情報処理装置、印刷制御方法、プログラム及び記憶媒体
【課題】 簡単な操作で、ジョブの判定条件に適応して印刷設定を行うとともに、ユーザからの変更要求に応じて印刷設定を変更する。
【解決手段】
プリンタドライバは、印刷設定を行うユーザインタフェースを開く要求を受け付けると(S801)、初期設定された印刷設定値の変更を受け付ける(S803)。そして、プリンタドライバは、受け付けた印刷設定値に従いジョブを処理する。一方、印刷設定を行うユーザインタフェースを開く要求を受け付けていない場合、プリンタドライバは、ジョブから取得可能な判定条件に対してあらかじめ設定された初期設定値を用いて印刷設定を行い、当該印刷設定でジョブを処理することを特徴とする。
【解決手段】
プリンタドライバは、印刷設定を行うユーザインタフェースを開く要求を受け付けると(S801)、初期設定された印刷設定値の変更を受け付ける(S803)。そして、プリンタドライバは、受け付けた印刷設定値に従いジョブを処理する。一方、印刷設定を行うユーザインタフェースを開く要求を受け付けていない場合、プリンタドライバは、ジョブから取得可能な判定条件に対してあらかじめ設定された初期設定値を用いて印刷設定を行い、当該印刷設定でジョブを処理することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタドライバを用いてジョブを処理する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TCO(Total Cost of Ownership)削減やエコロジー問題に関する意識が高まっている。管理者として、カラーが不要な文書に対しては高価なカラー印刷を行わせない取り組みや、出力用紙数を削減するために2ページ/枚印刷や両面印刷を実施することが望まれている。
【0003】
例えば、印刷用途によって、見積書のような社外文書であれば、カラー印刷、1ページ/枚、片面を許可し、それ以外の社内文書であればモノクロ印刷、2ページ/枚、両面で印刷させたい。
【0004】
上記要求を満たすための従来例として、以下の2つの下記特許文献をあげる。
特許文献1においては、印刷アプリケーション名、印刷実行環境であるマシン名、印刷文書のドキュメント名、印刷文書のカラー比率などの条件を用い、該当しない印刷に関しては、カラー印刷の出力制限を実施する。そのことにより無駄なカラー印刷を制限して、カラートナーの使用量を削減している。
【0005】
また、特許文献2においては、ユーザIDと印刷実行ファイル名を判断条件として、許可されていない組合せにおいては、モノクロ印刷へ印刷設定を強制変更、または印刷キャンセルする。さらに、WEBやE-Mailによる申請を行うことにより許可が得られればカラー印刷が可能になる。
【特許文献1】特開2007-058746号公報
【特許文献2】特開2007-241489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のシステム例は、管理者の視点で、条件によってコストが高い印刷設定を抑制するシステムであった。管理者が設定した条件と合致していない場合、業務上、カラー印刷、1ページ/枚、片面印刷を行う必要があっても、それらの設定が抑制される結果となる。
【0007】
この場合において、業務上印刷を行う一般ユーザは、申請などを行わなければ業務上必要なカラー印刷結果を得ることができず、不便を感じるばかりか、ユーザは印刷の度に印刷設定のための操作負担を強いられる結果となる。
【0008】
このような印刷システムにおいて、TCO削減やECO対応と、業務的な快適さを両立するためには、従来例のような印刷設定を管理者による設定で抑制するシステムではなく、印刷用途を推論し印刷設定を補助してくれる機能が望まれる。さらに、印刷用途を推論し印刷設定を補助を用いる場合であっても、ユーザからの印刷要求に柔軟に適応できる印刷設定環境が望まれている。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、簡単な操作で、初期設定に従いジョブの判定条件に適応して印刷設定を行うとともに、ユーザからの要求に応じて印刷設定を変更できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明の情報処理装置は以下に示す構成を備える。
【0011】
印刷装置に出力するジョブを生成するプリンタドライバを備える情報処理装置であって、初期設定されて前記ジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能またはユーザが前記ジョブに対して印刷設定を行う機能を用いて印刷設定を行う印刷設定手段と、初期設定された印刷設定を変更するためのユーザインタフェースをユーザが要求しているかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段が前記ユーザインタフェースをユーザが要求していると判断した場合、前記ユーザインタフェースで変更された印刷設定値に基づいて前記ジョブを処理し、前記判断手段が前記ユーザインタフェースをユーザが要求していないと判断した場合、前記ジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能に従いジョブを処理する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通常印刷の印刷設定のUIを開かない場合は、条件に従い印刷設定を自動的に設定し、印刷設定のUIを開いて、ユーザが設定した場合、その設定条件に従い印刷することができる。
【0013】
また、簡単な操作で、初期設定に従いジョブの判定条件に適応して印刷設定を行うとともに、ユーザからの要求に応じて印刷設定を変更できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の実施形態を示す情報処理装置の構成を説明するブロック図である。本例は、一般的なコンピュータを用いて印刷処理システムを構成した例である。
【0016】
なお、特に断らない限り、本発明の機能が実行されるのであれば、単体の機能であっても、複数の機器からなるシステムであっても、LAN等のネットワークを介して接続がなされ処理が行われるシステムであっても、本発明を適用できることは言うまでもない。
【0017】
図1において、CPU101は、ROM102あるいはRAM103あるいは外部記憶装置105に格納されたプログラムに従って装置全体の制御を行う。RAM103は、CPU101が各種処理を行う際のワークエリアとしても使用される。
【0018】
外部記憶装置105は、オペレーティングシステム(OS)1054やアプリケーションソフト1051等がインストールされている。キーボード108やマウスなどのポインティングデバイス109は、入力I/F104を通じて、ユーザがコンピュータに対して各種指示を与えるためのデバイスである。
【0019】
出力I/F106は、データを外部に出力するためのインタフェースであり、モニタ110やプリンタ111に対してデータを出力する。プリンタ111とは、直接接続されるローカルI/Oのみならず、LANやWANといったネットワークを通して接続されていてもよい。
【0020】
また、107は共通データバスで、それぞれのデータのやりとりを行う。
【0021】
図1の外部記憶装置105には、アプリケーション1051と印刷関連プログラム1052とプリンタドライバ1053とOS1054が記憶されており、CPU101がRAM103にロードして実行する。
【0022】
図2は、図1に示した印刷システムのソフトウェアの構成を説明するブロック図である。
【0023】
図2において、コンピュータ上での印刷処理は、主にアプリケーションソフト1051と、プリンタドライバ1053によって実行される。なお、本実施形態において、プリンタドライバ1053は、初期設定されてジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能のための印刷用途別設定部と、ユーザが前記ジョブに対して印刷設定を行う機能を用いて印刷設定を行うためのユーザインタフェース部を備える。
【0024】
プリンタドライバ1053の主な役目の1つ目は、後述するユーザインタフェースをモニタ110に表示して、ユーザにプリンタの機能を選択ささせることである。さらに、プリンタドライバ1053の主な役目の2つ目は、アプリケーションソフト1051からの印刷要求を印刷コマンドに変換することである。
【0025】
プリンタドライバ1053は、印刷設定の生成を主な役割とするユーザインタフェース部10531と、印刷設定と伴に、ページ内の描画を印刷コマンドに変換する印刷コマンド生成部10533で構成される。
【0026】
プリンタドライバ1053によって変換された印刷コマンドは、出力I/F106を介してプリンタ111へ渡され、実際の紙などの印刷媒体への印刷描画はプリンタ111で実施される。
【0027】
加えて本実施形態では、プリンタドライバ1053に、印刷用途別設定部10532を有する。
【0028】
印刷用途別設定部10532は、印刷モジュール名称や、印刷ジョブ名称、およびページ内の文字列などの情報を用いて、印刷用途を推論し、印刷設定値を自動的に変更するモジュールである。ここで、印刷モジュール名称とは、アプリケーションソフト1051が印刷を実行する際のプログラムの実行モジュール名である。印刷ジョブ名称とは、アプリケーションソフト1051が印刷を実行する際に、このジョブに関して設定する印刷ジョブに対する名称である。
【0029】
更に加えて、印刷関連プログラム1052として、印刷用途の判定条件とその条件が成立した場合の適用候補となる印刷設定値を登録するためのおまかせ設定部10521を有する。
【0030】
ここで、おまかせ設定部10521は、図3に示すユーザインタフェースを介してユーザからの入力を受け付け、おまかせの条件と設定10522として、外部記憶装置105へ保存する。
【0031】
図3は、図1に示したモニタ110に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。本例は、おまかせ設定部10521がモニタ110に表示する設定画面(UI)300の例である。
【0032】
本実施形態においては、印刷設定内部情報(DEVMODE)として”おまかせ”という特定の設定値の選択肢を設け初期設定する。本UIで設定変更可能とするカラー設定として、0)おまかせ、 1)モノクロ、 2)カラー、 3)モノクロ/カラー自動切り替えがある。また、Nup設定として、0)おまかせ, 1)1up、2)2up、3)4upがある。さらに、両面設定として、0)おまかせ、1)片面,2)両面がある。
【0033】
また、印刷設定値として、Case1)“おまかせ”が入ってきた場合(UI上でユーザが設定していないので)は、判定条件を用いて印刷設定を決定し、印刷設定のコンフリクト解決を行い印刷設定の整合性を保つように設定で印刷を行う。また、Case2)“おまかせ”以外の値が入ってきた場合(UIで設定されたので)は、その設定で印刷を行う。
【0034】
図3において、おまかせ設定部10521の設定UIは、ダイアログ形式の設定アプリケーションである。ジョブから取得可能な印刷用途の判定条件301として、設定UI300は、印刷モジュール名称と、印刷ジョブ名と、印刷ページ内の文字列の項目を有している。
【0035】
また、その条件が成立した場合に自動変更する印刷設定値302として、2ページ/枚などのページレイアウトと、両面印刷などの印刷方法、およびモノクロ印刷などのカラーモードを有している。
【0036】
設定UI300では、設定例として、既におまかせ設定303aから303cが登録されている。以下、おまかせ設定303aから303cを総称する場合には、おまかせ設定303として説明する。
【0037】
ここで、おまかせ設定303aは、印刷モジュール名がAAA.exeの時に、印刷設定値として、2ページ枚、両面印刷、モノクロ印刷を適用候補とする設定である。
【0038】
また、おまかせ設定303bは、印刷モジュール名がBBB.exeであり、印刷ジョブ名が“見積り“という文字列を含み、かつページ内文字列に”見積書“を含んだ場合に、印刷設定値として、1ページ枚、片面印刷、カラー印刷を適用候補とする設定である。
【0039】
さらに、おまかせ設定303cは、印刷モジュール名がBBB.exeであり、印刷ジョブ名が“見積り“という文字列を含んだ場合に、印刷設定値として1ページ枚、片面印刷、モノクロ印刷を適用候補とする設定である。
【0040】
これらのおまかせ設定303は、ユーザが追加ボタン304と、削除ボタン305を押下することにより、おまかせ設定部10521により追加または削除される。設定される条件として、印刷モジュール名、印刷ジョブ名、ページ内文字が設定可能である。設定される条件としては、印刷モジュール名のみを条件としても良いし、印刷ジョブ名のみを条件としても良いし、ページ内文字のみを条件としても良い。また、それぞれを組合わせた条件とすることもできる。また、ページレイアウト306,印刷方法307,カラーモード308とOKボタン309を備える。
【0041】
おまかせ設定303を追加する場合に用いる、おまかせの設定詳細ダイアログ3040を一例として図4に示す。
【0042】
図4は、図1に示したモニタ110に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。本例は、図2に示した「おまかせ設定部10521」がユーザにより操作される追加ボタン304の押下を受け付けた場合に図4に示すおまかせの設定詳細ダイアログ3040を表示する。
【0043】
本実施形態において、おまかせの設定詳細ダイアログ3040では、印刷用途の判定条件3047と、その条件が成立した場合に適用候補となる印刷設定値3048が設定可能である。
【0044】
図4において、おまかせの設定詳細ダイアログ3040は、印刷用途の判定条件として、印刷モジュール名称3041と、印刷ジョブ名3042と、そして、ページ内の文字列3049の入力フィールドを有する。複数のフィールドにユーザから判定条件3047が入力された場合、これらが全て一致した場合に、条件が成立したと印刷用途別決定部10532により判断される。
【0045】
さらに、その判定条件3047が成立した場合の適用候補となる印刷設定値3048の入力手段として、ページレイアウト3043と、印刷方法3044と、そしてカラーモード3045のコンボボックスを有する。
【0046】
本実施形態では、ページレイアウト3043は、選択肢として、1ページ/枚、2ページ/枚、4ページ/枚の項目を有する。また、印刷方法3044は、選択肢として、片面印刷と両面印刷の項目を有する。
【0047】
さらに、カラーモード3045は、モノクロ印刷と、カラー印刷の項目を有する。
【0048】
また、おまかせの設定詳細ダイアログ3040において、ユーザがOKボタン3046を押下すると、おまかせ設定部10521は、おまかせの設定詳細ダイアログ3040を閉じる。
【0049】
さらに、おまかせ設定部10521は、設定された印刷用途の判定条件3047とその条件が成立した場合に適用候補となる印刷設定値3048を、おまかせ条件と設定値10522の一部として外部記憶装置105へ保存する。
【0050】
最後に、新しいおまかせ設定303として設定された印刷用途の判定条件3047とその条件が成立した場合に適用候補となる印刷設定値3048を、設定UI300へ追加表示する。
【0051】
一方、図3に示した設定UI300において、おまかせ設定部10521は、ユーザが1つのおまかせ設定303を選択した状態で、削除ボタン305が押下したことを受け付ける。そして、おまかせ設定部10521は、ユーザの操作で選択されたおまかせ設定を外部記憶装置105より削除する。
【0052】
さらに、おまかせ設定部10521は、設定UI300の表示からも選択中のおまかせ設定を消す。
【0053】
おまかせ設定部10521の設定UI300は、おまかせ設定303の条件が成立しない場合の印刷設定値の入力手段として、ページレイアウト306と、印刷方法307と、そしてカラーモード308のコンボボックスを有する。
【0054】
本実施形態では、ページレイアウト306は、選択肢として、1ページ/枚、2ページ/枚、4ページ/枚の項目を有する。また、印刷方法307は、選択肢として、片面印刷と両面印刷の項目を有する。
【0055】
さらに、カラーモード308は、モノクロ印刷とカラー印刷の項目を有する。おまかせ設定部10521は、設定UI300のOKボタン309の押下を受け付け、上記306〜308で入力された、条件に該当しない場合の印刷設定値を、おまかせ条件と設定値10522の一部として外部記憶装置105へ保存する。その後、おまかせ設定部10521は、モニタ110に表示された設定UI300を閉じて、UI制御を終了する。
【0056】
図5は、図1に示した外部記憶装置105に保存された判定条件と印刷設定値との関係を説明する図である。
【0057】
本例は、おまかせ設定部10521によって外部記憶装置105に保存される、図2に示した「おまかせ条件と設定10522」の一例である。
【0058】
図5に示すように本実施形態では、おまかせ条件と設定10522は、印刷用途の推論を行うための判定条件500と、その条件が成立する際に適用候補となる印刷設定値503で構成される。
【0059】
さらに印刷用途の推論を行うための判定条件500は、UI上での印刷設定時に確定する条件501と、印刷出力処理時で分かる条件502に分けられる。
【0060】
ここで、UI上での印刷設定時に確定する条件501としては、印刷モジュール名が挙げられる。印刷出力処理時で分かる条件502としては、印刷ジョブ名称と、ページ内に含まれる文字列があげられる。
【0061】
図5の例では、おまかせ設定部10521の設定UI300のおまかせ設定303a〜303cが、それぞれ、おまかせ設定504a〜504cとして格納されている。
【0062】
ここで、おまかせ設定504bと504cで示すように一部の条件が同じ場合がある。この例では、印刷モジュール名とジョブ名は同じ“BBB.exe”と、“見積り“であるが、ページ内の文字列の条件が異なる。印刷用途の推論を判定するにあたり、複雑な条件504bを包含するより簡単な条件504cが先に出現すると、簡単な条件504cを優先して印刷用途を推論してしまう可能性がある。
【0063】
よって、おまかせ設定部10521は、外部記憶装置105へ保存する際に以下のソート処理を行う。
【0064】
まず、おまかせ設定部10521は、印刷用途の推論で先に判定する条件でおまかせ設定をソートする。さらに、おまかせ設定部10521は、ソート後に同じ条件を持つ「おまかせ設定」に対しては、次に判定する条件でソートする。上記ソートの際に、条件設定なしは最後に出現するようにソートする。
【0065】
本実施形態では、先に印刷モジュール名で条件をソートし、同じ印刷モジュール名のBBB.exeの条件を持つものに関して、ジョブ名の条件でソートし、最後に、ページ内の文字列の条件でソートする。
【0066】
また、おまかせ設定部10521の設定UI300の印刷設定に相当する、おまかせ設定504a〜504cの条件に該当しない場合の印刷設定値を設定値505として格納する。ここで、印刷設定とは、ページレイアウト306,印刷方法307,カラーモード308である。
【0067】
図6は、本実施形態を示す情報処理装置における印刷全体の印刷制御シーケンス例を説明する図である。本例は、図5のおまかせ設定504aの条件下で、ユーザが印刷プロパティダイアログを開いて、カラーモードをカラー印刷へ変更した後、印刷した場合の印刷全体の処理シーケンス例を示している。以下、アプリケーションソフト1051と、プリンタドライバ1053との間での、印刷設定と印刷出力処理の流れを説明する。なお、アプリケーションソフト1051と、プリンタドライバ1053とを、AP1051と、PD1053と略記する。
【0068】
AP1051は、OS機能により起動されモニタ110に表示される。モニタ110に表示されたAP1051は、ユーザによるキーボード108やマウスなどポインティングデバイス109の操作を受け付けて印刷処理を行う。
【0069】
印刷処理に応じて、AP1051はOS提供のAPI(Application Program Interface)をコールする。そのコールを受けてPD1053は、OS機能により適宜アプリケーションの印刷モジュールのプロセス内にロードされ動作する。
【0070】
AP1051は、S600で、ユーザからの印刷プロパティダイアログを開く指示を受け付ける。そして、S601で、AP1051は、印刷プロパティダイアログを開く命令をPD1053へ発行する。
【0071】
そして、S602で、PD1053は、ユーザインタフェース部10531を使って、図7に一例を示す印刷プロパティダイアログ700の初期化処理を行う。
【0072】
図7は、図1に示したモニタ110に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。本例は、PD1053による印刷プロパティダイアログ700の例である。
【0073】
この印刷プロパティダイアログ700の例では、用紙サイズ701と、用紙向き702と、ページレイアウト703と、印刷方法704と、カラーモード705と、そしてスタンプ706の設定を受け付けるアイテムを有している。ページレイアウト703の従来の選択肢としては、1ページ/枚、2ページ/枚、4ページ/枚の項目を有する。
【0074】
印刷方法704の従来の選択肢としては、片面印刷と両面印刷の項目を有する。カラーモード705の従来の選択肢としては、モノクロ印刷と、カラー印刷の項目を有する。
【0075】
また、本実施形態では加えてページレイアウト703と、印刷方法704と、そしてカラーモード705に、印刷ジョブの用途をPD1053が推論する“おまかせ”という特定の選択肢を有する。
【0076】
次に、S602で、PD1053は、ユーザインタフェース部10531を使って、初期化処理で、“おまかせ”を選択状態として印刷プロパティダイアログ700を表示する。
【0077】
さらに、PD1053は初期状態として印刷設定値601を保持しており、ページレイアウト703と、印刷方法704と、そしてカラーモード705ともに、“おまかせ”となっている。
【0078】
ユーザからの印刷プロパティダイアログ700のカラーモード705のコンボボックスでの「おまかせ」からカラー印刷への変更をうけて、PD1053は、印刷設定値601のカラーモードをカラー印刷へ変更する。
【0079】
さらに、PD1053は、ユーザからの印刷プロパティダイアログ700のOKボタン707の押下を受け付ける。そして、S604で、PD1053は、ユーザインタフェース部10531を使って、複数の設定値間での矛盾(コンフリクト)を解決するUI入力設定の禁則処理を行う。
【0080】
その後、PD1053は、ページレイアウト:おまかせ、印刷方法:おまかせ、カラーモード:カラー印刷の印刷設定値602をAP1051へ受け渡す。
【0081】
そして、S605で、ユーザからの印刷実行指示を受け付けて、S606で、AP1051は、印刷設定値602を用いて、PD1053へ印刷設定を行う。この際に、AP1051は印刷ジョブ名を設定する。次に、S607で、PD1053は、印刷用途を推論するために、OS提供のAPIを使ってPD1053がロードされているプロセスである印刷モジュール名称と、印刷ジョブ名を判定条件として取得する。印刷モジュール名からアプリケーションを特定でき、印刷用途が推論できる。
【0082】
続けて、S608で、AP1051は、印刷文書内の文字列や図形やビットマップなどの描画をPD1053へ依頼する。そして、S609で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、外部記憶装置105よりおまかせ条件と設定10522を読み込む。
【0083】
さらに、S610で、PD1053はおまかせ条件と設定10522に登録されている文字列がページ内の描画に含まれているかを判断する。次に、S611で、PD1053は印刷用途別設定部10532を使って、図9に示す印刷時おまかせ決定処理を実施し、印刷設定値602で“おまかせ”となっている設定を決定する。
【0084】
この例では、図5に示した条件504aが該当し、印刷設定値602の「おまかせ」となっているページレイアウトと印刷方法が、それぞれ2ページ/枚、両面に決定される。
【0085】
なお、S603で、ユーザが意図的に印刷プロパティダイアログ700で変更したカラーモードは、カラー印刷の状態のまま保持される。また、推論処理の詳細に関しては、図9を用いて後述する。
【0086】
次に、S612で、S611で決定された印刷設定値602から印刷設定値間の矛盾を除くために、PD1053は印刷設定値の禁則処理を行う。そして、S613で、印刷設定値602を元にPD1053は、印刷コマンド生成部10534を用いて印刷コマンドを発行する。
【0087】
本実施形態では上記印刷時の印刷制御シーケンス例を用いて説明したように、印刷プロパティダイアログ700を開いてユーザが意図的に設定した場合はその印刷設定値が保持される。
【0088】
また、ユーザが意図的に設定しなかった“おまかせ”となっている印刷設定項目に関しては、印刷用途別設定部10532が印刷用途を判断して印刷設定値を決定する。
【0089】
さらに、上記シーケンス例では、印刷プロパティダイアログ700を開いてカラーモードを変更した。しかし、例えば、印刷プロパティダイアログ700を開かずに初期状態の印刷設定のままで、印刷をかけることもできる。その場合はページレイアウトと、印刷方法と、そしてカラーモード設定は、印刷用途の推論によって決定される。
【0090】
図8は、本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、印刷設定から印刷コマンドを生成するまでの一連の印刷制御例である。なお、S800〜S807は各ステップを示し、各ステップは、CPU101が外部記憶装置105からOS1054、プリンタドライバ1053をRAM103にロードして実行することで実現される。
【0091】
まず、S800で、PD1053はユーザインタフェース部10531を使って、印刷設定情報のページレイアウトと、印刷方法と、そしてカラーモードを「おまかせ」の設定とする。つまり、印刷設定機能として、「おまかせ」が初期設定される。
【0092】
次に、S801で、AP1051より、印刷プロパティダイアログを開く指示がなされているかどうかをPD1053が判断する。ここで、印刷プロパティダイアログを開く指示がなされているとPD1053が判断した場合は、S802へ進み、それ以外であると判断した場合は、S805へ進む。
【0093】
そして、S802で、PD1053は、UI設定時の処理として、ユーザインタフェース部10531を使って、図7に示した印刷プロパティダイアログ700をモニタ110に表示する。ここでは、印刷プロパティダイアログ700のページレイアウト703と、印刷方法704と、そしてカラーモード705で、「おまかせ」が選択状態として表示される。
【0094】
次に、S803で、PD1053は、印刷プロパティダイアログ700上でユーザからの設定変更の入力を受け付ける。そして、図7に示す印刷プロパティダイアログ700において、ユーザがOKボタン707を押下するのを受け付けたら、S804へ進む。そして、S804で、PD1053は、ユーザインタフェース部10531を使って、複数の設定値間での矛盾を解決するUI入力設定の禁則処理を行う。
【0095】
そして、S805で、PD1053は、AP1051から印刷設定情報を受け取る。そして、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、図9に示す印刷時おまかせ決定処理を実施し、AP1051から受け取った印刷設定情報の“おまかせ”設定となっている項目を決定する。なお、用途を推論する処理の詳細については、図9を用いて後述する。
【0096】
次に、S806で、PD1053は印刷設定情報から設定的な矛盾を除くために、禁則処理を行う。そして、S807で、PD1053は、印刷設定情報を元に印刷コマンド生成部10534を用いて印刷コマンドを発行して、本処理を終了する。
【0097】
図9は、本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、印刷制御において、印刷出力処理時の印刷用途を推論し印刷設定を決定する処理例である。なお、S900〜S909は各ステップを示し、各ステップは、CPU101が外部記憶装置105からOS1054、プリンタドライバ1053をRAM103にロードして実行することで実現される。
【0098】
まず、S900で、PD1053は、印刷用途を推論するために、OSが提供するAPI(Application Program Interface)を使ってPD1053がロードされているプロセスである印刷モジュール名称と、印刷ジョブ名を取得する。
【0099】
そして、S901で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、外部記憶装置105よりおまかせ条件と設定10522を読み込む。次に、S902で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、おまかせ条件と設定値10522に登録されている文字列がページ内の描画に含まれているかを確認する。
【0100】
そして、S903で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、AP1051から受け取った印刷設定情報におまかせの状態の設定項目がないかを判断する。ここで、おまかせの状態の設定項目が1つでもあるとPD1053が判断した場合は、その設定値を決定するために、S904へ進み、おまかせの状態の設定項目がないとPD1053が判断した場合は、S909へ進む。
【0101】
そして、S904で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、おまかせ条件と設定10522に登録されている最後の判定条件が処理済みか判断する。ここで、最後の判定条件が処理済みであるとPD1053が判断した場合は、S908へ進み、まだ判断条件に関して最後まで処理していないとPD1053が判断した場合は、S905へ進む。
【0102】
次に、S905で、PD1053は、印刷用途別設定部10532より、次の判定条件を取得して、現在の判定条件とする。ここで、図5に示した「おまかせ条件と設定値」を例とすると、PD1053は、おまかせ設定504a〜504cのうちの処理されていない条件を、表の上から下方向に取得し、現在の判定条件として設定する。
【0103】
次に、S906で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、現在の判定条件と、S900で取得した印刷モジュール名称と印刷ジョブ名、及びS902で判断したページ内の文字列の条件が全て一致するかを判断する。ここで、全て一致しているとPD1053が判断した場合、PD1053は、S907へ進み、全て一致していないとPD1053が判断した場合は、S904へ進む。
【0104】
そして、S907で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、AP1051から受け取った印刷設定情報のおまかせとなっている設定項目を、現在の判定条件が成立した場合の設定候補の印刷設定値に置き換える。そして、PD1053は、置き換えた印刷設定情報を、現在の印刷設定情報とし、本処理を終了する。
【0105】
一方、S904からS908へ進んだ場合は、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、印刷用途の推論のための条件に合致しない場合の設定値505を用い、AP1051から受け取った印刷設定情報のおまかせとなっている設定項目を置き換える。そして、PD1053は、置き換えた印刷設定情報を、現在の印刷設定情報とし、本処理を終了する。
【0106】
また、S903からS909へ進んだ場合は、AP1051から受け取った印刷設定情報におまかせとなっている設定項目がないので、PD1053は、そのまま現在の印刷設定情報として、本処理を終了する。
【0107】
本実施形態では、図9に示す処理を実行することにより、ユーザが意図的に変更しなかった“おまかせ”となっている印刷設定項目に関して、印刷用途を推論して決定することができる。
【0108】
本実施形態によれば、通常印刷の印刷設定のUIを開かない場合は、条件に従い印刷設定を自動的に設定し、印刷設定のUIを開いて、ユーザが設定した場合、その設定条件に従い印刷することができる。
【0109】
〔第2実施形態〕
図10は、図7に示したユーザインタフェースの一部を説明する図である。本例は、印刷プロパティダイアログ700のページレイアウトのコンボボックス703の初期状態1000と、その選択途中状態1001を示す。
【0110】
上記第1実施形態では、印刷出力処理時に、印刷用途を推論し“おまかせ”の設定がされている印刷設定項目を決定する。また、第1実施形態では、印刷設定時には“おまかせ”の設定を決定することはなかった。これに対して、第2実施形態では、印刷プロパティダイアログ700を開いた場合に印刷用途を推論する条件が成立する場合は“おまかせ”の設定がされている印刷設定項目を決定する。以下、本実施形態について詳述する。
【0111】
図11は、図7に示したユーザインタフェースの一部を説明する図である。本例は、印刷用途の推論を行うための判定条件500下で、印刷モジュール名AAA.exeから印刷プロパティダイアログ700を開いた場合のページレイアウトのコンボボックス703の初期状態1100と、その選択途中状態1101を示す。
【0112】
図11において、初期状態1100に示すように、おまかせ設定504aの条件が成立するので、ページレイアウトのコンボボックス703は初期状態で2ページ/枚が選択される。また選択途中状態の1101に示すように、“おまかせ”が選択肢として非表示となる。
【0113】
以下、図11を用いて本実施形態における印刷設定時に印刷用途を推論し印刷設定を決定する処理を図12を用いて説明する。
【0114】
図12は、本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、印刷制御において、印刷設定時に印刷用途を推論し印刷設定を決定する処理例である。なお、S1200〜S1207は各ステップを示し、各ステップは、CPU101が外部記憶装置105からOS1054、プリンタドライバ1053をRAM103にロードして実行することで実現される。
【0115】
S1200で、PD1053は、印刷用途を推論するために、OSが提供するAPIを使ってPD1053がロードされているプロセスである印刷モジュール名称を取得する。そして、S1201で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、外部記憶装置105よりおまかせ条件と設定10522を読み込む。
【0116】
そして、S1202で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、おまかせ条件と設定10522に登録されている最後の判定条件が処理済みかを判断する。ここで、最後の判定条件が処理済みであるとPD1053が判断した場合は、S1207へ進み、まだ判断条件に関して最後まで処理していないとPD1053が判断した場合は、S1203へ進む。
【0117】
そして、S1203で、PD1053は、印刷用途別設定部10532より、印刷設定に確定する判定条件に関して、次の条件を取得して現在の判定条件とする。ここで、図5に示した「おまかせ条件と設定値」を例とすると、最初に取得される印刷設定に確定する判定条件はAAA.exeの504aであり、次の条件はBBB.exeの504bとなり、同じ条件BBB.exeをもつ504cはスキップして取得しない。
【0118】
次に、S1204で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、現在の判定条件と、S1200で取得した印刷モジュール名称と一致するかを判断する。ここで、一致するとPD1053が判断した場合は、PD1053は、S1205へ進み、一致しないと判断した場合は、S1202へ進む。
【0119】
次に、S1205で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、現在の判定条件に、印刷出力処理時点で分かる条件が存在しないことを判断する。ここで、印刷出力処理時点で分かる条件が存在しないとPD1053が判断した場合は、PD1053は、S1206へ進み、印刷出力処理時点で分かる条件が存在すると判断した場合は、印刷設定時には決定できない条件なので、S1207へ進む。
【0120】
そして、S1206で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、現在の判定条件が成立した場合の印刷設定値を印刷設定情報に設定する。さらに、PD1053は、印刷プロパティダイアログ700のコンボボックスの初期値状態を、現在の判定条件が成立した場合の印刷設定値にし、その選択肢を選択状態とする。また、PD1053は、選択途中に表示される選択肢の一覧から、おまかせの選択肢目を隠す。
【0121】
一方、S1202又はA1205からS1207へ進んだ場合は、PD1053は、印刷プロパティダイアログ700のコンボボックスの初期値状態をおまかせにし、そのおまかせを選択状態とする。
【0122】
本実施形態では、印刷プロパティダイアログ700を開いた場合に、プリンタドライバが印刷用途を推論する条件が成立する場合は印刷設定項目を決定し表示する。これにより、印刷出力処理を実行する前に印刷用途の推論によって設定される印刷設定値を明確に示すことが可能になる。
【0123】
〔第3実施形態〕
図13は、図7に示したユーザインタフェースの他の例を説明する図である。本例は、おまかせ設定部10521の設定UI1300を示す。
【0124】
本実施形態では、ページレイアウトと、印刷方法と、そしてカラーモードに関して、それぞれで一方向印刷設定として、ページレイアウト1301、印刷方法1302、カラーモード1303を設定することができる。一方向印刷設定は、初期設定される「おまかせ設定」の設定項目の一部を管理者の意図に従い設定値を制限するためのパラメータとして機能する。
【0125】
ページレイアウト1301の選択肢としては、1ページ/枚、2ページ/枚、4ページ/枚、および、なしの項目を有する。また、印刷方法1302の選択肢としては、片面印刷、両面印刷、および、なしの項目を有する。さらに、カラーモード1303の選択肢としては、モノクロ印刷と、カラー印刷、および/なし項目を有する。
【0126】
この一方向印刷設定で設定された各印刷設定値に、印刷プロパティダイアログ700上の各印刷設定項目として、ページレイアウト703、印刷方法704,カラーモード705で設定がされると、他の選択肢に変更できなくなる。
【0127】
図14は、本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、印刷制御において、一方向印刷設定の処理例である。本処理は、印刷プロパティダイアログ700上の印刷設定項目703〜705が変更された場合に実行される。なお、S1400〜S1402は各ステップを示し、各ステップは、CPU101が外部記憶装置105からOS1054、プリンタドライバ1053をRAM103にロードして実行することで実現される。
【0128】
まず、S1400で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、一方向印刷設定を読み込む。そして、S1401で、PD1053は、印刷プロパティダイアログ700上で変更された印刷設定値が、一方向印刷設定と一致するかを判断する。ここで、一致するとPD1053が判断した場合、PD1053は、S1402へ進み、一致しないと判断した場合は、本処理を終了する。
【0129】
そして、S1402で、PD1053は、一致した印刷プロパティダイアログ700上で変更された印刷設定値以外の選択肢を消して、選択できない状態にして、本処理を終了する。
【0130】
本実施形態によれば、一旦一方向印刷設定値が選択された場合、対応する印刷設定について変更ができなくなるので、TCO削減およびECOのために管理者が推奨する印刷設定を、ユーザが選択する可能性が高くなる。
【0131】
以下、図15に示すメモリマップを参照して本発明に係る情報処理装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0132】
図15は、本発明に係る情報処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0133】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0134】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0135】
本実施形態におけるフローチャートに示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0136】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0137】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0138】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0139】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0140】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0141】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインタネットのホームページに接続する。そして、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0142】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インタネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0143】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。例えばそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0144】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込ませる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0145】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0146】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の実施形態を示す情報処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】図1に示した印刷システムのソフトウェアの構成を説明するブロック図である。
【図3】図1に示したモニタ110に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図4】図1に示したモニタ110に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図5】図1に示した外部記憶装置105に保存された判定条件と印刷設定値との関係を説明する図である。
【図6】本実施形態を示す情報処理装置における印刷全体の処理シーケンス例を説明する図である。
【図7】図1に示したモニタ110に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図8】本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】図7に示したユーザインタフェースの一部を説明する図である。
【図11】図7に示したユーザインタフェースの一部を説明する図である。
【図12】本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図7に示したユーザインタフェースの他の例を説明する図である。
【図14】本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明に係る情報処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0148】
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 入力I/F
105 外部記憶装置
106 出力I/F
108 キーボード
109 ポインティングデバイス
110 モニタ
111 プリンタ
1051 アプリケーション
1052 印刷関連プログラム
1053 プリンタドライバ
1054 OS
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタドライバを用いてジョブを処理する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TCO(Total Cost of Ownership)削減やエコロジー問題に関する意識が高まっている。管理者として、カラーが不要な文書に対しては高価なカラー印刷を行わせない取り組みや、出力用紙数を削減するために2ページ/枚印刷や両面印刷を実施することが望まれている。
【0003】
例えば、印刷用途によって、見積書のような社外文書であれば、カラー印刷、1ページ/枚、片面を許可し、それ以外の社内文書であればモノクロ印刷、2ページ/枚、両面で印刷させたい。
【0004】
上記要求を満たすための従来例として、以下の2つの下記特許文献をあげる。
特許文献1においては、印刷アプリケーション名、印刷実行環境であるマシン名、印刷文書のドキュメント名、印刷文書のカラー比率などの条件を用い、該当しない印刷に関しては、カラー印刷の出力制限を実施する。そのことにより無駄なカラー印刷を制限して、カラートナーの使用量を削減している。
【0005】
また、特許文献2においては、ユーザIDと印刷実行ファイル名を判断条件として、許可されていない組合せにおいては、モノクロ印刷へ印刷設定を強制変更、または印刷キャンセルする。さらに、WEBやE-Mailによる申請を行うことにより許可が得られればカラー印刷が可能になる。
【特許文献1】特開2007-058746号公報
【特許文献2】特開2007-241489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のシステム例は、管理者の視点で、条件によってコストが高い印刷設定を抑制するシステムであった。管理者が設定した条件と合致していない場合、業務上、カラー印刷、1ページ/枚、片面印刷を行う必要があっても、それらの設定が抑制される結果となる。
【0007】
この場合において、業務上印刷を行う一般ユーザは、申請などを行わなければ業務上必要なカラー印刷結果を得ることができず、不便を感じるばかりか、ユーザは印刷の度に印刷設定のための操作負担を強いられる結果となる。
【0008】
このような印刷システムにおいて、TCO削減やECO対応と、業務的な快適さを両立するためには、従来例のような印刷設定を管理者による設定で抑制するシステムではなく、印刷用途を推論し印刷設定を補助してくれる機能が望まれる。さらに、印刷用途を推論し印刷設定を補助を用いる場合であっても、ユーザからの印刷要求に柔軟に適応できる印刷設定環境が望まれている。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、簡単な操作で、初期設定に従いジョブの判定条件に適応して印刷設定を行うとともに、ユーザからの要求に応じて印刷設定を変更できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明の情報処理装置は以下に示す構成を備える。
【0011】
印刷装置に出力するジョブを生成するプリンタドライバを備える情報処理装置であって、初期設定されて前記ジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能またはユーザが前記ジョブに対して印刷設定を行う機能を用いて印刷設定を行う印刷設定手段と、初期設定された印刷設定を変更するためのユーザインタフェースをユーザが要求しているかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段が前記ユーザインタフェースをユーザが要求していると判断した場合、前記ユーザインタフェースで変更された印刷設定値に基づいて前記ジョブを処理し、前記判断手段が前記ユーザインタフェースをユーザが要求していないと判断した場合、前記ジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能に従いジョブを処理する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通常印刷の印刷設定のUIを開かない場合は、条件に従い印刷設定を自動的に設定し、印刷設定のUIを開いて、ユーザが設定した場合、その設定条件に従い印刷することができる。
【0013】
また、簡単な操作で、初期設定に従いジョブの判定条件に適応して印刷設定を行うとともに、ユーザからの要求に応じて印刷設定を変更できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の実施形態を示す情報処理装置の構成を説明するブロック図である。本例は、一般的なコンピュータを用いて印刷処理システムを構成した例である。
【0016】
なお、特に断らない限り、本発明の機能が実行されるのであれば、単体の機能であっても、複数の機器からなるシステムであっても、LAN等のネットワークを介して接続がなされ処理が行われるシステムであっても、本発明を適用できることは言うまでもない。
【0017】
図1において、CPU101は、ROM102あるいはRAM103あるいは外部記憶装置105に格納されたプログラムに従って装置全体の制御を行う。RAM103は、CPU101が各種処理を行う際のワークエリアとしても使用される。
【0018】
外部記憶装置105は、オペレーティングシステム(OS)1054やアプリケーションソフト1051等がインストールされている。キーボード108やマウスなどのポインティングデバイス109は、入力I/F104を通じて、ユーザがコンピュータに対して各種指示を与えるためのデバイスである。
【0019】
出力I/F106は、データを外部に出力するためのインタフェースであり、モニタ110やプリンタ111に対してデータを出力する。プリンタ111とは、直接接続されるローカルI/Oのみならず、LANやWANといったネットワークを通して接続されていてもよい。
【0020】
また、107は共通データバスで、それぞれのデータのやりとりを行う。
【0021】
図1の外部記憶装置105には、アプリケーション1051と印刷関連プログラム1052とプリンタドライバ1053とOS1054が記憶されており、CPU101がRAM103にロードして実行する。
【0022】
図2は、図1に示した印刷システムのソフトウェアの構成を説明するブロック図である。
【0023】
図2において、コンピュータ上での印刷処理は、主にアプリケーションソフト1051と、プリンタドライバ1053によって実行される。なお、本実施形態において、プリンタドライバ1053は、初期設定されてジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能のための印刷用途別設定部と、ユーザが前記ジョブに対して印刷設定を行う機能を用いて印刷設定を行うためのユーザインタフェース部を備える。
【0024】
プリンタドライバ1053の主な役目の1つ目は、後述するユーザインタフェースをモニタ110に表示して、ユーザにプリンタの機能を選択ささせることである。さらに、プリンタドライバ1053の主な役目の2つ目は、アプリケーションソフト1051からの印刷要求を印刷コマンドに変換することである。
【0025】
プリンタドライバ1053は、印刷設定の生成を主な役割とするユーザインタフェース部10531と、印刷設定と伴に、ページ内の描画を印刷コマンドに変換する印刷コマンド生成部10533で構成される。
【0026】
プリンタドライバ1053によって変換された印刷コマンドは、出力I/F106を介してプリンタ111へ渡され、実際の紙などの印刷媒体への印刷描画はプリンタ111で実施される。
【0027】
加えて本実施形態では、プリンタドライバ1053に、印刷用途別設定部10532を有する。
【0028】
印刷用途別設定部10532は、印刷モジュール名称や、印刷ジョブ名称、およびページ内の文字列などの情報を用いて、印刷用途を推論し、印刷設定値を自動的に変更するモジュールである。ここで、印刷モジュール名称とは、アプリケーションソフト1051が印刷を実行する際のプログラムの実行モジュール名である。印刷ジョブ名称とは、アプリケーションソフト1051が印刷を実行する際に、このジョブに関して設定する印刷ジョブに対する名称である。
【0029】
更に加えて、印刷関連プログラム1052として、印刷用途の判定条件とその条件が成立した場合の適用候補となる印刷設定値を登録するためのおまかせ設定部10521を有する。
【0030】
ここで、おまかせ設定部10521は、図3に示すユーザインタフェースを介してユーザからの入力を受け付け、おまかせの条件と設定10522として、外部記憶装置105へ保存する。
【0031】
図3は、図1に示したモニタ110に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。本例は、おまかせ設定部10521がモニタ110に表示する設定画面(UI)300の例である。
【0032】
本実施形態においては、印刷設定内部情報(DEVMODE)として”おまかせ”という特定の設定値の選択肢を設け初期設定する。本UIで設定変更可能とするカラー設定として、0)おまかせ、 1)モノクロ、 2)カラー、 3)モノクロ/カラー自動切り替えがある。また、Nup設定として、0)おまかせ, 1)1up、2)2up、3)4upがある。さらに、両面設定として、0)おまかせ、1)片面,2)両面がある。
【0033】
また、印刷設定値として、Case1)“おまかせ”が入ってきた場合(UI上でユーザが設定していないので)は、判定条件を用いて印刷設定を決定し、印刷設定のコンフリクト解決を行い印刷設定の整合性を保つように設定で印刷を行う。また、Case2)“おまかせ”以外の値が入ってきた場合(UIで設定されたので)は、その設定で印刷を行う。
【0034】
図3において、おまかせ設定部10521の設定UIは、ダイアログ形式の設定アプリケーションである。ジョブから取得可能な印刷用途の判定条件301として、設定UI300は、印刷モジュール名称と、印刷ジョブ名と、印刷ページ内の文字列の項目を有している。
【0035】
また、その条件が成立した場合に自動変更する印刷設定値302として、2ページ/枚などのページレイアウトと、両面印刷などの印刷方法、およびモノクロ印刷などのカラーモードを有している。
【0036】
設定UI300では、設定例として、既におまかせ設定303aから303cが登録されている。以下、おまかせ設定303aから303cを総称する場合には、おまかせ設定303として説明する。
【0037】
ここで、おまかせ設定303aは、印刷モジュール名がAAA.exeの時に、印刷設定値として、2ページ枚、両面印刷、モノクロ印刷を適用候補とする設定である。
【0038】
また、おまかせ設定303bは、印刷モジュール名がBBB.exeであり、印刷ジョブ名が“見積り“という文字列を含み、かつページ内文字列に”見積書“を含んだ場合に、印刷設定値として、1ページ枚、片面印刷、カラー印刷を適用候補とする設定である。
【0039】
さらに、おまかせ設定303cは、印刷モジュール名がBBB.exeであり、印刷ジョブ名が“見積り“という文字列を含んだ場合に、印刷設定値として1ページ枚、片面印刷、モノクロ印刷を適用候補とする設定である。
【0040】
これらのおまかせ設定303は、ユーザが追加ボタン304と、削除ボタン305を押下することにより、おまかせ設定部10521により追加または削除される。設定される条件として、印刷モジュール名、印刷ジョブ名、ページ内文字が設定可能である。設定される条件としては、印刷モジュール名のみを条件としても良いし、印刷ジョブ名のみを条件としても良いし、ページ内文字のみを条件としても良い。また、それぞれを組合わせた条件とすることもできる。また、ページレイアウト306,印刷方法307,カラーモード308とOKボタン309を備える。
【0041】
おまかせ設定303を追加する場合に用いる、おまかせの設定詳細ダイアログ3040を一例として図4に示す。
【0042】
図4は、図1に示したモニタ110に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。本例は、図2に示した「おまかせ設定部10521」がユーザにより操作される追加ボタン304の押下を受け付けた場合に図4に示すおまかせの設定詳細ダイアログ3040を表示する。
【0043】
本実施形態において、おまかせの設定詳細ダイアログ3040では、印刷用途の判定条件3047と、その条件が成立した場合に適用候補となる印刷設定値3048が設定可能である。
【0044】
図4において、おまかせの設定詳細ダイアログ3040は、印刷用途の判定条件として、印刷モジュール名称3041と、印刷ジョブ名3042と、そして、ページ内の文字列3049の入力フィールドを有する。複数のフィールドにユーザから判定条件3047が入力された場合、これらが全て一致した場合に、条件が成立したと印刷用途別決定部10532により判断される。
【0045】
さらに、その判定条件3047が成立した場合の適用候補となる印刷設定値3048の入力手段として、ページレイアウト3043と、印刷方法3044と、そしてカラーモード3045のコンボボックスを有する。
【0046】
本実施形態では、ページレイアウト3043は、選択肢として、1ページ/枚、2ページ/枚、4ページ/枚の項目を有する。また、印刷方法3044は、選択肢として、片面印刷と両面印刷の項目を有する。
【0047】
さらに、カラーモード3045は、モノクロ印刷と、カラー印刷の項目を有する。
【0048】
また、おまかせの設定詳細ダイアログ3040において、ユーザがOKボタン3046を押下すると、おまかせ設定部10521は、おまかせの設定詳細ダイアログ3040を閉じる。
【0049】
さらに、おまかせ設定部10521は、設定された印刷用途の判定条件3047とその条件が成立した場合に適用候補となる印刷設定値3048を、おまかせ条件と設定値10522の一部として外部記憶装置105へ保存する。
【0050】
最後に、新しいおまかせ設定303として設定された印刷用途の判定条件3047とその条件が成立した場合に適用候補となる印刷設定値3048を、設定UI300へ追加表示する。
【0051】
一方、図3に示した設定UI300において、おまかせ設定部10521は、ユーザが1つのおまかせ設定303を選択した状態で、削除ボタン305が押下したことを受け付ける。そして、おまかせ設定部10521は、ユーザの操作で選択されたおまかせ設定を外部記憶装置105より削除する。
【0052】
さらに、おまかせ設定部10521は、設定UI300の表示からも選択中のおまかせ設定を消す。
【0053】
おまかせ設定部10521の設定UI300は、おまかせ設定303の条件が成立しない場合の印刷設定値の入力手段として、ページレイアウト306と、印刷方法307と、そしてカラーモード308のコンボボックスを有する。
【0054】
本実施形態では、ページレイアウト306は、選択肢として、1ページ/枚、2ページ/枚、4ページ/枚の項目を有する。また、印刷方法307は、選択肢として、片面印刷と両面印刷の項目を有する。
【0055】
さらに、カラーモード308は、モノクロ印刷とカラー印刷の項目を有する。おまかせ設定部10521は、設定UI300のOKボタン309の押下を受け付け、上記306〜308で入力された、条件に該当しない場合の印刷設定値を、おまかせ条件と設定値10522の一部として外部記憶装置105へ保存する。その後、おまかせ設定部10521は、モニタ110に表示された設定UI300を閉じて、UI制御を終了する。
【0056】
図5は、図1に示した外部記憶装置105に保存された判定条件と印刷設定値との関係を説明する図である。
【0057】
本例は、おまかせ設定部10521によって外部記憶装置105に保存される、図2に示した「おまかせ条件と設定10522」の一例である。
【0058】
図5に示すように本実施形態では、おまかせ条件と設定10522は、印刷用途の推論を行うための判定条件500と、その条件が成立する際に適用候補となる印刷設定値503で構成される。
【0059】
さらに印刷用途の推論を行うための判定条件500は、UI上での印刷設定時に確定する条件501と、印刷出力処理時で分かる条件502に分けられる。
【0060】
ここで、UI上での印刷設定時に確定する条件501としては、印刷モジュール名が挙げられる。印刷出力処理時で分かる条件502としては、印刷ジョブ名称と、ページ内に含まれる文字列があげられる。
【0061】
図5の例では、おまかせ設定部10521の設定UI300のおまかせ設定303a〜303cが、それぞれ、おまかせ設定504a〜504cとして格納されている。
【0062】
ここで、おまかせ設定504bと504cで示すように一部の条件が同じ場合がある。この例では、印刷モジュール名とジョブ名は同じ“BBB.exe”と、“見積り“であるが、ページ内の文字列の条件が異なる。印刷用途の推論を判定するにあたり、複雑な条件504bを包含するより簡単な条件504cが先に出現すると、簡単な条件504cを優先して印刷用途を推論してしまう可能性がある。
【0063】
よって、おまかせ設定部10521は、外部記憶装置105へ保存する際に以下のソート処理を行う。
【0064】
まず、おまかせ設定部10521は、印刷用途の推論で先に判定する条件でおまかせ設定をソートする。さらに、おまかせ設定部10521は、ソート後に同じ条件を持つ「おまかせ設定」に対しては、次に判定する条件でソートする。上記ソートの際に、条件設定なしは最後に出現するようにソートする。
【0065】
本実施形態では、先に印刷モジュール名で条件をソートし、同じ印刷モジュール名のBBB.exeの条件を持つものに関して、ジョブ名の条件でソートし、最後に、ページ内の文字列の条件でソートする。
【0066】
また、おまかせ設定部10521の設定UI300の印刷設定に相当する、おまかせ設定504a〜504cの条件に該当しない場合の印刷設定値を設定値505として格納する。ここで、印刷設定とは、ページレイアウト306,印刷方法307,カラーモード308である。
【0067】
図6は、本実施形態を示す情報処理装置における印刷全体の印刷制御シーケンス例を説明する図である。本例は、図5のおまかせ設定504aの条件下で、ユーザが印刷プロパティダイアログを開いて、カラーモードをカラー印刷へ変更した後、印刷した場合の印刷全体の処理シーケンス例を示している。以下、アプリケーションソフト1051と、プリンタドライバ1053との間での、印刷設定と印刷出力処理の流れを説明する。なお、アプリケーションソフト1051と、プリンタドライバ1053とを、AP1051と、PD1053と略記する。
【0068】
AP1051は、OS機能により起動されモニタ110に表示される。モニタ110に表示されたAP1051は、ユーザによるキーボード108やマウスなどポインティングデバイス109の操作を受け付けて印刷処理を行う。
【0069】
印刷処理に応じて、AP1051はOS提供のAPI(Application Program Interface)をコールする。そのコールを受けてPD1053は、OS機能により適宜アプリケーションの印刷モジュールのプロセス内にロードされ動作する。
【0070】
AP1051は、S600で、ユーザからの印刷プロパティダイアログを開く指示を受け付ける。そして、S601で、AP1051は、印刷プロパティダイアログを開く命令をPD1053へ発行する。
【0071】
そして、S602で、PD1053は、ユーザインタフェース部10531を使って、図7に一例を示す印刷プロパティダイアログ700の初期化処理を行う。
【0072】
図7は、図1に示したモニタ110に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。本例は、PD1053による印刷プロパティダイアログ700の例である。
【0073】
この印刷プロパティダイアログ700の例では、用紙サイズ701と、用紙向き702と、ページレイアウト703と、印刷方法704と、カラーモード705と、そしてスタンプ706の設定を受け付けるアイテムを有している。ページレイアウト703の従来の選択肢としては、1ページ/枚、2ページ/枚、4ページ/枚の項目を有する。
【0074】
印刷方法704の従来の選択肢としては、片面印刷と両面印刷の項目を有する。カラーモード705の従来の選択肢としては、モノクロ印刷と、カラー印刷の項目を有する。
【0075】
また、本実施形態では加えてページレイアウト703と、印刷方法704と、そしてカラーモード705に、印刷ジョブの用途をPD1053が推論する“おまかせ”という特定の選択肢を有する。
【0076】
次に、S602で、PD1053は、ユーザインタフェース部10531を使って、初期化処理で、“おまかせ”を選択状態として印刷プロパティダイアログ700を表示する。
【0077】
さらに、PD1053は初期状態として印刷設定値601を保持しており、ページレイアウト703と、印刷方法704と、そしてカラーモード705ともに、“おまかせ”となっている。
【0078】
ユーザからの印刷プロパティダイアログ700のカラーモード705のコンボボックスでの「おまかせ」からカラー印刷への変更をうけて、PD1053は、印刷設定値601のカラーモードをカラー印刷へ変更する。
【0079】
さらに、PD1053は、ユーザからの印刷プロパティダイアログ700のOKボタン707の押下を受け付ける。そして、S604で、PD1053は、ユーザインタフェース部10531を使って、複数の設定値間での矛盾(コンフリクト)を解決するUI入力設定の禁則処理を行う。
【0080】
その後、PD1053は、ページレイアウト:おまかせ、印刷方法:おまかせ、カラーモード:カラー印刷の印刷設定値602をAP1051へ受け渡す。
【0081】
そして、S605で、ユーザからの印刷実行指示を受け付けて、S606で、AP1051は、印刷設定値602を用いて、PD1053へ印刷設定を行う。この際に、AP1051は印刷ジョブ名を設定する。次に、S607で、PD1053は、印刷用途を推論するために、OS提供のAPIを使ってPD1053がロードされているプロセスである印刷モジュール名称と、印刷ジョブ名を判定条件として取得する。印刷モジュール名からアプリケーションを特定でき、印刷用途が推論できる。
【0082】
続けて、S608で、AP1051は、印刷文書内の文字列や図形やビットマップなどの描画をPD1053へ依頼する。そして、S609で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、外部記憶装置105よりおまかせ条件と設定10522を読み込む。
【0083】
さらに、S610で、PD1053はおまかせ条件と設定10522に登録されている文字列がページ内の描画に含まれているかを判断する。次に、S611で、PD1053は印刷用途別設定部10532を使って、図9に示す印刷時おまかせ決定処理を実施し、印刷設定値602で“おまかせ”となっている設定を決定する。
【0084】
この例では、図5に示した条件504aが該当し、印刷設定値602の「おまかせ」となっているページレイアウトと印刷方法が、それぞれ2ページ/枚、両面に決定される。
【0085】
なお、S603で、ユーザが意図的に印刷プロパティダイアログ700で変更したカラーモードは、カラー印刷の状態のまま保持される。また、推論処理の詳細に関しては、図9を用いて後述する。
【0086】
次に、S612で、S611で決定された印刷設定値602から印刷設定値間の矛盾を除くために、PD1053は印刷設定値の禁則処理を行う。そして、S613で、印刷設定値602を元にPD1053は、印刷コマンド生成部10534を用いて印刷コマンドを発行する。
【0087】
本実施形態では上記印刷時の印刷制御シーケンス例を用いて説明したように、印刷プロパティダイアログ700を開いてユーザが意図的に設定した場合はその印刷設定値が保持される。
【0088】
また、ユーザが意図的に設定しなかった“おまかせ”となっている印刷設定項目に関しては、印刷用途別設定部10532が印刷用途を判断して印刷設定値を決定する。
【0089】
さらに、上記シーケンス例では、印刷プロパティダイアログ700を開いてカラーモードを変更した。しかし、例えば、印刷プロパティダイアログ700を開かずに初期状態の印刷設定のままで、印刷をかけることもできる。その場合はページレイアウトと、印刷方法と、そしてカラーモード設定は、印刷用途の推論によって決定される。
【0090】
図8は、本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、印刷設定から印刷コマンドを生成するまでの一連の印刷制御例である。なお、S800〜S807は各ステップを示し、各ステップは、CPU101が外部記憶装置105からOS1054、プリンタドライバ1053をRAM103にロードして実行することで実現される。
【0091】
まず、S800で、PD1053はユーザインタフェース部10531を使って、印刷設定情報のページレイアウトと、印刷方法と、そしてカラーモードを「おまかせ」の設定とする。つまり、印刷設定機能として、「おまかせ」が初期設定される。
【0092】
次に、S801で、AP1051より、印刷プロパティダイアログを開く指示がなされているかどうかをPD1053が判断する。ここで、印刷プロパティダイアログを開く指示がなされているとPD1053が判断した場合は、S802へ進み、それ以外であると判断した場合は、S805へ進む。
【0093】
そして、S802で、PD1053は、UI設定時の処理として、ユーザインタフェース部10531を使って、図7に示した印刷プロパティダイアログ700をモニタ110に表示する。ここでは、印刷プロパティダイアログ700のページレイアウト703と、印刷方法704と、そしてカラーモード705で、「おまかせ」が選択状態として表示される。
【0094】
次に、S803で、PD1053は、印刷プロパティダイアログ700上でユーザからの設定変更の入力を受け付ける。そして、図7に示す印刷プロパティダイアログ700において、ユーザがOKボタン707を押下するのを受け付けたら、S804へ進む。そして、S804で、PD1053は、ユーザインタフェース部10531を使って、複数の設定値間での矛盾を解決するUI入力設定の禁則処理を行う。
【0095】
そして、S805で、PD1053は、AP1051から印刷設定情報を受け取る。そして、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、図9に示す印刷時おまかせ決定処理を実施し、AP1051から受け取った印刷設定情報の“おまかせ”設定となっている項目を決定する。なお、用途を推論する処理の詳細については、図9を用いて後述する。
【0096】
次に、S806で、PD1053は印刷設定情報から設定的な矛盾を除くために、禁則処理を行う。そして、S807で、PD1053は、印刷設定情報を元に印刷コマンド生成部10534を用いて印刷コマンドを発行して、本処理を終了する。
【0097】
図9は、本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、印刷制御において、印刷出力処理時の印刷用途を推論し印刷設定を決定する処理例である。なお、S900〜S909は各ステップを示し、各ステップは、CPU101が外部記憶装置105からOS1054、プリンタドライバ1053をRAM103にロードして実行することで実現される。
【0098】
まず、S900で、PD1053は、印刷用途を推論するために、OSが提供するAPI(Application Program Interface)を使ってPD1053がロードされているプロセスである印刷モジュール名称と、印刷ジョブ名を取得する。
【0099】
そして、S901で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、外部記憶装置105よりおまかせ条件と設定10522を読み込む。次に、S902で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、おまかせ条件と設定値10522に登録されている文字列がページ内の描画に含まれているかを確認する。
【0100】
そして、S903で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、AP1051から受け取った印刷設定情報におまかせの状態の設定項目がないかを判断する。ここで、おまかせの状態の設定項目が1つでもあるとPD1053が判断した場合は、その設定値を決定するために、S904へ進み、おまかせの状態の設定項目がないとPD1053が判断した場合は、S909へ進む。
【0101】
そして、S904で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、おまかせ条件と設定10522に登録されている最後の判定条件が処理済みか判断する。ここで、最後の判定条件が処理済みであるとPD1053が判断した場合は、S908へ進み、まだ判断条件に関して最後まで処理していないとPD1053が判断した場合は、S905へ進む。
【0102】
次に、S905で、PD1053は、印刷用途別設定部10532より、次の判定条件を取得して、現在の判定条件とする。ここで、図5に示した「おまかせ条件と設定値」を例とすると、PD1053は、おまかせ設定504a〜504cのうちの処理されていない条件を、表の上から下方向に取得し、現在の判定条件として設定する。
【0103】
次に、S906で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、現在の判定条件と、S900で取得した印刷モジュール名称と印刷ジョブ名、及びS902で判断したページ内の文字列の条件が全て一致するかを判断する。ここで、全て一致しているとPD1053が判断した場合、PD1053は、S907へ進み、全て一致していないとPD1053が判断した場合は、S904へ進む。
【0104】
そして、S907で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、AP1051から受け取った印刷設定情報のおまかせとなっている設定項目を、現在の判定条件が成立した場合の設定候補の印刷設定値に置き換える。そして、PD1053は、置き換えた印刷設定情報を、現在の印刷設定情報とし、本処理を終了する。
【0105】
一方、S904からS908へ進んだ場合は、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、印刷用途の推論のための条件に合致しない場合の設定値505を用い、AP1051から受け取った印刷設定情報のおまかせとなっている設定項目を置き換える。そして、PD1053は、置き換えた印刷設定情報を、現在の印刷設定情報とし、本処理を終了する。
【0106】
また、S903からS909へ進んだ場合は、AP1051から受け取った印刷設定情報におまかせとなっている設定項目がないので、PD1053は、そのまま現在の印刷設定情報として、本処理を終了する。
【0107】
本実施形態では、図9に示す処理を実行することにより、ユーザが意図的に変更しなかった“おまかせ”となっている印刷設定項目に関して、印刷用途を推論して決定することができる。
【0108】
本実施形態によれば、通常印刷の印刷設定のUIを開かない場合は、条件に従い印刷設定を自動的に設定し、印刷設定のUIを開いて、ユーザが設定した場合、その設定条件に従い印刷することができる。
【0109】
〔第2実施形態〕
図10は、図7に示したユーザインタフェースの一部を説明する図である。本例は、印刷プロパティダイアログ700のページレイアウトのコンボボックス703の初期状態1000と、その選択途中状態1001を示す。
【0110】
上記第1実施形態では、印刷出力処理時に、印刷用途を推論し“おまかせ”の設定がされている印刷設定項目を決定する。また、第1実施形態では、印刷設定時には“おまかせ”の設定を決定することはなかった。これに対して、第2実施形態では、印刷プロパティダイアログ700を開いた場合に印刷用途を推論する条件が成立する場合は“おまかせ”の設定がされている印刷設定項目を決定する。以下、本実施形態について詳述する。
【0111】
図11は、図7に示したユーザインタフェースの一部を説明する図である。本例は、印刷用途の推論を行うための判定条件500下で、印刷モジュール名AAA.exeから印刷プロパティダイアログ700を開いた場合のページレイアウトのコンボボックス703の初期状態1100と、その選択途中状態1101を示す。
【0112】
図11において、初期状態1100に示すように、おまかせ設定504aの条件が成立するので、ページレイアウトのコンボボックス703は初期状態で2ページ/枚が選択される。また選択途中状態の1101に示すように、“おまかせ”が選択肢として非表示となる。
【0113】
以下、図11を用いて本実施形態における印刷設定時に印刷用途を推論し印刷設定を決定する処理を図12を用いて説明する。
【0114】
図12は、本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、印刷制御において、印刷設定時に印刷用途を推論し印刷設定を決定する処理例である。なお、S1200〜S1207は各ステップを示し、各ステップは、CPU101が外部記憶装置105からOS1054、プリンタドライバ1053をRAM103にロードして実行することで実現される。
【0115】
S1200で、PD1053は、印刷用途を推論するために、OSが提供するAPIを使ってPD1053がロードされているプロセスである印刷モジュール名称を取得する。そして、S1201で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、外部記憶装置105よりおまかせ条件と設定10522を読み込む。
【0116】
そして、S1202で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、おまかせ条件と設定10522に登録されている最後の判定条件が処理済みかを判断する。ここで、最後の判定条件が処理済みであるとPD1053が判断した場合は、S1207へ進み、まだ判断条件に関して最後まで処理していないとPD1053が判断した場合は、S1203へ進む。
【0117】
そして、S1203で、PD1053は、印刷用途別設定部10532より、印刷設定に確定する判定条件に関して、次の条件を取得して現在の判定条件とする。ここで、図5に示した「おまかせ条件と設定値」を例とすると、最初に取得される印刷設定に確定する判定条件はAAA.exeの504aであり、次の条件はBBB.exeの504bとなり、同じ条件BBB.exeをもつ504cはスキップして取得しない。
【0118】
次に、S1204で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、現在の判定条件と、S1200で取得した印刷モジュール名称と一致するかを判断する。ここで、一致するとPD1053が判断した場合は、PD1053は、S1205へ進み、一致しないと判断した場合は、S1202へ進む。
【0119】
次に、S1205で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、現在の判定条件に、印刷出力処理時点で分かる条件が存在しないことを判断する。ここで、印刷出力処理時点で分かる条件が存在しないとPD1053が判断した場合は、PD1053は、S1206へ進み、印刷出力処理時点で分かる条件が存在すると判断した場合は、印刷設定時には決定できない条件なので、S1207へ進む。
【0120】
そして、S1206で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、現在の判定条件が成立した場合の印刷設定値を印刷設定情報に設定する。さらに、PD1053は、印刷プロパティダイアログ700のコンボボックスの初期値状態を、現在の判定条件が成立した場合の印刷設定値にし、その選択肢を選択状態とする。また、PD1053は、選択途中に表示される選択肢の一覧から、おまかせの選択肢目を隠す。
【0121】
一方、S1202又はA1205からS1207へ進んだ場合は、PD1053は、印刷プロパティダイアログ700のコンボボックスの初期値状態をおまかせにし、そのおまかせを選択状態とする。
【0122】
本実施形態では、印刷プロパティダイアログ700を開いた場合に、プリンタドライバが印刷用途を推論する条件が成立する場合は印刷設定項目を決定し表示する。これにより、印刷出力処理を実行する前に印刷用途の推論によって設定される印刷設定値を明確に示すことが可能になる。
【0123】
〔第3実施形態〕
図13は、図7に示したユーザインタフェースの他の例を説明する図である。本例は、おまかせ設定部10521の設定UI1300を示す。
【0124】
本実施形態では、ページレイアウトと、印刷方法と、そしてカラーモードに関して、それぞれで一方向印刷設定として、ページレイアウト1301、印刷方法1302、カラーモード1303を設定することができる。一方向印刷設定は、初期設定される「おまかせ設定」の設定項目の一部を管理者の意図に従い設定値を制限するためのパラメータとして機能する。
【0125】
ページレイアウト1301の選択肢としては、1ページ/枚、2ページ/枚、4ページ/枚、および、なしの項目を有する。また、印刷方法1302の選択肢としては、片面印刷、両面印刷、および、なしの項目を有する。さらに、カラーモード1303の選択肢としては、モノクロ印刷と、カラー印刷、および/なし項目を有する。
【0126】
この一方向印刷設定で設定された各印刷設定値に、印刷プロパティダイアログ700上の各印刷設定項目として、ページレイアウト703、印刷方法704,カラーモード705で設定がされると、他の選択肢に変更できなくなる。
【0127】
図14は、本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、印刷制御において、一方向印刷設定の処理例である。本処理は、印刷プロパティダイアログ700上の印刷設定項目703〜705が変更された場合に実行される。なお、S1400〜S1402は各ステップを示し、各ステップは、CPU101が外部記憶装置105からOS1054、プリンタドライバ1053をRAM103にロードして実行することで実現される。
【0128】
まず、S1400で、PD1053は、印刷用途別設定部10532を使って、一方向印刷設定を読み込む。そして、S1401で、PD1053は、印刷プロパティダイアログ700上で変更された印刷設定値が、一方向印刷設定と一致するかを判断する。ここで、一致するとPD1053が判断した場合、PD1053は、S1402へ進み、一致しないと判断した場合は、本処理を終了する。
【0129】
そして、S1402で、PD1053は、一致した印刷プロパティダイアログ700上で変更された印刷設定値以外の選択肢を消して、選択できない状態にして、本処理を終了する。
【0130】
本実施形態によれば、一旦一方向印刷設定値が選択された場合、対応する印刷設定について変更ができなくなるので、TCO削減およびECOのために管理者が推奨する印刷設定を、ユーザが選択する可能性が高くなる。
【0131】
以下、図15に示すメモリマップを参照して本発明に係る情報処理装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0132】
図15は、本発明に係る情報処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0133】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0134】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0135】
本実施形態におけるフローチャートに示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0136】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0137】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0138】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0139】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0140】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0141】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインタネットのホームページに接続する。そして、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0142】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インタネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0143】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。例えばそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0144】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込ませる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0145】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0146】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の実施形態を示す情報処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】図1に示した印刷システムのソフトウェアの構成を説明するブロック図である。
【図3】図1に示したモニタ110に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図4】図1に示したモニタ110に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図5】図1に示した外部記憶装置105に保存された判定条件と印刷設定値との関係を説明する図である。
【図6】本実施形態を示す情報処理装置における印刷全体の処理シーケンス例を説明する図である。
【図7】図1に示したモニタ110に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図8】本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】図7に示したユーザインタフェースの一部を説明する図である。
【図11】図7に示したユーザインタフェースの一部を説明する図である。
【図12】本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図7に示したユーザインタフェースの他の例を説明する図である。
【図14】本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明に係る情報処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0148】
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 入力I/F
105 外部記憶装置
106 出力I/F
108 キーボード
109 ポインティングデバイス
110 モニタ
111 プリンタ
1051 アプリケーション
1052 印刷関連プログラム
1053 プリンタドライバ
1054 OS
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置に出力するジョブを生成するプリンタドライバを備える情報処理装置であって、
初期設定されて前記ジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能またはユーザが前記ジョブに対して印刷設定を行う機能を用いて印刷設定を行う印刷設定手段と、
初期設定された印刷設定を変更するためのユーザインタフェースをユーザが要求しているかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記ユーザインタフェースをユーザが要求していると判断した場合、前記ユーザインタフェースで変更された印刷設定値に基づいて前記ジョブを処理し、前記判断手段が前記ユーザインタフェースをユーザが要求していないと判断した場合、前記ジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能に従いジョブを処理する制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記印刷設定手段は、前記プリンタドライバを起動する印刷モジュール名、印刷ジョブ名、印刷ページ内の文字列を前記判定条件として取得することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷設定手段は、前記印刷用途を推論して印刷設定を行う機能でユーザが選択することを制限する印刷設定値を設定することを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
印刷装置に出力するジョブを生成するプリンタドライバを備える情報処理装置における印刷制御方法であって、
初期設定されて前記ジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能またはユーザが前記ジョブに対して印刷設定を行う機能を用いて印刷設定を行う印刷設定ステップと、
初期設定された前記印刷設定を変更するためのユーザインタフェースをユーザが要求しているかどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップが前記ユーザインタフェースをユーザが要求していると判断した場合、前記ユーザインタフェースで変更された印刷設定値に基づいて前記ジョブを処理し、前記判断ステップが前記ユーザインタフェースをユーザが要求していないと判断した場合、前記ジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能に従いジョブを処理する制御ステップと、
を備えたことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項5】
前記印刷設定ステップは、前記プリンタドライバを起動する印刷モジュール名、印刷ジョブ名、印刷ページ内の文字列を前記判定条件として取得することを特徴とする請求項4記載の印刷制御方法。
【請求項6】
前記印刷設定ステップは、前記印刷用途を推論して印刷設定を行う機能でユーザが選択することを制限する印刷設定値を設定することを特徴とする請求項4又は5に記載の印刷制御方法。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の印刷制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の印刷制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項9】
初期値として印刷モジュール名、印刷ジョブ名、およびページ内文字のいずれかに応じた設定値が設定される特定の設定値が表示され、前記特定の設定値はユーザにより変更が可能な設定画面を表示させる表示ステップと、
前記設定画面で特定の設定値が変更されなかった場合、印刷モジュール名、印刷ジョブ名、およびページ内文字のいずれかに応じた設定値を設定し、前記設定画面で特定の設定値が変更されている場合、変更された設定値を設定する設定ステップと、をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項1】
印刷装置に出力するジョブを生成するプリンタドライバを備える情報処理装置であって、
初期設定されて前記ジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能またはユーザが前記ジョブに対して印刷設定を行う機能を用いて印刷設定を行う印刷設定手段と、
初期設定された印刷設定を変更するためのユーザインタフェースをユーザが要求しているかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記ユーザインタフェースをユーザが要求していると判断した場合、前記ユーザインタフェースで変更された印刷設定値に基づいて前記ジョブを処理し、前記判断手段が前記ユーザインタフェースをユーザが要求していないと判断した場合、前記ジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能に従いジョブを処理する制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記印刷設定手段は、前記プリンタドライバを起動する印刷モジュール名、印刷ジョブ名、印刷ページ内の文字列を前記判定条件として取得することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷設定手段は、前記印刷用途を推論して印刷設定を行う機能でユーザが選択することを制限する印刷設定値を設定することを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
印刷装置に出力するジョブを生成するプリンタドライバを備える情報処理装置における印刷制御方法であって、
初期設定されて前記ジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能またはユーザが前記ジョブに対して印刷設定を行う機能を用いて印刷設定を行う印刷設定ステップと、
初期設定された前記印刷設定を変更するためのユーザインタフェースをユーザが要求しているかどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップが前記ユーザインタフェースをユーザが要求していると判断した場合、前記ユーザインタフェースで変更された印刷設定値に基づいて前記ジョブを処理し、前記判断ステップが前記ユーザインタフェースをユーザが要求していないと判断した場合、前記ジョブから取得する判定条件に従い印刷用途を推論して印刷設定を行う機能に従いジョブを処理する制御ステップと、
を備えたことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項5】
前記印刷設定ステップは、前記プリンタドライバを起動する印刷モジュール名、印刷ジョブ名、印刷ページ内の文字列を前記判定条件として取得することを特徴とする請求項4記載の印刷制御方法。
【請求項6】
前記印刷設定ステップは、前記印刷用途を推論して印刷設定を行う機能でユーザが選択することを制限する印刷設定値を設定することを特徴とする請求項4又は5に記載の印刷制御方法。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の印刷制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の印刷制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項9】
初期値として印刷モジュール名、印刷ジョブ名、およびページ内文字のいずれかに応じた設定値が設定される特定の設定値が表示され、前記特定の設定値はユーザにより変更が可能な設定画面を表示させる表示ステップと、
前記設定画面で特定の設定値が変更されなかった場合、印刷モジュール名、印刷ジョブ名、およびページ内文字のいずれかに応じた設定値を設定し、前記設定画面で特定の設定値が変更されている場合、変更された設定値を設定する設定ステップと、をコンピュータに実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−146248(P2010−146248A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322105(P2008−322105)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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