説明

心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システム

心音の波形パターンを検出する波形検出手段と、この波形検出手段で検出された心音波形パターンと予め登録されている登録心音波形パターンとを比較し判別する手段と、を有して個人認証装置を構成し、上記検出された心音波形パターンと登録心音波形パターンとが一致したときに、同一人であることを認証するように構成することで、個人の意思ではコントロールが不可能な自律動である心音を、当該被認証者の予め登録された心音波形パターンに基づいてリアルタイムで照合させることができ、当該被認証者の個人認証を、迅速かつ非常に高精度で判別することができる全く新規な心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、自律的に変化する心音の波形パターン及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムに関する。尚、この発明において、「心音」とは、心臓の搏動により生じる音で、心室の収縮・弛緩に伴って反復して発する音をいい、心拍1周期ごとに聞こえる2つの音であり、弁膜の閉音に由来する。低くやや長い第1音とやや高く短い第2音が存在する。また、上記第1音とは、心室収縮期の始めに、房室弁(僧帽弁と三尖弁)が閉じる際に発する音をいい、第2音とは、心室収縮期の直後に、動脈弁(大動脈弁と肺動脈弁)が閉じる際に発する音をいう。心音は、弁の開放や拍動に関係しており、それらから発生する短い振動の総称である。一方「心拍」とは、心臓の鼓動(ピッチ)をいい、心拍は、体表面からは心筋の電気的活動が記録される心電図で計測され、一回の拍動にともない記録される筋電図は大きく三つの波(P波、QRS波、T波)に分類される点で、本明細書でいう「心音」とは区別される(典拠:Bates Physical Examination.7ed[3,P282],内科診断学[91,P209],Lange Clinical Cardiology,6ed[6,P58],医科生理学展望[95,P561])。
【背景技術】
近年、急速な情報化社会の進展に伴い、建物や部屋から情報機器、ネットワークまで、個人認証技術が要求される状況は急速に増えている。認証が必要な状況は、小人数から不特定多数が利用する場まで多岐にわたっている。特に、不特定多数の人間が利用する装置や入退出管理における個人認証技術には、接触性が低く、認証される人(以下、本人という。)が衛生面から不快感を抱かないことと、偽造ができないことが重要になる。
現在利用されている主な個人認証の手段には、免許証などの本人所有物による認証をはじめ、暗証番号、パスワードによる認証、指紋や虹彩などの生物学的特徴に基づくバイオメトリクスを利用した個人認証が提案されている。
バイオメトリクス(Biometrics)とは「身体測定学」を意味し、このバイオメトリクスを利用した個人認証とは、他人に貸すことが不可能な指紋,声紋,虹彩,顔,署名などさまざまな肉体的および行動的特徴を個人認証に利用することを意味する。長所として、バイオメトリクスによる個人認証は、鍵やクレジットカードなどの「所有物による認証」、暗証番号など「知識による認証」と比較して、紛失しない、盗まれない、忘れない、偽造・変造されないといった利点がある。身体の一部あるいは行動による認証のため、物を携帯する必要がほとんどなく、本人であることを証明する情報を記憶する必要がない。また、一次情報(身体の特徴など)を盗まれる心配がほとんどない、という長所を有している。
ところで、バイオメトリクスを利用した従来の個人認証法として、心電図データを採取する心拍・心電図計測システムが公知である。このシステムでは、電極板が身体から離れた場合には計測できなくなり、また、電極を被験者の身体に24時間貼り付け続けなければならないため、被験者の行動の自由度が拘束され、これが心理的な負担となって、被験者の24時間における真の身体反応データ(被験者に心理的な負担を掛けていない状態をいう。以下、同じ。)をリアルタイムで採取することは、厳密な意味において不可能であり、汎用性に乏しい、という課題を有していた。
このように、従来の個人認証技術にあっては、多くの不具合があり、この不具合が解消されていないのが現状であるが、これに加えて、従来の上記各個人認証技術を利用した各種システムでは、一度個人認証が承認された後は、再度同じ個人認証を実施しないシステムとなっている。
このため、従来の個人認証システムにおいては、他人が本人に成り変ってそのシステムを利用し続ける(なりすまし)ことは可能である。例えば、コンピュータの起動時に一度パスワードを入力し、これが認証された後の当該コンピュータを本人以外の者が使用するのを阻止する手段が普及していないのが現状である。
即ち、このような一度だけの認証システムでは、最も優れていると言われる上記バイオメトリクスを利用した認証システムにおいても、一度認証された後は、本人以外の者が当該システムを利用しても、これを検知しその利用を阻止する手段が全く講じられていないのが現状であり、パスワードや指紋等をコピーする不法行為が横行するのを完全に阻止できていないのが現状である。
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、従来は全く検討されていなかった、個人の意思ではコントロールが不可能な自律動である心音の波形パターン及び/又は呼吸波形パターンを、本人の心音及び/又は呼吸に基づいてリアルタイムに検出し、これを予め登録されている本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンと照合させることで、個人認証を迅速かつ高精度に判別することができる個人認証システムを提供しようとするものである。
さらに、この発明にあっては、心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証を、本人が継続して触れ続けていなければ、当該機器類の使用等ができないように構成し、他人が当該機器類に触れたとき(登録心音波形及び/又は呼吸波形パターンとは異なる心音及び/又は呼吸を認識したとき)には、これを不正使用として当該機器類の作動を停止させる等の対策を講じることが可能で、当該機器類の不正使用を確実に防止することができる画期的な心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを提供しようとするものである。
【発明の開示】
上記目的を達成するため、本発明に係る心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムは、以下のように構成したことを特徴とするものである。
即ち、請求の範囲1に記載の発明である心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムは、心音波形及び/又は呼吸波形パターンを検出する波形検出手段と、この波形検出手段で検出された心音波形及び/又は呼吸波形パターンと予め登録されている登録心音波形及び/又は呼吸波形パターンとを比較し判別する手段と、を有して個人認証装置を構成し、上記検出された心音波形及び/又は呼吸波形パターンと登録心音波形及び/又は呼吸波形パターンとが一致したときに、同一人であることを認証することを特徴とする。
次に、請求の範囲2に記載の発明は、請求の範囲1に記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを技術的前提とし、前記波形検出手段は、内部に発泡性樹脂並びに空気が封入されたエアーパッドと、該エアーパッド内の空気圧の変化を検知する圧電センサと、備えて構成し、前記圧電センサのエアーパッド側の空気圧は保持され、他側は大気に開放し、上記空気封入室側と大気開放側とで圧力差が形成されるように構成したことを特徴とする。
請求の範囲3に記載の発明は、請求の範囲1又は請求の範囲2のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを技術的前提とし、前記エアーパッドの身体接触面の反対側面には、板材を配設したことを特徴とする。
請求の範囲4に記載の発明は、請求の範囲3に記載心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを技術的前提とし、前記板材は、一方向に厚さ寸法が減少する楔状に形成されていることを特徴とする。
請求の範囲5に記載の発明は、請求の範囲1乃至請求の範囲4のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを技術的前提とし、前記波形検出手段を並設して構成したことを特徴とする。
請求の範囲6に記載の発明は、請求の範囲1乃至請求の範囲5のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを技術的前提とし、波形検出手段による心音波形及び/又は呼吸波形の検出は、連続して又は複数回実施されることを特徴とする。
請求の範囲7に記載の発明は、請求の範囲1乃至請求の範囲6のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを技術的前提とし、前記個人認証装置は、コンピュータのマウスその他の入力手段に配設されていることを特徴とする。
請求の範囲8に記載の発明は、請求の範囲1乃至請求の範囲6のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを技術的前提とし、前記個人認証装置は、携帯電話、携帯端末、コピー機、ファクシミリ機、プリンター、照明器具、建物のドアノブ、電車、自動車、大型建設機械、耕耘機、航空機、船舶、自転車、自動二輪車、無線式リモコン、電化製品の身体接触部位に配設されていることを特徴とする。
請求の範囲9に記載の発明は、請求の範囲1乃至請求の範囲8のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを技術的前提とし、前記個人認証は、前記心音波形及び/又は呼吸波形パターンによる認証と、暗証番号による認証、パスワードによる認証、バイオメトリクスを利用した指紋、声紋、虹彩、顔、署名、指静脈パターン、心電図による心拍パターンによるいずれかの個人認証とを組み合わせたものであることを特徴とする。
請求の範囲10に記載の発明は、請求の範囲1乃至請求の範囲9のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを技術的前提とし、前記個人認証装置によって検出された本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンピッチから、本人の緊張度や興奮度を測定することを特徴とする。
請求の範囲11に記載の発明は、請求の範囲1乃至請求の範囲10のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを技術的前提とし、前記個人認証装置には、波形検出装置よって検出された本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンをデータとして記録し、該記録データを解析する学習機能手段を設け、本人認証精度及び速度を向上させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る心音波形波形パターンを利用した個人認証システムを実現するために用いられる波形検出装置のセンサ部の一構成例を示す一部断面平面図である。
図2は、図1に示した心音検出センサの図1A−A線に沿う断面図である。
図3は、図1に示した心音検出センサの図1B−B線に沿う断面図である。
図4は、波形検出装置の構成例を示すブロック図である。
図5は、心音波形を示す波形図である。
図6は、呼吸波形および心音波形の検出例である。
図7は、波形検出装置の基本的構成を示すブロック図である。
図8は、波形検出装置をコンピュータのマウスに配設した場合の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を用いて説明する。
図1乃至図12は、本発明に係る心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを実現するために用いられる波形検出装置の一実施例を示しており、図1は本発明に係る心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムを実現するために用いられる波形検出装置のセンサ部の一構成例を示す一部断面平面図を、図2は図1に示した心音検出センサの図1A−A線に沿う断面図を、図3は図1に示した心音検出センサの図1B−B線に沿う断面図を、図4は波形検出装置の構成例を示すブロック図を、図5は心音波形を示す波形図を、図6は呼吸波形および心音波形の検出例を示す図を、図7は波形検出装置の基本的構成を示すブロック図を、図8は波形検出装置をコンピュータのマウスに配設した場合の断面図を夫々示している。
本実施例に係る波形検出装置は、個人認証の対象である本人1の指や手等の身体が接触する部位に取り付けられた心音・呼吸検出センサ20を備えて構成されており、該心音・呼吸検出センサ20は、発泡樹脂として内部に含気スポンジ等の発泡ウレタン樹脂23が封入されたエアーパッド21と、該エアーパッド21内の空気圧の変化を検知する圧電センサ24と、該圧電センサ24とエアーパッド21内を気密状態を保持して連通接続する可撓性を有するパイプ25と、電源である圧電発電装置(図示せず)と、から構成されている。
発泡ウレタン樹脂23は、エアーパッド21内を一定の膨張状態を保つようにエアーパッド21内に充填されており、エアーパッド21が外力により変形した後、該外力が作用しなくなったときに、素早く元の膨張状態に復元するように作用する。
また、上記エアーパッド21は、平面形状が2枚の表皮22,23で形成された矩形の袋状体で構成されており、その気密性が保持されるように、両表皮22,23の周縁部が気密性を保持できる接着剤で貼合されて形成されている。尚、このエアーパッド21の表皮22,23は、例えば、ゴムや軟質合成樹脂等の気密性に優れた材質を用いるのが望ましく、また、より気密性を高めるためには、複数層で形成するのが望ましい。
さらに、上記エアーパッド21の内部には、図2と図3に示すように、硬質の板材28が配置され、この板材28は、一方向に厚さ寸法が減少する楔状に形成されている。このため、エアーパッド21を、例えば、衣服と身体との間に配置した場合には、該エアーパッド21の可動側(表皮側)が身体側に配置されるので、心臓の脈動変化及び呼吸に伴うエアーパッド21内の空気の圧力変化を確実に採取することができ、その結果、波形検出装置1の感度を良好なものとすることができると共に、該エアーパッド21を衣服のポケットなどに挿入して身体に装着した場合、該エアーパッド21の可動側は、凹凸がある身体部分であっても、上記楔型の板材28によって可動側が身体方向に自然に押し付けられて身体に密着するので、心音波形及び/又は呼吸波形パターンの検出感度をより向上させることができる。尚、本実施例では、図1に示すように、圧電センサ24のエアーパッド側24Aを気密に保持し、他側24Bは大気に開放するように構成することで、空気封入室側と大気側とで圧力差が生じるように構成し、エアーパッド21に加えられる心音振動や呼吸振動による微妙な圧力変化を確実に圧電センサ24へと伝えることができるので、心音波形及び/又は呼吸波形データを高精度に抽出することができる。また、上記実施例では、圧電センサ24のエアーパッド側24Aを、気密を保持するように構成した場合を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、圧電センサ24が取り付けられたセンサ部24Cの空気封入室側と大気側とを連通させる微細な孔24Dを貫通形成し、空気封入室側のエアーを、抵抗を持たせて抜けるように構成することもでき、この場合には、押圧され収縮した発泡ウレタン樹脂23が、気密状態では元に戻らなくなるのを防止し、スムーズに元の状態に復帰させることができる。
また、この実施例において、上記エアーパッド21には、空気圧補充のためのエアーポンプ(図示せず)が連通接続可能な流路27が形成されていると共に、該流路27には、エアーパッド21内の空気の流出を防止する逆止弁(図示せず)が配設されている。これは、エアーパッド21と圧電センサ24とを気密状態で連結したとしても、経時使用によりエアーパッド21内の圧力が低下するため、前記エアーポンプで圧力を一定値まで昇圧させることができるように構成されている。尚、上記エアーポンプによってエアーパッド21内の圧力が一定値となったときには、例えば、上記逆止弁によってそれ以上昇圧しないように構成するのが望ましい。
次に、上記圧電センサ24は、エアーパッド21内の空気圧の変動を検知する公知の圧電圧力センサが用いられる。
そして、この実施例では、上記したように、圧電センサ24を、上記パイプ25の先端部に連通接続されたセンサ部24Cの室内24Fに配設されており、該圧電センサ24によって上記室内を形成する底部24Eに開設されてなる穴部24Gを接着剤を介して閉塞するように取り付けられている。
従って、上記圧電センサ24のエアーパッド側24Aに形成された室内24Fは、空気圧を保持するように構成され、かつ、圧電センサ24の他側は、上記穴部24Gを介して大気側と連通し、圧電センサ24の空気封入室側と大気側とで圧力差が形成されるように構成されている。このように圧電センサ24の空気封入室側と大気側とで圧力差が生じるように構成することで、エアーパッド21に加えられた心音振動及び呼吸振動を確実に圧電センサ24で捕らえることができる。
次に、前記心音・呼吸検出センサ20からの信号を、心音波形及び/又は呼吸波形パターンとして出力する心音波形及び/又は呼吸波形の出力手段12について説明する。
図4は、該出力手段12の概略的な構成を示しており、該出力手段12は、エアーパッド21および圧電センサ24からなる心音・呼吸検出センサ20で検出された心音や呼吸の波形を検出する波形検出回路121と、心音波形と呼吸波形とを分離する心音・呼吸波形分離手段122と、から構成されている。
そして、この波形分離回路122は、後記する比較回路13に接続されており、誤動作・誤判定が防止されるように構成されている(心音波形と呼吸波形の分離のためのアルゴリズムについては、PCT出願番号PCT/03/05711参照)。また、上記検出された心音波形・呼吸波形データは、内蔵されている通信回路(図示せず)を介して伝送することができるように構成することもできる。勿論、この発明にあっては、心音・呼吸検出センサ20によって検出され分離された心音波形のみを個人認証手段として用い、或は、呼吸波形のみを個人認証手段として用い、または、両方の波形により個人認証を行うように構成することができる。
また、本発明において、上記心音波形や呼吸波形の比較は、公知の一般的な比較法を応用して適用することができる。例えば、上記心音波形や呼吸波形の比較法として、図5に示すように、1音と2音とで構成される心音を、1音と2音の振幅比(AとB)を比較したり、時間幅を比較することで同一波形であるかの比較をすることができる。また、1音と2音に含まれる波形の特徴点aを抽出して比較してもよい。さらに、FFT(Fast Fourier Transform:フーリエ変換法)を使って、心音に含まれる周波数成分を時間軸変換したデータを比較してもよい。またさらに、心音変動のうち、ゆっくりとした周期的ゆらぎ(サーカディアンリズム)を検出して比較する方法もある。
このようにして得られた心音波形信号・呼吸波形信号は、図6に示す比較回路13に送出された後、判定出力手段14へと送出される。尚、図6中、符号16は情報格納手段を示しており、該情報格納手段16は、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク、固体メモリ、ICチップ、マイクロチップ等、公知の任意のものを使用できる。
上記比較回路13は、出力手段12からの検出された心音波形及び/又は呼吸波形と上記情報格納手段16に予め登録されている本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンとを比較し、これを判定した結果を判定出力手段14へと送る。
判定出力手段14では、出力手段12からの検出された心音波形及び/又は呼吸波形と上記情報格納手段16に予め登録されている本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンとが一致した場合と不一致の場合の情報を、当該個人情報が必要な機器類へと送り、該機器類は、それぞれの判定に基づく必要な処理を行うことで、個人認証作業が終了する。
このように、各種装置や各種器具或は各種システムの情報格納手段に、本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを記録しておくことにより、個人認証が必要なときに、この記録された心音波形及び/又は呼吸波形パターンと、リアルタイムに検出される心音波形及び/又は呼吸波形とを比較し照合することで、個人認証を簡単なシステムであっても、極めて高精度に判別し実施することができる。
このように構成されてなる心音・呼吸検出センサ20を備えた波形検出装置は、例えば、図9に示すように、コンピュータに接続されたマウスMに組み込み、このマウスMに組み込まれた心音・呼吸検出センサ20で検出される心音波形及び/又は呼吸波形を、コンピュータ本体(図示せず)側に登録されている本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンと比較し、これが一致した場合にのみ、当該コンピュータを使用することができ、一致しなかった場合には、当該コンピュータの電源を自動的にOFFして、特定の方法により再起動しなければ、当該コンピュータを使用することができないように構成することができる。そして、上記個人認証を連続的に実施し、本人がマウスMに指や手を触れ続けていなければ継続使用することができないように構成することもでき、コンピュータの使用中に、異なる心音及び/又は呼吸が検出されたときには、直ちに当該コンピュータを自動的にログオフして、その後の継続使用を強制的に禁止させることができる。勿論、この場合には、マウスMに指や手を触れ続けていなければならない、という連続性ではなく、本人が一度マウスMに触れた後、手や指を離しても、次にマウスMに触れたときの人物が、本人であればよい、という連続性も含まれる。
また、上記心音・呼吸検出センサ20の配設部位は、上記マウスMに限定されるものではなく、他の入力手段、例えば、キーボードの各キィーボタン、コンピュータの手の平が接触する部位或はコンピュータ用タブレットに配設しても同様の作用効果が得られる。
さらに、この発明にあっては、前記個人認証処理を、本人の身体が前記心音・呼吸検出センサ20に触れている間に2回以上実施されるように構成し、心音波形及び/又は呼吸波形パターンが継続して検出され個人認証が2回以上連続しなければ、同一人による使用とは認められないように構成することもでき、その後の当該コンピュータの使用を阻止する等の不正使用対策を講じることが可能となる。
勿論、上記個人認証作業を、前記心音・呼吸検出センサ20が連続して複数回検出し、これら検出された心音波形及び/又は呼吸波形パターンと登録心音波形及び/又は呼吸波形パターンとを、任意のタイミングで2回以上比較して判別するように構成してもよい。この場合には、個人認証のタイミングが任意で予測不能であるため、より確実に不正使用を防止することができる。尚、この実施例において「任意」とは、「一定時間毎」以外の全てのタイミングをいい、不規則なタイミングが連続する場合や、アトランダムなタイミングの個人認証が連続する場合等も含むものとする。
また、この実施例において、上記認定作業は、前記心音・呼吸検出センサ20が連続して検出した心音波形及び/又は呼吸波形と登録心音波形及び/又は呼吸波形パターンとを、一定時間毎(例えば、心臓の脈動間隔毎)に複数回比較し判別するように構成してもよい。
この実施例に係る心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムは、以上説明したように、心音・呼吸検出センサ20で検出された心音波波形及び/又は呼吸形パターンと登録心音波形及び/又は呼吸波形パターンとが一致したときに、同一人であることを認証するように構成したので、意思ではコントロールが不可能な自律作用による心臓の脈動によって発生する心音と完全には自律作用ではない呼吸を利用し、該心音波形及び/又は呼吸波形は個人によって異なる波形パターンを有しているので、これを比較判別することで確実に個人認証を行なうことができ、しかも、この心音波形及び/又は呼吸波形パターンによる認証は、物を携帯する必要がなく、本人であることを証明する情報を記憶する必要もなく、また、盗まれる心配がなく、紛失しない、盗まれない、忘れない、偽造・変造されないといった効果を有する。
また、一度本人認証がなされた後であっても、その後の各種装置、各種器具或は各種システムの使用継続の認否を連続して行なうことで、これらの不正使用を従来の個人認証とは比較にならないレベルで阻止することができる。
さらに、この発明にあっては、前記心音・呼吸検出センサ20よって検出された本人の心音波形及び/又は呼吸波形をデータとして逐一記録して保存し、該記録データを解析する学習機能手段を設けることで、本人の健康状態や体調の変化によって心音波形及び/又は呼吸波形パターンが変化しても、逐一これを自動的に書換えて更新させることで、年をとる度に少しづつ心音波形及び/又は呼吸波形が変化したとしても、本人認証システムを変更することなく正確に判別することができ、しかも、認証速度を向上させることができる。勿論、本システムを用いることで、社員や家族等の健康管理も、個人に知られること無く行うことも可能となる。
尚、上記実施例では、前記心音・呼吸検出センサ20をコンピュータのマウスM等に配設した場合を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、例えば、携帯電話、携帯端末、コピー機、ファクシミリ機、プリンター、照明器具、電化製品の身体接触部位に配設することもできる。
また、上記心音・呼吸検出センサ20は、建物のドアノブに配設して構成したので、本人がドアノブを握持し、本人(心音波形及び/又は呼吸波形パターンが登録されている者)であることが認証された場合にのみ、ドアノブを開錠方向に可動可能とし、或は、ロック装置が開錠動作するように構成することができる。
さらに、上記心音・呼吸検出センサ20は、電車、自動車、大型建設機械、耕耘機、航空機、船舶、自転車、自動二輪車のギアシャフト、ハンドルその他の身体接触部位に配設することができ、本人(心音波形及び/又は呼吸波形パターンを登録している者)しか当該車両等を運転操作することができなくなり、登録された心音波形及び/又は呼吸波形パターン以外の心音が検出された場合には、当該車両等の電源を自動的にOFFして特定の方法でなければ再起動できないように構成したり、ハンドル等がロックされるように構成することができ、当該車両等の盗難防止及び不正使用を確実に防止することができる。
さらにまた、上記心音・呼吸検出センサ20は、テレビやエアコン、車両ドア開閉用等の無線式リモコンに配設することができ、本人以外の第三者が操作キィに触れても、登録された心音波形及び/又は呼吸波形パターンと同じ心音及び/又は呼吸が検出され認証された本人のみが正常に信号を発信することができ、もし、異なる心音及び/又は呼吸が検出された場合には、当該操作キィから制御のための信号が発信されず、他人がこれを盗んで使用しても、当該各種機器・器具・システムの作動をコントロールすることができず、これらの不正使用を確実に防止することができる。
尚、上記実施例では、心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証を、バイオメトリクスの中の「心音波形及び/又は呼吸波形パターン」で実施する場合を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、従来の暗証番号による個人認証、パスワードによる個人認証、指紋や声紋又は虹彩或は顔、署名、指静脈パターン、心電図による心電図波形データのいずれかを利用した生物学的特徴に基づくバイオメトリクスを利用した個人認証システムと組み合わせることで、既存の個人認証システムを廃止することなく本個人認証システムとハイブリット化させることができ、この場合には、既存システムのインフラを活用することができるので、本個人認証システムを少ない設備投資で汎用させることができる。
また、この発明にあっては、前記波形検出装置10によって検出された本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンピッチが、登録されている心音波形及び/又は呼吸波形パターンピッチと異なるほどに本人が極度に緊張していたり興奮しているときには、本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンであっても、その波形パターンのピッチが平常心のときの心音波形及び/又は呼吸波形パターンのピッチよりも短くなることから、当該個人認証作業を一度中断又は中止し、その旨を警告或は警告音で本人に告知して再度、最初から個人認証を行わしめ、或は、該状態を警察や契約警備会社等の第三者に通報することで、脅迫等による不正使用を未然に防止することができるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
本発明に係る心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システムから得られる効果は次のとおりである。
請求の範囲1に記載の発明は、心音波形及び/又は呼吸の波形パターンを検出する波形検出手段と、この波形検出手段で検出された心音波形パターン及び/又は呼吸波形パターンと予め登録されている登録心音波形パターン及び/又は呼吸波形パターンとを比較し判別する手段と、を有して個人認証装置を構成し、上記検出された波形パターンと登録波形パターンとが一致したときに、同一人であることを認証するように構成したので、個人の意思ではコントロールが不可能な自律動である心音又は呼吸波形或はこれらを組み合わせることで、当該被認証者の予め登録された心音波形及び/又は呼吸波形パターンに基づいてリアルタイムで簡単に照合させることができ、当該被認証者の個人認証を、迅速かつ非常に高精度で判別することができる。
請求の範囲2に記載の発明は、前記波形検出手段は、内部に発泡性樹脂並びに空気が封入されたエアーパッドと、該エアーパッド内の空気圧の変化を検知する圧電センサと、備えて構成したので、該エアーパッドを、例えば、衣服と身体との間に配置させることにより、心音(心臓の脈動による振動)の変化を確実に検出することができ、しかも、前記圧電センサのエアーパッド側を気密に保持し、他側は大気に開放するように構成して上記空気封入室側と大気開放側とで圧力差が形成されるように構成したので、エアーパッドに加えられる心音波形及び/又は呼吸波形パターンによる微妙な圧力変化を、忠実に圧電素子へと伝えることができるので、心音波形及び/又は呼吸波形データを高精度に抽出することができ、しかも、上記検出は、直接肌に接触させたり肌を露出させることなく検出することができるため、簡単に上記検出作業を被個人認証者の身体を拘束せずに行うことができる。
請求の範囲3に記載の発明は、前記エアーパッドの身体接触面の反対側面には、板材を配設して構成したので、心音波形及び/又は呼吸による圧力変化を計測する部分は可動部のみとなり、上記板部は、計測には関与しないので、連続する心音又は呼吸の変化を高感度で確実に検出することができる。
請求の範囲4に記載の発明は、前記板材を、一方向に厚さ寸法が減少する楔状に形成したので、身体のどの部分にエアーパッドの可動側が当たっても、上記楔型の板材によって可動側が身体方向に自然に押し付けられて身体に密着し、内部の空気圧を均一化させることができるので、心音波形及び呼吸の微妙な変化を、より高感度で確実に検出することができる。
請求の範囲5に記載の発明にあっては、波形検出手段を並設して構成したので、両波形検出手段からの情報を比較することで、例えば、心音波形や呼吸波形の特徴点を顕在化させることが容易となり、また、逆位相とすることで、外音をキャンセルすることができ、よりクリアな解析を迅速に行うことが可能となる。
請求の範囲6に記載の発明は、波形検出手段による心音波形及び/又は呼吸波形の検出を、連続して又は複数回実施するように構成したので、連続的に或は任意のタイミングで複数回行われる個人認証作業毎に、本人であるかの認証が実施され、本人の登録された心音波形及び/又は呼吸波形パターン以外の心音波形及び/又は呼吸波形パターンが検出された場合には、直ちに、個人認証を必要とする装置類の作動を停止させることができるので、不正使用を確実に防止することができる。尚、この発明において「任意」とは、「一定時間毎」以外の全てのタイミングをいい、不規則なタイミングが連続する場合や、アトランダムなタイミングの個人認証が連続する場合等も含むものとする。
請求の範囲7に記載の発明は、前記個人認証装置を、コンピュータのマウスその他の入力手段に配設して構成したので、予め登録されている本人がマウス等の入力手段に触れ、或は触れつづけていなければ当該コンピュータを使用することができないように構成することができ、プログラムの実行ステップ毎やプログラムの処理ステップ毎に個人認証を実行することで、本人以外が継続してコンピュータを使用することができないように構成することもでき、さらには、例えば、電子メールの送受信毎に、本人の心音波形パターンをファイルネーム等に添付して送受信し、相手側のアドレス帳に送信者の心音波形パターンデータを予め登録しておくことで、受信したメールが、真正に本人が作成したメールであるかを確認することができる。これは、認証作業を連続して実施することにより得られる効果である。
請求の範囲8に記載の発明は、前記個人認証装置を、携帯電話、携帯端末、コピー機、ファクシミリ機、プリンター、照明器具、建物のドアノブ、電車、自動車、大型建設機械、耕耘機、航空機、船舶、自転車、自動二輪車、無線式リモコン、電化製品の身体接触部位に配設して構成したので、登録された心音波形パターンの本人のみが、これを使用することができ、異なる心音が検出された場合には、直ちに、これらの機器の作動が停止されるように構成することができ、セキュリティ性が大幅に向上する。
具体的には、携帯電話や携帯端末、コピー機、ファクシミリ機、プリンター、の場合には、電源起動時や本体の任意の部分やキィに触れているときに個人認証を行い、当該携帯電話や携帯端末、コピー機、ファクシミリ機、プリンターに登録されている心音波形及び/又は呼吸波形パターンと合致したときに、当該携帯電話や携帯端末、コピー機、ファクシミリ機、プリンターを使用可能とし、合致しないときには、この携帯電話や携帯端末、コピー機、ファクシミリ機、プリンターの電源がOFFして、特殊な方法によらなければ再起動できないように構成することで、当該携帯電話や携帯端末、コピー機、ファクシミリ機、プリンターの不正使用を確実に防止することができ、また、当該携帯電話や携帯端末、コピー機、ファクシミリ機、プリンターに保存されているデータの改竄やコピーを確実に防止することができる。照明器具や電化製品の場合には、これらを使用するときに、個人認証装置に指を触れさせて心音波形及び/又は呼吸波形を検出し、これを上記各機器に登録されている心音波形及び/又は呼吸波形パターンと照合させ、両者が合致した場合には、当該機器を使用可能とし、両者が合致しないときには電源がOFFとなるように構成することで、当該機器を他人が無断で使用するのを確実に防止することができる。
また、個人認証装置を建物のドアノブに配設して構成した場合、本人がドアノプを握持し、本人(心音波形及び/又は呼吸波形パターンが登録されている者)であることが認証された場合にのみ、ドアノブを開錠方向に可動可能とし、或は、ロック装置が開錠動作するように構成することができ、従来のカギによる開閉錠を全廃することができるので、カギを紛失して建物や部屋に入れなくなるといったトラブルも無くなり、また、鍵穴をなくすることができるので、ピッキングによる開錠事故も完全に無くすることができ安全性が大幅に向上すると共に、本人以外の者がドアノブを握持しても、該ドアノブが可動せず、或は、ドアロック装置が開錠作動しないので、本人以外の者が当該建物内や室内に入るのを確実に防止することができる。
さらに、個人認証装置を、電車、自動車、大型建設機械、耕耘機、航空機、船舶、自転車、自動二輪車のギアシャフト、ハンドルその他の身体接触部位に配設した場合、本人(心音波形及び/又は呼吸波形パターンを登録している者)しか当該車両等を運転操作することができなくなり、登録された心音波形及び/又は呼吸波形パターン以外の心音が検出された場合には、当該車両等の電源を自動的にOFFして特定の方法でなければ再起動できないように構成したり、ハンドル等がロックされるように構成することができ、当該車両等の盗難防止及び不正使用を確実に防止することができる。
またさらに、個人認証装置を、無線式リモコンに配設した場合、本人以外の第三者が操作キィに触れても、登録された心音波形及び/又は呼吸波形パターンと同じ心音が検出され認証された本人が正常に信号を発信することができ、もし、異なる心音が検出された場合には、当該操作キィから制御のための信号が発信されず、他人がこれを盗んで使用しても、当該各種機器・器具・システムの作動をコントロールすることができず、これらの不正使用を確実に防止することができる。
請求の範囲9に記載の発明は、個人認証を、前記請求の範囲1乃至請求の範囲8のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンによる認証と、暗証番号による認証、パスワードによる認証、バイオメトリクスを利用した指紋、声紋、虹彩、顔、署名、指静脈パターン、心電図による心拍パターンによるいずれかの個人認証とを組み合わせて構成したので、セキュリティ精度を格段に向上させることができると共に、既存の個人認証システムを廃止することなく本発明に係る個人認証システムとハイブリットさせることができ、この場合には、既存システムのインフラを活用することができるので、少ない設備投資で本発明に係る個人認証システムを汎用させることが可能となる。
請求の範囲10に記載の発明にあっては、前記個人認証装置によって検出された本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンピッチから、本人の緊張度や興奮度を測定することができるように構成し、検出された本人の心音及び/又は呼吸ピッチが、登録されている心音波形及び/又は呼吸波形パターンピッチと異なる場合には、本人の心音及び/又は呼吸であっても、その検出された波形パターンのピッチが平常心のときの心音波形及び/又は呼吸波形パターンのピッチよりも短くなることから、当該個人認証作業を一度中断又は中止し、その旨を警告或は警告音で本人に告知して再度、最初から個人認証を行なわしめ、或は、該状態を警察や契約警備会社等の第三者に通報することで、脅迫等による不正使用を未然に防止することができる。
請求の範囲12に記載の発明にあっては、前記個人認証装置に、心音及び/又は呼吸検出装置よって検出された本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンをデータとして記録し、該記録データを解析する学習機能手段を設けて構成したので、本人の健康状態や体調の変化によって心音波形及び/又は呼吸波形パターンが変化しても、随時これを自動的に書換えて更新させることで、本人認証精度及び本人認証速度を向上させることができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
心音波形及び/又は呼吸の波形パターンを検出する波形検出手段と、この波形検出手段で検出された心音波形パターン及び/又は呼吸波形パターンと予め登録されている登録心音波形パターン及び/又は呼吸波形パターンとを比較し判別する手段と、を有して個人認証装置を構成し、上記検出された波形パターンと登録波形パターンとが一致したときに、同一人であることを認証することを特徴とする心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システム。
【請求項2】
前記波形検出手段は、内部に発泡性樹脂並びに空気が封入されたエアーパッドと、該エアーパッド内の空気圧の変化を検知する圧電センサと、備えて構成し、前記圧電センサのエアーパッド側は気密を保持し、他側は大気に開放し、上記空気封入室側と大気開放側とで圧力差が形成されるように構成したことを特徴とする請求の範囲1に記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システム。
【請求項3】
前記エアーパッドの身体接触面の反対側面には、板材を配設したことを特徴とする請求の範囲1又は請求の範囲2のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システム。
【請求項4】
前記板材は、一方向に厚さ寸法が減少する楔状に形成されていることを特徴とする請求の範囲3に記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システム。
【請求項5】
前記波形検出手段を並設して構成したことを特徴とする請求の範囲1乃至請求の範囲4のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システム。
【請求項6】
波形検出手段による心音波形及び/又は呼吸の波形の検出は、連続して又は複数回実施されることを特徴とする請求の範囲1乃至請求の範囲5のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システム。
【請求項7】
前記個人認証装置は、コンピュータのマウスその他のインテリジェント入力手段に配設されていることを特徴とする請求の範囲1乃至請求の範囲6のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システム。
【請求項8】
前記個人認証装置は、携帯電話、携帯端末、コピー機、ファクシミリ機、プリンター、照明器具、建物のドアノブ、電車、自動車、大型建設機械、耕耘機、航空機、船舶、自転車、自動二輪車、無線式リモコン、電化製品の身体接触部位に配設されていることを特徴とする請求の範囲1乃至請求の範囲6のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システム。
【請求項9】
前記個人認証は、前記心音波形パターンによる認証と、暗証番号による認証、パスワードによる認証、バイオメトリクスを利用した指紋、声紋、虹彩、顔、署名、指静脈パターン、心電図による心拍パターンによるいずれかの個人認証とを組み合わせたものであることを特徴とする請求の範囲1乃至請求の範囲8のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システム。
【請求項10】
前記個人認証装置によって検出された本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンピッチから、本人の緊張度や興奮度を測定することを特徴とする請求の範囲1乃至請求の範囲9のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システム。
【請求項11】
前記個人認証装置には、波形検出装置よって検出された本人の心音波形及び/又は呼吸波形パターンをデータとして記録し、該記録データを解析する学習機能手段を設け、本人認証精度及び速度を向上させることを特徴とする請求の範囲1乃至請求の範囲10のいずれかに記載の心音波形及び/又は呼吸波形パターンを利用した個人認証システム。

【国際公開番号】WO2005/058160
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【発行日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512197(P2005−512197)
【国際出願番号】PCT/JP2003/016185
【国際出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【出願人】(302061222)
【Fターム(参考)】