説明

情報処理装置、情報処理プログラム

【課題】配布者からファイルを受信して保存しこれを受領対象者へ転送するまでの全期間において、暗号化による確実性の高いセキュリティを維持でき、かつ、転送先のユーザの望むパスワードにファイルのパスワードを変更して転送することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】
配布者から、転送予定の暗号化ファイルと、その暗号化ファイルの受領対象者の情報と、その暗号化ファイルの復号化に使用するパスワードとを受信して保存し、その配布者から受信したパスワードで暗号化ファイルを一度復号化して得たファイルを、受領対象者の指定するパスワードで再度暗号化してから、受領対象者に送信する。これにより、転送先の受領対象者の望むパスワードでファイルの暗号化を解除することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイルにパスワードを付与して転送する情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配布者から受信したファイルを別の宛先へ転送する場合、セキュリティ管理上の観点から、そのファイルを暗号化して転送するといった手法が普及している。その際に暗号化を解除するにあたって使用されるパスワードを設定する方法として、送信宛先別にパスワードを設定するという方式や、転送先の機器毎にその機器固有のパスワードを利用するという方式がある。しかしこれでは、1つの送信宛先(機器)に1つのパスワードしか使用できないため、1つの送信宛先を複数のユーザが使用する場合にはユーザ間でパスワードを共有しなければならないため、セキュリティ管理上の問題があった。そこで、1つの送信宛先に対して複数種類のパスワードを使い分ける方法が提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1に開示の方法では、配布者から受信したファイルを暗号化する際に、転送条件(送信元電話番号、Fコード等)毎に異なるパスワードを設定する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−354198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示の方法では、転送者や配布者がパスワードを指定するので、暗号化されたファイルを受領した最終のユーザは、転送者や配布者の指定したパスワードを管理しなければならず、自分で決めたパスワードを管理する場合に比べて、管理が難しかった。
【0006】
そのため、ファイルの受領者は、受領したファイルを配布者の指定したパスワードで直ぐに復号化し、自分の決めたパスワードで暗号化し直して管理することもあるが、この作業を怠って、受領してから時間が経過してしまうと、ファイル受領者が配布者から与えられたパスワードを紛失、忘失してしまうこともあり、この場合、パスワードの変更どころか、最悪の場合ファイルを開けなくなることもあった。
【0007】
その他、特許文献1に開示の方法では、情報処理装置が配布者から受信したファイルを非暗号化ファイルのまま保存することもあるので、その場合、保存しているファイルが不正アクセスなどに対応しておらず、セキュリティ管理上問題がある。また、配布者から受信したファイルがすでに暗号化されたファイルであった場合、新たにパスワードを付与したり変更したりすることができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、既に暗号化されたファイルを保存して転送する場合に、転送先のユーザの望むパスワードで暗号化して転送することのできる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0010】
[1]暗号化されたファイルと、この暗号化されたファイルを復号化するためのパスワードと、前記ファイルの受領対象者情報とを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記暗号化されたファイルと、前記パスワードと、前記受領対象者情報とを記憶する記憶部と、
前記暗号化されたファイルを前記パスワードで復号化した後、前記受領対象者情報の示す受領対象者の指定するパスワードで暗号化し、該指定のパスワードで暗号化して得たファイルを、前記受領対象者からの受領要求に基づいて前記受領対象者に送信する処理部と、
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0011】
上記[1]および下記[10]に係る発明では、暗号化されたファイル(暗号化ファイル)と、その暗号化ファイルを復号化するためのパスワード(初期パスワード)と、その暗号化ファイルの受領対象者情報を取得、保存しておき、その暗号化ファイルを初期パスワードで復号化した後、受領対象者情報の示すユーザ(受領対象者)の指定するパスワード(変更希望パスワード)で再度暗号化してから、暗号化ファイルの受領要求をした受領対象者に送信する。これにより、受領対象者の望むパスワードに暗号化されたファイルのパスワードを変更して転送することができる。また、暗号化ファイルを取得して保存し、これを受領対象者へ転送するまでの全期間において、暗号化による確実性の高いセキュリティを維持することができる。
【0012】
[2]前記処理部は、前記取得部が取得した前記受領対象者情報の示す受領対象者から前記暗号化されたファイルに対する受領要求を受けたら、前記暗号化されたファイルを前記パスワードで復号化した後、前記受領要求をした受領対象者の指定するパスワードで暗号化する
ことを特徴とする[1]に記載の情報処理装置。
【0013】
上記[2]および下記[11]に係る発明では、受領対象者情報の示すユーザ(受領対象者)から暗号化ファイルの受領要求を受けたときに、その暗号化ファイルを初期パスワードで復号化した後、その受領要求をした受領対象者の指定するパスワード(変更希望パスワード)で再度暗号化する。
【0014】
[3]前記処理部は、前記受領要求を契機に、その受領要求をした受領対象者からパスワードの指定を受ける
ことを特徴とする[2]に記載の情報処理装置。
【0015】
上記[3]および下記[12]に係る発明では、受領対象者から暗号化ファイルの受領要求を受けたことを契機に、変更希望パスワードの指定を受ける。変更希望パスワードの指定は、暗号化ファイルの受領要求と同時に受け付けてもよい。たとえば、暗号化ファイルの受領要求として受け付けた電子メールに変更希望パスワードが添付または記載されていてもよいし、ユーザが情報処理装置にログインし、暗号化ファイルのダウンロード要求をする際に、変更希望パスワードを指定する入力を受けてもよい。また、暗号化ファイルの受領要求後に変更希望パスワードの指定を受けてもよい。
【0016】
[4]前記処理部は、前記受領要求をした受領対象者にパスワードの指定を要求し、この要求に対する応答として前記受領対象者からパスワードの指定を受ける
ことを特徴とする[2]または[3]に記載の情報処理装置。
【0017】
上記[4]および下記[13]に係る発明では、変更希望パスワードの要求に対する返答として受領対象者から変更希望パスワードの指定を受ける。変更希望パスワードの要求方法は、電子メールや、ユーザが情報処理装置にログインし、暗号化ファイルのダウンロード要求をした際に表示部に、変更希望パスワードの要求を表示する方法などがある。
【0018】
[5]前記指定のパスワードが予め登録されている
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の情報処理装置。
【0019】
上記[5]および下記[14]に係る発明では、受領対象者の指定する変更希望パスワードが情報処理装置に予め登録されていてもよい。
【0020】
[6]前記受領要求をした者が前記受領対象者情報の示す受領対象者か否かを認証し、認証に成功した場合に、前記受領要求を有効な受領要求として受け付ける
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0021】
上記[6]および下記[15]に係る発明では、暗号化ファイルの受領要求をした者が前記受領対象者情報の示す受領対象者か否かを認証し、認証に成功した場合にのみ、暗号化ファイルのパスワードを、その受領対象者の指定する変更希望パスワードに変更する。これにより、受領対象者に該当しない者からの変更希望パスワードの指定には対応せず、確実性の高いセキュリティを維持することができる。
【0022】
[7]前記処理部は、前記指定のパスワードで暗号化して得たファイルを記憶部に記憶しておき、前記受領要求をした者から前記ファイルのダウンロード要求を受けた場合に、該ダウンロード要求の要求元へ前記ファイルを送信する
ことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0023】
上記[7]および下記[16]に係る発明では、受領対象者の指定する変更希望パスワードにパスワードを変更したファイル(変更後ファイル)を記憶しておき、受領対象者が情報処理装置にログインし、その変更後ファイルのダウンロード要求をした場合に、そのダウンロード要求の要求元へその変更後ファイルを送信する。
【0024】
[8]前記暗号化されたファイルの受領対象者であることを、前記受領対象者情報が示す受領対象者に通知する
ことを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0025】
上記[8]および下記[17]に係る発明では、転送予定の暗号化されたファイルを取得したら、前記受領対象者情報の示す、そのファイルの受領対象者に、転送予定のファイルを取得した旨を通知する。受領対象者は、電子メールや、情報処理装置にログインし、ダウンロード要求等をすることで、このファイルを要求する。
【0026】
[9]前記取得部は、配布者から前記暗号化されたファイルと、この暗号化されたファイルを復号化するためのパスワードと、前記ファイルの受領対象者情報とを取得し、
前記処理部は、前記暗号化されたファイルを復号化して前記指定のパスワードで暗号化し直したファイルを前記受領対象者情報の示す受領者に対して送信したことを、前記配布者に通知する
ことを特徴とする[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0027】
上記[9]および下記[18]に係る発明では、配布者から、転送予定の暗号化ファイルと、その暗号化ファイルを復号化するためのパスワード(初期パスワード)と、その暗号化ファイルの受領対象者情報を取得、保存しておき、その暗号化ファイルを初期パスワードで復号化した後、受領対象者の指定するパスワード(変更希望パスワード)で再度暗号化する。そして受領要求をした受領対象者にそのファイルを送信(転送)する。その後、暗号化ファイルのパスワードを受領対象者の指定する変更希望パスワードに変更した後、そのファイルを受領対象者に送信(転送)した旨を配布者に通知する。これにより、ファイルが無事に転送された場合は、ファイルが無事に転送されたことを配布者は確認することができる。
【0028】
[10]情報処理装置を、
暗号化されたファイルと、この暗号化されたファイルを復号化するためのパスワードと、前記ファイルの受領対象者情報とを取得し、
前記暗号化されたファイルと、前記パスワードと、前記受領対象者情報とを記憶し、
前記暗号化されたファイルを前記パスワードで復号化した後、前記受領対象者情報の示す受領対象者の指定するパスワードで暗号化し、該指定のパスワードで暗号化して得たファイルを、前記受領対象者からの受領要求に基づいて前記受領対象者に送信する
ように動作させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【0029】
[11]前記情報処理装置を、
前記受領対象者情報の示す受領対象者から前記暗号化されたファイルに対する受領要求を受けたら、前記暗号化されたファイルを前記パスワードで復号化した後、前記受領要求をした受領対象者の指定するパスワードで暗号化する
ように動作させる
ことを特徴とする[10]に記載の情報処理プログラム。
【0030】
[12]前記情報処理装置を、
前記受領要求を契機に、その受領要求をした受領対象者からパスワードの指定を受ける
ように動作させる
ことを特徴とする[11]に記載の情報処理プログラム。
【0031】
[13]前記情報処理装置を、
前記受領要求をした受領対象者にパスワードの指定を要求し、この要求に対する応答として前記受領対象者からパスワードの指定を受ける
ように動作させる
ことを特徴とする[11]または[12]に記載の情報処理プログラム。
【0032】
[14]前記指定のパスワードが予め登録されている
ことを特徴とする[10]または[11]に記載の情報処理プログラム。
【0033】
[15]前記情報処理装置を、
前記受領要求をした者が前記受領対象者情報の示す受領対象者か否かを認証し、認証に成功した場合に、前記受領要求を有効な受領要求として受け付ける
ように動作させる
ことを特徴とする[10]乃至[14]のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【0034】
[16]前記情報処理装置を、
前記指定のパスワードで暗号化して得たファイルを記憶しておき、前記受領要求をした者から前記ファイルのダウンロード要求を受けた場合に、該ダウンロード要求の要求元へ前記ファイルを送信する
ように動作させる
ことを特徴とする[10]乃至[15]のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【0035】
[17]前記情報処理装置を、
前記暗号化されたファイルの受領対象者であることを、前記受領対象者情報が示す受領対象者に通知する
ように動作させる
ことを特徴とする[10]乃至[16]のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【0036】
[18]前記情報処理装置を、
配布者から前記暗号化されたファイルと、この暗号化されたファイルを復号化するためのパスワードと、前記ファイルの受領対象者情報とを取得し、前記暗号化されたファイルを復号化して前記指定のパスワードで暗号化し直したファイルを前記受領対象者情報の示す受領者に対して送信したことを、前記配布者に通知する
ように動作させる
ことを特徴とする[10]乃至[17]のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る情報処理装置によれば、配布者からファイルを受信して保存しこれを受領対象者へ転送するまでの全期間において、暗号化による確実性の高いセキュリティを維持でき、かつ、転送先のユーザの望むパスワードにファイルのパスワードを変更して転送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置が接続された全体システムを示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】全体システムの動作を示す説明図である。
【図4】変更希望パスワードの入力を受けてから暗号化ファイルのパスワードを変更し、かつ転送するファイルを電子メールで送信する場合における転送予定のファイルを転送するまでの処理の流れを示す流れ図である。
【図5】予め記憶してある変更希望パスワードで暗号化ファイルのパスワードを変更し、かつ転送するファイルを電子メールで送信する場合における転送予定のファイルを転送するまでの処理の流れを示す流れ図である。
【図6】変更希望パスワードの入力を受けてから暗号化ファイルのパスワードを変更し、かつ転送予定のファイルのダウンロードを受領対象者から受け付ける処理の流れを示す流れ図である。
【図7】予め記憶してある変更希望パスワードで暗号化ファイルのパスワードを変更し、かつ転送予定のファイルのダウンロードを受領対象者から受け付ける処理の流れを示す流れ図である。
【図8】サーバがファイルを転送する場合の全体システム6を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0040】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置としての画像処理装置10が接続された全体システム6の一例を示している。画像処理装置10は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク2を介して複数台の端末装置5と接続されている。
【0041】
画像処理装置10は、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷するコピージョブ、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部端末へネットワークを通じて送信したりするスキャンジョブ、端末装置5からネットワーク2を通じて受信した印刷データに係る画像を記録紙上に形成して印刷出力するプリントジョブ、ファクシミリ送受信するFAXジョブなどのジョブを実行する機能を備えた複合機(MFP)として構成されている。
【0042】
端末装置5は、画像処理装置10に対して、スキャンジョブやプリントジョブなどのジョブを投入してその実行を要求したり、電子メールの送受信を行う機能を備えた情報処理装置である。端末装置5は、OSプログラムや画像処理装置10のドライバプログラム、電子メールの送受信や文書や画像を作成・編集するアプリケーションプログラムなどがインストールされたパーソナルコンピュータなどで構成される。
【0043】
全体システム6では画像処理装置10は、複数ある端末装置5の一つから配布者が送信したファイルを受信し、配布者が指定する受領対象者の使用する端末装置5へそのファイルを転送する。配布者から受信したファイルが暗号化されたファイル(暗号化ファイル)であった場合、転送先の受領者の望むパスワードでファイルの暗号化を解除できるように、暗号化ファイルのパスワードを変更する機能(希望パスワードへの変更機能)を果たす。
【0044】
本例では、配布者から、転送予定のファイル(暗号化ファイル、非暗号化ファイル)と、このファイルの受領対象者が登録された受領対象者リストと、転送予定のファイルが暗号化ファイルの場合はこのファイルの復号化に使用するパスワード(初期パスワード)とを受信して保存する。この受領対象者リストに登録されている受領対象者に暗号化ファイルを提供する場合には、配布者から受けた初期パスワードで暗号化ファイルを一度復号化し、これを受領対象者の指定するパスワードで暗号化し直すようになっている。
【0045】
図2は、画像処理装置10の概略構成を示している。画像処理装置10は、当該画像処理装置10の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)11とこのCPU11に接続されたROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、不揮発メモリ14と、ハードディスク装置15と、表示部16と、操作部17と、ネットワークI/F部19と、スキャナ部20と、画像処理部21と、プリンタ部22と、ユーザ認証部23と、パスワード変更部24とで構成されている。
【0046】
CPU11はOSプログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどが実行される。ROM12には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が処理を実行することでジョブの実行など画像処理装置10の各機能が実現される。RAM13はCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。
【0047】
不揮発メモリ14は、電源がオフにされても記憶が保持できる書き換え可能なメモリ(フラッシュメモリ)である。不揮発メモリ14には、装置固有の情報や各種の設定情報などが記憶される。ハードディスク装置15は、大容量の不揮発の記憶装置であり、OSプログラムや各種アプリケーションプログラム、印刷データや画像データ、ジョブ履歴などが保存される。
【0048】
画像処理装置10の操作パネルは表示部16と操作部17を備えて構成される。表示部16は、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などの画面で構成され、各種の操作画面、設定画面などを表示する機能を果たす。操作部17は、ユーザからジョブの投入や設定など各種の操作を受け付ける機能を果たす。操作部17は、表示部16の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルのほかテンキーや文字入力キー、スタートキーなどを備えて構成される。
【0049】
ネットワークI/F部19は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて接続されている他の外部装置などと通信を行う。
【0050】
スキャナ部20は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。スキャナ部20は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変更する変更部などを備えて構成される。
【0051】
画像処理部21は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変更するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理を行う。
【0052】
プリンタ部22は、画像データに応じた画像を記録紙上に画像形成する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。画像形成は、インクジェット方式や、他の方式でもかまわない。
【0053】
ユーザ認証部23は、ユーザ認証を行う機能を果たす。具体的には、パスワードの変更を希望するユーザが、配布者の指定する受領対象者であるか否かを判断する。
【0054】
パスワード変更部24は、配布者から受領した暗号化ファイルのパスワードを、ファイル転送先のユーザ(受領対象者)の望むパスワードに変更する機能を果たす。
【0055】
次に、全体システム6の動作をより詳細に説明する。
【0056】
図3は全体システム6の動作の一例を示す説明図である。図3では、ファイルの配布者Aが使用する端末装置5Aと、画像処理装置10と、ユーザBの使用する端末装置5Bがネットワークで接続されている。
【0057】
画像処理装置10は、ファイルの配布者Aが使用する端末装置5Aから転送予定の暗号化されたファイル(暗号化ファイル30)と受領対象者リスト31と、連絡先32と、初期パスワード33とを受信する。受領対象者リスト31は配布者Aの指定する暗号化ファイル30の転送先の端末装置5を使用するユーザ(受領対象者)のリストであり、一人でも複数人でもよい。連絡先32は、受領対象者への連絡用情報(電子メールアドレス等)である。なお、受領対象者リスト31の中に受領対象者の連絡用情報を含めれば、別途、連絡先32の情報を受ける必要はない。また。たとえば、アドレス帳として全ユーザを登録しておけば、受領対象者リストで指定された受領対象者の連絡用情報をアドレス帳から取得できるので、受領対象者リストを配布者から受信する都度に連絡用情報を受けなくてもよい。初期パスワード33は配布者Aが暗号化ファイル30を復号するために設定したパスワードである。
【0058】
その後、画像処理装置10は、受領対象者リスト31の情報の示す受領対象者(図3ではユーザB)の送信先である電子メールアドレスを連絡先32から参照し、転送予定の暗号化ファイルがあることを通知する電子メールを送信する。この電子メールを見た受領対象者は、この電子メールの返信メールをファイルの受領要求として送信する。画像処理装置10は、受領対象者から転送予定のファイルの受領要求を受け付けたら、変更希望パスワードを要求する旨の電子メールを送信する。変更希望パスワードは、受領対象者の指定するパスワードであり、画像処理装置10が暗号化ファイル30に設定されたパスワードを変更する際に変更後のパスワードとして使用される。画像処理装置10は受領対象者から変更希望パスワードの入力を受け付けると、暗号化ファイル30のパスワードを、先程入力された変更希望パスワードにパスワード変更部24によって変更し、受領対象者の使用する端末装置5(ここでは端末装置5B)へ送信する。
【0059】
画像処理装置10は変更希望パスワードにパスワードを変更したファイル(変更後ファイル)を受領対象者に送信したら、その送信先にファイル送信完了の通知を行う。そして配布者Aに暗号化ファイル30のパスワードを変更し、受領対象者に送信した旨の通知を行う。
【0060】
変更後ファイルを受領対象者の使用する端末装置5に送信する方法としては、電子メールに変更後ファイルを添付して送信する方法や、受領対象者からダウンロード要求があったときに送信する方法がある。画像処理装置10はユーザから変更後ファイルのダウンロードを要求された際には、そのダウンロード要求を行ったユーザが受領対象者であるか否かを判断するためにユーザ認証を行う。ユーザ認証はユーザが画像処理装置10にログインした時に行ってもよい。ユーザ認証の結果そのユーザが受領対象者であるならば、暗号化ファイル30のパスワードを、パスワード変更部24によって受領対象者の指定する変更希望パスワードに変更し、先のダウンロード要求を有効なものとして、受領対象者の使用する端末装置5に変更後ファイルを送信する。
【0061】
画像処理装置10が暗号化ファイル30のパスワードを変更する際には、まずパスワード変更部24が、配布者Aによって暗号化ファイル30に設定されたパスワードである初期パスワード33を使用して暗号化ファイル30を復号化する。そして、その復号化により得たファイルを変更希望パスワードで復号化できるように再度暗号化する。図3では、画像処理装置10は暗号化ファイル30のパスワードを初期パスワード(AAAAA)から受領対象者であるBの指定する変更希望パスワード(BBBBB)に変更している。
【0062】
受領対象者からの変更希望パスワードの入力は、電子メールの送信、または画像処理装置10へのアクセスなどによって行われる。受領対象者が電子メールの送信によって変更希望パスワードを画像処理装置10に通知する場合、画像処理装置10から受領対象者へ送信された電子メール(変更希望パスワードを要求する電子メール)の返信メールや、画像処理装置10から受領対象者へ送信された電子メールに記載された返信用アドレスにパスワードを記載して電子メールを送信する方法などがある。変更希望パスワードを電子メールで送信する際には、電子メールの本文に変更希望パスワード記載したり、変更希望パスワードが登録されたファイルを電子メールに添付して送信する。また、画像処理装置10から受領対象者へ送信した電子メールにリンクを張っておき、ユーザがそのリンクに対応するWeb(World Wide Web)画面にてパスワードを入力する方法もある。
【0063】
受領対象者は、変更希望パスワードを変更後ファイルの受領要求と同時に入力することができる(ただし、このときはまだ暗号化ファイル30しか存在しない)。たとえば、転送予定の暗号化ファイルがあることを通知する電子メールの返信メールに記載する場合がある。画像処理装置10にログインする時、または変更後ファイルのダウンロードを要求する時に変更希望パスワードを入力してもよい。その際には、画像処理装置10が変更希望パスワードの要求を表示部16に表示する。
【0064】
なお、受領対象者の指定する変更希望パスワードは、予め画像処理装置10に登録しておいてもよい。その際には、変更希望パスワードの要求は事前に行われる。また、受領対象者リスト31と、連絡先32と、初期パスワード33についても予め画像処理装置10に登録されていてもよい。
【0065】
画像処理装置10が変更後ファイルを受領対象者へ提供する際の送信方法には、電子メールの送信による方法(送信方法A)と、受領対象者からのダウンロード要求によって送信する方法(送信方法B)がある。また、画像処理装置10が変更希望パスワードを取得する方法は、変更希望パスワードの入力を受領対象者から受け付ける方法(取得方法C)と、変更希望パスワードを画像処理装置10に予め記憶しておく方法(取得方法D)がある。これらのファイルの送信方法と、変更希望パスワードの取得方法の組み合わせ4通りについて説明する。
【0066】
<送信方法A−取得方法Cの組み合わせ>
図4は画像処理装置10が配布者から受信したファイルを電子メールで転送する処理において、変更希望パスワードの入力を受領対象者から受け付ける場合の処理の流れを示す。
【0067】
まず、画像処理装置10は配布者から、転送予定のファイル(暗号化ファイル、非暗号化ファイル)、初期パスワード(転送予定のファイルが暗号化ファイルだった場合)、受領対象者リスト、連絡先(電子メールアドレス)を受信する(ステップS101)。受信した転送予定のファイルが暗号化ファイルでないならば(ステップS102;No)、受領対象者リストに登録されている受領対象者の連絡先にそのファイルを電子メールで送信する(ステップS108)。その後配布者に、転送完了の通知を行って(ステップS109)処理を終了する。受領対象者リストに複数人の受領対象者が登録されている場合は、登録されているすべての受領対象者についてファイルを送信する。
【0068】
受信した転送予定のファイルが暗号化ファイルであった場合(ステップS102;Yes)、まず受領対象者に転送予定の暗号化ファイルがあることを通知する(ステップS103)。そして受領対象者からの変更希望パスワードの入力を受け付ける(ステップS104)。変更希望パスワードの入力が無ければ(ステップS104;No)ステップS104に戻る。受領対象者から変更希望パスワードの入力を受けたら(ステップS104;Yes)、暗号化ファイルのパスワードを受領対象者から入力された変更希望パスワードに変更する(ステップS105)。変更後ファイルを対応する受領対象者の連絡先に電子メールで送信する(ステップS106)。その後配布者に、パスワードを変更したファイルの転送が完了した通知を行って(ステップS107)処理を終了する。
【0069】
<送信方法A−取得方法Dの組み合わせ>
図5は画像処理装置10が配布者から受信したファイルを電子メールで転送する処理において、受領対象者の指定する変更希望パスワードが画像処理装置10に予め記憶されている場合の処理の流れを示す。
【0070】
まず、画像処理装置10は配布者から、転送予定のファイル(暗号化ファイル、非暗号化ファイル)、初期パスワード(転送予定のファイルが暗号化ファイルだった場合)、受領対象者リスト、連絡先(電子メールアドレス)を受信する(ステップS201)。受信した転送予定のファイルが暗号化ファイルでないならば(ステップS202;No)、受領対象者リストの受領者の連絡先にそのファイルを電子メールで送信する(ステップS208)。その後配布者に、転送完了の通知を行って(ステップS209)処理を終了する。
【0071】
受信した転送予定のファイルが暗号化ファイルであった場合(ステップS202;Yes)、まず受領対象者に転送予定のファイルがあることを通知する(ステップS203)。次に、予め記憶されている受領対象者それぞれに対応する変更希望パスワードを参照し(ステップS204)、暗号化ファイルのパスワードを、送信先の受領対象者に対応する変更希望パスワードに変更する(ステップS205)。そして変更後ファイルを対応する受領対象者の連絡先に電子メールで送信する(ステップS206)。その後配布者に、パスワードを変更したファイルの転送が完了した通知を行って(ステップS207)処理を終了する。
【0072】
<送信方法B−取得方法Cの組み合わせ>
図6は画像処理装置10が受領対象者からのログインとダウンロード要求によって、変更後ファイルを受領対象者に送信する際に、変更希望パスワードの入力を受領対象者から受け付ける場合の処理の流れを示す。
【0073】
まず、画像処理装置10は配布者から、転送予定のファイル(暗号化ファイル、非暗号化ファイル)、初期パスワード(転送予定のファイルが暗号化ファイルだった場合)、受領対象者リスト、連絡先(電子メールアドレス)を受信する(ステップS301)。受信した転送予定のファイルが暗号化ファイルでないならば(ステップS302;No)、ユーザ(受領対象者)からのログインを受け付ける(ステップS314)。ログインを受け付ける際には、ユーザ認証部23がログインするユーザが受領対象者であるか否かを判断するユーザ認証を行う。受領対象者からのログインが無ければ(ステップS314;No)、ステップS314に戻る。受領対象者からのログインを受け付けると(ステップS314;Yes)、受領対象者から転送予定のファイルのダウンロード要求を受け付ける(ステップS315)。受領対象者から転送予定のファイルのダウンロード要求が無ければ(ステップS315;No)、ステップS315に戻る。受領対象者から転送予定のファイルのダウンロード要求を受け付けたら(ステップS315;Yes)、受領対象者に転送予定のファイルを送信した後、配布者に、転送完了の通知を行って(ステップS316)処理を終了する。
【0074】
受信した転送予定のファイルが暗号化ファイルであった場合(ステップS302;Yes)、まず受領対象者に転送予定の暗号化ファイルがあることを通知する(ステップS303)。そして受領対象者からの変更希望パスワードの入力を受け付ける(ステップS304)。変更希望パスワードの入力が無ければ(ステップS304;No)ステップS306に進む。受領対象者からの変更希望パスワードの入力を受けたら(ステップS304;Yes)、暗号化ファイルのパスワードをステップS304で受領対象者から入力された変更希望パスワードに変更し(ステップS305)、ステップS306に進む。ステップS304で受領対象者からの変更希望パスワードの入力を受け付ける期間は適宜設定すればよい。
【0075】
受領対象者にログインを要求する通知を行ったら(ステップS306)、受領対象者のログインを受け付ける(ステップS307)。ログインを受け付ける際には、ユーザ認証部23がログインするユーザが受領対象者であるか否かを判断するユーザ認証を行う。受領対象者からのログインが無ければ(ステップS307;No)、ステップS304に戻って処理を継続する。
【0076】
受領対象者からのログインを受け付けた際に(ステップS307;Yes)、暗号化ファイルのパスワードを、ステップS307でログインした受領対象者に対応する変更希望パスワードに変更済みであれば(ステップS308;Yes)、受領対象者から変更後ファイルのダウンロード要求を受け付ける(ステップS309)。受領対象者から変更後ファイルのダウンロード要求が無ければ(ステップS309;No)、ステップS309に戻る。受領対象者から変更後ファイルのダウンロード要求を受け付けたら(ステップS309;Yes)、受領対象者に変更後ファイルを送信した後、配布者に、パスワードを変更したファイルの転送が完了した通知を行って(ステップS310)処理を終了する。
【0077】
ステップS308において暗号化ファイルのパスワードを、ログインした受領対象者に対応する変更希望パスワードにまだ変更していなければ(ステップS308;No)、ログインした受領対象者に変更希望パスワードの入力を促す表示を行う(ステップS311)。その後、ログインした受領対象者からの変更希望パスワードの入力を受け付ける(ステップS312)。変更希望パスワードの入力が無ければ(ステップS312;No)ステップS312に戻る。受領対象者からの変更希望パスワードの入力を受けたら(ステップS312;Yes)、暗号化ファイルのパスワードをステップS312で受領対象者から入力された変更希望パスワードに変更し(ステップS313)、ステップS308に戻り処理を継続する。
【0078】
<送信方法B−取得方法Dの組み合わせ>
図7では画像処理装置10が受領対象者からのログインとダウンロード要求によって、変更後ファイルを受領対象者に送信する際に、予め変更希望パスワードが画像処理装置10に記憶されている場合の動作の流れを示す。
【0079】
まず、画像処理装置10が配布者から、転送予定のファイル(暗号化ファイル、非暗号化ファイル)、初期パスワード(転送予定のファイルが暗号化ファイルだった場合)、受領対象者リスト、連絡先(電子メールアドレス)を受信する(ステップS401)。受信した転送予定のファイルが暗号化ファイルでないならば(ステップS402;No)、ユーザ(受領対象者)からのログインを受け付ける(ステップS412)。ログインを受け付ける際には、ユーザ認証部23がログインするユーザが受領対象者であるか否かを判断するユーザ認証を行う。受領対象者からのログインが無ければ(ステップS412;No)、ステップS412に戻る。
【0080】
受領対象者からのログインを受け付けると(ステップS412;Yes)、受領対象者から転送予定のファイルのダウンロード要求を受け付ける(ステップS413)。受領対象者から転送予定のファイルのダウンロード要求が無ければ(ステップS413;No)、ステップS413に戻る。受領対象者から転送予定のファイルのダウンロード要求を受け付けたら(ステップS413;Yes)、転送予定のファイルを受領対象者に送信する。そして配布者に、転送完了の通知を行って(ステップS414)処理を終了する。
【0081】
受信した転送予定のファイルが暗号化ファイルであった場合(ステップS402;Yes)、まず受領対象者に転送予定の暗号化ファイルがあることを通知する(ステップS403)。次に、予め記憶されている受領対象者それぞれに対応する変更希望パスワードを参照し(ステップS404)、暗号化ファイルのパスワードを、送信先の受領対象者に対応する変更希望パスワードに変更する(ステップS405)。そして受領対象者にログインを要求する通知を行ったら(ステップS406)、受領対象者のログインを受け付ける(ステップS407)。ログインを受け付ける際には、ユーザ認証部23がログインするユーザが受領対象者であるか否かを判断するユーザ認証を行う。受領対象者からのログインが無ければ(ステップS407;No)、ステップS407に戻って処理を継続する。
【0082】
受領対象者からのログインを受け付けたら(ステップS407;Yes)、ステップS404で参照した変更希望パスワードが変更されているか否かを確認する(ステップS408)。変更が無ければ(ステップS408;No)ステップS410に進む。変更を確認したら(ステップS408;Yes)ステップS405で変更したパスワードからステップS408で確認された変更希望パスワードに、改めて変更する(ステップS409)。
【0083】
そして、受領対象者から変更後ファイルのダウンロード要求を受け付ける(ステップS410)。受領対象者から変更後ファイルのダウンロード要求が無ければ(ステップS410;No)、ステップS408に戻る。受領対象者から変更後ファイルのダウンロード要求を受け付けたら(ステップS410;Yes)、変更後ファイルを受領対象者に送信し、配布者にパスワードを変更したファイルの転送が完了した通知を行って(ステップS411)処理を終了する。
【0084】
なお、本発明において配布者が暗号化ファイルに設定するパスワード(初期パスワード)とは、個々のファイルを開くための、ファイル固有のパスワードであり、配布者固有のパスワード(たとえば、サーバなどへのアクセス用のパスワード)ではないことが好ましい。一方、受領対象者が指定するパスワード(変更希望パスワード)は、各受領対象者固有のパスワードであれば良く、メールサーバーなどのログインID(Identification)のパスワードを利用しても良いし、ネットワークなどにログインするためのユーザーアカウントのパスワードを利用しても良い。また、受領対象者が指定するパスワードの種類は問わない(英数字の暗証番号、指紋認証、静脈認証など・・・)。
【0085】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0086】
本発明の実施の形態では、情報処理装置の役割を画像処理装置が担っていたが、図8に示すようなネットワーク2に接続されているサーバ40などでもよい。
【0087】
本発明の実施の形態では、情報処理装置10は受領対象者からの暗号化ファイルの受領要求を契機に、暗号化ファイルのパスワードを変更希望パスワードに変更していた。しかし受領対象者の指定する変更希望パスワードが情報処理装置10に予め登録されている場合は、受領対象者から暗号化ファイルの受領要求を受ける前に暗号化ファイルのパスワードを変更希望パスワードに変更してもよい。たとえば、配布者から暗号化ファイルを取得した時点で、情報処理装置10に予め登録されている受領対象者の指定する変更希望パスワードに、暗号化ファイルのパスワードを変更し、保存しておいてもよい。変更希望パスワードに変更されたファイル(変更後ファイル)は、暗号化されたファイルなので、セキュリティの確実性は維持される。
【符号の説明】
【0088】
2…ネットワーク
5…端末装置
5A…配布者Aの使用する端末装置
5B…ユーザBの使用する端末装置
6…全体システム
10…画像処理装置
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…不揮発メモリ
15…ハードディスク装置
16…表示部
17…操作部
19…ネットワークI/F部
20…スキャナ部
21…画像処理部
22…プリンタ部
23…ユーザ認証部
24…パスワード変更部
30…暗号化ファイル
31…受領対象者リスト
32…連絡先
33…初期パスワード
40…サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗号化されたファイルと、この暗号化されたファイルを復号化するためのパスワードと、前記ファイルの受領対象者情報とを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記暗号化されたファイルと、前記パスワードと、前記受領対象者情報とを記憶する記憶部と、
前記暗号化されたファイルを前記パスワードで復号化した後、前記受領対象者情報の示す受領対象者の指定するパスワードで暗号化し、該指定のパスワードで暗号化して得たファイルを、前記受領対象者からの受領要求に基づいて前記受領対象者に送信する処理部と、
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記取得部が取得した前記受領対象者情報の示す受領対象者から前記暗号化されたファイルに対する受領要求を受けたら、前記暗号化されたファイルを前記パスワードで復号化した後、前記受領要求をした受領対象者の指定するパスワードで暗号化する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記受領要求を契機に、その受領要求をした受領対象者からパスワードの指定を受ける
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記受領要求をした受領対象者にパスワードの指定を要求し、この要求に対する応答として前記受領対象者からパスワードの指定を受ける
ことを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記指定のパスワードが予め登録されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受領要求をした者が前記受領対象者情報の示す受領対象者か否かを認証し、認証に成功した場合に、前記受領要求を有効な受領要求として受け付ける
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記指定のパスワードで暗号化して得たファイルを記憶部に記憶しておき、前記受領要求をした者から前記ファイルのダウンロード要求を受けた場合に、該ダウンロード要求の要求元へ前記ファイルを送信する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記暗号化されたファイルの受領対象者であることを、前記受領対象者情報が示す受領対象者に通知する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、配布者から前記暗号化されたファイルと、この暗号化されたファイルを復号化するためのパスワードと、前記ファイルの受領対象者情報とを取得し、
前記処理部は、前記暗号化されたファイルを復号化して前記指定のパスワードで暗号化し直したファイルを前記受領対象者情報の示す受領者に対して送信したことを、前記配布者に通知する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置を、
暗号化されたファイルと、この暗号化されたファイルを復号化するためのパスワードと、前記ファイルの受領対象者情報とを取得し、
前記暗号化されたファイルと、前記パスワードと、前記受領対象者情報とを記憶し、
前記暗号化されたファイルを前記パスワードで復号化した後、前記受領対象者情報の示す受領対象者の指定するパスワードで暗号化し、該指定のパスワードで暗号化して得たファイルを、前記受領対象者からの受領要求に基づいて前記受領対象者に送信する
ように動作させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項11】
前記情報処理装置を、
前記受領対象者情報の示す受領対象者から前記暗号化されたファイルに対する受領要求を受けたら、前記暗号化されたファイルを前記パスワードで復号化した後、前記受領要求をした受領対象者の指定するパスワードで暗号化する
ように動作させる
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記情報処理装置を、
前記受領要求を契機に、その受領要求をした受領対象者からパスワードの指定を受ける
ように動作させる
ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
前記情報処理装置を、
前記受領要求をした受領対象者にパスワードの指定を要求し、この要求に対する応答として前記受領対象者からパスワードの指定を受ける
ように動作させる
ことを特徴とする請求項11または12に記載の情報処理プログラム。
【請求項14】
前記指定のパスワードが予め登録されている
ことを特徴とする請求項10または11に記載の情報処理プログラム。
【請求項15】
前記情報処理装置を、
前記受領要求をした者が前記受領対象者情報の示す受領対象者か否かを認証し、認証に成功した場合に、前記受領要求を有効な受領要求として受け付ける
ように動作させる
ことを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【請求項16】
前記情報処理装置を、
前記指定のパスワードで暗号化して得たファイルを記憶しておき、前記受領要求をした者から前記ファイルのダウンロード要求を受けた場合に、該ダウンロード要求の要求元へ前記ファイルを送信する
ように動作させる
ことを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【請求項17】
前記情報処理装置を、
前記暗号化されたファイルの受領対象者であることを、前記受領対象者情報が示す受領対象者に通知する
ように動作させる
ことを特徴とする請求項10乃至16のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【請求項18】
前記情報処理装置を、
配布者から前記暗号化されたファイルと、この暗号化されたファイルを復号化するためのパスワードと、前記ファイルの受領対象者情報とを取得し、前記暗号化されたファイルを復号化して前記指定のパスワードで暗号化し直したファイルを前記受領対象者情報の示す受領者に対して送信したことを、前記配布者に通知する
ように動作させる
ことを特徴とする請求項10乃至17のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−45241(P2013−45241A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181742(P2011−181742)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】