった。
【表28】

【0071】
(例5)
アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgを含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤1錠を含む硬ゼラチンカプセル剤
例1と同様に、シンバスタチン錠剤の組成のみが異なる標題のカプセル剤を調製した。その組成を表23に示す。
【表29】

【0072】
(例6)
シンバスタチン錠剤の溶出試験
例4のシンバスタチン錠剤に対する溶出試験を実施した。この目的のために、0.5%ドデシル硫酸ナトリウムの0.01Nリン酸ナトリウムを含みpH7の緩衝液からなる37℃の水性媒体中に、サイズ#0の硬ゼラチン及びセルロースカプセルを使用して、1カプセルあたりシンバスタチン錠剤1錠を投入した。得られた結果を表24に示す。
【表30】

【0073】
(例7)
ラミプリル錠剤の溶出試験
1カプセルあたり例4のラミプリル錠剤1錠を、37℃の0.1N HCl水溶液中に、サイズ#0の硬ゼラチン及びセルロースカプセルを使用して投入した。得られた結果を表25に示す。
【表31】

【0074】
(例8)
アセチルサリチル酸錠剤の溶出試験
例4のアセチルサリチル酸錠剤1錠を、37℃のpH4.5の緩衝液からなる水性媒体中に投入した。得られた結果を表26に示す。
【表32】

【0075】
(例9)
アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgを含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル2.5、5又は10mgを含む被覆錠剤1錠を含む硬ゼラチンカプセル剤
例1と同様に、ラミプリル錠剤の組成のみが異なる標題のカプセル剤を調製した。これらを表27、28及び29に示す。各表は、ラミプリル2.5、5及び10mgを含む被覆錠剤にそれぞれ対応する。
【表33】


【表34】


【表35】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)a)アセチルサリチル酸40.5mgを含む被覆錠剤w錠、及びアセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤x錠(wは0及び1から選択される整数であり、xは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、アセチルサリチル酸の合計量は40.5〜162mgであり、w+xは1又は2であることを満たす)、又は
b)アセチルサリチル酸50mgを含む被覆錠剤y錠、及びアセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤z錠(yは0及び1から選択される整数であり、zは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、アセチルサリチル酸の合計量は50〜200mgであり、y+zは1又は2であることを満たす)と、
(ii)a)シンバスタチン20mgを含む被覆錠剤s錠、及びシンバスタチン40mgを含む被覆錠剤t錠(sは0、1及び2から選択される整数であり、tは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、シンバスタチンの合計量は20〜80mgであり、s+tは1又は2であることを満たす)、又は
b)プラバスタチン又はその薬学的に許容される塩20mgを含む被覆錠剤u錠、及びプラバスタチン又はその薬学的に許容される塩40mgを含む被覆錠剤v錠(uは0、1及び2から選択される整数であり、vは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、プラバスタチン又はその薬学的に許容される塩の合計量は20〜80mgであり、u+vは1又は2であることを満たす)と、
(iii)a)リシノプリル又は水和物5mgを含む被覆錠剤p錠、リシノプリル又は水和物10mgを含む被覆錠剤q錠、及びリシノプリル又は水和物20mgを含む被覆錠剤r錠(pは0、及び1から選択される整数であり、qは0及び1から選択される整数であり、rは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、リシノプリル又は水和物の合計量は5〜40mgであり、p+q+rは1、2又は3であることを満たす)、又は
b)ラミプリル2.5mgを含む被覆錠剤k錠、ラミプリル5mgを含む被覆錠剤m錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤n錠(kは0及び1から選択される整数であり、mは0及び1から選択される整数であり、及びnは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、ラミプリルの合計量は2.5〜20mgであり、k+m+nは1、2又は3であることを満たす)、又は
c)ペリンドプリル又はその薬学的に許容される塩2mgを含む被覆錠剤h錠、ペリンドプリル又はその薬学的に許容される塩4mgを含む被覆錠剤i錠、及びペリンドプリル又はその薬学的に許容される塩8mgを含む被覆錠剤j錠(hは0及び1から選択される整数であり、iは0及び1から選択される整数であり、jは0、1及び2から選択される整数であり、ただし、ペリンドプリル又はその薬学的に許容される塩の合計量は2〜16mgであり、h+i+jは1、2又は3であることを満たす)と
を含むカプセル剤であって、
前記アセチルサリチル酸の錠剤は、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール含有フィルムで被覆され、
前記シンバスタチンの錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース含有フィルムで被覆され、
前記プラバスタチン又は薬学的に許容される塩の錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース含有フィルムで被覆され、
前記リシノプリル又は水和物の錠剤は、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール含有フィルムで被覆され、
前記ラミプリルの錠剤は部分的に加水分解されたポリビニルアルコール含有フィルムで被覆され、
前記ペリドプリル又は薬学的に許容される塩の錠剤は部分的に加水分解されたポリビニルアルコール含有フィルムで被覆される
上記カプセル剤。
【請求項2】
(i)a)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、又は
b)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠と、
(ii)a)シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、又は
b)プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠と、
(iii)a)リシノプリル二水和物5、10若しくは20mgを含む被覆錠剤1錠、又は
b)ラミプリル2.5,5若しくは10mgを含む被覆錠剤1錠、又は
c)ペリドプリルエルブミン塩2、4若しくは8mgを含む被覆錠剤1錠と
を含む、請求項1に記載のカプセル剤。
【請求項3】
(1)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物5mgを含む被覆錠剤1錠、
(2)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物10mgを含む被覆錠剤1錠、
(3)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物20mgを含む被覆錠剤1錠、
(4)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル2.5mgを含む被覆錠剤1錠、
(5)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル5mgを含む被覆錠剤1錠、
(6)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤1錠、
(7)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン2mgを含む被覆錠剤1錠、
(8)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン4mgを含む被覆錠剤1錠、
(9)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン8mgを含む被覆錠剤1錠、
(10)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物5mgを含む被覆錠剤1錠、
(11)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物10mgを含む被覆錠剤1錠、
(12)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物20mgを含む被覆錠剤1錠、
(13)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル2.5mgを含む被覆錠剤1錠、
(14)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル5mgを含む被覆錠剤1錠、
(15)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤1錠、
(16)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン2mgを含む被覆錠剤1錠、
(17)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン4mgを含む被覆錠剤1錠、
(18)アセチルサリチル酸81mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン8mgを含む被覆錠剤1錠、
(19)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物5mgを含む被覆錠剤1錠、
(20)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物10mgを含む被覆錠剤1錠、
(21)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物20mgを含む被覆錠剤1錠、
(22)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル2.5mgを含む被覆錠剤1錠、
(23)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル5mgを含む被覆錠剤1錠、
(24)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤1錠、
(25)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン2mgを含む被覆錠剤1錠、
(26)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン4mgを含む被覆錠剤1錠、
(27)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、シンバスタチン20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン8mgを含む被覆錠剤1錠、
(28)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物5mgを含む被覆錠剤1錠、
(29)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物10mgを含む被覆錠剤1錠、
(30)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びリシノプリル二水和物20mgを含む被覆錠剤1錠、
(31)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル2.5mgを含む被覆錠剤1錠、
(32)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル5mgを含む被覆錠剤1錠、
(33)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びラミプリル10mgを含む被覆錠剤1錠、
(34)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン2mgを含む被覆錠剤1錠、
(35)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン4mgを含む被覆錠剤1錠、並びに
(36)アセチルサリチル酸100mgを含む被覆錠剤1錠、プラバスタチンナトリウム塩20mgをそれぞれ含む被覆錠剤2錠、及びペリンドプリルエルブミン8mgを含む被覆錠剤1錠
から選択される組合せを含む、請求項2に記載のカプセル剤。
【請求項4】
硬ゼラチンから作られる、請求項1、2又は3に記載のカプセル剤。
【請求項5】
セルロースから作られる、請求項1、2又は3に記載のカプセル剤。
【請求項6】
全ての錠剤が非調節放出プロファイルを有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載のカプセル剤。
【請求項7】
高リスク集団における心臓血管疾患の予防のための薬物を製造するための、請求項1から6までのいずれか一項に記載のカプセル剤の使用。
【請求項8】
高リスク集団が、55歳を超える人、胸部苦悶、発作、動脈硬化症、間欠性跛行、糖尿病、冠動脈疾患、抹消血管疾患、血小板機能変化、血液透析、高コレステロール血症、高血圧、心筋梗塞、うっ血性心不全、虚血、ネフロパシー、心停止、又は再狭窄の背景をもつ患者、喫煙者、肥満者及び運動不足の人である、請求項7に記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2011−515445(P2011−515445A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501225(P2011−501225)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053545
【国際公開番号】WO2009/118359
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(501108452)フエルレル インターナショナル,ソシエダッド アノニマ (39)
【出願人】(510256702)ファンダシオン セントロ ナシオナル デ インベスティガシオネス カルディオバスクラレス カルロス テルセロ (1)
【Fターム(参考)】