説明

性欲障害治療用医薬組成物

本発明は、性欲障害治療用薬剤の製造のための、2,3-二置換型トロパン部分、又は互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又はその生理的に機能しうる誘導体を含有する、モノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、性欲障害治療用薬剤の製造のための、2,3-二置換型トロパン部分、又は互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又はその生理的に機能しうる誘導体を含有する、モノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤の使用に関する。
【0002】
(背景情報)
性機能障害を患う人々の多くが、自分の病気や治療の選択について医師と話すことをためらっている。アメリカだけでも30%以上の女性が性機能障害を患っていると推定されるが、通常、性機能障害は男性の不能症と関連性があるため、女性はこの問題について話しづらさを感じている。性機能障害の原因は、おそらく薬物関連、器官関連、ホルモン関連又は精神的な理由によるものである。特に、女性の上述の障害を治療する薬剤の解決策を見出すことが必要であるにもかかわらず、ほとんど結果は出ていない。女性の性機能障害は、性的欲求低下障害、性喚起障害、性感異常性及び性的疼痛障害を含む。
国際特許出願WO93/09814及びWO97/30997は、モノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤であるトロパン誘導体を開示している。しかしながら、上述の化合物が性的欲求低下障害(hyposexual desire disorders)を治療する特性を開発しうるという指摘はない。
【0003】
(発明の要約)
2,3-二置換型トロパンは、性欲強化特性を発揮しうることが判明している。
本発明の目的は、特に女性の性欲障害治療用薬剤を提供することである。
従って本発明は、女性の性欲障害、特に性的欲求低下障害、性欲の喪失、性欲の欠乏、低下した性欲、抑制された性欲などの治療用薬剤の製造のための、2,3-二置換型トロパン部分、又は互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又はその生理的に機能しうる誘導体を含有する、モノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤の使用に関する。
【0004】
本発明の化合物の有利な効果は、障害が生涯存在するか又は獲得したものであるかにかかわらず、また病因源(器官性-身体的及び薬物の双方で誘引されたもの-、心因性(psychogen)、器官性-身体的及び薬物の双方で誘引されたもの-と心因性との組み合わせ、又は不明)とは無関係に認められる。
【0005】
(発明の詳細な説明)
原則として、2,3-二置換型トロパン部分を含有するモノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤は、国際特許出願WO93/09814及びWO97/30997により開示されたものである。
【0006】
本発明の使用に関し、一般式(I)の化合物又はその医薬的に許容される添加塩又はそのN-酸化物を使用するのが好ましく、
【化1】

式中、Rは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又は2-ヒドロキシエチルであり;
R3はCH2-X-R’であり、XはO、S又はNR”;R”は水素又はアルキル;及びR'はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又は-CO-アルキルであり;
R4は、ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリール及びアリールからなる群から選択される置換基で、一カ所以上置換しうるフェニル;
3,4-メチレンジオキシフェニル;
ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリール及びアリールからなる群から選択される置換基で、一カ所以上置換しうるベンジル;
ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリール及びアリールからなる群から選択される置換基で、一カ所以上置換しうるヘテロアリール;
ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリール及びアリールからなる群から選択される置換基で、一カ所以上置換しうるナフチル(naphtyl)である。
【0007】
一般式Iの化合物の特別な実施において、R3は、アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルと5位で置換しうる1,2,4-オキサジアゾール-3-イル;ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基で、一カ所以上置換しうるフェニル;フェニル;又はハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基で、一カ所以上置換しうるベンジル;又はアルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルと3位で置換しうる1,2,4-オキサジアゾール-5-イル;ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基で、一カ所以上置換しうるフェニル;フェニル;ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基で、一カ所以上置換しうるベンジル;ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基で、一カ所以上置換しうるピリジル;又はハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基で、一カ所以上置換しうるチエニルである。
【0008】
一般式(I)の化合物のさらに特別な実施において、R3はCH2-X-R’であり、XはO、S、又はNR”; R”は水素又はアルキル;及びR'はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又は-CO-アルキルである。
【0009】
一般式(I)の化合物の、その上さらに特別な実施において、R3はCH=NOR’であり、 R'は水素;アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;すべて-COOH;-COO-アルキル;-COO-シクロアルキルで置換することができ;又はハロゲン、CF3、CN、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アミノ及びニトロからなる群から選択される置換基で、一カ所以上置換しうるフェニルである。
一般式(I)の化合物のさらに特別な実施において、R4は、ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基で、一カ所又は二カ所置換されるフェニルである。
より特別な実施において、R4は塩素で一カ所又は二カ所置換されるフェニルである。
さらに特別な実施において、ドーパミン再摂取阻害剤作用(inhibitor activity)を有するトロパン誘導体は、式Iの(1R、2R、3S)-2,3-二置換型トロパン誘導体である。
その上さらなる実施において、ドーパミン再摂取阻害作用を有するトロパン誘導体は、R3が-CH2-X-R’であり、XがO又はS、及びR'がメチル、エチル、プロピル又はシクロプロピルメチル;-CH=NOR';R'は水素又はアルキル、又はアルキルと3位で置換しうる1,2,4-オキサジアゾール-5-イルである、一般式Iの化合物である。
その上さらなる実施において、ドーパミン再摂取阻害作用を有するトロパン誘導体は、Rが水素、メチル、エチル又はプロピルである一般式Iの化合物である。
その上さらなる実施において、ドーパミン再摂取阻害作用を有するトロパン誘導体は、R4が3,4-ジクロロフェニルである一般式Iの化合物である。
【0010】
好ましくは、これらの2,3-二置換型トロパン部分を有するモノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤は式(I1)の化合物、
【化2】

式中、
Rは水素原子又はC1-6アルキル基、好ましくは水素原子、メチル又はエチル基を表し;
R5はそれぞれ独立してハロゲン原子又はCF3又はシアン基、好ましくはフッ素、塩素又は臭素原子を表し;
R'は水素原子又はC1-6アルキル又はC3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル基、好ましくはメチル、エチル又はn-プロピル基を表し;及び、
mは0又は1〜3の整数、好ましくは1又は2である;
又は互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、又はその生理的に機能しうる誘導体である。
【0011】
ここで使用されるように、“C1-6アルキル”という表現は、メチル及びエチル基、及び直鎖及び分枝鎖プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル基を含む。特定のアルキル基はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル及びt-ブチルである。
【0012】
ここで使用される“C3-6シクロアルキル”という表現は、シクロプロピル及びシクロヘキシルのような環状プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル基を含む。
【0013】
ここで使用される“ハロゲン”という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含み、フッ素及び塩素が好ましい。
【0014】
ここで使用される“生理的に機能しうる誘導体”という用語は、式(I)の化合物より生理的状態の下で得られた誘導体を含み、それらは例えば酸化状態の下で形成するN-酸化物である。
【0015】
ここで使用される“医薬的に許容される酸添加塩”は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、琥珀酸、乳酸、クエン酸、酒石酸及びマレイン酸と形成する酸添加塩から選択される塩を含み、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸及び酢酸から得られる塩が特に好ましい。クエン酸の塩が特に有効である。
【0016】
特別な実施において、ドーパミン再摂取阻害作用を有するトロパン誘導体は、
(1R,2R,3S)-2-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル(fluorophenyi))トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-メチルフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-ベニル(Benyl)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(4-フェニル-フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(2-ナフチル)トロパン;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン-2-O-メチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-ベンジル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-エトキシカルボニルメチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-メトキシカルボニルメチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-(1-エトキシカルボニル-1,1-ジメチル-メチル)-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-カルボキシメチル-2-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-メチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-ベンジル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(4-メチルフェニル)トロパン-2-O-メチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-(1,1-ジメチルエチル)-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(4-クロロフェニル)トロパン-2-O-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(4-クロロフェニル)トロパン-2-O-メチルアルドキシム塩酸塩;
(1R,2R,3S)-3-(4-クロロフェニル)トロパン-2-O-メトキシカルボニルメチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-(2-プロピニル)-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-(2-メチルプロピル)-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-シクロプロピルメチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-エチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-2-メトキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-イソプロポキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-エトキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-エトキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-ノルトロパン;
(1R,2R,3S)-2-シクロプロピルメチルオキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-メトキシメチル-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-2-メトキシメチル-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-エトキシメチル-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-2-メトキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-2-エトキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-2-エトキシメチル-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-2-シクロプロピルメチルオキシメチル-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-シクロプロピルメチルオキシメチル-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-エチルチオメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-ヒドロキシメチル-3-(4-フルオロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-2-ヒドロキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-N-(t-ブトキシカルボニル)-2-ヒドロキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-2-ヒドロキシメチル-3-(4-クロロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(2-フラニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(3-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-N-アリル-2-(3-(4-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-N-エチル-2-(3-(4-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-(3-(4-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-2-(3-(4-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-N-アリル-2-(3-(3-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-N-アリル-2-(3-(2-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(2-チエニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(2-チエニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(4-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(2-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(4-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(3-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-2-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-メチルフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-ベンジル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(4-フェニルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(2-ナフチル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(4-クロロフェノキシ-メチル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(4-クロロフェノキシ-メチル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(4-クロロフェノキシ-メチル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(4-クロロフェノキシ-メチル)-3-(4-メチルフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(4-ベンゾイルオキシ-メチル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(2-ナフチル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-ベンジル-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(4-メチルフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(1-ナフチル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(4-フェニルフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(4-t-ブチル-フェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(4-フルオロ-ベンゾイル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;又はその医薬的に許容される添加塩より選択される、一般式(I)の化合物である。
【0017】
最も好ましくは式(IA)及び(IB)の化合物であり、
【化3】

R'がC1-3アルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピルである。化合物はCOMPOUND IA及びCOMPOUND IBとコード化する。
【0018】
特に、2,3-二置換型トロパン部分を含有するモノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤を使用し、HSDD及び性欲喪失の治療用の医薬組成物を調製することが好ましい。
好ましくは、患者は人種を問わず成人女性で、特に45歳以上、最も好ましくは60歳以上である。
経口で利用できる医薬組成物を提供することが好ましく、錠剤等が最も好ましい。
【0019】
しかし、この投与経路の他、経皮的、吸入、クモ膜下腔内(intrathecal)、非経口的又は経膣的使用が可能であり、例えば膣坐薬が挙げられる。
【0020】
好適な調製は、例えば、錠剤、特に徐放性錠剤、カプセル、坐薬、液剤、シロップ剤、乳剤、分散性粉末、インプラント又は膏薬を含み、最も好ましくはミクローナル(micronal) プラスターである。錠剤は、例えば一つ又は複数の有効成分を、既知の賦形剤、例えば炭酸カルシウム、燐酸カルシウム又はラクトースのような不活性希釈剤、トウモロコシ澱粉又はアルギン酸のような崩壊剤、澱粉又はゼラチンのような成形剤、ステアリン酸マグネシウム又は滑石のような潤滑剤及び/又はカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース又はポリ酢酸ビニルのような遅延放出性を得る薬剤と混合することにより得られる。また、錠剤はいくつかの層から成る。
好ましくは本発明の範囲内で使用する、式IA及びIBのモノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤は、任意に(そしてこれが好ましい)薬理学的に許容される酸添加塩の形状、及び/又は水和物及び溶媒和物の形状で使用してもよい。
式Iのドーパミンモノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤の、医薬的に許容される酸添加塩とは、本発明によれば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、琥珀酸、乳酸、クエン酸、酒石酸及びマレイン酸の塩、特に好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸及び酢酸の塩の中から選択した塩を意味する。クエン酸の塩が特に有効である。
式IA及びIBの場合、本発明で特に好ましい使用は、クエン酸塩が特に重要である。経皮的投与のため、式Iの塩基の使用が好ましい。
本発明に従って使用できる2,3-二置換型トロパン部分、好ましくは式Iの化合物、最も好ましくは式IA及びIBの化合物を含有するモノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤は、任意に他の有効成分と併用して使用できる。好ましくは、D1-、D2-、D3-又はD4-アゴニストの部類又は医薬的に許容される塩、溶媒和物又はその生理的に機能しうる誘導体から選択される化合物との組み合わせであり、好ましくはアドロゴライド(adrogolide)、A-86929、ロチゴチン(Rotigotine)、ニューラベックス(NeurVex)、ノロミロール(nolomirole)、プラミペキソール、タリペキソール、CHF 1512、(-)-ステホリジン、DAR-201、ダイアクリン/ジェンザイム(diacrin/Genzyme)、ブロモクリプチン、ブプロピオン、LEK-8829、BAM-1110、AIT-203、テルグリド、アリピプラゾール、OPC-4392、GMC-1111、PD-148903、アポモルフィンHCl、PD-89211、PD-158771、カベルゴリン、スマニロール、PNU-14277E、POL-255、ジヒドレキシジン、GBR-12783、キナゴリドHCl、(R)-ブプロピオン、S-32504、S-33592、SKF-80723、SKF-83959、フェノルドパム、フリバンセリン、ロピニロール、SKF-82958、SKF-77434、DU 127090、SLV-308、SLV 318、ニューロCRIB(NeuroCRIB)、SP-1037C、スフェラミン、ガロトランク(gallotrank)、プレクラモール(preclamol)、DAB-452、YM-435、BP-897、プロサビン(ProSavin)、エチレボドーパ(etilevodopa)、P63、A 68930、A 77636、アラプチド(alaptide)、アレンテモール(alentemol)、CI 1007;PD 143188、BLSI、JA 116a;JA 116、メレボドーパ(melevodopa);レボドーパメチル(levodopa methyl);CHF 1301;NSC 295453;レボメット(levomet)、MR 708、PD 128483、RD 211、SKF 38393、SKF 81297、U 86170F、U 91356A、WAY 124486、Z 15040、シルブトラミン(silbutramine)、オーリスタット(orlistat)、アンフェプラモン-HCl(amfepramon-HCl)及びエフェドリン(ephedrine)から成る群から選択される。
【0021】
本発明に従って、モノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤の投薬は、当然治療すべき症状の重さに適合する。例えば、本発明の主題を限定することなく、とりわけ本発明に従って特に好ましい式IA及びIBの化合物の可能な投薬を以下に挙げる。約0.05〜10mg、好ましくは約0.1〜2.0mg、特に毎日約0.125〜1.0mg又は週1回0.1〜5mgの投薬で使用できる。これらの投薬は、遊離塩基の形状で式IAの化合物に基づく。好ましく使用する塩の形状、つまりクエン酸塩に基づき、上述の投薬は約0.08〜16mg、好ましくは0.16〜2.38mg、特に一日につき式IAクエン酸の化合物約0.20〜1.58に相当する。
【0022】
ただ例証として記載する一つの可能な投薬方法を、作用及び許容量によって決定する週間隔での個々の投薬量滴定を伴い又はなしで、以下に記載する(遊離塩基の形状で式IAの化合物に基づく)。
本発明で使用できる、式IA及びIBに好適に使用できる医薬の調製の実施例を、以下に挙げる。これらは、発明の主題を制限することなく、実施例という目的で例証を意図しただけのものである。
【0023】
錠剤1:
成分: mg
COMPOUND IA 1.00
マンニトール 121.50
トウモロコシ澱粉 79.85
高分散二酸化シリコン、無水 2.30
ポリビドン K25 2.35
ステアリン酸マグネシウム 3.00
計 210.00

錠剤2:
成分: mg
COMPOUND IA 0.5
マンニトール 122.0
トウモロコシ澱粉、乾燥 61.8
トウモロコシ澱粉 18.0
高分散二酸化シリコン、無水 2.4
ポリビドン K25 2.3
ステアリン酸マグネシウム 3.0
計 210.0

錠剤3:
成分: mg
COMPOUND IA 0.25
マンニトール 61.00
トウモロコシ澱粉 39.90
高分散二酸化シリコン、無水 1.20
ポリビドン K25 1.15
ステアリン酸マグネシウム 1.5
計 105.00

錠剤4:
成分: mg
COMPOUND IA 0.125
マンニトール 49.455
トウモロコシ澱粉、乾燥 25.010
トウモロコシ澱粉 7.300
高分散二酸化シリコン、無水 0.940
ポリビドン K25 0.940
ステアリン酸マグネシウム 1.230
計 85.000

注射溶液:
COMPOUND IA 0.3mg
塩化ナトリウム 0.8mg
塩化ベンザルコ二ウム 0.01mg
注射用水 100mlまで

COMPOUND IAはメチル-、エチル及びプロピルエーテルの三つの可能性のいずれかを含む。
COMPOUND IAの代わりに、COMPOUND IBも使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に女性の性欲障害治療用薬剤の製造のための、2,3-二置換型トロパン部分、又は互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又はその生理的に機能しうる誘導体を含有する、モノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤の使用。
【請求項2】
性欲障害が性的欲求低下障害、性欲の喪失、性欲の欠乏、低下した性欲、抑制された性欲、リビドーの喪失、リビドー障害及び性交無欲症から成る群より選択されることを特徴とする、請求項1記載の使用。
【請求項3】
性欲障害が性的欲求低下障害、性欲の喪失、性欲の欠乏、減少した性欲、抑制された性欲から成る群より選択されることを特徴とする、請求項1又は2記載の使用。
【請求項4】
女性の性機能障害治療用薬剤の調製のための、請求項1記載の使用。
【請求項5】
前記2,3-二置換型トロパン部分を含有するモノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤が、式(I)の化合物
【化1】

又はその医薬的に許容される添加塩又はそのN-酸化物であり、
式中、Rは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又は2-ヒドロキシエチルであり;
R3はCH2-X-R'であり、式中XはO、S又はNR”;R”は水素又はアルキル;及びR'はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、又は-CO-アルキルであり;
R4は、ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリール及びアリールから成る群から選択される置換基と一カ所以上置換しうるフェニル;
3,4-メチレンジオキシフェニル;
ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリール及びアリールから成る群から選択される置換基と一カ所以上置換しうるベンジル;
ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリール及びアリールから成る群から選択される置換基と一カ所以上置換しうるヘテロアリール;
ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリール及びアリールから成る群から選択される置換基と一カ所以上置換しうるナフチルである、請求項1〜4ののいずれか1項記載の使用。
【請求項6】
前記2,3-二置換型トロパン部分を含有するモノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤が式(I1)の化合物、
【化2】

式中、Rは水素原子又はC1-6アルキル基を表し;
R5はハロゲン原子又はCF3又はシアン基を表し;
R'は水素原子又はC1-6アルキル又はC3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル基を表し;
及び
mがO又は1〜3の整数である;
又は互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又はその生理的に機能しうる誘導体である、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
前記2,3-二置換型トロパン部分を含有するモノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤が、R'がメチル、エチル又はプロピル、好ましくはメチル又はエチルの式(IA)又は(IB)の化合物である、請求項1〜3のいずれか1項記載の使用。
【化3】

【請求項8】
前記2,3-二置換型トロパン部分を含有するモノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤の投薬量が適用当り0.05〜10mgである、請求項1〜7のいずれか1項記載の使用。
【請求項9】
ドーパミンD1-D2-D3-又はD4-アゴニスト又は医薬的に許容される塩、溶媒和物、又はその生理的に機能しうる誘導体と結合した形態、又は分離、又は分離及び連続して併用する、請求項1〜8のいずれか1項記載のモノアミン神経伝達物質再摂取阻害剤の使用。
【請求項10】
前記ドーパミンD1-D2-D3-又はD4-アゴニストがアドロゴライド、A-86929、ロチゴチン、ニューラベックス、ノロミロール、プラミペキソール、タリペキソール、CHF 1512、(-)-ステホリジン、DAR-201、ダイアクリン/ジェンザイム、ブロモクリプチン、ブプロピオン、LEK-8829、BAM-1110、AIT-203、テルグリド、アリピプラゾール、OPC-4392、GMC-1111、PD-148903、アポモルフィンHCl、PD-89211、PD-158771、カベルゴリン、スマニロール、PNU-14277E、POL-255、ジヒドレキシジン、GBR-12783、キナゴリドHCl、(R)-ブプロピオン、S-32504、S-33592、SKF-80723、SKF-83959、フェノルドパム、フリバンセリン、ロピニロール、SKF-82958、SKF-77434、DU 127090、SLV-308、SLV 318、ニューロCRIB、SP-1037C、スフェラミン、ガロトランク、プレクラモール、DAB-452、YM-435、BP-897、プロサビン、エチレボドーパ、P63、A 68930、A 77636、アラプチド、アレンテモール、CI 1007;PD 143188、BLSI、JA 116a;JA 116、メレボドーパ;レボドーパメチル;CHF 1301;NSC 295453;レボメット、MR 708、PD 128483、RD 211、SKF 38393、SKF 81297、U 86170F、U 91356A、WAY 124486、Z 15040、シルブトラミン、オーリスタット、アンフェプラモン-HCl及びエフェドリンから成る群から選択される、請求項9記載の使用。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載されたとおりの薬剤の投与を含む、特に女性の性欲障害治療のための方法。

【公表番号】特表2009−500440(P2009−500440A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520853(P2008−520853)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063991
【国際公開番号】WO2007/006738
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】