説明

情報の入手可能性が改良された航空機フラットパネル表示システム

【課題】航空計器表示システムにおいて,不正確な画像が表示される可能性を排除しつつ,乗組員に必要な重要な表示情報の入手可能性を維持する。
【解決手段】第1ビデオグラフィックスプロセッサ300によって提供されるグラフィック表示の完全性に基づいて,完全性検査プロセッサ306の制御下で切り替えを行うビデオスイッチ308を含む。完全性検査プロセッサ306が第1ビデオグラフィックスプロセッサ300に対して不一致条件を検出すると,スイッチ308は,画像情報が第2ビデオグラフィックスプロセッサ302から提供されるようにに切り替わる。これによって,第1ビデオグラフィックスプロセッサに関して不一致が検出されたときにも重要な表示データ又は情報の入手可能性が維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は,発明者としてGeoffrey S.M. Hedrick, Shahram Askarpour, Jeff Collins, and Markus Knopfを挙げている共有の米国特許出願(出願番号:11/212,059,出願日:2005年8月24日,タイトル:グラフィック画像の完全性を有する改良航空機フラットパネル表示器)の一部継続出願であり,かつ単独発明者としてGeoffrey S.M. Hedrickを挙げている共有の米国特許第6,693,558号(出願日:2001年12月14日,発行日:2004年2月17日)に関係している。上記特定された特許出願と米国特許第6,693,558号の内容は,その全体がここに参照によって明確に取り込まれる。
【0002】
本発明は,航空機で使用されるフラットパネル航空計器表示器に関する。
【背景技術】
【0003】
航空機乗組員(flight crew)が利用し,かつ信頼する航空機用のグラフィック表示の航空計器を創作するとき,これらの計器が,極めて高い信頼性及び完全性を有することが必須である。
航空機上にあるフラットパネル航空計器表示器のような安全上重要なシステム(safety critical systems)では,航空機乗組員に対する重要データ(critical data)の表示に関する2つの主要な関心事は,データ完全性(これについては,タイトルが,「グラフィック画像の完全性を有する改良航空機フラットパネル表示システム」であり,かつこの出願の基礎となっている前記共有の同時係属出願で議論されている。)と,情報の入手可能性(information availability)である。データ完全性は,例えば上記特許出願で議論された方法で完全性検査機能(ICF)を利用することによって確保可能である。しかし,不一致が相次いで検出される場合,完全性検査機能は,この情報に「失敗」というフラグを付し,この不一致の情報がこれ以上閲覧されないようにし,航空機乗組員がフラットパネル表示器上の潜在的に誤っている情報に基づいて航空機を操作しないようにする。これは,1つの問題を解決するが,航空機乗組員がこの種の情報を使用可能でないならば,潜在的に別の問題を生じさせ得る。
【0004】
従来のシステムでは,航空機の,操縦士飛行表示(PFD),ナビゲーション表示(ND)及びエンジン/電気表示(ICAS)システムは,全ての関連するパラメータについてのセンサデータ/入力(大多数がARINC429規格のシリアルフォーマットの約100片のデータ)を受け取る。
【0005】
このデータは,画像レンダリング(image rendering)を行うシンボル生成器に入力され,その合理性及び妥当性が検査される。パラメータは,利用可能なフォーマットに併せて適切に調整(scale)される。航空機乗組員が見ることができる表示画面上に関連するデータを報告するために,種々の情報の英数字及びグラフィック画像を生成する命令が,調整されたパラメータ(scaled parameters)を用いて実行される。
【0006】
これらの命令は,グラフィック基本要素(graphical primitives)(例えば,点,線,ポインタ(pointer),弧,ポリゴン及びフィル命令(polygon and fill commands),英数字)を含む。一般的な表示は,数千ものこのような命令が,毎秒100回のオーダーで実行されることによって生成される。
【0007】
これらの生成されたグラフィック基本要素又は基本命令要素(primitive command elements)のそれぞれは,シンボル生成器が受け取ったデータ信号値に応答して,回転,並進,色(例:赤,青及び緑)の修正又は変化又は変動されなければならない。
【0008】
画面表示上での画像化のためのこれらのグラフィック特徴部(graphical features)の生成,方向決め及び位置決めは,数千,一般に数万又は数十万行のコンピュータコードを必要とする。
【0009】
一旦,方向決め及び位置決めが行われると,各基本要素は,個々の表示フィールドテクステル(individual display field textels)(点)を計算し,これらをビデオRAM内の800万バイトのピクセルマップ(pixel map)に配置することによって,レンダリングされる。これは,毎秒100回のオーダーでリフレッシュされる。
【0010】
グラフィック表示画面に与えられるデータに対して,アンチエイリアシングを行い,生成される画像ラインをスムーズにする必要がある。これによって,航空機乗組員に提示される表示が,読みやすく,かつ解釈しやすくなるからである。また,表示されるべき情報が,航空機乗組員に素早く伝達可能になるからである。
しかしながら,表示データのアンチエイリアシングは,表示される画像ラインをスムーズにするために各線,弧などに沿った点の部位と,隣接するピクセル(つまり,計算されるデータ点に隣接するピクセル)の強度レベルを計算する必要があるので,極端に計算集約的(computationally intensive)であり,一般に,毎秒8000億命令を要する。
【0011】
この高い計算のオーバーヘッド(high computational overhead)を避けるために,このような表示の多くは,主として垂直スケール(vertical scale)を用いる。垂直スケールは,画像ラインのアンチエイリアシングを必要としない。しかし,垂直スケールは,(1)航空機乗組員が慣れている従来の機械式計器をグラフィック的に描写(つまり,模倣)したり,(2)他の便利で,読みやすく,使いやすく,理解しやすいフォーマットで航空計器データを表示したりするといった,グラフィック的に生成される航空計器の能力を制限する。
【0012】
この従来技術に関連する多くの問題を解決する,共有の米国特許第6,693,558号と前記同時係属の米国特許出願の両方で述べたように,PC産業から急速に進化するコンピュータ処理及びグラフィックス表示生成技術は,インテルペンティアム(登録商標)4のようなCPUと多くの会社から市販されている特定目的の256ビットパラレルレンダリングエンジンなどの両方において,低コストで格別に強力な計算エンジンを提供する。
【0013】
より強力な計算エンジンが入手可能であることは,さらに能力が高い複雑な表示システムの実施を容易にする。なぜなら,これらの新しいシステムは,一秒間により多くの命令(つまり,コードの行)を実行可能だからである。
【0014】
しかしながら,このコードのサイズと,表示の複雑さは,特にこれらの新しい大きなフォーマットにおいて,航空電子工学産業では,FAA(連邦航空局)によって飛行に極めて重要な航空機搭載機器に対して要求される厳しい基準に照らして,新たな,改良されたプロセッサ及び表示サブシステムの航空機での許可された使用のために認可を受けるために航空機で使用されることが意図される全てのコードを試験しなければならないという問題を引き起こす。
【0015】
極めて重要な飛行データをフォーマットし,表示するためにこのような機器によって実行される数十万命令が,以前に認可を受けたシステムに対する比較的小幅な変更であっても,一般に5000人月かかる,網羅的で注意深く文書化される試験(exhaustive, carefully-documented testing)を受けることがFAAによって要求される。
【0016】
さらに,PC産業から広く市販されている低コストで高性能なハードウエアは,現在は,従来の航空計器システムでは使用できない。なぜなら,このようなハードウエアに対する設計履歴及び検証データが製造者から入手可能でなく,その動作信頼性及び設計完全性を示すのに十分なサポートデータ及び試験は,製造者によってなされておらず,これからもなされないからである。
【0017】
多くの従来技術の航空計器表示器は,一般に,特定用途のために特別設計された専用プロセッサ及びグラフィックスレンダリングチップを使用する。
【0018】
FAA認可は,表示システムのハードウエアとソフトウエアの両方が,例えば,広範な試験及び文書化を通じて,対象とする航空機飛行デッキ環境において予期された飛行及び環境データで,予期しないエラー又は不正確さを導入せずに動作可能(operable)であることが徹底的に示されたという決定に基づく。
【0019】
これは,一般に,プロセッサ又はチップの履歴又は継承物が,FAAに対して十分に文書化されなければならず,ハードウエア及びソフトウエアが,全範囲のデータ(つまり,航空機の通常使用中にチップが取り扱うことが予測される全てのデータ)を用いてチップ内の全ての経路を通るデータの流れが正当であることを確認することによって試験されなければならないということを要求とする。このプロセスは,何ヶ月もの試験を必要とする。
【0020】
その結果,例えば航空機のグラフィックスレンダリングコンピュータのグラフィックスプロセッサを定期的に改良したい製造者は,新しい又は改良されたチップを試験するために事実上全ての時間を費やすであろう。
【0021】
現在の,広く入手可能な,比較的安価な,既製のグラフィックスプロセッサチップは,6ヶ月程度毎に改良され,顕著に,より強力に且つより有能になるという事実がある。それにも関わらず,これらの専門化された航空機表示器で使用される専門航空計器プロセッサチップ及びプロセッサの更新又は変更は,現実的な理由により,非常に稀である。これは,これらのチップ及びプロセッサが出力する表示データの妥当性及び完全性を十分に示すためにFAAが要求する再認可のために絶えず再試験を行うことを避けるためである。
【0022】
従って,航空機で使用され,現在のFAA認可に悪影響を与えることなく,計器表示システムの広範な再認可を必要とすることなく,簡単にグレードアップ可能なグラフィック表示器の構成要素及びサブシステムに対応可能な改良されたグラフィック表示システムに対する要求が常に存在している。
【0023】
これらの問題の多くは,比較器プロセッサが,グラフィックスレンダリングコンピュータプロセッサと共に使用されている参照されている共有の米国特許第6,693,558号(以下,「’558システム」)と,ピクセルベリフィケーションマップが完全性検査機能と共に用いられ,完全性検査機能が比較器ハードウエアを必要とすることなくグラフィックスレンダリング機能によって生成された画像を直接検査することができる前記の共有の同時係属米国特許出願で開示されたシステムで満足された。
【0024】
どちらの例でも,必要に応じて,グラフィックスレンダリングプロセッサ(ここから航空機乗組員に示される表示が生成される。)は,センサ列(a bank of sensors)及び他の環境及び動作パラメータ及び航空機入力によって提供されたデータから,アンチエイリアシングされたグラフィック的に提示されたデータ画像を表示画面にレンダリングするのに必要な種々の命令を生成するのに動作する。
【0025】
米国特許第6,693,558号で開示されたシステムでは,分離された(separate)比較器プロセッサは,同一のセンサ及び入力データ(このデータからレンダリングプロセッサが航空機乗組員に対して表示される画像を生成する。)から選択された複数のデータ点の表示位置及び値を独立して計算するように構成されている。
【0026】
比較器プロセッサは,自身が計算した選択データ点の値及び位置を,グラフィックスレンダリングプロセッサが表示のために生成した対応するデータ点の値及び位置と比較し,その値及び位置が同一であるかどうかを判断し,それによって,表示のためのレンダリングプロセッサが生成したグラフィック画像の信頼性を試験する。
【0027】
比較器プロセッサの出力データは,完全にレンダリングされた画面表示を提供するには意図的に不十分にしてある。また,比較器プロセッサの出力データは,グラフィックスレンダリングコンピュータによって生成されたデータの完全性検査にのみ利用されるので,’558システムの比較器プロセッサには,アンチエイリアシング機能は,要求されない。
【0028】
また,’558システムでは,比較器は,比較の際に使用される限定数の選択されたデータ点のみを計算するという動作が好ましい又は意図されている。
これらの理由により,顕著に簡略化された比較器プロセッサの使用が可能になる。データ処理及び比較機能を提供する比較器プロセッサでは,表示用画像を生成するグラフィックスレンダリングプロセッサよりも,必要とされる処理能力と実行命令がはるかに少ないからである。その結果,比較器の迅速なFAA認可が達成可能になる。
【0029】
グラフィックスレンダリングプロセッサのデータの完全性に対する検査として比較器プロセッサを使用することにより,グレードアップされたレンダリングエンジングラフィックスプロセッサの置換を,FAAの再認可を得るための広範な(及びもしあれば後に続く)試験及び文書化を行うことなく,容易に行うことができるようになる。なぜなら関連する比較器プロセッサは,一般に,変更されないからである。
【0030】
’558システムは,比較ハードウエアを必要とするのに加えて,分離された完全性検査プロセッサ及びグラフィックスレンダリングプロセッサを必要とするが,前記の共有の同時係属米国特許出願で開示されたシステムは,必要としない。しかし,これらのシステムは,前記問題のデータ完全性の面については満足な対応がなされているように思えるが,これらのシステムの何れも,前記問題の情報の入手可能性については満足な対応がなされておらず,また,生成されたグラフィック情報の完全性を保証するアプローチの十分な単純化もなされていないように思える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
従って,このようなシステムの改良に対する要求が存在しており,このようなシステムで,不正確な画像が表示される可能性を排除しつつ,飛行中に航空機乗組員のために,フラットパネル表示器上に必要とされる情報の入手可能性を提供するための改良された技術に対する要求も存在している。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0032】
ビットマップ表示器上に画像化するための改良された航空計器表示システムは,グラフィックスビデオ画像化情報を生成するために第1及び第2ビデオグラフィックスプロセッサを用いる。前記ビットマップ表示器は,その全体に渡る位置に存在する個別にアドレス可能であって,かつ前記表示器上に画像を生成するために動作可能な複数のピクセルで形成される。
【0033】
第1及び第2ビデオグラフィックスプロセッサの両方は,好ましくは,両方のビデオグラフィックスプロセッサで同じ故障問題が起こるという傾向にならないように異なる潜在的故障スレッド(potential failure threads)を有するように選択される。
【0034】
グラフィックスレンダリングプロセッサは,グラフィックスレンダリング機能を提供するために第1グラフィックスプロセッサに動作可能に接続されている。完全性検査プロセッサは,第1ビデオグラフィックスプロセッサの機能が適切であることを検証する完全性検査機能を提供するためにグラフィックスレンダリングプロセッサに動作可能に接続されている。
【0035】
第1ビデオグラフィックスプロセッサは,航空機の動作中に航空機乗組員に使用される航空機飛行情報のグラフィック表示を生成する。
【0036】
本発明のシステムは,第1ビデオグラフィックスプロセッサによって提供されるグラフィック表示の完全性に基づいて完全性検査プロセッサの制御下で第1及び第2ビデオグラフィックスプロセッサの間で切り替えを行うビデオスイッチも含む。ビデオスイッチの出力は,グラフィック表示情報を表示器に提供するために,表示器に接続されている。
【0037】
完全性検査プロセッサが第1ビデオグラフィックスプロセッサに対して不一致条件を検出すると,ビデオスイッチは,その出力を第2ビデオグラフィックスプロセッサに切り替える。これによって、グラフィックスビデオ画像化情報が、第2ビデオグラフィックスプロセッサからスイッチの出力に提供されるようになり、第1ビデオグラフィックスプロセッサに関して不一致が検出されたときでも、重要な表示データ又は情報の入手可能性が維持される。
【0038】
第2ビデオグラフィックスプロセッサによって提供される前記ビデオ画像化情報は,第1ビデオグラフィックスプロセッサによって提供される前記ビデオ画像化情報の部分集合であってもよく,これと同じであってもよい。
【0039】
両者のビデオ画像化情報が同じである場合,第1及び第2ビデオグラフィックスプロセッサに対する潜在的故障スレッドに差を設けるために,第1及び第2ビデオグラフィックスプロセッサは,システムアーキテクチャー,ブランド又は種類が異なることが好ましい。
【0040】
第2ビデオグラフィックスプロセッサによって提供されるビデオ画像化情報が,第1ビデオグラフィックスプロセッサによって提供されるビデオ画像化情報の部分集合である場合,第1ビデオグラフィックスプロセッサは,高品位(high fidelity)なビデオグラフィックス画像化情報,例えば航空機の位置及び方向オーバーレイを含む三次元地形マップと共に対気速度及び高度テープを有するEADIのアンチエイリアシングされた画像を提供することができ,第2ビデオグラフィックスプロセッサは,低品位(low fidelity)のビデオグラフィックス画像化情報,例えば航空機の位置及び方向の単純な表示と共に,アンチエイリアシングされていない,対気速度及び高度テープを有するEADIの単純なライン表示を提供することができる。
【0041】
さらに,完全性検査機能は,比較の目的のために所定の格納された画像(predefined stored images)の少なくとも1つをビデオグラフィックスプロセッサに描画させる命令を行う手段を含むシステムでは,基準線として描画され得る,各グラフィックス画像の所定の画像に対する複雑チェックサム,例えばCRCを格納することによって達成されることが可能である。
【0042】
完全性検査機能は,描画された画像に対する画像チェックサムを計算し,基準線からのずれを判断するために,このチェックサムと,前記画像に対応した格納された複雑チェックサムと比較する手段を含む。前記ずれの何れも,ビデオグラフィックスプロセッサによる正しい画像を描画することの失敗であると認識される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下に示す各図面では,類似の符号は,類似の要素を示している。
【0044】
図1は,米国特許第6693558号(以下,「’558特許」とも呼ぶ)のシステムに従って構成された航空機飛行パネル複式表示システム(aircraft flight panel dual display system)の一実施形態を示す。
【0045】
本発明は,’558システムに対する改良であり,この一部継続出願の基礎になった,「グラフィック画像の完全性を有する改良フラットパネル表示システム」というタイトルの共有の同時係属米国特許出願に記載されたシステムに対する改良である。後者は,図7−10を参照して説明する。本発明のシステムは,図11−13をさらに参照して説明する。
【0046】
図11−13の改良されたシステムをよりよく理解するために,図1−6を用いて’558システムを最初に説明し,次に,図7−10のシステムを説明し,本発明のシステムを説明する。
【0047】
複式制御ステーション(dual control stations)(例:操縦士ステーション及び副操縦士ステーション)は,商業用航空機に一般に存在しているものであり,ここでは,第1表示システム10A及び第2表示システム10Bが示されている。’558特許で開示されたシステム(以下,「’558システム」とも呼ぶ)では,表示システム10A及び10Bは,互いに,機能的及び構造的に等価なものである。
【0048】
そこで,説明の便宜上,このようなシステムの1つを例にとり,総称的に符号10を付して,説明を進めることにする。なお,’558システムは,単一の表示システム10が備えられる航空機での使用にも適用可能であり,図1に示すように,これらのシステムを対にして航空機に使用することは,一実施形態であり,用途の1つに過ぎない。
【0049】
表示システム10は,表示画面12(例:液晶表示器(LCD),又は他の発光可能な(illuminatable)若しくは別の方法で視認可能な画像表示器)を含む。表示画面12は,特別設計又は構成されたものであってもよく,公知のものであってもよい。表示画面12は,動作時に選択的に制御可能な強度レベルの範囲の光を生成することができる,個々にアドレス可能なピクセル(つまり,画素)のアレイを含む。表示器中の各ピクセルは,対応するアドレスを有している。
【0050】
既に知られているように,各ピクセルには,対応するアドレスにおいて制御信号によって個別にアクセス可能であり,各ピクセルは,他の表示ピクセルと共に画像(例:ポインタや他のインジケータ(indicators),模擬飛行機器及びゲージ,マップ,地形シミュレーション(terrain simulations),英数字など)を表示画面12上に描写する。さらに,各ピクセルは,色成分(例:赤,緑又は青(RGB値),又はこれらの組み合わせ)を表示又は放射(displaying or radiating)することができる。
【0051】
各表示システム10では,専用のシンボル生成器,すなわち制御器(symbol generator or controller)16が,計算された画像化データ(imaging data)を生成し,出力する。計算された画像化データは,それぞれの又は対応する表示画面12で適切なピクセルを光らせ,それによって前記表示器上に対象とする画像を生成するために使用される。画像化データは,センサ測定値及び他の入力データ等から,制御器16によって導き出され又は計算される(derived or calculated)。入力データは,複数の,航空機及び環境のセンサ若しくは入力又は他の航空機システムから得られる。これらは,ここでは,集合的に,センサ又はセンサ列(sensors or sensor bank)18として参照される。センサ又はセンサ列18は,動的に変化する飛行制御,遠隔計測,大気,位置及び他の航空機及び環境の状態の情報の現在値の確認又は「読み取り」のために航空機の周り及び全体に配置される。
【0052】
飛行制御読み取り及びセンサシステムは,一例では,姿勢方位基準システム(AHRS)データ;高度,方向及び制御(ADC)データ;ナビゲーショナル(NAV)データ;自動方位測定機(ADF)データ;全地球測位システム(GPS)データ及び装置;航空機インターフェースユニット(AIU)データ及び装置;交通警報及び衝突防止システム(TCAS)データ及び装置;機能強化型地上接近警報システム(EGPWS)データ及び装置;飛行管理装置(FMS)データを含むが,これらに限定はされない。
【0053】
図1に示すように,表示システム10は,1つ以上の従来型の予備的な又は付加的な機械式ゲージ又は計器(例:姿勢インジケータ(attitude indicator)21,高度インジケータ(altitude indicator)22及び対気速度インジケータ(airspeed indicator)24)を含んでもよく,これらに近接して配置されてもよく,これらと共に使用されてもよい。
【0054】
複式表示システム10A及び10Bは,制御器16Aが表示画面12A(例:操縦士ステーション)上に画像をレンダリングさせる(rendering of images on display screen 12)ためのデータを提供し,同様の制御器16Bが表示画面12B(例:副操縦士ステーション)に画像をレンダリングさせるためのデータを提供するように,同時に稼働させる。
【0055】
後でより詳しく説明するが,’558システムの経路設定機能又は能力(routing function or capability)によって,一方の制御器からのデータを何れか一方又は両方の表示画面に表示させることができる。これによって,制御器16A,16Bの一方が機能不全又はそれ以外の部分的若しくは全体的な故障の場合に,他の又は残りの稼動している制御器が同時に両方の表示画面12A及び12Bに画像化データを提供することができる。この特徴は,図1に示されており,制御器16A,16Bのそれぞれが,両方の表示画面12A,12Bと通信しているところが示されている。
【0056】
ここで,図2を参照すると,各シンボル生成器,すなわち制御器16は,従来型のPCIバス36を介して互いに通信可能な,入出力プロセッサ30,比較器(comparator)プロセッサ32及びレンダリングコンピュータ34を含んでいる。この開示から明らかなように,パーソナルコンピュータ産業で一般に使用されている従来型のバス設計を使用することは,レンダリングコンピュータ34を含む図2に示すようなシステムの種々の構成要素(components)間のデータ転送相互接続に容易に対応できるという点で,’558システムとの関係において特に利点がある。
【0057】
入出力プロセッサ30は,航空機センサ18からのシリアルデータの受信又は読み取りを行い,読み取ったデータは,比較器プロセッサ32及びレンダリングコンピュータ34がPCIバス36を介してアクセスできるように,入出力プロセッサ30のストレージバッファ(storage buffer)に配置される。’558システムでは,入出力プロセッサ30は,モトローラ8240マイクロプロセッサを組み込むか又は利用し,32個の個別の入力と8個の個別の出力を有し,センサ18,比較器プロセッサ32,レンダリングコンピュータ34及び表示画面12A及び12Bとデータ通信を行う。
【0058】
入出力プロセッサ30は,非常に徹底的なFCC検証及び有効性試験(FCC verification and validation testing)に耐えることが予期される。これは,つまり,当該技術分野及び航空計器産業では周知なように,全てのハードウエア及びソフトウエア経路及び指令(pathway and instruction)が,入出力プロセッサ30が稼動中に曝されることが予測される全ての範囲のデータを用いて試験されることを意味する。
【0059】
例えば既知のIEEE429バスアーキテクチャー(bus architecture)を用いて実装されたパラレルポートバス38は,冗長性が与えられ(provided for redundancy),PCIバス16が一時的に又は部分的にエラー状態になるか又は故障した (temporary or partial error condition or failure)場合にシステム10の制御器の構成要素間の通信能力の継続を保証する(assure continued communication ability)。電源28も,システムの一部として又はシステムと共に利用されるように提供され,入出力プロセッサ30,比較器プロセッサ32及びレンダリングコンピュータ34に動作電力(operating power)を供給する。
【0060】
図3に,入出力プロセッサ30のブロック図を示す。インターフェース構成要素(例えば,1つ以上の集積回路チップの形態のもの)42は,マイクロプロセッサ46の制御下でPCIバス36及びパラレルポート38を介して,入出力プロセッサ30への,及び入出力プロセッサ30からのデータを比較器プロセッサ32及びレンダリングコンピュータ34に伝達する。処理変数は,EEROM及びECCRAMメモリ44に格納される。
【0061】
操縦席に配置されたLCD表示器12への表示のための画像化データは,レンダリングコンピュータ34によって生成される。レンダリングコンピュータ34は,実質的に従来型の単一ボード及びPCIバスで実装することができる,いわゆるIBM互換型コンピュータであり,図4に示すように,ビデオ送信器52と高速画像ポート(AGP)インターフェース54に繋がったグラフィックスプロセッサ50を有している。
ビデオ送信器52は,選択されたデータ試験点(data test points)(ここでは,「光点(points of light)」と呼ぶ。)との比較のため,及びレンダリングされたデータを表示画面12上に画像化するために,レンダリングされたビデオデータを比較器プロセッサ32に提供する。
【0062】
単一ボードレンダリングコンピュータ34は,マイクロプロセッサ(例:インテルペンティアムIII又はペンティアムIVマイクロプロセッサ,又はモトローラ750マイクロプロセッサ)56を含んでおり,本質的に,既製の,市販の,従来型のマザーボードをペースにしたパーソナルコンピュータである。つまり,グラフィック的にレンダリングされた航空計器及び動的な航空機動作データ及び情報の画像化のためであることが明示されて製造された特注の構成要素で特別設計及び構成されたコンピュータではない。
【0063】
グラフィックスプロセッサ集積回路チップ又は構成要素(及び任意的にその関連するサポートチップ及び/又は構成要素)は,コンピュータマザーボードに取り付けられた,取り外し可能なメザニン(mezzanine)カードにマウントすることができる。このため,新たな改良された設計及び機能を有するグラフィックスプロセッサが入手可能になったとき,互換性を保った状態で容易に,グラフィックスプロセッサ50を交換することができる。
【0064】
’558システムのグラフィックスプロセッサは,24ビットのカラーピクセルワード出力(つまり,青,赤及び緑に8ビットずつ)を提供する。その出力は,(クロック信号と共に)パラレルからシリアルへの変換器に,その後に表示器12に供給される。単一ボードレンダリングコンピュータ34は,所望の画像を生成し,表示器上に配置するための全てのデータ処理(表示されるデータ及び画像のスムーズなグラフィック表示を生み出すのに必要なアンチエイリアシング計算も含む。)を行う。
【0065】
’558システムのキーは,実質的に従来型の,市販の,既製のものであり,市場で比較的低価格で容易に入手可能であり,定期的に及び頻繁に更新及び改良され,強力なマイクロプロセッサ及びグラフィックスプロセッサ及び支援チップセット(supporting chip sets)を用いているレンダリングコンピュータ34の機能と用途(provision and use)である。この機能と用途とは,表示器12に配置される,動的に変化する,プロセッサ集約型の,十分にアンチエイリアシングされた画像を生成することである。この画像は,航空機を操縦し,動作特性,航空機やその動作環境に関係する他の必須の情報の途切れのない状況認識を維持する航空機乗組員が利用し,信頼することができるものである。
【0066】
このようなハードウエア(例:強力で低価格なペンティアムベースの単一ボードコンピュータ)を利用することができ,新たな,より強力で能力のあるこのようなプロセッサが市場で入手可能になったときに少なくともそのグラフィックスプロセッサを定期的に更新することができることは,特注構成及び設計されたグラフィックスプロセッサ及び表示レンダリングサブシステム等の航空機表示システムを使用する場合と対比すると,非常に大きな利点がある。これらの特注設計されたプロセッサは,極端に開発コストがかかり,既に使用されているものの何倍もの能力を有する新たなプロセッサの設計及び実装をサポートする技術が継続的に定期的に進歩しているにも関わらず,一旦インストールされると変更されることは稀である。
【0067】
’558システムは,表示器12への表示のためにレンダリングコンピュータによって生成される情報の完全性,妥当性,信頼性,精度を,関連する比較器プロセッサ32を使用して継続的に保証するように稼動するシステムを提供する。レンダリングコンピュータ34に比べて,比較器プロセッサ32は,特注設計をベースとすることが好ましく,航空機データのグラフィック的レンダリング表示システムに要求される最も厳しい試験及び試験手順を用いてFAAによる認可を十分に受けることが意図される。
【0068】
このレベルのFAA認可試験は,一般に,修正条件決定網羅(modified condition decision coverage)(MCDC)として言及される。’558システムに従って,レンダリングコンピュータ34によって生成される表示データの信頼性の確認は,比較器プロセッサ32によって提供される。
比較器プロセッサ32は,レンダリングコンピュータ34によって生成されるグラフィック的にレンダリングされた情報が表示器12上で画像化される前に,レンダリングコンピュータの表示データの意味のある部分集合を動作中に検証し(operatively verify),これによって,レンダリングコンピュータ34の現時点で及び継続的にエラーのない動作及び信頼性(current and continued error-free operation and reliability)を動的に保証する。
検証プロセスに曝される表示データ(これらのデータ点は,「光点(points of light)」として言及されることがある。)の部分集合(subset)は,特に,表示データの画像パラメータの意味のある断面と集合を定義し(define a meaningful cross-section and set of the display data image parameters),これによって,対象とするように,エラーのないデータ信頼性の進行中の確認(the intended ongoing confirmation of error-free data reliability)を達成し,かつ保証するように選択される。
【0069】
比較器プロセッサ32に対してハイレベルなFAA認可を取得することによって,レンダリングコンピュータ34に対する達成不可能なほどハイレベルなFAA認可の必要性は,回避される。
【0070】
この構成の利点は,レンダリングコンピュータ34と比較して,特注設計の比較器プロセッサ32のハードウエア及びソフトウエアが,(ハードウエア面とソフトウエア面の両方に関して)比較的シンプルな構成であり,比較器プロセッサ32に対する最も厳しいFAA認可手順を満たすのに必要とされる時間と労力が,レンダリングコンピュータの対応する認可に必要とされるもの(’558システムのレンダリングコンピュータ34のこのようなFAA認可がどんな状況でも達成できるとする仮定する。)よりも,けた違いに少ないことである。
【0071】
さらに,比較器プロセッサ32は,いわゆる光点のみに対する表示データの処理及び生成に動作可能である。従って,一旦認可され,航空機内にインストールされると,比較器プロセッサ32は,レンダリングコンピュータ34(又はレンダリングコンピュータ34の少なくともグラフィックスプロセッサ50又はサブシステム)が新たに入手可能な,及び/又はより強力又は能力がある技術及びチップ設計を利用するためにグレードアップ又は交換されたときに,修正又はグレードアップ又はその以外の方法での変更又は交換が必要ない。
【0072】
比較器プロセッサ32のデータ検証機能は,選択される光点と,レンダリングコンピュータ34によって生成される対応する表示ピクセルに対する表示データとの比較による。従って,レンダリングコンピュータ34の/に対する(of of to the rendering computer 34 )グレードアップ又は交換によってレンダリングコンピュータ34の処理能力及び/又は機能が強化された場合でも,比較器プロセッサ32のデータ検証機能は,レンダリングコンピュータの表示データの十分な検査を継続する。
【0073】
比較器プロセッサ32は,レンダリングコンピュータ34よりも著しく単純化されているが,この単純化は,多くの要因が関与した結果である。
第1に,比較器プロセッサ32は,所定の有限数の表示点(光点)のみに対する表示データを処理及び生成するのに動作可能であり,そのハードウエア及びソフトウエアは,同様に,制限された処理動作用に特注設計及び構成されている。
レンダリングコンピュータ34は,表示器12上の全てのピクセル位置のそれぞれで,グラフィック表示のための色及び強度データを生成しなければならないが,これとは違って,比較器プロセッサ32は,限定された所定数の表示ピクセルに対する色及び強度データを生成するのみである。
【0074】
例えば,1024×768の解像度を有する9×12インチのフラットパネルLCD(液晶表示器)に対しては,レンダリングコンピュータ34は,約800,000ピクセル用の画像データを提供し,毎秒100回画像データを更新しなければならない。一方,比較器プロセッサ32が各表示更新間隔の間に表示データを生成する必要がある光点の数は,好ましくは,数百ピクセルのオーダーである。
【0075】
さらに,比較器プロセッサ32は,表示器12のフィールドのところどころに(about the field of display 12)選択的に設置された有限数の選択された光点のみに対する表示データを動作可能に計算する。従って,比較器プロセッサ32が光点の表示データを計算をする際に,比較器プロセッサ32がアンチエイリアシング処理を行うことが不要である。
アンチエイリアシング処理ルーチンは,非常に複雑であり,プロセッサ集約的である。比較器プロセッサ32でのアンチエイリアシング処理を省略することにより,特注設計されたハードウエア及びソフトウエアの構成及び動作が大幅に単純化される。
【0076】
’558システムでは,第2コンピュータ(つまり比較器プロセッサ32)は,同様にPCIバス36に接続される。比較器プロセッサ32は,入出力プロセッサ30から,レンダリングコンピュータ34と同じセンサ入力及びデータを受け取るが,レンダリングコンピュータ34と比べると,データ生成の集約度及び要求度がかなり低い(significantly less intensive and demanding data generating requirements)。
レンダリングコンピュータ34は,航空機乗組員が航空機を操縦する際に頼りにする,アンチエイリアシングされた,英数字的及びグラフィック的に示された全ての情報を表示器12上で画像化するのに必要なデータを生成することが要求される。一方,比較器プロセッサ32は,レンダリングコンピュータ34によって生成される表示データの精度を検証するための試験又は完全性検査点(test or integrity check points)として使用される,限定数(例:100−300程度)の特定のデータ点のみに対する表示データを生成する。
【0077】
’558システムでは,これらの「光点」は,表示フィールドの全体に渡る位置に配置された点の代表的な集合と一致するように選択されることが意図されている。前記表示フィールドでは,重要な航空機及び環境及び状況パラメータ及び示度(indications)に対するデータが,表示器12の各周期のリフレッシュ毎に画像化される
【0078】
選択された光点には,1つ以上の画像パーツ(例:グラフィック画像化された航空計器及びゲージ等の英数字で示された情報,グラフィック的に定義されたポインタ及びその他のインジケータライン(indicator lines);数値目盛り(numeric scales)のグラフィックライン及び/又は英数字;グラフィック画像化されたマップ又はチャートのライン又は特徴部の一部;及びその他の動的に更新される表示要素)に対するレンダリングコンピュータのデータによって作動される(activated)複数の表示ピクセルが含まれることが望ましい。
【0079】
光点の中には,表示フィールドの所定の静的な(又は,より変化の頻度が低い)部分(例:グラフィック表示された航空計器の境界又はその他のほぼ静的な表示特徴部又は要素の上/に沿った(on or along)部分)に対応して選択されるものがあってもよい。
【0080】
選択された光点は,全体として(又は少なくとも大部分において)表示器12上の特定の,固定された,変化しない,所定のピクセル位置に対応するものではない。むしろ,選択された光点は,主に,表示画像が繰り返しリフレッシュ又は更新されたときに,表示フィールド内でのピクセル位置が頻繁に又は時々変化する特定のデータ表示要素を特定するものである。
例えば,グラフィック画像化された対気速度インジケータの回転可能なポインタ上に3つの光点(2つの端と,ポインタの長さ方向に沿った等距離位置若しくは中央又はその他の所定の位置に対応する。)を定義することができる。ポインタの位置又は回転された方向(position or rotated orientation)は,対気速度の変化に伴って変化し,これら3つのデータ点が画像化される特定の表示ピクセル位置(display pixel locations)は,同様に変化する。
【0081】
同様に,あるデータが英数字で表示される場合,各英数字上の所定の数の位置を光点として選択することができる。これらの選択された英数字データ点の表示ピクセル位置は,英数字の変化に伴って変化する。
【0082】
航空機高度が表示器12上の特定の位置に英数字を用いて表示される場合,グラフィック的に定義された数字「7」用の最下位桁(least significant digit)の選択された光点(例:端の2点と,足が交わって結合される点)は,常に同じ表示ピクセル位置に表示されるが,これらの光点の表示ピクセル位置は,数字が例えば「3」に変化するときに変化するであろう。このとき,光点の指定は,端の2点と,2つの弧セグメント(segment)が交差する点になる。
【0083】
また,数字「3」のカーブした弧セグメントに沿った1つ以上別途選択された点も,その数字用の光点として定義することもできる。この場合,例えば英数字の精度を検査するために利用される光点の数が,表示される特定の数字の関数として,表示フィールドの更新毎に変化する。
【0084】
表示器12上に画像化されるデータの少なくとも一部が画面更新又はリフレッシュの度に変化するので,’558システムを実施する際に用いられる光点の正確な数は,レンダリングされる表示フィールドをスキャンする度に変化してもよい。
【0085】
図5を参照すると,比較器プロセッサ32は,ビデオ比較器ゲートアレイ74と一対のビデオ送信器72(各送信器72は,表示器12A,12B用である。)に接続されたビデオ受信器70において,アンチエイリアシングされたグラフィック画像化データをレンダリングコンピュータ34から受け取る。上述のように,比較器プロセッサ32によって生成された各光点は,3つの8ビット(赤,緑及び青に対してそれぞれ1バイト),全部で24ビットで構成することができる。
【0086】
光点データビット(point of light data bits)は,マイクロプロセッサ78に繋がったFIFOスタック76に格納される。FIFO76に格納される各光点に対するデータは,3つの8ビットRGBカラーバイトと,光点が表示される表示画面ピクセル位置(display screen pixel location)を特定するクロッキングデータ(clocking data)を含む。
クロッキングデータは,光点のカラーデータ(color data)と,レンダリングコンピュータ34によって生成される対応する画面表示位置(screen display location)用のカラーデータとの比較の同期を取るために利用される。光点用のデータバイト(data bytes)は,表示画像データが表示器12に提供されたときに表示器12上にレンダリングされる順序でFIFO76にロードされる。このレンダリングは,例えば表示フィールドの各水平トレースラインを順にスキャニングするか,これを横切ってトレースすることによって行われる。
【0087】
図6に示すように,24ビットカウンタ82は,クロック及び垂直同期信号をビデオ受信器70から受け取る。これらを用いて,24ビットカウンタ82は,レンダリングコンピュータが生成した画像化データが表示される表示器12上での位置(つまり,スイープアドレス)を特定する。
ビデオ受信器70からのクロック信号は,表示器12の完全な画像化スキャンを集合的に定義するアドレス位置のそれぞれに渡って(through each of the address locations that collectively define a complete imaging scan of the screen display 12),カウンタ82を繰り返し稼動させる。このとき,24ビット比較器84は,現在アドレス(current address)をカウンタ82から受け取り,FIFOに格納されている次に入手可能な光点のデータの対象とする表示アドレスをFIFO76から受け取る。
【0088】
これら2つのアドレスが一致すると,比較器84は,カラー比較器88への「適任者 (qualifier)」出力を有効にする。次に,カラー比較器88は,現在の画面表示位置アドレスに対する,レンダリングコンピュータ34によって表示器12への出力のために生成されたRGBカラーデータと,比較器プロセッサ32によって生成され,FIFO76に格納された光点データとの比較を行う。
【0089】
つまり,カウンタ82がFIFOスタックの先頭にある次に入手可能な光点データの画面表示位置のアドレスを保持していると比較器84が判断すると,比較器84は,レンダリングコンピュータが生成したビデオ受信器70からのカラーデータと,FIFOスタック76の先頭に格納された光点のカラーデータとをカラー比較器88に比較させる。
試験アドレスカウンタ86は,FIFOに格納されている次の光点用のアドレス及びカラーデータが比較器84でのアドレス比較とカラー比較器88でのカラーデータ比較のためにスタックの先頭に配置されるように,FIFO76の配列を行う。カウンタ82が,レンダリングコンピュータの画像化データの画面データアドレス全体の順序付け(sequence through the screen data addresses)を継続する。
【0090】
’558システムによると,カラー比較器88は,同一の画面表示ピクセル位置に対して,一方では比較器プロセッサ32によって,他方ではレンダリングコンピュータ34によって生成されたカラーデータの3つ(つまり,赤,緑及び青)の8ビットバイトのそれぞれの2つの最上位ビット(two most significant bits)(MSBs)のみの比較を行うことができる。
【0091】
このような各カラー情報(each color information)の一部のみの比較は,適切であり,レンダリングコンピュータのデータの信頼性の評価として意味がある。なぜなら比較器プロセッサ32によって生成されるピクセルカラーデータは,レンダリングプロセッサ34によって出力される画像化データとは違って,アンチエイリアシングされていないからである。
【0092】
何れの所定の表示点すなわちピクセル位置(any given display point or pixel location)においても,表示のために最初に計算されたデータのアンチエイリアシング(前記所定のピクセル位置に隣接したピクセルの選択的な作動(actuation)と,前記所定のピクセル位置の強度(つまり,カラー値(color value))の対応する減少により結果的に生じるグラフィック画像をスムーズにすること。)により,前記所定のピクセル位置の強度は,3つのカラーバイトの1つ以上おいて,最初に計算されたエイリアシングされたカラー値から3/4(つまり,75%)減少する
【0093】
結果的に,少なくとも,所定の画面表示ピクセル位置に対して,レンダリングコンピュータ34と比較器プロセッサ32のそれぞれによって生成された3つ(赤,緑及び青)のカラーデータバイトのそれぞれの2つのMSBが同一であるということが決定されれば,そのピクセル位置に対するレンダリングコンピュータの画像化データが信頼できると言える。
【0094】
上記例では,レンダリングコンピュータ34によって生成された画像化データの信頼性を評価する際に各カラーデータバイトの2つのMBSのみの比較を行ったが,カラーデータバイトのより多くのビットを比較に用いてもよい。一例では,各カラーデータバイトの4つのMSBを比較してもよい。
【0095】
採用されるアンチエイリアシングアルゴリズム又は方法又は特性又は他の関連する観点又は要因に基づいて必要又は適切であれば,対応するレンダリングコンピュータデータの信頼性を決定するためのカラーデータ比較結果の評価方法は,適切に修正してもよい。
【0096】
このような修正に対応するために必要な又は望ましい,このシステムの,種々の要素,構成要素及びサブシステムについての変更,及び/又は,これらの相互接続や動作に関する変更,又は比較を行うための処理ステップや比較の成功又はエラー状態(a successful comparison or an error condition)を特定するための処理ステップに関連した変更は,当業者の通常の能力の範囲内であると言える。
【0097】
レンダリングコンピュータ34によって生成され,ビデオ受信器70にシリアルに供給された画像化データが,カラー比較器88によって,比較器プロセッサ32によって生成されてFIFO76に格納された光点データと対照して検証され,検証が成功であったとき,レンダリングコンピュータのデータは,対象とする画像を表示器12上に生成するために,ビデオ受信器70からビデオ送信器72を通って表示器12上に導かれる。
【0098】
ビデオ受信器70は,レンダリングコンピュータ34からのシリアルの画像化データをパラレル形式に変換する。次に,ビデオ受信器70は,選択された(つまり,光点)位置に対してバッファされたRGBデータを提示するために,パラレル形式に変換されたデータを比較器アレイ74にバッファし,さらに,画面表示フィールド画像全体に対してバッファされたRGBデータを提示するために,パラレル形式に変換されたデータをビデオ送信器72にバッファする。ビデオ送信器72は,レンダリングされたパラレルRGBデータをシリアル形式に変換し,それを個々の表示器12に導く。
【0099】
一般に,通常の状態では,ビデオ送信器72の1つだけがレンダリングコンピュータの画像化データでそれぞれの表示器12を操作するのに動作する(be active)。しかし,比較器プロセッサ32は,必要又は所望の場合に,航空機にある2つの表示システムの1つのレンダリングコンピュータ34によって生成された画像化データが,レンダリングコンピュータ34のそれぞれのビデオ送信器72を介して表示器12A,12Bの両方を同時に操作するのに使用可能なように,構成してもよい。これは,例えば,後述する他のシンボル生成器16の故障又はエラー状態が検出されることによって,適切又は必要になることがある。
【0100】
カラー比較器88によって行われる,特定の画面表示ピクセル位置に対するカラーデータ比較がレンダリングコンピュータ34と光点のデータが同じでないか,又は差異が所定の範囲内であれば比較が成功であると予め定めている場合にはその差異の範囲内ではないと決定されると,比較の失敗又はエラー信号が,生成され,比較器プロセッサ32のマイクロプロセッサインターフェースに提供される。
【0101】
’558システムは全ての比較の失敗を記録してもよいが,システムは,この失敗がセンサデータ又はデータ計算における一時的な又は再発しないものなのか,それとも,表示器12上での画像化のためにレンダリングコンピュータ34によって生成されているデータがひどく疑わしく,信頼できないものにするシステム的な又は継続的な故障を示すものであるかを決定するのに十分な時間の間検出された比較の失敗に対する次のアクション(例:エラーを航空機乗組員に報告すること)が遅れることがある。
【0102】
この遅れは,例えば比較の失敗が,同じ光点データ位置において,所定回数以上の表示更新サイクルにおいて特定されるかどうかを決定することによってもたらされる。表示器12は,例えば毎秒100回のオーダーで更新されるので,効果的なエラーの評価を可能にするために各画面表示位置に対するカラーデータ比較の結果を十分な回数の連続した表示更新の間注目しても,航空機を危険にさらしたり,又はレンダリングコンピュータのデータが信頼できないことを示す故障イベントの通知を受け入れがたいほど遅延させたりすることがない。
【0103】
一例では,特定の光点の画面位置に対する5回の連続したカラーデータの比較の失敗を特定すること(これには,わずか0.05秒のオーダーの期間のみが必要である。)は,特定の実施形態では,比較の失敗が繰り返し行われる光点位置を含むレンダリングコンピュータのデータの信頼性の無さを示すのに十分であると判断される。このとき,エラー信号が,生成されてもよく,視覚的なエラー表示が,シンボル生成器16によって駆動される表示器12の1つ以上に示されてもよい。エラー表示は,任意的に,航空機乗組員に明らかであろう別の方法(例:聴覚的警告(audible alarm))で示されてもよい。
【0104】
エラー表示は,何れの適切な方法で表示器12に視覚的に示されてもよい。これは,設計の選択の問題である。
検出されたデータのエラーに関連したグラフィック表示の部分又は画像化されたゲージ又はインジケータを修正又は上書きすることによって,その表示が不正確であるか,不正確であるかも知れないということを示すことができる。修正又は上書きは,例えば,大きな「X」,「失敗」,「エラー」といった記号を表示部分又は画像化されたインジケータの一面に又はこれを横切ってレンダリングすることによって,又はその色を通常のものとは変えることによって,行うことができる。
【0105】
グラフィック画像化された対気速度インジケータでの1つ以上の光点の位置に対してレンダリングコンピュータ34が生成した表示データで検出されたエラーは,表示器12上のグラフィック表示の対気速度インジケータの位置に大きな「X」をレンダリングすることによって表示することができる。システムは,自動的に又は操縦士若しくは操作者との対話(interaction)に応答して,エラーが検出された制御器16によって生成された画像化データを用いた表示器12へのインジケータ画像の表示を中止し,表示器12上のインジケータ画像を別の操縦席表示システムの制御器16によって生成された画像化データと置換してもよい。この後は,同一のシンボル生成器16が表示器12Aと12Bの両方に対するインジケータ画像のための画像化データを供給する。
【0106】
別の実施形態では,視認可能な失敗表示(failure indication)を有している「失敗(failed)」インジケータのグラフィック画像は,信頼できないデータを受け取った表示器12上に維持してもよい。この場合,操縦士と副操縦士の両方が,本発明の航空機複式飛行パネル表示システムの他方の表示器12上にある,計器の表示を見て,その表示に頼ることができる。
【0107】
さらに,レンダリングコンピュータ34の一方が生成したデータの何れの部分集合にエラー又は失敗が検出されると,エラーを生じさせたレンダリングコンピュータ34からのデータが以前に供給された表示フィールド画像全体を,別のレンダリングコンピュータ34が生成した画像化データと置換するようにしてもよい。これは,設計又は操作者の選択の問題である。
【0108】
’558システムでは,グラフィック画像化されたデータの完全性及び信頼性が向上する。これは,比較器プロセッサ32が,従来のシステムと比べて,比較的単純であることに起因する。なぜなら,より単純な動作コード(operating code)は,内在的に,より信頼性が高いからである。しかしながら,図7−10を参照して後述するように,本発明によると,完全性及び信頼性がさらに向上する。
【0109】
’558特許のシステムのキーは,航空機飛行情報グラフィック表示システムの最初に検討された用途で実施されているように,表示システムを2つの基本的な機能部分に動作分割(operational division)を行うことである。一方(レンダリングコンピュータ34)は,表示の入手可能性と信頼性に責任を有し,他方(比較器プロセッサ32)は,表示の完全性を提供又は保証する。
【0110】
FAAは,航空機の第1飛行表示システムは,機能喪失の可能性が比較的低い現在のシステムに匹敵する入手可能性(つまり,信頼性)を有さなければならないということを要求する。言い換えると,システムは,航空機を操作する航空機乗組員に対してデータに継続的に提供することを保証するのに十分に信頼できるものでなければならない。この最初のFAA要求を満たすためには,ソフトウエアは,工業規格DO178 レベルCで検証されなければならない。工業規格DO178 レベルCは,ソフトウエアが適切に機能し,ソフトウエアコードの全てが試験中に実行されるということが保証されるように,ソフトウエアが,文書化された試験を受けなければならないということを要求する。
【0111】
FAAは,航空機の第1飛行表示システムは,特定のレベルの完全性を満たさなければならないことを要求する。つまり,システムが誤解を招き易い又は予告なしの不正確な情報を全く出力しないことが証明されることが要求される。この第2のFAA要件の充足を証明し,記録に残すのに必要な認可前の試験が,システム入手可能性の第1要件を満たすために要求されるものよりもさらに厳しいということは理解されるであろう。
【0112】
具体的には,完全性を証明するためには,システムソフトウエアが,工業規格DO178 レベルAで検証されなければならない。工業規格DO178 レベルAでは,全ての論理経路が,システムが稼動中に現れることが予測される全てのデータ値を代表する多数の値で試験されなければならない。これは,一般に多数条件決定網羅(multiple condition decision coverage)(MCDC)と呼ばれている。さらに,全てのハードウエアが,同等のパフォーマンスを示さなければならない。システムハードウエアの歴史的な発展又は継承物(heritage)が完全に文書化されなければならない。
【0113】
レンダリングコンピュータ34は,動作時に(operatively)表示入手可能性に対してのみ責任を有する。従って,レンダリングコンピュータ34は,必要なFAA認可を得るために工業規格DO178 レベルC規格を満たすのみよい。このため,レンダリングコンピュータ34として,比較的複雑な,市販されている,既製のコンピュータシステムを使用することが許容される。既製のコンピュータシステムは,最初に利用されるときにも,その後にときどき新たに入手可能になった,向上した構成要素及び能力等を有するもので更新されるときにも,工業規格DO178 レベルC規格に効率的に及び経済的に検証することができる。
【0114】
FAA認可を得るために,より厳しくない工業規格DO178 レベルC試験のみを必要とするレンダリングコンピュータ34を使用することは,システムが,進歩したハードウエア及びソフトウエアを利用することを可能にする。このようなハードウエア及びソフトウエアは,より高められた表示機能を提供し,表示システムが最初に設置された後に,向上した構成要素及びサブシステム等が表示システムの周期的に市販されると,簡単にグレードアップすることができる。
【0115】
一方,’558システムでの表示完全性は,FAA認可を得るためにDO178 レベルA規格で検証されなければならない比較器プロセッサ32によって提供され,保証される。従って,比較器プロセッサ32は,一般に,厳しく,広範で,時間及び費用がかかる試験及び文書化を受けなければならない特注設計ハードウエア及びソフトウエアを必要とするであろう。
【0116】
しかし,比較器プロセッサ32は,表示器12に画像を表示するために利用される多量のデータのうちの比較的小さな部分集合のみを,動作中に(operatively)生成し,レンダリングコンピュータ34の出力と比較する。また,さらに,比較器プロセッサ32は,生成するデータのアンチエイリアシング処理を行う必要がない。これら2つの理由により,比較器プロセッサ32の動作(operating)ソフトウエア及びハードウエアは,表示画面又は領域全体のアンチエイリアシングされたグラフィック表示データを生成するのに必要なものよりもはるかに単純化される。その結果,比較器プロセッサ32のハードウエア及びソフトウエアは,システムの完全性を保証するために,より厳しいDO178 レベルA規格で試験及び検証することができる。
【0117】
さらに,’558システムでの比較器プロセッサ32は,比較表示ピクセル(又はオブジェクト)データの部分集合のみを生成するのに動作するので,レンダリングコンピュータ34に対する変更,更新又は強化は,一般に,比較器プロセッサ32の再試験又は再認可を必要又は正当化(warrant)しないであろう。それによって,予期しない又は異常なコスト又は労力無しで,将来の表示システムのグレードアップがさらに容易になる。
【0118】
ここで,図7,8及び10を参照して,この一部継続出願の基礎となった共有の同時係属特許出願の強化されたシステム10aを示す。特に,システム10aでは,比較器プロセッサハードウエア32は,好ましく,除去されている。さらに,後述するように,好ましくは,フラットパネル表示システム10aは,単一のプロセッサシステム200で構成されてもよい。プロセッサシステム200には,完全性検査機能(すなわちICF)202と,グラフィックスレンダリング機能(すなわちGRF)204が,同一プロセッサ200に組み込まれている。さらに,このシステム10aは,好ましくは,ビデオグラフィックスプロセッサ(すなわちVGP)206も含む。
【0119】
図7に好ましく示すように,強化されたフラットパネル表示10aは,一体型フラットパネル表示画面208(例えば,上述したようなもの),データ集信ユニット(data concentrator unit)(すなわちDCU)210及び表示制御パネル(すなわちDCP)212で構成される。表示制御パネル212は,好ましくは,航空機データを一体型フラットパネル表示画面208(例:上述した表示画面12,例えばアクティブマトリックス液晶表示器(例: Exton, PennsylvaniaのInnovative Solutions & Support, Inc.製のもの))に伝達する上述した入力/出力プロセッサカード30(図3を参照)を含む。
【0120】
一体型フラットパネル表示システム10aは,好ましくは,図8に示す完全性検査機能202とグラフィックスレンダリング機能204を実現する1つ以上のマイクロプロセッサからなるグラフィックス生成モジュールに加えて,表示画面208とバックライトアセンブリを含む。表示画面208は,表示画面12に関連して説明した型のものであってもよく,Exton, PennsylvaniaのInnovative Solutions & Support, Inc.製のアクティブマトリックス液晶表示器であってもよい。
【0121】
好ましくは,一体型フラットパネル表示システム10aは,グラフィックスレンダリング機能204の誤った行為(misbehavior)が完全性検査機能202に影響を与えないように,ソフトウエア分割(software partitioning)を採用する。好ましくは,完全性検査機能202は,表示器208上にある,正しい位置決め(correct positioning)のための一次飛行データ(primary flight data)に関連した,表示器208内にある全ての特徴部(features)を検査する。不一致(discrepancy)が検出されると,好ましくは,エラー(error)が操縦士に伝えられる。
【0122】
さらに図8に好ましく示すように,グラフィックスレンダリング機能204は,完全性検査機能202と同じセンサデータ214(例えば,センサ列によって提供されたデータ)で動作し,表示画面208上にビットマップ表示を生成するために,共有メモリ216を介してセンサデータ214に基づいてグラフィック命令(graphical command)をビデオグラフィックスプロセッサ206に与える。ビットマップ表示は,表示器208上に画像を生成するために従来の方法で駆動可能である表示器208の全面に渡る位置に存在する多数の個別にアドレス可能なピクセルによって形成される。センサデータ214は,上述したように,好ましくは,センサ列18を参照して説明した航空機及び環境センサデータの共通の集合(a common set of aircraft and environmental sensor data)に基づいている。
【0123】
’558システムを参照して説明したように,一般的なPFD/ND表示フォーマットは,直感的である。また,このフォーマットは,気象レーダー,TAWS,TCAS及び飛行計画オーバーレイ(overlay)を有する基本ナビゲーション表示マップと共にテープ対気速度及び高度(tape airspeed and altitude)を有する心地のよい表示フォーマットで,操縦士に飛行に関連する全てのデータを提供する。このフォーマットは,通常は,例えば,丸型ゲージのグラフィック表示を含む元来の操縦席のレイアウトの見た目と感覚を厳密に複製するように設計されている。
【0124】
本発明の一部ではないが,データ集信ユニット(data concentrator unit)(つまり,DCU)21及び一体型フラットパネル表示システム10aは,所望により同じハウジング内で,一緒に用いてもよい。そして,表示制御パネル(つまり,DCP)212は,表示ベゼル(bezel)に一体化してもよい。さらに,所望により,表示器208は,単一の複合表示器の代わりに,多くの表示器に分割されてもよい。この場合,各表示器は,異なる機能を提示し,故障の際の冗長性を提供する。
【0125】
図8を参照して既に説明したように,プロセッサ200の主要な機能は,好ましくは,完全性検査機能202とグラフィックスレンダリング機能204との2つの構成要素に分割される。そして,好ましい単一プロセッサの実施形態では,これらの機能は,同一のプロセッサに組み込まれる。別の実施形態では,システム10aは,複数プロセッサシステムを採用してもよく,この場合,1つ以上のプロセッサが全機能を実行する。何れの例でも,完全性検査機能202は,好ましくは,ビデオグラフィックスプロセッサ206の機能が適切であるかどうか検証するために使用される。
【0126】
上述したように,ビデオグラフィックスプロセッサ206は,グラフィックスレンダリング機能204によって提供された命令を受け取り,表示画面208上に表示されるデジタルビデオ情報を生成する。グラフィックスレンダリング機能204は,好ましくは,上述したように,ビデオグラフィックスプロセッサ206を介して表示出力情報を生成するために,センサデータ214の共通の集合を使用する。一方,完全性検査機能202は,共有メモリ216内にあるビットマップデータと対照して試験される,ビデオグラフィックスプロセッサ206によって生成されるピクセルの部分集合を簡素に表現(articulate)するためにセンサデータ214を使用する。
【0127】
図7−10の実施形態によると,グラフィックスレンダリング機能204は,ビデオグラフィックスプロセッサ206に対してレンダリング要求(rendering calls)を生成する。次に,ビデオグラフィックスプロセッサ206は,共有ビデオメモリ216内に表示画像を生成する。ビデオメモリ216は,好ましくは,動画表示に裂け(tearing)ができることを防ぐために表示フレームのマルチバッファリング(multi-buffering)が可能なように構成される。
グラフィックスレンダリング機能204は,共有メモリ216内の共通のアドレス空間にマッピングされている(mapped into the common addressing space in the shared memory 216),ビデオグラフィックスプロセッサ206内へのレンダリングが最後に行われたメモリ位置(memory location)を完全性検査機能202に知らせる。
【0128】
完全性検査機能202は,好ましくは,個々の特徴部に対するピクセル検証マップ(pixel verification map)を生成するために,提供された入力情報を使用する。このピクセル検証マップは,好ましくは,表示画面208上の関連するX及びY位置によって特定される1つ以上の検査ピクセルと,そのピクセルに関連する特定の色とで構成される。完全性検査機能202は,好ましくは,ピクセル検証マップを使用し,そのピクセルを,ビデオグラフィックスプロセッサ206によって図8に示すビデオメモリ216内にレンダリングされた情報と比較する。図8に好ましく示すように,これは,上記の’558システムの説明で言及されるハードウエア比較器(例:比較器32)を採用する必要なく達成される。
【0129】
ビデオグラフィックスプロセッサ206は,好ましくは,通常は動画表示用に(for moving displays)作動させるアンチエイリアシングを有効にする。これによって,好ましくは,特に特徴部が表示器208上を移動するとき,表示シンボロジ(display symbology)が色遷移点(color transition point)上でスムーズに見える。
【0130】
システム10aでは,完全性検査機能202は,ビデオグラフィックスプロセッサ206によって描かれたものとの間の不一致(discrepancies)を検出し,出力画像の独立した検証(independent verification of the output image)を提供するために,検査ピクセルすなわち基点(check pixels or fiducials)を処理し,それらをピクセル検証マップと比較する。そうする際に,完全性検査機能202は,好ましくは,検査ピクセルの正確なピクセル位置を使用し,ビデオメモリ216から関連するカラー情報を直接読み出す。
【0131】
所定のピクセル位置に対して読み出されるカラー情報での関連するカラー値は,全精度で(against its full accuracy)(例えば,好ましくは,24ビットの色の深みで(for a 24-bit depth))比較されるか,又は結果的に生じるオブジェクトの見た目に影響を与える可能性があるアンチエイリアシング又はその他の描画技術により生成されることがある色オフセット(color offsets)を排除するためにマスクされる。前記マスクは,好ましくは,情報が正しい位置に描かれたことを保証するために,カラーピクセルが存在していることだけを検証してもよい。
【0132】
図7−10のシステムは,現在入手可能なグラフィックスプロセッサ(例えば,回転,並進及び表示バッファ内にマッピング可能な(can be rotated, translated and mapped into the display buffer)レンダリングバッファを有するもの。)によって従来の方法で提供されるタイプのテクスチャーオブジェクト(textured objects)の表示にも役立つ。
【0133】
図10に示すように,EADIのような複雑なオブジェクト(complex objects)に対して,そのオブジェクトの完全CRC検査が行われたテクスチャーマップ220(complete CRC checked textured map 220)を作成することができる。特別のマーキングすなわちウォーターマーク222(special markings or watermarks)は,背景色に近いオブジェクト上に配置される。その色合い(color shades)は,好ましくは,一般的な人間の目には通常は識別できないが,完全性検査機能202には検出可能であるようにウォーターマーク222と背景との間に色の差が設けられるように選択される。
【0134】
例えば,ADI背景の青部分では,背景の主要色は,赤=0x3f,緑=0x3f及び青=0xffであり,ウォーターマークパターン222の色は,好ましくは,赤=0x40,緑=0x40及び青=0xffにすることができる。このような状況の場合,完全性検査機能202は,これらの色は異なっていると判断するが,これらの色は,通常は,一般的な人間の目には同じに見える。従って,ADI背景にある特有パターン(unique pattern)222が,ピッチ及びロール精度(pitch and roll accuracy)の検査に利用することができる。
【0135】
図7−10のシステムによると,連続フレーム中の画像上の単一ピクセル(a single pixel on the image in successive frames)を検査することによって,いくつかの表示画像を十分に検出することができる。好ましくは,これを達成するために,各フレーム中の画像セグメントの異なる点(a different point of the image segment on each frame)が検査される。画像の周囲(perimeter of the image)を超え,背景色を検出する検査点は,画像の実際の周囲の検出を可能にする。
【0136】
一般的な表示器208では,いくつかのオブジェクトは,別のオブジェクト上に描かれてもよい。この例では,完全性検査機能202は,図7−10のシステムによれば,好ましくは重なっている(occluding)オブジェクトを分割して凸形状にすることによって,選択されたピクセルに重なるこれらのオブジェクトを追跡することができる。この例では,完全性検査機能202の内部状態マシンは,好ましくは,これら凸形状の頂点の方向を合わせるために利用される。
【0137】
好ましくは,追跡される点を有する全てのオブジェクトに対して,2つの機能が設定される。1つは,そのオブジェクトの何れかの点が所定領域内にあるかどうかを試験することであり,もう1つは,所定オブジェクト内の何れかの点に,あるオブジェクトが重なっているかどうかを試験することである。点が所定の凸形状領域内にあるかどうかを試験するために,凸形状オブジェクトのそれぞれの面が,好ましくは,試験される。
好ましくは,凸形状オブジェクトの全ての辺が試験された点について右回りを形成する場合は,点は,凸形状の内部にあるか,凸形状によって覆われる。同様に,点が何れかの辺に沿っているか,その辺について左回りである場合は,点は,凸形状の外にある。
【0138】
ビデオグラフィックスプロセッサ206内でのアンチエイリアシングアルゴリズムの複雑さのために決定的には簡素に表現されていない(not deterministically articulated)複雑画像(complex images)の完全性を検査するために,統計的な検出方法が採用されることが好ましい。このような状況では,レンダリングされた画像と簡素に表現されたピクセルとの間で,ある程度の数の不一致(mismatch)が通常は予測される。従って,間違った警報(false alarm)がなされる確率を低く抑えつつ,誤解を招くような画像(misleading images)を高い確率で検出することを保証するために,十分な数の点が選択されることが好ましい。
【0139】
一例では,複雑画像が1024×768ピクセル,すなわち786432ピクセルのアレイを含み,各ピクセルが3つのサブピクセル(赤,緑及び青)を含む場合,前記画像は,好ましくは,現在好まれる複雑画像の統計的検出(statistical detection)によると,12ビットの情報(1サブピクセル当り4ビット)(従って,4096種類の色と強度の組み合わせが提供される。)を含むデータストリームで50ミリ秒毎にリフレッシュされる。
この好ましいアプローチでは,画像ピクセルの部分集合(a subset of the image pixels)を簡素に表現するために完全性検査機能202内で同じ入力データが,使用される。
【0140】
一般に,上記例では,1つの光点が正しく現れる確率は,4096分の1である。図7−10のシステムの完全性検査機能202によって検査する必要のあるサンプル数を決定する際に考慮するのは,間違ったエラーの確率の最小化である。例えば,ビデオグラフィックスプロセッサ206は,表示された画像上でアンチエイリアシングアルゴリズムを実行するので,高い信頼度で正しい画像が決定できることは保証されない。
【0141】
アンチエイリアシングのためにピクセル値の不一致が検出される確率が30%であり,所定の画像に対して失敗(fail)との報告がなされるのは,3回の連続した不一致の報告が必要であると仮定する。
間違った警報がなされる確率1E−17を達成したいとする。正しい画像中の11個のサンプルが3回連続して不一致になる確率は,0.3^(3×11)=0.56E−17になる。従って,11個は,許容できる不一致サンプル数であると分かる。
【0142】
代わりに,上記例のパターンで20個のサンプルが検査される場合,ビデオグラフィックスプロセッサ206が不一致パターンを生成し,この不一致パターンが,完全性検査機能202によって生成された正しいサンプルに偶然に一致する確率は,1/(4096^20) =0.57E−72である。
この場合,20個のサンプルのうちの9個が正しい数値に一致する確率は,1/(4096^9)*20!/9!=0.21E−19である。この結果を,ビデオグラフィックスプロセッサ206によって生成されるが,完全性検査機能202が検出しない不一致パターンの確率であるとみなすことができる。
【0143】
上記例に基づき,20個のサンプルのうちの9個が正しいときに合格とする基準(a sample size of 20 with a 9 correct pass criteria)は,間違った警報がなされる確率を1E−17より小さくしつつ,1E−17より良い確率でビデオグラフィックスプロセッサ206が生成した画像の正確性を検出する。
上記例では,データリフレッシュレートが50ミリ秒なのでデータリフレッシュが毎時72000回行われる。従って,20個の光点のうちの9個が正しいときに合格とする基準によると,間違ったエラーがなされる確率又はエラーが検出されない確率は,毎時1E−12より良いであろう。
上記例は,小さいサンプルサイズに基づいたエラー検出に信頼性があることを示し,さらに,ビデオグラフィックスプロセッサ206内での種々のフィルタリングアルゴリズムにより,全ての点の検出が可能でない場合には,より大きな数のサンプルを最小限のコレクトパス基準(correct pass criteria)で利用できることを示す。
【0144】
図7−10のフラットパネル表示システム10aの動作を要約すると,完全性検査機能202は,航空機データ214を受け取り,そのデータのコピーを保持し,同一のコピーをグラフィックスレンダリング機能204に与える。グラフィックスレンダリング機能204は,ビデオグラフィックスプロセッサ206に命令を送り,ビデオグラフィックスプロセッサ206は,メモリ216に配置された表示バッファに画像を生成する。グラフィックスレンダリング機能204は,ビデオグラフィックスプロセッサ206が完全性検査機能202への現在画像(current image)のレンダリングを完了したフレームバッファのアドレスを送る。
【0145】
完全性検査機能202は,次に,各画像に対するピクセルの部分集合を生成し,完全性検査機能202とビデオグラフィックスプロセッサ206の両方が,それぞれのピクセルの集合(respective set of pixels)を生成したとき,完全性検査機能202は,完全性検査機能202のピクセルと,ビデオグラフィックスプロセッサ206がメモリ216内にレンダリングしたピクセルとを比較する。完全性検査機能202のピクセルが,ビデオグラフィックスプロセッサ206によって描かれたピクセルと一致すれば,完全性検査機能202は,表示器208へのビデオストリームの継続を許可する。
【0146】
上述したように,図8は,ハードウエア比較器32が省略されたシステム10aを示す。一方,図9は,図8に示すシステム10aの別の実施形態を示す。この実施形態には,ハードウエア比較器32aが含まれており,ハードウエア比較器32aは,完全性検査機能202aから送られた画像ピクセルの部分集合と,ビデオグラフィックスプロセッサからのビデオ画像とを比較し,全ての不一致を完全性検査機能202aに報告する。
【0147】
このアプローチは,ハードウエア比較器32aを採用しない,図8に関して説明されたアプローチとは対照的である。その他の点については,システムの種々の部分は,同じであり,同様の符号が付されている。
【0148】
図1−6に関連した上述したように,上記システムの種々の構成要素には,従来の市販の多目的コンピュータシステムハードウエアが採用可能であることに,注目すべきである。
【0149】
ここで,図11−13を参照して,本発明の改良されたシステム10bについて説明する。上記のように,フラットパネル表示システム(FPDS)は,好ましくは,単一又は複数のプロセッサシステムと,ビデオグラフィックスプロセッサ(VGP)とから構成することができる。その主な機能は,完全性検査機能(ICF)と,グラフィックスレンダリング機能(GRF)に分割される。
【0150】
図7−10の実施形態で説明したように,単一プロセッサ構成では,グラフィックスレンダリング機能及び完全性検査機能は,同じプロセッサに組み込まれることが可能であり,複数プロセッサシステムでは,2つ以上のプロセッサが全ての機能を実行する。上記のように,何れの場合も,完全性検査機能(ICF)は,グラフィックスレンダリング機能がビデオグラフィックスプロセッサに表示出力情報の生成を命じて生成する際に,ビデオグラフィックスプロセッサの機能が適切であることを検証するために利用される。この点について,上記のように,ビデオグラフィックスプロセッサは,グラフィックスレンダリング機能の命令を受け取って,フラットパネル表示器上に表示されるデジタルビデオ情報を生成する。
【0151】
上記のように,本発明のような安全上重要なシステムでは,重要データの表示について,一般に,主に2つの関心事,つまりデータ完全性と情報又はデータ入手可能性がある。一般に,上記のように,完全性検査機能は,データ完全性を保証する。しかし,不一致が相次いで検出されると,完全性検査機能は,表示情報にフェイル(失敗、故障)というフラグを付し,この情報は,通常は,閲覧に供されない。従って,情報の入手可能性に悪影響を与える。
【0152】
図1を用いて説明した複式フラットパネル表示システムは,2つの完全に冗長な表示器を設け,一方の表示器で故障が検出されると,操縦士が情報を閲覧するために他方の完全に冗長な表示器を使用できるようにすることによって,この入手可能性の問題を解決しようとしている。しかし,このアプローチは,本発明が乗り越えるシステムに対するコスト,複雑さ,スペースの要求をかなり増大させる。
【0153】
図11に好ましく示されるように,本発明の航空機フラットパネル表示システムでは,情報又はデータの入手可能性を向上させるために,第1ビデオグラフィックスプロセッサが故障である場合に,図12に示すような表示画像の全体又は図13に示すような表示画像の単純化された部分集合を生成するために,共通のフラットパネル表示器304と共に,第2又は二次ビデオグラフィックスプロセッサ302が利用される。
【0154】
例えば,図11及び12に示すように,第1ビデオグラフィックスプロセッサ300は,好ましくは,高品位のビデオ画像,例えば,図12に示すような,航空機の位置及び方向オーバーレイを含む三次元地形マップと共に対気速度及び高度テープを有するEADIの詳細にアンチエイリアシングされた画像を生成し,この画像を従来型のビデオスイッチ308の一方の入力に対して供給する。ビデオスイッチ308の他方の入力は,好ましくは,第2ビデオグラフィックスプロセッサ302から提供される。
【0155】
本発明によれば,第1ビデオグラフィックスプロセッサ300が故障である場合,つまり,完全性検査機能306によって不一致が検出された場合,制御信号が完全性検査機能306からビデオスイッチ308に提供され,ビデオスイッチ308は,その出力を,第1ビデオグラフィックスプロセッサから第2ビデオグラフィックスプロセッサ302の入力へ切り替える。
【0156】
第2ビデオグラフィックスプロセッサによって提供される画像が同程度に高品位の画像ではなく低品位の画像である場合,第2ビデオグラフィックスプロセッサ300は,好ましくは,図13に示すような,アンチエイリアシングされていない対気速度及び高度テープを有するEADIの単純なライン表示と,航空機の位置及び方向の単純な表示を生成する。故障した第1ビデオグラフィックスプロセッサ300から提供される,以前の情報の代わりに,共通表示パネル304に現れるこの表示で航空機の飛行を継続可能にするのに十分な情報が航空機乗組員に提供される。
【0157】
第1ビデオグラフィックスプロセッサ300によって提供される表示情報の部分集合が第2ビデオグラフィックスプロセッサ302によって表示パネル304に提供されているこの例と関連して,第2ビデオグラフィックスプロセッサ302は,好ましくは,限られた機能,(例えば,限られた色範囲,アンチエイリアシング機能の欠如及び限られたグラフィック変換機能(例えば画像回転及びオーバーレイ))を有する単純なグラフィックスプロセッサである。
【0158】
このように,完全性検査機能306によって第2ビデオグラフィックスプロセッサ302を直接制御することによって,システム10bは,飛行用の重要なデータ又は情報の表示(例えば,第1ビデオグラフィックスプロセッサ又はグラフィックスレンダリング機能310の故障の場合に,航空機姿勢,高度,対気速度及び方向の単純な表示)を継続することが可能になる。
【0159】
図11にさらに示すように,’558システム及び図7−10のシステムに関して既に説明したような比較器312は,完全性検査機能306と共に用いることが可能であり,好ましくは,ビデオスイッチ308と完全性検査機能306の間に配置される。比較器312は,ビデオスイッチ308から表示ビデオを受け取り,完全性検査機能306から画像検査点(image check points)を受け取り,完全性検査機能306と種々の制御及びデータ信号を交換する。第1及び第2ビデオグラフィックスプロセッサ300,302の両方が,所望により,一方が他方の部分集合を生成するという関係ではなく,同じ表示機能を有することができる点に注意すべきである。
【0160】
しかし,本発明によれば,共通の故障の可能性を最小にするために,これらのビデオグラフィックスプロセッサ300,302は,好ましくは,例えば,第1及び第2ビデオグラフィックスプロセッサ300,302に対して異なるブランド又は種類のビデオグラフィックスプロセッサを選択することによって,異なる潜在的故障スレッドを有するように選択されるべきである。
【0161】
所望により,’558システム又は図7−10のシステムに関連して説明した完全性検査方法を用いる代わりに,生成されたグラフィック情報の完全性を保証するために,後述の異なる方法が,好ましくは,利用される。
【0162】
代わりに用いられる,好ましい完全性検査方法は,後述する方法でビデオグラフィックスプロセッサによって連続的に生成される試験ページの集合の完全性を監視することを含む。一般に,不正確な画像の表示に繋がり,従って不一致に繋がり得る,最初のビデオグラフィックスプロセッサ設計でのエラーの可能性は,システム開発段階で厳しい試験を行うことによって劇的に小さくすることができる。
【0163】
このような厳しい試験は,好ましくは,要求される設計完全性レベルを保証するように十分にランダムな入力の組み合わせが試験される従来型のモンテカルロ試験方法を含む。現在好ましい代わりの方法は,ビデオグラフィックスプロセッサのバッチばらつき又はサブコンポーネントの故障に依るような故障を検出するために,一連の1つ以上の複雑画像が,設計段階で生成される。
【0164】
これらの複雑画像は,好ましくは,ビデオグラフィックスプロセッサを十分に機能させるように選択された命令の組み合わせによって生成される。各描画された画像の複雑チェックサム,例えば好ましくはCRCは,好ましくは,この設計段階の間に計算され,好ましくは,完全性検査機能(ICF)内にハードコード化される。
【0165】
その後,生成されたグラフィック情報の完全性を検査するために,ビデオグラフィックスプロセッサは,好ましくは,所定の画像の1つを描画するように頻繁に命令され、ICFは、この画像のチェックサムを計算し,そのチェックサムをハードコード化された基準線チェックサムと比較する。これらのチェックサム間の如何なるずれ又は不一致も,好ましくは,ビデオグラフィックスプロセッサが正確な画像を描画することに失敗したことを意味する。
【0166】
例えば,要求された画像を描画するためにOpenGL命令(commands)の部分集合を使用するアプリケーションを仮定する。70の異なるOpenGL命令がそのアプリケーション内で呼び出され,各命令は,順番に,ビデオグラフィックスプロセッサハードウエアの一部を機能させると仮定すると,OpenGL命令の代表的な組み合わせの試験は,使用される命令の結果に影響を与える部分的なデバイス故障を検出するであろう。
【0167】
この例では,10個の複雑な試験画像が定められている。各試験画像は,元のアプリケーション内で各命令と共に用いられるデータ範囲にわたるデータで70の命令を実行する。この現在好ましい方法によれば,各試験画像の複雑チェックサム,好ましくは,CRCは,開発段階の間に,計算され,試験画像を構成する一連の命令と共にICF内に格納される。ランタイムでは,ビデオグラフィックスプロセッサは,好ましくは,試験画像をメモリの分離された領域に描画するように命令される。
【0168】
上記のように,ICFは,好ましくは,ビデオグラフィックスプロセッサの動作が正しいことを確認するために,各試験画像の複雑チェックサムを計算し,そのチェックサムを,その試験画像に対してルックアップ表内に格納された期待される複雑チェックサムと比較する。
【0169】
好ましくは,各所定サイクル,例えば各50ミリ秒サイクルで,ビデオグラフィックスプロセッサが,元のアプリケーション画像をビデオメモリ内へ描画することを完了した後に,ビデオグラフィックスプロセッサは,ICFによって検査されるように,試験画像の1つをメモリの別の領域に描画するように命令される。この好ましい例では,このシーケンスは,50ミリ秒毎に,試験画像を次々と変えて,循環的に繰り返され,全ての試験画像が500ミリ秒毎に検査される。
【0170】
試験画像の1つを生成するグラフィックス命令の一例は,次の通りである。この命令の集合は,画像を9b7c2613というCRC値で描画する。このCRCは,グラフィックス命令の集合と共に,画像の完全性を検査し,ビデオグラフィックスプロセッサが正しく機能しているかどうかを判断するためにICFによって利用されるルックアップ表内に格納される。
【0171】
glViewPort(0,0,width,height);
glOrtho(left,right,bottom,top,near,far);
glClearColor(red, green, blue, alpha);
glClear(GL_COLOR_BUFFER_BIT);
/* graphics that are draw with vertex calls */
glPushMatrix()
glRotatef(angle, rx, ry, rz);
glTranslatef(tx, ty, tz);
glScalef(sx, sy, sz);
【0172】
/* call test states with blending/adialiasing/texture states stencil states */

SetState(state);
foreach primative in ( GL_POINTS GL_LINE_LOOP GL_LINE_STRIP
GL_TRIANGLES GL_TRIANGLE_STRIP GL_TRIANGLE-FAN
GL_QUADS GL_QUAD_STRIP GL_POLYGON)
glBegin(primative)
foreach vertex in verticies
glColor4f(red, green, blue, alpha);
glTexCoord2f(s, t)
glVertex3fV(vertex);
endfor
glEnd()
endfor
glPopMatrix()
glFinish();
【0173】
/* graphics that are draw with pixel based calls */

glPushMatrix()
glRotatef(angle, rx, ry, rz);
glTranslatef(tx, ty, tz);
glScalef(sx, sy, sz);
foreach image to be drawn
glRasterPos3f(x, y, z); /* set position based on current state of matrix stack */
glBitmap( width, height, xorig, yorig, xmove, ymove, bitmap);
glWindowPos2f(pixelX, pixelY); /* set position in pixel coordinates */
glBitmap( width, height, xorig, yorig, xmove, ymove, bitmap);
glRasterPos3f(x, y, z); /* set position based on current state of matrix stack */
glCopyPixels( x, y, width, height, type);
glWindowPos2f(pixelX, pixelY) ;
glCopyPixels( x, y, width, height, type);.
glRasterPos3f(x, y, z); /* set position based on current state of matrix stack */
glCopyPixels( x, y, width, height, type);
glWindowPos2f(pixelX, pixelY) ;
glCopyPixels( x, y, width, height, type);
glRasterPos3f(x, y, z); /* set position based on current state of matrix stack */
glDrawPixels( width, height, format, type, pixels);
glWindowPos2f(pixelX, pixelY) ;
glDrawPixels( width, height, format, type, pixels);
endfor
glPopMatrix()
【0174】
’558システムと図7−10のシステムに関連して説明したように,従来の,市販の,多目的コンピュータシステムハードウエアが,本発明のシステムの種々のコンポーネントに利用可能であることに注目すべきである。
【0175】
ここに記載された現在好ましい実施形態に基づいて,本発明の種々の基本的で新規な特徴を示し,説明し,指摘してきたが,これらの記載は,単に例示的なものであって,ここに記載したシステムの形式や細部に対する種々の省略,置換又は変更は,本発明の精神と範囲を逸脱することなく当業者がなすことができることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】米国特許第6,693,558号からの,複式航空機操縦席表示システムを形成する一対のフラットパネルグラフィック表示システムのブロック表示である。
【図2】図1のシステム用のシンボル生成器アーキテクチャーのブロック図である。
【図3】図2のシステムの入出力プロセッサのブロック図である。
【図4】図2のシステムのグラフィックスレンダリングコンピュータのブロック図である。
【図5】図2のシステムの比較器プロセッサのブロック図である。
【図6】図5の比較器プロセッサのビデオ比較器アレイのブロック図である。
【図7】この一部継続出願が基礎としている前記の同時係属米国特許出願に記載されている,本発明の現在好ましい改良されたシステムのブロック表示である。
【図8】本発明による,ソフトウエア比較器を採用している,図7のシステムの機能ブロック図である。
【図9】ハードウエア比較器を採用している,図8に類似した,機能ブロック図である。
【図10】ウォーターマークを有するADI背景を有する,本発明による,表示の一例である。
【図11】本システムのアーキテクチャーを示す,本発明の現在好ましいシステムの機能ブロック図である。
【図12】図11のシステムで第1ビデオグラフィックスプロセッサによって生成される,本発明による一般的な表示の一例である。
【図13】第2ビデオグラフィックスプロセッサによって生成される,本発明による,図12の表示の部分集合の一般的な表示の,図12に類似した一例である。
【符号の説明】
【0177】
10:表示システム 10a:改良された表示システム 10A:第1表示システム 10B:第2表示システム 12:表示器 16:制御器 18:センサ又はセンサ列 21:姿勢インジケータ 22:高度インジケータ 24:対気速度インジケータ 28:電源 30:入出力プロセッサ 32:比較器プロセッサ 32a:比較器ハードウエア 34:レンダリングコンピュータ 36:PCIバス 38:パラレルポートバス 42:インターフェース構成要素 44:メモリ 46:マイクロプロセッサ 50:グラフィックスプロセッサ 52:ビデオ送信器 54:AGPインターフェース 56:マイクロプロセッサ 70:ビデオ受信器 72:ビデオ送信器 74:ビデオ比較器ゲートアレイ 76:FIFO 78:マイクロプロセッサ 82:24ビットカウンタ 84:24ビット比較器 86:試験アドレスカウンタ 88:カラー比較器 200:プロセッサ 202,202a:完全性検査機能 204:グラフィックスレンダリング機能 206:ビデオグラフィックスプロセッサ 208:表示器 210:データ集信ユニット 212:表示制御パネル 214:センサデータ 216:共有メモリ 220:完全CRC検査されたテクスチャーマップ 222:ウォーターマーク
300:第1ビデオグラフィックスプロセッサ 302:第2ビデオグラフィックスプロセッサ 304:表示パネル 306:完全性検査機能 308:ビデオスイッチ 310:グラフィックスレンダリング機能 312:比較器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される航空機及び環境センサデータに基づく航空機飛行情報をビットマップ表示器上に画像化するための航空計器表示システムであって,
前記表示器は,その全体に渡る位置に存在する個別にアドレス可能であって,かつ前記表示器上に画像を生成するために動作可能な複数のピクセルで形成され,
前記システムは,グラフィックスビデオ画像化情報を生成する第1ビデオグラフィックスプロセッサを備え,前記第1ビデオグラフィックスプロセッサは,関係する潜在的故障スレッドを有し,
グラフィックスレンダリング機能を提供するために前記第1グラフィックスプロセッサに動作可能に接続されるグラフィックスレンダリングプロセッサ手段と,
前記第1ビデオグラフィックスプロセッサの機能が適切であることを検証する完全性検査機能を提供するために前記グラフィックスレンダリングプロセッサ手段に動作可能に接続される完全性検査プロセッサ手段とを備え,
前記第1ビデオグラフィックスプロセッサは,前記グラフィックスビデオ画像化情報から,航空機の動作中に航空機の航空機乗組員によって使用される前記航空機飛行情報のグラフィック表示を生成し,
前記完全性検査プロセッサ手段は,前記グラフィック表示の完全性に基づいて切り替え制御信号の出力を提供し,
第1及び第2入力と,出力とを有するビデオスイッチ手段を備え,
前記第1入力は,前記完全性検査プロセッサ手段から前記制御信号を受け取ってそれに対応するために前記完全性検査プロセッサ手段に動作可能に接続され、
前記第2入力は,前記グラフィックスビデオ画像化情報を受け取るために前記第1ビデオグラフィックスプロセッサに動作可能に接続され,
前記出力は,切り替え用の前記制御信号に応答して前記表示器にグラフィック表示を提供するために,前記表示器にグラフィック表示可能な情報を提供するために前記表示器に動作可能に接続され、
前記完全性検査プロセッサ手段と,前記ビデオスイッチ手段への入力の間に動作可能に接続され、グラフィックスビデオ画像化情報を生成する第2ビデオグラフィックスプロセッサを備え,
第2ビデオグラフィックスプロセッサは,前記第1ビデオグラフィックスプロセッサとは異なる潜在的故障スレッドを有し,
前記ビデオスイッチ手段の出力は,前記制御信号に応答して前記第1ビデオグラフィックス画像化情報と前記第2ビデオグラフィックス画像化情報とを切り替え、これによって、共通の故障スレッドを避け,前記完全性検査プロセッサ手段が前記第1ビデオグラフィックスプロセッサに対して不一致条件を検出したときでも前記グラフィック表示を提供し、これによって重要な表示データの入手可能性が維持される航空計器表示システム。
【請求項2】
第1ビデオグラフィックスプロセッサによって提供されるグラフィックスビデオ画像化情報は,第2ビデオグラフィックスプロセッサによって提供されるグラフィックスビデオ画像化情報と同じである請求項1に記載の航空計器表示システム。
【請求項3】
第1ビデオグラフィックスプロセッサによって提供されるグラフィックスビデオ画像化情報は,第2ビデオグラフィックスプロセッサによって提供されるグラフィックスビデオ画像化情報と実質的に同じである請求項1に記載の航空計器表示システム。
【請求項4】
第1及び第2ビデオグラフィックスプロセッサは,関係するシステムアーキテクチャーが異なる請求項1に記載の航空計器表示システム。
【請求項5】
第1及び第2ビデオグラフィックスプロセッサは,種類が異なる請求項1に記載の航空計器表示システム。
【請求項6】
第1及び第2ビデオグラフィックスプロセッサは,ブランドが異なる請求項1に記載の航空計器表示システム。
【請求項7】
第2ビデオグラフィックスプロセッサによって生成されるビデオ画像化グラフィックス情報は,第1ビデオグラフィックスプロセッサに生成されるビデオ画像化グラフィックス情報の所定の部分集合である請求項1に記載の航空計器表示システム。
【請求項8】
第1ビデオグラフィックスプロセッサに生成されるビデオ画像化グラフィックス情報は,高品位のグラフィックスビデオ画像化情報からなり,前記部分集合は,低品位のグラフィックスビデオ画像化情報からなる請求項7に記載の航空計器表示システム。
【請求項9】
第1ビデオグラフィックスプロセッサに生成されるビデオ画像化グラフィックス情報は,航空機の位置及び方向オーバーレイを含む三次元地形マップと共に対気速度及び高度テープを有するEADIのアンチエイリアシングされた画像からなる請求項7に記載の航空計器表示システム。
【請求項10】
前記ビデオ画像化グラフィックス情報の所定の部分集合は,アンチエイリアシングされていない,対気速度及び高度テープを有するEADIの単純なライン表示と,航空機の位置及び方向の単純な表示からなる請求項9に記載の航空計器表示システム。
【請求項11】
前記システムは,完全性検査プロセッサ手段と,ビデオスイッチ手段の間に動作可能に接続され,前記ビデオスイッチ手段から表示ビデオ画像化データを受け取り,前記完全性検査プロセッサ手段から画像検査点データを受け取る比較器プロセッサをさらに備え,
前記比較器プロセッサは,前記ビデオ画像化データと,前記画像検査点データを比較し,それによってグラフィック描画された航空機飛行情報を評価して,第1ビデオグラフィックスプロセッサによって提供される前記ビデオ画像化データの正当性が確認されないときに前記完全性検査プロセッサ手段が前記制御信号を生成することを可能にする請求項1に記載の航空計器表示システム。
【請求項12】
第1ビデオグラフィックスプロセッサによって提供されるグラフィックスビデオ画像化情報は,第2ビデオグラフィックスプロセッサによって提供されるグラフィックスビデオ画像化情報と同じである請求項11に記載の航空計器表示システム。
【請求項13】
第1ビデオグラフィックスプロセッサによって提供されるグラフィックスビデオ画像化情報は,第2ビデオグラフィックスプロセッサによって提供されるグラフィックスビデオ画像化情報と実質的に同じである請求項11に記載の航空計器表示システム。
【請求項14】
第1及び第2ビデオグラフィックスプロセッサは,関係するシステムアーキテクチャーが異なる請求項11に記載の航空計器表示システム。
【請求項15】
前記システムは,完全性検査プロセッサ手段と,ビデオスイッチ手段の間に動作可能に接続され,前記ビデオスイッチ手段から表示ビデオ画像化データを受け取り,前記完全性検査プロセッサ手段から画像検査点データを受け取る比較器プロセッサをさらに備え,
前記比較器プロセッサは,前記ビデオ画像化データと,前記画像検査点データを比較し,それによってグラフィック描画された航空機飛行情報を評価して,第1ビデオグラフィックスプロセッサによって提供される前記ビデオ画像化データの正当性が確認されないときに前記完全性検査プロセッサ手段が前記制御信号を生成することを可能にする請求項5に記載の航空計器表示システム。
【請求項16】
前記システムは,完全性検査プロセッサ手段と,ビデオスイッチ手段の間に動作可能に接続され,前記ビデオスイッチ手段から表示ビデオ画像化データを受け取り,前記完全性検査プロセッサ手段から画像検査点データを受け取る比較器プロセッサをさらに備え,
前記比較器プロセッサは,前記ビデオ画像化データと,前記画像検査点データを比較し,それによってグラフィック描画された航空機飛行情報を評価して,第1ビデオグラフィックスプロセッサによって提供される前記ビデオ画像化データの正当性が確認されないときに前記完全性検査プロセッサ手段が前記制御信号を生成することを可能にする請求項6に記載の航空計器表示システム。
【請求項17】
前記システムは,完全性検査プロセッサ手段と,ビデオスイッチ手段の間に動作可能に接続され,前記ビデオスイッチ手段から表示ビデオ画像化データを受け取り,前記完全性検査プロセッサ手段から画像検査点データを受け取る比較器プロセッサをさらに備え,
前記比較器プロセッサは,前記ビデオ画像化データと,前記画像検査点データを比較し,それによってグラフィック描画された航空機飛行情報を評価して,第1ビデオグラフィックスプロセッサによって提供される前記ビデオ画像化データの正当性が確認されないときに前記完全性検査プロセッサ手段が前記制御信号を生成することを可能にする請求項7に記載の航空計器表示システム。
【請求項18】
前記システムは,完全性検査プロセッサ手段と,ビデオスイッチ手段の間に動作可能に接続され,前記ビデオスイッチ手段から表示ビデオ画像化データを受け取り,前記完全性検査プロセッサ手段から画像検査点データを受け取る比較器プロセッサをさらに備え,
前記比較器プロセッサは,前記ビデオ画像化データと,前記画像検査点データを比較し,それによってグラフィック描画された航空機飛行情報を評価して,第1ビデオグラフィックスプロセッサによって提供される前記ビデオ画像化データの正当性が確認されないときに前記完全性検査プロセッサ手段が前記制御信号を生成することを可能にする請求項8に記載の航空計器表示システム。
【請求項19】
入力される航空機及び環境センサデータに基づく航空機飛行情報をビットマップ表示器上に画像化するための航空計器表示システムであって,
前記表示器は,その全体に渡る位置に存在する個別にアドレス可能であって,かつ前記表示器上に画像を生成するために動作可能な複数のピクセルで形成され,
前記システムは,ビデオグラフィックスプロセッサと,完全性検査機能及びグラフィックスレンダリング機能を提供するために前記ビデオグラフィックスプロセッサに動作可能に接続されたプロセッサ手段とを備え,
前記完全性検査機能は,基準線として描画され得る,各グラフィックス画像の所定の画像に対する複雑チェックサムを格納する手段を備え,
前記システムは,前記ビデオグラフィックスプロセッサに前記所定の格納された画像の少なくとも1つを描画するように命じる手段をさらに備え,
前記完全性検査機能は,描画された画像に対する画像チェックサムを計算し,基準線からのずれを判断するために,このチェックサムと,前記画像に対応した格納された複雑チェックサムと比較し,
前記システムは,前記ずれの何れもビデオグラフィックスプロセッサによる正しい画像を描画することの失敗であることを認識する手段をさらに備える航空計器表示システム。
【請求項20】
前記プロセッサ手段は,分離された完全性検査機能手段と,グラフィックスレンダリング機能手段からなる請求項19に記載の航空計器表示システム。
【請求項21】
前記プロセッサ手段は,共通の完全性検査機能とグラフィックスレンダリング機能手段からなる請求項19に記載の航空計器表示システム。
【請求項22】
前記複雑チェックサムは,CRCからなる請求項19に記載の航空計器表示システム。
【請求項23】
前記プロセッサ手段は,分離された完全性検査機能手段とグラフィックスレンダリング機能手段からなる請求項22に記載の航空計器表示システム。
【請求項24】
前記プロセッサ手段は,共通の完全性検査機能とグラフィックスレンダリング機能手段からなる請求項22に記載の航空計器表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図7】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−108166(P2007−108166A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−229450(P2006−229450)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.モトローラ
【出願人】(503295378)イノベイティブ・ソリューションズ・アンド・サポート・インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】